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1988-05-20 第112回国会 参議院 産業・資源エネルギーに関する調査会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年五月二十日(金曜日)    午後一時二分開会     ─────────────    委員異動  五月二十日     辞任         補欠選任      小野  明君     鈴木 和美君      三木 忠雄君     太田 淳夫君     ─────────────   出席者は左のとおり。     会 長         大木 正吾君     理 事                 沢田 一精君                 添田増太郎君                 及川 一夫君                 馬場  富君                 神谷信之助君                 橋本孝一郎君     委 員                 遠藤 政夫君                 亀長 友義君                 工藤万砂美君                 沓掛 哲男君                 熊谷太三郎君                 山東 昭子君                 田辺 哲夫君                 森山 眞弓君                 小野  明君                 鈴木 和美君                 対馬 孝且君                 浜本 万三君                 太田 淳夫君                 小笠原貞子君    政府委員        通商産業政務次        官        倉田 寛之君        資源エネルギー        庁長官      浜岡 平一君        資源エネルギー        庁石炭部長    鈴木 英夫君        資源エネルギー        庁公益事業部長  植松  敏君        労働省職業安定        局高齢者対策部        長        竹村  毅君    事務局側        第三特別調査室        長        高橋 利彰君    説明員        経済企画庁調査        局内国調査第二        課長       新村 保子君        労働省職業安定        局雇用政策課長  廣見 和夫君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○産業資源エネルギーに関する調査  (石炭問題に関する件) ○調査報告書に関する件 ○中間報告に関する件 ○継続調査要求に関する件 ○委員派遣に関する件     ─────────────
  2. 大木正吾

    会長大木正吾君) ただいまから産業資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  本日、三木忠雄君が委員を辞任され、その補欠として太田淳夫君が選任されました。     ─────────────
  3. 大木正吾

    会長大木正吾君) 産業資源エネルギーに関する調査のうち、石炭問題に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  4. 対馬孝且

    対馬孝且君 きょうは、石炭対策という問題を重点的にということで調査会が開会されました。大臣は不在でありますけれども、限られた時間でありますから、ひとつできるだけ明瞭に、また端的に答えを出してもらいたいと思います。特に、石炭問題でございますから、最近の三井芦別炭鉱並びにまた三菱南大夕張炭鉱の相次ぐ合理化あるいは人員整理という問題が最大課題になっておりますので、限られた時間でございますから、そこらを中心にしましてこれから御質問申し上げたい、こう思います。  第八次石炭政策が決まって、この方針としましては、できるだけひとつ雪崩閉山にならないように、かつまた人員確保の安定、出炭規模の安定、加えて地域社会を守る、こういう基本で今日まで政府も進めているわけでございますが、残念ながら四月二十七日に三井石炭鉱業から三井芦別炭鉱に二人に一人という大量の人員整理計画提案されているわけでございます。同様にまた、三菱南大夕張炭鉱も、下請、系列関係を含めまして百六十一名というような人員整理が出てきております。  こういう問題は現地としても緊急な対応を望んでおりまして、実は私も五月十四日、現地調査に出向いてまいりました。現地へ参りまして、労組はもとより、市役所の市長さん初め自治体関係者皆さん、また会社側、三者のそれぞれの立場を調査いたしてまいりました。その点では非常に深刻な問題であり、また重要な問題であるということで受けとめております。  第一の問題としては、今回の提案を見ますと、昨年、御案内のとおり三井砂川炭鉱閉山がありました。まだ一年もたたないうちにまた二人に一人の首切りが出る。しかも、昨年、芦別炭鉱というのは、当時三井砂川炭鉱閉山と同時に希望退職募集をやっておりまして、実は四百八十名の希望退職者が出ているわけであります。まだ一年もたたないうちにまたこういう合理化であります。  しかも、この合理化を見ますと、非常に重要な問題があります。一つは、何といっても申し上げなきゃならぬことは、現地の率直な声でありますけれども、このままでいった場合については、まさに閉山前提としての今回の合理化計画ではないか、これは現地は異口同音に言っています。労組諸君はもとより、市長さん初め自治体皆さんも率直に言っています。  つまり、現在の約八百九名足らずの人員を三百七十名切るわけですから、結果的に残るのは半数というか、二人に一人になります。そうしますと、会社側提案を見ますと六十五年度には三百九十七名、かつて中小炭鉱といったって七、八百名いたんですから、中小炭鉱以下になってしまうのですね。  だから、そういう意味では現地自治体初め組合員、家族の皆さんはもとより、これは閉山前提としての提案ではないか、こう考えるのは当然のことでありまして、ここらあたりを政府はどういうふうにきちっと受けとめて対応しているのか、まず基本姿勢と、これに対する認識を冒頭伺います。
  5. 鈴木英夫

    政府委員鈴木英夫君) 先生指摘のように、三井石炭鉱業芦別炭鉱に関しましては、四月二十七日あるいは二十八日に行われた団体交渉の場で具体的な合理化提案というのが出されておりまして、六十二年度生産規模七十七万トンを六十三年度には五十一万トンという縮小を行う、これに伴いまして三百七十名の人員削減を行うという 提案会社側から労組に対しまして行われたという事態については承知をしておるわけでございます。  基本的に、この第八次石炭政策答申の中でも指摘されておりますように、石炭産業生産体制集約化を行うに当たりましては、石炭産業が私企業としてのみずからの責任と判断のもとに、諸条件を検討しながら生産のあり方を決定する必要があるというような趣旨答申が出されておりまして、企業側といたしましてはそういう点での検討を行った上でこの提案がなされたものというふうに私ども考えておる次第でございます。  現在、この問題につきましては労使間で交渉中でございますので、まず労使間の話し合い誠心誠意行われることが重要だというふうに考えておりまして、私どもといたしましては交渉推移を重大な関心を持って見守ってまいりたいというふうに考えております。
  6. 対馬孝且

    対馬孝且君 重大な関心を持って見守るということはそのとおりだと思いますし、また関心を持ってもらわなきゃならないと思います。  そこで、ある程度具体的に現地の実際の声というものをちょっと申し上げなきゃならないと思うんです。  第一の問題は、夕張炭鉱の九十三名の災害を思い出してもらいたいと思います。これは御案内のとおり、あのときは異常な人員整理、九十トン能率アップ体制という当時の合理化に問題があるということをこの当委員会でも、当時エネルギー対策特別委員会でありましたけれども、私指摘いたしました。結果は、ああいう九十三名のとうとい人命を失う結果になった。現地で今非常に心配しているのは、このままでいくと結果的に、現在の二分の一に人員を減らされて、能率は百二十二トン体制だ、これは保安上の重大災害が必ず起きるということを懸念されているのが組合員の率直な声であります。これは大会でももちろん出たようでありますが、私が現地に行ったときにも労組諸君代表から率直な叫びが出ました。こういうことが基本的に問題として一つある。  それから第二に、合理化提案を見ますと、今まさに世の中が高齢化社会を含めて定年延長、さらにまた高齢者雇用安定確保が最重点課題ということで、私も先週、社会労働委員会で質問しておりますけれども、こういう時代に逆行するような提案がある。それは、定年炭鉱は五十五歳ですが、これを五十二歳に切り下げる。言葉基準退職とかいって何だかわかったようでわからないような言葉を使っていますけれども、これは明らかに、このままでいくと、率直に言いまして、もし予定人員が出なければ結果的に指名解雇退職を強要されるという問題が一つあります。  第三の問題は、どう考えても、現在、芦別地区に、これは市長さんが言っていますけれども、これは市から出ている資料ですが、前回の希望退職募集で今なお七百六十一名の求職者が出ている。求人倍率は〇・一九です。これは十二月の段階。六十三年三月の段階を見ますと、求職者総数が七百二十九で〇・一六の求人倍率。今、全国〇・七八になっているでしょう。こういう状況で、さらにまた三百七十名、どうしたらいいのだというので、まさに市長さんを初め自治体の人は全く茫然としているというのが今の状態です。そこにまた、これだけの合理化だということについては我我は絶対これは認められない、慎重に検討してもらいたいというのが率直な声であります。  それから、次の問題は何かといいますと、このまま減らしていくと労務倒産になる可能性もありますよということを訴えられました。それはどういうことかというと、希望退職募集ですから、仮に採炭夫と掘進夫募集に応じちゃって第一線の者がいなくなったら、これは山を維持したいといったって、いなくなる。どうせ長くないのだったら、先行きに不安があるのだったらこの際やめる、今見切りをつけた方がいいのだと。だから、閉山につながる合理化だということ、私はそこを言っているんですよ。この際見切りをつけてやめた方がいいのだとなって、私も炭鉱マンですから言うけれども採炭夫、掘進夫がやめちゃったら山を維持したくたって維持できなくなるんです。そういう懸念的な合理化内容というものがあるということを率直に現地で訴えられているわけです。  そういう点を申し上げなきゃならぬし、あえて三池芦別の現況を言うわけじゃありませんけれども、去年四百八十名も希望退職会社側に協力して、今回のこれを見ますと、三池の場合は出炭規模が三百五十三万トンです。これが六十三年度、今度の計画でいくと三百十五万トンに減産させる。これはパーセンテージを見ると、一〇・七%強の削減です。芦別は、六十二年度実績の七十七万トンを今度は五十一万トンに減らしちゃうんですから、結果的にはパーセンテージを見ると三三・七六%切り捨てるわけだ。去年四百八十名も協力し、かつ出炭実績が出て好調であるし、またうまくいっているのに何でこれだけ、同じ合理化をやるにしても三池は一〇%だ、芦別は一生懸命協力したのに、これが逆に出炭だって三三・七六%と極度に減産する。人員だって、今言ったように、現在三池人員が二千六百八十二名ですが、今度三池のあれも七百三十人の人員計画芦別は現在は約八百九人ですが、それで三百七十人ですから、ここでは二人に一人。人員計画を見ても、三池は三人強に一人。こういうことに対して、現地では非常に率直にこれも出ました。協力してやってきたのに、今ここに至ってまたなぜこういうことになるのか、これはしっかり政治の段階で考えてもらいたい、これは当然のことであります。  私は、二十五日ごろから労使交渉が再開されると聞いております。だから、この段階で、今四点ないし五点挙げました。時間もありませんから、限られた時間ですから、ひとつ政府として、長官に申し上げますけれども三井鉱山社長を初め責任者政府がきちっと呼んでいただいて、そして今言ったような問題を含めて、率直にこういう問題がある。これは何も労組だけで言っているのじゃない。芦別市長さんを初め商工会議所代表、農村の代表、そういう方々が全部、議員団も含めて石炭対策会議というものを芦別市でつくっているわけだ。その代表皆さんの声です。私が言っておるのじゃないんだ。そういうことを率直に三井鉱山に伝えて、今出されている合理化内容というのはこれから労使交渉で――今重大な関心を持っているという石炭部長答弁でありますから、重大な関心を持つと同時に、会社側に対して、こういう問題を含めて十分に検討して労使対応をすべきである。  現にそういう今出した問題だけでなく、問題まだたくさんあるんですよ。時間がないから私は四点ないし五点挙げたけれども、そういう問題をしかと踏まえ、また見直して検討すべきであるということをぜひひとつ長官段階で、これは大臣いませんから、今OECDへ行っていますから、三井鉱山会社責任者社長を呼んでひとつ対応してもらいたい、こう思いますが、いかがですか。
  7. 浜岡平一

    政府委員浜岡平一君) ただいままさに地元で直接お聞き取りいただきました生の声をお聞かせいただいたわけでございます。保安面への懸念、あるいはいわゆる定年延長といった一般的な流れとの逆行のおそれ、雇用面での不安、第一線労働者喪失のおそれ、さらには三池とのバランス、こういった点を御指摘いただいたわけでございます。地元の大変切実な声でございます。  先ほど石炭部長が申しましたように、労使間の話し合いがまさに誠心誠意、特に経営サイドでの誠心誠意話し合いというものが望まれるわけでございます。ただいまの生の声というものは大変大事な声でございますので、御指摘のように、企業責任者にお越しいただきまして、私どもの方から直接今のお話を伝えまして、こういった点も十分念頭に置きながら対応していくように指導をいたしたいと存じます。
  8. 対馬孝且

    対馬孝且君 今長官から、私が今幾つか挙げました問題を含めて会社責任者を呼んで指導いた してまいりたいと、ぜひひとつそういうことでやってもらいたい。そうしないと、労使交渉といったって、そういう一番不安なりあるいは不安定なり、そういうものに対する将来展望というものがなければ合意ができないわけですから、その点はそういう面で対応してもらいたいということでございますから、ぜひ早期にひとつやっていただきたいということを強く申し上げておきます。  そこで、労働省が来ていますけれども、これも前に私も何回も申し上げていることですけれども、あえて申し上げるんですが、五十二歳基準の問題。どう考えたってこれはやっぱり詭弁であって、私に言わせればそんなもの理屈にならぬということを言うのは、今高齢化社会に向けて積極的に、むしろ高齢化安定対策と同時に定年延長という時代なのに、これに逆行しちゃって、そして下手するとこれは指名解雇までなりますよ、五十二歳というのは。むしろ延長する段階に逆に五十五歳から五十二歳に切り下げるなんて、こういう前時代的なことではやっぱり我々は了解するわけにはまいりませんので、この点について対応をぜひしてもらいたいということを含めて、労働省考え方を確認しておきたいと思います。
  9. 竹村毅

    政府委員竹村毅君) ただいま先生指摘ございましたように、現在、合理化提案がなされ、その中におきまして定年の引き下げのようなものも提案されておるということは承知しております。  いずれにいたしましても、実質的な定年切り下げというようなことになりますと好ましいものではございませんし、私ども現在は六十歳定年の定着というものを労働行政の大きな柱としております。あくまでも労使関係、今後労使誠意を尽くしてお話しされるということを期待しておりますけれども、その際、現下の雇用失業情勢、そしてまた定年延長というこの労働政策基本方向等を踏まえて、労使とも納得のいくような形で十分協議を尽くしていただくよう私の方では期待いたしております。また、必要に応じましては、石炭企業側に対しまして、雇用問題に十分配慮するよう側面的に指導することとしたいというふうに考えております。
  10. 対馬孝且

    対馬孝且君 高齢者対策部長、そういうことで交渉が始まる前に、二十五日ころから交渉が再開されるということですから、ひとつその前に、今長官も通産省の段階会社側責任者を呼んで対応する、こういうことでございますので、労働省もこの問題について会社側責任者その他に対してきちっと御指導をしてもらいたい、よろしゅうございますか。
  11. 竹村毅

    政府委員竹村毅君) ただいま先生指摘ございました趣旨を踏まえまして、私の方でも十分対応いたしたいというふうに考えております。
  12. 対馬孝且

    対馬孝且君 そこで、貯炭対策認識、これは三池の問題もあわせましてちょっと申し上げたいんですが、六十三年四月末貯炭状況というのを私なりに資料を調べておりますが、石炭部、通産としてこれは確認できますか。  現在の貯炭状況では、これは四月末でございますけれども、四月末状況で四百六十六万トンの貯炭を抱えておる。そのうち三井関係を申し上げますと、三池が二百七十六万トン、芦別が二十六万九千トン、大体こういう数字は間違いありませんか。トータルと、それから三井関係貯炭状況はどうですか。
  13. 鈴木英夫

    政府委員鈴木英夫君) 貯炭状況でございますが、私どもただいま把握いたしております貯炭そのものの総量でございますけれども、これは六十三年の三月末の数字でございまして、この貯炭量によりますと、全国貯炭が約四百五十万トン、そのうち三井の分が二百九十万トンというふうに承知いたしております。
  14. 対馬孝且

    対馬孝且君 大体、そう違っていないですね。そこで若干ふえているんですけれども、四月末ですからやっぱり十六万トンぐらいふえていますね。  それで、この合理化を行おうとする三井三池とか芦別合理化の一番の問題点は、これ以上の貯炭対策がなければこういう合理化をせざるを得ない、これが一つ理由にもなっておるんだね。この前、私も当委員会でも申し上げ、また長官石炭部長に何回か我々社会党としても考え方や政策的な提言をいたしております。そこで、私の質問に対して政府がお答えになったのは、六十三年度の一応貯炭枠買い上げのあれとしては予算上からいくと四百七十万トンだ、これはある程度弾力的に運用することもあり得る、こういう答弁でございました。これは間違いありませんか。
  15. 鈴木英夫

    政府委員鈴木英夫君) 貯炭買い上げ状況でございますが、先生承知のように、昨年度貯炭買い上げは、最終的には三百六十万トンの買い上げを昨年度末までに行いまして、推移をしてまいったわけでございます。その後、実態上は、昨年の十二月から三月にかけまして需要引き取りが割と堅調に推移したということもございまして、本年、六十三年一月末に新共同石炭が保有いたしておりました貯炭が三百六十万トンということでございますが、それが三月末には三百二十七万トンまで一たん減少いたしました。これは、需要業界需要期を控えて引き取りを促進してくれたというようなこともございまして、買い戻しが行われまして、三百二十七トンに減少いたしました。その後再び若干この過剰貯炭保有量がふえたということもありまして、四月に入りまして本年度買い上げを早速実施いたしまして、現在、新共同石炭では三百四十七万トンの買い上げを行っております。これは、私ども統計が得られます範囲での六十三年三月末の貯炭、先ほど申し上げました四百五十万トンから通常貯炭を差し引きました過剰貯炭全量というふうに認識をしておりまして、一応今の段階では過剰貯炭全量共同石炭買い上げておるというふうに御理解をいただけるものと考えます。  なお、今後この貯炭の問題につきましては、各企業あるいは各炭鉱貯炭保有状況あるいは企業経営状況等を時々刻々慎重にチェックいたしまして、適時適切に貯炭買い上げ対応させていきたいというふうに考えております。
  16. 対馬孝且

    対馬孝且君 今の数字が、一番新しい実態数字だと思います。だから、予算上からいくと、買い上げ枠弾力的運用でいけば一応四百七十万トンベースがあるというところから見ると、平常貯炭から見ると、運用としては四百五十万トンまでは買い上げができる、こう理解していいんでしょう。  なぜこれを聞くかというと、今、三井石炭合理化計画基本の柱にこれがあるから私は言ってるんですよ。だから、そのことが今政府として、はっきり言って、今部長が答えられるように、平常貯炭以外の今のベースからいくと大体これが解消できるという見通しであるならば、今度の合理化の柱の一つである貯炭の云々という理由はなくなるわけです。そうすると、その点は問題点としては解消していくのではないかという意味で私は言っているんだ。本質的な問題は別です、私の言っているのは。今、三井合理化計画に絞ってという前提を置いたのはそこを言っているのであって、そういう認識でいいのかどうかということを今ここで確認しておきたいんです。
  17. 鈴木英夫

    政府委員鈴木英夫君) 私ども貯炭の制度の予算要求に当たりましては、一応予算年度需給状況を想定いたしまして、これは不確定要素がございますので非常に難しいのでございますが、一応モデル的に想定をいたしまして、貯炭の保有すべき枠というのを予算要求するわけでございますけれども、その際に予算上は約二割ほど余裕を見込んで予算要求をさせていただいておりまして、したがいまして需給が非常に予想に反しましたようなときには、状況に応じまして、その範囲内で適切に対応できるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
  18. 対馬孝且

    対馬孝且君 今石炭部長に私は三井合理化に限ってお聞きしましたが、そうすると、貯炭の問題では、もちろん全体的な問題では、私が言っておりますように、今現在四百六十六万トンあるわけですから、これは石炭協会の調べによると、私が申し上げた数字です、四月末。そういう意味で、 我々が申し上げたのは、やっぱり四百七十万トンベースということを目標に対応してもらいたいということをいまだに申し上げているわけです。  しかし、当面の、今の買い上げ状況を見ていきますと、あえて言うなら、三井の場合で言うと、会社が言う貯炭的な最大理由一つ理由ということは現状の合理化計画からいうとやっぱり問題が残る、こういうふうに私は思っておりますので、これはこれで一つわかりました。しかし、政府もそういう認識であるとすれば、会社側に対しても、貯炭という理由での合理化ということは問題点があるということも責任者を呼んだときに指摘しておいてもらいたい、これは申し上げておきます。よろしゅうございますか。
  19. 鈴木英夫

    政府委員鈴木英夫君) 先生からそういう御趣旨の御指摘がありましたことは、十分伝えたいと思います。
  20. 対馬孝且

    対馬孝且君 そこで、時間がないものですから、本質的な問題に後で若干触れるつもりでおりますけれども、その前に、今の合理化計画にまつわる問題として、これは南大夕張芦別も同じなんでありますが、率直に申し上げますが、真谷地関係離職者が、高齢者対策部長もおりますけれども安定所が出した今一番新しい数字を私持っていますが、これでいきますと、真谷地関係のこの間閉山になった状況から見ますと、求職者が千百十名、そしてまだ七百五名が対策が必要である。これは六十三年四月に職業安定所の出した数字でございます。それから三菱南大夕張の場合も、当時のあれから見ますと、八百三十八名に対して就職した者が五十二名、移転者などを除いてまだ二百十二名というのは当面問題として最低雇用対策をとらなければならない。こういう現況に対して、合理化希望退職者がまだ出る。  そこで、時間がありませんから端的にひとつずばりお答え願いたいのでありますが、産炭地域支援事業で六十三年度予算で通産の場合は対応しますが、芦別の場合には「星の降る里」、あるいは夕張はリゾート、こういう問題ございますけれども、それで何人雇用対策になったかという、これは私はやっぱり問題だと思うんですよ。だから、来年度に向けて第三セクター、あるいは産炭地域支援事業などを含めてある程度目標数字、例えば三百とかまとまった数字、そういうことで企業立地または第三セクター対策というのをぜひ、現行制度である産炭地域支援対策事業、これはこれで私は結構だと思うんです。それをもっと規模的に、あるいは雇用対策と直結できるような産炭地域支援事業の規模の拡大ということを考えてもらいたい。これが第一点。  それと、労働省側に申し上げますけれども、鋭意職業訓練その他やっていますけれども炭鉱離職者だって公営、公共企業あるいは公益、これへ入ってはならないという理屈はないと思うんですよ、率直に申し上げますけれども。国鉄の職員であれば公共企業体なり公益が応じられるんだ。炭鉱労働者だってまだ三十代の若年がたくさんいるんですから、そういう意味では人種差別してもらっては困るので、民族的差別してもらっては困ることになるので、かなり希望者が公共企業の場合も、公益でもいます。現実に私、この間会ってきました。この声が随分出ています。そういう意味では公共あるいは公益的な職業の雇用対策ということでぜひひとつ対応してもらいたい。こういうことについて、対応なり考え方があれば率直にひとつお聞かせ願いたいと思います。
  21. 鈴木英夫

    政府委員鈴木英夫君) 閉山合理化に伴います地域振興あるいは離職者対策の問題につきましては、私ども非常に大事な点だと考えておりまして、先生御高承のように、昨年十一月に産炭地域振興審議会でいろいろな建議をいただきまして、その中にはかなり具体的な御提案もございまして、そういうものにつきまして、ただいま私どもそのフォローアップといいますか、実現方に全力を挙げておるわけでございます。  一例で申しますと、先生も御指摘のありました芦別の「星の降る里」へ産業基盤整備基金から約二億円の出資をいたしますとか、あるいは新たに地下無重力環境実験センターというようなものを砂川につくろうというような計画でありますとか、そのほかもろもろのハイテクも利用いたしました地域の活性化、あるいは第三セクターの活用というようなことについて地元も全力を挙げて取り組んでおりますし、あるいは各省庁連絡会の場でも、公共事業等の重点配分も含めまして、いろいろ御協力をいただいているところでございます。  ただ、ただいま先生指摘のように、確かにそれらのプロジェクトがすぐ雇用創出効果に結びつくかどうかという点につきましては、やはり若干の時間がかかるというプロジェクトも多うございまして、そういう意味で私ども、今後ともこの産炭地域総合支援事業の実施等を通じまして、閉山、大幅減産による影響が懸念される地域のさらなる活性化あるいは離職者対策等について、労働省とも緊密に連絡をとりながら、全力を挙げてまいらなければいけないというふうに考えておる次第でございます。
  22. 竹村毅

    政府委員竹村毅君) ただいま先生指摘ございましたように、炭鉱離職者の再就職につきましては、私ども精いっぱい頑張っておるところでございますけれども、決して満足のいく結果というところまで立ち至っておりません。もちろん、炭鉱離職者の再就職というのは広く各界の協力が必要だというふうに私ども認識しておりまして、離職を出す石炭会社はもちろんでございますけれども、地方自治体関係者と密接な連携も従来からやっております。  御指摘の公共企業体等への就職でございますけれども、現在、御承知のように、地方自治体におきましても財政事情には非常に厳しいものがございます。そういうことで受け入れる余裕があるかどうかは非常に難しいところではございますけれども、もし可能であれば積極的に受け入れていただきたいというふうに思っておりまして、状況に応じ、また必要に応じまして、道庁等関係機関等と十分相談していきたいというふうに思っております。
  23. 対馬孝且

    対馬孝且君 通産側に対しましては、来年度、六十四年度、もちろん八月、骨格予算案が出る段階なものですから、その意味で申し上げているので、ひとつさらなる積極的なプロジェクトの強化対策ということで、雇用がまとまって伸びるという、ここのぜひひとつ強化策を考えてもらいたい、こういう要望をしておきます。  それから、現に横路知事を初め道側に対しても、札幌市役所にも話ししまして、この間私は課長や助役にもお会いしまして要請しておりますけれども、例えば道で言えば土木現業庁、こういう現場があるわけです。それから市で言うと清掃です。これは現場関係。これはできるだけ採りたいとも言っているので、国の段階からさらなる要請があればそれなりの対応もいたしますと、こう言っておりますので、そういう意味で私申し上げているので、ぜひ雇用対策の一環として拡大策に取り組んでもらいたい、これも申し上げておきます。  それから、時間もあとございませんので、数年来国会で取り上げて、私も何回か当委員会で申し上げておりますが、また各同僚委員も取り上げていますが、例の下請関係の閉山交付金の問題、私も雄別炭鉱の例など、昭和四十四年の例を挙げてこの前申し上げたことがございますけれども、これも時間もありませんから、率直に申し上げますけれども、通産側としましても、大臣を初めエネルギー庁長官あるいは石炭部長段階で精力的に検討されているということも聞いています。したがって、これに対して現段階はどういう段階にあるのか、またどういう方向で、一応のめどとしていつごろこの対策の成案といいますか、答えが得られるのか、大体そういうものがありましたら、重大な関心を持っておるものですから、この機会にひとつ通産側の考え方を聞かせてもらいたいと思います。
  24. 浜岡平一

    政府委員浜岡平一君) 御指摘のとおり諸先生の御意見があったわけでございまして、田村大臣の指示もございましたので、二月以来、炭鉱下請 離職者問題検討委員会、石炭鉱業審議会会長代理の田中洋之助氏に委員長になっていただいておりますが、これを設置いたしまして、これまで就業実態調査、さらには石炭企業、下請企業、直轄労働者、下請労働者等からのヒアリング等を実施してまいりまして、本日もこの委員会が終わりました後、第六回目の委員会が予定されているわけでございますけれども、これから支援策の検討に入るというところでございます。六月中ぐらいには検討を終えたいというぐあいに考えております。  支援策の取りまとめ等が終わりますと、報告書という形になるわけでございますけれども、これを実現していくということになりますと、私どもももちろんなすべきことはなさねばならないわけでございますけれども、諸先生の御理解と御支援もまた必要不可欠と考えておりますので、この報告書をまとめました上で、さらによろしく御配慮を賜ればと私の方も思っている次第でございます。
  25. 対馬孝且

    対馬孝且君 今長官から大体六月をめどにおおむね結論を出したいということでございましたが、もちろん我々の協力、アドバイスということもございますが、恐らく大蔵省の財源確保のことを言っているのだろうと思いますが、これはそれこそ我々も全力を挙げますので、ぜひひとつ六月中をめどに、八月、骨格予算段階になりますから、一応の結論を出してもらいたい。  なぜかと申しますと、三菱南大夕張が現に百六十一名というあれが出ているものですから、これは各組関係、下請関係が既に百六十一名出されているわけで、これらの対応もございますので、できるだけ早めて結論を出すようにしていただきたい、特に要望を申し上げておきます。全面的なアドバイスをいたしたいと思いますので、申し上げておきます。  そこで、時間もあれですけれども、この機会に三点ばかり問題提起だけしておきたいと思います。  ここに出していますけれども、第一点は、これはいつも申し上げることだけれども、六十一年度で海外炭の日本のあれは一億三百八十万トン入っているんです。そして、国内炭は一千万トン。どこの国に行ったって海外炭の十分の一より需要確保されていないというのは、これはいかがなものかというよりも、問題だ。これは西ドイツあたりを見てもわかるとおりで、したがってそういう意味では、いつも当委員会で同僚委員も私も申し上げていますけれども需要確保をひとつ見直してもらいたい。私は何回もこれを言っているんですが、国内専焼火力発電所あるいは電源開発などを含めての問題、それからIQとの兼ね合い、こういうものを含めてせめて一千万トンでなくてプラスアルファで――これは七十五年には海外炭が一億三千八百万トンなんです。そうすると、仮に一千万トンといったら一割にも満たなくなるんです。政務次官、これはきちっと見直して政策を立ててもらいたい。これは対策なしで言っているんじゃないですから、時間もありませんから一つ申し上げておきます。  第二は、今も言ったように貯炭対策です。これは買い上げ対策、これは雪崩閉山に直結するものだから、言葉で何ぼ雪崩閉山を食いとめると言ったって、一定の貯炭が出てくれば札束を港に積んでいるか揚げ地で積んでいる意味と同じなんだから、これはどう言ったってそういうことにつながるのだから、だから貯炭をある程度、四百七十万トンプラスアルファで弾力的運用でいつでも対応できる、それが雪崩閉山を食いとめる道である、これは私もいつも言っていることです。  第三は、残された炭鉱に対する規模縮小交付金、今百五十人、生産規模五%、こんなものは取っ払って、私に言わせれば、今現在、坑内骨格構造資金あるいは近代化資金、経営改善資金の制度があります。こういう中で、結果的にはトン当たり二百円なり、価格差補給金的なものになるけれども、それを一応の助成措置として考えてもらいたい。それから引き取り需要との関係、あえて言うならば、電力までは言わないけれども、セメント、鉄鋼あるいは紙、こういう関係に対して昔やったように価格差補給金を今の段階でもう一回検討する必要がある。なぜかといったら、牛肉、オレンジの問題だってやがて答えが出ると思いますけれども、私に言わせれば石炭問題というのはそういう問題と本質的には何ら変わっているわけじゃないのだから、そういう問題も含めて考えた場合に価格差補給金制度ぐらい検討し直す時期に来ている、私はそう思っておりますので、これはひとつ検討課題としてぜひ検討してもらいたい。とりあえず、この三点だけ。きょうは時間がありませんから、答えは要りません。  これは、時間が来ましたから、ぜひひとつそういう方向で、この問題は八月の骨格予算段階までに何とかヒアリングをしていただいて、政府の政策的方向をまとめてもらいたいということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。  以上でございます。
  26. 大木正吾

    会長大木正吾君) 答えは要りませんそうですから、ぜひ対馬委員の三点については……
  27. 対馬孝且

    対馬孝且君 長官なり政務次官から決意のほどをひとつ。
  28. 倉田寛之

    政府委員(倉田寛之君) ただいま先生から御要望されました点につきましては、十二分に検討をさせていただきたいというふうに思います。
  29. 工藤万砂美

    ○工藤万砂美君 産炭地域経済と全国の経済との関連がございますので、まずお伺いしたいことは、昨年政府の緊急経済対策の中心は、何と申しましても内需の拡大ということであったわけでございますが、昨年末で景気指数というものが発表されましたが、現在の全国平均指数というものはどうなっているのか。それから、産炭地域であります北海道、九州の指数はどうなっているのか。  それからもう一点は、これは昭和五十五年に比較してということでございますから、昭和五十五年に比較をした理由というものをお教え願いたいと思います。
  30. 新村保子

    説明員(新村保子君) ただいま御質問をいただきました点でございますが、北海道地域と九州地域の景気につきまして、地域景況インデックスを使いまして御説明させていただきたいと思います。ただ、一つ誤解がないように申し上げますが、これは全国で出しております景気動向指数とは採用している指標も、それから計算方法も違っておりまして、直接比較できるようなものではございません。したがいまして、私どもは地域間の比較をするためにこれを使っております。ちなみに、これは全国を十地域に分けまして計算しているものでございます。  最近の動向でございますが、北海道につきましては、六十一年の十二月に最も低い水準となっております。その後徐々に上昇いたしまして、六十二年の秋口になりまして上昇のテンポは早まっております。その後ずっと上昇を続けております。  それから、九州につきましては、六十二年の一月が最も低くなっておりまして、その後徐々に上昇、この地域につきましてもやはり年央より上昇テンポが早まっておりまして、現在まで上昇を続けております。  景気判断といたしましては、二カ月に一遍私どもで今申し上げました十地域別にまとめているわけでございますが、北海道につきましては、六十二年、昨年でございますが、秋口以降景気は回復局面に入っており、その後本年に入っても着実に回復をしていると判断しております。  それから、九州につきましては、やはり六十二年の秋口以降回復を続けており、本年に入りましてからは拡大局面に入ったというふうに判断をしております。  ただ、これは北海道、九州、どちらも全域平均値を盛ったものでございまして、どちらの地域も地域内に例えば企業城下町など他地域より若干景気状況の悪い地域もあるというような調査をしておりますが、これらの地域におきましても、昨年後半以降景況は改善しているというふうに判断をしております。  なお、先ほど先生から御指摘がございました、 なぜ五十五年かというお話でございますが、これは各種の指数がまず五十五年を基準にしているという極めてテクニカルな理由でございます。このたび生産指数が六十年基準に改定されるのに当たりまして、我々のこの景況インデックスも六十年基準に改定したいと考えております。  以上でございます。
  31. 工藤万砂美

    ○工藤万砂美君 初めての女性理事者の御答弁でございますから、余り深追いはしたくないんですけれども、はっきり申し上げて、数字が聞かれなかったのは非常に残念だったんですけれども、たまたま昨年の状態からいいますと、全国平均で言いますと、春先の大体五月ごろの景気指数でたしか一一五でございましたね。それから、その時点で北海道だけが全国最低の九七・一ぐらいでございました。これは北海道、東北、関東、東海ですか、それに北陸、近畿、中国、四国、九州、この九つのブロックで出した数字でございますね。  でございますから、それはいいんですけれども、緊急経済対策で随分といろんな施策を用いていただきましたけれども、年末に至りましてからの数字というのは、たしか私の伺っている話では全国平均が一二六ということでございましたね。北海道はようやく一〇一・八ぐらいになりました。九州も大体それに近い数字になっているわけですが、いずれにしても産炭地域である北海道と九州の景気が非常に悪いということがやはり問題でもあり、そしてまたこれは石炭産業の影響がかなり大きいんだ、私はこういう感じがするわけであります。  とりわけ、北海道というのは、御案内のように漁業も農業も鉄鋼も造船もみんな下降線をたどっていたものでございますから、北海道には重点予算配分もしていただきたいということでやった結果がそういう結果になったということでございまして、これ以上は課長さんに申し上げませんけれども、そういうことで北海道がとにもかくにも四十七都道府県の中で一番景気が悪いのだという御認識だけはしておいていただければありがたいと思うんです。その程度にとどめさせていただきますけれども、御答弁ございますか。
  32. 新村保子

    説明員(新村保子君) ちょっと誤解のないように、ただいま先生のおっしゃったことについて留保条件といいますか、この指数の見方についてでございますが、御説明をしたいと思います。  先ほど私、数字を申し上げなかったんですが、実はそれはなぜかと申しますと、数字というのが、先ほど申しましたように、五十五年を一〇〇とした数字でございまして、それは決して現在の水準の差をあらわすものではないというふうに私どもは理解しております。したがいまして、五十五年との比較で今が一体どういう状況にあるのかというのを示しているだけでございまして、先ほど先生がお挙げになった数字につきましては、北海道は五十五年の経済水準と比べてたかだか二%弱上昇している程度であって、全国はもうちょっと五十五年に比べればよくなっているというように読むのでございまして、五十五年のときに果たして北海道と全国との関係がどうであったかということを抜きにしては読めないという点が一つ御注意いただきたいという点でございます。  ただ、景気判断全体につきましては、私どもの地域経済動向で申しておりますように、やはり相対的に北海道、九州、あと四国、中国も含まれているわけですけれども、景気の回復がおくれ、ややテンポがおくれぎみであったというような判断はしております。  以上でございます。
  33. 工藤万砂美

    ○工藤万砂美君 ありがとうございました。  御答弁に対してとりわけ私は意見を申し上げるつもりはございませんけれども、ただ日本の国の経済自体が非常に上昇しているということも事実でございますけれども、たまたまあなたがおっしゃる数字からいいますと非常にばらつき景気でございます。ですから、北海道も九州もそうですけれども、あるいは本州の方々も、本当に経済大国になったという実感は持っていないんですね、はっきり申し上げて。それはあなた覚えておいていただきたいと思うんですよ。例えば貿易関係に携わっている産業なんかに対してはいろんな施策も講じましたけれども、その他の産業については余り的確な施策が講ぜられなかったということで、全体的にはやはり私どもは世界一の富裕国である、そのお金持ちの日本人であるという感触は全く持っていないということだけは御認識いただいて、さらに今後も景気浮揚のために御努力を願いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  そこで、昨年度三十万人雇用対策が行われたわけでございましたね。これはあの政策を打ち出しましてから全国的な雇用実績は一体どうなっているのだろう、それから北海道と九州地区の雇用の実態というのは一体どうなっているのか、その辺お伺いしたいんです。
  34. 廣見和夫

    説明員(廣見和夫君) お答え申し上げます。  六十二年度におきまして、労働省といたしまして三十万人雇用開発プログラムというものを策定いたしまして、円滑な労働移動あるいは失業の予防等に鋭意努力してまいったわけでございます。このプログラムそのものは、三十万人の人たちの雇用開発あるいは訓練の推進ということを内容としたものでございますが、昨年の十二月までの実績をまとめてみますと、職業転換訓練制度を中心にいたしまして教育訓練等を実行する、そういうことによりまして産業間あるいは企業間に円滑な移動を図ったという人数は二万九千人になっております。  それからまた、二番目の柱でございます雇用調整助成金を活用いたしまして失業の予防を図った、この人数が十五万人ということになっております。  それから、三番目の柱といたしまして、雇用の機会を開発する、具体的には地域雇用開発助成金あるいは高齢者等の特定求職者雇用開発助成金、これを使っての雇用開発でございますが、九万七千人ということになっておりまして、総計いたしますと二十七万六千人、これは昨年の十二月末現在でございます。今三月末までのものを鋭意集計中でございますが、私どもこの三十万人という目標は上回ることができたのではなかろうか、そういう意味で雇用の安定にそれなりの寄与をし得たのではなかろうか、かように思っております。  ただ、こういう努力にもかかわらず、現在それじゃ雇用情勢はどうなっているのかということでございます。全国的には確かに雇用情勢は非常に改善してきている、総じてよくなってきております。ところが、残念ながら北海道、九州について見ますとやはりまだ明らかにおくれが見られます。有効求人倍率をとりましても、あるいは完全失業率をとりましても、例えば二月の有効求人倍率をとってみますと、全国が〇・八八に対しまして北海道が〇・三六、それから九州は〇・五六というように大分低くなっております。したがいまして、私どもとしましてはこういったような地域の格差に着目いたしまして、一層地域別の対策というものを強化していく必要があるのではなかろうか、かように思っておる次第でございます。
  35. 工藤万砂美

    ○工藤万砂美君 私も意見があるのですけれども、しかし労働省も一生懸命やっていらっしゃるその実態には非常に感謝をしているわけでございますけれども、先ほど対馬委員からも御指摘がございましたように、産炭地域は特別雇用情勢が厳しいということだけは御認識いただいて、なお一層のひとつ御努力を賜りたい、こう思うわけでございます。  そこで、産炭地の経済を支える炭鉱のいわゆる閉山や大合理化を進める中で一番不安と焦燥をかこっているのは、何と申しましても炭鉱の下請企業と中小商工業者であろうと思うんです。それで、政府といたしましても、御案内のように昨年特定地域中小企業対策臨時措置法などを用いまして地域指定をされたことについては非常に感謝をいたしておるわけでございます。  ただ、商工業者については計画的に企業の収縮とか拡大とか事業転換等による融資を受けられるというような道筋がきちんとしておりますけれど も、先ほど対馬委員からも御指摘ございましたように、従業員とは別に企業家自体、これはどうも融資を受ける条件整備というのが極めて困難なわけでございます。いずれにしても、閉山が行われたり合理化が行われた場合には、その企業は解散をするか、あるいはまた事業転換の道を選ぶかどちらかでございますけれども、従業員の方々は黒手帳でありますとか緑の手帳でありますとかいうことで当面はしのいで、そうしてその雇用状態によっては生活保護を受けるなんというようなことができますけれども、これはそうなると莫大な国家予算の支出になるわけでございますから、多少の事業転換の融資条件が劣っていても下請事業者については優先的にひとつ融資の道を開いてあげるべきだ、私はかように思います。  それから、余り遠方には行けないにしても、その産炭地域の公共事業への参入をやっぱり真剣に考えていただきたいと思うんですけれども、その点はいかがでございましょうか。
  36. 倉田寛之

    政府委員(倉田寛之君) 先生指摘のように、産炭地域におきます炭鉱閉山合理化によりまして、炭鉱の下請企業、また中小企業が深刻な影響を受けている地域につきましては、特定地域中小企業対策臨時措置法に基づきまして炭鉱関連の中小企業の新分野への進出、こういったことを円滑に図っておるところでございます。同時に、倒産防止特別相談事業の機動的な運用、また炭鉱関連下請中小企業に対する下請取引のあっせんの強化、官公需の受注機会の確保、個別中小企業の実情に応じました政府系中小企業金融機関の弾力的な対応等によりまして、炭鉱関連中小企業の経営の安定を図るためにきめ細かく対応をしてきたところでございます。  さらに、この制度に加えまして、閉山地区中小商工業者が移転あるいは転業を行おうとする際には、産炭地域振興臨時交付金などによりまする道県の融資制度が設けられておりまして、北海道におきましては本年三月に本制度の金利を大幅に引き下げたところでございます。ちなみに、五%を三・五%にいたしたのでございます。  さらに、公共事業の優先配分につきましては、産炭地域の振興対策におきまして極めて重要であるというふうに認識をしているところでございまして、従来から関係省庁と緊密な連携をとりながら、公共事業の促進に努めてきているところでもございます。今後とも、閉山、大幅減産に伴います影響を緩和していくために中小企業対策には万全を期してまいりたいと考えておるところでございまして、公共事業の重点配分につきましても関係省庁に要請をしてまいりたいと存じます。
  37. 工藤万砂美

    ○工藤万砂美君 御丁重な御答弁ありがとうございました。  今御答弁になられましたように、いろんな施策を用いていただいてはおるんですけれども炭鉱閉山、大合理化がなされた場合に、今仰せられましたように黒手帳や緑の手帳とか、あるいは閉山交付金とか、そういうものの諸施策に対する国や都道府県、市町村の支出はおよそ一人どのぐらいになるか、これは宿題として時間があるときに一回計算してみたらいかがでしょうか。そして、それで比較してまいりますと、本当にそういう産炭地対策閉山対策をやるお金と実際に炭鉱を生かしていくためのお金とどちらがどうだという比較を一回してみてください。  これは参考までに申し上げますけれども、かなりそういう面では膨大な金になるので、むしろそれだけの金があるのであれば炭鉱閉山合理化をできるだけ押しとどめた方がいいのじゃないか、実は私はこういう考え方を持っているわけでございますが、これは御答弁は要りませんので、一度ひとつ暇なときに研究してみていただきたいと思うんです。  そこで、戦後の労働運動は、これはおしかりをいただくかもしれませんけれども、私の見ている限りでは炭労から始まったと申しても過言ではないというふうに考えているわけでありまするし、現在の炭鉱の労働条件と比較いたしますと、確かに劣悪な生活環境であった労使の間でございまして、しばしばそれによって対立がございましたけれども、昨今はほとんどの炭鉱労使が一体となって自分たちの山を守ろう、こういうふうに努力をしている姿を見るにつけて、私どもも何とかしてこの山を残してあげたいという切実な思いに駆られるわけでございます。  過般も、対馬委員からも御指摘ございましたように、南大夕張や、それからたまたま私は三井芦別の隣の町に住んでいる関係でよくお伺いするわけでございますけれども、どこの会社に行っても、むしろ労働組合の方が帰りにはぜひ寄っていただいて我々の話を聞いてくださいと、こういうお話をされるわけです。  たまたま参りますと、各山の労働組合の意向としては、まず第一に何としても我々が生き残る方法を考えてもらいたい、我々も一生懸命やりますということを前提にしながら、第一には、対馬委員からも御指摘ございました新共同石炭買い上げと買い戻しの問題で話が始まるわけです。  これは確かに、先ほど来お話し申し上げておるように、三百六十万トン買い上げをしたということにすればこれはまことに格好のいい話でございますけれども実態としては買い戻しをするという条件です。だから、一〇〇%それを買い上げしていただいて、その後は政府責任を持つ、あるいは新共石社が責任を持つというものではないわけですね。だから、新年度に入りますとその買い戻しの石炭をどういうふうにしてやったらいいか、それからその金をどういうふうにして返したらいいかということで戦々恐々とするというような実態が実際に炭鉱にあるわけでございますので、これはもう少し時間をかけてジャンプをしていただくなり期間を延ばしていただくなり、もう少し買い上げと称せられる枠を広げていただくということになりませんと、三井芦別やら南大夕張のような思い切った合理化に踏み切らざるを得ないというふうに追い詰められてしまいますので、これはぜひお考えおきを願いたい、かように思うわけでございます。  それから、第二点の問題で言われることは、やはり電源開発のたき増しを何とかしてできないものかということをよく言われるわけであります。これは私もこの委員会でも再三申し上げたことでございますけれども政府が七一・二二%も株式を保有している電源開発の石炭火力が六十二年度では八百二十三万トンの石炭をたいているわけです。そのうち四百七十万トンが外国炭で、約六〇%です。それから、四〇%は国内炭ということでございまして、正確に言いますと、国内炭が三百五十四万トン、海外炭が四百六十九万トン、こういう消費をしておって、実質的には四〇%より国内炭は使っていないということでございます。それはコストの面もあろうかと思いますので、まず電発の、コストはよろしいですから、決算の状態は一体どうなっているのか、帳じりをお聞かせ願いたいと思うんです。
  38. 植松敏

    政府委員(植松敏君) 六十二年度の決算がまだ出ておりませんので、六十一年度決算で申し上げますと、経常収益が約三千四百三十二億円、経常費用が約三千四百八億円、当期経常利益で約二十四億円となります。税引き後の当期利益で四・五億円という数字になっております。
  39. 工藤万砂美

    ○工藤万砂美君 そういうことであれば、私はちょっと意見を申し上げなければならぬわけでございますけれども、電発自体、現在、国内炭四〇%くらい、外炭六〇%でやれる、こういうことだとすれば、例えば今度電発の松浦をやるわけです。これは松浦で大体百万キロワットですか、約二百万トンから二百二十万トンぐらい使うわけです。それから、さらにまた七十年の計画としては同じように百万キロワットやるわけです。合計いたしますと四百万トンから四百四十万トンぐらいの石炭が使われるわけでありますけれども、今の様式で国内炭が四〇%、外国炭が六〇%で収支とんとんで採算がとれるとすれば、この松浦の電発の使用石炭も外国炭というふうに言われていますけれども、これの四〇%は国内炭を使用できるということでいいんですね。御答弁願います。
  40. 植松敏

    政府委員(植松敏君) まず、松浦につきましては、松浦一号を現在建設中でございますが、現在の予定では六十五年七月ぐらいに運転開始ということになっております。この松浦火力につきましては、海外炭をたくという前提で建設が進んでおりまして、ここで国内炭をたく計画にはなっておりません。  先生案内のとおり、電発は卸売電気事業者でありまして、それぞれ九電力の補完をしながら九電力に対して電気を卸しておるわけでございますけれども、電力を使用するそれぞれユーザーの立場から見ますと、原価主義と公平の原則ということで、これは一般の電気事業者もそういうことで料金が成り立っておりますし、また電発も卸すときには原価主義で卸すことになっております。  電発の目的は、できるだけ安い電気を需要に合わせて供給するということで、国内の電気需要が不足をすることのないようにということでつくられたわけでございます。その場合に、コストがそのまま料金にはね返ってくるという意味では電力業界全体の問題になるわけでございまして、御案内のとおり第八次策におきましても電力業界全体で当面一千万トン、最終的には最終年度に八百五十万トンの引き取りということで、電力業界ぎりぎりの協力をいたしておるわけでございまして、その中で電発も設備をフルに活用しながら応分の負担といいますか、ぎりぎりの協力をいたしておるということでございます。
  41. 工藤万砂美

    ○工藤万砂美君 それでは、先ほど対馬委員からもお話がございましたIQの問題についてどう考えるんですか。あなたはそうおっしゃいますけれども、今四〇%、六〇%の使用率で一応二十四億円の黒字を出したと言いましたね。そうすると、電発そのものは言うならば国が始めた企業でありますから、国が七二%近く株式を持っているわけですから、少なくとも石炭政策の中では最後のいわゆる需要の確定をする場所である、そういう電発であるという認識を私は持っているんです。しかも、国内の産業自体を振興するための企業ということで設定された電源開発促進法でありますから、それにのっとっていきますと、国内炭鉱がどんどん閉山をして大合理化をしているのを横目で見ながら、何で外国炭ばかりそういうふうに使わなきゃならぬのですか。IQの面からいいましても、四〇%とは言いませんけれども、少なくとも二〇%ぐらいはそれを使ってやろうというふうな、そういう温情あふれる政府の施策がなきゃ石炭産業はたまりませんよ、いつまでたったって。  そういう面では、ちょっと申し上げる口調は厳しいけれども、しかし私はあくまでも与党ですから、与党の立場ということで申し上げるのはちょっと引け目を感じますけれども、そういう政策をやってこそ初めてこれは日本の石炭政策である、こういうふうに私は言えると思うんです。それは、あなたがおっしゃるように外国炭ばかりたくということでなしに、IQの制度もあるし、国内の石炭も守らなきゃならぬという観点からすれば、幾分かでもひとつ使ってやろうという意識になりませんか。どうですか。もう一回御答弁願います。
  42. 浜岡平一

    政府委員浜岡平一君) ただいまの先生の御発言のお気持ちはよくわかるわけでございますけれども、ただいま公益事業部長が申しましたように、電発自身は自分では電力を売れないわけでございまして、最後は、ツケは九電力に回っていくという仕掛けになっております。  御高承のとおり、第八次対策をまとめます過程で需要業界の協力というのが大変大きな問題になりまして、通産大臣自身が乗り出して決着をしていただいたわけでございます。その過程におきまして、今の九電力の実態等から申し上げますと、いわゆる業界の中核になっております中央三社に余り石炭火力が存在していないというような状況下で電力業界全体としてどう考えるかという場合に電発を軸に対応しようというようなことで、電発がたきます国内炭の量を上積みするというようなことで、いわば電力業界全体の対応の中に電発の役目を織り込んで御高承のような数字を出したという経緯をたどっておりまして、あの経緯に照らしますと、今直ちにこの電発の引き取り量につきまして、これを個別のものとして切り出して改めて見直しを論ずるということにつきましては、経緯からいいますと大変苦しいところかと思うわけでございます。  また、御高承のとおり、今石炭貿易につきましては、さまざまの国からさまざまの要請もまた寄せられているわけでございまして、これらの要請を受けとめるという面におきましても、詳細を申し上げるのは控えさせていただきますが、電発に頑張ってもらっているというような局面もございまして、いろいろな荷物も担いでいるのだということを御理解いただければと思うわけでございます。  しかし、第八次対策で決まりました協力というものは、これは基本としてぜひ引き続きお願いをしたいというぐあいに思っておりますし、また何らかのことで何らかの特別の購入とか、そういうようなことが仮にあるとすれば、そういう際には先生のお話のような気持ちというものも十分織り込んでもらうように私どもとしても臨みたいというぐあいに思うわけでございまして、何とかそういう気持ちで対応してまいりたいと思っておりますので、御理解をいただければと思います。
  43. 工藤万砂美

    ○工藤万砂美君 長官の言うことも私どもはよくわかっていて実は質問しているわけでございますけれども、ただ一般常識から考えて、現在の電発でさえも四百六十九万トンも外国炭を使っているわけです。それで、卸売ですからコスト主義であるということもよくわかります。これはわかるんですよ。しかし、仮に卸売の価格が、コストが多少上がったって、国内の経済を支え、今まで戦後の復興をなし遂げた石炭産業を守ってやろうという意欲があるのであれば、多少のことがあってもこの四百六十九万トンを多少削ってでもやってくれれば、芦別だって、あるいは大夕張だって助かるんです。  そういうことを考えますと、これはちょっと私どもの言うべき言葉ではないかもしれないんですけれども、これは石炭政策上、やっぱり政治の流れが変わってくると同時に、そういう政策についても十分お考えおきいただきながら、何とか国内の炭鉱を守っていただきたい、かように思うわけでございますので、これは答弁要りません、これ以上言ってもせんないことでございますから。ただ、そういう主張というものは、私どもは今後とも続けていくということだけは御認識いただきたいと思うわけでございます。  実は、けさ自民党の資源・エネルギー対策調査会が開会されましたけれども、当面は、石油備蓄が百四十日分ある、こういうことで世界のエネルギー市場が多少混乱を続けても大丈夫だ、こういうようなお話がございました。しかし、現実の問題としては、やっぱり中東の情勢が非常に悪化しているということと、ホルムズ海峡の問題が一体どうなるんだ、こういうこともわからない、不安である。それから、OPEC以外の石油というのはあと大体十六年七カ月ぐらいしかない、こういうふうに言われています。そういうこととあわせて、原子力発電も大体頭打ちに近い状態になってきているのではないかしら、国内的にもいろんな非常に難しい問題がある。そういうことから考えてまいりますと、やはり国内炭というのは大事に大事にしていかなきゃならぬじゃないかというような感じを受けて資源・エネルギー対策調査会できょう話を聞いてきたわけでございます。  実際に現状のまま流れていくとするならば、八次政策そのものも目的を達することは非常に至難だと私は思うんです。しかし、国としても一生懸命産炭地域振興に莫大な資金を投入していますけれども、先ほど来労働省やらいろんな方から御答弁がございましたけれども、その効果というものが、金をつぎ込むだけで今すぐ実効が上がってくるという状態になっていない。私は現地商工会議所のいやしくも現職の会頭ですから、その辺は十分私は承知して物をしゃべっているんですけれども、そういう面からいいますと、やっぱり最終 的には産炭地域振興というのは、現在そこにある炭鉱を守って、そして育てて、そこの従業員も安定して生活できることが一番いいんだ、産炭地域振興は炭鉱を守ることだ、こういうふうに断ぜざるを得ないんですけれども、その辺の感触について御存念があれば伺いたいと思うんですけれども長官どうですか。
  44. 浜岡平一

    政府委員浜岡平一君) 九〇年代に差しかかりましてのエネルギー情勢につきまして決して楽観を許さないという点につきましては、私どもも全く御指摘のような認識を持っております。また、そういう状況下での日本の国内炭の意味合いあるいは位置づけといったものにつきましても、第八次石炭対策の裏づけになっております答申の中にも明記してあるとおりでございます。  確かに、雇用対策あるいはいわゆる狭い意味の産炭地域振興対策というものに増してやはり生産規模というものが大きな意味を持っているということは、これも先生指摘のとおりでございまして、そんな観点から、いわゆるなだらかな生産縮小による一千万トンへの軟着陸というような考え方を打ち出しているわけでございますけれども、御指摘のとおり、一番根っこではやはり生産体制をどう考えていくかというところにポイントがあるという点は、私どもも全くそのとおりだというぐあいに思うわけでございます。
  45. 工藤万砂美

    ○工藤万砂美君 どうも失礼しました。ありがとうございました。     ─────────────
  46. 大木正吾

    会長大木正吾君) 質疑の途中でございますが、この際、委員異動について御報告いたします。  本日、小野明君委員を辞任され、その補欠として鈴木和美君が選任されました。     ─────────────
  47. 馬場富

    ○馬場富君 国内炭の需給は非常に厳しい状況にありますが、需給見通しにおいての国内炭の役割は現在どのように位置づけておられますか。
  48. 浜岡平一

    政府委員浜岡平一君) やはり現在のエネルギー情勢というのは、第一次、第二次ショックによります端的に申し上げまして石油価格の上がり過ぎ、それに対する代替エネルギーの導入あるいは省エネルギーの進行等によりますいわば世界挙げての対応によりましてその反動が起きているということで、一時的な小康状態というのが今の段階だと思っております。今後、OPEC以外の生産力は、先ほども指摘ございましたように、頭打ちあるいは低下傾向というようなことになろうかと思われるわけでございます。  他方、需要につきましては、特に発展途上国、爆発的に人口のふえております地域での需要増というものが見込まれるわけでございますので、やはり九〇年代になりますとOPECの市場支配力といったものが再び強まってくるというのが基本的な展望かと思っております。  そういった展望の中で考えますと、コスト面では大変大きな問題はあるわけでございますけれども、安定供給性という点から考えますと、何といいましても大きな存在でございます。また、今後、海外炭を利用するにいたしましても、単に手放しで買うということではなくて、現地での積極参加というようなことが基本でございまして、そのための技術力、経営力の涵養といった意味合いもまた持っているのではないかというぐあいに思います。  さらには、当然のことでございますけれども、石炭の日本における賦存地域から考えますと、地域経済あるいは地域社会の存立基盤というような意味を持っているわけでございますので、やはりこうした観点も織り込みながら、日本の長期的なエネルギー政策の中に国内炭を位置づけていくということではないかと思っております。
  49. 馬場富

    ○馬場富君 第八次石炭政策では国内炭は一千万トン体制にするということになっていますが、問題は、第八次政策以後の将来的な展望というのは大変厳しい状況にあるわけでありますが、長期的に最低限一千万トン体制を維持するような積極的な姿勢が私は必要だと思うが、この点について政府はどんな所見を持っていますか。
  50. 浜岡平一

    政府委員浜岡平一君) 私ども、今はまず第八次石炭政策の円滑な実施ということが基本であると考えておりますが、先ほど来いろいろ御指摘もあるわけでございまして、実際にこの円滑な実施というものを進めてまいりますためには、まださまざまの努力を必要としていると思うわけでございまして、まさに政府一丸となっての取り組みというようなことが望まれていることかと思っております。  率直に申し上げまして、第八次石炭政策の円滑な実施に頭も体力も使い尽くしているというに近い状況でございますけれども、御指摘のようなそこから先の問題というものがあるわけでございます。現在の政策がいかに円滑に実施できるかということを踏まえながら、今後の世界的なエネルギー情勢、あるいは内外炭の価格差の動向等々、さらに先ほどお答え申し上げました国内炭の持っております意味合いといったものを総合的に勘案しながら、もう少し八次対策の進行いたしましたところでこれを本格的に検討すべきものかと考えている次第でございます。
  51. 馬場富

    ○馬場富君 需要におきましても、鉄鋼業界あるいは電力業界も国内炭の引き取り量を控え、近い将来はゼロにするというようなことが言われておりますが、こういうような状況の中で、やはり需要量を確保するということは大変なことだと思います。そういう点で、もちろんそういう関係の指導も必要だが、やっぱり国として需要確保の問題については真剣にひとつ検討すべき問題だと思うが、どうですか。
  52. 浜岡平一

    政府委員浜岡平一君) 全く御指摘のとおりだと思います。先ほど来申し上げております八次対策策定の段階での需要業界に対する、率直に言いまして七重のひざを八重に折ってもというほどの協力要請と、それに対するぎりぎりの協力ということで出てきたのが現在の枠組みでございます。  この枠組みにつきましても、御指摘のとおり大きな枠組みが示されているわけでございますけれども、各年度年度の姿につきましては、またその都度真剣な交渉が必要なわけでございます。当事者間におきます誠意ある交渉は当然のことでございますけれども、私どもとしましてもその成り行きを真剣に注視をいたしまして、必要があれば例えば石炭鉱業審議会の場での御検討をお願いするというようなことも考えまして、御指摘の国内需要確保ということにつきましては真剣に取り組んでいかなければならないと思っております。
  53. 馬場富

    ○馬場富君 現実にも、三井石炭鉱業は去る四月二十七日に三池炭鉱七百三十人、芦別炭鉱三百七十人の計千百人の首切り合理化を労働組合に提案しておるわけでありますが、この合理化問題とあわせまして、後の離職者対策並びに地域振興対策等もありますけれども、私はこういう国内石炭産業を通して考えられるのは、基本的には、必要なときには使う、必要でなくなったらこれはだめだという、私はこの考え方が大きく石炭産業をだめにしておる一つの原因ではないかと思う。こういう点について、やはり根本的に一つは、政府自体も受け皿だけを考えておらずに、一遍真剣に討議するときが来ておるのじゃないのか、だめだだめだと言っておらずに。あわせて、もう一遍その点の離職者対策並びに地域振興対策についても御説明願いたいと思います。
  54. 鈴木英夫

    政府委員鈴木英夫君) ただいま先生のお話にございましたように、三井三池炭鉱あるいは芦別炭鉱におきまして合理化提案されておるわけでございますけれども、この点につきましては、かねて第八次策の枠の中で、石炭企業が私企業としてのみずからの責任あるいは判断のもとに、みずからの生産計画について生産技術、保安上の問題あるいは需給動向、そういう諸点につきまして十分検討を行って生産体制のあり方を決定する必要があるというような御指摘が八次の答申の中にあるわけでございます。そういうものを受けまして、去る四月二十七日あるいは二十八日にかけま して会社側から合理化提案がなされておるわけでございますけれども、この点につきましては今後労使交渉が真剣に続けられていくのではないかというふうに私ども考えておる次第でございます。  それに伴いまして、もし合理化が行われるというような事態になりましたときの地域振興対策あるいは離職者対策につきましては、昨年十一月の産炭地域振興審議会の建議も踏まえまして、私ども各省庁とも十分連携をとりつつ、閉山あるいは減産による影響が懸念される地域のそういう影響を極力緩和できますように各般の努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  55. 竹村毅

    政府委員竹村毅君) 先ほど先生指摘ございましたように、三井三池三井芦別で現在合理化提案がなされておるということでございます。今後、関係労使におきまして交渉が進められていくものと承知しておりますけれども労働省といたしましてはこの交渉推移を十分見守っていきたいというふうに思っております。  また、不幸にして今後離職者が現実に発生するということになった場合には、例えば手帳制度に基づきます再就職促進措置を活用するとともに、機動的に職業訓練を実施するなどにより炭鉱離職者の方々の再就職の促進に全力を挙げて取り組みたいというふうに考えております。
  56. 馬場富

    ○馬場富君 同じく、三菱南大夕張炭鉱についても、去る四月末に下請関係者の三百六十七名のうちで百六十一名の首切り合理化が強行されております。先ほど来同僚の委員から下請の方々の黒手帳の問題だとか、あるいは労務債の問題だとか、そういう点についてるる質問がありましたので、特に炭鉱閉山とかこういう問題につきましては地域経済に与える影響も非常に大きいわけですし、それからその働く人たちの問題もありますが、産炭地の振興という問題については、やはり国と自治体労使の関係で一体となったビジョンづくりと施策の推進に真剣に取り組まれなければならないと、私はこう思うのですが、これに対して政府指導的立場にあるあなた方はどのように考えていますか。
  57. 倉田寛之

    政府委員(倉田寛之君) 先生から御指摘をいただきましたように、炭鉱閉山合理化によりまして深刻な影響を受けております産炭地域におきましては、総合的なビジョンに基づきまして、国、地方自治体企業労使一体となりまして、地域振興を推進することは極めて重要であろうというふうに認識をいたしているところでございます。  なおまた、昨年十一月の産炭地域振興審議会の建議におきましても、こうした観点を踏まえまして、石炭企業、親企業等の最大限の努力を求めることはもとよりでございまして、地元企業の地域再生への取り組みに期待しつつ、国は地元自治体等の関係者と協力し、所要の支援を行うべきである旨の提言がなされているところでございます。  通産省といたしましては、同建議に基づきまして、閉山、大幅減産によります影響が懸念される地域の再生を図るために、六十三年度から産炭地域総合支援事業を創設いたしました。自治体が中心となって行う国際リゾート建設などの大規模民活プロジェクトを積極的に推進するなど、関係者と一体となりまして地域振興に鋭意取り組んでいるところでございます。
  58. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 第八次石炭政策の初年度に当たります六十二年度の国内生産量は千二百五十八万トンです。二年前、三年前を見ますと千六百四十五万トン、千六百八十三万トンと約千七百万トン体制でございました。それに比べますと約四百万トン以上六十二年度では急激な縮小となっております。その急激な縮小の結果、相次いで炭鉱がつぶされる、そしてその問題はますます深刻になってくる、これを一体どうしたらいいんだ、ここをどうすればいいんだという、そういう出てきた問題をこうやっていくのじゃなくて、この辺で余りにもひどい炭鉱に対する閉山というような問題を考えたときに、なぜこういうことが起こったのか、何によってこういうことが起こされたのか、そういう問題を歴史的に見て、そしてその責任は一体どこにあるのかという立場で解決に目を向けていかなければならない、こう私は考えるわけでございます。  そのつぶされてきた、ここまでひどくされてきた主要な原因といえば、今までの討議の中でも出されていますように、鉄鋼とかガスなどが使用する原料炭、これがどんどん減らされている。これを調べてみますと、昭和四十七年度の一般炭の生産量は千三百万トン、六十一年度も千二百万トンと大体とんとんという横並び。しかし、原料炭の方はどうだといいますと、原料炭の方は四十七年一千三百万トン、それが六十一年度にはわずかに三百万トン。一千万トンどんと原料炭は減らされている。そして、八次政策はこれをゼロにしようというわけです。  こういうことから考えますと、自然に山がひどくなったのじゃない。自然に炭鉱生産量が要らなくなったのではない。これはやはり鉄鋼等の資本の要請にある。そしてまた、これに対してきちっとした政策と責任をとってこないその政府に私は大きな責任があると言わざるを得ないわけです。  日本のエネルギー供給を国内炭中心から石油中心へと転換されるいわゆるエネルギー革命というのが大宣伝された。国内の貴重なエネルギー資源である石炭がエネルギー革命という名前の宣伝のもとに投げ捨てられたと言ってもいいと思う。  ところが、そのエネルギー革命、石炭をどんどん減らしていくというそのもとで、四十七年前後に大規模な炭鉱の開発が行われている。ここに目を向けていただきたいんです。例えば、三井有明鉱、三菱南大夕張、そして閉山になりました北炭夕張新鉱、この三つの山は、エネルギー革命だ、石炭はもう要らないのだと言われるそのときに開発されている。この三つの山は原料炭の山、それぞれ百万トン以上の大規模な山だということ。あのエネルギー革命だ、石炭はもう時代おくれだと言っていたもとでなぜこういう大規模な開発をやったか。これはだれが要求したのか。  これは端的に言えば鉄鋼資本です。つまり、鉄鋼資本は、世界的に見てどんどん必要とされるというときの需給逼迫、こういうことを考えると、海外に頼るということは、例えばオーストラリアなんかでストがあった、またそういう場合にはどこからそれを補給するかといったら、これはアメリカからのスポット買いをしなければならないというような問題から、つまり鉄鋼資本がエネルギーの安全保障の上から自分らの資本もある程度つぎ込みました。新日鉄、日本鋼管、東京瓦斯などが資本をつぎ込んだけれども政府も莫大な開発資金をそこにつぎ込んでいるんです。  こうして三つの山は五十一年前後に出炭を開始するようになりました。そして十年。十年たったら、これをつぶしてくるんです。ここで言いたいのは、自分たち資本の必要からたくさんの政府資金をとってどんどん山を開発する、自分たちが必要なくなったら今度は山をつぶす、つぶすためにも国からのたくさんの援助をここから引き出しているということが言えるわけです。  私は、こうした背景をはっきりと見て、どこに目を向けて解決の道を探さなければならないかということを考えたいと思うんです。必要なときには政府の援助を取りつける、そして要らなくなったらつぶすのにまた政府から莫大な援助をとる。そして、その結果、炭鉱の労働者などがひどい目に遭わされる。余りにもやり方がひどいじゃないか。こういう歴史的な背景を見たときに、エネルギー庁長官、一体どういうふうにごらんになるか、端的に御所見を伺わせていただきたいと思います。
  59. 浜岡平一

    政府委員浜岡平一君) ここ二十年ぐらいの間の日本のエネルギー情勢をめぐりますさまざまの諸条件、諸状況の変化といったものは大変急激なものがございました。エネルギーの需要者もそうでございますし、また供給サイドもそうでございますけれども、まことに予想しがたいような変化 にある意味では振り回され、ある意味ではショックを受けてきたというようなことがあろうかと思うわけでございます。  現在の国内炭の需要サイド、需要業界の動向等につきましてどういうとらえ方をするかということにつきましては、いろいろなとらえ方があろうかと思います。先生の御指摘というものも今テークノートさせていただきましたけれども、現実に今私ども置かれております状況から申し上げますと、そういうさまざまの幾変遷を経た中で、第八次石炭対策の策定の過程で円滑な生産縮小というものを実現してまいりますために需要サイドのぎりぎりの協力を求めていくというようなことで、御高承といいますか、御指摘のような結論を何とか導き出してきた次第でございます。  確かに、いろいろな変遷もあるわけでございますけれども、特に八次対策の策定のプロセスにおきましては、策定される時期におきましては、日本の主要産業が非常に大きな影響を円高等によって受けていた時期でございまして、それぞれの産業が自分の活路を見出すのに精いっぱいというような状況であったことも御高承のとおりでございます。私どもの今の立場といたしましては、あの過程で導き出されました結論に沿いまして、それを何とか実現をしたいというぐあいに考えている次第でございます。
  60. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 答弁が長過ぎる。私、十六分なんです。質問したい点、あとまだ三点ある。だから、要領よくまとめていただきたい。そして、こっちが述べる時間については会長としてもちょっと御配慮いただきたい、そう思います。  六十三年度計画も、三井三池三十八万トン減産、そして七百ないし七百五十人の削減でしょう。それから芦別が二十六万トン減産で三百五十人の削減。計六十四万トンの減産で約千名の削減ということになります。三菱南大夕張は五ないし一〇%の減産、それに伴って下請労働者百六十人が今対象になっている。幌内では百二十三万トンから九十万トンへ三十三万トンの減産、人員も百五十人以上の削減。既に明らかになっているこの三つの山だけで百万トンを超える縮小となっているわけです。そのほかの山を除外しても六十三年度生産は千百万トン台になってしまう。文字どおり、第八次策の二年目で最終段階に来ているということはしっかり頭に置いていただきたいと思う。なだらかどころじゃない、二年目でそういう状態になっているということをはっきり私はここで言わなきゃならない。だから、こういう合理化はやめなさい、やる必要ないのだということを私はここではっきりと言いたいんです。答弁を聞いているとまた長くなるから、その辺のところをしっかり、やる必要はない、やらないで済むようにできるはずだということを私は言いたいわけです。  そこで、具体的に伺っていくんですけれども、南夕は減産に伴い百六十人の首切り。そのすべてが下請労働者なんです。この間も調べてまいりました。その減産によって安定補給金の加算分というのが、これは計算すればすぐ出るわけですから、約六億五千万円くらい入るんです。だから、安定補給金でお金は入ります。だけれども、その下請労働者は無権利のままにほうり出されるということになる。聞くところによりますと、五十万ないし七十万程度の涙金で首切りだ、これじゃ余りにもひどいじゃないかと私は言いたいわけなんです。減産に伴って会社の方は金をもらう、だけれども首切っちゃうということでは余りにもひどい。こういう事情をきちっと見て、会社の方に対しての適切な御指導もいただきたいということをお願いしたいと思いますが、いかがですか。
  61. 鈴木英夫

    政府委員鈴木英夫君) 南大夕張炭鉱につきましては、百六十一人の合理化ということで会社側提案をしておるということは承知いたしております。これに伴いまして減産加算金等の措置もとられることになるわけでございますが、数字は実はちょっと積算をしておりませんのでわかりませんが、制度上は減産加算金の制度がございます。  なお、下請労働者の方々の問題につきましては、かねてから会社に対しまして、下請の方々の退職金の問題あるいは再就職の問題につきまして万全を期すように指導しておりまして、今後とも指導してまいりたいというふうに考えております。
  62. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 涙金で首を切られてしまう、会社は減産でその人たちを犠牲にして金は入るのだということをもう一度頭に入れてお考えいただきたいと思います。  幌内は、今度は規模縮小交付金というのをもらえる予定なんです。規模縮小交付金というのは一体何なんだ。生産量において五%以上の減産をする、人数において百五十人以上の削減をすると、そこで規模縮小交付金をもらう。その百五十人を削減するという中には、下請労働者を員数には入れるんです。そして、その規模縮小交付金をもらって、渡すというときには下請労働者は員数外だよと、こういう形になる。これもやっぱり下請労働者にとってはひどいじゃないか、だからこれについても下請労働者を対象にしてほしいということが一つです。時間がないから続けて言いますが、この問題が一つですね。  それから、下請労働者が首を切られても、会社はさっき言ったようにわずかな涙金だ、規模縮小や閉山交付金の対象にはならない、こういう問題を何とかしてほしい。自分たちは直轄と一緒になって坑内に入ってやってきたのだからということがだんだん具体的に明らかになる中において、炭鉱下請離職者問題検討委員会というのをつくっていただいて、そしていろいろ御検討いただくというようなことで、本当によかったと思います。通産省としていろいろ御検討いただくというような、ここまで来たことはありがたいのだけれども、これがだんだんと討議は進んできましたけれども、これが実際に結論が出て、そしてこれの効果がどういうふうになるかという、そのときには南夕の人たちも首切られてしまう。だから、さっき言ったように、千人から首切られてしまって、まごまごしていると、いい制度ができてもこれは対象者がいなくなっちゃうというところまで極端に言ったらなるわけです。  だから、せっかく皆さんの御努力で炭鉱下請離職者問題検討委員会というのがつくられているのだから、どうかこの問題が大きく取り上げられて、具体的な問題として検討されるようになって、第八次政策途上の問題で起きたのだから、だから第八次政策から起きたそういう下請の方たちにぜひ適用されるようにという意見を検討委員会に上げていただきたい。検討委員会に、そういう意見があるということを伝えていただきたい。だめですよなんと言うのじゃない。伝えていただくんですから、伝えていただきたいということが二番目。  それから三番目の問題として、幌内炭鉱の未払い退職金。これは九百二十二人分、六十六億円がまだ残っております。その中で十五億円を来年の三月までに支払うということになっているわけですけれども、これも働いた者の退職金を未払いでそのままほったらかすというのは一体どういうことなのか。石鉱審の経理小委員会でも、この資金対策について、自己努力をしっかりやりなさい、そして地元自治体等で猶予だとか借りかえだとかというようなこともやりなさい、国においてもNEDOなんかに対して金融債務に対する返済の猶予などをやりなさい、そういうふうにこの問題について石鉱審が言っているわけです。それにもかかわらず、北炭という会社はそうなんだけれども、十五億だと、これではちょっと大変だから、この点についてもきちっとした、今までの御指導もきちっとしていただろうと思うけれども、相手が相手だから、ただのきちっとじゃだめなんです。本気になって向こうにぶつかって、労働者の退職金未払いを解決するという姿勢ではっきりと処置していただきたいという、この三点についてお願いをして質問を終わります。
  63. 浜岡平一

    政府委員浜岡平一君) 第一点の、交付金が出る場合に、結果としましてはお金に色はないわけでございますから、当然下請離職者等々に対しま しても企業としては心配り気配りをしていくべきであるという御指摘かと思いますけれども、その点はそのとおりだと思います。  第二点につきましては、そういう先生の御意見を検討の場に伝えるようにということでございます。そのとおりにいたします。  それから、未払い退職金問題につきましては、私どもの気持ちも全く先生のおっしゃるとおりでございまして、今後とも強力に指導いたしてまいります。
  64. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 よろしくお願いします。
  65. 大木正吾

    会長大木正吾君) 他に御発言もなければ、本件に対する本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  66. 大木正吾

    会長大木正吾君) 次に、本調査会調査報告書の提出についてお諮りいたします。  本調査会は、毎年、調査に関する中間報告書を議長に提出することになっております。  理事会におきまして十分な協議の結果、お手元に配付の「産業資源エネルギーに関する調査報告(中間報告)書案」がまとまりました。  つきましては、本案を本調査会中間報告書として議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  67. 大木正吾

    会長大木正吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、字句の整理等が生じました場合の取り扱いにつきましては会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 大木正吾

    会長大木正吾君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  69. 大木正吾

    会長大木正吾君) この際、お諮りいたします。  ただいま提出を決定いたしました調査報告書につきましては、議院の会議におきましても中間報告をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 大木正吾

    会長大木正吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  71. 大木正吾

    会長大木正吾君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  産業資源エネルギーに関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 大木正吾

    会長大木正吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 大木正吾

    会長大木正吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  74. 大木正吾

    会長大木正吾君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。  閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  75. 大木正吾

    会長大木正吾君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十七分散会