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1989-06-21 第114回国会 衆議院 本会議 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成元年六月二十一日(水曜日)     —————————————  議事日程 第二十三号   平成元年六月二十一日     午後一時開議  第一 法例の一部を改正する法律案内閣提出     、参議院送付)  第二 肥料価格安定臨時措置法を廃止する法律     案(内閣提出参議院送付)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  日程第一 法例の一部を改正する法律案内閣   提出参議院送付)  日程第二 肥料価格安定臨時措置法を廃止する   法律案内閣提出参議院送付)  実演家レコード製作者及び放送機関保護に   関する国際条約締結について承認を求める   の件(参議院送付)  千九百六十七年七月十四日にストックホルムで   及び千九百七十七年五月十三日にジュネーヴ   で改正され並びに千九百七十九年十月二日に   修正された標章登録のための商品及びサー   ビスの国際分類に関する千九百五十七年六月   十五日のニース協定締結について承認を求   めるの件(参議院送付)  信用金庫法の一部を改正する法律案内閣提出   、参議院送付)  民間事業者能力活用による特定施設整備   の促進に関する臨時措置法の一部を改正する   法律案内閣提出参議院送付)  道路法等の一部を改正する法律案内閣提出、   参議院送付)  衆議院解散要求に関する決議案山口鶴男君外   二名提出)     午後一時二分開議
  2. 田村元

    議長田村元君) これより会議を開きます。      ————◇—————  日程第一 法例の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付
  3. 田村元

    議長田村元君) 日程第一、法例の一部を改正する法律案議題といたします。  委員長報告を求めます。法務委員長戸塚進也君。     —————————————  法例の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾掲載〕     —————————————     〔戸塚進也登壇
  4. 戸塚進也

    戸塚進也君 ただいま議題となりました法律案について、法務委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、近時の諸外国における国際私法国籍法等改正の動向及び最近の我が国における渉外婚姻を初めとする渉外的身分関係事件の増加にかんがみ、現行法例が夫の本国法、父の本国法といった男系中心準拠法指定方式をとっているのを改め、婚姻の効力、夫婦財産制及び離婚の準拠法夫婦に共通して関係する法律とし、親子間の法律関係準拠法を子の属人法とする等により、婚姻関係及び親子関係における準拠法指定を両性平等の精神または子の福祉の理念に一層即したものに改めるとともに、本国法決定等に関し所要規定整備をしようとするものであります。  本案は、参議院先議に係るもので、去る十九日参議院において原案のとおり可決され、本院に送付されたものであります。  委員会においては、昨二十日提案理由説明を聴取した後、質疑を行い、これを終了し、直ちに採決を行った結果、本案全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  5. 田村元

    議長田村元君) 採決いたします。  本案委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 田村元

    議長田村元君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第二 肥料価格安定臨時措置法を廃止する法律案内閣提出参議院送付
  7. 田村元

    議長田村元君) 日程第二、肥料価格安定臨時措置法を廃止する法律案議題といたします。  委員長報告を求めます。農林水産委員長近藤元次君。     —————————————  肥料価格安定臨時措置法を廃止する法律案及び同報告書     〔本号末尾掲載〕     —————————————     〔近藤元次登壇
  8. 近藤元次

    近藤元次君 ただいま議題となりました肥料価格安定臨時措置法を廃止する法律案につきまして、農林水産委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、最近の農業及び肥料工業をめぐる状況にかんがみ、肥料価格安定臨時措置法を本年六月三十日をもって廃止しようとするものであります。  本案は、去る六月十九日参議院より送付され、同日本委員会付託されました。  委員会におきましては、六月二十日堀之内農林水産大臣から提案理由説明を聴取した後、質疑を行い、同日質疑を終局し、直ちに採決いたしました結果、本案全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  なお、本案に対し附帯決議が付されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  9. 田村元

    議長田村元君) 採決いたします。  本案委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 田村元

    議長田村元君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————
  11. 金子原二郎

    金子原二郎君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  参議院送付実演家レコード製作者及び放送機関保護に関する国際条約締結について承認を求めるの件、千九百六十七年七月十四日にストックホルムで及び千九百七十七年五月十三日にジュネーヴ改正され並びに千九百七十九年十月二日に修正された標章登録のための商品及びサービス国際分類に関する千九百五十七年六月十五日のニース協定締結について承認を求めるの件、右両件を一括議題とし、委員長報告を求め、その審議を進められることを望みます。
  12. 田村元

    議長田村元君) 金子原二郎君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 田村元

    議長田村元君) 御異議なしと認めます。よって、日程追加されました。     —————————————  実演家レコード製作者及び放送機関保護に関する国際条約締結について承認を求めるの件(参議院送付)  千九百六十七年七月十四日にストックホルムで及び千九百七十七年五月十三日にジュネーヴ改正され並びに千九百七十九年十月二日に修正された標章登録のための商品及びサービス国際分類に関する千九百五十七年六月十五日のニース協定締結について承認を求めるの件(参議院送付
  14. 田村元

    議長田村元君) 実演家レコード製作者及び放送機関保護に関する国際条約締結について承認を求めるの件、千九百六十七年七月十四日にストックホルムで及び千九百七十七年五月十三日にジュネーヴ改正され並びに千九百七十九年十月二日に修正された標章登録のための商品及びサービス国際分類に関する千九百五十七年六月十五日のニース協定締結について承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。  委員長報告を求めます。外務委員長相沢英之君。     —————————————  実演家レコード製作者及び放送機関保護に関する国際条約締結について承認を求めるの件及び同報告書  千九百六十七年七月十四日にストックホルムで及び千九百七十七年五月十三日にジュネーヴ改正され並びに千九百七十九年十月二日に修正された標章登録のための商品及びサービス国際分類に関する千九百五十七年六月十五日のニース協定締結について承認を求めるの件及び同報告書     〔本号末尾掲載〕     —————————————     〔相沢英之登壇
  15. 相沢英之

    相沢英之君 ただいま議題となりました両件につきまして、外務委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、実演家等保護条約について申し上げます。  近年、文芸、音楽等を公衆に伝達する手段としてのラジオ、テレビや録音録画機器などが著しく発達し普及した結果、歌手、俳優等による実演の機会が減少してきました。また、録音録画無断複製蔓延等により、実演家レコード製作者放送機関経済的損失をこうむる等の問題が強く認識されるようになりました。  このような背景のもとに、ベルヌ同盟国際労働機関及びユネスコの三機関中心に、これら実演家等に対し著作権に準ずる権利を与え、これを国際的に保護することを目的とした条約案検計が行われ、本条約が、昭和三十六年十月、これら三機関の共催によりローマで開催された外交会議において作成されました。  本条約は、他の締約国における実演家等に対して内国民待遇を与え、複製についての許諾権を与えること等により、実演家等保護することなどを定めております。  次に標章国際分類協定について申し上げます。  多くの国では、商品及びサービス標章保護するために標章登録制度を設け、その登録の際に用いられる商品及びサービス分類を有しております。しかし、各国が異なる標章分類を採用している場合には、他国で登録出願が行われる際に不便が生じるので、この分類の国際的な統一を促進することを目的として、商標が使用される商品及びサービス国際分類に関する千九百五十七年六月十五日のニース協定が作成されました。  本協定は、その後、このニース協定をもとに、昭和四十二年及び昭和五十二年に、管理機構変更国際分類修正手続等に関する改正を加えて作成されたものであります。  本協定は、標章登録のための商品及びサービス国際分類を定めており、また、その変更等を行うための専門家委員会設置等についても定めております。  両件は、去る六月十九日参議院から送付され、本二十一日三塚外務大臣から提案理由説明を聴取し、質疑を行い、引き続き採決を行いました結果、いずれも全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  16. 田村元

    議長田村元君) 両件を一括して採決いたします。  両件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 田村元

    議長田村元君) 御異議なしと認めます。よって、両件とも委員長報告のとおり承認するに決しました。      ————◇—————
  18. 金子原二郎

    金子原二郎君 議事日程追加緊急動議提出いたします。内閣提出参議院送付信用金庫法の一部を帥正する法律案議題とし、委員長報告を求め、その審議を進められるととを望みます。
  19. 田村元

    議長田村元君) 金子原二郎君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 田村元

    議長田村元君) 御異議なしと認めます。よって、日程追加されました。     —————————————  信用金庫法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付
  21. 田村元

    議長田村元君) 信用金庫法の一部を改正する法律案議題といたします。  委員長報告を求めます。大蔵委員長中西啓介君。     —————————————  信用金庫法の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾掲載〕     —————————————     〔中西啓介登壇
  22. 中西啓介

    中西啓介君 ただいま議題となりました法律案につきまして、大蔵委員会における審査経過乃び結果を御報告申し上げます。  この法律案は、中小・零細企業に対する長期資金の円滑、安定的な供給の確保を図るため、全国を地区とする信用金庫連合会について、大蔵大臣の認可を受けて債券発行を行うことができることにし、あわせて、債券発行限度額を出資の総額及び準備金の額の合計額の十倍とするとともに、発行することのできる債券の種別や債券発行方法に関する規定を創設する等、所要規定整備を行うものであります。  本案は、参議院先議でありまして、六月十九日本院に送付され、同日大蔵委員会付託となり、本日村山大蔵大臣から提案理由説明を聴取した後、直ちに質疑を行い、質疑終了後、採決いたしました結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  23. 田村元

    議長田村元君) 採決いたします。  本案委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 田村元

    議長田村元君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————
  25. 金子原二郎

    金子原二郎君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  内閣提出参議院送付民間事業者能力活用による特定施設整備促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案議題とし、委員長報告を求め、その審議を進められることを望みます。
  26. 田村元

    議長田村元君) 金子原二郎君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 田村元

    議長田村元君) 御異議なしと認めます。よって、日程追加されました。     —————————————  民間事業者能力活用による特定施設整備促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付
  28. 田村元

    議長田村元君) 民間事業者能力活用による特定施設整備促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案議題といたします。  委員長報告を求めます。商工委員長与謝野磐君。     —————————————  民間事業者能力活用による特定施設整備促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾掲載〕     —————————————     〔与謝野馨登壇
  29. 与謝野馨

    与謝野馨君 ただいま議題となりました法律案につきまして、商工委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、いわゆる民活法の対象となる特定施設追加を行おうとするものであります。  その主な内容は、  第一に、特定施設に、港湾水域のレクリエーションのための利用及び港湾を拠点とする海底鉱物資源開発に関する研修活動等を行うための施設、いわゆるハーバーコミュニティーセンター並びに高度な電気通信機能を有する施設と一体的に整備されるいわゆるインテリジェントビル追加すること、  第二に、特定施設追加に伴い主務大臣に関する規定等について所要規定整備すること等であります。  本案は、去る六月十九日参議院から送付され、同日当委員会付託となり、昨二十日梶山通商産業大臣から提案理由説明を聴取し、本二十一日質疑を行い、討論、採決の結果、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  30. 田村元

    議長田村元君) 採決いたします。  本案委員長報告可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  31. 田村元

    議長田村元君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————
  32. 金子原二郎

    金子原二郎君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  内閣提出参議院送付道路法等の一部を改正する法律案議題とし、委員長報告を求め、子の審議を進められることを望みます。
  33. 田村元

    議長田村元君) 金子原二郎君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 田村元

    議長田村元君) 御異議なしと認めます。よって、日程追加されました。     —————————————  道路法等の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付
  35. 田村元

    議長田村元君) 道路法等の一部を改正する注律案議題といたします。  委員長報告を求めます。建設委員長東家嘉幸君。     —————————————  道路法等の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾掲載〕     —————————————     〔東家嘉幸登壇
  36. 東家嘉幸

    東家嘉幸君 ただいま議題となりました道路法等の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、市街地における道路整備促進するとともに、適正かつ合理的な土地利用を図るため、道路建築物等とを一体的に整備する制度を創設しようとするものであります。  このため、道路について道路立体的区域道路一体建物に関する協定等制度を新たに設け、地区計画等に関する都市計画に定めることができる事項として、道路建築物等との一体的な整備に関する事項追加するとともに、当該事項が定められた道路における建築制限合理化等を行うこととし、あわせて、道路施設建築物との一体的な整備を行うための市街地開発事業の特例を設ける等の措置を講ずることとしております。  本案は、参議院先議に係るものでありますが、去る六月十九日本委員会付託され、本二十一日本建設政務次官から提案理由説明を聴取し、質疑を行い、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対しましては、市街地における憎路整備推進等四項目の附帯決議が付されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  37. 田村元

    議長田村元君) 採決いたします。  本案委員長報告可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立か求めます。     〔賛成者起立
  38. 田村元

    議長田村元君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————
  39. 金子原二郎

    金子原二郎君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  山口鶴男君外二名提出衆議院解散要求に関する決議案は、提出者要求のとおり、委員会審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
  40. 田村元

    議長田村元君) 金子原二郎君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 田村元

    議長田村元君) 御異議なしと認めます。よって、日程追加されました。     —————————————  衆議院解散要求に関する決議案山口鶴男君外二名提出
  42. 田村元

    議長田村元君) 衆議院解散要求に関する決議案議題といたします。  提出者趣旨弁明を許します。山口鶴男君。     —————————————  衆議院解散要求に関する決議案     〔本号末尾掲載〕     —————————————     〔山口鶴男登壇
  43. 山口鶴男

    山口鶴男君 私は、日本社会党護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合の三党を代表いたしまして、ただいま議題となりました衆議院解散要求に関する決議案につき、提案理由、その趣旨説明いたします。  まず、案文を朗読いたします     衆議院解散要求に関する決議案   政府は、速やかに衆議院解散すべし。    右決議する。     〔拍手〕  理由の朗読はこれを省略いたしまして、直ちに提案趣旨説明をいたします。  第一は、日本国憲法主権在民の大原則に従って、政権移動は総選挙を通じ国民意思に基づいて決定するという政権移動民主的ルール確立のために、衆議院解散・総選挙を強く要求するものであります。(拍手)  昭和六十一年七月、中曽根内閣の死んだふり寝たふり解散によって衆参同日選挙が行われてから今日まで三年を経ております。この間、中曽根内閣から竹下内閣、そして宇野内閣へと、二度にわたり政権たらい回しが不当にも行われたのであります。  中曽根内閣は、公約違反売上税国民の激しい怒りを買い、退陣に追い込まれるや、厚顔にも、みずからの影響力保持のため、竹下氏を自民党後継総裁指名いたしました。竹下内閣もまた、公約違反消費税強行リクルート疑獄による政治不信高まりによって、内閣支持率わずか三%台という国民不信任によって退陣に追い込まれ、そして宇野後継総裁指名中曽根亜流、否、実質的な第二次竹下内閣とも言うべき宇野内閣を成立させたのであります。  中曽根内閣は、総選挙後の特別国会における首班指名によって成立した内閣でありますが、その後の竹下内閣宇野内閣は、総選挙の信任を一方的かつ身勝手に借用した政権たらい回し憲法原則を踏みにじる違憲の疑い濃厚な内閣であると言って過言ではありません。(拍手)  国政は主権者たる国民の厳粛なる信託による以上、時の政権が政治的に失脚をする、民心が政権から完全に離れる、その場合、反対党政権を渡す、または総選挙を通じ政権移動国民意思によって決定するという日本国憲法の大原則が忠実に実行されなければなりません。この原則を無視して議会制民主政治を維持することは不可能であります。  竹下内閣に対し、また宇野内閣に対し、憲法を守れ、解散・総選挙を断行せよとの国民世論高まりは、まさに天の声、地の叫びと言わなければなりません。(拍手宇野総理、速やかに衆議院解散すべきであります。  第二は、衆議院解散は、政権交代の場合のみではなく、内外情勢の変化、これに対応する政策の提起、選挙公約の重大な変更に際しては、これを断行し、総選挙によって政策変更是非国民に問うべきであるということであります。  自民党が三百を超える議席を占めた昭和六十一年の総選挙の最大の争点は、いわゆる大型間接税を導入するか否かにあったことは、国民だれ一人疑う者はないでありましょう。この選挙において、当時の中曽根総理総裁は、国民の反対する大型間接税は断じて導入しない、多段階・包括的・網羅的・普遍的・縦横十文字・投網をかけるような大型間接税はやらないと大見えを切り、国民支持を訴えたのであります。  中曽根内閣売上税竹下内閣消費税は、公約違反大型間接税であることは余りにも明白ではありませんか。これによって国民政治不信は過去にその例を見ないほど高まったのは当然であります。  政権政党選挙公約に真っ向から違反する政策を遂行しようとするときは改めて国民にその是非を問うのは、議会政治議院内閣制を維持するための根幹であると言わなければなりません。  昭和三十五年十月、日比谷公会堂で右翼の凶刃に倒れた社会党浅沼委員長は、倒れる直前の演説で次のように我が国議会政治を守る言葉を残されているのであります。すなわち、「選挙の際は国民に評判の悪いものは全部捨てておいて、選挙で多数を占めると……」まで述べてそのまま絶命されたのでありますが、壇上に残された原稿には、続いて、「どんなむちゃなことでも国会の多数に物を言わせて押し通すというのでは、一体何のために選挙をやり、何のために国会があるのかわかりません。これでは、多数派の政党がみずから議会政治墓穴を掘ることになります」と書かれていたのであります。(拍手)  さき臨時国会における消費税強行は、まさにわが国の議会政治墓穴を掘ったものと言わなければなりません。  また、保利議長は「解散権についての保利議長見解」を残されております。すなわち、現憲法での解散は、憲法第六十九条による内閣不信任案が成立した場合のほか、「その直前の総選挙で各党が明らかにした公約や諸政策にかかわらず、選挙後にそれと全く質の異なる、しかも重大な案件が提起されて、それが争点となるような場合には、改めて国民の判断を求めるのが当然だということである。主権在民議会制民主主義の観点から見て当然な筋道であり、とうした手順がなければ正常な国会運営も期しがたいと言えよう」と述べておられるのであります。  思想信条所属政党の相違がありながら、主権在民議会制民主主義擁護という一点において、すぐれた両大先輩見解は見事に一致いたしているではありませんか。  既に公約違反消費税を強引に実施した今日、国民にその政策是非を問うことは遅きに失したとはいえ、導入された消費税をかつての取引高税のごとく廃止すべきかどうか改めて国民に問うことは、当然のことであります。宇野総理、あなたは、両大先輩の教訓に背いた反省の意を込めて、速やかに国会解散すべきであります。(拍手)  第三は、さきの総選挙前後において、我が国の民主主義を根底から揺るがす極めて重大な政治腐敗、行政腐敗の行為がなされたことであります。すなわち、戦後最大の政権構造疑獄であるリクルート事件の発覚であります。  リクルートコスモス社の未公開株譲渡によるぬれ手にアワの膨大な利得、莫大な政治献金は、額に汗してまじめに働く国民の努力を裏切り、労働行政、教育行政、政府の審議会、調査会の人事やスーパーコンピューター購入をめぐる外交交渉にまでぬぐい得ない黒い疑惑と汚点を残し、我が国の政財官界のトップリーダーとされる人々の行為を赤裸々に露呈させ、政治不信はその極に達し、我が国の国際信用をも大きく失墜させたではありませんか。(拍手竹下内閣は、この疑獄によって退陣を余儀なくされました。  ところで、さきに述べたごとく、憲政の常道を無視するたらい回しによって成立した宇野内閣に対しても、国民は、リクルート疑惑の根源に対する徹底究明、中曽根元総理の参議院における証人喚問の実現、灰色高官に関する捜査内容の公表、政治家の政治的道義的責任のけじめを厳しく求めているのであります。しかるに、宇野内閣は、国民の期待、我々野党の要求に背を向けるばかりでなく、政治改革と称し、抜け穴だらけの政治資金制度の改革、小手先の改善策でお茶を濁そうといたしておるのであります。  まじめに働き、日本経済の発展を支えながら重い納税負担に耐えてきた国民が、選挙によってリクルート疑獄に象徴される金権政治に対して厳正な審判を下し、清潔な政治の確立、国民の手による真の政治改革を迫るのは、まさに当然ではありませんか。速やかなる解散・総選挙を強く求めるゆえんであります。(拍手)  第四は、何よりも解散・総選挙は、国民各階層の人々、主権者たる国民の総意となっているという厳然たる事実であります。  全国の農民は、減反の強制、生産者米価を初め農畜産物の政策価格の引き下げ、さらには、輸入自由化はやらないと約束しながら、十二品目の自由化、牛肉・オレンジの自由化決定など、一連の農業切り捨て政策を進める政府・自民党に対し、選挙政策是非我が国の農林漁業の将来を問うことを鋭く迫っております。  乏しい年金で生活を営みながら消費税負担を強いられるお年寄りを初め多くの国民は、福祉の充実のためなどと称しながら消費税が導入されるや否や、直ちに年金の支給開始年齢を六十歳から六十五歳に繰り延べを図る大改悪法案を国会提出した竹下内閣、その成立を図ろうとする宇野内閣に憤激し、なぜ選挙をやらないかと迫っているのであります。(拍手)  商工業者、消費者、主婦を初め多くの国民が、参議院選挙が終わったら消費税見直しの論議を始めるなどという宇野内閣に対して、まただまそうとするのか、消費税国民の厳正な審判によって廃止させようと立ち上がっているのは、主権者としてまさに正当な権利と言うべきではないでしょうか。  宇野総理解散を求める七割を超える国民意思を尊重し、憲法原則に従って、国民に対して主権者としての機会を保障すべきであります。宇野総理の所信表明に対して、社会党土井委員長、公明党石田委員長、民社党永末委員長の各党党首が一致して解散・総選挙を強く迫ったゆえんは、まさにここにあると言わなければなりません。(拍手)  以上、衆議院解散要求に関する決議案趣旨であります。  さて、この際、日本社会党、公明党、民社党、社会民主連合の四党は、解散を求める以上、自民党にかわり連合して政権を担当する決意であることを明確に表明いたします。(拍手)  四党は、去る四月七日、京都において党首会談を開催し、以来、書記長会談、政審会長会談を積み重ね、また、国民各界の方々に御参加をいただき、連合政権協議会において論議を尽くし、新しい政治確立を目指しております。  我々の国民連合政権は、第一に、国民全体の利益を代表し、第二に、政策の基本を日本国憲法に置き、第三に、現実から出発し日本の新しい設計図づくりに着手し、第四に、国民合意を基礎に改革を積み重ね、そして第五に、我々が目指す改革の基本的な柱は、政治の民主主義、経済の民主主義、社会の民主主義、国際民主主義の実行であることを明らかにいたしているのであります。  我々は、清潔な政治の実現、不公平税制の是正と消費税の廃止、年金福祉の充実と六十歳年金支給開始の堅持、土地問題の解決、地方の活性化と農政の転換、米の自由化反対を貫き、生産者と消費者の合意できる食糧政策の確立、平和と軍縮の促進、非核三原則の堅持など、緊急六項目の政策を提唱いたしております。今こそ政権交代につながる解散・総選挙を速やかに行うべきであり、これを回避することは我が国議会制民主主義墓穴を掘ることになると言わざるを得ません。  私は、宇野総理がこの決議案採決の前に衆議院解散の時期を決断すべきことを強く求める次第であります。もし宇野総理宇野内閣が決断できないというのであれば、全会一致をもって本決議案可決、院議をもって宇野内閣を拘束し、速やかなる解散・総選挙を求める次第であります。  自由民主党の諸君も挙げて本決議案賛成せられ、日本国憲法に基づく主権在民議会制民主主義擁護の筋を通されることを強く強く要望いたしまして、私の趣旨説明を終わる次第であります。(拍手)     —————————————
  44. 田村元

    議長田村元君) 採決いたします。  本決議案賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  45. 田村元

    議長田村元君) 起立少数。よって、衆議院解散要求に関する決議案は否決されました。(拍手)      ————◇—————
  46. 田村元

    議長田村元君) 本日は、これにて散会いたします。     午後一時四十分散会      ————◇—————