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粕谷照美君 何か先ほどの
帝京大学の、あるいは
財団の審査、認定みたいな話ですね。さっき
局長は
新聞見てもそういうことないとおっしゃっていますけれ
ども、
三省堂の
教科書出版部は「この
教材は、諸外国の人々との友好と、真の国際理解を深めるねらいで、戦争のもつ避けがたい非人間性を指摘したものだが、意図通りに理解されないおそれがあることがわかったので」、こうこうこういうふうにした、「
外部からの圧力、干渉は一切ない」と、こういうふうに言っていらっしゃるということを
一つの根拠にしていらっしゃるんでしょうけれ
ども、しかし逆に、峯村勝というんですか、
英語教科書編集長は、「いったい、あの文章のどこが問題なのですか。戦争はいけないと、当たり前のことを書いてるだけでしょうが。現場の
先生や生徒に使ってもらわないうちに潰されるなんて、実に無念」だと、こう述べていらっしゃるわけでありますね。私はやっぱりこれは
文部省の、あるいは圧力をかけてきた団体の非常に問題がある、それに屈したということはまことに残念なことである。そういう考え方で、嶋崎譲衆議院議員、金子みつ衆議院議員が
文部大臣にお会いして、あれはもとどおりにしておきなさいという申し入れをしているわけであります。
しかし、考えてみますと、ことしの三月の
新聞に、東京の私立正則高校の
先生と生徒がシンガポールの中学校の
教科書を翻訳して出版したことが
報道されておりますね。そして、このことを知って本当に生徒
たちはショックを受けているわけですね。日本軍がシンガポールでひどい
行為をしたことがるる紹介されていた。こういうことを自分
たちは学校で習ってこなかった。ところが、そういう
教育を受けてきた人
たちが見る日
本人というものは全然別なんですね。今回のソウル・オリンピックに行っても本当にそう思いますね。韓国では大体日本の歌を日本語で歌ってはいけないとか、著作権交渉のときにも非常に問題が出ているというのもそういう
教科書問題とも絡まっているわけでありまして、私は
文部省の
姿勢というものを強く要求をしていきたいと思います。
それで、
教科書の問題というのは、何度も何度もこの
文教委員会で問題がありましたね、外国からのあれがどうだのこうだのという。私はやっぱり真実を子供
たちに教える、そのことを
教科書の中に取り入れると言ったら、やっぱりそのことは
文部省としては守っていただきたいと思うんです。例えば、西ドイツでアウシュビッツの問題を
教科書の中に取り入れている。そしてナチスがいかに残虐であったかということを子供
たちにも教えている。そうして、我々はそういうことをもうしないようにということを
教育の中でやっているというんです。それは現物を国会図書館から借りてきて、この
委員会の中でも審議がありましたから十分御存じだと思いますけれ
ども、この
教科書問題が起きましたときに、私のところに近代中国出版社発行というので送られてきたんですね。
文部省の
姿勢大変悪いというんで送られてきたんですけれ
ども、女性として何かもう見ていられない。スメラミコトの命令のままに行った皇軍の残虐
行為、写真にもぴっしり載っているわけです
よ。私は載っているものをすぐそのまま
教科書に出しなさいとは言わないけれ
ども、戦争というものはいかにどういうふうなことを相手の国に与え、相手の
国民に大きな心理的なものを与えていくかという、こういうことを
教育の中でしっかりと教えていく任務があろうかというふうに思います。そういう
意味で、今回のこの
英語教科書の
書きかえを安易に
許可した
文部省の
姿勢というものを強く批判をしておきたいと思うわけであります。
それと同時に、この写真と一緒に十月一日に在日同胞の生活を考える会・オモニの会という代表の方が私のところに参りまして、自分
たちは七十万人日本にいる。そして、自分
たちの子供もほとんど日本の学校に通っている。そういう中で私
たちは、天皇裕仁の名のもとに国を奪われ、言葉を奪われ、民族の名前を奪われ、そして多くの人々が戦争に駆り出されて犠牲になりましたと、こういうことを言っているわけで、そういうことを教えないから、学校の中で教えることをためらっているから、私
たちは本当にアジアの国々から批判をされる
行為を恥ずかしげもなくやる人
たちがふえているんじゃないのか、こういうことを考えているところでございます。
さて、時間が終わりますので、
最後に、中途半端な
質問になりましたけれ
ども、
最後にちょっと確認をしておきたいんですけれ
ども、今連絡が来まして、
高石前
事務次官が
文部省内のOB室を選挙準備の部屋として使っていたと、こうテレビに
報道されたというんですね。今、我が党の坂上議員が現場確認に
文部省に行っている、こういうんですけれ
ども、
文部大臣、この件については御存じですか。御見解いかがですか。