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新村委員 いろいろの問題があったことについては、これは遺憾でありますし、
法治国家にとってあるまじき
行為だということも一面からは言えると思いますけれども、
法治国家にとってあるまじき
行為を誘発したということも一方では言えるわけですね。我々はそういう見方をしておるわけでありますけれども、先ほど申し上げたように、このような国家的なあるいは
歴史的な大プロジェクトでありますから、これを決定するまでには
関係団体あるいは
住民との徹底的な討議、そしてそれを通じての
合意、これが絶対に必要であるわけでありますけれども、当時の
状況を今振り返ってみますと、
政府は新
空港が必要だということでしゃにむにそこに突進したという
経過があるわけであります。要するに
準備が足りなかったということだと思います。今
消費税が問題になっておりますけれども、あの
シャウプ税制以来の
消費税をわずか三月でやろうというのですから、やはりこれと同じような
発想ではないかと思うのです。いかに必要な
施策であり、いかに重要な
施策であっても、そこに到達するにはそれなりの手順が必要であるし、
準備が必要だと思うのです。
空港のような膨大な
用地の
買収、そしてそこに住んでいる
人たちの犠牲を伴う大プロジェクトについては、これは三年なり五年なりあるいはそれ以上の
準備期間が必要ではないか。当然必要だと思います。ところがそういう手続を経ることなしに、しゃにむに前に進んだというところからこういう悲劇が発生をしているわけであります。
しかも、繰り返しますが、この
反対運動は土を愛する
農民の
精神から出ておるわけです。土を愛することは国を愛することですね。そこから出ておるわけでありますから、これは時に過度にわたる抵抗があったにしても、
基本的には
農民の
立場を十分に尊重していかなければいけないという問題であろうと思います。
そういう
基本的な認識に立った場合に、今残っておるこの二十一・三ヘクタールを二年で果たして
買収し、
工事をすることができるかどうかということについては、我々大変疑問を持っておるものでありますし、またその前提として、
住民あるいは
反対運動をいかに説得するかということについては、
大臣にひとつ現地においでをいただいて、
大臣というのは
自治大臣ではなくて、
関係大臣すべて現地においでをいただいて、
住民の声を聞いていただきたいし、現地の
状況等も御視察をいただきたいわけでありますけれども、いかがでしょうか。