○及川一夫君 私はまとめて御質問いたしたいと思いますので、大変先生方に恐縮なんですけれども、もし分担されているとすれば、そういうお立場からお答えいただければ大変幸いだというふうに思います。いずれにしても
調査団の皆さん、大変御苦労さまでした。大変貴重な
報告が出ておりますので、これからのこの会の討議にも大変役立つのではないかと、こういうふうに感想を述べておきたいと思います。
まず第一点、これはきょう特にお答えは要らないんですけれども、この
報告書を読みまして、次のようなことはぜひ国会に正規に
報告される際には
調査室などを含めて入れていただきたいということで申し上げておきたいんでありますが、例えば
ニュージーランドにおける物価の上昇という問
題がありますけれども、その上昇の原因が八五年の賃上げにあるのか、八六年の物品・
サービス税の導入によるのか、いずれにしてもはっきりこれだけ見るとわからないわけであります。あるいはまた、鎮静化しているというけれども、どの程度の一体物価の上昇になっているのかということも定かでない。さらには
失業率が問題になっているというんだが、幾らかということも実はこの文書には明示されていないわけです。さらに
貿易経常収支の問題についても精緻でないために、ちょっとトーンとしてはわかるんですけれども、正確な理解ができないということ。さらには
貿易動向ということになりますと、国別にということになりますが、特に
我が国との関係は一体どうなんだということを聞きたくなるというような問題ですね、こんなところがあります。
さらに、
オーストラリアの関係では、これだけ
鉱物資源が豊富なのにもかかわらず、財政的には必ずしも万々歳という形にはなっていない。なぜかということは当然
オーストラリアでも問題になっているはずだと思うんですが、そういった点などを少し明らかにしていただくと非常にこれからの論議にプラスになると思いますから、ひとつ通産省などを含めて
報告される際には、ぜひそういったものをつけ加えていただけたら大変ありがたいということを申し上げておきたいと思います。
これから先御質問なんですが、一つは
ニュージーランド、
オーストラリア含めてなんですけれども、
エネルギー政策の問題ですね。
我が国でも火力があり水力があり原子力があると、こういう格好になっているんですけれども、一体両国の場合、まあ
シンガポールの場合ちょっと事情は違いますから外に置くにしても、
ニュージーランドと
オーストラリアの場合の
エネルギー政策というのはどこにウエートを置いてなされようとしているのか。両国の中には原子力という言葉が一つも実は
報告の中には出ていないわけですし、とりわけ
ニュージーランドの場合には、原子力に対しては大変厳しい態度をとっておられるように私は理解しているんですが、したがって、
エネルギーといったって
エネルギーがひとり歩きするわけじゃないんで、やっぱり生活構造の問題とか、あるいは
産業構造の問題とか、あるいは経済の行く末をどう考えるか、みんな関連している問題だとは思うんですけれども、火力、水力、原子力と、大きく分けて大体そういうふうにあるけれども、一体どの辺にウエートを置いて二国の
エネルギー政策を樹立されようとしているのか、この辺のことについておわかりでしたら教えていただきたいというふうに思います。
それから、まあこれは細かい問題で恐縮なんですが、
メガワットという単位を使っているんですが、恐らく万キロワットよりは高い数値を示しているんだろうと思うんですが、
我が国ではどちらかというと、万キロワットでずっときている関係があるものですから、数量を理解するために、
メガワットというのと万キロワットという、
我が国と対照した場合に一体どういう数値になるんだろうかということもお伺いしたいというふうに思います。
それから
地熱発電の問題、
ニュージーランドでやっておられるんですが、これはコスト的に見ると一体どの程度なのか。高いのか安いのかという問題ですね。これもひとつお伺いしたいというふうに思っています。
二番目の御質問としては、
褐炭液化問題について、沓掛先生からも大変重要なポイントをついた御質問がございました。私なりに理解もできたわけなんですが、問題は、
褐炭液化という問題を
我が国でとらえた場合に、端的に言って、原子力にかわるようなそういうものになり得るだろうかと。なるのかならないのかという見通しの問題なんですけれども、当然これにはコストがついてくるわけで、コストだって端的に言えば、
石油より安ければ火力
発電として応用できる、こうなっていくわけでして、今のところどうも
石油の値段が安くなったものですから、
褐炭に対する研究費の問題とか、いろんな問題がどうも
我が国では、さっき
大木先生がおっしゃられたように、どんどん研究費が減らされていっている。これでは非常にまずいと思うんですが、ぜひ
褐炭液化という問題については何か非常に明るい、
世界にとっては明るいというそんな感じがいたすものですから、
石油にかわり得るものになり得るかどうか。同時に、現状でコストは一体どのぐらいになるんだろうということがおわかりであれば教えていただきたいというふうに思います。
それから
報告にない問題なんですが、
世界的に情報化社会ということが言われているんですけれども、情報化社会ということが論議をされ、それに対応する情報
産業、こういった取り組みが現実に両国で行われているかどうか。そんな議論がございましたら御紹介いただきたいというふうに思います。
それから四つ目に、
我が国で悩み多い議論をしているんですが、
産業構造の変化という問題ですね。
我が国と事情は違うんでしょうが、構造変化の問題についての論議があるのかないのかということであります。
それで、最後になりますけれども、以上のこと等から見て、とりわけ
報告書に基づいて考えてみたときにこの
調査会、あるいは
我が国として一体考えるべきものは何なんだろうかということが
調査団として御議論はなされていないと思うんだけれども、個々でよろしいんですけれども、何かこういったことはぜひ考えるべきだと。先ほど小笠原先生からも、何か
石炭を
輸入するに当たって、私的企業よりは公的企業で受けた方が利潤というものをもっともっと下げることができるんじゃないかという意味と私は受けとめたんですけれども、そんなような議論もあったようなんですが、そういう受けとめ方もあるようなんですが、
我が国として考えるべきものがあったのだろうかと。ありましたらぜひ御紹介をいただきたいというふうに思います。
以上です。