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1988-05-19 第112回国会 参議院 農林水産委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年五月十九日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  五月十八日     辞任         補欠選任      大塚清次郎君     永田 良雄君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         岡部 三郎君     理 事                 高木 正明君                 水谷  力君                 宮島  滉君                 稲村 稔夫君                 刈田 貞子君     委 員                 青木 幹雄君                 上杉 光弘君                 浦田  勝君                 北  修二君                 熊谷太三郎君                 鈴木 貞敏君                 永田 良雄君                 初村滝一郎君                 星  長治君                 本村 和喜君                 一井 淳治君                 菅野 久光君                 八百板 正君                 及川 順郎君                 諫山  博君                 三治 重信君                 喜屋武眞榮君                 山田耕三郎君    国務大臣        農林水産大臣   佐藤  隆君    政府委員        農林水産大臣官        房長       浜口 義曠君        農林水産省構造        改善局長     松山 光治君        農林水産省農蚕        園芸局長     吉國  隆君        農林水産省畜産        局長       京谷 昭夫君        農林水産技術会        議事務局長    畑中 孝晴君        通商産業大臣官        房審議官     安藤 勝良君        労働大臣官房審        議官       佐藤 仁彦君    事務局側        常任委員会専門        員        安達  正君    説明員        沖縄開発庁総務        局企画課長    嘉手川 勇君        沖縄開発庁総務        局調査金融課長  鈴木  勲君        国土庁地方振興        局過疎対策室長  細野 光弘君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○農村地域工業導入促進法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付) ○昭和六十二年度における農林漁業団体職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 岡部三郎

    委員長岡部三郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨日、大塚清次郎君が委員を辞任され、その補欠として永田良雄君が選任されました。     ─────────────
  3. 岡部三郎

    委員長岡部三郎君) 農村地域工業導入促進法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  4. 三治重信

    三治重信君 あるいは同僚議員の質問と最初は重なるかもわかりませんが、まず第一に、今度のこの促進法の一部改正を今回やろうとする動機、殊に第四次農村地域工業導入基本方針を六十二年三月に決定したばかりなのに新しくやるという理由。それから、新しく加えたこの四業種に限った理由、これは重なる答弁になったら簡単で結構でございます。
  5. 松山光治

    政府委員松山光治君) 本制度運用に当たりましてはできるだけ状況変化に即応した制度運用を図っていく、こういう趣旨のもとに、おおむね五年ごとに基本方針についての見直しを行いまして取り進めてまいっておるわけでございまして、今お話のございましたように、第四次の基本方針を昨年策定いたしたところでございます。  別途、もとになります制度あり方につきましても、制度をめぐる状況変化に対応して常時ある意味では見直しを必要とするわけでございますが、特に今回は農業構造改善が非常に重要な政策課題になっており、それとの関連においてより一層農村における就業機会の安定を確保していく必要があるという私どもの方のサイドからの事情もございますし、それから産業構造変化あるいは経済事情変化等々がかなり著しいものがあり、かつ国の政策全体といたしましても第四次全国総合開発計画を策定いたしまして多極分散型の国土形成に向けて政策を集中していこう、こういう状況もあるわけでございまして、そういう事情を踏まえまして新しい制度あり方といったようなことでいろいろと検討してまいったわけでありますが、たまたまやっと関係者の間の調整もついたと、こういうことで新しく四業種追加等を内容といたします制度改正を提案さしていただいたわけでございます。  私どもといたしましては、お認めいただきました上は、今回の制度改正趣旨に即しまして基本方針見直しを早急に行いたい、このように考えておる次第でございます。  四業種導入業種追加を限定した理由でございますが、私ども今回の見直しに当たりましては全産業にわたりましてレビューをいたしました。その場合、この制度の持っております特色は産業立地政策観点農業構造政策観点の両面からこれを考えていくということになるわけでございまして、農業構造政策観点からいたしますれば、労働吸収力といいますか、どの程度労働集約性を持っておるかという観点が特に重要になるわけでありますし、それから産業立地政策観点からいたしますと、農村地域への進出の可能性現実性、そういったものから判断していく、こういうことに相なるわけでございます。  そういう観点からいたしますと、特に現実立場に立ちますと、現に農村地域にはかなり工業導入が行われておるわけでございますので、工業とのつながりの程度の問題というのが非常に重要な要素を持ってくる。それから、業の内実といたしまして農村へ出ていくことが必要な事情にあるかどうか、こういうことになるわけでございますけれども、今回追加することにいたしました四業種につきましては、もともとは都市ないしはそれに近いところで立地してきた流通に関連のある業種でございます。  工業との取引といいますか、関係が非常に深い業種でございますし、これら業種を取り巻く状況といたしましては、御案内のように農村地域交通条件が相当整備されてまいりましたから、これ までの立地上の制約条件一つなくなってきておるということに加えまして、これらの業種におきましてもいろんな施設整備その他の必要性に迫られておるわけでございますけれども都市部では広い敷地がなかなか得にくいというふうな事情も出てきておる。もともとまた労働集約的な業種でもございます。したがいまして、より多くの労働力を供給し得る農村地域への関心も高まっておる。こういった事情を総合勘案いたしまして、今回この四業種追加業種に選定して積極的な農村への導入を図っていこう、このように考えた次第でございます。
  6. 三治重信

    三治重信君 その意図はわかったわけですが、最近の統計資料を見ると、農家数が非常に激減をしている。例えば四十六年には五百二十六万一千戸の総農家数が六十二年には四百二十八万四千戸、これで約百万も減っている。十七年の間に百万も減っている。兼業農家も八十万九千減っている。こういう数字を見ると、いろいろな施策もさることながら、経済全体の大変な激変が今現在起こりつつあるんじゃないか、こういうふうに思うわけです。  そこでお尋ねしたいのは、こういう農家の数がいろいろあるんだけれども統計上のいろいろな数字を出される農家というのはどういうものを農家と言っているのか。それから非常に減った理由は何と考えているか、それをまずひとつお願いします。
  7. 松山光治

    政府委員松山光治君) 私どもの方の統計情報部で実施しております調査におきます農家の定義といたしましては、まず傾向値面積でとらまえまして東日本で十アール以上、西日本で五アール以上の農業を営んでおる世帯というとらまえ方をいたしております。そのほかに非常に集約的な農業をやっている場合もございますので、あるいは土地に依存しない施設農業をやっているというのもございますので、傾向値面積がこれ以下でございましても一年間におきます農産物の販売金額が今の調査では十万円以上ある世帯、これを総括して農家ということで押さえておるわけでございます。  今、先生指摘ございましたように、昭和六十二年一月現在の農家数全国で四百二十八万四千戸に相なっておるわけでございまして、最近かなり農家減少が見られるわけでございます。最近十年間で見ましても総農家数で五十万四千戸の減、こういうことに相なっております。  農家類型別にこれを見ますと、第一種兼業農家で二十五万二千戸、それから第二種兼業農家で二十六万三千戸の減でございますし、専業農家のところでも男子生産年齢人口のいる専業農家が六万五千戸減っておる。いわゆる高齢専業農家についてはこの間七万六千戸ふえておる。こういう全体の状況でございます。  どういうことで農家減少が起こっておるんだろうかというお尋ねでございますけれども農業センサスによりまして昭和五十五年から六十年の間の農家の減りぐあいの中身を見てみたわけでございます。この五年間に離農いたしました農家が四十三万一千戸あったわけでございますけれども、一番実数で多かったのは、五十五年に第二種兼業農家であった農家離農したという農家が一番多うございまして三十二万六千戸、離農農家四十三万戸のうちの約七六%が第二種兼業農家からの離農でございます。その次に多いのが高齢農家からの離農でございまして六万一千戸、こうなっておりますので、離農全体の九割が第二種兼業農家高齢農家からであったというような統計の結果になっております。  同じ間のいわば離農率というふうに見てみますと、昭和五十五年に高齢専業農家であった農家離農した農家は三一%ということで三割を超えてございます。それから第二種兼業農家の場合も離農率が一一%弱ということで、この両者がいずれもほかに比べて際立って高い離農率になっておる。  こういう状況を考えますと、農家減少理由といたしましては、一つはやはり高齢化でございますし、それから兼業化深化に伴う離農、こういうふうに見てもいいのではないだろうか、このように考えておる次第でございます。
  8. 三治重信

    三治重信君 そして、高齢農家並びに第二種兼業農家の非農家になった農家はどれぐらい農地を手放しているか、あるいは賃貸に出しているか、その割合がわかれば教えていただきたい。
  9. 松山光治

    政府委員松山光治君) 事柄の性格上、なかなかつかみにくい面のある部分でございますが、今の五十五年と六十年の間の変化の問題といたしまして、五十五年に農家でありました者で六十年に非農家になった者、そのうちの所有耕地面積が五アール以上の者、こういう数字がございます。六十年になお耕地を持っておりまして、恐らく人に貸しているというふうな形だと思いますが、それが五アール以上の耕地を持っておる農家が三十七万世帯ございまして、こういった非農家が六十年時点で持っております耕地面積は十三万四千ヘクタール、こういう数字に相なっておるわけでございます。
  10. 三治重信

    三治重信君 そういうことで逐次急激に非農家になっていく。しかしながら、土地は今の推定で約半分ぐらいだ。こういうふうになってくると、規模拡大なり専業農家をつくっていくのにも、いわゆる農林省でいろいろ施策をしておられる農地の移動の流動化、殊に賃貸借の合理的な推進ということに非常にいいことだと思うんですけれども、そこで、実際の経営をやっていく専業農家というものと、一つはそういう非農家になっていながら土地を手離さないでおるということは、これを小作に出すかあるいは最近言われておる請負耕作に出しているか、こういうことなんですけれども、そうすると、専業農家へ行くより先に請負耕作の方が普及をして、専業農家土地が集積されるのがおくれているのか、あるいは専業農家とそういう請負耕作とは並行して進んでいるのか、実際の規模拡大の進みぐあいはどうなっているんですか。
  11. 松山光治

    政府委員松山光治君) 兼業化深化あるいは高齢化に伴いまして、労働力の面その他の制約から農業からだんだん足を洗っていく農家がふえてきている、こういうことでございまして、私どもとしては、農家のお持ちになっている土地をこれから農業でやっていこうという人にできるだけ御利用いただく、そういう方向地域ぐるみでいろいろ取り組んでもらいたい、また我々も援助していく、こういう構えで政策の運営に当たっておるわけでございます。  その場合に、農家から足を洗っていかれる方々の土地移り方の問題でございますけれども地域によって大分違いがございまして、北海道あるいは東北のようなところの場合にはどちらかといえば所有権が移動していく、こういう形の変わり方が多かったわけでございますが、その他の地域におきましては賃貸借の形、あるいは今先生お話のございました請負耕作といいますか、受委託の形で担い手のほかに土地利用が集積していく、こういうことが多いわけでございます。  受委託関係につきましても最近あちこちでいろいろな形でふえてきておりまして、特に特徴的なところは、規模の小さいところで委託に出す割合が高うなっておりますし、受け手の方は規模の大きな、労働力にも余裕があるし、機械装備も備えておる、あるいはそういった生産体制のしっかりしております生産集団等に委託されておる、こういう形のものがふえておるように理解いたしております。  私どもといたしましては、要は土地ができるだけ効率的に利用されるような生産体制をつくっていくということが重要でございますし、そのことを通じてこれから農業で生きていこうとする人に土地利用が集まっていくということが非常に重要な点だと考えておりますので、地域の実情に応じて売買なりそれから賃貸借なりあるいは受委託、こういういろんな手法でそういう方向に持っていきたいな、このように考えておるわけでございます。
  12. 三治重信

    三治重信君 ようやく農水省規模拡大努力が効果を発揮しつつあるように見受けられるし、 実際、私は中部圏の、いわゆる三大都市圏の中の一つのところにいるわけなんですが、そういうところを見ても土地利用型の農業というのはやはり大規模化せざるを得ない。したがって、請負耕作なり専業農家という形での規模拡大をやっていかぬと水田耕作はできないというふうなことになってきつつあると思うんですが、こういうことから考えて、今度の農村工業導入法はそれをさらに促進するような形での推進だろうと思うんです。  そこで、一つ非常に問題になっておるのが、そういうふうに外形は農水省の進む方向農村が行きつつあるんだけれども土地やなんかの物的な問題は一つあるんだけれども、僕は最近、人口問題のアジア国際会議に出たときに、日本の国会議員嫁不足対策をこの国際会議の中で終始持ち出されて、各国の知恵を拝借したいというような御意見だったんですが、特段として嫁不足というのはアジアのどこの国にもないんだということから、私も本当にこれは農村生活の、農家生活基本に関することになってきつつあるんじゃないかというようなことからこの前ちょっと時間があってお尋ねしたんですけれども農水省の方であらかじめ十分な御検討がないところで水産庁長官の代表しての答弁だったのできょう改めてお願いをするんですが、そのときの意見は、純農村地帯、殊に水田地帯ではフィリピンタイ、スリランカへまで農家のお嫁探しに行って連れてきているんだと、それでもなお農家の方で嫁が不足して大変なんだとこういう御意見なんです。それで、今度のやつで私はひとつ農業政策そのものからではないかもしれないけれども、私はやはり農家の嫁ができないというのは、お嫁さんに三ちゃん農業をやらせようという慣習から脱却せぬことには、だんなさんは背広を着て毎日サラリーマンになって出かけていく、お嫁さんおじいちゃん、おばあちゃん一緒田畑へ出て百姓をする、そういう嫁さんではこれはだれも来手がないというのが一つ。したがって、農家あり方について聞けば生活改良普及員とか生活改善指導員というのがいるんだそうですが、こういうようなのが本当にそこまでの相談に乗っているのか。また、実際に農村フィリピンタイまで大がかりに嫁探しに行って集団受け入れをやっているというのに手をこまねいているのかどうか、こういうようなことについて御説明願いたいと思います。
  13. 吉國隆

    政府委員吉國隆君) 農村婦人生活の問題あるいは農家のお嫁さんの問題、また外国人花嫁の問題、こういった点についてのお尋ねでございます。  農家の花嫁問題としてよく言われておりますのは、農業生産性の問題あるいは労働の厳しさ、また家庭の中におきまして生産活動の面と生活面農家婦人に非常に大きな負担がかかっている。また、そういったようなことから健康問題も生じているというようなことが問題点として言われているわけでございます。もちろん、私ども基本認識といたしまして農家であるからお嫁さんが来ないというふうには一概に決めつけられないというふうに認識をいたしております。未婚率等で見てもそういうことが言えるわけでございますし、地域性の問題もいろいろと加わっていようかと思っておる次第でございます。  お話しございましたように、やはり農業を魅力ある産業として育てていく、また、住みよい農村環境をつくっていく、そういった中で若い人たちが意欲を持って農業取り組み生活を営んでいけるという環境をつくり出していくことが基本的な重要な課題ではないかというふうに考えているわけでございます。  外国人花嫁の問題につきましては、すぐれて個人的な問題でございますし、人によっていろいろな考え方があり得る次元の問題でございますので、これについて私ども行政立場でとやかくの判断をするということは差し控えたいというふうに思うわけでございますが、私どもといたしましては、各種普及事業の中で後継者対策の一環といたしまして若い人たち交流の場をふやすといったような活動も織り込んで進めております。また、農政ということではございませんが、地域行政の問題として各種相談活動でございますとか情報提供活動でございますとか都道府県レベル、特に市町村レベル各種行政的な活動が行われているというふうに承知をいたしているわけでございます。  今後とも、私ども農業を魅力ある産業にしていくという、また農村生活環境を整備していくということを基本にしつつ、御指摘のありました生活改善普及指導事業の中におきましても現在も各種の試みをやっておりますけれども、今後とも一層の努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  14. 三治重信

    三治重信君 労働省の方に質問しようと思ったけれども、ちょっと時間がなくなったから勘弁してください。  それから、過疎対策もこれに非常に関連していると思ってお聞きしたらば、これについては過疎地域振興特別措置法ができているんだと、こういうふうなお話でその中身も聞きました。そうしたらこれも非常に最近過疎地域対策が進んでいるようでございますが、この場合でもやはり中心的なのが工業導入になっているのですが、こういうものの導入条件とこの農村工業導入法条件というものが合っているのかないのか。聞いていると、過疎地域振興対策工業導入についてはこの農村工業導入法の適用になっている地域なんだろうけれども、余り有効に利用されていないみたいなんだけれども、その点今後御指導というのか、工業導入についての対策過疎地域振興法でやるのか。その点についてひとつ御意見を承りたい。  それから、過疎地域については工業ばかりじゃなくてやはり自然を有効に利用する。その中で聞いたのでは、田畑はこれから耕作されなくなってきたときに酪農への転換というものを、酪農専業農家をつくるということを特に考えてもらいたい。それから地域には、特に大都市虚弱児童や一人っ子や何かを廃止した学校へ連れてきてそうして自然の中で教育さすような、既存の施設利用して、しかもおばあちゃんおじいちゃんばかりしかいない農家へ、子供を泊らせてやれば非常にうまくいくんじゃないかと思います。こういうようなことで過疎地域対策も考慮して進めていただきたい、こういうふうに思いますが、両省からひとつ御答弁を願います。
  15. 松山光治

    政府委員松山光治君) 過疎地域の問題につきましては、国土庁の方からもお見えいただいているかと思いますので、私の方からまず概略だけ申し上げますけれども農工法の世界では過疎地域も含めまして全体として農工農村地域というふうに押さえまして所要の措置をとっておるわけでございます。ただ、今回の改正におきまして御案内広域就業計画制度対象にしまして、今までなかなか入りにくかったところについて都道府県市町村一緒になって誘致していこう、こういう仕組みにしておるということと、それから、特に不安定兼業農家が多いということでこういった過疎のようなところが対象になるわけでありますが、特利融資制度を設けようとしておる、こういうことで、私ども、これまでなかなか企業の入りにくかったところにも入れていく、ないしは別途の私ども予算事業地場産業の育成ということについてもこれからかなり力を入れていきたいと思っておりますので、そういうことで振興を図っていきたいというふうに思っているわけでございます。  なお、都会と農村との交流ということで、私ども五十九年度から都市農村交流促進事業というのを行っておりまして、都市農村の特定の結びつきを強める。その中で空き家利用といったようなこともやっていく。現に、既に全国では百八十三組の都市農村結びつきもできておりますし、それから空き家制度利用しておる、あるいは空き家ないしは廃屋を利用して都市の人に利用してもらおうというようなことをやっておる市町村も六十ございますので、これからも地道な努力を積み重ねていきたい、このように考えておる次 第でございます。
  16. 細野光弘

    説明員細野光弘君) 過疎地域振興につきましては、先生指摘のとおり昭和四十五年以来進めてまいっておるところでございますが、なお多くの団体若年層の流出ですとか、雇用機会不足等の問題を抱えているところでございます。そのために、企業誘致につきましては農村工業導入促進法だけではございませんが、その中で農村工業導入促進法によります企業誘致というのはかなり重要な役割を果たしておるわけでございます。また、企業誘致だけではなくして、雇用の場の確保という意味ではいわゆる地域産業おこし特産品等をつくっていくというようなことや、観光レクリエーションというものが重要な機能を果たしている。地域の資源の有効な活用を図るということが重要だということを私どもも考えておりまして、特に最近都市におきます田舎志向手づくり志向、こういったこと等と相まちまして、地域産業おこしですとか観光レクリエーション関係が着実に伸びてまいってきております。  これらにつきましては、私どもも先進的な事例につきましては過疎白書やそれから各種会議等で紹介をしているだけではなくして、例えば過疎地都市との交流モデル事業ですとかそれから地域産業おこしモデル事業、こういったものにも補助を続けてまいってきているところでございます。今後ともこれらの地域振興方策につきましては、多面的な観点から検討を続けてまいりたいというふうに考えております。
  17. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 私、労働省に最初にお尋ねします。  円高問題は、国内的にも国際的にも大きな問題を惹起しつつあるわけですが、特に円高の影響による失業、雇用の問題、その状況、最近の実態はどうなっておるのであるかお聞きしたい。
  18. 佐藤仁彦

    政府委員佐藤仁彦君) お答え申し上げます。  先生指摘のように、円高は雇用、失業情勢に大きな影響を与えたものというふうに認識いたしております。  産業構造の調整が進む過程にありまして、それに加わって円高が進行した、それも急激に進行したということから、一昨年来の雇用、失業情勢は大変厳しいものがございました。その後構造調整が進みますとともに、また円の動きも安定したこともございまして、雇用、失業情勢は総じて改善の傾向を示しているというふうに見ております。完全失業率も、昨年の五、六月ごろに三%を記録するというようなことがございましたが、最近に至りましては二・六%ないし二・七%で推移するようになってまいりましたし、一人の求職者に対して何件の求人があるかという有効求人倍率も〇・六倍程度であったものが最近は〇・九倍まで回復するなど、雇用情勢はかなり安定してまいってきております。  ただ、言えますことは、地域別に見まして、例えば北海道でありますとか沖縄などにおきましては雇用、失業情勢の改善がおくれるなど、地域的な格差もございますし、また産業間の景気回復あるいは雇用需要の回復にも大きな格差があるなど、かなりの格差を残しながらでございますが、総じては雇用、失業情勢は改善の傾向をたどっているというふうに申し上げることができるのではないかと思います。
  19. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 そうしますと、円高問題は国内的にも国際的にも大きな反響を呼んでおるわけですが、雇用、失業の面からすると漸次改善されておる、こう受けとめていいんですね。  ところで、雇用、失業の問題は、沖縄の場合にはもうずっと戦後この方全国平均と比較しまして二倍ないし三倍、この間にいつもあったわけですね。それが沖縄では現状はどうなっておるのであるか、承りたい。
  20. 佐藤仁彦

    政府委員佐藤仁彦君) 沖縄の雇用、失業情勢を全国と対比してどういう状況にあるか、そういう客観的な事実についてのお尋ねかと存じます。  ただいま先生も御指摘になりましたように、沖縄の失業率は全国平均の約倍程度の高さにございまして、例えば六十二年度の平均で見ましても、全国平均の失業率が二・八%であるのに対し、沖縄は五・二%というような高い水準にありますし、一番新しいデータで見ましても、六十三年の三月、全国平均で三・〇に対して沖縄は六・〇というような高い水準にあります。また、求人倍率を見ましても、全国平均が先ほど申しましたように〇・九倍まで回復しているのに対し、沖縄はなお〇・四倍程度にとどまっているというように、雇用、失業情勢は全国平均に比べましてもかなり厳しい状況にあるということが申し上げられると思います。
  21. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 そうすると、このように理解していいですか。円高による、全国平均の立場からすると改善方向に進みつつある、沖縄の場合にも大なり小なりその方向に行きつつある、こう理解してようございますか。  それでは聞きます。では、沖縄の場合にどういう対策を持っておられますか。それをお聞きします。
  22. 佐藤仁彦

    政府委員佐藤仁彦君) 産業構造の転換が進められている中で、円高の影響が非常に大きく出て雇用、失業情勢が悪化したということは全国的にも言えることでございますが、沖縄につきましては特に基地に依存しているというような問題がありましたり、あるいはパイナップル産業が農産物の生産あるいは食品加工で大きなウエートを占めているが、それが国際的な競争の場でいろいろな問題があるなど、円高の影響がいっときかなり大きく出たんではないかと思います。そういう沖縄の産業の厳しさに対応いたしまして、労働省は六十二年度におきまして雇用開発促進地域全国的に約百十二地域ほど指定いたしましたが、その地域指定に当たりましては沖縄全土をそういう地域として指定いたしまして、例えば雇用増を図った事業主に対して、雇用機会の増大に要した費用に対して五千万円までの特別助成を行うというような特別措置がそうした地域には適用されるわけでございまして、できる限りの雇用機会の創出を図るということに基本を置きまして職業の安定に尽くしてきているところでございます。  また、沖縄につきましては、特別に沖縄県の雇用安定のための計画を策定いたしますとか、あるいは沖縄の商工会議所でありますとか、労働組合の方々でありますとか、そういう関係労使の方々と行政側が話し合う場を設けまして、関係者意見交換を通じて関係者が一体となって雇用の安定に対応するような体制もつくっておるところでございます。
  23. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 少なくとも雇用、失業の面でも本土並みに近づくように今後とも御努力を願います。  次に、沖縄開発庁に尋ねます。  この沖縄振興開発特別措置法では、農村地域工業導入促進制度と同様に、農業構造改善について配慮しながら工業開発地区に工業導入を図る仕組みとなっておる。これによる地区の指定状況あるいは工業導入のための税制の優遇措置の内容、その適用状況、そして工業導入の実績、また雇用拡大にどうそれが結びついておるのかなど、制度運用はどのようになっておるか。いろいろ問題点をまとめて申し上げましたが、その点についてまとめて明快にお答え願いたい。
  24. 嘉手川勇

    説明員嘉手川勇君) 御説明を申し上げます。  御案内のとおり、工業開発地区制度は、沖縄における産業振興のための特別措置一つとして沖縄振興開発特別措置法に規定されているものでございます。この工業開発地区制度は、沖縄県において工業開発を図るために必要な要件、すなわち工場用地、労働力の確保が適当であることなどを備えている地区を工業開発地区に指定いたしまして、当該地区に立地する企業に対し、税制上の優遇措置等を講ずることによりまして企業立地を促進し、沖縄県におきます工業の開発を図ることを目的とするものでございます。工業開発地区は、沖縄開発庁長官が沖縄県知事の申請に基づきまして沖縄振興開発審議会の議を経るとともに、関係行政機関の長に協議をいたしまして指定するものでございまして、現在、糸満市、南風原町、 具志川市等合計十一地区が工業開発地区として指定をされているところでございます。  お尋ねがございました工業開発地区におけるいわゆる沖振法に基づく税制上の優遇措置は、農用地等の譲渡に係る所得税の軽減、事業用資産の買いかえの場合の課税の特例、工業用機械等の特別償却、特別土地保有税の非課税等でございます。  ちなみに、沖縄県の資料によりますと、ちょっとデータが古うございますので御容赦いただきますが、昭和五十七年度から昭和六十年度における沖振法に基づく税制上の優遇措置、事業税、不動産取得税、固定資産税、特別土地保有税の実績は合計で十八件でございまして、その総額が五千三百万円と聞いております。  次に、立地企業に関してでございますが、昭和五十年十月に工業開発地区に指定されました糸満市、南風原町、具志川市及び読谷村について見てみますと、これらの市町村におきましては、指定を受けた昭和五十年と昭和六十年を比較いたしますと、工場数では、四市町村合計で昭和五十年には三百十七事業所であったものが昭和六十年には三百七十三事業所へ増加いたしております。これは増加率が一七・七%でございまして、県内の平均九・一%と比べますと、平均以上の増加率を示していることになっております。また、従業者数でございますが、これも昭和五十年の二千七百九十五人から昭和六十年の三千四百七十三人へ増加いたしております。増加率が二四・三%で、県平均が五・一%と相なっているところでございます。  次に、企業立地の促進の問題でございますが、この企業立地の促進はやはり雇用機会の確保、県民所得の向上を図る上でぜひとも必要でございまして、沖縄県における経済の自律的発展を実現するためにも重要な課題であると考えているわけでございます。企業の誘致は、用地の確保、企業の積極的な誘致など県及び地元市町村努力も不可欠であるところでございまして、これらの地元の努力を踏まえまして、沖縄開発庁といたしましても十分協力をしてまいりたい、このように考えているところでございます。
  25. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 沖縄が本土並みになる日までは特別措置法というのが存在するわけです。願わくば特別措置というこのハンディがなくなることを私は待ち望んでおります。早く本土並みになるように最善の努力をしていただいて、特別というその文言がなくなるように努力してほしいと願います。  次に、沖縄振興開発特別措置法についても、今回の農村地域工業導入促進制度改正と同様に、工業導入以外に流通業や観光業等新たな業種導入について検討すべきではないか、こう思います。また、農村地域工業導入促進法では政府系金融機関の特利融資が創設されたのでありますが、同様の措置を沖縄特別措置法においても検討すべきではないか、こう思いますが、いかがでしょうか。
  26. 嘉手川勇

    説明員嘉手川勇君) 御説明を申し上げます。  沖縄の振興開発につきましては、沖縄の置かれました特殊な諸事情にかんがみまして、本土に適用されております各種地域振興法を沖縄振興開発特別措置法に総合的に取り入れまして、その振興を図ることとされておるところでございます。沖縄県におきます工業開発につきましても、工業開発地区制度が先ほど御説明申し上げましたように設けられているところでございますが、実は農工法につきましては、現在、沖縄は適用除外と相なっておるところでございます。  したがいまして、現段階でこの法律をそのまま沖縄へ適用するということはできないわけではございますが、この件につきまして沖縄県とも連絡をとりましたところ、現在のところ、沖縄県としてはそういうような要望は持っていないということでございました。しかしながら、沖縄開発庁といたしましては、沖縄県における企業立地促進、また農業振興を図る観点から今後どのような措置を講ずるかにつきまして、先生指摘趣旨を十分に踏まえまして、沖縄県の意向も体しながら検討を進めてまいりたい、このように考えているところでございます。
  27. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 ひとつぜひ、特別ということは前向きの、いい面において特別があるという理解をしますが、除外ということになるとこれはけしからぬと言いたいですから、ぜひそれもいい方の改正なので、それを沖縄に及ぼすということは当然なければいけないと思いますから、ひとつよろしくお願いしますよ。  次に、四全総においては、「沖縄地方整備の基本方向」として、「企業立地と貿易の振興を図るため、那覇港での自由貿易地域の設置を推進するとともに、その成果を踏まえた新たな地域の設置、中城湾港での備蓄、加工等も含めた国際物流中継機能の強化について検討する。」云々とありますね。この趣旨についてどのような検討を行っておられるのであるか、これによる雇用機会の確保をどのように見込んでおられるのであるか尋ねたい。
  28. 嘉手川勇

    説明員嘉手川勇君) 御説明を申し上げます。  先生ただいまおっしゃいました沖縄における自由貿易地域についてでございますが、これは沖縄県の長年の願いであったわけでございまして、沖縄開発庁は昨年七月の沖縄振興開発審議会の答申を受け、昨年十二月にこの自由貿易地域、那覇地区を指定したところでございます。沖縄県は、この地域に外国から原材料、半製品等を搬入いたしまして加工、配送、仕分け等を行わせるための施設といたしまして、倉庫、工場、展示場、管理事務所用施設など、およそ九千平米の施設を整備するとともに、自由貿易地域立地を希望する企業の公募を行い、現在立地企業の選定のための検討を行っているところでございます。本年六月の開設に向けて現在鋭意所要の準備を進めているところでございます。沖縄開発庁といたしましても、これらの諸準備が滞りなく完了することを期待しているところでございます。  なお、沖縄県といたしましては、今後の自由貿易地域の展開につきまして、今回設置を見ます自由貿易地域運用状況、今後の社会経済情勢の推移を踏まえ、将来、中長期的には中城湾港新港地区についても、立地条件の特性を踏まえまして自由貿易地域の設置について検討を進めていくという考えを持っておられると伺っております。沖縄開発庁といたしましては、これら沖縄県の動向を十分見守ってまいる所存でございます。  なお、今回の自由貿易地域の設置により、沖縄県の試算によりますと立地企業数がおよそ二十社程度、それから雇用機会の創出が二百十名程度、出荷額、売上額等でございますが、これはおよそ百五十億円程度を見込んでいると伺っております。
  29. 鈴木勲

    説明員鈴木勲君) 先ほど嘉手川課長の方から答弁申し上げましたが、沖縄綱の特別貸付の関係につきまして答弁をさせていただきます。私の方から補足させていただきたいと思います。  今回、本土公庫等におきまして、農工法改正に伴いましていわゆる農工地区に立地いたします製造業等につきましては、先ほど先生お話ございましたように、低利の融資が行われることになったわけでございます。先ほど企画課長の方から御説明いたしましたように、農工法につきましては沖縄への適用は沖振法によって除外されております。それで、沖縄公庫といたしましては、従来から沖振法に基づく工業開発地区の製造業に対しましては産業開発資金、それから中小企業資金、それから生業資金の基本資金、いわゆる一般貸付資金でございますが、それで対応してきたところでございます。今回、本土公庫等が行います特別貸付の内容に比べまして、これらの各資金の基本資金の内容は現在遜色のないものとなっておりますので、現在の基本資金の範囲内で沖振法に基づく工業開発地区の製造業には十分対応していけるものと考えております。  なお、先生の御指摘ございました点につきましては、十分今後の沖縄の資金需要動向等を勘案いたしまして検討していきたい、かように思っております。
  30. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 今詳しく述べていただいたことは結構ですが、早くひとつ本土並みにすべてが追いつくように一層の御努力をお願いします。  次に、農林水産省に、もう時間も迫ってまいりましたので、まとめて問題を提示いたしますから、そしてそれぞれの方で簡潔に御答弁願って、最後に大臣に述べてもらいたい点をまとめて申しますのでよろしくお願いします。  まず第一点は、沖縄の基幹作目であるサトウキビについては生産性の向上が強く求められている。このため、優良品種の普及を進めるとともに、低価格で性能のよい農業機械の開発普及が最も重要である。このことがどのように農水省で進められておるのか。  次に、パイナップルの生産は沖縄においては地域的に重要な作物になっておることは御承知のとおりであります。パイナップルの缶詰、果汁の自由化はこれに重大な影響を与えるが、いつ実施されるのであるか、その場合は何としても手厚い国内対策が必要であることは今日までもたびたび申し上げておりますが、このことをどのように考えていらっしゃるか。自由化の厳しい情勢の中でパイナップルの生産を守るためにバイオテクノロジーを利用した低コストの生食用高品種の開発、普及を緊急に進めるべきであると思うが、いかがでしょうか。それがどのように検討されておるのでしょうか。  そして、最後に大臣に、沖縄農業がサトウキビの生産性の立ちおくれ、パイナップル缶詰、果汁の自由化の問題などで厳しい状況に直面しております。今後の沖縄農業を守り発展させるための大臣の御配慮、御決意を承りたいと思います。
  31. 吉國隆

    政府委員吉國隆君) サトウキビとパイナップル製品の自由化関連について私からお答え申し上げます。  サトウキビの優良品種種苗の供給の問題につきましては、御承知のように国の種苗管理センターの農場におきます原種生産、またサトウキビの種苗安定確保事業を通じまして原種圃の設置に対しても助成を行っておりまして、優良種苗の安定供給に努めているところでございますが、九州農業試験場で育成されました早熟性の高糖分でかつ多収性であり、黒穂病等の病害にも強いNiF4という沖縄向けの品種が六十年農林登録をされるところまで進んでおりまして、これの積極的な普及を図っていくということが一つ課題であるというふうに考えております。  また、そのほかにも、新品種の早期開発ということで、試験場で選抜育成を行っておりますものの中で有望な品種系統につきまして現地適応性試験等も実施をいたしているところでございます。  また、機械化、省力化が重要な課題であることは御指摘のとおりでございまして、従来特に収穫段階の機械化ということが大きな課題でございますが、高能率な収穫作業機械、具体的には中型グリーン・チョッピング・ハーベスターの導入を進めてまいっているところでございますが、この機械の導入が困難な地域につきましては小型の刈り取り機と脱葉機等を組み合わせた機械化体系を目指して努力をしていくということで、六十三年度から新たにサトウキビ省力化生産技術実用化事業というものを起こして進めておりまして、この中で実験集落におきまして、能率が高くて乗用の小型収穫機械、これの実用化に取り組んでいくというような進め方になっているところでございます。  パイナップルの関係でございますが、いわゆる八品目の自由化時期につきましては、ガットの報告書、勧告の実行に必要以上の長期期間を費やすのは適当でないというふうに考えられるわけでございまして、国内生産への影響ということも考慮いたしまして、国内、国外との調整を図りながら適切なスケジュールを定めることとしたいと考えております。自由化の時期につきまして、パイナップル生産への影響ということを考えながら検討を進めている段階でございますが、私どもとしては妥当な期間を確保するということを考えつつ、米国との間の協議も進めて対処してまいりたいというふうに考えております。  国内対策につきまして、私ども、各方面の御意見も承りながら現在検討を急いでいる段階でございます。いろいろな調製品の特性ということがございますし、また農業生産とのかかわりがございますので、農業生産面での対策、また加工流通面での対策、これを幅広く検討し、各方面の御意見を承って検討を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  32. 畑中孝晴

    政府委員(畑中孝晴君) パイナップルの育種でございますが、現在熱帯農業研究センターと県の農業試験場が連携をとりながらやっておりまして、最近では、非常に大きくて、糖度が高くて、生食用にも向くという品種として、N六七—一〇というのが育成をされております。昔は選抜育成とかそういうことをやっておったわけでございますが、最近では放射線を利用して突然変異を誘発するというような、近代的な育種手法もとるようにしております。また、増殖がなかなか難しいということもございまして、苗がつくりにくいわけでございますが、これも最近のバイテク技術でございます組織培養等を利用いたしまして、できるだけできた品種を早く苗にするというようなところにも技術開発をやっておりまして、実用化の一歩手前まで今行っているという状況でございます。また、県にはバイテクの機器等の助成も現在やっているところでございます。  以上でございます。
  33. 佐藤隆

    ○国務大臣(佐藤隆君) 第二次沖縄振興開発計画に基づきまして、農用地及び農業用水の確保、土地基盤整備の一層の整備に努めることは当然でございまして、さらに主要作物でありますサトウキビ、あるいはまた、今パインのことについての技術的な話もございましたけれども、いずれにしても、生産性の向上等努力すべきであると思っております。  また、沖縄という位置の特殊性を考えますと、太陽エネルギーを有効に利用した野菜、花卉これは成長産業として現地でも相当活力ある考えを持っておられるということも、私現地で聞いておりますし、そうしたことについての生産の拡大あるいは肉用牛の供給基地の形成による畜産の振興、こういうことを考えながら農業の確立を図ることを基本としてまいりたい、こう思っております。  忘れてならぬことは、我が国唯一の亜熱帯性気候地帯である、このことを忘れずに私ども努力をしていかなければならぬ、かような決意を申し述べておきます。
  34. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 終わります。
  35. 山田耕三郎

    山田耕三郎君 この法律は、農村地域への工業導入、その工業への農業従事者の吸収と相まって、農業構造改善、特に経営規模の拡大を促進することを目的として、税制及び金融措置にあわせて、農業基盤の整備改善等の誘導政策をもって対応してこられたものであります。昭和四十六年に施行されてから約十七年を経過しておりますが、その間の実績として、今日操業中の導入企業数が三千四十一社、総雇用者数が二十六万八千人余りでありまして、この係数は一応の成果と認めてよいのだろうと思いますけれども、比較対象になるものがないだけに、そのことを係数的に表現することは非常に困難であります。  政府は、昭和四十六年に第一次基本方針を公表されましてから、四次にわたって基本方針を公表されておいでになりますが、第一次以後は具体的数字が出されていない点等をあわせて考えてみましても、この種事業の推進がいかに困難であるかということをこの数字もまた示しておると理解した方が適切だと思います。  一方、経営規模の拡大は、一定の進展は見られたものの、依然として立ちおくれており、生産性の向上もなお不十分とのことが指摘されておりますとおり、こういった問題は、日暮れてなお道遠しの感を免れません。しかも、雇用創出すなわち企業導入は若干峠を越したような様相も呈しております。すなわち、政府の発表しておいでになります資料に基づきましても、操業企業数にして も、昭和六十年度をピークとして、その増加数は漸減の傾向にあり、特に農家世帯からの雇用者数の増加の割合に至っては、昭和六十年度をピークに六十一年、六十二年度は連続して激減、しかも、昭和六十二年度の対前年度比増加数は、過去十年間でも最低のわずか千三百人余りであります。これでは肝心の農業構造改善を一体的に促進するという意義はなくなってしまっておるのではないかとさえ思われる現状でありますが、農水省とされましてはこういった現象をどう理解をしておいでになりますのか、まずお尋ねをいたします。  なお、今回、事業強化のために、道路貨物運送事業等四業種追加拡大を図られたのでありますが、その必要性は認めるといたしましても、それだけではこの流れを変えるようなことになるとは思われませんし、なおかつ、従来の延長線上には大きな成果を期待することができないのではないか、このような疑問も持っております。  政府は、今後の農村地域への工業導入の進め方、農業の構造改善の進め方をどのように考えておいでになりますのか、農業構造政策基本的な進め方について明らかにしていただきたいと思います。
  36. 松山光治

    政府委員松山光治君) 農村地域への工業導入の進展の状況、その中での農家世帯からの雇用者数の現状、いずれも経済変動に伴いまして、若干のプラクティストをたどりながらもずっと増加の基調にあることはあるわけでありますが、今、先生指摘がございましたように、特に農工団地で雇用されます農家世帯員数、五十九年度の増加が一番多うございまして、その後六十一年度千三百人ということで、かなり増加の程度が鈍ったという現状にあることは御指摘のとおりでございます。  恐らく、いろんな事情が複合しておるかと思うんですけれども、大きな要素としては、全体としての経済状況の中で立地企業数の増加自体が多少鈍ってきていた時期であるということは一つあろうかということもございます。  それと、実はこの千三百という数字は、前年度末の農家からの雇用者数と、当年度末の農家雇用者数を差し引いたものでございますので、その間例えば離農した農家の場合にはそこから外れていくという要素もございますから、そのあたりの事情も含めて考えにゃいかぬかなというふうには思っておりますけれども、いずれにしても六十一年度の動きでございます。その後、内需拡大ということで様子が大分変わってきているような面もあろうかと思いますから、私どもとしてはこれが一時的な現象なのかどうかもう少し様子を見た上で今後の方法をまた考えていきたいな、このように考えておる次第でございます。  ともあれ、そういう状況の中で、これからどういうふうな形でさらに工業導入を進めていくのか、こういう御指摘でございます。四業種追加がすべてだとは私どもも思っておりませんし、今回の法改正におきましても四業種追加とあわせまして広域就業計画制度導入いたしますとか、あるいはこれを契機といたしました低利融資を新たに設けるといったようなこともいたしてございますので、地域地域事情を見ながら、こういうことをきっかけにさらに一層の努力をするように、都道府県あるいは関係省庁ともども頑張ってまいりたい、このように考えておる次第でございます。  農業構造の構造改善の進め方の問題につきましては、先ほど来もございましたような、農家自体にかなりの動きが見られる。特に、高齢化なり兼業化が進んでいく、こういう状況をきっちりと踏まえながら、やはり地域地域における実情を踏まえまして、それぞれの地域農業あり方をどのように考えていくのか、その中での担い手のあり方をどう考えていくのかといったようなこと、地域における合意形成をベースにいたしながら、それを頭に置きました関係団体なり関係機関の密接な連携のもとでの農地流動化の掘り起こし活動をさらに強化する、あるいは今回の予算でも新たに仕組んだわけでございますが、担い手と目される農家同士の間の連携をさらに一層強めるとか、橋渡しをいたします地域リーダーの育成の問題にも積極的に取り組むとか、さらには、流動化の基礎的な条件になります農業基盤整備の問題にもさらに着実に取り組んでいく等々といったようなことを積み重ねまして、着実な構造改善推進に努めてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
  37. 山田耕三郎

    山田耕三郎君 次に、導入をされてただいま操業中の企業の従業員総数が二十六万八千人、そのうち地元雇用者の数は八〇・二%、二十一万五千人はまずよろしいかと思います。ただ、農業世帯からの雇用者が九万五千人のうち中途採用者が六八・二%で、統計上はその多くが常用とは記載されておりますが、即安定的就労と断定するのにはなお問題がありそうに思います。  私は、第一次オイルショック後、生活保護世帯が多発いたしましたときに、その実態の調査をいたしました。そのときの経験から申しますと、安定就労層の人々は多少の経済条件に異変があっても、まず生活保護世帯に転落するということはごくまれであります。常に不安定就労層の人が景気のよいときには自立世帯へ、景気が悪くなれば被保護世帯へとこの間を浮きつ沈みつして生活をしておいでになるのが通常の姿のようであります。不安定就労層とは雇用の形態が日雇いであり、時間的にはフルタイマーに対してパートタイマーというのが特徴的のようであります。  その調査時点における不安定就労層の方々の多くが、さきの農業基本法制定当時に離農した世帯であったことから考えて、我が国のように終身雇用制度の根強く残っておる社会にあっては、中途採用者が有利な、すなわち安定した職業につくことがいかに困難であるかということを示しておったように思います。よほどの強力な保護制度の必要を痛感したことが記憶に残っております。  先日、参考人の方々の意見の中にありましたが、ある町長さんは、導入企業に就職した方にはそれに専念をしていただくようにして、二兎は追わせないとの意見がありましたが、今回のこの場合は地域内での就職であります以上、経営規模には変化があったといたしましても、兼業が可能な条件のある以上は、それは認めるべきではないのかと思います。なぜなれば、いかなる企業でも不振に見舞われない保証がありません限りは、兼業農家の方が経済的には最も安全だからであります。  反面、いかに規模を拡大したからといってアメリカの土地条件には勝てません。さらには、タイ国のような低賃金には絶対に日本はできません。やはり日本的現状の中で日本的生産性の向上を考えていこうではありませんかと思います。  農業世帯からの導入企業への就職はすなわち離農意味するのかどうか、当局の考え方をお尋ねをいたしますとともに、もし離農意味するものだといたしましても、農業構造の改革には逆行するかもしれませんが、兼業は認めていくべきだと思いますのですが、あわせてお答えをいただきます。
  38. 松山光治

    政府委員松山光治君) 本制度運用に当たりましては、もともと農外へ就業しようとする方の自発的な意思を尊重いたしまして、それができるだけ円滑にいくようにという趣旨制度でもございます。本制度対象になっている企業に就職したからといって、離農が強制されるといったような性格のものでないということにつきましては、ひとつ御理解を賜りたいというふうに思っておるわけでございます。  ただ、制度のねらいからいたしますれば、導入企業に就業した農業従事者、これが安定的な就業機会でありまして、無理なく経営を縮小するあるいは離農していく、それが周辺のこれから農業で生きようとする方々の規模拡大等につながっていくということが望ましいことは、まさに我々もそういうふうに考えておるわけでございます。  そういう意味では、今先生の方から御指摘がございましたように、導入企業におきます労働条件 の問題というのは非常に重要な問題だというふうに私どもも考えておりまして、そういう意味基本方針におきましても適正な労働条件の確保という点を非常に重要な点の一つとして掲げておりまして、関係省庁ともどもその実現に向かって努力をいたしておるというのが私どもの考え方でございます。
  39. 山田耕三郎

    山田耕三郎君 今回の法改正の特徴的な点の一つは、法適用業種の拡大であります。すなわち、道路貨物運送業、倉庫業、こん包業、卸売り業の四業種に対する適用の拡大であります。  確かに、この四つの業種は今日全産業の中でも成長業種でありますが、いずれも立地条件が満たされなければ導入は期待はできないものであります。しかも、いずれの企業とも物の生産と消費に密接にかかわりを持つ業種でありますのにもかかわりませず、導入を期待する地域は国内においても製造業の立地は少なく、消費人口も少ない地域であります。そのような地域であればこそ、また法の網をかぶせて活性化を図らなければならないのであることもよくわかりますが、ただ、四業種の選択に若干の疑問を持つものであります。  例えば、倉庫業に対して若干の考察をいたしてみますと、今日大企業で自前の倉庫を持つのは極めてまれであります。そのほとんどが倉庫会社の経営にゆだねられております。また、倉庫に入れます商品にいたしましても、大別して、回転率の遠いものと遅いものとがあります。回転率の速いものの代表的なものを申し上げますと、これは有名家電製品等でありますが、これらの商品やさらにはコンテナ積みの商品等については、関税手続との関係もありまして、製造現場と近接しておるという地理的関係立地のための必須条件のようではありますが、その他の場合すなわち回転率の遅い商品、各企業は大体一カ月程度の原材料を保管するようにしておるようでありますが、このような場合を初めとして、一般的には倉庫需要者の倉庫選定の鉄則はコストダウンのための借用料の坪単価が安いということにあるようであります。  その点からすれば、地価の安いことは導入のための有利な条件でありますが、そのエリアに倉庫を必要とする企業の製造現場や集配センター等の存在の有無が導入を左右する重要な要素になりますが、この面からすれば、対象地域として考えておられますいわゆる農業振興地域振興山村地域過疎地域等を含む市町村というエリアを規定をしておいでになりますのでありますけれども、そのエリアの中にありましても今申し上げましたような地域すなわち農業振興地域振興山村、過疎地域等は案外導入者が素通りをしてしまうのではないか。肝心の対象地域がうたい文句の中にだけは入れられておりますけれども、それだけで終わってしまうのではないかということを案じるものであります。  仮に、この法が成立した後においても、当局におかれましては常に導入企業業種の検討には細心の注意を払っていただくとともに、さらに立地状況によっては、例えば振興山村を含む市町村のごとく、地域を拡大しないで、振興山村地域というように真に導入を必要とし農業構造改善の促進を要する地域を限定化する等、臨機応変に対応されるべきだと思うのでありますけれども、政府のお考え方をお伺いをいたします。
  40. 松山光治

    政府委員松山光治君) これまでの制度運用の実態を見てまいりますと、本委員会でもいろいろ御議論ございましたように、ある程度地域差があらわれてきておる。そういう意味ではそれぞれの企業それぞれの計算のもとでの進出、こういうことに相なるわけでございますから、やはり一定の条件が整って企業は入ってくる。そういう意味では、なかなか画一的に考えにくい問題があるということは私ども認識をしておるところでございます。  ただ、倉庫業についてのお話があったわけでございますけれどもかなり程度工業の進出が行われているという実績があり、かつまた、倉庫業自体、地価の問題でありますとか労働力の問題等から都市部だけではうまくいかないということを認識し、地方へ出たいという希望がかなりある、こういうことを踏まえながら今回追加したわけでございますし、かつまた、倉庫業がある地域に出ることによってさらにそれに伴って今度はまた工業が出ていくというよい循環が始まっていただければありがたいなというようなことを我々としては期待もいたしておる次第でございます。  おっしゃるように、山村振興地域なりあるいは過疎地域なりあるいは農振地域なりを一部含んだ市町村、それで肝心の山村振興地域なり過疎地域なりそのものには入らないで、残りの市町村のどこかの場所に入っていくといったようなことがあるんじゃないか、こういう御指摘、そういう場合も多々あろうかというふうに思っております。  ただ、今の農村地域をめぐる状況をいろいろと考えてみますと、現段階で何か特定のところに絞り込んでいくということが適当なのかどうか。むしろ昨今の交通条件改善その他を考えますと、通勤の可能性その他も考えましたときに、今の段階ではかなり幅広く考えながら前を進めていった方が現実的じゃなかろかというのが私どもの今の考え方でございます。  御指摘ございましたように、これからの企業立地動向などもよく見ながら今後のあり方についてはまたいろいろと検討してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  41. 山田耕三郎

    山田耕三郎君 最後に、まとめとして佐藤農林水産大臣にお伺いをいたします。  私は、先週末帰省をいたしました。私の家ではただいま農村地域における農業の最末端組織でありますいわゆる農業組合の、回り持ちにはなっておりますけれども、組合長を務めております関係で、玄関に次のように表面に印刷をされた段ボール箱が積み上げられておりました。すなわち、「このお菓子は、米過剰在庫解消・消費減退に対し、生産者自らがコメの消費拡大に取り組み、米需給均衡運動の一環として農協が取り組んでいる純米せんべいです」とありました。意匠も文句も商品としての感覚は全く希薄であります。販売の方法も系統組織におんぶされたままの全く危機感のない末端農協職員の姿勢であります。さらに悲しいのは、皆さんの意見も聞きたいと思いまして、休日でありましたので若干の個数を売りに回りました。極めていんぎんで、協力は何よりもしてくださいました。けれども、その姿は全く楽天的であり、みずからの農業に対する危機意識の希薄さを感じて驚きました。  また別の問題として、その夜農協の理事を務めている人も、ほかの用件でやってきました雑談の中で、政府米の日本晴は徐々にでも出ていきますが、自主流通米の日本晴は業者が引き取ってくれません、すべてがコシヒカリと言います。日本晴というのは私の地域では銘柄米になっております。低温の農業倉庫には秋に積み込まれたままで、農協も大変なことだと困っておりますという話でした。コシヒカリには及びませんけれども、私の地帯は砂質の土壌で昔から江州米で京都や大阪に出荷されました地帯なのでありますが、これが新米の収穫をあと四カ月に控えました日本農村の一般的な姿なのではないのかと思います。  このような状況を前にして、大臣はどのように農政を展開されようとしておりますのか。農政審の答申だけでは対応し切れないのではないかと私は思いますが、この際、大臣の所信を承っておきたいと思います。
  42. 佐藤隆

    ○国務大臣(佐藤隆君) ただいまは委員から実態を御自身で見られての御見識をいろいろお述べになりました。特に、農村社会構造の中における農業あり方、こういうことにも触れるがごとく、兼業の危機という問題についても触れられました。また、ただいま法律改正をお願いしておるこのことについてももっと見てわかるように地域を限定してはどうか、こういうようなお話もございました。このことについては、先ほど局長からも答弁しておりますように、バランスのとれた農政の展開ということになりますと、あるいはまた四全総を背景にした農政の詰めということになりますと、民間側の活力も期待しながらということもあ わせ考え、限定することにはちょっといささかちゅうちょをいたしておるような感じを率直に申し上げておきたいと思います。  農家組合、まあ実行組合でございますか、そうした方々にも触れられまして、そしていろいろ話し合いをされたということでございますが、要は今日の危機意識というもの、その危機感が足りないのではないか、こういうことに集約されるように承っておりましたけれども農業団体あるいは農業者あるいは農家という範疇の中において、今日の食糧政策について生産、消費両面についてそれぞれの農業者も深刻に考えておると私は認識しております。  しかし、そういうときにあって必要なことであるという私どもの農政の展開は、農政審の報告に基づいて既に申し上げておりますのでここでは繰り返しませんけれども、それだけで足りるのか、こういう締めくくりのお話でございました。私もそれだけでは足りない。まさにそれだけでは足りないというのは、その前に今日の時局認識、農政にかかわる時局認識というものをやはり農業担当者においても、あるいは消費者におかれても持っていただきたいものだということを私感じている一人でございまして、そういう意味では十分団体においても農業者においても自覚はしておられるものと私は理解しております。しかし、自覚はしておっても、その自覚が国民全体に浸透するほどの表現になっておるかというとそこまでには至っていない。それはやはり私どもが相当その面についての、行政指導というとちょっと大げさな言い方になるかもしれませんが、率直な話し合いを今後とも続けていかなければならぬと私は思っております。  この農村工業導入法改正に当たりまして、御理解のある御見識をいただきましたことを感謝申し上げるとともに、いずれにいたしましてもこの四業種につきましても雇用機会、所得機会の一助となればということでひとつ私どもは真剣に取り組んでまいりたい、この決意をあわせて申し述べておきたいと思います。
  43. 山田耕三郎

    山田耕三郎君 終わります。
  44. 岡部三郎

    委員長岡部三郎君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 岡部三郎

    委員長岡部三郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  農村地域工業導入促進法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  46. 岡部三郎

    委員長岡部三郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  稲村君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。稲村君。
  47. 稲村稔夫

    ○稲村稔夫君 私は、ただいま可決されました農村地域工業導入促進法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、二院クラブ・革新共闘の各派及び各派に属しない議員山田耕三郎君の共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     農村地域工業導入促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、農村地域への工業等の導入が、農業構造改善農村地域の活性化に果たす役割の重要性にかんがみ、本法の施行に当たっては次の事項の実現に遺憾なきを期すべきである。  一 農村地域への工業等の導入に当たっては、優良農地の確保、公害の防止等に十分配慮すること。    また、農村地域への工業等の導入と相まって、農業構造等の改善を図るため、農業生産基盤・農村環境の整備、農地保有の合理化等を一体的に推進すること。  二 道路貨物運送業等新導入対象業種農村地域導入・定着させ、安定的な地元雇用が確保されるよう、関係業界、地方自治体等に対し十分な指導を行うこと。    また、産業構造変化産業の地方分散の動向等を踏まえ、必要に応じ、対象業種の適切な拡大を検討すること。  三 今回新設される広域的見地からの計画制度運用に当たっては、導入地区の選定、各市町村の役割分担等について十分な事前調整を行い、関係都道府県市町村が一体となって取り組むことができる体制が確立されるよう指導すること。  四 最近の円高等を背景とする工業の海外立地の増加及び新興工業国との輸出競争や国内マーケットにおける競争の激化傾向に対処する等のため、農村地域への円滑な工業等の導入に必要な用地の確保、道路、通信・運輸施設等の整備と併せ、研究、情報、人材育成機能等のソフト面での産業基盤の整備も促進すること。  五 工業等の導入が十分には行われておらず、安定した就業機会が不足している地域に対し重点的に工業等を誘導するための条件を整備するとともに、付加価値の向上にも配慮した地場産業等の育成を図る施策の強化拡充に努めること。  六 農村地域導入される工業等に地元住民が円滑に就業できるよう、雇用情報の収集・提供、職業紹介の充実、職業訓練等の実施に必要な施策の強化拡充を図ること。   右決議する。  以上でございます。
  48. 岡部三郎

    委員長岡部三郎君) ただいま稲村君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  49. 岡部三郎

    委員長岡部三郎君) 全会一致と認めます。よって、稲村君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、佐藤農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。佐藤農林水産大臣
  50. 佐藤隆

    ○国務大臣(佐藤隆君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上善処するよう努力してまいりたいと思います。
  51. 岡部三郎

    委員長岡部三郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 岡部三郎

    委員長岡部三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  この際、佐藤農林水産大臣が衆議院本会議に出席のため、十二時十五分まで休憩いたします。    午前十一時三十八分休憩      ─────・─────    午後零時十六分開会
  53. 岡部三郎

    委員長岡部三郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  昭和六十二年度における農林漁業団体職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。佐藤農林水産大臣
  54. 佐藤隆

    ○国務大臣(佐藤隆君) 昭和六十二年度における農林漁業団体職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  農林漁業団体職員共済組合制度は、公的年金制度一つとして、農業協同組合等の農林漁業団体の役職員を対象に年金の給付事業を行うものであり、もって、これら団体の事業の円滑な運営に資 するとともに、農林水産行政推進上重要な役割を果たしているところであります。  従来から、農林漁業団体職員共済組合法の年金の額につきましては、その実質的価値を維持するため、社会的経済的諸情勢の変動に対応して、必要に応じ、適宜、改定措置を講じてまいりました。  この法律案は、昭和六十三年度における農林漁業団体職員共済組合法の年金の額について、昨年度と同様、厚生年金、国民年金、国家公務員等共済その他の公的年金制度における措置に準じ、昭和六十二年の消費者物価の対前年上昇率を基準として、引き上げを行おうとするものであり、これに必要な所要の規定を設けております。  なお、この法律案に対する衆議院における修正の趣旨につきまして、便宜政府側から御説明を申し上げます。  修正の内容は、この法律案の施行期日である昭和六十三年四月一日が既に経過していることにかんがみ、施行期日を公布の日に改めるものであります。  以上が衆議院における修正の趣旨であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
  55. 岡部三郎

    委員長岡部三郎君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十九分散会      ─────・─────