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1988-05-20 第112回国会 参議院 災害対策特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年五月二十日(金曜日)    午前十時二十六分開会     ─────────────    委員異動  四月二十二日     辞任         補欠選任      一井 淳治君     糸久八重子君  四月二十六日     辞任         補欠選任      糸久八重子君     一井 淳治君  五月十九日     辞任         補欠選任      一井 淳治君     糸久八重子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         梶原 敬義君     理 事                 田代由紀男君                 星  長治君                 青木 薪次君                 片上 公人君     委 員                 井上  孝君                 上杉 光弘君                大河原太一郎君                 竹山  裕君                 永田 良雄君                 野沢 太三君                 増岡 康治君                 本村 和喜君                 糸久八重子君                 太田 淳夫君                 佐藤 昭夫君                 勝木 健司君                 秋山  肇君    国務大臣        国 務 大 臣        (国土庁長官)  内海 英男君    政府委員        国土政務次官   大原 一三君        国土庁防災局長  三木 克彦君        農林水産大臣官        房総務審議官   鶴岡 俊彦君    事務局側        常任委員会専門        員        荒木 正治君    説明員        科学技術庁研究        開発局企画課長  高多 康次君        文化庁文化財保        護部記念物課長  小林 孝男君        厚生省社会局施        設課長      矢野 朝水君        中小企業庁計画        部金融課長    中野 正孝君        建設省河川局治        水課長      齋藤 尚久君        建設省河川局海        岸課長      都丸 徳治君        建設省河川局防        災課長      佐々木賢一君        建設省河川局砂        防部砂防課長   松下 忠洋君        建設省河川局砂        防部傾斜地保全        課長       杉山 俊宏君        建設省道路局地        方道課長     森本 裕士君        建設省住宅局建        築物防災対策室        長        山中 保教君        自治大臣官房参        事官       広瀬 経之君        消防庁予防課長  海老 忠彦君        消防庁防災課長  仁科 英麿君        消防庁特殊災害        室長       原  純一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○災害対策樹立に関する調査  (昭和六十三年五月三日から四日の九州中部中心とする大雨による災害に関する件)  (千葉東方沖地震に関する件)  (大阪港におけるソ連船火災に関する件)  (地下街の防災対策に関する件) ○継続調査要求に関する件 ○委員派遣に関する件     ─────────────
  2. 梶原敬義

    委員長梶原敬義君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨十九日、一井淳治君が委員辞任され、その補欠として糸久八重子君が選任されました。     ─────────────
  3. 梶原敬義

    委員長梶原敬義君) 内海国土庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。内海国土庁長官
  4. 内海英男

    国務大臣内海英男君) このたび国土庁長官を拝命いたしました内海英男でございます。  災害を受けやすい我が国におきまして、災害から国土並びに国民の生命財産を守ることは国政基本であり、大規模地震を初め、台風、豪雨、豪雪、火山噴火など各種の災害に関し、防災訓練など予防対策強化、迅速かつ的確な応急対策の実施、早期復旧など、災害対策のより一層の充実に向けて、奥野前国土庁長官施策を引き継ぎ、積極的に取り組んでまいる所存であります。  委員長初め委員各位の御指導、御協力お願い申し上げまして、ごあいさつといたします。よろしくお願い申し上げます。     ─────────────
  5. 梶原敬義

    委員長梶原敬義君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  昭和六十三年五月三日から四日の九州中部中心とする大雨による災害について、政府から報告を聴取いたします。三木国土庁防災局長
  6. 三木克彦

    政府委員三木克彦君) お手元に配付しております資料に基づきまして、昭和六十三年五月三日から四日の九州中部中心とする大雨による災害について御説明を申し上げます。  まず、Iの「気象概況」について要約して申し上げますと、五月三日から四日にかけて、熊本長崎宮崎地方中心大雨となり、熊本県の間の谷山では一時間に百十一ミリという強雨を観測いたしました。また、この間の総雨量は、多いところで五百ミリを超えました。  次に、IIの「被害状況等」についてでございますが、一般被害のうち人的被害については、死者七人、負傷者二十五人。住宅被害については、全半壊合わせて九十三棟、床上、床下浸水合わせて九千四百棟となっております。  二ページをお開きください。  施設等関係被害につきましては、現在、関係機関等において鋭意調査中ですが、建設省関係では、公共土木施設で約三百七十五億円。農林水産省関係では、農地農業用施設農作物等で合計二百八十七億円の被害が生じているほか、文部省関係公立学校施設等に、厚生省関係水道施設等被害発生しております。  交通関係では、鉄道関係施設被害発生したほか、三ページでございますが、道路関係全面通行どめの箇所が発生いたしましたが、現在鋭意復旧作業が進められております。  電力関係では、約四万戸が停電し、また通信関係では約六千の加入電話が故障しましたが、いず れも復旧いたしております。  中小企業関係では、長崎県及び熊本県において約二十三億円の被害発生いたしました。  次に、IIIの「講じた措置等」についてでございますが、災害対策本部は一県と三十七市町村において設置されました。  また、長崎県の島原市、熊本県の熊本市、上益城郡御船町、矢部町、嘉島町に対し災害救助法が適用されております。  政府といたしましては五月六日、被害状況、今後の対策等について、災害対策関係省庁連絡会議を開催いたしました。  また、五月六日には林野庁及び建設省熊本県に担当官を派遣いたしますとともに、五月九日には国土庁を初め関係省庁が合同で担当官熊本県に派遣いたしております。  金融上の措置といたしましては、政府系中小企業金融機関災害復旧貸し付けの発動が行われたほか、住宅金融公庫が五月十日から災害復興住宅資金融資申し込み受け付けを開始しております。  また、財政上の措置といたしましては、長崎県、熊本県及び宮崎県の二十三市町村に対し、本日付で普通交付税の繰り上げ交付が行われております。  以上でございますが、今後とも関係省庁と緊密な連絡をとり、対策に万全を期してまいる所存でございます。  報告を終わります。
  7. 梶原敬義

    委員長梶原敬義君) 以上で政府からの報告の聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言お願いします。
  8. 糸久八重子

    糸久八重子君 去る四月二十五日に千葉東方沖地震被災地視察をいただきまして、大変ありがとうございました。  私はきょう、この千葉東方沖地震、つまり九十九里沖震源地といたしまして発生しました地震につきまして、二、三御質問させていただきたいと思います。  この地震千葉震度五、それから東京とその周辺県震度四と判定されたわけですけれども、体験者の実感としてはもう一クラス上ではないかという意見が圧倒的でございました。ところで、地震予知が非常に大切でありますけれども、地震予知研究組織活動はどうなっておりますでしょうか、お伺いさせていただきます。
  9. 高多康次

    説明員(高多康次君) ただいまの地震予知研究に対します体制等でございますが、我が国地震予知観測及び研究につきましては、測地学審議会が建議しております第五次地震予知計画というものがございまして、この趣旨に沿い、かつ昭和五十六年に内閣総理大臣が決定いたしました防災に関する研究開発基本計画に基づきまして、昭和五十一年から科学技術庁長官本部長といたします地震予知推進本部が設けられております、この予知推進本部を通じまして関係省庁及び大学等との緊密な連携協力を図りながら、一体的に国全体として進めているところでございます。
  10. 糸久八重子

    糸久八重子君 今回の地震についての被害状況地震発生後一、二日たってやっと実態がまとまるという状況でございまして、この被害調査が非常におくれましたのは、地震被災地市町村とそれから県を結ぶ防災無線網整備が非常におくれていたためでございまして、県としても改めて防災無線網整備を促進するということになったわけでありますけれども、全国的な市町村防災無線整備状況というのはどうなっておりますでしょうか。
  11. 仁科英麿

    説明員仁科英麿君) お答えを申し上げます。  消防防災無線につきましては三段階ございまして、消防庁都道府県を結ぶもの、それから都道府県市町村を結ぶもの、それからまた市町村集落を結ぶものがあるわけでございます。ただいまのお尋ねは、市町村集落とを結ぶ市町村消防防災無線整備率についてのお尋ねだと思います。  その市町村消防防災無線の中にまた二種類ございまして、一つ移動系でございます。これは災害現場に持ち込んで情報収集したり、あるいは伝達できる、車等に積載する無線でございます。それからもう一つは、災害予警報等あるいは避難勧告指示等を一斉に伝達するための同報系というものでございまして、それぞれがございますが、整備率といたしましては、移動系の方は現在、全国三千二百六十八市町村中二千百二十四市町村がつくっておりますので、整備率としては六五%ということになります。それから同報系の方は千三百二十二市町村整備が完了しておりまして、整備率は四〇・五%となっております。
  12. 糸久八重子

    糸久八重子君 千葉県が実施いたしました被害実態調査によりますと、コンクリートブロック塀のことなんですけれども、被害を受けましたコンクリートブロック塀のうち、七〇%以上は鉄筋による補強が不十分であったわけでございます。また、倒壊を防ぐための控壁は、設置していなかったものが八割近くにも上っておりました。つまり、ブロック塀の大半が建築基準法違反だったということでございます。ブロック塀による被害は五十三年の宮城沖地震でも大きな問題となりましたけれども、その後どのような対策がとられておりますのでしょうか。今回の地震千葉県等を通じてどのような措置が講じられましたでしょうか。
  13. 山中保教

    説明員山中保教君) 千葉東方沖地震によりまして倒壊いたしましたブロック塀の多くは、現行の建築基準法令に適合いたしませず、また施工も不十分なものでございました。  ブロック塀安全対策につきましては、昭和五十三年の宮城沖地震被害契機といたしまして、ブロック塀に関する建築基準法令の改正をいたしましたほか、都道府県ごと安全対策推進協議会を設けまして、講習会等による技術基準周知徹底及び正しい施工技術普及に努めてきたところでございます。また、防災査察及び住宅金融公庫融資制度の活用によりまして、既存コンクリートブロック塀改修指導に当たってきているところでございます。  今回の地震につきましては、地震後直ちに千葉県に対しまして被害実態の把握を行うよう指示いたしますとともに、正しい施工方法等必要な技術提供、情報の提供を行っております。また千葉県以外の都道府県に対しましても、本年三月の建築物防災週間重点事項といたしまして、技術基準周知徹底と正しい施工技術普及等をいたしますように指示をいたしております。  また、特に千葉県に対しましては、県下の一部の地域につきまして既に実施いたしました調査結果を踏まえまして、配布済みのパンフレットに加えまして、例えばビデオ等でございますけれども、さらに実効性のあります普及対策、そういうものを推進するように、また調査対象区域を拡大いたしまして改修指導等を徹底するように、これから指導していきたいというふうに思っております。
  14. 糸久八重子

    糸久八重子君 既にできておりますブロック塀の中に鉄筋が入っているか否かということは、外観から見てわからないわけでございまして、その辺のところはどのようになさるんでしょうか。
  15. 山中保教

    説明員山中保教君) 探知器がございまして、それをもちまして鉄筋があるかというふうなことも調べることができるわけでございますけれども、土の中の基礎の部分とかそういうものにつきましては、必ずしも外からだけではわからないところでございますけれども、必ずしも十分正確な調査ということにはなかなかいかないわけですが、専門家が参りますと、これはかなり危険なものであるかどうかの判定はつくというふうに考えております。
  16. 糸久八重子

    糸久八重子君 それから、今回の地震の特徴の一つに、地盤液化現象があるわけでございます。この結果、家が土台ごと傾いたり、それから道路の陥没があったり、水道ガス管の破損など多くの被害がありました。そして、この液状化というのは海岸埋立地、それから水田、湿地の宅地造成、それから海岸沿いの土盛りの道路、そういうところ、人工的な土地に集中的な被害発生をいたしました。  このことは、東京圏への一極集中が加速をしている現況の中で、人工的な臨海新開発とか、それから水田とか低地宅地造成が非常にふえているわけでありますけれども、そういう意味からいうと大きな問題ではなかろうかと思います。こういう液状化現象防止策とか、それから地盤改良のための補助施策について御説明をいただきたいと思います。
  17. 三木克彦

    政府委員三木克彦君) 液状化現象と申しますのは、水で飽和した砂質地盤地震時に液体のように振る舞うという現象でございます。液状化により構造物被害を受けるわけでございますが、態様は二つございます。  一つは、構造物を支えている地盤液状化により、その支持力を失う。したがいまして構造物が沈下をするというものでございます。あるいは傾斜をするというものでございます。もう一つは、下水道管等地下埋設物の回りの地盤液状化することによりまして、地下埋設物に浮力が働きまして、構造物が浮き上がって被害を受ける。この二つに大別されるわけでございます。  液状化現象のメカニズムあるいは対策につきましては、新潟地震契機といたしまして、道路、港湾、建築等それぞれの行政分野におきまして調査研究を行ってまいったわけでございまして、かなりのそれなりの成果は上がり、対策も講ぜられているというふうに考えているわけでございますが、今回の千葉東方沖地震におきまして、千葉県を中心といたしましてかなりこの現象が見られているわけでございます。相当広範囲に発生しておりまして、国土庁といたしましても千葉県等の協力を得ながら災害対策総合推進調整費という費用を活用いたしまして、液状化現象実態調査を現在行っているところでございます。  対策でございますけれども、現状では二つ対策が重要でございます。液状化現象発生しやすい地域をあらかじめ特定する、既存施設に対する有効な対策を実施するということでございますが、これらにつきましては具体的に非常に難しい点がございます。実態調査を踏まえながら、関係省庁とも連絡をとりまして液状化対策について必要な検討を行ってまいりたいという現状でございます。
  18. 糸久八重子

    糸久八重子君 東京隣接地であります千葉県の場合は、どんどん宅地造成が進んでおりまして、特にこれから造成をするというところは低地とか埋め立てが多いわけでございますので、特にこの辺のお力添えをよろしくお願いをしたいと思うわけでございます。  それから、南関東地域東海地域と並ぶ大規模地震発生が非常に懸念をされる地域でございます。そういう意味では、地震対策強化が緊急の課題であるわけですが、大規模地震対策特別措置法に基づく地震防災対策強化地域への指定は、これまでも首都圏サミットなどの場を通じて国への強い要望があったと思いますけれども、今回の地震でさらに必要性が強まっておりまして、視察の際にも知事から要請がありましたし、また県としての要望書とか県議会議長による意見書も国へ提出をされております。たまたま視察当日、中央防災会議専門委員会が開かれまして、この問題については八月末までに結論を出すこととされたようでございますけれども、その後の検討状況はどうでございましょうか。また指定可能性について、ほぼ確実と見てよろしゅうございましょうか。
  19. 三木克彦

    政府委員三木克彦君) ただいま先生仰せのとおり、南関東地域につきましては大規模地震対策特別措置法地震防災対策強化地域指定はないわけでございます。現在は東海地域だけとなっておるわけでございます。  お話のように、南関東を形成いたします一都三県、それから指定市の二市からは、共同で指定要望がずっと出ておるわけでございます。また先ほどの仰せのとおりの地震を踏まえまして、その関心が非常に高まっているという認識を持っておるわけでございます。たまたま、ことしは大規模地震対策特別措置法施行十年を迎えるわけでございますので、こういった指定の要否につきましては常に検討を行うべき課題だと思っておりますが、この際、専門委員会に専門的な御意見をいただきたいということで開催をお願いしたわけでございます。  ただいま検討お願いをしております問題は、南関東地域地震発生、いろいろなタイプ地震が考えられますが、その地震発生切迫性、起こり得るのかどうかという点。それから大規模地震対策特別措置法強化地域の中では、直前予知警戒宣言という非常に国政上重要な権能を含んでおるわけでございますから、そういった意味予知が前提となるわけでございますが、その予知ができるかどうか、予知可能性について。この二点について、ただいま調査お願いをしておるところでございます。  五月の二十四日に第二回目を開催する予定でございますが、第一回に引き続きまして、ただいま申し上げましたような点について議論が行われるだろうと、こういうふうに考えております。  専門委員会では、ただいま御議論されているわけでございますから私どもが予測に当たるようなことを言うことは差し控えたいと存じますけれども、地震切迫性はいろいろなタイプ地震についてあるようでございますが、それについて予知ができるかどうか、かなり真剣な議論が行われているというふうに伺っております。したがいまして、指定の要件に合致するのかどうか今のところはっきりいたしませんが、いずれにいたしましても非常に大事なことでございますから、科学的知見を踏まえていろいろ御意見を言っていただきたいというふうに考えております。
  20. 糸久八重子

    糸久八重子君 地震対策緊急整備事業に係る国の財政特別措置法というのが六十五年三月三十一日までの時限立法になっておるわけでございますけれども、その進捗率を見てみますと非常にいいわけでもない。特に避難地とそれから避難路についての六十二年末進捗率というのが余りよろしくないわけですね。その辺のところはどのようにこれから対処していらっしゃるつもりでございましょうか。
  21. 三木克彦

    政府委員三木克彦君) お話のとおり、東海区域にかかわります緊急整備事業につきましては八四%、八年目で八四%の進捗率ということでございまして、順調にいっておるわけでございます。ただ、お話のように避難地避難路につきましては相当おくれておりまして、六〇%台というふうなことでございます。これは財政的には十分準備をいたしておりますが、用地が足りないということで滞っておるわけでございます。非常に残念に思っておるわけでございまして、関係自治団体お願いをして、早くできるように進めているところでございます。
  22. 糸久八重子

    糸久八重子君 それでは最後になりますけれども、南関東地震及び首都圏直下型地震がもし仮に発生した場合に、その被害は非常に広域にわたって市民生活とか、先ほどもおっしゃいましたけれども、社会経済活動に及ぼす影響というのは本当にはかり知れないものが予想されるわけでございます。したがって、南関東地域における地震防災対策については一層の拡充強化お願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  23. 田代由紀男

    田代由紀男君 このたびの大被害、これは大変ひどいものでありまして、死亡七名、負傷、重軽傷を入れて二十数名でありますけれども、まず、お亡くなりになられた方々に対して心から弔意を表し、被災町村に対して深甚なるお見舞いを申し上げます。  まず、激甚災害指定について次官お尋ねしますが、今回の集中豪雨による被害は、被災市町村宮崎県と熊本県の境界地帯でありまして、言うならば過疎地域でありまして、財政力が比較的乏しい町村であります。したがってこの地域公共土木施設農地農業用施設など広範囲にわたり、しかも激甚な被害が多いものですから、被災市町村災害復旧に係る多額の財政負担を要しますので、その軽減をする必要がありまして、これには激甚災害指定について特段の措置を講じて いただきたいと思います。まず、その点からお尋ねをいたします。
  24. 大原一三

    政府委員大原一三君) 今回の災害によりまして被災された方々に対して、私も心からお見舞いを申し上げたいと思います。  今、田代先生から激甚災害指定についての強い御要請があるわけでありますが、国土庁といたしましては、概数をいただいているわけでありますけれども、被害実態をできるだけ早く調査をいたしまして、御要望に沿うように努力をいたしたいと思っております。  特に局地激甚災害の問題につきまして、我々としても積極的にただいま関係省庁と取り組んでいるところでございます。できるだけ御要望にこたえるように努力をすることをお約束申し上げたいと思います。
  25. 田代由紀男

    田代由紀男君 ありがとうございました。次官大変関係のある地元でございますので、特段の措置お願いいたします。  時間がありませんので、私はずっとだんだんに質問いたしまして、十分ほど質問して、十分ほど答えていただきたいと思います。  一つは、今回の豪雨による県下の北部並びに中部地域における激甚な災害でありますが、この災害復旧については被災地域の民生の安定のため、早期復旧できるように、早期完成ができるようにお願いしたい。特に道路河川等の堤防、橋梁等公共施設、そして農地農業用施設、特に頭首工用排水路農道等でありますが、緊急査定による緊急復旧お願いしたいと思います。  また、災害関連等が非常に、私も委員長のお許しをいただきまして各省の査定官課長さん方と現地を回りましたが、非常に関連工事等が多うございますので、そういうものを徹底的にやっていただくとともに、治山砂防河川砂防等を徹底的にやっていただきまして、また梅雨が来ますから、そこで二次災害発生しないように早急の措置お願いしたいと思います。  そのためには河川におきましては、緑川水系それから宮崎県に流れ出てくる五ケ瀬川水系、そういう水系の沿岸が多うございますので、それにつきましてはできたら激特等の措置も、河川激特それから治山激特がありますね、治山激特、これは県が申請しなきゃできぬわけですが、県にも連絡しますから、治山激特等をやっていただいて徹底した措置お願いしたいと思います。それが第一点でございます。  それから次には、今回の集中豪雨による農作物の被害であります。これも非常にひどうございまして、小麦、メロンその他の農作物の被害でありますが、これにつきまして、なかなか難しいことは存じておりますが、天災融資法の発動と融資枠の確保をお願いしたいと思います。特に天災融資法は困難であることは重々存じておりますが、しかしできるだけの、天災融資法に匹敵するような措置お願いしたいと思います。そのための資金枠の獲得の配慮をお願いしたい。  また一方では、それなどの措置をいただきますとともに、自作農維持資金の災害資金がありますから、この融資枠の確保をお願いしたい。それと同時に、この付近、今申し上げました御船から嘉島、矢部は災害の常襲地帯でありまして、この前も質問して大丈夫かと言ったら、大丈夫とおっしゃった点もありますので、そういう常襲地帯であるために個人枠を使ってしまっておる農家が多いわけですから、その個人限度額の上乗せをぜひお願いしたい。そうしないと、天災融資法にかわる融資として自作農維持資金の災害資金で対応するといっても、実際にはできかねますので、その点もひとつお願いします。  また次には、農業近代化資金等の制度資金ですね、これの融資枠、貸し付けのときの融資枠の緩和もそうでございますが、今まで連続災害でこういうものも既に借りておりまして、諸制度資金等の償還条件がありますから、それが一度に償還が来るものですから、困難な状態にあります。この前地元に行って、なして無利子資金を使わぬのかいと言いましたところが、無利子資金は大変ありがたいけれども償還時期が一緒になって大変でございますということでした。そこで、そういう償還条件の緩和及び延期等に対する条件緩和の措置お願いしたいと思います。  それから、農業共済事故の拡大でありますが、今回の集中豪雨によりビニールハウスが冠水し、汚染度合いが著しいビニールがありまして、採光性、耐久性が低下しておりまして、本来の機能を失っております。そこで共済事故としての取り扱いをお願いしたい。  また、災害を受けた水田の取り扱いでございますが、今回の集中豪雨により水田が流失、埋没したことによって稲作が不可能になっております。これらにつきましては、稲作水田の転作水田としてカウントをお願いしたい。これは五、六年前の芦北水害のときにお願いして、その先例がありますから、芦北水害に倣ってこの措置お願いしたいわけであります。  そして、これは農林省は難しいと言っていらっしゃいますが、転作を予定していた水田災害を受け、転作が不可能になった場合、これの流失、埋没当該面積を助成補助金の対象とされたい。これは大変難しいですね。が、みなし転作という言葉を私言ったんですが、そういうふうにみなしてやる方法がないか。それで、それが難しいときには見返りです、振りかえ転作ですね。転作する水田をまたほかのところにかえていって、そして振りかえ転作、そういうものをお願いしたいと思います。  また、災害復旧工事を認定された水田は、これはまだ三年かかるところもありますから、そういうのは通年施行扱いとされたい。  次には、転作として栽培されていた小麦、メロン等の作付田が流失、埋没した場合には助成補助金の対象とされたい。これはできますな。  次に、災害を受けた水田面積の割合に応じて他用途利用米の出荷を免除されたい。この免除制度化は農林省は気に食わないようですから、これは繰り上げをやってもらうとか、そういう方法で何か名案を考えていただきたい、こういうことがあります。  また、先ほど申し上げました公共施設災害復旧の中に、せっかく土砂災害に対する制度をおつくりになりましたから、土砂災害に対する復旧対策、これも治山、河川とともに、せっかくおつくりになった制度ですから、ここで生かしてもらいたい、こういう要望であります。  それから、時間がありません、簡単に申し上げますが、畜産関係の資金でありますが、大家畜経営体質強化資金が千百億ありますね。養豚経営合理化資金が二百億ありまして、この資金がありますから、災害地においてこの資金も借りたいという農家がたくさんありまして、私もそういう農家と会ってきたわけでありますが、これを特認で貸してもらうとお互い元気がついて、元気を出してまた畜産振興に頑張れるし、自由化にも対応できるような体質をつくりたいと言っておりますから、この点も畜産局におかれましては特別な配慮をお願いしたいと思います。  次に、矢部地区の国営総合農地開発事業負担金の返済でありますが、これは来年からの返済でありまして、三カ年間据え置きになっておりまして三カ年間は金利だけでありますが、地元では大変心配しております。これは地元の関係者とよく話し合いをいただきまして、農政局がありますから話し合いをいただきまして、この特別貸付金につきましても配慮をお願いしたい。みんなが心配しないように措置をしていただきたいと思います。  次に、自治省でありますが交付税について、非常に町村は金に困っておりますから交付税の繰り上げ交付、これはきょうの日付でおやりになるそうでありますが、大変ありがたく思っておりますが、それをやっていただくことがまず第一。  それから第二に特交でありますが、過疎町村であって大変困っておる現状にかんがみまして、この特交を思い切ってやっていただきたいと思います。これは今回の被災地が過疎地でありますことにかんがみまして、過疎債、辺地債等の起債につ きましてもお願いを申し上げたいと思います。  それからあとは、災害救助法を厚生省でやっていただいておりますが、炊き出しとか物品の交付とか仮設住宅等で町村が非常に金を出していまして、大体一千万前後の金を出しておりまして、大変金に困っております。どうかなりませんかと市町村長がおっしゃいますので、この資金を早く決定をいただきまして、町村交付お願いしたいと思います。  そして、もう一つあります。一番災害がひどかった矢部町、蘇陽町におきましては、今回は電話連絡ができませんで大変おくれましたが、これは防災行政無線がなかったからでありまして、高森にだけありました。それで、防災無線の設置につきまして早急に速やかに指導お願いしたい。  以上が大体の要点でありますから、明確に御答弁をいただきます。
  26. 鶴岡俊彦

    政府委員(鶴岡俊彦君) では、一括してお答えしたいと思います。  農地農業用施設災害につきましては、営農の問題等から早期復旧必要性については私どもよく認識いたしております。地元の準備が整い次第、緊急査定を行うなど早期査定、早期復旧に万全を期する考えでございます。  それから、被災状況から見まして再度災害を受けるおそれがある場合につきましては、災害関連事業制度を活用しまして施設の補強、または改良を図るなど必要な措置を講じていきたいというふうに考えております。  山地災害につきましても、山地崩壊箇所等でまたこれからの降雨等によりまして人家あるいは公共施設等に被害を与えるおそれのある場所につきましては、災害関連緊急治山等事業等によりまして早急に復旧を図るということで考えております。  激特地域の適用につきましては、現在被害箇所の調査をやっておるところでございまして、その結果を見まして判断していきたいというふうに思っております。  それから、天災融資法の関係でございますけれども、これは今回熊本県等に発生した豪雨によります野菜等農作物の被害状況につきまして、県からの報告によって私どもが把握しておる現状から見ますと、ちょっと発動が困難ではないかというふうに考えております。  ただ、被害者に対する資金対策につきましては、被害の実情、あるいは資金需要の動向等を見きわめつつ、公庫の自創資金等の活用について、枠の確保その他適切に対応していきたいというふうに思っております。  それから、その自創資金の関連で、既に枠を消化している方の扱いでございます。現在どの程度の方がそういうふうになっておるのか、私ども正確にはつかんでおりませんけれども、現在の状況から見ますと、なかなか一般的にその限度額を引き上げるということは難しいようでございます。ただ、農業経営の維持を図るために熊本県当局とも相談しまして、被害者の実情に応じた対応はできないものか、県と相談して、できるだけの指導をやっていきたいというふうに思っております。  制度資金の償還条件の緩和の関係でございますけれども、従来から災害によって被害を受けました農林漁業者につきましては、その実情に応じまして制度資金の償還条件の緩和を図っているわけでございます。今回の災害につきましても去る五月七日に、被害の実情に応じて適切に対応していくようにというような指導をやっているところでございます。  それから、農業共済事故の関連でいわゆる汚染ビニールの取り扱いの関係でございますけれども、通常の場合でありますと、ビニールが破れるとか、あるいは傷がつくとかいうようなことで使用にたえないようなケースになった場合を共済事故としているわけでございます。今回の冠水による汚染の程度がどのようなものか、現地の損害評価で具体的に判断をいたしまして、その対応をしていきたいというふうに思っております。  集中豪雨により水田が流失、埋没したことにより稲作が不可能になった場合の転作水田としての取り扱いでございますけれども、水田転作につきましては、米の需給事情の問題、あるいは公平性の確保等から判断する必要があるわけでございます。もちろん、農業者の責めに帰せない理由によってこういう事態が発生しているということは私ども十分理解しておるわけでございますけれども、今申し上げましたように、転作水田対策との関連からいきまして、被災水田を全部転作扱いにするということは率直に申し上げまして困難ではないかと思いますけれども、そういう実情にかんがみまして、作付が困難になった水田面積につきましてその市町村の目標転作率を乗じた面積、これを転作の実績に算入するような措置をとっていきたいというふうに考えております。  今年度転作を予定した水田災害を受け転作が不可能になった場合の扱いでございますけれども、そのような水田につきまして、水田農業確立対策の実施計画の提出状況、あるいは農家の種子の準備状況から見まして、その水田において本年度水稲作付をしようとしていたものであるか、転作を実施しようとしていたものであるかを十分確認した上で、取り扱いを検討していきたいというふうに思っております。  災害復旧工事を実施する水田について通年施行扱いをしてほしいというようなお話でございますけれども、土地改良の通年施行につきましてはそれぞれ所定の要件があるわけでございます。今回の原状復旧を目的とする災害復旧事業を、直ちにその対象にすることは困難ではないかというふうに思っております。  それから、転作として栽培をしていました小麦とかメロン等の作付田が流失、埋没した場合の助成補助金の扱いでございますけれども、これは水田農業確立対策の実施計画の提出状況、あるいは現地の確認の実施状況等から見まして、現に収穫を目的としてそれぞれの作物が作付けられているということがはっきりしているか否か、それを確認した上で取り扱いについて検討をしたいというふうに考えております。  他用途利用米の被災水田についての扱いでございますけれども、他用途利用米につきましては、それぞれの実需者の需要に対応するために、既にもう六十三年産米で予定された数量があるわけでございまして、そのような確保は必要であると考えております。  ただ、他用途利用米の地域別あるいは生産者別の予定数量につきましては、県、市町村、農業団体、生産者の協議を経て実需側と契約を結ぶ仕組みとなっておるわけでございまして、六十三年産の他用途利用米につきましては、まだ生産者と実需者の間で契約が終わっていない段階でありますので、熊本県内において関係機関、団体によりまして、災害地域の諸事情を踏まえて適切な対応が行われるというふうに我々承知していますけれども、なお県からも事情を聞きまして、私どもとしても所要の指導は行っていきたいというふうに考えております。  被害畜産農家に対する畜産特別資金の貸し付けの話でございますけれども、この貸付金につきましては、災害等によりまして貸付金の償還が困難になっている農家につきましても、経営体質強化計画につきまして知事の承認を得る等、一定の要件を満たす場合にはこの資金の活用が可能でありますので、災害を受けられました個々の農家の実態を十分に把握しまして、この資金の融通措置等について適切に対応していきたいというふうに考えております。  それから、矢部開拓地域の地元負担金の償還問題でございます。同地域の事業につきましては、四十七年度に着手して、本年度は完了の予定になっておりまして、受益農家のうち一割程度の方が被害を受けているということを私ども承知いたしておるわけでございます。ただ、幸いなことには、地区内の作物にかかわる被害は比較的少ないようでございまして、被災箇所の早期復旧により営農に支障を来さないようにしていきたいというふうに思っております。  国営事業の負担金の償還につきましては、御案内のとおり、完了後三年間据え置きで、四年目から十二年間の延べ払いというふうになっておるわけでございます。具体的な償還割合、地元負担の割合は変えるわけにいかないわけでございますけれども、農家の具体的な償還計画につきましては、県を中心に農家の経営状況あるいは負担能力を勘案しながら、関係市町村とも協議しているというふうに承知しておるわけでございます。そういう結果を踏まえて、適切に対応していきたいと思っております。  以上、一括してお答えといたします。
  27. 梶原敬義

    委員長梶原敬義君) ちょっと速記とめて。    〔速記中止〕
  28. 梶原敬義

    委員長梶原敬義君) 速記を始めてください。
  29. 佐々木賢一

    説明員佐々木賢一君) 取りまとめて御報告いたします。  今回の建設省の所管の公共施設につきましては、五月三、四日の大雨によりまして、直轄、補助合わせまして約三百億強の被害報告を受けております。これらにつきましては、応急復旧に必要な措置といたしまして、担当官を派遣し、査定前の応急復旧についての指導を行っております。特に直轄区間、御船川の破堤につきましては五月の八日八時に既に応急復旧を完了しております。  道路等につきましてまだ交通どめがございますが、一応迂回路を確保しておりますが、今後の出水期を迎えるに当たりましてできるだけ早く復旧するようにしたいと考えております。  また、その他の地域につきまして、県の準備のでき次第、早期災害査定を実施するということで県の指導を現在行っております。  また、復旧に当たりましては、緊急に復旧を必要とする箇所から優先して行いますが、なお再度災害防止ということも重要でございまして、改良復旧等を加えながら、被害の激甚な箇所につきまして早期復旧並びに再度災害防止ということで行っていきたいと思っております。  土砂災害等につきましては担当の方から御説明いたします。
  30. 松下忠洋

    説明員(松下忠洋君) 今回発生いたしました土石流災害につきましては、熊本県七市町村で現在のところ二十渓流について報告を受けております。これら渓流の対策につきましては、県において現在調査中でありますが、これら現地調査の結果を踏まえまして、災害関連緊急砂防事業等により対処してまいりたい、このように考えております。  以上でございます。
  31. 杉山俊宏

    説明員(杉山俊宏君) 御説明申し上げます。  今回の熊本におきます地すべり、がけ崩れの災害でございますが、現在判明しておる段階でございますが、地すべりにつきましては家屋の全半壊三戸、がけ崩れ死者二名、負傷者七名、全半壊十四戸の被害発生したと報告をいただいております。  その復旧関係でございますが、現在県におきまして取りまとめておる段階でございます。これらのうち、採択基準に合致するものにつきましては、災害関連緊急地すべり対策事業及び災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業等で対処してまいる所存でございます。  以上でございます。
  32. 広瀬経之

    説明員(広瀬経之君) 自治省でございます。  今般の大雨によりまして大きな被害を受けました熊本県等三県下の二十三市町村につきまして、本日、普通交付税の六月定例交付額の一部といたしまして、二十八億六千三百万円を繰り上げて交付をいたしたところでございます。  それから、被害を受けました地方公共団体が今後実施いたします災害復旧事業等に要する経費でございますが、先ほど先生から炊き出し、物品等のお話もございましたけれども、このような経費につきましては、その実情を十分よく調査をいたしまして、被害状況及び財政状況等を勘案いたしまして、地方債あるいは特別交付税等の配分をいたし、事業実施に遺漏のないようにいたしたいと考えております。  それから、災害復旧後の当該地域の振興について、過疎債、辺地債についてお話がございましたけれども、これらの点につきましても、今後関係県とよく連絡をとりまして、過疎、辺地の対策事業が振興計画に基づいて円滑に行われるよう適切に対処してまいる所存でございます。
  33. 矢野朝水

    説明員(矢野朝水君) 災害救助費の支給につきましては、一日も早く支給できますよう最大の努力を払っていきたいと考えております。
  34. 仁科英麿

    説明員仁科英麿君) 市町村防災行政無線の速やかな設置について、早急に指導をせよというお尋ねについてお答え申し上げます。  災害時における迅速かつ正確な情報の収集伝達のために体制を整備するということは極めて重要なことでありますけれども、NTTの電話は災害発生時にはふくそうしたりあるいは途絶したりして思うように利用できないことが多いということにかんがみまして、御指摘のように、防災行政無線を早急に整備することは極めて重要なことだと考えております。  したがいまして、消防庁では現在、補助金あるいは地方債によりまして財政措置を講じまして、その整備促進に努めているわけでございますが、今回の災害に見舞われました市町村のように、災害発生の危険性は高い、一方財政力は弱いために防災無線整備しにくいという団体につきましては、特に今後優先をいたしましてその整備促進を指導してまいりたいと考えております。
  35. 田代由紀男

    田代由紀男君 ありがとうございました。よろしくお願いします。
  36. 片上公人

    ○片上公人君 この十八日に、大阪港でソ連船プリアムーリエ号の火災発生がございまして、多数の死傷者を出す惨事となったわけでございます。心から御冥福をお祈りしたいと思います。  今回のソ連青年団体の外国での惨事は、去る三月に中国での列車事故がありましたが、それを思い出しまして、まことに心痛むものがございます。  船舶火災は、ビル火災などと比べまして、船内構造上から消火活動は極めて難しいと思いますけれども、この十八日のソ連船の火災の状況、港湾での船舶火災の消防体制につきまして御報告願いたいと思います。  なお、外国船の場合はどのような対応になっておるのか、これもあわせてお願いいたします。
  37. 原純一

    説明員(原純一君) お答え申し上げます。  ただいまの先生の御質問、第一点がソ連船の火災の状況について、第二点が港湾での船舶火災の消防体制について、第三点目といたしまして外国船の場合における対応について、三点の御質問でございます。順次お答えしたいと思います。  まず、第一点の今回の火災の概要でございますが、発災船プリアムーリエ号は四千八百七十トン、船長がエラストフ・アレクサンドル船長でございます。この船は、乗客二百九十五名、船員百二十九名が乗船いたしまして、訪日青年観光団といたしまして五月八日に北海道の小樽に入港いたし、東京を経由いたしまして、五月十七日九時ごろ大阪港中央突堤北岸壁に着桟したものでございます。翌日の五月十八日の一時ごろ、この一時ごろといいますのは新聞記事でございますけれども、消防機関では現在調査中でまだ確定はいたしておりません。一時ごろに火災が発生したものでございます。  十八日一時五十二分に火災の通報を受けました大阪市消防局は、一時五十五分に現場に到着いたしまして、直ちに救助活動、消火活動を開始いたしております。そして十八時三十六分、約十七時間後でございますけれども、約十七時間を要しまして鎮火させたところでございます。  この火災に出動いたしました消防資機材等は、消防車両四十九台、消防艇二隻、ヘリコプターが一機、消防隊員三百六十六名と報告を受けております。この火災によりまして十一名が死亡いたしまして、三十五名が負傷したところでございます。なお、船舶の約三千平米の部分が焼損いたしております。また、乗客三百十九名を近くの中学校に収容したところでございます。  出火場所、それから出火原因等の究明につきま しては、五月十九日十時四十五分から関係機関合同の現場検証を行ったところでございまして、現在調査中でございます。なお、今回の船舶火災の重要性にかんがみまして、消防庁といたしまして職員二名を現地に派遣したところでございます。  続きまして、港湾での船舶火災の消火体制についてでございますが、船舶火災につきましては昭和二十四年以降、消防庁と海上保安庁との間で、海上保安庁と消防機関との職務分担の原則を明らかにいたしておりますが、それによりますと、埠頭または岸壁に係留された船舶の消防活動は主として消防機関が担当することとなっております。これに対しまして、海上保安官署はこれに協力するという格好で分担が明確になっております。  消防機関は港湾における火災に対処いたすために、重要港湾にはその実情に応じまして必要と認められる消防艇を配置することとしております。昭和六十二年四月一日現在で、消防機関は全国で四十六隻の消防艇を有しております。今回のソ連船の火災におきましても、先ほど御説明いたしましたように、消防艇二隻のほか、消防車両四十九台が出動し、海上及び陸上から消火活動を実施したところでございます。こうした船舶火災につきましては、今後とも海陸両面からの消火活動を行うことにより、万全を期してまいる所存でございます。  最後に、外国船舶が日本国内の港湾内で火災を起こした場合の消防の対応についてでございますが、今回のソ連船舶の火災のように、日本国内の港湾に接岸中の外国客船が火災を起こしました場合には、消防機関は当該船舶の関係当事者と連携をとりながら、円滑な消防活動に努めることとしております。今回の場合におきましても、消防隊は船長の要請を受けて直ちに船内に入り、消防活動に当たったと聞いております。  以上でございます。
  38. 片上公人

    ○片上公人君 次に、建設省お願いします。  沖ノ鳥島の保全工事が現在始まっているわけでございますが、去る四月二十二日の出港式から約一カ月たっております。千七百キロも本土から離れた海上での工事でありますし、それだけでも大変と思いますけれども、現地での工事の状況はどのように御報告を受けているか、お聞かせ願いたいと思います。
  39. 都丸徳治

    説明員都丸徳治君) 現地の工事の状況でありますけれども、KDD、国際電信電話株式会社の回線を利用いたしまして、電話並びにファクシミリによりまして、現地に駐在しております監督職員から担当の事務所に逐次報告をさせております。
  40. 片上公人

    ○片上公人君 この沖ノ鳥島保全工事は、大海での長期工事でございます。心配の一つは、先ほどありましたように船舶の火災でございますけれども、二万トン級作業船を初め大小二十隻近くの船団と聞いておりますが、この火災につきまして、どう配慮されているのかお伺いいたします。
  41. 都丸徳治

    説明員都丸徳治君) 先生の今お話ありました工事に使用しております船舶ですが、もちろん関係法令に基づく必要な防火設備や消火設備を備えております。また万一、そのような事態が起こる場合もあるかとも思いますが、そのような場合に備えまして一般の船舶と同様、避難訓練等も実施いたして万全を期しております。
  42. 片上公人

    ○片上公人君 もう一点の心配なことは、約二百名近い人たちの健康でございますね。私も出港日には横浜造船所で作業船も見せていただきましたけれども、工事の内容、場所から見まして、けがや病気、特に救急患者が出た場合に、その対応についてはどのように考えていらっしゃるのかお伺いします。
  43. 都丸徳治

    説明員都丸徳治君) 現地の船には医師が常駐しておりまして、作業員のけがや病気についていつでも対応できる、こういうことになっております。さらに、この医師による対応では困難な救急患者につきましては、早急に対処できるよう海上保安庁等の協力を得まして、救急体制の確保を図っているところであります。
  44. 片上公人

    ○片上公人君 何か起きてから慌てても仕方がないので、準備も万全と思いますけれども、どうか慎重におやりいただきたいと思います。  次に、国土庁に伺いますが、先ほど話がございました九州地方ですが、いよいよ梅雨を迎えるわけでございますけれども、今回の被災地が再び水害、被害をこうむることがないように万全の対策を講ずる必要があると思いますが、再発の心配は大丈夫でしょうか。
  45. 三木克彦

    政府委員三木克彦君) 毎年、梅雨や台風でとうとい人命や多数の被害発生しております。まことに残念なことだと考えております。かねてより治山治水事業を初め、国土保全事業の推進等の防災関係事業を実施しているところでございます。特に治山治水事業、急傾斜地崩壊対策事業等、国土保全事業の関係につきましては五カ年計画をそれぞれ設定をいたしまして、計画的に推進をしているところでございます。  被災しました河川につきましては、関係省庁、特に建設省緊急復旧を要するものからいろいろと復旧事業を行っているわけでございますが、早期復旧を図れるように努めてまいるということで政府としては対応してまいりたいと思います。  再発が起こらないように実施するのが災害対策事業の基本でございますので、そのような趣旨で努力をしてまいりたいと考えております。
  46. 片上公人

    ○片上公人君 熊本県の中北部の各地域では、大雨に見舞われるたびに出水被害を出しておると聞いておりますけれども、防災という観点からも抜本的な対策が必要なんじゃないかと思います。この抜本的対策をどのように進めていらっしゃるのか、お伺いします。
  47. 三木克彦

    政府委員三木克彦君) 熊本県の問題につきましては、前回の委員会で大丈夫かと御質疑を受けたところでございまして、今回のようなことになりましたのは非常に残念に思っているわけでございます。そのときにも御質疑の中で、基本的に投資を重点的にやって将来禍根を残さないような防災対策を実施すべきではないかという御質問をいただき、関係省庁からそれに対応するような措置を講じたいということを申し上げたわけでございますが、こういうような事態になりましてまことに遺憾だと考えております。しかし、方針といたしましては、その御指摘の中でいろいろお話が出ましたような観点から対策を実施すべきであるというふうに考えております。
  48. 片上公人

    ○片上公人君 ひとつよろしくお願いします。  以上です。
  49. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 まず、消防庁に地下街の防災対策について質問いたします。  本年の三月、東京都及び十政令都市が連名で「地下空間の総合的な活用に関する要望書」というものを提出をしておりますが、これはいわば地下街の新増設について抑制をする昭和四十八年の消防庁、警察庁など四省庁の共同通達の規制緩和を求めているものであります。  しかし、先日の五月十一日、衆議院の災害対策特別委員会において、都市計画中央審議会の会長でもある井上孝東大名誉教授が、こうした規制緩和はやるべきではないと発言をされていますように、忘れもしない昭和五十五年の静岡駅前地下街のガス爆発事故後まだ十年もたっていない。災害は忘れたときに来るという言葉がありますように、まだ十年もたっていない、いわんやそういう状況で、この昭和四十八年通達の安易な見直しは行わないよう、慎重に対応してもらいたいと思いますが、どうでしょうか。
  50. 海老忠彦

    説明員(海老忠彦君) お答え申し上げます。  地下街は一たん火災が発生をいたしますと、内部に煙が充満をして、利用者の避難あるいは消防活動に重大な支障を来すおそれが強いわけでございます。そういった意味から、その安全性の確保には万全を期さなければならないというふうに考えております。このため、関係省庁で構成されます地下街中央連絡協議会におきまして基本方針を定めまして、防災上可能な限りの安全対策を講じさせることとしているほか、消防法令におきましても厳しい規制を行ってきているところでございます。  今回の東京都及び政令指定市からの御要望につきましては、消防庁といたしましては、以上申し上げましたような安全の確保という観点から、関係省庁と調整を図りつつ十二分に検討を加えて慎重に対処していく所存でございます。
  51. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 では次に、国土庁災害遺児育英制度の問題についてお尋ねをします。  実はこの問題は、ちょうど一月ほど前、四月二十日、当特別委員会で私も少しく質問をした問題でありますけれども、当時の奥野国土庁長官は、この会議録御存じと思いますけれども、最後の答弁として、「国土庁防災行政を担当しているわけでもございますし、また自然災害による被災者の救済を進める立場もあるわけでございますので、今後とも関係省庁と十分相談をしていきたい」ということで、できるだけ早く結論が出るように関係省庁とよく相談をしていきたいと、こういう答弁を当時の長官がなさっておるわけでありますが、その後どういうふうに協議が進んでいるでしょうか。
  52. 大原一三

    政府委員大原一三君) この問題は、もう御承知のとおり、予算委員会で総理が非常に前向きにお答えになった問題点でありまして、これは国土庁は自然災害の問題が所管だと思うんです。労働省では労働災害。現在交通遺児にはできている制度でありますから、そういった関係省庁横並びで検討しなきゃなりませんので、現在、内政審議室の方で検討が進められておると聞いております。我々といたしましても、内政審議室を通じて政府一体に解決するように現在働いている最中でございまして、いずれ近いうちに答えが出るんではないかと、かように考えております。
  53. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 いや、お言葉を返すようですけれども、今のような内政室といいますか、内閣審議官室といいますか、そこを中心にいろいろ調整を図りつつ相談をやっているというお話は、一月前の四月二十日の時点でもあったんです。本当を言えば新学期に間に合うようにと、四月、こういうことで国会でも答弁のあった問題であったのが、もう四月、新学期に入り込んでいるじゃないか、遅いじゃないかということで、ひとつ、いっときも早く結論が出るように関係省庁と十分相談をしていきたいということであったので、以来の一カ月どういう努力がやられているかということを聞いておりますので、何でしたら政府委員の方から答弁してください。
  54. 三木克彦

    政府委員三木克彦君) ただいま政務次官から申し上げましたように、内閣全体の問題として内政審議室が中心になりまして検討しているものでございます。関係各省といたしましては、災害を担当する省庁、それとあわせまして教育関係の省、文部省を中心にいろいろ議論しているわけでございます。関係省庁会議は何回か開かれているわけでございますが、私どもといたしましては、自然災害を担当する立場から、被害者救済という観点から早急にこの問題に結論を得てほしいというお願いをしておるわけでございますが、現在のところ、まだ結論を得ていないという状況でございます。残念に思っております。
  55. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 同僚委員の方も今の答弁をお聞きになって、前回の質問以降一カ月たっているのに、連絡会議は開いておるようですけれども、余り遅々として進んでいないという感じは御同感のところだと思うんです。私はぜひともテンポを速めて、必要な協議を進めてもらって結論を出してもらう必要がある。  そこで、新聞報道などによりますと、きょうですか、減税問題について与党の側から野党に対して回答をするというふうに専ら書いていますね。この関係が、前回もちょっと触れたわけですけれども、我が党を除く野党と自民党、それから我が党に対しては別個に自民党からというちょっと妙な格好になっておるわけですけれども、そこの議論はさておくにいたしまして、政務次官、どうなんでしょうか。きょう行われるであろう減税に関する回答の中に、というのは経過的に前、大分前ですね、あのときに減税問題とこの災害遺児育英制度の問題と並べて回答が、中間回答が出されたという、こういう経過もありますので、きょう行われるであろう回答にはこれ出てくるんですかね、具体策が、この育英制度問題について。
  56. 大原一三

    政府委員大原一三君) 内政審議室を中心検討が行われてきているわけでございますが、きょう減税問題と一緒にこの問題に回答を出すということは私、承知しておりません。
  57. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 そうなると、これはもうますます回答は遠くなった。会期末二十五日でしょう。私、前回ちょっと急用が起きまして理事会を欠席しましたので、本当はこのことは予算委員会の席上での総理の約束にかかわる問題であるので、国会全体の問題として、国会が終わるまでにきちんと結論をつけておくことが必要だから理事会で御協議いただきたいということでお願いをしておって、気になっておったんですけれども、この間えらい突然仕事が入り込んで出られなかったんですけれども、ぜひひとつ委員長の立場としても二十五日国会が終わるまでに、何かの形でこの問題についてはきちっとけじめをつけるということでひとつ御努力願うように、政府にも要求をもちろんいたしますし、委員長としても特段の御配慮をお願いをしておきたいと思います。  終わります。
  58. 勝木健司

    ○勝木健司君 先日、千葉沖地震のつめ跡を視察してまいったわけでありますけれども、地震災害の恐ろしさというものを再認識した次第であります。今もって復旧作業が続けられておる状況であり、今後、復旧についての促進方を図られるよう、特に要望いたしたいと思います。この点、関係省庁への督励をよろしくお願いをいたしたいというふうに思います。  震災対策強化につきましては、我が党といたしましても従来より地震防災対策強化地域の拡大を主張してきておるわけでございます。南関東地域地震災害に対しての十分な対策を講ずるということは、我が国にとりまして政治、経済機能への被害というものを最大限少なくするために重要であると思います。  そこで、最近検討を始められたようでありますけれども、地震防災対策強化地域東京など南関東地域を加えるようにすべきだと考えますので、国土庁の考え方をお伺いしたいと思います。
  59. 三木克彦

    政府委員三木克彦君) ただいま、大規模地震対策特別措置法地震防災対策強化地域指定東海区域だけになっておるわけでございます。南関東につきましては東海地震の影響は震度五程度であって、地域指定はいかがであろうかということで見送られた経緯がございます。  その後、南関東を構成いたします一都三県からずっと指定要望が出ておるわけでございます。特に、先ほどお話しの千葉東方沖地震などを踏まえまして、首都圏における地震防災に関心が高まっておるわけでございます。加えて、大規模地震対策特別措置法が施行されて十年という節目の時期でもございますので、私どもとしては常にこの問題は検討すべき課題だと思っておりますが、ちょうどいい機会であるというふうな観点から、中央防災会議専門委員会を開催をしていただきまして御検討をいただいておるところでございます。  調査事項といたしましては、地震発生切迫性及び予知可能性、この二点を中心に御議論をいただきまして、その上で専門委員会指定の是非につきまして検討、御結論をいただくということにいたしたいと考えております。現在、第一回目を終わったところでございまして、第二回目で地震発生切迫性及び予知可能性につきまして突っ込んだ議論が行われる予定でございまして、大体七月には結論をいただけるということでございますが、行政の立場でその結論に即した防災対策のあり方を検討させていただきたいと考えております。
  60. 勝木健司

    ○勝木健司君 東京の密集した状況を見てみますと、また湾岸開発の進展などを見てみますと、震災対策強化というものがますます必要であるというふうに思いますので、重ねて要望をしておきたいと思います。  次に、熊本県等の水害の災害復旧などについて お伺いをしたいと思います。  被害状況につきましては先ほど来の質問で、また、いただきました資料によりまして、熊本県全体でも死傷者約三十名、三百億円以上という甚大なものになっております。そこで、公共土木施設被害も大きいようでありますので、建設省として公共土木施設復旧についてどのように対処をされていくのかということをお伺いをしたいと思います。
  61. 佐々木賢一

    説明員佐々木賢一君) お答えいたします。  先ほども田代委員に御説明いたしましたが、被災箇所につきまして、特に河川の破堤した箇所が四カ所ございまして、直轄区間につきましては五月八日に直ちに復旧をいたしました。一応応急手当てとしては完了しております。また、補助区間につきましての破堤につきましても、既に十二日にはすべて応急復旧として、もとの形に戻しております。また、今後の出水期を迎えまして、できるだけ早く応急手当て等を実施すべく、担当者を派遣いたしまして事前着工等の手続、そういった指導を行ってきたところでございます。  今後の復旧につきましてはできるだけ早く、県の準備のでき次第査定をやるというのを先ほど申し上げましたが、一応災害復旧事業につきましては、直轄災害道路については一年、河川については二年、また補助災害については三年で復旧するということになっておりますが、予算等につきましてできるだけ積極的に、特に民生に与える影響の大きい箇所につきましては早期復旧するように優先的に実施してまいりたい。さらに、改良復旧等につきましても積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
  62. 勝木健司

    ○勝木健司君 時間も余りありませんので、まとめて次にお聞きしたいと思いますが、橋梁への被害も大きかったというふうに地元から聞いております。県の文化財であります眼鏡橋も流されたということでありまして、中でも宇土市の緑川にかかっておりました平木橋が流された。付近の道路への迂回を余儀なくされて不便を強いられておるという状況であります。  これについて、代替の橋の確保を含めて復旧させることについて、建設省としてどのように取り組んでおられるのかということでありますし、同時に、現在新しくその平木橋の上流の方に架橋工事をしておられると承っております。これはもうほぼ完成というふうに聞いておりますが、ところが橋をつくった地盤に問題があるということで、本年の春の開通予定がおくれておるというふうに地元から伺っておるわけであります。そういった意味で、工事の着手前には地盤についての問題はなかったのかどうか。あるいはその問題についてもきちんと措置をされたのかどうか。また、沈下していることの原因究明は行われておるのかどうか。あるいは対策をどのように行おうとしておられるのか。そして、いつごろまでにその上流の橋はかかるのかということ。  それと同時に、今、この平木橋が流されまして国道三号線の交通が渋滞をし、支障が生じているというふうに聞いております。そういう意味で、早期開通に向けて県とともに努力をされておるようでありますけれども、なお一層の努力お願いをしたいというふうに思っております。質問、要望も含めてお答えをいただきたいと思います。
  63. 佐々木賢一

    説明員佐々木賢一君) 平木橋の復旧についてお答えいたします。  平木橋の災害でございますが、本橋部分、一部のスパンが落橋いたしまして、これの復旧については早急に復旧ということで指導をいたしました。ことしの九月には一応、既存の平木橋の復旧については完成する予定ということで報告を受けております。その間、上流の方で現在、先生御指摘の工事中の平木橋というのがあるわけですが、一応これに応急工事を施しまして、とりあえずは二輪車以下の迂回路として確保してございます。  今後の復旧につきましては今申し上げましたような事情でございますが、なお、さらにその上流の方、二、三百メーターのところに別の橋がございまして、これが車両交通としての迂回路になっているのが現状でございます。  以上です。
  64. 森本裕士

    説明員(森本裕士君) 平木橋でございますが、一級河川の緑川にかかる主要地方道、大牟田—熊本—宇土線の橋梁でございますが、現橋が非常に老朽しておりまして幅員も狭小であるということから、熊本県におきまして昭和五十六年度からかけかえ事業を実施しておるわけでございます。  工事の着手前におきましてはボーリング等必要な土質調査を行いまして、構造物基礎としての地盤状況につきまして十分把握しまして設計を行ったものと聞いております。ところが、盛り土の施工中に沈下が発生しまして橋台に影響が生じたということで、盛り土工法を緩速施工に変更しまして、地盤調査や設計の点検を行いますとともに、専門家意見を聞きまして、より効果的な対策検討しているところであると熊本県から聞いております。  今後の見通しでございますが、今回の災害状況にかんがみまして対策案の検討を急いでおりまして、その案が決定次第、対策工事を実施することとしておりまして、六十四年秋には供用を図りたいと熊本県から聞いております。
  65. 勝木健司

    ○勝木健司君 もう時間も参りましたので、最後に、田代先生からも要望されておりましたけれども、重ねて激甚災害の適用をできるよう要望して質問を終わりたいと思います。
  66. 秋山肇

    ○秋山肇君 九州の大雨による被害について、田代先生それから勝木先生からも質問がありまして、先ほど熊本県の農業過疎地帯に対しての救済の問題等については、本当に私も身につまされる思いがしているわけであります。ぜひひとつ御努力お願いしたいというふうに思います。  資料をいただきまして、私は、島原が五百十六ミリ、一番雨量が多いので、島原はどういうことになっていたのかなということで雨量を調べてみました。この資料の中にも出ていますが、十五時から十六時の一時間に百十七ミリが降ったと。その後十六時から十七時が百十一ミリと。この二時間に百ミリを超える雨が続いているわけですね。  その結果がどうなったかといいますと、人的な被害がなかったものの床上浸水で二百二十五戸、床下浸水で千四十五戸と、かなりの被害を受けております。しかも、この被害が大きい地区は森岳、霊丘、白山と、市内でも人口が多い地区でありまして、合計の被害金額が十一億七千四百余万円ということですが、項目別に拾ってみますと、商工関係が三億四千二百万円、農産関係が三億円余です。公共土木施設が二億五千六百万条。かなりの被害を受けております。島原市の財政の規模からすると、これは大変な被害だなというふうに考えるわけでございます。  特に商工関係は、市内の目抜き通りで中掘町から万町に続くアーケード街が軒並み被害に遭っておりまして、特に大手川周辺の商店では、濁流に押し流された車がショーウインドーを大破する、店内が壊滅的な状態になったところもあります。このアーケード街は、島原へ行った方は御存じだと思いますが、水路にコイを泳がしたりして道行く人や観光客に大変親しまれている、そういう商店街であります。  このかつてない豪雨で商店街が大変な被害を受けたわけですが、先ほどの農村に対してももちろんですが、この商店街に対しての救済措置として、しかるべきいろいろな措置があろうと思いますが、この点ついて関係省庁のお答えをいただきたいと思います。
  67. 中野正孝

    説明員(中野正孝君) お答えいたします。  今回の被害に対しまして当面の措置でございますが、この九日付で政府系の中小金融機関、中小公庫それから国民金融公庫、商工中金でございますが、災害復旧制度の適用を指示いたしております。これは一般の貸付限度を超えまして、中小公庫ですと一億円、国民金融公庫ですと二千万円を手続簡素化で弾力的に貸し付ける、こういう制度でございます。また、あわせまして既往の借金を持っておられる方の返済につきましても、いろいろ弾力的に御相談に応ずるということを指示し てございます。  それから、この二十三日でございますが、月曜日になりますが、県におきまして、やはり被害に対する救済ということで低利の資金融通を行う。あわせて信用保証料、これは民間の借り入れの保証料でございますが、これも県負担を〇・四%入れまして〇・六%に軽減するということで、これも貸付限度三千万でございますが、いろんな御要望にこたえて御支援できるように現在準備をして、かつまた対応させております。  以上でございます。
  68. 秋山肇

    ○秋山肇君 いろいろ御手配をお願いしたいと思います。  次に、この被害の大きな原因として大手川の改修問題があると思うんです。この改修、大雨ごとに被害が出ていますからこの問題が取り上げられてきているそうですけれども、一部の住民が改修計画に反対しているというようなことで、今でも測量すらできていないという状態だそうです。  島原市というのは、御存じのように背後にそびえる眉山から八つの土石流渓谷が出ており、そのうちの六渓だけは連結する河川がなく、現在は霞堤で土石流を分散させる方式をとっております。他の渓のようにはけ口がないため、今回のように六渓から萩原方面に通ずる市道を伝わっておびただしい量の土石が商店街に流れ込んできたということです。これだけの災害人的被害がなかったのは、市民の冷静な判断と消防団や市職員の頑張りによるところだと思いますけれども、一部反対ということでなおざりにしていたということがこの災害の原因にもなっているようですが、この問題について、どの程度まで建設省ではつかんでおられますか。お答えをいただきたいと思います。
  69. 齋藤尚久

    説明員(齋藤尚久君) 大手川の改修の問題について御説明申し上げます。  被害状況それから水文資料の状況等は、先生の御指摘のとおりでございます。大手川でございますけれども、四十年の三月に二級河川にいたしまして、それから四十三年から改修をやろうということで地元に入ったわけでございますけれども、今先生が御指摘になりましたとおり、商店街の中心部でございまして、反対が一部あるということでなかなか話が進まなかったわけでございます。  そこで、大手川の近くに北川という川がございますが、その川を改修いたしまして、大手川の流域の雨を一部そちらに流すというような工事を四十四年から始めておりまして、五十八年に完成しております。そのことによりまして、以前の大手川の流域の約二割は北川に入ってくるということで、大手川の負担が軽くなったわけでございますけれども、それでも今回の雨は先ほど申されたとおりでございまして、被害を生じたわけでございます。  で、今回の出水にかんがみまして、今、県市が協力いたしまして地元の説得等に当たっております。市長さんも精力的に地元に入っていただいておるというような状況でございますが、近々できるだけ早く測量に入りまして、その結果を踏まえまして、どういうふうに改修したらいいかというようなことも含めまして事業を推進していきたいというふうに考えております。まずは地元の方々の御理解を得なければいけないということで、その上で改修を促進させるように県を通じて指導しております。我々もそれには十分協力していきたいというふうに考えておるところでございます。
  70. 秋山肇

    ○秋山肇君 早いところいろいろな処置をしておかないと、今のお話にあったように、結果としては被害が出てしまう。せっかくの御努力がむだになってしまうわけです。  もう一つ最後に、国の指定を受けている島原藩の薬園跡に隣接する小山町にはかなりの雨水が流れ込んできて被害があったわけです。この薬草園は国の重要文化財として見直され、県から市に今管理が移されているわけですが、ここに排水溝が、広い場所に排水溝が一本もないということからすると、今回はこのがけ崩れがなかったからよかったんですが、今の河川の改修と同じように、早目にこの改修というか措置をしておかなきゃいけないと思うんです。  しかし、これは管轄が文化庁ということでなかなかいじれないという問題があると聞いておりまして、そういうもろもろの縄張りといいますか、ことで手がつけられない。先ほどは民間の人が商店街ということで用地買収に応じないとかいろいろあったと思うんですが、今度こっちの今私が聞いているのは国の方の省庁の、特に文化財ということで文化庁が許可をされないということで被害になっては困るわけです。この点については文化庁の方の御答弁をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  71. 小林孝男

    説明員(小林孝男君) 今お話がございました旧島原藩の薬園跡と申しますのは天保十四年、一八四三年でございますが、これは島原藩がシーボルトの門人でございます賀来佐一郎らに開かせたものでございまして、江戸時代におきます本草学の発展をよく示すものとして、また薬草園の実態を示す数少ない遺跡ということでございまして、昭和四年に国の史跡になっているものでございます。今先生御指摘のように、過日の集中豪雨の際にはかなりの雨水が指定地の外へ流れ出た、こういうことを聞いておるわけでございまして、現在、島原市におきましては、この指定地内におきます排水溝の設置につきまして具体的な検討を行っている、こういうことを聞いているところでございます。  史跡でございます当該地におきます現状変更につきましては、文化財保護法に基づきまして文化庁長官の許可が必要と、こういうことになっておりますが、事柄が事柄でございますので、市の方から具体的な排水溝設置の計画が上がってまいりました場合には、その内容等をよく検討の上、適切に対処してまいりたい、このように考えているところでございます。
  72. 松下忠洋

    説明員(松下忠洋君) 先ほど砂防対策についてもお尋ねがございましたので、お答えしたいと思います。  眉山地域には幾つかの渓流がございますけれども、六渓、これは一、二、三、四の六と渓流の渓でございますけれども、六渓を除く他の渓流については砂防ダムや流路工を設置して対策を進めてきております。この六渓を含みます大手川については砂防事業として流路工を計画しているところでございますけれども、上下流部の関係事業と調整を図りながら、長崎県の意見も十分勘案しながら鋭意努力してまいりたい、こう考えております。
  73. 秋山肇

    ○秋山肇君 どうもありがとうございました。
  74. 梶原敬義

    委員長梶原敬義君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  75. 梶原敬義

    委員長梶原敬義君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  災害対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 梶原敬義

    委員長梶原敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 梶原敬義

    委員長梶原敬義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  78. 梶原敬義

    委員長梶原敬義君) 委員派遣に関する件についてお諮りいたします。  閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  79. 梶原敬義

    委員長梶原敬義君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時六分散会