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1988-04-27 第112回国会 参議院 土地問題等に関する特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年四月二十七日(水曜日)    午後三時三十三分開会     ─────────────    委員の異動  一月六日     辞任         補欠選任      渡辺 四郎君     糸久八重子君     ─────────────  出席者は左のとおり。     委員長         河本嘉久蔵君     理 事                 志村 哲良君                 下条進一郎君                 増岡 康治君                 森田 重郎君                 小川 仁一君                 志苫  裕君                 馬場  富君     委 員                 井上  孝君                 小野 清子君                 久世 公堯君                 沓掛 哲男君                 古賀雷四郎君                 斎藤 文夫君                 下稲葉耕吉君                 田辺 哲夫君                 永田 良雄君                 野沢 太三君                 水谷  力君                 糸久八重子君                 安恒 良一君                 片上 公人君                 和田 教美君                 近藤 忠孝君                 内藤  功君                 三治 重信君                 野末 陳平君    国務大臣        国 務 大 臣  奥野 誠亮君    政府委員        国土政務次官   大原 一三君        国土庁長官官房        長        清水 達雄君        国土庁計画・調        整局長      長沢 哲夫君        国土庁土地局長  片桐 久雄君        国土庁大都市圏        整 備 局 長  北村廣太郎君        国土庁地方振興        局長       森  繁一君    事務局側        常任委員会専門        員        荒木 正治君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○土地問題及び国土利用に関しての対策樹立に関する調査  (土地対策基本方針及び当面の諸施策に関する件) ○多極分散型国土形成促進法案内閣提出衆議院送付) ○参考人出席要求に関する件     ─────────────
  2. 河本嘉久蔵

    委員長河本嘉久蔵君) ただいまから土地問題等に関する特別委員会を開会いたします。  まず、土地問題及び国土利用に関しての対策樹立に関する調査議題とし、土地対策基本方針及び当面の諸施策について、奥野国務大臣より所信を聴取いたします。奥野国務大臣
  3. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 土地対策基本方針及び当面の諸施策について私の所信を申し上げます。  土地は国民の生活及び生産を通ずる諸活動の共通の基盤であり、人口産業の動向、国土構造あり方等を踏まえつつ、地価の安定と土地の適正かつ合理的な利用実現することが我が国土地政策基本的方向であります。  今回の東京都心部に端を発した地価高騰は、基本的には、東京国際化情報化等に伴う旺盛な事務所需要供給が対応できなかったことにより生じ、これが買いかえ需要等により周辺住宅地に波及したものでありますが、さらには、金融緩和状況もと、これらの実需を当て込んだ不動産業者等による手当て買いや投機的な取引が活発化したことが地価上昇を増幅させたものであります。  当面の地価高騰抑制については、臨時行政改革推進審議会答申等を踏まえ、昨年十月閣議決定した緊急土地対策要綱に基づき、現在、土地対策関係閣僚会議中心として政府一体となって、土地取引適正化住宅宅地供給促進などこの対策の着実な推進に努めているところであります。さらに、臨時行政改革推進審議会において、土地問題等に関し、基本的かつ広範な検討を行っていただいているところであります。また、国会におかれても、当委員会等において精力的に御審議いただいているところであります。  地価は、最近に至って、都区部等においては一部下落も見られる等鎮静化の傾向を強めておりますが、現下経済金融情勢にかんがみ、周辺の各県さらには地方主要都市も含め、引き続き適切な対策を講ずる必要があります。  私は、次に述べる諸施策を積極的に推進し、地価の安定を図りつつ、二十一世紀を見通した長期的な展望のもと国土の均衡ある発展を図り、住みよい国づくり地域づくりを進めてまいる所存であります。  第一は、土地取引適正化であります。  本来、地価問題は、需給バランス確保により解決すべきものであります。しかし、さきに述べたように、今回の地価高騰を増幅させたのは実需を当て込んだ投機的な土地取引等であり、これに適切な対策を講じることが当面重要であります。  このため、昨年来、国土利用計画法に基づく監視区域制度機動的運用に努めてきたところであります。現在、大都市圏中心に広範に監視区域が指定されておりますが、特に首都圏においては、届け出対象面積が百平方メートルにまで引き下げられており、地価高騰抑制に寄与しているものと考えております。また、地価上昇のおそれがある地方都市及び大規模開発リゾート整備等が予定されている地域等においても、今後とも、地価上昇を防止するため、機を逸することなく監視区域を指定するよう関係地方公共団体指導してまいります。規制区域につきましても、監視区域制度の的確な運用を踏まえ状況に応じ遅滞なくこれの指定を行うことができるよう所要準備を進めてまいります。  さらに、土地関連融資適正化に係る金融機関に対する指導不動産業者等に対する指導徹底等所要措置を講じてまいる所存であります。  また、昭和六十三年度税制改正において、居住用財産買いかえ特例原則廃止を初めとする土地譲渡益課税見直し等を行うことにより、地価高騰の波及を防止し、また土地供給促進を図るなど地価対策に資することとしております。  国公有地等処分についても、緊急土地対策要綱に示しました方針に従って適切に措置してまいります。  第二は、住宅宅地供給促進であります。  現下土地問題に対処するためには、ただいま述べました土地取引適正化により地価を安定させるとともに、基本的には東京への一極集中という国土構造そのもの是正が必要でありますが、これとあわせて、東京圏における住宅宅地事務所床需給バランス確保する必要があります。  このため、都市開発住宅宅地開発促進等により住宅宅地供給計画的推進を図ることとし、所要準備を進めているところであります。特に、都心部東京湾臨海部開発等大型プロジェクト推進都市開発宅地開発及び住宅建設促進並びに工場跡地等活用及び市街化区域内農地宅地化促進等に積極的に取り組み、良好な都市環境に恵まれた住宅建設配慮しつつ、宅地事務所用地等供給に努めてまいります。  第三は、諸機能地方分散推進であります。  昨年、二十一世紀への国土づくりの指針として、多極分散型国土形成基本的目標とする第四次全国総合開発計画を策定したところであります。地域創意工夫を基軸とした地域づくり基本とし、そのための基盤となる交通情報通信体系整備等を目指す交流ネットワーク構想推進により、多極分散型の国土形成を図り、住民が誇り愛着の持てる、豊かで住みよい地域社会実現に寄与してまいりたいと考えております。また、これらの施策推進することにより、東京中心とする地価高騰等現下土地問題の解決にも資するものと考えております。  本年は、この四全総推進の一年目に当たり、国はもとより地方公共団体民間団体など多様な主体の参加、協力を得ながら、四全総で示された諸施策を総合的かつ強力に推進してまいります。  また、都市産業機能地方分散を積極的に図ることによって東京への過剰な依存からの脱却を図ることとしており、この一環としてさきに国の機関等移転について方針を決定したところであり、この方針に基づいて着実にその推進を図ってまいります。  さらに、四全総基本的目標とする多極分散型国土形成促進するための法案を本国会に提出し、御審議をお願いしているところであります。  以上、土地対策に関する所信を申し述べましたが、これらの施策の強力な推進に全力を挙げて取り組んでまいりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。     ─────────────
  4. 河本嘉久蔵

    委員長河本嘉久蔵君) 次に、多極分散型国土形成促進法案議題といたします。  まず、政府より趣旨説明を聴取いたします。奥野国務大臣
  5. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) ただいま議題となりました多極分散型国土形成促進法案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  近年、我が国経済国際的地位が急速に高まり、金融情報等の分野において世界の重要なセンターとしての役割が増大するに伴い、東京圏への業務機能中枢管理機能等集中が一層促進され、東京圏においては地価高騰を生じ、他方、地方圏においては、急速な産業構造の転換の過程で構造的不況に陥り、雇用問題が深刻化した地域が多く見られ、人口減少を生じている地域も少なくなく、国土政策の観点から多くの弊害を生じております。  本法律案は、このような状況もと人口及び行政経済文化等に関する機能が過度に集中している地域からこれらの機能分散を図り、地方振興開発大都市地域の秩序ある整備推進し、並びに住宅等供給地域間の交流促進することにより、さきに策定しました第四次全国総合開発計画基本的目標である多極分散型国土形成促進し、もって国土のそれぞれの地域がそこに住む人々にとって誇り愛着を持つことができるような豊かで住みよいところとなるようその実現に寄与することを目的としております。  また、多極分散型国土形成は、現下土地問題に対する基本的な解決策の一つにほかなりません。すなわち、近年の東京等地価高騰については、基本的には諸機能東京への一極集中に伴う土地需給の不均衡により生じたものであり、多極分散型国土形成により、東京中心とする土地需給緩和を図ることが求められております。そのためには、本法律案に基づく諸施策を積極的に実施する必要があります。  次に、本法律案の主要な内容について御説明申し上げます。  第一は、国の行政機関等移転等についてであります。  国は、行政機関及び特殊法人新設等に当たっては、多極分散型国土形成配慮するものとし、東京都区部に立地する行政機関等について、移転基本方針に基づき、その東京都区部からの移転に努めるとともに、内閣総理大臣は、行政機関等東京都区部への立地等に際し、関係大臣に意見を述べることができることとしております。また、国及び地方公共団体は、民間工場事務所等が適正に配置されるよう、必要な措置を講ずるよう努めることとしております。  第二は、地方振興開発についてであります。  国及び地方公共団体は、地方振興開発推進するため、地方都市における都市機能の増進、農山漁村における生活環境産業基盤等整備人口の著しい減少等によりその基礎条件が著しく変化した集落の再編整備等推進に努めることとしております。  また、都道府県は、地域特性に即した産業文化、学術、研究、交流等に関する特色ある機能を集積させるため、地域における創意工夫を生かしつつ、振興の拠点となる地域開発整備に関する基本構想を作成し、主務大臣承認を申請することができることとしております。基本構想実施に当たっては、税制上の特別措置固定資産税等の不均一課税に伴う地方交付税補てん措置地方債特例資金確保公共施設整備促進農地法等による処分についての配慮国土利用計画法に基づく監視区域活用等措置を講ずるほか、必要に応じ、関係する省庁と都道府県が集まり、本地域開発整備に必要な事業や法令による処分が円滑かつ整合的に行われるよう協議するための促進協議会を組織することができることとしております。  第三は、大都市地域の秩序ある整備についてであります。  国及び地方公共団体は、大都市地域の秩序ある整備推進するため、防災上必要な措置を講じつつ、大都市機能の改善に資する施策推進に努めることとしております。  また、内閣総理大臣は、東京圏について東京都区部への一極依存構造是正し、その周辺地域職住の近接した自立都市圏形成するため、業務核都市整備に関する基本方針を定めるものとし、都県は、これに基づき、業務核都市基本構想を作成し、主務大臣承認を申請することができることとしております。基本構想実施に当たっては、第二の場合と同様、税制上の特別措置地方債特例資金確保公共施設整備促進国土利用計画法に基づく監視区域活用等措置を講ずることとしております。  第四は、住宅等供給についてであります。  国及び地方公共団体は、地域特性に応じつつ、住宅及び宅地供給促進に関する施策を総合的に実施するものとし、著しい住宅地需要が存する大都市地域において、優良な宅地開発促進及び宅地開発鉄道新線建設の一体的な推進のために必要な措置を講ずるとともに、市街地における住宅等供給促進するため、土地の合理的かつ健全な高度利用が図られるよう努めることとしております。  第五は、地域間の交流促進についてであります。  国は、地域間の交通利便性情報の流通に関する地域格差是正等配慮しつつ、高速交通施設の総合的な体系整備情報通信基盤整備促進に努めるとももに、地域間の経済文化等に係る多様な交流の機会の増大等に努めることと しております。  以上のほか、国は、多極分散型国土形成に資するため、国の権限を地方公共団体またはその長等に委任すること等に努めるとともに、公共事業実施に関し適切な配慮をすることとしております。また、内閣総理大臣は、総合的かつ計画的に実施すべき多極分散型国土形成促進に関する事業について、関係行政機関関係地方公共団体及び関係事業者相互間の連絡調整を行うこと等により、その円滑な実施に努めることとしております。  以上がこの法律案提案理由及び内容概要であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  6. 河本嘉久蔵

    委員長河本嘉久蔵君) 以上で趣旨説明は終わりました。  本案についての質疑は後日に譲ります。     ─────────────
  7. 河本嘉久蔵

    委員長河本嘉久蔵君) 次に、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  本案審査のため、参考人出席を求めることとし、日時、人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 河本嘉久蔵

    委員長河本嘉久蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十五分散