○川端
委員 今
長官がおっしゃったとおりに、各
省庁がなぜこういうことをしなければいけないのか、
総務庁にそういうことをぐだぐだ言われなければいかぬのかということが、まさに
個人の
プライバシーを
保護するという観点に立った理念というものがまだ十分に徹底していないのではないか。したがって、木を見て森を見ずというか、非常に細かい部分の
行政の
立場だけですよということで、技術論を中心とした仕組みになっているから余計そういう部分での
理解が得られにくい、こういうことではないかなというふうに思います。
きょう本
委員会に来ましたら、人事院月報というのがここに並べて置いてありました。たまたま今読んでおりましたら、一番初めのページの裏に「I種試験の合格者を発表」、一種の宣伝ですね、こういうのが載っている。その中で、合格者が云々とありまして、「二八試験区分のうち三区分(
行政、心理、畜産)で」女性が「トップ合格しています。」こういうふうに書いてあるのですね。その前段は、女性が非常にたくさん、百五十人と史上最高になって、その中で三つの分野でトップで合格しておられます、こういうふうに書いてある。
そうすると、先ほど来の
議論で、いわゆる入学試験は本人に知らせるのか知らせないのかとかいろいろな
議論があった。そのときに、I種の公務員試験の、個々人の名前ではないですけれ
どもこういう記事が載る。読みようによって、この分野とこの分野とこの分野で女性がトップであったということ自体は、
個人の
情報管理といういわゆる
プライバシーということでいうとかなり慎重にすべき
情報であるはずなんです。そういう部分が割に安易にぽこっと書いてあるわけですね。例えば、この分野で女性の合格者が何人おられるのか知りませんけれ
ども、そのうち三人であれば、あの人がトップであろうか、この人がトップであろうかということが類推をされてしまうわけですね。ということは、トップで通ったのが名誉だと思っている人はいいですけれ
ども、不名誉だと思っている人もいるかもしれないわけです。そういう
個人の
情報という部分に関しての
理解、それからきちっと守らなければならないという理念、こういうことがまだまだ不十分である。そういう中でこの
法案ができるということに、
前進であるという意義は認めるのですけれ
ども、その理念を本当にするには
法案の中にきちっとすべきではないのかなということを非常に思うわけです。
そういう意味で、
前進をするということ自体に関しては一応の
評価をしたいと思うのですが、先ほど
長官も、これから時代の流れの中で見直しも
考えていきたいというふうなことをいろいろお触れになりましたから、重複しますけれ
ども、これから見直していくときには、そういう理念というふうなものもいろいろやっていく中でやはりはっきりしておかなければいけないという部分を明示すべきだというふうに思いますし、
中身的にも問題があるところは変えなければいけないだろう。それから
コンピューターの技術革新というのは非常に遠い速度で進むわけですから、そういう部分では対応し切れないというふうなことが出てくるかもしれないということで、
一定期間に見直しというのは当然やられるべきだと思うのですが、ちょっと重複して恐縮でありますが、御見解のほどをお聞かせいただきたいと思います。