○
猪熊重二君 当時の
国会における
審議は、衆議院で六回の外務
委員会が開かれたんです。この六回の外務
委員会のうち、四回の期日において今の国連報告の問題が討議されたんです。
参議院においては四回の期日がありまして、このうち二回の期日において国連報告の即時公表の問題が取り上げられたんです。言うなれば衆参外務
委員会全部で十回のうち、この問題が取り上げられたのは六回取り上げられているんです。この六回取り上げられている各回において、安倍外務大臣及び山田国連
局長が、国連に報告したときは直ちに
国会にも報告しますと、こういうふうに答弁しておられるんです。それを単に不適切だとか過ちであったとかということでくるくる変えられたんじゃどうにもしようがない。
私はまず読みます。
衆議院の方において山田国連
局長の答弁、「条約の実施に関します
政府報告、これは公に公表する報告でございますので、私どもとしては、報告をいたしました場合には、それをいつでもどなたにでも手に入るようにいたしたいと思います。」。それから安倍外務大臣、「これは御要望があれば、その都度
国会に報告いたします。」。国連
局長、「国連に報告いたします報告は、直ちに
国会の方にも御提出申し上げたいと思います。」。これは全部期日が違うんですよ。それから同じく山田国連
局長、「国連に報告を提出いたしました際には直ちに公表するようにいたしたいと考えております。」。安倍外務大臣、「本条約の実施
状況につきましては、国連に提出する報告は
国会の方にも報告する考えであります。」。これだけのことをおっしゃっておられる。
そして最後に、
参議院の外務
委員会において附帯決議がなされた。この附帯決議には、「この条約第十八条により、
政府が国際連合事務総長に報告を提出したときは、これを当
委員会に報告すること。」という附帯決議がなされている。この附帯決議に対して安倍外務大臣は、「ただいま採択された御決議につきましては趣旨を十分尊重して、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の精神にのっとり、」「今後とも一層努力を重ねてまいる所存でございます。」と、これだけ答弁しておる。
それにもかかわらず、これが不適切だったとか過ちだったとかという一言で変えてしまわれるんだったら、
国会審議を何と考えておられるんですか。
国会審議において、十回の
国会審議において
政府側が答弁したその内容が、次の内閣になったらくるっと変わってしまうというふうだったら、十回の衆参外務
委員会の
審議はどういう
意味があるか。これは、条約を承認する際にこういう
政府答弁をしておいて、そして条約を承認の議決をとっておいて、
国会の議決を経ておいて、後になって中身を変えられたんだったら
国会の
審議とは一体何なのか。重大な問題だ。
時間がありませんので、
総理、この見解について、私は中曽根内閣、安倍外務大臣のこの方針は非常に立派な方針だと思う。これについて中曽根内閣を承継する
竹下内閣としていいところは大いに承継してもらいたい。
総理の見解を伺いたい。ただいまの外務大臣の見解は、私に言わせれば
国会審議を全く無視する間違った答弁であると思います。
総理の答弁をいただきたい。