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1988-03-02 第112回国会 参議院 国民生活に関する調査会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年三月二日(水曜日)    午前十時四分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     会 長         長田 裕二君     理 事                 水谷  力君                 矢野俊比古君                 山口 哲夫君                 高木健太郎君                 吉川 春子君     委 員                 小野 清子君                 大島 友治君                 大塚清次郎君                 倉田 寛之君                 斎藤 文夫君                 高橋 清孝君                 寺内 弘子君                 中曽根弘文君                 福田 宏一君                 向山 一人君                 吉川 芳男君                 糸久八重子君                 山本 正和君                 刈田 貞子君                 矢原 秀男君                 近藤 忠孝君                 平野  清君    政府委員        内閣総理大臣官        房審議官     本多 秀司君    事務局側        第二特別調査室        長        菊池  守君    説明員        内閣総理大臣官        房参事官     川橋 幸子君        文部大臣官房審        議官       菴谷 利夫君        文部大臣官房審        議官       前畑 安宏君        文部大臣官房調        査統計課長    渡部  蓊君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○国民生活に関する調査   (出生率動向対応に関する件)     ─────────────
  2. 長田裕二

    会長長田裕二君) ただいまから国民生活に関する調査会を開会いたします。  国民生活に関する調査を議題とし、出生率動向対応について内閣官房及び文部省から説明を聴取いたします。内閣官房本多審議官川橋参事官
  3. 本多秀司

    政府委員本多秀司君) 総理府官房審議官本多でございます。よろしくお願いいたしたいと思います。  総理府から三点について簡単に御説明申し上げます。一つ婦人問題に関する国内行動計画、それから婦人問題企画推進有識者会議の御意見、その前に婦人問題企画推進本部活動について、この三点について簡単に御説明申し上げたいと思います。  私の方からは婦人問題企画推進本部活動について御説明申し上げます。  婦人問題企画推進本部という組織でございますが、これは昭和五十年、内閣総理大臣本部長といたしまして関係省庁の事務次官を本部員とする機関でございます。この庶務を総理府は預かっておるわけでございますが、企画推進本部を設置した背景といいますか理由は、一九七五年にメキシコにおきまして国際婦人年世界会議が開催されまして、そのメキシコ会議におきまして婦人問題に関する世界行動計画が採択されたわけでございますが、この採択事項我が国国内施策に取り入れる等を図るためが一点、それから婦人問題関係施策は各省庁にまたがりますので、関係省庁と緊密な連絡を図りながら婦人問題解決のための施策推進する、この二つ目的背景といたしまして設置されたものでございます。  活動でございますが、大きく分けまして三つございます。主要な活動を三つだけ申し上げますが、一つは、国際婦人年昭和五十一年から六十年までの十年間でございますが、昭和五十二年に国際婦人年の十年間における婦人関係施策のいわば基本的な方向を明らかにするために国内行動計画企画推進本部として決定したものでございます。それが一つでございます。  それから二番目でございますが、国内行動計画後期重点目標策定というのがございます。国連婦人の十年は先ほど申しましたように五十一年から六十年までの十年間でございますが、その中間である昭和五十六年に、後期五年間におけるいわば国内行動計画重点目標といいますか重点施策をさらに明らかにする必要があるという観点で後期重点目標策定というのを五十六年の五月に本部決定いたしました。特にこの決定の中で特筆する必要があると思われる点は、御承知のように女子差別撤廃条約我が国昭和五十五年、一九八〇年に署名したわけでございますが、その批准に向けてのいろいろな国内関係する法制、法令等整備する必要があるということを重点課題として後期重点目標策定したわけでございます。  その努力の結果、各省庁の御協力等もいただきながら、婦人問題企画推進本部昭和六十年、一九八五年の六月に女子差別撤廃条約批准を果たすことができました。また男女雇用機会均等法の制定、あるいは民法、国籍法の改正等々、法律あるいは制度面での進展をこの間に見たわけでございます。  しかし、昭和六十一年になりまして、国連婦人の十年が六十年で終了したわけではございますが、なお婦人地位向上のために取り組まなければならない問題が残されているという認識のもとに、昭和六十一年、この婦人問題企画推進本部を強化拡大しつつさらに継続的に設置するということにいたしたわけでございます。  一方、国連におきましても、一九八五年に国連婦人の十年ナイロビ世界会議という会議が行われまして、いわば国連世界行動計画をさらに引き継ぐ必要があるというような決定も行われておりましたので、そうしたナイロビ世界会議における決定事項も引き続き国内においてその施策に取り入れる必要があるというような認識もございまして、この婦人問題企画推進本部昭和六十一年以降も引き続き設置されていたわけでございます。  そして、つい最近、昨年でございますが、この企画推進本部は、後ほど御説明させていただきます婦人問題に関する有識者会議婦人問題企画推進有識者会議に今後の取り組むべき婦人施策あるいは目標等について御意見をちょうだいするべく依頼をし、その意見をちょうだいしたものに基づきまして「西暦二〇〇〇年に向けての新国内行動計画」というのを策定したわけでございます。先般新聞等でも取り上げていただいたわけでございますが、男女共同参加型社会形成目的としまして「西暦二〇〇〇年に向けての新国内行動計画」ということを標榜して作成したものでございます。現在この新国内行動計画に沿って関係省庁と緊密な連携を保ちながら総合的に施策推進しているところでございます。  簡単でございますが、企画推進本部についての説明を終わらせていただきます。
  4. 川橋幸子

    説明員川橋幸子君) 引き続きまして、先生方のお手元レジュメをお配りしてあるかと存じますが、2の「西暦二〇〇〇年に向けての新国内行動計画」につきまして御説明させていただきます。  資料2といたしまして新国内行動計画の本文をお配りしてございますので、こちらを御参照いただきたいと思います。  表紙のところに「西暦二〇〇〇年に向けての新国内行動計画」、その下にサブタイトルがございます。ただいま本多審議官の方から御紹介申し上げましたように「男女共同参加型社会形成を目指す」、これが西暦二〇〇〇年までの新計画テーマといいますか、キャッチフレーズでございます。  一枚めくっていただきますと目次がございます。目次で全体の計画の組み立て、骨格をごらんいただきたいと思いますが、「第一部 基本的考え方」「第二部 施策基本的方向とその展開」、ここまでは基礎的なといいますか基本的な婦人問題に関する認識が書いてございます。特に第二部のところでIからVまで時計数字項目が示されておりますが、これを私どもは基本目標と申しております。表紙に書いてあります「男女共同参加型社会形成を目指す」、これを総合的な目標であるとしますと、その総合目標を達成するために必要な切り口、五つの基本目標と申しております。  まず最初に、もう一度法律制度が整ったところで社会意識を問い直さなくてはいけないというのがⅠでございますし、II総合目標そのものを受けた目標でございますが、現実に平等を基礎といたしまして男女共同参加が進んでいくようにというのがこのIIでございます。  それからIIIが「多様な選択を可能にする条件整備」、IVが「老後生活等をめぐる婦人福祉確保」、ここのIIIIVが本日の先生方政府からの事情聴取テーマになるかと思いますが、IとIIがどちらかといいますとナイロビ将来戦略なり女子差別撤廃条約なり国連各国政府への求めるところに従いまして施策が組み立てられておりますのに対しまして、IIIIVはどちらかと申しますと日本の現在の婦人実情社会実情を踏まえまして導き出されてきている目標でございます。  そして最後のV、「国際協力及び平和への貢献」、これは国際化時代を迎えましてますます必要な事項かと思いますが、Ⅴは国連への協力という意味目標になるわけでございます。  ということでございますが、この目標には、「第三部」をごらんいただきますと「基本的施策具体的施策」と書いてございますが、七十五年度まで着々と進めていくものと、それを具体的にどのように展開していくかというのが六十五年度までの具体的施策ということで中、長期施策を書き分けているということでございます。  どのような書き分け方になっているかといいますと、まず二十パージをお開きいただきたいと思います。  二十ページ、「第三部」というところがございます。左側目標が書いてございまして、右側の方に長期、中期、担当省庁という形で書かれてございます。例えば「I男女平等をめぐる意識変革」、これが基本目標でございますが、その下にアラビア数字で1、2、その次のページの3までございますが、これが基本目標のもとに組み立てられている重点目標でございます。その重点目標の下にそれぞれの施策が書き込まれているわけでございます。  重点目標「1」の「固定的性別役割分担意識の是正」、これは男は仕事、女は家庭といった非常に固定的に役割を考える意識を是正するということでございますが、主として啓発広報活動になるわけでございます。それから「学校教育充実社会教育推進」といいますのは、右側にございますように、「(1)学校教育」「(2)社会教育」とそれぞれ書き分けてあるわけでございます。このような形で基本目標の下に重点目標が位置づけられ、その重点目標に沿いまして中、長期施策が位置づけられているということでございます。  本日の会議テーマで、先ほどIII基本目標IV基本目標重点になるものではないかと申し上げましたが、III基本目標、「多様な選択を可能にする条件整備」のところは三十六ページをお開きいただきたいと思います。  ここの左側、「多様な選択を可能にする条件整備」の下にまず出てまいります重点目標は、「生涯にわたる学習機会整備」それから「職業能力開発体系の樹立」ということがございますが、そこに含まれます施策としましては、文部省文部行政学習機会整備と労働省の職業能力開発、この二つがメーンになりますけれども、もう一ページ開いていただいて三十八ページでございますが、「(3)再就職希望者等に対する援助促進」というのがございます。  学校教育といいますか、生涯学習機会整備職業能力開発体制、これは特に女性だけを対象にする施策ではございませんけれども、この(3)の「再就職希望者等に対する援助促進」といいますのは、女性の場合は妊娠、出産育児というような理由で一たん退職しまして、もう一回エントリーする女性が多い、そういう人たち能力開発、そういう施策になるわけでございます。それから同じように、時間がございませんので読み上げませんけれども、「育児期における条件整備充実」ですと保育所の問題、育児休業制度の問題、女子雇用制度の問題、あるいは「多様な就業形態における就業条件整備」ということでパートタイム対策の問題等々がこの「多様な選択を可能にする条件整備」になるわけでございます。  女性の生き方が非常に多様になってきておりますので、多様な層のニーズ対応するこうした条件整備をすることによりまして、女性が御自分人生を自由にといいますか主体的に選べるようになる。もちろん、全く自由ということはないと思います、社会に住んでいる人間でございますので。そういう環境条件の中で自由に主体的に選べるように、そういう趣旨になるわけでございます。  四十六ページから老後生活の問題に入るわけでございますけれども、ここも時間がございませんので、目で追っていただきますと、それぞれ書いてございます。  以上が新国内行動計画概要でございます。  それから次に、レジュメの三点目に書いてございます有識者会議意見について御説明させていただきます。  これは資料ナンバーで3ということでお配りしてございます。この場合も一枚めくっていただきますと、これは本部長である総理大臣に報告といいますか提言を提出した文書でございます。もう一枚めくっていただきますと「目次」というのがございます。目次のところで、「Ⅰ基本的考え方」の次に「II我が国婦人現状展望問題点」、こういう項目がございます。この項目が実は先ほど申し上げました我が国女性実情対応しまして新国内行動計画をつくった、その我が国女性現状なり二〇〇〇年までの展望なり、それから問題点なりをこの有識者会議の御意見で明らかにしていただいているわけでございます。  時間がおありのときにお目通しいただければ大変ありがたいと存じますが、かいつまんでポイントだけ御紹介申し上げますと、十二ページをお開きいただきたいと思います。  十二ページのところに「三世代ライフサイクルモデルの比較」というのが書いてございます。ここでは左側のところに祖母世代女性、母親の世代女性、それから戦後、それから高度経済成長期の入り口といいますか、娘の世代(Ⅰ)、(II)といたしましてライフサイクルモデルが並べて書いてございます。一番大きな変化はやはり祖母世代ライフサイクルモデルが産む子供の数、合計特殊出生率が五・一人、四、五人産むのが通例であったものが、娘(II)の世代をごらんいただきますと子供は二人弱ということになりますので、非常に育児期間が短くなっているということでございます。ですから、下の子供学校に上がります時期がほぼ育児期、大変な育児期が終わった時期といたしますと、三十五歳から八十歳余の人生まで四 十五年以上の人生がある、こういう人生を非常に生き生きと生きる必要性がある、そういうニーズが高まっているということをあらわすモデルなわけでございます。  一枚前にめくっていただきまして、十一ページに戻っていただきたいと思いますが、このライフサイクルモデルに関しましてコメントされてる部分があります。例えば十一ページの「②出産」というところでございますが、②のパラグラフの真ん中辺、右端でございますが、ここでは合計特殊出生率人口問題研究所推定どおり二・〇〇人に回復するということを支持した上で、ただしこの予測どおりになるためには産みたいという女性希望が職場と家庭の両立ができない、そういう現実によって挫折しないように条件整備が必要だというようなことが書かれております。  それから「③平均寿命」のところでございますが、なおこれから平均寿命がもう少し三歳程度延びるわけでございますが、そうした場合には、真ん中辺に書いてございますが、夫婦がそろっている「向老期、老後期」と、それから下の方にございますが、「妻の単身の老後期」、この両方を足しますと老後期間が非常に長くなるということがここでは指摘されまして、そうした福祉整備というものが新国内行動計画に含まれるようにという提言がなされたわけございます。  レジュメの(2)のところに「西暦二〇〇〇年における女性ライフスタイルに関する予測研究について」というものがございます。これは資料4、かなり分厚い資料でございますが、これを御参照いただきたいと思います。実は、このライフスタイルに関する予測研究を行いましたのは、今御説明申し上げました有識者会議データを提出いたしまして起草の際に参考にしていただいた、こういう資料の性格でございます。  一ページ、表紙をめくっていただきまして、これもまた目次をごらんいただきたいと思いますが、左側研究会メンバーが書いてございますが、そうした学際的な研究になっておりまして、目次の中では「第一部 総論」の「第二章」というのがございます。「我が国婦人現状展望問題点」、ここが有識者会議の中にその基本的な考え方に対するバックデータを提供した部分でございます。  結論といたしましては、レジュメの①から④まで書いてございますが、そこの結論部分はこの資料の八十四ページになります。八十四ページをごらんいただきますと、「まとめ」としてライフスタイルを予測した上で「必要な対応」ということを言っておるわけでございますけれども、「人口高齢化とその影響」のところは、むしろ介護ニーズの充足を図ること、介護負担の軽減を図ることと同時に、「元気なシニア女性」という表現を使っておりますけれども、能力発揮が重要となるというようなことが書かれております。  それから八十五ページの右側下の方でございますが、「結婚離婚出生をめぐるライフスタイル」というところでございますが、ここはこの会議テーマ関係あるかと思いますが、仕事をするからといって結婚しない女性というのは増加しないだろうということでございます。離婚はちょっと出生とは関係ないかもわかりませんけれども、「結婚市場女性に有利に変化する。」というふうに書いてございますが、この意味は、結婚適齢期人口構成が非常に少なくなっている、出生率が低下しておりますので子供世代では若くなるほど人数が少なくなる、そういう人口構成になるわけでございます。ですから、男性の方が二、三歳下の女性結婚したいと思いますと、御自分年齢層人口よりも相手方の人口の方が少ない、こういう人口構成変化もございまして有利に変化するということでございます。  それから一番下の③でございますが、仕事のために子供を産まない女性が増加することはないということですけれども、ただし晩婚化、晩産化、遅くなって子供を産むと結果として産むことをあきらめるということがあり得る、そういうことで出生率が低下するかもしれないという、これも人口問題研究所の指摘と同じでございます。  もう一枚めくっていただきまして、八十六ページの一番上、仕事の方をめぐるライフスタイルはどうかということでございますが、ここでは、女性平均的な就業意識というのは家庭生活仕事とを調和させていきたい、こういう意識を持つ人が多数派でございます。ということでございますので、育児期は一たん中断してもう一回再就業したい、こういう人が二〇〇〇年に向けてもウエートとしては大きなマジョリティーを占めるだろうということでございます。  それから二番目に書いてあることは、「再就業型と継続型」ということを書いてございますけれども、継続型という意味は、育児期間中も働く、仕事育児を両方やっていくという人でございますが、継続就業型は少数派ではございますけれども、やはり着実に増加するだろう。そこで「M字型を維持しつつ」と、これは先生方よくお聞きになられる言葉かと存じますけれども、日本女性労働力率カーブといいますのは若い時代就業率が高い。育児期に引退しまして再就業する人がふえるので中高年層になりますとまた高まる。結局アルファベットのMのシェイプに似たカーブを描くということで「M字型」ということを申し上げておりますけれども、M字型の形はそんなに崩れない。だけれどもM字の谷の部分も上がるでしょうし右肩の部分ももう少し上がるのじゃないか、こういうことが言われております。これが仕事との関係。  それから、家族生活女性仕事の問題というのは絶えずよく問われることが多うございますが、それについては(4)に書いてあるようなことがここでは指摘されております。  時間が超過してしまいまして申しわけございません。以上で簡単でございますが、総理府の方は終わらせていただきます。
  5. 長田裕二

    会長長田裕二君) それでは次に、文部省菴谷審議官お願いします。
  6. 菴谷利夫

    説明員菴谷利夫君) 文部省審議官菴谷でございます。同じく官房審議官前畑審議官それから調査統計課長渡部三名で出席させていただいております。どうぞよろしくお願いします。  それでは、文部省からは資料をお出しいたしていますように三点について御説明申し上げることになっておりますので、資料に即して御説明いたしたいと思います。  第一点は女子教育職員育児休業制度についてでございます。それから第二点が父母、家庭の支出する教育費、第三点が育英奨学事業ということでございますが、まず第一点、育児休業制度について御説明を申し上げます。  資料は一ページでございます。この制度は、ここに根拠法を書いてあります、長い名前の法律ですが、教育関係学校女子教育職員それから医療社会福祉施設いろいろ看護婦さん等専門的な方々の育児休業について定めたものでございます。この趣旨は、国公立の幼稚園から高等学校まで、あるいは盲学校聾学校養護学校、こういう学校女子教育職員、それから医療社会福祉関係も同様と思いますが、そういう職員の職務の特殊性、それに関連しまして人材確保困難性、これに着目をいたしまして育児休業制度というものを新設したということでございまして、そういうことによって、学校でいいますと教育の円滑な実施を確保するということがこの法律目的になっております。  そこで、制度概要でございますが、お手元資料にありますように、一つは本人からの申請に基づきます。さらに一歳までの間でいわゆる育児休業期間が定められます。申請に基づきまして事情を勘案して任命権者がその期間を定める、こういうことになっております。  それから、この休業期間中は仕事をしないわけでございまして、そういうことでございますので給与は支給されません。ただし、この制度によりまして共済組合掛金相当額育児休業給というものを支給する、こういうふうになっているわけでございます。それから、その休業期間中どう扱われるかでございますが、勤務日のうちの二分の一 相当をいわゆる退職手当とか次の昇給等に換算していく、こういうふうになっております。  それから、その女子教育職員が休んでいます間そこに穴があきます。授業など必要なことは行わなければいけませんので、それに対して代替の教育職員を臨時的にその育児休業期間の間に任用する、こういう制度法律上定められております。  対象となる具体的な職員につきましては、その表にありますように、学校につきましては上の欄、医療福祉施設等についてはその下の欄に書いてあるとおりでございます。  次に、資料の二ページの「3 育児休業許可状況」、これは公立学校について取り出しておりますが、六十年度に実績があったものをそこに示してございます。  まず、下の欄の(2)年度別状況をちょっと見ていただきますと、五十一年から発足したわけでございますが、最初はなれないこと等もあったのでございましょう、五十二年度の表では五割を切っておるということでございましたが、だんだん上がってまいりまして、六十年度の最近のものでは学校種別に全体が上がっておりますが、全体平均でちょうどこの数字、右の上の方に書いてあります数字の真ん中、八七・一%の方々が申請をし許可されておるというものでございます。  それで、それの最近の内訳を上の(1)で少し区分けしておりますが、該当者、これは申請をしていい者といいますか、する資格のある人でございます。これが六十年度、約三万人強でございました。そのうち実際に申請をなされた人が二万六千人強でございまして、許可件数の計の欄を見ていただきますと全員許可にもちろんなっております。全体で八七・一%の方が申請をし、そのまま許可されておるということでございます。  それで、これは約八七%でございますが、そのほかの方々は、これはいろいろ想像も入りますけれども、両親などがおられて、そちらの方で養育をされているということから申請を出してきていないという方がかなりいるのではないか。したがって、今日ではこの制度はほぼ休む必要がある方については大体利用されているということで、定着してきているものと考えられているわけでございます。  次に、ページをめくっていただきまして、二番目の教育費について申し上げます。  まず「(1)学校段階別保護者等の教育費負担の状況(年額)、この表でございます。文部省では毎年、小中高等学校などのいわゆる初等中等教育の諸学校について、子供学校へ出しておられる保護者の教育費負担の状況調査いたしております。「保護者が支出した教育費調査」という名前でございます。それからまた大学、短大等につきましては、学生の学費とそれから生活費、これを一年ごとに調べるということで「学生生活調査」を行っております。その二つデータをもとに学生、生徒一人頭どのくらい出しておるのだろうかというものをここに示したものでございます。  これもごらんになっていただけば数字はおわかりになるわけでございますが、公立、私立の幼稚園、私立がちょっと余計かかっております。公立の高校と私立高校で見ましても私立がかかっておる、大学についても同様、こういうふうになっておりまして、数字は一々申し上げませんが、ここにあるとおりでございます。  幼稚園から高校までは「学校教育費」という区分け、これは(注)に書いてありますが、直接使うもの、それから「家庭教育費」といって家庭などでいろいろ補助的に使うもの、それからけいこごと等にそれぞれの個人の考え、趣味で出しておるようなけいこごと学習費といったようなものが「家庭教育費」ということで書いてあります。それから学校給食をやっている学校段階については「学校給食費」というものも特別に出しております。  それから、大学関係は費目の表示が違いまして「学費」と「生活費」、こういうふうになっておりまして、それが(注)の4と5に書いてありますが、内訳としては授業料、その他直接必要とするもの、それから「生活費」としては食費や住居費云々というようなもので分かれておるわけでございます。その合計が数字として出ております。  こういうことで数字が出ておりますが、例えば大学についてちょっと申し上げますと、大学が、それぞれ国立が約百万強、私立が百四十万強でございますが、家庭からどのくらい仕送りしているかということになりますと、国立ではこのうち約七一%、七十三万三千円くらい、私立大学は八一%に相当しまして百十五万円くらいというふうに、私学の方が親御さんが少し余計仕送りをしているという状態になっております。率も高くなっております。それが三ページの表でございます。  それから、次の四ページをめくっていただきますと、そこに「(2)保護者が支出した教育費の推移」というのがございます。それから(3)は「学生生活費の推移(学生一人当たり)」、いずれも推移でございまして、便宜五十三年度、五十五、五十七、五十九、二カ年置きに行っておりまして、学生生活費の方はなかなか調査が難しいということから五十九年度までの結果が出ておりまして、六十一年度についてはまだ整理中ということになっておりますので年度が一つ足らないということでございます。  それで、それぞれ左側の欄が実額でございまして、単位は千円、それから年度比較を実質的に行うために五十三年度を一応右側の欄で一〇〇といたしまして、それぞれいわゆる消費者物価指数の総合指数で割り落として実質で比較するということを行いまして、その指数を参考までに書いてあります。そうしますと、上の(2)の方では「家庭教育費」という欄がそれぞれの学校にありますが、小中では「家庭教育費」が指数で上がっておる。それから公立の高等学校につきましては「家庭教育費」と「学校教育費」と両方が上がっておる、こういう状況でございます。  なお、私立高校については、最近調査を始めましてうまい比較ができませんので実額だけ挙げてあるということでございます。  それから、大学の方は下の方にありますが、これは今度は「学費」と「生活費」とありますが、「学費」の方が年度別に見ますと少しずつ上がっております。「生活費」はそれほどでもない、こういう状態になっておるのが実勢でございます。  六十一年度につきましては、小中等については調査しましたが、対前年度、六十年度との比較でいきますと二%程度の、最近では非常に伸びとしては低くなっておるという点を申し添えておきたいと思います。  次に、五ページをごらんいただきたいと思いますが、これは「全国勤労者世帯における消費支出に占める教育費及び教育関係費の比率(世帯主年齢別)」ということで、これは子供一人ではなくて世帯主で見てどのくらいの率で消費支出の中で教育費関係を支払っているかということでございます。これは文部省調査をしたことはございません。総務庁の調査をお借りして書いてあります。教育費というのは授業料、入学金、寄附金云々という直接使うもの、それから教育関係費というのは、今言った教育費に加えまして何となく生活で必要になってきそうなものということで、給食費とか学生服とか云々というものが並んでいるわけでございます。その両方を挙げておりますが、割合で見ますと、やはりだんだん年齢が高くなって、仮に二人いますと、中高、高大、あるいは大大というような子供を持つようになるほど経費が、比率がかかっておるというのがはっきりわかるわけでございます。  次に、六ページに移らせていただきまして、これは今まで文部省の方でデータで調べましたものを、例えば一人に直しますと、幼稚園に入り大学を卒業するまでに一体どのぐらいかかるだろうかというものを一つの仮定の計算をしたものでございます。一応年限はそれぞれ制度で決まってい最短年限で出るとしまして、五十九年度に出てきたデータをそのまま一挙に足したものでございまして、今後順々にかかっていく、そういう実態ではございません。幼稚園は私立、あと小中高は公立、大学は国立または私立、こういうふうにやっ てみますと、十八年間かかりまして、五十九年度のいわゆる価格でいきますと一人四百四十六万円というのが大学国立の場合、私学の場合は六百十七万円というのが一応の参考までの数字で出てくるものでございます。  以上が教育費について御参考までに提示しました資料でございます。  次に、三番目の育英奨学制度について簡単に申し上げます。  七ページの資料でございます。我が国育英奨学事業現状でございますが、まず御承知のような日本育英会というものが国の設置した特殊法人として事業を行っております。そのほかに、この表の上にありますように地方公共団体と社団、財団の公益法人、それから学校法人、いわゆる学校その他ということでいろいろやっておりまして、育英会以外でも三千八十二団体があるわけでございます。五十九年の状況でございます。この調査は毎年行うにはちょっと複雑でございますので、四年に一回ということになっております。五十九年という古い数字でございまして恐縮ですが、ことしの三月一日現在において新しい調査を行うという予定になっておりますので、ちょっと古くて恐縮でございます。  奨学生数はどうなっておるかといいますと、日本育英会が一番大きくて、合計欄にありますように三十九万五千人強、全体の六二%相当、それから民間の各団体などは二十四万人で三八%程度、こういうふうになっているわけでございます。全体で六十三万八千人強の奨学生がいるということでございます。  それから奨学金の総額でございますが、これは一番下の(3)の欄でございまして、合計で見ますと、大学から高校まで合わせて千百十七億、これは日本育英会全体の事業費の七五%、民間が二五%程度で三百六十八億、合計で千四百八十六億の奨学事業が行われているというものでございます。  それから、次のページに参りまして育英奨学事業概要、六十二年度でございますが、この表は月額をまず表示しております。六十二年度にありますように、それぞれ学校段階によっていろいろかかります。一番かかりますのは大学院というようなことで差をつけておりますが、月額を表示してありますが、六十二年度予算ではそれぞれ増加額という右の欄にありますような額を予算上増額しまして若干ずつ改善を図ったというものでございます。  それから九ページは六十二年度の事業費総額でございまして、六十二年度は千四百九十五億、対前年度百二十七億増ということになっております。人員では、貸与人員、この比較増減の欄の下を見ていただきますと九千五百人余りの増で、六十二年度四十四万人ということになっております。  なお、ここに第一種、第二種というふうな(注)に奨学金の種類を書いてありますが、日本育英会の場合は昭和十八年からずっと事業をやっておりましていろいろな大勢の奨学生を出してきましたが、その間約三百九十三万人、奨学金総額では一兆三千億というような累計になりますが、各分野でいろいろ御活躍いただいております。それで、だんだんと高等教育の規模も拡大し人員もふえてきましたので、五十九年度には制度改正を行いまして、いわゆる事業の一層の充実を図るという観点から、従来やっておりました無利子貸与制度整備を図るとともに、若干低い率で有利子の貸与制度を導入するなどの制度上の整備を図りまして奨学生の拡充も図っていくということにしたわけでございます。これは臨時行政調査会の答申にも即して行ったというものでございます。  それから次のページ、六十三年度事業の概要でございますが、これは今、国会に予算案を出さしていただいている内容でございますので「案」として表示しておりますが、貸与人員では約二千九百人の増、内訳は大学院を中心とするものということでございます。  それから、十一ページへ行きまして、総額では六十三年度案千五百六十三億、六十七億の増、人員ではさっき言いましたものなどを含めて三千三百人の増、四十四万四千人という規模を予定しておるわけでございます。  一応、概要でございますが、以上のとおりでございますので、よろしくお願いいたします。
  7. 長田裕二

    会長長田裕二君) 以上で内閣官房及び文部省からの説明聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  8. 山本正和

    ○山本正和君 まず総理府にお伺いいたしますが、育児休業の問題がこの中に指摘されておりまして、国民生活調査会で前回タレントのアグネス・チャンさんにも来ていただいていろいろとお話を伺ったのですけれども、子供を抱えた母親が、この調査の中にも出てきておりますけれども、経済的理由ということももちろんありますが、それ以外に、働きたいと。自分自身の仕事に対する非常に強い愛着といいましょうか、また研究なら研究に対する自分の一生懸命な取り組み、そういうものも含めて、これからの婦人社会生活を営んでいく上でどうしても世の中全体として考えなくちゃいけない問題、母性である婦人と言ったらおかしいのですけれども、母性を持っている勤労者といいましょうか母性である勤労者といいますか、そういう人たちが二十一世紀になりますと余計ふえてくるだろう、さらには社会的ないろいろな大変難しい専門的な分野にもどんどんそういう方がふえてくるだろう。そういうことに対する対応として育児休業の問題と、また、育児休業でなしに、働きながら休業せずに自分自身の職業生活あるいは研究生活を維持できるというふうなこととの両方がうまくやっていけるような事柄が必要じゃないか、こういうふうなお話をちょっとこの前聞いておりまして感じたのですけれども、きょうの総理府からいただいた資料をずっと見ておりまして、その辺の指摘がどの辺にあるのか、一生懸命見てみたんですがわかりにくかったので、もしその辺の問題についての調査やあるいは総理府としてのお考え方があったらお伺いしたい、これが第一点でございます。  それから、御説明ありましたけれども、もう少し説明していただきたいと思いますのは、いわゆる有業婦人といいましょうか働いている婦人と働いていない婦人との場合の出生率関係、少しお触れになったんですけれども、データをどの辺からどういうふうにおとりになったかということも含めてもう少しお聞かせ願えないか。要するに、職業生活ということによって子供を産むことに対する大変困難な条件というのがやっぱりある、こういうことと、それからもう一つは、実はそうじゃないんだ、職業生活していなくても現在もう少産化の傾向があってそして我が国出生率がだんだん減っていく、こういうふうになっていくんじゃないか、そういうことが言われておりまして、その辺の問題は統計やその他の問題ではどうあらわれているだろうか、この辺をちょっとお伺いしたいと思うのです。
  9. 川橋幸子

    説明員川橋幸子君) 育児休業の問題、それから先生のおっしゃった二番目は、その期間休まないで働きながら研究生活なり仕事なりを続けたい、こういう二つの問題が最初の御質問でいらっしゃるかと存じますが、要するに働く女性の環境整備というものをどのように考えるかということかと存じます。  先ほど新国内行動計画のところの説明が舌足らずであったかと存じますので、もう一回新国内行動計画説明させていただきたいと思います。  新国内行動計画の三十八ページをお開きいただきますと、先ほど申し上げましたように、育児期における条件整備ということが入っているわけでございます。(1)といたしましては「多様な保育需要への対応」。ここの部分保育所部分でございますが、保育所の行政、これは厚生省がお持ちになっていらっしゃるわけでございますけれども、三歳ぐらいから預けたい、あるいはもう少し、四歳ぐらいから預けたい、あるいは二歳ぐらいからと、預けたい人の希望によってさまざま異なるかもわかりませんが、少なくとも休まないで、産 後休業をとった後、あるいは少し家庭で面倒を見た後、研究者の方々、専門職の方々は休まないで働き続けたい、こういう希望を持たれる方も多いと思います。もちろん経済的な理由が非常に強くて、動機が強くてその間休まずに働きたいという人もいらっしゃいますが、そうした継続して働きたい人たちのための施策保育所保育所がその役割を持つと新国内行動計画では考えております。  ここで「多様な保育需要への対応」といいますのは、最近子供の数が減ってまいりましたので保育所が量的に足りないという問題は割合少なくなっているのではないかと言われております。量はある程度といいますか、一応の充足を見ていますが、むしろ働く女性の働く時間帯が、朝早い人もいますし夜遅い人もいますし、あるいは専門職の方々ですと、コンピューター部門の方々なんかですとそういう夜の労働もあるわけでございます。  そうした女性の働く時間帯が非常に多様になっておりますので、現在の定型的な開園時間でこれに対応し切れるかどうか、この辺の問題がこれからの課題ということになっておりまして、右側にございますように延長保育、夜間保育ですとか乳児保育ですとか、そういうところに力を入れていきたいというのが一つ条件整備でございます。  もう一つは、育児期間中は休みたい、それからもう一回仕事を始めたい、こういう女性ニーズがあるわけでございますが、それも二つのタイプがあるかと思います。大きく言って二つでございます。一つは、子供が満一歳になって母乳が離れて子供として一応しっかりしたといいますか、発達段階に入る、その一年ぐらいを休む、こういう人たち育児休業制度対象になる方々でございます。わずか一年、人によってはあるいは十カ月という方もいらっしゃるかもわかりませんけれども、非常に中断期間が短くて仕事のキャリアを継続していきたいという希望の強い方が育児休業制度対象者に入ってこられるわけでございます。  そういう点では、ここに「育児休業制度の普及促進」という項目がございますが、先ほど文部省の方から教職員のための育児休業法のお話が御紹介されました。それは四十ページをお開きいただきますと、四十ページの一番上のウのところに位置づけられているわけでございます。ですが、この育児休業に関する法律は、義務教育学校女子教育職員とか、あるいは医療施設や社会福祉施設の看護婦さん、保母さん等という、こういう人材を確保するための法律という、対象が限られておりますので、一般の民間企業の女性たちには労働省が現在進めております育児休業奨励金制度でもって企業の導入を促進していく、こういう段階にあるわけでございます。  育児休業の場合もやはり企業の側にとってはその期間代替要員の確保が難しい。代替要員を確保して休んだ方がまた職場に復帰されますと、その代替要員の方の処遇をどうするかとか、企業の雇用管理では非常に難しいものがあると言われておりますけれども、労働省の方では育児休業奨励金制度でもって進めていきたい、こういうお話でございます。  それから、もう一つの中断期間がかなり長い方、学校に上がるころからお勤めをなさりたいとか、そういうタイプの方々に対しましては再雇用制度というのが、この四十ページに書いてございます「女子雇用制度の普及促進」。ある程度の中断期間が長く、御自分でその長さも自由に選択して、そしてもとめ会社にもう一回再雇用される。その場合はもとの会社ということであれば退職前のキャリアが評価されるであろうということが予想されるシステムでございます。そういう制度がございます。  それから、大きく言いますと働く女性の今の育児環境は、一つはやはり親が見る、親戚が見るといいましょうか、家族内でそれを賄っていらっしゃる方が多いかと思います。それから二つ目は保育園でおやりになる方、それから企業のこうした雇用管理を活用して休む方、いろいろな方がいらっしゃると思いますので、そうした多様なメニューを整備したいという趣旨でございます。  それから、働いている主婦と働いてない主婦の場合の、働いてないというのはちょっと、主婦の方は家庭では働いているわけでございますけれども、雇用市場に出ている方、出てない方で出生率がどう違うかというお尋ねでございましたが、お尋ねにお答えするには私は余りにも専門的な知識は少のうございますけれども、このライフスタイル予測研究の百三十九ページをお開きいただきますと、妻の就業状態別の平均予定子供数というのが書いてございます。予定子供数でございますので、実績値というよりも産みたいという子供の数が出てまいるわけでございます。ここのc)の部分の表になるわけでございますけれども、常勤、フルタイムであってもパートタイムであってもあるいは家庭内の就業であっても、それから家庭の中にいらっしゃる、仕事をしていない、家事に専業していらっしゃる無職の方でも大体二・〇から二・三ぐらいの間に分布しておりまして、ほとんど仕事の有無によって差は出てこないというのがこの表からはうかがえるところでございます。
  10. 山本正和

    ○山本正和君 それでは、資料をずっと見させていただいてまだ勉強しなきゃいけない部分がたくさんありますので、今後またいろいろと総理府等から資料等も提示していただきたいのですが、私の方からきょうは要望を申し上げておきたいと思います。  一つは、育児休業制度が諸外国でどういう形で行われているかという問題です。特にスウェーデン、西ドイツあるいはフランス、イギリス、こういったような国、アメリカの場合は若干州によって違いがありますから、幾つかの類型を見て、アメリカではこういうふうな類型という格好で資料がとれないかということです。要するに育児休業についてのデータを何とかそろえていただけないだろうか。私どもの方で私なりにいろいろと調べてみるんですけれども、なかなかこの点中身が難しいんです。その辺で、この「女性ライフスタイルに関する予測研究」の中でも若干いろいろなことに触れておりますけれども、具体的な格好でのそのイメージがどうもわかないものですから、具体例としてそういうものがないか。もし今若干でも御説明いただけたら御説明していただいて、あと、できましたらそういうふうなものをつくっておいていただきたい、これが要望でございます。この中の最後の方に「諸外国の状況」という格好でライフスタイルについての諸外国の状況ということが書いてありますけれども、この問題、これよりは今のような格好での具体的な数字でお出しいただいた方が理解しやすいじゃないか、そんな気持ちを含めて、どうも見てみたんですけれども、データがないように思うものですから。  それからもう一つは、大変気になるのですけれども、これ全般を眺めておりまして、これは出生率の問題とは少し離れますが、家庭内で非行が起こる、あるいは校内暴力等が起こる、そういうふうな家庭内暴力あるいは学校内暴力等の問題が父親の教育力欠如といいましょうか、その部分に重大な責任があるというふうな傾向に流れているように思うのです、全体のこの記述の中身が。私はどうもその辺が教育学的に議論されている部分と少し違うように思うものですからね。要するに、父が教育についてこれを全く放置している、だからいわゆる非行といいますか問題行動が起こるんだと。実際はこういうふうな問題じゃない、もっとさまざまな要因がいろいろあります。ですから、ここでちょっと心配するのは、父親と母親と責任のなすり合いをするような感じがちょっとするものですから、その辺の、二十一世紀のライフスタイルにおいて父親と母親がお互いに果たさなきゃいけない役割は一体何なんだという中での御検討を、教育の専門家のいろんな意見等も含めた格好での御検討を少し願えないだろうか、これが二番目の要望でございます。  もしありましたらお聞きしまして、あと文部省に……。
  11. 本多秀司

    政府委員本多秀司君) 御要望として承ってお きます。  私どももそれに沿ってできるだけデータ等を集めるなり、あるいは分析を進めたいと思いますが、最初育児休業関係が諸外国でどのように行われているかという御要望、私どもも一部のデータは持っておりますが、第一義的には労働省さんの方でかなり資料が整っていると思います。たしかきょうの午後引き続きこの調査会が行われるというふうに聞いておりますので、私どもももちろん労働省の方と接触いたしますけれども、労働省さんの方がより正確、詳しいデータを持っておると思いますので、その段階で説明が労働省からなされるのが最も適当じゃないかと思います。  それから二番目の教育、父親、母親の二十一世紀に向けての役割でございますが、特に家庭内暴力等との関係、これは私どもも文部省さんあるいは総務庁の方とも連絡をとりながら勉強を進めてまいりたいと思っております。
  12. 山本正和

    ○山本正和君 それでは文部省にお伺いいたします。  ちょっと初めに数字で少しお聞きしておきたいのですけれども、一つは、育児休業制度をつくっていただいて、学校や病院等で働いておられる婦人の方が大変これを有効利用されるといいましょうか、育児休業の許可を受けたいという人がふえてまいりまして、そのことでかなりな成果が上がっているというふうに私は思っているのでありますが、ただ、同じ学校で働いておりまして、そうすると事務職員もおれば栄養職員もおる。ところが、例えば小学校あたりでいいますと、事務職員といえばこれは子供から見ると先生なんですね、事務の先生、こういうふうに言われている。その先生がいないとやっぱり何となく寂しいというふうな問題がありますし、栄養職員でも調理の先生、料理の先生というふうな状況になってきている。そんなことから各県でもそれぞれの対応をいたしまして、かなりの県が、これは一年ではありませんけれども、三カ月とか半年とか区切ってこの育児休業に準ずる扱いをそれぞれの自治体の負担でもっておやりになっている、そういう例がふえているように聞いているのですが、現在どれぐらいの県がそういうふうなことをやっているのか、もし数字がございましたらお聞かせいただきたい、これが一つでございます。
  13. 菴谷利夫

    説明員菴谷利夫君) 大変申しわけございません。その点の調査は今やっておりませんので、ちょっと数字は申し上げられないということでございます。
  14. 山本正和

    ○山本正和君 それでは一遍調査をしておいていただきますようにお願いしたいと思います。  それから次に、文部省考え方としてお伺いしたいんですけれども、前回この国民生活調査会で、たしか中村教授がお話の中で、大学の教官にも婦人が随分ふえてきているんだと。ところが、その婦人の教官がお産をするとなっても全く講義の代替はできないと。研究は自宅でおやりになれますけれども、講座の代替等はなかなか難しいという問題があって、また場合によっては育児休業も必要じゃないかと。休業と言ったらおかしいんですが、研究者ですから研究の中断はあり得ないと思うのですけれども、そういう大学の教員等については今後お考えになっているのかいないのかということが一つでございます。  それから二つ目に、私学にもやっぱり同じように子供を担任して、特に中学校高等学校あたりでは女子教員がかなりおる。私学ではこの育児休業がほとんどやられていないというふうに聞いておるんですけれども、そういう私学側との話し合い、あるいは文部省としての指導はかつておやりになったことがあるのかないのか、また今後どういうふうに対応されていくのか、その辺をまずお聞きしたいと思います。
  15. 前畑安宏

    説明員前畑安宏君) まず大学の問題についてお答えをさせていただきますが、私ども現在のところ大学の教員について具体にそのような問題を受けとめて検討しておる状況にはございません。今後、また関係の方から御要望があればその時点で検討させていただきたいと思っております。
  16. 山本正和

    ○山本正和君 私学の方はどうですか。
  17. 菴谷利夫

    説明員菴谷利夫君) 一般的に、ちょっと正確にはわかりませんが、労働省の方で、努力でしたか、そういうのがございますね。そういうのを連絡はしていることはございますが、特別に力を入れてああしましょう、こうしましょう、あるいはそのためには経費をどうするというような、そういう対応はしておりませんということでございます。
  18. 山本正和

    ○山本正和君 私学も文部省の補助対象としていろいろやっておるわけでありますし、それから私学の運営を実際に見てみますと、特に中学校高等学校の私学を見ると、非常勤の職員が非常に多いのですね、臨時職員が。ですから対応し得ないというふうに私は思わないのです、特に教壇職員の場合、あれだけたくさんの非常勤の職員がおるわけですから。要は、問題は学校の経営の効率のことにどうしてもなっていくんだろう、採算の問題だろうと思うのですが、その辺、やっぱり文部省として子供教育の観点からいきますと、妊娠された先生が大変苦しい思いをしながら教えられる、あるいは子供を抱えて教えられるということでの教育への影響、これを考えた場合に、私学に対する何らかの御指導というものがあってもいいんじゃないかというふうに思いますので、この辺については御検討をいただけますですか。
  19. 菴谷利夫

    説明員菴谷利夫君) まず、私学団体もございますので、そちらの方と連絡をとらせていただきたいと思っております。
  20. 山本正和

    ○山本正和君 それから、あと教育費のことがずっと書いてありまして、確かに出生率に影響するのは、さまざまな社会的要因もありますが、子供教育に随分金がかかるということが何といっても今から親になろうとする者にとっては重大関心事になる。ところが、文部省でお調べいただいた調査を見てみますと、教育費のうちの家庭で要する経費という格好で出ておりますが、実際は塾ですね。特に進学塾等の経費が莫大なものに上ってきている。正直言って家庭教育の中で一番問題なのは、塾へ行っている時間もそれからそのエネルギーも含めて、特に大変経費がかかる。教材等もかなり高価なものを買わされるという内容になってきておるんですけれども、これはやっぱり国の教育全般を責任を持つという立場からいって文部省としてもこの塾問題というのは当然扱わざるを得ないんじゃないだろうかというふうに思うのですが、塾のこういう経費等の問題については文部省としてはどういうふうなお考えなのか、もしあれば伺いたいと思います。
  21. 渡部蓊

    説明員渡部蓊君) 家庭教育費についてのお話でございますが、私ども家庭教育費二つの見方で整理してございます。一つは先生ただいまおっしゃいましたように塾の問題。それからもう一つはおけいこごと、例えばピアノであるとかテニスであるとか水泳とか、そういうようなもう一つの範疇で分けてございます。  それで私どもも、先ほど先生おっしゃいましたように、子供さんの数が少なくなっていることに伴って一人一人の子供さんに対する面倒見と申しますか手当てが行き届いている、そういうような形が一つ原因しているのであろうと思います。それからもう一つは、所得が上がりますと、その増加分のかなりの部分がこういう教育教養費にいく傾向がございます。そういうようなことで家庭教育費がふえていると思います。  御指摘の塾の問題でございますが、文部省といたしましては、学校における学習指導の充実を図っていく。つまり、塾に行かなくてもいいような形で一人一人の子供さんの理解を高めていくとか、あるいは進度のおくれがちな方に手厚く指導をしていくとか、あるいは入学試験のあり方であるとか、さまざまな方法によって対応していきたいということで、塾の持つ弊害、あるいは子供の生活に悪影響を及ぼすようなことでないような形で指導していきたいというようなことで従来からたびたび指導通達等を出して考え方を明らかにして、保護者も含めた形で御理解を得ていきたいと いうことで対応してございます。
  22. 山本正和

    ○山本正和君 これは私は必ずしも賛成じゃないんですけれども、韓国で塾とか家庭教師は法律でもって禁止されている。もしそういうことをやれば法で罰せられるというぐらい規制している。というのは、韓国も日本同様に学歴社会なんです。ですから、親の願いからいえばどうしてもいい学校へ入れたいということが出てくる。それは大変な弊害が生まれるというので、これは日本の国と大分事情が違いますけれども、そこまで国として本腰を入れてそういう問題に取り組んでいる。そのことは私は私なりに評価できると思うのですけれども。  ところが我が国の場合、昭和三十年代あたりから盛んに学校教育の中の弊害として言われたのが、三ト追放と言われたんです。アルバイト、リベート、もう一つはプレゼントですか。要するに、その当時は学校の先生が一生懸命アルバイトしておったのが、アルバイトとまったわけですよ。これは教育委員会なり文部省なりが一緒になって教師にそういうことをさせるのはやめさせようというので、教師もそのつもりになってやめて、ですからその当時、安い月給でアルバイトの収入がなくなって食えなくなるぞというようなことを言った時代もあったのです。  ところが、そうやったのはいいのですが、そのかわりに何が生まれたかといったら塾ができて、これ十兆円産業、もう十五兆円になるんじゃないかと思うのです。そういうふうなところに行ってしまっているというのは、これはやっぱり国として放置できない問題じゃないか。これはだれも言わぬですけれども、親はみんな本当に喜んで塾へやっておるのはおらぬのですよ。塾へやらなければ偏差値の点数が上がらないからやっている。  ですから、これはやっぱりもう少し文部省深刻に考えていただけないものだろうか。もちろん、本当は大学入試制度の問題がありますし、大学制度の問題が根幹にありますけれども、当面、しかし学校の教員のアルバイトをなくしてしまったというふうなことからいっても、もうちょっと何か手が打てるのじゃないかと思うのですが、その辺についての御検討をぜひお願いしたいと思うのですけれども。
  23. 菴谷利夫

    説明員菴谷利夫君) 山本先生の御指摘の点非常に重要なんですが、仕事という言い方はおかしいのですが、文部省が行政対象としてどうするかということになると非常に難しい点がございます。そこで、おっしゃるように、背中で言えばシャツの上からかくような調子でやってきたわけでございますけれども、いろいろと社会問題として話題にもなりますし、子供の心身にわたる健康の問題もありましょう。それから学歴社会が過熱するというようなこともある。  それで、六十年ごろ幅広い有識者を集めまして、いわゆる学校外学習活動に関する調査協力会議というのをやって一応の報告をいただいて、とりあえずは通達でございますけれども、いろいろ各学校教育委員会に努力していただくことをお示ししたということがございます。  これは要因が、今先生いろいろ挙げられました学校の先生がやらなくなったということのみでなく、いろいろな原因が絡まっていると思いまして、難しい糸のこんがらがりですけれども、一応項目的に申し上げますと、いわゆる日常の学習指導とか進路指導、これを充実するとか、あるいは学校自体が生き生きとしたものになっていくような学校づくりを推進するとか、それから入学者選抜の問題がございます。それから学歴社会の風潮をどうするかというようなことがあります。それから、そういう塾に行かなくても済むというのが理想ですので、先生の指導力の向上というのもあります。その他いろいろあります。努力することはいろいろありますけれども、その中で、非常に自由な選択ができる日本社会ですので、いろんな競争は世の中から消えないとすれば、どうしても人よりよくするために、経済的余裕のある限り少しでも有利に動こうというこの心理については抑え切れない。韓国で今先生例に挙げられたようなことが実施されたということは我々も聞いております。それではぴたりといったかというと、見えないところで何かがあるということもあるようでございまして、奥深く、事態は消えないでどこかへ潜ってやられておる可能性があるというような、いろいろ難しい問題であろうと思います。  ただ、今言いました塾産業については、文部省としても従来いわゆるらち外という考えがどちらかというと強かったのですが、これからは、おっしゃるように、できるだけ仕事対象に入れて対応していきたいというふうに変わりつつあることだけ申し上げておきたいと思います。
  24. 山本正和

    ○山本正和君 時間でございますので、最後に一つだけ要望しておきます。  実は、昨年国民生活調査会長田会長とそれから坂野理事と私、三人で西ドイツへ参りまして、西ドイツのボンで小学校と青少年センターを見せてもらったのです。そうしたら、学校におる時間は小学校は四年生まで四時間、午前中だけなんです。四年生で卒業ですけれどもね。そして後、中学校、もちろん日本で言う高等教育に当たる部分もありますけれども、ゼロ歳から十八歳までの青少年すべてを引き受ける青少年センターがそれぞれの字々にある。そこが全部青少年の校外活動を引き受けるというふうなことで、社会教育の分野について明確な立場を持っている。ところが、我が国はそういう社会教育の分野が、施設もあるいは人員も何もかも含めて、制度としても大変弱いんじゃないかと思います。子供を産んで、安心して子供が育つということがまずあって出生率がどうなるかという議論ができると思いますから、そういう意味で、こういう社会教育の分野における、また諸外国の例等も含めまして、ぜひとも御検討をお願いしておきたい、これを要望いたしまして、質問を終わります。
  25. 小野清子

    ○小野清子君 国民生活に関する調査会、産むということを取り上げましてきょうは三回目になろうかと思います。  それで、少子化の問題がこの産むという問題を取り上げることになったと思いますが、その原因は、産みたくてもいわゆる条件整備が整わなくて産まないということと、産みたくない、子供が要らないという立場と、そのほか幾つかあろうかと思います。そうした中で、先ほどの御説明の中で西暦二〇〇〇年には一・九六人、二〇二五年には二・〇人、こういう予測が十一ページに出ているわけでございます。これは産みたいという希望者が職場と家庭の厳しい現実によって挫折しないように、出産育児をめぐる環境、条件が整備されればこのようなことが予測されるであろうということでこの数字が出されているかと思いますけれども、それとさらに晩婚化によるものであるということがうたわれております。男性は外で仕事をし女性家庭でという概念が、やはり男性も女性も同様に生きがいとか仕事というものをしっかり持って人生を考えるようになってきたことにおいて女性問題としてこのように取り上げられていると思うわけです。  ですから、この予測というものが簡単にいわゆる条件整備ができることだけでそんなにうまくいくものかどうか、その辺をちょっとお伺いしてみたいと思います。
  26. 川橋幸子

    説明員川橋幸子君) 先ほど私どもが有識者会議意見で御説明した数字を先生引用してくださいましたが、この予測の数字は厚生省の人口問題研究所が六十年の国勢調査に基づいてやった数字でございます。  予測どおりにいくかどうかということはちょっと申し上げる立場に私ないのではないかと思いますけれども、少なくとも有識者会議先生方は、先生先ほどおっしゃった、結婚しないという女性はふえない、それから産まないという女性はふえない、やっぱり女性の場合は子供を産んだり育てたりすることに生きがいを感じる女性も多いので、条件整備をしていけば可能ではないかという予測になっております。
  27. 小野清子

    ○小野清子君 いわゆる数字の上からの予測、そういうことなんでしょうか。
  28. 川橋幸子

    説明員川橋幸子君) 厚生省の人口問題研究所の中では、私は専門的なことは存じ上げませんけれども、さまざまな意識調査女性、男性に対する意識調査、しかもそれの属性別の調査、それから意識調査じゃなくて統計調査をベースにして予測されている、数字ではございますが、そういう裏づけを持った数字かと存じます。
  29. 小野清子

    ○小野清子君 先ほど三十五歳から八十歳までがもう育児を終わった年齢として大変これが社会進出のための一助になっているというお話でございました。育児期間というものが大体十年間という数字もここに出ております。そういう観点からしますと、余り慌てずに育児をしっかりやってそれから社会進出、いわゆるこれは改めて再就職という面が充実されていくことによって随分その辺が開拓されていくものではないか、そんなふうに私もこの数字から今御質問申し上げるのですけれども、その辺の先の見通しはどんなふうにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
  30. 川橋幸子

    説明員川橋幸子君) やはりそういうように考える女性もたくさんいらっしゃるのではないかと思います。今高学歴化いたしましたので、学校を卒業して就職するというのは当たり前といいましょうか、以前のように女性は働くものではないというような、そんな意識は非常に低くなったと思いますが、独身時代に働く期間というのはせいぜい五、六年かと思います。下の子が小学校に上がると育児の大変な時期が終わるわけでございますけれども、そこから先もし六十歳ぐらいまで働くといたしますと独身時代の働く期間五、六年の五倍ぐらいの長さになる。本格的に働こうという女性はそこでもう一回人生選択なさる方が多いと思います。
  31. 小野清子

    ○小野清子君 そうなってきますと、要するに女性の職業あるいは生きがい、そういうものを考えていきますときに、再就職と就業形態の多様化という言葉も先ほど出されたわけです。ですから、九時から始まり五時までということではなく、例えば変形労働時間の問題なんかも今言われているわけですけれども、そういった意味でのさまざまなものが女性社会仕事をする上で条件整備一つになっていくのではないか、そんなふうに思いますが、再就職の実態というものは、これは労働省でしょうか、ここでの質問は難しいでしょうか。
  32. 本多秀司

    政府委員本多秀司君) 先生おっしゃるとおり、労働省でそういった分析なりあるいはデータをお持ちだと思いますし、それから、実は私ども総理府といたしましてはいわば調整機関なものですから、私ども自身は今すぐどういうデータを持っているかとなりますとちょっとわかりかねるところがございます。例えば国勢調査なりあるいは就業構造基本調査、これはいずれも総務庁でやっている調査でございますが、そういうデータは今言ったような資料あるいは労働力調査とかそういう関係資料からとらえることができると思いますが、今具体的にどういう数字ということはちょっと私も頭にはございません。
  33. 小野清子

    ○小野清子君 ありがとうございました。  では文部省の方にちょっとお伺いをしたいと思います。  育児休暇の申請が出されている数字が先ほどいろいろ出されておりましたけれども、これは地域差というものがあるかどうか、その点をまずひとつお伺いしたいと思います。もしあるとすればどんな理由でそういう差が出るのか。それからまた、そういうものに対する何か手だてが打たれているのかどうか。その辺をちょっとお伺いしてみたいと思います。
  34. 菴谷利夫

    説明員菴谷利夫君) 地域、例えば県別というようなことですが、今数字を見たわけでございませんが、ちょっと担当者に聞きましたら、各県による特別でこぼこは余りないというようなことだそうでございます。
  35. 小野清子

    ○小野清子君 県の差はないと。
  36. 菴谷利夫

    説明員菴谷利夫君) はい、特別有意な差はないようだそうでございます。
  37. 小野清子

    ○小野清子君 そうしますと、教育の面と医療の面とかいろいろな、特に女性の職場とされている中での差はいかがなものでしょうか。
  38. 菴谷利夫

    説明員菴谷利夫君) 教育の中ではちょっとデータございましたが、例えば出しております資料の二ページですが、高等学校が若干低いという感じがございます。平均でいきまして二ページの表の六十年度、小学校が八七、中学が八八、高校八一、盲、聾、養護の各学校約八七ということでございますので、高校が若干低い。医療関係については、私どもデータを調べませんでしたので、ちょっと比較が今のこの段階ではできないので、申しわけございません。
  39. 小野清子

    ○小野清子君 それぞれの働く職場におけるそういうデータをぜひまた教えていただけたらと思います。  それから、子供を産むときに、最近は教育費が高くてなかなか三人は無理だ、こういうお話が一般的によく聞かれることで、そのほか住居が狭いとかいろいろあるわけですが、いわゆる今の学生たちのアルバイトというものが定例化しているわけでございます。そのアルバイトと学費の関係というのは何かデータがありますでしょうか、お伺いしたいと思います。
  40. 前畑安宏

    説明員前畑安宏君) アルバイトと学費の関係ということでございますが、具体にアルバイトが学生の収入の中でどの程度の比率を占めておるかということについては、この学生生活調査の中でしたものがございます。  学生の収入が家庭からの給付、それから奨学金、アルバイト、定職、その他、こういうことでございますが、平均的に申し上げますと、百四十万の収入のうちで一番大きいのは家庭からの仕送りが百万、アルバイトが二十六万六千、こういうふうな数字になっております。平均的にはそういうことでございます。
  41. 小野清子

    ○小野清子君 それは年間ですね。
  42. 前畑安宏

    説明員前畑安宏君) 年間でございます。
  43. 小野清子

    ○小野清子君 そうすると、月にすると二万程度ということになるわけですね。  ここでお伺いしたいのは、奨学金がいわゆる学生の学費の面でどれくらいの力をなしているのか、その辺をちょっとお伺いしたいと思うのです。
  44. 前畑安宏

    説明員前畑安宏君) 昭和六十二年度でございまして、推計をいたしたものでございますが、学生生活費が、例えばちょっと分けて考えますと、私立大学の自宅の場合に月にして約十万円程度かかるんではないか、こう六十二年度の推計をいたしております。それに対しまして奨学金は三万五千円ということでございまして、約三分の一ということになります。国立大学の場合の自宅でございますと学生生活費が月額で約七万五千円、これに対しまして奨学金、これは日本育英会の奨学金の月額でございますが、これが二万六千円、これもやはり約三分の一程度。自宅から通学をしていて日本育英会の奨学金をもらうと約三分の一は奨学金が占める、こういうことになろうかと思います。
  45. 小野清子

    ○小野清子君 なぜこういう質問をしたかと申しますと、これは全く数字やきちんとした資料のもとにお話しするわけではございませんけれども、アメリカの学生は自分の授業料は自分で働くものであって、親には一切迷惑をかけないというのがアメリカの大学生の通常であるというお話を何度か聞くことがあるわけです。それは休みが多いということの中におけるいわゆるアルバイトに対するウエートも違ってくるかと思いますけれども、これからの時代日本もそういう傾向になっていくのかどうか。いわゆる大学生活というものが、教育費ですね、親に余り面倒をかけないでやっていける時代になっていくのか、それともやはり親の重荷に従来どおりなっていくのか、その辺が今回の少子化の問題と関連があるものですから御質問申し上げたいと思います。
  46. 前畑安宏

    説明員前畑安宏君) 今、小野先生お尋ねの点は、私どもも前にアメリカの状況調査したことがございまして、アメリカの場合には、いわゆる新一年生、フレッシュマンでございますが、このフレッシュマンに対しましては奨学金を貸与しな い、こういうことも言っておりました。それは、一つには御案内のとおりアメリカの場合にはドロップアウトが非常に多い。フレッシュマン、新一年生はかなり多く採って、そしてそれをどんどん振り落としていくというふうな状況がございますので、フレッシュマンに対しては奨学金の対象にしないんだというふうな話もございました。ただ、それに対しましてもう一つの向こうからの話としましては、フレッシュマンのところぐらいは親が責任を持って入れるべきである、こういうふうな説明もいたしておりました。  我が国の場合今後どういうふうな傾向をたどるかという、大変難しい問題ではございますが、我が国とアメリカとの、これは基本的には先生方が御審議いただいておりますが、やはり国民性の違いというのが非常に顕著にあるのではないか。我が国の場合には、大学に一度入ったらこれを、いろいろ御議論はありますが、そこで振り落としをしてドロップアウトさせるというのは非常に難しいということと、それからもう一つは、これは大変悪い例ではございますが、数日来新聞をにぎわしているようなケースもありますが、親の方が子供を大学に入れることに大変ないわば精力を費やすという国民性があるということは否定できないかと思います。  そういうことを考えますと、そうにわかにアメリカのような意識が一般に広まることはないのではなかろうかというふうに考えております。
  47. 小野清子

    ○小野清子君 この辺がいわゆる私などは少子化の問題の住居とあわせた何本柱かのうちの非常に大きな柱ではないかと思うわけですけれども、子供たちの認識というものもだんだん変わっていくだろうと思いますし、アルバイトも大変やりやすい時代になってきて、これが果たして学生にいいのかどうか、これは別問題といたしまして、そういった意味での新しい時代がこれから日本の中でも展開していけたらと、そんなふうに思います。  それから、最後ですが、先ほど山本委員からもお話がございましたが、大学の女子教授陣に関する問題でございますが、高校が非常に申請が少ないというのも、やはり女子の教師がいわゆる小学校、中学校、高校、大学と、上にいけばいくほど少なくなっていくのが現状でございますね。そういうふうな人数の少なさというものがやはり申請の声の少なさというものにつながって、そしてこれが体制整備の遅さにもつながっていくということになるのではないか、そんなふうにも思うのです。  それで、筑波大学の場合には子供を持っている学生が授業ができる、そのような既婚者の宿舎まで用意されておりまして、まさに開かれた国際大学として出発をしているわけですが、現実はなかなか利用者が少ないというお話も聞いております。これをあわせまして、やはりこれから日本の中におきましても、諸外国の方々を、国際交流が盛んになりますし、外国からも日本に大勢の研究者なり留学生などを受け入れるようになりますと、アジア地区の場合には逆に大学生で本当に年代のさまざまな学生がおりますので、出産を学生時代に経験する方も私は出てくるのではないか、そんなふうに思うわけです。  そういった意味で、申請がないからそういうものを整備しなくていいのだということではなくて、やはり国際国家日本という立場におきまして、これからぜひこういった意味におきましても、申請あるなしは別にいたしまして、そういった意味での条件整備というものを整えて、いろいろな方々が自由に学びそして学問をあるいは研究を続けていけるような体制にしていただきたいと、最後に要望を加えまして、質問を終わりたいと思います。
  48. 前畑安宏

    説明員前畑安宏君) お尋ね、二点かと思います。  第一点、大学についての育児休業の問題は、先ほどもお答えをさせていただきましたが、今後具体の課題になりましたらその時点で検討させていただきたいと思います。  それから第二点の学生に対する宿舎の問題、これは当面、御指摘のような問題もございますので、私どもは留学生についてはできるだけ家族の居住ができるようなものを含めて整備を図っていきたいというふうに考えております。
  49. 高木健太郎

    高木健太郎君 総理府の方にお伺いいたします。  大変膨大な資料をいただきまして、よくまだ理解ができない、またお話も大変かいつまんでお話しになりましたので十分な御質問はできないと思いますが、二つお聞きしたいと思います。  この資料の4の五十五ページですけれども、ここにライフステージのことが書いてございます。これで見ますと、祖母時代は末子が就学し結婚し、そしてごくわずかな時間しか暇がないわけですが、娘の時代になりますと子供を育てる時間が十年ぐらいで後はかなり暇になる、そういうことでございます。この間に最近どれぐらい女子の方は就職しておられるか。それから、M字型という言葉もございますけれども、大体どれぐらいの女性の方が就職しておられるか、あるいはパートで働いておられるか、そういうことは、後の方にも書いてありますが、一緒にまとめてどういうふうになるわけでしょうか。  末子が結婚するのが五十五・九歳で夫が死亡するのが七十三・六歳、その後女性の方はまだ生き続けられるわけですけれども、この間どのような生活をしておられるか、あるいはその間再就職をされてどこかで働いておられるか、その働いておられるパーセントはどれぐらいだろうかということです。
  50. 川橋幸子

    説明員川橋幸子君) 詳しいデータはまた午後の労働省のところでお聞きいただければありがたいと思いますが、私ども労働省からもらっておる資料で申し上げたいと思います。  六十四ページのところに年齢別の、同じこの資料の4でございます、M字カーブがどのように上がってきたかという年次推移をグラフにしたものがございます。図12でございます。ここで先生おっしゃった五十五歳ぐらいの女性労働力率を見ますとちょうど五〇%ぐらい、半分の方が労働市場に参加しておられる、こういう数になるわけでございます。  そのときの、五十五歳ぐらいの方々の就業状況がどうかというお話でございますが、労働省から資料は私どもももらってはおりますが、本日手元に持っておりませんので正確に申し上げられませんけれども、大ざっぱなイメージを申し上げますと、今の五十五歳ぐらいの年代の方々の場合は雇用労働者の割合よりもかなり自営業の割合が高いのではないかと思います。それから、もちろん雇用労働者の方もいらっしゃると思いますが、その中の割合ではパートタイマーの方の比率もかなり高いのではないかと思われます。  大変大ざっぱなお答えで申しわけございません。以上の感じでございます。
  51. 高木健太郎

    高木健太郎君 それからその次に、百十一ページに離婚率というのがございますけれども、これは年代による離婚率の差が、年齢によって関係が書いてございますが、私この間沖縄に行きましたけれども、沖縄では離婚率がかえって多いというような話を、結婚をして都会に出て、そしてそこで離婚をして帰ってこられるという方が多いという話を聞きました。地域別にこれはどういうふうになっておるでしょうか。
  52. 本多秀司

    政府委員本多秀司君) 今、手元に数字がございませんので何とも申し上げられませんけれども、おっしゃるとおり沖縄県あるいは北海道でもそういう離婚率が高いということは私どもも聞いておりますけれども、具体的に地域別の離婚率のデータ、これはここに資料にございます人口動態統計及び国勢調査資料の出典だと思いますけれども、戻りまして調べないと、ちょっと今の段階で地域別のデータがあるかどうかは申し上げられません。
  53. 高木健太郎

    高木健太郎君 できればひとつ調べていただきたいと思いますけれども。
  54. 本多秀司

    政府委員本多秀司君) かしこまりました。
  55. 高木健太郎

    高木健太郎君 では今度は文部省との関係でお 聞きいたしたいと思います。  まず、文部省資料のページ五というところをごらんいただきたいと思いますが、「全国勤労者世帯における消費支出に占める教育費及び教育関係費の比率」というので、昭和六十一年度の調べでございますが、これは子供の数とかそういうことによらない統計でしょうか。子供の数はこの中には含まれていない、あるいはその収入がどれくらいとか、そういうことはどういうふうに、これ何例くらいのものを集めた統計でございましょうか。
  56. 渡部蓊

    説明員渡部蓊君) 五ページの資料でございますが、六十一年度で申しますと、ちょっとここの資料には書いてございませんが、若干説明させていただきますと、昭和六十一年度で、これは総務庁の調査でございますが、世帯人員が三・七八人ということにした場合に有業人員が一・五七人、それで世帯主の年齢が四十三・四歳ということで、大体四十三から四十四の年齢のときでごらんいただきますと、ここの実収入が大体四十五万三千円になっております。そして可処分所得が三十八万円、という中で消費支出が大体二十九万三千円、二十九万三千円の消費支出の中での八・二%程度が教育費の方に回っているというようなことで御理解していただければということでございます。
  57. 高木健太郎

    高木健太郎君 これは四十から四十四歳の方ですね。
  58. 渡部蓊

    説明員渡部蓊君) はい。ちょっと私どもモデルとして今一つしか持ってきておりませんので、後でまた先生の方に詳しいデータを届けさせていただきます。
  59. 高木健太郎

    高木健太郎君 総理府の方も文部省の方も大変立派な統計を持ってきていただいたのですが、こちらがよく理解できるだけの周辺のことがわからないわけなんです。ただ六十一年度で幾らと言われても、どれくらいの収入の世帯を集めたのか、それもここではわからない。だから判断の仕方が非常にこちらもあいまいとしてお聞きしにくいわけなんですが、例えば今三千七百世帯ですか、その中で可処分所得が月額三十八万円、そういう者の四十歳から四十五歳の人々における教育費の占める割合が大体八・二%である、こういうことなんですね。
  60. 渡部蓊

    説明員渡部蓊君) はい。
  61. 高木健太郎

    高木健太郎君 私、何かこれ少ないような気がするんですよ。もっと教育費には出ているんじゃないか。例えば四十歳ぐらいになると子供がもう二十ぐらいになる、大学ぐらいに行っているのじゃないか。そうすると、五・九プラス八・二ですから一四・一ぐらいになりますね、全体の。そんなものだろうか。もっと教育費が多くないだろうかなという、私初めから先入主があるのかもしれませんが、そういうような気がする。  それからまた、教育費と言っても、これは下宿料とかいろいろ加えてあるでしょうが、自分の土地で学校に入っている人、しかも国立に入っている人、そういう人と、それから私立の大学に入っている人、しかも東京なんかに出ている人、そういう人はもっとずっと多いのじゃないかという気がするのです。だから、何かごっちゃにまぜてしまってぱっとやると一三%ぐらいだけれども、そういうことを考えるともっとふえるんじゃないか。  私が知りたいのは、地方から東京の私立の大学にやっている、それで仕送りをしている、あるいは子供がアルバイトしている。その人たち子供が二人なり三人なりありますと、ちょっともう家庭が崩壊するぐらい教育費が多く占めている。だからできれば、ただがっさり平均するのではなくて、最高はどれぐらいだ、最低はどれぐらいだ、あるいは分布はどういう分布になっている、そういうふうに見ないというと、どれぐらい困窮している人がある、ここからここまでは教育費にそがれる人が少ないんだからここから上の人は楽であるけれども、これから下の人は非常に苦しい、こういうことが私はこの際非常に大事じゃないかなと思うのです。平均で一五%ぐらいだから教育費は大したことはない、こう思っておるけれども、実際はサラリーマンのある階級の人は非常に教育費に大きな金を割いているんじゃないか。これを私は考えるものだから、こういう統計はやはりもう少し幅広くというか、全体としてこの条件をきちっと書いていただいて、そしてその分布状態をわかるようにしていただけないかなと、こういうふうに思うのですけれども、どうでしょうか。
  62. 渡部蓊

    説明員渡部蓊君) 大変恐縮でございますが、今の私ども文部省の方のデータではそこまでわかるような形で実はとっておりません。  今、説明に用いましたのは総務庁のデータでございまして、私ども保護者の負担する家計を教育費の方で調べておりますが、実はこれ調査の技術上の問題もございますが、一般の家庭の中に入りまして母親の方につけていただくというようなことがひとつ技術的な問題としてございます。これをある場合には一年間通していただく、そしてある場合にはサンプルで一カ月調査というようなことでやっておりますが、そこでそれに対する報酬と申しますか手当等、それから母親の方あるいは家庭の保護者の方の協力がどの程度の調査の条件あるいは項目だと受け入れてもらえるだろうかというような技術的な話等いろいろございまして、その中でどういう形で私ども行政のために役立つような調査、どの程度で明らかにできるかという一つの制約がございまして、先生おっしゃいましたことは私どももっともなことだとは思います。  そこで、私どもとしては、文部省が行っているデータ以外の形で、例えば総務庁の統計であるとか、あるいは民間のもっとデータ数の少ない、その限りでは信頼性について多少疑問のあるようなデータもありますが、そういうものをひっくるめて総合的に今後とも見ていきたいと、そういうようなことで対応させていただければと思います。
  63. 高木健太郎

    高木健太郎君 そこで、これとちょっと関係があるんですけれども、六ページのところでございますが、六ページはこれも平均で出ておりますから、国立の大学の合計が十八年間で四百四十六万円、それから私立の大学では六百十七万円である、こういうことが出ているわけです。何かもう少し詳しくわからぬものかなと。例えば医学とかあるいは理科系、そういうものと文化系とはかなり違うのじゃないか。それから私立でも非常に高いところと安いところがあるわけですね。そういうことも知りたいように思うのです。こういう平均は確かに大事ですけれども、何か非常に少ない。どういうところが一番少なくて多いところはどれぐらいあるというような、こういう分布が何か知りたいように思うのですけれども、これもやはりなかなか統計としてはとりにくいものなんでしょうか。  それから、これは一年間ですけれども、例えば入学のときとかには、そこへ移動する移動費だとか、それから入学金を払うというような、あるいは何か施設費を払うというようなこともあるわけですね。そうすると入学のときは非常にたくさん金がかかるわけです。そういうものもこれはみんななべて平均したものかどうか。そこら辺どうでしょうか。
  64. 渡部蓊

    説明員渡部蓊君) 第一の方の御質問の大学関係については私ちょっと詳しくありませんので、二番目の方についてのみお答えさせていただきたいと思います。  小学生、中学生、高等学校につきましては、入学金等は含めた額でとっております。その平均ということで御理解していただければと思います。
  65. 高木健太郎

    高木健太郎君 これ、現在は医師が大変金持ちだから、自分が医者であれば息子はその家を継がせるというので、お医者さんはお金持ちだからどんどん私立へでも入れるというようなことを言っておりますけれども、現実私が知っているのでも、子供が二人ぐらいいて、それを東京の大学の医学部に入れるということになると、もう家を抵当に入れてまで入れにゃならぬというような話もよく聞くわけです。だからここに書いてある六百十七万円という数よりももっと実際は非常に高額のものを教育費に使っているんじゃないかなと。陰で 動いている金もあるんじゃないかなと。そんなことを文部省の方に御注文申し上げるのは甚だ失礼なんですけれども、当を得ていないと思いますけれども、現実問題としてはとてもこんな金ではないと私は思っているわけです。そういう意味では、何とか統計というものをもう少し詳しくというよりも条件を細かくして見ていただかないと次の育英奨学金の方にも響いてくるんじゃないか、そういうふうに思いますので、お願いを申し上げる次第です。  それからもう一つお聞きしたいのは、八ページをお願いしたいんですけれども、この育英奨学金を見ますと、大学院の修士課程、博士課程で六十二年度が六万九千円とか八万円、あるいは私立大学自宅外というのは四万五千円。自宅外が四万五千円で自宅が三万五千円、たった一万円しか違わないというのも私は変だと思うのですけれども、もっと実際は下宿料とかで高いんだからもっとこれは差をつけていただいた方がいいんじゃないかとも思うのです。  それから、自営業の人とサラリーマンとでは違ってもいいんじゃないかという気もするのです。それで、奨学金をやるときに家の収入とかそれから学業成績、それらを見ますけれども、サラリーマンというのはいつでも収入が多く見られがちなんですね。自営業の人はいろんな経費を落とせますから非常に少なく見られる。サラリーマンの方が本当は苦しいんだけれども、しかしなかなか奨学金がもらいにくい、あるいは有利子制度のものしかもらえない。こういう意味で、これもやっぱりもう少し気持ちのこもったようなやり方をしていただかないとサラリーマン世帯というのは大変苦しいんじゃないかなという気がいたします。  それで、この総理府の一番最後の方ですが、資料の4というのがございます。これは総理府の方にちょっとお尋ねいたしますが、その資料の4の二百三十一ページの表11というところです。「生活にゆとりのない母子家庭」というのがございます。これは大体どれぐらいのパーセントでこういうのが存在しているんでしょうか。
  66. 本多秀司

    政府委員本多秀司君) 恐縮でございますが、生活にゆとりのない母子家庭がこの家計調査対象になった世帯のうちどれくらいの割合を占めるかという御質問だと思いますが、ちょっと今私ども実際の資料である家計調査データ手元に持っておりませんので、これも後ほどお答えしたいと思います。
  67. 高木健太郎

    高木健太郎君 全国平均で四十四万円というのは月額の収入でしょう。
  68. 本多秀司

    政府委員本多秀司君) そうでございます。
  69. 高木健太郎

    高木健太郎君 それで、可処分所得が三十七万円でございますね。
  70. 本多秀司

    政府委員本多秀司君) はい、そうでございます。
  71. 高木健太郎

    高木健太郎君 そうすると、学生の費用というのがこの中の何%を占めるかというと、こういう家庭では非常にパーセントがふえてくるんじゃないかというふうに思うわけなんです。  それで、この人が例えば大学に入って四万五千円の奨学金をもらう。そうすると年額五十四万円ぐらいになるわけです。それで私大に入って、年額だと教育費が約百五十万円かかるわけです。そうするとその差額が大体百万円ぐらいになるわけです。母子家庭の人はとてもそれは払えない。一人子供を大学にもやることができない、こういう家庭があるということになるんです。これは私、全体として、教育の方ばかり言って悪いのですけれども、何か非常に気の毒な人がそこにおられるように思うわけなんです。  だから、奨学金をもらおうが、お母さんが一生懸命アルバイトで働こうが、息子がどこかへアルバイトに行ってもなかなかそれをカバーできない。そうすると子供は大学にはやれないから、だから高等学校でどこかへ就職させなければならぬ。いかに頭がよくても、あるいは自分が勉強したくても自分希望学校に行けないという子供がかなりいるのではないか。それが何%になるかということは、これは非常に問題でしょうけれども、その何%になるかということも大体見きわめて、それで奨学金だとかあるいは学校の授業料の免除だとか、そういう方策を講じてその人たち希望を遂げさせてやるようにすることが私は政治として非常にきめ細かな政治になるのではないか、こういう気がするのです。  私の計算が間違っておればあれですが、ちょっとこれを見て、奨学金を見て、それで教育費を見ますというと、どうも教育費というのはサラリーマンなりあるいは母子家庭というものに対してはかなり厳しいものであるということだけは言えるのではないか、こう思うのですけれども、この点文部省側としてどんなふうにお考えでしょうか、あるいは総理府としてはどういうふうにお考えでしょうか。    〔会長退席、理事水谷力君着席〕
  72. 前畑安宏

    説明員前畑安宏君) 的確なお答えになっているかどうか懸念をいたしますが、お答えをさせていただきますと、私どもが昭和五十九年度に調査をいたしましたところでは、現在大学の昼間部に入っている者について奨学金の状況というのを調査いたしました。受給者が二一・三%でございまして、申請したが不採用というのは四%でございます。それから必要ないと答えた人が約半数、四八・五%。それからもう一つ、これは若干どちらへ振るか問題ありますが、希望するが申請をしなかったというのが二六・二%でございます。したがって、奨学金の需給の問題で申しますと、申請したが不採用というこの四%が一つの問題であるとともに、今高木先生御指摘の、初めから家計の状況で進学を断念した人がどれくらいあるだろうかというのが御指摘のように大変大きな問題であるというふうに考えております。  それからもう一点、これはおくればせになりますが、先ほど奨学金の受給資格についてお尋ねがございました。  御指摘のとおり、自営業その他の方と給与所得者の方では、私どもが決めております家計基準、一定の家計所得以下でなければ奨学金の貸与対象者にしない、こういう基準のときに大変問題があるということは御指摘のとおりでございまして、実はその家計の基準を算定いたしますときに、給与所得者の場合に基本的に控除をする、いわゆる給与所得控除と言っておりますが、六十二年度までは二百四十三万円の控除としておりましたが、六十三年度には三百七万円ということで、かなり給与所得者の場合の収入金額を算定するための控除を大きくしたという改善を少しではございますが図らせていただきました。御理解いただきたいと思います。
  73. 高木健太郎

    高木健太郎君 ありがとうございました。もしできましたら、今私が申し上げましたように、この出生率のことを言っているんですが、女子就業のこと、再就職のこと、そういうことも大事ですけれども、教育費というのが日本では非常に高くかかるし、非常に高度な教育を両親は望んでいる、こういう国柄でございますから、その教育費に非常に大きな負担がかかってくるということになると、とても子供は三人、五人は産めないというようなことになるんじゃないか。出生率にもそれが響く非常に大きな要因になるのではないか、そういう意味で、ぜひ今後ともきめ細かいひとつ配慮をお願いしたい、こう思います。  終わります。    〔理事水谷力君退席、会長着席〕
  74. 近藤忠孝

    ○近藤忠孝君 最初総理府に二問質問いたしますが、資料3の十一ページで述べられた「今後出生率長期的に回復することが予測されている。」ただし、その条件として「出産育児をめぐる環境や条件が整備されなければならない。」ただ、実情を見ますと、例えば産前産後六週間の休暇というのも実際とれていない職場が随分多いとか、それから実際派遣労働などではそういう条件なども十分保障されないというような状況を見ますと、果たしてこのとおりいくのかどうか、その辺どう認識されているか、これが第一点です。  それから、そういう条件整備一つとして育児休暇問題が大変大事だと思いますが、この間の本 会議での労働大臣の答弁としましても、現在全産業では一割強程度なのでまだ時期尚早だということなんですが、労働大臣と違う答弁はここで期待できないのでそれはお聞きしません。ただ、諸外国との比較をしてみると、例えばスウェーデンなどはちょうど一年近く、三百六十日ですね。主要欧米諸国との国際比較を今わかればお答えいただきたいし、わからなければ後で資料をお願いしたいと思います。以上。
  75. 川橋幸子

    説明員川橋幸子君) 先生、恐れ入ります、欧米との比較というのは育児休業制度の……。
  76. 近藤忠孝

    ○近藤忠孝君 出産休暇に関する制度
  77. 川橋幸子

    説明員川橋幸子君) 先ほどほかの先生のときに本多審議官のところでも申し上げましたように、午後の労働省のところで詳しいお話は伺いたいと思いますが、大ざっぱな感じでは、出産育児をめぐる環境、最低限の産前産後休暇、雇用労働者に対する産前産後休暇というのはミニマムなものがILO条約にあり、それを満たすように我が国の労働基準法もできていると思いますが、それ以外のさまざまな育児休業制度を普及する国、あるいは何というのでしょうか、そもそも労働市場が非常に違います。日本のような終身雇用慣行が一般的な国と、入ったり出たりといいましょうか、引退、再就職が楽な国と違いますし、また産業構造が非常にサービス業が多くて労働時間が短い、パートタイム労働比率が高い国、しかもそのパートタイム労働比率、比率だけではなくてそのパートタイムの仕事の内容も専門的な職種をパートタイムの職種の中に含む国、さまざま労働市場が違うかと思いますので、それに対する育児環境整備の対策も国によって随分違うということだけは総理府の方からも申し上げて間違いないと思います。  例えば育児休業制度の話でございますと、スウェーデン初め北欧ではそういう制度に大変力を入れている、父親も取得可能な制度法律で制定されているということもございますが、一方アメリカのような国はそうした制度を持たないとか、イギリスも持っていないとか、そのかわりもう一回復職する機会を別の形で整備するとか、それから、そうした育児期間に対する直接の制度じゃなくて、むしろ職業訓練なり能力開発なりに力を入れている国とか、非常にバラエティーがあります。私どももそれをちゃんと統合的にどのようなイメージかをつくって先生方に御説明できるようにこれから努力はしたいとは思いますが、今のようなお答えでお答えにはならないかもわかりませんが、お酌み取りいただきたいと存じます。
  78. 近藤忠孝

    ○近藤忠孝君 第一問の方はどうですか。回復する、そのとおりいくのかどうか。
  79. 川橋幸子

    説明員川橋幸子君) これは小野先生からも言われましたのですけれども、政府の予測は外れることもあり当たることもありますけれども、人口については割合見通しが楽という意味でしょうか、そう狂わない。ただ、出生率の場合は〇・一の違いが非常に問題になるといえばその〇・一の、この二・〇〇まで本当に回復するかどうかの話は、ここに書いてある、これは有識者会議先生方が書いたとおりだと思います。  女性問題から見れば、環境が整備されて女性が産みたいという出生意欲が満たされるならばそのようになるだろうという、婦人問題の観点からはこの条件が一番大きいかと思います。
  80. 近藤忠孝

    ○近藤忠孝君 では文部省ですが、まず大学関係者の出産休暇その他の条件ですが、前回中央大学の中村教授がここへ見えまして、みずからの経験及びかなり綿密な調査の結果、その実情が大変生々しく報告されました。  それによりますと、今条件がそろっているのは都立大学で少し整備されてきたというのですが、そのほかの大学ではなかなか難しいということなんですね。例えば育児休暇その他の条件と、それから教授になかなかなれない、助手が圧倒的に多いという昇進の問題とか、それから条件が悪いので無配偶者、要するに結婚しない女性研究者の場合に四五・六%。男性が八・五%ですから大変な数字です。要するに研究者を選ぶか結婚を選ぶかという二者択一に常にほとんどの女性研究者が置かれているというのですが、先ほどこれに関しての質問に対してお答えがありました。特に考えてないということだけれども、実情をどの程度文部省として把握されているのか、この辺がまず第一点です。  それから第二点は教育費の国際比較の問題なんですが、これはある労働組合の調査ですけれども、アメリカとの比較でアメリカはゼロだと。教育費は連邦政府税と地方税で賄う、それから塾には行っていないということですが、この辺の教育費の国際比較なんというものはされているのかどうか。この辺をお答えいただきたいと思うのです。
  81. 前畑安宏

    説明員前畑安宏君) 大変申しわけございませんが、今先生御指摘の大学における女子の教員について具体に育児休業との関係でどういうふうな状況にあるかというのは私ども現在つぶさにいたしておりません。
  82. 渡部蓊

    説明員渡部蓊君) 若干、私の記憶で申しわけありませんが、家計における教育費がどの程度であるかということについては、前に見た資料でございますが、私が見ましたのは日本それからイギリス、西ドイツでございます。大体平均しますと、いろいろ教養文化費等も含めてでございますが、一三%から一四%が日本、イギリス、西ドイツ、この辺で大した差はなかったように覚えております。ただ、その内訳を見ますと、私ども日本一つの特徴かとそのとき感じましたのは、教養費的なものに比べて教育費の比重が若干日本は高いというような傾向が一つあったようでございます。  ただ、その場合私ども留意しなければならないのは、一つ日本の場合は進学率が高いというようなことがございます。それから諸外国の場合に、教養文化費の中に例えば団体に加盟するお金であるとかあるいはチップ代とか、そういうようなものが意外と入っておりまして、そういう意味では必ずしも正確な比較はできませんが、大体家計における負担としては一三%から一四%台、これは大人の分も含めてでございますが、そのように考えていいのではないかと思っております。
  83. 近藤忠孝

    ○近藤忠孝君 そうしますと正確な国際比較はないのですか。よく最近は税制論議も含めて国際比較いろいろやられておるんだけれども、その問題も含めてそういう正確な国際比較はないのかどうか。
  84. 渡部蓊

    説明員渡部蓊君) それぞれ各国の私ども一番気になる点は教育の概念がまず違います。例えば、私どもの場合ですと学校で体育まで含め、特別活動まで含めている。あるいは先ほどどなたかの先生から御指摘ありましたですが、社会教育部分我が国では学校教育に取り込んでいる部分もかなりあろうかと思います。そういうような一つは範囲がございます。それから統計のとり方自体も違います。日本はかなり整備されていると私ども自負しております。  そういうようなことで、範囲それから方法が違いますが、その中でもできるだけ共通の部分を見比べるという努力はなされておりまして、その部分については後日また私ども資料を手に入るだけ整理してお示ししたいと思います。
  85. 近藤忠孝

    ○近藤忠孝君 先ほど女子研究者の実情というのを文部省も把握されていないようだけれども、私は、最高学府においてやっぱり男女同権が実際確保されていない。しかも先ほどの無配偶者率なんか、これは本当に深刻な状況なんですが、今後そういうものの実態調査など進められるおつもりはあるのですか。
  86. 前畑安宏

    説明員前畑安宏君) にわかな御指摘でございまして答弁に窮するわけでございますが、現時点でそういう調査に取りかかるという用意をいたしておることはございません。
  87. 近藤忠孝

    ○近藤忠孝君 では、そのことはこの機会に強く要望しておきます。  それから、最後の質問として、文部省ですが、育英奨学事業です。日本の場合にこれが有利子になりましたが、外国ではむしろ無利子が多いのじゃないか。むしろ無利子以上にいわば給与されている、返さなくていいという状況が多いのじゃ ないか、こう聞いているのですが、その実情はどうですか。
  88. 前畑安宏

    説明員前畑安宏君) 基本的には御指摘のような状況であるというふうに承知をいたしております。  ただ、これにつきましては、余計なことでございますが、つけ加えさせていただきますと、我が国の場合と外国の場合と基本的に高等教育に対する進学の状況が非常に違うということが一つございます。  それからもう一点は、外国の場合、例えばイギリスなどの例をとりましても、公の補助が大学に行きます場合に、我が国の場合には大学自体にお金が行くという仕組みが基本でございますが、イギリスの場合には大学に行くほかに進学する個人に行くという状況がありますので、奨学制度のあり方とともに大学に対する助成のあり方とも密接に関連する問題でございます。  御指摘のことは今先生御指摘のとおりでございまして、諸外国の場合と私どもの場合かなり様相が違うということがございます。
  89. 平野清

    ○平野清君 まず総理府の方にお尋ねしたいのですけれども、たくさんの資料をいただきましたが、働く女性のことが盛んに書いてございます。先般の税制改正で専業主婦の特別控除が十六万五千円認められました。何かちょっと皆さん御努力されていることと税制とが逆さまなような気がするのですね。働く女性に対して何らかの税制措置がなくて、奥さんは家にいた方が得ですよというような税制改正のような気がするのですけれども、そういう点は審議室としてはどう考えていらっしゃるか。  それからもう一つは、働く女性が大変ふえましたけれども、働く目的が大変問題だと思うのです。例えば子供教育費を稼ごうとか、夫の収入の足りないところを稼ごうとか、自分の好きなことをライフワークとしてやりたいとか、いろいろあると思うのですけれども、主婦の労働者の就職期間というものは統計としてお持ちなんでしょうか。ずっと長期に働いている人、例えば失業保険がもらえる程度までの期間を過ぎたらすぐやめてしまう人、そういうような数字もお持ちなんでしょうか。
  90. 川橋幸子

    説明員川橋幸子君) 主婦で働いている女性、既婚の女性就業期間といいますか勤続年数ということかと思いますが、データじゃなくて傾向でお答えさせていただきたいと思います。データはまた午後にでも担当省庁から聞いていただきたいと思いますが、まずフルタイマーの方につきましては、中高年の女性の勤続年数が非常に延びているというのが特徴でございます。それは、フルタイマーの方だけじゃなくてパートタイマーの方も含めまして女性の勤続年数が延びているというのが最近の傾向でございます。  それと同時にもう一つは、非常にフリーで働く方の割合が一方において高まっている。フリーで働く方の働き方としましては、従来のような農業ですとか都市商工業の伝統型の自営業ではなくて、御自分の趣味ですとか、それからさまざまな社会参加活動がむしろプロフェッショナルな部分に発達していって、むしろ生きがいを求めて自分の技能を生かしながら自営業で働かれる、そういうフリーワーカーの方がふえておられます。そちらの方はちょっと勤続年数という格好ではとれないかと思いますが、やはり家庭と両立させながらモチベーションとしては継続性は高まっているというのが一般的な傾向だと思います。
  91. 平野清

    ○平野清君 税制の方はいかがですか。
  92. 本多秀司

    政府委員本多秀司君) 税制の件といいますか、一般的に申し上げますと、働く女性についても、このお手元に配付してございますいわば新国内行動計画の中で、例えばパートタイム労働対策等働く方々に対してもいろいろな配慮を加える必要があるということで、二〇〇〇年に向けてのいろんな各省庁の御協力を得ながら施策を進めていくというスタンスに立っておることもつけ加えます。
  93. 平野清

    ○平野清君 文部省の方にお尋ねをいたします。  子供がどんどん減少して東京近隣県でも学童数がどんどん減ってしまって、教員が余って、その教員の配置先を探すのが大変だというようなことをよく聞くのですけれども、この際思い切って四十人学級とか三十五人学級というものをもっともっと推進して、いろんな教育内容が今問題になっているわけですから、子供の数を少なくして、先生とコミュニケーションがとれるようないい機会だと思うのですけれども。四十人学級、三十五人学級の推進というものについての文部省のお考え方、その場合にやっぱり育児休暇やなんかでもって代替教員が要るわけですから、教員になれない人がいっぱいいる、余っている教員がいっぱいいるんですから、そういうものをもっともっと活用すれば雇用促進にもなるでしょうし、いろんな面でいいと思うのです。いかがかと思うのです。  それから、奨学金の点につきましてほかの先生方からもおっしゃいましたけれども、納税額によって奨学金が左右されるということは非常に私たちサラリーマンとしては不公平なような気がするのです。また、奨学金の中身についてよくわかりませんが、生活に困っている人、それからある程度成績がよくなければもらえない奨学金もあります。そうしますと本当の普通の学生というものに対する奨学金がないのですね。  そこで、できれば、前に参考人をお呼びしたときにある方から、大学ローンというようなものを文部省あたりで考えて、将来自分が本当に社会に出たらその賃金の中から返していくような制度だってつくったらいいじゃないかというようなことも御発言がありました。そういうことについてどうお考えになっているか。  それから、先ほど来聞いていますと、きょうだけじゃないのですが、人口問題なんかは非常に重要な課題なんですけれども、各政府側のセクションの方が、これはあちらです、これはあちらですと、非常に何といいますか、各省の連携が余りないような気がするのです。この日本というものの人口を考える上で、雇用問題や婦人問題を含めて各省庁が連係プレーをとれる機関を設ける必要があるんじゃないかなと思いますけれども、その点を加えてお答えいただければと思います。
  94. 菴谷利夫

    説明員菴谷利夫君) 最初にお尋ねの子供が減って先生が余るという件でございますが、御承知かと思いますが、学校はまず一人の先生が学級担任ということで何人で編制するかというのが一つあります。そういう学級編制基準があります。それから、そういう学級がどのくらいのたくさんの規模になると先生が全体で何人要るかという考え方がありまして、その基準があります。したがって、その二つでいろいろ全国をできるだけ不公平のないような条件整備を図るということはずっと戦後続けてまいりましたが、今おっしゃっています四十人学級につきましては、昭和五十五年から六十六年、非常に長い十二年計画ですけれども、相当な人数を要するということと、最初計画を立てたころは子供の自然増が大変極端でございまして、ほうっておいても先生がどんどん必要だという時期があったものですから、減り始めるころにどちらかというと重点を置いてやるということで十二年計画を立てました。今若干子供が減り始めて、今後さらに減っていくわけでございまして、この機会にできるだけ今おっしゃいました四十人学級というものを着実に進めたい、こう思っております。  したがって、先生が、子供が減れば自動的に減るというのじゃなくて、改善をすることによってそれが逆に改善分だけ取り戻すということで、若干ペースが子供の減りぐあいの方が速いという意味でやや余るという感じがあるかと思いますが、先生の場合は定年になるとやめますし、新人が入ってくるというあたりで、そこら辺で自然に調節がかかりますので、余ってしまうという感じは実際はないわけでございます。  それから、三十五人のお話がありましたが、これはそういうお話もちらちらあるわけですが、四十人学級といいますのは、四十一人の子供が一学年にいれば半分に割るということですから、二十 人と二十一人ということになります。四十人だけいれば、まさに四十人ということになります。その間にいろいろあるわけです。したがって、三十五人というのをやりますと、今度はそれを超えれば、例えば三十六人になれば十八、十八に割る、こういうことになります。どんどん学級を小さくすれば果たしていいのかという別な議論がございまして、単純にそれは議論できない問題であるということを、まだまともには議論しておりませんが、よくそういうことをおっしゃる方もおりまして、今後の難しい研究課題だと思っているわけでございます。
  95. 前畑安宏

    説明員前畑安宏君) 教育ローンのことについてお答えを申し上げます。  先生御指摘のように、家計の基準についてかなり問題がありまして、私どもの方もローンの制度を導入することについて長期にわたって検討をしてまいりましたが、五十九年に国会の御審議もいただきまして育英会制度の改正を行いました。有利子の奨学金というものを導入いたしたわけでございます。在学中は無利子、卒業後は三%ということにいたしまして、それとともに御指摘のように家計の基準を、その有利子のものについては無利子の貸与よりは家計基準が二百万ほどは上の方でも貸与対象になるというような制度を開いたところでございます。
  96. 長田裕二

    会長長田裕二君) 午前の調査はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時二十九分休憩    〔休憩後開会に至らなかった〕