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1988-12-01 第113回国会 参議院 税制問題等に関する調査特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年十二月一日(木曜日)    午前十時一分開会     ─────────────    委員の異動  十一月三十日     辞任         補欠選任      福田 幸弘君     斎藤 文夫君      野末 陳平君     秋山  肇君  十二月一日     辞任         補欠選任      板垣  正君     二木 秀夫君      秋山  肇君     野末 陳平君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         梶木 又三君     理 事                 斎藤 十朗君                 林  ゆう君                 平井 卓志君                 降矢 敬義君                 吉村 真事君                 志苫  裕君                 安恒 良一君                 峯山 昭範君                 近藤 忠孝君                 栗林 卓司君     委 員                 井上 吉夫君                 井上  孝君                 岩本 政光君                大河原太一郎君                 大木  浩君                 岡部 三郎君                 加藤 武徳君                 久世 公堯君                 後藤 正夫君                 斎藤栄三郎君                 斎藤 文夫君                 下稲葉耕吉君                 田辺 哲夫君                 谷川 寛三君                 仲川 幸男君                 藤井 孝男君                 二木 秀夫君                 松浦 孝治君                 村上 正邦君                 森山 眞弓君                 及川 一夫君                 千葉 景子君                 福間 知之君                 矢田部 理君                 山口 哲夫君                 山本 正和君                 太田 淳夫君                 塩出 啓典君                 和田 教美君                 上田耕一郎君                 橋本  敦君                 柳澤 錬造君                 秋山  肇君                 野末 陳平君                 下村  泰君    国務大臣        内閣総理大臣   竹下  登君        法 務 大 臣  林田悠紀夫君        大 蔵 大 臣  宮澤 喜一君        文 部 大 臣  中島源太郎君        厚 生 大 臣  藤木 孝雄君        通商産業大臣   田村  元君        運 輸 大 臣  石原慎太郎君        郵 政 大 臣  中山 正暉君        労 働 大 臣  中村 太郎君        建 設 大 臣  越智 伊平君        自 治 大 臣        国 務 大 臣        (国家公安委員        会委員長)    梶山 静六君        国 務 大 臣        (内閣官房長官) 小渕 恵三君        国 務 大 臣        (総務庁長官)  高鳥  修君        国 務 大 臣        (北海道開発庁        長官)        (沖縄開発庁長        官)       粕谷  茂君        国 務 大 臣        (防衛庁長官)  田澤 吉郎君        国 務 大 臣        (経済企画庁長        官)       中尾 栄一君        国 務 大 臣        (科学技術庁長        官)       伊藤宗一郎君        国 務 大 臣        (環境庁長官)  堀内 俊夫君        国 務 大 臣        (国土庁長官)  内海 英男君    政府委員        内閣法制局長官  味村  治君        内閣法制局第三        部長       津野  修君        人事院総裁    内海  倫君        公正取引委員会        事務局官房審議        官        糸田 省吾君        公正取引委員会        事務局経済部長  柴田 章平君        警察庁長官官房        長        森田 雄二君        警察庁長官官房        審議官      浅野信二郎君        警察庁刑事局長  中門  弘君        総務庁長官官房        審議官        兼内閣審議官   増島 俊之君        総務庁人事局長  勝又 博明君        総務庁行政管理        局長       百崎  英君        防衛庁参事官   鈴木 輝雄君        防衛庁教育訓練        局長       長谷川 宏君        防衛庁経理局長  藤井 一夫君        防衛施設庁施設        部長       鈴木  杲君        防衛施設庁労務        部長       吉住 愼吾君        経済企画庁物価        局長       勝村 坦郎君        国土庁長官官房        長        公文  宏君        法務省刑事局長  根來 泰周君        外務省経済局次        長        内田 勝久君        大蔵省主税局長  水野  勝君        大蔵省証券局長  角谷 正彦君        大蔵省銀行局長  平澤 貞昭君        国税庁次長    伊藤 博行君        文部大臣官房長  加戸 守行君        文部省初等中等        教育局長     古村 澄一君        文部省高等教育        局長       國分 正明君        文部省高等教育        局私学部長    野崎  弘君        厚生大臣官房総        務審議官     末次  彬君        農林水産省経済        局長       塩飽 二郎君        農林水産省食品        流通局長     渡辺  武君        林野庁長官    松田  堯君        通商産業省通商        政策局次長    南学 政明君        通商産業省機械        情報産業局長   棚橋 祐治君        通商産業省機械        情報産業局次長  水野  哲君        工業技術院長   飯塚 幸三君        運輸大臣官房国        有鉄道改革推進        総括審議官    丹羽  晟君        郵政大臣官房長  松野 春樹君        郵政省電気通信        局長       塩谷  稔君        労働大臣官房長  清水 傳雄君        労働省職業安定        局長       岡部 晃三君        建設大臣官房長  牧野  徹君        建設大臣官房総        務審議官     木内 啓介君        建設省建設経済        局長       望月 薫雄君        建設省都市局長  真嶋 一男君        建設省住宅局長  伊藤 茂史君        自治省行政局長  木村  仁君        自治省行政局公        務員部長     芦尾 長司君        自治省行政局選        挙部長      浅野三郎君        自治省税務局長  湯浅 利夫君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局民事局長        兼最高裁判所事        務総局行政局長  泉  徳治君    事務局側        常任委員会専門        員        竹村  晟君        常任委員会専門        員        片岡 定彦君        常任委員会専門        員        保家 茂彰君    説明員        会計検査院事務        総局第五局長   三原 英孝君    参考人        社団法人日本証        券業協会常務理        事        関   要君        日本電信電話株        式会社代表取締        役副社長     村上  治君        日本電信電話株        式会社代表取締        役副社長     鴨 光一郎君        日本電信電話株        式会社理事考査        室長       西脇 達也君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○証人出頭要求に関する件 ○税制問題等に関する調査参考人出席要求に関する件     ─────────────
  2. 梶木又三

    委員長梶木又三君) ただいまから税制問題等に関する調査特別委員会開会いたします。  まず、証人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  税制問題等に関する調査のうち、リクルート問題等に関し、来る六日午前十時に式場英君を、同日午後一時三十分に江副浩正君を、また来る七日午前十時に長谷川寿彦君を、それぞれ証人として出頭を求め、その証言を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、その手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 税制問題等に関する調査議題といたします。  この際、宮澤大蔵大臣から発言を求められておりますので、これを許します。宮澤大蔵大臣
  6. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) リクルートコスモス社株式売買の問題につきましては、これまで元秘書服部恒雄君の報告もとに御説明申し上げてまいりました。  しかしながら、十一月二十一日の衆議院リクルート問題に関する調査特別委員会において、江副証人から「私ども社員接触をとったのは服部秘書官であるというふうに承知しております」との証言がございました。この点については、私は、それまで服部君から全くそのような報告を受けておりませんでしたので、これを契機に、事実の解明のため、私自身服部君に真相を打ち明けるよう情理を尽くして求めました。その結果に基づき、ここに、当委員会における御審議に当たりまして、本件の事実関係について改めて御説明いたします。  昭和六十一年の夏ごろ、リクルート社の方が服部君を訪れ、リクルートコスモス社株式を引き受けていただけないかという話がありました。服部君は、昭和六十一年九月三十日に宮澤名義で一万株の購入を申し込み、店頭登録前の十月十五日にリクルート社の方の指示によりファーストファイナンス銀行口座に三千万円を払い込みました。  株式譲渡人については、二年前の取引でもあり、株式売買約定書は見当たりませんが、去る十一月十五日に会社側から衆議院リクルート問題に関する調査特別委員会に提出された資料によりまして、ドゥ・ベスト社であることが明らかにされております。  店頭登録直後の昭和六十一年十月三十一日に、服部君は自分名義株式を売却いたしました。売却総額は五千二百七十万円であり、それから手数料と有価証券取引税を差し引いた五千二百二万円余が服部君の銀行口座に入金され、結局二千万円余の売却益服部君の手元に残りました。  以上が本件の全容であります。  服部君は、私に対し、涙ながらに、大変なことをしてしまいました、先生に御迷惑が及んではいけないと思い、つい、ありのままを報告せず、結果として取り返しのつかないことになり、おわびのしようもございません、また、河合氏にも多大の御迷惑をかけましたと申し、心身ともに疲れ切っている様子でありました。私は、これまで服部君を信頼して長く一緒仕事をしてまいりましただけに、断腸の思いでいっぱいであります。  また、今日まで同君の報告もと国会で御説明をしてまいりましたが、結果として事実と著しく相違しておりましたことはまことに申しわけなく存じます。私の監督上の責任もとより、私自身不行き届きについても深く反省し、心からおわび申し上げます。
  7. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 午後一時に委員会を再開することとし、これにて休憩いたします。    午前十時七分休憩      ─────・─────    午後一時六分開会
  8. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 税制問題等に関する調査特別委員会を再開いたします。  税制問題等に関する調査議題といたします。     ─────────────
  9. 梶木又三

    委員長梶木又三君) この際、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  税制問題等に関する調査のため、本日、日本証券業協会常務理事関要君、日本電信電話株式会社代表取締役社長鴨光一郎君、村上治君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  11. 梶木又三

    委員長梶木又三君) これより矢田部理君の質疑を行います。矢田部君。
  12. 矢田部理

    矢田部理君 午前中に宮澤大蔵大臣から再々釈明といいますか弁解がございました。  率直に言わせていただくならば、宮澤さんは、この数カ月間、国民国会を欺き、虚偽の上に虚偽を重ねてきました。これは政治への信頼を根底から失墜させた言動でありまして、政治家としての責任は極めて重大だと言わなければなりません。罪万死に値すると言いますが、まさにそのとおりではないでしょうか。にもかかわらず、この深刻な事態を正確に受けとめず、問題をそらしたり、他に責任を転嫁したりして、今朝の再々釈明でも真に国会国民にわびるという立場をとっておられません。単なる監督不行き届き、個人のレベルにおける問題処理にすぎなかったのでありまして、その点では大変重大な問題があるというふうに私は思います。  宮澤さんは、大臣としてだけではなくて、政治家としての進退をかけた責任のとり方、わび方を国民国会にすべきではないでしょうか。まず、その点から伺っていきたいと思います。
  13. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) ただいまの点は、けさどもおわびを申し上げたところでございますが、深く申しわけないことに思っております。  すなわち、今日まで服部君の報告もと国会で御説明をしてまいりましたが、結果として事実と著しく相違いたしました。このことは、私がたくらんで偽りを申したわけではございませんで、間違った報告もとに、それを国会に申し上げてまいりました。とは申せ、誤ったことを申し上げたことについての罪は、私はもう深く感じております。  また、けさども申し上げましたが、これは私の監督上の問題ばかりでなく、私自身不行き届きについても深く反省しておると申し上げましたとおり、これらの点については心から申しわけなく存じております。
  14. 矢田部理

    矢田部理君 今日まで何度かこの問題について宮澤さんの答弁なり釈明を伺ってまいりました。  思い起こしますれば、八月の二十四日でありますが、参議院における予算委員会で私はこのように指摘をしているんです。「自民党の幹部の方々がすべて秘書のやったこと、子供たちがやったこと、秘書がだれかから頼まれてやったこと」、こう弁解をしているが、これは国民の中になるほどそうだったのかと説得力を持たせるわけにはいかないと指摘をした上で、「大臣なり政治家のところに話があって、振り込み先がたまたま秘書だった、会計責任者だったというふうに考えるのが一般的なのでありまして、ましてだれか友人に頼まれて名前を貸したなどというのは少しく弁解に過ぎないかという疑問」をこの場で提起をいたしました。それに対してあなたはきっぱりと否定をし、私の説明を信頼してほしい、こうまで断言されてきたのであります。  あれから四カ月たちました。ここに来てようやく、河合氏に頼まれて名前を貸したのではなくて、服部自身行為だったと弁解することになりました。この間ずっと国会国民を欺瞞し欺いてきたことになるではありませんか。  特に、繰り返して指摘をいたしますならば、当初、名前を貸したのは服部氏であって、自分つまり宮澤さんではないということをずっと言ってきました。そしてまた、話は河合氏が向こうから持ってきたのであって、リクルートから宮澤さんなり服部さんが話をされたこともない、これも繰り返し強調してきたところであります。ところが、その弁解、すべて事実と証拠を突きつけられて、初めて済みませんでしたと謝ることもあなたの常でした。私たちが公表したドゥ・ベストのリストに宮澤さん、あなたの名前が載っていることを突きつけられて初めて、名前を貸したのは服部ではなくて私宮澤だったと。しかしながらということでまたつくのでありますが、行為をやった主体河合氏でありますと。  ようやく先般の江副証言で、今度は、リクルート社から話をしたのは河合氏などではなくて服部さんですという江副氏の証言があって、初めてその事実を認める。しかしその晩の宮澤さんの弁解は、話はなるほど服部が受けたが、河合氏が時々事務所に来ておって、その話を聞き込んで、私にやらせてほしいと。依然として河合氏の名前主体として出してきて、そこにすべての責任をずっと転嫁してきた。これも持ち切れなくなって、ようやくきょうこの場で河合氏ではなくて服部氏だということをお認めになった。一体これはどういうことなんでしょうか。
  15. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) ただいま御指摘になりましたことは、事実おっしゃいましたようなことが八月ごろから今日までの間にございました。まことに残念、遺憾なことで申しわけなく思います。  ただ、これは私が持ち切れなくなったと申す意味ではございませんで、実はこのたび服部氏に対して私もかなり長い時間、本人健康状態も悪うございますので、時間をあけながらいろいろに話をいたしました結果、河合氏という人の関与は、これは実は本件の本体にはいわば末節のことであるということをはっきり知るに至りました。したがいまして、この点は根本的に今まで申し上げたことが間違っておったことになるわけでございますが、なおその前に、私の名前を使われたというふうには私は服部氏から聞いておりませんで、名前を貸した借りたというのは服部ということであろうというふうに考えておったわけでございますが、これは御指摘のように、外部から出ました事実によりましてこれはおかしいと私が感じまして、服部氏に問いただしたということで訂正をさせていただきました。  それからもう一つは、せんだって江副証言が、私ども社員接触をとったのは服部であるというふうに言われましたことが、これも私にとりましては初めて聞いたことでありまして、ここに至りましてこの点はどうなのかということを中心に今回服部氏に対して一部始終情理を尽くして話すように申しました。その結果、この点も先ほど申し上げたような事実が判明をいたしたのであります。  考えますと、いわば長年仕事をしてまいりました秘書の申しますことをそのまま信じまして御報告をいたしてまいったわけでありますが、これはまことに私の不明の至りであります。私自身がただ作り事を申したわけではなかったという点だけは御理解をお願いいたしたいと思います。
  16. 矢田部理

    矢田部理君 私は、そこに宮澤さんのずるさがあると思うんです。ずっと答弁を伺っておりますと、すべて服部からの報告服部説明によればと、自分の言葉で語っていないんです。みずから事実を調査真実を明らかにしようという態度を一切とらなかった。すべて、服部の申すところによりますと、という話が全部と言っていいほどついて回っている。  ここに十月の二十七日、衆議院の特別委員会宮澤さんがなされた弁解なるものがございます。これは服部氏の名前ではなくて、宮澤さんの名前を使って株の売買が行われたということにかかわる弁解でありますが、何とこれだけの二段にわたる文章の中に服部という名前が十九回も出てくるのであります。  この事件が起きたときに、宮澤さんは当初ノーコメントを十三回言われた。今度のリクルート事件では、妻が妻がの高石さんという話がありましたが、秘書秘書がの宮澤さんでもあったわけでありまして、一切を服部氏の責任で物を処理しようとした。そして、ずるいのが、国会で追及をされたり違った事実を突きつけられると、私が間違っていたのではなくて、服部報告が間違っていたと服部責任を転嫁するような仕掛けになっているんです、あなたの答弁は。こういう仕掛けまでして逃げまくったり弁解したりすることをどう考えられますか。やり方がこそくですよ。  今度、いよいよ服部氏が河合氏にかわって、宮澤さんの説明によれば、主役に登場いたしました。今度はどういう調査をされたのでしょうか。また事実が違っておったら、服部報告が間違いだと弁解される余地を残しているのでしょうか。その辺からまず伺っていきたいと思います。
  17. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) これはいろいろ仕組みというふうにおっしゃいますと、まことに不徳の至りと申すしかございませんが、これは矢田部委員も御専門でいらっしゃいますので御推察いただけると思うのでありますが、この問題につきましては、私自身が当初から一切タッチをいたしておらない問題でございます。  せんだって、江副証人が言われましたように、接触をとったのは服部というふうに考えていると言われましたとおり、私には一切この問題についての接触が当初からございません。したがいまして、この問題について説明をせよということになれば、服部を通じて調べて申し上げる以外に私にそのやりようがない。他方で、この河合という人はもう外国に参っておりまして接触もできないわけでございますから、服部氏から聞いて申し上げるしかない。  ただ、おっしゃいますように、それを私がもっともっと、何と申しますか、厳しくあれこれ聞くべきであったという点は、長年仕事一緒にしておりましたので、私が甘かったとおっしゃいます点は、これは甘受いたさなければならないと思いますが、そういう意味では、私自身の直接の経験でございませんので、このように申し上げるしか方法がなかったのであります。  今回の場合、どうしたかというお尋ねでございましたが、先般の江副証言のこともございます。殊に当委員会におきまして、特に委員長理事方々からも特段の御注意がありました。本人はかなり心身ともに落ち込んだ状態ではございましたけれども、私自身がそういう中から、とにかくもう最終的に真実を述べてもらわなければならないということで、かなり厳しくも申しました。このような事実を私自身調べまして申し上げておる次第であります。
  18. 矢田部理

    矢田部理君 どうもまだ反省をしておられないようですね。  私には調べるすべがないとおっしゃいました。どうして河合氏と連絡がとれないのでしょうか。アメリカに行っていると今おっしゃいました。しかし、今までの宮澤さんの釈明では、服部氏を通して河合氏に聞くと、という部分が何カ所かありました。服部氏は河合氏と連絡がとれていたのじゃありませんか。――今、声がありましたが、どうしてリクルート社、コスモス社に当たらなかったのでしょうか。ドゥ・ベストの問題が出たときにも、当然ドゥ・ベストの会社なり関係者に当たってしかるべきではありませんか。真実を明らかにする姿勢さえあれば、まだまだ調査の方法は幾らでもあったはずです。それを意図的にやらずに、すべて服部にしょわせて、間違いがあればそれも服部責任にして、うまくいけばこの国会を逃げまくろうと思ったのが宮澤さんの本心じゃありませんか。
  19. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 当初、河合氏が我が国におりました段階では、服部氏が河合氏から聞いて私に報告をいたしておりました部分がございますが、それはもう既にたしか何カ月か前のことになります。  それから、会社から直接に聞き出せばいいではないかというお尋ねは、この問題が起こりますと、会社に対して接触をいたしますことは、何となくそれはやはり誤解を招きやすいという気持ちが私などいたしましたし、また接触すべき相手も知らないということから、その点は直接にはいたしておりませんでした。
  20. 矢田部理

    矢田部理君 大蔵省は証取法四条違反などで再三にわたって関係者を呼んで事情を聞いたりもしているわけですから、大臣の重大な疑惑が指摘をされているときに、事実はどうだったのかを本気になって調べるならば、私は調べ方は、あるいは接触の仕方は幾らでもあったはずだと。根本にはその姿勢がなかったからということがあるからではありませんか。  ところで、今回はやはり服部さんに、真情を吐露してという表現でしたか、ということでお会いして話を聞いただけですか。その服部さんの説明が適切でなかったり間違っていれば、また服部責任だと言う余地を残しているんですか。その点はいかがでしょうか。
  21. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) この点は、本人が手元に資料をもう持っておらない、またそのような環境にいないということもございますけれども、私自身できるだけのことは具体的に本人から聞き出しまして申し上げておりますので、しかもかなり今度は私も、いわば何と申しますか、十分に一つ一つを疑ってかかると申しますか、きちっきちっと聞いてまいりましたので、大筋において間違えていることはもうないであろうというふうに思いまして御報告をいたした次第であります。
  22. 矢田部理

    矢田部理君 各論的には逐一伺ってまいりますが、今度仮に間違ったような事実が明らかになれば、あなたは大臣だけではなくて議員の職を賭すといいますか、国会議員をやめるというような気持ち、ここで約束できますか。
  23. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) このたびの報告を申し上げるに当たりまして、委員会の御意向がそのようなものであるということは、十分委員長を初め理事方々から承りました上で調査をいたし報告を申し上げております。
  24. 矢田部理

    矢田部理君 委員会の意向はそれだけではなくて、きょうこの場で釈明をするに当たっては、しかるべき物証を持参するなど、身のあかしを立てるすべを同時に考えておいてください、こういう注文もあったはずですが、あかしを立てる何か資料なり真実証明の裏づけなりは御持参いただいたでしょうか。
  25. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) このたび申し上げていることは、そのようなことで私自身がかなりいわば話を詰めまして聞いてまいりましたので、間違っている点はないと、物証というようなものも別段持っておりませんが、そう信じております。
  26. 矢田部理

    矢田部理君 納得できませんが、おいおいその問題も各論的に伺っていきたいと思いますが、服部さんには、いつどこでどのぐらいの時間お会いになったんでしょうか。
  27. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) この一両日、延べではかなり長い、数時間になりますと申しますのは、本人が非常に長時間の話にたえないものでございますからでございますが、場所につきましては、実は本人自身がいわばマスコミと申しますか、その的になっておりまして、そのせいもありまして心身ともに落ち込んでおりますので、場所につきましてはどうぞ申し上げることを御容赦願いたいと思います。
  28. 矢田部理

    矢田部理君 病院ですか、それとも普通のお宅ですか。
  29. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 本人はかなり健康を害しておりますので、それをもって御推察をいただきたいと思います。
  30. 矢田部理

    矢田部理君 そこで、株式取得の経緯について大蔵大臣説明がありましたので具体的に伺っていきたいと思いますが、六十一年の夏ごろというのはいつでしょうか。「リクルート社の方が、服部君を訪れ」云々とありますが、リクルートの方というのはどういう役職のどなたでしょうか。訪れた場所はどこでしょうか。
  31. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 服部氏の話によりますと、実はこの会社の方々とはほとんど面識がそれまでなかったようでございます。そうして事務所でございますが、私の方の事務所は二、三ございますので、そのどこでございましたか明瞭でございませんが、会社の方がおいでになってこういう話をしたと。お名前等々を、本人はただいまそういう状況でもございまして記憶をいたしておりません。しかし、江副さんがおっしゃったことは事実でございます。
  32. 矢田部理

    矢田部理君 どうでしょうか。株を買ってくれないか、持ってくれないかと言って話を持ってきたんでしょう。そうしたら、その後資金を準備したかどうか知りませんが、して、買いたいという申し入れもするわけでしょう。その相手方がわからぬということはないんじゃありませんか。
  33. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) この点は、もともとなじみのいわばなかった方らしゅうございまして本人が記憶をいたしておりません。
  34. 矢田部理

    矢田部理君 全部の名前を完全に覚えているかどうかはわかりませんが、どういう役職の人で、リクルートコスモスのどういう幹部の人とか、本社のいかなる人とかということがわからなければ連絡も売買の話も詰めようがないじゃありませんか。そんなばかなことはないですよ。
  35. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) どのような役職の方で、どういうお方であるかということをどうも本人は記憶を今いたしておらない、何度もこれは聞きましたがそういうことでございました。
  36. 矢田部理

    矢田部理君 おかしな話を幾つかまた聞かなきゃなりませんが、その方は宮澤さんの名義で買ってほしいと言ったのか、宮澤さんに株を引き受けてほしいと言ったのか、それはどちらだったんでしょうか。
  37. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) この点は、江副さんのお話でも服部接触をされたということでございますので、宮澤ということが必須であったというふうには考えられない、そうではなかったのであろうと存じます。
  38. 矢田部理

    矢田部理君 ちょっと今私の質問、不正確でしたが、服部さんのところへ来て服部さんに買ってほしいと言ったのか、当時は大蔵大臣秘書官ですかね、大蔵大臣である宮澤さんに買ってほしいと言ったのか、そこは重要な点でありますが、いかがですか。
  39. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) その点は私が服部氏と一番話した点でございますけれども服部氏の気持ちでは、自分でも別段差し支えなかったことであろうと。わざわざ宮澤とすることは入り用がなかったというふうに今思っておるようでございますけれども、結果といたしまして、自分宮澤という名前を書いた、宮澤という名前取引をいたしたと申しておりまして、これはどう申しますか、自分でも十分であったのでございましょうが、さっきも申しましたようなそれほどの長いおつき合いでもなかったということも関係をいたしておったのかもしれませんが、この点は本人はそのようなことを申しております。
  40. 矢田部理

    矢田部理君 これは重大なことだと思うんですね。服部さんに対してリクルート側があなたに株を買ってくれと言ったのか、宮澤大蔵大臣に株を買ってくれと言ったのか。仮に服部さんに買ってくれと言ったのに、宮澤さんの了解を得たかどうかは知りませんが、了解も得ずして宮澤さんの名前を使うというのも摩訶不思議な話でしょう。時の大蔵大臣ですよ。そこをやっぱり明確にしてもらわなきゃ困りますね。
  41. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 先ほども申し上げましたが、まず全く私の了解どころではありませんで、私に報告もいたしておりませんので、私としては存じませんでした。  それで、後のことを見ますと、この株は、けさも申し上げましたが、服部氏は自分名義で売却をいたしておりまして、その売却代金も服部銀行口座に入金されております。したがいまして、これは服部自身に当てられた取引であるというふうに考えられるわけでございますが、それであれば服部という名前で事が足りたはずではないかということを何度も、実は今度も服部に私が申しましたようなことでございます。宮澤には関係のなかったことでございます。
  42. 矢田部理

    矢田部理君 どうもはっきりしないんですね。宮澤さんという方は言語明瞭で事ごとに正確に物を言われる人だと私は受けとめているのですが、この株の問題が出たときに最初動揺しましたよね。ノーコメントというのを十三回言ったと思う。大蔵大臣に関係がないとすれば、私は一切知りません、そんなことを言われても関係ありませんというのが答えでしょう。あるともないとも言えないというのがノーコメントでしょう。何か心当たりがそのとき既にあったのではありませんか。だからこそノーコメントと言って、宮澤さんらしからぬというか、気持ちの上でいろんな動揺が出たのがあのときの事態ではなかったんですか。どうですか。
  43. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 実は、あのときの事態は私もまことに意外なことであったのでございますけれども、ある大新聞に何人かの政治関係の方々秘書名前がずっと出まして、その中に服部恒雄という名前もあったわけでございますが、そこでこういうことがあったという並べましての報道がございました。これは私には全く覚えのないことでございました。それで、自分ははっきり覚えはないというふうに考えておったわけでございますけれども、かなりの権威のあります報道機関がそういうことを申しておったわけでございますから、私の存じませんところで何かのことがあるのかもしれない、何かのことがあるのかもしれないと、そう思いまして、私はこれはノーコメントと申しまして、何かがあるのではないかということを、実はかなりの時間でございますけれども、調べさせておったということでございました。  結果としてはやはり報道に近いようなことがあったわけでございますので、報道そのものは根拠のないことではなかったということになりますが、そういうことが背景でございましたものですから、私として一概に否定をしていいものかどうか、事実をまず発見いたしたいと考えましてあのように申しました。
  44. 矢田部理

    矢田部理君 どうも説得力がありませんが、売買約定書をつくられましたね。この判こはどうしたんでしょうか。今までの説明によると、河合なる男がどこかで三文判を買って押したと、こういうごまかしの説明をしておられたのですが、この判こは宮澤さんの判こなんでしょうか。
  45. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 私の判こではもとよりございません。事務所が一般的にいろんな意味で判こを持っておりますから、これは印鑑証明の判ことかいうのでないいわゆる判を持っておりますので、その一つであろうと存じます。
  46. 矢田部理

    矢田部理君 そうすると、通常、実印といいますか、印鑑登録証明をした印鑑ではなくて、事務的に使っている印鑑、もちろん、しかしそれも宮澤さんの印鑑なんですよ。その印鑑を使った、こういうことですか。
  47. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 実印であることはないと存じます。
  48. 矢田部理

    矢田部理君 実印は自分でお持ちですか。
  49. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 普通、実印は私の家にございますので、オフィスにはないはずと思います。
  50. 矢田部理

    矢田部理君 そうすると、実印ではなくて、しかし事務所で宮澤さんの通常使っている判こ、これを使った、こういうことですか。
  51. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 私自身が判こを使うということはほとんどございませんから、私の事務の方の者が事務所で使っておるどれかの判こであろうと存じます。
  52. 矢田部理

    矢田部理君 あろうと存じますと言ったって、その辺は確かめなかったんですか。
  53. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) いえいえ、事務所で使っております判こでございます。私の家の判こでないという意味でございます。
  54. 矢田部理

    矢田部理君 そうすると、宮澤さん自身がその売買約定書に御自分で署名したということは絶対ありませんか。
  55. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) ございません。
  56. 矢田部理

    矢田部理君 御自分で判を押したこともありませんか。
  57. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) ございません。
  58. 矢田部理

    矢田部理君 あなたのところの大臣秘書官との関係は、三千万もの取引を一切大臣に了解なしに、しかも大臣名前と判こを使ってやれるような関係になっているんですか。
  59. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 先ほどから申し上げましたように、これは実は私に関する取引ではなかった。服部恒雄氏ももう六十近うございますから、自分なりにかなりの自分としての経済行為もできる、仕事もやれるわけでございますので、私にかわってやったということとは存じておりません。
  60. 矢田部理

    矢田部理君 まず第一には、署名捺印について身のあかしを立てる必要があると思います。その点では、ドゥ・ベスト社との宮澤さん名義にかかわる株の売買約定書、これを国会に提出すべきだと思う。かつてその指摘をされたときに、河合は見当たらないと言っておったということでありますが、捜すべきだし、あるのは何も宮澤さん方だけではなくてドゥ・ベスト社もしくはリクルート関連会社に存在するというふうに考えられますので、その点は確かめて出すべきだと思いますが、いかがですか。
  61. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 服部の側に約定書がないということは以前から調べておりまして、ございません。よそ様のことはちょっと私からは申し上げかねるところでございます。
  62. 矢田部理

    矢田部理君 御自分が一方の当事者でしょう。あなたの名前を使った売買約定書、うちの方は紛失したからあれ出してくださいよと、当たり前の話じゃありませんか。毎回言われているのにどうしてそういう努力をされないんですか。そして、どうして服部が、服部がとだけ言うんですか。あなたのこれは責任ですよ。ここまでうそをついてきたんですから、今度はこういう裏づけをとってまいりました、こういう点で私の言っていることは真実ですということを一々やっぱり立証する責任がある、挙証責任の転嫁といいますか。政治もともと疑わしきは罰すであります。疑わしきどころではなくて真っ黒なんでありますから、これが真実だというためには、服部を何時間口説いたかではなくて、それを裏打ちする証拠を出すことが私はポイントだと思いますが、いかがですか。
  63. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 私はその方の専門家ではございませんけれども、私のできる限りのことを調べて真実を申し上げておりますので、その一つ一つの証拠を出さなければその真実真実でないとおっしゃいますと、ちょっと私としては申し上げようがございません。真実を申し上げておるつもりでございます。
  64. 矢田部理

    矢田部理君 宮澤さんは何度も、それにつけ加えることはありませんとか、私を信じてくださいとか、これが事実ですと言ってきたのに、その事実が全部崩れているから、単に言葉が滑ったとか問題を取り違えたとかということじゃなくて、あなたは故意犯なんですよ、私から言わせれば。過失じゃないんですよ。それだけに、ここは厳しくみずからの真実証明をやっぱりしなきゃならぬと思う。ドゥ・ベスト社から取り寄せて出すべきだ。それが身のあかしを立てる一つの方法です。  二番目には、この三千万円、どこから支出をしましたか。
  65. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) これは聞いておりまして、服部自分の持っておりましたいろんなものを集めまして出した由でございます。
  66. 矢田部理

    矢田部理君 服部氏の個人の預金口座から集めて出したということですか。
  67. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 預金でありますかどうかは存じませんが、まあ六十近い人でございますし、家族もあり相当の生活をいたしておりますから、その程度の才覚は私はあったであろうと思います。
  68. 矢田部理

    矢田部理君 これも預金からおろしたのならばおろしたというこの日付、あるいは近い時期の預金口座の払い戻し証なり三千万の支出先について明確な裏打ちをすべきではないでしょうか。
  69. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) それは特に私として疑う理由がございませんものですから、服部氏が三千万円を調達したということまでいかにしてということを考える必要はなかったと自分で思っております。
  70. 矢田部理

    矢田部理君 あなたがそういう必要があると思うかどうかではなくて、そういうことをして国民にやっぱり事実を裏打ちして説明をする必要があるのではないですか。それをやりませんか。
  71. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 私が真実と判断しておるわけでございますので、その一つ一つの物証ということはなかなか容易なことでなかろうと思います。
  72. 矢田部理

    矢田部理君 この問題は、宮澤大蔵大臣真実と思っていればいいというものじゃないんですよ。今までもそう言ってこられた。それが全部うそだからこうして宮澤さん問題を事細かに聞かなきゃならぬことになってしまったのでありまして、そういう手間を省くためにも、本来ならばきのうじゅうに理事会にやっぱり出してしかるべきだった。そういう裏打ちをしないからこういう議論をするしかないんじゃありませんか。  十月十五日にお金を払い込んだそうですが、これはだれの指示で、どこから払い込んだのでしょうか。
  73. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) これは、リクルートの方からここに払い込んでくれということであったというふうに一昨日と昨日服部氏から聞きました。
  74. 矢田部理

    矢田部理君 リクルートのだれからあったのか、そういう払い込みの裏打ちがとれますか。
  75. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) それははっきりいたしませんが、一連のことを江副さんのその会社の方が見えて打ち合わせをされた、その恐らく一部に、金はこのようにしてここにということであったと聞いておるわけでございます。
  76. 矢田部理

    矢田部理君 それで、株式は手元に参ったのでしょうか。
  77. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 三千万円を支払っておる、これが代金でございますけれども株式は……ちょっとお待ちくださいまし、ここにございますと思いますが、株式は手元に来ておらないようでございます。
  78. 矢田部理

    矢田部理君 どこにあったんでしょうか。
  79. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) これは明瞭でございませんが、どこかに預かられておったというふうに考えます。
  80. 矢田部理

    矢田部理君 リクルートの相手の人の名前も定かでないのに、三千万ものお金、私たちにとっては大金ですが、それを振り込んだだけで株式、株券も手元に来ない、どこかにあったらしいと。ちょっと庶民の気持ちではわかりませんがね、事実そうだったんですか。
  81. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) それは、そのために売買約定書があるわけでございますから、それでそれをもとに払い込んだのであると考えます。  なお、それが十月十五日でございますが、売却されましたのは十月三十一日でございますので、この期間は極めて短い時間であるというふうに思われます。
  82. 矢田部理

    矢田部理君 その後、売却をされますね。この売却の依頼はだれにされたんですか。
  83. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) これは服部恒雄名前でございます。
  84. 矢田部理

    矢田部理君 服部恒雄氏がだれに売却の依頼をしたのですかと伺っているんです。
  85. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) これは扱っております証券会社と考えます。
  86. 矢田部理

    矢田部理君 証券会社の名前を。
  87. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) これは一般的に、こういう場合に会社の名前をあるいは銀行の名前を申し上げることは通例でないと存じます。証券会社ということで御了承をお願いいたします。
  88. 矢田部理

    矢田部理君 一般論じゃなくて、事実関係が本当かどうかということを確かめるためにいろいろ伺っているんですから、一般論で答えないでいただきたいのです。
  89. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) この問題に関与しておった証券会社というふうに御承知をお願いいたします。
  90. 矢田部理

    矢田部理君 大和証券でしょうか。
  91. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 私から申し上げることは御容赦をお願いいたしたいと存じます。
  92. 矢田部理

    矢田部理君 売買報告書はおつくりになったんでしょうか。売買報告書をつくるわけですが、それは服部さんのところあるいは宮澤さんのところに届いたでしょうか。
  93. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 私ではございません。当然に服部氏のところへ届いたと思います。
  94. 矢田部理

    矢田部理君 受け渡し計算書はいかがですか、あるいは取引明細書と言う場合もありますが、この辺の文書はいかがですか。
  95. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) これは普通の手続が普通に行われていると考えますので、証券会社が売却をいたしましてその報告書が参り、そして売却代金が指定をした銀行口座に入金される、こういうことが通常どおり行われたということでございます。
  96. 矢田部理

    矢田部理君 ですから、それを裏打ちするために、今申し上げた二つの書類、売買報告書と受け渡し計算書が宮澤さん方、服部さん方に来ているわけですから、それを提出していただきたい。
  97. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 何度も申しますが、宮澤のところに来ているはずはないわけでございます。これは私の申し上げることに別に疑いも間違いもございませんので、それとしてひとつお受け取りをお願いいたしたいと存じます。
  98. 矢田部理

    矢田部理君 私はせっかく丁寧に教えてあげているつもりなんです。こういう証拠資料があるのじゃありませんかと。それをお出しになることが身のあかしを立てる一つじゃありませんか。服部だけ情理を尽くして聞くというのでは客観性がないから、全体の裏打ちをしたらどうですかと。どうしてそれができないんですか。特にこの問題を私が挙げておりますのは、宮澤さん名義の株券なんでしょう、どうして服部さん名義で売却したんでしょうか、このつながり、この関係が実はわからないんです。
  99. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 先ほどから申し上げておりますとおり、この取引もともと服部恒雄氏による取引でございまして、したがいまして売却も売却代金の指定口座も服部恒雄名義になっておるわけでございます。そして現実に証券が売られ、その五千二百七十万円から手数料と有価証券取引税を引きました額が服部恒雄氏の銀行口座に入りまして、それが服部恒雄氏のいわば所得と申しますか、売却益は二千万円になったわけでございますから、その間一つも間違いなく取引は行われております。
  100. 矢田部理

    矢田部理君 宮澤さんの名義で一万株の購入の申し込みをしたんでしょう。そして三千万送って宮澤さん名義の株券、株式ということにまずはなったんでしょう。そこはどうなんですか。
  101. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 先般の十一月十五日の資料によりますと、ドゥ・ベスト社にそのように登録されておりますので、名義宮澤ということであったと存じます。
  102. 矢田部理

    矢田部理君 そういう名義になったとすれば、宮澤さんから服部さんにまた名義をかえたというなら別ですよ、株の売り買いがあったというなら別ですよ。その株券を売るのにはやっぱり宮澤さん名義の株券で売るんじゃありませんか。事実上だれがお金をもらったとか事務を担当したかはまた別問題ですよ、あなたの株券なんだもの。
  103. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) これは御承知でございますが、いわゆる名義書きかえとかいうようなことが行われているわけではないようでありまして、殊に今度のこのケースの場合は、私も全体のことを詳しくは存じませんのですけれども株式が現実にこっちへ来たりあっちへ行ったり売られておるのではなくて、どうも何と申しましたらよろしいのか私も詳しくはわかりませんのですけれども、この服部の場合は差金売買ではございません。これは代金を払っておるわけでございますけれども、場合によっては差金だけが取引されているというようなこともあったような報道もございますので、その辺の仕組みは私にわかりませんのですけれども、いろいろ複雑であったのではないかと思います。  ただ、この服部氏の取引に関しまして、つまり不正があったとかいうようなことはございませんで、三千万円の金を払い五千万円余りのものが払い込まれてきたということは間違いがございません。
  104. 矢田部理

    矢田部理君 どうもわかりませんが、どこの銀行口座に入金をされたのですか。その入金のあかしを出せませんか。
  105. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) それも私としては調査をいたしました。ただ、先ほどと同じ理由でどこの銀行というようなことは、これは申し上げなくてもお許しをいただける筋のことではないか。不正があるという意味ではございません。
  106. 矢田部理

    矢田部理君 これが真実だ、これが確かな事実だと言うに当たって、証券会社の名前も銀行の名前も言えない、ましてそれにかかわる資料も出せない、約定書の提出のためのドゥ・ベスト社等に当たる作業もしない、これじゃ話にならぬじゃありませんか。了解できませんよ、そんなことでは。そこをずっと今度の参議院では、もう幾ら何でも、うそばっかり言っている宮澤さんじゃ困る、ひど過ぎる、大臣政治家としての適格性そのものに問題があると重大な疑念、問題を提起して、言うならば、しかしどうしてももう一度釈明をさせてほしいと言ってこられた。その場でなおかつ銀行の名前も言えない、かかわる資料も出せないでは、結構ですという話にはならぬじゃありませんか。  経過はずっと伺いましたが、どうして宮澤さんの事務所に買ってほしいと訪ねてきたんでしょうかね。
  107. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) これは、私は直接このことにタッチしておりませんのでわかりませんですが、先般、衆議院で江副証人証言をされましたときに同じようなお尋ねがあったかと存じます。それに対して江副さんがお答えになられましたようなことではなかったかと存じます。
  108. 矢田部理

    矢田部理君 あなたの口から直接述べてください。
  109. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) それは、私は江副さんの証言をきちんと覚えておりませんのですけれども、どういう御趣旨でございましたでしょうか、相手によっては会社の安定株主ということもあり、また相手によっては会社の信用といったようなこともありというような、私、正確に言葉を覚えておりませんけれども、そのようなことで特定の利益を求めたものではないという意味のことを言われたように記憶いたします。これは正確ではございませんが、そのように言われたのではなかったかと思います。
  110. 矢田部理

    矢田部理君 服部さんとリクルート社のどなたか親しくおつき合いしている方でもあるんです
  111. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 先ほど申しましたように、それはないように存じます。
  112. 矢田部理

    矢田部理君 来られた方の名前も覚えていないと言うんですから、改めてそれじゃどうして来たんだろうかと。やはり前から申し上げておりますように、宮澤さん、あなたがねらいだったんじゃありませんか。  もう一つ、いずれ店頭公開をする、公開すれば値が上がる、つまり服部さんがどんなお金持ちか知りませんが、三千万出して買うわけですから、その辺の事情の説明などはリクルート側からあったのでしょうか。
  113. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) それは私具体的に聞いたわけでございませんが、今度のことを見ておりますと、現実にそういうことがございましたし、また、そういうことであちらこちらに株を分けておられたということでございますから、そういう背景というものはあったのではないかと考えます。
  114. 矢田部理

    矢田部理君 店頭公開をした直後に、つまり値上がりをした直後に売ったというのは、これは服部さんの意思ですか、それともリクルート側の意向ですか。
  115. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) そこで、ただいま申し上げましたのは、いわば一般論と申しますか、あるいは結果論と申し上げた方がよろしいかもしれません。そうなるかもしれない、そうならないかもしれないというリスクは常にはらんでおるわけでございますから、それはそういうふうにしか申し上げようがございません。  それから、後段の問題は、よくわかりませんが、恐らくこの本人に対して何かの通知がございませんと売れないはずと存じます。
  116. 矢田部理

    矢田部理君 どうもわかりませんね。最終的に利益が相当出たようですが、このお金は、今までですと河合がどこか不動産関係の仕事につぎ込んだとかという説明だったのですが、どんしたんでしょうか。
  117. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) ただいまのお尋ねは、売却益二千万円、これは服部恒雄氏というのはもう六十近い、長いことこの秘書関連の仕事を、今はやめましたが、しておったわけでございますし、かなりの家族もあり、自分の家もあり、また老人もおられるということでございますから、医療費であるとか生活費であるとか、それはいろいろなものに支出されておるのだと思います。
  118. 矢田部理

    矢田部理君 あと一、二点ですが、服部さんというのは株をほかにもいろいろやっている人です か。
  119. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 私は余りそういうことに実は干渉いたしておりません。と申しますのは、もう六十近い、いわば一かどのまあ人格でございますから、余りそういうことを聞いたりもいたしませんけれども、たくさんそういうことをやっておるとも聞いておりません。まあ普通並みのことではなかろうかと存じます。
  120. 志苫裕

    志苫裕君 関連。
  121. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 関連質疑を許します。志苫裕君。
  122. 志苫裕

    志苫裕君 何遍も発言の訂正がありまして、そしてきょうの釈明といいますか所信の表明に至ったわけですが、ここに至るには、実は理事会等でもさまざまな論議がありました。一体その釈明をこの特別委員会が受けるべきものなのかどうなのか。たまたま今窓口はここですから、ここであなたの発言を聞きましたが、当然国会全体に対するもの、あるいは国民に向けて御発言があったものというふうに受けとめていろいろお伺いをしておるんですが、宮澤さん、率直に聞きますがね、本日のあなたの釈明、それから矢田部委員とのやりとりを国民も聞いているわけですが、今度の宮澤さんの言っていることは真実だなという心証を国民が持たれたと思いますか。
  123. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 私の払いました努力からいたしまして、そう思っていただけると思います。
  124. 志苫裕

    志苫裕君 これはたくさん言いますからね、それぞれ言っている方は本当を言っているつもりなんでしょう。どなたかの大臣に聞きましょうかな。通産大臣、これは本当だなという心証をお持ちになりましたか。
  125. 田村元

    国務大臣(田村元君) いきなりのお尋ねでちょっと……。しかしまあ、宮澤さんが一生懸命に物をおっしゃっておるだろうというふうには受けとめております。
  126. 志苫裕

    志苫裕君 総理にお伺いしましょうか。総理はきょうの宮澤さんの発言、それから矢田部委員とのやりとりを伺っていて、どのような印象を持ちましたか。
  127. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 基本的な考え方を申し上げますと、私は昨年十一月の六日に内閣総理大臣に指名いただきまして、それで信頼感があるからこそ宮澤さんを大蔵大臣に、副総理に指名申し上げておるという立場でございます。その信頼感で成り立っておりますお互いの関係の中で、宮澤さんがきょう弁明をされたということに対しては、まさに信頼すべきものだという考え方を私自身基本的に持っておるわけであります。  ただ、矢田部委員との問答の中でと、こういうことがありましたが、私も問答を少しずつメモをさせていただいておるわけでございますけれども、一つ一つのこと、私は商学部出身でございますので割合とその方はわかる方でございましょうが、時に私自身にも正確に理解できない問題もございますので、そういう点については聞いている人がみんな、売買約定書なんというものは知っておりますが、受け渡し明細書とかいうような点については、ここにいらっしゃる皆さんも、全員が明確に商法何条に基づくものだというようなことを御理解いただいておるとは必ずしも思いません。
  128. 志苫裕

    志苫裕君 きょうは皆さん聞いておられるわけでして、今お三人がお答えになりましたが、平均的な国民の感覚じゃないですよ、皆さんは。どうしてこれが本当を言っているなどというふうに受けとめましょうかね。  これは総理、私は長々しゃべる気はないのですが、いわゆる宮澤問題といいますのは、宮澤さんあるいは宮澤さんにかかわりのある者が今問題のリクルート株の売買にかかわったのではないか、その真相をはっきりさせようというところから出発をしましたが、内閣の副総理、大蔵大臣ともあろう人がしばしば前言を翻して事実と違うことを言って、そして国会の運営に支障を与えたり、国会の威信を傷つけたり、国民政治に対する信頼を著しく低下させたという問題に立ち至っているんです。今ここで我々が問題にしているのは、その後段の方なんです。そこのところが実は我々の委員会理事会でもいろいろ議論があって、ひとまずは聞いてみましょうかというところになったわけです。  こういうことを考えてみると、先ほど宮澤さんは、それらの経緯もよく存じておるので、表現は適切でありませんが、きょうの真実がまさに真実であって、最終的なものでそれからあとはない、そういういわば職を賭すというか、進退を間接的に表現なさった。私はそのようなあなたの発言も受け、矢田部さんとのいろいろやりとりを聞いておりましたが、ますますどうやらこれは真実だという心証が持てません。  実は総理、これはあなたにお伺いしたいんですが、その宮澤さんが当委員会の所管大臣として税制に関する諸問題の調査、あるいは無理やりに皆さんが出して衆議院から送ってきた税法、これを扱わなきゃなりません。その委員会委員である我々は、実は率直に言って、素直に所管大臣として扱う気持ちにはなれない。だから、冒頭に御発言があるというから、聞くだけは聞きましょうか、判断しましょうかということで今日に至ったんだ。総理は、信頼をして選任申し上げた。それはそうでしょう。しかし、この状況ではそれを言い続けることも無理なんじゃないかなという感じがします。宮澤さんは、間接ながら自分の出処進退をそれなりに御発言になった。総理はどのように対応されますか。
  129. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) まず御指摘がありましたように、信頼すればこそ私は大蔵大臣をお願いしたわけでございます。したがって、今回の法律案は、これは最終的にはもとより内閣一体の責任で御提出申し上げたものでございますが、その所管大臣としての宮澤大蔵大臣を今日も信頼いたしておるところであります。したがって、私はきょうお話を聞きながら感じておりますことは、しかしながら、これがいわば政治不信につながるいろいろな評価が飛んでおる、したがって当委員会におかれて、ここで再釈明の機会をお与えいただいて、そうしたことが問答の中で政治不信を少しでも和らげてくれることになれば幸いであるというふうに感じて、ここに出ておるわけでございます。
  130. 志苫裕

    志苫裕君 あと矢田部委員がまた続けますが、総理の一番最後の言葉をおかりすれば、ますます政治不信は高まるということだけを申し上げて、今後あなたの対応を見守ることにします。終わります。
  131. 矢田部理

    矢田部理君 一連の状況について宮澤さんから伺いました。率直に言って納得できません。不明の点も数多くあり、また、宮澤さん自身がきょう述べたことのあかしを立てておりません。  一つには、責任の取り方が監督不行き届きとかいうことではならないのでありまして、みずからの進退をかけた政治責任を明らかにすべきだ、そのぐらいの重大なことなんだということをきちっとやっぱり踏まえていただきたい。そのためには、再度私が指摘をしました全資料を改めて出すように要求をしたいと思います。  列挙いたしますならば、ドゥ・ベストとの株売買の約定書、服部氏の入出金を明らかにする口座の写し、さらには株売買に関連して売買報告書なり受け渡し計算書なりが、証券会社を通じたとすれば交付されるわけでありますから、それら一連の書類などを、宮澤さん、提出をいただきたい。  同時にまた、宮澤さんからお聞きをしても余りにも不明な点が多過ぎる。幾つかの矛盾もある。その点では服部さんを証人として出すべきだと思います。いかがでしょうか。
  132. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 私は矢田部委員と違いまして法律の玄人でございませんので十分申し上げられませんけれども、ただいま申しましたことは、私が全力を挙げまして最終的なものとして調査をいたしたことでございます。事柄は決して感心する事柄ではございません。それはそのとおりでございますが、いわゆる犯罪が行われたというようなことでもございませんで、一つ一つの物的な反証というようなことはなかなか――お言葉ではございますけれども、私の申し上げることが大変間違っておればともかく、そこはひとつ私の申し上げることもお聞き取りいただけないであろうか。  なお、証人云々のことは、これは私が申し上げられることではございませんので、お許しをお願いいたします。
  133. 矢田部理

    矢田部理君 株を受け取った時期は、宮澤さんは時の大蔵大臣です。服部さんは秘書官だった。職務権限いかんでは重大な問題に発展する可能性を持っているのでありまして、単なる株の売買だということにはならないのであります。私から言わしむれば、だからこそ宮澤さんたち河合さんというダミーをつくったのではありませんか。かたられたのは宮澤さんの名前ではなくて、河合氏の名前宮澤さんはかたったのではありませんか。それは町場の犯罪よりも議会に対する重大な冒涜であり、容認できる言動ではありません。  その点では委員長にお願いをしたいと思いますが、ぜひ服部氏の証人喚問をお願いしたいと思います。それからあわせて、私が指摘をしました関連する資料一切を当委員会に出すように委員長として計らっていただくようお願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  134. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 後刻、理事会で協議をいたします。
  135. 矢田部理

    矢田部理君 宮澤さんの問題はなお多くの問題をはらんでおりますが、今後同僚委員などを含めて引き続き追及をすることといたしまして、宮澤問題がなければ入ったであろう本来の議論に重点を移してまいりたいと思います。  まず総理に伺いたいと思いますが、リクルート疑惑はかってのロッキードをはるかにしのぐ大型の構造疑獄、構造汚職の様相を呈しつつありますが、総理の御認識はいかがでしょうか。
  136. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) いわゆるこのリクルート問題というものにつきましては、本院を初めいろいろ御議論をいただいておるところでございますが、私は、これが構造汚職であるとかいう問題になりますと、刑法上の問題の範疇に入ろうかと思うわけでありますが、いつも申し上げますことは、およそ四つに分類をしてこれを考えております。  まず第一は、これは証券取引法上の問題であろうと思います。二番目は、税法上の問題であろうと思います。三番目は、御指摘があっております刑法上の問題であろうと思います。四番目は、これがやっぱり国会で一番大きな問題となりますのが、いわゆる政治家個々の政治道義上の問題であろうというふうに考えておるところであります。  第一、第二につきましては、それぞれ今日まで法律上の改正の方向、あるいは第一の証券取引等々につきましては証取審で御議論が行われておる。あるいは第二番目の税法上の問題については、幾ばくかなりと法律そのものの中で改善がなされておる。第三番目の問題は、検察当局を信頼し、それが適切な判断を下されるべき問題だと思っております。  四番目の問題につきまして、私はいろんなことを、税制改革あるいは教育改革、行政改革、財政改革と言っておりますが、やはりその土台にあるのは政治改革というものであろうということを常日ごろ思いつつも、こうした機会を契機といたしまして、私を含む、もとよりでございますが、お互いが、両院において苦労してできております倫理綱領というものをやはり反復することによって個々の政治行動を律していくことと、その環境によりしやすくするためのあるいは公職選挙法の改正でありますとか、政治資金規正法の改正でありますとか、そういう問題を整備していかなければならない時期が今日に当たるのではなかろうかと、このような考えを持っておるところであります。
  137. 矢田部理

    矢田部理君 総理に申し上げたいのですが、前から四つの分類とか立て方とかということを言われるわけですが、分類していればいいというものじゃなくて、問題の汚職の構造の本質をどうつかまえて、どうそれを解明していくのかということがまず先行しなきゃならぬと思うのです。もちろん政治ですから、その対策とか将来にわたっての改善策などなどはいろいろ考えなければなりません。しかし、その前提となる事実関係なり仕組み、構造をやっぱり明確につかまえて、これを明らかにしていく姿勢が総理自身にも必要なのではないでしょうか。総理の問題については後刻また具体的に伺いますが、どうもその認識が、宮澤さんが代表格でありますが、総理も含めて全体的に薄いのではないかという印象が実は否めないのであります。  そこで私が考えますには、これは中曽根政権時代に起こったことです。中曽根総理はもちろんのこと、竹下さん、あなたも、そして宮澤さんも、自民党の政権中枢におられた方々がほとんど連座しておられる。何にかかわっているかといえば、行革の中で推進してきた民活の政治があります。規制緩和、NTTの民営化、市街地再開発、国有林開放、ほとんどがこれにかかわった汚職疑獄の構造を持っております。同時にまた、中曽根さんは議会制民主主義を軽視して、行革も教育も税制も審議政治で事を仕切ろうとしました。この審議政治にずっとかかわってきた。その意味でNTT問題も、教育行政や労働行政にかかわる官僚汚染も、あるいは地方で各所に起こっている、浦和、川崎、安比などのあれこれの疑惑も全部これにまつわっているというふうに私は受けとめておるのでありまして、この中曽根時代の政治の構造、問題、株の動きを全体的にやっぱり明らかにすることがこの問題を解明する大きなポイントだというふうに思っているのですが、総理いかがでしょうか。
  138. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 今、矢田部委員は、いわば中曽根行革路線というものの中に民活、あるいはデレギュレーションと言った方がいいかとも思いますが、あるいは民活のもっと別の感覚からいう公営企業の民営化というような問題等々が根源になって今日の問題が起きておるではないかと。私はすべてそのとおりでありますと申し上げる立場ではもとよりございません。もろもろの問題があろうかと思っておりますが、私はいわゆる行政改革路線そのもの、これは正しいことだ、今後ともやらなきゃやならぬ課題だと思っております。が、いずれにせよ、政策実行の過程においていろいろ国民の批判を受けるような問題を結果として招来すべきではないということについては私は同感でございます。
  139. 矢田部理

    矢田部理君 また一方では、このリクルート疑惑を、ぬれ手にアワといいますか、手もぬらさずして数千万から億単位のお金を懐に入れる、これを商行為だと言っている、単なる経済行為だと。代表格は渡辺美智雄氏であります。大方こんな受けとめ方をしていることが宮澤さんのうその発言につながり、全容解明に非常に緩い対応をしている今日の政治姿勢につながっているのではありませんか。その点、総理はどう思われますか。
  140. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) いわゆるリクルート問題において、今表現のございましたぬれ手にアワとかいうような問題のやっぱり原因というのは、いわば第三者割り当てないしは創業者利得の問題、こういうことであろうかと思います、法律をせんじ詰めてみますと。したがって、私自身この問題に関する反省はどこにあるかといえば、とにかく我が国の株式市場というのがニューヨークを超したわけでございますから、ロンドンなどは恐らく大阪以下ぐらいでございましょう。そういう経済の発展に法制そのものが結果としてついていけなかったというような形で急速に発展してきたというところから、法律上のいろんなやはり不備と申しましょうか、そうしたことが今日出てきておる。そういう法律上の問題の中で、やはり基本的にはそういう穴を埋めていくとでも申しましょうか、そういう努力をしなきゃならぬことである。  私が大蔵大臣をしておりました当時、随分前の話でございましたけれども、例えば創業者利得の問題で、石橋ブリヂストンとか松下ナショナルというような話で、創業者利得というものをいかにして大切にしてさしあげるものかという代表的なこのお二人さんのお話をお互い部内で議論したことがございますだけに、その当時と今の経済社会の変化という中での株式市場の占める役割、それに法制が同じスピードでついてこなかったんじゃないか。こういうことも、やはり私も大蔵大臣をしておりましたので、反省し検討すべき一つの課題であろうというふうに思っておるところでございます。
  141. 矢田部理

    矢田部理君 単なる経済行為とか商行為ではなくて、最高裁も言っておりますように、一般の人は簡単に入手できない株である、値上がり確実な株の売買はわいろに当たると。まさにこのコスモス株はそれにぴったりの株なんでありまして、職務権限いかんでは汚職そのものになるという状況であることを厳しく受けとめながら、先ほどの構造も踏まえて全力的に解明に取り組むべきだと私は思いますが、その一つに、竹下総理、あなた自身の問題も絡んでいます。宮澤さんと随分やりとりをしましたが、総理も同じスタイルの答弁をしているのです。  総理は、御承知のように、かつて秘書の青木氏が二千株を引き受けて、四百万前後でしたか売却益を得たというたしか御説明がありました。衆議院の我が党の同僚議員などが再三にわたってそれ以外にないか、ないと断言できるかと繰り返し追及したのに対し、総理御自身も青木氏はないと言っておりますと同じ説明です。ところがどうでしょうか、私どもの社会党の調査で、ビッグウェイ関連で総理周辺に株が行っていることが明確になりました。その点では総理の従前の答弁宮澤さんと同罪なのでありまして、決して安全圏ではないということを厳しく認識すべきだと思います。総理のまず受けとめ方とこれに対する釈明を伺いたいと思います。
  142. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 私が青木元秘書の二千株について申し上げたことは事実でございます。それから、衆議院で貴党の中村さん、坂上さんから適切な御質問をいただきまして、国会で御質問のあったことは国会でお答えすべきものであるという考え方で、私なりにさらに関係がないかという調査をしておったことも事実でございます。そしてまた、私との連絡に当たっていただいております与党の理事を通じ、そうしたものがもし国会委員会等の場で述べる機会がなかった場合には、個人的にその党の筆頭理事さんを通じ質問者に、こうしたことがございましたというようなお答えをすべきであるという旨は、お伝えをお願いしておりました。  したがって、私の関与したと申しますか、私自身ではないにいたしましても、私の周辺においていわば適当なお引き受けいただく人がないかというお話に対しまして、株式のことでございますから双方に有益な人を御紹介申し上げるのが適切であろうと思って、福田さんを御紹介申し上げたという事実を私自身も承知いたしておるわけでございます。  ただ、その福田さんの御子息の名前になっておったというようなところまでは率直に言って私の調査が及んでいなかったということは、御当人をも含め御迷惑をかけたのじゃないかなというふうに思っておるところでございます。
  143. 矢田部理

    矢田部理君 これはいつリクルートのどなたから話があって、福田勝之氏名義にしたようですが、どうしてそうなったのか、その株式購入の代金はだれが支払ったのか、現在も処分していないのかどうか、処分したとすればその利得はどこに帰属をしたのかなどなど、一連の事実関係について御説明できませんか。
  144. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) そこを正確に説明するだけの私に用意はございません。ただ、御本人さんのところへ矢田部委員の関係者の方から、一度このお話があったそうでございます。そのときに本人は初めて実は何のことじゃろうなと思ったようでございます。したがって、考えてみますと、私の方はせがれさんじゃなくおやじさんの方に話しておるというわけでございますので、ただ、その金の問題の出入り等については、私は十分信頼し得る方であると思っております。  同月何日どういうふうにしたかということについてはここでお答えすべき問題であるかどうかわかりませんが、私なりに、話を聞けない間柄じゃございませんから、聞いてみるべきなのかなと、こういう今感じを持ってお話を承っておったところでございます。
  145. 矢田部理

    矢田部理君 受けとめ方が緩いんじゃないかと思いますね。この株は恐らく竹下総理に向かって来た株じゃありませんか。どこか適当に買い主がいたら探してくれということで青木秘書もとに来たのではないと私は思いますよ。竹下さんにも応分の利益にあずかっていただきたいという思いと気持ちを込めて青木さんの手元に来たのじゃありませんか。それを総理に御相談があったかどうか私は存じませんが、少なくとも向こう側の意図はそうだったと思います。そこで青木さんの采配で、最終的にどこに帰着したか帰属したかは実質的にはわかりませんが、福田さんの名義になったのではないでしょうか。その意味では、人ごとのような話をされては実は困るのでありまして、もう少し事実関係と、なぜ持ってきたのか、どういうかかわりを求めてきたのかをやっぱり総理御自身として明確にすることが極めて重要だと思いますが、いかがでしょうか。
  146. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) おっしゃる意味、全く理解できないわけではございませんが、どういう意図を持って来ていらっしゃったかということを問いただすということについては私若干ひっかかりを持ちます。普通の場合、善意の第三者というものは、私自身の今の立場からいたしまして、あるいはここ数年の立場からいたしまして、私自身に利益が帰着することを仮に思っていらっしゃったとしても、そういうことは言葉には吐かれないだろうと思います。率直に言って、本当に素直に、その会社のためにも、また株主になった人にも、いずれにとっても有利な人等を正直にごあっせんするというのが、まあそのときの一番とるべき道ではなかったかなというふうに私は思っております。
  147. 矢田部理

    矢田部理君 事実関係は今準備がないということであれば、私が申し上げたような点について明確に近々していただけますか。
  148. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) この問題も、いつも申し上げることでございますが、仮に矢田部委員が私の国会議員の同僚として、竹下さん、これ見せてくれやと言えば、はいと言って見せることはたくさん私はあろうかと思っております。が、国会の場でございますので、それぞれの日付あるいは金融取引等々を国会の場で明らかにするというのがいいのか悪いのかということはまた国会で相談していただいて、おっしゃったことに対して私が可能な限りのお答えはしなきゃならぬと思っておりますが、衆議院においても、一度取引銀行の名前を言えとおっしゃいまして、まあその辺はやっぱりお互いやめようじゃないですか――まあやめようじゃないですかとは言いませんでした、もっと丁寧に申し上げましたが、大体そんなことになっておりますので、その辺の節度等につきましてはお任せいたします。
  149. 矢田部理

    矢田部理君 これは、民間人も私は出すべきだという立場ですが、単なる民間人の株のやりとりじゃないんですよね。竹下さんに向かって来た株なんですよ。それを御親族、一族にしかるべく割り振ったのでありまして、そんな人ごとのようなことを言われちゃ困るんです。何の目的で、どういう回路であなた及びその周辺に来たのか、これをやっぱり明確にすることが、特に竹下さん個人にとっては解明の第一歩なのでありまして、その点はぜひそうしていただきたい。
  150. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 先ほど申しましたように、矢田部委員も含め、我々に対して、これによってあなたに利益が帰属いたしますのでと言う人は大体いないだろうと思うのでございます。やはり適切な相手先というような、私は表現としてはそうなるのが普通じゃないかなと。したがって、それを適切に対応しただけということでございますので、何の意図があったかということを私から問いただすのはやはりちゅうちょすべきではなかろうか。事の実態そのものをお話しするのがいいんじゃないかなと、こういうふうに思っております。
  151. 矢田部理

    矢田部理君 何かその説明がひっかかるのでありまして、私は今の答弁で納得するわけではありませんが、これから全体の問題を明確にする第一歩として、総理みずからが事実を語り、全貌解明に一つの役割を果たす、あるいは中心になるというやっぱり気構えで進めていっていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。  きょうは日本証券業協会の方に参考人としておいでいただいておりまして、大変お待たせいたしましたので、そちらに論議の焦点を移したいと思います。  店頭公開前の株式売買については一定期間内規で禁止をしていると思うのですが、その仕組み、考え方などについてまず御説明をいただければと思います。
  152. 関要

    参考人(関要君) 店頭で公開されます前の未公開株につきまして、店頭登録に向けましていろいろな準備が進むわけでございます。そしてその際に、店頭登録の比較的近い時点に、会社と非常に関係の深い、私どものルールでは「特別利害関係者等」という言葉を使っておりますが、そういった特別利害関係者等に、株集めその他これに準ずる行為という表現を使っておりますが、そういう行為がございますと、公開そのものについての一般投資家の信頼というものを害することになるわけでございまして、したがいまして、公開日の直前決算期日から一年間を押さえまして、その間の特別利害関係者等の株集め、またはこれに準ずる行為について規制をしているわけでございます。
  153. 矢田部理

    矢田部理君 コスモス株について、江副氏は当然特別利害関係者だと思いますが、いかがでしょうか。
  154. 関要

    参考人(関要君) 特別利害関係者等、これも定義を決めておりますが、江副氏は店頭公開になります会社、リクルートコスモス株式会社、これの関係会社の役員という立場にありますので、これは特別利害関係者になっております。
  155. 矢田部理

    矢田部理君 そのコスモス社について伺いたいのでありますが、店頭公開が六十一年の十月三十日です。そして、四月決算でありますから、この規約、規定によりますれば、六十年の五月一日以降は江副氏の株の取引売買や勧誘については禁止されていると思いますが、いかがですか。
  156. 関要

    参考人(関要君) 正確に申しますと、店頭公開が予定されておりますリクルートコスモス社株式、これの移動につきまして江副氏は特別利害関係者になります。  それからまた、その期間につきましては、ただいま先生御指摘のように店頭公開日の直前決算期日から一年をさかのぼるということになっておりますので、六十年五月一日以後の移動がその規制の対象になるわけでございます。
  157. 矢田部理

    矢田部理君 ところが、この江副氏が中心になって、今も出ました宮澤さんのところへ来た株も竹下さんの周辺に参った株も表に出ているだけでも七十六万株が還流をし、江副氏の采配で再配分をされているということになりますと、当然あなた方の業界で決めた規定に違反する取引ということになりませんか。
  158. 関要

    参考人(関要君) これは衆議院の特別委員会でも御答弁申し上げたことでございますけれども、一連のリクルートコスモス株の株移動につきまして当協会の内規、これは正確に申しますと業務委員会の内規でございますが、これに触れる行為があったのではないかという疑問が生じましたものですから、リクルートコスモス社の申請協会員であります、これはいわば幹事証券でございますが、大和証券を通じてそういった事実関係の調査を続けている段階でございます。
  159. 矢田部理

    矢田部理君 その種の報道はありますが、現在の調査状況、問題点等についてお話しください。
  160. 関要

    参考人(関要君) 鋭意調査を進めてまいりましたけれども、御承知のように、リクルートコスモス社のいろいろな関係書類が現在司法当局等に押収されているというような事情もございまして、なかなか調査がスムーズにいっていないのが現状でございます。  ただ、証券局の方からも、本日の御審議を前に、できるだけ早く報告をするようにという御指示もいただいておりますものですから、昨日をもちまして現段階における中間的な御報告を申し上げたところでございます。
  161. 矢田部理

    矢田部理君 その中身をかいつまんでお話しください。
  162. 関要

    参考人(関要君) ただいまも申し上げましたように、私どもとしてはいまだ調査が完了したと言い得る状況にはありません。また、今後調査を続けますと、こういう前提での御報告でございますが、三点ポイントがございます。  第一点は、まことに遺憾でございますが、リクルートコスモス社の役職員十数名が六十年四月のリクルートコスモス社の第三者割り当て増資先からリクルートコスモス株式の譲渡を受けたという事実があるようでございます。そのほかに、リクルートコスモス社の役職員の相当数が、親会社でありますリクルート社の役員数名から同じくリクルートコスモス社株式の譲渡を受けている模様でございます。その株数、入手経路等この具体的事実につきましては、現在なお調査を続行しておるところでございます。  そのほかに株式の譲渡の問題につきましては、そのほかの特別利害関係者による株移動に問題がなかったかどうかという点については、まだ報告ができる状況にはございません。これが第二点でございます。  それから第三点といたしましては、当協会といたしましては引き続き調査を進めるとともに、その結果を踏まえまして今後適切な措置を講じていきたいと考えております。  以上、三点を中間報告いたしたところでございます。
  163. 矢田部理

    矢田部理君 第一点で述べられた方々の氏名、株数、動いた時期等々の詳細については明らかにできませんか。
  164. 関要

    参考人(関要君) ただいま申し上げたとおりでございまして、現在のところ、今私が御報告した範囲きり把握をしておりません。  ただ、時期につきましては、この規制期間の中でそういうことが行われたのではないかということでございます。
  165. 矢田部理

    矢田部理君 既に、だれが見てもこれは違反だと、禁止期間中の禁止違反の行為であるということがわかる人は相当数いるわけですね。江副自身も先般の衆議院の証言で、私が中心になって配りましたと、公開直前のことも含めて言っておるわけですから、明白なこれは違反じゃありませんか。どうですか。
  166. 関要

    参考人(関要君) 私の方は、当協会が現在調査をしていることについて御報告申し上げることといたしたいものでございますから、ただいまのようなことについての判断は差し控えさせていただきます。
  167. 矢田部理

    矢田部理君 どうしてそんなに差し控えちゃう必要があるんですか。  ワールドサービス、江副氏から電話で二十万株どうしても返してほしい。エターナルフォーチュン、これまた二十万株買い戻したい。再三にわたって江副氏から連絡があった。ビッグウエイ、菅原氏が江副氏と相談をして各方面に回しておった。そして、肝心の江副自身証言していることですよ。これでも控えますか。
  168. 関要

    参考人(関要君) 今御指摘のように、いろいろ報道されているということはもちろん承知をしておりますけれども、私どもやはり調査をいたしまして証券局に御報告をするということでありますれば、やはり自分のところできちっとした確認をいたした上でないと決定的なことを申し上げられないので、先ほどのような中間報告になっているわけでございます。
  169. 矢田部理

    矢田部理君 松原弘、楢崎さんに対する贈収賄事件で起訴されておりますが、これは当然コスモス社の取締役ですから利害関係人ですね。それはお認めになりますね。
  170. 関要

    参考人(関要君) リクルートコスモス社の取締役にある方は、特別利害関係者等に含まれるわけでございます。
  171. 矢田部理

    矢田部理君 ここにエターナルフォーチュンから三万五千株、その利害関係人の取引はあなた方の規定に反しますね。
  172. 関要

    参考人(関要君) エターナルフォーチュン社から幾ら譲渡されたということではございませんで、松原氏が規制期間内に株式を取得したということが協会の内規に触れると、こういうことでございます。
  173. 矢田部理

    矢田部理君 さきの江副証言で飛び出しました警察関係者、麻野忠雄氏という名前だということになっています。この方も当然株の取引はできない、内規違反ということになりますね。
  174. 関要

    参考人(関要君) 麻野氏は監査役の肩書をお持ちでございまして、監査役は役員に含まれますので、先生御指摘のとおりでございます。
  175. 矢田部理

    矢田部理君 これら一連の株式取引が組織的に計画的に行われ、また量的に非常に多いということになりますれば、もともと登録申請は受理されない性質のものだ。既に公開してしまったわけですが、登録取り消しということになるんじゃありませんか。その辺はどう考えますか。
  176. 関要

    参考人(関要君) 昨日証券局に中間報告をいたした項目に引き続き調査を進めまして、その結果を踏まえて適切な措置を講ずる所存でありますということを申し上げているわけでございます。ただ、今の段階としてこの適切な措置ということをどういうことにするかということにつきましては、もう少し私ども事実解明を進めた上で判断をしたいと思っております。  ただ、ただいまの登録取り消し、この問題につきましてはいろいろと考えなければならないところがございます。つまりこのルールは、あくまでも協会といたしましては業務委員会の内規という、まあどちらかというと非常に軽い性格のルールでございます。それからまた、実は先ほどのように店頭公開がなされまして一般に株式としては流通をしておりまして、相当多数の一般投資家というものが今は存在しているわけでございます。軽々しく登録取り消しというようなことを発言いたしますと、あるいはそういったことを検討するというようなことを言いますと、これは大変影響が大きいわけでございまして、そういった一般投資家の立場も十分考えて、そういうことはなるべく慎重にやりたいというのが、これは現在のところ私の私見でございますが、そういうふうに思っております。
  177. 矢田部理

    矢田部理君 いずれにいたしましても、そのわいろ性の有無とあわせて、証券業界自身がこの期間は売ってはいけない、場合によってはそういう場合には公開しない、取り消しもあり得るという株が政界にずっと渡っている。その限りで言えば、少なくとも違法な株式だ、手を出してはならぬ株式だという認識はやっぱり持つべきだと思う。それを単なる取引だと言ってしゃあしゃあとしていることに私は我慢ができないわけであります。  大蔵省は、これに対してはどんな指導をしているんでしょうか。
  178. 角谷正彦

    政府委員(角谷正彦君) 事実関係は今、関参考人からお話し申し上げたとおりのことを私ども報告を受けているわけでございます。事柄が協会の自主ルールにかかわる問題でございますので、協会の自主的判断、どういう判断をするかということを基本的に尊重していきたいというふうに考えておりますが、今、関参考人が申し上げましたように、既に多数の投資家が存在しているという実態も踏まえつつ、いかなる措置ができるか、それは協会において適切に判断していただけるものというふうに考えております。
  179. 矢田部理

    矢田部理君 協会の方、結構です。ありがとうございました。  先ほど出た麻野氏というのは、以前警察からリクルートコスモス社に天下った一人として予算委員会で私が名前を出したわけでありますが、その人に株が渡っていることが後からわかり、警察関係者だという説明にもなったのでありますが、どうもこの点腑に落ちないんですね。もともと役員に対して渡してはならない期間であるわけでありますが、同時に、株が動きますと有価証券報告書に名前が出なきゃならぬ。六十一年以降当然記載されなければならぬのに今日に至るも記載がない。警察関係者だということで出しましたが、少なくともあのときにはもう警察関係ではなかった。リクルートコスモスにおった。その点警察庁は、何人かうわさになっている人を調べたそうなのですが、どんな人に当たって、その調査の状況はどうなっているんでしょうか。
  180. 森田雄二

    政府委員(森田雄二君) 警察庁といたしましても、大変社会的に反響の大きい問題でありましたから、何の情報もうわさもございませんでしたが、念のためというつもりで警察庁に所属する二十数名の幹部職員について調べたわけでございます。さらに、その者を通じて警察庁の幹部全体についてそういう株の譲渡の有無について調べをいたしました。すべて明確に否定をしておるところであります。  それからあわせて、OBにつきましてもざっくばらんに申しましてマスコミ関係で若干うわさの対象になっている人がいるということがわかりましたので、四人ばかりの者につきまして直接にそういう事実の確認をいたしました。いずれも明確に否定しておるところでございます。
  181. 矢田部理

    矢田部理君 今度の特色は、認めるまでは否定しているのが特色でありますから、否定したから、そうですかと言うわけにはまいらないのでありますがね。  大蔵省に伺います。  大蔵省は関係者を調べましたか。あわせて、五十九年のリクルート社の税務申告書に添付されている書類に有価証券の内訳書がついているようでありますが、ここに越田弘志外二名ということで株式を保有しているごとくの記載があるようでありますが、その事実は確認できますか。
  182. 角谷正彦

    政府委員(角谷正彦君) 大蔵省全体の問題につきましては官房からお答えすべき話でございますが、現在官房長等参っておりません。私ども証券局の中におきましては、私ども責任で調べましたが、そういうものはないということは言えますし、それから私どもの次官も記者会見等で、調査した結果、大蔵省におきましてそういう事実はないということを申し上げているので、私もさようであろうというふうに考えておるわけでございます。
  183. 矢田部理

    矢田部理君 越田……。
  184. 伊藤博行

    政府委員伊藤博行君) 第二問目の点につきましてお答え申し上げます。  新聞報道等によりますと、株式会社リクルートが提出いたしました税務申告書の中に株式の譲渡リストが含まれているという報道はございました。そのことにつきましては承知しております。  この点に関しましての国税の取り扱いを申し上げますならば、法人が確定申告書を提出する場合には、貸借対照表、損益計算書及びこれらに係る勘定科目の内訳明細書を添付すべきことが決められております。勘定科目内訳明細書の一つとして、有価証券を保有している法人にあってはその有価証券の内訳書を申告書に添付していただいているところでございます。そういった一般的な原則がございます。  ただ、お尋ねの件につきましては個別具体的な事項でございますので、答弁は差し控えさしていただきます。
  185. 矢田部理

    矢田部理君 差し控えられたのでは困るのでありますが、問題の名前でありまして、ある人はそのことを確認しているわけです。マスコミが確認できることを国会でどうして言えないんですか。
  186. 角谷正彦

    政府委員(角谷正彦君) 税務の書類については、私どもこれを見る立場にございませんが、今御指摘の大和証券の某常務の件につきましては、もう夏ごろからそういううわさがいろいろなブラックジャーナリズム等の記事で論じられておりました。そういったふうなことから、私どもといたしましてもこの事実につきまして非常に神経質に、大和証券に対しまして実態関係を調査するようにという強い指示をいたしたわけでございます。  その結果、大和証券といたしましては、リクルート社あるいはリクルートコスモス社ファーストファイナンス社、あるいは株主名簿を管理しております東洋信託、そういったところを調べまして、そういう事実は全くありませんという形のいわゆる文書による回答を受け取りまして、それを私どものところに提出してまいりました。そういった意味で、私どもといたしましてはそういう事実はないというふうに確信しているわけでございますが、先般の江副さんが証人として行われました陳述につきまして、たしか私もテレビで見ていたわけでございますけれども、社会党の坂上委員の同様な御指摘について、全くそういう事実はございませんというふうにはっきりとお答えになっておられます。そういったふうなこともございますので、私どもは越田常務につきましてそういった事実はないものというふうに考えております。
  187. 矢田部理

    矢田部理君 私は、大和証券の越田常務などというのは一言も言っていないんですが、この越田なる人が直接もらったかどうかは別として、何らかのかかわりがあって、したがって文書に載っているんじゃありませんか。
  188. 角谷正彦

    政府委員(角谷正彦君) その文書なるものは私は見ておりませんし、そういうものを見る立場にもございません。私どもは別の立場におきまして、実際いろいろなことが言われている当該の本人につきまして事実関係を調査するようにもう相当前から指示し、今申し上げたような結論を得たわけでございます。
  189. 矢田部理

    矢田部理君 文書を見ている人はあるんですか。見てない人が幾ら答えてもしようがない。
  190. 伊藤博行

    政府委員伊藤博行君) 先ほど申し上げましたように、法人税の申告書におきましては、勘定科目の内訳明細というものを出していただくわけでございます。これは今さら改めて申し上げるまでもないわけでございますけれども、法人税の申告というのは法人所得の申告書でございます。それに関連しまして各種の資料等が添付されるわけでございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、かなり企業あるいは個人のことが書かれておりますものでありましても、私どもの課税所得の計算上必要ということで提出していただくということになっております。  したがいまして、税務の必要上提出していただいておりますものは、税務上の守秘義務ということで、せっかくの御質問でございますけれども、個別にわたるという点につきましては答弁を差し控えさせていただいているところでございます。
  191. 矢田部理

    矢田部理君 そういう税務資料であっても、真相解明のために必要であれば出すことができるわけでありますから、委員長の方でこの点もよろしくお取り計らいをいただきたい。この資料を要求しておきたいと思います。  それから、他の省庁全部いろいろ聞きたいところが多いわけだし、特に文部あるいは労働などは多いわけでありますが、先ほど警察庁は四人のOBと言いましたが、この名前と肩書、どんな方に当たられたんでしょうか。
  192. 森田雄二

    政府委員(森田雄二君) せっかくのお尋ねですけれども、これは本人が明確に否定をしておりますし、若干名誉にかかわることでございますので、具体的な名前を挙げることは差し控えさせていただきたいと思います。
  193. 矢田部理

    矢田部理君 否定しているのなら出してもよさそうに思うがね。  私としては、委員長にこれは要求をしておきたいと思うのでありますが、個別の問題を挙げるともう泥沼というか無限に広がるというような状況を呈しておるわけでありまして、その点では衆議院で伏せ字で一部第三者割り当てリスト及びそこから還流した株の行方などなどが出されましたが、当委員会としてはやはり全面的にあれを取り寄せて、空欄を起こしていく必要があるということでありますので、指摘はこの程度にとどめておきますが、それをぜひ当委員会としてもやっていただきたいというふうにお願いしたいが、いかがでしょうか。
  194. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 理事会において協議をいたしております。
  195. 矢田部理

    矢田部理君 そこで、時間がなくなってきましたので、取り急ぎ次のテーマに入りたいと思います。  武蔵浦和駅の周辺市街地再開発に絡んで数々の疑惑が出ております。これは、JRの武蔵浦和駅の西口に、かつて森下製薬の土地がありました。一万四千六百平方メートルということでありますが、この森下製薬が他に工場を建てて移転をした跡地でありますが、その土地を最初錢高組が買うことになりました。七十六億五千万という数字が森下製薬との間に取り決められたのでありますが、これだけの面積でありますと当然県知事に届け出をしなければなりません、国土利用計画法上でありますが。県に届け出をしましたところ、地価抑制政策上それでは高過ぎる、三十八億六千万程度が相当であるという勧告をしたのです。  そうしましたら、この両当事者はこの取引の届け出を取り下げてしまった。事もあろうに大阪の簡易裁判所に調停を申し立てました。浦和の土地についてであります。そして簡裁の調停で六十五億円で話をまとめ、その最終段階でリクルートコスモスが参加をした。利害関係人であります。リクルートコスモスが最終的には買い取ることになったのであります。  どういうことかと申しますと、本来そういう大きな土地については県知事に届け出をして国土利用計画法上の手続をとらなければなりませんが、特別規定があって、裁判所で調停ないし和解でまとまった場合にはその値段で仕切っていいと。まさにその法律を脱法してリクルートコスモスが最終的に土地を買うことになった。  国土庁でしょうか。この事実をつかんでおられるでしょうか。
  196. 公文宏

    政府委員(公文宏君) 突然のお尋ねでございまして、きょう担当の局長が今参っておりません。事実関係でございますので、正確に調べまして御報告申し上げたいと思います。
  197. 矢田部理

    矢田部理君 県は、当然のことでありますが、森下製薬の関係者に事情を確かめたら、調停で決まったんだから届け出には及ばない、必要がないと言ってこの契約を強行したのでありますが、これが実は、はしりだと言ってもいいでしょう。その後、不動産業界では、地価抑制だとか投機的土地の買い占めだとかということについてはいろんな手だてを講じておるのでありますが、行政と司法の二本立てになっているものですから、その土地でない非常に遠くの簡易裁判所などを利用して、例えば最上恒産などは東京の土地を下田の裁判所でやった。国土利用計画法はもう本当にざる法になってしまっている。この状況について認識がありますか、国土庁として。
  198. 内海英男

    国務大臣内海英男君) 突然のお尋ねで私ども事務的に聞いておりませんので、よく調べましてお答えいたしたいと思います。  ただ、先生は専門家ですから、そういう司法の方のことも勘案されて御質問されておると思いますが、そういうことであるとすればよく調べましてお答えを申し上げたいと思います。
  199. 矢田部理

    矢田部理君 最高裁はさすがにこれには困ったのでしょうか、特別の通達というか、裁判所がそのようなことで利用されないようにという通達を出したと聞いておりますが、いかがでしょうか。
  200. 泉徳治

    最高裁判所長官代理者(泉徳治君) 裁判所におきます対応について御説明申し上げます。  先ほど矢田部委員から御指摘のございました事件が昨年の七月九日の新聞に報道されました。また、昨年八月に国土利用計画法の一部改正がございました。私どもはそれを契機といたしまして、私どものやっております民事調停とかあるいは即決和解が国土利用計画法の規制の潜脱の手段として使われないようにするために通達を発しました。それは新聞報道があったという事実、及びこういう国土利用計画法の規制がどういうふうになっているかということについて県に問い合わせる問い合わせ先の担当部局、それから国土利用計画法に基づきまして都道府県知事が新たに監視区域などを定めた場合にはそれを通知する、そういったことを私どもは高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所に流しまして、裁判所の手続が潜脱の手段として使われないように措置をとったところでございます。
  201. 矢田部理

    矢田部理君 まさにその脱法の元祖的役割を果たしたのがリクルートコスモスだった。江副さんは、一方では行革審の土地対策の委員か何かをやっておられて、あそこの勧告を見ますと投機的土地取引はやめよう、地価の抑制をしようと。重要な答申にかかわっておりながら、他方ではこの種脱法、地上げを公然とやってのけてきた。決して株だけではないのであります。  そして、森下製薬から買い取った土地をどうしたかというと、そこは武蔵浦和駅の西口開発の広い面積の一部なのでありますが、八区画に分かれておりますが、第三街区といいます。そこの大部分はリクルートコスモスの土地であります。そこに第三街区再開発協議会というのをつくって、自分が、池田友之氏でありますが、その理事長におさまっている。  まず第一にやってきたのは、全体の広い土地の中で一番最初にそこを開発してほしい。開発順位をトップに持っていった。  そして二番目には、川崎でもその手法が使われたと言われておるわけでありますが、土地の利用効率を上げるために容積率のアップという工作をずっとしてきました。準工業地域ですから二〇〇%を商業地域にする、高度利用地域にして五〇〇%に持っていく工作がずっと続けられてきております。いつ、市のどこに行ってどういう話をしたかも私は全部つかんでおります。これが二番目。  三番目にどうしたかというと、特別土地保有税を全部浦和市に免除させました。これは地方税法、自治省に関係します。その総額は五十九年から六十三年まで六億を超えるわけであります。恒久的な建物がある場合には地方税法上免除の規定がありますが、リクルートコスモスが買ってからほとんど全部建物はありません。こういう土地の税金を全部免除させる、そしてそこに将来三十二階と二十七階、二つのビルを建てることになっている。これは都市再開発なんです。そのビルは実質リクルートビルなのでありますが、共用部分といいますか、エレベーター、階段、廊下、三分の二は国と県と地方自治体、浦和市が補助金を出すことになっておる。そういう構想で全体が動いているわけですね。  自治省、そんな動きをつかんでおりますか。
  202. 湯浅利夫

    政府委員(湯浅利夫君) 地方税の関係につきましては、私どもは市なりあるいは埼玉県の担当者の方から、新聞紙上等で出ている問題につきまして照会をいたしまして、聞いております。それによりますと、ただいま御指摘のように、リクルートコスモス社はこの土地を五十八年九月三十日に取得をいたしておりまして、浦和市では特別土地保有税についてこの会社から地方税法の第六百三条の二の規定によって免除申請が出された。これを受けまして浦和市に設けられております特別土地保有税の審議会にかけまして、そして審議会の現地調査を行った上で審議会の答申を受けて、これに対応してその結果をリクルートコスモス社に通知したということを私ども聞いたわけでございます。  ただ、この会社に対する特別土地保有税の免除の有無につきましては、これは地方税法の守秘義務の問題もございますので、これについては市の議会にも回答していないし、また私どもの方にもそれを回答するという筋のものではないということでございました。
  203. 矢田部理

    矢田部理君 その税金問題については、監査請求などもついせんだって出されたりして大変問題になっているわけでありますが、こういう状況に対して埼玉県はビルを建てる補助、再開発の補助を凍結するという対応をしました。国としても同じような対応をすべきだと思いますが、いかがですか。
  204. 真嶋一男

    政府委員(真嶋一男君) お答えいたします。  ただいまの案件につきましては、実は私どもの方に具体的な相談がまだ何も参っていない状態でございますので、今こうしたいというような御意見を申し上げる状況にはなっておりませんので、そのように御理解いただきたいと思います。
  205. 矢田部理

    矢田部理君 これだけ地元では市議会等でも取り上げられ問題になっていることについて、大変対応が緩慢だと思われます。  そういう動きと連動するかのように自民党の代議士に株が渡っている。浦和の自民党支部に五百万の政治献金がなされる。うち二百七十万が市長に渡される。浦和市の秘書課長のところに一万株が渡る。元市議会議長に同じく五千株が渡る。典型的な汚職の構造になっているわけでありますが、検察庁はこれについてはどんな対応をしているでしょうか。
  206. 根來泰周

    政府委員根來泰周君) 従来から御説明いたしておりますように、十一月十日に松原元秘書室長を起訴いたしまして、それから検察庁といたしましては、その共犯関係及び先ほど来御指摘のあります非公開株の譲渡問題等を精力的に調査検討をしているところでございます。いろいろ御指摘がございます点も十分念頭に置いて調査をいたしているものと理解しております。
  207. 矢田部理

    矢田部理君 私は、川崎も含め安比も含めて一連の調査をしてまいりまして、どうも官の側から見ますと民活だと、民間資金を活用したりノーハウを入れたりして大変よさそうに見えるのでありますが、問題は逆なのでありまして、民の側が言うならばその周辺整備を官にやらせる、許認可の関係を甘くさせる、規制を緩める、そして公的資金を引き出す。実情は第三セクター方式をとったりいろんな手法をとるのでありますが、再開発の手法をとれば公的部分の三分の二、本体はリクルートビルでありながら莫大な補助金がそこにつけられている、それにまつわって政治献金や株やいろんなものが動く、この手法が実は共通なんですね。安比の件は後刻同僚の山口議員が追及をいたしますが、川崎の規制緩和とか容積率アップの議論も同じです。こういう状況がずっと広がっている。そのもとにはやっぱり民活政治があったというふうに思うんですが、総理、幾らか御認識をいただけましたでしょうか。
  208. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 民間活力を導入するためのその環境整備の中で、いわば公的資金あるいは公権力そのものが環境整備のために存在し得るということは私にも理解できるところでございます。したがって、先ほど申し上げましたようにデレギュレーションそのものについては大きな期待をいただいておるにいたしましても、行政はその執行の段階で、矢田部委員から御指摘を受けるようなことをしてはならないということを絶えず念頭に置くべきものであろうというふうに思います。
  209. 矢田部理

    矢田部理君 NTTからも参考人においでいただいておりますので、大変お待たせしましたが、この問題に議論を移したいと思います。  NTTにかかわる疑惑については二つありまして、一つはディジタル通信回線の再販、リセール問題、もう一つはアメリカのクレイ社から買い取ったスーパーコンピューターの導入をめぐる問題とあるわけでありますが、まずそのスーパーコンピューターの導入にかかわる問題について伺いたいと思います。  かねてから日米貿易摩擦がずっとあるわけでありますが、スーパーコンピューター問題が出てきたのはいつごろで、どんな背景だったんでしょうか。これは外務省がいいですか、あるいは通産省でも結構です。
  210. 南学政明

    政府委員南学政明君) 通信機市場開放の問題につきましてはアメリカから前からいろいろお話がございますが、スーパーコンピューターの問題につきまして特に問題になってきましたのは昭和六十一年ごろでありまして、六十一年十二月にエレクトロニクスのMOSS協議、これを開始する、MOSS協議の中でスーパーコンピューターの問題をいろいろ議論するということに相なってまいりました。
  211. 矢田部理

    矢田部理君 六十年のいつですか。
  212. 南学政明

    政府委員南学政明君) 六十一年でございます。六十一年十二月。
  213. 矢田部理

    矢田部理君 実は、それに先立って前から問題になっているわけでありますが、六十年の一月に中曽根総理が訪米をしてレーガン氏と首脳会談を行いました。ここで当然のことながらスーパーコンピューターの導入問題が話題になったと言われておりますが、外務省いかがですか。
  214. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  215. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 速記を起こして。
  216. 矢田部理

    矢田部理君 アメリカのレーガン氏から通信機器それからエレクトロニクスなどのアクセスの改善を求める、中曽根総理は電電民営化に伴う内外無差別、透明性の確保では私自身がチェックする、これにこたえてSCの導入が具体的に話し合われたとされているわけでありますが、この中曽根総理の意を受けて郵政大臣はNTTと話し合ったのではありませんか。郵政省いかがでしょうか。
  217. 塩谷稔

    政府委員(塩谷稔君) お尋ねの件でございますけれども、これはスーパーコンピューターの購入でございまして、NTTといたしましては私ども報告のありましたところによりますと、お客さんでありますリクルート社の注文によりましてRCS事業、リモート・コンピューティング・サービスという仕事の一環として行われたというふうに受けとめております。  そして、今御指摘になった点でございますけれども、これは六十年の四月に、四月四日でございますか、経済対策閣僚会議におきまして対外経済対策をまとめるに当たりまして、総理から、NTTへの外国企業の参入機会の増加に努めることが必要である、その旨の発言がありまして、個別の機器を買うのをどうするということでの発言があったわけではございません。そして、郵政大臣からもNTTの社長に対しまして外国企業の参入の機会の増加の要請を行っておりますけれども、これも個別機器の購入、あの機械を買えとかこの機械を買え、そういう要請をしたものではございません。
  218. 矢田部理

    矢田部理君 NTTに伺いますが、この時期、幾つかの中曽根総理を中心とする動き、それから郵政省の対応、それからNTTに対する通信機器等々の積み増しということの要請があったと思いますが、どんなふうに受けとめておりますか。
  219. 村上治

    参考人村上治君) お答え申し上げます前に、このたびのリクルートコスモスの未公開株の取得あるいは売却問題に関しまして、NTTの関係者に該当がおりましたことにつきまして世間を大変お騒がせいたしておりまして深くおわび申し上げます。  ただいまのお尋ねの件でございますけれども、私ども資材の調達に関しましては、五十六年からガットの政府調達コードに従いまして内外無差別にそういった調達を公平、透明にやろうということでやってまいっておりまして、六十年当時ももちろん私どもとしては事業に必要なそういった資料を、そしてその中で外国製品ですぐれたものがあれば、こういったものを買ってまいりたいということで努力をしてまいった時期でございます。
  220. 矢田部理

    矢田部理君 逐一、時系列的にやっていきたいのでありますが、時間がありませんので私の説明を交えてやります。  そういう背景のもとで、リクルート社のコンピューターをまずはNTTが買ってその後転売をするという話は、いつごろ、どこから出たものでしょうか。
  221. 村上治

    参考人村上治君) リクルート社からの私どもへの御依頼というのは六十一年の初めといいますか、その前後であったかと思っております。そういうふうなことで、それに先立ちまして私ども武蔵野電気通信研究所といいますか、研究所で……
  222. 矢田部理

    矢田部理君 ほかのことはいいから。
  223. 村上治

    参考人村上治君) そうですか。失礼しました。  そのぐらいの時点からだと思っております。
  224. 矢田部理

    矢田部理君 もっと早い時期じゃありませんか。六十年の九月にリクルート社は、スーパーコンピューターを使った仕事だと思いますが、RCS事業を始める。これと前後してスーパーコンピューターをアメリカから買ってほしい、それを私たちに転売してほしいという話がだれからだれにあったんでしょうか。
  225. 村上治

    参考人村上治君) 私ども正式には六十一年の三月にリクルート社からそういった機器の手配を正式に依頼されまして、その前の打ち合わせその他あったかと思いますけれども、私、つまびらかにいたしておりません。
  226. 矢田部理

    矢田部理君 それは、正式な購入依頼書は確かに三月ですが、事前にずっと話があったんですよ。そして四月の常務会で決める。この転売方式、こういうやり方にNTT内部では相当程度反発があったんじゃありませんか。
  227. 村上治

    参考人村上治君) お答え申し上げます。  今、先生、転売とおっしゃったのでございますけれども、私どもはデータ通信事業をやっておりまして、いろいろなサービスをいたしておりますが、お客様の要望に従ってデータ通信システムを構築いたしましてそのままお引き渡しするというふうなこともやっておりまして、これは受託工事という形でやっておるわけでございますけれども、このリクルート社からの御依頼のRCS用のコンピューターの設置につきましても、そういった一連のビジネスの中の受託工事というふうなことで行いましたわけでございます。
  228. 矢田部理

    矢田部理君 ちょっと納得できる話ではないのでありますが、もともと政府としてはアメリカから頼まれていて、何としてもいろんなものを員わなきゃならないという中で、スーパーコンピューターが金額的にはそれほど大きいとは思いませんが、ハイテクということもあって、いわば日米貿易摩擦の象徴的なものになってきた。それを政府は買いたいわけだが、何とかNTTに買わせたい。しかし、NTTはもう要らないということで、最終的には江副氏が引き受けるということで見せかけの形づくりをやった。そんなやり方はやっぱり受けとめにくいということで、NTTの内部にも相当の批判があったようであります。もちろんアメリカの商務省や、最近ではクレイ社筋も極めて異常な取引だと、こう言っている。  このNTT経由でリクルート社がコンピューターを買う指導的な役割を果たしたのはどなたですか。
  229. 村上治

    参考人村上治君) お答えいたします。  先ほどの御質問で、NTTの中にそういったやり方について反対がなかったかという御指摘がございましたが、私どもの中で、私の承知している限りでは、そういったことはなかったと思っております。  なお、指導的に動いたのはだれかというふうなお尋ねでございますが、これも一種の輸入になりますから、調達に関しましては私どもの国際調達室というのがございます。さらに、これの設置工事等につきましては、データ通信事業本部が担当いたしました。
  230. 矢田部理

    矢田部理君 どなたですか。
  231. 村上治

    参考人村上治君) データ通信事業本部長でございますから、当時長谷川でございます。
  232. 矢田部理

    矢田部理君 私は省略して言っているからわかりにくいかもしれませんが、正式な購入契約、購入をお願いする前に、既に真藤総裁が、当時は真藤社長ですか、具体的な検討はかなり早い時期から要請しておる。見合って、今お話の出た長谷川氏がぐっと動く。そして極めて異例な方法でこのスーパーコンピューターを輸入する。リクルート側にとっては輸入がなれていないとか、場所の提供をなれていないからお願いするとか、場所の提供をNTTに受けるので便宜であるとか、将来NTTと組んでいけば非常に有利だというようなねらいがあってこれにかかわったと言われるわけでありますが、その長谷川さんにリクルートから株が回ってきているのじゃありませんか。それはお認めになりますか。
  233. 村上治

    参考人村上治君) お答えいたします。  このスーパーコンピューター、先生は御存じだと思いますけれども、大変に特殊なコンピューターでございまして、大変重量が重いであるとか、それから冷却の方式も一般のコンピューターと違っておりまして、そういった意味で、これらの経験があります私どもに御依頼があったものだと考えておりまして、私どもといたしましてもこれはビジネスの一環でございますので、きちっとそういった工事なり設計なり、そういったことの関係の費用はちょうだいいたしております。  したがって、ただいま御指摘の、当時本部長長谷川君とそういった仕事の関連といいますか、それと株の関連というようなことはちょっと考えにくいと考えております。
  234. 矢田部理

    矢田部理君 これは後刻証人であれしますから、その際の前段として聞くわけですが、六十一年の五月にクレイ社より購入することを契約された。そして十二月にリクルート社に転売するわけでありますが、その年の九月に御承知のように村田秘書に一万株、中心的に世話をした長谷川取締役に同じく一万株が渡っている。どうしてそこに株が来たと思いますか。
  235. 村上治

    参考人村上治君) 大変失礼でございますが、一番最後のところがちょっと私……。
  236. 矢田部理

    矢田部理君 株が来た理由をどういうふうに見ておられるか。
  237. 村上治

    参考人村上治君) 私どもリクルート社とはビジネス上でのつき合いは、回線の専用線の御契約とかRCSコンピューターの受託工事等ございますけれども、いずれもビジネスベースでこれをやっておりますので、ちょっと私には理解できないことだと考えております。
  238. 矢田部理

    矢田部理君 そうして、その後にまたこれ外務省などもかみ、六十二年の四月の中曽根・レーガン会談があって、今度は具体的にNTTが介してまたスーパーコンピューターを買う、それがリクルートに転売をされたというようなことで、スーパーコンピューターをめぐるあれこれの動きについては、時の政権中枢がかんでいる。そして、レーガン大統領、中曽根前総理、真藤社長、現場的には長谷川さんなどがいろんな絡みの中でこの導入、異例異常の導入が図られるということになるわけでありますが、その解明はもう少し時間をかけていずれやりたいと思うし、及川議員からさらに具体的に展開をしたいと思います。  もう一つ気になりますのは値段の点なんですね。二台買ったうちの一台、XMP二一六というのは、これは幾らで買われましたか。
  239. 村上治

    参考人村上治君) お答えいたします。  クレイ社から買いましたXMP二一六の値段といいますか、価格の点でございますが、個別の契約の内容でございますので、お答えを御容赦願いたいと思います。
  240. 矢田部理

    矢田部理君 個別契約であれ何であれ、説明してください。
  241. 村上治

    参考人村上治君) お答えいたしますが、クレイ社との契約の中でも、契約内容につきまして守秘義務が課されておりますので、お答えを御容赦願いたいと思います。重ねてお願いいたします。
  242. 矢田部理

    矢田部理君 何ですか、守秘義務って。
  243. 村上治

    参考人村上治君) お答えいたしますが、契約の中身につきまして当事者以外に漏らさないということでございます。
  244. 矢田部理

    矢田部理君 そんなばかなことはないのでありまして、通産省、少しおくれて同じ機種のスーパーコンピューターを入れたんですが、これは幾らで買いましたか。
  245. 飯塚幸三

    政府委員(飯塚幸三君) 私どもの購入いたしましたスーパーコンピューターでございますが、これは筑波の九研究所の情報計算センターということでございまして、ネットワークあるいはアプリケーションソフト等一式で購入したものでございまして、総額はフロントエンドコンピューターあるいはリモートステーション等ネットワーク、それからアプリケーションソフトを含みまして四十六億一千万円でございます。
  246. 矢田部理

    矢田部理君 本体機器は幾らだったですか。
  247. 飯塚幸三

    政府委員(飯塚幸三君) 本体機器も実はいろいろ、どこまで入れるかということはございますけれども、私どもの半導体記憶装置という非常に高速の記憶装置、これは若干特殊なものでございますが、それを含めまして二十二億三千万円でございまして、今申しました記憶装置が三億六千万円でございます。あと基本ソフトあるいは運送費等々もその中に入っているわけでございます。
  248. 矢田部理

    矢田部理君 私の調査によりますと、もう面倒だからこっちでしゃべってしまいますが、NTTの買った値段は十九億九千八百万。それから同じ比較で言いますと通産省のものは十八億七千万。リクルートに転売した価格は二十億、これは手数料とか何か入っているそうですが、NTTの買った値段が高いんですね。時期の問題、比較の問題は多少残りますが、それだけならまだしもなのですが、私どもが調べたクレイ社のこの種機種の値段は十億足らず。これも比較の問題がいろいろありますが、やたらに高いものを買わされているのではないか。  特に、このNTTの場合は随意契約でしょう。通産省も実は問題なんです。形は入札方式をとりました。最初はみんな集まったのに全部おろしてしまった。クレイ社だけ一社が入札をする。その値段で落札をする。どうもこの辺に不可解な点が多過ぎる感じがします。つまり、日米貿易摩擦を政治的に仕切っている、政治価格で取引をされる。そして、その一部がリベートその他で戻っている可能性も一部に指摘され始めている。通産省の入札方式、全部おろしてしまった物の買い方、それよりも高い値段で買ったNTTの随契方式、問題ありませんか。
  249. 田村元

    国務大臣(田村元君) 実は私は、この問題は正直に申しまして詳しくありません。こういう設備の問題は大臣レベルまで上がってこないものですから、工業技術院でも院長の専決でやってしまいますので、後から私が聞いた範囲内で物を申せば、いわゆる契約問題について一切やましいことはございませんと、こういうことでございました。  でございますから、いささかでも疑惑を招くような要素でもあればこれは大変なことでございますから、もしおよろしければ国会で工業技術院に対して徹底して御調査を願いたい、私も一緒に拝聴したいと思います。
  250. 矢田部理

    矢田部理君 通産省とやり合うだけが問題ではないんですが、そのクレイ、富士通、日立、日電などみんな最初は説明会に参加した。肝心の入札の日には一社もあらわれないというのは少し不思議じゃありませんか。おりたと。そこで値段が仕切られる。決まる。クレイ社に私どもなりに調査をして、このシリーズの機器の値段を尋ねますと十億前後という数値が出てくるわけです。ソフトのつけ方、その他でいろんな問題が出てくる余地はあるから、厳密な意味での比較にはもう少し正確にしなきゃなりませんが、日本総体が入れているのは自動車会社とか学校とかNTT関係とかというのが多いわけですね。自動車は随分アメリカに輸出をしておるということもあるからでしょうか、全体的に日本に、もともとクレイ社は進出が難しかったんです。日本がダンピングだとかアクセスが悪いとかということで、いろいろクレームをつけてきておったのを州出身選出の議員なども随分中曽根内閣に要請をしたり、レーガンからも話があって、政治的にこれを受けることになった、そこでNTTなどに割り当てる、非常に無理があるわけですね。その意を受けて江副氏も電電経由で買い取った、見せかけの政府調達の積み増し、こういうことになってくるわけですね。  この構造を眺めていきますと、どうも株の動きだけではなくて、非常に不可解な動きが随所に出てくるわけです。問題になった長谷川氏はその後NTTをやめてリクルート国際バンの代表取締役にもなっているわけでありますが、この人の足跡なども追ってみるといろいろな点で問題になっているわけであります。その点で、この問題はひとつ郵政省、郵政省もずっとかんできたわけです。それから、外務省も倉成大臣時代、直接的にコンピューターを買う約束をクレイ社から、しかも名指しで買う約束まで外務大臣がする、ヤイター代表と。これは少し行き過ぎもあり、問題も多過ぎると思いますので、これはまた別の機会にやりたいと思いますが、ひとつ厳重に調査をしていただきたいというふうに思います。  それから最後に、回線リセール、これも後ほど及川議員がやりますので、私は問題の指摘だけにとどめますが、NTTが民営化されたのが六十年の四月です。電電公社とリクルートとの間にはそれ以前からかなり勉強会がやられていたということでありますが、そういう事実はありますか。
  251. 村上治

    参考人村上治君) お答え申し上げます。  リクルート社との勉強会という御指摘でございますが、私どもも民営化以前から一般のお客様、それから大規模ないろいろな企業のお客様とお客様のセグメント化をやりまして、企業に対するいろいろな御要望、こういったことにもおこたえしていこうということで、企業通信システムサービス本部というようなものもつくりまして、リクルート様に限らず、お客様からいろいろな御要望があれば、そういった勉強会なりあるいはこちらからの御説明というふうなことをさせていただいておるわけでございます。御指摘のそういった勉強会というものは五十八年の暮れごろから始めておるようでございます。
  252. 矢田部理

    矢田部理君 そのリクルートとの勉強会でありますが、INS、回線リセールなどもテーマになりました。また、その勉強会には式場氏なども参加しておりましたでしょうか。
  253. 村上治

    参考人村上治君) お答え申し上げます。  勉強の中身といたしましては、当時私どもが御提唱申し上げておりました、そして五十九年から三鷹で実験を始めるわけですけれども、そういったINSの勉強会であるとか、あるいはリクルート様の御自身の企業内のいろいろなシステムであるとか、そういったことが勉強の中身であったというふうに理解しております。
  254. 矢田部理

    矢田部理君 式場氏などは参加しておりましたか。
  255. 村上治

    参考人村上治君) 式場も参加しておったと思います。
  256. 矢田部理

    矢田部理君 そこで、六十年の四月に民営化するわけでありますが、回線リセールの事業化はいつごろどちらから持ち出されたものでしょうか。
  257. 村上治

    参考人村上治君) お答え申し上げます。  リセール業をお始めになるかどうかということは、これはリクルート社の御決定でございまして、それに伴って私どもの専用線の販売といいますか、御契約というふうなものにつながってまいったわけでございます。
  258. 矢田部理

    矢田部理君 リクルート社に専用線を貸したのはいつごろですか。  それから、リクルート社は、その専用回線で全体のシェアのうちどのぐらいの割合を占めていますか。
  259. 村上治

    参考人村上治君) お答えいたします。  リクルート社のリセールサービスは六十年の七月から始まったと記憶しております。  その後のリクルート社のシェア等につきましては、私ども知り得るすべがございませんので、お答えを御容赦願いたいと思います。
  260. 矢田部理

    矢田部理君 自分で貸している回線のリクルート社が占めるシェアを知らないということはないでしょう。
  261. 村上治

    参考人村上治君) お答え申し上げますが、どこの社にどのぐらいの専用線を貸しているかということは、これはもちろんわかるわけでございますが、リセール業の中でどれだけのお客様を獲得し、そしてどれだけの売り上げを上げておられるかというようなことにつきましては、それが多分シェアだと思いますけれども、それはちょっと私どもの知るところではございませんので、お答えを御容赦願いたいと思います。
  262. 矢田部理

    矢田部理君 一般的に、他の資料などでも明白になっているわけですね。どうもそのやり方、やり口を見ますれば、真っ先に回線リセールの権利をリクルート社に与え、全シェアのうち六六%もこれに持たせる、この衝の責任者はだれだったんですか。
  263. 村上治

    参考人村上治君) お答え申し上げます。  ただいまのシェアの問題につきましては、そういった記事が出ておることはもちろん私どもも承知しておりますが、第二種電気通信事業者の営業状況につきまして、ユーザーの数であるとかあるいはリセールの回線数だとかについては把握してないという意味でございます。  それから、専用線の御契約につきましては、これは専用線事業部長というのがございまして、それがやっております。
  264. 矢田部理

    矢田部理君 どなたですか。
  265. 村上治

    参考人村上治君) いつ時点でございましょうか、ちょっと私今……。
  266. 矢田部理

    矢田部理君 最初の時点。
  267. 村上治

    参考人村上治君) ちょっと今記憶にございません。後で……。
  268. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 矢田部委員に申し上げます。  時間ですから、あと一問で終わってください。
  269. 矢田部理

    矢田部理君 それは、いずれの時期かはともかくとして、重要な役割を式場さんが果たした、契約関係なども式場さんが仕切っていたのではありませんか。あわせて式場さんにはコスモス株五千株が渡っておる。この事実はお認めになりますね。
  270. 村上治

    参考人村上治君) お答え申し上げます。  専用線に関しましては専用線事業部長だと思いますが、企業通信システム事業部長といたしましてリクルート社と契約いたしておりますのは、高速ディジタル回線ネットワーク構築に関しますコンサルティング契約というふうなものが、当時式場氏ではなかったかと思います。  以上、お答え申し上げます。
  271. 矢田部理

    矢田部理君 以上で終わりたいと思いますが、いずれにしましてもこの場合には、衆議院の逓信委員会が附帯決議までつけて回線リセール、特に単純再販はやらぬというやつを非常にねじ曲げて、新しい商売をリクルートと組んで乗り出した、その主要な役割を果たしたのは式場さんであると私どもは理解しておるのでありまして、この点は及川議員が後ほどさらにまた詳細に詰めると思いますが、リクルートにかかわる疑惑というのは限りがありませんで、安比の問題等々も含めて数多くあるのであります。政府として本格的にこの解明のためにこれから協力をいただくようお願いして、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)
  272. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 次に、井上吉夫君の質疑を行います。井上君。
  273. 井上吉夫

    井上吉夫君 まず冒頭、けさほど大蔵大臣から今までのリクルートコスモス社の株売買に関係いたします報告をいただきました。大変明敏な頭脳の持ち主であり、明快な答弁をなさる大蔵大臣、その後、冒頭の説明並びに先ほど来の一時間半にわたる社会党矢田部質問に対するお答えを聞きながら、私は、大変苦渋に満ちたというか、御苦労をなさりながらお答えになっているなという感じを持つと同時に、それだけに精いっぱい誠意を持って答えておられるな、そして恐らくこれがまさに調べ上げた最後の間違いのない実態を御報告なさっているものだというぐあいに受けとめました。  この機会に私は、宮澤大蔵大臣に大変失礼な質問をさしていただきますが、経済、財政などについてはそれこそたぐいまれなるベテラン政治家でございますけれども宮澤大蔵大臣自分自身で株の売買というのはおやりになった経験があるのか、割合たくさんの経験の持ち主なのか、ほとんどないのか、その辺をひとつお伺いしたいと思います。
  274. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) お騒がせをいたしましてまことに申しわけないことでございます。私は、株の売買というのはほとんどやった経験がございません。
  275. 井上吉夫

    井上吉夫君 実は、質問申し上げております私自身も経験がないくせに大蔵大臣に失礼な質問をいたしましたけれども、私は、それのよしあしよりも、今回の二転三転をいたしました大蔵大臣答弁、そしてきょうお答えになりました答弁を聞きながら、これはおっしゃいましたように、一番初めに大臣秘書官の服部氏が、本当は自分リクルート社からの話があって宮澤喜一の名を使って株を購入し、そしてそれを譲渡したと。その間の利益を得たものは全部自分の口座に入れたというそのことを、今大変大事な二十一世紀を目指しての抜本的な税制の改革をしようとして、その所管大臣にある宮澤大蔵大臣にこのことが大変な迷惑をかけることになるということを懸念して、ついつい服部秘書官の友人河合氏の名前を使って大臣報告をしたところから出発し、いわば人の気持ちの弱さとでも申し上げましょうか、その後一連の話が二転三転するという最初の原因をそこにやっぱりつくったのではなかろうかなと、そういう感じがいたします。むしろきょうのいつもにないとつとつたる答弁の中に、私は宮澤大蔵大臣のきょうの答弁のぎりぎりの真実を感じたものであります。  さはさりながら、国会における答弁が二転三転したというそのことから国民一般が受けた印象というものは、どうしても宮澤大蔵大臣に抱いておりますクリーンなイメージと、財政経済に対する大変な権威者だというそういう政治的能力も含めまして、大きなダメージを与えかねない一連のいきさつではなかったかなというぐあいに考えまして、大変残念でなりません。  同時に、いろんな質疑のやりとりの中で、大臣はしばしば服部氏という用語を使われました。私どもまだ政治経歴は短うございますけれども自分のところの秘書名前を呼ぶ場合に、私どもは何々氏という言葉を使うことはほとんどありません。何々君か呼び捨てであります。そこに、今は既にその役目をやめられた人であるにしても、宮澤大臣のいわば人柄を感じながら、そしてよほど服部秘書官のことを信用しておられたんだなという、そのために、この問題に対するいきさつを問いかけたときに、それは本当かねということを何遍も問い直すということは、お互いこれまでつき合ってきた信頼関係を傷つけることになりかねないという配慮が働いたのではないかとすら思うのでありますけれども、問題は、まさに公的な立場にあられる大蔵大臣でありますから、このことが国民全般に及ぼした政治そのものなり、あるいはこのことがこの大事な税制改革議論にすら大きなインパクトになったという、そういうことについてもやっぱりしっかりと反省をしながらこれから先のもろもろのことに対処していかなきゃならぬのではなかろうかなと思うわけであります。  このことから、直接に公的立場にあられます大蔵大臣にこのことと関連をしてお尋ねするわけでありますけれども、この問題の一番の根本というのは、世の中というのはみんなやっぱり経済行為であれ何であれ公平さを求めている。今度の税の問題であっても、一番大きなただ一つをとらえるならば、私は公平であるべきだというそのことではなかろうかなと思うんです。ましてや日本における証券取引の現況は、言うまでもありませんが、先ほど総理もちょっと触れられましたように、既に我が国の証券市場は、東京証券取引所上場株式の時価総額はもう世界一だと言われておりますし、このことのさらに順調な拡大が日本経済を大きく支える欠かすことのできない要素ではなかろうかと、株自体の取引の経験はないにいたしましても、私はそう思いますし、となりますと、ここで一番大事なのは取引の公正さであり、そして市場の透明性の確保ということではなかろうかな、そういうぐあいに思うわけであります。  とりわけ、公開の際の株の取引をめぐりまして一部の者が特別な利益を受けるということは、まさに一般投資家に大きな不公平感を与える。そのことを通して証券市場というものの発展に大変大きな障害になると思いますと同時に、先ほど来あらゆる問題に最も大事なのは公平性の確保ではないか、そういう立場から考えても、このリクルート問題を契機にして、証券取引についてもそのことを所管する大蔵大臣としてこれを重大な教訓として、どういう点に留意しながら改善をし、そして、こういう問題が再び起こることのないような最大の歯どめというものをどういうぐあいに求めていくかというとらえ方、まさにそれは公人としての大蔵大臣の大きな責任ではないかなと思うんです。そのことについての大蔵大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  276. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 前段におきまして、人間的な面を含めまして、大変厳しい御指摘をいただきました。私が三十年余り一緒仕事をしておりました人間で、男でございましただけに、甘かったと申しますか、自分不行き届きでもございまして、結果として大変厳しい御指摘をいただくことになりまして、まことに申しわけないことだと思っております。本人責任を感じ、既に退職をいたしました。私ともそういうことで今行き来もございませんけれども、まことに申しわけないことで、重ねておわびを申し上げます。  後段に御指摘になりましたことは、私はそのとおりであると思いまして、やはり証券市場に対する信頼というものが殊に我が国のように大きくなりました場合に大事なことであると存じます。そこで、九月の初めに、証券取引審議会の中の不公正取引特別部会というものでこの問題についての御審議、つまり株式公開制度のあり方等々について御審議をお願いいたしております。公開前の株式譲渡及び第三者割り当ての増資について、あるいは公開価格の算定方式及び公開株の配分方法について御審議をいただいておりまして、公開制度のあり方につきましては、できれば年内にも結論を取りまとめていただきたいと考えております。  他方で、いわゆるインサイダー取引の問題は、本年初めから法律を改正していただきまして取り組んでまいりましたが、来年の四月には施行をいたしたいと思いまして、関連の政省令の制定を急いでおります。  なおこのほかに、御指摘になりましたように、公平の問題といたしましては、やはりキャピタルゲインの課税の問題がございます。これは、ただいま御審議中の税法にも関することでございますが、両院の御審議を経ましてさらに整備をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  277. 井上吉夫

    井上吉夫君 細かいキャピタルゲインの内容についてはきょうは入りません。ただ、衆議院における修正も含めまして、一体株式取引に対する課税がいわゆる総合課税に移行することが、実際問題としてその準備のもろもろのことを含めてかなり細かい検討をしないとかえって不公平を招きかねないという、そういう側面の検討なども含めて、利子課税と同じ日に、これから四年後になりますか、見直しをするということなども修正の中に含まれておるようでありますけれども、そのあたりについての細かい検討をさらに慎重に、そしてどういう姿が税の姿としてより公平かという視点に立って方向を打ち立てていただきたいなと、そういうぐあいに思います。  きょうはリクルート関係が中心でありますので、リクルートの問題は、先ほどもちょっと触れましたように、やっぱり世の中は公平というのを一番求めているという、そこから出発しているというぐあいに思うわけでありますが、とりわけこのことが、まさに各界に対するリクルートコスモス株の譲渡が国民の間に政治や行政に対する不信をもたらしているということはまことに憂うべきことであります。この疑惑を疑惑のまま放置しておきますと、さらにその疑惑は増大していく、実際以上に問題を膨らましていくということになりかねません。したがって、できるだけ早期に権限のある機関によって事実関係が解明されるということが極めて重大であるというぐあいに思います。そして、法に触れる事実があれば厳正な対応のなされることが重要であります。  そこで、法務省にお尋ねいたしますが、コスモス社の松原前社長室長を起訴した以後の東京地検特捜部におきます捜査の進捗状況についてお答えを願いたいと思います。
  278. 根來泰周

    政府委員根來泰周君) 御指摘の問題は、ことしの夏以来、各種の報道とか国会の御議論でいろいろ問題が提起されまして、その問題は今に続いているわけでございますが、その間、九月の初めに楢崎議員告発事件が発生いたしまして、十月の十九日でしたか、強制捜査に着手しまして、十一月の十日に松原元社長室長を起訴したところでございます。  従来、この種の事件については十分の内偵期間というのが必要でございまして、十分の内偵期間を経た後に捜査に着手するわけでございますが、そういういきさつにかんがみまして、若干準備をする余裕がなかったというところもございますし、また、国会の御指摘もありますように、非常に広範囲にわたっております。また、若干公開捜査という点もございまして、非常に困難な捜査を強いられているわけでございます。特に、松原元室長を起訴した後は、これからは行き着くところはどういうふうになるかは全く不透明でわかりませんけれども、言うなれば水面下に沈みまして非公開株の譲渡関係を中心に調査、検討をしているところでございます。その間に多数の関係人を取り調べて徐々に明らかにしているところでございますが、先ほど申しましたように、なかなか難しい調査でございますので、これから若干の時間が必要でないかと私どもは推測しているところでございます。
  279. 井上吉夫

    井上吉夫君 事実関係の解明については東京地検において鋭意調査、作業中であるというぐあいに聞くわけでありますが、したがってその成果にまちたいと思います。  しかし、この問題についての厳正公平な対応は、検察のみならず我が国の司法に対する国民の信頼を保持できるかどうかという極めて重大な問題でありますので、この点についての法務大臣の決意を伺っておきたいと思います。
  280. 林田悠紀夫

    国務大臣林田悠紀夫君) 私は、検察を信頼しておりまして、検察は国民の信頼にこたえて現在努力をしてくれておるところである、かように確信をしております。  今後とも、犯罪の嫌疑がありといたしましたならば、検察はそれに対しまして適切に対処をしてまいります。どうぞよろしくお願いをいたします。
  281. 井上吉夫

    井上吉夫君 きのうの新聞やきょうのNHK等で朝から加藤前労働事務次官の報道がしばしば出ました。求職情報や就職情報をめぐりましてかなり厳しい規制が必要ではないかという議論がなされたときに、リクルート社を先頭とする業界の大変な運動があったりして、厳しい規制がいわば自主規制という形に緩められたというような、そういう意味の報道でありました。そのことが株取引と直接にかかわってくるということになりますと、当時職安局長をやっておりました加藤前次官は、ずばり決定的な刑事事件の対象とならざるを得ないと思います。言われるほどの直接的なかかわりがないにいたしましても、そのような疑いを受けるということ自体が、やはり労働行政上大変大きな問題ではなかろうかなと思うわけであります。  このことは後で、文部大臣にも、高石前事務次官のことなどにつきまして、とりわけ教育という問題が、これから先の人間を、そして世界に、みんなから尊敬される民族として、これからも伸びていくために大事な教育という仕事を所管するだけに、より慎重でなければならぬし、大きくその道義が問われる分野ではなかろうかと考えるわけでありまして、これらの関連からいたしまして、司法の分野で調べるのは調べるとして、省内の綱紀の粛正ということは、役所自体がやはり厳しくやっていかなきゃならぬ。恐らくは労働大臣なり文部大臣は、そのことをこの機会に厳しい教訓として既に省内に強く指示をしておられるのではないかと思うのですが、本問題に対する感想も含めて、どのような指導をしておられるかを、この機会にお答えを願っておきたいと思います。
  282. 中村太郎

    国務大臣(中村太郎君) 今回の加藤前次官の一連の行為につきましては、大変残念であると承知をいたしております。  十月十一日の朝に報道がなされまして、私ども初めてそのことを知ったわけでございます。したがいまして、当日の午後に本人の事情聴取を行ったわけでございます。本人は、次官という立場にありながら、極めて軽率な行為であった、しかしながら、政策決定をゆがめたり、あるいはまた便宜を供与したというようなことは全然ありません、私一人の個人的な行為でありました、しかし、軽率であったことは間違いないので、重々申しわけなく思っておりますというような返答が返ってきたわけでございます。  それを受けまして、幹部間では、寄り寄り綱紀の粛正徹底につきましては、なお一層努力をしなければいけないという話を何回かしたわけでございます。加藤さん以外にも、幹部の中にそのような株の引き受けを慫慂された者がいないかどうかということにつきましても調査をしましたところ、加藤さん以外にはないというような報告を受けておるわけでございます。加藤さんのおっしゃるように、内部事情の範囲内においては便宜供与とか、あるいはまた政策決定をゆがめたということがないといたしましても、今回これほど問題を投げかけ、労働行政に対する国民の信頼を大きく損ねたという責任は免れないと思うわけでございまして、非常に遺憾に思っておるところでございます。  実は先般、幹部会議を開きまして、私の方から特に、いやしくも国民の奉仕者たる公務員というものは、李下に冠を正さずの姿勢のもとに、本当に身を清めて、自省自戒しまして、綱紀粛正を一層図っていかなければいけない。同時にまた、これだけの信用を失墜したことについては、その身の処し方と同時に、もう一つは、やっぱり労働行政の政策成果を通じて国民の信頼を回復しなければいけないという示達を行ったわけでございます。このことは、幹部に限らず、全省職員の二万五千に向かっても示達をする方向で進んでおるわけでございまして、これからも細心の注意を払いながら綱紀粛正の確保、徹底に向かって努力してまいる、このように考えておるところであります。
  283. 井上吉夫

    井上吉夫君 文部大臣にもお伺いをしたいわけでありますが、当然のことながら、先ほど申し上げましたように、文部行政というのが人づくりのためにどんなに大事であるか。それだけに、綱紀はどの役所だって大事でありますけれども、とりわけ文部省における最高の地位まで上り詰めた人が世の指弾を受けるような、そういうことがあってはならない。したがって、今度の問題が発生した際に、文部省としてその経緯などの調査もされたと思うんですが、その調べられた内容と、あわせて文部省として本問題を契機として、今後このようなことが起こらないようにするために、どのような指導をなされているかをお答え願いたいと思います。
  284. 中島源太郎

    国務大臣中島源太郎君) お尋ねの詳しい経緯につきましては政府委員からお答えさせますが、文部省の事務次官、前事務次官という立場で行われました非公開株の取引でございますので、その行為自体大変遺憾な行為であった。特に、先生おっしゃいますように、ただいまちょうど教育改革を進めるに当たりまして、与野党の先生方の真剣な御討議をいただいておるところでございます。幼いお子さんから、生涯学習という立場からいたしますと、あらゆる年代の方々が今や文教行政に注目をしていただいておりますときだけに、その文教行政の信頼を損なうというようなことがあっては、これはもう心の痛いことでありまして、特に文教行政の信頼を守るという立場から、内に厳しく対処しようということで、私どももみずから真実を求めて高石氏個人にいろいろと質問をいたしたわけでございますが、実質的には二十一日の衆議院の証人といたしまして真実を述べられたわけであります。  ただ、私どもとしては、今後とも文教行政のあり方、これ一番大切でございますので、私としては直ちに事務次官、官房長を通じまして厳正な職務の遂行、それから綱紀の粛正、これを省内にまず徹底せしめるということで、直ちに局長会議、課長連絡会議を開きましてその旨を徹底せしめたところでございます。私自身、これからもさらに努力をいたしていかなければならぬ、このように考えておるところでございます。
  285. 加戸守行

    政府委員(加戸守行君) 本件に関しまして、文部省として把握いたしております実情の概略でございますが、高石前事務次官が六十一年の九月にファーストファイナンス社の小林氏からの勧誘を受けまして、リクルートコスモス株の一万株を一株三千円で購入いたしたわけでございまして、その購入資金はファーストファイナンスからの融資を受けたわけでございます。そして、二月後でございますが、十一月の中旬にこの借入金の返済に充てるという趣旨をもちまして、当時新聞で株価が五千円以上に上がっているという状況でございましたので、その六千株を売却し、借入金の返済に充て、その後残りの四千株は現在も保有をしているという状況でございます。  なお、江副氏とは十年来の個人的な交遊関係にございますが、この株の問題につきましては、事前にも事後にも一切話はなかったということでございます。  なお、今回のケースにつきまして、教育課程審議会の委員あるいは大学審議会の委員の選任の問題をめぐりまして、いろいろ御議論のあるところでございますけれども、この教育課程審議会の委員江副氏が任命されましたのは株購入の一年前でございますけれども、当時高石前次官は初等中等教育局長でございまして、この人選に当たりましては初等中等教育局の関係各課、それから体育局の課も関連いたしますが、それぞれの課から候補者のリストアップをいたしまして、その中から担当課で取りまとめて絞り込みをし、人選を行ったという状況でございまして、そうした最終的な人選につきまして局長でございます高石氏の了解を得たということで、江副氏の人選につきまして高石局長が特段の指示をした事実は文部省内の調査によりましても認められておりません。  それから、株を購入しました一年後に大学審議会の委員に発令されたわけでございますけれども、これはちょうど事務次官の時代でございまして、この人選は高等教育局の方ですべて行われたわけでございまして、最終的な決裁を事務次官であります高石氏が行ったということで、何らの指示は行っていないと承知いたしております。  いずれにいたしましても、この両審議会の委員の任命に当たりましては、法令の規定に照らしまして、あるいは審議会の検討課題を踏まえまして適切適法に対処されたというぐあいに理解をいたしております。
  286. 井上吉夫

    井上吉夫君 細かく入りたいわけでありますけれども、私の持ち時間が余りありませんので……。  少なくとも、自分の役所の事務方としては最高のポストについたという先輩なるがゆえに、省内における事実の調査等に手心が加わったり、ましてや先輩もこういうことをやったんだというような風潮がいささかでも蔓延するようなことがあっては大変でありますから、これは特に、先ほど大臣もお答えいただきましたけれども、省を挙げてこのことを他山の石としてしっかりとやっていただきたいと思います。  ここで総理にお伺いをいたしたいわけでありますが、リクルート問題というのは、まさにぬれ手でアワという言葉もありましたけれども、額に汗することなしに特定の人が特別な利益を受けたという、そういうことがやっぱり一番の国民的いらいらといいますか、不公平感を感じさせた。しかも、それに権限のある者が加わり、ないしは直接に権限がないまでも、あるのではなかろうかという疑いを持たれる立場の者、いわば政、官あるいは財、それぞれの立場において、普通の人ならば手に入らないのが特定の人だけの手に入るという、その辺にやっぱり一番の問題が出たのかなと思いますが、今回の事件を契機に、総理としてどういう点に留意をしながら大きな改善を進めていかなければならないかという、リクルート問題の反省に立っての総理の御所見をお伺いしたいと思います。
  287. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 先ほども申し上げましたが、私はこれをやっぱり四点に厳密に言えば分析すべきものではなかろうかと思います。  一つは、証取法上の問題であります。  今も井上委員から御指摘がありましたように、日本経済の成長のスピードを超した株式市場の成長とでも申しましょうか。したがって、先ほども申しましたが、私が若い諸君を集めて、十年も前の話でございますけれども、創業者利得問題を議論したときに、松下幸之助翁とか石橋正二郎翁とか、それこそ、あれこそ創業者のかがみとすべきものだというような話から、創業者利得というものが、あの五十回二十万株の条項もこれを適用せずとたしか書かれてありますが、そうしたことも歴史的に見ればむべなるかなのことである、こんな議論をされたことを思い出しまして、今日、今御指摘があったぬれ手にアワといったような印象を受けるような形の問題というのは、やはり社会生活全体への公平感の上から是正しなければならないということが、いわば特別部会等で議論していただいておる証取法上の問題であろうと思います。  それから二番目の税法上の問題は、これも御議論にありましたように、いずれ総合所得への指向というのは私どもも否定するものでは決してございません。しかし今日、最初の原案、すなわち昭和二十五年原則課税であったものが、昭和二十八年原則非課税になって今日に至ったという経緯からしての原則課税問題、さらにそれの修正問題、こういうことで一応のただいまのところの対応はできたんではないか、こう思います。  三番目の刑法上の問題というのは、これはまさに検察当局を御信頼申し上げるべきことであろうと思います。  そしてやっぱり最後の問題が私を含む政治家のいわゆる倫理の問題である、これに帰着するんではなかろうかというふうに思われます。我々政治家は確かに情報の集まりやすい立場にあろうかと思います。そこにもろもろの、たとえそれが経済行為として今の法律の中において違法性は全くないものであろうとしても、やはり拳々服膺、倫理綱領というのを絶えず念頭に置いてやらなければならぬ。  そうすると「やっぱりもろもろの改革には政治改革そのものが必要である。その問題については政治資金規正法に係る出の面、入りの面、あるいは本院において修正されましたか、ちょっとどちらで修正されたか記憶しておりませんが、附則第八条問題という見直し事項が入っておりますが、その後見直しておりません。これらの問題、また公職選挙法そのものの問題。例えば出の問題で、寄附行為等が随分自粛された時代がありました。しかし、今それそのものが形骸化されておるとも言われる今日でございますので、そういうものを総合的に、これは政府はもとよりでございますが、お互い政治家としてそれぞれの立場において検討し、国民の公平感を失わないように、政治家という特権階級という意識を持たれないようにすべきである、このように考えておるところであります。
  288. 井上吉夫

    井上吉夫君 今お答えをいただきましたが、行政改革をやり、これもまたこれで終わったわけではありませんが、これからこそさらに行政改革というのは続けなきゃならぬ。財政改革またしかり、そして教育改革に手をつけ、税制改革を今抜本的にやろうとしている。国民一般から見て今一番求められている問題の一つは政治改革ではないだろうか。その一翼にあるお互いとして、みずから政治改革の問題についてはそれこそ格段の強力な取り組みをしなければならない。そのリーダーシップをまさに総理に求めなければならぬ大事な時期ではないかなと私は思います。  特にこのことは、もう一つ多極分散を考えなければ、余りにも東京に一極集中しながらこれ以上土地が値上がりしたらどうなるのだという、金目で積もったら日本の国民所得というのは世界一流かもしれないけれども、生活の実感は全然そういうものではないというものの一番大きなものは、一つは土地問題であり、そして一つは今議論をされているリクルートも絡んでまいります株の問題、そういう資産の不平等というあたりに対する非常に大きな不平等感というものが特に顕著ではないかなという気がいたします。これらの問題についての総理の指導性を特にお願い申し上げたいと思うわけであります。  もうわずかでありますけれども、過般来総理は、いわゆるつじ立ちという形で全国既に八カ所ずっと回りながら、みずから今度の税制改正についてお話をして回られて、直接いろんな団体を代表する人たちから生の声をお聞きになったと聞いております。その中でとりわけ何が一番大事か、そしてそれにどうこたえるかという、そういうことについて総理自身の口から、会場でお聞きになった人はそれなりに理解されたでありましょうけれども、きょうのテレビを通して国民に語りかけるつもりで、ひとつ総理自身の口からよりわかりやすく今回の税制改革の一番のポイント、そして理念、そういうものについてお答えをいただきたいと思います。
  289. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) いわゆるつじ立ちという言葉が新聞紙上等で使われるようになったわけでありますが、議会制民主主義がこうして立派に機能しておりますときに直接民主主義的に大衆に訴えていこう、こういう考えでやり出したわけではございません。可能な限り多くの方々とお会いして、平静な雰囲気の中で、どちらかといえば感情と感傷にとらわれない雰囲気の中で今の税の話をしようということから企画を自由民主党においてちょうだいした、こういうことで今日に至ったわけでございます。  やはり基本的には、今回の税制改革というのが、税そのものは公平感というものに成り立っておるということを、これはもう総じて第一義的に感じたことでございます。  さて今度は、公平感に反対する不公平感とは何ぞやということになりますと、これは水平的不公平感というものは、同じ所得がありながらあの人と私と納税額が違うとか、いろんな自己中心的な不公平感というものがあることは事実であります。しかし、対応して一番感じますのは、いわゆる給与所得者の方々の、なかんずく源泉所得とでも申しますか、源泉徴収の対象になっておる給与所得者の方々の他の者に対する不公平感とでも申しましょうか、そうしたことが一番大きな渦となっておるということを感じました。  そして次には、今御指摘がありましたように、所得税法上における所得の種類というのは十種類ございますが、その中のなかんずく資産性所得と申しましょうか、利子所得、配当所得、不動産所得、その次の譲渡所得、これらの資産性所得に対する不公平感というものをつくづくと感じました。株式であれ、なかんずく先ほどのお話の土地であれそういうもの、なかなか未実現の所得に対する課税というのはこれは論理上難しい問題でありますが、そのいわゆる含み益をも含めたいろいろな形の国民の皆様方の御意見があるということを感じさしていただいた次第であります。  そして、少し長くなりましたが、いま一つは、総括的に申しますと、私がかねて申しました八つの懸念でございます。一番目の税金を納めない者、二番目の若い者、三番目の中堅所得者、それからインフレになるではないか、そして税率が安易に上げられるではないか、こういう五つはいわば税を負担する国民全体の懸念であろうと思っておるわけであります。しかし、一、二、三の問題等につきましては、いわば歳出の点で、例えば在宅福祉でございますとか、生活保護でございますとかで対応すべきもの、いま一つは他の税、消費税のみでなく所得税の減税効果によって中和さるべきものというようなことで徐々に理解が行き渡りつつあるではないか、このような感じを受けたわけであります。  また、インフレになりはしないか。確かに転嫁すべき税制でございますから、それは計算上一・一とか一・二%とかいう数字はございますが、これは物価の上昇をもたらすということは避けて通れない問題でございますが、これらについても一遍限りということと、今のようにインフレなき持続的成長を保っておるときこそこれを始めるには適当な時期ではないかというような主張もお願いの形でしてまいったところでございます。  また、歯どめ問題、三%問題については、これほど議論をした今日におきまして、私どもこの三%をいじるなどということは考えられようはずもないという趣旨のお話をいたしてまいったわけであります。  そして、今まさに第六番目の懸念、第七番目の懸念、これは今度は税を負担する国民と申しますよりも納税をなさる事業者の皆さん方の懸念、これが手続が面倒になるではないかということと、いま一つは転嫁ができるかやと、こういう懸念であると思います。  手続の点につきましては、多少の不整合性に対するいろんな議論もございましたけれども、私は、簡易な手続等についての理解は逐次得られつつあるというふうに感じたわけであります。  そして、転嫁問題につきましては、これは独禁法の一部適用除外等の法律に基づくものもございますが、よくヨーロッパの、昨日もそうでございましたが、大蔵大臣さんとお会いいたしますと、転嫁というのは何でそんな議論が起こるのか、消費税とは転嫁するべき税ではないかと。確かになれてしまえばそういう感覚もあろうかと思うのでありますけれども、今日の時点で、やっぱり一つ一つの業界業種につきまして、私は転嫁問題に対しては懇切な御指導をすべきものであるというふうに思うわけであります。衆議院の修正部分等についても、確かにそういうことが主張されてきておるところであります。  八番目の懸念は、地方財政の問題でございますが、これは比較的プラスマイナスの計算はしやすい譲与税とかあるいは交付税の算定基準の問題でございますので、御理解が得られてきたではなかろうか。  いずれにせよ、私が感じますのは、税というのは基本的にはいい意味における習熟、なれの問題でございます。決してなれてしまえばそれまでよというようなことを申し上げる考えはございませんが、税というものは、やっぱり新税というのは必ず悪税であり、そしてそれはなれることによっていち早く良税になるものであるということを一生懸命国民の皆さん方に説いて回っておるところでございます。  少し長くなりました。
  290. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 井上君に申し上げます。  時間が来ましたので、この一問で。
  291. 井上吉夫

    井上吉夫君 はい、もう質問はいたしません。  税の議論は、当然この委員会の本来的役目でありますから、いずれ後日、同僚議員が細部にわたっての議論をしてくれるであろうと思います。  政治はまさに信なければ立たずであります。私どもは、まさに政治こそこれから私どもが一番心がけなければならない改革のみずからの問題であるというとらえ方で勉強していかなければならぬということを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)     ─────────────
  292. 梶木又三

    委員長梶木又三君) この際、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  本日、日本電信電話株式会社理事考査室長西脇也君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  293. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  294. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 次に、及川一夫君の質疑を行います。及川君。
  295. 及川一夫

    ○及川一夫君 総理大臣、私がこちらに参ります前には大変いろいろと御指導、御鞭撻をいただきました。そういう関係もございますから、できれだ余り嫌な問題で総理大臣と質疑を続けるということは好まなかったのでありますけれども、どういうわけかリクルート問題などという大変な問題が出てまいりまして、あえて総理大臣初め各大臣の皆さんに御質問また御意見、そして提言も申し上げなきゃいかぬ、こう思います。    〔委員長退席、理事斎藤十朗君着席〕  そこで、私は第一の問題として、総理大臣にぜひ国民大衆といいますか、そういう立場に立って今日の状況を考えたときに、どんな思いでいるのかということについてぜひとも考えてもらわにゃいかぬという気持ちなんです。そして、一つでもいい二つでもいい、直ちにそういう国民の期待にこたえるような問題を早速解決してしまう、そういう政治姿勢というのが私は必要ではないかというふうに思えてならないのであります。つまり、リクルート問題では政界、マスコミ界、言論界、財界、学界、いわば知識人などといって、ある一定の水準以上の人たちが要するにリクルート汚染にかかっている、ぬれ手にアワという立場に立っているではないかと、我々庶民から見てそういう雰囲気なんですね。  そして、特に最近では政治評論家と称する人が、天につばするようなものでしたが、やはりリクルートの汚染をかぶっておったわけであります。大体この政治評論家という方は、あえて名前は申し上げませんけれども、例えば売上税の問題で、消費税の問題で、すべて政府案が最上であり、政府案に反対をするやつは常識人ではないかのような発言をテレビやなんかで盛んにされている。そして、リクルート問題では何と言いましたか。リクルートから株の譲渡を受けている者は名のって出るべきだと、まあ大和魂などとは言いませんでしたけれども、そういう立場、調子でテレビで語られているわけですね。その方は、じゃ名のって出たのかということになると名のって出ていないのであります。暴露されて初めてわかったのであります。わかった途端にどこへ行ったか、その所在すらわからないという、こういう状況であります。こんな人をばかにした話は私はないと思いますね。こういうことに対して庶民は本当の怒りを持っているんですよ。だから今、政府としてこういう事態に対して何を考えるかという、政府の身近なところで解決する問題があるじゃないかと私は思うんです。  そういった点で、まず総理大臣、このことについてどうお考えになるかということと同時に、具体的に、税制調査会の特別委員である方々の中でこの問題にかかわっているという方は、飯島清さん、牛尾さん、江副さん、公文俊平さんという方が六十年の九月の十二日に四人そろって税制調査会の特別委員になられている。おやめになったのは江副さんだけ。これは当然でしょう。しかし、そのほか飯島さん、牛尾さん、公文俊平さんはおやめになっていない。おやめになっていないからそのままにされるんですかと。任命があれば、辞任じゃない、首を切るというようなことが当然あってしかるべきだと思いますね。任命権者が政府であり総理であるというならば、少なくともこういったことに対して政府みずからが厳正に処するというだけで、かなりやはり国民が政府を、政治を信頼する道に乗るというか一歩踏み出すというか、そういうものに私はなるような気がしてならないのであります。総理、いかがですか。
  296. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 政治の信を維持するためにはわかりやすくやれ、事が起きた場合に国民の非常に理解のしやすい明快な措置を講ずべきであるということは、私もそのとおりだと思います。私自身が時々言語明瞭なれど意味不明などと言われがちでありますだけに、いつもそのことは気をつけなければならないことであるというふうに思っております。  その一つの問題として、いわば税制調査会特別委員の方に対する御意見がございました。私も今お話を承りながら、しかしお一人お一人様の事情を私がよく承知しておるわけではもちろんございません。いわば安定株主としての責めを果たすための方もあるいはあるかもしれません。したがって、事情を調査しないままで一律にこれを論ずるというわけにもまいらないというのが実情でございますが、おっしゃる、御主張なすった御意見については十分私も耳を傾けさせていただき、今後のみずからの指針の一つとしたいというふうに考えます。
  297. 及川一夫

    ○及川一夫君 私の気持ちの半分はわかっていただいたようなんですけれども、しかし実際問題として、安定株主であるとか我が社の信用のためにあなたが必要とか、いろいろおっしゃって株がばらまかれているんですが、本当に安定株主ということになれば、やはり二十万株とか四十万株とか大物でもって受けて、それを持っているというのが安定株主だと思うんですね。五千株だとか一万株だとか二万株というのは、これは安定株主に入るんでしょうか。もちろん、総理のような方がリクルートの何か顧問をやっているということになれば、それは安定株主以上のものはあるかもしれませんけれども、私はそういうものではなさそうだと思うし、同時にまた、もう売っておられる方がたくさんおられるんですね。公文さんにしたってそうでしょう。飯島さんにしたってそうですよ。しかも、これは融資を受けてですからね。一銭もなくともこれは二千万、三千万、六千万もうかった勘定になっていくわけですよ。  そこまで考えますと、この際、こういうわかり切ったことは総理がおっしゃられるようにわかりやすい政治ですよ。政府は少なくともこれまでの責任は任命権者として感ずる、その任命した中にこれほど国民的に批判をされる人がおるということについては、この際おやめになっていただくという通知を出してよろしいんじゃないですか。だれがそれに反対するんでしょうか。事情調査もわかるけれども、何ぼ調査してみても株を受け取って売ったという事実だけははっきりしているんですから、それが問題だということははっきりしているんですから、その上に立って結論を出さざるを得ないじゃないですか。今出すか来年出すかの話じゃないんですよ。私は当然今出してもしかるべきだと思うんですが、これはもう総理大臣のわかりやすい政治とか庶民の政治をいかに感ずるかという僕はあかしになると思いますよ。  そういった点で私は、この税制調査会の特別委員の罷免を要求したいと思います。いかがですか。
  298. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) お言葉の中に罷免とかいうお言葉もございました。確かに総理大臣任命でございます。しかしながら、従来の経緯もございましょうし、事情調査と申しましたのは、別に私が検事さんに成りかわって調査しようという意味ではございませんが、客観的な諸情勢だけは私自身がやはり調査すべきものであろうと思ったから申し上げたわけでございます。  素朴な、及川委員の言葉をかりれば、そうした御意見があるということは、十分私自身も含ましていただきます。
  299. 及川一夫

    ○及川一夫君 いずれにしても、私は、罷免されるべきだということを強く主張いたしますから、ぜひ速やかに措置をとるように要求をしておきます。  次の問題として、今回のリクルート事件というもの、リクルートが持つ株譲渡という問題について、私は非常に腹に据えかねる問題があるわけであります。何かすると株の譲渡、それは経済的行為である、商取引である、この言葉が横行しているわけですね。私は納得できないんですよ。とりわけ融資を受けて即刻売ったなどというのは何が株の譲渡ですか、これは。そんなものじゃないでしょう。私はこの問題は現金と考えるべきだと思っているんです。現金の授受があったんですよ、現金が配られたんですよと、そういうとり方をしませんと、本当の意味でこの問題に対してメスを入れることは私はできないと思うんですね。  この点、私だけの気持ちではありません。総理が率いられている自由民主党の先生の中にもたくさんおられるようですね。特に、鯨岡先生はそれこそ週刊誌の中ではっきり物を言われていますね。なぜかこれは「自民党はブレーキの壊れた自動車だ」という、そういうことをはっきり言われている。しかも、何の努力もしないで二千万、三千万稼いでいる、こんなのはやみの政治資金だとまでおっしゃられているんですよ。全く同感ですね。したがって、国会内で国会議員に呼びかけるというお話も私は賛成です。そして、政治家は本当の意味政治姿勢を正さなきゃいかぬ、こういうふうに思うのですが、いかがですか、総理。株の譲渡という理解ではなしに、まさに現金そのものが横行したんだと、そういう認識に立ってこの問題の収拾策について、そして問題点をただすという姿勢に立つべきではないかと思いますが、いかがですか。
  300. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 私も、この問題について長らく国会で御議論を承って、質問する側、答弁する側、それぞれの話を承っておりますので、全体的にリクルート問題そのものを、例えば会社の決算上の問題だとか、いろいろな問題があるといたしますならば、それを一律に断ずるということは控えなければならないと思っております。しかし、政治家として身を処する意味においては、まさに、いかにそれが経済行為の範疇に属するものとはいえ、今及川委員が御指摘なさったぐらいに峻厳に考えていくべきものだということには私も同感でございます。
  301. 及川一夫

    ○及川一夫君 同意をいただいたという前提で、少し具体的な問題でお考えいただきたいというふうに思うのでありますが、文部大臣、労働大臣にお伺いしたいのであります。  高石さんにしろ加藤さんにしろ、株の譲渡を受け、また融資を受けて売却益を得たという時点は、いずれにしても現役でおったということだけは私は確かだと思うんです。したがって、次官の立場でその当時このことがオープンになった場合、一体どういうふうに処すことになるんでしょうか。株の譲渡を受けて売却益を得た、ぬれ手にアワだという批判が出たときに、現役の次官としておられた場合には、下手をすると懲戒処分に値するじゃないかということになりかねない問題ではないかと私は思うんです。この点、ひとつそれぞれの省の行政の長の立場で、それぞれの責任もありますけれども、しかし御両人の責任問題というのは、現役でいたなら一体どうなるのかということについてお答え願いたいと思います。
  302. 中島源太郎

    国務大臣中島源太郎君) 文部省の高石氏につきましては、たまたま未公開株の譲渡を受けたときが現職の事務次官でございました。この行為そのものは現在まで及んでおりまして、そして私が文部大臣の折にそれが明らかになった。私は二つありまして、その行為と同時にその行為が及ぼすもの、まさに教育は人づくりでございます。その文教行政に対する信頼を損ねるということがあっては、これは一番私どもの心の痛むことでございますので、御当人そのものはみずから身を処されると思いますけれども、私ども自身はやはり御当人に対する厳しさと同時に、文教行政の信頼度を保つということにさらに三倍も五倍も努力をいたさなければならぬであろう、このように感じておる次第でございまして、御当人に対してと同時に、内に対して厳しく、そして文教行政を国民の信頼のもとに守るということを専一に考えて、今私ども対処しておるところでございます。  ちなみに申しますと、今、現役の諸君は一生懸命文教行政に従事をしておるわけでございますので、さらに綱紀の粛正、厳正な職務の遂行という点を省内に改めて浸透するように図ったところでございます。
  303. 中村太郎

    国務大臣(中村太郎君) 先ほども申し上げましたように、加藤前事務次官の一連の行為というものは、労働行政にとりましても大変な信頼失墜ということで遺憾なことであると存じております。仮に、御設問のように、今現在次官であって、今回の発覚というようになった場合どうだということでございますけれども、現役の次官としますれば、労働行政への悪影響ははかり知れないものがあると存じます。それだけに御本人責任も重かつ大であると思います。そのような場合におきましては、恐らく進退問題にも及ぶであろうというふうに考えております。  ただ、加藤前次官の場合は、御承知のように、今、日本障害者雇用促進協会、これはこれからの重要な問題になるわけでございます。そういう面から見ますると適任者であると私は思っておるわけでございますけれども、この人事は、一義的にはあくまでも雇用促進協会の所管であります。したがいまして、私どもとしましては、その総会のとらえ方を見守るということにいたしておるわけでございます。
  304. 及川一夫

    ○及川一夫君 両大臣がお答えになりましたように、要するに大変な責任問題になるということだけは事実だろうと思います。  しかも、時と場合によれば、大臣のいすさえ揺さぶりかねないというぐらいの私は問題ではないかというふうに今思っておるわけです。したがって、当然綱紀粛正を初めとして、それぞれの行政が信頼を得るための措置をされるということですから、それはそれとして認めてもよろしいですが、大体この種問題が起きますと、同じような答弁が返ってくるのです。その繰り返しなんです。だから、これだけでいいのかという問題をもう少し考えなきゃいかぬのじゃないか。そういう意味合いで言うと、やはり国民の感情からいいますと、私も含めてですが、過去にあった、今現在から見ると過去の問題ですよ、これは。ところが、当時だったらということになりますと、いろいろな処分が出ますね。過去になっておるものだから処分が出ない、こういう格好なんです。したがって、退職金からいろいろな問題が何となくもらい得みたいな、そんな受けとめ方だって出ないとは言えないんです。  ですから、この種問題を綱紀粛正するときには、少なくともやめておっても、現役時代に起きた問題については、やはり一つの処罰の対象、懲戒の対象になるとか、何かそういうものを改めて考えないと本当の綱紀粛正にならないのじゃないか。実はこんな気がしてならないのです。  そういう意味で、ちょっと人事院の方にこのことについてひとつお伺いしたいと思うのですが、人事院おいでになっていますか。
  305. 内海倫

    政府委員内海倫君) 国家公務員につきましては、国家公務員法にいろいろな守るべき義務あるいは行いを正しくするための諸規定がございます。したがって、それに違反した場合におきましては、当然懲戒処分というものが行われるわけでございますが、これは現職で、要するに公務員の中におる場合は、それは処分の対象に当然なるのでございます。したがって、そのことは、公務員の中のやはり秩序を維持する、これが刑事罰とまた違うところでございます。  そこで、やめた人が、やめてから現役のときにそういう行為に該当をした場合、これをどうするか。確かに一般社会常識から考えたら何とかすべきじゃないか、こういう感じがすることは、一般の方々からすれば当然であろうと思いますけれども、今申しましたように、もともと現在の公務員の中におる者の秩序の維持ということでございまして、したがって、もし後からこれを行うといたしましても、今の法律で行政処分の一番重いのは免職でございますから、そうすると、もうやめておる者に対して免職を科するというふうなことも、これはなかなか実態には合わないことでございます。今の国家公務員法の立法の趣旨というものから考えますと、やめた人に対して行政処分というふうなものを追っかけるということはできないというふうになるわけでございます。
  306. 及川一夫

    ○及川一夫君 それはそれなりに私も理解をするわけです。非常に難しい問題だと思う。だが、それだけで済むのかというのが今持っている国民感情だということを考えますと、やっぱり人事院の方にも少し検討してもらう、それから知恵を出してもらう、このぐらいのことがあってしかるべきじゃないか、こういうふうに僕は思いますから、これ以上その点は触れませんが、ぜひ人事院の方でも何かそういう立場に立って措置する方法はないかということを御検討願いたいということが一つ。  それから二つ目に申し上げたいのは、文部大臣なんでありますけれども、高石さんが選挙にお出になるという立場を明らかにされている。これは個人の自由ですから、別にそれ自体をだめだとは言いませんが、しかし高石さん自体は何か自由民主党の党員ということをお伺いしておりますし、同時に、文部大臣がこの問題に対して裏切られたという時点ですね。要するに本来こうだったと、それが食い違いましたね。そして再び記者会見をして、真実はこうだったと述べた。そのときに文部大臣も記者会見をされて、私も見ておりましたが、涙を浮かべてという思いを込めて文部行政のことを心配されながら、そして本人に対する警告といいますか、訓戒といいますか、そういう中で選挙などについても、それこそ遠慮されるべきじゃないか、こういうお話をされたことを記憶しているんです。正しい措置だと私は思う。  そういう前提に立ちますと、本人は自由民主党で立つのか無所属で立つのか知りませんけれども、仮に自由民主党の党員として立候補されると、(「社会党じゃないの」と呼ぶ者あり)社会党、どこから生まれて出てくるんだ。自由民主党の党員として公認を仰ぐということになった場合に、総裁の立場にある総理大臣としてこの問題をいかに処せられるのでしょうか。これを私は認められるべきでないだろう、こう思っていますけれども、いかがでしょうか。
  307. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) これは厳密に申しますと、自由民主党のいわゆる機関主義からいえば、総裁たる私が選挙対策委員長というものになっておりますが、しかし総裁機関説という言葉もございますので、率直に申しましてその機関で決定されることでございますので、私がここで断定的な申し方を言うことは避けるべきであろうと思います。  それからいま一つは個人の自由の問題、及川委員もおっしゃった問題が一つは存在するであろうというふうに思います。が、結論から申しますならば、良識が解決するであろうというふうに私は思っております。
  308. 及川一夫

    ○及川一夫君 良識を持っている方ならこういう事件もともと起きないと思うのが私の説です。総裁機関説でも何でも結構でございますが、いずれにしても、国民のやはりわかりやすい政治という問題からいって、ああいう方を候補者にされるということは必ずしも認めるような形ではないだろうというふうに思いますから、あえてお考えいただきたいということを申し上げておきたいと思います。  次に申し上げたいのは労働省の問題で、これは新聞にも出た問題なんでありますが、雇用情報センターの問題です。これには三つほど私は問題を感ずるんです。  大体、この雇用情報センターを設立するというふうに申請をしたのはいつなのか。五十九年の三月二日である。その申請をしたものが認められたのは五十九年の三月十九日である。おおむね二週間強でもって認められておるんですね。そしてここに労働省のOBという方が理事長、専務として参加されている。これをずっと見ますと、財団法人の認可というやつはなかなか難しいんですね。数カ月はもとより、下手をすると数年かかるというものもあるんですが、なぜこの雇用情報センターというのがこれほど早く認可されたんだろうか。しかも労働省のOBの皆さんが行っている。これは僕は労働省だけではないと思いますよ。ほかの省にも同じ類したものがあるという前提に立っています。だから労働省だけを責めるつもりはありませんが、一体これは何だろう。お役人が行くということになるともう瞬く間に許可が出る、そうでないときにはもう何年も待たされると、こんなばかな話があるかということが二つ目にあるんですね。  それで三つ目に、さらに基本財産というものを見詰めてみますと、もう何もかもリクルートは嫌だと言ってしまえばそれまでなんだけれども、やはり日本リクルートセンター二百五十万とか、リクルートフロムエー二百五十万、まあ五百万ですけれども、要するにこれが基本財産として載っている。労働省として一体これどうされるのかな。つまり、地方自治体などでも、埼玉県でしょうか、ビルが建った。ところが、建った後そこにそっくりリクルートが借りて入る。それがわかっただけでいわば県の補助金はストップと、こういう措置もされているわけですね。そういう一つの神経から見ていきますと、この雇用情報センターにしても、リクルートセンターからこういう基金を仰いでいるということ自体について一体このままでいいのかどうかということを感ずるのであります。  したがって、問題の焦点としては三つありましたけれども、労働大臣にぜひお答えいただきたいと思います。
  309. 岡部晃三

    政府委員岡部晃三君) お答え申し上げます。  財団法人雇用情報センターの設立でございますが、これは設立の申請が昭和五十九年三月二日、設立が三月十九日ということでございますので、十七日間の審査ということで短いのではないかというお尋ねでございます。しかし、これは実は五十六年に雇用情報研究会におきましてこの財団構想につきまして示唆がございまして、その後検討が進みまして、五十八年の段階で一度設立寸前までいったと申しますか、その意味では二年ないし三年の実質的な期間の審査があったというふうな状況のものでございます。したがいまして、審査は慎重に行われた案件でございます。  次に、この出損関係でございますが、この基本財産、合計で一億七千四百五十万円でございます。そのうちリクルート関係が四千万円でございます。しかしながら、もう一つリクルートに並びまして業界大手でございます学生援護会も四千万円、同額でございます。その他二十四社ということでございまして、リクルートが主導権をとっているわけでもございませんし、これはバランスのとれた業界配分になっていると思われるものでございます。  それから、天下り的問題でございますが、公益法人もいろいろあろうかと存じます。行政と密接な関係を有する事業を行う公益法人につきましては、行政経験者を充てるということも当該法人の目的がよりよく達成できるという場合もあろう。この場合はそのようなことではなかろうかというふうに存ずる次第でございます。
  310. 及川一夫

    ○及川一夫君 事務的にお答えになればそういうことになるんですが、やはり今日的な状況を考えたときに、少なくとも疑惑を受けるような、誤解を受けるようなそういうものについてはできる限り措置をするということが私は政治の常道ではなかろうかというふうに思いますし、同時に、前にいろいろ審査があったんだ、足せば二年だというお話もあるんですが、一たん拒否をされますともうやり直しになるんですよ。ですから、そういう意味合いでいきますと、やはり私は、申請のあった日はいつか、受理されたのはいつかということで判断をしますと、どうも官僚の方々がおいでになるということになると、文部省の場合でも一例があったようですけれども、途端に早まるということは現実に我々自体が受けている気持ちですから、ぜひそういったことのないように措置をしてもらうように強く要請をしておきたいと思います。    〔理事斎藤十朗君退席、委員長着席〕  そこで、これから先郵政省並びにNTTを中心にしてリクルート問題で発言をさしていただきますが、NTTの方おいでになっていますか。――御苦労さまです。  まず、大臣にもお伺いしたいんですが、回線リセールという問題につきましては、三年前、NTTが民営化されるときに大変論議のあった問題でございますね。特に専用線を借りてさらに切り売りをしていくということになると、当時の議論の中で言われたのは、専用線一回線借りると幾らだと、こう言われたんですね。月に三十五万円だと。電話線一回線で三十五万円だ。ところが、専用線としてJ規格ですね。ある一定の規格、束、これで六十回線のものを借りると月何ぼ払うんだと、こう言ったら八百万だというわけですね。したがって、六十回線借りてこれを一回線にして貸したとしても、一回線が三十五万円だから、それを掛けてみたら二千百万円になるじゃないか。ところが、六十回線の束で借りた場合には、八百万払えばいいから一千三百万もうける。人件費がかかるといって引いてみても一千万はもうかるぞ。施設や何かは全部NTT。しかし営業窓口は、この際で言えばリクルートですね、リクルートにしておけば、もうリクルートが営業窓口を置いただけで一千万もうかる勘定になるが、問題を感じないか、こういう議論すら実はあったわけですね。  当時の郵政大臣は、問題があると。そして、しかし現在はアナログの回線だから、今度は高速ディジタルだから料金を変えなきゃいかぬ。同時にまた、そういうぬれ手にアワになるような、これまたリクルートだから不思議なんだけれども、そのぬれ手にアワになるようなもうけができないような約款というものをつくりたいと。これで大体終わってそれでリセールというものが認められたという経緯が実はあるわけですね。  したがって、そういう論議の前提に立って、実際の料金の問題、そういうぬれ手にアワになるような料金にしてないということと、それから単純再販というものが得手勝手に行われないように約款をつくるということについて、そうなっているのかなっていないのかですね。これは郵政大臣無理ですか。――そうですか。局長、それとあとNTT、両方からお答え願いたいと思います。
  311. 塩谷稔

    政府委員(塩谷稔君) お尋ねのリセールに伴います問題でございますが、確かに、今、及川先生から当時の議論を紹介されまして、何といいますか、品質の回線に応じた計算で、単純計算からいきますとそういうような数字が出るということはおっしゃるとおりでございます。  ただ、これは一つの想定の状況といたしまして、借りた回線をばらにして再販する、それが全部売り切れるという、いわばばらした回線の効率といいますか、使用効率が一〇〇%ということを前提とした場合にそれだけ利益があるということでございまして、例えば太束の回線を借りてそれをばらしても、実際の利用者が全部見つからないということであきがございますれば、必ずしもその想定どおりの数字にもならぬということでございます。ただ、そういう利益もあり得るということではおっしゃるとおりでございます。  もう一つの単純再販売の問題でございますが、これはちょっと性質が違いまして、専用線を借りて、そしてそれにNTTの持っております公衆電話をつなぎますと、例えば東京と大阪のそれぞれの両端で公衆電話を使って、両端は市内の料金を払って、そして真ん中はこの専用線で、月決めの料金ですから、フルに使うということになると、これは一種のきせる効果で、非常に安い値段で高い距離の電話サービスを享受することができるということになりまして、これはまたそういう公衆電話サービスを提供しておりますNTTとしては経営上大変問題があるということで、当時この法案が議論されましたときの逓信委員会で、そういうような経営上差し支えのある単純再販売は認めないように、そういう約款をつけた上での専用線の販売の約款は承認してよろしいという旨の附帯決議をいただきまして、そういうことで専用線の販売をやっているところでございます。
  312. 鴨光一郎

    参考人(鴨光一郎君) ただいま郵政省の方から御答弁ございましたことと若干重複をいたしますが、六十年の四月に、先生御承知のように、新しい電気通信事業法が施行されました。で、専用線につきましても私ども新しい契約約款を制定することにしたわけでございます。その中で、今、塩谷局長からもお話がございました、私どもにとって経営上大きな影響があると思います専用線と公衆線とを結んで電話をする、音声による電話をするということにつきましては約款の上で禁止をさせていただくということにいたしました。その点につきましては郵政大臣の認可をいただいたところでございます。  その他につきましては、専用線と専用線を結んで行うようなサービスにつきましては、私どもも、新しい事業法の精神にのっとりまして、自由にお客様に御利用できるようにということで約款を整えているところでございます。
  313. 及川一夫

    ○及川一夫君 それで、私が次にちょっとどうしても尋ねておかなければならぬのは、少なくとも暴利をむさぼるようなものにはなっていないというふうに約款、料金は決まっていますというふうに受けとめておきたいんです。  そういう前提に立って、しからばリセール業というものを考えたときに、特にこれはNTTにお聞きしたいんだけれどもリクルートのような回線リセールというのを想定したかどうかの問題なんです。つまり、リクルートの回線リセールの規模というのは一体どのぐらいだと思っていますか。知っていたら言うてください。
  314. 鴨光一郎

    参考人(鴨光一郎君) 私ども、先生お尋ねのユーザーといたしましてのリクルート社の回線の規模等につきましては、ビジネス上の問題といたしましてお答えをいたしかねますので、御容赦をいただきたいと思います。  ただ、先生御指摘のように、私ども、客観的な事柄といたしまして、非常に大きな規模でリクルート社が経営をしておられるということはもろもろのデータ等から承知をいたしておりますけれども、私どもの方からのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
  315. 及川一夫

    ○及川一夫君 肝心なところになると、どうしてもお客様というものを大事にするという意味でお答えが出てこないんです。  じゃ、私が勝手に調べたやつで言うておきますと、リクルート社は二十都道府県、六十アクセスポイントということになっているわけですね。これは大変な量だと私は思います。しかも、世上言われているように、回線数で言えば七千回線と、こういう。そのほかとはもう雲泥の差になっていますね。しかも郵政大臣、七千回線だけではわからぬですね、大きさというのは。むしろ加入者の数ぐらいで言うてもらった方が一番わかりやすいですね。私が調べますと、東京だけで約一万三千ぐらいの加入がある。職場の組合員といろいろ話してみると、専門家から見ると全国でおおむね三万加入ぐらいの規模になっているということですから、これは一つの電話局ができたと同じ理屈になるし、しかも一種と二種という問題で考えますと、一種はそれぐらいのものはやっていいことになっているんだけれども、二種の方はVAN事業が主体であって、電話事業というのは、つけ足しと言うたら怒られるけれども、そんなにウエートを置いて考えてあの回線リセールという問題を、単純再販というものを決めたものじゃないというふうに私は理解しているわけです。  ですから、これは別に企業の秘密でも何でもないんですよ。回線リセールというものをどう受けとめるか、将来的にこれがどういうふうになっていくんだと。電気通信事業の一種、二種を区別して一種を規定したその規定というものを、それこそばらばらにしてしまうという実は可能性があると思っているわけですよ。ですから、この辺はここで論議をしても難しいですから、それは逓信委員会でやらにゃいかぬでしょう。  ただ、郵政大臣にぜひ頭の中に入れておいていただきたいのは、そういうふうになっているんですよ。今のところリクルート社だけのようだが、将来的に二つ三つでき上がっていかないとも限らない、こういう問題が含まれているので、当然見直しの議論が必要だというふうに思っているということを申し上げておきたいんですが、郵政大臣、いかがですか。
  316. 中山正暉

    国務大臣(中山正暉君) いろいろ御心配をおかけしておりまして恐縮に存じておりますが、先生も全電通二十九万五千の組織からお出ましになっておられる専門家でございますので、先生には釈迦に説法になるわけでございますが、六十年の四月にNTTという民営化事業を始めたわけでございまして、私が就任しました昨年の十一月六日でもまだ第二種が百八十七しかありませんで、今六百六になりました。KDD、NTTを入れますと第一種電気通信事業は四十一社になっておりますし、それから特別第二種電気通信事業が二十二社という画期的な伸びを示しておりまして、三年目に見直すということにいたしておりましたが、それを審議会にお願いいたしまして、朝令暮改にならないように、今おっしゃったような矛盾が出てきたらどうするかという問題を含めていろいろこれから考えていただこうということでやっておりますので、ひとつまたいろいろと御指導、御鞭撻を御専門の先生としてお願いいたしたいと思います。
  317. 及川一夫

    ○及川一夫君 今の立場に立ちまして、公正取引委員会の方がおいでになっていると思いますが、この問題を意識されて論議がされたのだろうというふうに私は思いますが、六十一年の二月の十九日に独禁懇の文書が出ておりますね。この意味は一体何を指しているのかということと、同時にまた、現状から見てNTTに対する物の見方、考え方としてどういう考えを持っておられるのか、ひとつ教えていただきたいと思います。
  318. 柴田章平

    政府委員(柴田章平君) 今、先生から御提示がございましたものは、六十一年の二月十九日でございますが、情報通信産業分野における競争政策に関する研究会という勉強会をつくっておりまして、ここで行われました提言でございます。  これは独禁懇の方に御報告いたしましたので、今、先生独禁懇というふうにおっしゃったのでございますが、この中で「単純再販を行う事業者は、今後、専用線サービスを開始する第一種事業者と市場で競争関係を立つものと考えられる」と、「この場合、日本電電が」、これは当時の電電公社でございますが、「日本電電が、保守、管理等の面でこれらの単純再販事業者を支援して第一種事業者の新規参入を阻害することのないように、注意する必要がある」と、こういうふうに述べているわけでございます。この当時、まだNTT以外の第一種事業者が事業を開始いたしておりませんので、NTTが単純再販業者を不当に有利に取り扱うことになれば、新しく入ってくるであろう第一種の事業者の参入が阻害されるのではないかという懸念が存在いたしましてこのような提言になっているというふうに私ども承知をいたしております。  今日、それではどういう状況になっているかというのがその次の御質問であったかと思いますけれども本件に関しましては、私ども一般的な情報収集に努めております。現在のところ、NTTがリクルートを他の事業者より不当に有利に取り扱ったり、他の事業者が市場から排除される等の独占禁止法上の問題、このような問題になるような事態が生じているという情報には接しておりません。
  319. 及川一夫

    ○及川一夫君 それでは、この問題の最も中心的な課題であります回線リセール業に当たって、便宜供与というものが存在したのかどうかということが大きな問題だろうというふうに思うのであります。したがって、専用線のサービスの種類とか手続はどうなっているんだとか、いろんなことをお聞きしたいんですが、そうも時間をかけることはできません。  ぜひNTTにお伺いしたいのは、専用線を貸してリセール事業を始める、専用線を貸してほしいというふうになって、お貸ししましょうというときに、いわゆる仕事として出てくるもの、もっとずばり言えば、便宜供与をやろう、こういう観点に立って考えてみたら一体どんな項目があるんだろうということを私は考えたいんですが、このリセール業というものを具体的に展開するに当たって、NTTとしては申し込みに対してどういう手順で作業を展開するのか、それをひとつ教えていただきたいと思います。
  320. 鴨光一郎

    参考人(鴨光一郎君) お答えいたします。  専用線のサービスでございますけれども、私ども、利用なさるお客様方からいただく手続につきましては、当社所定の申込書がございます。これに、大変事務的でございますけれども、必要事項を記載していただきまして電話局等へ提出をしていただいている。ただ、これは一回線ごとにすべてのお客様について出していただく。大口のユーザーの方にも、大変恐縮なんでございますけれども、一回線ごとの申込書を出していただいている。一回線の場合もあれば、数回線、十回線というふうなこともあるということでございます。  それで、もう一つのお尋ねのリクルート社との具体的な取引の中身でございますけれども、現在私どもリクルート社と結んでおります契約には、専用線契約約款、先ほど申しました約款に基づく専用線利用契約と、そのほかにコンピューター設置等にかかわる工事の契約、それから専用設備に関連をいたします端末機器の保守契約等がございます。  御質問は、こういった契約について、何か便宜供与があり得るのではないか、こういう御指摘だと思いますけれども、ただいま申しました契約のうち、占用料金につきましては、先ほど申しましたように、認可料金ということで郵政大臣から認可をいただきました料金の、きちっと固まりました料金でお支払いをいただいているということでございまして、便宜供与する余地がございません。  それから、建設あるいは保守料等につきましては、これは認可の問題はございませんけれども、社内の必要な手続によりまして実施をする仕組みになっておりまして、特定のお客様に対して便宜を図るようなことができない仕組みでございます。  さはさりながら、今回のような事態がございましたので、私どもといたしましては、社内的に再度チェックを行ったわけでございますけれども、ただいま申しました契約行為については、すべて便宜供与等がなく、他のユーザーの方と同じような、全く同じ条件で適正に実施をさせていただいているということを確認いたしてございます。
  321. 及川一夫

    ○及川一夫君 要するに、設計、建設仕様、使用料、保守料、庁舎使用料、さらには工事の順位その他の他社に比較して何か特別なものをと、考えようと思えば大体こんなものが実際問題として出てくるんですね。  ただ、今おっしゃられたように、認可料金で縛られています、何もできませんと、こういうお答えなんですが、認可料金の方はそうかもしれぬけれども、工事料とかあるいは庁舎使用料とか、そういうものに社全体がその気になればそれはできぬことはありませんね。しかし、特定の人間ができるかできないかでは、いや、できないようになっていますと今お答えがあった、こういうふうにちょっと受けとめておきたいと思うんです。これは何ぼやりとりしてみたってしようがない話かなと、こう思うんですが。  そこで、検査院の方おいでになっていますか。――検査院の方にお伺いしたいと思う。  事件が発覚したのはこの後ですからね、六十年あるいは六十一年、六十二年のものは、どこを検査したか私知りませんけれども、検査院としては既に検査が終わった、こういう形のものなんです。しかし、こういう問題が発生しているだけに、検査院としての対応があるというふうに思っているんですけれども、検査院としては今NTTの方からお答えになった点についてどう考えますか。
  322. 三原英孝

    説明員(三原英孝君) お答え申し上げます。  会計検査院といたしましては、NTTの会計経理につきまして毎年検査をいたしているところでございますが、その際、特にリクルート社との契約に重点を置いてこれまで検査をしてきたということではございませんので、いろいろ問題とされておりますリクルート社との契約につきまして、改めて念のために見直してみようということで、NTTから必要な書類などを徴しまして見直しをしたところでございます。  その際、会計検査といたしましては、特に会計経理上不利益をこうむっていないか、つまり不当に使用料などを安くしていないか、あるいは取るべきものを取っていないか、こういう観点から検査をするわけでございますけれども、そういった見地から調べました結果は、これまでのところ、特に会計経理上問題点として私どもが申し上げるようなものはなかった、ただいまのところそういうところでございます。
  323. 及川一夫

    ○及川一夫君 そうしますと、要するに、このリセール業としてのリクルートがどうしてこんなに発展したんだろうかということに実はなってくるわけですが、先ほどもちょっと触れましたように、リセール業の実態というのが「日経コミュニケーション」六十三年七月十一日号に、「コミュニケーションリポート」という見出しでリセール社の実態が発表になっているわけですね。リクルートが千八百社で七千回線あります、共同VANが五百社で二千回線あります、そして日本通信ネットワークが二百五十社で五百回線、沖ネットサービスが二百社で四百五十回線、日立情報ネットワークが百二十社で二百回線、それ以外のものは約三十社ぐらいありますけれども、実態としてはもう十五社ないし三十社で三十回線から二百回線ぐらいの規模です。こうなっているんですね。  ですから、これで言うと、先ほども言ったように非常にずば抜けているんです。ただ、第二種事業というのは、ここにも持ってきているんですけれども、大体六つないし五つぐらいの事業内容が本来あるべきなんです。そして、その中では電話回線というのはごく少数なんです、一〇%ないし二〇%ぐらい。というのが大体普通の会社の状態なんですが、リクルートの場合には逆なんですね、これは。八〇%ぐらい電話回線で、それであとの二〇%ぐらいはファックスであるとかその他のものがある、こういう形のものに実はなっているわけです。これだけの回線とそれからユーザーを確保するというのはこれは大変なものだと思うんです。しかも、六十年の六月か七月に営業開始をして、六十三年、つまりおおむね三年間のうちにこれだけのものにしてしまったということになりますと、どこにそういう力があるのかというふうになるんです。  これは、NTT答えてくれと言っても困るかもしれませんけれども、おつき合いが深いんだからね。リクルートというのはどういう会社なんですか、お聞きしたいと思うんです。
  324. 鴨光一郎

    参考人(鴨光一郎君) 先生御指摘のように、ただいまの問題は、NTTといたしまして直接にお答えすべき事柄を外れておるわけでございますけれども、御質問に対しましてあえてお答え申し上げるといたしますと、一つには、先ほど先生が御指摘になりましたように、リクルート社自体のサービスのエリアが大変広範にわたっているということ。それからもう一つは、これは私どもいろいろな客観的なデータ等から感じていることでございますけれどもリクルート社といたしまして大変大勢の方々をこの専用線リセールのために投入しておられるということ、同時に、その方々が若い方々で大変積極的な営業活動をしておられるということによるものであろうというふうに、これは推測でございますけれどもいたしている次第でございます。
  325. 及川一夫

    ○及川一夫君 仲がいい割には必ずしも正確に把握されていないような気がしてなりません。これは例えば、証人として喚問することになっていますからあえて名前を挙げて言わせていただきますけれども、式場さんという方が報道あるいは職場内のうわさなどをずっと総合しますと、リクルートと同じ立場で営業活動をしておったということが言われているわけです。  そこで、NTTだけじゃなく皆さんも考えてほしいのですが、電話回線にしろ専用回線にしろ、その回線の質が下がるということは音声が低くなり、同時にまた送っていくファックスで言えば、絵とか字とか薄められていくわけです。ですから、回線を変えようと言われたときに、新しくそこに参加しようという人がまずどんな思いをするかということを私はNTTは知っているはずだと思っています。  つまり、銀行などでは、NCCの専用回線を借りよう、またぜひ使ってくださいといったときに、一番先に何が来るかということ、その回線に対する信用の問題なんです。技術に対する信用の問題なんです。銀行などでは一たん事故があったら大変でしょう。かつて世田谷電話局が火事になってあれだけの事故が起きましたね。幸い一カ月かかるところを十日でやったんですから、それなりにNTTに対する技術の信用というものは僕はあれで再認識されたと思う。それだけにリクルートのリセールに変わっていくということで何が一番先に頭にくるかというと、回線の質であり、技術レベルの問題なんです。リクルートの人が一人行って、ぜひ使ってください、入ってくださいと言ったって、そんなに簡単に入れるものじゃないですよ。そこにNTTの人がおったとすればどうなりますか。いやいや、皆さんとそれは関係ありません、もともとNTTの回線をお貸しするんだからレベルは同じです、御安心くださいと。じゃ何が残るんだ。専用線を使うものですから、リクルートがやるものですから料金が三割安い、こう言うわけです。それならいいことだなということでいくわけです。だから、仮に式場さんが一緒に歩いたとすればそういう効果効能というのはあるんですよ。そう思いませんか。
  326. 鴨光一郎

    参考人(鴨光一郎君) リクルートの回線リセールの営業につきまして、ただいまの御指摘の中に我が社の人間が同行したことがあるかという御趣旨の点があったと思います。この点につきましては、もちろんすべてのケースではないわけでございますけれども、一部のケースにつきまして私どもの社の人間が同行した事実はございます。ただしその場合に、私どもの社の人間が何を役割としているかと申しますと、リクルート社のエンドユーザーの方から御質問がありました場合に、NTTの回線をリクルート社がお使いになっておりますというふうな御説明はさせていただいておりますけれども、リセールそのものにつきまして私どもの人間がセールスのお手伝いをしたというふうな事実はございません。  なお、私どもの社の人間が同行いたしました場合には、リクルートの方が回線リセールの営業をされますことのついでに、そのお客様が機器をお求めになられたいというふうなお考えが見えました場合には、これは私どものある意味でのビジネスチャンスというふうなことにもなりますので、そういった意味で同行したことはございます。  先ほど申しましたように、回線リセールのお手伝いをしたということはございません。その点を御理解いただきたいと思います。
  327. 及川一夫

    ○及川一夫君 今答弁がありましたように、一般的な意味で言うと、同行するにしても極めて消極的という、恐らく求められればというその程度のように位置づけられたように思う。しかし、リクルートということになりますと果たしてそれで済んだのかどうか。副社長自身が歩いたわけじゃないですから、あなた、式場さんと歩いてないでしょう。わからぬと思う。  それで、次に質問しておきますが、NTTにとってトラフィックは企業秘密ですか、秘密ではありませんか。
  328. 鴨光一郎

    参考人(鴨光一郎君) 先生の御質問は、NTTのユーザー、お客様の個々のトラフィックはどういうことかという御質問だと思いますけれども、私どもといたしましては、これはそれぞれのお客様方の個々の御事情ということでございますので、決して外に漏らすようなことはいたしておりません。
  329. 及川一夫

    ○及川一夫君 漏らせないでしょうね。ところが、漏らしている事実があったらどうなりますか。これは大変だと思いますよ。  私は、リクルートの回線のふえ方を実は手に入れているわけですよ。そうしますと、六十年の七月から始めて六十一年の三月までですか、この辺は二十二回線であるとか五十回線であるとか百回線であるとか、こういうものだった。六十一年の特に九月、十月あたりから実は四百回線ぐらいずつぼんぼん毎月ふえていくわけです。そうして今度、六十二年の四月からになるとどんどんふえちゃうんですよ。そして六十三年の七月になったらどんと切れちゃうんですね。これは発覚したからです。事件が出てきたからやめるということになったのかもしれません。この辺は一つ一つの加入者を集めて歩いたら、何ぼ人数があったってとてもじゃないができる話じゃない。この会社は全国ネットがどのぐらいになっておって、本店、支店、営業所、工場、それでどのぐらいの電話の使用量があるかということがわかったとすれば、そこに集中的に攻撃をかけりゃいいわけですね。勧誘すればいいわけです。そしてさっき言ったような話をして、安いならそれにこしたことはないということでぽんと入るという可能性はあります。こういうことは便宜供与じゃないです、ここまでいったら。私から言ったら、自分の企業に弓を引くようなものですから、ある意味では犯罪だと思いますよ。私はそういうふうに思う。  それで、現実に地方では、これは確証を持ってやってもいいんですけれども、現場の課長さんたちが困っているという話がある。それは、リクルートの地方の人たちが電話局へ行ってトラフィックを見せると請求しているんです。しかも本社は了解済みと、そういう言い方までしているんですね。しかし、さすがNTTは見せてはいないようですよ。その地域はですよ、ほかはわかりません。ですから、こういうことが行われた、しかも、その責任者である例えば式場さんが黙認したとか、トラフィック管理は彼の範囲でないことは僕もわかっていますけれども、しかし請求して見られない立場ではないというようなことを考えると、これは大変な問題になってくるように私は思うんですよ。  ですから、便宜供与というよりも、一体そういったことが行われたのかどうかということが大きな問題になってくるから、当然それは式場さんいかがでしたか、式場さんの行動日程はどうなっていましたかと。あの人には残念ながら秘書はついていないが、あの人の手帳を見たらどういうことになるんであろうと。それで五百回か五十回か知りませんけれども講演もやっているという話――やって結構だと思いますよ。けれども、それも常識を欠いていれば問題になるわけでしてね。そういうことを含めてこのリセール問題というものをとらえて見る必要があるんじゃないか、こういうふうに私は思っているんですが、NTTはいかがですか。
  330. 鴨光一郎

    参考人(鴨光一郎君) 式場取締役の行動についての御質問でございますけれども、私ども、ただいま御指摘のような特別な便宜供与があったかなかったかということにつきましては、当面の社としての問題でもございますので、社内の調査委員会におきましてこれらの問題を調査いたしたわけでございますが、これまで調査いたしました結果におきましては、御指摘のような事実はないという確信を得ているところでございます。
  331. 及川一夫

    ○及川一夫君 今申し上げましたのは、私は初めて申し上げているんで、今まで社内でトラフィックの問題まで含めて話題になったとは僕は聞いてないんですよ。確信を持って調査されたのでしょうから、それはそれなりに受けとめますが、いずれにしても、この問題についてはそれこそ早目に疑惑を晴らさないことにはNTTの営業活動そのものがとんざしてしまうということになりかねないと私は思いますから、そういった点はこれからさらに話を進めなきゃいかぬと思います。  次に、コンピューターの時間貸しの問題に移りたいと思うんです。  従来――今は民間会社になってNTTにはありませんからあれなんですが、六十年、六十一年ころのデータ事業本部におけるサービス内容というのはどういうものですか。
  332. 鴨光一郎

    参考人(鴨光一郎君) 御指摘の当時のデータ通信事業でございますけれども、本部のサービスの内容といたしましては、大別をいたしまして二つございます。  一つは、NTTがコンピューターシステム等の資産を保有しましてお客様にサービスを提供することによって対価を得る。これはデータ通信設備サービスというふうに呼んでおります。このサービスと、それからもう一つは、コンピューターシステムの設計、建設をNTTが行いまして、その完成後、システムとしてお客様に売り渡しをする。これはシステム設計・建設受託サービスというふうに呼んでおりますけれども、この二つのサービスがございまして、リクルート社のRCSに関しますサービスは後者の、つまり今申しましたシステム設計・建設受託サービスの方に該当いたします。
  333. 及川一夫

    ○及川一夫君 その後段の方に当てはまるというお話なんですが、僕の理解では、後段の方は主にソフト関係を中心にして受託をされるというふうにむしろ受けとめているんですが、それはそれとして、どちらにしてもNTTがコンピューターという本体だけを買ってきて、それでセットして回線をつないで、あとは保守だけですというのは余り私は聞いたことないんですが、これまでの間にそういうものはありましたか。そしてまた、これから先、こういう形でもサービスを提供するというふうに受けとめてよろしゅうございますか。
  334. 鴨光一郎

    参考人(鴨光一郎君) リクルート社自体がお考えになっておりますRCS事業というものは、あくまでもリクルート社自身のお考えになったことであることは当然でございますけれども、NTTに対しましては、私どもの持っております設計、建設に関するこれまでの蓄積、ノーハウといったものを評価されて私どもに御依頼をいただいたというふうに理解をいたしております。
  335. 及川一夫

    ○及川一夫君 ちょっと答弁がすれ違っていますが、時間の関係がありますからひとつ前に進めます。  これは郵政大臣にお伺いしたいんですが、要するに、昭和六十年の一月当初から中曽根前総理大臣が訪米されまして、スーパーコンピューターを買うということをレーガンさんとお約束されてきた。これは全部オープンにされておるんです。それから三カ月間は余り動きがなかったようですけれども、四月に入りまして、四月の二日か三日だと思うんですけれども、アメリカの商務長官から政府調達物品について日本側は倍増してくれという要求があって、翌日に経済関係閣僚会議が開かれて、そうしてその翌日にはNTTの当時の社長である真藤さんに、通信機器を含めて頼むよという要請があって、これに対してNTTの真藤社長は、政府調達物品は必要だから買うのだろうから、場合によれば額だけが優先して、使わぬでも使ってもとにかく要らぬものを買うというようなことになりかねない、通信機器は、民営化されたし、そうはいかないと言って不満の意を表明されたという内容が出て、そして一カ月間ぐらい議論しておったようだけれども、五月の下旬に郵政大臣から、これは左藤恵先生ですが、再度要請をして、どうやらそこで意見の一致を見たようだ。その中には通信機器は入らない、コンピューターとか自動車とかそういうものでもってという認識で大体一致されたというふうに聞いているんですが、また我々はそうつかんでおるんですけれども、大体こういう認識というのは郵政大臣、間違いありませんか。
  336. 中山正暉

    国務大臣(中山正暉君) お答え申し上げます。  六十年の五月であったかと思いますが、経済閣僚会議で内外無差別、透明簡素、そして市場開放という形で我が国が戦後四十三年の長い間平和を維持したのは、アメリカとの関係で日本の周囲が平和であったために日本は経済繁栄を遂げた。それが、アメリカはベトナム戦争で二千億ドルの財政的な負担をし、そして五万六千人の若い人の命を亡くさせて、そして貿易赤字で二千億ドルと言われた時期がございました。何かを買わなきゃいけない。そのころは美談であったと私は認識をいたしておりまして、その形で何を買えばいいか。このクレイ社のコンピューター関係のものがリクルート社の仕様に合っておったということで、それを以前に二台購入しておりますNTTがそれの扱いになれているからということでその購入が図られた。  今、こういう事件が起こってみますと、そのときに何があったのかという御疑念に通ずる懸念を私も大変心配をいたしておりますわけでございますが、私が推察をいたしますのには、そのころそういう気持ちでやっておった方々に、少々値段の差があるという話もございましたが、これは契約自由の原則という自由主義経済体制の中での自由な領域のことでもありますし、そのころ、どういうふうに日米関係を調整していくかという大命題にどう対応するかということの一環の出来事ではないだろうか、そんなふうに考えております。
  337. 及川一夫

    ○及川一夫君 そういう事実があったということをお認めになっておりますから、それ自体には私も物は言いませんけれども、問題は、リクルート社は当時四台のコンピューターがあって、そのうちの一合はIBMのものなんです。ですから、リクルート社がクレイ社のものを買おうと思えば自由に買えたわけですよ。それをNTTが先に立っちゃったから、あれっと、こういうぐあいに我々の頭も実はなるわけなんであります。しかも、外国製のコンピューターは今、日本には二十台ぐらいあるそうですね。そのうちの十九台はクレイ社のだというわけですよ。一合はIBM。もちろんスーパーというところにIBMは力が入らぬ、だから売り負けているんだと言えばそれまでなんだけれども、クレイ社と指定してきたということになると、どうも、レーガンさんの方もクレイ社と結びついているんですよ。そしてこうきて、何か大臣がおっしゃられたような雰囲気の中でやっちゃったら、やっぱりリクルートもNTTも何かクレイ社と、みたいな話につながっておるんです。非常にこれは不思議な現象なんですね。現象だけであればいいんだけれども、それだけにはとどまらないような気がしてならないという非常に大きな疑問を持っているんですよ。  ですから問題は、リクルートがやれるのになぜNTTに持ってきたんですか、なぜNTTを先に立てたんですか、これはどう理解したらいいんですかということが問題になると私は思う。これは、NTTというと郵政省でしょうね。
  338. 中山正暉

    国務大臣(中山正暉君) お答えになるかどうかわかりませんけれども、そのころそういうものを入れてこなきゃならないというのは、日本の税制自体に欠陥があって内需拡大ができない。内需拡大をしておれば、あれこれと目をつけて今急に何かを買ってこなきゃならないという日本的なムードにならずに済んだ。ここで税制の改革を私ども内閣でお願いをしておりますのは、ごく自然に内需拡大が図られて、何だかんだとそのときにつけ焼き刃のように何かを買い求めるという、そのことに狂奔することによって数年後にこういう疑惑の問題のように見えてくること自体が私は非常に残念だと思っておりますので、今回の税制改革というのは大変意義があるなと、かように認識をいたしております。
  339. 及川一夫

    ○及川一夫君 そんなあなた、すっとぼけた答弁をもらっても僕はいただけないね、これはなかなか。お答えになりませんよ、そんなものは。もう少しあなた、これはリクルート疑惑でやっているのだからね、あなた疑惑がかかってないと思っていいかげんなことを言っちゃだめだよ、そんなのは。  通産大臣にお伺いしますが、リクルート社とクレイ社との間で話があったというようなことが、当時我々もそんな感じがしておったんですが、新聞紙上でも最近言われているわけですよね。ですから、これはあったのかなかったのかという事実関係が一つありますけれども、これはなかなかここではわからぬでしょう。問題は、そのリクルート社とクレイ社が話をしておったと、それが途中からぽんと変わってNTTが前に出てきた、クレイ社から見た場合にあれおかしいなと、こういうふうに思うのは当たり前だというふうに思うんだけれども、通産省という立場でいろいろ国内の商取引をしている、さらには国際的な商取引監督されている、こういう角度からいうと、あり得るんでしょうかね。相手と話をしていても途中からメンバーが変わっちゃってね、別の会社と話をする、これは国際信義上の問題なども含めて問題になりませんか。
  340. 田村元

    国務大臣(田村元君) 実は、そういう場合どうなんだいと言って私どものそういう契約なんかをする立場の者に聞いてみたんです。ところが、これだけはいろいろな変化があると、で、この問題を根掘り葉掘り克明に聞いてみないとそれは何とも言えないと言うんですね。  通産省は、確かにそういう企業の契約等に無縁ではありませんけれども、民間企業の契約にくちばしを入れる立場にもございませんから、どうしても官需ですね、官需、いわゆる公需といいますか、御承知のように、同じようなスーパーコンピューターを工業技術院が買っておりますけれども、そういうことを踏み台にして見るものだから、だから非常に単純になりますね。そういうことでやっぱり担当者も民間の契約問題、取引問題だけはもう変化が多くてわからぬと、こう申しております。
  341. 及川一夫

    ○及川一夫君 これは、それぞれの国の民族性の問題もありますから、問題視をする一つ重さといいますか、そういうものは違いがあることは、私は事実だと思います。  ですから、今ここでそれ自体をさらに追及する気はないんですが、次に問題にしたいのは、NTTがクレイ社と契約をされたのは六十一年の五月というふうに聞きますし、リクルートとNTTがこのコンピューターを入れてセットして回線に接続をくれという意味で正式契約されたのは六十一年の十二月ということにお聞きしています。ここに数カ月差があるんですが、正式契約をしない間にクレイ社のコンピューターを買うということを約束をした、契約をしたということについて間違いがないかどうかということと、なぜかと、そんなに自信があったんですかと、その自信はどこから生まれてきたんですかということについてNTTにお聞きしておきたい。
  342. 鴨光一郎

    参考人(鴨光一郎君) ただいまの御質問のポイントでございますけれども、六十一年の十二月にリクルート社と契約をしているのに、その前の五月に既にクレイ社と契約をしているのではないかという点だと思いますけれども、この点につきましては、ちょっと事務的でございますけれども、六十一年の三月にリクルート社の方から設計、建設依頼という形での申し入れがございました。私どもといたしましては、これに基づいてクレイ社との契約、これは五月の購入契約でございますけれども、その契約を行ったわけでございます。その後六十一年の十二月に、今度はそれをベースにいたしましたリクルート社との契約、これは設計、建設工事の受託の契約でございます。この間の期間につきましては、細部にわたる契約条件の検討のための時間であったということでございます。
  343. 及川一夫

    ○及川一夫君 そうしますと、当時の真藤社長が、今会長になられたんですな、記者会見をされて、リクルート社からコンピューターの購入をしたいという申し入れのあったのは六十年の秋ごろと、こう言われているわけですね、これは週刊朝日で言われています。六十年の秋というんですが、それは何月ですか。
  344. 鴨光一郎

    参考人(鴨光一郎君) ただいまの御質問の点でございますけれども、現在会長をいたしております真藤自身が当時のことにつきまして記憶が定かでないということで、明確な時期はお答えをいたしかねます。御容赦をいただきたいと思います。
  345. 及川一夫

    ○及川一夫君 聞いても定かでないとおっしゃるんですか。
  346. 鴨光一郎

    参考人(鴨光一郎君) 秋ごろということについての記憶はあるようでございますけれども、正確な日時についての記憶が定かでないということを会長が申しておるということでございます。
  347. 及川一夫

    ○及川一夫君 時間がなくなりましたから、本当の意味で少しはしょってしまうことになるんですけれども、なぜそのことをお聞きするかというと、私は、リクルート社とNTTのコンピューターの話が出てきたのは一体いつなんだろうかということと、先ほど郵政大臣と認識を一致させた六十年代初頭の動きですね。しかも政府調達物品というのはなかなかこれは大変で、しかもNTTにそんなものをすべて求めたってできっこない金額だというようなことを含めて考えてまいりますと、やっぱりリクルート社が話をしていたにもかかわらず、それを切り離してNTTに持ってくるからには、何かそういう一つの政治の動きと関係をしているというふうに見るのが常識だと私は思っているわけです。もともとNTTは電電公社だったんですから、非常にそれは近い関係だったし、人間関係もあったし、話しやすかったということもあるかもしれません。ある意味ではそれは協力をしてやらなけりゃならぬ立場かもしれません。  だから、そういう意味で考えていきますと、この問題が話として出てきたのはむしろ六十年の五月から七、八月にかけてというのが一つありませんでしたかと、その際リクルートが持ち込んできた理由は何なのかという点に私はちょっと疑問を持っているわけですよ。そして、そこでNTTがその話を断ったのか受け入れたのか。どうも私から言うと断ったように思う。断った話が再浮上してくるのはいつかということになってくると、真藤さんが言われた秋の時点と。そこにどなたが受けて立ったのかという、要するにそういう図式に実はなってくるわけであります。これもまた長谷川さんが証人喚問されている。どっちにしても株の譲渡を受けて売り払ってしまったという、そういう条件の中でこれは見られるわけですから、何があったんだろうと。職務権限を含めて何かあったのではないかと、こう見られるのはどうしても仕方がないですな、これは。  したがって、私は、NTTの方でももう一度リクルートとの関係を時系列的に並べてみる必要があるんじゃないか、あるいは常務会のコンピューターを決定した記録があるならばむしろ示してもらいたい、出してもらいたい、こういう気持ちすらするわけであります。この点いかがですか。
  348. 鴨光一郎

    参考人(鴨光一郎君) いつごろから話があったのかという点につきましては、当時のデータ通信事業本部の方にこれはいろいろなレベル、いろいろな人、私どもの社の人間、それからリクルート社のいろいろなレベルでの事務的な、あるいはややハイレベルのお話があったはずでございますけれどもリクルート社からRCS事業についてコンピューターシステムの設計、建設の御相談があったわけでございまして、それを私どもとして受託工事としてお受けすることになった。先ほど申しましたこれが、六十一年三月にシステム設計の依頼書をいただくということが具体的な諸契約の一つのきっかけと申し上げられるかと思いますが、事前には当然いろいろな御相談があったところでございます。  それから、我が社の常務会の点でございますが、常務会は六十一年の四月にクレイ社のコンピューターを導入するということにつきまして決定をいたしてございますが、常務会と申しますのは社長の意思決定のための社内的な会議でございまして、常務会の記録は残ってございますけれども、これ自体は社内資料という位置づけでございます。  それから、六十一年三月にシステム設計の依頼をいただいた以降、具体的な契約が動いているわけでございますけれども、私どもに受託をいただいた理由は、先ほどもちょっと申し上げましたように、私どもが持っておりますスーパーコンピューターのシステムについてのこれまでの技術的な蓄積あるいはノーハウといったものに注目をして関心を持っていただいたためであろうというふうに受けとめているところでございます。
  349. 及川一夫

    ○及川一夫君 最後の発言になりますけれども、今までお答えをしていただいても、どうしても私は疑惑が晴れない、こういうふうに申し上げておきたいと思います。  いずれにいたしましても、このNTT問題というのは、単にNTTの問題だけではなしに、全体の構造的なものだという受けとめ方を我々はしているものですから、さらに問題を突き詰めていかなければいけないという前提に立つんですが、ぜひ総理にも、この種問題では日常電話なりファックスなりを使っているわけですから、そういう使っているところの会社の親分とかあるいはまた重要なポストにおられる方々がやはり株の譲渡を受けてという疑惑を持たれるということは、長年果たしてきた電気通信事業の役割、任務、信頼というものからいえば大変問題があるように私は思うんです。  したがって、民間にはなりましたが、やはり政府としてもこの問題について早急にさまざまな疑問にこたえられるような、またこたえるようなそういう御指導をいただくことをお願いしておきたいと思うんですが、最後に総理、いかがですか。
  350. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 専門的な見地からのお話で、私も一生懸命聞いておりましたが、リセール、アナログ、ディジタルまでしか私は実際はわかりませんでした。が、最終的におっしゃった、今、政府が持ち株を持っているわけでございます。そういう会社そのものに対して、民間になったとはいえ、疑惑を生ずるような問題があってはならぬということは同感でございますので、今の御趣旨を体して対応すべきものであると、このように感じました。
  351. 及川一夫

    ○及川一夫君 終わります。
  352. 梶木又三

    委員長梶木又三君) 本日の質疑はこの程度とし、明日は午前十時に委員会開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時三十六分散会