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1988-12-20 第113回国会 参議院 内閣委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年十二月二十日(火曜日)    午後一時三十分開会     ─────────────    委員異動  十二月九日     辞任         補欠選任      木宮 和彦君     岡野  裕君      猪熊 重二君     峯山 昭範君  十二月十日     辞任         補欠選任      岡野  裕君     鳩山威一郎君  十二月十九日     辞任         補欠選任      山口 哲夫君     菅野 久光君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         大城 眞順君     理 事                 板垣  正君                 名尾 良孝君                 永野 茂門君                 久保田真苗君     委 員                 大島 友治君                 大浜 方栄君                 岡田  広君                 亀長 友義君                 古賀雷四郎君                 桧垣徳太郎君                 菅野 久光君                 野田  哲君                 飯田 忠雄君                 吉川 春子君                 柳澤 錬造君    国務大臣        国 務 大 臣        (内閣官房長官) 小渕 恵三君        国 務 大 臣        (総務庁長官)  高鳥  修君        国 務 大 臣        (防衛庁長官)  田澤 吉郎君    政府委員        内閣官房内閣外        政審議室長        兼内閣総理大臣        官房外政審議室        長        藤田 公郎君        人事院総裁    内海  倫君        人事院事務総局        給与局長     中島 忠能君        総務庁長官官房        長        山田 馨司君        総務庁長官官房        審議官        兼内閣審議官   増島 俊之君        総務庁人事局長  勝又 博明君        防衛庁防衛局長  日吉  章君        防衛庁人事局長  児玉 良雄君        防衛庁経理局長  藤井 一夫君        防衛庁装備局長  山本 雅司君        防衛施設庁総務        部長       弘法堂 忠君        文部大臣官房長  加戸 守行君    事務局側        常任委員会専門        員        原   度君    説明員        文部大臣官房人        事課長      奥田與志清君        自治省行政局公        務員部給与課長  松田 研一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付) ○特別職職員給与に関する法律及び国際花と緑の博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付) ○防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 大城眞順

    委員長大城眞順君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る十二月九日、木宮和彦君及び猪熊重二君が委員辞任され、その補欠として岡野裕君及び峯山昭範君が選任されました。  また、去る十二月十日、岡野裕君が委員辞任され、その補欠として鳩山威一郎君が選任されました。  また、昨十九日、山口哲夫君が委員辞任され、その補欠として菅野久光君が選任されました。     ─────────────
  3. 大城眞順

    委員長大城眞順君) 一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案特別職職員給与に関する法律及び国際花と緑の博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題といたします。  まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。高鳥総務庁長官
  4. 高鳥修

    国務大臣高鳥修君) ただいま議題となりました一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職職員給与に関する法律及び国際花と緑の博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について、一括してその提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  まず、一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。  本年八月四日、一般職職員給与改定内容とする人事院勧告及び寒冷地手当改定内容とする人事院勧告が行われました。政府としては、これらの内容を検討した結果、一般職職員給与については人事院勧告どおり本年四月一日から実施することが適当であり、また、寒冷地手当についても人事院勧告どおり来年の基準日から実施することが適当であると考え、一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律について所要改正を行うこととし、ここにこの法律案を提出した次第であります。  次に、法律案内容について、その概要を申し上げます。  まず、一般職給与法改正関係について申し上げます。  第一に、全俸給表の全俸給月額人事院勧告どおりそれぞれ引き上げることといたしております。  第二に、初任給調整手当について、医師及び歯科医師に対する支給月額限度額を二十四万六千円に引き上げるとともに、いわゆる医系教官等に対する支給月額限度額を四万四千五百円に引き上げることといたしております。  第三に、扶養手当について、子、孫及び弟妹に係る扶養親族の要件を満十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までとし、配偶者に係る支給月額を一万六千円、配偶者のない職員扶養親族のうち一人に係る支給月額を一万五百円に引き上 げることといたしております。  第四に、住居手当について、月額二万五百円を超える家賃を支払っている職員に係る二分の一加算限度額を一万千五百円に引き上げることといたしております。  第五に、非常勤委員、顧問、参与等支給する手当について、支給限度額日額二万六千四百円に引き上げること等といたしております。  次に、寒冷地手当法改正関係について申し上げます。  寒冷地手当加算額について、北海道に在勤する職員にあっては、支給地域区分及び職員世帯等区分に応じ改定することとし、その他の地域に在勤する職員にあっては、その限度額改定することといたしております。  以上のほか、附則において、施行期日適用日俸給表改定に伴う所要の切りかえ措置等について規定することといたしております。  続きまして、特別職職員給与に関する法律及び国際花と緑の博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。  この法律案は、ただいま御説明申し上げました一般職職員給与改定に伴い、特別職職員給与について所要改正を行おうとするものであります。  次に、法律案内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、特別職職員俸給月額を引き上げることといたしております。  具体的には、内閣総理大臣等俸給月額については、内閣総理大臣は百八十三万五千円、国務大臣等は百三十三万八千円、内閣法制局長官等は百二十七万九千円とし、その他政務次官以下は、一般職職員指定職俸給表改定に準じ、百九万千円から九十四万八千円の範囲内で改定することといたしております。  また、大使及び公使俸給月額については、国務大臣と同額の俸給を受ける大使は百三十三万八千円、大使号俸は百二十七万九千円とし、大使号俸以下及び公使号俸以下は、一般職職員指定職俸給表改定に準じ、百八万千円から七十万二千円の範囲内で改定することといたしております。  さらに、秘書官の俸給月額についても、一般職職員給与改定に準じ、その額を引き上げることといたしております。  第二に、常勤及び非常勤委員支給する日額手当支給限度額を、一般職委員日額手当改定に準じ、引き上げることといたしております。  第三に、国際花と緑の博覧会政府代表俸給月額を百八万千円に引き上げることといたしております。  以上のほか、附則において、この法律施行期日適用日等について規定することといたしております。  以上がこれらの法律案提案理由及びその内容概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  5. 大城眞順

  6. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) ただいま議題となりました防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  この法律案は、このたび提案された一般職職員給与等に関する法律の一部改正案に準じて、防衛庁職員給与改定を行うものであります。  防衛庁職員給与改定につきましては、参事官等及び自衛官俸給並びに防衛大学校及び防衛医科大学校学生学生手当一般職職員給与改定の例に準じて改定することとしております。  この法律案規定は、公布の日から施行し、昭和六十三年四月一日から適用することとしております。  以上のほか、附則において、俸給表改定に伴う所要の切りかえ措置について規定しております。  なお、一般職職員給与等に関する法律規定を準用し、またはその例によることとされている事務官等俸給扶養手当住居手当医師及び歯科医師に対する初任給調整手当等につきましては、同法の改正によって、一般職職員と同様の改定防衛庁職員についても行われることとなります。  以上がこの法律案提案理由及びその内容概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  7. 大城眞順

    委員長大城眞順君) 以上で三案の趣旨説明の聴取は終わりました。  それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 久保田真苗

    久保田真苗君 総務庁長官に伺います。  初めに、給与法審議についてきょうになってしまったんですけれどもあすの本会議成立を期待しているわけですけれどもベースアップ分差額がいつ支給されますのか、年内支給がきちんとできるかどうか、そこのところをひとつお願いいたします。
  9. 高鳥修

    国務大臣高鳥修君) 私どもといたしましては、差額分につきましてはできれば何とか年内支給を実現したいというふうに考えておりますが、あすより延びるということだと非常に難しくなるというふうに聞いております。したがいまして、ぜひあすまでに成立をさせていただきたいというふうに思っております。  離島等離れたところにつきましてはやはりかなり時間を要するわけでありまして、官庁によって差が出るということは好ましくございませんのでできるだけ同じ日に全部支給できるようにしたいというふうに考えております。
  10. 久保田真苗

    久保田真苗君 中央、地方とも年内にぜひ支給していただきますよう頑張っていただきたいと思います。  次に、ODA関係閣僚会議について官房長官に伺います。  この閣僚会議は、閣議了解設置されておりますね。  これは内閣官房事務局となっている行政府公式会議と考えてよろしいのでしょうか。
  11. 藤田公郎

    政府委員藤田公郎君) ただいま委員指摘のとおり、他の同種閣僚会議同様、関係閣僚方々が集まられまして経済協力問題についての基本政策について意見交換を行っている場というふうに認識しております。
  12. 久保田真苗

    久保田真苗君 これは、とにもかくにも閣議了解で成っている公式の会議なんですけれども、この会議与党幹事長総務会長政務調査会長を初めとしまして参議院議員会長幹事長代理それから対外経済協力特別委員長、自民党の幹部六役の参加を求めることになっていますね。なぜ行政府の公式の会議与党の六役が参加するのか、私にはどうしてもわからないんです。なぜなら、政府の機関は本来政治的に中立であるべきだと思うんですね。  こういうことは、官房長官、私は主管の大臣とされまして官房長官所見を伺いたいと思うんです。
  13. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) この経済協力は、申すまでもありませんが最近の政治問題として極めて重要な問題でございましたので、閣僚会議をつくりまして十四閣僚のもとでこの基本的な問題について意見交換していこう、こういうことに相なったわけでございます。  そこで、御指摘のように自由民主党役員方々にも御出席を願うことになっておりますが、これは経済協力の一層効率的かつ総合的推進に資するという幅広い観点からお願いを申し上げておることでございまして、このことが行政権に対しての侵犯をするとかそういうものでは決してないわけでございます。もともと幾つかの閣僚会議が存しておりますけれども政党政治という立場与党責任ある方々の御意見を拝聴するというこ とは内閣としても極めて重要なことだということでございまして、各種の閣僚会議幹事長以下与党幹部の御出席を願っておる例は他にもあるわけでございます。
  14. 久保田真苗

    久保田真苗君 他に例があるというのも、ちょっと筋が違うんじゃないかと思うんですね。  これは、憲法第六十五条で「行政権は、内閣に属する。」ということになっています。第六十六条の三項で「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。」となっているんですよね。そして内閣法の第二条二項でも同じことがもう一度うたわれておるわけです。  その精神に反しているんじゃないんでしょうか。
  15. 藤田公郎

    政府委員藤田公郎君) ただいまの委員会の御指摘につきましては、先ほどの官房長官の御答弁で尽きているかと存じますけれども、いろいろな関係閣僚会議がいろいろな問題について設けられておりますが、その際に、与党でございます自由民主党役員参加を求めている場合がございます。その閣僚間の調整の過程で与党意見を徴することが望ましいと考えるものについてこの御意見を参考にするということは、行政権内閣に属するといたします憲法及び内閣法精神に反するものではないというのが私ども考え方でございます。
  16. 久保田真苗

    久保田真苗君 先ほど官房長官は、できるだけ広く御意見を伺うとおっしゃっているんですね。それだったら野党も参加したっていいはずですね。  ですけれども内閣国会そして政党というものはそれぞれの役割があるのでして、そこのところをきっちりとけじめをつけていただかないと与党だけが不当に大きな影響力事前に持つことになるんですね。これは、ここに並んでいらっしゃる十四閣僚方たち与党幹部方々幹事長を初めとしまして総務会長政調会長、その他のこういう方たちの方がずっと大きい政治的影響力を持っていらっしゃるんですよ。こういう方たちがここにお入りになって仮に一言も発しないで見ていらっしゃるだけだって、それはもうその中の協議が非常に影響を受けることは当たり前じゃありませんか。しかも六人ですよ。これは幾ら何でも度が過ぎています。私は、こういう形で官房長官がどんどんと政党政府けじめをなくしていらっしゃるということにつきましては本当に抗議をしたい。  官房長官、どうなんですか。
  17. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 法的な意味での、内閣国会と裁判所、三権分立の問題と片や現実には政党政治、それから責任政党として内閣責任を負っているという立場与党のそれぞれの最高責任者のお考えというものは極めて重要なものだというように考えているわけでございます。したがいまして、従来から予算の編成にいたしましても与党の御理解を得た上で内閣としては最終案を決定するというような慣行にも相なっておることは既に御案内のとおりでございます。  したがいまして、本件につきましても、与党のそれぞれ責任ある立場皆さんの御意見を拝聴しながら政府としての考え方を取りまとめる上での閣僚会議でございまして、法的に言えば、そこで議論されて考え方がまとまりますれば、当然のことですがそれを政府考え方として決定するためには閣議その他の手続を経て行うことでございますので、私ども政府といたしましては、与党考え方をこうした形で承るということはある意味ではなさなければならないことの一つでもあるというふうに実は考えるわけでございまして、この点御理解をいただきたいと存じます。
  18. 久保田真苗

    久保田真苗君 ODAにつきましては、金額が非常に大きくなっているんですね。しかもどんどん伸びている。したがって、数々の利権を伴うということでこれまでにも幾つかの不祥事や疑惑指摘されているんです。六十三年度の一般会計ベースでも七千億円ですよ。事業予算ベースだと一兆三千五百億円、非常に巨額になっているんです。いよいよこの利権与党が手をつけてきた、こういうことで今までのODAを決めていくことの原則に対して与党の側からくちばしを入れているんだというそういううわさが出ているんですね。しかも、リクルート疑惑の解決されないままの中でこういうことをなさればますますODAについての不信感が高じるだろうと私は思うんです。これ以上やっても仕方ないと思いますけれども、私は、このODAに関して内閣のあり方がそういうふうに党利党略でゆがんでいくことに厳重に抗議をしまして、これはぜひやめていただきたい、そのことをお願いしておきます。  次に、高石文部省事務次官の問題でございます。  報道によりますと、高石邦男氏に勧奨退職扱いでもって六千五百万円という退職金優遇措置で支払われております。  このことは確かなんですね。
  19. 奥田與志清

    説明員奥田與志清君) お答え申し上げます。  御指摘のとおりでございます。
  20. 久保田真苗

    久保田真苗君 ところで、総務庁長官にお伺いしたいんですけれども総務庁からは昭和六十年四月三十日付で「国家公務員退職手当法運用方針」という通達をお出しになっています。この中で「退職の主たる理由選挙に立候補するためのものであることが明らかである場合には、勧奨退職としては取り扱わないものとする。」というふうになっています。  高石氏の場合、私はまさにこれに該当するんじゃないかと思うんですけれども総務庁長官の御所見を伺いたいと思います。
  21. 高鳥修

    国務大臣高鳥修君) ただいま久保田委員指摘のように、選挙に立候補することが明らかなる場合には勧奨退職として取り扱わないものとするという総務庁長官通達が六十年四月三十日に出されております。  それで、この選挙に立候補するために辞職したかどうかということの判断あるいは勧奨退職にするかどうかということの判断につきましては、当該省庁責任者にその判断がゆだねられておるところでございますので、したがいまして事の是非につきまして私の方でとやかく申し上げる立場には残念ながらないわけであります。  ただ、私どもといたしましては、通達趣旨を踏まえて、国民の皆様方疑惑を招かないように疑念を抱かれないように慎重に取り扱っていただきたいというふうに考えております。
  22. 久保田真苗

    久保田真苗君 文部省解釈はどうなんですか。
  23. 奥田與志清

    説明員奥田與志清君) お答えいたします。  高石事務次官昭和六十三年六月十日に退職しておりますけれども次官就任以来約二年に達しようとしておりまして、通例の人事異動時期でもあり人事を刷新し行政能率維持向上を図るという趣旨により後進に道を譲ってもらうよう慫慂いたしまして、本人もこれに応じたということでございます。  したがいまして、退職手当の問題につきましては、このような場合にはいわゆる勧奨退職ということで取り扱うことができるものだというふうに考えましてそのように取り扱っております。
  24. 久保田真苗

    久保田真苗君 人事刷新という解釈のようなんですけれども次官に就任したのが六十一年六月、そしてリクルートの株を譲り受けたのがその年の九月、毎日テレビのインタビューにお出になって事実上の出馬声明をされたのが六十三年三月、月刊雑誌で同じように出馬意思を表明されたのがその年の五月、そして在任中の出張は報道によりますと三十六回、その中で福岡県、地元が十二回というふうになっておるわけでございます。こうなりますと、明らかに在職時から既に選挙に出るという意思表示もされたし、そのことのための準備を公職の中で着々とお進めになったということがあるんです。  私は、ここで問題になるのは、高級公務員事前運動というものがその役職の権限の中において公然と行われているということなんですよ。総務庁長官、もしこういうケース総務庁長官通達に違背しないということであれば、実際問題とし て事務次官局長などの任期は非常に短いものですからすべての者がこれに該当しないということになるんです。これは一片の精神規定であって実際には死に文だということだと思うんですね。もしこのケース総務庁通達に何ら規制されないということであれば、私は総務庁通達というものの権威は全部もう落ちてしまうと、こう思うんです。権限の外だとおっしゃるんですけれども総務庁長官のお立場で、やはりこういう明らかに選挙に出るという事前運動がありしかも公職の中で公金を使って事前運動がなされているということについて、何らかのお取り締まりがなくちゃいけないだろうと私は思うんです。  その点はいかがでしょうか。
  25. 高鳥修

    国務大臣高鳥修君) 私は違背をしておるとかしていないとかという判断を申し上げているわけではございませんで、私ども立場からはそれが適当であるとか適当でないとかということを申し上げかねるということで申しておるところであります。  したがいまして、文部省なりそれぞれの関係省庁において適切な対処をさるべきであるというふうに私どもは考えております。
  26. 久保田真苗

    久保田真苗君 しかし、こういう通達をお出しになって公務員の綱紀の問題について公式の態度をお出しになるのは総務庁長官のお仕事なんですよ。そういたしますと、その件についてはあるいは文部省がすることかもわからないけれども、しかしその文部省や何かを全部総合的に扱って斉一的に皆さんにそういう指示をしていくというお立場はあると思うんですね。  私、ぜひ閣議でこれは発言していただきたいと思うんです。どうなんでしょうか、このままじゃ幾ら何でも総務庁長官権威はございませんよ。
  27. 勝又博明

    政府委員勝又博明君) 退職手当支給に当たりましてそれを勧奨退職として扱うか否かにつきましては、一義的には任命権者所管事項でございますが、私どもといたしましても退職手当制度を所管しているものでございますので、個々の事案につきましては御相談があれば退職手当勧奨退職扱い趣旨等を徹底いたしましてそれなりの指導をいたしているところでございます。
  28. 久保田真苗

    久保田真苗君 御相談がありますればじゃなくて、通達をお出しになった立場、その御責任というものをひとつぜひ貫いていただきたいとお願いしておきます。  さて、防衛庁長官に伺います。  会計検査院検査についてなんですけれども会計検査院から十六日に六十二年度決算検査報告というのが出ているんですね。そして防衛庁関係でもって、海自の船舶の国有財産台帳の価格の記載について不適切だ、もう一つ、F15の主燃料ポンプ運用の不適切、この二点について指摘があったんですね。  この内容について今やっている時間がございませんが、私が特に指摘しておきたいのは、この会計検査院検査に対して防衛庁が協力的でないというようなそういうことを仄聞するんですね。協力的でないということはまことに困るんです。この会計検査とかそれから総務庁がやっていらっしゃる行政監察は、防衛庁といえども決して聖域ではないはずなんです。もしそれが聖域だとすればシビリアンコントロールなんてものはもう防衛庁にはきかない、こういうことになるわけでございますよ。  防衛庁長官はこのことについてどういうふうにお考えになりますでしょうか。
  29. 藤井一夫

    政府委員(藤井一夫君) 防衛庁といたしましては、会計検査院検査を受けますに当たりましては従来から必要な時期に必要な説明、資料提出等は十分実施しておりまして、決して防衛庁が会計検査に対して非協力的であるというようなことはございません。  それで、先生ただいま御指摘いただきましたような報道がございましたものですから、私どもも困惑いたしまして事実関係を調べてみました。ところが、新聞報道にございます資料要求につきましても検査に支障のないように遅滞なく同院に提出しておりまして、本件に関しましても私どもが資料提出をおくらせたとか非協力的であったというような事実は全くございません。
  30. 久保田真苗

    久保田真苗君 それでは、ここにこういうふうにございます。なかなか資料提供が行われなくて、一カ月たってやっと防衛庁から英文の資料がそのまま届いたということなんですね。防衛庁が、例えば防衛白書にしましても日ごろなかなか国民の前にそれを早く出すということをなさらない、極端に秘密秘密というふうにやっていらっしゃる過去の実績がございますので、私もさもありなんという感じを受けるんです。しかし、これが間違っているのならそれはそれで結構です。  今後とも防衛庁長官に、ぜひ会計検査、行政監察にはきちんと応じて必要な資料はどんどん提供して防衛庁の会計に誤りなきを期していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  31. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) ただいまの久保田先生の御指摘の件につきましては、私たちはこれまでも積極的に協力いたしているわけでございますが、今後も資料提出等について協力をしてまいりますので御理解をいただきたい、こう思います。
  32. 久保田真苗

    久保田真苗君 日米共同作戦計画について時間のある限りお伺いします。  十一月二十四日、石井統合幕僚会議議長の御発言で、新しい日米共同作戦計画の研究に着手するということがあったんですが、その真意について御説明願います。
  33. 日吉章

    政府委員(日吉章君) 日米共同作戦計画につきましては、かねがね一つの前提を置きまして研究を行いました点は本国会に対しましても御説明を申し上げたことがあるかと思います。  それにつきましては一つの区切りがついてございまして、その後、当委員会でありましたかどうか国会の中でも新たな前提に基づいた研究というものを始めるのではないかというような御質問等がございまして、私どもとしては、新たな想定に基づきました研究に着手すべく日米間で協議をいたしておりますというようなことを既に昨年御説明を申し上げているかと思います。  その後、日米間で協議を続けてまいりましたが、いろいろな段取り等につきまして話し合いが進んでまいりましたのでそろそろその研究に本格的に着手し得るような状態にまで進んできたのではないか、かような認識を持っておりまして、石井統幕議長の発言はそういうふうな状況を踏まえまして記者の質問に対しましてその旨を答えた次第でございます。
  34. 久保田真苗

    久保田真苗君 その新しい中身についてお答えの中に全然何も入っていないんです。  これは次に譲るしかありませんけれども、紛争同時多発下の日本防衛ということで今までの日本有事あるいは日本の周辺といったようなものから大きくはみ出して、言われますところの、例えばヨーロッパ有事の場合でもその第二戦線の構想という世界戦略の中に入っていくんじゃないかという心配が大いにあるわけでございます。  私、防衛庁長官にこの際お願いしておきたいんですが、憲法を明らかに逸脱してそして集団自衛権の行使に当たるというようなこういうことがもし内容にあるということであれば、私はそれは長官に何が何でも抑えていただかなきゃならないと思うんです。  それで、今度の研究は多分そちらの方向にだんだん踏み込むんじゃないかというおそれを持っておりますので、この研究を始めるに当たりまして事前に何らかの御注意、例えば集団自衛権の行使とか専守防衛の枠をはみ出すとかそういったことはしないというそういう御指示をやっていただきたいなと思うんですが、いかがでしょうか。私、長官に伺っているんです。簡単なお答えで結構です。
  35. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) 新たな研究の場合、これまでも事前に統幕と内局との間で十分調整しながら進めてまいっておりますし、今後もそういう調整はしてまいりたい、こう考えております。  決して憲法精神を踏みにじるような研究をしてはいけないということは私も常に考えているこ とでございますので、ただいまの先生のお話については十分私たちも意を用いながら今後新たな研究をしてまいりたい、こう思っております。
  36. 菅野久光

    菅野久光君 まず初めに、今度の国家公務員等に関する給与法等の改正案について、八月の四日に人事院勧告がなされまして、十月の二十五日にこの勧告についての取り扱いが完全実施ということで閣議で決定されました。国会にこの法案が出されたのは十一月二十二日です。閣議決定から約一月、人勧があってから約三カ月ですか、このようにおくれたことは勧告の趣旨からいっても極めて遺憾だということを私は申し上げなければならないというふうに思います。  とりわけ今度の御提案は、給与法改正案手当の切り下げを内容とする寒冷地手当法改正案、しかも実施時期の異なるものを一本化して提案しております。この点については何としても納得ができないんです。特に、寒冷地手当法改正案は、今申し上げましたように切り下げの提案です。私は、切り下げというのは人事院ができて以来初めてじゃないかなというふうに思います。  そういうことでこのことについても十分な論議をしなければいけないというふうに思っておりますけれども、いよいよ暮れが押し迫って、先ほどの長官の御提案にも「何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。」と、これは決まり文句にしても、わずか二時間ちょっとぐらいで慎重審議というわけにはいかないわけです。給与法の関係についてはある程度理解ができますが、引き下げを伴う寒冷地手当の問題については私も北海道出身という立場からいえば北海道に住む公務員の人たちの生活に直接かかわる問題だということでこの場でもいろいろ論議をしたいわけですが、もう限られた時間でありますから極めて残念でございます。  今回は、寒冷地手当の本体そのものはいじらないで、特に灯油の価格が下がっているということで加算額の問題について減額提案、こういうことになりました。甲地——甲地といっても一般の方々にはわからないかと思いますが、北海道を三つの地域に区切って、一番寒い地域を甲地、それから真ん中の地域を乙地、そして道南の割と暖かいところを丙地とこういうふうにしておりますが、甲地では今まで現行十万五千三百円が今度は六万六千五百円、実に一度に三万八千八百円、約三七%引き下げということになります。乙地でも現行八万一千六百円が今度は五万一千六百円、三万円の減、丙地で現行六万一千円が今度の御提案では三万八千六百円、二万二千四百円という大幅な減になっています。これは、北海道の地域における経済的な効果の面からいっても大きな影響を受けることは申すまでもありません。  灯油の価格が下がったという事実は、これは確かに私どもも認めます。北海道に住む公務員の人たちは、実は本州にあるポータブルのようなああいうものじゃなくて、十数万円もするような暖房器具をつけないと燃焼効率が悪いし暖房効果もよくないということで、灯油の価格が下がってちょっと余力があるときにそういうものを買いかえるということなどを含めて経済的にも公務員にとっては大変な、今年度はそのままでありますけれども来年度以降、そういう状況になる。そういうことも人事院ではある程度承知しながらの今度の減額提案だとは思いますけれども、私も社会党の寒冷地対策特別委員会事務局長ということで総裁や給与局長にもいろいろお話を申し上げた経過もあります。しかし、やはり北海道に住む公務員にとって何とか納得ができるというような状況の中でこういう手当の問題についていろいろなされることが必要じゃないかなというふうに思うんです。  特に使用量の問題を何度かお話しになりましたけれども、全道平均では一冬約千八百リッターということでありますが、これは六十一年の調査でこの年は暖冬だったんですね。しかしそれ以前の、北海道の消費者協会の暖厨房用燃料調査によりますと、五十五年以降五十七年ぐらいまで灯油の価格は大変上がった。やっぱり、上がったときには暮らしを守るということで使用量が極端に少なくなっていっているんですね。暖冬ではありましたけれども六十一年度は、使用量がちょっと上がっているということがあります。しかし、これも全道平均の使用量でありまして、しかもそれぞれの市町村での抽出が十件だとか十五件だとかという極めて少ない数です。この使用量を一体どのぐらいに見るかということは極めて難しいと思うんですね。家屋の構造がどうなっているか、単独の暖房器具かあるいは幾つ暖房器具を使っているか、セントラルヒーティングになっているのかどうか、それから家族の構成によっても受験期の子供を持っている家庭は夜中じゅうたいていますし、そういったようなこと等を含めていきますと抽出されるところによっていろいろ違うわけであります。  例えば、札幌のすぐ近くに当別というところがありますが、消費者協会の調査を見ますとここは飛び抜けて多いんですね。平均で見ましても札幌が千七百六十六リットルですが、当別は二千九百二十八リットル、全道一高いんじゃないかと思いますが、そのように非常に差があります。  そこで、非常に難しいことだとは思いますけれども、消費者協会のわずかの抽出で平均の灯油の使用量を決めるということではなくてもっと何らかの形で、いわば北海道に住む公務員がこの程度が平均だなと納得のいくような形での調査をすべきではないかというふうに思いますが、今回減額勧告をなさったということを踏まえてその点についてお考えがあればひとつ聞かせていただきたい、このように思います。
  37. 内海倫

    政府委員(内海倫君) 後刻給与局長から答弁申し上げさせますが、勧告に当たりまして減額するということはやはりされる立場に立つと仰せのように大変厳しいことですから、これは私どもも悩みを頭の中に反映しながら真剣に考えた問題です。その間、皆さん方からもいろいろ御意見も承りましたし、職員団体の皆さんからもいろいろ意見は聞きました。そういうものをいろいろ承りながら、なおかつ寒冷地手当加算額というものについては、要するに燃料そのものの価格の上下に左右されざるを得ない。これはわずかな低下であればともかく、ここ数年の経過の間における低下というものはかなり大きくなっておりますので、この際ある程度やはり加算額に関する限りは考えざるを得なかった、そういうことでございまして決して安易に手をつけたわけではないということを御理解いただきたいと思います。  なお、いろいろお示しくださった問題につきましては給与局長から補充をさせていただきます。
  38. 中島忠能

    政府委員(中島忠能君) 今回の寒冷地手当改定につきましては、菅野先生初め多くの方々に御意見をちょうだいいたしました。その御意見をちょうだいする過程におきましていろいろな議論もいたしましたし、また私たちも教えられるところが多々あったと思っています。  ただ、最終的には先生方の御意思に反する結果になったということでございますけれども、私たちといたしましては、やはり情勢適応の原則に基づきましてこの際引き下げるべきものは引き下げるということに人事院に対する国民の信頼という面からいいましても踏み切らざるを得ない、こういうふうに考えて行ったものでございます。御賛同いただけないと思いますけれども、その点だけはひとつ御理解いただきたいというふうに思います。  次いで、具体的な御質問でございますけれども、北海道消費者協会というのは、先生の方がよく御存じだと思いますが非常に伝統のある消費者協会でございまして、私も二十数年前北海道消費者協会を訪ねて、物価問題とかあるいは消費者苦情とか当時問題になっておりましたュリア樹脂に関する取り扱いとかそういうものを勉強させていただいたことがございます。その当時でさえ地方の消費者協会にしては非常に立派だなというふうに感じて帰ってきたことを覚えておりますが、その消費者協会が全道で九百世帯ぐらいを対象にして調査をしておるということでございますし、そ の消費者協会の歴史、仕事の仕方というものから見まして私はこの協会における消費量の調査というのはかなり信用性の高いものだというふうに考えております。それ以後消費者協会はかなり充実しておるという話も聞いておりますので、私たちはこの消費者協会の調査いたしました使用量というものをもとに議論させていただいてもさして不都合はないんじゃないかというふうに考えております。  ただ、先生もお話しになりましたように、今回の寒冷地手当改正というのは加算額について行ったわけでございまして、基準額そのものはそのまま手をつけずにおりますので、先生がお挙げになりましたように加算額部分だけの引き下げというものを計算いたしますと三七%になりますけれども、基準額を合わせたところで計算いたしますと先生のお話しになります乙地では大体一四、五%の引き下げということになろうかと思います。  寒冷地において仕事をなさる公務員というのが大変なことだということはよくよく承知しておりますけれども、やはり全体を見渡した場合にはこういうことで私たちは勧告せざるを得なかったという背景事情もそれなりに御理解を賜りたいというふうに思います。
  39. 菅野久光

    菅野久光君 心を痛めながら減額勧告に踏み切らざるを得なかったというお話でございますが、総裁も何か体調を崩されたようなお話も聞きまして体にどうぞひとつ気をつけていただきたいというふうに思っております。  私はどの消費者協会が適当だとかなんとかということじゃないんですけれども、たまたま見ますと、先ほど例に挙げたように当別がどうしてこんなに消費量が多いのかということなどは、やっぱり抽出する対象によっても相当違ってくるわけですね。それから、生活のレベルといいますかそういうことによっても消費量が違うのは、これは当然ですね。先ほど申し上げましたように、寒いときには暮らしを守るということでできるだけたかないようにやっていますし、ちょっと暖冬であっても灯油が安くなればできるだけ快適な生活をということでそれだけ消費量が伸びる。そういうようなことなどもありましてこの使用量の調査などについても、関係団体等でもある程度話し合ってそういうものを継続されていってその上でこういう話がなされれば公務員もある程度納得できる部分があるんじゃないかなというふうに思うんです。  道の消費者協会を信頼されることは大変結構ですし、また北海道の消費者協会は立派だということを局長から言われて私もそういう意味では大変うれしいわけですけれども、そういう点での関係団体の方の理解を求めるためにも使用量の調査をここだけに依存するということはどうかなというふうに思うものですから私は申し上げているんですが、その点、もう一度ひとつそういう形で考えられないかということをお尋ねしたいと思います。
  40. 中島忠能

    政府委員(中島忠能君) こういう政定をする場合にはいろいろな関係方面の御意見を承るということは非常に重要なことと思いますし、また改定内容を固める過程におきましてそういう方々意見を交換しながらできるならば合意に達するよう努力すべきだということも私自身十分承知いたしております。  使用量につきましても議論の過程ではいろいろな話が出ましたけれども、ただ、この使用量につきましては、例えていいますと、寒冷地手当支給されていない地域においても暖房費というものは必要でございます。そういう地域における暖房というものを考えますと、この使用量というものを寒冷地手当の中でどの程度に位置づけて議論したらいいのかということはやはりこれから議論を深めるべき問題だというふうに思います。  今回の改定作業を経まして私自身もいろいろな方の御意見を承りましたけれども、これからもそういう意味においてはこの使用量の問題についていろいろな方の意見を聞いて勉強いたしたいというふうに思います。
  41. 菅野久光

    菅野久光君 次に価格の問題なんですが、昭和五十五年以来ずっと六月一日現在の価格を調査していらっしゃるのですね。今回は、夏の六月一日、いわば需要のないときの価格でありましたが、石油は国際価格でありますから非常に変動があるということで、現在は夏の時点よりも下がっているんですね。需要期なんですけれども、夏の六月一日現在から見ると下がっております。これは国際価格であるだけにこういうことがあるわけですけれども、通常の場合には、需要と供給ということから言えば、需要期には価格が上がるというのが一般的なんですね。  そういう意味で今回は、できるだけ激変緩和ということも含め、今後のこともいろいろお考えになって三年間の平均というようなことであったわけでありますが、この価格の調査の時期なんです。  今までは確かにいいんですが、今回、思い切って減額勧告という歴史的なことをやられたわけでありますから、ことしの冬かあるいは来年からでもいいんですが、六月一日ということだけではなくてもう一カ所需要期のどこかで調査をしていく、そういうことがずっと積み重なっていくということがこの種の問題については必要なことではないかというふうに思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
  42. 中島忠能

    政府委員(中島忠能君) 六月一日現在で調査をしておるというのは、この寒冷地手当支給日が八月末日ということになっておりますので六月現在で調べて八月に支給する、こういうことで六月一日というのを選んだ経緯がございます。  六月一日というのは今の先生の話では比較的灯油が高い時期じゃないか、こういうふうなお話でございますが、この寒冷地手当改定するときに使いますのは指数でございます。今回の場合には、五十五年六月現在のものを一〇〇にいたしましてそしてことしの六月現在のものが幾らかという指数を使うわけでございますから、調査時点を十月あるいは十二月にいたしましてもその指数というのはそんなに大きな変動はないんじゃないかというふうに思います。先生の御指摘は仮に完全に適正だといたしましても、毎年十二月になると灯油価格が下がっているということになりますと、それを一〇〇にして計算しますと指数の変動というのはそんなに変わらないんじゃないかというふうに思います。  したがいまして、私たちは六月一日現在で調べていることがそんなに不当だというふうに思いませんけれども、そういう御意見が関係団体の方にあるとしたならば関係団体の意見もこの際聞くことは私はやぶさかではございません。ただ、私たち考え方そのものは今申し上げたような考え方でございます。
  43. 菅野久光

    菅野久光君 六月時点で調査して八月支給ということですけれども、実質的には、今回の勧告のように六月時点で調査をしてそれでという形にはなかなかなっていかない。現物支給じゃないですからね。地方自治体の場合には現物支給で、例えばドラム十本だとか十二本だとかということで量で決めていくところがあるわけですね。しかし、国家公務員の場合にはそうじゃなくて寒冷地手当、そして加算額ということで決めていっているわけですから、私はそういう意味からいけば六月一日に調査をして八月に支給しなきゃならぬということではないんじゃないかというふうに思うんです。私は六月一日はずっと続けていっていいと思うんですよ。ただ、やはり需要期の価格が上がるということは、供給と需要の関係からいけば一般的にはそうなんですね。  だからこの機会に、六月一日は六月一日として、もう一つ需要期の価格というものを調査することを考えてみてもいいのではないかということを私は申し上げているんですけれども、その点いかがでしょうか。
  44. 中島忠能

    政府委員(中島忠能君) この価格動向の調査は人事院と北海道庁及び北海道内の市の協力を得て行ってきておりますので、そういう方面との意見調整もしてみなきゃなりませんし意見も聞いてみ なきゃなりません。先生の御指摘は御指摘としてきょうのところは承っておきたいというふうに思います。
  45. 菅野久光

    菅野久光君 それから、今回の加算額の問題でやはり灯油価格の急激な低下が減額勧告に踏み切った大きな理由なんですね。  それはもう間違いありませんね。
  46. 中島忠能

    政府委員(中島忠能君) 灯油価格が下落し、かつその状況がやや安定状況にある、そういうことが主たる原因でございます。
  47. 菅野久光

    菅野久光君 調べによりますと、灯油を使っている家庭とそれから灯油以外の石炭だとかあるいは電気だとかガスだとかというのが約八%ぐらいですか、そんな比率になっているんですね。圧倒的に灯油を使っている家庭が多いわけでありますけれども、石炭は灯油と違って逆にわずかでも上がっているわけですね。わずかな八%の中に含まれているものでありましても石炭を使っている家庭は灯油が下がったからということで加算額を下げられたことについて大変困っているといいますか、そういう状況というのは、これは容易に想像がつくわけですね。  大方がそうなんだから石炭を使っているものは我慢してもらわなきゃいかぬということになるとすれば、私はちょっと割り切れない気持ちがするんですが、その点はどのようにお考えでしょうか。
  48. 中島忠能

    政府委員(中島忠能君) 暖房用燃料として灯油ばかりを使っている人あるいは石炭ばかりを使っている人、それぞれ地域の事情によって変化はあると思います。  ただ、今回、寒冷地手当改正する際に、私たちは二つの点について意を用いております。  一つは、引き下げ幅につきまして、今先生がお話しになりましたように三七%ということで若干の配慮をしたということ。  もう一つは、私たちは灯油と石炭のそういうような問題もあるという話を話し合いの過程で聞いてまいりましたし、また電気による暖房という話もございましょう。そういうこともいろいろございますが、そういうものを含めまして、この際、私たちはこの勧告による実施時期というものを来年の八月三十一日の支給というところから適用しようじゃないかということで今回勧告に当たったわけでございますが、いろいろな要素というものがきちんと計算できてそしてその勧告内容というものが構成できれば一番いいんですけれども、やはりそういう個々の事情というものまでも含めて勧告内容を固めるというのは大変難しいことでございますので平均的なところで勧告をする、しかも先ほど申し上げましたように基準額の方については手をつけずに来ておるということでございますので、そういう面をあわせて考えていただけますと対応していただけるんじゃないかというふうに思います。
  49. 菅野久光

    菅野久光君 時間が参りましたので最後に、先ほど申し上げましたように石油は国際価格ですから急激な上昇ということもあり得るわけです。  十二月の十日でしたか、朝日で「灯油価格上昇の気配」なんて記事が出ますと私もどきっとするんですけれども、そういうような急激な価格の上昇とかがあった場合に敏速に対応してもらいたいというのが私の率直な気持ちなんですけれども、その点についてお伺いをして私の質問を終わりたいと思います。
  50. 中島忠能

    政府委員(中島忠能君) 今回の引き下げというのは、何回も御説明申し上げましたけれども、灯油価格の下落が始まりましてから満五年を経過し、そして価格の下落幅も相当大きいというところで引き下げの勧告というのを行ったわけでございます。  その反面といたしまして、引き上げのときにもやはり同じようなことを考えなきゃならないだろうというふうに思います。午前中もこれについて議論がございまして、引き上げについても灯油価格の動向を注視して適正な対応をいたしたいということを総裁から御答弁申し上げておりますので、私たちもそのとおり総裁の御答弁に従いまして今後の対応というものを考えていきたいというふうに思います。
  51. 菅野久光

    菅野久光君 終わります。
  52. 飯田忠雄

    ○飯田忠雄君 私は、昭和六十三年十月二十五日に閣議決定がございましたが、この内容につきまして少しく質問をいたしたいと思います。  給与改定をするに当たりまして、その措置閣議決定なされております。その第一が、行政の合理化、能率化を積極的に推進する、こういう問題が説かれております。  そこで、この問題につきましてお尋ねをいたしたいのでございますが、この閣議決定を御立案なさって閣議に提出なさったのは総務庁でございますか。——この御起案をなさったのは総務庁でございますので、総務庁の方では一応この内容が十分おわかりだという前提のもとにお尋ねをいたしたいと思います。  「行政事務・事業の整理、民間委託、人事管理の適正化等行政の合理化、能率化を積極的に推進する」こういうふうに述べられておりまして、これは大変結構なことでございますが、それでは過去においてはこういうことはどうであったかという問題が出てくるわけでございます。これからこういうことを推進するんだというのではなしに、過去の引き継ぎとして推進するとかこういうふうに読めるわけでございますのでお尋ねするわけですが、行政事務につきまして、従来これの合理化、能率化をなされておいでになったその実績はどのようになっておりましょうか、お尋ねいたします。
  53. 勝又博明

    政府委員勝又博明君) 行政事務・事業の整理の実績という御質問でございます。  その実績というものを数字的に御説明することは難しいかと思いますが、これまで行ってきました事項を若干申し上げてみますと、一つは、許認可等の整理でございます。  その内容といたしましては、第一に、各種の国家試験事務の民間団体等への委譲を五十七年、五十八年に行っております。また六十二年には、許認可等の新設の審査を行うということ、及び定期的な見直しを行うということを各省庁の許認可等検討会議で申し合わせ、六十三年の行革大綱で一層の推進を決定しております。  また、統計調査の整理再編ということでございます。  これにつきましては、統計調査四百九十六調査の中で百十五の調査につきまして五十九年度から六十一年度までの三年間にわたりまして整理再編を行っております。
  54. 飯田忠雄

    ○飯田忠雄君 そういうようなことをして人件費の累増を抑制しようとなさってきたわけですが、まあそれでも足らないので今後もしなければならぬということだと思います。  そこで、事業を整理して人件費の累増を抑制してきた、こういうことでございますが、この事業の整理というとどういうような事業を整理なさったのでございましょうか。
  55. 勝又博明

    政府委員勝又博明君) ただいま申しましたように、事務・事業の整理といたしまして許認可あるいは統計調査の整理を行ったわけでございますが、そのほかにも民間委託を推進いたしました。  これは六十三年の行革大綱で決めたことでございますが、郵便事業につきましては、局内作業あるいは集配作業につきまして業務委託の分野を拡大するということ、あるいは、国立病院・療養所につきまして共通的な管理業務を民間委託することを推進するというふうなことを決め、これに沿ってそれぞれの各省庁におきまして民間委託が推進されているところでございます。
  56. 飯田忠雄

    ○飯田忠雄君 今民間委託のお話が出ましたが、政府の行うべき仕事で民間に委託をした方がいいという仕事は大体どういうような方面の仕事でしょう。
  57. 勝又博明

    政府委員勝又博明君) その点につきましては、第三次臨調答申及びそれを受けました五十八年行革大綱におきまして、技能・労務職員等が携わっている事業については民間委託を積極的に進めるということをうたっておるわけでございま す。
  58. 飯田忠雄

    ○飯田忠雄君 政府の行う仕事を民間に委託するに当たっては経費が必要だと思いますが、民間委託費と比べましてそれを政府が行った場合の人件費との間には相当な差額があるかどうか、御研究になったことがございますか。
  59. 勝又博明

    政府委員勝又博明君) 民間委託を行うことによりまして行政経費の節減に当然なるわけでございますが、具体的な数字についてはただいま手元に資料を持ち合わせておりませんので後刻調べさせていただきたいと思います。
  60. 飯田忠雄

    ○飯田忠雄君 それでは、その問題はそれだけにしておきまして、次に「人事管理の適正化」こういうことが述べられております。「人事管理の適正化等行政の合理化、能率化を積極的に推進する」こういうわけですが、「人事管理の適正化」という言葉がどうも明確でないように思いますのでお尋ねいたします。  この「人事管理」ということは、総務庁が各省の人事を管理する、こういう意味なのでしょうか。それともそうではなしに、例えば総務庁で雇っておいでの職員の管理をうまくやる、こういう意味でしょうか。
  61. 勝又博明

    政府委員勝又博明君) 中央行政機関の一つとしての内閣総理大臣の補助機関として私ども総務庁人事局におきましては各省庁の人事管理の一体化の保持に努めておるということでございまして、私ども総務庁が各省庁の人事管理を直接にやるという立場にはございません。
  62. 飯田忠雄

    ○飯田忠雄君 人事管理の具体的な方法はどういうふうにしておやりですか。
  63. 勝又博明

    政府委員勝又博明君) 先生の御質問は人事管理の適正化の問題かと思いますが、人事管理の適正化につきましては、職員の士気の高揚あるいは活力の維持、あるいは政府職員としての一体感の確保、こういうものを通じまして行政の公正な執行、さらには総合的あるいは効率的な運用を確保するということを目的とするものと理解しております。
  64. 飯田忠雄

    ○飯田忠雄君 人事管理を行います実際の具体的な例を挙げますと、各省の人事管理の一番の長は実際的には大臣の下の次官ではないかと思いますが、それとももっと下までいきましょうか。
  65. 勝又博明

    政府委員勝又博明君) 人事管理権というものは任命権そのものかと思うわけでございますが、任命権者は本来的に各省庁の大臣でございますが、具体的に人事管理の各事項に応じまして次官以下、下部に権限を委任しているというのが実情かと思います。
  66. 飯田忠雄

    ○飯田忠雄君 人事管理を行うということは具体的な場合に内容がどうも明確でないように思いまして、国民の側から見ますと、どういうふうにして一体人事管理をしているのだろうかという疑いも持つわけでございます。余り役に立たないような人が偉くなったり、偉くなると思った人がだめになったりということはよくあるわけですね。こういう問題について、人事管理がどこまで適正に行われているか疑いを持たれるわけですね。  例えば、今もあるかどうか知りませんが、以前、勤務評定ということがございました。勤務評定は今もございますか。
  67. 勝又博明

    政府委員勝又博明君) 勤務評定制度はございますし、全省庁において勤務評定は実施されております。
  68. 飯田忠雄

    ○飯田忠雄君 この勤務評定なるものがまたいいかげんなものだと私は痛感したものです。  それは、割り当てをするわけですね。一つの省庁なりあるいは一つの課なりに割り当てをしまして、いい者と悪い者とランクを決めまして、例えば五段階なら一から五までありまして、一は何人、二は何人、三は何人と割り当ててくるわけですね。とにかく一番悪い五をどうしてもつけなければならぬようなそういう制度に昔はなっておりました。  私は、この制度のために随分人から恨まれて損したことがあります。以前、私の下に教授以下十三人の職員を持っておったんです。勤務評定をつけろというわけですね。助教授とかそれから講師に悪い点をつけますと、その次に上へ上げることができない。したがって、例えば一は助教授とかこれから上がる人につけざるを得ないわけですよ。そして、教授はもう上がらないんだからどうでもいいんで、実は、私は総務部長を兼務しておる教授を五にしました。これは最後までたたりまして大変恨まれたことがあります。  しかし、これはそういう勤務評定をつけろという制度そのものに私は無理があると思うんです。全部が優秀なんだからなぜ全部に一をつけちゃいけないのかという問題がございまして、そういう点につきましては現在は改まったと思いますが、どういうふうになっていますか。
  69. 勝又博明

    政府委員勝又博明君) 総務庁におきましては、毎年度、年度当初でございますが、その年度におきます「人事管理運営方針」というものを総務庁長官決定で定めまして各省庁に通知し、その周知徹底方を求めておるわけでございます。  その中で「職員管理の充実」という項目を設けまして、特に「成績本位による人事運用の推進」ということをうたっておるわけでございます。「職員の志気を高揚し、公務運営の活性化を図るため、職員の成績及び能力に基づく適正な任用その他の処遇に配意」しなさいということ、「また、成績主義のより一層の徹底を図るための方策について引き続き検討」を行いたいということ、こういうことを述べておりまして、人事管理におきます成績主義の導入徹底ということを各省庁に求め、私どもも研究を進めたい、こういう姿勢でおるわけでございます。
  70. 飯田忠雄

    ○飯田忠雄君 人事管理の適正化という問題につきまして、やはり普通の省庁であれば最高は次官だと思いますね。大臣が直接おやりになることはめったにない。大臣責任ですけれども次官が補佐してやるということが普通だと思います。  ところが、その一番上の次官が本当に正しい人事管理をしておるかということになりますと、これは非常に難しいんじゃないでしょうかね。次官となればすぐやめなければならぬので、次の職を考えなければならぬということになるとその方に頭がいって人事管理がうまくいかない。むしろ人事上は非難されるべきことをせざるを得ないということになると思いますが、こういう点についてのお考えはどうでしょうか。問題が今でも起こっているでしょう。そういう点についてどうお考えでしょうか。
  71. 勝又博明

    政府委員勝又博明君) 各省庁の事務次官はいわば役人のトップの方でございまして、そのトップの地位を占めその職責を全うするためにはそれなりの資質、能力をお備えの方でございますので、当然に各省庁におきましてそれぞれの省庁の実情に応じた適切な人事管理がなされているものと思っております。
  72. 飯田忠雄

    ○飯田忠雄君 閣議決定でおっしゃっている「人事管理の適正化等」を行うということの具体的内容は、どういうことを考えてこういう案文をおつくりになったのでしょうか。  今の長官は閣議に出ておいでにならなかったんですかね。長官の御意見はどうですか。
  73. 勝又博明

    政府委員勝又博明君) 人事管理の適正化の具体的な中身でございますが、私どもといたしましては、例えば、成績本位による人事運用を進めるということあるいは職員の能力を開発し啓発するということ、さらには各省庁間の人事交流を推進するということなどを考えております。
  74. 飯田忠雄

    ○飯田忠雄君 「第七次定員削減計画を着実に実施し、新規増員を厳しく抑制する」こういうことが述べられておりますが、これにつきましてはどのような方策になっておりましょうか。
  75. 増島俊之

    政府委員(増島俊之君) 現在の定員管理の基本でございますけれども、定員削減計画というのがございまして、これは昭和四十三年から始まっているわけでございますが、三年あるいは五年という計画期間をつくりまして、現在、第七次定員削減計画になっております。  今の定員管理は、その削減計画というものをつくりましてそして各省庁にいわば減員すべき員数というものを割り振りまして、言いますならばそ れを一カ所に集めまして、そしてまた必要な各省庁の行政需要、外交の機能の強化とかその他もろもろの新しい行政需要がございますので、そういう方向に配り直しているわけでございます。そうしまして、集めましてまた配り直すということをやっておりまして、そしてその残るものがございまして、それがいわば純減と言われているものでございます。昭和四十三年から今まで、第七次定員削減計画のちょうど二年度にかかっておるわけでございますがその減員は、トータル二十一万三千二百十八人ということになっております。一方、先ほど削減計画でプールしましたものをまた新しい行政需要に配り直すという作業があるわけでございますが、そういう増員ではトータル十七万七千五百五十二人ということになっております。したがいまして、今まで純減になっておりますのが三万五千百八十八人というので、これがいわば純減数でございます。  そういうことで各省庁にとっては大変厳しいものでございますけれども、現在、そういう削減をし、それを原資として新しい行政需要に振り向ける、こういう年々の作業をやっておるところでございます。
  76. 飯田忠雄

    ○飯田忠雄君 一つの官庁で職員を整理するということは大変なことだと思います。  私は、かつて海上保安庁におりました当時に、定員上陸上要員を海上要員にしなければならないようなそういうことが起こって、大変困ったことがあります。陸上要員の人は船に乗っても船を動かすことができない。しかも、事務がだぶついてたくさんの人がおるわけですね。こういう人を船で処理するということは大変困難であります。そういうようなことが生ずるわけです。官庁同士を合同しまして人員を割り振ってやるということになりますと生じます。やはり、割り振った人は特別の教育を施さないとだめだと思います。私自身も特別の教育を施されました。海上の操船業務から全部習ったんです。私は法律屋ですからそういうものはもともと知らぬのですが、しなさいと言われて覚えまして、今でも操船しろとおっしゃればできます。そういう教育をすればできるんだけれども、それがだれでもできるというわけにはいかぬのです。それは、幾ら教えてもどうしても覚えられない人もおります。  そういうようなことを勘案した上で定員削減計画とどう兼ね合わせていくかという問題がありますが、それにつきましてはどうお考えでしょうか。
  77. 増島俊之

    政府委員(増島俊之君) 現在の定員削減計画は、これはいろんな職種等に着眼いたしましてある省庁については何%というような一定の削減の計画をつくるわけでございますが、先ほどの御議論の中でも行政事務の合理化というような問題がありましたけれども、具体的にどういう事務を合理化してそういう削減に対応していくのかという事柄が一番わかりますのは各省庁でございます。したがいまして、各省庁もさらにまた各省庁の中で各部局にもなっていくわけでございますが、そういう主管のところがいわば工夫をいたしましてその削減計画というものをこなすわけでございます。  一方、今度はそういう新しい行政需要というものが当然あるわけでございますが、それにつきましては、毎年度のいわば予算要求時に定員要求というのがございまして、その新しい部分についてはどういう人間を振り向けるか、必要とするかということで増員要求をするわけでございます。そして、現実のその新しい事務にどういう人を振り当てていくのか、そのためにどういう訓練が必要であるかということは当然各省庁において判断をし、実施をして、特に先ほど先生がおっしゃいましたように訓練を要するということであれば一年あるいはまた半年の研修期間というように研修をやっていくわけでございます。  そういうことでこの具体的なやり方は、各省庁のいろんな行政事務がございますので、そういういろいろな行政事務に対応したいわば適材を振り向けるということを行っておるということでございます。
  78. 飯田忠雄

    ○飯田忠雄君 この問題をやっていますと時間が来てしまいますので、次の問題に移ります。  閣議決定の第四項に「公庫、公団等においてその役職員給与改定を行うに当たっては、経費の節約に努めるとともに、」云々とあります。  それで、この公庫とか公団というものの性質ですが、これは政府機関なのかどうか、つまり国家機構の一部として考えられておるのかそれとも民間のものなのかという点についてどうも明確ではないのですが、政府ではどのようにお考えでしょうか。
  79. 増島俊之

    政府委員(増島俊之君) 「公庫、公団等」とございますが、私ども事務的には通称特殊法人という概念、これは私ども総務庁設置法のいわば審査対象としておりますものでございますが、この総務庁設置法の中で「法律により直接に設立される法人又は特別の法律により特別の設立行為をもつて設立すべきものとされる法人」こういうのがございまして「法律により直接に設立される法人」といいますのは、もう既に今、姿かたちを変えましたけれども、三公社がそれに該当するわけでございます。「特別の法律により特別の設立行為をもつて設立すべきものとされる」といいますのは、政府が設立委員を命じまして設立行為をさせる、そういうものでございます。  さらに、その特殊法人の中で、特殊法人という名称ではありませんで具体的には公庫とかあるいはまた銀行とか金庫とか公団とかいう名称があるわけでございます。この名称のものが全く同一の性格を持っているというのは、こういうものは設立されたものを振り返ってみまして吟味しましても全く同一のものであるということではないのでございます。  しかし、公庫につきましては現在九公庫ございまして、国民金融公庫、住宅金融公庫、中小企業金融公庫等でございます。その企業体としての性格でございますが、独立採算制が非常に希薄であって、政策金利により特定の対象に融資を行うものということで一般市中金融機関の補完的な役割を果たす、そういうものを公庫というこの分類に属しているというふうにお考えいただいてよろしいのではないかと思います。  それから公団でございますけれども、公団にも十三公団ございまして、日本道路公団、首都高速道路公団あるいはまた森林開発公団、水資源開発公団等でございますが、この名称からもわかりますように、道路建設とかあるいは農用地開発とか住宅建設とかという業務を行っておりますが、概括的に言いますと社会的に要請の強い公共事業、社会資本充実のための公共投資でございますが、その社会的に要請の強い公共事業を実施するもので、事業の規模が大きくかつ複雑であって、また資金を民間または地方団体にも求めることが適当であるというようにされるものであって、経営上独立採算制を有しているということがその共通性であるというような御答弁を別の委員会においても申し上げております。
  80. 飯田忠雄

    ○飯田忠雄君 今おっしゃいました公団、公庫等における給与の原資つまり給与を払うお金は、これは政府予算から支出するんでしょうか。
  81. 増島俊之

    政府委員(増島俊之君) 基本的にこの特殊法人の職員といいますのは公務員ではございません。したがいまして、公務員給与というものではないわけでございますが、特殊法人の中には、先ほど言いましたように政策を推進するに当たっていわば各省庁の手となりあるいは足となりと言っていいのか知りませんが、手足となって動いていくというような業務がございます。したがいまして、いろいろな意味でこの給与面についても支援をするといいますか給付を、あるいは交付金とかあるいは助成金とかというような形で出すというものは中にございます。全然そういうものを受けていないものもあるわけでございますが、ここにあります公団のようなものではそういう助成をなしているものも中にはあるということでございます。  基本的には特殊法人の職員といいますのは公務 員ではございませんので、そういう意味公務員給与というものではないわけでございます。しかし、一般的にこういう閣議決定をしますときのこの種の考え方として、基本としてこういう公庫、公団等についても厳しい管理、給与についての厳しい姿勢というものが要るということであわせて閣議決定で収録されているというふうに理解しております。
  82. 飯田忠雄

    ○飯田忠雄君 ただいまおっしゃいました公団等でございますが、これは公共団体の職員録で調べてみましたら全部で百二十六もあるわけですね。公団が十四、事業団と名づくるものが十七、公庫と名づくるものが九、金庫が一、銀行二、基金十三、連合会二、共済組合六、協会十八、振興会六、株式会社十一、これはJRを除きます。研究所五、センター九、機構七、その他六とこういうふうになっています。  これを見てみますと、事業を経営しているものが多いわけですね。先ほどおっしゃいましたように、これは収入がある機関ばかりですが、収入があるけれども仕事が公的な仕事であるので補助をしなければならぬ、こういうことで補助をするから役職員給与改定にも政府は口を出す、こういう意味でございましょうか。
  83. 増島俊之

    政府委員(増島俊之君) 先ほど申し上げましたように、特殊法人の中には全く独立採算でやっておるものもあるわけでございます。しかし、もともとそういう独立採算というような観点からは事業の性格から執行できない。したがいまして、いろんな公的資金といいますかあるいは補助金とか先ほどの交付金とかいうものも給されているものもあるわけでございます。  したがいまして、繰り返しになって恐縮でございますけれども公務員給与についても厳しい姿勢で閣議決定されているわけでございますが、そういう一般会計の資金というものを給付しているそういう公庫、公団等のその事業につきましても、やはり、きちんとしたといいますか、少数精鋭といいますか、そういう観点に立ちまして合理化というものをしていかなければいけない、そういう考え方であると理解しております。
  84. 飯田忠雄

    ○飯田忠雄君 それでは、次の問題に入ります。  これは閣議決定では五号に書いてある問題で、地方公共団体におけるものでございます。  地方公共団体の公務員国家公務員との間には現在給与法の統一がないわけですが、これは統一法をつくるべきではないかと考えられますが、こういう点について政府のお考えはどうでしょうか。
  85. 松田研一

    説明員(松田研一君) 地方公務員給与につきましては、自治省といたしましては、現在、一般的に規定がございます地方公務員法の趣旨にのっとりまして、基本的に同種の職務に従事する国家公務員給与に準ずるべきであるというような観点からそのような指導を行ってきております。  形式といたしましては、地方団体では条例で定めるというふうになっているわけでございますが、このような指導によって対処できているのではなかろうかと考えております。
  86. 飯田忠雄

    ○飯田忠雄君 この問題はいろいろ問題があるんですが、生活費の地域差の問題もあるし、これは一口に難しいので御研究を願うことにしまして、次の問題に入ります。  寒冷地手当は、毎年一回、八月三十一日に支給するとこう書いてあります。しかも、それは越冬費用に対する補給金的性格を持つ給与だとこう記載されております。  そこでお尋ねをいたしたいんですが、人事異動というものは必ずしも八月三十一日にあるわけではございませんので、八月三十一日に支給するということにしてしまいますと、いただいた金を使ってしまってから人事異動があったのでは後から返還しろと大変迷惑なことになります。また、いろいろのものを購入した後でその購入したものはもう要らないということになってしまう可能性がありますので、これは毎月の初めあるいは終わりに一カ月分ずつ分割して支払うのが妥当ではないかと考えられるんですが、その点についての御見解はどうでしょうか。
  87. 中島忠能

    政府委員(中島忠能君) 八月三十一日に支給をしてそして冬季に使用する燃料とか暖房器具とかそういうものを購入していただこう、しかも一般的に言いますと夏の間の方が価格が安いだろうということで八月三十一日ということで支給されておるわけでございます。  先生の御指摘のような方法もあるかもわかりませんけれども、現在、八月三十一日に寒冷地手当をもらってその金を他の用途に使って困ったというような話も特段聞いておりませんし、八月三十一日でとにかく支給していただいてそのまま続けてほしいというのが大半の公務員の声じゃないかというふうに思いますが、いかがでございますかね。
  88. 飯田忠雄

    ○飯田忠雄君 それでは、北海道に勤務する方の人事制度の問題です。  せっかく八月三十一日に支給するということにしたんですから、九月以降は翌年の暖かくなるまでは人事異動は原則としてしないということならこれは大変いいと思いますよ。しかし、人間は生身のものはいつ死ぬかわかりませんからね。死んだときはやむを得ぬから後任を出しますけれども、その後任に対しましても特別の考慮を払う必要があるのではないでしょうか。後任には八月の三十一日にもらったものを分割して返納させたものを与えるということですと随分不利になると思いますが、いかがでしょうか。
  89. 中島忠能

    政府委員(中島忠能君) 頭の中ではいろいろなことが考えられると思います。先生のお話もお話としてそれなりに理解できます。  ただ、現実にそういう寒冷地手当を受給している職員で構成しておる団体がございますので、そういう団体の意見も一度聞いてみたいというふうに思います。
  90. 飯田忠雄

    ○飯田忠雄君 では、今までいろいろ補佐の方に御意見を承りました。  最後に、大臣の御所見はいかがでしょうか、お伺いいたします。それで私の質問を終わります。
  91. 高鳥修

    国務大臣高鳥修君) 寒冷地手当を分割して支給したらどうかとかあるいは異動をした場合にその一部を返納させて後任の人に渡したらどうかとかいろいろな御意見につきましては、今人事院の方からもお答えがございましたが、私ども見ておりますと人事異動というのは大体八月前に通例行われておりまして、八月以降は、例えば病気でどうしても休まざるを得ないあるいは不慮の事故で亡くなられるというようなそういうケースの場合に補充をするということはあると思いますけれども、そう数としては多くないのではないか、ごく限られたものであろうと思います。したがいまして、そうしたことも十分念頭に置きながら人事管理を適正にやっていかなくてはならぬと思っております。  御意見につきましては私どもまた勉強してみたいと思っております。
  92. 飯田忠雄

    ○飯田忠雄君 終わります。
  93. 吉川春子

    ○吉川春子君 まず、寒冷地手当の問題についてお伺いいたします。  最初に、ちょっと確認しておきたいんですが、寒冷地手当については歴史的にいろいろないきさつがあり現在に至っておりますけれども寒冷地手当とは何か、定義を伺います。  灯油、石炭の費用、暖房費なのかあるいは暖房費のみならず寒冷地に住むことでかさむ費用の総称を言うのか、どれに当たるんでしょうか。
  94. 中島忠能

    政府委員(中島忠能君) 寒冷地に勤務することによりまして生活費がその他の地域よりもたくさん必要だろう、その一部を補てんするというそういう性格だというふうに心得ております。
  95. 吉川春子

    ○吉川春子君 寒冷地手当の前身は、北海道の暖房用石炭の使用による石炭手当と内地の薪炭の使用による薪炭手当というふうに伺っています。そのときの生活習慣、石炭ストーブ、まきストーブの使用燃料から来ているわけです。  政府は、加算額について、石油、石炭代という狭い定義で考えておられるのかどうか、その点はどうでしょうか。
  96. 中島忠能

    政府委員(中島忠能君) 寒冷地域における主たる暖房用燃料ということで石油と石炭を代表として採用しておるわけでございます。
  97. 吉川春子

    ○吉川春子君 主たるということであるとすれば、それは薪炭費用に限らない、こういうことですね。
  98. 中島忠能

    政府委員(中島忠能君) 現在の時点で申し上げますとやはり灯油が主たるものでございますので、灯油及びそれを補う形で石炭ということになろうかと思います。
  99. 吉川春子

    ○吉川春子君 暖房費用、こういうふうに定義として考えるとすれば、今日暖房器具も非常に多様化してきています。私、北海道新聞の記事も拝見したんですけれども、北海道では石炭ストーブあるいはセラミックヒーター等が有効で人気があるというふうに報道されています。  北海道電力に伺いますと、一般家庭における月平均の電力使用量は、例えば、六、七月ですと各一カ月当たり六十四、五キロワットアワーというふうになっているんですね。ところが、一、二月になりますとそれが二百十キロワットアワーを超えていますので、夏と比較して三割増しぐらいになっているわけなんです。この電気の使用量の増加がすべて暖房器具によるものである、こういうふうにはもちろん断定できないんですけれども、この数字から見ても冬場に暖房器具として使われるものに電気を使用した暖房器具もふえてきているんじゃないか、こういうふうに言うことができると思うんです。  このように暖房器具の変化あるいは生活習慣の変化というものが今回の寒冷地手当加算額の引き下げに際してどのように勘案されたのでしょうか。
  100. 中島忠能

    政府委員(中島忠能君) 北海道消費者協会の調査によりますと、家庭用暖房として灯油が九七・三%の家庭において使用されておるという統計が出ております。したがいまして、私たちはその数字からいいまして灯油というものが主たる暖房用燃料だろうというふうに受け取っていいだろうと思いますし、また民間における寒冷地手当というものも見てみますと、灯油というものをもとに寒冷地手当を算定しているところが過半ございます。  したがいまして、暖房用燃料としてどのようなものが使われつつあるかという傾向そのものは私たちも注目していなければならないと思いますけれども、現在のところは灯油及びそれを補う意味において石炭というものをもとに算定するということで大体合意が得られるだろうというふうに思います。
  101. 吉川春子

    ○吉川春子君 そうしますと、電力による暖房、こういうものについては今回の加算額の引き下げについては全く考慮されなかった、こういうことですね。
  102. 中島忠能

    政府委員(中島忠能君) そういう各種の暖房用エネルギーの使用状況をきちんと調査し、そしてきちんと引き下げるというのも一つの方法だろうと私は思います。  しかし、いろいろな議論の過程で私たちが考えましたのは、引き下げ幅につきましても、三年間の平均をとってそこに幅を持たせようじゃないかという方法をとったわけでございます。
  103. 吉川春子

    ○吉川春子君 何かおどかしの答弁のような感じがいたします。  それならば重ねてお伺いいたしますけれども人事院の示された灯油の年間平均使用量千七百九十九リットルは家計調査に基づいている、こういうことです。労働組合の調査によりますと、北海道での使用量はこれよりもはるかに多くて二千から二千二百七十四リットル、こういう数字が出ているわけなんです。それに基づいて計算しますと、今回の改悪で不足額が二万五千円から四万四千円にもなる、こういう結果になります。さらに、北海道新聞の報道やあるいは労働組合の試算によれば、四人家族で越冬費用は三十万円を超える、こういう計算になるということも言われています。育ち盛りの子供一人に防寒用品が八万円以上必要だという数字さえ言われているわけなんです。  こういう問題について寒冷地手当法律には「人事院は、この法律に定める給与に関して調査研究し、必要と認めるときは、国会及び内閣に同時に勧告することができる。」こういうふうになっているわけですけれども、この種の調査というのはどの程度おやりになったんでしょうか。
  104. 中島忠能

    政府委員(中島忠能君) 寒冷地手当改定に当たりましては、使用量というのも私たちは注目しております。ただ、午前中から何回も議論に出ておりますように、暖房用燃料としては寒冷地手当の非支給地においても消費しておるわけでございます。したがいまして、寒冷地域における使用量そのものをこの寒冷地手当改定に当たってどの程度の要素として考慮するかということについては十分議論を深めなければならないというふうに思います。  したがいまして、現在までのところは昭和五十五年に改定いたしましたが、やはりその当時購入することができた灯油ないし暖房用燃料というものを改定後においても確保することができる、ひとつそのようにしようじゃないかという前提で私たちは今回改定の勧告をしたわけでございますが、勧告後の改定の額におきましても五十五年当時の暖房用燃料を十分確保できるように配慮はしてございます。
  105. 吉川春子

    ○吉川春子君 生活様式の変化その他で灯油の使用量も当然ふえているわけですし、この使用量を全然調査の対象にしなかったということは非常に片手落ちではないかというふうに思うわけです。  もともと公務員給与が低く抑えられている中で寒冷地手当というのは生活給に組み込まれている、こういう要素もあるわけです。今度のアップ率も非常に低く抑えられていて、その生活水準の向上というにもほど遠いし現状の維持も危うい状況だ、こういうふうにも言えるわけです。ここ数年人勧が値切られたり低く抑えられたりする中で今回の寒冷地手当の引き下げというのは生活水準の切り下げに通じる、こういうことなんですけれども、この寒冷地手当の最後に総務庁長官の御見解をお伺いしたいと思います。
  106. 高鳥修

    国務大臣高鳥修君) 寒冷地手当につきましては、委員御承知のとおり、今まで灯油価格の高騰等に伴いまして数次にわたりまして引き上げをしてきたところであります。したがいまして、今回人事院におきましていろいろ調査の結果、引き上げるときにそういうことをベースにして引き上げたわけでありますから、引き下げについても調査の結果を踏まえて適切な勧告が行われたものと思いまして、これを受けとめて私どもとしては法案を作成し御審議を煩わせているところであります。  したがいまして、今後また情勢の変化等がございました場合には人事院においても適切な勧告がなされると思いますし、私どもといたしましてもそれを受けて対処をしたいというふうに考えております。
  107. 吉川春子

    ○吉川春子君 寒冷地で生活するということ自体なかなか困難な問題も多いわけですから、そういう面に十分配慮して寒冷地手当を決めるべきだと思います。  そこで、官房長官がお見えになりましたので、十六日の閣議国家公務員の綱紀粛正策を決定されましたが、私はそのことについてお伺いします。  官房長官は、十二月十六日付の文書で官庁綱紀の粛正に関し具体的措置の徹底を求め、「関係業者等に係る、会食、遊技、贈答品の受領、未公開株式の譲受け、政治家あるいは立候補予定者等の行う会合のパーティー券の購入斡旋等の行為について、特に留意されたい。」こういうふうにしておられるわけですけれども、今回の通達リクルート事件に端を発しているというふうに見れば政治家こそ綱紀粛正が必要ではないかと思うんですけれども、その点については長官はいかがお考えでしょうか。
  108. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) お話しのように、公務員に対しての綱紀粛正につきましては総理大臣閣議での御発言を受けまして昭和三十二年以来閣議決定をいたしまして、そのことを私から通知をし各省庁におきましてその実を上げるべく最大の努力をいたしておるところでございます。  つきましては、政治家についてとこういうことでございますが、政治家それぞれは、昭和六十年の六月二十五日の政治倫理綱領をそれぞれに拳々服膺し、この綱領を守ることが至当でございまして、それぞれの方々がそのようなお気持ちを持って対処されるべきものだというふうに考えております。
  109. 吉川春子

    ○吉川春子君 この倫理綱領については別に意見がありますが、きょうは時間の関係で私はそこは触れません。  文部省の加戸官房長がお見えですからちょっとお伺いします。  新聞報道によりますと、高石前文部次官は六月の退官時に勧奨退職扱いを受けていたというんですが、退職金幾ら払ったんでしょうか。
  110. 加戸守行

    政府委員(加戸守行君) 高石次官退職金につきましては、国家公務員退職手当法規定に基づきまして正規に支給をされております。  金額につきましては、個人の事情でございますのでお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
  111. 吉川春子

    ○吉川春子君 おかしいですね。  そんなものは、総理府汚職のときの退職金はちゃんと総理府は言ったんですよ。文部省は言えないんですか。
  112. 加戸守行

    政府委員(加戸守行君) これは各省共通の事柄でございますけれども事務次官あるいは局長等の退職手当につきましていまだ金額を各省庁から申し上げた事例はございません。
  113. 吉川春子

    ○吉川春子君 そんなことないですよ。官房長は内閣委員会審議に出ているわけじゃないから御存じないはずですよ。  そこで、総務庁にお伺いいたしますけれども勧奨退職の制度について「国家公務員退職手当法運用方針」の第三条関係の四によりますと「退職の主たる理由選挙に立候補するためのものであることが明らかである場合には、勧奨退職としては取り扱わないものとする。」ことになっているとありますけれども、この趣旨はどういうことでしょうか。
  114. 勝又博明

    政府委員勝又博明君) 退職手当制度におきます勧奨退職の制度は、いわゆる普通退職の場合に比べまして割り増しの退職手当を払うものでございまして、その趣旨は、本人の意思によらないで退職するということにあろうかと思います。  しこうして、今回の立候補の件でございますが、この点につきましては、国会等におきましても退職前に立候補の意思表示をしている職員退職した場合には、本人の意思に基づくものであるので自己都合の扱いにすべきであるというような御議論もございまして、退職手当制度の適切な運用を図るよう昭和六十年度に通達出したわけでございます。
  115. 吉川春子

    ○吉川春子君 加戸官房長、いかがですか。  今度の場合、高石事務次官はもう在職中から選挙に出るということを公言され、選挙運動をされ、そして国会委員会でもたしか文教委員会だと思いますけれども批判をされているわけです。  退職時にそういうことがはっきりしていたんじゃないかと思うんですけれども、その点はいかがですか。
  116. 加戸守行

    政府委員(加戸守行君) お尋ねの事柄は、三月二十二日に高石次官がテレビのインタビューに応じましてその立候補問題の質問を受けまして、在職中でございますのでお答えいたしかねる、ただ、地元で勝手連のように私を担ぐ動きがあることについては感謝をしておる、そういった発言が一種のそういった意向のように受け取られたわけでございますが、高石次官が政治への意向を声明されましたのは退官後一月たちました七月八日に次期衆議院選出馬の表明をいたしました。  ただし、この点につきましては、先般、十二月十三日にその声明を白紙に還元されて、選挙準備は取りやめるという談話を発表されております。
  117. 吉川春子

    ○吉川春子君 やめるときには代議士に立候補するなどとゆめゆめ思っていなかった、しかしその一カ月の間に急遽選挙に立候補するという決意を固めた、こういうふうにおっしゃるんですか。
  118. 加戸守行

    政府委員(加戸守行君) 恐らく御本人に政治への志向はおありのことであったと思いますが、高石次官は六十一年の六月に就任されまして二年を経過しておりまして、文部省では通例一、二年で事務次官は交代するわけでございますので、定年の前にそういった形で人事を刷新し後進に道を譲るという視点からの慫慂を受けて退職されたものと存じております。
  119. 吉川春子

    ○吉川春子君 総務庁長官にお伺いいたします。  文部省の事例と一応切り離してお考えください。選挙に立候補するということを、退職する前は当然そんなことを大っぴらに言えるわけでもないし言うはずはないんですけれども、しかし退職直後に立候補の活動に入る、こういうような場合、一般的に言って総務庁通達に反しないんですか、反するんですか。
  120. 高鳥修

    国務大臣高鳥修君) この運用方針におきまして「選挙に立候補するためのものであることが明らかである場合」とこう書いてございます。その「明らか」の証明というのが実はなかなか難しいんだろうと思います。  したがいまして、私どもといたしましては、国民の皆様方に疑念を抱かれないようにきちっとした対処を各省庁においてしていただきたいというふうに考えております。
  121. 吉川春子

    ○吉川春子君 文部省に伺いますけれども、そうすると、高石次官退職するときは勧奨扱いにするというのはだれが決めたんですか。
  122. 加戸守行

    政府委員(加戸守行君) 従来から文部省におきまして、定年以前に事務次官が一年ないし二年たちますと後進に道を譲るということでございますし、また辞職願もそのような形で出てまいりますので、勧奨の扱いをするということが従来からの取り扱いでございます。
  123. 吉川春子

    ○吉川春子君 官房長官にお伺いいたします。総務庁ではこのような通達が出ているわけですね。そして、今度の高石事務次官の事例はまさにその勧奨退職扱いとしてはならない、こういう内部規則に触れるものと思いますけれども、この問題について総務庁長官は、いえ、それは総務庁判断ではありません、各省が御判断なさることですと繰り返し衆参の内閣委員会で述べておられますので、各省の総括的な立場にある官房長官にお伺いいたします。  このような事例はさっき言われました総務庁通達趣旨に抵触するんじゃないですか。
  124. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) ただいま総務庁長官並びに文部省の官房長の御答弁をお聞きいたしておりましたが、私といたしましては、この退職に関しましては人事の刷新によるものと聞いておりまして、文部省におきまして総務庁長官通達趣旨を踏まえ適切に対処いたしたものと理解いたしております。
  125. 吉川春子

    ○吉川春子君 その答弁は絶対に納得できません。そんなことだったらば、次官でやめて選挙に出るなどという人は全部当てはまらないということになれば、この通達意味がなくなるじゃないですか。  それで、最後に官房長官にお伺いいたしますけれども、今度綱紀粛正の通達を出されましたが、これに基づいてもっと細かく実効性のある内容を決めて対処なさる計画があるんですか。
  126. 小渕恵三

    国務大臣小渕恵三君) 今回の綱紀粛正についての通達につきましては、先ほど来申し上げましたように、余り類例を見ない形で今回特に総理からの御指示もあり、いたしたわけでございます。  したがいまして、行政の長たる者の考え方をここに明確に通知いたしたわけでございますので、公務員一人一人、その趣旨理解し、適切に対処し、その実効を上げられるものと確信をいたしておる次第でございます。
  127. 吉川春子

    ○吉川春子君 終わります。
  128. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 余り難しい質問はいたしませんけれども、大事な点でお聞きをしてまいりたいと思 うんです。  ことしの公務員のベアというものは、八月四日に二・三五%というのが出されたわけです。これは四月分から実施と。そして、この十二月の下旬に来てやっとこれが決まって支給がされるということになるんですけれども、毎年毎年同じことを繰り返して同じことを私たちも言ってやってきたんだけれども、その責任はどこにあるんですか。  それがまず第一の質問です。
  129. 高鳥修

    国務大臣高鳥修君) 人事院勧告をいただいた場合にはこれを早期に完全実施したいということで私どもといたしましては給与関係閣僚会議において最初からそのことを強く要請しておるところでありますが、財政当局などにおきましてはなかなか厳しいということできょうはここでは決めかねるというようなことから、三回ほど会議を持たざるを得なかったということであります。私どもとしては非常に残念に思っておりますが、実態が今日までそういうことであります。  しかし、私どもといたしましては、人事院勧告があればできるだけ速やかにこれを法案としてお出しできるように今後とも努力していきたいと思っております。
  130. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 その答弁を毎年聞いているの。それで少しも改められない。  総務庁長官、税金は三月十五日確定申告、そのときに一遍に全部払えないという人は延納を申し出ると認めてくれるわけです。そのかわり一日幾らですぐ延滞利子を取るわけなんです。だったら公務員のこれも、四月から実施といって人勧が出たんだから、十二月の今ごろまでにならなければその給料の差額も払えないというならば、どうなんですか、遅配利子をつけてやったら。そうしたら政府もそれだけ余計な金を払わないといかぬのだから、同じ払うものだったらさっさと払おうという気に少しはなると思うんだが、いかがですか。
  131. 勝又博明

    政府委員勝又博明君) 公務員給与改定は、先生御存じのように人事院勧告に基づいて行われるわけでございますとともに、一方におきまして給与法定主義によりましてすべて法律に基づいて行われるものでございます。  ことしの給与改定につきましても、人事院勧告を受けまして政府として国会に御提出して現在御審議いただいている給与法案が成立するのを待って初めて実施されるものでございますので、先生御指摘のように、遅延利子を払うということはなかなか難しい問題じゃないかというふうに思っております。
  132. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 私はそんなことを聞いているんじゃないの。  八月四日に人事院の勧告が出たら即刻それはやるべきことなのよ。民間の会社だったら、そうでしょう、労使で決まったらすぐもう実施をするわけなんです。だから、八月分の給料を払うときに四月にさかのぼって差額分を入れて払わなくちゃいけないことなんです。それを、この十二月の今ごろまで引っ張ってきて、そして土壇場に来て国会の議決をいただいてやろうというのです。そのことをあなた方が当たり前だと思っているところに間違いがあるんですよ。それを幾ら言っても直さないんだったらもうしようがないから、今言ったように遅配利子をつけなさい。そうしたら、総務庁長官が一人で孤軍奮闘したって関係閣僚会議の中でなかなか通らないからこうなるんだから、政府の中で少しは何とかしようと。  今の答弁は取り消し、もう一回やり直し。
  133. 勝又博明

    政府委員勝又博明君) 公務員給与改定は、先生篤と御存じのとおり、人事院勧告が出ればそれで即改定されるものではございませんで、法律改正という形で国会の議決をいただきまして、形が整ったところで初めて実施されるものでございますので、八月時点以降の遅延利子でございますかを払うというのはなかなか難しい問題であるということを申し上げたわけでございます。  ただ一方、先生御指摘のように、人事院勧告が出ましてから給与法成立までに数カ月の期間を要しているということが問題であるということは私どもも重々承知しておるわけでございまして、先ほど私ども大臣が申し上げましたように、人事院勧告の早期のお取扱方針の決定並びに速やかな法案の国会審議というものをお願いするよう今後とも努めてまいりたいというふうに思っております。
  134. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 そんな答弁を私は聞いているんじゃないんだよ。  だったら、大臣、ああいう寝言のようなことを言っているのならば、やはり労働基本権を返す。労働基本権の代償として人勧制度をつくったんでしょう。君らの労働基本権はよこせ、そのかわり人事院を設けて、人事院から勧告が出されたら黙ってそのとおりやってあげましょうという形でもってこの制度がずっと来たんだ。だから、それが守れないのならば、労働基本権を各組合に全部返して、全部各省庁ごとに個別にベースアップ交渉をやって、それで決まったら即刻それぞれの省庁でやればいいんだ。  そうなさいますか。これは大臣から答えていただきたいと思います。
  135. 高鳥修

    国務大臣高鳥修君) 現在の人事院勧告制度というのは非常によく機能していると思います。これは人事院が大変公平な立場判断をしていろいろ調査をされた結果に基づいて勧告をしておられるわけでありますので、それを完全実施するということによって今労使関係もまた非常にうまくいっているのではないかというふうに思います。  問題は、それをやめることではなくて、むしろ勧告があったらできるだけ早く実施をすることだというふうに思うのであります。長い間の慣行みたいになっておりまして、十二月ぎりぎりにならないと実現できないというのは非常に残念に思っております。  でありますので、まあ私もそう遠からぬうちには議員の立場に戻ると思いますから、一緒にひとつ一生懸命実現に努力したいというふうに思っております。
  136. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 でも、大臣、今のようなああいう答弁をしている局長総務庁にいる限り、だめ。  国会が議決をしなければ、それはそのとおりなんです。しかし、国会で議決をしてくださいといってその法案を出すのは政府でしょう。それを政府が出さないで、ああでもないこうでもないと引っ張ってくるからこういう形になるわけなんだから、総務庁の方とするならば人勧が出たならば即刻、ことしなんかはあの夏場も国会をやっていたんだからそこへ持ち出して、これは早く通してくださいといってやらにゃいかぬ。政府が出さないわけでしょう。出さないから国会審議しようといったってできやしない。国会へ来たら来たでもって今度は自民党の方はなるべく後ろの方へ引っ張っていってこれをおくらせようとするからこうなる。  これは、言わんとしていることはもうおわかりだし、ただ、何とかもうちょっと改善をして、同じお金を払うならば公務員皆さん方にも気持ちよくああよかったなといって差額をもらえるようにやってくださいよ。そういう希望をつけてこの点は終わっておきます。  今度は防衛庁の方です。  これも前からの問題でもってなんですけれども、私はこれもまことに不可解で、ことしはお聞きをしておかなければと思う。  一等陸佐といったら、今は何というか知らないけれども、連隊長ですね。この一等陸佐の最低が三十一万四千百円。それで三等陸尉、尉官の最低のところの最高が四十一万三千二百円。それどころじゃなくて、二等下士官の最高でも三十四万四千八百円。二等下士官の最高が一等陸佐の最低よりかも高い。  公務員の場合には何級何号俸ということで勤続も関係するから、それはいろいろあるのはわかる。しかし、自衛隊の場合には指揮命令系統があるんだから、やっぱり、一つ階級の上の者は給料も余計もらう形でなかったら指揮をとれないわけ。何でこういう給与法にしておかなければいけないのか。大体、一つの階級に三十年もいるなん ということはあり得ぬ。  なぜこういう給与法にしているんですかということをまずお聞きしたい。
  137. 児玉良雄

    政府委員(児玉良雄君) 自衛官俸給につきましては、階級を基本にいたしまして、それに自衛隊に入隊後の在隊年数などによる職務に対する熟練度等を加味いたしまして、これらをあわせた給与体系になっております。そして、各階級におきます任用の管理であるとかあるいはその階級での在官年数であるとかこういうことを考慮いたしまして必要な号俸を設けておりまして、今御指摘のように、さまざまな階級でさまざまな号俸が出てくるわけでございます。  したがいまして、同じような経歴で同じような勤務年数の人の間では通常階級の上の者が低い給与を受け下の階級の方が高い俸給を受けるということはございませんが、任用区分などの違いによりましてこれが逆になるというような事態が生ずることはございます。  自衛隊は、御指摘のように、組織編成、指揮命令系統によって統率をされておりますが、これはこのような階級とそれから一般的に行われております給与の立て方とを両方調和させてこのような俸給表になっておるわけでございます。
  138. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 何を言っているんだかさっぱりわからない。  例えば、三等陸尉なら三等陸尉、これは昔の少尉だけれども、大体、そこに任官をして三十四年間もそこにいるという人がおりますか。あり得ぬことなんですよね。  そして、一等陸佐といったら、さっきも言ったとおり、言うならば連隊長。連隊長よりかも尉官どころじゃない二等下士官の方が高い給料をもらう。そんなことでもって自衛隊の秩序が成り立ちますか。指揮命令がちゃんとできますか。それは、二等下士官よりは一等下士官が上、一等下士官よりは三尉が上、こうならなけりゃ。  だから、例えば一等陸尉から三等陸佐になる。そうしたら、一等陸尉の最高よりかも三等陸佐の最低が上だというふうな形にしておかなかったら。  これは、公務員の場合、各省庁の場合だと、例えば同じ課長といっても地方の課長と本省の課長とでは全然格も違う。本省の課長だったら地方の局長と同じぐらい、だからそういうことは成り立つ。しかし、自衛隊はそういうわけにはいかないんです。あそこにも先輩がいらっしゃるから聞いたらいいと思うんだけれども。  こんなことで我が国の自衛隊の統制がとれますか、秩序がとれますか。大臣、答えてください。
  139. 田澤吉郎

    国務大臣田澤吉郎君) 自衛官給与は士気高揚に大きな影響を与えるものでございます。  したがいまして、今御指摘の点、これは階級制度を基本にしてできておりますけれども同時に経験年数というものも配慮しながら進めてきている、こういうところに一つの問題があるのじゃないだろうかと思います。多くの場合、下級の自衛官が上級の自衛官よりも給料が高いということはそんなに例がないのでございますけれども、御指摘のような例も確かにあると思うのでございます。  したがいまして、自衛官給与は先ほど申し上げましたように士気高揚に大きな影響を与えるものでございますから、将来ともこの問題については十分検討してまいりたい、かように考えております。
  140. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 時間はまだあるけれども、私、まだ向こうにも行ってやらにゃいかぬから、きょうここでどうこうと言ったってこれは無理なことで、早いところきょう可決してやっていかなきゃいけませんからこれ以上申し上げません。  けれども、来年のときにはこんなものではないように。どう考えたって一等陸佐といったら大変なものですよ。その一等陸佐よりかも二等下士官が高い給料になり得るなんてそんなことは、やっぱり、自衛隊の秩序を乱す。そういう点で実態をお調べいただいて、そして実情に合ったような給与法にしていただくことを、希望だけ申し上げておきたいと思います。  終わります。
  141. 大城眞順

    委員長大城眞順君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  142. 大城眞順

    委員長大城眞順君) 御異議ないと認めます。  一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案の修正について吉川君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。吉川春子君。
  143. 吉川春子

    ○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。  これより、その提案理由とその内容概要を御説明申し上げます。  政府提出案は、本来別々の法律であるものを一本の法律改正案として提出しておりますが、これは国会審議権を制約する不当な方法であります。政府案は、今年度の人事院勧告に基づき、一般職員の給与を平均二・三五%引き上げるという不十分ながら改善部分と寒冷地手当加算額を平均三七%引き下げるという改悪部分から成っています。  本修正案は、この寒冷地手当加算額切り下げ部分を削除するものです。  政府加算額を切り下げる理由として灯油価格の値下がりを挙げていますが、北海道や東北地方の厳寒地においては、燃料は食料よりも大切なものと言われるほど、燃料代だけは決して節約することができないものであります。この重要な燃料購入にかかわる手当を関係者との合意もなく、慎重な検討を経ないで切り下げることは極めて遺憾であります。  本修正案は、寒冷地手当加算額の切り下げをやめさせ、厳しい寒さと闘いながら働く公務員労働者とその家族の生活を守るために提出するものです。よって修正案の内容は、政府案の寒冷地手当に関する第一条の前段の見出し部分及び第三条を削除するものです。  なお、この修正案に要する経費は約二十四億円と見込んでおります。  委員各位の御賛同をいただき、速やかに可決されますことを要望いたしまして、修正案の趣旨説明を終わります。
  144. 大城眞順

    委員長大城眞順君) ただいまの吉川君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。高鳥総務庁長官
  145. 高鳥修

    国務大臣高鳥修君) ただいまの一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案につきましては、政府としては反対であります。
  146. 大城眞順

    委員長大城眞順君) それでは、これより三案並びに修正案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  147. 吉川春子

    ○吉川春子君 私は、日本共産党を代表し、一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案に賛成、特別職職員給与に関する法律及び国際花と緑の博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案並びに防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。  特別職給与改正案のうち、秘書官の俸給改善などその俸給水準から見て必要な改善措置も含まれておりますが、もともと高給である大臣、政務次官など一部高級官僚の俸給引き上げ率が今回も一般職のそれを上回っていることは上厚下薄がますます顕著になることになり、反対であります。  防衛庁職員給与法改正案防衛庁一般職員、 曹士隊員、下級幹部とその家族の生活実態から見て給与改善は必要と考えますが、しかし、今日INF条約締結、ソ連軍五十万人の兵力削減発表など軍縮は世界の確かな潮流となりつつあるにもかかわらず、政府は自衛隊の増強、軍事費の増大をますます進めております。自衛隊が米国の世界戦略に強く組み込まれ、より一層憲法違反の性格を強めていることとあわせ、本法案には賛成することはできません。  以上申し述べまして討論を終わります。
  148. 大城眞順

    委員長大城眞順君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  149. 大城眞順

    委員長大城眞順君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。  まず、吉川君提出の修正案の採決を行います。  本修正案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  150. 大城眞順

    委員長大城眞順君) 少数と認めます。よって、吉川君提出の修正案は否決されました。  それでは、次に原案全部の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  151. 大城眞順

    委員長大城眞順君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、特別職職員給与に関する法律及び国際花と緑の博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  152. 大城眞順

    委員長大城眞順君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  153. 大城眞順

    委員長大城眞順君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  永野君から発言を求められておりますので、これを許します。永野茂門君。
  154. 永野茂門

    ○永野茂門君 私は、ただいま可決されました一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。    一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   寒冷地手当制度の趣旨にかんがみ、政府並びに人事院は、寒冷積雪地における公務員の生活実態に配慮し、今後における燃料価格の動向に対応して、必要に応じ寒冷地手当加算額の適切な改善を行うべきである。  右決議する。  以上でございます。  何とぞ皆様の御賛同をお願いいたします。
  155. 大城眞順

    委員長大城眞順君) ただいま永野君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  156. 大城眞順

    委員長大城眞順君) 多数と認めます。よって、永野君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、高鳥総務庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。高鳥総務庁長官
  157. 高鳥修

    国務大臣高鳥修君) ただいまの一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、政府として、今後とも検討し努力してまいりたいと存じます。
  158. 大城眞順

    委員長大城眞順君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  159. 大城眞順

    委員長大城眞順君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十八分散会