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1988-12-16 第113回国会 衆議院 運輸委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年十二月十六日(金曜日)     午前十時開議  出席委員    委員長 関谷 勝嗣君    理事 小里 貞利君 理事 柿澤 弘治君    理事 亀井 静香君 理事 亀井 善之君    理事 二階 俊博君 理事 吉原 米治君    理事 長田 武士君 理事 河村  勝君       魚住 汎英君    大野 功統君       岡島 正之君    加藤 六月君       鹿野 道彦君    北川 正恭君       鴻池 祥肇君    田中 直紀君       高橋 一郎君    津島 雄二君       増岡 博之君    若林 正俊君       小林 恒人君    左近 正男君       新盛 辰雄君    戸田 菊雄君       浅井 美幸君    西中  清君       中路 雅弘君    村上  弘君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 石原慎太郎君  出席政府委員         運輸政務次官  久間 章生君         運輸大臣官房国         有鉄道改革推進         総括審議官   丹羽  晟君         運輸省運輸政策         局長      塩田 澄夫君         運輸省地域交通         局長      阿部 雅昭君         運輸省地域交通         局陸上技術安全         部長      清水 達夫君         運輸省貨物流通         局長      大塚 秀夫君  委員外出席者         警察庁刑事局捜         査第一課長   廣瀬  権君         大蔵省主計局共         済課長     山口 公生君         大蔵省主計局主         計官      田谷 廣明君         厚生省年金局年         金課長     松本 省藏君         参  考  人         (東日本旅客鉄         道株式会社代表         取締役社長)  住田 正二君         参  考  人         (東日本旅客鉄         道株式会社代表        取締役社長) 山之内秀一郎君         参  考  人         (東日本旅客鉄         道株式会社常務         取締役)    松田 昌士君         参  考  人         (日本貨物鉄道         株式会社代表取         締役社長)   橋元 雅司君         参  考  人         (日本貨物鉄道         株式会社取締役         技術部長)   岩沙 克次君         運輸委員会調査         室長      荒尾  正君     ───────────── 委員の異動 九月六日  辞任         補欠選任   魚住 汎英君     大村 襄治君   岡島 正之君     河本 敏夫君 同日  辞任         補欠選任   大村 襄治君     魚住 汎英君   河本 敏夫君     岡島 正之君 十月十九日  辞任         補欠選任   新盛 辰雄君     田中 恒利君 同日  辞任         補欠選任   田中 恒利君     新盛 辰雄君 同月二十八日  辞任         補欠選任   岡島 正之君     金丸  信君   北川 正恭君     天野 光晴君   田中 直紀君     松野 頼三君   山村新治郎君     高橋 一郎君   若林 正俊君     渡辺美智雄君 同日  辞任         補欠選任   天野 光晴君     北川 正恭君   金丸  信君     岡島 正之君   松野 頼三君     田中 直紀君   渡辺美智雄君     若林 正俊君 十二月六日  辞任         補欠選任   中路 雅弘君     野間 友一君 同日  辞任         補欠選任   野間 友一君     中路 雅弘君     ───────────── 八月十二日  脊髄損傷者に対する運輸行政改善に関する請願船田元紹介)(第一八〇号)  同(古川雅司紹介)(第一八一号)  同(宮里松正紹介)(第二〇七号) 同月十八日  脊髄損傷者に対する運輸行政改善に関する請願奥田敬和紹介)(第三四五号)  同(池端清一紹介)(第三四六号)  同(石橋政嗣君紹介)(第三四七号)  同(丹羽雄哉紹介)(第三四八号)  同(水田稔紹介)(第三四九号)  内部機能障害者等に対する鉄道航空運賃割引制度適用に関する請願小川元紹介)(第四一六号)  同(小坂善太郎紹介)(第四一七号)  同(中島衛紹介)(第四一八号)  同(井出正一紹介)(第四七一号)  同(羽田孜紹介)(第四七二号)  同(宮下創平紹介)(第四七三号)  同(若林正俊紹介)(第四七四号) 同月三十日  内部機能障害者等に対する鉄道航空運賃割引制度適用に関する請願唐沢俊二郎紹介)(第五五二号)  同(村井仁紹介)(第五五三号)  同(串原義直紹介)(第六〇七号)  同(清水勇紹介)(第六〇八号)  同(中村茂紹介)(第六〇九号)  同(小沢貞孝紹介)(第六二〇号)  脊髄損傷者に対する運輸行政改善に関する請願岩垂寿喜男紹介)(第五八九号)  同(沢藤礼次郎紹介)(第五九〇号) 九月五日  脊髄損傷者に対する運輸行政改善に関する請願北村直人紹介)(第六九二号)  同(保利耕輔君紹介)(第六九三号)  同(牧野隆守紹介)(第六九四号)  同(森田一紹介)(第六九五号)  同(渡辺省一紹介)(第六九六号)  同(渡部恒三紹介)(第七二五号)  同(奥田幹生紹介)(第七五四号)  同(玉生孝久紹介)(第七五五号)  同(田邊國男紹介)(第七八七号)  同(野呂田芳成君紹介)(第七八八号)  同(前田武志紹介)(第七八九号) 同月十二日  脊髄損傷者に対する運輸行政改善に関する請願小坂徳三郎紹介)(第八四三号)  同(若林正俊紹介)(第八七六号)  同(山口敏夫紹介)(第九二二号) 同月十六日  脊髄損傷者に対する運輸行政改善に関する請願田中直紀紹介)(第九八四号)  同(吹田愰君紹介)(第九八五号) 同月二十日  脊髄損傷者に対する運輸行政改善に関する請願塩谷一夫紹介)(第一六四八号)  同(新村勝雄紹介)(第一六四九号) 十月二十六日  北陸新幹線本格着工に関する請願串原義直紹介)(第一九三四号)  同(清水勇紹介)(第一九三五号)  同(中村茂紹介)(第一九三六号)  中央リニア新幹線建設促進に関する請願串原義直紹介)(第一九三七号)  同(清水勇紹介)(第一九三八号)  同(中村茂紹介)(第一九三九号) 同月三十一日  北陸新幹線本格着工に関する請願小沢貞孝紹介)(第二二三九号)  中央リニア新幹線建設促進に関する請願小沢貞孝紹介)(第二二四〇号) 十一月十五日  脊髄損傷者に対する運輸行政改善に関する請願坂田道太紹介)(第三〇四九号) 同月十六日  大阪府内気象事業整備拡充に関する請願近江巳記夫紹介)(第三二二四号) は本委員会に付託された。     ───────────── 九月十四日  東北新幹線即時着工北海道新幹線早期実現に関する陳情書(第六九号)  四国への新幹線鉄道導入に関する陳情書(第七〇号)  九州新幹線鹿児島ルート等早期着工に関する陳情書外六件(第七一号)  磁気浮上式リニアモーターカーによる中央新幹線建設促進に関する陳情書(第七二号)  リニアモーターカーによる東九州新幹線鉄道早期実現に関する陳情書(第七三号)  JR北海道長大路線四線に関する陳情書(第七四号)  常磐新線建設促進に関する陳情書(第七五号)  阿住線建設区間延伸等に関する陳情書(第七六号)  国鉄清算事業団雇用問題等に関する陳情書外四件(第七七号)  内部障害者等旅客運賃等割引適用実現に関する陳情書外十件(第七八号)  JR在来線新駅設置に関する陳情書外一件(第七九号)  便宜置籍船における日本人船員職域確保等に関する陳情書外五件(第八〇号)  重要港湾整備促進に関する陳情書外二件(第八一号)  運転代行業によるタクシー営業類似行為防止等に関する陳情書(第八二号)  軽乗用自動車による軽タクシー免許早期実現に関する陳情書(第八三号)  自動車事業の分離に関する陳情書(第八四号)  九州内におけるコミューター航空推進に関する陳情書(第八五号)  離島航空路線維持改善等に関する陳情書(第八六号)  新千歳空港の国際化に関する陳情書(第八七号)  中部新国際空港建設促進に関する陳情書(第八八号)  第六次空港整備計画充実促進に関する陳情書(第八九号)  新石垣空港即時着工に関する陳情書(第九〇号)  気象事業整備拡充に関する陳情書外四件(第九一号) 十一月七日  便宜置籍船における日本人船員職域確保等に関する陳情書(第一五七号)  鹿児島県内気象事業整備拡充に関する陳情書(第一五八号)  徳島県内気象事業整備拡充に関する陳情書(第一五九号)  九州新幹線鹿児島ルートの最優先着工に関する陳情書(第一六〇号)  九州新幹線長崎ルート早期着工に関する陳情書(第一六一号)  リニアモーターカーによる東九州新幹線鉄道早期実現に関する陳情書(第一六二号)  鉄道航空運賃身体障害者割引内部障害者にも適用に関する陳情書(第一六三号)  九州内におけるコミューター航空推進に関する陳情書(第一六四号)  函館空港施設整備等に関する陳情書(第一六五号)  新高松空港早期開港に関する陳情書(第一六六号)  公共用ヘリポート整備に関する陳情書(第一六七号)  豊予海峡トンネル早期実現に関する陳情書(第一六八号) は本委員会に参考送付された。     ───────────── 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  陸運に関する件  海運に関する件      ────◇─────
  2. 関谷勝嗣

    関谷委員長 これより会議を開きます。  陸運海運及び航空に関する件等について調査を進めます。  まず、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  陸運に関する件について、本日、東日本旅客鉄道株式会社代表取締役社長住田正二君、代表取締 役副社長山之内秀一郎君、常務取締役松田昌士君、日本貨物鉄道株式会社代表取締役社長橋元雅司君及び取締役技術部長岩沙克次君を参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 関谷勝嗣

    関谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。     ─────────────
  4. 関谷勝嗣

    関谷委員長 この際、中央線東中野構内における列車衝突事故及び函館本線東山姫川間における貨物列車脱線事故に関する問題について運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。石原運輸大臣
  5. 石原慎太郎

    石原国務大臣 中央線東中野構内における列車衝突事故及び函館本線東山姫川間における貨物列車脱線事故につきまして、御報告申し上げます。  去る十二月五日、東日本旅客鉄道株式会社中央線東中野構内において、停車中の普通旅客列車後続普通旅客列車が追突して後続列車の一部が脱線し、現時点で死者二名、負傷者百十六名、うち現在においても入院している方十三名を出す事故が発生いたしました。  このような事故が発生いたしましたことは、まことに遺憾であり、ここに死亡された方々には心からお悔やみを申し上げますとともに、負傷された方々の一日も早い御回復をお祈りする次第であります。  原因については、現在警察当局東日本旅客鉄道株式会社において調査中でありますが、運輸省といたしましては、今回の事故重大性にかんがみ、同日付で、東日本旅客鉄道株式会社に対し ①被害者に対する誠意ある対応 ②原因早期究明 ③同種事故再発防止対策の樹立 の三点について通達するとともに、他のJR各社に対しても同種事故に関する注意喚起等について通達いたしました。また、年末年始の安全総点検において、同種事故再発防止に重点を置いてJR各社の査察を行っているところであります。  東日本旅客鉄道株式会社は、運輸省からの通達を受けて ①年末年始輸送繁忙期に向けて、現場管理者運転台への添乗指導等全社を挙げての安全体制の強化 ②ATS―P取りつけ工事について、東中野駅付近の来年度中の完成等最大限の繰り上げ実施 ③事故データの分析、新しいATC等の開発を行う安全研究所設置 ④現場安全体制を強化するための地方における総合訓練センター設置 の四点について、とりあえず同社としての今後の安全対策に関する方針を決定いたしました。  このように、運輸省JR各社挙げて事故防止に努めている中、去る十二月十三日、函館本線東山姫川間において日本貨物鉄道株式会社貨物列車が脱線する事故が発生いたしました。現在までの調査によりますと、この事故原因運転士の酒気帯び運転による制限速度超過であると考えられます。このようなことはあるまじきことであり、極めて遺憾であります。  運輸省といたしましてば、相次ぐJRによる運転事故の発生を深刻に受けとめており、昨日、急遽JR各社社長を呼び、安全対策の徹底を図るよう指示いたしました。また、安全対策を一層推進するため、JR各社運輸省とで構成する鉄道保安連絡会議を設けることとしております。  申すまでもなく、輸送機関最大使命は安全の確保でありますので、今後とも安全対策にさらに万全を期するようJR各社を強力に指導してまいる所存でございます。  以上御報告申し上げます。     ─────────────
  6. 関谷勝嗣

    関谷委員長 質疑の申し出がありますので順次これを許します。岡島正之君。
  7. 岡島正之

    岡島委員 今大臣から御報告のありました十二月五日、十三日に連続発生いたしましたJR列車事故について、若干の質問をいたしたいと思います。  内容については、今御報告ございましたから重複する点がありましたらお許しをいただきます。  まず最初に、東中野駅におきます列車追突事故について伺います。  安全の確保輸送の生命である、そういうJR各駅駅長室に掲げてあります安全綱領の第一節があります。きょうの朝、実は運輸委員会のメンバーであります二階先生を先頭にして、高橋先生魚住先生、四人で東中野駅を訪れてまいったわけであります。御茶ノ水駅から事故が発生いたしました九時十六分の列車に乗りまして現場に参ったわけでありますけれども関係者方々からいろいろと内容について御説明をいただきました。今もお話しございましたが、二名の方が亡くなられ百十六名の負傷者が出たわけでありますから、今回の事故JR始まって以来の人身事故であり、大惨事だという、そんな生々しい状況がうかがい知れたわけであります。  原因につきましては、今もお話しございましたが、車両あるいは信号等施設面、さらにはまた運転士の操作等いろいろ取りざたされております。まだ警察当局の取り調べ、調査中だということでございますから原因がわからないと思いますけれども、ただ大久保―東中野間において三十九年あるいはまた五十五年、過去二回事故が発生していたという、あるいはまた十二月一日から例のダイヤ改正によっての問題等もあるわけでありますから、あるいは路線の構造的な欠陥あるいはまた合理化効率化を求めていくためのしわ寄せ、そんなことが問題点かな、そんな感じもあったわけであります。  そういうような状況の中で、JR当局におきましてはどのようにまず考えておられるのか、そしてまたこれからの原因究明についてどう取り組まれていかれるのか、その点についてまずお伺いをいたします。
  8. 住田正二

    住田参考人 今回私ども会社中央線東中野駅におきまして列車衝突事故を起こし、大変多くの死傷者を出しましたことにつきまして心からおわびを申し上げたいと思います。亡くなられた方々の御冥福と、けがをされた方々の一日も早い御回復をお祈りいたしますとともに、御遺族、御被災の方々に対しまして、会社といたしまして総力を挙げて万全の措置を講じていきたいと考えております。  昨年四月発足いたしました私ども会社にとりまして、安全の確保最大使命であります。社員一丸となってこの問題に取り組んでまいったつもりでございますけれども、しかし今回このような事故を引き起こしてしまったわけでございまして、社員一同深く反省し、初心に返りまして、改めて二度とこのような大惨事を繰り返さないように最大限努力を払ってまいりたいと思います。  今回の事故原因につきましては、関係機関と密接な連絡をとりまして徹底的な究明をいたしたいと考えております。現在の段階ではまだはっきりした原因はわかりませんが、できるだけ早く解明をいたしたいと思います。  当面、緊急の対策といたしまして、より保安度の高いATS―Pを当初の計画よりも半年繰り上げまして設置をいたしたいと思いますとともに、今回事故を起こしました中央線につきましては来年度じゅうに導入をいたしたいと考えております。いずれにいたしましても、安全確保問題点につきましては今後抜本的な対策を講じてまいりたいと考えております。このことが、私ども会社側に対します失われた社会的信頼を取り戻す唯一の道であるということを心に深く命じて努力をいたしたいと思っております。
  9. 岡島正之

    岡島委員 今、事故原因究明、さらにまたこれからの抜本的な対策というものが求められていくだろうと思いますが、特に具体的にATS―Pの取りつけの問題だとか、あるいはまた安全研究所訓練センター等問題等提起をされておりますけれども、私は、そういう中で最も大事なのは、やはり指導訓練の問題があるだろうと思っております。実は、きのうも現場でいろいろ意見を聞きましたけれども、旧国鉄時代には指導訓練が果たして十分であったかというと、そうではなかったという意見も伺ったわけであります。そういう意味におきましては、しっかりとした指導訓練体制をつくって、そしてまた技量の面あるいはまたそれぞれが持つ使命感、そういうものについてさらに積極的に取り組まれることが大事だろうと私は思いますけれども、そういう点について十分に考慮して取り組んでいただきたい、このように思うわけであります。それについても御意見がありましたらお聞かせをいただき、また今、被害者対策の問題についてお話がございました。  大臣も冒頭触れておられましたけれども被害者対策につきましては、お亡くなりになられた方さらにはまた負傷されている方々、それぞれの方々に誠意を持って十分な対応をすべきだろうと強く考えますが、これらについて御見解をお示しをいただきたいと思います。
  10. 山之内秀一郎

    山之内参考人 このたび、東中野駅におきまして大変大きな事故を起こしまして、しかも大変多くの方がけがをされ、当社社員を含めて二名の方が亡くなられたことにつきまして、私からも重ねて深くおわびを申し上げたいと思いますし、この機会をとらえてさらに一層当社安全体制について万全を期していきたいと思いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。  ただいま先生から社員に対する指導訓練について御指摘がございましたが、おっしゃるとおり、大量のお客様を運んでおります当社の線区におきまして、安全設備整備だけではなくて、大変多くの社員訓練による万全の体制が不可欠だというふうに私どもも深く認識をいたしております。特に、安全の先端に立ちます乗務員あるいは駅の職員あるいは線路、信号関係設備点検をする社員につきましては、何事にも増して安全に対する訓練が重要かと考えております。  したがいまして、国鉄当時よりもこの種の社員に対しましては、まず登用に当たって十分な期間をとって訓練あるいは試験をやると同時に、職種によりましては医学心理適性検査を行うなどの体制をとっておりますほかに、特に一番安全の責任の重い動力車乗務員につきましては、勤務時間の中に毎月二時間の正規の訓練時間をとりまして訓練をやっておる次第でございます。  先生の御覧間の中に、国鉄時代にそれが万全ではなかったのではないかということの御指摘がありましたが、率直に申し上げまして、ある時期、非常にこういったものの実施が困難だった時期がございます。一時は職場も大変紛糾いたしまして、この訓練時間内の訓練実施すること自体が抵抗があってなかなかできないとか、やる項目についても物すごく制約があって、一々労働組合の許可を得ないとできないという事態もございました。そういった事態では安全の確保が図れませんので、国鉄末期時代から全力を挙げて是正に取り組みまして、特にJR発足以後はその点について充実を図るべく取り組んでおりまして、かなり改善をしたというふうに自信を持っております。  しかしながら、今回の事故が起きましたので、私どももまた原点に返ってその内容について充実を図るとともに、現実の車を使うとか新しい設備教育充実するために、先ほどお話のありました総合訓練センター設置も決めた次第でございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
  11. 岡島正之

    岡島委員 指導訓練の問題で、当時の国鉄組合の反対でできなかったということも実はあちこちで私も聞いてまいりましたが、絶対そういうことのないような指導訓練体制をしっかりつくり上げて実施をしていただきたいと思います。  次に、北海道函館本線事故についてお伺いいたします。  これも冒頭お話がございましたが、この脱線事故では、負傷者がなかったといいましてもその原因飲酒運転であったといわれておりますから、私どもは極めて遺憾であり、そしてまた酒帯びで百キロ以上の暴走をしていたのが事故原因だとすれば運転士本人プロ意識欠除だろう、こう私は思いますし、さらにまた運行管理の面においても大きな過失があったのではないかと考えられるわけであります。  そこで、今回の事故についての内容先ほどお話がございましたけれども、今後絶対にこういう問題が起きないような対策を立てるべきだろう、こう思いますので、それについての御所見をお伺いいたします。
  12. 橋元雅司

    橋元参考人 このたびの私ども事故は、全く弁解の余地のないものでございまして、深くおわびを申し上げます。  特に、この飲酒によりまする事故と申しますのは、国鉄時代にも大変手痛い経験を幾たびか重ねておりまして、特に五十九年十月の山陽本線西明石駅の事故以来もろもろの施策を講じまして、まずこの種の事故は絶滅できたのではないかなと考えておったわけでございますが、今回の事故によりましてその期待ももろくも打ち砕かれたわけでございます。そういった意味で、私ども、この事故を大変重大かつ深刻に受けとめております。かつまたその結果、せっかく築き上げられつつございますJR全体に対する信頼を傷つけることにもなりまして、本当に心から申しわけなく存じております。  先生おっしゃいましたように、大きな点は二つございます。  一つは、なぜ当該運転士勤務前にそういった飲酒をいたしたかということでございますが、これは基本的にはやはり本人の自覚、職責の重大さを認識して、職業倫理と申しますか基本的なモラルをきちんと持つということについて、私ども指導教育がまだ至らなかったのではないかと深く反省をいたしております。  それから、点呼執行方についてもなお一層の検討が必要であろうかと思います。既に西明石事故の後、例えばこの点呼起立対面点呼にして、応答を頻繁に重ねて相手の状態をよく把握するとか、あるいは出先においては従来電話の点呼で済ませておるようなこともございましたが、それ以降必ず対面点呼をするというようなことで、いろいろ改善措置を講じたわけでございます。  なおかつ、今回そういう事故でございますので、この点については、先ほどちょっとお話がございましたけれども、管理者あるいは指導層に指導上かりそめにもためらい、遠慮というものがあってはならないわけでございまして、その点自信を持って指導に当たる者は勉強をよくするということも必要でございます。かつまた、この際やはりきめの細かい個人把握と申しますか、本人の健康状態あるいは生活環境も含めまして、血の通ったよき相談相手となれるような、そういった職場環境をきちんとつくり上げないといけないのじゃないか、これは平素の、日常の問題でございます。そういったことをこれから全現場で徹底させなければいけないと強く反省をいたしております。  それから、さらに申し上げれば、この際いろいろな議論がございますけれども勤務に先立つ十時間前は一切酒を断とうということをお互いにひとつ守り合おうということを徹底させたい。なお、そういった状態把握をバックアップするために、必要であればアルコール分の検知、測定の装置もあわせて設備を検討したらどうかなというようなことも考えております。  いずれにいたしましても、これは大変深刻な、重大な事故でございますので、私ども、私以下一人一人がこの際自分自身を厳しく再点検し直しまして、再発防止事故の根絶に向かって最大限努力を尽くしたいと思っております。どうぞよろしく今後とも御指導をお願い申し上げます。
  13. 岡島正之

    岡島委員 時間が参りましたので、最後に運輸大臣に御所見を伺いたいと思います。  けさも私はJRさざなみ二号で千葉から出てまいりましたが、列車の中のサービスあるいはJR全体の業績等高く評価をされておりますけれども、何としても安全輸送がそのテーマでありますから、その中にこそ利用者、乗客の信頼が生まれてくるわけであります。その面におきまして、指導監督いたします運輸省また運輸大臣として、今回の事故を踏まえ、その反省の上に立って、今後のJRの業務あるいは運営についての指導監督の立場での御所見を最後にお伺いして、質問を終わります。
  14. 石原慎太郎

    石原国務大臣 先ほど御報告の中でも申し上げましたが、何といっても安全の確保鉄道事業にとっては最大のサービスでございまして、今回の事態運輸省としても非常に深刻に受けとめておりまして、JR各社と保安連絡会議も新設いたしましたが、これをこれからも定期的に開催いたしまして、安全確保のための指導監督を徹底して行いたいと思っております。
  15. 岡島正之

    岡島委員 終わります。
  16. 関谷勝嗣

  17. 高橋一郎

    高橋(一)委員 三十七兆円もの赤字に悩んでいた国鉄が国民の期待を受けてJRとして発足し、聞くところによりますと、漸次事故の件数も減り財政状況も好転してきた、こう喜んでいたやさき、十二月五日の東中野駅の事故が発生したわけでございます。ここに、物故された方には深く弔意を表し、また重軽傷を負われた方の御快癒を祈らせていただきます。  国鉄時代から考えてみますと、この地域は既に過去二回事故を起こしているところでもございます。今後の事故防止対策については、岡島議員の質問にお答えがありましたが、今までどういう措置がとられてきたのかを私は伺いたいと思います。
  18. 山之内秀一郎

    山之内参考人 ただいま先生から御指摘のとおり、今回大変大きな事故東中野で起きましたが、三十九年と五十五年に、今回の事故とはやや離れておりますが、数百メートル大久保寄りのところで同じような事故が起きております。そういった意味では、今回の事故も大変重要に考えていかなければいけないと考えております。場所は近いのでありますが、前回の事故と今回の事故とはかなり条件が違っております。前回の事故の起きた場所はカーブの真ん中であり、しかも下り勾配の終わったところでございますから大変条件の悪いところということでございます。  前回の事故にかんがみまして、一つは、赤信号が事前に早く見えるように、一つ手前に中継信号機というのをとりまして信号の現示がわかるようにした。もう一つは、赤信号のすぐ後ろにとまっていた電車にぶつかったという経緯があるものですから、赤信号のすぐ後ろに電車がいた場合にはもう一つ手前の信号機も赤にする対策も打ちました。電車がもう少し奥に行った場合にも、普通は手前に注意信号を出すところを黄色を二つ出す警戒信号というものを出しまして、電車は速度二十五キロ以下でないと入れないような手を講じたのが前回二回の事故の直接の対策でございますが、それだけではなくて、特に列車本数が多くしかも電車だけ走っております京浜東北線、山手線、埼京線等につきましては、新幹線と同じレベルの非常に高度のATC装置をつけまして安全対策推進を図っていたところでございます。
  19. 高橋一郎

    高橋(一)委員 信号装置等の改良等を行いましても、先ほどの函館本線貨物列車事故に見られるように、安全確保というものは、結局はそれを扱う人間の問題だと思われるわけであります。乗務員の安全教育についても十分な対策を講じるべきではないか、こういうふうに思いますので、この点を伺いたい。  また、先ほどもお話に出ましたように、私は昨日視察しましたが、あの事故を起こした地域は昔は踏切のところでした。そして、需要の問題とともにプラットホームも延ばされています。そしてその踏切が閉じられ、立体交差で東の方に道路が展開した、こういう新しい地域でもございますが、需要のためにホームを延ばすだけでこれからの機能の問題がいいのだろうか。私は、駅舎の問題、プラットホームの再点検という問題がJRにとってもこれから必要ではないかと思うのですが、この点の所感も伺いたい。
  20. 山之内秀一郎

    山之内参考人 乗務員を含めた社員教育訓練が安全の確保充実にとって大事なことは先生のおっしゃるとおりでございまして、先ほど岡島先生の御質問にもお答えしたとおりでございますが、特に乗務員を中心とした訓練充実にさらに一層努力してまいりたいと思います。  当面は、まず当社全力を挙げて、この年末年始輸送の安全を乗り切るために乗務員運転室への添乗等を含め、特に原点である信号機の確認とATSの操作についての再教育の徹底を図りたいと思いますし、訓練充実のために総合訓練センターを決めたところでございます。  それから、東中野設備につきましても、実は私も中野区民であるものですから、小学校のときからあの線区は毎日通っておりますのでよく存じておる次第でございますが、確かに昔の六両編成から八両、十両に延ばしてまいりまして、もうここが限界の状態でございます。確かに東中野の駅もそういった意味ではやや古くなっておりますが、JR発足後直ちに駅の改善ということを当社の基本方針に据えまして、トイレの美化、駅舎のクリーン化を進めておりますので、そういった点についても、安全も含めて今検討を進めておりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
  21. 高橋一郎

    高橋(一)委員 東中野の駅は、御承知のように昔は大久保寄りの変電所のそばに柏木駅として発足したわけであります。当時の土地の有力者たちは、あそこに変更するについて黒字転換するまでは赤字は地元で負担するという念書まで入れて誘致した経緯があります。地域の発展のために先輩たちがそういう要望を当時の鉄道省側にしたと思われますが、それだけの駅ですので、今後ともかわいがっていただくと同時に十分な配慮をお願いしたいと要望しておきます。  東中野事故では、過密ダイヤによる列車の遅延が事故の遠因とも聞いております。安全な通勤輸送確保という観点から今回の教訓を生かすとすれば、埼京線の渋谷方面への延伸など輸送力増強のための抜本的な施策が必要ではないかと思われます。そういう点について運輸大臣の御見解はいかがでございましょうか。
  22. 石原慎太郎

    石原国務大臣 東京がどんどん膨張してまいりまして、行政の措置が通勤通学のアクセスに関してもおくれているという焦燥感は、私も高橋委員と同じように東京出身の政治家ですから痛感してまいりました。ただ、国鉄時代から京葉線、埼京線の新線創設や既存の貨物線を利用して通勤に充てるという計画がございましたが、なかなか思うに任せません。  御指摘の山手の貨物線を使用しての埼京線の渋谷方面への延伸も、御存じのように渋谷駅は今飽和状態でありまして、あそこへそれを持ってくるとなると乗降口が非常に離れた形になりましてお客様に不便をかけるという問題もございますし、またあそこに踏切が二つほどございますのでこの処置をどうするか、いろいろネックがございますが、いずれにしましても、今後JR東日本と地元の関係者方々と協議、検討をいたしまして、できるだけ早期に実現といいましょうか、前向きに検討していきたいと思っております。
  23. 高橋一郎

    高橋(一)委員 幸いといいましょうか、今回の事故の時間帯は、ラッシュアワーを少し避けていた時間帯であります。その意味からは事故が少なかったとも言えるわけですが、ラッシュアワーの混雑ぶりから見て、これからもJR当局においては万全の備えをしていただきたいと思います。  大臣にもう一点お伺いしたいと思います。  御承知のように、都民にとって一般道路の極度の渋滞という問題は本当に困ったことでございまして、私ども都民は安全で時間が正確な鉄道というものについて、通勤者はもとよりですが、本当に大きな救いだというふうにとらえているわけであります。今回の事故はその意味で本当に残念であります。二十一世紀に向かって、大臣などは大きなビジョンをお持ちですから、リニアカーの実験線というふうなことが検討されている時代でございますから、安全で快適な都市交通の確保ということについて、将来のビジョンを含めて運輸大臣の所見を伺いたいと思います。
  24. 石原慎太郎

    石原国務大臣 東京の分散ということが問題にされておりますけれども、何といっても日本の心臓であり世界の心臓になってまいりました、その地域における安全で快適な都市交通というのは、やはり東京に限らず日本全体、また世界の問題だと思います。  そういう認識の上で運輸省といたしましては、既に六十年七月に、西暦二〇〇〇年を整備目標にいたしまして運輸政策審議会の答申第七号東京圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画が出されましたので、これを踏まえて鉄道整備を鋭意進めているところでございますが、現在までの進捗状況は既供用路線で一八%、工事施行認可路線で二七%、計四五%という余り評価できるとは言いがたい結果でございます。今後も目標の実現に向けまして複々線化や新線の建設等について、財政上の制約等の困難な問題もございますが、最大限努力をしてまいりたいと思っております。
  25. 高橋一郎

    高橋(一)委員 今、大臣からいろいろお話を承りました。JR方々には朝からおいでいただいて恐縮ですが、先ほど来申し上げましたように、私どもJRに大きく期待しているわけであります。  昔、私ども国鉄一家という言葉を聞きました。しかし残念ながら、冒頭に申し上げたように三十七兆の赤字を出し、そして今清算に入っているわけでもございます。そんな中で、いい意味での国鉄一家というのは、スクラムを組んでというふうな意味もございましたでしょうが、JR住田社長以下重役さん方が現場に出向いて、いろいろ懇談をしながら働く人々の心をつかもうとして御努力をされているというのは昨日承りました。それはとうといことだと思います。しかし、現実に事故が出てきているということを考えますと、財政的な問題にもかかわるでしょうが、処遇の問題等を含めてこれからまた考えてあげていただきたい。誇りを持たすことが事故防止にもつながると私は思うわけであります。  運転士、車掌というふうなことも昨日も話が出ましたが、例えば同じ運転をしているのでも、パイロットのあの格好いい立場、そして同じ人命を扱うという立場、こう考えてまいりますと、従業員は必ずしも優遇されているとは思わない。財政事情もありましょうが、誇りが持てるような立場で働かせてあげていただきたい。そして労働時間の問題も、常識的な線で休養がとれるように計らってあげていただきたい。先ほどハードの面であえて駅舎とかプラットホームのことを申し上げましたが、そういう処遇の問題のソフトの面についても今後のお気配りを願いたいと思いますが、いかがでございましょうか。
  26. 住田正二

    住田参考人 ただいま高橋先生から大変温かい御指摘をいただきまして、その線に沿って今後も努力をいたしたいと思います。
  27. 高橋一郎

    高橋(一)委員 質問を終わります。
  28. 関谷勝嗣

  29. 新盛辰雄

    新盛委員 まず冒頭に、今回の中央線東中野駅での事故に遭遇されて亡くなられた方々に心からお悔やみを申し上げます。同時にまた、けがをなされている皆さんの一日も早い御回復を祈念いたします。  私はもともと鉄道マンでございますから、より技術的な面で今回の事故原因、そしてこれからどういう対策を立てるべきかという視点に質問を集中したいと存じます。  まず、今回の事故についてはもうはや二週間近く経過しているわけでありますが、警察当局が今その捜査を懸命に続けておられます。ここで警察の捜査状況についてお聞かせをいただきたいと思います。
  30. 廣瀬権

    ○廣瀬説明員 本件事故につきましては、現在警視庁の中野警察署におきまして八十名から成る捜査本部を設置いたしまして、これまで現場検証あるいはJR東日本関係者、乗客の方々等約百七十名から事情聴取等の捜査を行っておるところでございます。  現在までの捜査あるいは検証等によりまして、信号機、ATS地上装置には異常が認められないこと、線路にブレーキ痕があったことなどが判明いたしておりますが、いまだ事故原因を特定するには至っておりません。今後さらに関係者からの事情聴取、事故車両の検証、専門機関での鑑定等の捜査を進めてまいりまして、事故原因究明、刑事責任の追及に努めてまいりたいと考えております。
  31. 新盛辰雄

    新盛委員 信号機あるいは設備のハードの面については異常を認められない、また事故原因についてはそうした問題も踏まえて特定できない状況もあるという経過でございますが、ここで亡くなられた平野輝樹運転士の名誉のためにもお聞きしておきたいと存じますが、本人が走行中に携帯ラジオ、言ってみれば名刺型の、こういうものだろうと思うのですが、こういうものを持っていた。警察の方は御確認されているのですか。
  32. 廣瀬権

    ○廣瀬説明員 これまでの捜査によりまして、後続電車の運転士の所持品の中にいわゆるポケットラジオがあったということは判明しておりますが、これがどこでどのような状態であったか、特に列車運行中にどのような状態であったかということについては断定するに至っておりません。今後このラジオが本件事故にかかわりがあるのかどうかにつきましては慎重に捜査をしてまいる所存でございます。
  33. 新盛辰雄

    新盛委員 報道によりますとあたかも走行中あの過密の中でラジオを聞いていてミスを犯した、こういうふうに報道されておりますから、とりわけその取り扱いというのは、まさに事故原因になった、あるいはそういう状況になった、そういうふうにも受け取られる面があります。今おっしゃいますように、所持品の中にあったと言うなら、私は尋問しているわけじゃありませんから、かばんの中に入っていたのか、外のポケットに入っていたのか、内ポケットに入っていたのか、このことは状況としてここでおっしゃってもいいんじゃありませんか。
  34. 廣瀬権

    ○廣瀬説明員 お尋ねのポケットラジオにつきましては、警視庁が病院の関係者の方から受理をしたわけでございまして、亡くなられた運転士の方の所持品として受理をしたわけでございます。そのときには、ラジオのコードはラジオに巻きづけられていた、スイッチはオンであったという報告を受けております。先ほども申しましたように、あくまで警察が受理したときの状況でございまして、運転中にどうであったかということは、今後慎重な捜査を進めてまいるところでございまして、現在は確認するに至っておりません。
  35. 新盛辰雄

    新盛委員 イヤホンを巻いていたということであればとても聞ける状況ではないし、またこれは、御承知のように耳に入れなければいけないわけです。また、右に入れたとしても左に入れたとしても、走行中でありますからホームから見られる、あるいは運転者の動静については、通行の中で瞬間的にではありましょうが確認できないわけじゃない。そんなことをしたら乗務員としてはまさに不適格でありますし、今の厳しい運転保安上の指導の面においてもペナルティーがかけられることでありますからとても考えられない。そうした面でJRとしては、これは警察の方が今調べ中でありますが、そうした指導についてもどういうふうにしておられるかということをまずお聞かせいただきたい。
  36. 山之内秀一郎

    山之内参考人 鉄道列車運転に当たります運転士は、大変多くの人命を預かっておりますし、特に大変高密度で走ります首都圏の電車におきましては、運転の安全に専心することが大変に肝要かと思います。また、特に最近は車内に列車無線もつきまして常時交信ができる状態から考えれば、当然ラジオは携帯はしないのが原則でございます。  今回の事故につきましては、ただいま警察の方からお話しのとおり現在捜査中でございますが、当社社員事故後すぐに駆けつけまして、当時重傷状態、瀕死の状態でありました平野運転士を助け出した社員に事情を聞いたところでは、ラジオにはイヤホンのコードが巻きつけてあって内ポケットに入っていたというふうに聞いておりましたので、運転中に聞いていた可能性は少ないというふうに考えております。
  37. 新盛辰雄

    新盛委員 私もそうだと思います。指令や駅からの無線がいつ入るかわからないときに、これはラジオを聞くという暇もないし、イヤホンを耳に挟んでいるということにもどうしても理解できないわけですね。だからこの状態は、恐らくオンになっていたというのは、休憩所あたりで聞いて切り忘れたということも考えられるわけですし、いずれにしてもイヤホンを巻きつけてあったという事実は事実ですから、これは携帯はしていたが走行中にラジオなど聞いていたということはない、そういうふうに私自身は断言をしてはばからないのでありますが、これは捜査当局が、それと因果関係がどうあるかということはこれからの捜査にまたなければなりませんが、その事実だけは明確にしておていただかなければなりません。  そこで、設備の問題でございますが、三十九年、五十五年の同地点における追突事故、御報告をいただいておりますけれども、その際に当時の取り調べをされました警視庁並びに東京地検などから設備改善の問題提起がなされていたやに私ども承っているのでございます。これはATS警報ブザーが鳴る、信号の位置、技術的に言えば中継第一閉塞、第二、こういうものについての手直しをされたというふうには聞いておりますけれども、実際上、いわゆるハードの面における運転士に対する確認、運転士が確認する、そういう構造的な面において、JRとしてはそれを積極的に直したということで、この直した経過もお聞きしました。しかしそれで完全であったかどうかということについて、これは今度の事故が起こってみたらやはりどこか欠陥があるのじゃないかというふうにも思われるわけです。  私も現場を見ました。そして魔のカーブと言われる、民家が密集しているあの箇所ですね、Rが五百、そして勾配は千分の二十五、そしてレベルが二百九十三、そしてまた千分の七・五、こういう状況ですから、確認ボタンを押して、徐行で四十キロの速度で、かげんをしましてもハンドルを握っているわけですから、勾配を滑りおりるというその状況は、このときの時速は幾らであったかという推測はできませんけれども、こうした面では路盤のかさ上げなどやはり重要な要素があったのではないか。他の線との関係もございまして、なかなかそういう大変な投資をしなければならないほどのことにはつながらないということで見落としておられるのか、信号の移設等について完全であると言い切れるのかどうか、JRの方でその面についてお聞かせをいただきたいと思います。
  38. 山之内秀一郎

    山之内参考人 まさしく今回の東中野―大久保間、今回は東中野の駅の中でございますが、三回も同じようなところで事故が起きまして、あの事故の直後、いろいろテレビを拝見いたしておりまして、中野電車区だと思いますが、運転士が、全くあそこで三回起きるというのは魔の場所としか言いようがないんだよなというような画面を放映したのも何回か見させていただきました。  前回の事故に対する処置というのは、先生も御案内でございますので省略させていただきますが、とりあえずああいった見通しのよくない場所についてああいった処置をとらせていただいたわけでございます。  今回の場所というのは、実は、かなり近うございますが条件は大変違っておりまして、前回の場所というのは、千分の二十五の下り勾配が終わって平らになったところであり、カーブのほぼ終わりに近いところで、見通しも悪いし下り坂の下のところでございます。したがいまして前回の対策をとりましたのですが、今回の事故は、そこからまた三、四百メーター過ぎたところでございまして、むしろ平らになり上り坂にかかる、七・六を上りかかったところでございまして、専門的に言うとかなり違った条件でございます。  私も、事故直後直ちに飛んで行って信号機を見たのでありますが、当該の駅の場内信号機というものの見通しはかなりいい区間でございます。したがいまして、これからまた慎重に検討いたしますが、前回と今回とは、この信号機に関してはかなり微妙な違いがあると認識をいたしております。  対策が完全であるかということについては、完全な対策というものは安全についてはほとんどの場合はあり得ないとは思いますが、前回、ある意味ではこれが安全の向上につながるという手を打たせていただいたわけでございますが、今回の事故にかんがみまして、より抜本でありほぼ完全に近い対策を講ずべく、現在ATSのP型の取りつけを進めていたところでて、それをさらに推進いたしまして早期に取りつけをいたしたいと考えております。
  39. 新盛辰雄

    新盛委員 次に、運転士勤務ダイヤ、それから総武・中央緩行ダイヤ、いわゆる運行ダイヤでありますが、このダイヤを見ますと、十二月一日から編成替えをした、いわゆるスピードアップを兼ねる改善をしたということになっているわけですね。ここにそのダイヤがあるわけですが、確かに八時から八時半、九時前、これは非常にラッシュでございますから、このダイヤの仕組みから見ますと、車両と車両の間隔、これは二分三十秒が最低限だと交通安全特別委員会ではおっしゃったそうですが、調べると二分三十秒を切っているところもある。魔術師がやるぐらい大変過密になっている。今回の場合は若干そのラッシュを過ぎて発生した事故ですが、八〇一C、これは九時三十二分着発の時間になっていますね。そして八三五B、これは九時三十五分四十秒だろうかどうかなという着発の時刻になっています。  ダイヤの状況から見ますと、過密であるかないかということの議論は、素人が言えばこんなダイヤがあるもんか、そういう面も見られるし、ダイヤ厳守が安全運行の基本だというJR側のお答えもわからぬわけじゃありません。しかし、この時刻表に表示されている電車の着発時間、これを厳守するというのと、運行間隔をどう守っていくかというのはおのずから違いが出てくるわけです。なぜかというと速度が一定じゃないのです。この事故が発生してからそれこそ毎日、六日から十分、七日も十分、八日も八分、九日も六分、こうしていまだにずっと慢性的なおくれが出ているのです。必ずしもこのダイヤどおりいっていないわけです。だから、この着発の時間を厳守する、ダイヤを厳守するというのは、お客さんに対して、通勤の関係もありますから定時の時刻に乗る、そのことにおいては輸送使命であります。 しかし、これを動かしているのは、先ほども出ているわけですが、人間がやることであります。だから、その条件を満たすためには信号の確認、ATSの確認、そうしたものを連動的に行わなければならないわけで、慎重に規定どおりにやればこんなにおくれていく、ここに問題があるのです。だから、五日の九時三十八分ごろ発生したこの東中野事故は、実際に当日は何分おくれていたのか、まずそれを教えてください。
  40. 山之内秀一郎

    山之内参考人 当日衝突をいたしました中央線の八三五B電車は、新宿駅を三分おくれて発車をいたしております。
  41. 新盛辰雄

    新盛委員 三分おくれているということであれば、それをどうしても取り戻さなきゃならない。これはペナルティーとして今JRが運行保全のための指導とかあるいは自覚とか、そういうことに対するいろいろな指導をしておられることは間違いないのですが、三十秒以上おくれたら昇給とかボーナスとか、あるいはそれが累積をすることの職務評価、そういうものがやられていると聞いているわけです。しかももう四十秒以上おくれたら、あなたは乗務員の資格がないからおりなさい、乗務員交替、こういうことも強いられていると聞いております。これは事実ですか。
  42. 山之内秀一郎

    山之内参考人 ダイヤの正確を守ることは、サービスだけではなくて安全の原点でございますし、特に首都圏のように列車が短時間の間隔で走るところについては、わずかのおくれというものがむしろダイヤの混乱を加速し、駅のホームに乗客があふれ、安全上大変問題になりますから、重要な問題であることは御承知をいただきたいと思っております。  ただいま先生の御指摘のように、そういった状態の中で三十秒、四十秒おくれた者に対して処分をするとか昇給に影響を与えるということは一切ございません。むしろその作業の中で不適切な行為がある、あるいは未熟な行為があった場合に処分をしたり教育をするということはございますけれども、とかくおくれの生ずる日々の通勤輸送の中で、おくれたことについてそういったことをしている事実はございません。
  43. 新盛辰雄

    新盛委員 事実がないとおっしゃいますが、これは運転士の皆さん方から見れば、少しでも着発時間におけるダイヤどおりの運行ができないと、責めを課せられるんじゃないかという戦々恐々たる日常の環境がある。先ほど貨物の社長がおっしゃいますように心の、血の通うような対話がほしい、そういうものが実際に欠けているのじゃないか。だから、こうした面では絶えず自分の昇進に影響があり、また乗務員として不適格だという烙印を押されはすまいかということで、それこそ神わざ的なやり方でないと正常なる運転ができないという環境をどういうふうに打開をして、運転者がいわゆる愉快に、あるいは安全、正確、迅速という面でマッチできる行動ができるか、ここにポイントがあると思います。この場合、なぜ事故が発生して以来慎重に運転される、規則どおりをお守りになるとこんなにおくれるんですか。これはどういうことですか。
  44. 山之内秀一郎

    山之内参考人 朝の通勤状態というのは、もう先生方も御利用されてよく御存じと思いますが、日々刻々変化をしておる状態でございます。あるいはホームの階段を駆け上がってくる方がある、あるいは発車の間際に私どもが配置をいたしました社員が、その他の者が一生懸命おしりを押してまで乗るというのが実態でございます。そういった中で間々おくれが出まして、一遍おくれが発生しますと列車の間隔があくものですから、ますます次のホームが混んできておくれが増幅するということに対する苦闘の中で多くの社員が毎日の大量の通勤輸送を行っているのが実態でございまして、これは当社に限らず、首都圏の各民鉄も同じ状態かと思っております。  私も二十年以上、長くこの輸送に携わっておりますし、直接やったこともございますが、特に冬季を中心にどうしてもそういった状態の中からおくれが出るというのが実態でございます。その中でも特に十二月から一月にかける着膨れラッシュの始まる時間あるいはダイヤ改正がありますと、その後はやや乗務員、駅員もふなれ、お客様もどの電車のどの位置に乗った方がいいかということも変わってまいるという状態が出てまいります。ちょうど現状といいますのは着膨れラッシュに入った時期でもございますし、それから当該線区はダイヤ改正を十二月一日に行ったためにおくれがかなり出ている状態もあるかと思いますが、昨年の状態と比べてみますと、昨年もやはりこの時期には四分ないし十分程度のおくれが出ておりますので、やや多いかなということで今状態を見ておるところでございます。
  45. 新盛辰雄

    新盛委員 「責任事故というのは社員の取扱の誤りにより生じた運転事故及び運転阻害をいう。」というのは、これは「運転取扱心得」あるいはその細則そうした指導要綱にも出ているわけでありますが、「責任事故」という中では、乗務員に帰する場合(A事故)だと言うし、検修、設備部門で言う事故であれば(B事故)だと言う、これは社内における一つの用語であるわけですが、何にいたしましてもおくれてはならない、時間どおり正確にいかなければいけない。十二月一日からダイヤ改正で、四分から五分これを速めたという状況の中で今回の事故が発生しているわけです。恐らく昨年JRが発足して以来、このJR東日本首都管内においても、目に当たらないような責任事故あるいはまた検修部門からくる事故、そういうものはあったと思うのですが、私どもの調べているところでは連日そんな複数事故報告されている。それで、当然事故報告JRから運輸省の方に報告をするものもございます。その運輸省に上がってくるのはほとんど世間に知れ渡ったものが多数なのであります。盛岡の事故を初めとして、JRが発足して以来、上越線の事故、最近は函館本線事故、こうしたものすべて含めて、事故の件数はどうなっているかをお知らせください。
  46. 丹羽晟

    丹羽政府委員 JR発足後の昭和六十二年度の鉄道運転事故の件数を申し上げますと、九百二十七件でございます。それで、国鉄時代の最後の年、六十一年度は千三十五件でございますので、その関係では対前年一〇%の減少ということでございます。
  47. 新盛辰雄

    新盛委員 実は、ここに具体的にそういう件数をもらっていますから申し上げるまでもないことでありますが、今回のようにおくれが出ないようにすれば違反運転をせざるを得ない、そしてそれは処分にならない。慎重な運転をしていると外部的にはおくれてくるというこの仕組みはどうしても腑に落ちない。いわゆる内部の運行ダイヤと勤務ダイヤというのが阻害していると思うのです。  そこで勤務関係ですが、この亡くなられた運転士さんの実ハンドル時間、拘束時間の御報告があるわけでありますが、これは最近改正された時分だと思うのです。実ハンドル時間四時間五十三分、拘束時間九時間十六分。国鉄時代、時間短縮とあわせて乗務員の実ハンドル時間についての取り決めが一応あったのでありますが、それは実ハンドル時間何時間何分、拘束時間何時間何分だったでしょうか。
  48. 山之内秀一郎

    山之内参考人 国鉄時代は、長年内達一号と呼ばれる規程で乗務員勤務のルールとしてまいりましたが、国鉄の末期に全面的に乗務員勤務の規程を改正いたしまして、乗務員勤務は一週平均で四十二時間を下回らないということをルールにして、労働基準法の範囲内で勤務を編成いたしております。
  49. 新盛辰雄

    新盛委員 その内達一号というのは今どういう形に変形されているのですか。
  50. 山之内秀一郎

    山之内参考人 ただいまは正確な名前はちょっとあれでありますが、乗務員執務基準規程と申していると思いますが、そういう規程で決めております。
  51. 新盛辰雄

    新盛委員 いずれにいたしましても、この事故はすべて今後の運転、保安、安全を主体としたいろいろな設備勤務条件の問題にしてもダイヤ編成におきましても、これから改善すべきことは改善しなければならないという警鐘を鳴らしていると思います。そうした事故の反省の上に立って、この事故発生以来、運輸大臣も先ほどおっしゃっておられますように、各面のこうした事故防止を含めての緊急会議等が開催されていますね。そして通達も落とされているようであります。  十二月十四日に住田社長は社内会議で、何年かたち、あの事故が起きてよかったと言われ、安全性が高まったと社史に書けるように努力してほしい、私なりにその真意を解釈すれば、JRが新しい一年目を迎え、そして事故という一つの警鐘乱打のもとにおいて、これから何としても事故を起こさないようにという気持ちでおられたとは思うのですが、被害者が聞いたらこれは大変なことだ、よかったとは何事か、これは言葉が足らなかったとかなんとかじゃなくて、その本質に問題があるのじゃないかと思うのですが、これに対する社長の御見解をいただきたい。
  52. 住田正二

    住田参考人 私が支社長、支店長に対しましてあいさつした中の言葉が一部誤解されていると思います、あるいは私の表現が十分でなかったと思いますけれども、私が申し上げましたよかったというのは、会社の安全体質ができ上がってよかったということを申し上げているわけであります。私は、あいさつを申し上げました対象の支社長あるいは支店長が、私の発言を誤解したということは全くないと確信をいたしております。  ただ、全体の言葉から揚げ足をとれば、事故が起きてよかったというふうにおとりになった方が残念ながらおられたということでありまして、私は、あの事故を教訓として安全体質を強化する、安全についての立派な企業体質をつくることができればよかったのじゃないかという意味でよかったということを申し上げたのです。よかったという言葉を使ったことがまずいということであればそのとおりかもしれませんけれども事故が起きてよかったというようなことを言うことはまず絶対あり得ないことだと思います。そのように御理解いただきたいと思います。
  53. 新盛辰雄

    新盛委員 社長、言葉のあやですから、あなたがどうおっしゃってここでどう弁明されましても、一たん報道されますと、ああ住田社長はその程度のことか。本意は、この事故を一つのとうとい経験としてこれから事故防止のために全力を挙げたいということなのでしょう。だけれども、この事故が起きてよかったというふうに受け取れるような文言があったとなれば、それは不適切なものであるならここで取り消したっていいじゃありませんか。
  54. 住田正二

    住田参考人 私の発言は、先ほど申し上げましたように私ども社内の支社長、支店長に申し上げているわけです。支社長、支店長が誤解するおそれがあるということであればそれは訂正したいと思うわけであります。しかし、事故が起きてよかったというふうな発言はしてないわけであります。したがいまして、もし誤解が外の方に起きたとすれば、それは私の申し上げた趣旨でないということはここで申し上げたいと思います。
  55. 新盛辰雄

    新盛委員 今、中野事故の全体的展望をいろいろと、警察当局も捜査段階でありますから、その原因が何であるかということもまだ不明であります。そして年末繁忙期に入りますし、着膨れの、これから冬場への乗客の取り扱いなど、まさしく時間帯は設定されたダイヤどおりいかない。おくれていくことは間違いないわけでありますが、そういう着膨れ対策を含めて安全運転、そうしたことについて一体今後どういうふうにするか、きめ細かな指導、これについて運輸大臣は先ほど総括的なことをおっしゃいましたが、この東中野事故のよって来る原因、そしてまたこれからどうしなくてはならないかという所見をひとつお聞かせください。
  56. 山之内秀一郎

    山之内参考人 側質問にお答えいたします前に、申しわけございませんが、先ほどの動力車乗務員の御質問で訂正をさせていただきたいと思いますが、動力車乗務員勤務は、現状は四十時間を下回らずに労働基準法に定める四十八時間以内にしてありまして、規程は就業規則で決めてございますので、申しわけありません、訂正させていただきます。  ただいまの御指摘の件でございますが、まさしくおっしゃるとおり、当社の今最大の緊急の課題が安全であり、なおかつ当面の着膨れあるいは年末年始の多客期にお客様に安全を確保いたしまして信頼をかち取り、責務を果たすことが最大使命と考えております。よりまして、ただいま十二月十日以降、年末年始輸送安全総点検運動を実施いたしておりますが、まず重点をこのダイヤの正常運行を前提にした乗務員の執務の厳正のための運転台添乗を中心とした教育訓練の再徹底と安全設備の総点検を今実施いたしておりまして、その内容を見て万全に取り組みたいと思いますし、また、現場第一線の社員意見を積極的に取り上げるために、先月以来チャレンジセーフティー運動を行っておりまして、そういった中身をぜひいろんな格好に反映していきたいと思いますし、関係労働組合とも経営協議会の場を通じて積極的な意見を交換いたしておりますし、一部の労働組合からは建設的な意見をいただいておりますので、そういったものを踏まえて総合的な安全に取り組むと同時に、基本的には、先ほど大臣等のお話にもございました四項目を中心に総力を挙げて安全体制整備に取り組んでいきたいと思っております。
  57. 新盛辰雄

    新盛委員 おっしゃっている意味はよくわかるのですが、経営対策協議会あるいは就業規則に基づいて特に今のJRの運営はされているわけですね。労働安全衛生法に基づく職場での安全委員会、あるいは就業規則での勤務変更、これは「臨時の場合は勤務変更を行う場合がある」というようなただし書きがあって、いつ何時でも管理運営事項としてこれが一方的になされているというようなことも聞いているわけでありますが、増収活動、いわゆる休暇あるいは休息の時間に少しでももうけなさいというんで、オレンジカード販売とかいろんなことをみんなで自発的に自主的にやっていくという環境ができている。これは、環境ができているんじゃなくて、そうしなければいろいろと勤務社員として欠格だというふうにレッテルが張られるということの不安感が絶えず職場の中に渦巻いている。  だから、こうした面では幹部に対する信頼感というのも最近非常に欠けている。いわゆる心の通った対話、あるいはいわゆる社員と幹部との間のそうした溝を埋める努力というのがなければ、ただ指導を上から強圧的にやってみましてもそれは効果は出てこないと思うのであります。そういうような面について、労働協約も、勤務や賃金やあるいは休暇などお決めになっているわけなんですが、これは労使の間で決めておられるわけですが、それが本当に現実的なものとして作動していかなければならぬ、こう思うのでありますが、そうしたことについてはどうなっているんでしょう。
  58. 松田昌士

    松田参考人 JRになりましてから、二度と国鉄時代のように赤字を出したりあるいは第二の国鉄にしないということから、全社員が非常に燃え上がりまして、増収活動等、そのほかサービスの改善等に非常に熱心であるということは御案内のとおりでございます。その一環として、地方におきましても小集団活動が非常に活発でございますし、提案活動等も国鉄時代に比べて非常に充実をしております。ただ、自発的に出るオレンジカードの発売等はございますけれども乗務員等について会社として強制にわたる増収活動ということを指示したことはございません。と同時に、私ども、それぞれの持ち分の本旨をきちっと尽くす、その上での増収活動であると考えておりますから、本末転倒にわたることのないように指導してきておりますし、これからも指導していきたいと思います。  なお、労使関係について先ほどの先生お話がございました。労働協約は、現在東鉄労、鉄産労を初めといたしまして、約七五%の組合員数を占めるところと十月一日に締結をしてございます。一万八千人の組合員を持ちます国労とは、労働協約のうち労使間のルールに関するものについては十一月二十八日に締結をしてございますが、労働条件に関するものにつきましては現在団体交渉を継続しておるところでございます。そういう形で労使間のルールに関する労働協約は締結されておりますことから、主要組合とは経営協議会を頻繁に開きまして活発な議論をしつつ経営の体質を強化していく、安全問題も含めて、定期、臨時を含めて、場合によっては小委員会をつくる等のことを行って意見の交換を徹底している、こういう現状でございます。
  59. 新盛辰雄

    新盛委員 最近の一連の事故ですね、特に貨物関係がどういうわけかあれで、上越線の事故が十月十九日、そして函館本線事故が十二月十三日。この以前に盛岡の事故もあるわけですが、この一連の貨物事故を見ますと、これまた分割後の旅客会社、貨物会社に分けまして、そしてその連係プレーというのがなかなかうまくいってないんだな。例えば上越線事故の場合は、四十分間いわゆる空白があった。これはもちろん指令を出すCTCの東日本輸送管理がしなければなりませんし、それと貨物列車には、二十両編成であろうが三十両編成であろうが、昔乗っていた後棒、列車係、これがいない。結局、あの長大な貨物を引っ張って運転士が一人、前棒が一人、それによって起こる不測の事態というのは容易に想像されますが、今無線で連絡はとり合っているから、線路を障害した場合はすぐそれが短絡効果をあらわすという状況設備の面ではよくわかります。しかし、今回の上越事故なんかを見ますと、これは全くその辺の連係がとれていないのではないか。そして、函館本線の方は酒飲み運転であったということで、乗務前十時間は酒は飲ましてはならぬとか、あるいはまた、酒酔いしているかどうかの機器も使って確認をしたい。これは点呼というのがあるわけですから、こういう面で確認もできなかったということ自体に、やはり状況はどうあれ、管理者と社員との間に何かずれがあるのではないか。本質的に安全運行を保持でき得るというのは、これは何よりも人間の間の連係であるわけですし、この機構改革によって鉄道がこういうふうな状況になっただけに、貨物会社は貨物会社でいい、旅客会社は旅客会社でいい、それはそれぞれの分掌をしっかりやればいいというだけの競争意識だけじゃないのでしょう。これは任務が違う相手でありますが、そうした面の運転上の連係というのは重要な要素じゃないかと思うのであります。  この辺のことについて、貨物会社が、最近発生している事故等について、この一連の事故の反省の上に立って一体どういうふうに考えておられるのか。ただ、何々をしました、こうしましたじゃなくて、実際的な、そういう機構的な問題も含めてお考えをお聞かせいただきたいと思うのです。
  60. 橋元雅司

    橋元参考人 先生指摘のとおり、最近大きな事故が貨物部門で発生をいたしております。全体の件数としては必ずしもふえているということでは決してございませんで、むしろ国鉄時代よりも数値は下回っているわけでございます。しかし、重大な事故が、特に今年度の後半にかけまして多少相次いで発生しておるということに問題があるようでございます。  まず最初に、先生おっしゃいました、分割・民営の弊害として各社間の連係が悪いのではないかというお話がございましたが、これは決してそういうことはございませんで、私ども列車が第二種の業者として旅客会社の線路を使用して運転しておるわけでございますので、適切な運行管理のために常に連絡協調いたしております。例えば、保安連絡会議であるとかあるいは列車ダイヤの調整会議あるいは車両保守の連絡会議、さらには合同の異常時の訓練というようなことで、国鉄時代もいろいろな部門でいろいろな連絡会議、協調活動をやっておりましたけれども、それ以上にそういった連絡協調を重ねておるところでございます。  それから、基本的に私ども函館本線事故は酒帯びということでございまして、これは一人一人の自覚にまつというのが基本になろうかと思います。職業人としての基本的なモラルということを十分自覚する。そのために、やはり指導者と申しましょうか、現場の指導的な立場の者はもっと自信を持って言うべきことを言い、かつ、血の通った個人的な管理と申しますか、相談相手となってやれるようなことをもっともっとやらなければいかぬのではないかなということを反省いたしておる次第でございます。  それから、二人乗務その他いろいろな御批判をいただいておりますけれども、これは先生御承知のように、車両の技術進歩を踏まえましてもろもろの検査データの検討をいたしました上で、安全を十分配慮して、かついろいろな装置をバックアップに使いまして、かつ労使合意の上で踏み切っておるわけでございまして、一人乗務を既に四十年代の前半からだんだん実施いたしておりまして、定着をしております。また、緩急車の廃止あるいは列車係の廃止といったことも、それぞれ所要の保安装置を十分考えてやっておるわけでございます。函館本線事故は、もうそういった問題以前の問題として私ども自身よく反省し、これからさらに努力をしなければいかぬ、こう思っておるところでございます。
  61. 新盛辰雄

    新盛委員 この車両の検修体制というのは、新しい会社になられてから少しさま変わりしているように見受けられますね。  上越線の事故は、車軸折損ということで事が起こっていますね。この車両管理は、もともと旧国鉄時代は、車両工場ですべて組み立てその他行っているわけですし、検修部門は、車軸その他を含める、外回りの検修を含めてやっていましたね。それが現状では、貨物会社は、この検修部門、運転部門を一緒にして機関区と呼称し、旅客の方はこれまた運転区と、これも車両検修を含めるそういう呼称になっているわけですね。それで、工場でもって抜本的な解体、車軸検査その他をやって蘇生をして、そして今度は機関区へ貨物の場合持ってくる、そして運転区の場合は、その中でまた修改善その他検修をやる、現状はこういう取り扱いですね。  ところが、この車両というのは何年も運行するわけですから、これは動力車あるいは貨物、旅客車、それを全部含めて、その車両における破損あるいは事故、これば一体どこが責任を負うのかという話もないわけじゃないですね。レールの方は保線区員の分掌として、施設部門として独立をしておりますからこの面はわかりますが、これはそういうような面、今度のような事故が起こりますと、一体どういうところに責任が来るのかなど思われるのですが、それはどうなんですか。
  62. 橋元雅司

    橋元参考人 従来の旧国鉄時代の、工場受け取り体制と申しておりますが、その体制と基本的には変わってございません。それぞれの箇所の受け持ちが会社間の受委託関係に変わったということでございます。分割の際に各社間で、受け取り検査体制を万全にしようということで、むしろその責任を明確にするためにも、検査体制をそれぞれ明確に今やっております。当然のことながら、それぞれの会社間でその保守に関する情報交換等連絡もやっておりますので、従前に比べて問題があるということでは決してございません。  以上でございます。
  63. 新盛辰雄

    新盛委員 運輸大臣、今、一連のこうした事故をどう未然に防止することができるか、いろいろなこうしたJR運転保安に関する仕組みの中において、設備のハードの面、そして人の扱い、ソフトの面、とりわけ人の扱いにおいては、差別があったりあるいはためこましの乗務の選定をするとか万々ないとは思うけれども、そういうことのないように、日常対話あるいは血の通った政策、こういうものが必要だと思うのです。だから、そういう意味で、運転保安という、これから年末繁忙期に向けて、運輸大臣は所管としてこれを総括をするわけですから、この問題を含め、貨物の諸事故を含めて御見解をいただきたいと思います。
  64. 石原慎太郎

    石原国務大臣 先ほど申しましたが、鉄道事業の最大眼目はやはり安全の確保でございましてそれが一番のサービスだと思います。そういう点で、今承っておりますと、各JRそれぞれ苦心、腐心して、ハードの面、ソフトの面で御苦労いただいていると思いますが、最後に結局事故を起こすのは人間でございまして、それがどういう人間関係の派生で出てくるのか、いろいろなケースがあると思いますけれども、いずれにしろ、新生JRとして発足したわけでございますから、そこで新しい労使関係、健全な労使関係を保っていただいて、その中で全員が使命感を持って働くことができますようにJR努力をしていただく。それを期待するだけじゃなくて、必要あらば運輸省もそういう指導を強くしていきたいと思っております。
  65. 新盛辰雄

    新盛委員 本件とは少し状況が違いますが、一般質問ですから、最後にお答えをいただきたいと思うのです。  整備新幹線の取り扱いは今政治課題として大きなところへ、結末に向かって鋭意努力はされているようであります。六十三年八月三十一日に「政府・与党申合せ」によりまして着工優先順位が決定をされたわけですね。そして、北陸新幹線、高崎―軽井沢間の六十四年本格着工、財源問題を中心に今いろいろと御検討はされているわけですが、この「申合せ」の中に「難工事の部分については早期に着手する。」という文言が入っているわけですね。難工事というのは、いわゆる東北新幹線、九州新幹線、五年後に見直してやると言われているこの内容のほかの部分を含めて、ある意味では三線区という表現になるでしょうか、難工事はそれぞれ線区にいろいろ選定するトンネルとか橘梁とか、大変工事としては厳しいところを指定してあるという意味だと私どもは思うのでありますが、もう既に運輸省としては難工事の場所というのは選定しておられるのですか。
  66. 丹羽晟

    丹羽政府委員 先生ただいま御指摘ございましたように、八月三十一日のその文書の中に「難工事の部分については早期に着手する。」というところがございますが、その難工事の部分につきましては、私どもとしましては、従来のボーリング調査などによりまして、実際に工事を行った場合相当の困難性が見込まれて、工事費とか工期、そういったようなものに不確定な要素を含む、そういった工事ではないかと考えているわけでございます。  それで、具体的にそれがどういう場所であるかというのは、今までの地質調査などがございますので、その調査の結果を踏まえまして現在のところ検討を行っているところでございます。
  67. 新盛辰雄

    新盛委員 調査の結果を検討中ですが、「十二月末までに必ずその結論を得る。」こうなっているのですね。もうあと数週間もない。だから、必ず結論を得るということになればこれはもう財政問題であろう。この難工事箇所がまだ明確でない。それは金と関連がある。恐らく一線一カ所だろうか、同時着工だろうか、そういう話も漏れ聞いているのであります。  大蔵省、来ておられると思いますけれども、この財源措置について国が幾ら、あるいは地域が幾ら、JRが幾らというふうにそれぞれ試案が出ているやに聞いてはおるのですけれども、実際上、六十四年度予算編成のこの時期でありますから、これに対するお考えはどういうふうになっているのか、また策定上そういうものがされているのかどうか、お聞きしたいと思うのです。
  68. 田谷廣明

    ○田谷説明員 お答えいたします。  ただいまの整備新幹線建設促進検討委員会におきまして、御指摘の財源問題あるいは難工事の問題も含めまして御検討が進められているところでございまして、私どもとしましても、八月末の「政府・与党申合せ」にありますように、適切な結論が得られますよう努力してまいる所存でございます。
  69. 新盛辰雄

    新盛委員 運輸大臣、あなたがよく言われております、もう新幹線の時代じゃない、リニアの時代になるのじゃないかという構想も実はないわけじゃありませんが、この新幹線の、最終的に十二月三十一日まで、末日まで、いずれにしても北陸、第一位に挙がっている軽井沢の問題とか解決をしなければなりませんね。これについて大臣としては、この委員会のメンバーですから、参画されておられるわけですから、それに対するお考えはどうでしょうか。
  70. 石原慎太郎

    石原国務大臣 御指摘のとおり、カレンダーを眺めますと早くも月の半ばを過ぎまして、そしてまた総理大臣が大蔵大臣を兼任するという今までと違った条件も出てまいりまして、そういった中で、これから何度会議を持って、要するに金の問題でありますから、その問題にどう決着をつけるか、私自身が今のところ五里霧中で全く見当がつきませんが、とにかく約束した期限の中で結論を出すべく一生懸命努力をしようと思っております。
  71. 新盛辰雄

    新盛委員 終わります。ありがとうございました。
  72. 関谷勝嗣

    関谷委員長 戸田菊雄君。
  73. 戸田菊雄

    ○戸田委員 私は、今回の東中野駅の追突事故について主として質問してまいりたいと思います。  質問するに当たりまして、亡くなられた皆さんに対して心からお悔やみ申し上げると同時に、けがをされた皆さんに対しては心からお見舞いを申し上げる次第であります。  そこで、第一点、概要ということで通告をしておりましたが、時間がありませんので概要は省略をいたしたいと思います。  ただ大臣、今回の東中野駅の事故に当たってどういう御感想をお持ちでしょうか。大臣の見解、住田社長の見解を伺っておきたいと思います。
  74. 石原慎太郎

    石原国務大臣 先ほど申しましたが、やはり鉄道事業の最大眼目は安全の確保でございまして、先ほど総括審議官報告いたしましたが、JRになってから総体的に事故も減ってきておりましたやさきにこういった事故が連発をいたしまして、運輸省としても非常にこれは重大にとらえていろいろJRに督励して緊急の措置を講じさせておりますが、また昨日、各JR七社の社長さんにお集まりいただきまして事務次官の方からいろいろお話をいたしました。そのときに、事故を起こしたのは貨物とそれから東日本でございますけれども、他のJR社長さん方がそれぞれこの事故を自分自身の会社のことのように受けとめて、非常に厳しい姿勢でこれを受けとめたということでございます。そういう姿勢にのっとって万全の措置を講じながら、これから安全の確保、再発というものを防止していただきたいと思いますし、また必要とあらば運輸省も強い姿勢でそれを指導していきたいと思っております。     〔委員長退席、亀井(静)委員長代理着席〕
  75. 住田正二

    住田参考人 今回の東中野事故でございますけれども、多数の死傷者を出しまして大変申しわけないと思っているわけであります。また、民営になりまして利用者の皆様から鉄道に対する安全性について信頼を得ていたと思っていたわけでありますけれども、その信頼を裏切ることになりまして大変残念に思っているわけであります。  申し上げるまでもなく、鉄道事業の基本は安全でございまして、昨年会社ができましてから私ども会社挙げまして安全問題に取り組んでまいったつもりでございます。しかし、こういう事故が起きまして、やはりもう少し厳しい態度で、あるいはいろいろな角度から安全問題に取り組んでいかなければいけないということを痛感いたしております。安全につきまして一日も早く利用者の信頼を取り戻したいと考えております。
  76. 戸田菊雄

    ○戸田委員 警察庁からおいでになっていると思いますが、先ほど同僚の新盛委員の質問にあったようでありますから、ただ、原因追求は今いろいろと捜査、検証をやられておるのでしょうが、時期的に大体いつごろまでかかりましょうね。その辺の見解と、それから八年前、同じような追突事故があったわけですけれども、このときに裁判所で、現行の過密ダイヤあるいは信号機設置位置ということになりましょうか、そういった施設の改良、そういうものを含めて当然改善されなければいけないというような裁判の判定があったことは、これは御存じでしょうか。知っているかどうか、それだけひとつ。
  77. 廣瀬権

    ○廣瀬説明員 現在警視庁におきまして鋭意捜査をいたしておるところでございまして、将来の見通しはどうかという御質問でございますが、何分にもこの種事故事件の捜査につきましては、広範な事情聴取と、そして綿密な鑑定が必要でございますので、なお相当の日数がかかるというふうに考えております。  それから、八年前の五十五年の事故の際に東京地裁におきまして判決があり、その裁判官の意見の中で信号機の設置場所等の御指摘があったということでございますが、警察といたしましてもその内容を承知いたしておりますので、それらも踏まえまして、慎重に捜査を進めてまいりたいと思います。
  78. 戸田菊雄

    ○戸田委員 そこで、現在の津田沼―東中野駅、ダイヤによって違いますが、私もいろいろと試算を出しておりましたが、大体一時間四分あるいは五十七分あるいは五十八分等々の時間設定があるわけですけれども、十二月五日の追突事故があった以降、六分ないし十分ぐらいおくれているというのですね。この原因は一体どういうところにあるのでしょうね。その見解をひとつ。
  79. 山之内秀一郎

    山之内参考人 ダイヤの設定並びに列車運行管理につきましては、先生大変お詳しいのでお答えがしにくいのでありますが、東京の主要区間というのは、特に朝のラッシュ時間というのは大変多くのお客様が殺到されます。その中で定時運転確保というのは、これはサービスだけではなくて、安全上一番重要なテーマでございまして、列車がおくれるということはすぐにホームに人がたまり、電車に押し合いへし合いになってさらにおくれが膨らむということになりますので、私ども俗に部内で通対要員、通勤対策要員という人間をすら張りつけまして、各駅で、場合によっては世界でも評判になるようなけつ押しまでやって定時運行を確保している状態ではございますが、例えば他の線との接続あるいはきょうは霧が出た、あるいはどこかでちょっときょう電車のブレーキのぐあいが緩みが悪かったということが、やはりたくさん走っている中には出てまいりまして、それが例えば最初の電車が十五秒おくれると次が三十秒おくれるというふうに累積してまいるのが実態でございまして、それが特に冬のラッシュの時間、お客様がだんだん着る物がふえてまいりますと、着膨れラッシュと申しますが、そういったものがふえてまいりまして、わずかのおくれがたまる。起きる態様は日々異なってまいりますが、数多い電車の中でどこかが起きるということで、日々四分ないし十分前後のおくれというのが出ているのが実態ではないかという認識をいたしております。
  80. 戸田菊雄

    ○戸田委員 正確、安全を期する、これを根底にして運転をやる、これは従前の国鉄のやはり定めだろうと思うのですが、そういうことで関係の皆さんは大変頑張ってきたわけです。しかし、今回の平野運転士さんですか、乗務運用表、これを見ますと、八時三十四分発で九時三十八分、当該列車ですね、追突をしているやつ。これは六十四分ですね。そうすると、津田沼から東中野駅まで、ダイヤ構成で見ますると二十七駅ありますから間隔としては二十六。私計算しましたが、おおむね二分三十秒、こういう運転ですね。そうすると、二十六回の発着、それぞれ発車の動作、とめる動作、途中信号機の確認、場合によってはATSの操作、こういったものが絶対入ってきますね。そしてなおかつ勤務状況を見ますと、これはハンドル時間が四時間五十三分、拘束時間九時間十六分、こういうことになりますね。なおかつ一カ月の運転士勤務状況、これを見ますと、徹夜勤務にわたるものが五回ありますね。出面が十五回あります。普通ハイヤー、タクシーの皆さんでも月に大体十三回ですね。これはほとんど徹夜です。十五回出てますね。そのうち六時以降二十分とか五時五十分とか、六時回りの出勤回数が八回ありますね。ですから、仮に六時二十分発電車に乗るということになりますると、家の都合によっては一時間通勤が入るなら前の日泊まらなくちゃいけない等々の条件になると思うのですね。恐らく始発電車五時以降、私鉄その他含めてそういう状況だろうと思うのですね。等々になりますると、家庭での休養というのは非常に少なくなるのじゃないだろうかというような気がいたします。だから、こういった状況の中で二分三十秒でダイヤが動いておるわけですから、これは少々過密、過労、こういう状態に追い込まれるのじゃないでしょうかね。どうでしょう。
  81. 山之内秀一郎

    山之内参考人 首都圏の電車というのはやはりその使命上、民鉄を含めまして短時間の間に頻繁に駅にとまるというのが実態でございますし、そういった意味では大変多くの社員が日夜安全輸送のために努力をしておるということは深く認識をいたしておる次第でございます。  ただ、逆に申し上げますと、電車の性能が飛躍的に進歩をしてまいりまして、私も三十年前に当該線区を運転したことがございますが、そのころの電車のブレーキに比べますと、今のブレーキというのは飛躍的に操作性能が向上いたしているのも事実でございますし、まして、先日事故を起こしました貨物会社貨物列車に比べますと操作性については非常にやりやすいという一面もあるのは御承知かと思います。  乗務員勤務につきましては、これも大変重要な課題と認識をしておりまして、一面からは十分に安全を確保し、なおかつ社員が人間としての生活をおくれるような配慮をすると同時に、やはり企業として世間一般の企業に負けないだけの勤務をしていただくことは、これは企業の健全経営ひいては運賃レベルを適正に抑えるための要件と認識をいたしております。私どもはそのための接点を求めるべく今努力をいたしておりまして、それが、先ほどお答えいたしましたように上限、下限ということで、一週間の勤務時間が四十時間を下回らずに四十八時間以内というところで考えておる次第でございます。  当該乗務員勤務については、先生御承知かと思いますが、事故を起こした当日の状態を見ましても、当日朝七時過ぎから乗り出しましてほぼ二時間余後に事故が起きたという状態、しかもその前は二日続けて休日だったということを考えますと、休養不足というものが事故原因とは考えられないというふうに認識をいたしております。     〔亀井(静)委員長代理退席、委員長着席〕
  82. 戸田菊雄

    ○戸田委員 そこで問題なのは、三十九年、五十五年に同じような事故が起きたわけですけれども、それから八年間たって当時の事故対策方針として、施設、休養の改善、こういうことをうたわれて積極的に取り組んだ、こういうことになっているのですが、その施設、休養関係改善はどのように行われましたか。
  83. 山之内秀一郎

    山之内参考人 おっしゃるとおり勤務が不規則である乗務員、特に休養が重要な乗務員にとりましては、休養施設の整備というのも大変大きな課題かと思います。したがいまして、四十年代以降、特に動力車乗務員の休養施設ということに対して重点を置きまして、全国の動力車乗務員が泊まる場所の建物を新築したり、あるいは休養室に原則として全部冷暖房装置をつける等を進めてまいりましたし、特に最近は一人部屋を多くするようなことで、休養施設の改善を進めているところでございます。
  84. 戸田菊雄

    ○戸田委員 例えば十五時四十分に乗務開始をしまして、それで次の日の十時二十八分。恐らく終電は十一時五十五分ですか、私の理解でいきますと。始発電車が五時以降ですか。この間の休養は、基準法どおり大体四時間以上の睡眠、仮眠、こういったものはできているわけですね。その場合やはり電車区で休まれる、こういうことですか。
  85. 山之内秀一郎

    山之内参考人 動力車乗務員の休養箇所はいろいろございますが、首都圏の電車の乗務員というのは、割と短距離の区間を走っているものですから、自分の所属する区に戻って休養する機会が多いというのが実態でございます。
  86. 戸田菊雄

    ○戸田委員 従前は畳の上に粗末な布団を敷いていましたが、最近は寝台、ベッドというように若干改善はされてきたようですけれども、何せ出入りが多いですから休養施設としては安眠できる状況じゃないだろうと思うのです。ですから、こういった問題についても今後対策としては一考を要するのじゃないだろうか。これは何もJRだけじゃないのですけれども、全体がそうなっています。トラック輸送ども非常にひどい。タイヤの間に寝台箇所を設けてやっているというようなこともありますから、こういう点は今後十分力を入れて改善策に取り組んでもらいたいと思うのです。  次に、時間がありませんから三点ほど一括してお伺いします。  ATSの扱いの指導方針です。これは、国鉄の場合とJRに移行した場合とどういうふうになっていましょう。それから、責任事故というのはどういうものですか。それから、勤務評価制度というものを国鉄が六十一年の夏ですかに制定して、それをJRが引き継いで勤務評価をいろいろやられているようですが、この中身と実施方法、適用、そういった問題についてどうなっていましょうか。
  87. 山之内秀一郎

    山之内参考人 私から最初の二点についてお答えをさせていただきたいと思います。  第一点のATSが動作をした場合の取り扱いについては、国鉄時代と変更いたしておりません。  第二点の責任事故というのは、私どもの定義では、社員の取り扱い上の誤りによって列車が衝突をしたり車両を壊したり、あるいはお客様にけがをさせたり、列車がおくれたものを言っております。
  88. 松田昌士

    松田参考人 三点目の勤務評価について一言お答えをしておきます。  JRになりまして、勤務評価の仕方等は国鉄時代勤務評価の仕方を引き継いでおりません。新会社として全く新たな観点から、日常の業務、技能、そういうものを評価して乗務員としての評価をしていく、こういう形になっております。
  89. 戸田菊雄

    ○戸田委員 資料をもらったのですが、「運転取扱心得」を経て、執務標準としいうものがあります。その執務標準によって具体的にATSの指導というものをやられている。  それによりますと、「ATSロング鳴動 場内及び閉そく信号機」、「作業内容」としては、まず「ブレーキ手配 確認扱い」をやる、そして「信号機の進行を指示する信号の現示を確認した後にチャイムを消す」、こういうことになっているのですね。それからもう一項目は、「ATSロング鳴動」について、「作業内容」として、まず「ブレーキ手配」をして、「確認扱い 停止後、チャイムを消す」。「停止列車」、これは当然のことですから必要ないのですが、今回の場合のように、ATSの警鐘が鳴動した、それで五秒以内に信号確認その他で自後の操作に入る、これはどうでしょう。国鉄のときは、私の理解では、そういう事態が発生したらまず制動をかけて列車をとめる、、その後確認をし、信号の状況で進行する。何はともあれ一たんとめた、今はとめない、こういう状況になっていると思うのですが、その辺はどうですか。間違っていましょうか。
  90. 山之内秀一郎

    山之内参考人 ATSが動作した場合の手順は、ただいま先生のおっしゃるとおりでございまして、国鉄時代もそういう扱いになっております。
  91. 戸田菊雄

    ○戸田委員 そうだとすれば、とめるということは最大安全であることですから、そういう徹底した指導を今までやってきたと思うのです。私もスジ屋の一員ですから、運行にいてその面の扱いをやってきたのですから、徹底してそういう状況できたわけです。そのことによって仮に列車総体が遅延をする、確かに混乱することは事故併発の要因になるかもしれませんが、しかしそれは、各般の運行指令その他で整理をするわけですから、等々でやはり順序正しく運行体制というものを確立していくことが大事ではないだろうか、このように考えます。  それから、勤務評定の問題で、仮に三十分おくれたということになりますと、これは責任事故だとして勤務評定をやって、給料については五%ないし一〇%のカット、それから昇格昇給といったものにも影響させる、あるいは場合によっては乗務を外す等々の処分内容があるというのですが、これは実際ありましょうか。
  92. 松田昌士

    松田参考人 先ほどの方からも同じような質問が出ていたと思います。  実は、おくれと処分という関係は、全く別個なものとして私どもは把握をしております。列車がおくれるという中には、先生御存じのとおりいろいろな要素がございまして、例えば信号冒進するとか停車駅を通過してしまうとか、非常に重大な、危険なものから、ホームの停止位置を一メートル行き過ぎるとか、今度のE電の区間のおくれのように三十秒、一分おくれるというようなものまで雑多に含まれております。  私どもとしては、安全のためには、起こった事柄を昔の国鉄時代よくありましたように隠さないで、すべて明らかに把握をするというのをまず第一前提にしております。そういうことを前提にしますと、隠されては困るわけですから、それを直ちに人事評価に結びつけて処分をするということはやっておりません。人事の問題を申し上げるのがいいかどうかわかりませんが、ことしに入りましても、例えば戒告ですとか訓告ですとか処分につながるものというのは八%とか九%にすぎないのでありまして、それも極めて重大なものに限られております。普通は、大部分は口頭で指導をする、繰り返してはいけないよという指導をする、あるいは再トレーニングをする。むしろそういう教育を通じて事故を防止するというのが運転に関する問題に対する基本姿勢でございますから、十分おくれた、三十分おくれたら直ちにそのことだけで処分をし、ボーナスに影響するということは全く誤解でございます。ただ、そういう誤解をかなり言う乗務員もいることも事実でございますので、その運用を、そういうことではないということでなお指導を徹底していきたい、こう思っております。
  93. 戸田菊雄

    ○戸田委員 今最後に言われたように、それは指導の徹底で合意性を見て、それでぜひいってもらいたいと思いますね。それを直ちに処分の対象にして昇給カットをする、昇格昇給がどうのこうのというのは、まさに一番過酷な処分内容ではないでしょうか。そういうものは正当な理由があって――働いている方は恐らくみんな真剣にいろいろやっていることは間違いないわけですから。ただ、九十五名津田沼区におるわけでありますが、この中にはベテランも相当おった、こう言うのです。それが組合が違うために熟練者を全部外して、広域配転で来られた方々に全部乗務をさせるということがあったという事象も聞いているのですが、そういう事実はありませんか。また、今後そういうことをやる考えはありますか。
  94. 松田昌士

    松田参考人 JNRからJRになりますときに乗務員として来られた方でも、E電区間の乗務員として必要な数を上回っておりますから、その中からどなたに乗務についてもらうかということは、選ばなければいけないということは事実でございます。しかしながら、私どもの方は組合によってとかそういうことによってそれをやっていることは全くございませんし、これからもそのつもりは全くございません。日常の勤務状況、技能、見識、そういうものを総合的に勘案してやるのでございまして、組合によって、種別によってそういう嫌がらせ的なことをするつもりは全くございませんし、今までもございません。
  95. 戸田菊雄

    ○戸田委員 この点は後で大臣にも見解を伺っておきたいと思うのですが、そういう差別はしません、これは国会の中でも対政府関係の中で全部確認をされている条項ですから、ぜひそういう態度でこれから臨んでもらいたいと思います。  時間がなくなりましたから、貨物関係を一括してお伺いしておきたいと思います。  十月十九日に上越線で、十二月十三日に函館本線事故がございまして、私は函館の状況を見まして、それで二十両編成で時速六十キロだ、こう言うのですね。そのときに、分離したら直ちに制動が効いてとまるのが正当ではないか。なおかつ脱線などということはちょっと考えられませんね。車両に何か異常があったのか、線路に異常があったのか。上越線の場合もそういう状況ですね。脱線、分離等々で四十分放置された。  結論から言うと、もとは機関士二人が乗っておって防護車掌が乗っておった。警護その他で停車駅では必ず車両点検をやる。制動に異常がないかどうか、車両に異常がないかどうか等々すべて点検をしてそれぞれ進行していったものですね。そういう面でどこかの点検確度が今総体的に落ちているのではないだろうか。それから、安全を保持するためにはもう一回防護車掌ぐらい乗せてはどうなのだろうという気がいたしまするけれども、その辺の見解も含めて御見解をお聞かせ願いたいと思います。  それから、労使関係については今松田常務の方からお話がありましたからそういうことで対処をしていただきたいと思いますが、大臣にお伺いしたいと思うのです。  それから、今後の安全施策全般について大臣住田社長に御見解を伺っておきたい。  以上、三点についてお伺いいたします。
  96. 橋元雅司

    橋元参考人 まず貨物の問題でございますが、函館本線事故は、なぜ分離して十六キロも先へ機関車が行ったかという点につきましては、なお技術的に調査が必要だと思っております。先生おっしゃいましたように、私どもちょっと不審な点がございますが、現在の段階までの調査では、機関車の構造上単独弁を緩めればさらに進行するというようなことになっておりまして、これはいろいろな関係から構造上やむを得ないのでございますが、そういったことで今のところは推定をいたしております。  それから、二人乗務等の問題につきましては、先ほど新盛先生からも御質問いただいたわけでございますが、先生御承知のような経緯を経まして長い検討の結果、科学的データも随分いろいろな角度から検討いたしました。それから、車両を初めいろいろな技術の進歩発展、改善もございます。そしてまた、先生御承知のようなEB装置だとかTE装置だとか、いろいろなバックアップシステムを十分整備いたしました上で、かつまた労使合意をいたしまして実施いたしているものでございまして、おおむねそういうことで定着いたしております。  ただ、残念なことは、そういったもののうちにあってもなおヒューマンファクターというものがございまして、上越線の場合には事後の連絡体制あるいはもろもろの応急措置に適正を欠いた、遺憾な点があったということでございまして、これは昔のような二人乗務その他という形に戻すというよりも、教育訓練によってきちっとした対応さえすれば十分安全が確保できると考えております。  また、函館本線の方は本当に残念なことでございまして、そういったこと以前の問題として、私ども十分教育指導と申しますか、そういった面でモラルの確立になお全力を尽くしたい、こう思っておるところでございます。
  97. 石原慎太郎

    石原国務大臣 JRの人事面に関しまして、組合による差別というものはあってはならないと思いますし、また、ないと信じております。しかし以前、狂態に近い混乱が国鉄にありまして、国民全体の強い批判と指弾を浴びたわけでございまして、それが一概にだれにあるということはなかなか特定できないかもしれませんが、そこでいろいろな人間関係の摩擦があったことも否めないと思います。しかし、それを超えて健全な人事というものを行っていただきたいと思っております。  また、安全面に関しましては多角的に、できる物を成就しながら確保していきたいと思いますけれども、既に御報告しましたように東日本のATS―Pの前倒しの実施、そしてまた同じように高密度の運転線区を抱えておりますJR西日本の方でもこのATS―Pの導入を積極的に図ることにしたところでございます。先ほど申しました保安連絡会議を定期的に開いて、こういったものの検討、実施推進していきたいと思っております。
  98. 住田正二

    住田参考人 鉄道事業にとりまして安全が基本であるということは、十分承知いたしております。安全が営業の基本であるということは、もし利用者の皆様の鉄道に対する信頼性を失いますと私どもの事業基盤が危殆になりまして、将来健全な発展ができないということであります。そういう意味で安全というものは、私どもの事業の基本であるわけであります。今後、利用者の皆様から私ども会社の運送について疑念を持たれないように全力を挙げて、しっかりした安全体質をつくり上げてまいりたいと思っております。
  99. 戸田菊雄

    ○戸田委員 これで終わります。ありがとうございました。
  100. 関谷勝嗣

    関谷委員長 長田武士君。
  101. 長田武士

    ○長田委員 初めに、去る十二月五日に起きました中央線東中野構内列車衝突事故についてお尋ねをいたします。  十二月十二日現在で死者が二名、負傷者が百十六名と発表されておりますが、心から亡くなられた方の御冥福をお祈り申し上げるとともに、負傷された皆様方にお見舞いを申し上げたいと存じます。  今回の事故につきましては、自動列車停止装置、いわゆるATSが装置されておりまして、一般的に私たち乗客といたしましては事故が未然に防げる、そのための装置である、このように認識をいたしております。そういう事故でございまして、どうしてこのような事故が起きてしまったのか、この点について素朴な疑問がございます。その点につきまして、運輸大臣住田JR東日本社長、それから警察当局も捜査をされておるようでありますから警察当局から、それぞれ御意見、御感想をお尋ねしたいと思います。
  102. 石原慎太郎

    石原国務大臣 先ほど総括審議官から御報告いたしましたが、JRになりまして総体的には事故は減ってきておりまして、大変喜ばしい傾向だと思っておりましたやさきに今回の続いた事故が起こりまして、運輸省としてもこれを非常に深刻、重大に受けとめまして、これも先ほど申し上げましたが、昨日七社のJR社長をお呼びして、次官の方から非常に強い要求を安全に関していたしました。各社長さんが、該当しない他のJR社長さんもこれを我が事として受けとめて、他山の石として各社の安全の確保にこれからも一層鋭意取り組もうということでございまして、運輸省といたしましても、これから保安連絡会議などを定期的に開きまして、ハードの面、ソフトの面と多角的に、何といっても鉄道事業の大眼目でございます安全の確保をするべく強い指導をしていきたいと思っております。  とにかく事故を起こしたら元も子もございませんから、会社の信用もそういったところに一番多くかかっていると思いますし、各JRもそれを強く認識していると信じます。
  103. 住田正二

    住田参考人 昨年国鉄が民営・分割になりまして、民営になると収益性を重んじて安全性が損なわれるのじゃないかという御批判もあったわけでありまして、私ども、民営になってそういう安全性の面でマイナスがあってはならないということで、会社設立以来いろいろ努力をしてまいったわけであります。しかし、残念ながら民営になりまして初めての事故東中野で起きたわけでありまして、大変申しわけなく思っておりますと同時に、大変残念に思っているわけであります。これからは安全性について利用者の皆様の信頼が保てるように万全の努力をいたしたいと考えております。
  104. 廣瀬権

    ○廣瀬説明員 警察といたしましては、本件事故重大性にかんがみまして、警視庁の総力を結集いたしまして原因究明を徹底してまいりたいと思っております。特に、広範な関係者の事情聴取と綿密な鑑定によりまして原因究明をしっかりやってまいりたいと考えております。
  105. 長田武士

    ○長田委員 事故現場は、新聞報道あるいはテレビの報道でもございますけれども、魔のカーブと言われておるところですね。大久保駅から東中野駅、非常に急勾配で入っておりまして、しかも左にカーブしておる。それで一面、信号が非常に見にくい、そういう状況であるようであります。さらに、付近は信号と信号の間隔が非常に短い、そういう状況もあります。したがいまして、昭和三十九年と昭和五十五年の二回事故が起きておりまして、今度で三回目であります。  そういうふうに考えてまいりますと、安全を確保するためにいろいろ研究をされているとは思いますけれども、同じような事故が三回も起きるという点について、JR当局としては相当重く受けとめなければならないのではないかという感じが私はいたしております。一回ならいいなんということはありませんが、三回も同じような事故を起こしておる。そういう点でどうも構造的に欠陥があるのではないか、この点についてはどう認識されておりますか。
  106. 山之内秀一郎

    山之内参考人 先生の御指摘のとおり三十九年、五十五年並びに本年と、三回続けて近い場所で衝突事故が発生いたしまして、まことに重大でございますし、そういった観点からぜひ今後とも事故防止対策を検討していきたいと思っておりますが、前二回と今回とは、場所が近うございますが、実はかなり状態が違うところがございまして、東中野駅の入り口のところに、ホームにとまっておる電車を守るために場内信号機というのがございまして、今回のように前の電車がホームにとまっている場合にはこの信号機が赤信号になります。ところが前回二回の事故は、そのまた一つ手前のところに電車がいわばすし詰めでとまっておりまして、その手前の信号機のそのまた後へ電車がぶつかったという状態でございます。これは私ども長年鉄道のこの種の仕事をやってまいった者にとりますと大変嫌な例でございまして、運転士の心理としても、駅と駅の中間に電車がとまっておるということは余り予測しないのではないかと推測をいたしております。しかも御指摘のとおりその前回二回の場所というのはカーブの真ん中であり、下り坂の終わったところでもございます。  したがいまして、既に御説明を申し上げましたが、前回の事故にかんがみまして、見にくい信号機には中継信号と称する信号機をもう一本出して見やすくするとか、あるいは列車が赤信号のすぐ先にとまっている場合には二つ続けて赤信号を出すとかという手を実は打っているわけではございます。  今回はややその場所と違いまして、三、四百メーター先の駅の中におりましたところで起きましたことに私どもは正直いって衝撃を受けておりまして、今回の場所というのは、ホームの中というのは見にくいのでございますが、駅の入り口に立っておる赤信号は実は四、五百メーター手前から見えまして、首都圏の電車の区間としてはむしろ信号機の見やすい場所に相当いたしております。  したがいまして、この問題についてまた今後ともぜひ勉強していきたいと思っておりますが、こういった場所についても事故が起きるということにかんがみまして、まだ原因調査は進行中ではございますが、私どもといたしましてはATS―P型の繰り上げ施行をすることを急遽決めたわけでございます。  既にこの事故に先立ちまして、首都圏におけるたくさん電車が走っておる区間の安全というのは当社にとっては最大の安全上の課題と考えまして、現在のATSよりも機能が非常に高くて、まず九九%はこういった事故が起きないようなATS―P型、これは実は開発したばかりでございまして、ことしの十二月一日に開業いたしました千葉の京葉線に初めて使用したシステムでございますが、これを首都圏の主要線区につけるべく、九月に企業として意思決定をしたばかりでございました。早くこういった設備をつけるべく努力をしてまいりたいと思います。
  107. 長田武士

    ○長田委員 国鉄から民営化されましてJRになりました。皆さん非常に努力されておりまして、私たち乗客の一人といたしまして、確かに旧国鉄時代とは違った面が顕著に見受けられると大変喜んでおるところでございます。しかし、JRになりまして初めてこのような大きな惨事を起こすということになりますと、信頼がこれから徐々に高まろうというときに、その信頼をまた失ってしまうということで、私は事は重大であろうと考えております。そういう意味で、本当の意味再発防止を考える上において、JR東日本の社長として果たして管理面の責任はなかったのかどうか、そこらの点はどうでしょうか。
  108. 住田正二

    住田参考人 昨年新しく会社ができまして社員の意識改革も進みまして、お客様第一ということで仕事をしてもらって、それなりの評価をいただいているのではないかと思います。  お客様第一という内容といたしましては、接客態度がいいということはもちろんでありますけれども、やはり何といいましても鉄道サービスというのは安全でありますから、社員一同が安全に一ついて従来以上に強い関心を持って仕事をしてもらっていると期待をいたしておったわけであります。残念ながらこういう事故が起きたわけでありまして、やはりこれまでの安全に対する取り組み方があるいは十分ではなかったのではないか、あるいは見落としている点があるかもしれない、あるいはもっと別の角度から物を見なければいけない、そういうことについて今後検討いたしてまいりたいと思っております。
  109. 長田武士

    ○長田委員 それで、特に五十五年の事故の問題でありますけれどもATS設置がされてからの事故ですね。この発生は五十五年十月の十七日、国鉄中央線大久保と東中野の間の追突事故であります。これは、先ほど御説明ありましたとおり、赤信号でとまっていた電車に後続ATSを切った電車が追突をしてしまった、こういう事故であります。このとき、幸い死者の方はいらっしゃいませんでしたけれども負傷者が十二名出ております。安全と言われたATS装置、これを搭載してなおかつ事故を起こしたという点については利用者一同本当にがっかりしてしまった、信頼を失ってしまったという利用者の声でありました。それ以後今日に至るまで具体的にどういう対策を練ったのか、どういう措置を施したのか、具体的に説明できますか。
  110. 山之内秀一郎

    山之内参考人 このATSは、昭和三十年代の末に、実は大変悲惨な事故でございますが、三河島事故、鶴見事故という百名を超える方が亡くなられるという事故を経験いたしまして、当時既に車内警報装置というものがついておったのでございますが、それの機能を上げるべく、乗務員の確認扱いを前提として、乗務員が確認扱いをしない場合には非常ブレーキをかけるという機能を追加いたしまして、昭和四十年前後に当時の国鉄全線二万キロにわたって取りつけた設備でございます。  国鉄の線路と申しますのは、一部のごく特定の区間を除きますと、今回のような通勤電車のほかに、あるいは特急電車、貨物列車等々が走っておりまして、車両性能、なかんずくブレーキの性能というのは大変違っておりまして、新幹線のように単純に一種類の車が走っているところにつきましては、既に新幹線は開業以来ATCという非常に高度な安全装置がついておりまして、前の列車に近づきますと自動的にブレーキがかかってとまるという装置がついてございます。安全上これが一番いいのでございますが、いろいろな種類の車両が走っているところについてはこの装置は使えないという悩みがございます。なかんずく貨物列車のブレーキ装置についてはこのATC装置は使えないというのが技術上の難問でございました。  御指摘の三十九年、五十五年の二回の東中野事故のほかに、日暮里の駅あるいは御茶ノ水の駅、あるいは御記憶があるかと思いますが、昭和四十二年には新宿で貨物列車同士がぶつかるという事故もございまして、やはりこのATSがつくことによりまして実は国鉄列車の衝突事故というのは半分以下に減ったのではございますが、必ずしも万全でないということに対して私ども衝撃を受けまして、鋭意この種の設備改善について取り組んだ次第でございます。まずは新幹線に使っているようなATCを使えないかということで、新幹線と同じような意味で、通勤電車だけが基本的に走っております山手線、京浜東北線にATCを取りつけるべく工事を進めまして、五十六年に取りつけが終わっておりますし、その後また並行いたしまして、常磐緩行線あるいは地下にできました総武快速線の一部、それから新しく開業いたしました埼京線についてはこのATCを取りつけた次第でございます。  しかしながら、貨物列車あるいは機関車が引っ張る、客車が引っ張るような列車が走っておる線区にこのATCを使えないものですから、それも使えて、なおかつATCにほぼ近い安全性を持つ設備を開発すべく関係者努力をしてまいりまして、ほぼ実用化のめどが立ち、この十二月一日から蘇我―新木場間に開業いたしました京葉線で初めてこの新型のATS―Pを使いました。  私ども、新会社になりまして二年目を迎えまして、安全こそ最大のテーマであるということを社内で取り組みまして、早くこの設備をまずは首都圏の全線に取りつけたいということで、ことしの九月にその設備投資規約を決めたやさきでございまして、そのときにこの事故を起こしましたのはまことに残念でございますが、経緯は以上のとおりでございます。
  111. 長田武士

    ○長田委員 私が言っているのは、ATCを開発して、それがまだできないんだということではうまくないのじゃないですか。私は、構造的にあそこの急カーブしているそういう部分もある程度買収してもらって線路を変えるとか、やはりそういう意味での安全確保という対策も必要ではないかと言っているのです。そういう点は考えていませんか。
  112. 山之内秀一郎

    山之内参考人 首都圏の通勤問題というのは大変大きな課題を持っておりまして、しかも、最近やはり都市の外延化を含めまして多くの線区で輸送需要がふえているのが実態でございます。そういった意味では、一番の抜本的対策というのは新線の建設等でございまして、そういった意味で埼京線でございますとか京葉線の開業をやっておるわけでございますが、この東中野につきましては、先ほどから御説明していますように、三十九年、五十五年の事故の後は、信号設備の改良を当該地区の線区をやったわけでございます。  しかしながら、この地区はカーブが多いし、坂もあるところでございますけれども、首都圏全般を見ますと、こういった箇所は多々ございます。例を挙げますと、中央線が東京駅を発車してお茶ノ水に入るところ、あるいは中央線が代々木から新宿駅に入るところ、たくさんございまして、そういった中でやはり安全性を確保するためにはATCに匹敵する安全設備の改良こそ急務と考えまして、先ほど御説明した対策を進めさせていただいているわけでございます。
  113. 長田武士

    ○長田委員 そういう点では、やはり私は、構造的にもある程度検討する必要があろうかと考えております。他の路線においても、もっと勾配もあるしあるいはカーブもある、現在事故が起きていないじゃありませんか。同じような事故が三回も連続して起きる。ほかの要因というものは、私はもっともっと究明すべきだと思います。余り安全装置にこだわらないで、もうちょっと運転しやすい環境というものをつくる必要がある、このように考えております。  次に事故原因でございますけれども、先ほど御答弁がございました。現在、警察当局それからJR東日本でいろいろ調査中であるという状況でございますけれども、新聞報道によりますと、ATS装置をボタンを押して手動に切りかえた、手動に切りかえて、そして前の電車の停車しているのを発見するのがおくれてしまった、そのために追突してしまったというのがどうも真相のようでございます。私は、そう考えてまいりますと、今回はいわゆる信号機の構造的な問題ではない、あくまでも人為的なミスの方がどうも強いような気がいたします。そうなりますと、今JRが進めておりますいわゆるダイヤ改正、もちろんJRの皆さんは安全にそして早くお客さんを運ぼうという、そういう点は私は努力は認めますけれども、過密ダイヤがどうもその要因になっておる。いわゆるお客さんをもっともっと迅速に運ぼうというところに力点を置いてしまって、安全確保という点がやや置き去りにされているのじゃないか、そういうことを私はどうも感じざるを得ない。この点については、過密ダイヤとのかかわり合いはどうでしょうか。
  114. 山之内秀一郎

    山之内参考人 今回、まことに申しわけないことでございますが、事故を起こしました当該の中央・総武線にかかわらず、首都圏の区間というのは大変お客が、特にラッシュは多うございまして、これをいかに混乱なく安全にお運びするかということが私どもの企業のいわば最大使命でございます。そういった意味で、技術あるいは過去の経験を踏まえながら安全を前提といたしまして最適のダイヤを組むべく今私ども努力をいたしておりまして、したがいまして、この中央・総武線につきましては、都内の中央快速線は最小の短いところで二分十秒間隔でございますが、設備条件その他を考えて二分三十秒間隔で一番短いところが走っている線区でございます。これはかなり長い前から変わっておりませんし、今回のダイヤ改正以後も同じでございます。  今回の事故が起きましたときには、ラッシュの時間帯が終わりまして列車の間隔が三分、四分になったところでございます。とはいえ、朝のラッシュの影響が皆無とは思えませんので、そういった意味ではこれからもいろいろと勉強していきたいと思いますが、いわゆる過密ダイヤというものがこの事故の直接の原因とは考えておりません。
  115. 長田武士

    ○長田委員 どうも納得できないね、それでは。私は運転者の皆さんからも意見を十分聞きました。やはり相当過密なダイヤで、どうしてもATS装置をそのまま使うということになりますと相当おくれる。信号でもある程度徐走いたしましてなるべく時間を稼ごう、何とか時間どおり運行しよう、そういう運転者心理というのはどなたも持っているようですね。おくれてしまったりなんかしますと勤務評定に影響するというようなことで、運転者は緊張していて当然でありますけれども、一種異常心理状態で運転をせざるを得ない、どうもそれが実態のようであります。現場の声を聞いてみてください。そういう声が頻繁に起きているということも事実なんです。この点についてはもう一度答弁してください。
  116. 松田昌士

    松田参考人 列車のおくれというものが勤務評定に影響しているという声を乗務員の人から私ども直接何回も聞いております。しかしそれは実態と全く違うということは先ほどお答えしたとおりでございまして、こういうラッシュの時間でございますとか単純な停止位置のずれでありますとか秒のおくれでありますとかを、そのままマイナスの勤務評定に結びつけるということはやっておりません。むしろそれをやると、そういった報告が上がってこなくなるわけでありまして、私どもの方はそういった現象、事故といいますか細かいささいな事柄をつぶしていくことが大きな事故をつぶすものであるということから、国鉄から変わりましてどんな細かいことでも全部報告をしてくれということをやっております。そのためには、ささいなことをすぐボーナスに結びつけるとかなんとかとやるとみんな隠されてしまうわけですから、そういうことは一切やっておりません。ただ、そういう誤解を生んでいる部分あるいは乗務員が疑心暗鬼に陥っているという部分があること、そういう声も私どもは十分知っておりますので、そういう面での誤解を解くべくさらに運用面での徹底を図っていきたい、こういうふうに思っております。
  117. 長田武士

    ○長田委員 今常務からお話がありましたけれども、そういう声というのは現場として頻繁にあるんだね。だからそれを信用されない経営者もちょっと悪いんじゃないですか。そういう点では、ないならないと堂々と、経営陣は運転士初めそういう人たちにきちっと話すべきですよ。ある部分では多少あるからそういうことを言われるんじゃないかと私は思っている。そういう点は経営者と第一線の現場との本当の信頼関係というのがどうも国鉄時代と余り変わっていないのじゃないかなという感じが私はするんです。もう民営化されたんですから、経営陣はどんどん現場の第一線へ行ってそういう声をつぶさに聞いて、誤解は誤解としてきちっと解消する、そういう点では信頼関係、きずなをもっと強めないと同じような事故が起きてしまう、私はこのように考えておるわけであります。  次に中央線ですけれども、これは都内でも有数な混雑路線なんですね。ラッシュ時にはATSを切って運転をしないとダイヤを守ることができないと運転士は言っております。運転士の判断でATSを解除するケースのあることを運転士の皆さんは認めているわけであります。確かにATSシステムというのは、安全対策としてはどうも現実としては万全ではないと言わざるを得ない状況であるようであります。したがいまして、ATSの警報が出ていましても五秒以内に確認ボタンを押せば非常ブレーキはかからない、そして運転士さんが自分の判断で進行できるようになっておるわけですね。そうして、一たん確認したボタンを押した後は運転士の判断次第になるというのがどうも実態のようであります。  そこで今度は、後続列車が接近し過ぎると自動的にブレーキのかかる、より安全な、先ほど話のありましたとおりATCが新幹線や山手線には装備されておる、搭載されておるということでございますけれども、実際問題このような過密ダイヤにおいては使えないという状況ですと、ATSはついておっても手動に切りかえてしまう、そのた めにある程度時間を短縮する、ATSをそのまま作動するとどんどんダイヤのおくれを来す、こういう点はダイヤそのものに無理があるということ以外何物もないんじゃないですか。じゃ、ATSの装置をそのまま使って手動運転は一切やらない、そういう列車ばかりだったらどうなんですか。ブザーが鳴っちゃってとにかく列車は時間どおり入れませんよ。そういう装置をつくっておきながら、二分三十秒くらいでどんどん電車を送ってしまう、どっちが悪いんですか。そういうダイヤを組むこと自体が、私は問題があると言っているんです。  過密ダイヤを組むことがお客さんへのサービスのように私たちは誤解しやすい。サービスの面も、電車を待たせないという点については確かにサービスです。しかし、もっともっと危険をはらんでいるということになると、これはサービスにならないよ。危なくて乗れませんよ。そういう点については、いわゆるダイヤの過密化、これによって生ずる危険というのはもっともっと大きいということを私は言いたいんです。ですから運転士の皆さんは、ATSがついていたって全部切ってしまって全部手動だ、そうしないと時間がきちっと守れませんというのは現場の声なんです。この点、どう受けとめますか。
  118. 山之内秀一郎

    山之内参考人 この事故が起きました後、いろいろな報道や意見が出されておりますが、ATSの機能について基本的に御理解が違うんじゃないかと思われる場合が多々ございますので、ここで改めて申し上げさせていただきたいと思うのであります。  ATSというのは、私どもの場合に、一つの人間と機械と一体になったことを前提に昭和四十年ごろつくった設備でございまして、列車が赤信号に近づきますと、場所によって違いますが、ある距離に近づきますとそこでブザーが鳴ります。ブザーが鳴って五秒以内に確認扱いをしないと非常ブレーキでとまります。こういうことは普通は起こりません。要するに乗務員が急病になったとか居眠り状態になったとき以外は乗務員というのは確認ボタンを押します。確認ボタンを押すというのはあくまでも正規の扱いでございますが、これをATSを切るという表現を使っているケースが非常に多うございまして、ここはぜひ誤解を賜らないようにいただきたいのですが、ブザーが鳴った場合にボタンを押して、後は手動に切りかえるということを前提にしたシステムでございまして、これはATSを切るわけでもなければ違法な扱いでもないわけでございます。  ところが、そのATSのもともとのスイッチを全部切ってしまいますと、これはまさしく切るということに相なりますけれども、過去にはそういった苦い経験が皆無ではございませんものですから、私どもはその後いろいろな対策を考えまして、そのATSのスイッチの上にカバーをつけて、普通の状態では乗務員がさわれないようにしたり、あるいは速度が上がりますと車内に、客室まで聞こえる大きなブザーが鳴り渡って警告を出すというような装置を使っておりますので、私どももそういったことのチエックをいたしております。そういった意味ATSを切るというのは万々ないと思っております。また非常に起きにくい状態に相なっておりますので、今の乗務員お話というのは、むしろ確認扱いということと切るという話がやや一緒になったのではないのかなという感じがいたしますし、そういった表現の報道が大変多いのも事実でございます。そういった設備を前提にして先ほどからATSの扱いを御説明しておりますが、そういった正規の操作をやれば、他の特殊な事情がない限り正常なダイヤが運行できることを前提に現在のダイヤはつくっております。
  119. 長田武士

    ○長田委員 それじゃ、東中野はどういう状態だったんですか。ATSは切れたんですか、ブザーのあれを押しただけなんですか、どっちですか。
  120. 山之内秀一郎

    山之内参考人 先ほどから御答弁があったのでありますが、現在あの事故原因究明につきましてはまだ進行中でございますし、特に今回の場合は担当をいたしておりました乗務員が気の毒に亡くなられましたものですからそのときの状況というのはまだよくわからない状態でございますが、前二回の、場所はちょっと離れておりますが、状況は、ATSのブザーが鳴って確認扱いした後、前方の停止信号にとまらずに、いわばうっかりしていたのだと思いますが、前の電車にぶつかったという状況でございます。今回もそういった事態があり得るということは考えております。
  121. 長田武士

    ○長田委員 確認ボタンを押した、これはATSをもとから切ったということじゃなくて、きちっととまるということですね。ATSは、ブザーが鳴ります、確認ボタンを押す、警報がとまる。そうすると手動運転じゃございませんよ、ATSは依然としてきいていますと言っていましたね。そうすると、東中野の場合は何で追突しなければならないのでしょうか。
  122. 山之内秀一郎

    山之内参考人 そうではございませんで、今回は調査中でございますが、前回の事故の場合は、赤信号に近づきますとATSのブザーが鳴ります、そして五秒以内に何もしないと非常ブレーキでとまってしまいます。そこで五秒以内に、ほとんどの場合そうでございますが、乗務員運転台の横のこの辺についておりますが、確認ボタンというボタンを押します。押しますと機械の自動操作は全部動作しなくなります。そこで乗務員は、人間として正常な状態であるという前提で、手動操作で赤信号手前にとまってもらうというのが今のATSの仕組みでございます。
  123. 長田武士

    ○長田委員 その仕組みはわかるのだよ。私が聞いているのは、では東中野の場合はどういうことが考えられるのですか。ATSの装置が作動しておる、しかし列車に追突をするというこの現実、あなたの説明からいくと、そういう点では完壁に手動に切りかえない限りああいう事故は起きないでしょうということなんです。
  124. 山之内秀一郎

    山之内参考人 繰り返しの答弁になりますが、この事故についての原因警察当局を中心にまだ捜査中でございますので私の方から余り憶測で物を申し上げるのはいかがかと思いますが、前回五十五年の事故の場合には、赤信号に近づきましたときに警報ブザーが鳴りました、その後五秒以内に乗務員は確認ボタンを押しました、その後、前方にすぐ赤信号がございますからその手前にとまらなければいけないのをとまらずにうっかりしてぶつかったというのがございますので、同じようなケースというものも今回はあり得ると考えております。
  125. 長田武士

    ○長田委員 調査中ということでございますけれども、そこいらがどうも利用者の皆さんが納得できない大きな要因であろうと思います。そういう意味で、二度と再びこのような事故を起こさないような安全対策確保ということが何といっても大事だろうと私は思います。もちろんダイヤを過密化するのも一つの方法であろうかと思いますけれども、それがただただ利用者の利便、サービスということじゃなくて、安全確保ということが何といっても命だろうと私は思います。そういう点については、どうかひとつ二度とこのようなことが起きないような対策をしっかりやってもらいたい。その決意を運輸大臣住田社長にお伺いしたいと思っております。
  126. 石原慎太郎

    石原国務大臣 冒頭にも申し上げましたが、しっかりやります。
  127. 住田正二

    住田参考人 先ほど申し上げましたように、私どもの事業の基盤というのは安全にあるわけでありまして、安全を高めることが私どもの事業が発展するゆえんである、そのように考えて努力いたしたいと思います。
  128. 長田武士

    ○長田委員 以上で終わります。
  129. 関谷勝嗣

    関谷委員長 河村勝君。
  130. 河村勝

    ○河村委員 けさほどからずっと質疑が続きましたから、大体様子はわかりました。ですから、重複は避けてポイントのところだけ伺いたいと思います。  今も議論がありましたように、ATSにはまだまだ不十分なところがあって、今回のような事故を起こす可能性が残っているわけです。確認ボタンを押して手動になった後は本人の判断によって動かすわけですから、こういうことはこれからもないとは言えない。そこで、ATS―Pというものを新しく開発して、それを中央・総武にも来年には設置するというお話でしたが、ATSATS―P、これは実は私も知らないのです。これの違いをみんなにわかるようにわかりやすく説明してください。
  131. 山之内秀一郎

    山之内参考人 黒板でもないと大変説明がしにくいのでございますが、御勘弁を賜りたいと思いますけれども、最近できたばかりのシステムでございまして、私ごとで恐縮でございますが、先月、このシステムの開発に関しまして、西日本会社社員と総合研究所と私がオーム技術賞をちょうだいいたしましたので、説明能力があるかと思いますので御説明をさせていただきたいと思います。  ATS、今の中央線の場合はB型というのがついてございます。それから通勤区間以外の線区にはATS―S型というのがついているのが大体今のJR各社設備でございます。このATS―B型、S型というのは、先ほど御説明をいたしましたとおり、また先生御案内のとおり警報が鳴りますが、確認ボタンを押した後は乗務員がきちんとした動作をしてくれるはずだ、乗務員は健康上も精神状態も大丈夫なはずだから当然赤信号の手前にとまるはずだ、目の前に見えているではないかということを前提にしたシステムでございます。現にこのシステムをつけた後は、昭和四十年前後でございますが、列車の衝突事故が半分以下に激減したという効果も実際にございましたが、その後、私どもの考えたよりも減りはしましたが、確認扱いをした後の手動操作に入ってから、乗務員がうっかりしたあるいは居眠りしたケースがあったかもしれませんが、列車が衝突した事故というのが何件か起きております。東中野で三回も起きておりますが、そのほかの地区でもあります。したがって、これは効果はあったが決して万全の設備ではないということを私どもは深く認識をいたしまして、ATSそのものの改良、先ほど申し上げましたように電源を入れないということが絶対起きないような電源未投入装置をつけますとか、あるいは一遍ブザーがなってボタンを押した後も、今度はキンコンキンコンという別の音で鳴り続けるというような警報持続装置もつけました。  そこで、一番大事な問題というのは、赤信号に近づいた場合には、人間の判断と操作を排除しよう、赤信号の手前の信号が黄色か青に変わらない限りは必ず自動的にとめてしまおうというのがATC、ATS―Pでございまして、簡単に言えばそういう装置でございます。
  132. 河村勝

    ○河村委員 それだとATSの確認ボタンを押さない状態と同じになってばたっととまってしまうわけでしょう。そうじゃないのでしょう。速度を自動的にコントロールできるような装置になっているのじゃないですか。そうでなければ、過密ダイヤでもってATS―Pで円滑に運転させながら、しかも衝突を防ぐということはできないはずだ。だから、自動的にばたっととまってしまうだけではこれは何の取り柄もないので、そこのところの説明を僕は聞きたいのです。
  133. 山之内秀一郎

    山之内参考人 大変失礼いたしました。説明が足らずに申しわけございません。追加の説明をさせていただきます。  先ほど来の御答弁の中で、電車が単純な新幹線とか山手線の場合は簡単でATCが使えるが、いろんな種類の列車が走るところにATCは使えないという御答弁をさせていただきましたが、その理由に二つございまして、一つは、列車の種類が違いましてブレーキの性能が違いますと、ブレーキをかけてしまった場合にはるか手前にとまってしまったりいろんなものが出てきてぐあいが悪いというのが一つございます。それからもう一つは、貨物列車のブレーキというのはかなり旅客列車と違ってブレーキ性能が悪うございまして、一遍ブレーキかけて緩めた後、もう一遍かけるときかなくなるというような本質的な欠点を持っています。したがって、今の新幹線のATCのように、繰り返しブレーキをかけるものを貨物列車に使いますと、二回目以後は安全装置が働いてもブレーキがかからないという事態が起きる可能性を非常に強く持っています。したがってATCは使えないわけでございますね。  そこで、私どもは苦慮をいたしたのでありますが、結局、要するに乗務員が正規の扱いをしている間は全部乗務員に任せよう。それで、乗務員が正規の動作かどうかということを信号機と列車の位置の間を刻々にはかりまして、コンピューターで計算をして、その車両性能と合わせながらこの時点の速度が何キロを超したときにはもう自動的にブレーキをかけて、いやでも応でもとめてしまう、乗務員が異常な運転をしない限りは機械は一切動作をしないというふうにしたのがATS―Pでございまして、ATCは乗務員が異常であろうとなかろうと機械が動作をいたしますが、ATS―P型というのは乗務員が正常な動作をしている限りは一切機械は顔を出さないのでございまして、ちなみにフランスの新幹線のTGVはこの思想に沿った設備をしてございます。
  134. 河村勝

    ○河村委員 どうもあなたは専門的な知識が過剰なものだからわかりにくい説明するんで、今度の場合に当てはめれば、ATSが働いた地点から、もしATS―Pだったらどういう動きをして事前にとまるか、そこのところをわかりやすく言ってもらえればわかるんで、それができなければ何のことかわからない。
  135. 山之内秀一郎

    山之内参考人 今回の東中野の場合には、列車が近づきまして、正常な操作をしていれば赤信号の手前でとまる範囲内には一切装置は動作をいたしませんが、乗務員がうっかりあるいは居眠りでも万が一していまして、速度いかんによりますが、ある速度、あるところまで来てこれ以上行ったら危ないというところで、そこで自動的にブレーキがかかって信号機の手前でとめるようにしてございます。どこでブレーキがかかるかということはその列車の速度によってコンピューターが計算しますので、かかる地点は変わってまいります。
  136. 河村勝

    ○河村委員 どうもわからない方が悪いのかもしれないけれども、要するに今度の場合、確認ボタンを押した後の手動で六十キロも仮に出していたとすれば、ATS―Pならば直ちに車両の方で六十キロで動かしてはいけないよということで、このまま走っていればとめてしまう、そういうことでしょう。
  137. 山之内秀一郎

    山之内参考人 ATS―Pの場合は、赤信号の手前で乗務員がとまらなければ自動的にとめます。  以上であります。
  138. 河村勝

    ○河村委員 僕は大体粗っぽい話はきのう聞いたんだけれども、どうもあなたのはわかりにくくていけないから、一遍皆さんに納得してもらえるようにマニュアルを出してくださいよ。そうしないと、ATS―Pにかえたから今度は大変よくなるんだという感じが一つもしないんだ。だからそいつをひとつ出してください。いいですね。
  139. 山之内秀一郎

    山之内参考人 提出をさせていただきます。
  140. 河村勝

    ○河村委員 函館の方の事故ですけれども、これは本当にびっくり仰天しているんです。この報告書には「酒気帯び運転」と書いてあるんだけれども、新聞報道によりますと、ビールとしょうちゅうと両方飲んでいて、何百ccとか何リットルとか書いであるけれども、換算すると僕の感じではビールを三、四本、しょうちゅうを三、四合飲んでいるような見当になるんじゃないか。そうなると酒気帯びどころではなくてもう酔いどれ運転としか思えないのだけれども、その辺は一体確認できているのですか。
  141. 橋元雅司

    橋元参考人 本人の供述によれば、前日の勤務が終了した零時十五分から四時ごろまでに一リットルの大瓶を一本半、それから百八十ccしょうちゅうのワンカップというのがあるようでございますが、それを一本飲んだ。なお、長いすでまどろんだところなかなか寝つかれなくて、十時ごろ目が覚めたときに、もう一寝入りしようということで残りのビールの半本分とそれから百八十ccしょうちゅうを飲んだ。二時ごろでございますか、家を出て、三十分くらいの通勤距離のようでございますが、十五時ごろから勤務に入ったということでございます。  事故後、警察の方の捜査では、〇・五ミリリッターですか、何か検知されたということでございまして、あくまでも本人の供述ということでございまして、なお事実関係はさらに究明しなければならぬと思っております。
  142. 河村勝

    ○河村委員 本人の供述でも、それでいくと、一回飲んでちょっと仮眠して後でまたしょうちゅうを一合とビールが半分かな、ということですから相当なものですね。私なんかも随分酒は強い方だけれども、それでも、それなら相当な酩酊状態で乗っていることに相なるわけで、一体そんなのが、点呼もあるわけでしょう、それが乗ってきたというのはよくわからないし、そのことを今ここで聞いてもしようがありませんけれども、ふだんの行状は一体どうなんでしょうかね。貨物会社とそれからJR北海道と両方あるわけですが、この機関士の所属する機関区は五稜郭機関区、そこは貨物単独の機関区ですね。だったら人事管理というのはちゃんとやれるはずだが、一体そういう人間をこのときだけでなしにふだん使っているというのはどういうことなのか。その辺に僕は問題がありそうに思いますが、その辺の調査は警察を待たずにできるんだろうと思いますが、どうなんですか。
  143. 橋元雅司

    橋元参考人 当運転士は五稜郭機関区の所属でございまして、五稜郭機関区はJR貨物会社の所属でございます。本人は、実は昨年の四月に改革に伴って、旅客会社に参りました函館運転所の方から五稜郭機関区へ転勤になった者でございます。したがいまして、今いろいろな本人の管理調書と申しますか、いろいろな書類も取り寄せて私どもも見ておるんでございますが、一年半、新会社となりまして五稜郭機関区でのいろんな評価も、私はやはり不十分な面があったのではないかなと思ったりもいたしております。  本人の話によりますと、四年前ばかりに大病を患いまして長期の入院をして、それまでは大変酒を飲んでいたそうでございますが、以後酒は慎んでおる、また事実弱くなったというようなことを言っておるようでございまして、いずれにしましても、その辺の健康状態あるいは生活環境全般にわたってもう少しきめ細かい把握と、それから日ごろの対話、コミュニケーション、これがやはり欠けるところがあったんではないかなと非常に深く反省をしておるところでございます。     〔委員長退席、亀井(静)委員長代理着席〕
  144. 河村勝

    ○河村委員 恐らくそういうことなんでしょう。これは人事管理を厳重にやってもらう以外にこの種の事故は防ぎようはないわけですね。しかし私は、東中野、函館はある程度事故原因というのは単純であって、防ぐことも可能だと思うのだけれども、先ほども話が出た十月の上越線の事故、これは幸い人命に影響がなかったものだから余り問題になっていないけれども事故としては一番悪質だと僕は思うのですね。貨物列車が脱線して、四十分たった後で対向列車が来てその脱線した貨物列車にぶつかったということでしょう。対向列車貨物列車だったから人への影響はなかったけれども、旅客列車がもし来たとしたら大事故ですね。  これはどうしてこんなことになったのか。直接的には貨物列車機関士が、まず対向列車の来る方の軌道を、信号回路を短絡する機械もあるでしょう、それで短絡して閉塞状態に置いておけばこんな事故は全然起きないわけだけれども、それにしても、四十分もあったのに運転指令の方から何も新しい指令もなくて、それでごく自然に走ってきちゃってぶつかったというのは信じがたいので、先ほど新盛議員が言ったような、動かす方は貨物列車の方は貨物会社、それで運転指令はJR東日本、一体その間の連絡というのは本当にできているんだろうかという心配がやはりあるわけです。特に、だんだん月日がたつと、東日本の方は旅客列車を動かす人しかいなくなっちゃって貨物列車を動かす経験者はいなくなってしまうわけでしょう。ですから、その辺の連係というのが本当にできていないと危険なような気がする。どういう事情があったのか、僕も詳しいことは知らないけれども、そういう感じがしてならない。一体東日本と貨物会社は、この事故の起こった後でこの事故原因について究明をされたのか、それをちょっと聞きたいと思う。
  145. 橋元雅司

    橋元参考人 事故の詳細はもう省略させていただきますが、原因は、現在群馬県警を中心に後捜査が行われておる段階でございますけれども、推定されるものとして、第一の事故は、上りの貨物列車の何両目でございましたか、車軸が異常が発生して折損したということで脱線をした、そこへ第二の事故となりました下り列車が、貨物列車でございますが、突っ込んだということでございまして、第一の事故の後、乗務員はいろいろな防護措置をとったわけでございますが、指令との連絡体制の中で適正を欠くという面がございました。まず、脱線状況の把握を徹底的にやるべきであったにもかかわらずその点がおろそかになった。それから、対向列車に対する防護措置について若干手抜かりがあったのではないかと考えておりますが、いずれにしましても、そういったことで、第二の事故。については、やはり旅客会社とよく運行管理あるいは異常時のいろいろな措置につきまして十分連係をしてやらなければならないと思っております。  私どもの運行につきましては、すべて輸送運行管理は旅客会社にお願いを申し上げておるわけでございますが、そういった意味で、先生のおっしゃるのは大変重要なポイントだと思っておりますので、今後いろいろな場でよく連絡を密にして、そして指令員の知識、経験もさらに豊かにしていただくように私どもも一緒になって努力をいたしたい、こう思っておるところでございます。
  146. 山之内秀一郎

    山之内参考人 ただいま貨物会社から御答弁いたしましたし、先生の御指摘のとおり、企業は分かれても、安全並びに円滑な運行を確保するのが最大使命でございまして、列車乗務員に代表される列車そのものの運行は貨物が担当いたしておりますが、当該線区の、全部そうでございますが、列車運行管理、いわゆる指令に相当する業務はすべて、貨物、旅客の関係なく、私どもJR東日本が担当させていただいております。  今回、まだ捜査中ではございますが、事故の起きた後、列車が分離しているか、脱線しているかということの確認が十分できなかったために、時間もとりましたし、反対列車が衝突をいたしましたことは大変重要でございまして、私どもは深刻に受けとめまして、事故発生後直ちに、緊密な体制をとるべく両社で合同調査委員会設置いたしまして、まず合同調査委員会事故究明をやりますと同時に、両社の専門並びに主要メンバーで合同調査団を編成いたしまして、この事故の現地に乗り込みまして事故の解明に当たっておる次第でございますが、今後ともかように連絡を密にしながら、こういった事故を防ぐように努力をしてまいりたいと思っております。
  147. 河村勝

    ○河村委員 それにしても、最初に言いました、貨物列車機関士が何か連絡をとりに走ったというようなことが書いてあるけれども、反対方向の軌道回路を短絡するというような、こういうときの応急措置としてはやらなきゃならぬことをやってないというのは、これは貨物会社の方の重大な安全管理のミスですね。一体これは、所属はどこの機関区ですか。
  148. 橋元雅司

    橋元参考人 当該運転士の所属は、貨物会社の高崎機関区でございます。  ちょっと言葉が足りませんでしたが、第一の事故原因となりました上り列車が、車軸折損によって脱線し車両が分離する、その際にその運転士は、まず緊急ボタンを押します。そうしますと、周辺の最低一キロの列車はすべてとまるような装置になっておりまして、これは先生御承知と思いますが、TE装置でございますが、それを押したわけでございます。なお念のために対向列車に対する短絡もやればさらに満点だったのじゃないかなと思っておるのでございますが、しかし、その間指令とのやりとりの中で、それを解除した上で最寄りの渋川駅へ入ったらどうかという指示がございましてその列車を動かしたということでございまして、もう少しやればなと思うところがあるという意味でございます。
  149. 河村勝

    ○河村委員 なぜ四十分もたって対向列車にぶつかったかというのは、本当に怖いですよね、幸い旅客列車でなかったからよかったけれども。  いろいろ聞きましたけれども事故というのは続けて起きることが多いし、特に、同じ原因事故というのは起こらないもので、そのことに注意しているとほかの原因で起こるものですから、関係のところは特に注意してほしいと僕は思う。  運輸大臣、参議院の方に行かなきゃならないそうですから、一つだけ伺います。  この一連の事故については、それぞれ今後の対策を講じられるでしょう。ただ、一般論としまして、民営になりまして運輸省の責任というのは、私は、民営になったんだから、業務運営については余計な口出しは極力やらないで、安全というようなそういう面に集中すべきである。会社の方は、安全が大事だと頭にはあっても、やはり商売ですから、どうしても商売の方に頭が向く傾向というのは、これは人間である限りどうしてもできるだろうと思う。だから、先ほどから大臣は、安全は鉄道輸送最大使命だというふうに力説しておられますが、民営になりましてそういうところがありますのでね。  だから、運輸省は、余り一般のことには、興味を持ちやすいけれどもなるべく口を出さないで、安全というのは一番、特に会社が幾つにも分かれていてあるいは連絡が十分でない場合もあるかもしれないというようなこともあるわけですから、そういう方にしっかり目を注いでやるというふうにぜひやってほしいと思うけれども、所見をお尋ねします。
  150. 石原慎太郎

    石原国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。ただ、安全といいましてもいろいろな要因があると思いますが、特に上越線と北海道の貨物線の二つの事故は歴然としたたるみといいましょうか、それが原因でございまして、その責任ある職員はすなわち旧国鉄の職員であることは間違いない。これはやはり国鉄時代のあの狂態に近い混乱の後遺症がまだ残っているのかなという感じがしないでもございませんが、労使ともに襟を正して、反省の上にそういう後遺症を断ち切って、新しい会社として運営され、とにかくお客様のための安全は絶対に図っていただきたいと思いますが、運輸省が口を出すべきものは口を出さなければいけないと思いますけれども、綱紀粛正といいましょうか、たるみを正すのは、運輸省が幾ら口を酸っぱくしてもせんないことでございまして、人事を管理している各JR方々にそれをお願いする以外にないと思います。
  151. 河村勝

    ○河村委員 事故関係の質問はこれで終わりますから、参考人の方、まだ帰るわけにはいかないでしょうけれども、あと国鉄共済年金のことをちょっと聞きたいと思いますので、休憩をしていただいて結構です。  国鉄共済年金の六十五年以降の対策、いよいよ時間が切迫をしてきましたが、運輸省はこの件については権限があるようなないような立場かもしれませんが、やはり清算事業団を持っておられるし、一番JRと密着した近い関係にあるのですから責任は十分あるんだと思いますが、これからどういう段取りでこの六十五年以降の対策をやるつもりでおられるか、それをちょっと聞きます。
  152. 丹羽晟

    丹羽政府委員 ただいま先生指摘のとおり、共済年金の所管は大蔵省ということでございますが、私どもも大変関係の深い立場でございますので、年金担当大臣を中心とします四大臣の懇談の場に加えさせていただきまして、そちらで一生懸命この問題に取り組んでいくつもりでおります。  それで、日本鉄道共済年金の六十五年度以降の対策という問題につきましては、ただいま申し上げました四大臣の閣僚懇談会、正式には日本鉄道共済年金問題に関する閣僚懇談会といいますが、そこで現在鋭意検討を行っているところでございますが、この検討に資するために、昨年の十二月から広く各界の有識者から成る鉄道共済年金問題懇談会、これは大来佐武郎先生が座長でいらっしゃいますが、それを開催いたしまして、ことしの十月七日に最終報告書を御提出いただいたところでございます。  私ども運輸省といたしましては、今後この報告書の趣旨を最大限尊重して、関係方面の御理解をいただきながら、鉄道共済年金の支払いが維持できるように関係閣僚懇談会の場におきまして具体策の検討に一生懸命努めてまいりたい、かように考えております。
  153. 河村勝

    ○河村委員 大蔵省、来ていますね。――いよいよ時間が切迫をしてきたと思うのですが、例の十月に出た年金懇談会の答申を受けて今作業を進められていることだと思いますが、大体どんな段取りでいくつもりですか。
  154. 山口公生

    山口説明員 御説明申し上げます。  懇談会の報告書を十月七日にいただきまして、私どもとしてはその後、四閣僚懇を開いていただきました。そこでは、やはりこの有識者懇談会の書いていただいたところを十分踏まえて対策を検討しなさいという御指示がおりましたので、それから鋭意検討しておるところでございます。  ただ、その懇談会の報告書の中でも、自助努力等をしっかりやらないといけない、これが前提であるというふうにも書かれておりますし、またその後、これは厚生省の方の御担当の年金審議会の方でも一元化の御議論をいただいた際にも、鉄道共済年金の問題については自助努力をよく見きわめないと結論が出せないというふうなことも言われております。したがいまして、私どもとしては鋭意この自助努力の中身を詰めていかなければいけないというふうになっておりまして、六十五年四月からは万全の措置が備わってなければいけませんので、私どもの事務方の気持ちとしましては、ことしの暮れに召集されます通常国会に法案を出させていただきたいというふうに思っておりますので、それまでには間に合わせるように作業を今鋭意やっているところでございます。
  155. 河村勝

    ○河村委員 自助努力ということの内容をどういうものにするかというのが最大のポイントになりそうであります。大体三千億の赤字が出て、そのうち自助努力をどれだけやって、それで国ないしは清算事業団でどれだけ持ってもらって、それで最終的に厚生年金でどれだけ持ってもらうかというような、大ざっぱに言うとそういう格好になると思うのですが、自助努力内容が何か新聞にぽこぽこ出るのですね。あれはあなたがリークしているわけでもないのかもしれないけれども、それでみんな疑心暗鬼で、特に既裁定年金受給者等は非常に心配をしていろいろ言ってくるわけであります。自助努力の中で、時間もわずかしかありませんからまとめて伺いますが、保険料率を上げるということが言われていますが、JR職員の場合には千分の八十四・九五、最高の保険料率ですから、これ以上上げることになると同一給付同一負担という原則からどんどん離れていってしまうと思いますが、その点を一体どう考えているのか。  それから、JRの特別負担を求めるということでありますが、JRも東日本、東海はまずまずとして、それ以外、特に北海道その他の島の鉄道会社はもう事実上赤字会社ですね。こういうものの負担をどう考えるのか。その辺のところは何かぼつぼつ、大体こんなことだというのは出ておりますけれども、今一体、原案として考えておられるのはどういうことなんですか。     〔亀井(静)委員長代理退席、委員長着席〕
  156. 山口公生

    山口説明員 二点についてお尋ねがございましたので、まず前者の保険料の方からお答えしますと、確かに御指摘のとおり鉄道共済年金の組合員の方々の負担は非常に高うございます。ただ、この社会保険でやっております共済年金、厚生年金も同じでございますが、やはりだんだん成熟度に見合いながら保険料をどんどん上げていかなければいけないという宿命みたいなものがあるわけでございまして、他とのバランスはもちろん考えなければいけませんけれども、ある程度の努力をしっかりやらないと、やはり結果的にいろいろ助けるとか、あるいは現に今国家公務員が一万五千円、労使合わせて三万円ずつを応援していますことを考えた場合には、やはり保険料の引き上げも、周りの方々関係者が、そこまでやったのかという感じを出していただく必要があるのではないかというふうに思っております。先生の御指摘の側面というのも、私ども十分考えてはおりますけれども、ただ、だからといって保険料を上げない、そういうことにしますと、かえってこの問題の解決を難しくするのじゃないかというふうに思っております。  それから、JRの負担につきましてどういった原案を持っているかというお尋ねでございますが、これはちょっとまだ私自身も原案を持っておるわけでございませんが、これも先ほどの保険料と非常に似たような性格がございまして、報告書の中にもやはりさまざまな形で各方面の理解と協力を得なければいけない、そういう状況なのだから、JRの負担も考えてみなさい、こういう御指摘があります。といいますのは、それぞれ三島の会社の事情はやはりいろいろあるのでしょうけれども、しかしこの三千億という大きな問題を解決するためには、どこができない、どこはいいとかいうのもなかなか難しい。そうすると結果的には、関係者がみんながそこまでやるのか、そこまでやってくれたのかという感じがないと、やはりこれはまとまらないのじゃないか、非常に難しい点でございますが、そういうところをよく勘案しながら、今後鋭意詰めていきたいと思っております。
  157. 河村勝

    ○河村委員 既にもらっている年金、既裁定年金、これについて、過去の国鉄共済の仕組みの中で、他から著しく有利なものがあるのでそれを削減するんだということであって、それに何%というような数字が新聞に出たりするものだから騒ぎになっておるわけでありますが、この四、五年いわゆるベースアップが国鉄共済の場合はずっと停止されていますから、それで従来高かったものも随分低くなって、平均でいえば今、厚生年金あるいは国家公務員の年金と比べて既裁定年金が有利だという事実はもうなくなっているんじゃないか。絶対額は別として、勤続年限とのバランスで計算をしてみれば、今もらっている年金は一般よりも低いぐらいであって、もう高くはなってないんじゃないかというふうに考えられますが、その点はどう考えておりますか。
  158. 山口公生

    山口説明員 お答えいたします。  端的に申し上げますと、既裁定年金の受給者が厚生年金と比べていいとか悪いとかいう場合に、なかなか比較しようがございません。、ただ、非常にいい方もいらっしゃるし、そこそこの方もいらっしゃる、こういった表現がちょうど当たるのかなという感じがいたすわけです。なぜかといいますと、昔は厚生年金等との計算方式が違いまして、一番最後の報酬に乗率を掛けて年数を掛けるというやり方をやっておった。また、そういうやり方でやるとかえって年金額は低くなるという方もいらっしゃいます。そういう人たちは厚生年金にわりかし似たような形で、定額部分があって報酬比例部分があるという二階建てみたいな形の年金がある。したがいまして、一律に低いのか高いのかということではなくて、人によっていろいろとばらつきがあるというようなことが実情ではないかと思っております。  それで、特に既裁定のところでの議論になっておりますのは、最終俸給のところで特別昇給がありまして、それが年金額にそのまま反映しているというところが、かなり有識者懇でもいろいろ検討をした方がいいんじゃないかという御指摘をいただいた点でございますので、そういった点を中心に今検討を進めております。
  159. 河村勝

    ○河村委員 退職時に、四月一日に特別昇給して、それを基礎にして年金をはじいたというのは乱暴な話で、こういうのが削減されるのは仕方がない、当然だと思いますが、ただ、一般的に大体レベルになってきたものを、何か一律に何%削減するというような感じの報道がなされているので非常に不安を与えているので、今あなたのおっしゃったような突出した部分を、翻訳すれば突出した部分を削ることはやむを得ない、大体そう考えていいわけですね。
  160. 山口公生

    山口説明員 既裁定年金を実額で減らす、例えば二百万もらっていた方を百八十万にするというようなことは実は余り前例がない話でございます。そういったことをする場合には、やはりかなりの理屈づけをして行わなきゃいけないというふうに思っておりますので、一律に云々ということは余り理屈がないのかなという感じを持っております。  ただ、自助努力の中で年金給付の見直しというのは皆さんがかなり注目しておられる面でもございますので、幅広く検討を進めているところでございます。
  161. 河村勝

    ○河村委員 ちょうど時間が終わってしまいましたが、厚生省せっかく来ていただいたので聞きますが、これは年金審議会の答申が、とにかく自助努力内容と金額が明確になったらもう一遍審議会に持ってこい、こういうことになっておるので、返事を聞いても大体そんなことなんだろうと思いますが、この書き方は、要するに自助努力内容等が明らかになって、それがおおむね納得のいくものなら厚生年金からも応援しましょう、あるいは一緒にやりましょう、そういうことだと考えてよろしいわけですね。
  162. 松本省藏

    ○松本説明員 お答えを申し上げます。  先生指摘にありました年金審議会、これが十一月の下旬に年金制度の改正についての意見書を提出されたわけでございます。その中で、厚生年金というのは被用者年金の中でも非常に大きな制度でございますが、七十年の一元化に向けての物の考え方というものを整理されまして、七十年一元化のときには同一給付あるいは同一保険料率の新たな単一の被用者年金制度というものをひとつ考えていったらどうだろうかという構想の御提示がございました。それとの整合性がとれるような形で、六十五年段階で被用者年金各制度間の負担の不均衡の是正というようなものが行われるのであれば、それはそれでいいのではなかろうか、負担の不均衡の是正を行う場合の具体的な範囲というのもお示しをいただいているわけでございます。  ただ、それを実際やるかどうかにつきましては、今先生お話にありましたように、特に結果として恐らく財政的にもらいに回るであろうと予想されております国鉄共済年金、こちらの問題の具体的な自助努力内容、程度、こういうようなものがはっきりした段階で改めて年金審議会の意見を述べさせていただきたいということで、最終的な判断を保留しているというような状況でございます。したがいまして、年金審議会がどういうふうにお答えを出すかというのは、当面国鉄共済関係の方の自助努力内容いかんということになっているのではなかろうかと考えております。  以上でございます。
  163. 河村勝

    ○河村委員 時間が来ましたから、終わります。
  164. 関谷勝嗣

  165. 中路雅弘

    中路委員 大臣が参議院の方に行っておられるようですが、質問を続けたいと思います。  東中野列車衝突事故については、翌日の六日に決算委員会で質問をさせていただきましたが、その際に、八年前の八〇年の十月十七日の同種の事故についての東京地裁の判決、重要な問題が二点指摘をされています。一つは、過密ダイヤのため、運転士にはダイヤの乱れを回復するため、先行電車との間隔をなるべく詰めようとする意識が運転操作に影響を及ぼしたという点と、もう一点は、事故現場は以前から衝突事故の危険性が指摘され、かつ保安設備ATS等は不十分だということが述べられていますが、六日の質問で、それ以後八年間、この指摘についてほとんど何らの改善がなされなかったというところに重要な背景の問題があるのではないかということを質問させていただきました。  運輸大臣のきょうの報告にもありますが、一九九一年末までに導入することになっていたATSのP型、改良型の導入を早めて来年度じゅうに導入するという答弁をいただいたわけですけれども、最初にこのことでもう一問お聞きしておきます。  JR東日本で、今このATSのP型、速度照査式と言われていますが、これが設置をされている箇所はどこかということと、比較して、関東の大手私鉄でいいんですが、この設置状況はどうなっているかということをお尋ねします。
  166. 丹羽晟

    丹羽政府委員 二番目の問題につきましては後ほど地域交通局長の方から答弁申し上げると思いますが、JR関係のところでございますけれどもJR東日本の首都圏における速度照査式ATS設置状況は、ことしの十二月に開業いたしました京葉線の四十七キロでございます。なお、JR東日本はATCも設置してございますが、先ほど来のお話のように、山手線ほか六線区百八十四キロメートルでございます。
  167. 阿部雅昭

    ○阿部政府委員 関東の大手私鉄七社におきます状況は、全線にわたりまして速度照査式ATSまたはATCが設置されておりますが、速度照査式のATS、これは七社で一千八十五キロメートル、それからATCが二社で十一キロメートル、合計千九十六キロになりますが、このような設置状況でございます。
  168. 中路雅弘

    中路委員 今御報告のように、関東の大手私鉄で見ますと、全社これが設置されている。一千九十六キロですね。JR東日本で見ますと京葉線だけですね、P型だけで見ますと。八年前に既に今のこのATSが不十分だということを指摘されていたわけですし、もともと国鉄はずっと以前は私鉄よりもこうした施設は進んでいたわけですね。最近全くこういう点で、私鉄では既に全線設置をされているにもかかわらずまだこれがおくれている。今度の事故で前倒しをしてやっと来年度に設置をするということですが、何よりも交通安全の問題、これが輸送機関の生命でありますから、JRがこうした利潤本位に走らないで何よりも安全第一で、ここにおける投資を急いで、こうした事故再発防止のための施設の設置について一層の努力をしていただきたいし、運輸省の指導もやはりこの面で一層の強力な指導が必要ではないかと思いますが、もう一言運輸省の方から。
  169. 丹羽晟

    丹羽政府委員 JR各社におきまして、輸送の安全の確保という問題につきましては、私どもにいただいております毎年の事業計画の中でも経営の基本の問題として位置づけておりまして、安全対策を一生懸命やっているというところでごいます。  それで、ただいまのATSの投資の問題でございますけれども、先ほど来この委員会におきましていろいろと参考人の答弁がございましたように、JRは私鉄の各線区と若干性質が異なりまして、いろいろな列車が走るとかそういったような状態もございますので、ATSの機器の内容につきましても新しいものを開発するということをいろいろやっていかなければならない面がございまして、そういうようなこととか、そういうことの技術上の問題とかいうこともあって、現在設置しているATS、これは事故のありました線区ではB型だったと思いますが、そういうことで設置していたわけでございます。これも先ほど来から御説明がありましたように、やっとそこの新しい改良型の開発ができましたものですから、ことしの九月から六十六年度という完成の予定で新しい改良型のATSを入れるということを決めていたわけでございますけれども、それをさらに前倒しをして当該線区の問題につきましては来年度末までにするということを決めたわけでございます。  これは東日本の問題でございますが、同じような大都市圏の輸送を持っております西日本も、その関連の輸送密度といいますか、列車の本数の多いそういう線区から優先的にATSのP型という改良型を導入するということを決めております。私どももそういう方向の指導を十分これからも続けていきたいと思っております。
  170. 中路雅弘

    中路委員 八年前に既にこのB型が不十分だということを指摘をされて、そのまま改善されなかったわけですから、この点は一層ひとつ全国的に促進されるように要請をしたいと思います。  もう一点、地裁の判決で述べられている中で、八年前の事故の背景とも言える過密ダイヤ再検討の問題ですが、先ほどからいろいろこの問題について論議をされています。六日に私が、この十二月一日のダイヤ改正、三分四十五秒ですか短縮をした以後のおくれの問題について取り上げましたら、まだダイヤ改正から間もないからもう少し様子を見てとか、あるいは今後新しい機器の導入で安全管理を行って、それでもだめなら過密ダイヤを含めて総合的に見直したいというような答弁もありましたけれども、それ以後今日までのダイヤのおくれ、時間もあれなんでいただいた資料で見ますと、「JR中央線東中野駅を中心とした朝のラッシュ時(七・〇〇~九・〇〇)のダイヤの遅れ状況」を見ますと、これは一日から十二月十三日までですね、十二月八日の一番大きいところで二十一分、その他でも四分から十一分ずっとおくれが続いているわけです。そしてけしからぬのは、私がいただいた資料で、おくれの原因として着膨れと書いてあるんですね。それだけなんですよ。これでは八年前に判決で、過密ダイヤということも一つの背景にあるんだという指摘をされながら、十二月一日からずっとまた連日おくれているんですよ。  先ほども論議になりましたけれども、特にこの遅延の回復ということで乗務員に対する種々の制裁やあるいは始末書等、こうしたことが強要されているという話も出ました。先ほどJRの山之内副社長は、おくれと処分とは別だ、誤解があるんだという意味のことを言っておられましたけれども、私も現場で実際に運転している人たちに、改めて六日以降懇談をして意見を聞きました。事実こうしたことが頭にあって、おくれを取り戻して始末書を書きたくない、こういう焦りもあるんだということもはっきり言っているわけです。今のこうした過密の中で、増発しようとすればスピードアップしかない。それで駅の間隔が首都圏は短いですから、結局ホームへ入るとき、進入と出るところでスピードアップしなきゃいけないという問題が指摘をされていますが、私はこの点で、もちろん全体の、首都圏の交通体系を整備していくという問題と絡むわけですけれども、少なくともこの過密ダイヤの問題を、今度の事故再発防止の中の検討の中で、やはりもう一度再検討すべきじゃないかと思うのですね。  一般の新聞も書いているのですよ。読売新聞は、社説で過密ダイヤの再検討ということを言っていますし、毎日新聞も、この背景の問題でこの問題を言っています。朝日新聞は「「ベテラン運転士をはずし、不慣れな運転士が増えたため、初歩的なミスが目立つ。合理化によって点検回数も減らされた」という見方から、大きな事故を心配する声も根強くあった。」ことを指摘して、「目先のもうけに走って安全への投資を怠っては困る。」ということも、一般のマスコミ等も述べているところなんですね。  そういう点で、六日の私の質問では、もう少し、まだダイヤ改正から数日なので、様子を見てからというお話もありましたけれども、改めてこの再発防止の問題と関連して、今のダイヤの問題も検討をすべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
  171. 久間章生

    ○久間政府委員 ダイヤの確保というのは大事でございますけれども、そのために安全性を怠っちゃいかぬわけでございまして、その辺は十分配慮しながらやっていかないといかぬと思っております。  ただ、今回の事故原因につきましては今調査中でございまして、この原因究明を徹底的に行うときに、この種の事故が再発しないためにはどうすればいいか、十分指導しながら研究してまいりたいと思っております。  ただ、先ほどちょっと先生おっしゃられましたけれども、今回は一番のラッシュを過ぎておりまして、少し時間帯が長くなった時期に事故が起きているわけでございまして、その辺も含めて今原因を一生懸命調査中でございますので、その過程の中で、今後とにかく起こらないように一生懸命指導してまいりたいと思っております。
  172. 中路雅弘

    中路委員 八年前にもこのことが、過密ダイヤのために運転士の意識が運転の操作に非常に影響を与えた、ダイヤ回復するためのですね、ということが指摘されているのです。そういう意味でも、ひとつこれからの、この事故原因、それから再発防止対策の中で、この問題を改めてひとつ、関係組合からも要請が出ている問題ですから、検討していただきたいと思います。  これも六日に取り上げた問題ですが、改めて確認をしておきたいと思います。  清算事業団の職員の雇用の問題です。六日には、十一月一日現在で四千二百九十二名と清算事業団からお話がありましたが、その数字は変わらないか、現状はどうかということと、六日の質問では、追加採用の時期は今調整中だというお話がありましたが、決定されたようなんで、第三次の追加採用、その中身について御報告いただきたい。
  173. 丹羽晟

    丹羽政府委員 まず第一点の、清算事業団職員でまだ再就職先が決まってない未定の方の数は、十二月一日現在で四千百五十人でございます。それから、広域追加採用のスケジュールの問題でございますが、JRの本州の会社と四国の会社、それから貨物会社、そういった会社で今月の十九日から募集をするわけでございますけれども、その募集期間は十二月の十九日から来年一月二十三日までの五週間、採用決定が六十四年、来年の二月の末ごろ、採用予定日は来年の四月一日、そういう予定になっております。
  174. 中路雅弘

    中路委員 今お話聞きますと、本州三社、四国、貨物ですね。北海道九州、非常に多いですね。ここは採用枠を超えてもひとつ採用すべきじゃないかということを私たちは申し入れでもお話をしておりましたし、この点からは大変不十分だと思いますが、第三次に踏み切られたわけです。  聞くところによると、東日本等はこの採用について条件をつけられている。例えば三カ月間の出向を義務づけるとか条件にするとか、あるいは試験ですか、筆記試験等もやられるとか、これまでどおりの条件で当然採用すべきではないかと私は思いますが、この点が一点。  それから四月一日となりますと、これまでもありますが、子供の特に転入学ですね、そういった点で引っ越し等大変苦労されるわけです。こうした問題について文部省や教育委員会関係等の協力がぜひ必要なわけですが、この点はどのようにされているか。
  175. 丹羽晟

    丹羽政府委員 ただいまの御質問の第一点でございますが、東日本の「募集要項」というのが今手元にございますけれども、「採用時の勤務予定箇所」というところでは「東京地区または東京周辺地区における、当社の命ずる箇所とします。」ということでございますので、出向その他の表現は別にございません。  それから、採用のときに採用試験が行われるわけでございますが、この問題につきましてはJRが自分の職員を雇うわけでございますから、企業がどのような職員を雇うかということを企業自身が判断してやっていく問題だと考えております。
  176. 中路雅弘

    中路委員 三カ月の出向の条件というのは外されたようですが、こうした試験が新しい採用に当たっての差別や選別、そういうことにならないように特にお願いしたいのと、もう一点さっきの質問の中でお答えが……。
  177. 丹羽晟

    丹羽政府委員 失礼いたしました。第二点の引っ越しの問題でございますが、昨年の広域追加採用の際にも、引っ越しなどの問題につきましては十分な配慮がされたところでございまして、今回の追加採用に当たりましても、関係機関と十分な連絡をとりまして円滑に行われるということと理解しております。
  178. 中路雅弘

    中路委員 今度の追加採用、大変不十分な点も多いわけですから、これを最後にしないで、今の清算事業団に収容されている職員の全員雇用を確保するように今後ともひとつ努力をしていただきたい、このことを改めて要請をしておきたいと思います。  限られた時間ですので、私はきょう短時間ですが別の問題で、一般質疑ですから。  いわゆるBアンドGの施設建設ですね、ブルーシー・アンド・グリーンランド、この財団の運営について一言お尋ねしたいと思います。  笹川良一氏が会長の財団ですが、御存じのようにモーターボート競争法の制定二十周年記念事業として設立され、その活動資金のほとんどはモーターボート競争の収益金の配分に依存しております。毎年六十億近い膨大な公金が提供され、その財源で今全国既に、私調べましたら三百二十五市町村で地域海洋センターと称する体育館、プールなどがつくられているわけです。  今多くの国民がスポーツに親しんで、その機会を求める要求が強いにかかわらず、スポーツ施設が我が国は非常に貧困だというそういう状況の中で、この施設に対する財源のない地方自治体にとってはこれは非常に魅力的なものになって要望も強いわけですけれども、この財団によるスポーツ施設の建設が、公金を使っての極めて公共性の強いものですから、私はこの問題についてもっと公的な規制といいますか監督、これを十分にやってもらう必要があるという立場から、きょうは一つだけお尋ねします。  最近、この施設の建設の不可欠の条件として当該自治体議員の全員の同意署名が強要されていることが各地で出ています。運輸省としてこうした議員全員の署名を条件にする、こういうことが行われていることを掌握されているのか。事実であるとすれば、これは地方自治の点からも、また地方議会議員の法の審議権という点からも見過ごすことができない問題だと思いますが、いかがですか。
  179. 塩田澄夫

    ○塩田政府委員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘がございましたようなブルーシー・アンド・グリーンランド財団におきまして、地域海洋センターの建設の要件といたしまして、市町村議会の議員の全員の署名を強要しているかどうかというお尋ねだと思いますが、私ども調査いたしましたところ、そのような事実はないと承知しております。
  180. 中路雅弘

    中路委員 きょう持ってきましたが、では一例だけ具体例で挙げましょう。  これは北海道の上富良野町でありますけれども、六十三年度に財団の地域海洋センターの建設の希望の名のりを上げたわけですが、財団に申請しましたところ、本年度は適地と判定されませんでしたので了承してくれという通知があります。これは町長あての通知の写しですが、そしてその後に審査結果というのが出ているわけですが、適地として審査が得られなかったのですね。その理由を一つだけ挙げています。理由は、海洋センター誘致に対する議員全員の同意が得られなかった、私たちの議員が一名いますが、反対したということを理由に挙げているわけです。全く前近代的なやり方ですね、こういう審査は。例えば、最近も山梨県の白根町の場合、反対した議員に対するリコール運動を起こすというような事態も起きています。これは思想、信条に対する自由を奪うものと言わなくてはならないわけです。BアンドG財団の施設建設に当たっての募集要項には、こうした条件は全くないわけですけれども、実際に審査の基準としてこうした当該自治体の全員の同意署名を明記しているということは大変けしからぬことだと思います。公金を使っての施設建設にこのような選考が行われてはならないと思いますが、運輸省の見解はいかがですか。
  181. 塩田澄夫

    ○塩田政府委員 ただいま先生から御指摘がございましたように、市町村議会の議員の全員の署名が要件になっているのではないかという点でございますが、私ども調査しましたところ、現在この財団が地域海洋センターの建設問題を検討いたします際に専門委員会を設けまして、その中で現地調査等によって審査をしまして、最終的にその審査結果をもとに建設の可否を決定をしているわけでございますが、その際でき上がる施設ができる限り多くの住民に有効に利用していただける見通しがあるということを考えているわけでございまして、この関係で応募市町村からの自発的な市町村議会議員の署名の入った陳情書あるいは同意書等が提出されることが多いということはございます。このようなものが提出されますと、財団サイドといたしましては、このような地域において地域海洋センター建設に非常に熱心であるという心証を得るというような面はあるかと思います。ただ、冒頭にお答え申し上げましたように、そのようなことは要件としてはおりません。  それから、ただいま御指摘がございましたような審査結果を通知するという手続をとっておりますが、そこでその表現に適切でない面があったかと思いますが、私どもは基本的にはそのようなものは要件として要求をさせていただいていることはないと理解をしておりますし、これからもその方針で対応したいと考えております。
  182. 中路雅弘

    中路委員 一件だけ事実出たから、きょうお渡ししますけれども、これは公文書なんですね。BアンドGの財団、会長笹川良一の名前で、六十三年度海洋センター建設希望地の審査結果についてという上富良野町長酒匂さんあての文書です。その文書の中で、審査結果として該当しなかった理由に、ただ一つ、全員の議員の同意が得られなかったということだけを挙げているのです。これは間違いですね、こういったことはあってはならないということを確認されますか。
  183. 塩田澄夫

    ○塩田政府委員 その内容につきましては、審査結果を通知する方法としては不適当であったというふうに考えます。
  184. 中路雅弘

    中路委員 大臣が来られましたけれども、今までの論議の経過がわからないので、せっかく来られましたけれども、私は続いて今の局長にもう一問お聞きします。  私たちの調査によりますと、きょうは時間が限られていますから例を挙げませんけれども、こうしたBG財団側のいろいろな不当な強要、それとともに希望者が多いですから、ものすごい過剰な陳情合戦といいますか市町村による過剰な接待、これは数々の例があります。改めて機会を見て取り上げますけれども、私は、こうした公の施設の建設に当たっての選考についてもっと客観的な基準を明らかにして、この基準を公開して公明正大に行う必要があると思うのです。運輸省はこうしたことについて監督が大変不十分だ。これだけの公金を使って毎年やる事業ですから、少なくともこの際、この採用の客観的な基準を明確にしてほしい、その基準に照らして審査をする、それを要請したいのです。
  185. 塩田澄夫

    ○塩田政府委員 御指摘のように、基準を明確にして募集することは望ましいことだと私どもは考えております。現在も毎年度、募集要領を作成いたしまして、これを関係の市町村に対して送付しております。  その中で書いておりますことは、地域海洋センターが積極的に市町村民のスポーツ、レクリエーション活動を振興し、効率的な活用がなされるかどうかが審査の方針である旨を明らかにしておりますとともに、また、市町村側から提出してもらう必要がある資料、具体的には敷地面積などの基本的事項等については一つの目安を明らかにしておりますし、また、用地獲得の確実性、利用可能な水域の概要、付近の交通機関とのアクセス、地盤条件等について審査を行うということを明示しておりますので、基本的なことにつきましては十分に明らかにしていると思います。  なお、審査を受ける側の市町村にとって審査が受けにくい、応募がしにくいという面があれば、今後も必要に応じて改善をしてまいりたいと考えております。
  186. 中路雅弘

    中路委員 取り上げましたこの上富良野については、こうした審査が誤りだということを明確にさせていただきたいということを要請しておきたいと思います。  もう時間が来ましたので、二、三問だけお聞きして答弁をいただいて終わりたいと思います。  別の問題ですが、これはことしの三月の委員会で取り上げた問題ですけれども、先ほど首都圏の整備のことで、運輸大臣も六十年七月の運輸政策審議会の答申七号、東京圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画についてお話になりましたけれども、複々線化や新線の建設について触れています。この中でいずれも触れている問題ですが、一つは武蔵野南線の旅客化の問題です。これは国会でも先日取り上げまして、丹羽審議官が川崎市と連絡会的な会合を持ってやっていきたいというお話だったのですが、現在まだこの会合は開かれていないということを聞いています。川崎市も、六十三年、四年、五年の三年間でこの客車化についての基本計画をつくる予定になっていますので、この時期にひとつJRと十分な協議を行って、この問題については交通問題解決の重要な柱になっていますし要望も強いので、具体化について促進をしていただきたいというのが一点です。  もう一つは、同じこの審議会の答申にあります二俣川から新横浜―下末吉―川崎という鉄道の新設です。さらにそれから、川崎から臨海部への新設の検討というのがありますが、これはどのように今検討されているのかということと、ほぼ同じ路線ですけれども、最近、京浜急行の大師線の全面地下化が具体化されようとしています。都市計画決定がまだ、今年度じゅうですが、計画が決まれば事業認可の手続をとると思いますけれども、この計画について御存じであれば内容をお知らせいただきたい。  この三つの点についてお尋ねして、質問を終わりたいと思います。
  187. 丹羽晟

    丹羽政府委員 まず第一点の武蔵野南線の旅客線化の問題でございますけれども先生ただいまお述べになられましたように、前のその三月のときの私の答弁の中で申し上げましたように、JR東日本と川崎市で今の問題につきまして調査研究を行う場として連絡会的な会合を持つ、こういうことまでは決まっているというふうに聞いておりますが、何か諸般の事情があるようでございますので、今までまだ開かれていないという状態であるようでございます。
  188. 阿部雅昭

    ○阿部政府委員 運政審答申でございました二俣川から川崎さらに臨海部に至る方面の路線についての検討状況でございますが、県、横浜市、川崎市というところで委員会を設けて検討しているというふうに聞いております。  京浜急行の大師線の立体交差化事業の関係でございますが、これは現在関係者間、川崎市あるいは京浜急行ということでございますが、検討中の段階でありまして、まだ確定した計画になってはおりません。ただ、現在検討されております案といたしましては、川崎市と京浜急行とで川崎縦貫道の建設に関連いたしまして立体交差化する、それの計画につきましては、小島新田と川崎大師間は現在のルートで、それから川崎大師から京浜急行の川崎間につきましては、現在線の南側に移しまして、国道百三十二号線を経由して現在の京急川崎駅南端部で交差するというルートで検討がされているということで、小島新田駅付近を除きまして全部を地下化にするという案での検討が進められているという状況と聞いております。
  189. 中路雅弘

    中路委員 それでは終わりますけれども大臣が来られたので最後に、最初の私の質問で東中野事故の問題で、先般、大臣ATSの改良型は来年度に前倒しでやるというお話もありました。この問題で私、きょう私鉄の方と比較して質問したのですけれども、私鉄の方は関東大手が全部入っているのですね。JRの方は大変この点ではおくれていますから、前倒しはいいのですけれども、やはり西日本も含めて、特に都市化された地域においては、こうした安全施設について特段の指導をしていただいて、何といっても安全が第一ですから、もうけ本位にならないでこうした安全面における投資を十分配慮して、早急にこうした事故が再び起こらないよう、施設の面からの改善をひとつお願いしたいのと、先ほどは、過密ダイヤの問題をこの再検討のときに改めて再発防止の中で検討してほしいという要請をいたしましたが、最後に大臣にこれについて御見解をお聞きして、終わりたいと思います。
  190. 石原慎太郎

    石原国務大臣 やはり安全の確保を踏まえてのお客の信用あっての企業でございますから、東日本だけではなしに、西日本もやはり同じ安全装置ATS―Pの前倒しの実施を決心したようでございますし、多角的に、ともかく最大眼目でございます安全の確保を獲得するように、これからも強い姿勢で指導していくつもりでございます。
  191. 中路雅弘

    中路委員 終わります。
  192. 関谷勝嗣

    関谷委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時五分散会