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1988-05-18 第112回国会 参議院 本会議 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年五月十八日(水曜日)    午前十時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第十八号   昭和六十三年五月十八日    午前十時開議  第一 国務大臣報告に関する件(昭和六十一年度決算概要について)  第二 沖縄振興開発特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第三 昭和六十一年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)(第百八回国会内閣提出、第百十二回国会衆議院送付)  第四 昭和六十一年度特別会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)(第百八回国会内閣提出、第百十二回国会衆議院送付)  第五 昭和六十一年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額調書及び各省庁所管経費増額調書(その1)(第百八回国会内閣提出、第百十二回国会衆議院送付)  第六 昭和六十一年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)(衆議院送付)  第七 昭和六十一年度特別会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)(衆議院送付)  第八 昭和六十二年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)(衆議院送付)  第九 昭和六十二年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額調書及び各省庁所管経費増額調書(その1)(衆議院送付)  第一〇 昭和六十一年度一般会計国庫債務負担行為調書(その1)  第一一 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第一二 平和祈念事業特別基金等に関する法律案内閣提出衆議院送付)  第一三 昭和六十二年度における国家公務員等共済組合法年金の額の改定特例に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第一四 土地区画整理法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第一五 郵便年金法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第一六 国民健康保険法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第一七 児童扶養手当法等の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第一八 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第一九 戦傷病者戦没者遺族等援護法及び戦没者父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第二〇 厚生年金保険法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第二一 国立学校設置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第二二 昭和六十二年度における私立学校教職員共済組合法年金の額の改定特例に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第二三 地方交付税法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、国家公務員等任命に関する件  一、日程第一より第二三まで  一、国会議員の秘書の給料等に関する法律の一部を改正する法律案衆議院提出)      ─────・─────
  2. 藤田正明

    議長藤田正明君) これより会議を開きます。  この際、国家公務員等任命に関する件についてお諮りいたします。  内閣から、原子力委員会委員大山彰君を、  原子力安全委員会委員都甲泰正君を、  日本銀行政策委員会委員両角良彦君を それぞれ任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。  まず、原子力委員会委員任命について採決をいたします。  内閣申し出のとおり、これに同意することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  3. 藤田正明

    議長藤田正明君) 過半数と認めます。  よって、これに同意することに決しました。  次に、原子力安全委員会委員任命について採決をいたします。  内閣申し出のとおり、これに同意することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  4. 藤田正明

    議長藤田正明君) 過半数と認めます。  よって、これに同意することに決しました。  次に、日本銀行政策委員会委員任命について採決をいたします。  内閣申し出のとおり、これに同意することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  5. 藤田正明

    議長藤田正明君) 過半数と認めます。  よって、これに同意することに決しました。      ─────・─────
  6. 藤田正明

    議長藤田正明君) 日程第一 国務大臣報告に関する件(昭和六十一年度決算概要について)  大蔵大臣から発言を求められております。発言を許します。宮澤大蔵大臣。    〔国務大臣宮澤喜一登壇拍手
  7. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 昭和六十一年度の一般会計歳入歳出決算特別会計歳入歳出決算国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、一般会計におきまして、歳入決算額は五十六兆四千八百九十一億円余、歳出決算額は五十三兆六千四百四億円余でありまして、差し引き二兆八千四百八十七億円余の剰余を生じました。  この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計昭和六十二年度の歳入繰り入れ済みであります。  なお、昭和六十一年度における財政法第六条の純剰余金は一兆七千六百十五億円余となります。  以上の決算額予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額五十三兆八千二百四十八億円余に比べて二兆六千六百四十三億円余の増加となりますが、この増加額には、前年度剰余金受け入れ予算額に比べて増加した額五千四百五十七億円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、歳入の純増加額は二兆千百八十六億円余となります。その内訳は、租税及び印紙収入等における増加額二兆三千五百八十六億円余、公債金における減少額二千四百億円余となっております。  一方、歳出につきましては、予算額五十三兆八千二百四十八億円余に、昭和六十年度からの繰越額五千四百三十三億円余を加えました歳出予算現額五十四兆三千六百八十一億円余に対しまして、支出済み歳出額は五十三兆六千四百四億円余でありまして、その差額七千二百七十七億円余のうち、昭和六十二年度に繰り越しました額は五千九十三億円余となっており、不用となりました額は二千百八十四億円余となっております。  次に、予備費でありますが、昭和六十一年度一般会計における予備費予算額は二千億円であり、その使用額は千九百四十五億円余であります。  次に、昭和六十一年度の特別会計決算でありますが、これらの決算内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。  次に、昭和六十一年度における国税収納金整理資金受け入れ及び支払いでありますが、同資金への収納済み額は四十二兆五千八百九億円余でありまして、この資金からの一般会計等歳入への組み入れ額等は四十二兆五千六百六十二億円余でありますので、差し引き百四十七億円余が昭和六十一年度末の資金残額となります。これは、主として国税に係る還付金として支払い決定済みのもので、年度内に支払いを終わらなかったものであります。  次に、昭和六十一年度の政府関係機関決算内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。  以上が、昭和六十一年度の一般会計歳入歳出決算特別会計歳入歳出決算国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書概要であります。  何とぞ、御審議のほどお願い申し上げます。(拍手)     ─────────────
  8. 藤田正明

    議長藤田正明君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。及川一夫君。    〔及川一夫登壇拍手
  9. 及川一夫

    及川一夫君 私は、日本社会党護憲共同を代表し、議題となった昭和六十一年度決算と当面する我が国の諸問題について、竹下総理並びに関係大臣質問をいたします。  まず、私は、大きな柱の一つとして、当面の諸問題について、緊急的な意味を含め、総理の所信をただしたいのであります。  その一つは、奥野国土庁長官日中関係に関する発言及びその発言が巻き起こした政治問題について、総理がどのように対処されたかの問題であります。  奥野長官は、竹下内閣の発足に当たって、総理みずからが副総理格あるいはそれに準ずる立場で入閣を要請されたと承っております。また現在の最重要課題である土地対策地価高騰問題の解決を全面的にゆだねられたと理解していますが、いかがでしょうか。  その奥野長官による土地対策は、どの程度まで進んでおられたのでしょうか。それに対する総理評価はいかがですか。私どもから見れば、いかに評価されていても一連発言によって国土庁長官として積み重ねてきた仕事は一挙に無に等しい結果にならざるを得なかったと思うのですが、総理の率直な感想をお聞きいたします。  総理、大方の見方は、奥野問題は自発的辞任で一件落着ということのようでありますが、私はその見方賛成しかねるのであります。むしろ、奥野長官国土庁での辞任あいさつがこの問題を一層深刻にしたと思います。奥野長官は、誤った戦争への反省が結果的に他国によって曲げられた史実までまかり通っていく日本にしてしまったと発言したと伝えられております。  一連問題発言に対する反省がないばかりか、党内にも閣内にも支持者がいるという開き直りが感じられます。いわゆる満州事変以後の十五年戦争への深い反省、その上に立っ戦後日本平和主義と不戦の誓いは、日本国民の大部分のコンセンサスであると私は信じていますが、奥野発言にはこの国民的合意に対する挑戦の姿勢さえ感じられます。不可解なアナクロニズムと言わざるを得ません。  総理、あなたは在任中の奥野氏に的確な指導をされなかっただけではなく、辞任後も生きている奥野発言を自分の言葉で否定されていません。このままでは内閣総理大臣としての統治能力と、竹下内閣の外交、防衛に対する基本姿勢国民は疑問を持たざるを得ません。疑問を感じているのは外国政府だけではなく、日本の普通の国民なのであります。否定の立場に立つのかどうか、明確な答弁をいただきたいと思います。  その二つは、税制改革に対する総理態度についてであります。  政府税調及び自民党税調は、税制改革に向けてそれなりの動きが見られますが、肝心の政府態度は明確にされていません。また今年度の減税をめぐって、自民党と社、公、民三党問に約束があるにもかかわらず、それをほごにする動きさえ見られます。そして、野党三党は、当面は所得税減税不公平税制の是正に全力を挙げること、しかる後に、税制民主主義の根幹にかかわる問題であるだけに十分な時間をかけるべきだと主張していますが、あなたは一向に耳をかそうとしていません。  また、第百十二回通常国会も、あと残すところ七日であります。今国会税制改革法案提出するのですか、しないのですか。さらに、七月臨時国会召集が巷間伝えられていますが、召集するのですか、しないのですか。するとすれば、その期間をどう考えているのですか。その際の臨時国会中心議題税制改革だと理解してよいのかどうか。  総理は、西ドイツ訪問中の随行記者団との懇談という形で、今国会には出さず臨時国会に出すという趣旨発言したと伝えられていますが、このような間接話法で国政の最重要事を語るあなたの政治手法に、私は疑問を感じます。税制改革が重い政治課題であればあるほど、もっと率直に、明快に国民に問題を投げかけ、十分な判断の時間を保証すべきであります。私は少なくとも三年は必要だと思うのですが、総理いかがですか。  さらに、総理税制改革の実務を託したと言われる自民党渡辺政調会長は、減税規模は五兆円以上を実現したいし、できると言っていますが、その際の財源はやはり新型間接税によって生み出そうとの考えに立ってのものと受けとめますが、よろしいか。このことは、減税額が大きければ大きいほど増税規模、つまり新型間接税規模が大きくなると理解してよろしいか。確定的ではないにしろ、国民にわかりやすくその態度を示すべきだと考えるのでありますが、いかがでしょうか。  大きな柱の第二として、決算審査の結果と予算編成関係について伺います。  憲法第九十条は、内閣決算国会提出を義務づけております。これは財政民主主義立場に基づくものでありますが、国会予算執行の結果を検証し、その結論を予算に反映させ、国民のためによりよき予算をつくらせようとすれば、決算提出決算審査のタイミングは、極めて重要であることは多言を要しません。  決算は、財政法第四十条によって、毎年常会の冒頭である十二月末日までに提出されてはいますが、既に次年度予算編成されており、決算上の問題点課題があっても、予算そのものに反映させるシステムにはなっていないのであります。これでは何のための決算報告かということになるのであります。  現行法制上、大蔵省主計簿は毎年七月三十一日締め切られ、その後、大蔵省の精査、会計検査院の確認が行われるのでありますが、それがなぜ五カ月間もたたなければ決算報告書としてできないのか、理解に苦しむのであります。少なくとも本格的な予算編成作業が始まる十月ぐらいまでには決算報告がなされてしかるべきだと考えるのであります。  百歩譲って、正規の報告書ができないというなら、七月三十一日には実質的に固まっているのでありますから、仮決算書あるいは暫定実績書を作成し、国会提出決算審査を促進し、次年度予算編成決算審査結果を反映させるということも絶対に実現不可能なことではないと考えるのであります。要は、政府のやる気の問題であります。この点、総理並びに大蔵大臣見解をただしたいと思います。  第二点として、六十一年度の財政、とりわけ歳入について伺いたいのであります。  六十一年度の歳入決算額は五十六兆四千八百九十二億円、歳出決算額は五十三兆六千四百四億円で、二兆八千四百八十八億円の剰余となっております。この二兆八千四百八十八億円から、六十二年度への繰越歳出財源、さらに地方交付金財源等を控除した純剰余金は一兆七千六百十五億円と史上空前の額となっております。  しかし、これは政府税収見込みの間違いから発生したもので、必ずしも喜ぶべきものではありません。六十一年度の税収を的確に予測し得なかったことに要因があると思うからであります。つまり、補正予算で一兆一千二百億円減額したにもかかわらず、結果は大蔵省の予測とは逆に二兆四千三百六十八億円も上回る税収という見込み違いとなっているのであります。  竹下総理は、かつて大蔵大臣当時、税収一%程度見込み違い誤差のうちと発言されましたが、六十一年度は六・二%と大きく狂っており、果たして誤差と言えるでありましょうか。  さらに、六十二年度の決算報告はまだ行われていませんが、内需拡大策の効果が反映し、六十二年度予算の第二次補正予算に比べても二兆四千億円程度の増収が見込まれ、六十二年度当初の税収見積もりに比べると誤差は実に六兆円という規模になり、六十一年に続き、その比率は五・五%程度となるのであります。  税収の見通しが的確であれば、いたずらに必要な支出を削減することなく、例えば社会保障関係費などの国民生活に直結した経費支出増も可能だったわけであり、それだけに税収見込み違い責任は大きいのであります。しかも、今日までこの種の見込み違い責任をとった方がただ一人おられないのであります。総理並びに大蔵大臣、この見込み違いの原因と、税収見込みのあり方並びにその責任についていかにお考えになっているか明らかにしていただきたいと存じます。  さらに、総理決算は重要な課題であります。その機能が死に体になっていたのでは問題であります。  そこで、どうでしょうか、決算については参議院の先議事項としませんか。そして、前々年決算審査は少なくとも予算提案時期である十二月までに審議を終わらせ、予算論議に反映させるという考え方はいかがでしょうか。問題提起をしますので、検討をいただきたいものだと思うのであります。  第三点として、総理並びに内閣官房長官にお伺いいたします。  総理府の前管理室長政府広報予算にまつわる収賄容疑で逮捕され、なお取り調べが進んでいるようであります。汚職といえば土木や建築の工事絡みが多いとされているのでありますが、今回は総理の足元の犯罪という特異性があり、国家公務員の綱紀がここまで緩んでいるのかと痛感させられるのであります。  公務員収賄容疑による起訴件数を見ますと、最近五年間の平均では年三百件から四百件というレベルで推移しており、決して少ないとは言えません。そして、残念なことに、ほとんどの省庁に汚職が及んでいるのが実態であります。  総理、この際、外部に仕事を発注するすべての部門について、汚職再発防止の総点検をすべきではありませんか。特に、一つの部署に長くとどまっている職員の処遇、その多くはノンキャリアと言われる方々で、実はキャリア組上司がその上にいるはずですが、上司の方は二、三年もすればどこかへ転任していく。この上司責任がいつもあいまいなままにされているのであります。  行政機関事業発注システムそのものにも問題が潜んでいるのではありませんか。役所の事業は、おおむね予算と、下請、孫請等で実際にかかる費用との格差が大きいと言われています。このため、不当なリベート、その典型としてのわいろが発生しやすいと思われてなりません。内部のチェック機能会計検査院検査能力も上げなければなりませんが、この際、システム面からも総点検すべきでありませんか。御所見を伺いたいと存じます。  さらに、六十二年度途中から完全民営化された日本航空経営にまつわる疑惑について、運輸大臣に伺います。  時間が限られていますから、るる申し上げませんが、ドル先物予約の失敗、子会社である日航開発ホテル買収等に絡む過大な投資、日航が開発したリニアモーターカー事業化権の超安値譲渡など、昨年春以降マスコミをにぎわせた疑惑の数々があります。そして、高名な作家によって、昨年十月、「日本航空 迷走から崩壊へ」というタイトルの五百ページの告発書ともいうべきものが発表されているのであります。  本院の運輸委員会等で取り上げられてはいますが、政府は、一貫して経営判断の問題として真の意味疑惑をただす姿勢を見せていません。会計検査院通常検査を含め検査に入っているようですが、結果は何も発表されていません。つまり、国民疑惑は納得のいく形で何一つ解消されないのであります。  例えば、ドル先物予約では、これから先十年このまま推移するとすれば、トータルで二千数百億円の為替差損をこうむる計算となるのであります。経営責任はもとよりですが、このまま済ませてよいものでしょうか。なぜ民営化直前になって先物予約をしたのかの問題を含め、さまざまな疑問がわくのであります。少なくとも、これらを積極的な姿勢で解明し、疑問に答える必要があるのではないでしょうか。  さらに、為替差益の問題でも、収益が民営化前に比べ約三倍になっており、その要因円高によることが明らかになっているにもかかわらず、航空運賃が値下げされない点などを含めて極めて不可解なのであります。運輸大臣、この際、こうした疑問と要望にこたえるよう指導なさるべきではありませんか。  以上申し上げた点につきまして、簡単明瞭に、率直にお答えいただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣竹下登登壇拍手
  10. 竹下登

    国務大臣竹下登君) まず、奥野長官土地対策評価から御意見をお述べになりまして、私の感想を求められたものであります。  地価等土地問題は、現下の内政上の極めて重要な課題と認識しておりまして、地価の安定と適正かつ合理的な土地利用実現土地対策基本である、このように考えます。  当面の地価高騰に対応するために、国土利用計画法監視区域制度の機動的な運用などさまざまな対策を講じてきておりますが、しかし、東京圏地価が鎮静、下落に転ずるなど、そういう傾向はございますが、これからもなお力を注がなければならないところであります。  奥野長官は、多極分散型国土形成促進法案、これをみずからまとめた担当国務大臣であったわけであります。したがって、その法律案は、今日、本院において御審議をいただいておるところでございますが、何とぞこの促進法案の一日も早い議了を心からお願いする次第であります。  それから、今度は日中関係に関する発言についてのお尋ねでございます。  我が国は、昭和四十七年の日中共同声明の中で述べられておりますとおり、「過去において日本戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」、この認識で、今後ともこの立場に立って日中関係に対処していく。戦前の我が国行為について、これが侵略であるという厳しい国際的批判を受けてきておることは事実だ。この事実は、政府として十分認識するところである。そういう平和への決意を新たにして、こういうことを二度とやってはならぬということは政府としての一貫した基本的考え方であり、内閣の統一した見解である旨をたびたび私は申し述べてまいりました。  また、奥野長官も、五月十一日の本院本会議におきまして、「ただいま竹下総理から御答弁がございました。全く私も同じように考えているものでございます。」という趣旨のお答えがあっておるわけでございます。このことをつけ加えさせていただきます。  さて、次のがいわゆる法案提出等の問題についてでございます。  税制改革、これは昨年十一月の諮問以来、税制調査会におきまして精力的に審議が進められ、そして去る四月二十八日に税制改革についての中間答申、これで望ましい税制の全体の姿というものが示されたところであります。政府としては、税制調査会における御議論を初め、各方面、なかんずく国会の御議論等意見を伺いながら、税制改革案を一体のものとしてできるだけ早期に取りまとめ、国会審議をいただきたい、このように考えておるところでございます。  そこで、この問題につきまして、今日、一方に各党の政策担当者会議あるいは幹事長書記長会談、こういうものが存在しております。一方、税制調査会等から答申をいただきましたならば、いつでもそれを受けて立たなければならない責務もあるわけでございますので、法案につきましては、今日段階においてもなお検討中のものという範疇に入れさせていただいておるというのは、慣例上これが至当な取り扱いではなかろうかというふうに思っております。  したがって、西ドイツにおける発言というのは、あるいは受け取り方によって必ずしも、国会議員的発想で物を申したものでございますから、私の真意が伝わらなかった点もあろうかと思います。  それから、臨時国会でございますが、これも及川さん、国会議員的答弁だとおっしゃればそれまででございますけれども、今、通常国会会期中で審議を精力的にいただいておるときに臨時国会云々というのは、確かに内閣召集権はございますけれども、お互い差し控えるというのが良識ではなかろうかというふうに考えております。なお、会期を決めるのは、これは私ではなく国会で決めていただくわけでございますから、これもいささか歯切れが悪いとおっしゃるかもしれませんが、やはり答弁としてはお互いが中和できる答弁じゃないかというふうに思っております。  それから、税制改革は三年かけてやれ、この御意見は御意見として承ります。何分、私の経験では、昭和五十三年以来いろいろ議論されて、そして五十九年末の税調答申抜本改正必要性が指摘されました。それから六十年九月、中曽根前総理からの諮問を受けて、六十一年十月には抜本見直しについての答申を取りまとめた。そして、一つ大事なことは、その一部は昨年秋の臨時国会実現を見たということになるわけであります。  したがって、継続中で道なお半ばまでに達していない、こういうことであろうと思いますので、やっぱり昨年十一月の諮問で、所得、消費、資産の間で均衡がとれた安定的な税体系を構築することとして早急に成案を得る必要があるという認識のもとにおりまして、抜本見直しについての答申に示された考え、そうしてその後現在に至るまでの情勢の進展を見ながら、まさに税調においても約半年間大変な御審議をいただいておりますので、その意味におきまして、国民の皆様方の理解と、ある意味における参加意識というものは高まりつつあるのじゃないか、こういうふうに思っております。  それから、増減税についての財源問題についてもお触れになりました。  今回の税制改革は、所得課税において負担の公平を図りますとともに、税体系全体として実質的な負担の公平に資する見地から、所得課税を軽減し、消費にも応分の負担を求めて、資産に対する負担を適正化することなどによって公平感を持って納税していただくような体系を構築しようという考え方、この税制改革についての中間答申においてもそういう考え方のもとでこの間接税の導入を含みますところの答申をいただいた。そして、その改革像の具体化については審議が今なお続けられておるということになるわけでございます。したがって、これらの財源問題につきましては、今後、検討を尽くさるべき問題だというふうに考えております。  次が決算の早期提出問題でございます。  決算国会への提出をなるべく早くすることは、予算編成に反映するばかりでなく、決算の効果的な審議をお願いするためにも望ましいという考えは私も等しくしております。  政府としては、従来からできるだけ早期に決算書国会提出するよう努力してまいりました。法律上、内閣から会計検査院への送付は翌年度十一月三十日までとされておりますが、従来からこれを一カ月半繰り上げまして十月中旬に送付しておるということを御承知いただきたいと思います。今後も、決算作成事務の促進を図るように、政府といたしましても努力しなきゃならぬ課題だというふうに受けとめております。  さて、税収見積もり問題でございます。そして、私に対して、一%は誤差のうちというような発言もしたではないかというお尋ねでございました。  確かに、私そういう発言をしたことがございます。政府の見通しと経済運営が非常に安定的に推移しておった当時でございますので、今大きくいろいろな内外の情勢が変化してまいりましたときに、一%は誤差のうちなどということをわざわざ言って物議を醸す必要はなかったというある種の反省をしておることも事実でございます。おっしゃるような増収となりましたが、経済の実体的な生産活動とは関係のない株式とか土地取引の活発化といった一時的な現象によるところが極めて大きいと認められまして、特に法人税にありましては各種の経済調査機関や個々の企業自体も予測し得なかったような増益となったものでございます。  したがって、何がしかの自然増収は期待できるのではないかと思われますが、かなりのウエートを持つ四、五月分の税収の大宗を占める法人税の三月期決算法人の申告といった変動要因の大きいものが判明していないこともありますので、確たることを申し上げる段階にはないと思っております。ただ、御指摘ございましたように、税収見積もりの精度向上に最善の努力をしろ、これはやらなきゃならぬ御指摘だと思っております。  それから、決算審議の問題でございますが、これは財政法第四十条には「翌年度開会の常会において国会提出するのを常例とする。」という規定があるわけでございます。政府としては、毎年十二月下旬に常会が召集されておりますところから、その常会開会後、速やかに前年度決算書を衆議院及び参議院に提出して御審議いただいておるところであります。政府としては、その決算審議の結果を将来の予算編成に反映させることは、これは重要なことであると考えております。なお、今の問題は、鞭撻として受けとめさせていただきます。  最後に、私に対する公務員汚職再発防止の問題であります。  公務員は、国民全体の奉仕者であります。職務の公正な執行について国民疑惑や不信を招くことのないよう常に留意して、綱紀の厳正な保持に努めるべきであるというのは当然のことであります。御指摘なさった事件が起こりましたことは遺憾のきわみであります。したがって、今後とも、今の御指摘等具体的にございましたこれらを踏まえまして、国民の信頼にこたえるように種々の努力をしていかなければならない、このように考えております。  以上で私のお答えを終わります。(拍手)    〔国務大臣宮澤喜一登壇拍手
  11. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 国会に対します決算報告につきまして、もう少し早められないものであるか、それが難しいのならば、仮決算、暫定決算というようなものについてどう考えるかというお尋ねでございます。  ただいま現実に行われておりますことは、七月三十一日までに各省庁から大蔵省報告がございまして、十月中旬にそれに基づきまして内閣を経て会計検査院にこれを送付いたしております。これは財政法三十九条の規定によるものでございます。会計検査院検査をいたしまして、その報告内閣を経て常会に、財政法第四十条の規定によりまして国会に御提出しておる、こういうことでございます。  さて、その暫定あるいは仮決算ということについてでございますが、やはり会計検査院検査を経て最終的なものを国会提出して御審議を受けるということが本来ではないだろうか。仮ということになりますといろいろ問題もあるのではないかという感じがいたしますので、したがいまして、政府としてはできるだけ今の過程を早めることを考えるということと存じますが、現実には財政法第三十九条「十一月三十日まで」というのは十月の中旬までに提出いたしておりますし、かなり法律の規定よりは早目早目にいたしておるのでございますが、なおそれに向かいまして努力をさせていただきたいと考えます。  それから次に、歳入の見積もりの誤りにつきまして御指摘がございました。  昭和六十一年度におきましていわゆる大きな自然増を出した、六十二年度においてもその公算が大ではないか、このたびは二度ともいわば過小の見積もりをした。過大の見積もりをすることも問題でありますが、過小の見積もりをするということは、もし正しく見積もっておればもっと別の政策の選択が可能であったではないかと言われます点は、まことにそうだと申し上げるしかございません。したがいまして、過小であってもこれは責めを免れるものではないと思いますので、その点は申しわけのないことだと思っております。  どうしてこのようなことが起こったか、何を反省しておるかということでございますが、我が国にとって二度の石油危機と、それから急激な円高というものが戦後最も大きな経済変化の一つであったと思います。それに対して家計も企業も財政も非常に苦しみ、かつ懸命に対応しようといたしたわけでありまして、今になりましてようやく明るいところへ出てきた感じがいたしますが、その対応の過程、それから変化の結果というものについての分析が十分でなかった、こういうことを私どもは反省をしておりまして、今後それらについて十分の分析を行うことによってこのような過ちを繰り返しませんように努力いたしたいと考えております。(拍手)    〔国務大臣小渕恵三君登壇拍手
  12. 小渕恵三

    国務大臣(小渕恵三君) 今般の事件に対します政府考え方につきましては、先ほど総理から御答弁申し上げたとおりでございます。  なお、総理府における今後の再発防止対策といたしましては、今回の事実を厳粛に受けとめ、全職員に対し綱紀の厳正な保持に努めるよう注意を喚起するとともに、適正な業務の執行を確保するため、チェック体制の見直し等具体的な措置検討するよう指示いたしたところであります。(拍手)    〔国務大臣石原慎太郎君登壇拍手
  13. 石原慎太郎

    国務大臣(石原慎太郎君) 運輸省への御質問は二つございました。  第一に、日本航空経営姿勢についてでございますが、日本航空が行いました先物為替予約につきましては、日本航空が企業として為替レートの変動に伴う危険を回避するために行ったものでありまして、結果としては思惑外れになりましたけれども、今日のような急激な円高がなかなか予測し得なかった当時としては、同社の経営判断としてはやむを得なかったものであると考えております。  また、日航開発などによるホテルの買収やHSSTに係る資産の譲渡につきましては、これらの問題が必ずしも日本航空の放漫経営につながるものとは考えておりませんが、総体的に放漫経営という批判を受けていることはそれ自体大変残念なことでございまして、大いに自戒し、日本航空は健全な経営の確保に遺憾なきを期し、航空事業の遂行に従来以上渾身の努力を払うべきものと考えております。  政府としては、このような問題が日本航空本体の経営に悪影響を及ぼすことのないよう所要の指導を行ってまいりましたが、日本航空が完全民営化を機に、自主的かつ責任ある経営体制のもとで一層の経営体質の強化を懸命に図っていくことを期待しております。  第二の日航航空運賃についてでございますが、日航に限らず航空企業は、全般的に昨今の円高に伴い燃料費等の低減によるメリットを受けておりますが、一方では航空運賃は過去六年間にわたり据え置かれておりまして、この間、円高等に伴う収支改善分を上回る一般的なコストアップもございましたし、特に日航は大事故などを起こしましてお客さんが離れました。そして、昭和六十一年度の収支は、円高が進行する直前の昭和五十九年度に比べて悪化しております。  昭和六十二年度の収支については、改善傾向にあると思われますが、このような経営状況からすれば、直ちに基本運賃値下げを行い得る状況にはないと考えられ、運輸省としては、今後における企業収支を見守った上で適切に対応してまいりたいと思っております。  なお、運輸省としては、従来も国際航空運賃の方向別格差の是正や割引運賃制度の拡充によって利用者の利便の向上を図ってまいっておりました。今後とも、これらの施策の推進に努めてまいる所存でございます。(拍手)     ─────────────
  14. 藤田正明

    議長藤田正明君) 刈田貞子君。    〔刈田貞子君登壇拍手
  15. 刈田貞子

    ○刈田貞子君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま報告のありました昭和六十一年度決算について、竹下総理及び関係大臣質問を行うものであります。  財政の役割は、端的に言えば、国民生活の向上を実現することにあると思います。そこで、私は、以下、この観点から順次質問いたします。  その第一は、地価対策についてであります。  今日見る地価高騰の現状は、国公有地の競争入札による払い下げ等前内閣の誤った民活路線などを契機としたものでありますが、政府地価の暴騰を傍観し、これに乗じた金融機関の無節操な融資を放任し、このため、現在取り返しのつかない事態を招いたのであります。この責任はまことに重大であります。昨年十月の緊急対策は後の祭りでありました。  ことしの高額納船税者上位百人のうち、約八割までが土地譲渡に関係するものでありました。こうした反面、勤労者の実質賃金の伸びは前年比わずか二・九%にすぎない状況は、現在の社会のひずみを象徴的に示していると思います。これは、我々が努力して実現しようとした社会の本当の姿でありましょうか。総理は、このような現状をいかが見られますか。  今回の地価の暴騰は、大都市を中心とする住民の生活を圧迫しているばかりでなく、国民の間に新たな資産格差、不公平を生み出し、社会のひずみを一層拡大しつつあることは見逃すことができません。  そこで、総理にお伺いいたしますが、地価暴騰によって持てる者と持たざる者との間に生じた新たなる不公平をどう受けとめられますか。またこれに対しどう対処されていかれますか、お伺いいたします。  第二は、財政再建についてであります。  六十一年度決算の特徴は、二兆四千億を上回る大幅な税の増収であったと思います。六十二年度もまた相当の自然増収が確実となっております。このように相次ぐ税収の大幅な見込み違いは、それ自体財政運営上問題と言わなければなりません。  これらの自然増収やNTT株式の売り払い収入などで本年度は赤字国債の発行をある程度減額できたわけでありますが、一方において、一般会計から地方財政特別会計へのツケ回し等は二十四兆円を超える額となり、まさに見せかけの財政再建となっているのであります。  そこで、お伺いをしたいことの第一は、財政再建目標は達成される見込みがあるのかどうか。第二は、国民負担の増大にかんがみ、税の自然増収分で所得税の大幅減税を実施する必要があると思いますが、いかがですか。第三は、六十五年度以降、繰り延べ等の特例措置は廃止されますか、いかがですか。第四は、六年間停止されてきた国債整理基金特別会計への定率繰り入れに、今後、昭和六十四年度より六十八年度までどう対処されますか。第五は、本年度までの緊急避難的暫定措置として実施されてきた地方自治体に対する補助金カットは明年度以降当然回復されると思いますが、いかがですか。  以上、明確な御答弁をいただきたいのであります。  第三に、税制の改革についてお尋ねいたします。  政府は、税制改革を当面最大の政策課題考えているようでありますが、早急に実施されるべき所得税の減税まで税制の抜本改革という大枠の中で処理しようとしていることは妥当ではありません。まず、与野党合意である六十三年度減税をどのように決着されようとしておられるのか、明らかにしていただきたいのであります。  また、既に政府税調中間答申で指摘されている明白な不公平をそのままにしておいて新型間接税を導入するなど言語道断であると思います。政府は、新型間接税の導入を図る前に、現行税制に明らかに存在する不公平を早急に是正すべきであります。とのことは、このたび総理府世論調査の結果、国民の声として証明されたところであります。いかがでしょうか。  第四は、防衛費についてであります。  防衛費のGNP一%枠が六十一年度を最後に意図的に放棄されたことは、我が国が軍事大国へと進む危険な道を暗示していると考えます。  竹下総理は、近隣諸国に脅威を与えない節度ある防衛力の整備を行うと言われますが、八〇年代の我が国の防衛費の伸びは世界にその例を見ません。アジア諸国から軍事大国化への懸念が表明されているのは当然であります。日米防衛分担の名のもとになされるこのような増額は、世界の趨勢に逆らうものであり、平和国家としての選択を誤っていると思うのでありますが、総理が言われる節度ある防衛とはどのようなものか、明らかにしていただきたいのであります。  第五は、経済協力のあり方についてであります。  マルコス疑惑を契機として、我が国の経済協力のあり方については多くの問題点が指摘され、本院においても、昨年の七月、五十九年度決算議決に際して、その適正かつ効果的、効率的使用等について政府に警告を発したところであります。  ODA事業予算は、今や一兆三千億円を超える巨額に達しており、その原資の大部分は国民の税金であることから、施策の透明性が求められております。我が党は、既に国際開発協力基本法案提出し、その制定を重ね重ね要請してきたところであります。すなわち、協力計画の国会による承認、情報の公開、施策に関する報告国会への提出、援助行政の一元化等について政府みずからが積極的に行っていくべきであると考えるのでありますが、これら諸点についてどのように検討されてこられましたか、お伺いいたします。  第六に、予算執行に対する政府姿勢についてお伺いいたします。  会計検査院の六十一年度決算検査報告は、検査対象全体の八・一%を検査した結果として、百五十六件、二百十四億円を超える税金のむだ遣いを指摘しております。指摘の件数、金額とも毎年ほとんど同様であり、このような実態は改善の傾向を見せているとは言えません。政府予算執行のずさんさ、公務員等による汚職の続発等の事態はまことに腹立たしい限りであります。  特に、膨大な血税をもって実施されてきた国の大型プロジエクトの中で、所期の効果を発揮することなく挫折している事態を政府はいかに国民に説明されるおつもりでございますか。政府は、公務員の綱紀粛正に格段に努力することはもちろん、予算の執行に当たっては、国民の信頼を裏切ることがないよう一層の努力を強く要請します。この点に対する総理の決意をお伺いしたいのであります。  最後に、総理は、来月三日、ロンドンでレーガン米大統領と会談することになったと昨日報道されておりますが、その主要な議題は何ですか。その際、牛肉、オレンジ問題が片づいたことをお互いに確認し合うのが望ましいとも言われておりますが、牛肉、オレンジ問題の二国間決着について総理はどのような決着が望ましいと考えられますか。また、佐藤農林水産大臣の再々訪米もあり得るのかどうか、その御見解をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣竹下登登壇拍手
  16. 竹下登

    国務大臣竹下登君) まず最初は、資産格差の問題等につきましての認識を問う、こういうお話でございました。  最近の地価高騰によります土地の資産価値の上昇は、土地を持っている者と持っていない者との間の格差を拡大することとなっておりますことは御指摘のとおりであります。それが両者の間に不公平感を生じさせておる。経済の円滑な運営のみならず、社会の安定という点からいっても重大な問題であるというふうに認識をいたしております。  そこで、地価高騰の抑制を図るために、国土利用計画法によります監視区域制度の機動的な運用、そして御指摘にもありました金融機関に対する指導の強化、土地税制の改善、これらの対策を講じておるところであります。  確かに、東京圏では地価が下落に転じるなど鎮静化が急速に進んでおるというふうにも見られます。今後は、諸機能の地方分散、住宅宅地の供給促進等によりまして土地需給の緩和を図って、地価の安定、ひいては引き下げに努力してまいる、このような考え方でございます。  次の問題、財政再建の目標達成見込みがあるかないか、こういう端的な御質疑でありました。  引き続き節約等歳出削減の努力を続けていくならば、その実現の可能性は、これまでと比べると大きなものとなっておるというところが私のお答えでございます。  次が所得税減税の問題であります。  これは、税制改革についての中間答申をいただきまして、税制の抜本的改革の一環として、中低所得者の税負担軽減と中堅所得者層を中心とする負担累増感等に配慮して、所得税の最低税率の適用対象所得の範囲の大幅な拡大等の累進緩和及び人的控除の引き上げ等の提言が示されたわけでございます。したがって、これから御議論を踏まえながらこの問題について引き続き具体的な検討に入る、こういうことであります。  それから、六十二年度の税収見込みにつきましては、確かに何がしかの自然増収が期待できるのではないかと思われますが、何分、三月期決算法人という問題が残されておりますので、確たることを申し上げるわけにはいかないということであります。  偶発的な要因によるにせよ、そうでない要因によるにせよ、税の増収が生じる場合には、今の極めて厳しい財政事情から見ますと、まずはそれこそ財政法、また先般議了いただきました財源確保法等の建前からいえば公債減額に充てるべきものであるというふうに考えます。  それから、六十五年度以降の繰り延べ等のもろもろの措置をどうするか、こういうお尋ねでございます。  それこそ経済情勢等を見きわめながら、毎年度の予算編成の際に適切に判断し、対応すべき問題であると思います。  定率繰り入れをどうするか、こういうことでございました。  定率繰り入れというものは五十七年度以降停止されておりますが、六十三年度も同じような考え方で停止しております。六十四年度以降の取り扱いにつきましては、そのときどきの歳入歳出等の動向、そして国債整理基金の資金繰り状況、これを見ながら毎年度予算編成の中で決めるべきものであるというふうに考えております。  なお、六十四年度以降の補助金カット、この問題もお尋ねがありました。  暫定措置の期間終了後における国庫補助負担率の取り扱いにつきましては、これまでの経緯や内容、諸情勢の変化、そして国と地方との役割分担、こういうことを勘案しながら対処していくべきものであるというふうに考えます。  それから、次が与野党合意の減税問題についてでございます。  これは、今まさにこれらが行われておるところでございますので、それらの話し合いの推移を注意深く見守らせていただいておるということであります。  それから、不公平税制の問題でございますが、税制改革についての中間答申においても述べられておりますように、所得課税において負担の公平を図りますとともに、税体系全体として実質的な負担の公平、こういうことも言われておるわけであります。資産の問題もあります。いずれにせよ、国民が公平感を持って納税し得る税体系を構築することが大事だ。国会等の議論を踏まえながら、もともと税制改革に対する議論というのは不公平感というものから出たものでありますだけに、これに対して十分留意していくつもりであります。  それから、よく言う節度あるという言葉は防衛について具体的にはどういうことか、こういうお尋ねでありました。  これは、我が国は憲法のもと、専守防衛に徹するなどの基本理念を堅持して、大綱水準の達成を図ることを目標としております中期防衛計画、これに従って各年度において今度は経済財政事情等、そうして諸施策とのぎりぎりの調和を図っていくということがこの節度ある防衛力の整備であるというふうに考えております。  それから、ODA問題につきまして援助基本法等の御提示があっております。私も承知しております。  この問題につきましては、国会による計画の承認という問題がございます。これは国会によって採択されました予算の範囲内で、相手国のニーズに応じて相手国と協議しながら具体的プロジェクトを決定するという現在の仕組みでございますので、あらかじめ計画の承認ということについては困難な点があろうというふうに考えております。  情報公開等につきましては、従来から案件ごとの発表、政府並びに援助実施機関の刊行物などによって公表してきております。また国会に対しましても、相手国の立場も配慮しながら随時説明いたしましたり、資料の提出を行ってきておりますので、今後ともこのような措置を誠実に実行してまいるという考え方でございます。  それから、施策に関する報告を事後国会提出するということにつきましては、国民の一層の理解を得るとの観点から、その御趣旨政府としても参考としてまいりたい、このように考えております。  会計検査院の指摘事項の問題でありますが、これは厳正かつ効率的な予算の執行に努めておりましても、不適正使用の事例が生じておるということは事実であります。これは遺憾であります。不当事項等につきましては、その周知徹底を図るなど再発防止に努めますとともに、予算の執行に当たる者のモラルの一層の確立にも努力しなければならないと考えております。これからも御趣旨のごとく、予算の厳正かつ効率的な執行に努力してまいる決意であります。  公務員の綱紀粛正問題についてでございます。  再度申し上げますように、まさに公務員国民全体の奉仕者として、職務の公正な執行について国民疑惑や不信を招くことのないよう常に留意し、綱紀の厳正な保持に努めるべきであることは当然であります。したがって、不祥事が発生していることはまことに遺憾であります。改めて姿勢を正して、御趣旨を体し、国民の信頼にこたえていきたい、このように考えます。  次に、日米首脳会談の問題でございます。  六月、ロンドンでレーガン大統領と会談する予定でございます。まだ予定でございますが、米ソ首脳会談直後にお会いする。時間的にもそうでございますので、米ソ首脳会談の模様につき直接レーガン大統領から話を伺おうという考え方に立っておるわけであります。したがって、日米首脳会談の問題につきましては、今直接そうした話を伺おうということを考えておるわけでございますので、日米間の牛肉、かんきつ問題についてこの機会をとらえるとか、そういう考えをあらかじめ持っておるわけではございません。この問題につきましては、別途、今後ともぎりぎりの努力をしなければならないというふうに考えておるところであります。  以上でお答えを終わります。(拍手)    〔国務大臣宮澤喜一登壇拍手
  17. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 大部分総理大臣が既にお答えになっておられますので、簡潔にお答えを申し上げます。  六十五年度に赤字公債を脱却できるかどうかということにつきまして、諸般の情勢がいろいろ好転をいたしておることもございまして、この達成が現実性を帯びてきたものと考えておりまして、今後、経常経費の抑制等々努力いたしまして、何とかして達成いたしたいと考えておるところでございます。  次に、六十二年度に自然増収があった場合にこれを減税に向けるべきではないかというお尋ねにつきまして、六十二年度は既に年度としては終了しておりますが、殊に法人税の歳入の非常に大きな部分がこの五月三十一日に収納になりますので、それを待ちませんとはっきりしたことを申し上げられないという現状でございますが、増収がございますと、まずそれは、御承知のように三税は地方に三二%の交付をいたさなければなりません。その残りがございましたときには特例公債、赤字公債の発行を取りやめるべきであろうと考えております。  ただいま一兆一千億円余りのものを実は発行を保留いたしておりますので、剰余がございましたらそれを減額あるいは取りやめさせていただきたい。これは財政法の本則から申しますと、赤字公債というのは本来出してはならぬものでございますし、金利負担もございますから、そういうふうに考えさせていただきたいと思っております。  それから、いわゆる後年度負担、過去における繰り延べ等を今後どういうふうに処理するかということでございますが、これはいろいろ約束に従いましておのおの対応が違っておりますが、その約束したことは誠実に守らなければなりません。その中で急を要するものから処理いたしていきたいと思います。  次に、国債整理基金へのいわゆる定率繰り入れをやめておるが、これはどうするかということでございますが、NTTの売り上げの活用等のこともございまして、このところ定率繰り入れをやらずに国債の償還をやらせていただいておりますが、今後、整理基金の資金繰り状況等を考えながら、各年度、年度の予算編成の際に判断をしてまいりたいと考えておるところでございます。  それから、地方自治体に対する補助金カット、与野党合意による六十三年度減税の問題につきましては、総理大臣がお答えになられましたので省略させていただきます。(拍手)     ─────────────
  18. 藤田正明

    議長藤田正明君) 橋本敦君。    〔橋本敦君登壇拍手
  19. 橋本敦

    ○橋本敦君 私は、日本共産党を代表して、昭和六十一年度決算報告に関し、総理並びに関係大臣質問いたします。  昭和六十一年、藤尾文相が罷免され、続いて今回の奥野長官辞任であります。これら一連の事件は、自民党政治がいかに侵略戦争への歴史的反省を欠き、憲法の基本理念に反するかを示すものにほかなりません。事は奥野長官辞任で済むものではないのであります。  まず第一に、総理、憲法に照らして明らかに資格を欠く人物を閣僚に任命したあなたにも責任があります。閣議では、中尾経企庁長官奥野氏の発言は間違っていないと積極的に支持し、幾人かの閣僚もこれに同調したと伝えられています。こんなことでは、総理、あなたが任命した内閣は、我が国民と侵略の犠牲となったアジア諸国民に対して一体平和を語る資格などあるのですか。  第二に、奥野長官が日中戦争は事変だと強弁したことであります。これは、手続上宣戦布告がなされなかったことを口実にして侵略戦争を否定するものであります。しかし、我が国政府と軍部が中国全土に次々と武力侵攻を拡大した結果、両国間の全面戦争に発展し、これが中国の主権と領土を侵害するとともに、中国人民にはかり知れない損害を与えた侵略戦争であったことは、今日の世界政治において疑う余地のない明白な歴史的事実ではありませんか。殊さら歴史を歪曲するこの無責任発言をどう考えますか、総理の歴史認識を伺います。  さらに、総理は近々訪中しますが、八月十五日には靖国神社公式参拝をしないとはっきりすべきであります。そして、この際、昭和六十年に中曽根総理が靖国公式参拝に踏み切ったときに、参拝方式によっては憲法違反にはならないなどといった不当きわまる政府見解を全部撤回すべきではありませんか。それが過去の侵略戦争を厳しく反省し、恒久平和を貫いて国際社会に名誉ある地位を占めたい、こう誓った我が憲法に忠実な道であります。  次に、我が党幹部宅への盗聴事件であります。  去る四月二十七日、東京第一検察審査会は現職警官の組織的犯行であると断じ、検察庁の不起訴処分は不当であると議決しました。これこそ暗黒政治を許さぬ国民世論のあらわれであります。それゆえ、この議決を厳しく受けとめて速やかに犯行警官を起訴することこそ、我が国の検察が国民の信頼にこたえる道であります。総理はこの議決をどう受けとめていますか、見解を伺います。  さて、中曽根内閣の戦後政治総決算路線を忠実に継承しているのが今日の竹下内閣であります。しかし、この道は、平和と革新を願う国民の深部の力によって必ず破綻するでしょう。  広島・長崎の原爆の火が、国連第三回軍縮特別総会に向けて日本の港を出港しました。広島・長崎アピールの全世界で十億人署名を目指す第二の平和の波行動も大きく動き出しています。人類の存亡にかかわる緊急課題として核兵器の完全廃絶を求めるこの世界人民の闘いこそが、核固執勢力を孤立させ、地球上から核兵器を廃絶する真の原動力であります。  そこで、総理に伺いますが、今回の軍縮総会では核抑止力にしがみつく態度をきっぱり改め、核兵器廃絶の国際協定締結を差し迫った第一義的課題として世界に向かって提起することこそ、唯一の被爆国の首相たるあなたのとるべき態度ではありませんか。また総理は、この総会で信頼できる検証制度を強調すると言われていますが、それならば総理、よく知られているように、ニュージーランド政府もデンマーク国会も非核の政策を断固として進めているとき、我が国こそが日本に寄港するすべての米軍艦船に対し核兵器の有無について厳格に調査し、国是である非核三原則を真に実効あるものにすべきではありませんか。  ところが、竹下内閣は、核安保体制のもとで日米軍事協力の強化を急いでいます。さきのハワイにおける日米安保事務レベル協議では、物品・役務相互融通協定が米側から正式に提案されたのに対し、これの検討を約束したというのであります。このような協定で兵器の部品や弾薬を融通することになれば、明らかに武器輸出三原則に違反するものであります。同時に、それは有事来援研究とも相まって、日米防衛協力をNATO並みの集団的自衛体制に進める重大な憲法違反だと言わねばなりません。総理の明確な見解を求めます。  次に、今回の訪欧で総理政府開発援助の拡大を明らかにした問題であります。  これは、既にハワイにおける日米協議の主要な内容として米側から強く要求されていたように、巨額の財政赤字に苦しむアメリカが、その戦略援助の肩がわりを同盟諸国に要求しているのに対して、国際協力を名目に積極的にこたえようとするものであります。しかし、アメリカの軍事戦略を補完するための経済援助が、援助の軍事的使用を禁止した国会決議に違反することは明白であります。そもそも経済援助は、低開発国の自立を助け、この地上から飢餓と貧困をなくすためにこそ平和と人道に基づいて進めるべきであります。来るトロントでのサミットにおいて、アメリカの戦略援助の肩がわり拡大のため我が国がその旗振り役を演ずるなどということは、絶対になすべきではありません。総理答弁を求めます。  日米農産物交渉もいよいよ重大であります。一国の基幹産業である農業を守り、食糧の自給率を高めることは、独立した主権国家の当然の権利であります。ところが、自民党政治のもとで、我が国は農林水産物輸入大国となってしまいました。にもかかわらず、今回また政府が農民の痛切な反対の声を踏みにじり、牛肉、オレンジの自由化そのものを認めたことは断じて許すことはできません。さらに、アメリカが米の輸入までねらっているとき、今こそ政府は、その身勝手な大国主義に毅然と対処するとともに、アメリカと財界の利益のためには農業を無残に切り捨ててはばからない政治は根本的に改めるべきであります。米の輸入を認めないことはもちろんのこと、牛肉、オレンジの自由化方針は直ちに撤回するよう強く求めるものであります。  最後に、新大型間接税であります。  これに関連して、NHKが、世論調査で反対意見が多数であったにもかかわらずこの国民の声を報道しなかったばかりか、さらに国会を解散して信を国民に問えという声がその反対より多かったのに、これもテレビで報道しなかった事実が明らかになりました。まさに、これは放送の公正と中立の責務を投げ捨てて、時の政府に迎合するもので、言語道断ではありませんか。  加えて、総理府では、政府広報の巨額の予算にたかる汚職事件まで発覚しました。これらの事件については、公正であるべき政府みずからがその責務を顧みず、不当に世論誘導を拡大強化していることにも重大な責任があります。厳しく反省を求めます。  このように、竹下内閣が大増税を隠し、大幅減税の大宣伝を先行させて世論誘導を進めているにもかかわらず、新大型間接税に対する国民の反対は大きく広がっています。にもかかわらず、総理があくまで大型間接税をやるというのなら、当然信を国民に問うべきであります。こう言うと、決まって総理は議員の任期は大切にする、こう言うのでありますが、しかし、大切にするべきは国民に対する公約であり、主権者である国民の意思ではありませんか。これこそ、あなた方もよく言う憲政の常道であり、民主政治の大道であります。新大型間接税反対という天の声、地の声、民の声を聞く勇気があるのかどうか、しかと答弁を求めます。  我が党は、新大型間接税を断固阻止するとともに、平和と軍縮へ政治の根本的転換を目指し、今後とも奮闘することを表明して、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣竹下登登壇拍手
  20. 竹下登

    国務大臣竹下登君) まず、私に対する最初のお尋ねは、奥野長官辞任問題についてであります。  奥野長官は、行政官として長い経験を積まれ、政治家としても長い経験を積まれておる。したがって、私は信頼申し上げて国務大臣国土庁長官をお願いしたわけであります。就任以来、地価問題、いろいろ取り組んでいただきました。しかし、このたび辞任の申し出がありましたので、これを私は承認したということでございます。  それから、日中戦争に関する見解の問題でございます。  たびたび申し上げたとおりでありますが、個々の事件の歴史的評価、解釈はそれはいろいろありましょう。しかし、一般論として、歴史は流れの全体として評価すべきものであるというふうに私はいつでも申しておるところであります。    〔議長退席、副議長着席〕 したがって、昭和四十七年の日中共同声明の中で述べておることが、やはり私どもが絶えず基本として持ち続けなければならない考え方であるというふうに考えます。  次に、靖国公式参拝問題についてのお話がありました。  いろいろ御意見がございましたが、昭和六十年八月十四日の内閣官房長官談話、これは現在も存続しております。見解には変更がございません。したがって、公式参拝は制度化されたものではございませんので、それこそ諸般の情勢を総合的に考慮して、みずからが決めることであるというふうに私はいつでも申しております。  それから、盗聴事件については、検察当局において検察審査会の議決を受け、改めてその処分を検討しているものと承知しております。  それから次に、核兵器の問題についてのお尋ねがございました。  核の究極的廃絶のためには、国際的な安全保障の維持に留意しながら、実効的かつ具体的な諸措置が着実にとられることが重要であるというふうに考えておるところであります。したがって、この究極的廃絶の実現のため、我が国なりの努力を続けていくというのは当然のことであると思います。  検証問題にお触れになりました。  私も、軍備管理、軍縮交渉、これは可能な限り軍備を低いレベルで均衡させることにより関係国の安全を高めるものであって、またその合意につき効果的な検証措置が確保されていることが重要だというふうに思っております。  一方、米国と我が国との問題、これは安保条約のような国の安全保障の根本にかかわる条約の問題で、それにはやっぱり相互の確固たる信頼関係がまず絶対な条件でございますので、したがって、今日の安保体制を運用し、そのもとでの事前協議制度によって我が国の非核三原則を全うしておるというのが現状でございます。したがって、今の御議論は次元の異なる問題だというふうに私は答えさせていただきます。  それから、物品、役務の融通の仕組み等についての共同研究ということについてお触れになりました。  これは我が方として結果を全く予断することなく、この種のものが有用であるかどうかということについてこれから検討しようという立場にあるわけでございます。  さらに、ODAの理念、また軍事戦略的援助であってはならないという御趣旨でございました。  私どもといたしましては、まさに、我が国の援助は開発途上にあります相手国の経済社会開発、そして民生の安定に資する、これを基本として今日も行っております。国会決議があるということは十分承知しております。  それから、サミットにおける議題にお触れになりましたが、トロント・サミットの議題は、主催国を中心としていわゆるPR、個人代表という方々のお集まりによって詰められておるところでございます。したがって、どういう議題になるかということを今日の時点で確定的に申し上げるわけにはまいりません。  援助問題につきましては、我が国が国際的な貢献を行うという観点から、今後、あり方その他についてあくまでも自主的判断でこれに対応していくという立場を貫いていきたいと思っております。  それから次に、農産物問題にお触れになりました。  お米の問題につきましては、米の需給安定に関する決議、こういうものがございます。十分それをよく承知し、堅持していく考え方でございます。  牛肉、かんきつ問題につきましては、確かに今日ぎりぎりのところでパネル設置ということが決定された。今後の具体的対応については、私どもはよくこれについて基本的な立場というものを守りながら、国際的立場に配慮しての対応ということを絶えず考えていくべきものであると思います。  それから、NHKの世論調査等についてお触れになりました。また、政府広報に関する公務員のいわゆる規律保持という問題にもお触れになりました。  私どもは、公務員の規律保持ということには厳正な対応をすべきものであると考えております。そうして、それが広報関係から出たこのたびの事件でありましたが、いわば世論操作を行うというような性質のものではないというふうに御理解を賜りたいと思います。  それから、間接税の導入問題につきましては、いつも御議論をいたしておるところでございますが、まさに中間答申をいただきました。これから国会での議論等を踏まえながらさらに詰めていきたい、こういうことでございます。  それで最後に、おまえの言うことはわかっておるが、もう一度国民の信を問えというお話でございました。  おわかりのとおり、決められた任期は大事に大事にすべきものだということで、お答えを終わります。(拍手)    〔国務大臣佐藤隆君登壇拍手
  21. 佐藤隆

    国務大臣(佐藤隆君) お答え申し上げます。  米の問題につきましては、総理から言われたとおりでございます。国内において自給するという方針に変わりはございません。  牛肉、かんきつ問題は、時の話題としていろいろ議論されておるところでございます。本院の農林水産委員会等におきましても、質疑を繰り返してきたところでございます。しかし、大事なこの本会議において重ね重ねの質問でございますので、余りかわりばえしませんけれども、一言だけ簡潔にお答えを申し上げたいと思います。  我が国の牛肉、かんきつ生産の存立を守るという基本立場に立ちまして、生産、消費、流通の各般にわたりまして私の責任を果たしてまいりたいと思います。  なお、本件につきましては、一日も早い決着が必要であります。関係する方々に大変な心配をかけておりますので、一日も早い決着が必要であるという観点から、あらゆるチャネルを通じて努力を重ねておるところでございます。  以上で総理の補足を終わります。(拍手
  22. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) これにて質疑は終了いたしました。      ─────・─────
  23. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 日程第二 沖縄振興開発特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。沖縄及び北方問題に関する特別委員長川原新次郎君。    〔川原新次郎君登壇拍手
  24. 川原新次郎

    ○川原新次郎君 ただいま議題となりました沖縄振興開発特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、沖縄及び北方問題に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。  本法律案は、沖縄における電気の供給を民間会社が行うことができる環境が整備された現状にかんがみ、復帰時に特殊法人として設立された沖縄電力株式会社の民営化を図ろうとするものであって、その主な内容は次のとおりであります。  第一に、現在、沖縄振興開発特別措置法の中に規定されております事業計画、定款変更等に関する通産大臣の認可等、沖縄電力株式会社に関する政府の監督規定を削除すること、第二に、民営化後の沖縄電力株式会社の資金調達の円滑化を図るため、沖縄振興開発金融公庫の一般電気事業会社に対する貸付金について一般担保制度を設けることなどであります。  委員会におきましては、沖縄振興開発による電力需要の拡大、民営化後の電気料金水準、現行助成措置の継続、政府保有株式の売却方法と売却益の活用等の質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して市川正一委員より原案に反対する旨の意見が述べられました。  討論を終わり、採決の結果、本法律案賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し、自由民主党、日本社会党護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、二院クラブ・革新共闘、サラリーマン新党・参議院の会の各派共同提案に係る民営化後の適正な電気料金水準の確保等についての附帯決議を賛成多数をもって行いました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  25. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) これより採決をいたします。  本案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  26. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。      ─────・─────
  27. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 日程第三 昭和六十一年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)  日程第四 昭和六十一年度特別会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)  日程第五 昭和六十一年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額調書及び各省庁所管経費増額調書(その1)   (いずれも第百八回国会内閣提出、第百十二回国会衆議院送付)  日程第六 昭和六十一年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)  日程第七 昭和六十一年度特別会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)  日程第八 昭和六十二年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)  日程第九 昭和六十二年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額調書及び各省庁所管経費増額調書(その1)   (いずれも衆議院送付)  日程第一〇 昭和六十一年度一般会計国庫債務負担行為調書(その1)  以上八件を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。決算委員長穐山篤君。    〔穐山篤君登壇拍手
  28. 穐山篤

    ○穐山篤君 ただいま議題となりました昭和六十一年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)外六件、並びに昭和六十一年度一般会計国庫債務負担行為調書(その1)、以上八件につきまして、決算委員会における審査の経過及び結果について御報告申し上げます。  まず、予備費関係七件は、憲法及び財政法の規定に基づき国会の事後承諾を求めるため提出されたものでありまして、その内容は、昭和六十一年四月から同六十二年十二月までの間において使用または増加の決定がなされた一般会計特別会計予備費関係経費であり、その主な費目は、国民健康保険事業に対する国庫負担金、衆議院議員総選挙等経費、児童保護措置費等の不足を補うために必要な経費、並びに災害復旧、総理の外国訪問、主要国首脳会議の開催、老人医療費等補助等に必要な経費などであります。  次に、昭和六十一年度一般会計国庫債務負担行為調書(その1)は、昭和六十一年度に発生した災害の復旧事業の実施が同六十二年度に及ぶものについて、同六十一年度においてその事業費につき債務負担行為を行ったことについて、財政法の規定に基づき国会報告されたものであります。  委員会におきましては、これら八件を一括して熱心に審査をいたしましたが、質疑の内容につきましては会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終了し、直ちに討論に入りましたところ、日本共産党を代表して橋本委員より、昭和六十一年度特別会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)、同(その2)、以上二件については賛成、他の予備費関係五件には反対するとの意見が述べられました。  討論を終局し、採決の結果、予備費関係七件につきまして、多数をもって承諾を与えるべきものと議決され、また国庫債務負担行為一件につきましては、全会一致をもって異議がないと議決された次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  29. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) これより採決をいたします。  まず、日程第三、第五、第六、第八及び第九の予備費使用総調書等五件について採決をいたします。  五件を承諾することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  30. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 過半数と認めます。  よって、五件は承諾することに決しました。  次に、日程第四及び第七の予備費使用総調書二件について採決をいたします。  両件を承諾することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  31. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 過半数と認めます。  よって、両件は承諾することに決しました。  次に、日程第一〇の国庫債務負担行為調書について採決をいたします。  本件は委員長報告のとおり異議がないと決することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  32. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 総員起立と認めます。  よって、本件は全会一致をもって委員長報告のとおり異議がないと決しました。      ─────・─────
  33. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 日程第一一 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長村上正邦君。    〔村上正邦君登壇拍手
  34. 村上正邦

    ○村上正邦君 ただいま議題となりました国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本法律案は、国際復興開発銀行の出資比率の調整を目的とした特別増資により同銀行に対する我が国の出資の額が増額されることとなるのに伴い、当該出資の額の増額に応ずるための措置を講じようとするものであり、政府は、同銀行に対し十一億七千九百六十万協定ドルの範囲内において追加出資を行うことができることとするものであります。  委員会におきましては、今回の世銀への特別増資の意義、世銀の融資姿勢のあり方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。  質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して吉井英勝委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。  討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  35. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) これより採決をいたします。  本案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  36. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。      ─────・─────
  37. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 日程第一二 平和祈念事業特別基金等に関する法律案  日程第一三 昭和六十二年度における国家公務員等共済組合法年金の額の改定特例に関する法律の一部を改正する法律案   (いずれも内閣提出衆議院送付)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長名尾良孝君。    〔名尾良孝君登壇拍手
  38. 名尾良孝

    ○名尾良孝君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  まず、平和祈念事業特別基金等に関する法律案は、今次の大戦におけるとうとい戦争犠牲を銘記し、かつ永遠の平和を祈念するため平和祈念事業特別基金を設立し、関係者の労苦について国民の理解を深めること等により関係者に対し慰藉の念を示す事業を行わせるとともに、戦後強制抑留者に対する慰労品の贈呈等を行おうとするものであります。  委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、本法律案といわゆる私的諮問機関である戦後処理問題懇談会報告との関係関係者に対する個別的給付に関する政府見解等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して吉川委員から本法律案に反対の旨の発言があり、次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し、六項目にわたる附帯決議を全会一致をもって行いました。  次に、国家公務員共済年金関係法案は、厚生年金及び国民年金の給付の額の改定措置に倣い、退職共済年金等の国家公務員等共済組合法年金について、昭和六十一年の消費者物価指数に対する昭和六十二年の消費者物価指数の比率を基準として、本年四月分以後の年金の額を増額改定しようとするものであります。  なお、衆議院において施行期日について所要の修正が行われております。  委員会におきましては、共済年金改定と恩給改定との関係、国鉄の年金財政問題及び自衛官の年金制度等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し、共済年金の職域年金相当部分に関する附帯決議を全会一致をもって行いました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  39. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) これより採決をいたします。  まず、平和祈念事業特別基金等に関する法律案採決をいたします。  本案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  40. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。  次に、昭和六十二年度における国家公務員等共済組合法年金の額の改定特例に関する法律の一部を改正する法律案採決をいたします。  本案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  41. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。      ─────・─────
  42. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 日程第一四 土地区画整理法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。建設委員長村沢牧君。    〔村沢牧君登壇拍手
  43. 村沢牧

    ○村沢牧君 ただいま議題となりました土地区画整理法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本法律案は、土地区画整理事業を推進して健全な住宅市街地の造成を図るため、個人施行者制度を拡充するとともに、土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業に参加組合員制度を創設するほか、小規模宅地に対する宅地地積の適正化の措置を拡充しようとするものであります。  委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して上田委員より反対の意見が述べられ、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し、四項目の附帯決議を付すことに決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  44. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) これより採決をいたします。  本案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  45. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。      ─────・─────
  46. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 日程第一五 郵便年金法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長上野雄文君。    〔上野雄文君登壇拍手
  47. 上野雄文

    ○上野雄文君 ただいま議題となりました郵便年金法の一部を改正する法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、最近における年金需要の動向にかんがみ、郵便年金の加入者の利便の向上を図ろうとするものでありまして、その主な内容は、郵便年金契約の加入申し込み時に掛金を一時に払い込むことができるようにするとともに、掛金を一時に払い込み郵便年金契約に加入した場合に、その効力が発生した日から年金支払いをすることができることとし、現在の掛金分割払い型年金に加え、いわゆる即時年金の制度を設けるものであります。  委員会におきましては、高齢化社会における公的年金と個人任意年金との関係、簡保・年金資金の運用のあり方、国民の自助努力に対する税制上の優遇措置等について質疑が行われました。  質疑を終わり、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  48. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) これより採決をいたします。  本案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  49. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 総員起立と認めます。  よって、本案は全会一致をもって可決されました。      ─────・─────
  50. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 日程第一六 国民健康保険法の一部を改正する法律案  日程第一七 児童扶養手当法等の一部を改正する法律案  日程第一八 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案  日程第一九 戦傷病者戦没者遺族等援護法及び戦没者父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案  日程第二〇 厚生年金保険法の一部を改正する法律案   (いずれも内閣提出衆議院送付)  以上五案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長関口恵造君。    〔関口恵造君登壇拍手
  51. 関口恵造

    ○関口恵造君 ただいま議題となりました五法律案につきまして、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、国民健康保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法律案は、国民健康保険事業の運営の安定化を図るため、所要の措置を講ずるものであります。その主な内容は、療養の給付等に要する費用が著しく多額となると見込まれる市町村について安定化計画を作成させ、当該計画の達成のために国、都道府県及び当該市町村が必要な措置を講ずることとすること、昭和六十三年度及び同六十四年度において、国及び地方公共団体の負担による保険財政基盤の安定化のための措置、高額医療費共同事業の強化充実、老人保健医療費拠出金に係る国庫負担率の調整を行うこと等であります。  委員会におきましては、参考人からの意見聴取、地方行政委員会との連合審査を行うとともに、医療保険制度の一元化、高医療費市町村の医療費安定化、低所得者の保険料負担、保険料滞納者の取り扱い等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党護憲共同山本理事、公明党・国民会議中西理事及び日本共産党沓脱委員よりそれぞれ本案に反対、自由民主党曽根田理事より本案に賛成する旨の意見が述べられました。  討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決しました。  なお、本法律案に対し、附帯決議が付されております。  次に、児童扶養手当法等の一部を改正する法律案外三法律案について申し上げます。  まず、児童扶養手当法等の一部を改正する法律案の主な内容は、児童扶養手当、特別児童扶養手当、特別障害者手当、老齢福祉年金等の額の引き上げ、拠出制国民年金及び厚生年金の物価スライドの特例措置等であります。  次に、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案は、医療特別手当その他の手当の額を引き上げるものであります。  次に、戦傷病者戦没者遺族等援護法及び戦没者父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案は、障害年金、遺族年金等の額を引き上げるとともに、戦没者父母等に改めて特別給付金を支給するものであります。  次に、厚生年金保険法の一部を改正する法律案の主な内容は、厚生年金基金が支給する年金給付について努力目標水準を設定するとともに、中途脱退者に係る年金給付の額の加算及び解散した基金の加入員に係る年金給付の支給等を厚生年金基金連合会が行うこととすること等であります。  委員会におきましては、以上四案を一括して審議を進め、公的年金制度一元化、年金等の額の引き上げ、年金資産の自主運用、被爆者援護法、中国帰国孤児の生活実態等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終了し、順次採決の結果、以上四案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。  なお、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案並びに戦傷病者戦没者遺族等援護法及び戦没者父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案に対し、附帯決議が全会一致をもって付されております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  52. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) ただいま委員長報告がありました議案のうち、国民健康保険法の一部を改正する法律案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。浜本万三君。    〔浜本万三君登壇拍手
  53. 浜本万三

    ○浜本万三君 私は、日本社会党護憲共同を代表して、ただいま議題となっております国民健康保険法の一部を改正する法律案について、反対の討論を行うものであります。  今日、医療をめぐっての最大の課題は、増大する国民医療費を将来にわたって適正な規模のものとし、その限られた医療費源を適正に配分し、二十一世紀高齢社会に向けて揺るぎない医療保険体制を確立し、いかにして国民の健康を保持、増進していくかという点にあると思うわけであります。  そのための施策は、単なる医療費のツケ回しであってはなりません。疾病構造に対応しながら、予防、治療、リハビリテーションと一貫した体制を地域、職域にしっかり定着させるということであります。しかし、本案は、国の責任を回避し、地方負担を導入しようとするもので、今日の当面する課題にも、運営に苦慮しておる市町村の期待にも、また高い保険料負担で困っている加入者の要望にもこたえていない改革案であります。  以下、具体的に反対の理由を申し述べたいと思います。  まず第一は、昭和五十九年四月、健康保険法改正案審議に際し、六十年代後半のできるだけ早い時期と約束した医療保険の一元化について、その時期、日程、手順、内容等が本案審議の過程でも全く明らかにされていないことであります。そればかりでなく、五十九年当時当然とされていた法定の給付率を最低八割にすることについてさえ明確にせず、後退した答弁となっているのであります。政府が約束して以来、今日まで行われた医療保険の諸改革は、国庫負担の減額に終始しており、我々の目指す給付と負担の一元化にはほど遠いのであります。  また、今回の改正に見られるように、国保制度に地方負担を新たに導入したり、国と地方の保険料の負担割合を変更する等の場合には、医療保険制度全体を見渡しながら改革案を決めていく必要があると思うのであります。現在、退職者医療制度に対する政府管掌健康保険からの拠出金分には国庫負担は全くなされておらず、今日のライフサイクルに見合った各制度に対する整合性のある国庫負担のあり方になっていないのであります。  第二は、今回の改正で、国保事業の運営の安定化推進の名のもとに、医療給付費が著しく多額な市町村に安定化計画を策定、実施させ、一定の基準を超えた著しく高い給付費の部分について、都道府県、市町村の共同負担を導入しようとする点についてであります。  今回の措置は、現在の地域差を生み出している要因を地方に転嫁し、現行の診療報酬制度や医療供給システムのもとで地域差が拡大している事実を覆い隠す結果ともなりかねないのであります。  私は、今日の疾病構造がかつての感染病中心から成人病へと変化している実情にかんがみ、当然に健康の保持、増進策や、慢性化した入院患者の早期退院を可能とする社会的条件づくり等に取り組むことが先決であると思うわけでございます。ましてや、今回の改正案に見るように、市町村に医療費適正化の努力を義務づけ、成果が上がらなければ負担を課すというような短絡的発想には絶対賛成できません。  また、安定化計画策定に当たって、住民の意思が反映される場が必要であるにもかかわらず、何らの配慮もなされていないこともまことに遺憾であります。  第三の反対理由は、保険基盤安定の名のもとに、低所得者に対する保険料軽減分を国と地方折半で負担する一千億円の事業で、新たに都道府県、市町村に各二百五十億円の負担を課すというものであります。  現在、市町村は既に低所得者の負担軽減等のために一般会計から相当額を繰り入れており、その額は六十一年度には前年度を五百億円も上回る二千二百六十七億円にも達しているのであります。国民健康保険の負担を地方の一般会計の負担とすることは、住民税負担を通じて、現行の被用者保険側からの拠出金等による調整とあわせ、二重の負担となっているわけであります。  また、保険料の納付に困難を来している保険料の滞納者に対し保険証を交付しない、あるいは返還させ、それにかえて資格証明書を交付し、現物給付でなく償還制をとっていることにも大きた問題があるわけであります。本制度が導入された原点、すなわち、悪質滞納者に対する措置であるということに立ち戻って行政の執行が行われるよう、この際、強く求めておきたいと思います。  第四に、今回の改正で全く理解できないのが、六十三年度予算ベースで国保老人保健拠出金に対する国庫負担率を五六・一%から五二・五%に引き下げ、四百六十億円の国庫負担を減額し、保険料負担に転嫁していることであります。  今日まで現行の拠出金割合を続けてきたのは、国保が他の制度に比べ脆弱な財政基盤にあることを認めてきたからであります。今日、国保財政の厳しさは一向に緩和しておりません。なぜに今回、地方負担導入で軽減された保険料負担分を国庫負担の減額で取り戻そうとするのか、到底納得できないところであります。なお、同額を保険料負担の軽減に振り向けることができたとすれば、厚生省の言うよりもさらに大きく一世帯当たり年約五千円の保険料軽減が可能となったはずであります。  このことに関して注意しておきたいのは、国が担当局長名で、市町村に対し保険料の引き下げ措置を行わないようにとの不当な通知を出していることであります。これは憲法が保障する地方自治の本旨にももとるものであり、到底納得できません。  最後に、国保の老人保健拠出金の見直しに関連して被用者保険の財政についても触れ、問題の提起をしておかなければなりません。  例えば、健康保険組合の財政は、六十二年度に制度発足以来初めて赤字になるわけであります。そして、六十三年度以降予想される赤字を料率を引き上げてカバーしようとすれば、六十六年には平均でも法定上限の千分の九十五を超えることになるわけであります。そして、七十三年には保険料収入の五〇%が退職者、老人医療の拠出金に振り向けられてしまうことになるのであります。一方で国庫負担を減らし、取りやすいところから取るということで、被用者保険の負担が増大していくことを絶対に許すことはできないのであります。  そもそも、今日の老人保健拠出金の被用者保険への傾斜した負担、また最近の国保保険料率の引き上げ等は、退職者医療制度創設に伴う国庫負担率の引き下げ、加入者等の見込み違いに端を発していることもこの際厳しく指摘いたしまして、政府の猛省を促しておきたいと思います。  最近の医療保険改革に見られる政府一連姿勢は、まさに憲法第二十五条に定める社会保障、とりわけ国民の生存にかかわる医療保障に対する国の責任の回避にもつながるものと言わざるを得ません。  以上、数点にわたって本案に対する反対の意見を申し述べますとともに、今後に対する検討課題を提示してまいりました。政府においてこれらの点について誠意を持って検討され、今後の施策の中で明らかにしていただきたいことを強く要望いたしまして、私の本案に対する反対討論を終わります。(拍手
  54. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  55. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) これより採決をいたします。  まず、国民健康保険法の一部を改正する法律案採決をいたします。  本案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  56. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。  次に、児童扶養手当法等の一部を改正する法律案原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案戦傷病者戦没者遺族等援護法及び戦没者父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案及び厚生年金保険法の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。  四案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  57. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 総員起立と認めます。  よって、四案は全会一致をもって可決されました。      ─────・─────
  58. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 日程第二一 国立学校設置法の一部を改正する法律案  日程第二二 昭和六十二年度における私立学校教職員共済組合法年金の額の改定特例に関する法律の一部を改正する法律案   (いずれも内閣提出衆議院送付)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。文教委員長田沢智治君。    〔田沢智治君登壇拍手
  59. 田沢智治

    ○田沢智治君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、文教委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  まず、国立学校設置法の一部を改正する法律案は、国立大学共同利用機関の連携、協力に基づく総合研究大学院大学の新設、三重大学の医療技術短期大学部の併設、京都工芸繊維大学の工業短期大学部の廃止のほか、昭和六十五年度に予定されている新テストの実施に対応するための大学入試センターの所掌事務の改正、さらに昭和四十八年度以後に設置された国立医科大学等の職員の定員を改めようとするものであります。  なお、衆議院において施行期日についての修正が行われております。  委員会におきましては、参考人の意見を聴取するとともに、総合研究大学院大学の設置目的、その進め方と運営のあり方、共通一次試験の評価と新テストの意義、新テストへの私立大学の参加見込みと実施時期、各大学の二次試験の内容充実、その他入学者選抜制度の将来のあり方、大学入試センターが行う情報提供事業内容などについて熱心な質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑終局を決定し、次いで討論に入りましたところ、日本社会党護憲共同を代表して粕谷委員より反対の討論が、自由民主党を代表して林委員より賛成の討論が、日本共産党を代表して佐藤委員より反対の討論がそれぞれ行われ、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、既設大学院の充実等四項目から成る附帯決議を行いました。  次に、昭和六十二年度における私立学校教職員共済組合法年金の額の改定特例に関する法律の一部を改正する法律案は、私立学校教職員共済組合が支給する退職共済年金等の額について、厚生年金及び国民年金改定措置に倣い、昭和六十三年四月分から改定しようとするものであります。  なお、衆議院におきまして施行期日について修正が行われております。  委員会におきましては、長期経理、短期経理の状況と見通し、公的年金一元化の進め方、福祉事業の現状とあり方、その他私学をめぐる諸般の問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  60. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) ただいま委員長報告がありました議案のうち、国立学校設置法の一部を改正する法律案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。菅野久光君。    〔菅野久光君登壇拍手
  61. 菅野久光

    ○菅野久光君 私は、日本社会党護憲共同を代表して、ただいま議題となりました国立学校設置法の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。  まず、法律内容に入る前に、今国会審議の異常さについて指摘をしなければなりません。  今国会には、臨教審答申に基づくいわゆる臨教審関連法案が六本提出されておりますが、現在、議題となっております国立学校設置法の一部を改正する法律案や、文教委員会でただいま審査中の教育職員特例法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案は、その内容の重要性から見て慎重な審議を要するものであるにもかかわらず、衆議院においては、両法案とも極めて不十分な審議のまま質疑が打ち切られ、採決が強行されました。教育の問題がこのような形で決められたことはまことに遺憾であります。  さらに、本院におきましても、国立学校設置法の一部を改正する法律案が文教委員会における十分な審議もなされないまま、本日のこの会議において成立が図られようとしていることについては、多くの国民の声に相和して強く抗議するものであります。  続いて、法案内容に沿って問題点を指摘いたします。  法案内容のうち、三重大学に看護婦養成のための医療技術短期大学部を設けることや、京都工芸繊維大学の夜間部を発展的に廃止することなどは特に反対をするところではありません。  しかしながら、次の二点、すなわち、まず第一に、既存の国立の研究所を寄せ集めた形で総合研究大学院大学という新しい形態の大学院を設けることであります。そして第二点は、現在、国公立の大学が実施している共通一次試験の運営を行っている大学入試センターを昭和六十五年度実施予定の新テストに対応して改組するという点であります。この二つの点は、多分に問題点を含んでおり、事教育の問題であるだけに慎重に審議をしなければならなかったのであります。  まず、総合研究大学院大学の創設についてであります。  従来、大学院はその下に学部組織を置くものでありますが、昭和五十一年の学校教育法の改正によって学部組織を持たなくても大学院は設置できるようになっています。これがいわゆる独立大学院と呼ばれるものであります。今日の科学技術の進歩の速さを考えるとき、我が国の学術研究体制の整備充実が強く望まれるところであり、そのために新しい形態の独立大学院も含めて高等教育全般の改革がなされること自体は問題とは思いません。  ところが、本法案にある総合研究大学院大学は、審議の中でも指摘されたように、その構想の大部分が国会に明らかにされないままその審議が打ち切られようとしております。審議の対象となるべき多くの事項は、法案成立後の政令事項や運用問題にゆだねられ、何らの具体的な方策も示されておりません。  文教委員会では、この大学院が全国各地に散らばる国立大学の研究所を寄せ集めて成り立っていることから、その管理運営をどうしていくかといった点、極めて専門的な存立目的を持つ各研究所においてどのような教育体制がとられるのかといった点、今後の高等教育全体のバランスある発展をどう実現していくかといった点などについて質疑がなされたのでありますが、真剣に審議を行わなければならないこれらの点について何ら明らかになることなく、大きな疑念を残したままであると言わざるを得ません。  また、現在、大学審議会が大学院設置基準の見直しを行っているとすれば、その問題とこの大学院大学の創設は密接不可分なかかわりを持つものでありますが、現在のところ、一体何がどの程度話し合われているのかといったことも満足に知ることができないのであります。重要な審議事項が国会の俎上に上らないような状態がありながら、我が国の学術研究の将来をどうして語ることができましょう。全く納得のいかないところであります。  その次に、大学入試センターの改組の点があります。  この大学入試センターを改組するねらいは、過去十回にわたって実施してきた国公立大学の共通一次試験にかわって、いわゆる新テストを六十五年度から実施することにあります。昭和五十四年度より導入されました共通一次試験が国公立大学の一層の序列化を招いたことや、六十二年度より実施された国公立大学の受験機会の複数化が大きな混乱を招いたことなど、過去の大学入試改革は今日の受験戦争の緩和について何ら有効な対策となり得なかったことは御承知のとおりであります。にもかかわらず、六十五年度より導入される新テストは、現在の共通一次と基本的に同じものなのであります。  この新テストに私立大学も参加するということになれば、我が国の大学の大部分を担っている私立大学も巻き込んで、偏差値による序列化が一層進むことは明らかであります。政府は、私立大学の参加を強要することはないと言いますが、私どもは、私学助成などを盾にして文部省の意向が強引に押し通される危険性が必ずしもないとは言い切れないと考えるのであります。大学の自治の侵害にかかわる問題がここでも審議不十分なまま済まされようとしているのであります。  また、新テストの実施時期が十二月下旬ということについても、委員会において参考人から、高校の教育に大きな影響を与えるものとして繰り下げ等指摘されています。二学期の授業はもちろんのこと、体育祭や文化祭、果ては新春のサッカーやバレーボールの全国大会などについても影響が及ぶのであります。なぜこのように大きな問題があり、参考人の強い意見や指摘を無視するような形で急がなければならないのですか。どうしても納得できないのであります。  さらに、新テストの本番前に行われるテストの試験的実施が、ことしの十二月に一回しか行われないことも問題として指摘しておかなければなりません。一体、たった一回の試験的実施で、本番の実施に向けて大丈夫なのでしょうか。準備期間が短く、受験生や高校側に大きな不安を与えていることを考慮すれば、六十五年度の実施はいささか拙速のそしりを免れないものと思うのであります。  そもそも、この新テストは、このテストの概略が決まる以前より政治的にその導入時期が取りざたされてまいりました。当初は、六十二年度から導入するなどといったことも言われておりました。今になって試行が一回しかできないのも、私立大学の参加が見込めないままに十二月に実施することになってしまったことも、すべて政治的な思惑から導入時期が扱われたことにそもそもの原因があったのであります。  入学者選抜が既に高等教育の最初の一部分であると考えれば、新テストの実施に至る一連の経緯や受験機会の複数化の実施状況は、高等教育のあるべぎ姿から大きく逸脱したものとなっております。政治的思惑、そして政府や大学当局者のエゴによって猫の目のように変わる入試制度に振り回されている受験生のことを考えれば、この法案の意図することにとても賛同することはできないのであります。  最後に、入試制度を改革することの前提には、言い古されていることではありますが、私学助成の充実や学校間格差の是正といった基本的な課題の解決を通じて、それぞれの大学の個性化と教育研究の充実が必要であります。こういった大学教育全体を見詰めた改革によって、高等教育全体のバランスある発展が求められているととを申し添え、私の反対討論を終わります。(拍手
  62. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  63. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) これより採決をいたします。  まず、国立学校設置法の一部を改正する法律案採決をいたします。  本案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  64. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。  次に、昭和六十二年度における私立学校教職員共済組合法年金の額の改定特例に関する法律の一部を改正する法律案採決をいたします。  本案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  65. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。      ─────・─────
  66. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 日程第二三 地方交付税法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長谷川寛三君。    〔谷川寛三君登壇拍手
  67. 谷川寛三

    ○谷川寛三君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本法律案は、昭和六十三年度分の地方交付税の総額について、現行の法定額に特例措置額二千二百七十五億円を加算した額から、昭和六十年度分の地方交付税の総額の特例措置額に係る一部返済額二百三十億円及び交付税特別会計における借入金等の利子支払い額二千七百八十億円を控除した額とすること、また後年度の総額についても所要の加算措置を講ずることとしたほか、普通交付税の算定について、地域産業の育成、地域経済の活性化の促進、国庫補助負担率の引き下げ及び国民健康保険制度の見直し、その他制度改正等に伴って必要となる所要経費財源措置すること等を主な内容とするものであります。  委員会におきましては、地方交付税の算定方法、地方財源不足対策のあり方、国と地方の税源配分、東京圏と地方の格差是正、国庫補助負担率引き下げの暫定期間終了後の取り扱い等の問題について熱心な質疑が行われました。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本社会党護憲共同を代表して糸久委員、公明党・国民会議を代表して片上委員、日本共産党を代表して神谷委員、民社党・国民連合を代表して抜山委員よりそれぞれ反対、自由民主党を代表して出口委員より賛成意見が述べられました。  討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対しましては、地方交付税総額の長期的安定確保のため、一般財源の安定充実を図ること等を内容とする附帯決議が付されております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  68. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) これより採決をいたします。  本案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  69. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。      ─────・─────
  70. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) この際、日程に追加して、  国会議員の秘書の給料等に関する法律の一部を改正する法律案衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  71. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員長嶋崎均君。    〔嶋崎均君登壇拍手
  72. 嶋崎均

    ○嶋崎均君 ただいま議題となりました国会議員の秘書の給料等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、御報告いたします。  本法律案は、議員の任期満限または衆議院の解散による選挙後再び国会議員の秘書となった者については、これらの期間中、給料が支給される場合に限り特例として、健康保険については任意継続被保険者としての保険料の二分の一を議院が負担することとし、厚生年金保険については、その保険料相当額を納付することを要件として、被保険者の資格を喪失しなかったものとしようとするものであります。  委員会におきましては、審査の結果、可決すべきものと全会一致をもって決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  73. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) これより採決をいたします。  本案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  74. 瀬谷英行

    ○副議長(瀬谷英行君) 総員起立と認めます。  よって、本案は全会一致をもって可決されました。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十四分散会