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伊東委員 私は、自由民主党を代表しまして、
政府に
質問をいたしたいと思います。
まず
質問に先立ちまして、去る一月七日に崩御されました
昭和天皇の御冥福を心からお祈り申し上げる次第でございます。つきましては、今月の二十四日に世界から百五十カ国余になりますか、元首初め弔問の代表が見えるわけでございますので、この
大喪の礼が厳粛なうちにも滞りなくとり行うことができますように、
政府として諸般の準備その他よろしくお願いを申し上げる次第でございます。
新
天皇になりまして、元号も
平成ということになったのでございますが、この
平成の
意味は、内外に平和が到来する
意味だと私どもは解釈しておりますので、その精神に従いまして、国民の負託を負っている我々国
会議員は、日本の繁栄、平和のために一層努力せなければいかぬ、新しくここに誓う次第でございます。
それから、
竹下総理は、就任以来外国にも十回ほどおいでになりましたが、外国との関係も友好関係を結んでおられますが、特に
二つの点で大きな改革をなし遂げられたのでございます。
それは、一つは、これから到来する日本の高齢化時代に備えて財政の安定した財源を得ていく、財政を安定させるという
意味からしまして税制の抜本改正をやられたのでございます。これは、亡くなった大平
総理が一般消費税をやりましてからちょうど十年でございますが、十年にしてこの大改革を、法律を国会を通されたのでございます。
もう一つは、アメリカとの間で長年問題になっておりました農産物の自由化の問題を片づけられたのでございます。
この
二つの点は、税は今も社会党の同僚の諸君から御
質問もありましたが、なかなか難しい問題でございます。新しく税を納める人も出てくるわけでございますので、なかなか最初は定着しにくいだろうということは想像できます。また農産物の自由化も、農村で十分な説明がまだ行われておらぬということで方々でいろいろな意見を聞くわけでございますが、私は、この
二つの改革は将来から見て、あれはどうしても必要だった、やっておいてよかったという評価を必ず得るというふうに思っているわけでございまして、今後とも二十一世紀にかけての節目の難しい日本のかじ取りをやられるわけでございますので、ひとつ
総理としての御健闘を祈る次第でございます。
きょうは、私と同僚の綿貫民輔君と二人で代表
質問をいたします。私は主に外交、それから政治改革に限りまして御
質問をいたしますが、残余の点は綿貫同僚
委員に譲りたい、こういうふうに思う次第でございます。
まず外交の問題でございますが、日本が今日まで、国民の英知と努力によって戦後廃墟の中からこの日本を築き上げたのでございまして、これからの日本の役目は、難しい国際場裏にあって国際的に貢献をしていくということが日本の役割だというふうに私は思っているわけでございます。これにはいろいろあるわけでございますが、国際的に貢献するといいましても、まず日本の内部でしっかりしておかなければいかぬということで、国内の景気、内需振興の問題、あるいは外国との関係で市場開放の問題でございますとか、規制の緩和でございますとか、いろいろな経済の構造調整、改善をするということが
前提だろうと思うわけでございます。幸いにして内需振興につきましては、経済界あるいは国民みんなの努力によりまして今好景気であることは御承知のとおりでございますが、しかし、今後まだ市場開放の問題あるいは流通の問題、経営の問題等にいろいろな規制が外国から見れば残っておるわけでございます。これからの外国とのつき合いをしていく上にこれらの規制緩和ということは、これは国内では痛い。それによって影響を受ける人もあるわけで、痛いことではございますが、やはり
政府は勇断を持って、国際場裏にこれからつき合いをしていくという面では、この努力はどうしてもやらなければならぬことだというふうに国内的にはまず思うわけでございます。
それから、国際場裏での貢献でございますが、日本は敗戦からの復興に当たってエロア・ガリオアでございますとか西側の諸国から非常な恩恵を受けて今日まで来ったわけでございますので、この恩恵を受けたということを頭に置いて、謙虚な態度で日本として、最大の黒字国にもなった、債権国にもなったのでございますから、謙虚な態度で世界の繁栄のために、また平和のために協力をしていくということが大切であると思うのでございます。
総理は、国際協力ということの中で平和の協力あるいは国際文化交流の強化とかODAの拡充とか、三つを大目標に掲げて政策に取り組ん
でおられるわけでございますが、私はこれは非常に時宜に適したものであると思いますし、その政策を高く評価している一人でございます。
そのうちの国際平和の協力でございますが、御承知のような、日本は軍事的には
憲法その他で専守防衛でございますから、軍事的な協力を外国にするということはできないことは御承知のとおりでございますので、外国からの期待は、経済的に協力をしてもらいたいというようなことがあると同時に、平和の協力の中で、いろいろな協力の中で、ひとつ人的協力ということを非常に期待していると思うのです。軍事以外の面で、医療の面でございますとかその他いろいろな面で人的協力ができるわけでございます。この人的協力というのは、これから外国が、今まではお金、お金と言っていたのでございますが、日本としてもできる範囲でございまして、今後とも軍事以外の人の協力をしていく必要がありますが、国民の意識はまだなかなかそこまでに追いついていないのではないかということを私は心配するわけでございまして、人を送り出す体制とかそういうことがまだできておらぬわけでございますから、この点はひとつ十分にこれからも対応できるように
政府としてどう考えておられるか、後でお教えを願いたいと思うわけでございます。
それからもう一つのODAの拡充でございます。
これは日本が従来もやっておりましたし、世界から非常に期待されているところでございまして、ことしもたしか事業規模では一兆四千億ぐらいになったはずでございます。量では世界の一番にもなるということでございますが、残念ながら質の面、質の改善というのは非常におくれている、これは御承知のとおりだと思うのです。贈与という比率をとってみましても、これはたしか世界で十八番目ぐらいの下の方におりますし、あるいは技術協力でも十四番目とか、これはもう質の点では非常におくれているわけでございますので、この改善の問題と一緒に、経済協力についてはいろいろなことが批判されているわけでございます。実施体制が不十分じゃないかとか、援助した後のトレースができてないのじゃないかとか、いろいろな批判があるわけでございますが、この批判にたえ得るような体制をひとつつくっていきますように、これは
政府でも十分考えていただきたいという点がございます。
それからもう一つ、
総理が言われる国際文化交流の強化でございますが、これも始まったのは比較的遅いわけでございまして、十分な国際経済協力とかODAに比較しますと、まだなかなかそこに至っていないわけでございますので、文化の交流というのはやはり外交上非常に大切なことでございますので、予算とか税制の面で飛躍的な対策を国際文化交流でも考えていただきたい。これは後で御意見を
伺いたいと思うわけでございます。
それから、これは国際貢献の中で
総理が言われている三つの問題でございますが、世界的な場面を見ますと、日本の国際貢献の中で、やはり日本がしっかりしていかなければいかぬじゃないかということは自由貿易の堅持ということだと私は思うわけでございます。この自由貿易の恩恵を日本はうんと受けて今日までに来ったわけでございますので、ガットの体制の維持、最近はニューラウンド
方式がございますが、これに協力して世界の自由貿易が今よりも広くなっていくという努力を私は日本がすべきだと思っておるわけでございます。
また、最近は米加、アメリカとカナダの自由貿易協定とか、あるいはECが一九九二年までに市場を統合するということを言われておりますが、あの動きの中に地域主義とか保護主義の動きはないかどうか、私は非常に心配するわけでございます。また、アジア・太平洋地域でも地域の貿易についていろいろな問題がありますが、私はその点、保護主義とか地域主義とか、そういうことにならぬようにこれは注意をしていかなければいかぬと思うわけでございます。その点、十分に
政府の方で考えておられるだろうし、また、ECの市場統合等にはどういうふうに対処するかというようなことを、お考えがあれば後ほどお聞かせを願いたいと思うわけでございます。
それとあわせまして、やはり世界経済の関係の中で累積債務の問題がございます。これは一兆三千億ぐらいになるはずでございまして、これが世界経済の破綻といいますか、大きな影響があるわけでございます。日本は御承知のように世界第一位の黒字国でございますから、日本の役割というのはこの中で非常に大きいというふうに私は思うわけでございます。前の
内閣でございましたが、三百億の資金還流の問題がございました。あれはもうだんだん期限が来ると思うのですが、あれはどうなっているか、その後どうされるか、
政府の
見解もひとつお願い申し上げたいと思います。
それから、国際貢献の中の最後の問題でございますが、最近は地球規模のいろいろな問題が起きているわけでございます。発展途上国の食糧の問題、医療の問題等あることはもちろんでございますが、最近は地球規模の環境問題というのがやかましくなっておるわけでございます。酸性雨の問題、あるいは砂漠化の問題でございますとか地球の温暖化の問題とか、いろいろ問題がありますが、こうした国々は日本の資金、技術に非常に期待をしている、日本がうんと働いてくれるんじゃないかと期待をしておるわけでございますので、この面で日本がまた活躍するということは、日本の世界に対する大きな貢献にもなるわけでございます。
世界の中の日本の貢献の問題、いろいろ申し上げましたが、これらにつきまして
総理あるいは外務大臣か、どちらでも結構でございますが、ひとつ
政府はどういうふうに考えているかということを
お答えを願いたいと思います。