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中西(績)
委員 だから、ただ単に行き過ぎたということでなしに、
学校現場あるいは行政、そういうところが全部そういう格好になってうそからうそでまかり通るという状況、そういうことをやる管理者でなければ校長にしない、言うことを聞く人でなければしない、こういうことであればどうなるのですか。
私、一番驚いたのはこの伝習館の校長ですよ。自分は四月一日でやめるのだけれども、もし継続をするということになればもう一度高石さんの話を生徒に聞かせたいと言ったんですよ。こういうことをやっておる高石さんの話をもう一度生徒に、後輩の生徒たちに聞かせたいと彼は言うのですから、これにはもうみんな口あんぐりですよ。報道関係も全部入っていたのですから。そういう状況にまであるということを私たちはどう把握をするかというのが今物すごく重要な課題だということを私は指摘をしておるわけです。調査したときの問題は、言えばまだたくさんあるのです。時間がないから、私は一、二の点だけを申し上げておるのですけれども、この点もう一度
文部省、
大臣そして行政の皆さんは考え直さなくちゃならぬ、この点だけ指摘をしておきたいと思います。
最後になりましたので、改訂
学習指導要領を私質問をしたがったのですけれどもできませんので、問題点だけ指摘をして、この次、機会があれば論議をしていきたいと思っています。
学習指導要領というのは、もう私が申し上げるまでもなしに、十年ごとの改訂で五回目であるわけですけれども、今回の改訂の
規模、内容、これは最大のものになっております。ですから、
学習指導要領の性格、規定づけというのは、私が申し上げるまでもありませんが、最初のころは試案であったし、そして、上から決めて与えられたものをそのとおり実行する画一的傾きのあったのが、下の方から皆の力でいろいろつくり上げていくようになってきたということである、このように
文部省は試案の説明をしています。当初はそうだったし、臨教審の提言を見てみますと、日本の
教育の問題点として画一的硬直化していることを指摘すると同時に、項末な管理主義の排除と
学習指導要領をもっと大綱化すべきだと臨教審も提言していますね。
大臣も所信表明の中では硬直的な側面があるということを指摘しておりますし、こういうことから考えますと、
学習指導要領というのは、教科と教科の目標、それから教科時数など大綱基準にとどめておく必要があるのではないでしょうか。
特に、都道府県、市
町村教育委員会や
学校の創意工夫でこれをつくり上げていくということが大変大事でありますから、文字どおり、
教育活動の中心である
学習指導に関してすぐれて
教育的な
指導助言文書にすべきだと私は思います。ところが、今度改訂されて三月十五日に出されました要領は、最大
規模の改訂をしましたし、内容的に見ても、私たちは残念ながら問題があり過ぎるとしか言いようがありません。中身自体に説得力を欠いて、
教育的な品位と権威が欠けておるのではないか。むしろむき出しの権力的統制をてこにした指示命令書的なものになっておるのではないか、私はこれを読んでみましてこう感じるわけであります。
大きく分けて三つぐらい問題点がございますし、特に私はこの中で、日本
教育新聞によれば、昨年十一月あるいは今年に入って一月二十六日に新聞の記事になって出ておる部分で大変なことじゃないかと思いますのは、特に昨年十一月に五つの点で要望を自民党の初等中等
教育プロジェクトチームから出されたということが言われていますね。そして、その結果が、同じく日本
教育新聞によれば、「「私どもがやれば、異論が出るようなことはしませんよ」と
指導要領改訂には万全の体制をとったと語ったのは同チーム主査の田沢智治参院議員」と伝えておられます。こういうことを考えますと、特定政党による
教育に対する不当な介入があったとしか言いようがありません。同時に、この五つを見ると、また中身は大変な問題であります。こうしたことをぜひこれから後、改めるということにならないと大変なことではないかと私は思います。
以上、抽象的でありましたけれども、問題点だけ指摘をして終わります。ありがとうございました。