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1988-12-20 第113回国会 衆議院 内閣委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年十二月二十日(火曜日)     午前九時四十分開議  出席委員    委員長 竹中 修一君    理事 近岡理一郎君 理事 月原 茂皓君    理事 戸塚 進也君 理事 前田 武志君    理事 宮下 創平君 理事 田口 健二君    理事 竹内 勝彦君 理事 和田 一仁君       有馬 元治君    江口 一雄君       江藤 隆美君    大石 正光君       奥野 誠亮君    河野 洋平君       鴻池 祥肇君    村井  仁君       森下 元晴君    谷津 義男君       五十嵐広三君    角屋堅次郎君       広瀬 秀吉君    井上 和久君       鈴切 康雄君    川端 達夫君       浦井  洋君    柴田 睦夫君  出席国務大臣         文 部 大 臣 中島源太郎君         国 務 大 臣        (内閣官房長官) 小渕 恵三君         国 務 大 臣         (総務庁長官) 高鳥  修君         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 田澤 吉郎君  出席政府委員         人事院総裁   内海  倫君         人事院事務総局         管理局長    菅野  雄君         人事院事務総局         給与局長    中島 忠能君         総務庁長官官房         長       山田 馨司君         総務庁人事局長 勝又 博明君         防衛庁長官官房         長       依田 智治君         防衛庁人事局長 児玉 良雄君         防衛施設庁総務         部長      弘法堂 忠君  委員外出席者         文部大臣官房人         事課長     奥田與志清君         自治省行政局公         務員部給与課長 松田 研一君         内閣委員会調査         室長      林  昌茂君     ───────────── 委員の異動 十二月二十日  辞任         補欠選任   河本 敏夫君     鴻池 祥肇君   宮里 松正君     江口 一雄君   武藤 嘉文君     大石 正光君 同日  辞任         補欠選任   江口 一雄君     宮里 松正君   大石 正光君     武藤 嘉文君   鴻池 祥肇君     河本 敏夫君     ───────────── 十一月二十二日  一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出第一三号)  特別職職員給与に関する法律及び国際花と緑の博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案内閣提出第一四号)  防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案内閣提出第一五号) 同月十日  旧軍人軍属恩給欠格者救済に関する請願田中角榮紹介)(第二四四七号)  スパイ防止法制定に関する請願塩崎潤紹介)(第二五五三号) 同月十四日  恩給改善に関する請願佐藤徳雄紹介)(第二六四一号)  寒冷地手当加算額切り下げ反対等に関する請願柴田睦夫紹介)(第二七一一号) 同月十五日  国家機密法制定反対に関する請願安藤巖紹介)(第二九七三号)  同(児玉健次紹介)(第二九七四号)  同(柴田睦夫紹介)(第二九七五号)  同(田中美智子紹介)(第二九七六号)  恩給改善に関する請願青木正久紹介)(第二九七七号)  同(有馬元治紹介)(第二九七八号)  同(愛野興一郎紹介)(第三〇五二号) 同月十六日  恩給政善に関する請願衛藤征士郎紹介)(第三一〇〇号)  同(佐藤文生紹介)(第三一〇一号)  同外一件(染谷誠紹介)(第三一〇二号)  同(田原隆紹介)(第三一〇三号)  同(畑英次郎紹介)(第三一〇四号)  旧軍人恩給欠格者に対する特別法制定に関する請願近江巳記夫紹介)(第三二一二号) 同月十七日  恩給改善に関する請願有馬元治紹介)(第三三七二号) 同月十八日  スパイ防止法制定に関する請願亀井静香紹介)(第三四五四号)  恩給改善に関する請願石破茂紹介)(第三四五五号) 十二月十五日  恩給改善に関する請願外五件(小此木彦三郎紹介)(第三五三一号)  同(高村正彦紹介)(第三五三二号)  同(鴻池祥肇紹介)(第三五六五号)  同(松本十郎紹介)(第三五六六号)  同(相沢英之紹介)(第三五七八号)  同(砂田重民紹介)(第三五七九号)  同(平林鴻三君紹介)(第三五八〇号)  同(福田一紹介)(第三五八一号)  同(天野公義紹介)(第三五九九号)  同(新井将敬紹介)(第三六〇〇号)  同(石井一紹介)(第三六〇一号)  同(戸井田三郎紹介)(第三六〇二号)  同(渡海紀三朗紹介)(第三六〇三号)  同(船田元紹介)(第三六〇四号)  同(稲村利幸紹介)(第三六二一号)  同(谷洋一紹介)(第三六二二号)  同外一件(江口一雄紹介)(第三六三四号)  同(林義郎紹介)(第三六六九号)  同(藤尾正行紹介)(第三六七〇号)  国家機密法制定反対に関する請願安藤巖紹介)(第三六三一号)  同(寺前巖紹介)(第三六三二号)  同(藤原ひろ子紹介)(第三六三三号) は本委員会に付託された。 十一月十四日  恩給改善に関する請願(第一八六四号)は「三木武夫紹介」を「志賀節君外一名紹介」に訂正された。     ───────────── 本日の会議に付した案件  臨時教育改革推進会議設置法案内閣提出、第百十二回国会閣法第六一号)  一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出第一三号)  特別職職員給与に関する法律及び国際花と緑の博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案内閣提出第一四号)  防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案内閣提出第一五号)      ────◇─────
  2. 竹中修一

    竹中委員長 これより会議を開きます。  第百十二回国会内閣提出臨時教育改革推進会議設置法案並びに内閣提出一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案特別職職員給与に関する法律及び国際花と緑の博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。  順次趣旨説明を求めます。中島文部大臣。     ─────────────  臨時教育改革推進会議設置法案     〔本号末尾掲載〕     ─────────────
  3. 中島源太郎

    中島国務大臣 このたび、政府から提出いたしました臨時教育改革推進会議設置法案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  教育改革は、二十一世紀に向けて、創造的で活力ある社会を築き、我が国を担うにふさわしい青少年を育成する上でぜひとも実現しなければならない国政の最重要課題の一つであり、教育改革に対する国民の期待にはまことに大きなものがあります。このため、政府は、臨時教育審議会の行った累次の答申を踏まえつつ、各般の施策具体化に着手してきているところであります。  臨時教育審議会は、昨年八月二十日をもって三年の期間を終え解散したところでありますが、これに先立って提出された教育改革に関する第四次答申最終答申)において、教育改革を引き続き推進していくため、政府として所要の体制を整備する必要性について提言しているところであります。また、これを受けて、政府としても、昨年十月に決定した教育改革推進大綱において「臨時教育審議会答申を受けて講ぜられる諸施策の速やかな実現を図る観点から、政府教育改革推進のための機関設置する。」旨の方針を定めたところであります。  もとより、臨時教育審議会の行った答申を踏まえつつ、教育改革に関する施策を実施することは政府みずからの責務でありますが、この国民的課題である教育改革の一層の推進を図るためには、各界有識者の御意見を伺いつつ諸施策を進めることが極めて重要かつ有益であると考える次第であります。  このため、政府といたしましては、教育改革を全体として円滑かつ効果的に推進するための調査審議機関として、このたび総理府に臨時教育改革推進会議設置することとし、ここにこの法律案提出した次第であります。  次に、法律案概要について御説明申し上げます。  第一に、臨時教育改革推進会議は、臨時教育審議会の行った教育改革に関する答申を受けて講ぜられる施策実施状況について検討を加え、その施策の円滑かつ効果的な推進に関する重要事項について調査審議し、その結果に基づいて内閣総理大臣意見を述べるほか、内閣総理大臣の諮問に応じて答申することを任務としております。また、内閣総理大臣は、会議意見または答申を尊重しなければならないこととしております。  第二に、会議は、人格、識見ともにすぐれた者のうちから、文部大臣意見を聞いて、内閣総理大臣が任命する七人の委員をもって構成することとしております。  このほか、会議は、国の関係行政機関の長に対し、資料提出意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができることとしております。  なお、この法律は、施行の日から起算して三年を経過した日に失効することとしております。  以上が、この法律案提出いたしました理由及びその内容概要であります。  何とぞ十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  4. 竹中修一

    竹中委員長 次に、高鳥総務庁長官。     ─────────────  一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案  特別職職員給与に関する法律及び国際花と緑の博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案     〔本号末尾掲載〕     ─────────────
  5. 高鳥修

    高鳥国務大臣 ただいま議題となりました一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職職員給与に関する法律及び国際花と緑の博覧会政府代表の設道に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について、一括してその提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  まず、一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。  本年八月四日、一般職職員給与改定内容とする人事院勧告及び寒冷地手当改定内容とする人事院勧告が行われました。政府としては、これらの内容検討した結果、一般職職員給与については人事院勧告どおり本年四月一日から実施することが適当であり、また、寒冷地手当についても人事院勧告どおり来年の基準日から実施することが適当であると考え、一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律について所要改正を行うこととし、ここにこの法律案提出した次第であります。  次に、法律案内容について、その概要を申し上げます。  まず、一般職給与法改正関係について申し上げます。  第一に、全俸給表の全俸給月額人事院勧告どおりそれぞれ引き上げることといたしております。  第二に、初任給調整手当について、医師及び歯科医師に対する支給月額限度額を二十四万六千円に引き上げるとともに、いわゆる医系教官等に対する支給月額限度額を四万四千五百円に引き上げることといたしております。  第三に、扶養手当について、子、孫及び弟妹に係る扶養親族の要件を満十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までとし、配偶者に係る支給月額を一万六千円に、配偶者のない職員扶養親族のうち一人に係る支給月額を一万五百円に引き上げることといたしております。  第四に、住居手当について、月額二万五百円を超える家賃を支払っている職員に係る二分の一加算限度額を一万千五百円に引き上げることといたしております。  第五に、非常勤委員、顧問、参与等支給する手当について、支給限度額日額二万六千四百円に引き上げること等といたしております。  次に、寒冷地手当法改正関係について申し上げます。  寒冷地手当加算額について、北海道に在勤する職員にあっては、支給地域区分及び職員世帯等区分に応じ改定することとし、その他の地域に在勤する職員にあっては、その限度額改定することといたしております。  以上のほか、附則において、施行期日適用日俸給表改定に伴う所要の切りかえ措置等について規定することといたしております。  続きまして、特別職職員給与に関する法律及び国際花と緑の博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。  この法律案は、ただいま御説明申し上げました一般職職員給与改定に伴い、特別職職員給与について所要改正を行おうとするものであります。  次に、法律案内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、特別職職員俸給月額引き上げることといたしております。  具体的には、内閣総理大臣等俸給月額については、内閣総理大臣は百八十三万五千円、国務大 臣等は百三十三万八千円、内閣法制局長官等は百二十七万九千円とし、その他政務次官以下は、一般職職員指定職俸給表改定に準じ、百九万千円から九十四万八千円の範囲内で改定することといたしております。  また、大使及び公使俸給月額については、国務大臣と同額の俸給を受ける大使は百三十三万八千円、大使号俸は百二十七万九千円とし、大使号俸以下及び公使号俸以下は、一般職職員指定職俸給表改定に準じ、百八万千円から七十万二千円の範囲内で改定することといたしております。  さらに、秘書官の俸給月額についても、一般職職員給与改定に準じ、その額を引き上げることといたしております。  第二に、常勤及び非常勤委員支給する日額手当支給限度額を、一般職委員日額手当改定に準じ、引き上げることといたしております。  第三に、国際花と緑の博覧会政府代表俸給月額を百八万千円に引き上げることといたしております。  以上のほか、附則において、この法律施行期日適用日等について規定することといたしております。  以上が、これらの法律案提案理由及びその内容概要であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  6. 竹中修一

    竹中委員長 次に、田澤防衛庁長官。     ─────────────  防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案     〔本号末尾掲載〕     ─────────────
  7. 田澤吉郎

    田澤国務大臣 ただいま議題となりました防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  この法律案は、このたび提案された一般職職員給与等に関する法律の一部改正案に準じて、防衛庁職員給与改定を行うものであります。  防衛庁職員給与改定につきましては、参事官等及び自衛官俸給並びに防衛大学校及び防衛医科大学校学生学生手当一般職職員給与改定の例に準じて改定することとしております。  この法律案規定は、公布の日から施行し、昭和六十三年四月一日から適用することとしております。以上のほか、附則において、俸給表改定に伴う所要の切りかえ措置について規定しております。  なお、一般職職員給与等に関する法律規定を準用し、またはその例によることとされている事務官等俸給扶養手当住居手当医師及び歯科医師に対する初任給調整手当等につきましては、同法の改正によって、一般職職員と同様の改定防衛庁職員についても行われることとなります。  以上が、この法律案提案理由及びその内容概要であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
  8. 竹中修一

    竹中委員長 これにて各案についての趣旨説明は終わりました。     ─────────────
  9. 竹中修一

    竹中委員長 これより各案中、内閣提出給与関係法案質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。広瀬秀吉君。
  10. 広瀬秀吉

    広瀬委員 大変短い時間でございますので、答弁をなさる大臣人事院総裁、ぜひひとつ簡潔にお答えをいただきたいと思います。  私は、国家公務員寒冷地手当法に限定をいたしまして質問をいたしたいと思います。一般職特別職その他防衛庁関係は、後で同僚の田口議員から質問があるはずでございます。  まず寒冷地手当については、大体給与改定といえば、少なくとも物価の上昇あるいは生活全般のレベルの向上というようなことで給与引き上げというのが極めて常識的な今日の情勢の中で、寒冷地手当加算額については、いろいろないきさつもあって制定されたわけでありますが、これをかなり大幅に、平均的には三七%も減額をするという措置を今回とられたわけであります。この理由についてまず説明をいただきたい。現に支給を受けている人たち生活実態等からして非常に厳しい反対論もあるわけでございますので、その辺を踏まえて、まず総務庁長官から、その後人事院総裁からお答えをいただきたいと思います。
  11. 高鳥修

    高鳥国務大臣 寒冷地手当引き下げにつきましては、人事院におかれまして、灯油あるいは石炭価格動向等を勘案をされまして、加算額引き下げを図る必要があるという御判断に基づいて勧告をいただいたところでございますので、その勧告を尊重して今回引き下げ法案を御提出した次第であります。  率直に申しまして、引き上げのときにもその価格動向等を勘案して累次引き上げを図ったところでございまして、今回は逆にそうした実態がございますので、それを勘案して引き下げをするということはやむを得ないところであると判断した次第であります。
  12. 内海倫

    内海(倫)政府委員 今回の減額につきましては、寒対協の諸先生あるいは職員団体皆さん等からもいろいろ御意見をいただきまして、決してその御意見を無視するつもりはさらさらございません、十分御意見も承りながら検討をいたしました。しかし、御存じのように、加算額につきましては灯油あるいは石炭等燃料費にかかわる問題でございますから、それらの価格変動に伴って、過去におきましては数回これの値上げをいたすこともいたしてまいりましたが、ここ数年のこれらの価格動向を見ておりますとかなり低下してきておりますので、これに対応してこの際やはり減額やむを得ない、こういうふうな考えになりまして、加算額についての減額をいたすことにいたしました。  もとより我々は、北海道等寒冷地域において減額をいたしましても、そのことによる影響というものも十分考えてはおりますが、この灯油価格低下に伴う減額というものは実質的には影響を与えるものではないのではないかと諸資料に基づいて判断いたした次第です。  なお、御質問もございましょうから、詳細につきましては担当局長からも答弁をさせていただきます。
  13. 広瀬秀吉

    広瀬委員 寒冷地手当の本体に対して、加算制度ができたのは五十五年と記憶いたしておりますが、現行の額を加算額として決定したのは五十五年でございますか。
  14. 中島忠能

    中島政府委員 現在の加算額を最近において改定いたしましたのは、御指摘のとおり昭和五十五年でございます。
  15. 広瀬秀吉

    広瀬委員 それから八年ないし九年たっておるわけでありますが、その間に価格の面で、あるいは使用する石炭の量、前には石炭手当加算額というようなことで、エネルギー革命もあって石炭から石油ということになってきたと思うのですが、その使用量なりあるいは価格変動なりというようなものでどういう変化が端的にあったかということについて、お聞きしたいと思います。
  16. 中島忠能

    中島政府委員 価格変動でございますが、五十五年を一〇〇にいたしますと五十六年、五十七年というのは若干石油価格が上がっております。一〇%ぐらい上がったのがピークでございますが、それ以後低下を続けまして、本年六月で満五年低下を続けてきたわけでございます。  したがいまして、先ほど総裁からも御答弁申し上げましたように、やはりここまで燃料価格低下してきたということ、そして原油価格というのも安定ぎみである、為替相場も当分はこういうところで落ちついているんじゃないかというようないろいろな要素を勘案いたしまして、今回加算額引き下げ勧告に踏み切ったわけでございます。  なお、灯油消費量の推移でございますが、これ は北海道消費者協会の調べでございますが、昭和五十五年、一世帯当たり一千八百二十九リッター、その一千八百二十九リッターが、その後ほぼ横ばいでございますが、六十一年に至りまして一千七百九十九リッター、それほど大きな変化はないということでございました。
  17. 広瀬秀吉

    広瀬委員 為替相場円高メリットというような形で価格が下がっておることについては、厳然たる事実でありますから我々も認めざるを得ません。ただ、皆さん調査使用量が余りにも少なく出ているのではないか。この辺しっかりした調査はされたのだとは思いまするけれども、私どもの手元の、現地の北海道教職員組合等組合員について調査をした数字と四百リッターから五百リッターも違う。  今局長がおっしゃられましたが、昨年なりというようなところで千七百九十九リッターという数字使用量は大体平均的にそうであろう、人事院はこう言われておるのでありますが、そういう組合調査等を見ますと、甲地の場合に年間使用量が二千二百七十四リッター。これでも約五百リッター近く違うという数字が出ております。それから乙地の場合、これはいろいろ条件があるのでしょうけれども、乙地の場合の方が逆に二千三百八十六リッターというような数字も出ております。それから丙地で二千七十六リッターというこの使用量について、これは生活水準がだんだん上がってくる、そういうような中で住宅も改善されてくる、子供たちにも勉強部屋をつくる、受験勉強をする子供たちに寒い思いもさせられないというようなことがありまして、暖房器具石油ストーブのようなものをそれぞれの部屋に置かなければならぬような生活状態変化というものも当然予想されるところであり、そういうようなものを反映してこの教職員組合調査によるデータの数字も出ているのだろうと思うのですね。  そういうようなものについて若干の配慮というようなものがなされてしかるべきではないか。こういう差が余りにも出ることについては、人事院調査もそれなりに極めて良識的な調査はされたのだと思いますが、その地域全体の供給側協会等数字を見たようでありますが、現実に消費する人たちの側、そしてそれに見合うものとして寒冷地手当加算額を受ける人たちの立場から調査をした、そういうようなものを参考にもされることが、より正確な、より確実な寒冷地手当法趣旨にフィットする対策が講じられるのではないか、そういうように思うのですが、いかがですか。
  18. 中島忠能

    中島政府委員 広瀬先生に今いろいろお話をいただきました。そういうお話はこの過程において広瀬先生からたびたび聞かせていただきましたし、作業する過程におきましてそういう御発言というものが非常に参考になる御示唆をいただいたことを私たちもありがたく思っております。  ただ、この消費量変化につきましては、先ほど私が申し上げましたように、消費者協会調査が私たちは一番客観性があるだろうということで使わせていただいておるわけでございますが、広瀬先生がおっしゃるようなそういう御指摘も、私たちはよくかみしめまして今回の改定内容を決めたわけでございます。  暖房をめぐる生活条件のいろいろな変化というものも確かにございましょう。そういうものは寒冷地以外の地域、例えて言いますと東京等寒冷地手当支給していない地域においてもそういう暖房をめぐる生活条件の変化というものがございますので、その変化そのものを寒冷地手当支給に関して余り強調するのはいかがなものだろうというような気もいたしております。いろいろな意見を聞かせていただきながら、今後の私たちの行政の参考にさせていただきたいと思います。
  19. 広瀬秀吉

    広瀬委員 局長がおっしゃるように、寒冷地手当を受けている土地、地域、さらにまた加算額を特別に受けている地域、これは限られているわけですけれども、それ以外のところとの均衡とか、逆差別のような形が出ないようにという配慮をなさることも当然だと思います。これはおっしゃるとおりでございまするけれども、「国政統計ハンドブック 昭和六十二年版」これは国会図書館から出しているものですが、人口五万人以上の都市、全国北海道から沖縄まで四十七都市をとりました比較があります。  家計に余裕ができるあるいはゆとりがあるという場合には、やはり教育費とか教養娯楽関係というところに具体的な数字が出てくると思うのです。そういう点で札幌、これはもう百万を超えるような大都市になっておりまするけれども、一世帯当たり一ヵ月間の支出の中での教育費を四十七都市と比較した表があるのです。札幌で九千六十三円支出をされている。それは四十七のうち下から五番目なんです。そしてまた繰越金、いわゆる貯蓄に向かうようなゆとりの数字というのが、札幌は六万三千九百二十三円。これは一ヵ月一世帯当たりですが、全国最下位なんです。そういう実態があるのです。  これは、そのほかのいろいろな面も見なければなりません。象徴的に際立って、そういうところにゆとりが本当にあるのかどうか。寒冷によってあるいは積雪によって生活費に、いろいろなところに手当を出すだけの理由がまたあるし、まだ少し足りないぐらいではないのかというのが、こういう集約的な数字の中にあらわれているのではないかという感じもするわけであります。  その辺もあるものですから、これらの数字人事院も当然大いに勉強されていることは認めますけれども、やはり関係者——私も実は社会党の寒冷地対策特別委員長をいたしておるわけであります。そしてまた、寒冷地をいただいている地域ごとに寒冷地対策協議会というものが、全国的なネットワークで組織をされております。そういう人たちは、みずからそういう寒冷地あるいは積雪地に居住をしているわけですから、一番生活実感としてもよくわかるし、そういう人たちの意向というようなものも、あるいはまたそこで収集されている資料というようなものなんかについては、これは山かけをしたりいいかげんな調査などをやっている団体とは思えません。しっかりした団体だと私も思いますし、私どももそれなりの勉強をいたしておるわけでありますので、そういう関係者の、直接そこに居住されて、住居を構えて生活をしておられる人たち意見等も十分くみ上げて、これからひとつやっていただきたいな、そういうように思うわけであります。その辺のところについて、これはまた総務庁長官人事院総裁からお答えをいただきたいと思います。
  20. 勝又博明

    ○勝又政府委員 寒冷地手当加算額を含めましてその額のあり方等につきましては、専門的な第三者機関でございます人事院の御研究、勧告を待ちたい、かように考えております。
  21. 内海倫

    内海(倫)政府委員 先ほども申しましたように、今回の案を検討いたします際にも、おっしゃるようないろいろな資料あるいは御意見も承ってきたわけでございますが、いずれにしましても、値上げでなくて値下げをするというふうなことでございますから、それについてはやはり慎重でなければならないと思います。  今回私どもは、その点については慎重の上にも慎重を期したつもりでおりますけれども、なお今仰せにあるように資料はできるだけ厳しく参考にすべきであろうと思いますし、今後におきましてもそういうふうな今仰せられましたような御見解も十分頭に置きながら仕事は進めたい。今回につきましては、たびたび申し上げておるような事情に基づくものでございますので、御了承をいただきたい、このように思います。
  22. 広瀬秀吉

    広瀬委員 今回引き下げをやられるについても、人事院人事院なりにかなり立派な調査もやったり、また関係者の意見も聞いたりという段取りはやられたということは私どもも率直に認めて、人事院の姿勢としてそうあるべきだという点で総裁の姿勢に敬意を表しておるわけであります。  ただ、これから、前に総裁にお会いしたときにも申し上げたわけですけれども、石油価格というのは——現代の主力エネルギー、特に家庭関係等でもあるいは工業でも、脱石油時代も来ているか もしれませんけれどもまだまだ石油の需要というのは非常に生活に密着したものである。しかも、国際的に為替の変動だけではなしに国際諸情勢の緊張度、こういうようなものにも関係していつ何どきまた急激な反騰をするような時代を迎えないとも限らない。そういう場合に、今度は下げられたわけですけれども、これはそれなりの理由も我々認めざるを得ない点もあるわけでありますが、そういう点で下げられたものを、そういう石油価格の急騰というような事態等においてはやはり機を失せずまた引き上げをして、それなりのハンディキャップのない寒冷地、積雪地の公務員の人たちの生活が確保されるように、手当が確保されるように、そういう点についての総裁の御見解をひとつ伺っておきたいと思います。
  23. 内海倫

    内海(倫)政府委員 たびたび私も申し上げておりますし、今委員からもいろいろ御意見がございましたが、やはり生計にかかわる大変大事な問題でございますから、今後におきましても十分に考えていきたい。したがって、具体的に言えば、また灯油価格燃料費の値上げなどがあります際は、やはり我々はそれに対応して時期を逸しないような措置もとらなければならない。そういうことも十分考慮はいたしておるつもりでございます。今後につきましては、そういう意味で柔軟に対応していくような考え方で臨まなければならないかと思います。
  24. 広瀬秀吉

    広瀬委員 あと三分ほどありますから、局長で結構ですけれども、級地の改善。ここのところ日本列島も異常気象といいますか、我が栃木県なんか、日光あたりに案外雪が降らない、四国や九州で雪が降っているというようなことなんかもありまして、地域的にも何か新しい寒冷地帯というような考え方をしなければならないようなことが起きつつあるのではないかというようなことも考えられるわけであります。世界的な異常気象というような事態でもございますし、日本列島もそういうようなことがありますので、それぞれの関係団体、全国寒対脇あたりから、そういうようなものを反映して、気温の統計なり積雪の統計というようなもので示された場合には、級地の改善あるいは新しく支給地域を設けるというような点について弾力的な考えを持っていただきたいな、そう思っているわけでありますが、いかがでございますか。
  25. 中島忠能

    中島政府委員 今回、寒冷地手当の中の加算額引き下げを行ったわけでございますが、それ以外にも寒冷地手当をめぐりましてはいろいろな議論がその過程においてございました。私たちはその過程でもよく御説明申し上げましたが、寒冷地手当を含む給与につきましては、国家公務員法で官民均衡の原則というのがございます。したがいまして私たちは、そういう官民均衡の原則というもとにおいてどこまで温かい配慮ができるかという問題に帰すると思うのですが、この際、級地の問題とかあるいはその他提起されました諸問題に対応するに当たりましては、一度民間の寒冷地手当支給状況というものを調査して、その中で対応をどのようにするかを考えていかなければならないというふうに考えております。
  26. 広瀬秀吉

    広瀬委員 これで終わりますが、寒冷地問題、これはやはり年によって相当違う状況も出てまいるわけでありますから、そしてまた、新しい地域で非常に寒くなる、気温が下がるというような変化というものもあるわけですから、弾力的にひとつ考えていただきたいなという要望だけ申し上げまして、終わらせていただきます。
  27. 竹中修一

    竹中委員長 田口健二君。
  28. 田口健二

    田口委員 私は、ただいま提案されております給与関係法案につきまして、賛成の立場から御質問させていただきますが、十分間という時間でありますので、二点に絞ってお答えをいただきたいと思います。  第一点は、早期完全実施の問題であります。  去る八月末の本委員会におきましても、私は、特にこの早期完全実施について総務庁長官並びに官房長官に対してお尋ねをいたしました。それぞれ積極的な御答弁をいただいたというふうに考えておるわけでありますが、現実は、今年度人事院勧告が八月四日に勧告され、この政府方針の閣議決定が十月二十五日、国会に付託をされましたのが十一月二十二日で、きょう本委員会審議がされているわけであります。もう既に四ヵ月以上が経過をしておるわけですね。これは早期実施という点についてはもうほど遠い現状になっていると思いますし、このことは、長い聞こういう状況が続いておるわけでありますから、何らかひとつ制度的にこの早期完全実施ということについて見直していかなければならないのではなかろうかという気がしておるわけでありますが、総務庁長官としてこの問題について御見解がありましたら、お尋ねをいたしたいと思います。
  29. 高鳥修

    高鳥国務大臣 ただいま御指摘のように、勧告を受けましてからこうして法案を御審議いただくまでに相当の日時を要したわけでありまして、私ども総務庁、完全実施をしてまいること、しかも早期に完全実施をしたいという立場を表明してまいりました者といたしましては、大変残念に思っているところであります。  しかしながら、労働基本権制約の代償として人事院勧告を下さる、その勧告を最大限尊重しながら、かつまた現下の厳しい財政事情の中で国民感情等も配慮しながら取り進めていくという現在のやり方についてはベストなものだというふうに考えておりまして、要は、できるだけ早く法案をまとめて提出をし御審議をいただくということを一層努力をしなければならない、このように思っておりますが、制度的に根本的に不都合なところがあるというふうには考えておらないところでございます。
  30. 田口健二

    田口委員 人事院の方にお尋ねをいたします。  勧告を出した側からいって、今長官の方からも人事院勧告制度の趣旨という言葉も使われたわけでありますが、そういう点から考えてみて、勧告の出しっ放しではないと思いますけれども、やはり勧告を出した側の立場として何らかのアクションを起こすべきではないか、あるいは人事院としてもう少し早期実施という点について制度的に検討してみる必要があるのではないかということも含めて、お考えがありましたらお答えをいただきたいと思います。
  31. 内海倫

    内海(倫)政府委員 勧告自体がどういうふうな経過を経てつくられていくかということは、もう先刻御存じと思います。  さて、この勧告国会及び内閣に提出いたしました以後の問題ですけれども、私どもは、勧告の中にも早期に実施をしていただきたい、また、勧告に際しての私の談話の中でも早期実施を要望いたしておるわけでございます。政府におかれましても大変慎重なしかも厳密な検討をされた上で御決定いただいておりますので、私どもとしましては、やはりいろいろな事情もあろうと思いますけれども、そういうふうなことを踏まえながらできるだけ早期に実施していただくことが望ましいとは思っております。  ただ、制度上の問題ということになりますといろいろ問題もあろうと思いますから、私からは、なおそういうことにかかわる意見は差し控えさせていただきたいと思います。
  32. 田口健二

    田口委員 自治省にお尋ねいたします。  本法案が成立をいたしますと、当然地方公務員も国家公務員に準じての改定がなされると思います。大変時期的に切迫をしているわけですね。これはちょっと政府の方に御質問するのを忘れておりましたが、早期完全実施ということは少なくとも年内に改定の差額が支給される、こういう前提に立って私は物を言っているわけでありますが、地方公務員の場合、このままの状況でいった場合に年内に改定の差額が支給できるのか、どういう状況になっているのかわかっておったら教えていただきたいと思います。
  33. 松田研一

    ○松田説明員 地方公務員の給与につきましては、国家公務員給与に準ずるというのが現行制度の建前でございまして、給与改定につきましても、基本的には国の給与改定に準じて行われるべきものと考えております。このような観点から、 去る十月二十五日付の自治事務次官通知におきまして、同日の人勧の完全実施等を決めました「公務員の給与改定に関する取扱いについて」の閣議決定を地方団体に通知しますとともに、国に先行して給与改定を実施しないことといったことなどの一定の留意事項について指導を行ったところでございます。  各地方団体におきます給与改定についての取り組み状況についてでございますが、職員団体との交渉でありますとか地方議会審議等のスケジュール等各団体でばらばらでございますので、現時点で本年度の詳細なことは把握していないわけでございますが、近年の改定状況にかんがみますと、近々のうちに国の一般職給与法等の改正が成立すれば、組合と交渉が妥結していない団体等の一定の団体を除けば一般的には年内に給与改定が実施されるものというふうに考えているところでございます。
  34. 田口健二

    田口委員 それでは、最後の点でありますが、一時金の問題で人事院にお尋ねしたいと思うのです。  これもやはり制度の問題があるのではなかろうか。今年度の場合には、民間における夏期一時金の動向から見て非常に大きな期待を持っておった、ところが今年度の勧告はやはり一時金据え置きである。結局、現行の制度からいって一年おくれということになっていくわけですね。これで果たして妥当であるのかどうかという点で非常に問題があると思うのです。この辺のお考えがあれば一点お聞かせをいただきたい。  と同時に、ことしの夏あるいは今回の年末、この状況を見れば、当然来年度の一時金というのは増額をされた勧告が出てくるだろうというふうに私は確信を持っているわけですが、その辺の見解もあったらひとついただきたいと思います。
  35. 中島忠能

    中島政府委員 一時金の話はもう先生よくおわかりのとおり、ことしの勧告におきましては、昨年五月から本年四月までの民間の支給状況を把握いたしまして、それに基づいて勧告をしたわけでございます。そういたしますと、四・九カ月ということで変わらないことになったわけでございますが、ことしの夏とことしの暮れの民間の支給状況というのが非常にいいということが新聞で報道されるものですから、公務員についても何とかならぬかという御要望はごもっともだというふうに思います。ただ、公務員の世界でそれに対して何か制度的に対応できるのかということになりますと、やはり責任を持つ人事院といたしましては推計値に基づいて勧告をするというわけにもまいりませんので、実は私たちも非常に悩みの多い問題だというふうに考えておりますが、現在のところ、今の方式以外にはないのではないかというふうに思います。先生を初め関係者の方々から新しい御提案でもあれば、私たちは十分聞かしていただきたいというふうに思います。  なお、来年のことでございます。来年はどういうふうになるかということにつきましてこういう公の場で物を申し上げることは差し控えたいと思いますが、来年につきましても、私たちは民間の支給状況というものを正確に把握いたしまして勧告作業に臨みたいというふうに考えております。
  36. 田口健二

    田口委員 以上で終わります。ありがとうございました。
  37. 竹中修一

    竹中委員長 井上和久君。
  38. 井上和久

    ○井上(和)委員 初めに、文部省にお尋ねをいたしたいと思います。  リクルートコスモス株の譲渡の疑惑ということで大変問題になっております高石前文部事務次官に関しましてお尋ねをいたしたいと思いますが、高石氏は今年六月に文部省を退官なさっておるということでございます。まず、この高石氏の退職金は幾らであったのか、お伺いをいたしたいと思います。
  39. 奥田與志清

    ○奥田説明員 お答え申し上げます。  先生お尋ねの件につきましては個人にかかわることでございまして、大変恐縮でございますけれども、これまで額は申し上げないことにいたしておりまして、大変恐縮でございます。
  40. 井上和久

    ○井上(和)委員 プライバシーであるということでございますが、これについての議論は差し控えるといたしまして、何年勤められましたか。これはいいでしょう。
  41. 奥田與志清

    ○奥田説明員 三十四年でございます。
  42. 井上和久

    ○井上(和)委員 それでは総務庁にお聞きをいたしたいと思います。  高石氏のような方の場合、これだったらいいと思うのですが、公務員の給与法に基づきまして計算をされたとすると、退職金はどのくらいになるか、算出方法も含めてお伺いをいたしたいと思います。
  43. 勝又博明

    ○勝又政府委員 退職手当の額につきましては、先生御案内のように、退職日におきます俸給月額、それから退職日におきます年齢、それから在職年数、それから退職事由というものをもとにして算定されるものでございますので、一概には申し上げにくいわけでございますが、例えば年齢六十歳、勤続年数三十年あるいは三十五年ということを例にとって申し上げますと、例えば勤続三十年でございますと勧奨退職では五十四・四五月分、三十五年では六十二・七月分、これが勧奨退職の場合の支給割合でございます。
  44. 井上和久

    ○井上(和)委員 文部省、高石氏は勧奨扱いの退職だ、こんなことを聞いたのですが……。
  45. 奥田與志清

    ○奥田説明員 先生の仰せのとおりでございます。
  46. 井上和久

    ○井上(和)委員 このことについてでございますが、この事務次官の在職中に衆議院の福岡三区から出馬するということが省内においては事実上もうみんな知っている、こういうふうに言われておったというふうにも聞いておるわけであります。本人も出馬の意向というものを明らかにされておったようにも聞いておりますし、六月に退職されるその三月でしたかに、ある報道機関質問というかインタビューを受けたときにもそれに相当するような御答弁をみずからされたというふうなことも聞いておるわけであります。総務庁が六十年四月に長官名で「国家公務員退職手当法の運用方針」という通達を出しておられまして、その中で「退職の主たる理由が選挙に立候補するためのものであることが明らかである場合には、勧奨退職としては取り扱わない」こういうふうなことが通達の主たる趣旨だったというふうに思うわけでありますが、この高石氏の場合の勧奨の退職ということについて総務庁はどういうふうにお考えでございましょうか。
  47. 高鳥修

    高鳥国務大臣 ただいま委員指摘のように、当庁の通達として「退職の主たる理由が選挙に立候補するためのものであることが明らかである場合には、勧奨退職としては取り扱わないものとする。」というふうに各省庁に申し上げておるところでありますが、個別の事案の御判断についてはそれぞれの省庁の責任において行われることでありますので、私どもといたしましては、特にこの通達の趣旨を踏まえ、国民の疑念を招かないように慎重に取り扱っていただきたいというふうに考えております。
  48. 井上和久

    ○井上(和)委員 結局、この場合について総務庁としては認めたということなんですか。
  49. 高鳥修

    高鳥国務大臣 認めるか認めないかということは私どもの判断できることではございませんで、勧奨退職にするかしないかは専らその所管の省庁の責任において行うということでございます。私どもは、そうした取り扱いについて十分慎重を期していただきたいということを念のため申し上げておるというところでございます。
  50. 井上和久

    ○井上(和)委員 「退職勧奨の記録」のことなんですが、六十年四月以降、各省庁から「退職勧奨の記録」を、これは総務庁に届け出るというものではないというふうな話も今聞いたのですが、この退職勧奨の記録に関する総理府令というのですか、これがあること、この背景等についてちょっとお伺いをしておきたいと思います。
  51. 勝又博明

    ○勝又政府委員 退職勧奨した場合に総務庁に届け出をすることになっておりませんが、先生ただいま御指摘のように、退職勧奨いたした場合には 記録を作成するということになっておるわけでございます。その趣旨は、六十年に定年制を導入した際にこのような規定を設けたわけでございますが、勧奨退職制度の運用の一層の適正化を図るという趣旨で出たものでございます。
  52. 井上和久

    ○井上(和)委員 続いて、この記録のことなんですが、書式がちゃんと決まっておると思うわけなんですが、どういうふうな書式になっておりますか。
  53. 勝又博明

    ○勝又政府委員 記録の書式は総理府令で定まっておりますが、簡単に記載事項を申しますと、「氏名」、「生年月日」、「採用年月日」、「退職年月日」、「勤続期間」、それから「勤務官署・職名」、「俸給月額」、「退職勧奨年月日」、「職員の応諾年月日」、「退職勧奨の理由」などでございます。
  54. 井上和久

    ○井上(和)委員 ちょっと早口で申されたので聞き取りにくいのですが、「退職勧奨の理由」という欄はございますね。
  55. 勝又博明

    ○勝又政府委員 いわば氏名、生年月日等の事実関係とは別に「退職勧奨の理由」という欄を設けてございます。(井上(和)委員「あるんですね」と呼ぶ)はい。
  56. 井上和久

    ○井上(和)委員 この理由のところで高石氏の場合の理由はどういうふうに書いてございましょう。
  57. 奥田與志清

    ○奥田説明員 ただいまお話がありました「退職勧奨の記録」の上では、簡潔に「後進に道を譲るため」と書いてございます。
  58. 井上和久

    ○井上(和)委員 「後進に道を譲るため」とお書きなんだそうでありますが、先ほども若干触れました「国家公務員退職手当法の運用方針」の中の「退職の主たる理由が選挙に立候補するためのものであることが明らかである場合には、勧奨退職としては取り扱わないものとする。」ここで言う「明らかである」ということは、理由の中に明確に選挙に立候補するということがあるというだけに限るということなんでしょうか。そのことについてどうでしょう。だから、そういう事実はみんながそういうふうに思っていたとしても、その書いてある文字自体がそうでなかった場合にはそれはそのとおりなんだというふうに扱うということなんでしょうか。
  59. 勝又博明

    ○勝又政府委員 退職を勧奨退職とするかどうかはあくまで任命権者の御判断でございますが、私どもといたしましては、勧奨の事実があり、それによりまして退職の意思が形成されたというような場合には、これは勧奨に当たるものというふうに解釈しております。
  60. 井上和久

    ○井上(和)委員 結局、そう書いてあるからということがやはり強いというふうな感じを受けるわけなんでありますが、御案内のとおり、五十四年でしたか、北海道庁を退職された公務員の方が市長選に出馬をしたために、勧奨扱いを受けていたことに対しまして、札幌地裁が勧奨には該当しないとして優遇分の七百四十七万円の返還を命ずるという判決を出したということがあるわけなんであります。総務庁としてはこれを認めていないということでありますから、そういうふうになれば別に問題にはならないかと思いますけれども、こういうふうな公然といいましょうか、多くの方々がそう思わざるを得ないし、思っておる、また、この高石氏の場合のように、六月に退官をされるその三月のときに既にそんな話をされて、しかも七月には正式な出馬表明をする、こんな状態になってまいりますと、その退職の勧奨のときにこれが抵触をするというふうに考える方が私は筋じゃないのか、道理じゃないのかという気がするわけなんですが、こういうことについて今後の考え方についても、できましたら総務長官の御所見を伺っておきたいと思います。
  61. 高鳥修

    高鳥国務大臣 他の省庁で御判断なさったことにつきまして私の方から批判がましいことを申し上げることは差し控えなければならないと存じますが、委員が御指摘なさるようなケースについては各省庁とも十分慎重であってほしいというふうに考えております。
  62. 井上和久

    ○井上(和)委員 この資料によりますと、高石氏は、文部事務次官在職中の出張についてですが、報道もされておりますように福岡にたびたび行かれております。  特に、具体的に申し上げますと、六十二年の五月に九州大学の民主教育協会講演会あるいは文教施設の視察、そして同じ六十二年の十一月に九州大学で七国立大学長会議に出席をして、同じく六十三年の三月にはまた九州大学の施設の視察というふうにあるわけなんですが、こんなに視察というものが同じ大学に対してたびたびやられるものなのか。視察はされたらいけないということはないわけでありますけれども、同じところへこんなに短期間にたびたび視察をしなければ、一度行ったのではそういうことは済まなかったのかということを疑問にも思うわけであります。  具体的にお伺いをしますと、例えば六十二年の五月の文教施設の視察というのと六十三年三月の同じ大学の施設の視察というのはどういうふうに具体的な視察が違っていたかというか、どういうことを視察されたのか、これを具体的にお聞かせ願いたいと思います。
  63. 奥田與志清

    ○奥田説明員 御説明申し上げます。  六十二年の五月の御指摘の件ですが、お話がございましたように民主教育協会の講演で、九州大学で開かれたものでございますからそちらへ参りまして、その際、六十三年度以降の九州大学の整備計画等についての懇談をしたというふうに聞いております。  そしてまた、六十三年、本年でございますけれども、三日二十二日に参りましたのは、これは主たる目的と申しますか、第十回の全国選抜高校庭球大会、この開会式に参りまして、その際、この近くにございます九州大学の粕屋演習林の視察をしたということでございます。
  64. 井上和久

    ○井上(和)委員 もっと詳しくお伺いもしたいのでありますが、官房長官お見えでございますので、長官にお伺いをいたしたいと思います。  綱紀粛正の問題につきまして、「官庁綱紀の粛正について」という公務員の粛正措置を閣議決定されまして、今回の事件を通じましての態度というか対策措置をおとりいただいたということだと思うのでありますが、簡単にお伺いいたします。  まず、今までも何回か粛正についてのお話は、例えば四十八年でしたか、それから五十四年というふうに何回もなされているわけでありますが、これを何回も出さなければならないということは何回も残念なことが起こったということだと思うわけであります。今回お出しになって今度こそといいましょうか、お出しになったときの決意というか意義についてまずお伺いをいたしたいと思います。
  65. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 最近公務員の不祥事が発生し、国民の不信を招いていることはまことに遺憾でありまして、改めて綱紀粛正の徹底を図る必要があると考えた次第でございます。十三日の閣議におきまして総理から同趣旨の御発言がありまして、政府全体として受けとめ、厳正に対処するため、十六日の閣議において綱紀粛正策の大綱を閣議決定いたしたところでございます。綱紀粛正について総理の御発言を受けて閣議決定をいたしましたのは昭和三十二年以来、こういうことでございまして、こうした事態が起こりましたことは大変残念のきわみだと思っております。  いずれにいたしましても、この閣議決定を受けまして、官房長官通知を発しまして事務次官会議を開催いたしまして、その周知徹底をいたすよう指示したところであります。各省庁におきましてはこの内容を徹底するようそれそれ職員、関係機関に通知いたしたと聞いておりまして、綱紀粛正の実効が上がりますように早急に具体的措置をそれぞれ各役所におきましてもいたすものと確信をいたしておるところでございます。
  66. 井上和久

    ○井上(和)委員 ぜひ徹底をされたいと思うのですが、ただこれらの過去の文書と今回のを比べて読んでみましても、これはすごくなったなという感じはせぬのであります。初めの四十八年の分につきましても非常に厳しい表現もありますし、また五十四年の分などを見ましても、根絶するというような表現もあるし、すばらしいことが徹底さ れたというふうに理解できるものが見られるわけであります。けれども、またこれを出さなければならないということになりますと本当に大変なことだと思いますし、同時にこれは、政治不信というものは基本的には我々政治家がもちろん反省をしなければならない大きな問題でもあろうと思いますし、同情に公務員の方ももちろん綱紀の粛正ということは図っていただかなければならないというふうに思うわけでございます。  これは新聞にも報道もされましたけれども、マンスフィールドさんが辞任をされるのに当たって何か記念品でも差し上げようかということが総理からお話があって、その段取りをしていたのだけれども、どうも二百ドルでしたか以上の物品は絶対に受けないのだという決まりがアメリカにはあって、だからそんなことはちょっとお受けできにくいというようなこともあったのでやめたというふうなことを聞いたのですが、これは本当だったのですか。
  67. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 アメリカの公務員に対する贈答その他につきましては大変厳しい制約があるようでございまして、相手方に御迷惑がかかってはいけないことでございますので、十分配意したつもりでございます。
  68. 井上和久

    ○井上(和)委員 この一事を見ましても思うのですが、例えばこの場合ですと、二百ドルなら二百ドルという金額がきちっと明示をされておりますので、ああ、これはそれ以上だ、これはそれ以下だという目安もできるでありましょうし、話が非常に具体的だというふうに思うのです。この通達を見ましても、何回も通達をお出しになるのですが、そのなる中でも表現が結局あいまいというか、とりようによるような表現が多いのじゃないかというふうに思うのです。だから、例えば何円なら何円という具体的なものをもっとお出しになると進んでいくというのが、この一つの例からも明らかじゃないかという気がするのですが、今後その具体的なことについてお考えがもしありましたら、お伺いをいたしたいと思います。
  69. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 先生、アメリカの例を引かれましたけれども、正確に事実関係を掌握しておりませんが、恐らく議会で各種の法律に基づいてそういう規制をされておるのじゃないかというふうに思っております。  政府といたしましては、公務員に関して、今御指摘のように詳細にわたってその制限をすべきだということもお考えとして理解できますが、すべてそれぞれどの辺にメルクマールをつけるかということにつきましてはなかなか難しい問題だろうと思います。要は、基本的には、この私が官房長官として発しております文章に指摘をされておるようなことを十分承知をいたしましてそれぞれ個々の公務員が対処していただければ、国民の指弾を仰ぐことはないというふうに確信いたしている次第でございます。
  70. 井上和久

    ○井上(和)委員 時間が参りましたので、終わりたいと思います。ありがとうございました。
  71. 竹中修一

    竹中委員長 川端達夫君。
  72. 川端達夫

    ○川端委員 長官、総裁、よろしくお願いします。時間が限られておりますので、通告をして質問がない場合は御容赦いただきたいと思います。  初めに、人事院総裁にお伺いしたいのですが、今までのきょうの委員会でも公務員の綱紀粛正云々という部分がややもすると非常に話題になりがちなんですけれども、実際に私考えますに、ほとんど大多数の国家公務員皆さんは日々お仕事に懸命に努力をされ、頑張っておられるというふうに思うのです。そういう意味で、意欲を持って国民の期待にこたえる仕事をしていただくというのが国民も期待をしておることなんです。そういう中で、最近内海総裁の御発案で、人事院総裁賞を制定されたというふうに伺っております。このことに関しては、公務員の皆さんのそういう努力が報われる、評価をされるという意味で、初めてこういうことをされたというのを非常に高く評価しているものなんですけれども、この経緯あるいは目的、選考の基準等々についてお尋ねをしたいと思います。
  73. 菅野雄

    ○菅野政府委員 国家公務員は、強い使命感を持ちまして、国民生活の向上、安定という行政目的の達成のために日夜それぞれの職場において職務に専念しておるわけでございますが、これらの中には、多年にわたって困難な仕事一筋に勤めてきた方、離島その他の僻地で精神的にも肉体的にも苦労の多い職務に従事していた方などがございます。これらの方々の苦労や努力を人事院総裁として評価し、たたえたいという総裁のお考え方から、人事院創立四十周年を機会に、今回の賞を設けたものでございます。  選考に当たりましては、各省庁から、これらの職務を通じて、不断の努力により国民の公務に対する信頼感を確保し、増進させ、あるいは公務及び公務員の役割を国民に理解してもらうことに特に寄与している職員及び職場を推薦していただき、その中から、各層の有識者六名による選考委員会答申を経まして、受賞者として個人五名、職域五グループを決定いたしたものでございまして、十二月七日に表彰式を行っております。  なお、この顕彰は今後も継続していきたいと考えております。
  74. 川端達夫

    ○川端委員 そういう趣旨で、ぜひとも地道に働いておられる方々の意欲の向上というものを図っていただきたいというふうに思います。  総裁は、就任以来実際の現場をいろいろと歩いて、現地の方々との懇談等々あるいは視察等々で積極的に回っておられるというふうに伺っております。非常に御立派だと思いますが、実際ごらんになって、そういう仕事あるいは職場環境を含めてどのような御感想をお持ちなのか、簡単にちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
  75. 内海倫

    内海(倫)政府委員 御存じのように、国家公務員というのは国民皆さんに接する機会が割合少ないわけでございます。とりわけ地味な仕事をしておる人たちというのは、ある意味からいえば国民皆さんからはなかなかわかっていただいてないと思います。そういう意味で、私自身も果たして十分、国家公務員の諸君がどういうふうな縁の下の力持ち的な仕事をしているのかということはわかりませんし、これはぜひ見せてもらいたい。各省ともいろいろ相談しまして、そういうふうな目につかないところで実は本当に国民皆さんのために努力しておる公務員の姿をできるだけ私の目で見たい、そしてまたそういう声を聞きたいということで、あちらこちらを見て回ったわけでございます。  実際に見てみますと、単に報告とかあるいは書類等で見るよりももっともっと厳しい条件のもとで仕事をしております。これは私どもだけでなく、国民皆さんにもこういう実態は知っていただく必要があるということを私も痛切に感じました。表にはなかなか出ておらない国家公務員の姿でございますが、こういうものを知っていただくことを通じてまた公務員への国民皆さんの理解も進むもの、私は現場を見ながらこういうふうに痛感をいたしました。今後もそういうふうな姿をぜひ私も見、また皆さんにもお知らせをしていきたい、こういうふうに思っております。
  76. 川端達夫

    ○川端委員 今法案でかかっております給与の問題あるいはこの前通りました土曜閉庁の問題を含めて、基本的にまさに国家公務員皆さん方は国民の財産といいますか、支える仕事をしていただいておるわけですから、そういう部分での国民皆さんと現場の人とのお互いの理解というものが前提でないと、例えば土曜閉庁の問題にしても今回の給与改定にしても、意思疎通を欠くといろいろ余分な問題を起こしてしまう。あるいは綱紀粛正にしてもまさにそういう一面だと思います。そういう意味で、今総裁がお述べになりましたような観点からも、本当の実態国民が十分理解できるように御努力を要望しておきたいと思います。  それから、防衛庁にお尋ねをしたいのですが、現在防衛庁の職員給与法で、いわゆる予備自衛官に関してなんですけれども、予備自衛官手当月額四千円、訓練招集は一日五千六百円ということになっているのです。諸外国の例あるいは一般に、例えば一日行って五千六百円というのはいか にも低額ではないかな。しかも、予備自衛官ですからほかにお仕事をお持ちになっている。訓練の招集があって予備自衛官が訓練に行くというときになると、仕事を休まなければいけない。こういう部分からいうと、月額の四千円あるいは訓練招集が一日に五千六百円というのはいかにも安いのではないかというふうに感じるわけですけれども、この点についてはどのようにお考えになっているのでしょうか。
  77. 田澤吉郎

    田澤国務大臣 御指摘のように、予備自衛官についての手当あるいはまた訓練招集手当等については確かに低い段階にございますけれども、私たちとしては心を配りながら年々値上げをしてまいっているわけでございます。将来も、機構も含めて十分検討してまいらなければいけない、かように考えております。
  78. 川端達夫

    ○川端委員 予備自衛官は定足にもなかなか到達しないというふうな非常に環境の厳しい中でもありますし、逆に、本来的に期待する役割というのは非常に大きいという部分では十分な御配慮をお願いしたいと思います。  それから、これはかねがね我が党が主張し、なかなか進展をしない問題の一つなんですけれども、防衛庁に限って言いますと、職員給与法の三十条で、有事において出動を命ぜられた職員に対する手当等については「別に法律で定める。」というふうに書いてありまして、有事法制研究でもその部分は法の手当てをしなければいけない部分というふうに明記をされているわけですが、手当を別に法律で定めるということ以上の進展がいまだにないという部分に関して、どうしてそういう状況のままなのか、どういうふうにお考えなのか、長官にお尋ねをしたいと思います。
  79. 田澤吉郎

    田澤国務大臣 御指摘のように、いわゆる有事給与の問題は、今お話しのように防衛庁職員給与法の三十条に法的な根拠を置いておるわけでございますので、これを特にこれから制定してまいらなければならないのでございます。したがいまして、防衛庁としましては有事法制の一環としてこれまでも努力をしてまいっておるわけでございます。これからも努力してまいらなければなりませんけれども、御承知のように、これはいわゆる高度の政治判断を必要とするものでございます。したがいまして、国会の御審議だとかあるいは国民世論等の動向をよく踏まえながら今後これを制定してまいりたい、かように考えておりますので、その点御理解をいただきたい、こう思います。
  80. 川端達夫

    ○川端委員 時間がほとんどないので議論をするわけにいかないのですが、この有事法制の問題、いわゆる今の三十条のように法的にも制定をしなさいという部分と、それから各省庁間で法整備をしなければいけないというふうな問題と、どこが担当するのかもはっきりしないけれども問題であるというふうな研究は既に五十六年に終わっている。そういう中で、今の御答弁はかねがねの答弁と変わらないわけですけれども、そういう状態を続ける中で実際に有事というものに対応できるのかどうかということに関しては、私は対応できないだろう。逆に言うと、あってはならないことですけれども、有事というものを考えたときには、まさに超法規的な処置をとらざるを得ないということしか言えない。それが逆に言えば国会を軽視したものでしかないということでは、防衛庁長官としても今までの枠を超えて、国民世論の喚起といいましても何もしなければ、だれも動かなければだれも動かないわけですから、そういう部分ではぜひとも具体的に、要するに研究会の次の段階はどうあるべきなのかということに関して御検討をお進めをいただきたいというふうに要望しておきたいと思います。  それから、最後になりましたけれども、土曜閉庁法案が参議院でも成立をいたしました。実施、施行までにもう一ヵ月もない、あとほんの十日ほどという期間に迫ってきたわけですけれども、円滑な施行のために現在どういう状態になっているのか、あるいはPR等々含めての準備の状況等についてお伺いをしたいと思います。
  81. 勝又博明

    ○勝又政府委員 お答えいたします。  まず準備の方でございますが、土曜閉庁の導入に伴いまして行政サービスの低下を来してはいけないわけでございますので、そのため、緊急時におきます業務体制の整備その他の工夫につきましていろいろ検討を進めておるところでございます。また、土曜閉庁の導入に伴いまして勤務条件の改正があるわけでございますが、これにつきましても、それぞれのところにおきまして訓令の改正等の見直しを行っているわけでございます。  一方、土曜閉庁の導入に伴います国民への周知でございますが、これまで総務庁におきましては土曜閉庁導入の趣旨につきまして各般のPRを行ってきたわけでございますが、今後は、閉庁する土曜日、それから閉庁官署の範囲、こういったものを具体的に告知、PRしていく必要があるだろうと思っておりまして、テレビ、新聞、雑誌等を通じました従来からの媒体によるPRにあわせまして、共通のポスターというものを総務庁で作成いたしまして各官署に配付し、必要な箇所に掲示してもらうよう目下準備中でございます。なお、個々の官署におきましても、必要な印刷物の配付、添付等々諸般の周知方法を考慮、実施中でございます。
  82. 川端達夫

    ○川端委員 時間が来ましたので終わります。どうもありがとうございました。
  83. 竹中修一

  84. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 最初に、先ほど問題提起されました高石前文部次官に対する退職手当金の問題です。  高石前文部次官は、ことしの六日に退職するわけですけれども、三月には事実上の出馬表明をする、それから役所にいたときからいろいろと選挙の準備活動である行為を行ってきた、このことから選挙に出馬する意図は明らかでありました。しかし文部省は、この自己都合による退職を勧奨扱いにして、答弁はされませんけれども、計算をいたしますと、本来四千九百六十万円の自己都合退職金にすべきものを千六百二十万円割り増しする勧奨退職金六千五百八十万円を支給されているということが推定されるわけであります。  総務庁の通達では、「退職の主たる理由が選挙に立候補するためのものであることが明らかである場合には、勧奨退職としては取り扱わないものとする。」としております。この問題について総務庁長官は、個別の事案については各省庁の判断である、こうおっしゃいました。しかし、このような通達を出した総務庁としては、高石前文部次官の勧奨退職扱いというのはこの総務庁の通達に抵触するものではないか、そういう問題意識は持っておられますか。
  85. 高鳥修

    高鳥国務大臣 ただいま柴田委員がおっしゃいましたように、それぞれの退職を勧奨扱いにするかどうかについては各省庁の御判断にゆだねられているところでございますので、その御判断について適当であるかどうかということを、私の立場で批判がましいことを申し上げることは適当ではないというふうに考えておりますが、特に当庁といたしましては、職員が退職後選挙に立候補するというようなことが明らかであるような場合には、通達の趣旨を十分踏まえて、国民の疑惑を招かないような対処をしてほしいというふうに考えております。
  86. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 前の後藤田総務庁長官は、私の質問に対して、在職中に選挙に出る意図がはっきりしている場合は本人の意思で出るのだから勧奨退職条項を適用するのはおかしいという趣旨答弁をされております。この長官答弁に従いますれば、退職手当法運用方針の通達の趣旨は極めて明確であると思うわけであります。総務庁の考えは、各省庁に物が言いにくいという趣旨答弁になっておりますけれども、総務庁としては通達をちゃんと守らせる、自分で出しているわけですからそれを守らせるということはいろいろな機会にやられるということがあってしかるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
  87. 高鳥修

    高鳥国務大臣 ただいま申し上げましたように、個別の事案についての判断はそれぞれの省庁の責任において行うことでございますが、この通達が守られますように私どもといたしましては今 後とも十分対処してまいりたいと思います。
  88. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 そういう御決意はお伺いしますけれども、通達が出されたその後においても、各省庁の勧奨退職扱いというのは実際上通達を守るものになっていないというように見られるわけであります。私も調べてみました。通達が出された後で、立候補の意図が明らかでありながら、退職し勧奨扱いの退職金を受けた高級公務員には、今言いました文部事務次官、それから建設省、農水省、北海道開発庁の各次官があります。そして、当の総務庁の次官があるわけであります。このほかにも、通産省の特許庁総務部長、防衛庁の航空自衛隊幹部学校長、それから農水省の構造改善局次長、私が調べただけでも八名が判明しているわけであります。この運用方針の通達が守られているのか。選挙に出る者を勧奨扱いにしている実態調査して、通達を厳正に守るように、こういうような指導をするためにもこれらの実態を徹底的に調べることが必要であると思いますが、いかがですか。
  89. 高鳥修

    高鳥国務大臣 総務庁の前次官の退職のことについて御指摘をなさいましたので、これはみずから身を正さなければならない立場にございますのであえて御説明を申し上げたいと存じますが、実は藤江次官は、昨年の暮れあたりから後進に道を譲るべきかどうかにつきまして私の方といろいろ話し合いをいたしておりました。具体的には個人情報保護法案、それからまた週休二日制の問題、さらには行革審の意見具申、これらの問題を抱えておりましたので、それらが一区切りついた段階でひとつ身を引いたらどうかということを私は申しておったところでございます。したがいまして、三月の二十七日ごろであったと思いますが、北海道に視察に参りました時点におきまして、後任は古橋官房長ということを私が記者団との懇談会で発表いたしました。その段階においてはもちろん立候補のリの字もなかったわけでございまして、その時点からもう勧奨を明らかにしておったところでございます。なおかつ、これは外部には今まで申しておりませんが、実は人事関係の問題が若干ございまして、それらの整理をつけた上で、おぜん立てをして自分は身を引くということを申しておったところでございますので、立候補とは全く関係ございません。  退職をいたしました後、実は軍恩連の方から何とか候補になってくれないかという話があったけれども断りましたという報告も一回受けております。私はやめておけと言ったのですが、本人がついに抜き差しならなくなりましたと言ってその後もう一回やってきて、いわば担ぎ出されたという状況にございますので、退職時点においては立候補ということは全くなかったというふうに私は承知をしております。これは責任を持って申し上げることができます。  他の省庁につきまして今後この通達が守られますように、私どもといたしましてはいろいろな機会に努力をしていきたいと考えております。
  90. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 まだ疑問が残って言いたいこともありますけれども、時間が限られておりますので、この程度にしておきます。  それで、一般職給与法寒冷地手当法改正の問題ですが、問題点を指摘いたしますと、一つは、今までは一緒に勧告が出されても二つの法律改正案をつくって改正するということがやられた。今度は一本にした。これは結局、今の段階で審議をしなければならない、給与法を上げなくちゃならないということで重大な寒冷地問題の審議が実際上できなくなるということで、こういう出し方というのは重大な問題だということであります。  それから次に、北海道、東北地方で生活する人にとっては、灯油というのは一般的な生活必需品というだけではなくて、厳寒から人間の命を守るという役割を果たすものでありますし、労働条件上重大な問題であるので、労働組合の合意を得なくちゃならぬというように思いますけれども、そういう点についての協議が不十分であったという問題。  それから、寒冷地手当の問題について北海道大学教職員組合などが調べた調査によりますと、人事院が調べたこの使用量、こうしたものとはるかな差がある。それから次に、消費者協会の暖厨房調査では、一九八〇年代以降に北海道灯油使用世帯が五%低下して、電力使用世帯が六%上昇している。こうした変化が考慮されているかどうか。それから総務庁の家計調査年報によりますと、昭和六十二年度の青森市の灯油支出は五万二千二百五十一円、東京の灯油支出は五千四百三十三円で、青森の方が四万六千八百十八円多い。これは、寒冷地なるがゆえに暖房のために支出を余儀なくされるものである。ところが今回の法案では、青森では加算額を減らして一万六千五百円にする。灯油価格が下がっているという実態だけではなくて、灯油使用の実態を果たして考慮しているのか、こういう問題があるわけであります。  要するに、私は、一方的な考え方、いろいろな資料を十分に検討していろいろな討論をしてやらなければならない問題を、自分たち資料だけで切り下げるというのは、これは寒冷地勤務の公務員労働者の実質生活を切り下げるものであって、許されない問題であるということを指摘しておきます。あと一分ぐらいありますから、何か……。
  91. 勝又博明

    ○勝又政府委員 先生指摘の第一点についてお答え申し上げます。  今回の給与法及び寒冷地手当改正は去る八月四日の人事院勧告に基づくものでございますが、いずれもその内容は民間給与への準拠でございまして、いわば情勢適応の原則に従ったものでございます。一方は俸給表の額を、他方は寒冷地手当加算額を適正な額に改めるという同一の趣旨、同一の目的によるものでございますので、これを一括して改正法案として御提案させていただいたところでございます。
  92. 柴田睦夫

    柴田(睦)委員 終わります。
  93. 竹中修一

    竹中委員長 これにて三法案に対する質疑は終了いたしました。     ─────────────
  94. 竹中修一

    竹中委員長 この際、一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案に対し、柴田睦夫君外一名から修正案が提出されております。  提出者から趣旨説明を求めます。浦井洋君。     ─────────────  一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案     〔本号末尾掲載〕     ─────────────
  95. 浦井洋

    ○浦井委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、ただいま議題になっております一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案の提案理由とその内容概要を御説明申し上げます。  政府提出法案は、全く別々の法律改正を一本の改正法案として提出していますが、これは国会審議権を制約する不当な手法であることを初めに指摘しておきます。  さて、政府案には、不十分ながら一般職職員給与を人勧に基づいて平均二・三五%引き上げ改善部分と、北海道、東北地方の寒冷地の中でも、特に厳しい地域に勤務する職員支給する寒冷地手当加算額を切り下げるという改悪部分があります。本修正案は、政府案の改悪部分である寒冷地手当加算額切り下げ部分を削除するものであります。  政府は、加算額を切り下げる理由に、灯油価格の値下がりを挙げていますが、北海道、東北地方で生活する人々にとって、灯油は一般的な生活必需品にとどまらず、厳しい寒さから命を守るという特別な役割を果たしているのであります。この重要な物資購入にかかわる手当を削減するというからには、それ相当な慎重かつ十分な検討、また当然のことながら、該当労働組合との合意が前 提になければならないことは言うまでもありません。にもかかわらず、労働組合との合意もなく、また、年間灯油使用量についても人事院と関係労働組合との調査には大きな開きがあります。さらに、暖房器具の多様化によって使用燃料が変化していることについても考慮されていないなど、加算額切り下げ根拠は極めて不十分であり、多くの問題点を抱えています。こうした問題点を抱えたまま加算額を切り下げることは、結局公務員労働者に負担を強いて、その生活水準を切り下げることになるのであります。  一九八〇年以来、これまで九回の人事院勧告が行われましたが、うち四回の人勧を政府は値切った上に、特地勤務手当、特別調整額、そして今回の寒冷地手当と、次々と各種手当を切り下げ、公務員労働者に犠牲を強要してきました。これが臨調・行革審の総人件費抑制路線に沿ったものであることは明白であります。  本修正案は、寒冷地手当加算額の切り下げをやめさせ、厳しい寒さと闘いながら働く公務員労働者とその家族の生活を守るために提出するものであります。よって、修正案の内容は、政府案の寒冷地手当に関する表題部分及び第一条の前の見出し部分並びに第三条を削除するものであります。  なお、この修正案に要する経費は約二十四億円と見込んでおります。  委員各位の御賛同をいただき、速やかに可決されますことを要望いたしまして、修正案の趣旨説明を終わります。
  96. 竹中修一

    竹中委員長 これにて修正案についての趣旨説明は終わりました。  この際、本修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。高鳥総務庁長官
  97. 高鳥修

    高鳥国務大臣 ただいまの一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案につきましては、政府として反対であります。     ─────────────
  98. 竹中修一

    竹中委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。  まず、柴田睦夫君外一名提出の修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  99. 竹中修一

    竹中委員長 起立少数。よって、柴田睦夫君外一名提出の修正案は否決されました。  次に、原案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  100. 竹中修一

    竹中委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、特別職職員給与に関する法律及び国際花と緑の博覧会政府代表設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  101. 竹中修一

    竹中委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  102. 竹中修一

    竹中委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ─────────────
  103. 竹中修一

    竹中委員長 この際、ただいま議決いたしました各案中、一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案に対し、近岡理一郎君外三名から、四派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨説明を求めます。竹内勝彦君。
  104. 竹内勝彦

    ○竹内(勝)委員 ただいま議題となりました自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合の各派共同提案に係る附帯決議案につきまして、提案者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   寒冷地手当制度の趣旨にかんがみ、政府並びに人事院は、寒冷積雪地における公務員の生活実態に配慮し、今後における燃料価格動向に対応して、必要に応じ寒冷地手当加算額の適切な改善を行うべきである。  本案の趣旨につきましては、当委員会における質疑を通じて既に明らかになっておることと存じます。  よろしく御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  105. 竹中修一

    竹中委員長 これにて趣旨説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  106. 竹中修一

    竹中委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することを決しました。  この際、総務庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。高鳥総務庁長官
  107. 高鳥修

    高鳥国務大臣 ただいまの一般職職員給与等に関する法律及び国家公務員寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、政府として今後とも検討し努力してまいりたいと存じます。     ─────────────
  108. 竹中修一

    竹中委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  109. 竹中修一

    竹中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ───────────── 〔報告書は附録に掲載〕     ─────────────
  110. 竹中修一

    竹中委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時二十八分散会