○正森
委員 そこで、私がお配りした資料をごらんいただきたいと思います。
今経企
庁長官が商品の需給等いろいろによって変わると言われましたけれども、その商品の需給で物価が変動するのはこれはいわば当たり前のことで、今問題にしているのは、そうではなしに、
消費税によってどれだけ物価が上がるかということであります。そういう点から見ますと、この消費者物価指数というのは、ウエートを一万といたしまして、それに対して、例えば食料は三百幾らであるとかあるいは住宅は千幾らであるとかいうように割り振っているわけですね。
そこで、私は三つに分類いたしました。それはまず非課税品目、物品税等との調整併課品目、それから単純課税対象になる品目という分け方であります。これは当然そうすべきものであります。
それを見ますと、一番上の方を見ていただきますと、非課税品目のウエートが一五一四になっております。これは、主税
局長が言いました
消費税の対象品目が九割弱であるというのにほぼ匹敵すると思うわけであります。つまり、かからないものが千五百あるわけですから、逆に引きますと八千四、五百がその対象になるということになります。
ところが、この非課税品目についても全部変動率なしかというとそうではございませんで、例えば持ち家の帰属家賃という部分がございますが、これは総務庁の出したのを見ますと民間家賃に準拠して変動するというようになっております。そうしますと、民間家賃というのはこれは間違いなしに上昇いたしますから、三%上昇せざるを得ない。あるいは四番の診察料あるいは八番、九番、十番の月謝等を見ますと、これは非課税品目ということになっておりますが、医療品や医療機器には間違いなしに
消費税がかかります。もちろん自由診療にはかかります。ですから、上昇がゼロということはないので物件費を二分の一と想定いたしますと、遅かれ早かれ一・五上がるものであります。また、授業料については、これは授業料以外の点につきまして
消費税のかかる分もございますが、物価指数を調べてみますと入っておりませんのでこれは除きますが、しかしいずれにせよ、洋裁にしろ料理の学校にしろ物件費が要りますから、その物件費が上昇しますのでその分を月謝に転嫁しなければやっていけないということで、我々は控え目でありますが、その物件費をこれらについては三分の一と見ると一%上昇するということになります。こういう点を見ますと、非課税品目は一五一四のウエートですが、一五四六、若干ではありますが上昇せざるを得ないという結論が出てまいります。
その次に、調整併課品目ということになりますが、これは物品税が廃止されるので大いに下がる下がる、こういうように言われている品目であります。しかし、物品税が一五%なり二〇%であればそれだけ下がるかといえば、そうではありません。物品税というのは蔵出し価格にかかります。ですから、小売の方に換算いたしますと、これは小売の七割ぐらいが蔵出し価格であるというように見なければなりませんから、結局どのぐらいになるかといいますと、〇・七掛ける百十五分の十五ということになるわけであります。そこで、そういうぐあいに計算いたしますと、ここの右側に丸の打ってあるところは大蔵省自身がこういうぐあいになるというように公表されたものであります。それに基づいて私どもがここに書いております。
そうすると、例えば三十一番のテレビを見ていただきますと、物品税は一五%ですが、小売段階では五%しか下がらないことになります。つまり、不十分に下がったものに対して三%の
消費税がかかってまた上がるわけですから、それを計算するとそういうぐあいになります。これは大蔵省自身が認めております。あるいは十三番の電気冷蔵庫を見ますと、二〇%ですが、これは七%下がるだけだということになります。こういうことで私どもは順次計算していっております。
そのほかに、御参考のために申しますと、物品税の中には免税点があるものがあります。例えば十一番のガステーブルを見ていただきます。これは二万三千円以下が免税になっております。庶民の買うガステーブルはほとんど二万三千円を超えるものがありませんから、これはもろに
消費税がかかって三%値上がりであります。あるいは八番のガス代を見ていただきますと、ガス税は免税点が一万二千円で、免税になる家庭が九十数%になっております。それが全部三%かかりますから、ほとんどもろに三%上がることになります。電気税は五%ですが、免税点が三千六百円で、適用家庭は四十数%でありますから、これはほぼ二%下がるだろうということでマイナス一・九%ということにしてあります。そういうように比較的
政府側にも肩を持ってこういう試算をしているわけであります。
その次に、特異な例を挙げますと、二十一番の洋服だんすを見てください。これは内装桐張りの場合は物品税が非課税で、たしか田中内閣のときにそうなったと思いますが、そういう点がございますから、残念ながら三%丸々かかります。あるいは免税点が八万七千円という二十二番の食卓、二十三番の食堂セット、三十六番の学習机などを見ますと、製造段階で八万七千円の免税ですから、小売段階では間違いなしに十万円を超えます。我々庶民で学習机を十万円以上子供に買ってやるというような者はございませんから、これは間違いなしにそんなに下がらないということでこういう数字にしているわけでございます。
以上のようなやり方で計算しておりますが、それ以外に若干説明いたしますと、例えばカーペットというのは、これは一平方メートル当たり九千円、これは二十五番であります、免税ということになっております。そうすると、六畳で換算しますと九万円であります。カーペットというのは、念のために申し上げておきますが、じゅうたんではありません。庶民の敷くカーペットはカーペットに入るわけであります。ペルシャ製のじゅうたんならこれは何十万円とするでしょうが、庶民が買う六畳部屋のカーペットというのは九万円もするものはめったにございませんから、これは全部
消費税がかかってくるということになります。
そのほか、特異なものでは三十番のガソリンと九番の灯油があります。これは今のところ石油税はリッター当たり一円三十銭かかっております。今度の
税制改革なかりせば、来年三月には特例が外れてこれは全部なくなるべきものであります。ところが、今度の
消費税ではそれをなくさずに、今まで米沢
委員その他がお触れになりましたようにタックス・オン・タックスで、タックスの上にまた三%かかるということになりますから、残念ながら灯油の場合は四・〇二%で三%以上上がり、ガソリンの場合は四・一八%でこれまた
消費税以上に上がる。税率が微妙に違いますのは、もとの数字が違いますからそれを振り戻したときに若干のずれがくるということでこういうようになっているわけであります。四十七番のたばこは変わりません。
こういうことで全部計算していきますと、調整併課品目は一八九七点から一八七九点に下がることは下がりますが、二〇しか下がらないわけであります。それ以外の六五八九は単純課税でもろに三%かかりますから六七八六にふえます。これを総合計しますと、一万であるものが一万二一一・九になります。つまりこのことは、総務庁の消費者物価指数に基づいて冷静に計算するならば、物価が二・一二%上昇するということにほかならないわけであります。これが総務庁などが長年かかってやってきた、一万の点数を挙げて五百四十の品目を挙げてやっているのに基づいて我々が計算した冷静な数字であります。もちろん我々の調べにもいろいろ誤差はあり得ると思います。しかし、仮に一割誤差があったとしても二・一二が一・九になるだけで、
政府の一・一というようなことには絶対なるわけがありません。そうでしょう。それについて、経企庁なりなんなりしかるべきところの答弁を求めます。