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1988-10-20 第113回国会 衆議院 税制問題等に関する調査特別委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年十月二十日(木曜日)     午前十時二分開議  出席委員    委員長 金丸  信君    理事 加藤 六月君 理事 海部 俊樹君    理事 瓦   力君 理事 羽田  孜君    理事 藤波 孝生君 理事 加藤 万吉君    理事 村山 喜一君 理事 二見 伸明君    理事 米沢  隆君       逢沢 一郎君    甘利  明君       池田 行彦君    石井  一君       石渡 照久君    小沢 辰男君       片岡 清一君    金子 一義君       岸田 文武君    志賀  節君       自見庄三郎君    鈴木 宗男君       田原  隆君    谷  洋一君       谷垣 禎一君    玉沢徳一郎君       中川 昭一君    中川 秀直君       中村正三郎君    西田  司君       野田  毅君    浜田 幸一君       原田  憲君    堀内 光雄君       宮下 創平君    村山 達雄君       山口 敏夫君    山下 元利君       伊藤  茂君    川崎 寛治君       坂上 富男君    中村 正男君       山下洲夫君    草野  威君       小谷 輝二君    坂井 弘一君       坂口  力君    宮地 正介君       安倍 基雄君    川端 達夫君       玉置 一弥君    和田 一仁君       石井 郁子君    東中 光雄君       正森 成二君    矢島 恒夫君  出席国務大臣         内閣総理大臣  竹下  登君         法 務 大 臣 林田悠紀夫君         大 蔵 大 臣 宮澤 喜一君         労 働 大 臣 中村 太郎君  出席政府委員         内閣官房長官 小沢 一郎君         内閣法制局長官 味村  治君         内閣法制局第三         部長      津野  修君         警察庁刑事局長 中門  弘君         法務省民事局長 藤井 正雄君         法務省刑事局長 根來 泰周君         大蔵省主税局長 水野  勝君         大蔵省証券局長 角谷 正彦君         大蔵省銀行局長 平澤 貞昭君         国税庁次長   伊藤 博行君         農林水産省構造         改善局長    松山 光治君         林野庁長官   松田  堯君         労働大臣官房長 清水 傳雄君         労働省職業安定         局長      岡部 晃三君         自治大臣官房審         議官      前川 尚美君         自治省行政局選         挙部長     浅野大三郎君  委員外出席者         北海道東北開発         公庫理事    永井 誠一君         北海道東北開発         公庫総務部長  高田 喜義君         参  考  人         (日本証券業協         会常務理事)  関   要君         地方行政委員会         調査室長    大嶋  孝君         大蔵委員会調査         室長      矢島錦一郎君     ───────────── 委員の異動 十月二十日  辞任         補欠選任   岸田 文武君     金子 一義君   熊谷  弘君     石井  一君   鈴木 宗男君     石渡 照久君   葉梨 信行君     谷恒 禎一君   村山 達雄君     逢沢 一郎君   山口 敏夫君     自見庄三郎君   和田 一仁君     川端 達夫君   工藤  晃君     東中 光雄君   矢島 恒夫君     石井 郁子君 同日  辞任         補欠選任   逢沢 一郎君     村山 達雄君   石井  一君     熊谷  弘君   石渡 照久君     鈴木 宗男君   金子 一義君     岸田 文武君   自見庄三郎君     山口 敏夫君   谷垣 禎一君     葉梨 信行君   川端 達夫君     安倍 基雄君   石井 郁子君     矢島 恒夫君   東中 光雄君     工藤  晃君     ───────────── 十月十九日  消費税導入絶対反対に関する請願安藤巖紹介)(第一七三五号)  同(浦井洋紹介)(第一七三六号)  同(経塚幸夫紹介)(第一七三七号)  同(藤田スミ紹介)(第一七三八号)  同(瀬長亀次郎紹介)(第一七三九号)  同(田中美智子紹介)(第一七四〇号)  同(辻第一君紹介)(第一七四一号)  同(野間友一紹介)(第一七四二号)  同(東中光雄紹介)(第一七四三号)  同(藤原ひろ子紹介)(第一七四四号)  同(村上弘紹介)(第一七四五号)  同(木内良明紹介)(第一八六〇号)  同(鳥居一雄紹介)(第一八六一号)  同(渡部一郎紹介)(第一八六二号)  消費税導入反対に関する請願吉原米治紹介)(第一七四六号)  同(古川雅司紹介)(第一七七八号)  同(安田修三紹介)(第一七七九号)  同(中島武敏紹介)(第一七九七号)  同(冬柴鉄三紹介)(第一七九八号)  同(森田景一君紹介)(第一七九九号)  同外一件(中村正男紹介)(第一八二一号)  同(工藤晃紹介)(第一八四〇号)  同(竹内猛紹介)(第一八四一号)  同(中路雅弘紹介)(第一八四二号)  同(春田重昭紹介)(第一八七四号)  同(早川勝紹介)(第一八七五号)  消費税導入反対課税最低限引き上げ等に関する請願渋沢利久紹介)(第一七四七号)  同(小林恒人紹介)(第一七八八号)  同(森田景一君紹介)(第一七八九号)  同外一件(池田克也紹介)(第一八〇〇号)  同(中島武敏紹介)(第一八〇一号)  同外二件(木内良明紹介)(第一八二二号)  同外一件(工藤晃紹介)(第一八四三号)  同(日笠勝之紹介)(第一八四四号)  新大型間接税導入反対に関する請願石井郁子紹介)(第一七四八号)  同(岩佐恵美紹介)(第一七四九号)  同(岡崎万寿秀紹介)(第一七五〇号)  同(金子満広紹介)(第一七五一号)  同(工藤晃紹介)(第一七五二号)  同(児玉健次紹介)(第一七五三号)  同(佐藤祐弘紹介)(第一七五四号)  同(柴田睦夫紹介)(第一七五五号)  同(寺前巖紹介)(第一七五六号)  同(中路雅弘紹介)(第一七五七号)  同(中島武敏紹介)(第一七五八号)  同(不破哲三紹介)(第一七五九号)  同(正森成二君紹介)(第一七六〇号)  同(松本善明紹介)(第一七六一号)  同(矢島恒夫紹介)(第一七六二号)  同(山原健二郎紹介)(第一七六三号)  同(野口幸一紹介)(第一七八〇号)  同(玉城栄一紹介)(第一八二三号)  同(工藤晃紹介)(第一八四五号)  同(鳥居一雄紹介)(第一八四六号)  同(沼川洋一紹介)(第一八四七号)  大型間接税導入反対、大幅な所得減税に関する請願吉原米治紹介)(第一七六四号)  同(河上民雄紹介)(第一七八一号)  消費税導入反対、大幅な所得減税に関する請願外一件(野口幸一紹介)(第一七六五号)  同(野口幸一紹介)(第一七八六号)  消費税導入生協課税強化反対不公平税制是正に関する請願(松前仰君紹介)(第一七六六号)  同外五件(前島秀行紹介)(第一八三四号)  同(前島秀行紹介)(第一八五七号)  同(薮仲義彦紹介)(第一八五八号)  新型間接税導入反対に関する請願外七件(小野信一紹介)(第一七七〇号)  消費税生協課税強化反対等に関する請願新井彬之君紹介)(第一七七一号)  同(小谷輝二君紹介)(第一七七二号)  同(古川雅司紹介)(第一七七三号)  同(遠藤和良紹介)(第一七八二号)  同(河上民雄紹介)(第一七八三号)  同(貝沼次郎紹介)(第一七八四号)  同(堀昌雄紹介)(第一七八五号)  同(佐藤敬治紹介)(第一七九〇号)  同(森田景一君紹介)(第一七九一号)  同外一件(吉井光照紹介)(第一七九二号)  同(池田克也紹介)(第一八〇二号)  同(岡田正勝紹介)(第一八〇三号)  同(鈴切康雄紹介)(第一八〇四号)  同(中島武敏紹介)(第一八〇五号)  同(藤原房雄紹介)(第一八〇六号)  同(冬柴鉄三紹介)(第一八〇七号)  同(川俣健二郎紹介)(第一八二四号)  同(坂上富男紹介)(策一八二五号)  同(野口幸一紹介)(第一八二六号)  同(日笠勝之紹介)(第一八二七号)  同(堀昌雄紹介)(第一八二八号)  同(三野優美紹介)(第一八二九号)  同(石田幸四郎紹介)(第一八四八号)  同(加藤万吉紹介)(第一八四九号)  同(川俣健二郎紹介)(第一八五〇号)  同(河上民雄紹介)(第一八五一号)  同(新盛辰雄紹介)(第一八五二号)  同(矢追秀彦紹介)(第一八五三号)  同(渡部一郎紹介)(第一八五四号)  同外三件(新井彬之君紹介)(第一八七六号)  同(井上泉紹介)(第一八七七号)  同(池田克也紹介)(第一八七八号)  同(稲葉誠一紹介)(第一八七九号)  同(大久保直彦紹介)(第一八八〇号)  同(岡田利春紹介)(第一八八一号)  同(貝沼次郎紹介)(第一八八二号)  同(串原義直紹介)(第一八八三号)  同(佐々木良作紹介)(第一八八四号)  同(沢藤礼次郎紹介)(第一八八五号)  同(竹内猛紹介)(第一八八六号)  同(春田重昭紹介)(第一八八七号)  同(伏木和雄紹介)(第一八八八号)  同(古川雅司紹介)(第一八八九号)  同(村山喜一紹介)(第一八九〇号)  同外四件(吉井光照紹介)(第一八九一号)  税制改革消費税導入反対に関する請願外三件(浅井美幸紹介)(第一七九三号)  同外四件(小谷輝二君紹介)(第一七九四号)  同外二件(矢追秀彦紹介)(第一七九五号)  同(矢野絢也君紹介)(第一七九六号)  同(有島重武君紹介)(第一八〇八号)  同(小川新一郎紹介)(第一八〇九号)  同(鈴切康雄紹介)(第一八一〇号)  同(沼川洋一紹介)(第一八一一号)  同(日笠勝之紹介)(第一八一二号)  同(藤原房雄紹介)(第一八一三号)  同(冬柴鉄三紹介)(第一八一四号)  同(薮仲義彦紹介)(第一八一五号)  同(浅井美幸紹介)(第一八三〇号)  同(小川新一郎紹介)(第一八三一号)  同(日笠勝之紹介)(第一八三二号)  同外四件(平石磨作太郎紹介)(第一八三三号)  同外一件(春田重昭紹介)(第一八五五号)  同(宮地正介紹介)(第一八五六号)  消費税導入絶対反対等に関する請願新盛辰雄紹介)(第一八二〇号)  大型間接税導入反対に関する請願工藤晃紹介)(第一八三九号)  新大型間接税導入反対国民本位税制改革に関する請願工藤晃紹介)(第一八五九号)  大型間接税導入反対不公平税制是正等に関する請願菅直人紹介)(第一八七二号)  同外一件(佐々木良作紹介)(第一八七三号)  消費税導入反対等に関する請願早川勝紹介)(第一八九二号)  消費税導入反対現行税制不公平是正に関する請願外四件(早川勝紹介)(第一八九三号) は本委員会に付託された。     ───────────── 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  税制改革法案内閣提出第一号)  所得税法等の一部を改正する法律案内閣提出第二号)  消費税法案内閣提出第三号)  地方税法の一部を改正する法律案内閣提出第四号)  消費譲与税法案内閣提出第五号)  地方交付税法の一部を改正する法律案内閣提出第六号)      ────◇─────
  2. 金丸信

    金丸委員長 これより会議を開きます。  内閣提出税制改革法案所得税法等の一部を改正する法律案消費税法案地方税法の一部を改正する法律案消費譲与税法案及び地方交付税法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。  この際、お諮りいたします。  各案審査のため、本日、参考人として日本証券業協会常務理事関要君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 金丸信

    金丸委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     ─────────────
  4. 金丸信

    金丸委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂上富男君。
  5. 坂上富男

    坂上委員 坂上富男でございますが、日本社会党護憲共同を代表いたしまして、本日集中的に、昨日行われましたリクルートコスモス関係に関する強制捜査に関連をいたしまして、御質問をお許しいただきたい、こう思っております。  また、本日は予定を変更いたしまして、我が党の方では私が急遽質問をさせていただくことのお取り計らいについても感謝申し上げたいと思います。  また、昨夜からお願いをいたしました証券協会の方も参考人として招致をしていただきましてありがとうございました。むだのないような質問をひとつさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。  また、御出席の通告の各政府側皆様方には、詳しい御答弁は結構でございますから、できるだけイエスノーかというような言い方で結構でございまするから、ずばずばっと言っていただければありがたいと思います。特に証券局長は、大変親切丁寧に御答弁はあることはあるんでございまするけれども、期待の御答弁がありませんので、私らの方といたしましては余り感心しておりませんで、きちっきちっとイエスノー程度で御答弁賜ればありがたい、こう思っております。  さて、まず法務省関係について御質問をさせていただきます。特に刑事局長でございますが、昨日は大変なリクルートコスモス関係に関する強制捜査を行われたわけでございますが、この概要についてお話をいただきたいと思います。
  6. 根來泰周

    根來政府委員 昨日から今暁にかけまして株式会社リクルートコスモス株式会社リクルートと、それから前に楢崎さんから告発がありました松原さんのお宅、三カ所を捜索いたしました。
  7. 坂上富男

    坂上委員 家宅捜索状況について御質問をいたしたいと思います。  大体何時から何時まで、それから捜査に当たられた関係者皆様方が約何名ぐらい、それから押収されました資料ダンボール箱で約千個、こういうふうに新聞報道がありますが、その辺ひとつお答えをいただきたいと思います。
  8. 根來泰周

    根來政府委員 時間は、昨日の午前十時十分からけさの五時十五分まで捜索したようでございます。  なお、従事員でございますけれども、これも正確なことはわかりませんけれども、数十人にわたるんじゃないかと思います。  それから、ダンボール箱幾つかというお尋ねのようでございますけれども、これも、まだけさ終わったばかりでございますので、集計もいたしておりませんので正確なことは申し上げかねます。
  9. 坂上富男

    坂上委員 家宅捜索規模としては相当なものだと思われますが、いかがでございましょうか。政界汚職の問題いろいろあるわけでございますが、これらと比べて大体この押収品目、どの程度の、まだ内容はわからぬようでありますが、量でひとつお答えをいただきたい、こう思っております。
  10. 根來泰周

    根來政府委員 そういうお尋ねは非常に難しいのでございますけれども、楢崎議員からの告発事実の裏づけ資料ということでございまして、規模が大きいかどうかということについては、私ちょっとその辺不明でございますので、何ともお答えいたしかねるわけでございます。
  11. 坂上富男

    坂上委員 家宅捜索が行われたわけでございますが、楢崎議員告訴状新聞紙上で拝見をいたしますと、被告訴人を三名として告発があったようでございますが、この被告訴人の名前、それからこの被告訴人三名についての家宅捜索時におきまするところの被疑内容について、検察は今どの程度把握をなさっているか、お答えをいただきたいと思います。
  12. 根來泰周

    根來政府委員 御承知のように、被告発人として挙げられているのは、先ほど申しました方と、それから江副池田の両氏でございますけれども、私の聞いたところでは、捜索令状被疑事実といたしましては、松原氏を中心に置きましてほか数人と共謀の上というふうに記載しているというふうに理解しております。
  13. 坂上富男

    坂上委員 ほか数名と共謀してわいろ申込罪、こういう認定のようでございます。その数名の中にリクルートの社長、池田さんでございましたか、それから前会長江副さん、これが含まれていると推定をいたしますが、いかがですか。
  14. 根來泰周

    根來政府委員 現段階におきましての検察庁心証といたしましては、そこまでいっているわけでございませんで、ほかに共犯者がいるだろうという程度の話であろうと思います。これから捜査をだんだん進めていきましてそこを特定していくことになるのではないかというふうに理解しております。
  15. 坂上富男

    坂上委員 さて、今申しました三名、新聞によりますと、松原氏は取り調べをなさったようでございます。もちろん今後も取り調べが進むんだろうと思うのでございますが、現在まで、逮捕なさったのですか、なさらないのですか。
  16. 根來泰周

    根來政府委員 現時点で、逮捕したという報告は受けておりません。
  17. 坂上富男

    坂上委員 逮捕状を請求されて発付されたという情報が流れていますが、お答えできませんか。
  18. 根來泰周

    根來政府委員 そういうことは、ちょっと私、今お答えできかねる問題でございます。
  19. 坂上富男

    坂上委員 松原氏はきのうはお調べになったのですか、きょうもお調べをやっておりますか。
  20. 根來泰周

    根來政府委員 だれをいつ調べるかということについても申し上げかねるところでございますが、せっかくのお尋ねでございますので、昨日のことについては多分そういうことはないんじゃないか、私はそう理解しております。
  21. 坂上富男

    坂上委員 どうだって。もう一度。
  22. 根來泰周

    根來政府委員 昨日は調べていないのではないか、私はそう思っております。
  23. 坂上富男

    坂上委員 そうですか。  それでは江副氏でございますが、今病院に入って、まだいられるんだろうと思うのですが、あるいは退院なさったかどうか。診断書によりますと、しばらく退院できない病状のような診断書が来ているわけでございますが、この診断書検察の方は手に入れられておるのですか。それから、検察独自で江副氏の病状についての把握はどの程度なさっているのですか。
  24. 根來泰周

    根來政府委員 先ほども申し上げましたように、現在検察庁としては、ほかにも共犯者がいるだろうという程度心証だというふうに理解しておりますので、そこまで把握しているわけではないと考えております。
  25. 坂上富男

    坂上委員 そこで江副氏についての病状検察はどう把握しているか、こう聞いているわけです。衆議院に配られました診断書、これは二通、検察も手に入れられてごらんになったんじゃないかと思いますが、それから検察独自で江副氏の病状についてどのような把握をなさっておるか、このことを聞いておるのです。
  26. 根來泰周

    根來政府委員 国会に出された診断書コピーは私どもも拝見いたしましたし、検察庁の方もそのコピーは見ていると思いますけれども、具体的に江副氏の病状について照会したかどうかということについては私自身承知しておりませんし、そういうことについては若干捜査内容にわたりますので、仮に承知しておりましてもお答えいたしかねる事項ではないかと考えております。
  27. 坂上富男

    坂上委員 私たち期待をいたします検察でございますから、万遺漏なきようになさるんだろうとは思いまするけれども、とかく政治絡みのものが、検察捜査権の行使からいいますと時折批判もないわけではないのであります。でありまするし、そんなようなことから見てみましても、私たち強制権を持っておらぬものでございまするから、江副氏の喚問についてなかなか思うようにいかなくて、わざわざ偉い先生方が臨床に赴かれて尋問をし、そう大した成果が得られなかった、こういう状況であります。  私自身が判断をいたしますに、どうも、もう実際上は国会にも出てこられるし、場合におきましては、まあ失礼でございますが、逮捕勾留に耐えられるんじゃなかろうか。と申し上げるのは、私も弁護士でございまするから、時折こういうのがありまして、診断書を出してもばかっと逮捕されまして長期にわたり勾留を受けるというようなことは私の経験則上からよくあることなんでございまして、こんなようなところから見ましても、この捜査のあり方、これはもう新聞から見てみましても、江副氏は病院指揮をしていたというようなことが新聞報道であるわけでございます。しかも、こんなようなことによりまして証拠隠滅されては大変だな、私はこう思っておるわけであります。  リクルート本社をお調べになった、家宅捜索なさった、コスモスを家宅捜索なさった、松原氏も家宅捜索はなさいました。これはこれで結構でございますが、やはり病院指揮をなさっているわけでございます。また、被告訴人の立場でもあるわけでございますが、やはりこんなところから証拠隠滅がなされることを私は実は恐れているわけでございますが、検察当局、どのようなこういう点に対する御見解でございますか。
  28. 根來泰周

    根來政府委員 先ほども申し上げましたように、現在、江副さんが共犯者であるというまでの心証というのは、その捜索令状の事実を見ても不明でございます。  したがいまして、全く一般論で申し上げますと、そういう病気であるという診断が出ますと、やはりその辺は人権に配慮しまして慎重に対処をしているところでございますから、そういう場合には、やはりいろいろお医者さんの意見を聞くなりあるいはその他の専門家意見を聞くなりして、適正、慎重に配慮するだろうと思っております。
  29. 坂上富男

    坂上委員 さて、段ボール箱に一千個証拠品押収というようなことになりますと、多分、私たち税制特別委員会でも欲しがっている資料、これがどうも押収になったんじゃなかろうか、こう思っておるわけであります。まだその段ボールを精査してありませんので、刑事局長にお聞きをしてもあるいは特定ができないかもしれません。  そこで、今度は一般的な意味でお聞きをいたしたいと思うのでございますが、刑事訴訟法四十七条の問題でございます。さきに、民社党の河村先生が大変明快な御指摘をなさったわけでございます。念のために読み上げさせていただきますと、「訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合は、この限りでない。」こう言っているわけであります。この解釈意味についても先般御答弁がありました。もう少し詳しい解釈の御答弁をいただきたいのであります。  と申し上げまするのは、私たち日本社会党の方といたしましては、何としても株主名簿をひとつ取り寄せてくれということを申請しているわけであります。株主名簿を取り寄せをいたしましても、何ら人権に差し支えることはないのであります。でありまするから、これはもう早急に、家宅捜索があるということを私も予測をしておりましたものでありまするから、検察に押さえられないうちにとりたいな、こう思ったわけでございますが、なかなか御賛同を得られないままこういう状態になったわけでございます。そこで、何としても検察の方から御協力を賜らなければならぬな、こう思っておるわけでございます。  そこで、前例をひとつお聞かせをいただきたいのでございますが、かつてロッキード事件のとき、この条文の適用をいたしまして、いわば起訴前であっても、あるいは起訴記録以外の不起訴記録の内容国会で公開なさったことがあるわけでございます。これは極めて重要な先例でございます。ロッキード事件のとき、この条文を生かしてどのような資料を発表なさったのか。今後の私たちの審議に重要な影響を及ぼすものでございますから、検察当局、これはイエスノーかでなくて、ひとつ詳細にお答えをいただきたい、こう思っております。
  30. 根來泰周

    根來政府委員 当時の資料によりまして御説明いたしますと、当時、政府といたしまして、ロッキード事件の刑事責任の追及というのは法務、検察当局の職責でありますということをまず言っているわけでございます。その次には、政治的、道義的責任があると言われるのは、これは国会の御判断でございます。したがいまして、私どもといたしましてはその刑事責任を追及するために証拠を集めて事実を認定しているのでございまして、その道義的責任と言われましても私どもの方では何が何だか判断がつかないということでございます。したがいまして、その場合に、国会におかれまして道義的責任があると認められるものの定義あるいは基準等を国会で定められまして、国会からそういう御要請があって、その御要請に基づいて――昭和五十一年四月二十一日の両院議長の裁定ということがございまして、それに基づいて国会にその定められた基準に基づいてお話し申し上げた、こういうことでございます。  ただ、その特定人の氏名に関する資料の提供については、関係人の人権の保護、捜査、裁判に対する影響等を考慮し、また、これは元来裁判にかかっていない話でございますので、検察庁で確定したからそれがすなわち事実というわけにもいきません。そういう事実も踏まえまして秘密会で公表するという話になりまして、秘密会でお話し申し上げたという状況にございます。  ただ、結果的には、秘密会で申し上げたのでございますけれども、公表をされまして、非常に私どもが迷惑したと言うと語弊がございますけれども、非常に批判を受けたということでございまして、これは私どもの方が進んで提出したことではなくて、繰り返すようでございますが、国会で基準を決められて、国会の強い御要請があって応じたという状況にございます。
  31. 坂上富男

    坂上委員 ちょっと刑事局長、基準というのはどういう基準だったですか。
  32. 根來泰周

    根來政府委員 これも私が直接関与していたわけでございませんのでよくわかりませんけれども、外国から流れてきた三十ユニットのお金を受け取った方々の名前を出せ、そういうお話がありまして、それに基づいて事情を御説明したという状況にございます。
  33. 坂上富男

    坂上委員 リクルートコスモス事件とやや似てきているような感じがするわけでございます。と申し上げまするのは、いわゆる株の譲渡を受けたことが、果たして職務権限があるかどうか、時効になっているかどうか、あるいはその請託の趣旨がどのようになっているかどうか、いろいろと今、国会で議論がなされているわけであります。検察の方は、これを今度はまとめられまして、大変広い視野でもって捜査を進められるというふうに聞いているわけであります。しかし、中には権限なし、中には時効、中には事実なし、いろいろのことではねられるのも出てくるだろうと思うのであります。しかし、国政調査でございまするから、やはりロッキード以上にこの問題というのは重要なことでございまするから、私はひとつ委員長にもお願いをいたしますし、検察庁にもお願いをいたしたいわけでございますが、どうぞひとつ、不起訴記録、それから起訴前の重要な証拠で国会が必要とするものについては、要請をいたしましたら直ちに提出をしていただく、直ちに公開をしていただく、また、委員長におかれては、ぜひひとつ各党の意見を取りまとめられまして真相究明のためにしていただくようにしていただきませんと、これはなかなか納得できる問題ではありませんので、特に委員長にはそういう点を要請し、検察当局については今言ったような問題についてひとつ御所見を承りたい、こう思っております。
  34. 金丸信

    金丸委員長 私に賜りました質問は、理事会にかけまして、相談の結果を得ます。
  35. 根來泰周

    根來政府委員 ただいまの御提案につきまして若干意見を申し上げさせていただきますと、まず、国政調査権の行使について私どもとしては法令の許す範囲内で最大の努力をするということはもう申すまでもないところでございます。ところが、この四十七条の規定の趣旨にかんがみますと、やはりその関係人の人権とか、それから裁判、捜査の運営に対する不当な影響力の防止ということに配慮しながら慎重に行わなければならないということも、これも御理解いただいているところだと考えております。さらに私どもは、繰り返すようでございますけれども刑事責任の追及でございます、刑事責任の追及の限度において資料を集めてそれを検討しているわけでございまして、道義的責任ということになりますとこれは別の問題になるわけでございます。そういう点もひとつ十分御配慮いただきたいというふうに考えております。  また、このリクルートの問題については、先ほど申し上げましたように告発事実について捜査をやっているわけでございまして、この捜査についてまだ本当に緒についたばかりでございますので、今この問題についてどうだということを申し上げる段階にない、こういうふうに考えております。
  36. 坂上富男

    坂上委員 それは御指摘のとおりです。ただ、刑事局長、このことを聞いているのです。国会が決議をして検察に取り寄せ要請をした場合、あるいは公表要請をした場合、検察ではそれは拒否をする自由裁量の権限がないのじゃないか、このことを聞いているのです。
  37. 根來泰周

    根來政府委員 これはいろいろの御見解があると思いますけれども、私どもの立場から申しますと、この四十七条のただし書きというのは、「公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合は、この限りでない。」というのは、これは記録を保管しているのは検察官でございますから、こういうことを言うとまたおしかりを受けると思いますけれども、やはりそういう必要性とか相当性、それは当然先ほど申しました国政調査に十分協力するという前提に立っての判断でございますけれども、それは検察官が判断するものだと私どもとしては考えております。
  38. 坂上富男

    坂上委員 さて、ここで法務大臣、指揮権発動というのはどういう意味でございますか。
  39. 林田悠紀夫

    ○林田国務大臣 法務大臣が個々の事件につきまして、あるいはどうせいとかこうせいとかいうようないわゆる指揮権を発動するということであろうと存じまするが、一般的にそれは基本的な問題につきまして指揮権を発動するわけでありまして、個々の問題につきましては検事総長を通してやる、こういうふうになっておるわけでございます。  しかし、私としましては、検察当局を信頼をしておりまするので、検察当局に任せてやっていこうというように今考えておるところです。
  40. 坂上富男

    坂上委員 検察庁法第十四条でございますが、「法務大臣は、第四条及び第六条に規定する検察官の事務に関し、検察官を一般に指揮監督することができる。但し、個々の事件の取調又は処分については、検事総長のみを指揮することができる。」ここから来るんでございますか。
  41. 林田悠紀夫

    ○林田国務大臣 そこから来るわけであります。
  42. 坂上富男

    坂上委員 検察庁法施行以来、指揮権発動されたという事案がありますか。この事案の結果、どのような影響を及ぼしたか、ひとつお答えいただきたいと思います。
  43. 根來泰周

    根來政府委員 これも昔の話で私自身知らない話でございます。物の本には、造船疑獄と言われる事件のときに指揮権を法務大臣が発動したということが記載されております。その結果、捜査が途中で中止したといいますか、とんざしたといいますか、そういうことになったというふうに物の本には記載してあります。
  44. 坂上富男

    坂上委員 第一線の検察は、造船疑獄でこの指揮権が発動になって、中には辞表を出す、中には上司に強い談判をする、いろいろのことがありまして、第一線の検察の諸君に大混乱を与え、検察官自身が検察に対する不信を言ったわけでございます。これは間違いない事実でございます。そのことのために、当時指揮権発動いたしました犬養法務大臣が辞職をなさったということになっておるわけでございます。指揮権発動の結果、罪を免れましたのが佐藤榮作氏だと言われておるわけでございます。もちろんこれも私たちが小さいころでございますが、こういうような事態になりかねない様相を呈してきたのじゃなかろうかと私は実は思っておるわけでございます。  法務大臣、私たちの川崎議員がこの問題の冒頭にあなたにお聞きをいたしました。きのう家宅捜索をなさいました。そしてまた検察の方では、国会のこういう議論を視野の中に入れて、中には立件して捜査をやりますという御答弁があるわけであります。しかもこれは、政界全体の汚職になるかならぬかわかりませんけれども、私はなると思っておりますが、そういう問題がずうっと出てきているわけであります。これはもう、関係者は今までにないところの広さだと実は思っておるわけであります。だから一つは、関係者、いわゆる当事者と言われる人、まかり間違えますと被疑者となり得る人、まかり間違えますると被告人になり得る人、これを江副氏は、私は刑罰をかけられても死んでも言うわけにはいきません、職をやめなければならない人、ばつの悪く思う人、こういう人がたくさん出るでありましょうということを言っておる。きのうもう一遍私は読み直してみたが、そういう状況でございます。だものでございまするから、後で聞きますが、この家宅捜索が出発点なのか幕引きのためなのか、これにもかかわりますが、まず再度お聞きをしたいのであります。  法務大臣、法務大臣自身いかなる要請、いかなることがあっても厳正に検察権行使のためにこれを遂行なさるのかどうか、いわば、具体的に指揮権発動ということは絶対にあり得ない、かつまた指揮権に類似することも行使をしない、このことについての御決意をひとつお答えをいただきたい、こう思っております。
  45. 林田悠紀夫

    ○林田国務大臣 犯罪の嫌疑がありましたならば検察は取り調べを従来してまいりまして、また今後においてもそういうことでやっていくわけでございます。私は、その検察を信頼をしておりまするので、検察に任せてやっていこう、かように考えております。
  46. 坂上富男

    坂上委員 大臣、指揮権発動をもうしないと安心していいのですか。それをもう一遍明言してください。
  47. 林田悠紀夫

    ○林田国務大臣 前にもお答え申し上げましたように、検察を信頼してやっていくということでございます。
  48. 坂上富男

    坂上委員 検察を信頼するのはいいんでございます。それはそれで当たり前なのです。あなたがいろいろの事情で、まあ圧力に屈するというと言葉が悪うございますから、あなたがいろいろなことで指揮権行使をしないということをあなたの決意としてお聞きをしたいのです。このことは法務大臣、今の答弁を聞いていますと、まかり間違えますとまた指揮権発動、仮になかったとしても類似のものが行われているなと国民は思います。ぴたっとお答えください。
  49. 林田悠紀夫

    ○林田国務大臣 指揮権発動ということには、やれという場合もやるなという場合もあるだろうと思います。しかし、私は検察を信頼しておりますので、前から言っておりまするようにとやかく言うことはない、かように考えております。
  50. 坂上富男

    坂上委員 検察官に対しまして、捜査を一生懸命にやれということも言いません、やめろということも言いません、こういうことでございます。  どうでございましょうか。あなた自身がいろいろの事情で、もうそろそろいいんじゃないか、やめたらどうだ、こうおっしゃるかどうかということを簡単な言葉で言うと指揮権と言うんだろうと思うのです。もう一度ひとつ御決意をお聞かせいただきたい。検察の信頼はいいです。あなた自身の決意です。
  51. 林田悠紀夫

    ○林田国務大臣 今までやっておるとおりやってまいりたいと考えております。
  52. 坂上富男

    坂上委員 まあ、これ以上言うても……。  私は、ここ一両日の国民の世論について申し上げたいと思います。「株の譲渡問題が疑惑の本体とすれば、特捜部が摘発に踏み切った楢崎議員への「贈賄工作」は全容解明への入り口に過ぎない。リクルートグループへの家宅捜索を突破口に上層部の関与の有無を解明すれば、告発容疑に基づく贈賄罪の捜査は一応完結する。」「だが、」と書いてあるのです。「国民の多くが真に解明を望んでいるのは、本体の株譲渡疑惑」である、こう言っているわけです。「国民の期待にどこまで応えることができるか、検察にとっても正念場を迎えた。」こう言っているわけです。  最近、私たち検察権行使にいささか不信の念を持っておるわけでございます。これは、国会でいろいろと疑義を指摘をされておるわけであります。法務大臣の御決意をもう一度ひとつ賜りたい、こう思います。
  53. 林田悠紀夫

    ○林田国務大臣 先生は法律の専門家でございますので、その辺のことは篤と御承知だと思いまするが、検察は犯罪の嫌疑がありましたならばそれに対して捜査を行ってまいるということでございまして、嫌疑のない場合に検察が進んでやるということはこれはできないわけでございます。した がって、検察がやっておりますることは私は信頼しておるわけでございまして、いろいろ言われましても検察を信頼してやってまいろうと思います。
  54. 坂上富男

    坂上委員 もうちょっといてください。  総理、きのう家宅捜索があって、強制捜査がとうとう入ったわけでございます。まず総理としての御所感をひとつ賜りたいと思っております。宮澤大蔵大臣にもひとつ御所感を賜りたい、こう思っております。
  55. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 昨日の十時五分でございましたか、強制捜査、家宅捜査が行われたという報告を私も承りまして、検察が適切な措置を行っておるであろうというふうに申し上げておるところでございます。
  56. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 いろいろな御議論、報道がなされておりますから、検察が調査を始められることによって真相が明らかになることは好ましいことであると考えます。
  57. 坂上富男

    坂上委員 そこで竹下総理に、総理はまた自民党総裁の立場でもおられるわけでございますが、どちらかといえば総裁の立場で御質問を申し上げるわけでございますが、お答えをいただきたいと思っております。  現在まで、リクルートコスモスの株が政治家に渡ったということでほぼ証明または疎明ができたものは、以下のとおりでございます。竹下さんの秘書でありまするところの青木さんの二千株。宮澤大臣の直接の名義になっておったとこの間わかった一万株。それから安倍幹事長の秘書である清水二三夫さんの一万七千株。それから中曽根さんの秘書の筑比地康夫さんの二万三千株。それから中曽根さんの秘書の上和田義彦さんでございましょうか、これが三千株。渡辺喜美さんでございましょうか、渡辺政調会長だろうと思うのですが五千株。それから森喜朗代議士だろうと思うのですが、これが三万株。それから加藤六月先生の秘書あるいはお嬢さんでございますか、二人名義で一万株。それから加藤紘一さん五千株。これが明白になったと言ってもいいのでございますが、いずれも自民党の重鎮の皆様方が多くあるわけでございます。  こういうように出てまいりますと、一体総理は、秋田でまたその翌日の国会でも少し意見をおっしゃっているわけでございますが、自民党の最高責任者といたしまして、これだけの事実が出て国民の不信の声がもう相当渦巻いてきたと思っておるわけでございますが、総裁としてどのような気持ちでおられるものでございますか。
  58. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 党の機関にかけてこの問題についての統一見解とかいうことを決められたということも聞いておりませんので、やはりあくまでも、私、政治家として申し上げるのが適切であろうかというふうに思います。  とかく政治家は、今与党のお名前をそれぞれお挙げになりましたが、情報等集まりやすい立場にあることは事実でございます。したがって、それが事実経済行為であるとしても、私を含め周辺全体が、絶えずそうしたことについては院でお決めいただいておる倫理綱領というものを中心として身を律していかなければならない課題である、このように申し上げておるところでございます。
  59. 坂上富男

    坂上委員 自民党の関係の皆様方がこれだけ関与なさっていることがほぼ判明しておるわけです。総裁とされましていわばこれについて陳謝、あるいはこれはもうよくない、こういう御意見をお聞きしたいのです。
  60. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 いつでもこの場で申し上げておりますように、私自身を含め、事実が――私は今すべて事実が明らかになっておるということを承知しておるわけではございませんが、少なくとも私の周辺のことにつきましては、私自身が調査し、この場においても申し上げておることでございますので、それこそまことに遺憾なことであったということをいつも申し上げておるところでございます。
  61. 坂上富男

    坂上委員 さて、ようよう入り口にたどり着いて玄関の戸をこれからあけるかどうかという段階だろうと実は私は思っておるわけであります。そこで、ここで解明しなければならないリクルートコスモスの譲渡株の数について疑問のある点を御指摘申し上げ、これについて、総裁の立場としての解明の御努力について御決意をお伺いしたいわけでございます。 今まででありますと、今言われたような人たちは、これらの人たちが株の処分をしたということはほぼわかったのでございますが、だれからどういう譲渡を受けたのかということがわからなかったのであります。そこでドゥ・ベストの八万株について私たちのところに投書があり、ほかの政党の方にも投書がありまして、ほぼこの投書の内容は真実に近いものであるということ、また宮澤大臣は宮澤大臣とされまして、よく調べてみたら私名義でどうも譲渡されたようでございますとあっさりお認めになったわけでございます。  そこで、このようないわゆるトンネル会社あるいはまた真実第三者割り当てをしてないような株、どうもこれらが他に回っているのじゃないかと思われるものを今御指摘を申し上げたい、こう思っております。  一つはビツグウエイでございます。十二万株でございます。これはもう新聞で明らかなんでありまするが、ここの関係者江副氏にこの株を返した、こう言っております。エターナルフォーチュン、二十万株でございますが、これもセコムでしたか飯田さんが二十万株、これはもう江副さんに返しましたよ、こうおっしゃっているわけでございます。ワールドサービス、これは二十万株でございますが、私たちから見ると、資本金や活動状況から見るとまことにこれを所持することが不合理でないかと思われておるわけでございます。コンピューターサービスの二十万株、またこの社長だと思われるのですが大川功さんの二十万株、どうもこれも御所持しておられることがやや不合理な感じがするところでございます。それからリクルートコンピュータプリント、二十一万七千七百六十万株、これはリクルートの子会社のようでございます。それからデン晴海四十万株、これがやはり同じく子会社のようでございます。それから竜ケ森レック、安比レックともいうのだそうでございますが四十万株、これも子会社でございます。これを合計いたしますと優に百万株以上のことがあるわけでございます。これが一体どういうふうになったのかということがまだ全く解明をされていないで、今解明されたのはドゥ・ベストだけなのでございます。こういうようなことから見てみますると、これだけまだ調べなければならない株というものが膨大にあるわけでございます。  さらにまた、このドゥ・ベストから見てみますと、例えば清水さんでございますが、清水さんが処分をした株というのは一万七千株だ、こう言われているわけであります。ドゥ・ベストではっきりいたしましたのは二千株でございます。それから筑比地さんは一万株が譲渡されたということになっておりまするけれども、筑比地さんは約二万三千株でございます。まだまだどこかから入ってきているなということが言えるわけであります。でありますから、こういうような観点から見てみましても、まだ入り口に若干立っただけ。しかも、ドゥ・ベストからこうやって投書がなければこれですらまだわからないという状況であったわけであります。  でありまして、これはひとつ総理・総裁の立場といたしまして、確かに今国民の望んでいるのは、新聞にも言っておりまするとおり、この株がどのようにどう配られたかということを明確にするのが国民が望んでおることなんだということを指摘をいたしておるわけであります。総理・総裁の御答弁を聞きますと、国会が決めることでございまするから行政はできるだけ御協力を申し上げます、こうおっしゃっておるわけです。今私たちは、こうやってドゥ・ベストという事態があったものだから、あと疑わしい会社はこれだけあるじゃないか、しかもドゥ・ベストが譲渡したという株数も、よそから来ている株数もまだあるじゃないかということを今御指摘を申し上げたわけです。これは根拠があって私が今言っておるわけでございます。総裁とされまして、行政とされまして、これはもう公益の目的のもとに解明をされるべき問題なんです。総裁の立場として今これだけの事実を私が突きつけまして御答弁を賜りたい、こう思っておるわけでございますが、どうぞひとつこの解明に対する大臣、総理としての御決意をもう一度賜りたいと思います。
  62. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 いつも申し上げていることでございますが、今回の問題、今具体的な事実は私は委員ほど詳しく承知しておりませんが、いずれにせよ四つの問題点があるんじゃないかなと思っております。  極めて行政の立場から申しました場合に、一つは証取法の問題であり、一つはいわゆる税法の問題である。そして一つにはもう既に先ほど来議論があっております刑法上の問題であり、一つがいわゆる私どもの道義的な問題であるというふうに、自分なりに整理をして見ておるところでございます。しかし、ここのところは、今まで長らくそう申し上げてきたわけでございますが、だから国会でどこをどうした形で踏み込んで行うべきだというのは、お尋ねのとおり私は自由民主党総裁でございますが、ここに立つ限りにおいては行政府の立場でございますので、国会でお決めになることだということを、これは長らくそういう答弁をすることが定着しておりますので、私はその限りにおいてはその答弁からは出ない方がいいだろうと思っておるところでございますが、今おっしゃったお気持ちが私にも理解できないわけではもちろんございません。
  63. 坂上富男

    坂上委員 刑事局長に。おられますね。  今私が御指摘したような株の問題があるのでございます。この点について検察当局としてはどのようなお考えですか。
  64. 根來泰周

    根來政府委員 この問題も、繰り返し申し上げておりますように、国会で御議論になっておるのはやはり刑事責任というよりも道義的なお話が主体になっておると思うのでございますが、私どもやはり刑事責任、犯罪に当たるかどうかということを主眼にしてやるわけでございます。したがいまして、そこにもちろん若干のずれがあることは当然でございます。  しかし、一般的に申しまして、国会というのは国民の代表者がいろいろ、これは犯罪の嫌疑があるんじゃないかという御指摘が一般的にありました場合に、検察としましてもこれを横向いて知らぬ顔しておるというわけではないわけで、やはり国民の声としてそれは真剣に受けとめて真剣に検討するということでございます。それはしかし、これから捜査をやるかどうかというようなこととは全く別問題でございまして、やはりその検討を経た上で適正に対処するということでございます。したがいまして、今の株の問題につきましても、刑事責任があるというならばそれはそういうことになるんでありましょうけれども、今の点、御指摘のことだけですぐ刑事責任云々ということまで私は短絡して申し上げられる立場にないということをひとつ御理解いただきたいと思っております。
  65. 坂上富男

    坂上委員 それは当たり前のことでありまして、これだけ行方不明の株があるのでなかろうか、こう聞いておるわけでございます。だから、これは捜査当局で捜査をしていただかなきゃならぬというのです。  それから、国会は道義責任だけやっているんじゃないのです。政治責任だけやっているんじゃないのです。検察権行使が不適切であるかどうかということも審査をしているのでございます。刑事局長どうですか。何か検察権の行使は検察権独自の見解であり、道義的責任は国会でやるような御答弁、これは余りいただける答弁でございません。検察権行使についていささか不信の念もありますよ、こう言っておるのです。
  66. 根來泰周

    根來政府委員 検察権の行使の適正、不適正について国会で御議論をいただくことは当然の話でございますが、ただいまのお話から申しまして、将来こういうことも調べたらいいんじゃないかというお話でございますので、それはちょっと検察権の適正、不適正とは余り関係がないわけでございまして、将来そういう問題が終わったときに例えば不適正あるいは適正という御議論をいただくのは当然でございますけれども、やはりそういう意味で私は道義的責任をお話しになっているんじゃないかというふうに自分で理解したわけでございます。
  67. 坂上富男

    坂上委員 それでは総理に。  総理にこういうことを聞くのはいささかみみっちいのでございますが、しかしやっぱり参考人、証人が現段階で喚問にならぬ上は総理に聞くよりしようがありません。  この間、私は、総理のかつての秘書でございますか、青木さんのことについてお聞きをいたしました。総理はお答えになりました。その後数日たっておるわけでございます。総理に一括してお聞きをいたします。その後、青木さんなり関係者からお調べになったろうと思うのでございます、私が質問した後。青木さんはだれからリクルートコスモスの株を買うように勧められたのか。これはまあ元リクルート関係者、こうおっしゃいました。もうそろそろ名前を特定していいんじゃないか、こう思います。勧められたその日時と場所についてもお答えをいただきたい。そしてその代金、これはどこの銀行、あの青木さんの口座に入れた、こう言っておる、どこの銀行か。そしてまた、株処分の代金はどこの口座に入れられたのか。この三点をまずお聞きをいたしましょうか。
  68. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 先生からも、それから中村先生からもお話がございまして、国会の場で聞かれたことは国会の場でお答えをするというのが私の今日までの考え方でございます。  で、私も報告を聞きました。まず、今おっしゃった中で、日時、場所というところまで、本当は何月何日どこどこでということまでは報告を求めておりません。  まず、事実を申し上げたのは、株式売買契約約定書の譲り渡し人がドゥ・ベスト株式会社であり、譲り受け人が青木伊平である、これは約定書において明瞭である。それを私に見せてくれましたので、そのことを申し上げたわけでございます。  それから口座につきましては、長年使い、今日も使っております青木本人の口座へ、あのときも申し上げましたように出入りともに明確である。そこで、銀行の名前言ったらどうだ、こういう話でありましたが、普通個人的に、あなたの口座はどこですか、大和銀行国会支店ですということをお答えするのは何のこともないわけでございますが、しかし、個人の関係で二人でお話しするぐらいの話ならどうということはないのですが、ここで取引銀行の名前を言うというのは常識的先例として余り好ましくないかなと思って、きょうそういうお尋ねがあれば、いかがなものかということを申し上げてみようかなと思って来たわけでございます。――失礼しました。一つ落としました。  それから、だれからのあっせんであったかということでございましたが、リクルート関係者ということを申しましたが、記憶を定かにするために、もし間違っておるといかぬので、これについてはたくさんの人にお会いしますので――それはそうだと思います、実際私どもの事務所の客の出入りから見ますと。もしそれが間違っておったら迷惑をかけますので、いましばらくこれについては記憶を呼び戻す時間をもらいたい、こう言っておりました。
  69. 坂上富男

    坂上委員 総理、そういう答弁をいただきますと、また余りしたくない質問なんですが、せざるを得なくなるのです。私はしばらく待ちますから、しばらく待って、うちの同僚議員がまたお聞きする機会もあろうかと思いますから、それまでひとつお調べして、またお考えの上で御答弁賜りたいと思います。  そこで、総理及び青木さんあるいは総理の秘書、今言った問題になった株以外に譲渡は受けておるのですか、ないですか。大変失礼ですが。
  70. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 青木伊平君は、他の株式を譲り受けたことはもとよりないと申しておりました。銀行口座も、本当は私のところへ持ってきたわけでございますけれども、どうも考えてみて、二人で言うならどうってことはないのですが、銀行名を言うというのは何かすべてそれが波及するような感じがしたものですから、ちょっと考えさせてくださいませ。余り実態とは影響のないことでございますけれども、お互いの常識の範囲内でそれは言わない方がいいんじゃないかなという気がしております。
  71. 坂上富男

    坂上委員 こういうのはあるいは余韻を残した方がいいかもしれません。まあしばらく待ちますから、どうぞきちっとした答弁を。  そこで、いま一つです。江副氏やリクルートリクルートコスモスから大臣は政治献金は受けたことはございますか。
  72. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 数千人のお方から政治献金の御協力をいただいておりますので、それは政治資金規正法で私なりに届け出をしておるつもりでございますが、その政治資金規正法を調べてみるとおっしゃれば私も調べるつもりはございます。
  73. 坂上富男

    坂上委員 今は金額おわかりになりませんか、金額、いつごろというのは。
  74. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 数千人のお方から私は政治資金をちょうだいしておりますので、それを一々記憶をいたしておりませんから毎年の額がどうであったかということも正確には申しておりませんが、その点については政治資金規正法の届け出で明らかにしておりますので、そのものを私なりに調べてみるということはお約束をいたしますが、今おっしゃったリクルートリクルートコスモスから何ぼもらっているかというようなことは全くございません。
  75. 坂上富男

    坂上委員 大臣、あなたがおっしゃいました株式売買約定書に署名押印があったと、これは新聞に出ておるのをちょっと大きくしたのですが、これでございますか。どうぞ。いいですか、委員長、お示しして。
  76. 金丸信

    金丸委員長 はい、どうぞ。
  77. 坂上富男

    坂上委員 これはこういう形式でしょう。どうですか、大臣ごらんになったというのは。
  78. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 ちょっと違うように思います。
  79. 坂上富男

    坂上委員 どういうふうに違いますか。
  80. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 縦書きであったと思いますが。
  81. 坂上富男

    坂上委員 ああ、縦書き……。
  82. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 失礼いたしました。縦長であったと思います。
  83. 坂上富男

    坂上委員 もっと長いということですか。横書きというのですか。
  84. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 いわゆる縦長のものであったというふうに思いますが、しかし、株式売買約定書と書いてあったことは事実でございますから、余り書式に別に議論しようとは思いません。私の印象だけを申し上げております。
  85. 坂上富男

    坂上委員 ああ、そうですか。結構です。  それでは、今度は宮澤先生にお聞きをいたしますが、宮澤大臣、前回の質問後さらに御調査なさったと思われるのでありますが、だれとだれをお聞きになって、どういう調査をなさいましたか。
  86. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 前回、先週に御報告を申し上げましたことが、服部を通じまして調査いたしましたすべてでございます。わかりましたことを全部申し上げました。
  87. 坂上富男

    坂上委員 そうすると、私の質問後調査はなさっておりませんか。
  88. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 御質問の一点は、河合という人がだれからそういうオファーを受けたかということでございましたが、これはあのときも申し上げたことでございますが、本人が仕事をしておる人でございますので、それはどうかひとつ申し上げることを御勘弁を願いたい、お許しをいただきたいと申しております。  それから、どこの会社からであったかというお尋ねもあったのでございますが、これは本人が記憶をいたしておりません。
  89. 坂上富男

    坂上委員 大臣、河合さんという人は前からのお知り合いの関係でなかったですか。
  90. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 私の秘書服部の親しい友人でございますが、私と直接の面識があった人ではございません。
  91. 坂上富男

    坂上委員 これは私の調査によりますと、この河合さんというのは自民党の代議士さんの増岡博之さんの秘書をなさっておられた方である。そして、それは四十三年の十二月一日から四十四年十二月二日、あるいはちょっと時間がありますが、最後には四十八年の七月十日まで秘書をなさったというふうに聞いておるわけであります。増岡先生というのは先生と同じ宏池会の所属のようでございまして、しかも広島県の出身というふうに聞いているのですが、大臣、御存じなんじゃございませんかな。
  92. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 それはごく最近になりまして、赤旗ではなかったかと思うのでございますが、そういう報道がございましたのを聞きましたのですが、昭和四十三年ごろでございますか、二十年ぐらい前のことで、どうも私全くそのことを存じませんでした。
  93. 坂上富男

    坂上委員 ああ、そうですか。  さて大臣、大臣は、河合さんが株を買いたいという申し出で秘書が同意をした、こうおっしゃったわけです。河合さんは一体だれから、だれに話をしてそういう話を持ってきたのでございましょうか、それは聞きませんか。
  94. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 それは前から申し上げておりますように、河合という人は建築等々いろいろ不動産とか仕事をしておりますので、その仲間といいますかの筋からこういう株のいわば募集のようなものがあるということを聞いたのだそうでございます。
  95. 坂上富男

    坂上委員 ちょっと大臣、失礼でございますが、緊急の質問をせいという指示がありますので、刑事局長にお聞きをしたいのでございますが、リクルート松原前社長室長を贈賄の疑いで逮捕したという情報が私のところに届いているのですが、事実でございますか。何時ごろ逮捕したのです。そして容疑は何でございますか。
  96. 根來泰周

    根來政府委員 先ほど質問のあった時点では不明であったわけでございますけれども、午前十一時に松原氏を贈賄申し込みの容疑で逮捕したという報告を受けております。
  97. 坂上富男

    坂上委員 証券業協会の方、お見えでございましょうか。  お聞きをいたしますが、委員長、これはポスターでございます、ポスターのひな形でございますが、これを参考人に見せてお聞きをしたいのでございますが、よろしゅうございましょうか。
  98. 金丸信

    金丸委員長 はい、どうぞ。
  99. 坂上富男

    坂上委員 関さんでございますか。御苦労さまでございます。  今示したような店頭掲示用ポスター、これはみんな証券会社の店頭に飾ってあるのですか、張ってあるのですか。いかがですか。
  100. 関要

    ○関参考人 このようなポスター、これは大分古い時期のポスターでございまして、文言等に変わりがあるかもしれませんが、同趣旨のものが張ってあるはずでございます。
  101. 坂上富男

    坂上委員 そうですか。それをちょっと読み上げていただけるでしょうか、大変失礼ですが。
  102. 関要

    ○関参考人 じゃ、御依頼でございますので、そのままお示しのものをお読みさせていただきます。     投資者のみなさまへ  有価証券の売買等をなさるときは、ご本人の正しいお名前とご住所をご使用下さい。   架空のお名前やご住所をご使用になりますと、めんどうな問題がおこる場合があります。   大蔵省からの指示もありましたので、よろしくご協力下さい。            日本証券業協会連合会            各証券業協会
  103. 坂上富男

    坂上委員 こう聞いてよろしゅうございますか。有価証券の中には株式が入ると思いますが、この売買、売ったり買ったりのときは「ご本人の 正しいお名前とご住所をご使用下さい。」「ご本人」というのはだれのことを言いますか、こういう場合。
  104. 関要

    ○関参考人 売り買いをしようという、その人のことだと思います。
  105. 坂上富男

    坂上委員 その人ですね。  「架空のお名前やご住所をご使用になりますと、めんどうな問題がおこる場合があります。」まず、「架空のお名前やご住所」というのはどういうようなことを指すのでございましょうか。それから、「めんどうな問題がおこる場合があります。」こう言っているわけです。この意味についてお答えをいただきたいと思いますが。
  106. 関要

    ○関参考人 まず、「架空のお名前やご住所」というところの架空でございますけれども、これは普通の一般の意味の架空という意味でございます。  それから、「めんどうな問題がおこる場合があります。」この「めんどうな問題」というのは、いろいろな場合があると思いますけれども、例えば、本人と違う名前を使った場合にその売買報告書が本人のところに行かなかった、それが証券会社に苦情に持ち込まれて、御本人も不愉快になるとか、そういう問題も例えばあると思います。
  107. 坂上富男

    坂上委員 そうしますと関さん、あれでございましょうかね。大変宮澤先生を例に挙げて恐縮ですが、河合という人が自分の所持しておるリクルートコスモスの株を、名義は宮澤先生、または服部秘書さん、どっちかの名前らしいのですが、これはまた後で聞きますが、そうやって、いわば実在する人物ではありまするけれども河合本人でない場合も、「架空のお名前」になりますか。
  108. 関要

    ○関参考人 このポスターはあくまで証券会社が注文を受けるときのものでございまして、今まで報道されております、今具体的なことを御指摘になりましたけれども、それは証券会社を介さない取引だというふうに今までのところは理解をしております。
  109. 坂上富男

    坂上委員 関さん、よく聞いて答えてください。当事者間でやる場合を相対取引と言っているのは私らも知っているのです。売却のときは、今問題になっておるのを売却したときは証券会社を通したのですよ。どうですか。きちっと私の質問に正面から答えてください。
  110. 関要

    ○関参考人 一般論お答えをしたいと思いますけれども、売却の場合に証券会社を経由しているということであれば、ここのポスターで示している問題に該当するということになると思います。
  111. 坂上富男

    坂上委員 もう一点お聞きをしておきますが、昭和四十八年の三月ごろらしいのですが、衆議院の大蔵委員会の有価証券取引税法の一部を改正する法律の附帯決議において、「無記名もしくは架空名儀による有価証券取引を排除するよう一層努力すべきである。」こういう附帯決議、御存じでございましょうか。この意味についてお答えいただけないでしょうか、証券会社として。――関さんにお聞きをしている。意味がわかったら、関さんにお聞きをしている。
  112. 関要

    ○関参考人 そのような附帯決議があったことは承知しておりますが、正確な文言は実は記憶をいたしておりません。ただ、この仮名取引の自粛につきましては、あくまで有価証券の売買を証券会社が受託をする場合におきまして、顧客管理の適正という観点あるいは有価証券市場における公正を維持する、こういった観点から仮名取引は好ましくない、こういう考え方でこういう通達なり協会の措置がとられているものではございます。
  113. 坂上富男

    坂上委員 それで宮澤大臣、相対取引のはよろしゅうございますが、処分のときなんですが、この処分のときは一体宮澤大臣、宮澤先生個人の名義だったのか、服部さんの名義だったのでしょうか、株の名義は。処分のとき、これはどうですか。
  114. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 それは全く私にわかりません。わかっておりますことは、もし私ですと通知が来るとかそういうことがございますが、そういうこと一切ございません。これは自分のことでございますからわかっております。
  115. 坂上富男

    坂上委員 先回りして御答弁になったようでございますが、関さん、証券会社を通じて売却をした場合は、売り渡し通知書というのですか、それがその名義の人のところへ行くと聞いておるわけですが、これはそうでございますか。この場合、リクルートコスモスの場合の、そういう場合の証券会社は、これはどこでした。  それから、最初の質問も一緒にお答えください。
  116. 関要

    ○関参考人 売買報告書は証券取引法に基づきまして証券会社が必ず顧客に送らなければならないことになっております。その場合、本人がお届けになりました住所あてに送付するのが原則でございます。  それから、二番目はどういうことですか、ちょっともう一度お願いいたします、第二番目の御質問
  117. 坂上富男

    坂上委員 証券会社の名前。
  118. 関要

    ○関参考人 証券会社の名前は存じておりません。
  119. 坂上富男

    坂上委員 ちょっと大臣にお聞きをいたします。  大臣、大臣の名前、個人の名前、服部さんの名前、どうですか、さっき言ったように附帯決議あるいはこのポスター、私たち庶民に気をつけてくださいよと言って張り紙している。これは大蔵省の通達からこう来ているのだろうと思うのでございます。どうも大臣の方は、服部さんが名前を使うことを、しかも大臣の名前を使うことをお許しになったような結果こういう問題になってしまったわけです。結果的にこれに違反するというふうなことをお認めになりませんか、二つの問題。
  120. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 それはそう考えておりません。全体うかつなことをしたのは恐縮しておりますけれども、最初の部分はまず相対のことでございます。それから、今度処分をしたときのことを仰せられましたが、これは全く私に関係のないことでございますので、きちんと申しましてそれは私の関係のことではございません。全体として、大蔵委員会の決議はいわゆる大口の有価証券取引について云々ということでございます。そういう趣旨と思っておりますが、その場合でももとよりございません。
  121. 坂上富男

    坂上委員 大臣、あなたが悪いことをしたかとまだ聞いてないのです。服部さんがあなたの名前を貸すことを承諾した結果、処分に当たってこのポスターやこの附帯決議に結果的に違反したのではありませんか、こう聞いているのです。
  122. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 だれが違反をしたのかということを……
  123. 坂上富男

    坂上委員 いや、だれでもいいから、これはあなたたち関係者の中で違反をしているのじゃないですか、こういう質問です。
  124. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 先ほど申しましたような理由で、そういうふうには思えません。
  125. 坂上富男

    坂上委員 では、河合さんは違反していませんか。河合さんが処分をした、あなたの名義かあるいは服部さんの名義でとにかく処分したわけです。その処分は、この通達やポスターからいって、河合さんがやったわけですから、河合さんと服部さんが共同加功してやったわけですから、お二人がこれに違反をしておりませんか、こう聞いておるのです。
  126. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 前段については、だれでありましても相対の問題でございますし、後段は、どういう形で売却が行われたのか、恐らく証券会社を通してと思いますが、証券会社について問題がありますかどうか存じませんが、だれというその個人については私はそういうことがないように思います。
  127. 坂上富男

    坂上委員 河合さんも違反がない、こう聞いていいのですか。
  128. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 定かではございません。私のお答えできる範囲でございません。
  129. 坂上富男

    坂上委員 そういうことは調査なさったでしょう、こう言っているのです、私は。あれだけの期間があるのだから、あれから。調査して、河合さんはこれに違反するな、そういう判断ぐらい、明 敏な大臣としてはもう出るのじゃないですか。もう一度御答弁ください。
  130. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 実情がわかりませんので、申し上げかねます。
  131. 坂上富男

    坂上委員 では、次の質問までにお答えください、これは違反するかどうか、お調べの上で。  さて、これに関連をいたしまして、ひとつ証券局長にお聞きをいたします。  私は、相対のことは今申しません。宮澤先生の名義の株の処分のことについてお聞きをするわけであります。これ、どうですか。まず附帯決議に違反しませんか。それからポスターに違反しておりませんか、まず河合氏は。それに加功いたしております服部氏もこれは共謀だろうと思っているのです、承知したのだから。どうぞ。
  132. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 先日もお答え申し上げましたし、本日も証券業協会の関常務理事からもお答え申しましたように、仮名取引についての自粛あるいは禁止といった問題は、これは証券会社の管理体制を充実するあるいは株式市場を通ずるいろいろな不正行為を防止するという観点から、証券会社に対する行為規制として行っているわけでございます。それを実効あらしめるために、先ほど御指摘がございましたようなポスターその他によりまして一般投資家にもこの協力を要請している、こういう関係にあるわけでございます。そういった意味では、その通達の直接の対象というのは証券会社でございまして、一般投資家も協力していただいて本人名義でやっていただくということが望ましいし、またそうあるべきだと思いますけれども、直接的に通達違反かどうかということになりますと、これは一般投資家本人について通達違反であるとかないとか、こういう問題はなかなかそこまでの通達の効力というものは法律的な意味ではないと言わざるを得ないということでございます。  なお、今具体的な例に際して申し上げますと、私は服部さんと河合さんとの関係がどうなっているかわかりませんけれども、いずれにいたしましても、先ほど関常務理事からお話がありましたように、売買報告書は本人名義のところに行っているはずでございますし、そういったところで特段の問題があったかどうか、一般的に私は聞いているわけではございませんけれども、いずれにいたしましても、宮澤大臣が借名あるいは仮名があったということではないようでございまして、河合さんと服部さんの関係がどうなっているか私は存じませんけれども、そういったことがあったといたしましても、これは宮澤大臣について仮名あるいは借名があったといったふうなことではないのではないかというふうに、私は今の議論を聞きながらそう考えているわけでございます。
  133. 坂上富男

    坂上委員 局長、私は失礼ながら冒頭あなたに御注意申し上げた。よく聞いて答えてくださいよ。通達に違反しているかどうかなんて一言も言ってない。附帯決議に違反しませんか、こう聞いているのです。ポスターに違反しませんか、こう聞いているのです。大事なことを聞いていないからそういう、失礼な話でありますが、通達違反かどうかということをしゃあしゃあして長々と答弁なさっている。そんなことは前に答弁があるからわかっているのですよ、私は。だから、今度は別の意味で聞いているのですよ、あなた。だから、楢崎さんがあなたはどうなのとおっしゃるのも、もっとものような感じもしますよ。もう一遍お答えを。
  134. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 附帯決議の問題でございますが、無記名もしくは仮名口座による有価証券取引を排除するよう一層努力すべきものである、努力ということの具体的な手段が、先ほど申し上げた通達ということでございます。一般的な経済取引におきまして仮名とか借名ということが現に広く行われ、それが特に法律上の規制があるわけではございませんので、努力ということの趣旨が、さっき申し上げた通達という形で証券会社に対するいろいろ規制という形で行われている。したがって、そういう意味での努力というのは私は行われているというふうに考えておるわけでございます。  それから、先ほどのポスターの件でございますが、これは投資家に対する協力要請でございますので、これは違反するとかしないとかというふうな問題ではないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  135. 坂上富男

    坂上委員 では、違反してもいいというのですか、個人は。それを御質問します。どうぞ。
  136. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 違反してもいいということを申し上げているわけではありません。もしそういったことが明らかな株式取引等を受託する場合におきましては、証券会社においてこれは受託することをしてはいけないといったことを、実は去る九月十三日でございますか、証券局長通達で発付したわけでございまして、そういった意味では、実効ある措置としてそれに伴ういろいろな外務員等に対する服務規程等で措置をしているところでございます。そういった意味では、していいということではございません。そういったことがあった場合には、当然証券会社としては本人名義によるよう指導し、あるいはそれが明らかな場合にはこれは当然受託してはいけない、こういう間接的な意味でこれを要請しているといいますか、お願いしているといったことでございます。
  137. 坂上富男

    坂上委員 そうでしょう。そういうことをしないように関係者から努力してください、そういうものの申請があった場合はこれは拒否してください、こういう指導でしょう。決まったことなんですよ。それを大臣または大臣の秘書さんがいわばこれに違反するような貸し方をなさったところに問題があると今言っているわけです。  そこでお聞きをするわけですが、協会の方にお聞きをいたします。さっき言ったように、それから新聞でも報道されてごらんになっていると思うのでございますが、第三者割り当ての株を、リクルートの場合ですよ、江副さんが売買禁止期間に引き取って、それを流したようになっているわけです、ドゥ・ベストの八万株は。それからビツグウエイも江副さんに返した、こういう新聞が出ているわけです。いずれもトンネル会社、特別利害関係人に譲渡してはならない、こうあるわけでございます。こういうようなことがありますと、あなたたちがつくっておられますところの店頭売買銘柄に関する規則第十二条の第一項第十五号に違反をして、これは店頭登録取り消しの対象になるのじゃないですか。いかがです。
  138. 関要

    ○関参考人 先生御指摘のとおり、協会では、店頭公開前の一定期間におきます特別利害関係者等の株集めまたはこれに準ずる行為について規制を行っているわけでございます。それで、ただいま御引用の報道等に述べられているように、特別利害関係人である江副氏のところにその株が戻っていたということになりますれば、それはこの私どもの内規に触れることになるのではないかという問題はあると思います。現在、そういう事実があるかどうか、申請協会員の幹事証券に調査を求めているところでございます。
  139. 坂上富男

    坂上委員 私が今指摘したような事実があれば店頭銘柄取り消しの対象になる。で、指摘されたことが事実かどうかということは目下調査中である。結構でございました。  証券局長、今の御答弁、証券局としても御理解いただけますかな。
  140. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 最近新聞報道で伝えられておりますいろいろな問題につきまして、証券業協会が申請協会員である主幹事証券を通じて調査を開始したといったことにつきましては、私も昨日報告を受けて聞いております。
  141. 坂上富男

    坂上委員 証券局長、こういうようなことが事実としてあったら、一体証取法上どのような問題が起きるのでございますか。
  142. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 これは証券取引法それ自体の問題というよりは、店頭登録に関する証券業協会の自主ルールの運用の問題でございます。したがいまして、現段階におきまして証券取引法上何らかの違法な行為があったというふうな形では、私は事実を承知いたしておりません。
  143. 坂上富男

    坂上委員 話は変わりますが、証券局長新聞等に出ておりましてこの国会で問題になりましたドゥ・ベストの株式譲渡先内訳、これは別表のようでございますが、これと同じ内容が、証券局の方に報告になっておるその一部でございませんか、どうですか。
  144. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 大蔵省といたしまして、そのドゥ・ベスト社に係ります取引内容につきまして報告を受けた、あるいは資料提出を受けたといったことはございません。
  145. 坂上富男

    坂上委員 証券局長、証券行政上調査をなさったということを繰り返し御答弁になった。その中に宮澤喜一先生の名前は今まで出てこなかったですか。
  146. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 私どもが証券取引法上調査いたしましたのは、昭和五十九年の十二月におきますところの、例の有価証券届出書提出義務違反であったかどうかといったことでございまして、その過程におきまして七十六名という者に譲渡が行われたといったことで、それが届出書違反になるという事実は確認いたしましたが、その確認の段階におきまして固有名詞まで確認いたしておりません。  それから、現在いろいろ問題になっておりますところのその後の六十一年九月の問題でございますけれども、この取引につきましては、これは個々の相対の取引ということでございまして、特段証取法上問題となるといった点が認められておりませんので、私どもとしてはこれを調査いたしておりませんし、またこれを調査する立場にもないというわけでございますので、固有名詞その他については確認いたしておりません。
  147. 坂上富男

    坂上委員 二つ、証券局長質問します。確認をいたしますが、証券局として調査した過程の中で、宮澤先生の名前が出てきたかどうかということは、あなた方としては七十六名分は固有名詞を確認をしないからわかりません、こういう答弁になるんですね。第三者割り当てのものについてはこれは出ていない、これはそうなんでしょう。積極的答弁できますか。
  148. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 七十六名のリストは持っておりませんので、その中に宮澤大臣が入っているとも入っていないとも私は申し上げようはございません。  それから、後段の点につきましては、これはいろいろ新聞その他では伝えられておりますけれども、この点についても私ども資料を持っておりませんので、どういう形になっておるかということについては確認いたしておりません。
  149. 坂上富男

    坂上委員 宮澤先生がいられたかどうかもわからない、これはこれで今までの答弁から見れば一貫性があると言うべきでしょう。  さて、そこでです、宮澤先生にお聞きをいたしますが、大変先生も苦悩なさっておられるだろうと思うのであります。しかしまた、証券行政、もう大蔵という最高の地位におありのわけでございます。しかも、竹下総理は、うかつであったとの御指摘もあるわけでございます。そうだといたしますと、大臣、私は、大変言いづらいことでございますが、大臣はこの間陳謝はなさいましたけれども、出処進退のことについての御決断をまだしておられないというふうに私は理解をしておるわけでございますが、大臣とされましてはどのような決断をされておるのか、そして現在の心境としてはいかがであるかを実はお聞きをしたいと思っておるわけでございます。  そこで、その御答弁をいただく前に二つだけ明確にさせていただきたいと思います。  まず第一に、株の譲渡についての売買約定書、これは竹下総理はごらんになった、こうおっしゃった。宮澤先生は、ドゥ・ベストから宮澤先生の名前で書かれて三文判が押されている、これは御確認になったのでしょうか、ならないのでしょうか。  それからいま一つ。証券会社が売却をした売却通知書は一体だれのところに行っているのか。宮澤大臣は、私のところに来てない、こうおっしゃった。だとしたら、だれのところ――協会のお話によりますと、名義人のところに通知を出します、こう言っておるわけでございます。だから架空では困るのです、こう言っておるわけでございます。一体、服部さんのところへ行ったのですか。服部さんの名前で通知が行ったのですか。  まずこの二点をお答えの上、さらに追加して大臣の御決意を賜りたいと思っています。
  150. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 まず最初の二点は、最初の第一点は、せんだってから申し上げていることでおわかりをいただいておると思います。売買約定書云々というものは私は全く見ておりません。ドゥ・ベスト云々ということも存じません。三文判云々というのは、これはどなたかお尋ねがございまして、実印が使ってあるというようなことをおっしゃるものですから、そんなことは考えられないことじゃございませんかと申し上げた。じゃ、どこかの印かと言うから、そうでありましょうというだけのことでございます。  次に、売買通知書は私のところに参っておらないことはもちろんでございます。これは先ほども申し上げました。  最後に、これは私がかかわったことでないことは何度も申し上げましたが、しかし、申し上げたような経緯でこういうことになりまして、全く私のこれは監督不行き届きであり、軽率なことであったと考えておりますので、先般もこの委員会においておわびを申し上げました。以後十分注意をいたすつもりでございます。
  151. 坂上富男

    坂上委員 売買約定書、通知書、ごらんになったのでしょうかどうか、こう聞いているのです。それをお答えください。
  152. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 全く見ておりません。
  153. 坂上富男

    坂上委員 竹下大臣はこの答弁に当たって、売買の約定書をごらんになったんですね、あの青木さんのを。
  154. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 当事者そのものが青木伊平君でございますから、青木伊平君が持ってきたのを見た、こう申したわけでございます。
  155. 坂上富男

    坂上委員 やっぱり大臣、大蔵大臣ですが、この間からこの問題が相当重要な議論になっておるわけでございます。だから、服部君を少なくとも通じましてきちっと調べて、私たちの前に明らかにすることがいわゆる大蔵大臣としての私は責務でなかろうかと実は思っているのです。いかがでございますか。この間、正森委員質問を聞いておりますと、大臣に厳しく迫られました。これは私も、こうやってきちんとしない限りは、やっぱり疑問に思うのはそれは当たり前なんです。でありますから、どうぞ大臣、ひとつきちっと調べて、他の同僚議員がまたその後聞くと思いますから、お答えいただきたいと思います。  そこで、今わかる範囲においてちょっとはっきりさせていただきたいのですが、大臣、最初、秘書が名前を貸して売買を行われたのは六十年の一月だと、こうおっしゃった。これは私から見れば、その当時は大臣は総務会長であって、大蔵大臣でない。これが今度六十一年の九月と訂正になった。大蔵大臣。それから、この間服部さんがおやめになっちゃった、秘書官を。今度は、きょうの新聞によりますと、公設秘書もおやめになった、こういうわけです。  これは、後の公設秘書の辞任はもっともだろうと思うのでございますが、その前の秘書官をおやめになったときというのは、私たちがドゥ・ベストのこのリストを持って回って調査に入っていたとき、突然やめられたわけでございます。やめさせられたわけでございます。これは一体どうなんだということを新聞でもお聞きになりましたし、私もこの間ちょっと聞いたんでありますが、あんまりはっきりした答弁がなかったのであります。大臣、やっぱりあれでしょう、六十年の一月に売買したというのは、できるならば大蔵大臣時代の売買というのを避けたかったんじゃないの。  いま一つ、さっき言ったように秘書官を解任をしたというのか、服部さんがやめたというのも、こういう問題があって話し合いの上でやめてもらったのと違いますか、どうですか。
  156. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 まず、前段の点はもう前にも何度も御説明を申し上げました。六十一年九月でございます。  それがなぜあのもっと早い時期というふうにいっとき考えたかと申しますと、この報道が世間に初めになされたときのことを御記憶いただきますとおわかりいただくのですが、一様にその時期というふうに報道されたわけでございます。私どもの服部が、したがいましてこの河合氏に対して、ああいうことがあったな、いつごろだったろうということを聞きましたときに、河合氏自身がその当時の報道の基調を頭に置いておったものでございますから、そういうことであったということを言ったようでありまして、これは明らかに誤りでございます。その点はしかし、国会におきまして、誤りがわかりましたので訂正を申し上げております。  それから、服部君が秘書官を辞任いたしましたのは、もう二年余りになりまして若い人をだんだん育てたいという意識でございますが、この時期が実は、この間お話しの書類でございますか、私ども全くそのことを知らないわけでございます。九月何日、おしまいの日のようなことをおっしゃいましたが、そういうことを私が知って、何か先回りをしてというようなことは、私どもそれを知らないのでございますから、そんなことはもとよりございません。
  157. 坂上富男

    坂上委員 時間がないので急がせていただきます。もう簡単でいいですから。  これまた大変失礼な質問ですがお許しして、勇気を持って御答弁ください。  この問題が起きまして大臣は大変苦悩なさっておる。しかし、大臣の今までの答弁から見ると、私の信頼する秘書が勝手に私の名前を使って、こうしたことで大変なことになったというふうに御理解のようであります。いかに信頼する秘書であろうと、とんでもないことをしてくれたわけであります、大臣の立場から見ると。しかも、今言ったように売買契約書、あなたの承諾なく判こを使ったのです。あなたの承諾なくしてあなたの氏名を使ったのでございます。こういうのを有印私文書偽造というのです。これを行使したのです。そしてリクルートコスモスにとってみれば、宮澤喜一さんが買うのですよとこういったわけ、それならば売りましょうと。これは詐欺だと思うのでございます。刑事局長、いかがです。
  158. 根來泰周

    根來政府委員 従来から申し上げておりますように、具体的事件について犯罪かどうかということについて申し上げる立場にございません。
  159. 坂上富男

    坂上委員 じゃ、ちょっと一般的なお話を聞きましょうか。全く無断で人の名前と判を使って物を譲渡を受けたような場合は、有印私文書偽造、同行使、詐欺、こういうふうに通常言っているのじゃないですか。
  160. 根來泰周

    根來政府委員 まことに恐縮でございますけれども、やはり具体的事件に関連して抽象的事案を例に挙げてお尋ねありますと、その具体的事件がそれだ、こういうふうな結論になりますので、私どもとしては何とも申し上げられません。
  161. 坂上富男

    坂上委員 さて大臣、今言ったように大変な御迷惑を受けられたわけであります。本当に大臣が潔白だったら、私は河合さんと服部さんを今言ったように告訴、あなたは被害者でございますから、前におっしゃった、被害者ですから、告訴、告発をすべきが当然だと思いますが、いかがでございますか。
  162. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 私が申し上げておりますことは、全部秘書から報告を受けましたことをそのとおり申し上げておるのでございますので、これはその報告として御信頼をいただきたいと思います。私も、それはこうやっていろいろお尋ねを受け、お騒がせをして申しわけないことだと重々思っておりますけれども、ただいまおっしゃいましたようなことは考えておりません。
  163. 坂上富男

    坂上委員 さてそこで、あなたのこれから、あなたなんて言って大変失礼ですが、大臣のこれからにも大変大きな影響を及ぼします。大蔵行政において大変な不信を呼んでおるわけでございます。しかもまた国会答弁も、三カ月にわたりましていわばずさんな調査の結果の答弁をされておるわけであります。それで初めてこの間あなた名義だということを認めたので、わあっと問題になったわけでございます。どうも、そんなようなことからいいまして、あなたが告訴、告発をなさらぬということは、あなた自身も御承諾になっていたのじゃなかろうか。もしそうでなくてあれをするとするならば、これはやはり大臣の職にあられるかどうかということについて決断をしていただかなければならぬと思うのでございますが、いかがですか。
  164. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 先週お答え申し上げましたのは、その時点ではっきりわかりましたので申し上げたのでありまして、前にわかっておったことを隠しておったというふうにおっしゃいますことは当たらないと存じます。  お騒がせして申しわけないと思いますが、私といたしましては、これは自分がしたことではございません。何度も申し上げております。したがいまして、今後、監督等々至らなかったことは十分反省をいたしまして、再度このようなお騒がせをいたさないように注意をいたします。
  165. 坂上富男

    坂上委員 こういうような事実を指摘をされましても、しかも国民の怨嗟の的になっていても辞職を決断できないというのは、私は大変遺憾だと思っておるわけでございます。どうぞひとつ、私が二つあなたに御質問を申し上げましたことが課題として残っておるわけであります。もう一度我が同僚議員が質問するでありましょうから、その事実を明らかにしていただきまして再度御考慮賜りますことを要請をいたしまして、大臣には大変失礼な言葉でありましたが、大臣への質問はこの程度にとどめておきまして、もう十分間あります。しかも小沢官房副長官がお見えでございまするので、まずお聞きをさせていただきたい、こう思っておるわけであります。  林野庁長官おられましょうか。――それではまずお聞きをいたしますが、岩手県の安比総合リゾートというのがあるそうでございまして、総合開発何とかという団体があるそうでございますが、この組織内容についてまずお答えをいただきましょうか。どちらでも結構でございますが、東北開発公庫でしょうか。
  166. 松田堯

    ○松田(堯)政府委員 国民の森林に対する多様なニーズの中で、スキーを楽しみたい、こういったような要望が非常に強いわけでございまして、国有林をそれに活用いたしているわけでございます。管理審議会等の議を経まして事業の内容等を決めているわけでございますが、安比につきましては安比総合開発株式会社、第三セクターでございます。岩手県と地元自治体の資本参画もございます。また、民間の資本の参画もいただきまして、その中にリクルートも入っていただいているわけでございます。十七団体で構成をいたします安比総合開発株式会社が、国有林を一部活用しながらスキー場等の運営をしているところでございます。
  167. 坂上富男

    坂上委員 保安林の解除、国有地の貸し付け、そういうのがなされておるそうでございますが、大体どの程度ここに貸し付け、保安林の解除等がなされたのですか。
  168. 松田堯

    ○松田(堯)政府委員 安比総合開発株式会社が対象にしております国有林はおおむね二千八百ヘクタールでございますが、ほとんど樹林地とゲレンデでございます。直接的に使用許可をいたしておりますのは三十九ヘクタールでございます。  その過程におきまして何度か保安林の解除をいたしておりますが、保安林の解除面積はおおむね百四十ヘクタールでございます。
  169. 坂上富男

    坂上委員 国有地の貸付面積はどれぐらいですかと聞いているのです。それと値段も言うてください、賃料も。
  170. 松田堯

    ○松田(堯)政府委員 使用許可をいたしておりますが、先ほど申し上げましたように三十九ヘクタールでございます。収益還元方式といいますか、そういう方式で貸付料をいただいておるところでございますが、三十九ヘクタールにつきまして、六十二年度の実績におきましては二千二百万の使用料をいただいております。
  171. 坂上富男

    坂上委員 ここの開設に、加藤前農水大臣がヘリコプターで祝賀会に御参加なさったそうでございますが、このヘリコプターというのはどこのへリコプターだったのでございますか。そして、借り上げたならば、この金額はどれぐらいの支出になっているのですか。
  172. 松田堯

    ○松田(堯)政府委員 昨年の百八国会におきまして総合保養地域整備法案の審議が行われるに先立ちまして、先進事例といたしまして大臣に御視察をいただいたわけでございます。ヘリコプターで参ったところでございますが、民法上の契約事項にかかわることでございますので、その内容につきましては差し控えさせていただきたいと思っております。
  173. 坂上富男

    坂上委員 長官、民事であれば何にもしゃべらぬだっていいなんという言葉は通じませんよ。あなた、どこに守秘義務があるのか。総理、そういうのが長官をやっているのだ。守秘義務なんてないですよ。ちゃんとヘリコプターを使った。そのヘリコプターはどこから借りて、幾らかかったのですかということが何でしゃべられないのかね。民事だったら何でもしゃべらぬのだって言えば、国会なんてありゃしないわね。質問だってできっこないわね。何をとぼけたことを言っている。きちっと答えなさい。
  174. 松田堯

    ○松田(堯)政府委員 会計法上の手続を経ましてチャーターをいたしたわけでございますが、内容につきましては先ほど申し上げたとおりでございます、差し控えさせていただきたいと存じます。
  175. 坂上富男

    坂上委員 大臣、いかがですか、総理。こんな程度、こんなのどこから借りたか、幾らかかったかということを答弁できないような林野庁長官、これが責任長官だ。何でこんなものを隠さんければならぬのか。隠さんければならねばならぬほど疑惑を感じますよ。総理、いかがですか、今の答弁をお聞きになって、総理として……。
  176. 金丸信

    金丸委員長 松田林野庁長官。しっかりした返事しろよ。
  177. 松田堯

    ○松田(堯)政府委員 先ほど申し上げたとおりでございまして、内容につきましては差し控えさせていただきたいと存じます。
  178. 坂上富男

    坂上委員 総理、今のような答弁をさせておいて、いかがですか、お答えいただけますか。それは当たり前だと言えますか、どうですか。
  179. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 会計法の支出等について私は定かでございませんので、事務当局からお答えがあれば、なるほどそんなものかな、こう思って聞いておりました。
  180. 坂上富男

    坂上委員 しゃべらねばしゃべらぬほど疑惑がわくわけでございます。――犯罪の疑惑だよ。  さて、そこで長官、大臣が現地にお着きになってから江副氏が案内したというお話ですが、いかがですか。
  181. 松田堯

    ○松田(堯)政府委員 安比総合開発事業の内容につきまして、地元の岩手県知事初め安代町そして松尾村の町長さん、村長さんからいろいろの要望を受けたわけでございます。また営林局長からも事業の内容の説明を受けまして、その後、現地につきましては江副氏に御案内をいただき、説明をいただいたところでございます。
  182. 坂上富男

    坂上委員 小沢長官、大変恐縮でございますが、新聞に出ておるところによりますと、長官リクルート関係から政治献金二百万円を受けたというふうに、先生の後援会でございますが、リクルート社から二百万円の献金を受けたということは確認をなさっているようでございますが、どうですか。元会長の江副さんなんかと大変親しい間柄にあって、そしてこの二百万の献金があったのですか。それから、従前からこういう献金をずうっと受けておったのでございますか。
  183. 小沢一郎

    小沢政府委員 私は副長官でございますので、長官ではございません。  若干経過を申し上げますと、江副さんとの関係は、昨年の春先ごろだったと思います。こういう話でした。岩手県の国会議員の中でまだおまえとはあいさつを交わしたことがないので、一度ぜひ会いたいという旨の話がありまして、私も、地元でいろいろ企業活動をしておられる方ですので、それを受けまして一度飯をごちそうになりました。その後、江副さんの会長就任のパーティーでしたか、そのときに一度お会いをいたしました。  そういうだけの関係でございまして、昨年十二月、小沢一郎後援会、それから小沢一郎くらしと政治研究所という二つの政治団体で百万円ずつ献金を受けたということでありまして、その点につきましては政治資金規正法の法律に基づきまして報告をいたしたところでございます。それがすべてでございます。
  184. 坂上富男

    坂上委員 それがすべてとおっしゃいますから質問すると蛇足かもしれませんが、念のためでございます。リクルートコスモスの株の譲渡を先生または秘書、関係者が受けたことはございませんでしょうか。  それから刑事局長、政治献金でも場合によっては贈収賄の対象になるという判例がありますが、御存じですか。
  185. 小沢一郎

    小沢政府委員 今問題になっております株の譲渡についてでございますけれども、リクルート江副さんからも、あるいはまたその周辺の方から、私あるいは私の秘書についてもその話は残念ながら一回もございませんでした。
  186. 根來泰周

    根來政府委員 全く抽象的な問題としてお答えいたしますけれども、政治資金ということに仮託してわいろを持っていった場合は当然わいろでございますし、中元とか歳暮とかいってわいろを持っていってもそれはわいろである、こういう判例はたくさんあります。
  187. 坂上富男

    坂上委員 もう時間が来たそうで終わらなければならないわけでございますが、警察当局おられますか。それから法務大臣おられますね。そして刑事局長、三人にひとつ、まず御決意をお聞きをいたします。  検察はこうやって張り切ってやると言っているわけでございます。警察庁の方は、まだNTTの長谷川さんの問題などいろいろの事情もあると思うのですが、もたもたしているわけでございます、まあ率直に言って。一体リクルートに対して警察は捜査を本当にやっているのでございましょうか。どことどことどこの部分を捜査をやっているのか、それに対する御決意を賜りたいと思います。  法務大臣、大臣は検察を信頼する、こうおっしゃっております。指揮権の発動なしと聞いてよろしゅうございますか。  刑事局長、総力を挙げてひとつ法律に照らして捜査していただくよう要請をしたいわけでありますが、御決意をお述べください。
  188. 中門弘

    ○中門政府委員 お尋ねの問題につきましては、現在神奈川県警察におきまして、川崎市に関連する事案につきまして鋭意事実関係の把握に努めているところでございます。現在までそのための各種の努力を神奈川県警では重ねてきたところでございますが、今後ともこの問題に積極的に取り組んでまいるものと承知しているところでございます。
  189. 林田悠紀夫

    ○林田国務大臣 私は検察を信頼しておりまするので、従来も検察にとやかく申しておりませんし、今後も申さないつもりでおります。
  190. 坂上富男

    坂上委員 刑事局長検察を代表してひとつ。
  191. 根來泰周

    根來政府委員 事件は検察庁がやっている話でございますので、私はお取り次ぎをする立場でございますが、御趣旨はよくお伝えします。  ただ、検察庁としては、繰り返して申し上げておりますように刑事責任について解明しておるわけでございまして、要するに、世上言われる疑惑ということについて踏み込むことはとてもかなわぬことでございますので、その辺十分注意してやっていきたいと思っております。
  192. 坂上富男

    坂上委員 ありがとうございました。終わります。
  193. 金丸信

    金丸委員長 これにて坂上富男君の質疑は終了いたしました。  この際、休憩いたします。     午後零時六分休憩      ────◇─────     午後二時二十二分開議
  194. 金丸信

    金丸委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。坂井弘一君。
  195. 坂井弘一

    ○坂井委員 最初に、リクルートコスモス株の譲渡に関しまして、現職閣僚の宮澤大蔵大臣が御本人名義でその名前がリストアップされていた。行政府の長であります竹下総理にお伺いいたしますが、この政治的、道義的責任というものを行政府の長として総理はどう受けとめておられますか。あわせて、大変うかつだったのじゃないかという趣旨をお述べになったようでございますが、そうであるとすれば、大蔵大臣に総理は何か注意を喚起するというようなことはなさったんでしょうか。その辺のいきさつ、内容等についてもあわせて承りたいと思います。
  196. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 リクルート問題につきまして、申し上げておりますように、証取法上の観点、税法上の観点、それから今刑法上の問題、それからいま一つはやはり道義的問題、これがまた私どもとして常日ごろ心がけていなきゃいけない問題だ。したがって、私の周辺、これはよしんばそれが経済行為であるといえども、政治家というのは情報も入りやすい立場にあるからやはりその点うかつだったなということを、私の元秘書からも報告を受けておりますし、私自身もそういうふうに考えておるところでございます。  それから、宮澤大蔵大臣と私はしょっちゅう隣り合わせにおりますし、こうした問題についてお互い注意しようということを申し合わせておることは事実でございます。
  197. 坂井弘一

    ○坂井委員 宮澤大蔵大臣に。  大臣、私はやはりこういう国会の場をかりてといいますか、御本人名義になっておるけれどもそうではない、大蔵大臣はどちらかというと名義を使われたといいますか、ある意味では御答弁を承っておりますと被害者のような立場、どうも名義が使われたということであれば、むしろもっと説得力のある方法でもってその辺の事情を明らかにされた方がよろしいんではないか、こういう国会審議の場をかりて、今のいきさつ等について国民に対してももっともっとわかりやすく反証された方がよろしいんではないか、こう思いますけれども、いかがでしょうか。
  198. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 この件につきましては、本院におきましても、また本委員会におきましてもでございますが、何度か繰り返し事実関係を申し上げております。最初報道がございました段階ではちょっと様子がわかりませんで、正直のところどういうことであろうかということで当初やや混乱をいたしましたが、その後調べました結果がわかりまして、今日まで私の秘書を通じまして事情を究明しましたところを御報告申し上げてまいりました。  できるだけ間違いのないように申し上げてまいったつもりでございますが、言葉を選んでまいりましたもので、何となく割り切れない、何かあいまいなという御印象を与えたとすれば、それは私の申しようの悪いことでございますけれども、できるだけ今日まで正直に事実を申し上げてまいったつもりでございます。返す返すもしかしうかつなことであった、申しわけないと思っております。
  199. 坂井弘一

    ○坂井委員 けさほどの答弁を承っておりますと、売買約定書は見ていない、また売買通知書は来ていない。どうも客観的にそれを伺っておりまして、説得性がないのではないか。むしろ、それならば大蔵大臣、やはり大蔵大臣という申し上げるまでもなく大変枢要なお立場でありますから、この問題、大蔵大臣がるるお述べになったようなお立場であるとするならば、これは服部前秘書官あるいは河合氏に対しまして、大蔵大臣の方から、国会の場に出てきて証言してもらいたいよ、どうだろうかというぐらいの積極性があって初めて説得性が出るのではないかな、私はこのように思うのですけれども、大臣、そういう意思はお持ちになりませんか。
  200. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 その点は、河合という人を私は直接に存じておるわけではございませんし、また河合氏に悪意があったというふうに存じておりません。ただ、服部秘書はまことにうかつであったということはもう私も申しわけなく思っておりますが、その点は服部から報告を受けましたことを私は正確にこの委員会で申し上げておりますので、それ以外に事はございませんので、どうぞ私が申し上げることをもちまして事実の陳述ということにお受け取りをいただきたいと切にお願いを申し上げます。
  201. 坂井弘一

    ○坂井委員 こんなことは言わずもがな、聞くべくもないと思いますけれども、国会で証人喚問ということを決めれば、それはもうそのとおり、大蔵大臣とすれば結構でございます、こういうお立場でしょうね。
  202. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 私も国会議員でございますので、国会のお定めになられますことは、私としては従わなければなりません。
  203. 坂井弘一

    ○坂井委員 法務省刑事局長にお伺いいたしたいと思います。  きのうリクルート及びリクルートコスモスの強制捜査に踏み切った、本日は松原前社長室長逮捕ということでございます。この強制捜査は、一義的には楢崎代議士の告発を受けての贈賄罪ということは当然のねらいでありましょうが、ただそれだけではなくて、一連のリクルートコスモス株の譲渡に関して言うなればさらに贈収賄罪、そういう事件の立件ということも視野の中に入れながら捜査が、強制捜査に踏み切った、順調にといいましょうか進んでいる、こう理解してよろしゅうございましょうか。
  204. 根來泰周

    根來政府委員 昨日からけさにかけて強制捜査を行って本日逮捕した件は、仰せのように松原氏の贈賄の申し込みの罪についてやったものでございます。前々から申し上げております国会でいろいろ御議論のあった点というのは、その御議論のあった点について私どもが犯罪の成否を申し述べる立場にないわけでございますけれども、国会のお声でございますから、検察庁はそれを真剣に受けとめて十分検討するであろうということを申し上げておるわけでございまして、現在は、ただいま申し上げた贈賄の申し込みについて家宅捜索といいますか会社の捜索を行い、そして被疑者を逮捕した、こういうことでございます。
  205. 坂井弘一

    ○坂井委員 捜査が進展してきますと、当然この株譲渡問題に行き着かざるを得ない、これはまあ常識といいますか当然の理合いだろうと私は思うのですけれども、そういうことになりますと、政界、官界、あるいは前回私はここで指摘いたしましたがNTT、こういう関係にまで捜査は及ぶであろうということは類推、推定できますか。
  206. 根來泰周

    根來政府委員 そういう問題について捜査をするということは申し上げているわけでございませんし、また、将来捜査をするということを推定あるいは予想することも適当ではないと思います。ただ、そういうお声があることは十分拝聴しているということを申し上げているわけでございます。
  207. 坂井弘一

    ○坂井委員 まあ、慎重にそういう御答弁でしょう。  そこで、今回の強制捜査は、松原前社長室長が他の数人と共謀した、この数人と共謀というのは、これまたけさほどの答弁を伺っておりますと、まあほかにも共犯者がいるであろう、こういうことだ。したがって、これから捜査が進展する段階で特定されていくというような見解を刑事局長は述べられたわけでございますが、少なくとも数人と共謀してというのは、この日本語を素直に読みますと、やはり一人ではない、二人以上だ。そうしますと、松原前社長室長を交えますと三人以上、こういう解釈をするのが、これは無理のない解釈だと思うのですけれども、いかがでしょうか。
  208. 根來泰周

    根來政府委員 楢崎議員は、共犯者江副氏と池田氏であるという名指しで言われているわけでございます。捜査というものは、だんだん進展していって、最終的に結論を出して裁判所へ出すものは裁判所へ出す、こういうことになるわけでございますけれども、だから今はその一段階といいますか二段階といいますか、そういう段階でございますから、ほかに共犯者がおるだろうというようなことで捜索を行いあるいは逮捕したということでございまして、それは何人かと言われてもあるいはどういう者が入っているかと言われても、今の段階では一応の推定みたいな話になりますので、ここで明言できる問題ではないと思います。
  209. 坂井弘一

    ○坂井委員 それじゃ、これだけは確認願いたいと思いますけれども、松原前社長室長は私単独、しかもそのことにつきましてはリクルート、会社側が全く松原氏個人、会社は一切関与していない、こう言ってきたわけでございますけれども、これはそうではなかった、少なくとも会社が関係していた、これだけは言えますね。
  210. 根來泰周

    根來政府委員 その共犯者の範囲でございますけれども、会社は法人でございますからもともと共犯者ということはあり得ないと思いますけれども、会社の関係者でないかというようなことも踏まえて会社を捜索したんじゃないかと私は推測しますけれども、その辺は非常に微妙な心証の問題でございますので、ちょっとここでどうだと言うのはなかなか難しい話だと思います。
  211. 坂井弘一

    ○坂井委員 これはここで示していただけるでしょうか。今まで任意で何人ぐらい事情をお聞きになったでしょうか。その中には政界、官界の関係者はあったでしょうか。それから見通し等につきまして、この場で刑事局長のお立場で、ここで報告できる範囲内ぎりぎりのところでひとつ御答弁いただければ大変ありがたい。
  212. 根來泰周

    根來政府委員 前にも申し上げましたように、大分日がたっておりますので、その間に相当多数の関係者調べているということは事実であろう、私もそういうふうに思います。しかし、その中にどういう方が入っているかということはもともと申し上げることでございませんし、また、そういうことを一々検察庁からも私どもの方に報告もございませんので、せっかくの御要望でございますけれども、その程度で御勘弁願いたいと思います。
  213. 坂井弘一

    ○坂井委員 そうすると、これも無理でしょうか。株の購入資金を融資をいたしましたファーストファイナンス、それから証券会社、この辺にも捜査が及ぶと見るのは、これまた当然だろうと私は思うのですけれども、いかがでしょうか。
  214. 根來泰周

    根來政府委員 申し上げているのは、贈賄の申し込みについて取り調べをしているわけでございますから、その辺に及んでいるかどうかということは、ちょっと私自身も若干否定的に思いますけれども、これもちょっとお答えできるものではないというふうに考えますので、ひとつ御勘弁願いたいと思います。
  215. 坂井弘一

    ○坂井委員 法務大臣にお伺いしたいと思います。  これから捜査が進展していくでありましょう。一方、国会におきましては、この真相解明のために国会国会としてやはり機能し、国政調査権に基づきまして十分な疑惑の解明が今後においてもなされていかなければなりません。ただ、捜査権を持った検察当局は、これは事件の解明ではなくて確かに犯罪の検挙でありますから、おのずからその立場は違いますけれども、しかし、いわゆるリクルートゲート、リクルート疑惑、あるいは私に言わせれば疑獄かもしれません。この全容がこれからおいおいと検察の手によって明らかにされていくであろうことを私は期待をいたします。したがいまして、ある段階に至って国政調査権の解明に協力をする、こういう法務省、検察の姿勢を中間報告というような形でこの場で報告をぜひお願いをいたしたいという要請をいたしたいと思いますが、法務大臣、御答弁いただきたい。
  216. 林田悠紀夫

    ○林田国務大臣 御指摘のように、国政調査権と検察捜査権、両方あるわけでございまするが、これは対立するものではないと考えております。一般論として申し上げますと、例えば現に捜査中の事件の関係者を国政調査権に基づいて喚問するというようなことは当該事件の捜査に種々の影響を与えることがありまするし、また、国会において具体的犯罪の存否をめぐりまして捜査と同様のことが行われるといたしますると、三権分立の原則に照らしまして問題を生ずることもございます。しかし、国会において国政調査権を発動されるか否かは、そのような点も十分考慮されまして国会において決定されるわけでありまして、そういう場合に捜査権の方に協力を求めてこられるということがありましたならば、これは協力しなければならない問題かと存じております。
  217. 坂井弘一

    ○坂井委員 では、国会の方で中間報告をお願いをしたいということを決めて要請をした場合には、その内容いかんはまた別に議論があるでしょうが、中間報告をすることにはやぶさかではない、報告はいたしましょう、こういうふうに受けとめてよろしゅうございましょうか。
  218. 林田悠紀夫

    ○林田国務大臣 現在はまだ楢崎議員からの告発事実につきまして鋭意捜査中でありまして、事案の内容もまだ解明されておらないところであります。また、国会の御判断も示されていないという段階でございまするので、現時点におきまして、どのような事柄について国会に御報告をするか否かということはお答えできませんが、将来の問題としまして、そういう国会からの協力要請がありましたならば、そのときはできるだけ協力をするということでございます。
  219. 坂井弘一

    ○坂井委員 わかりました。ぜひ協力をいただきまして報告をお願いしたい、要請をしておきたいと思います。  それから、捜査終結という余り先を見たことで恐縮でございますが、これまた一般論として承っておきたいと思います。捜査が終結した段階で、その段階での不起訴資料につきまして、その公表につきましては、その法的根拠といたしまして憲法六十二条、国会法百四条、さらには議院証言法、刑事訴訟法四十七条ただし書き等によりまして、これは国会におきますところの国政調査権の発動としてその公表は可能である、つまりこれは一般論として、不起訴関係の資料の公表は可能である、そういうことでしょうね。確認だけしておきたいと思います。
  220. 根來泰周

    根來政府委員 ロッキード事件の際に委員がロッキード特別委員会委員をされておりまして、その辺もう十分御承知でございます。その辺について私申し上げるのもむしろ僣越でございますけれども、ロッキードの場合は、いろいろ事件の特殊性、あるいは国会の御要請、あるいは道義的責任の基準というものを示されて、私どもが国会の秘密会で申し上げたわけでございます。したがいまして、そういうようないろいろな問題がございますけれども、場合場合によりまして、いろいろ国会の御要請やら私どもの判断やらをまぜまして、そしてそのときに判断することになろうかと思います。ですから、一般的に申し上げまして、絶対それは公表できないという話ではなくて、公表し得る場合もあるということに相なろうかと思います。
  221. 坂井弘一

    ○坂井委員 証人喚問をめぐりまして、一部に証人喚問を今行うことは捜査の支障を来すのではないかというような意見が既にちらほらあるようでございます。これは大変おかしい議論だと私は思います。例えば、例えばということで申し上げましょう。江副さんあるいは菅原さんあるいは長谷川さんを証人として喚問するということに国会が、当委員会が決めた場合、それは捜査に支障を来しますか。捜査の妨げになりますか。     〔委員長退席、海部委員長代理着席〕
  222. 根來泰周

    根來政府委員 検察庁の現場の心情的な感じとしまして、やはり静かに捜査をさしていただきたいという気持ちはあると思いますけれども、これは国会のお決めになることでございますし、何らそういう意味では妨げになるものではないと思います。
  223. 坂井弘一

    ○坂井委員 全くそのとおりだと思いますね。ロッキード事件の際にも私は、五十一年の六月三十日、ロッキード問題調査特別委員会で証人喚問につきまして質問をいたしました。国会における国政調査権によるところの疑惑の解明、そして片や司法捜査権を持った検察、この両者はまさに車の両輪のごとき関係にあらねばならないという立場で、捜査の妨げになるかという問いに対しまして、今刑事局長答弁のとおり、ならないということでございましたので、極めて私は明確であろうと思っておりましたので、実は確認をさしていただいたわけでございます。  なお、その際、安原当時刑事局長が五十一年八月十一日、同じ証人喚問問題につきまして次のような答弁を行っております。「現に捜査中の段階でございますので、当該特定の証人を呼ばれることは支障がございますと言うこと自体が捜査内容を露呈することになります。お決めになるのは、あくまで国会当局でございます。私どもは今回の問題につきましても支障があるかどうかは申すわけにはまいりません。あくまでも国会でお決めになれば、その状況下において檢察当局としては、その状況を踏まえて最善の努力をするということでございます。」極めて明快、明確でございます。できるだけ静かにしてほしい、これは願望でありましょうから、それはよく心得まして、その辺のことを配慮しながら国会においては証人喚問は決めていけばよろしい事柄である、こういうことだと思います。  そこで、重ねて刑事局長に伺っておきますが、例の六十年四月の第三者割り当てによります三十七法人と一個人、その中で、前回私も申しました、各党質問者からの指摘もございました三つのトンネル会社、これがやはり一番問題じゃなかろうか。一つはドゥ・ベスト、これは八万株ですね。これは大体行き渡ったところは出ておるようでございます。今問題になっております。それから次にはビッグウェイ、この十二万株、それからエターナルフォーチュンの二十万株。ビッグウェイの十二万株もどうやら江副さんの方にお返しをした。それからエターナルフォーチュンの二十万株、これもセコムの飯田会長の証言によりますと、やはり江副さんの要請で江副さんの方に買い戻してもらった、江副さんの方からの要請がありまして江副さんにお渡しをしました、お返しをしました、こういうことのようでございます。ただ、これは江副さんが十二万株、そしてもう一万二十万株、これだけの株を御自身のものにされたということではなくて、やはり江副さんから、江副さんの指示によりあるいは江副さんの手によってどこかのだれかに再議渡をしている、そういうことでしょうよね。したがって、その辺の株の流れにつきましては十分検察は視野の中に置かれてこれを追われておる、お調べになられると思いますけれども、いかがでしょうか。
  224. 根來泰周

    根來政府委員 これも前に申し上げましたように、国会でいろいろ御議論がございます。中には、やはり犯罪の嫌疑があるのではないかという御指摘もございます。そういう点を踏まえて、捜査ということではございませんけれども、それは十分拝聴して検察庁が適切に対応しているものと考えております。現在は、繰り返して申しますように贈賄の申し込みを調べておるところでございますので、その辺の絡みについてはまだ十分承知していないと思います。
  225. 坂井弘一

    ○坂井委員 証券局長お願いしたいのですが、証券業協会も調査をするということのようですね。当然報告がなされるでしょう。そうしますと、その辺の株の流れ等につきましてある一定の報告は国会の方にしていただけますか。
  226. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 午前中申しましたように、証券業協会で昨日から申請協会員等を通じて調査に着手しているわけでございまして、調査の内容について今から予断を持って申し上げるのは時期尚早でございます。ただ協会の調査というのは、特別利害関係人等による株移動があれば協会の自主ルールに抵触するのではないだろうかという観点から行っているわけでございまして、譲渡を受けた第三者の氏名まで当然明らかにしなければならぬというものでは必ずしもないわけでございます。それから、特別利害関係人以外の第三者による株移動というのは協会の自主ルールに触れる、こういった問題でもないわけでございますので、協会の立場としては、個々人のプライバシーに属する事柄でもありまして、こういった氏名を知ったとしても恐らく公表はいたしかぬる事柄ではないだろうかというふうに考えております。
  227. 坂井弘一

    ○坂井委員 ちょっと総理に伺っておきたいのです。  加藤前労働事務次官、この方がコスモス株の譲渡を受けていたということでもって総理は記者団の質問を受けられたようで、事務次官が在職中に監督すべき会社の株を取得していたことをどう思うか、たしかこういう質問をお受けになった。そのときに総理は、リクルートは就職あっせんの会社だからこれは監督すべき会社である、しかしコスモスは違うというような趣旨のことを言われたやに新聞にはありました。ちょっと私は、この総理の御認識はおかしいのではないかな。なるほどリクルートリクルートコスモスは、会社は別であります。しかしこの会社の会長、社長は、江副さん、同じ人であります。リクルートは、このグループ企業体はまさに一体のものであるという認識のもとに、今日までリクルートの企業活動のあり方の中では一体だということで進めてきたようであります。  総理は、そういう意味ではっきりと別だ、したがって職務には関係ないんだ、こうおっしゃりたかったんだろうと思うのですけれども、その辺の総理の真意と申しましょうか、御認識と申しましょうか、どうだったんでしょうか。
  228. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 私もその記事を読みまして、私なりに反復整理をしてみました。確かに歩行中に聞かれますと、お聞きになる側も本当は言葉の整理が必ずしもできていないことがございます。私が長らくマスコミの方、お相手しておりましたので、若干、そういうことを聞く場合には、いわゆるリクルート社、リクルートコスモス社、きちんとして聞くべきだということを、まあ教えるというと本人様に対して非礼千万でございますが、そういうような気持ちがあったと自分自身思います。確かにその会社そのもの、この会社の定款読んだことございませんけれども、から見れば、恐らく労働行政と直接のかかわり合いはコスモス社はないだろうというふうに思われますけれども、総体的には今おっしゃいました直接職務権限の点でどうかということは私は明確にするだけの自信はございませんが、観念的にはやはり今坂井さんおっしゃったようなつもりでお答えすべきではなかったかな、やや教えるというような気持ちがあったかと思うんでございます。
  229. 坂井弘一

    ○坂井委員 わかりました。  労働大臣、この加藤さんの件につきましては調べたところ要請はなかったというような御答弁であったのですが、実は私は非常に心配するのですよ。やはり当時の職務ということは明確にあるんですね。それでファーストファイナンスから融資まで受けて、そして二百万円でしょうか、何がしかの利得を得るわけですね。監督すべき立場にあり、指導すべき立場にあり、私は当時の国会の記録をずっと見ますと、かなりな部分やはり行政指導されておりますな。そういう立場の方が今言ったようにファイナンスを受けて、そのことによって利得を得る。これは職務に関する行使の対価として得たいわゆるわいろ性が極めて濃厚な金である、こう見るのはこれは常識ですね。官僚、お役人の常識だと思いますよ。そんな金を、株をいただいてそういう利得を得ながら、それは職務には関してないんだと言う方がどだい無理ですよ。  ですから、私が心配して申し上げたのは、この行為は、まあ検察側はきのう楢崎さんの告発を端緒にして強制捜査に踏み込んだ、これから進展する中でどういう展開になりますやる、やはり政治家とか公務員、官僚、あるいはNTTの私が指摘いたしました長谷川さんにしてもしかりであります、式場さんにしてもしかりであります、権限を持つ立場でありますので、そういう方々は、とりわけこの種の株には神経を敏感にしなければならないはずでありますね。常識で考えて、このような株を受ける行為そのものが糾弾されてしかるべきであろうと私は思う。のみならず、刑事事件に問われるほどのこれは問題だと思いますよ。株という形をかりた政治献金ということも、私はこれから問題になるであろう、こう思っております。  政治献金とわいろというのは、概念的には相入れないものではない。実体的には、政治献金であって時にはそれがわいる性が極めて濃厚であるという場合が少なくない。政治献金とわいろというのは、常に背中合わせである。株という形をかりた政治献金、その政治献金はわいろ性が強い、こういうものには手を染めるべきではないというのは、これは政治家あるいは公務員、官僚、当然の心がけであろうと思いますね。ですから労働大臣、随分お調べになったのでしょうけれども、同時にまた、部下をかばうというお気持ちはわからないではありませんけれども、少なくともこの加藤さんの行為、それはよろしいとは言えないと私は思う。労働大臣として率直な、今後の戒めも含めてどう今お考えになっていらっしゃるか、承りたいと思います。
  230. 中村太郎

    中村国務大臣 加藤さんの一連の行為が犯罪行為に当たるかどうかというようなことは、私どもは定かにできません。これは最終的には司法当局の判断にゆだねる以外にないと考えておるわけでございます。ただ、労働省としましては、行政への信頼を確保する、維持するという立場から、やはり内部的に可能な限り事実関係を調査することも当然のことではないかと考えております。その観点に立って、加藤さんの現職時代の職務の遂行状態をつぶさに調査をいたしたわけでございます。その結果、ある決まった政策決定をゆがめることがあったとか、あるいはまた便宜を計らったとかいうようなことはございませんでしたし、また、リクルートが持っておりまする紹介事業の認可あるいは派遣事業法の認可というようなことにつきましては、これは審議会の公正な決定がされたものをただ事務的に処理をしただけということで、そういう意味での職務に問題はなくて、適正に行われたということを申し上げたわけでございます。  しかし、さらばといって、犯罪行為にならないからといいましても、今回の加藤さんの一連の行為は甚しく労働行政の信頼を損なったということは大きな損失でございますし、本人に責任がないとは言えないと思うわけでございます。このことにつきましては、御本人は軽率な行為であったということを十分反省しておるわけでありますけれども、あの時点において加藤さんがもう少し慎重であったらよかったなということが悔やまれるわけでございまして、私どもも大変残念に思っておるわけでございます。これから省の職員に対しましても、さらに一層の綱紀粛正の徹底を図ってまいりたいと今思っておるわけでございます。
  231. 坂井弘一

    ○坂井委員 検察がこれからどういう動きになりますか、予断はできません。できませんが、昭和五十一年五月二十四日のロッキード特別委員会で私の質問に対します刑事局長答弁をちょっと御紹介申し上げておきたい。「行政指導と申しましても、それがたとえば直接その指導することが法律に書いていなくとも、たとえばそれぞれの省の設置法の中に、そういう行政指導する根拠が見出せ得るならば、それもまた法令上の根拠があることとして職務行為ということになり得る場合がある」ということでございます。  断定することは私は避けたいと思いますが、当時の加藤労働事務次官は、まさに行政指導に当たる行為をされたように私には見えます。状況を随分丹念に私なりに見てみました。これが職務に関する行為に問われるのではないかなという危惧を非常に強く持ちました。  刑事局長お尋ねをしておきたいと思います。今の問題を離れてください、一般論として。一つ、職務の行使があった。値上がり確実な株というよりも、どう言ったらいいのでしょうか、株の取得による利得があった。この二つの行為がある。問題はその対価関係だろうと思いますが、両者の意識の問題もあるでありましょうが、その二つの事実関係の対価関係がありとするならば、これは一般論として、やはりわいろ性が強いということで贈収賄罪が構成されるでしょうね。
  232. 根來泰周

    根來政府委員 ただいまのお尋ね一般論ということでございますので、そういう意味で全く抽象的に申し上げますけれども、要するに、わいろ罪というのは公務員等がその職務に関しわいろを収受したということに尽きるわけでございまして、それには当事者間の認識も必要でございます。
  233. 坂井弘一

    ○坂井委員 これは大蔵省証券局長に。住友信託銀行が、インサイダー取引の未然防止ということでしょう、その一環として、住友信託銀行の全役員を対象にいたしまして、すべての株の売買を禁止する、こういう申し合わせをしたという報道がございました。これまでの例で見ます一と、取引先に限定をいたしましてその株式の売買は禁止する、こういう銀行がありましたけれども、すべての株式を対象にしたというのは画期的なことで、銀行、金融界で私は初めての措置であろうと思いますね。全役員というのですから、取締役、監査役、しかも新規に株式を購入できないだけではなくて、今保有している株も売ることはまかりならぬというのですから、これは大変な取り決めですね。どうしても売却をしなければならないという事情があった場合には、それは経営会議にかけます。経営会議の了承を得なければ今持っている株すらも売ることはできませんよという申し合わせをした、こういうことのようでございます。証券局はこのことをどう評価されますか。  あわせて、他の銀行、金融機関等に対しまして、このことによって何らかの指導なりなさるようなお考えはございますか。
  234. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 坂井委員御指摘のように、本年の五月に施行されました改正証取法の中のインサイダー取引規制でございますが、これは御承知のように、内部者が重要な企業情報を知ってこれを取引する場合に刑事罰等を科する、こういうものでございます。銀行あるいは証券会社というのは、一般的に企業情報を知り得る立場にある、いわば準内部者的な色彩が強いといったことから、銀行とか証券会社あるいは信託銀行あるいは保険会社等々各金融機関等におきましては、それぞれ自主ルールを設けまして、会社の役職員につきまして一種の自己規制といたしましてそういう措置をとった。御指摘の住友信託の場合には最も厳しく、いい措置をとったというふうに考えておるわけでございます。  一般的に、そういったインサイダー取引の防止という観点から、会社の中で職能を分離するとか役職についてのそれなりの厳しいルールをつくるというのは、私ども改正証券取引法を適正に施行する立場からは、極めて結構なことではないかというふうに考えておるわけでございます。
  235. 坂井弘一

    ○坂井委員 総理に伺いますけれども、私は前回総理に、政治家なかんずく閣僚は新規公開株によって利得、利益を得るようなことはやめた方がいいのではないか、つまり非公開株等には閣僚の皆さんはこれから御縁を結ばないように、もう非公開株は買わないといいますか、やめた方がいいのじゃないでしょうか、こういう御提案と申しますか、申し上げました。しましたところ、総理は、一つの考え方として勉強したい、私は大変真摯な御答弁をちょうだいしたと実は思っております。  今申しましたような住友信託銀行等におきましても、それほどやはり株の売買につきましては、全役員を対象にしましてすべての株の売買をやめようということを申し合わせをした。これはモラル、あるいは企業倫理の問題、あるいは総理が四つ挙げて御説明されておりますけれども、時にはやはり法律違反、証券取引法あるいは税法、さらには刑法にも問われかねない、そういう場合が間々ある。これが今回のリクルートコスモスの非公開株譲渡に絡む重大な警告であり、このことをやはり一つの大きな教訓にすべきだろうと私は思いますね。  そういうことも踏まえまして、総理は勉強をするぞとおっしゃられたわけでございますけれども、閣僚の皆さんは非公開株はこの際これはもう買わないといいますか、譲り受けないということを申し合わせでもされましてお決めになった方がよろしいのではないかと思いますけれども、これは総理がひとつぜひ御決断をしていただきたいと思いまして申し上げたわけでございますが、いかがでございましょうか。
  236. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 今のようなお話がございました後、私なりに勉強してみました。その一例を申し上げますと、閣僚の資産公開というのをいわば自己規制の一つとしてやっておるわけです。  それで、これは私自身のことを申し上げて失礼になりますけれども、私の家業は小さい醸造業でございます。大蔵大臣になったときに、今いろいろ言われております青木さんから、やはり大蔵大臣になったから竹下酒造自身のあなた名義の株を譲渡すべきだと。そのとおりしたわけです。だから、仮にもしそんなことがあったとしたら譲渡できない方が、本当はそこまでやったのは行き過ぎであったかななどと思いながら、それから他の金融商品の場合どうだとかいう議論があってもなりませんので、今の御趣旨を私なりにいま少し整理整とんさしていただきたいものだな。しかしそうした自己規制的考え方は、私は賛成です。
  237. 坂井弘一

    ○坂井委員 最後に、委員長に証人としてぜひお願いしておきたいと思いますけれども、前回まで、菅原さん、長谷川さん、それから当然江副さん、三人の要請をいたしておりました。あわせて、服部さん、河合さん、証人としてぜひお呼びをいただきたい。  あわせて、資料お願いでございますが、これも前回申し上げましたが、ドゥ・ベスト、エターナルフォーチュン、それからビッグウェイ、以上三社のコスモス株、コスモス社から第三者割り当て増資に関する資料、株数でありますとか価格、再譲渡先ですね。それからコスモス株の譲渡先のリスト、どこまでお出しいただけますか、これもひとつできるだけ提出をお願いいたします。あわせて、前の東大の教授であります公文俊平さんに対しましてコスモス株の譲渡があったかどうか、それを御確認いただいて報告をお願いいたしたい。  以上につきまして、委員長にぜひ理事会でお取り計らいを願いたいと思います。
  238. 海部俊樹

    ○海部委員長代理 お申し出の件は、後刻理事会で御相談をいたします。
  239. 坂井弘一

    ○坂井委員 以上踏まえまして、あとは坂口委員に。関連で質問がございます。よろしくお願いいたしたいと思います。
  240. 海部俊樹

    ○海部委員長代理 この際、関連質疑の申し出がありますので、これを許します。坂口力君。
  241. 坂口力

    ○坂口委員 先日来のリクルートコスモス未公開株の売買に対する質疑、そしてまたけさからのこの質疑を踏まえまして、一、二絞ってお聞きをしたいと思うわけでございます。  これはまことに恐縮でございますが、宮澤大蔵大臣が今この問題の一つの焦点になっているわけでございますので、宮澤大蔵大臣にこのことを集中してお聞きをさせていただきたいと思いますが、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。  このリクルート問題が話題になりましたその直後、大臣は、御自身とのかかわりについては最初ノーコメントを続けておみえになったわけでございますが、周辺、各大臣あるいはいろいろ代議士等々の関係の名前が明らかになってまいりまして、そのときに宮澤大蔵大臣は、服部恒雄前秘書官が友人の依頼を受けて名義を貸したということを明らかにされました。しかし、その友人の名前は言えないということで時間を経過しておりましたけれども、また新しい事実が出てまいりましてから、その名義貸しは、服部氏ではなく宮澤先生の名義を、これは無断で使われたものであるということを明らかにされたわけでございます。友人のお名前は河合さんという総合設計の社長さんであるということも明らかにされました。しかし一貫して、宮澤大臣御自身は何ら関係はないということを主張しておみえになる、こういう経過ではなかったかと思います。  私は、第三者としてこれを拝見いたしておりまして、国民の皆さん方から見ますと、宮澤大蔵大臣のおとりになっている姿は非常にわかりにくいものがある、こんなふうに思うわけでございます。  二つございまして、第一点は、事実をできるだけ表面に出さず、やむを得ない部分だけを小出しに出しておみえになるという印象を与えている。一つでございます。したがって、宮澤大蔵大臣のポケットにはまだ何かが残っているのではないかという疑問がそこに生じている。  もう一点は、服部前秘書官の名義貸しが明らかになりましたときに、その時点で宮澤氏名義で株を売買したことはわかっていたのではないか。と申しますのは、これだけ重要な、重大な局面でございますから、その服部前秘書官の名義貸しの名前が出ましたときに、そこで服部氏は、いや、それは実は宮澤先生のお名前をお借りしましたと、その時点で言われるのが順当ではなかったか。その時点でもなおかっこの宮澤先生の名前が出なかったというのは、何となくその前後の経過からいたしまして不自然である、その辺のところにもう一つの疑問点があるのではないかと私は思うわけです。  以上の二点に対する素朴な疑問、これは大臣が直接この売買にかかわられたかどうかということのほかに、大蔵大臣のこの問題に対処される姿勢のあり方から出たものだと私は思うわけでございます。したがいまして、私はこのことを踏まえて二、三、大臣にお聞きを申し上げたい。第一点は、宮澤大蔵大臣は個人として株の売買をふだんから行っていられるかどうか。もう一点は、大蔵大臣は宮澤名義ということを言われましたが、それならば住所は一体どこになっていたかお聞きになっているかどうか。この二点、まずお聞きをしたいと思います。
  242. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 お答えを申し上げます。  まず、最初にお述べになりましたこと、事実関係が多少違っておりますので、大筋ではございませんが、ちょっと申し上げさせていただきます。  この問題につきまして最初報道がございましたときに、実は私ちょっと何のことかわからずに、かなり世の中に説明を申し上げるのに時間がかかりましたことは事実でございます。宮澤でなかったことはもうはっきりいたしておったわけでございますけれども、服部という名前が出ましたので、その事実関係がどういうことかということをしばらく調べておりました。それを調べまして、記者会見をいたしましたのはたしか七月の十日過ぎではなかったかと思いますが、そのときに私としては、調べておりましたが事実関係がわかりましたと申しまして、事実関係を述べたのでございますが、そのときに先生の言われましたのとちょっと違いますのは、その友人の名前をそのときに申しております。河合康又という人である、そこまでをそのときに記者会見で申しておりまして、後になって河合康又という名前を追加をいたしたというわけではございませんでした。  そこでその次のお尋ねは、だれの名前を使ったのか。それは宮澤だったということは、先週この委員会で初めて申し上げました。それはそれまで実はつまびらかでございませんでした。報道等でそういうことが伝えられましたものでございますから、これははっきりしておく必要があると思いまして、服部を通じまして調べまして、そのとおりを申し上げた、こういう経緯でございます。  したがって、私としては、最初事実関係を発見するのに手間取りましたけれども、それ以後は事実関係は正確に秘書が申しましたとおりを申し上げてきたつもりでございまして、表現が少し細こうございましたので、率直でない印象をお与えしたとすれば、それはいけなかったことでございますけれども、常にわかることを率直に申し上げてまいったつもりでございます。  それから、私の住所でございましたか、これにつきましては、私にわかりません。その辺の取引は一切私は、先ほども申しましたように申込書等々全く見ておりませんので、わかりません。それから、私が株式取引を一般にしておるかどうかということにつきましては、自分の物の考え方といたしまして、株式の売買というものをほとんどいたしておりません。それは大蔵大臣になりましてからというよりは、以前からそういう、何と申しますか習慣を持っておりませんで、それはここに手近な資料でございますけれども、私ども資産公開を立場上いたしておりますが、最近は昭和六十二年の十二月現在で公開をいたしております。その前は昭和六十一年の八月現在でございますが、株はほとんど持っていないに等しいのでございます。ただ一つ違いましたのは、私の母がその間に亡くなりまして、私どもの親類の同族会社の株を一つだけ母から相続をいたしました。その部分だけが異動でございますが、これによって示されておりますように、株の売買ということを実際上ほとんどいたしておりませんし、また持っておりますものもごくわずかで、これは資産公開をいたしておるところでございます。
  243. 坂口力

    ○坂口委員 宮澤名義であるということがマスコミ等で明らかになりましてからお調べになったら、やはり宮澤名義であった、こういうことなのですが、その辺のところが少し、我々の常識から考えますとどうも対応が遅過ぎるのではないか。それはやはり先にわかっていてしかるべき問題でないかと思うわけでございます。  時間がございませんので余りここをやっているわけにはまいりませんが、いずれにいたしましてもこの宮澤名義のその住所が、例えば住所はどこかに書かなければならないわけでございますから、それは御出身地の方の御住所であればそちらの方に通知書は行くはずでございますし、それからまた、例えばこちらの議員会館であれば議員会館の方に来るはずでございますし、それによりましてこの通知書がどこへ行ったかということともかかわりがある。  ですから宮澤先生、宮澤大蔵大臣と申し上げるよりは宮澤先生と申し上げた方がよろしいと思いますが、個人ですから。宮澤先生のお名前が使われたということであれば、それじゃなぜそのときに、住所は一体どこにしたんだということを宮澤先生はお聞きにならないのか。もしも私がその立場であれば、私の名前を使う人があったとすれば、それじゃそのときの住所は一体どこだったのか、こう私はすぐ聞くと思うのですが、知らないというふうにおっしゃるものですから、どうもその辺のところがやはりはっきりしない、こう私は思うわけです。簡単に、もしもございましたら……。
  244. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 その点でございましたら、はっきり申し上げることができます。今仰せになりましたのは、住所のところへ通知であるとか売却代金が来るはずである。これはもちろん私のところへ通知は参っておりませんし、売却代金は払い込まれておりませんで、これはせんだって申し上げたかと存じましたが、河合氏に聞きましたところ、河合氏は、河合が服部名義で口座を開設をいたしましてそこへ入金をしておったということでございます。したがって、名義は服部という名義でそこへ入金をするように指示をした、こういうことであったようでございます。
  245. 坂口力

    ○坂口委員 その辺のところもはっきりしないわけですね、我々からしますと。それは宮澤名義で株は売買されている。しかし金の入金は違うところにされている。その場合に、これは証券局長にお聞きをいたしますが、証券会社は名義人の許可なしに他人の口座に振り込むことができるかどうか。
  246. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 一般的な話でございますけれども、証券会社がお客から委託注文を受けるに際しまして、そのお客様から売却代金で銀行振り込みというものを希望された場合には、そのお客が事前に届け出ましたところの銀行口座に代金を振り込むという形で処理しておるわけでございます。したがいまして、銀行振り込みによって処理することについては、事前に本人の了解があったということであろうと思います。
  247. 坂口力

    ○坂口委員 その辺のところを名義人の宮澤先生が御存じない、こうおっしゃるわけでございますから、大変その点が複雑怪奇という以外にないわけでございます。  時間がございませんので、私これ以上この問題を続けることができ得ませんが、宮澤大蔵大臣は御自身しかおわかりにならない点を主張しておみえになるだけでございまして、ほかの人から見て私もわかるようなことはおっしゃっておみえにならない。そこにもどかしさがあるわけであります。我々医学の世界の言葉で申しますと、自覚所見と他覚所見というのがございまして、どれほど頭が痛いとおっしゃっても、その人だけしかわからない。言ってみれば宮澤先生の御発言は自覚所見のみでございまして、他覚所見はないわけでございます。そこにもどかしさがあるわけでありますので、私は、こうした参考人その他のお話が出ているときでございますから、進んでひとつその周辺の、そしてだれの目から見てもわかるようなことを明確にお示しになることが、この問題の解決の第一歩ではないかと思う一人でございます。そういう意味でひとつ、今そのことを御答弁をいただきたいとは申しませんが、とにかく次の機会までにそうしたことを整理していただくことを要望しておきたいと存じます。
  248. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 私も実は、自分のうかつとは申せ、知らないところで起こりました出来事であったものでございますから、それを秘書から調べまして御報告を申し上げてまいったわけでございます。私自身も実はそういう意味でもどかしい気持ちを持っております。しかしながら、これは調べましたことを誠実に正確に今日まで御報告をしてまいりました。その間に偽ったことを申し上げていないと存じますので、どうぞその誠意だけはひりとつお酌み取りを願いたいと存じます。
  249. 坂口力

    ○坂口委員 こうしたことがなぜ起こるかということをこれから考えていかなければならない、こうしたことを防止をしていかなければならないと思うわけでありますが、なぜ他人名義がたくさん使われるか。それは株の売買に対する税のあり方とも関係しているわけでありまして、もし例えば総合課税ということになっておりましたならば、宮澤先生のお名前を使われるということになれば、これは宮澤先生が総合課税として税金を払っていただかなければならないわけでございますから、借りる方もそう簡単にはこれは借りられないわけでございます。しかし現在のように、これはほとんどと言っていいほど税金はかからない、そういうことがあるものですから、安易に他人名義を使うということになりがちでございます。これらを防止する意味からいたしましても、どうしても総合課税というものは私たちは必要である、こういうふうに思っておるわけであります。  我々、このことにつきまして、野党四党の共同の不公平税制でも随分主張してきたところでございます。しかし、先日自民党の方からその回答を、中間的な意味で回答をいただきまして、それを拝見いたしておりますと、まだその点が余りはっきりしない。例えば株式の売却益課税につきましても、「所得把握の適正化や最高税率のあり方との関連を踏まえつつ、検討することに異存はない。」異存はないと言われますと方向性としてはわからぬではありませんが、しかしどこからどこまでなのか、どうもよくわからない。それから「株式売却益課税のあり方を見直すことは適当と考える。」適当と考えてもらっていることは、適当でないのよりはいいわけでございますけれども、しかし、これは書いている人たちの意思がどこにあるのかということがよくわからない。あるいはまた納税者番号につきましても、「税制調査会において現在審議が進められているところであるので、その結果を踏まえて処理したい。」これもはっきりしない。このほか、こうした問題を進めますためには、現在の所得税の税率水準との関係でございますとかいろいろなことも考えていかなければならないとは思いますけれども、やはりもう少しこうした点についてははっきりとした姿勢をこの委員会で示していただきませんと、今回のこのリクルートの問題が一体何であったのか、この苦しみが無為に終わってしまうと私は考える一人でございます。この点につきましてはひとつ総理 大臣から御答弁をいただいて、もう時間がなくなっておりますから、もしも大蔵大臣からつけ加えていただくことがございましたらそれをつけ加えていただきまして、終わりにしたいと思います。
  250. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 坂口委員のお許しを得まして、ちょっと先ほど答弁につきまして申し上げたいと存じます。  これは、前回お答え申し上げておりますので、速記録にそのまま載っておりますと思いまして簡略に申し上げましたが、先ほどお尋ねは、河合氏が株を取得いたしましたのは宮澤の名前においてでございますが、その後の取引の通知等は服部あてに行われるようにいたした、したがいまして、その払い込みにつきましても河合氏が開設した服部名義の口座に入金をしておる、こういう趣旨のことを先週もお答え申し上げましたが、ちょっと簡略でございましたので、改めまして、まことに失礼でございますが、申し上げさせていただきます。
  251. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 株式売却益課税のあり方につきまして、今種々の御提案をいただいてまいりました。いわゆる所得税のあり方としては、かねて貴党御主張になっております総合課税を目指すべきであるという御指摘は、これはそのとおりであるというふうに存じます。  それで、今般の政府提案におきましては、株式売却益の把握体制の現状などを考慮いたしまして、当面の措置として分離課税を御提案をいたしておるわけでございますが、昨年の改正の際、利子課税につきましてその当時を起点として、去年からでございますが、五年後に見直しを行うこととされていることを踏まえまして、おおむねその時期に株式売却益課税のあり方を見直すことは行われるべきものと考えます。  それから、総合課税への移行のためには納税者番号制度の導入を進めるべきであるとの御指摘もございました。この点につきましては、税制調査会において現在検討が進められているところでございますが、適正な所得把握のためにはこの制度は重要な前提条件であるというふうに考えます。  それからまた、総合課税に当たって所得税の税率水準との関連、いわば種々の問題という御表現がございましたが、税率水準との関連をも考慮すべきであるということも含まれておるでありましょう。それから、総合課税を実効あらしめるためには適正な源泉徴収制度との組み合わせを検討すべきであるということも含まれておると思います。いずれも十分念頭に置くべき事柄でありまして、かねて申し上げておりますように、貴重な御提言として私はこれを承らしていただいたということでございます。
  252. 坂口力

    ○坂口委員 時間が参りましたからこれで終わりますが、少し進んだのかなどうかなという感じでございますけれども、後でまたよく議事録を一遍拝見いたしまして、今後の我々の主張を続けたいと存じます。ありがとうございました。
  253. 海部俊樹

    ○海部委員長代理 これにて坂井弘一君、坂口力君の質疑は終了いたしました。  次に、川端達夫君。
  254. 川端達夫

    川端委員 よろしくお願いします。  総理、きょうはリクルート関連に限定をして質問をさせていただきたいと思うのです。  ちょうどほぼ一カ月前、九月十六日の本委員会で私いろいろと質問をさせていただきました。そのときにも申し上げたのですけれども、このリクルートの一連のいろいろな問題、マスコミを通じいろいろと国民の皆さんが非常に関心を持っておられる。一月前の時点でもいろいろな憤りも疑問もお持ちになっている。そういう中で一つ非常に大きなことは、政治に対しての信頼というものを大きく損ねておられる、不信を持っておられる、そういうふうな国民の感情があるだろうというふうに私は思うけれども、総理はいかがですかということをお尋ねをいたしました。そのときに、そういうふうな気持ちを持っておられるということを総理も同感である、このような御答弁をいただきました。そのときに、だからこそ政治の信頼を取り戻すためにも国民の期待にこたえて、期待というのは真相を究明してはっきりさせてほしい、疑わしいこともいろいろある、そういうものは事実関係を明らかにして信頼を取り戻すということが政治に課せられた責任ではないか、こういうことも論議をさせていただきました。  そういう意味で、ちょうど一カ月ほどたったわけですけれども、その間に政府の立場で、総理として、そのような国民の真相究明、政治に対する期待、それから政治に対する信頼を取り戻すという観点から、この一カ月間どのようなことをお進めになったか、どのように思っておられるか、まずお伺いをしたいと思います。
  255. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 まず、この一カ月間を顧みまして、私なりにいろいろな場合にいろいろな御質問を受けながら整理いたしましたのが、大体この四つなのかな、一つは証取法の問題であろう、一つは税法上の問題であろう、一つはいわゆる刑法上の問題であろう、一つは今おっしゃいました私どもを含む政治道義の問題ではないかというふうに、四つに整理をいたしてみたわけでございます。  第一の問題につきましては、かねて御答弁があっておりますように、証取審等で早速作業を始めていただいておる。それから第二の問題の背番号制度とかいうようなことは、これは税制調査会等において議論をしていただいておる。もちろん本委員会あるいは専門家同士の協議会等においても議論をいただいておることは申すまでもないことでございます。第三番目の問題につきましては、私はまさに検察が適正な対応をしておるというふうに確信をいたしておるところでございます。第四番目の私を含むいわゆる道義的な問題につきましては、結局私ども自身が、いつも申し上げますようですが、情報の入りやすい立場にございます、したがって、私どもを含む周辺も含めて、国民に疑わしき印象を与えるようなことを慎んでいくということを反復するように、政治倫理綱領に従って身を対処していくべきではないかということを、私が今この一月間を振り返りまして考えておることを率直に申し上げた次第であります。
  256. 川端達夫

    川端委員 今四つの観点からお答えをいただいたわけですが、特に検察を除きましては、これからどうあるべきか、いろんなこういうことが起こって二度と起こらないようにという観点からの部分では確かにそのとおりだと思います。しかし、今までのことがどうであったのか、真相を知りたい、はっきりしていただきたい、政府の責任においてということに関してこの一カ月間どうであったのかということに関しては、いかがでしょうか。
  257. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 この問題につきましては、一つは、このリクルート問題について、いわゆる昭和五十九年の株式会社リクルートによる株式会社リクルートコスモス株式の売却という点についての大蔵省内の行政指導というのが現実の問題であると思います。それから先ほども申し上げました、証取審において幅広く審議を行って我が国証券市場が健全に発展していくための基盤を整備するというこのことと、それから第三番目の、いろいろ御指摘なさっております第三者割り当て先から政治家等への店頭登録直前の譲渡についていかなる徹底究明をしておるかという御疑念が当然あろうかと思うのであります。  直接証取法に触れる場合は別として、個々の相対取引の内容については、証取法の趣旨を超えて調査を行うことはなかなか難しい、やはり将来にわたっての課題としてこれに対応すべきではないか、こういうことを考えておるところでございます。  それから税法の問題につきましては、先ほど来いろいろ御議論がございますとおり、これが対応策を詰めていくということについては異存はございません。  それからもう一つは、やはり御懸念にありますのは、国政調査権に対する行政府の最大限の協力の限界等の問題もあろうかと思いますが、これは可能な限り協力するというのは当然のことであるいうふうに今も考えておるところであります。
  258. 川端達夫

    川端委員 今そういう御答弁になったんですけれども、現実にこの一カ月たって、今お述べになりましたけれども、一カ月前でも、既に行政指導というのはおやりになった後であります。  その後、流れを見ますと、いわゆる国会の本委員会として江副さんの入院先に行って病床で聴取をしたということ、これはこの委員会としての仕事としておやりになった。そのほかに、政府が真相を究明すべく、国民の信頼を取り戻すために可能な範囲でいろいろやろうということに関しては、法律ですることができないという主張のもとに実質的には何もおやりになっていないのではないか。その間に、この委員会での質疑あるいはマスコミの情報を通じているんな事実が、余計疑いを持たざるを得ないような、今回のリクルート関連の株の譲渡にまつわる不透明さといいますか疑惑といいますか、そういうものの事実があらわれてくる。そういうことを後でこの委員会等々で認めざるを得ないときだけ認めるということは、政府の姿勢としてこの真相を究明していこうということがほとんど見られないというふうに国民の皆さんは思っておられると思うのです。知らないしわからないし調べる権利もないという御主張に終始をして、結果的に何かが出てくると、まあ仕方がないなというときだけ認めるというふうなことで、余計この一カ月で不信感が強くなっている、リクルートはどうなっているんだろうか、もう少しはっきりしてほしいという希望、期待も含めて強くなっているというふうに思います。特に、真相解明の前進がいわゆる内部告発的な部分でのみ進行するというふうな事態はゆゆしきことではないかな。  そういう意味で、政府みずからが徹底した真相究明をみずからの責任において行い、政治の信頼を取り戻すということが、これからのいろんな重要な国政問題を抱える中での一番優先し、重大なことであるというふうに考えるわけですけれども、総理のその真相究明をし、政治の信頼を取り戻すという姿勢を、決意をお聞かせをいただきたいと思います。
  259. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 私どもは、やはり本委員会において御質問をいただいたりしたもの、そしてその範囲内において私ども自身が調査したもの、これは自分に関するものであったらこの場でそれぞれお答えしていくべきものだということで、それはそのようにやってまいりました。ただ、証取法そのものの趣旨を踏み出した調査ということになりますと行政府の権限におのずから限界があるということは、またこれは御承知おきいただきたい問題だと思います。したがって、これが真相解明と申しますか、については、私どもの気持ち自身がこれにふたをしよう、ふたをしようとかいう気持ちではありません。
  260. 川端達夫

    川端委員 議論の過程ではややもするとふたをしよう、ふたをしようとしているんではないかというふうに思えてならないわけです。そういう意味で具体的にお伺いをしたいと思います。いわゆる仮名取引の問題が今いろいろと言われているわけですけれども、仮名取引に関して証券局長名で四十八年三月十五日、四十九年五月十七日、それから六十三年の九月十三日に通達をお出しになっている。この通達の目的といいますか、趣旨というものはどこら辺にあるのか、お聞かせいただきたい。
  261. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 証券会社の仮名取引の受託につきましては、今御指摘のように昭和四十八年と四十九年の二回にわたりまして自粛する旨の通達を出しました。ただ、しかしながら、明電工事件におきまして多数の仮名取引の口座とか口座貸しというような実態がありまして、そういった意味で証券業界の社会的信頼が揺らぐといった問題がありました。また、広く一般投資家が参加する市場におきましてその公平を確保する、あるいはインサイダー取引その他の不正な取引を防止する、さらには証券会社の内部管理体制を充実する必要がある、こういったような観点から、九月十三日付で証券局長名で証券会社に対しまして、株式の仮名取引を知って受託する行為を禁止するといった通達を出した次第でございます。
  262. 川端達夫

    川端委員 今お触れになった部分でそういうことかと思うのですが、別の観点からは、いわゆる明電工事件なんかではこれを通じて脱税が行われる可能性があるということも含めてであろうと思いますが、この通達にも「このような行為は、取引の公正を阻害するとともに、証券界全体に対する社会的信頼を失墜させることも懸念され、厳に慎むべきである。」いわゆる証券業界だけにとどまらず、株取引そのものに対する公正を確保するという目的のための通達というか、一つの手段としてこういうことをおやりになったというふうに理解してよろしいでしょうか。
  263. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 株式の取引の公正、それは今御指摘になった脱税に使われることが多いということも含めまして、株式取引の公平を確保する、同時に、仮名口座というものが、例えば従業員の手張りといいますかそういった行為にも使用される場合もありますので、そういった証券会社の内部管理体制をきちんとさせるといった観点からも証券会社に対する行為規制としてこれを行っているものでございます。
  264. 川端達夫

    川端委員 ということは、裏返して言いますと、仮名取引が行われるということ自体は証券取引の公正さを著しく欠く行為である、戒めなければならないし、その公正さを欠くという取引である、このように認識をしていいと思います。そういう意味で、昨今、まことに残念なことでありますが、今回のリクルートコスモス株の譲渡に際して宮澤大蔵大臣がそういう株の取引の公正さを欠く仮名取引に、御自身の意思は別にして形としては関与をされるということは、いわゆる証券行政の公正さ確保という大蔵省にとっても非常に重要な職務の中でそういうことが起こったということ自体は、重大な問題であると言わざるを得ないというふうに思うわけです。  そういう意味で、この委員会を含めていろいろな議論、論議、経過報告もあったわけですが、簡単に、今回の経緯は別にしまして、形として出てきたリクルートコスモス株が宮澤大蔵大臣の周辺で動いた部分で、名前として、だれから買ってだれにどういうふうに売ったかということと、それからそのお金は実際的にはだれのものであったか、だれが懐にしたか、そういう経過と、それから大蔵省の証券局長先ほどお述べになりましたいわゆる通達という部分で、仮名取引というものに全部該当するのか、あるいはどの部分が該当するのか、その部分だけもう一度整理のためにはっきりとさせていただきたいと思います。
  265. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 これは、私に関します部分は私から申し上げまして、あと行政の方は政府委員から申し上げます。  経緯は何度も御説明いたしましたが、ただいまとの関連で申しますと、私の名前が使われるに至ったそのようなことを私の秘書が承諾をいたした、これはまことにどうも申しわけないことで、結果としてただいまのような御批判を受けることになったことは極めて残念なことであったと存じます。  ただ、私自身がもちろんそういうことを行ったわけではございませんので、貸しましたことも通達に違反ということではございませんでしょうし、また、これを売却いたしましたのも私でもございませんので、そこの部分も別に通達に違反をしていることはない、こう考えておりますけれども、結果としまして私の名前が用いられた取引が第三者によって行われたわけでございますので、これは遺憾なことであったと存じております。
  266. 川端達夫

    川端委員 結果的にこのことは、大蔵大臣自体が、相対取引の部分ということで通達には触れない、しかし、その後の部分の口座の使用は、明らかに仮名口座であったということでいわゆる著しく公正を欠く取引があった、そういう意味で、そのかかわりの中で証券行政の信頼というものを非常に大きく損なったということは、これは事実だと思うのですね。  そういう意味で、この一連の取引、リクルートコスモス株の譲渡というものには仮名口座まで含まれた取引があった、しかも、その周辺に大蔵大臣の秘書官等々の者まで、一番その責任にある立場の人の秘書官までがそれにかかわりを持っていたということで非常に信頼を損ねたということで、行政の長としてこの際、このリクルートコスモス株の譲渡に関して、そのほかの不公正な取引が、例えば仮名取引であれば仮名取引を含めてどういう事実であったのか、この取引自体の事実を調べるということが当然の責任としてあると思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。
  267. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 この点につきましては、行政は行政の立場から、このたびの出来事について証券取引法が厳正に守られておるか、違反をした事実はないかということはきちんと調べまして御報告を申し上げ、また、行政として提出できます資料等々は提出をいたしまして、間違いなく行政をやってまいったつもりでございます。
  268. 川端達夫

    川端委員 仮名取引があったのです。一番初めに私は、この通達自体は公正な取引を阻害させるということがあってはいけないということでやるんだ、そういう意味では、そういう取引がこのいわゆるリクルート云々と言われている部分に存在しているということで、今まで個々の取引には行政が調査をするのはなじまないというふうな御答弁証券局長は繰り返しておられるわけですけれども、全くの個々の経済取引であるということではなくて、不公正な取引が行われたという事実であれば、この実態を調査されるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  269. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 仮名取引ということに関連いたしまして今回のそのリクルート問題の個人の取引内容を調査せよ、こういうお尋ねかと思いますけれども、ただ、このリクルートコスモス株の店頭登録に当たる売却につきまして私どもが幹事証券会社から一般的に聞いたところでございますと、売却注文のありました株式を市場で売却し、売却代金は本人名義の銀行口座へ払い込んでおる。それから、先ほどからもたびたびお話がありましたように、売買報告書は本人名義の住所あてに送付しておりまして、もしそれが完全な仮名といいますか、いいかげんなものでございますとこれは戻ってくるわけでございますけれども、その戻ってきたものがなかったというふうなことを聞いております。さらに、いろいろ聞いてみましても、証券会社とかあるいはその従業員がそういった仮名取引を勧奨したり積極的に関与したといったふうな事実は認められませんので、こういった状況のもとで証券会社につきましてそういった取引の個々の内容を調査するということは適当ではないのではないかというふうに考えているわけでございます。
  270. 川端達夫

    川端委員 本来の目的は不公正な仮名取引があってはいけないということであって、その一つの手段として、証券会社はきちっとしなさいよということであって、売買者は善意の第三者ということであってもそういう疑いがある部分は調査をすべきであるし、できると思うのですね。それを殊さらにやりたがられないということに非常に不透明感を覚えるわけですが、それであれば、六十年四月二十五日にリクルートコスモスの第三者割り当て増資が行われました。この三十七社一個人、これは公表は云々ということはありましたけれども、調査としては大蔵当局は報告を受けておられる。その中に仮名取引はなかったのでしょうか。
  271. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 第三者割り当てにつきまして私ども有価証券通知書というものを受け取っております。今回のリクルートコスモス社につきましても同様でございます。この有価証券通知書というのは、先般来御説明申し上げておりますように、有価証券届出書を提出すべき事由にならない、つまり、不特定多数、五十人程度以上というものに対する募集または売り出し行為に該当しないということを確認するために行っているものでございまして、したがって、それが明らかに虚偽であるといった場合は別として、それが五十名程度未満であるといったふうなケースにつきましては、これは特段の調査を行っておりません。  また、今回のリクルートコスモス社の第三者割り当てについて申しますと、その払い込みというのは第三者割り当てを受けた名義人からきちんと払い込みが行われているようでございまして、これが第三者による架空のといいますか、そういったふうな架空の増資であったといったことはそういった状況からは認められないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  272. 川端達夫

    川端委員 従来まではそういう御答弁を聞いておりますし、それでよかったと思うのです。  それで、これは新聞情報で恐縮なんですが、十月十三日の朝日に、見出しは「新たなトンネル会社?」ということで「リクルートコスモスの有価証券報告書によると、ビッグウェイは六十年四月、十二万株の第三者割当増資を受けている。ところが当時専務だった細江氏らが第三者割り当ての事実を知ったのは六十一年七月ごろ。」一年三カ月後ですね。ちょっと飛ばしまして、その当時の社長「菅原氏は「江副氏から個人的に頼まれて購入した。私の独断でやったことだ。会社の金で買ったのではない。責任はすべて私にある」と説明した。」こういうふうに報道されているわけです。ということは、第三者割り当て増資の企業名として届け出られている部分はビッグウェイという会社であるけれども、実質的には社長の菅原さんが個人的にやったというふうな書き方の報道がされているわけです。  そういう事実は新聞ですから目に触れておられると思うのですけれども、そういう意味でいえば、このことに関して今これだけ仮名取引の問題が言われているときに、事実を調べてみようということを思われ、されるのが当然の責任ある立場だと思うのですが、いかがでしょうか。
  273. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 そういう事実が報道されたことは承知しておりますが、その報道の内容がどうであるかという事実については承知いたしておりません。  ただ、一般的に申しますと、先ほど申しましたように増資の払い込みが会社名義できちんと行われている、それから株主名簿上の記載もその会社の名前になっている、それからその会社の代表取締役である方がそれをちゃんと承知しておられる、承知して行っておられるといったふうなことでございますと、これは商法の問題でございますけれども、商法上は代表取締役は会社の営業に関し裁判上及び裁判外の一切の行為をなす権限を有するというふうなことになっていることを考えますと、その増資の割り当てというのはやはりその会社に対して行われたと考えるのが常識的ではないかというふうに考えているわけでございます。  それから、六条の有価証券通知書の関係で申しますと、五十名未満であるということが確認されれば足りるわけでございまして、その具体的な内容がどうこうということについては、これは私どもの行政的な目的からして必ずしもそこまで調査する必要はないということでございます。
  274. 川端達夫

    川端委員 一義的にはそうだと思うのです。しかし、これだけこの国会の場でもあるいは報道を通じても一連のこの株取引にいろいろな疑惑が持たれ、不透明さが持たれている。このことは当然ながら証券行政のあり方の根幹に不信を持たれている。そういう部分にこういう報道で、会社名を使って社長が代表権を持っているからやってもいいんだというふうにおっしゃいましたけれども、実態的には金は会社の金で買ったのではないという発言も含めて非常に不明朗な取引であるという、事実かもしれないことが報道されている。そのときに会社の名前で、きちっと代表取締役の名前で取引をされているから全く調べる必要もないし問題ないんだというふうなことで終始をされるから、これだけ問題があるのじゃないかということに対して積極的にみずからの姿勢を正すために当局が調査をされるという形が見られない。だから、真相解明に対しても何か後ろ向きのイメージを与えているのではないかというふうに今思います。形だけ整えば知らぬふりをしていいということでは済まされないのではないか。やれないではなくて、やらないのではないか。  それで、今局長は、代表取締役が正規の会社名で登録をされ払い込みもされた、こういうふうにおっしゃいました。それではちょっと国税庁にお伺いをしたいのですが、正規の取引をされたのであれば、巷間伝えられるところで類推の話でありますが、二千五百円ははっきりしているわけですね、二千五百円で増資の割り当てを受け三千円で売ったのではないか。そうしますと、五百円掛ける十二万株で六千万円、この部分が正規の会社の売買であれば利益に、有価証券の譲渡益として計上をされるはずですね。こういう部分は当然、法人ですから課税の対象になる。この部分の事実に関してはわかっているのかどうか、それからそういうことを調べることは可能であるかどうか、お伺いしたい。
  275. 伊藤博行

    伊藤(博)政府委員 第一段の法人に帰属する株式を売却いたしました場合には、当然差額につきまして収益に計上するということに相なろうと思います。もしそういうことでなければしかるべき是正措置が講ぜられるわけでございますけれども、一般論として今申し上げたとおりでございます。  ただ、本件に即してという点については事柄の性質上答弁を差し控えさせていただきますが、一般的に本件あるいはその他の関係につきましても私ども常に各種資料あるいは情報等を収集しておりまして、もし課税上問題があるということであれば、実地調査を行う等しかるべく対処してきておりますし、今後ともそのような方針で対処してまいりたいというふうに考えております。
  276. 川端達夫

    川端委員 報道されたことがやはり仮名口座であるかどうかということを確認をし調査をするということは、証券行政にとって非常に重大なことだと思うのですね。その部分が、届け出が正規の名前でされている、一方の報道ではそうではないというふうに現社長、当時専務が言っている。今の国税のお話にもありましたように、同じ大蔵省の中で、そういう税務調査の観点からそこの収支がどうなっているのか。これが現実に納税をされていないということであれば脱税、証券局が正規の取引であるとおっしゃったわけですから正規の取引だ、証券局が正規の取引であると言ったときに納税がされていないということになると、これは矛盾をしてくるわけです。そういう意味で、調べる方法は、何もがんじがらめに窮屈に形だけ整っているということで逃げずに、いろいろな角度から国民の政治不信を解くために前向きに努力するということが望まれているし、当然やるべきである。こういうこともおやりにならないのであれば、何のために証券局があるのかというふうに思うのですが、再度いかがでしょうか。
  277. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 課税関係につきましては国税当局が先ほど答弁申し上げたように適正な執行を行うものと考えておりますけれども、証券行政の問題としてその第三者割り当ての問題について申し上げますと、これは仮名というお話がございましたけれども、証券会社を通じるという形での取引ではないわけでございます。したがいまして、私どもが前から申し上げております証券局長通達、これは証券会社を通ずるいわば仮名取引についての問題でございますので、そういったふうな意味からいいますとその通達の効果というものが、それは一般の有価証券取引につきましてもこれは本名で行われることが望ましいわけではございますけれども、そこまでの効果というのを証券行政だけで期待するわけにいかないといった点から申しますと、そういう理由で証券行政の立場でそれを調査するというわけにはなかなかまいらないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  278. 川端達夫

    川端委員 今ので、この第三者割り当て増資自体は証券業界を適していないということ、それでよろしいですか、相対取引なんですか。ちょっと確認だけ。
  279. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 証券会社を通じてその売買とか引き受けとかが行われたということではございません。証券会社はこの第三者割り当ての価格の算定その他に関与はいたしておりますけれども、この取引はあくまで商法上の行為といたしまして直接第三者に割り当てられ払い込みが行われているということで、証券会社を通ずるいわゆる受託行為があったという性格のものではございません。
  280. 川端達夫

    川端委員 情況証拠でいうと、これはやはり仮名の取引をされたということだと思うのです。それで通達でも、そういうことはやってはいけませんという通達を証券会社に出される。それから、証券会社はそれを受けて、ポスターを張ったりあるいは個人の名前を確認するために身分証明書、免許証の提示を求める、罰則も設けられたというふうなことも含めて仮名取引というのはやれないようにしようという姿勢を示しておられるわけです。  そういう中でこのケースは、これが仮名取引であれば会社名をかたって仮名取引をするという新たな手口なんです。見ようによれば、事実であれば。ということは、一生懸命通達まで出して、各証券会社にポスターを二枚ずつかなんかまでお配りになって、業界は業界で一生懸命に身分証明書提示とかいって公正取引をしようというときに、今のようなケースで会社の社長が会社の名前を勝手に使って、金もそこのを流用せずにすれば税を逃れる、あるいは仮名取引で名前が出ないというふうなこと自体は非常に証券業界にとっては困ることじゃないのですか。
  281. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 川端委員は第三者割り当てが仮名であるという前提で御質問いただいているような気がちょっとするわけでございますが、先ほど申しましたような一連の行為、特に代表取締役の行為というのは会社を代表して行っておりまして、通常の場合、代表取締役のやった行為というのは会社に帰属するわけでございますから、これは私、商法の専門家ではございませんけれども、そういう場合におきましては、やはり会社の一部の役員、他の役員が知らなかったといってもその効果は会社に帰属する。現にその名前で払い込みが行われ、株式名簿にも登載されているといった場合に、これを一方的に仮名取引であるという前提で御議論いただくのは果たしていかがなものであろうかということを申し上げておるわけでございます。
  282. 川端達夫

    川端委員 仮名取引であると私は申し上げていない。仮名取引の疑いがあると新聞にまで載っている。それを放置をすること自体が証券行政をつかさどる責任ある立場としては怠慢ではないかと申し上げておるわけなんです。大蔵大臣どうですか。
  283. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 先ほどから政府委員から申し上げておりますように、そういったようなことのありませんようにということを証券会社につきましては再三注意をいたしておるわけでございます。
  284. 川端達夫

    川端委員 どうもやる気がないということみたいなんですけれども、法制局にお伺いしたいんです。  しつこいんですけれども、この前から二十六条の適用がどうかというときに、公益の問題がよく話題になりました。前の、これはもうずっと旧聞かもしれませんが、八月四日に御答弁の印で「証券市場、証券の発行なり流通なりの市場、これの公正さを確保するというための利益ということになりますと公益ということになるわけでございます。」こういう御答弁があるわけです。ということは、証券取引の公正さを欠くものに関してはその実態を調べる、要するに二十六条発動というのは可能である、こういうふうに理解してよろしいのでしょうか。
  285. 味村治

    ○味村政府委員 証券取引法第二十六条の公益の意義につきましては、ただいま委員の御指摘になりました答弁のとおりでございます。つまり、公益というものは非常に広い概念でございますが、証券取引法の観点から、証券取引法の目的に即して解釈すべきだということを申し上げたわけでございまして、その目的は、証券取引法の第一条に規定してあるわけでございますが、それをつづめて申し上げますれば、有価証券の流通なり発行の市場の公正さということであろうかということを申し上げたわけでございます。  ただ、ここで申し上げておきたいことは、これは証券取引法二十六条の公益の解釈を申し上げたわけでございまして、二十六条にはいろいろな要件がほかにもあるわけでございます。また、二十六条の立法趣旨というのもございますので、この二十六条の立法趣旨はもう証券局長から前々から申されておりますが、これは企業内容等の開示について定める証券取引法二章に置かれているところからも明らかなように、有価証券の募集、売り出し、上場等に関する企業内容の開示が適正に行われることを担保するため、所要の報告、資料提出及び検査の権利を認めている規定だ、こういうふうに私どもも解釈いたしているところでございまして、こういったこの二十六条の立法趣旨も踏まえて解釈がされるということでございます。
  286. 川端達夫

    川端委員 前半は非常にいい御答弁だったんですが、後半になってやや意にそぐわないなと、ここが随分この前から議論になっているところなんですけれども、私はもっと素直に、いわゆる二十六条の規定というのは、おっしゃったような公益というものを損なうときには素直にそれを調査するということではないかなというふうに思うわけです。  そういう意味で、時間が限られておりますのでもう詳しくできなくなりましたけれども、そういうことでいうと、一番初めに仮名取引というのは証券取引の公正さを欠くことなんだ、非常に著しく欠くものなんだと通達でもおっしゃっている。そういう仮名取引自体が現にあり、存在をするということ自体は先ほどの大蔵大臣の経過の中でもありました。そして新聞報道によりますと、これはうわさではないんですね、細江さんという今の社長がおっしゃっているという形で書いてある。そういう部分でも仮名の取引をした、そういうふ一うな状況が推察されるという中で二十六条の発動は可能であるし、それ以外の調査も大蔵省は当然この状況の中ではやるべきだというのにおやりにならないということに私は非常に疑問を持つ次第であります。  あともう一つ、新聞情報ばかりで申しわけないのですが、皆さんほとんどの方は新聞でいろいろ思いをめぐらされるので、間違いがあれば間違いと、真実はこうだと言って正すというのも政治の責任だと思うのですね。新聞新聞なりの調査に基づきその正確を期して報道をしているわけですから、それを国民が見ていろいろな思いを持つ。そのときに、政治の責任としては誤りがあるならば誤り、疑問を提示されたらその疑問はみずからの姿勢で正していく、調査をして発表する、それが政治の責任じゃないでしょうか。  そういう中で、朝日に、詳しくは言いませんけれども、要するに第三者割り当てをしたビッグウェイの十二万株、あるいは具体的に書いてあるのは、例えば「「エターナルフォーチュン」がコスモス株の店頭登録(公開)直前、割り当てを受けた二十万株全部を、江副浩正・前リクルート会長の強い要請で、江副氏個人に返還していたことが十八日、明らかになった。」一万、「江副氏は秘書を通じて十八日夜、「エターナルフォーチュンに引き受けてもらった第三者割当増資の二十万株は、私の方の事情で六十一年九月に再議渡をお願いした。その後の譲渡先についてはいえない」」ということで、第三者割り当てをしたものを後でまた江副さんが買い戻したということが報道されているわけです。これは非常に大きな問題をはらんでいる。  今まで、証券取引法に違反をするあるいはそういう疑いがあるということも含めて、個々の取引は調べる権限はないということであったわけですけれども、これが事実であれば移動禁止の特別利害関係人に該当する。そして、二十万株と十二万株、これ両方であれば三十二万株ということは、この売買によっての利益は申告義務が生じる。それから、こういう事実であれば店頭登録の届け出の停止の可能性がある。届け出の停止ということは、幹事証券会社が届け出の審査をしているわけですけれども、そうすると、そこへ虚偽の申請をしたということですし、それを審査部を通じて認可をしたということでは、届け出者のリクルートコスモスの責任と同時に、幹事証券会社が審査をして認めたという部分ではそこの責任も発生するのではないかというふうに、非常に重要な問題を幾つかというよりたくさん含んだ報道なわけです。疑惑を、問題を提起している。このことに関して証券局としてはどのような調査あるいは見解をお持ちなのか、お聞かせをいただきたい。
  287. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 私ども大蔵省としましては、新聞報道された事実関係については承知しておりません。また、新聞報道におきましても、例えばエターナルフォーチュンについて申しますと、飯田さんの方のサイドのお話と江副さんの方のお話とが、例えば売り戻しを受けたかどうかというふうな問題につきましては、何か若干微妙に食い違っているような面も見られるわけでございますので、それが事実かどうかという点について、現段階におきまして私がお話し申し上げるのは必ずしも適当ではないだろうというふうに思います。  ただ、この問題は、いずれにしても今御指摘のように店頭登録に係りますところの証券業協会の自主ルールの問題に絡む問題でございます。そういった意味で、現在、昨日の段階から証券業協会によって事実関係その他について調査をいたしておるわけでございます。協会のルールとの関係で申しますと、一般的に申しまして、もし江副氏が直接売り戻しを受けまして、さらに江副氏が別の第三者に売ったといった行為でございますと、確かに特別利害関係人等による株式譲渡といった問題で協会のルールに触れるといった問題になり得る可能性がありますが、他方、江副さんの方があっせんとか勧誘という事実行為に関与しているといったことでございますと、これは証券業協会のルールにそれで直ちに触れるといったものではないというのが協会の解釈であるというふうに聞いているわけでございます。  いずれにいたしましても、この問題については現在協会が調査を開始したところでございますので、その調査結果を待ってみたいというふうに考えているわけでございます。
  288. 川端達夫

    川端委員 税制上はいかがでしょうか。三十二万株になり得るということではどうでしょうか。
  289. 伊藤博行

    伊藤(博)政府委員 一定の前提を置いての御質問かと存じます。したがいまして、そういう一般論としてお答え申し上げますと、特定の銘柄を二十万株以上譲渡した場合には課税という建前になっておりますので、もしそういう事実が前提にされれば課税になってくるということでございます。ただ、お話しの前提は所得の帰属についてのある種の仮定を置いての御質問でございますので、その点はお含みおきいただきたいと思います。
  290. 川端達夫

    川端委員 それと、先ほどの部分で登録の申請の、これは事実かどうかというのを調べないといけないということになりますけれども、実例としては別と考えていただいたらいいと思いますけれども、届け出に虚偽があるという部分で、店頭登録の審査が行われて許可をしたというこの責任というのはどこに所在するとお考えでしょうか。見解としてはいかがでしょうか。
  291. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 店頭登録につきましては、取引所における上場と違いまして協会においてこれを行うということで、大蔵大臣そのものは直接責任がないわけでございまして、そういった意味では協会の自主ルールに係る問題でございます。したがいまして、今御指摘の問題につきましては、協会において具体的な事実に即した上で判断し、どういう措置をとるかといったことはその段階で考えるべき話ではないかというふうに考えているわけでございます。
  292. 川端達夫

    川端委員 この取引自体で、外見上見ますと、第三者割り当てを通じてトンネル会社的な構造をつくって、特定の人にいろいろ株をばらまくのを意図していたのではないかというふうな感触を非常に強く受けるわけです。それで、親引けというか親引きというのがありますね。広辞苑に「親引」というので「公募増資 のきいに、発行会社の希望する割当先に優先的に新株を取得させること。発行株数の二〇パーセント以内に制限されている。親引き。」こう書いてあるのですけれども、これについて御見解を賜りたい。
  293. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 親引けにつきましては、確かに殖産住宅事件のときにも問題になりまして、そういったふうなことからこれを厳しく制限しなければいけない。やはり公募増資のときの、これはいろいろな値段の問題もございますけれども、公募株を手に入れた人が初値の段階で売り抜けた場合には一般に多くの利益を得るということで、それを特定の者に指定するということは非常に不公平じゃないかといったことでこれを制限しております。  ちょっと今はっきりした日付は忘れましたが、最近におきましては親引けは禁止いたしておりますので、そういったことはやはり不公平な取引があるということで私ども所要の規制をかけるべきものと考えておるわけでございます。
  294. 川端達夫

    川端委員 ところが、今回いろいろな報道を通じてわかってきたことを総合的に考えますと、実質的な親引けを、第三者割り当てという名前を使い、そして実質的に仮名口座まで利用してトンネルをして特定の人に配るということを、新株を割り当てるという行為をした。実行行為としてはこの親引けに該当するような行為であるというふうに私は思うのです。  今おっしゃったように、親引け目体は、そういうふうに非常に特定の人に利益を与えてしまうということで現状では禁止をされている。そういうのに、現行で今こういうことが行われたという疑いが非常に強い。そのことに関しては調査をされるということは当然のことだと思うのですが、いかがでしょうか。
  295. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 親引けに関しましては、証取法上どうこうという問題じゃなくて、やはりそういったことが不公平ではないかといったことで、証券界全体の中の一つの自主的なルールとしてこれを行わないという申し合わせをしているわけでございます。  今御指摘の点、今回のいろいろな問題を考えますと、似たような、特定の方が特別な利益を得たではないかといった御指摘は確かにそういうふうに受けとめるべきものと考えておりまして、そういった意味で、先日来、証券取引審議会の不公正取引部会におきまして、株式公開制度のあり方といったことで、今のような問題を含めまして、公平な株式の価格の算定、配分あるいは公開前の一定期間前におきますところのディスクロージャーでございますとか、第三者割り当てに係る者の株の長期保有義務づけをどうするか、こういったいろいろな問題について現在議論をしているところでございます。審議会等におきまして結論が出ました段階では所要の改善策を講じてまいるつもりでございます。
  296. 川端達夫

    川端委員 時間が参りましたけれども最後に一つだけ申し上げておきたいのですが、証券行政のいわゆる証券取引の公正という観点から見ただけでも、仮名取引あるいは親引けに類似したような行為等々が見受けられる、あるいは譲渡禁止の特別利害関係人になっているのではないか、あるいは税法上も脱税の疑いもあるというふうに、証券行政全体としていろいろな不信を国民の皆さんお持ちになっている。そのときに、証券取引法に書いてある、書いてないという法理論の話は別にして、国民の不信を晴らすために何ができるのか、どういうことができるのかというもっと前向きな姿勢でおやりにならなければ、そういう意味でこの押し問答をしても仕方がないので、委員長に最後にお願いをしたい。  この取引、きょう私が取り上げた取引だけにいたしましても、当時の菅原社長あるいは服部氏、河合氏等々の証人を呼んでこの場でじかにお聞きするしか方法がないということで、証人喚問をお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。
  297. 海部俊樹

    ○海部委員長代理 これにて川端達夫君の質疑は終了いたしました。  次に、東中光雄君。
  298. 東中光雄

    東中委員 最初に総理にお向いしたいのですが、この間、十四日の当委員会におきまして、青木氏に事実関係をただしましたところ、六十一年九月にリクルート関係者から話があり、ドゥ・ベストという会社の所有する株式を譲り受けたものである、こういうことでございました。それで、ドゥ・ベストと青木伊平氏との株式売買約定書も青木氏から見せられて見たということを先ほども御答弁がございましたが、そのとおりでございますか。
  299. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 そのとおりであります。
  300. 東中光雄

    東中委員 そうしますと、株の譲渡を青木氏が受けた相手方は名前を言うと迷惑をかけるから名前を言わないと旨うて、当初から言うてこられたわけですが、ころっと変わってしまって、譲り渡した相手方がドゥ・ベスト社であるということを言われたわけですから、そういう点では今までの態度を変えられたわけですが、どういうことでお変えになったのですか。
  301. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 元来、個人、法人を問わず、第三者に迷惑をかけちゃいかぬということをいつも考えております。  私が青木元秘書に聞きましたときに、経済人から受けましたが迷惑がかかるからその名前を申し上げることは差し控えてほしいと言って新聞社に話をしたという話を聞きましたので、それはもっともなことだ、こう申したわけでございます。その後、私いろいろ本院で質問を受けました。参議院でも質問を受けましたが、質問を受けながら考えましたことは、やはりきちんとしたものがあるとすれば、そのきちんとしたものというのは私が申しましたいわゆる株式売買契約約定書でございますが、そういうものにきちんと名前が出たものを持ってまいりましたので、そのことは御報告したがいいだろうと思ったわけでございます。
  302. 東中光雄

    東中委員 そういうことは言わないのが私の生きざまだとまでおっしゃったわけですね。だから、何遍も聞いたけれども言われなかった。それで、それは相手に迷惑をかけるからだということで言われなかった。今度は発表されたけれども、迷惑かかったのですか、かからないのですか。
  303. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 そういうことが私の生きざまだ、あの表現がよかったか悪かったか、私も反省しております。  そういう周囲におりますので、青木君自身が第三者の名前は言いませんでしたと言ったから、それはまことに結構だと申しまして、したがって、だれだったかだれだったかということを問いただそうとは実は私も思っておりませんでした。しかし、先般ちゃんと書類をきちんと持ってまいりましてこういうことになっておりますと、じゃ、この者はいずれそれは明らかにしようと思えば明らかにできることでございましょうし、これは申し上げた方がよかろう。その第三者の方は実は会社でございますね、会社そのものは存じ上げていなくても、ちゃんと印紙を張った署名したものがあるわけでございますから、発表申し上げた方がよかろう、こう思ったわけでございます。
  304. 東中光雄

    東中委員 そうしますと、ドゥ・ベストからちゃんと印紙の張ったもので、ドゥ・ベストから譲渡を受けた、その譲渡を受けるについての話し合いは、ドゥ・ベスト関係者じゃなくてその前のリクルート関係者から話があったのだ、こう言われましたですね。所有者でないリクルート関係者が総理の秘書だった人に、あの会社が持っている株をおまえさん買うたらええぞ、公開一月前ですね、もうかるぞということを言うてきたとしたら、そのリクルート関係者と総理が言われたのはだれなんでしょう。これは非常に重要な意味を持ってきますね。どういう意図でそう旨うてきたのかということになりますが、その点はどうなんでしょう。
  305. 竹下登

    ○竹下内閣総理大臣 おまえこれ買うたらもうかるぞ、そんなことを言っていらっしゃるようなお客さんはできるだけ敬遠をしております。譲り渡したい人がおるので譲り受けないかと、率直に言ってそういうことだと思います。  その人について、たくさん人がいらっしゃいますからもし間違って人様の、自分の記憶が正確でなくてもし間違った名前を出したりしてはいけませんから、これはこの点につきましてはもう少し記憶を呼び戻してみますと、毎日たくさんのお客さんに会ったり電話がかかりますから、私もそれがもっともだと思っております。
  306. 東中光雄

    東中委員 ドゥ・ベストという会社はどういう会社かもよくわからぬとおっしゃいましたね。そういう会社の持っておる株を買いなさいということを言うてきたのはリクルート関係者であることだけははっきりしておる。それで、リクルートコスモスが取締役会の決議でドゥ・ベストへ八万株を譲渡したことになっているのですね。それの先を売る。これはまさにドゥ・ベストはトンネル会社で、そのもとの方のリクルート関係者と称するだけで名前のわからない人がどういう意図で売りに来たのか、売った方がいいと言ったのか。そういう形で総理の元秘書ですか、あるいは金庫番とも言われる方に金が入るような方法で動いた。これはやはり異常ですね。普通にはないことですよ。だから、その関係者はだれであるか、それからドゥ・ベストの社長の菅原さんは、そしてあなたの秘書がどういう話を受けたのかということをやはりここで明らかにして――だって、今までは迷惑がかかるからと言って言わなかった。今度は迷惑がかからぬ、確実だから迷惑がかからぬといって発表した。そして、今度はまた次の肝心の交渉をした人がわからなくなった。これじゃ疑惑は増していくと思いますね。私は、そういう点を総理の方で明らかにする、そして同時に、関係のドゥ・ベストの菅原さん、それから青木さんを証人として申請――むしろ明らかにした方がいいだろうという立場に立っていただいて、そうすべきじゃないかと思うのです。このことを委員長の方にも申し上げておきたいと思います。  そこで、聞きたいことがたくさんあるものですから先に進みますけれども、宮澤大蔵大臣にお聞きしたいのですが、その前に法務省の刑事局長に伺いたいのです。  公務員がその職務に関してわいろを要求する罪というのがあるのですね。それから、公務員に対してわいろを申し込む罪というのがありますね。要するに、公務員に向かっていくのとそれから公務員から求めていくのと、この二つあるわけですが、刑法の条文は明らかに違うわけですけれども、どちらがどういう理由で重いのでしょうか。
  307. 根來泰周

    根來政府委員 ただいまの収賄の方は五年で、贈賄の方は三年だと思っております。
  308. 東中光雄

    東中委員 だから、公務員の方からわいろを要求をしていくというのは、現実に得るか得ないにかかわらず、要求していく方はずっと重いのだという関係になっておるのです。  それで、ここでお伺いしたいのですが、竹下総理の先ほどのお話では、リクルート側から、問題のリクルートコスモス株を買うたらどうかと向こうから言ってきた。これが職務に関してということになればこれは申込罪の方になるわけですね。ところが、宮澤さんの場合はこれは逆になるのですよ。というのは、今まで宮澤さんが答弁してこられたことによりますと、河合氏がリクルートコスモス株を取得してもうけたいから、しかし河合氏の名前ではだめなんで、だから宮澤蔵相の名を借りて、そしてリクルートから譲ってくれるように話をしに行く、自分で行ったらだめだ、名義を貸してくださいと言って行った、こういうことですね。だから、流れが逆なんです。大蔵大臣の方から譲ってくれぬかということを河合氏は言っていくわけですね。そういうことに、今までの御答弁ではそうなっています。どうでしょう。
  309. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 それは、河合という人がいわば商取引としてそういうことを考えたということと存じます。
  310. 東中光雄

    東中委員 それで、宮澤さんは八月五日の予算委員会で、ここで松本善明議員の質問に対してこう答えておられますね。  河合氏が、リクルートコスモスでございますか、この会社が株式をいわば有力者のとこ  ろへ分けているということを知りまして、御本人は仕事が設計とかそういうようなこと  に関係しているものでございますから、それで服部に対して、ひとつ名前を貸してくれ  ないか、使わしてくれないかということを言った。 これは大蔵大臣の答弁です。そこで服部さんはどうぞと言ったのだ、こうなっているのですね。これは参議院での上田耕一郎さんの質問でも社会党の矢田部さんの質問でも同じ趣旨のことが答えられているわけです。  そこで、名義を貸してくれないか、使わしてくれないか、どうぞと言ったその名義というのはどういう、大蔵大臣の名前なのかあるいは秘書官の名前なのか。どうぞと言った側、要するに服部さんの側から見て、それは大蔵大臣も含まれているということなのか、大蔵大臣は含まれてないということなのか、その点はどうなんでしょう。
  311. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 それは、今御引用になりましたとおり、たびたびそういうふうにお答えをしてまいっております。  それは実際上、借りるよ、どうぞといったようなやりとりの中で、まあ考えてみますとはっきりしないままのやりとりであったと申すべきなんだろうと思うのでございますが、先週申し上げましたとおり、実は私自身の名前が使われたということなんでございますが、それは先週わかりましたことで、それまでの間、わからないままのことをそのとおり申し上げておったわけでございます。
  312. 東中光雄

    東中委員 それは、名義を使うことを服部さんは認めたというのでしょう。どうぞというのは、認めたと。だから、河合さんはおかしいことをやっているんじゃないんだ、認めてもらったから、それでやっているんだというわけでしょう。そして、実際に大蔵大臣の名前を使ったわけでしょう。そのことが明らかになったわけですね。そうしたら、あなた方の方では大蔵大臣の名前を使ってもいいぞということまで言ったつもりでないのに使うておるのだったら、まさに勝手に使うているわけですね。勝手に使うたんだ、だからあなたは被害者になるんだ、こういうことまで言われたんですね。そうでしょう。ところが、初めからそれが含まれておるのだったら、被害者なんて言えないわけですね、あなた、被害者だと言ったんだから。少なくともどうぞと言った時点で服部さんは自分の名前のことだけを思っておったのか、あなたのものも含めてということだったのか、そういうこともわからぬままで現職の大蔵大臣の名前を使うことを秘書官が容認したんだ、こんなことでどんどん進めていく、これはあり得ぬことですね。そこはどうなんですか。
  313. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 それもたびたび申し上げておりますとおり、うかつであり、軽率であるのでございますけれども、違法なことではないものでございますので、いいか、いいよというようなはっきりしないままのやりとりをした、これは私は軽率であった。今日こういうことになりますと殊さらそう思うのでございますが、実態はそういうことであったと思います。
  314. 東中光雄

    東中委員 あなた、それは大間違いですよ。大蔵大臣の名前を使うて話をすれば譲渡を受けられるのだ、自分の名前、河合の名前で行ったのでは受けられないのだ、だから、名義を借りに来たのでしょう。そして、現にあなたの名義を使うことによって一万株の譲渡を受けた。あなた方の論理でいけば、河合さんはそうしたのでしょう。河合さん自身が行って買えるのだったら、これは相対売買になりますね。だから、買えるのだったら何も名義を借りに来ることは要らぬわけでしょう。宮澤大蔵大臣の名前を借りて行ったら買えるから、だからわざわざ借りに来たのでしょう。それでオーケーしたのでしょう。だから普通のことと違いますよ。株の取引について大蔵大臣の名前を使うことを河合さんにあなた方が認めたのか、認めてないのか。認めてないのにやったのだったら、これはけしからぬ、被害者だといって追及しなければいかぬ。認めておるのだったら、それは覚悟の上だということになるわけですね。どっちなんですか。そこがあいまいのままであって軽率 であった、そんなことを言ったって、現にやられているのですから。  そして、河合さんは向こうへ行ってどう言っていると思いますか。それはわかっていますか。いつ、リクルート側のだれに対して、どういうことを言って一万株を宮澤さんの名前で譲り受けることになったのか。その経過を知っておられますか。
  315. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 全くわかりませんです。
  316. 東中光雄

    東中委員 これはリクルート側から考えてごらんなさい。河合という人は知らない。しかし、宮澤さんの代理か使者か知らぬけれども宮澤大蔵大臣、六十一年九月ということになれば現職の大蔵大臣ですから、現職の大蔵大臣のかわりに来て、そして株を要求しているのです、売ってもらえませんか、宮澤さんがそう言っているんだ。だから、契約書に宮澤さんと書くことになるわけですね。今の竹下さんの場合は逆だけれども、そういう契約書をつくっているわけですから。そういうことになれば、少なくとも相手方は、宮澤大蔵大臣が株を所望している、だからそれにこたえなければいけないということで、河合さんだったらやらぬけれども、宮澤さんだから宮澤さんの名前で渡した、こういうことになるんだね。そうすると、河合さんがどういうことを言っていたか。そうしたらいいこともありますよと言ったかもしれません。言わなかったかもしれない。しかし、河合さんだけ行ったのじゃ来ないものを、あなたの名前を言って行ったから現実に来たんだ。その違いがあるわけでしょう。だから、使わしてくれと言っているのでしょう。  そうなると、河合氏は、あやふやなままでどうぞと言ったというだけで現職の大蔵大臣に、株の取引で大蔵大臣名義で買うてくるというようなことをやったということになったら、あなたの方は、さっきじゃないけれども、被害者ということだったら徹底的に調べて、一体あなたは何をやったんだ、どういうことをやったんだということをやるべきでしょう。これが普通ですよ。ところが、それをしないで、何か河合さんをかばうようにかばうように言うていますな、私どもが合意したんだからなどというようなことを言うてみたり。あのときの私どもというのは、正森質問でそう言われました、それは秘書官及び大蔵大臣宮澤さん、二人ともが同意したということなんですか。その点お伺いしましょう。
  317. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 私でないことはもう明らかでございます。それは服部でございます。
  318. 東中光雄

    東中委員 そうしたらあなたは、河合氏があなたの名前で契約するに至った経過を、あなたの名前を使われたんだから、だからそれについて徹底的に調べて、実はこうでありました、河合氏はこう言うていますということを明らかにすべきじゃないですか。河合氏はいつ、リクルートのだれにどういうふうに言うてあれをもらうようになったのか、そうじゃありませんか。そこがあやふやなままで、私の名前ただ使うたんだから、しかし私は関係ないんだ、それじゃ済まされぬですよ。どうでしょう、追及しませんか。
  319. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 先ほどお尋ねは、いいよと言ったのはだれかというお尋ねですから、無論私であるはずはなくて、それは服部でございますと申し上げたのでございますが、その借りるよ、いいよというやりとりはいかにもずさんきわまりないと言えば、もうそうしか申しようがないのでございますが、私はその河合という人をかばうつもりは全くないのでございます。ないのでございますが、何も了承も受けないで勝手なことをやったか、今聞いてみれば、借りますよ、いいですよということがございますものですから、うかつなことであったという気持ちを持っておるわけでございます。
  320. 東中光雄

    東中委員 いや、それは、借りますよというのは、河合さんが宮澤さんの名前を借りて向こうと交渉するという意味は、河合じゃなくて宮澤の代理なり使者なりということで行くということでしょう。そういう意味でしょう、名義を借りるというのは。そうすることをしなければ買えないんだ、もらえないんだ、相対株だから、未公開株だから。だから現職の大蔵大臣の名前、河合さんは有力者とかなんとか言うたのですね。それならば、河合さんは国会議員秘書をやっておられて、増岡さんの秘書もやっておられたんだから、厚生大臣増岡さんに頼んでその名前で行けばいいようなものだと思いますがね、私たちは。しかし、それじゃあかんのだ、現職の大蔵大臣の宮澤さんの名前で行っているのですよ。そうすることによって一万株買うているのですよ。そして二千万円余りもうかったのですよ。  そういうふうになっておるのに、あなたの名前が使われておるのに、それはどういうふうにやったのか知りませんというのでは、これはあなた本当に無責任じゃないですか。あなたに売ったということになっているのですよ。私たちが出したあのリクルートのリストによっても、あなたに一万株、三千万円で売ったということになっているのでしょう。日時もはっきりしていますな、あれによると九月三十日と書いてあるんだから。日時、それから何を売ったのか、当事者はだれか、そういうものが出ておって、それは実は私じゃなくて、その河合さんがやったらしい、どう言うてそうなったのかというのは知らない。河合氏自身は自分じゃない――自分でやったとは後になってから言うていますけれどもね。それはあなた内容を、あなたは私に責任はありません、河合氏がやったんだということなら、河合氏はどういうふうにしたのかということをはっきり明らかにすべきだと思います。明らかにする気はありませんか。
  321. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 それはせんだって以来わかる限りのことは申し上げておるわけでありまして、私どもの方もまことに軽率であったということもつけ加えて申し上げておるわけでございます。
  322. 東中光雄

    東中委員 あなた、大蔵大臣の秘書官は、大蔵大臣が他人が株の取引をするときにそれをはいよろしいということを、あなたの秘書官は、大蔵大臣秘書官はオーケーということを、秘書官の友人に大臣の名前を使って株取引をすることを認めることができるだけの権限を秘書官に与えているのですか。
  323. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 先ほども申しましたが、私は株の取引というのをほとんど全くしたことがないに近い人間なものでございますから、そういうことは今までございませんでした。
  324. 東中光雄

    東中委員 それなのに、株の取引なんかしないあなたが、あなたの名義で株取引をするということを頼みに来た、名義を貸してくれと言うてきた、それで秘書官はどうぞと言うてそれを認めていく、そんなことをやったら、それはわしはそんなこと、断じてわしの名前で取引するというようなことは認められぬ、何で秘書官はそういうことをやったんだと言うのが当たり前でしょう。だって、大蔵大臣の資格があるかないかというようなことまで問題になるぐらい発展していっている、そのもとはそこだというんですから、そんなことを勝手にやった秘書官を、何であなたは処分も何もしないのですか。何でどういうことを言うたんだということをきっちりたださないのですか。
  325. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 私が全体のことを認めておるとかいうようなことではありませんで、私と服部との間は、私なりに申すことは実は申しておるわけでございますけれども、それはいわば内輪のことになりますので別段詳しくは申し上げません。
  326. 東中光雄

    東中委員 私は、その点は、服部秘書官が実はこうでございました、河合さんは実はこうでございましたということを、河合さんも服部さんもここへ来てちゃんと言えと。宮澤さん、わしの名前になっているけれどもわしは関係ないんだということをあなたが主張するだけではなしに、あなたの主張が客観性を持つためには、その関係の秘書官と、そして借りた、使った河合さんをここへ呼んできてちゃんと聞いてください、あなたはむしろそう言うべきじゃないのですか。そうでなければ、ドゥ・ベストのあのリストどおりならあなたは買うたことになる。違うのだったら違うで、それを立証せねばいかぬのはあなたの方に、今責任はそっちにいっているのですよ。
  327. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 この点は、お互い政治をやっておりまして、秘書というものは大切なもので、お互いに信頼して仕事をしておるわけでございます。この点は東山委員もおわかりいただけると思うのでございますが、私の場合、三十何年大きな誤りもなくてやってまいったわけでございますので、私としてはまことに残念なことをしてくれたという思いはいっぱいでございますけれども、しかし、彼が私に報告してきたことには間違いがございませんので、どうか私が申し上げますことをひとつ御信用いただきたいと存じます。
  328. 東中光雄

    東中委員 客観性を持たすためには、どうしてもそれを証人としてここでただすことが必要だということを申し上げておきます。  もう一度角度を変えて聞きますが、七月六日の朝日新聞に中曽根さん、安倍幹事長、それから宮澤大蔵大臣、これが秘書がリクルート関連非公開株の譲渡を受けた、こういう報道があったわけですね。そして、その明くる日に竹下さんの秘書の名前も出てくるということで大問題になってきたわけでありますが、このとき、秘書の服部さん名義で買うたということで出たわけですね。そして安倍さんも、それから竹下さんも、それから中曽根さんも、関係者は、それは秘書がやったことだ、わしらは関係ない、こういうことで秘書がやったという事実は認める、こういうことになったわけですね。ところが、あなただけは違ったわけですね。それで、どういうふうに違ったのかといえば、秘書の服部さんはそういうことは知らない、私はやっておらぬ、こう言うたというのですね。それは秘書の服部さんがあなたに言うたのですね。そうでしょう。  その服部さんは、そのとき初めて言うたのじゃなくて、それからちょうど一週間前の六月の三十日に、朝日新聞の記者の近藤さんに聞かれて、朝日新聞の近藤さんは、証拠によると服部さんと同姓同名、同住所の人がリクルートコスモス株の取引をしたということになっているのだけれども、それであなたが、同姓同名、同任所でそんなことは考えられぬ、そして私は知らぬと言うたってそれは考えられぬ、ほかの秘書さんの場合は、この証拠を見せたら皆それで思い出してもらったのだ、あなたは思い出せませんかということまで言うたとリアルに書いていますね。そうしたら、知らぬものは知らぬのだと言うて返した。それで、明くる日また宮澤大蔵大臣あてに文書で、記者が、服部秘書官名義でリクルートコスモスの未公開株を入手し、店頭登録直後に売った記録があるのだが、蔵相は御存じかということを書いて会館へ渡しておいた。そうしたら服部秘書官から電話がかかってきて、そして、リクルート株については全く知らない、株の売買は立場上するはずもないと。宮澤さんはやらないということだけれども、やってきてないし、やらない、それから大蔵大臣という立場上あるいは秘書官という立場上株の売買はするはずもない、本人さんが言うているのですよ、服部さんが。そして、私は知らぬと一週間後、六月三十日から発表になった七月の六日、あなたにもそう言っているわけですね。だから、あなたノーコメントという話をされたわけでしょ。  あれは本当を言うと、ノーコメントというのはおかしいですわな。本人が知らぬと言って、断固として知らぬ、立場上そういうことをするわけがないのだ、自分はやれる立場にないし実際にやっていない、こういう二段構えで否定しているわけですから。そうしたらあなた、だれかほかの者が陰謀でやったか、そうでなかったら実は私がやったのだということになるのか、それは私は知りませんよ。しかし、本当ならば、あなたがやったのじゃないのだったら、だれかが陰謀としてやっている、三十年間信頼している秘書官がそう言うているのですから、それはもう陰謀なんだということを本当に言うべきなんですね、本当なら、現職の大蔵大臣なんですから。ところが、そうじゃなしに、ノーコメントと言われた。  それから一週間ほどして、今度は忘れていたのを思い出したというのでしょう。思い出すことですかな、これは。大体秘書官は、やる立場にないということを知っているわけでしょう。やってはいかぬのだということを知っているわけです。それで、やらないのだと言うておった。ところが、人が名義を借りに来たら、そうしたら、どうぞと言うたということを思い出す、それから一週間たってですよ。こんなもの人間の常識からいってあり得ぬですよ。そうでしょう。ところが思い出したのだと言って、河合さんの方に聞いてみたらどうだ、こういうようになるんです。これではだれも納得できませんよ。それまでは河合なんという人は全然出てくる余地がなかったわけですね。そうでしょう。その点はあなたはどう思われますか。
  329. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 これは、私がノーコメントと言いましたのは、私は正しかったと思うのでございます。それは私自身に問題がないことははっきりしていますけれども、その服部という名前が出たわけでございますね。本人はどうもそれはわからぬと言いますから、そんなのは全くなかった、しかし、これだけの報道があるから何かあったかもしれないよということはやはり考えてみるべきものであって、そして実態がわかったら、それは申し上げなければならぬ。実態をわからせるためには、相手がだれだったのかということをやはりわからなきゃ、どうも、だれかに貸したということでは、これは子供みたいな話でございます。そこをきちっとするのに、あれは五、六日でございましょうか、やはり時間がかかっておるわけでございます。それでわかりましたので、私は記者会見で申しておるわけです。
  330. 東中光雄

    東中委員 立場上はあり得ないと言う秘書官が、そういう株の売買というのはあり得ないのだ、そして、三十年一緒なんだから宮澤さんは株の取引なんというのはしないのだということもよう知っておるわけでしょう。そして、もし友達から頼まれて、よっしゃ、名義を貸してやるから大臣の名義を含めて取引したらよろしい、あなたでは取引できへんから名義使うてもよろしい、どうぞと言うたということになったら、これは物すごい抵抗があるはずですよ、普通なら、三十年間まじめにやってきた秘書官なら。だから秘書官は、あなたから同ぼ言われても、それは知らぬと言うたのでしょう。ところが、ひょこっと、そんな重大なものを本当にやったのだったら、忘れてましたということにはならないのです。  そこから、もし本当にそういうことだったら、河合という人が、あなたがノーコメントという返事をしているときに、二千万余りもうけさせてもらった人でしょう。あなた方が、本当を言えば、本当にその名義を借りてやったのだったら、二千万円もうけさせてもらったおかげで大蔵大臣もえらい大変な窮地に追い込まれている、まことに済みませんと言って、すぐ飛んでこなければいかぬわけやな、日本国じゅうみんな知っているのだから。ところが、服部さんが思い返さなければ、そして電話をかけなければ向こうから言うてこなかった、こんなことがありますかな。これはないですよ。こんなもの裁判でやって事実認定を考えてみたら、これはもうおかしい、こういうことはあり得ないという認定になりますよ。これは経験則上そうですわ。だから、その点についてはやはり河合さん、それから秘書官の服部さん、この二人が証人に来て、実際はこうでしたといって微に入り細にわたってこの人たちが言えば、それはまたそういうこともあります、出てきたらその人たちは本当のことを言うかもしれませんね。私から言えば、あなたの言われていることの方が経験則上あり得ないことを言うているということなんです。だからその点は、何としてもこの二人は呼ばなければあなたの主張は成り立たないということを申し上げておきます。
  331. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 一つだけ東中委員におわかりいただきたいと思いますことは、これはいかにもうかつなことであったのでありますが、本人にしてみますと、服部にしてみますと、違法なことをするわけではないし、後ろ暗いことをするわけでもないという気持ちであったのだと私は思うのでございますね、今になってみれば大変なことをしたということでございますけれども。それでございますから、そのときの心理状態として、しばらくこのことについてわからなかったということは、私は後になってあったのじゃないか、これは決して弁護とかいう意味で申すのじゃありませんが、客観的にはそういうことであったかと思います。
  332. 東中光雄

    東中委員 そういう感覚だと、私はいよいよ憂うべき事態だと思いますよ。といいますのは、個人で行ったら売ってもらえぬから、大蔵大臣の名前で行ったら売ってもらえるのだといって実際に売ってもらったのでしょう。それで一月ほどの間に二千万余りもうけたのでしょう。そういうことが大蔵大臣であるからここで贈賄ということの、職務に関して現職の大蔵大臣から要求されたら、それは、言いようによってはですよ、そういうふうに言われたら、やはりしておく方がいいぜという、あるいは場合によっては河合さんは、大蔵大臣にちゃんとしておいた方がそれは後は何かといいですよというふうに言うたち大蔵大臣の職務権限をちらつかせているということになってきますから、そういうことがあり得るのだ。大蔵大臣じゃない、何でもない、私たちのような権力のない者だったらそれはいいかもしれません。そのかわり、そんなもの借りにも来ないです、意味がないのですから。そこが問題なんだということを、そのことについて麻痺しておられるように思えてしようがない。非常に重大なことだということを指摘しておきます。  それは国民は納得しませんよ、そんなこと言うたって。大蔵大臣なら渡すけれども、河合さん自身が行ったら渡してくれぬ、だから、ぼろもうけするわけでしょう、一月間で二千万なんというような金をぽっともうけるために名前を借りているのだから。それだけの効用はあるのだ。それを承知したということは、何も悪いことをしていないとかそんなものじゃないのです。そういうのはまさに疑惑なんですよ。それを指摘しておきます。  もう時間がありませんので、もう一点間きます。  大蔵大臣の今までの答弁によりますと、河合氏は、株を買うときは大蔵大臣の名前で買った、そうですね、売るときは服部秘書官の名前で売った、それは全部河合氏が自分で一人で判断してやったのだ、宮澤さん側は全然関係がないのだ、こういうふうに答弁されているわけですね。そうでございますね。あなたの答弁の趣旨です。
  333. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 ちょっとお尋ね意味がわかりませんが、そういうことと思いますが。
  334. 東中光雄

    東中委員 そのとおりなんです。  そこで、私聞きたいのですが、証券局長、河合さんは大蔵大臣の名前で取得をしましたね。大蔵大臣の名前を使わなければ取得できなかったので名前を使うて取得をした。取得したのは河合さんですね。今度は、売るときは秘書官の名前を使わなければ売れないのですか。河合さん自身の名前で店頭公開直後に売ることはできないのですか、できるのですか。河合さんは仮名で、大蔵大臣秘書官の名前でなければ売れないのだったらその名前を使う必要があるわけだ。どういう経過で取得したにかかわらず、取得した株を公開後に売ろうというときは、これは証券会社へ河合さん、自分の名前で売ったらいいと思うのですが、それは売れないようなことになるのですか。
  335. 角谷正彦

    ○角谷政府委員 ちょっと御質問の趣旨が的確に私もわかりかねるのですが、仮定の話でございますが、河合さんが御本人の名前で証券会社に口座を開設してこれを売られることは、一般的には可能なことではないかというふうに思います。
  336. 東中光雄

    東中委員 一般的に可能であるし、河合さんは取引を何回かやっているのですからよく知っているわけです。それなのになぜ現職の大蔵大臣の秘書官の名前をわざわざ使うて、そして口座を開き、そこへ送ってもらう、了解を得ているからといって。何でそういうことをしたのだろう。そういうことをするはずがないのです、普通の経済人なら、普通の常識なら。ところが、あえてそういう面倒くさいことを、それでそうしたことによって暴露してきて、こういう問題になったわけだ。あのとき河合さんが自分で、自分の名前でやっておいたら、朝日新聞が何をつかんだって、河合って何だろうということで、何も宮澤さんは出てこないわけです。わざわざ秘書官の名前を使うた。必要もないのにわざわざ秘書官の名前を河合さんが面倒なのに使うか、こんなことはあり得ないのです。今局長が言ったとおり、あり得ないのです。だから、河合さんがやったんじゃないんだ。買うときは河合さんがやったかもしれぬ、河合さんでなくて宮澤さんの代理の人がやったかもしれぬ。しかし、売るときに、秘書官の危険な名前を使うたち困る、立場上そんなことはできないんだと言うている秘書官の名前を使うてわざわざ記録に残すようなことを河合さんがやるわけはないんです。それをやる必要があるのは、宮澤さんの名前で株を取得した人が自分の名前で売ったのでは困る、河合さんじゃなしにその本当の人が困るということで秘書官の名前にした。そういう立場に立ち得るのはあなたですよ、あなた以外にはあり得ないですから。あなたの名前で買うて、それで秘書官の名前で売ったというのはあなたしかあり得ないわけです。河合さんがそんなことをする理由はどこからやったって起こり得ない。その点をひとつはっきりしてください。
  337. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 それは全く覚えのないことであります。
  338. 海部俊樹

    ○海部委員長代理 時間が来ました。時間が過ぎております。
  339. 東中光雄

    東中委員 じゃ、趣旨だけちょっと。  それは、私は、あなたに覚えがあるかというて聞いているのではないのです。服部さんの名前を河合さんが売るについて使うということは、これは面倒だし、それから私文書偽造行使もしなければいかぬわけです。そういうことをわざわざして、そしてかえって危険な方向へ行く、これはもうあり得ないということをはっきり言うておきます。
  340. 海部俊樹

    ○海部委員長代理 これにて東中光雄君の質疑は終了いたしました。  次回は、明二十一日金曜日午前十時委員会、正午理事会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時十六分散会