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1988-03-22 第112回国会 参議院 建設委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年三月二十二日(火曜日)    午前十時一分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         村沢  牧君     理 事                 井上  孝君                 石井 一二君                 福田 宏一君                 小川 仁一君     委 員                 井上 吉夫君                 植木 光教君                 遠藤  要君                 沓掛 哲男君                 志村 哲良君                 高橋 清孝君                 赤桐  操君                 太田 淳夫君                 馬場  富君                 上田耕一郎君                 山田  勇君    国務大臣        建 設 大 臣  越智 伊平君        国 務 大 臣        (国土庁長官)  奥野 誠亮君    政府委員        国土庁長官官房        長        清水 達雄君        国土庁計画・調        整局長      長沢 哲夫君        国土庁土地局長  片桐 久雄君        国土庁大都市圏        整備局長     北村廣太郎君        国土庁地方振興        局長       森  繁一君        国土庁防災局長  三木 克彦君        建設大臣官房長  牧野  徹君        建設大臣官房総        務審議官事務代        理        中嶋 計廣君        建設省建設経済        局長       望月 薫雄君        建設省都市局長  木内 啓介君        建設省河川局長  萩原 兼脩君        建設省道路局長  三谷  浩君        建設省住宅局長  片山 正夫君    事務局側        常任委員会専門        員        荒木 正治君    説明員        警察庁刑事局保        安部生活経済課        長        泉  幸伸君        大蔵省理財局国        有財産第二課長  上野 憲正君    参考人        日本道路公団総        裁        宮繁  護君        日本道路公団理        事        杉岡  浩君        日本道路公団理        事        大久保一男君        住宅都市整備        公団総裁     丸山 良仁君        住宅都市整備        公団理事     渡辺  尚君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○建設事業及び建設計画等に関する調査  (政府関係機関地方移転に関する件)  (リゾート地域整備に関する件)  (住宅対策に関する件)  (日本道路公団役員及び住宅都市整備公団関係職員汚職事件に関する件)  (公団住宅家賃改定及び建て替え問題に関する件)  (公共事業の執行及び資材高騰対策に関する件)  (外国企業我が国公共事業への参入に関する件)  (建設業における外国人不法就労に関する件)  (日本道路公団サービス業務に関する件)  (地価高騰対策に関する件)  (大規模震災対策に関する件)  (違法建築問題に関する件) ○宅地建物取引業法及び積立式宅地建物販売業法の一部を改正する法律案内閣提出)     ─────────────
  2. 村沢牧

    委員長村沢牧君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  建設事業及び建設計画等に関する調査のため、本日、日本道路公団及び住宅都市整備公団役職員参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 村沢牧

    委員長村沢牧君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 村沢牧

    委員長村沢牧君) 建設事業及び建設計画等に関する調査を議題といたします。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  5. 赤桐操

    赤桐操君 きょう私は二つほどに分けまして御質問いたしたいと思いますが、まず最初に、東京一極集中問題をめぐりまして大分世論がいろいろと注目するところとなってきておりますので、この問題を中心といたしまして前段質問をいたしたいと思います。  政府が現在進めておりまする政府機関地方移転問題の現在までの進行状況並びに今後の見通し等についてまず御説明を承りたいと思います。国土庁長官に願いたいと思います。
  6. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 政府関係機関移転の問題だと承りましたが、ことしの一月の二十二日に、四つのカテゴリーに属するものは原則として二十三区の外に出てもらおうじゃないかという方針を決めさしていただいたわけでございました。それまでは別段そういう方針が決まっておりませんでしたけれども総理自身ふるさと創生を唱えておられますし、施政方針でそのことをうたい上げておられるわけでございます。その関係もございますので、昨年の暮れに一省庁一局移転でどういうものを出せるか考えてくれということをおっしゃって、その関係で、そのころに既に関係省庁からは移転機関をお示しいただいておりました。しかし、六十三年度予算案には何ら移転関係経費が見積もられていなかったわけでありますが、それでは整合性を欠くということで、国土庁予算要求書を少し組みかえまして調査費だけを計上したわけでございます。  やはり、どういうものを移転するかということの方針を決めて、その上で移転対象を決めなきゃならないわけでございますので、総理自身も、二十二日に決められましたその方針に基づいて移転機関を決めようじゃないかということになりまして、三月中にひとつ移転関係機関を各省の方で出してくれぬかということで、なお進行中でございます。  いずれにいたしましても、七月に正式に移転関係機関を閣議決定したい。そうしますと、八月いっぱいに各省庁から大蔵省予算要求をいたしますので、六十四年度予算案の中には移転関係経費が全部見積もることができるじゃないか、こう考えておるわけでございまして、そういう順序で今進んでいる過程にあるわけでございます。
  7. 赤桐操

    赤桐操君 今まで私どもが承っておる範囲では十七省庁十九機関ということで、私などのいろいろ関係しておりまするそれぞれの向きでも大分準備を始めているようであります。中にはまた、それを移すためにほかが統合されるんじゃないかとか、省によっては大変な取り越し苦労もしているようであります。  いずれにいたしましても、十七省庁十九機関では、これはまあ移転するにいたしましても人員は大したことじゃないらしいということで、参考までに伺いますが、十七省庁十九機関移転を行った場合にはどのくらいの人数がこれに伴って動くものであるか承っておきたいと思います。
  8. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 今も申し上げましたように、移転対象機関を何に求めるかという方針を決めて具体的な機関を決めよう、こうしているわけでございますし、別途には、首都機能移転に関する調査会首都一括移転問題まで論ぜられている際でございますので、やはり竹下内閣政策らしいものにしようじゃないかということにしておるわけでございますので、今の程度のものでは政策にならない、そういうことで相談を進めておるわけでございます。  したがいまして、今おっしゃいましたようなことでどれぐらいの人口が動くんだというような計算は実はしていないわけでございます。もうちょっときちっとした政策にまとめ上げたいなということで相談をしておる最中でございます。
  9. 赤桐操

    赤桐操君 そうすると、それが大体ことしの七月ぐらいになるというと、一応の移転機関の数あるいはこれに伴うところの移転人員、こうしたものの見通しがついてくる、その上に立って来年度の予算編成の中で調査費等をつけていきたい、準備をしていきたい、こういうように理解してよろしいんですか。
  10. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) そのとおりでございます。七月中にまとめ上げたいと思っております。
  11. 赤桐操

    赤桐操君 五十年代後半から東京への人口集中が大変始まってきている。このまま放置しておくならば東京圏は大変なことになるだろう。昭和七十五年には、四全総で明らかにしておるところによりまするというと三千五百万人になる見込みだ、ところがこれを一極集中是正等を講じていくとするならば、そしてそれによって三千三百万人ぐらいに抑えたい、こういうように私は理解しているのでありますが、四全総計画で予定しておりまする東京への人口集中抑制策、これはどういうことになりますか。
  12. 長沢哲夫

    政府委員長沢哲夫君) ただいま先生がおっしゃったとおりでございまして、仮に現在の趨勢が今後も続くとすると、四全総目標年次であります昭和七十五年の東京圏人口は三千五百万人台に達する。現在三千万人でございますが。しかし、これは非常に東京圏自体居住環境の悪化、災害時の危険性増大等々さまざまな問題をはらんでおりますので、四全総においては、計画期間後半には東京圏から地方圏人口が純流出に転ずるということを目指しまして、目標年次昭和七十五年には三千三百万人程度抑制することを目標にいたしております。そのための各種の具体的な施策をまた計画課題として掲げておるところでございます。
  13. 赤桐操

    赤桐操君 今東京人口というのは大体千二百万人弱だと思うんですね。この中で区部人口が八百三十五万、こういうように昭和六十年次ではなっているようでありますが、この中では政府機関移転やこれに伴う人員については考えられていないんですか。今の私の前段質問では、人口集中抑制策を具体的にどういうようにとっているのかという質問をしたのでありますけれども、まあこれはいろいろの角度で考えているという話はありますが、四全総の中ではどういうように考えてきているんですか、これは。
  14. 長沢哲夫

    政府委員長沢哲夫君) ほっとけば三千五百万人になるのを三千三百万人に抑制するためには、工業分散・再配置政策を推進するほか、おっしゃられたような政府機関移転配置等検討、推進なども当然進めていく、それから全国的な文化・研究施設東京外立地ということも考えていく、また民間の事務所立地地方都市への誘導措置検討していく、このように四全総では書かれております。
  15. 赤桐操

    赤桐操君 今まで政府筋で考えられてきたことは十七省庁十九機関という程度であったようでありますけれども、これが大体七月には本格的なものになるだろう、こういうお話でございますが、大臣お話にも遷都問題がもう既に口にされております。結局行革審などでもそういう面を打ち出してきているように思いますが、立法行政司法の各分野にわたった機関の総合的な移転を考えなければこれはもう話にならない、こういうようになってきているように思うのであります。  全面的にこれを東京から移転させるということになりますというと、これらの立法行政司法のそれぞれの機関移転させるとするならばどのくらいの人口移転になりますか。
  16. 北村廣太郎

    政府委員北村廣太郎君) 私ども昭和五十八年に首都改造計画の一環として首都機能移転配置構想調査というようなものを行っております。これは概査でございまして、非常に大まかな検討ということでございますが、その中で実現性のある首都機能移転のパターンといたしまして四つほど検討したわけでございます。  一つは、一括いたしまして、ただいまお話のございました立法司法行政の中枢的な機関移転するタイプでございます。この場合の移転人口は、直接的な職員の数及びその家族、それに付随いたします、準首都機能と申しておりますような、例えば政府関係の公庫、公団のような機関あるいは地方行政庁出先機関あるいは外国政府在日公館というようなものも一応対象として考えるといたしますれば、最大規模で六十一万程度移動が考えられるというような形になっておるわけでございます。  また一方、三つほどのタイプがありますが、その次のタイプといたしまして、首都機能の一部が東京大都市圏外移転しながら、残りは一括して、つまりぱらっと散らばるものと固まって出ていくものと二つあわせて検討しようというような分遷都型というタイプがございます。これで申しますと五十二万程度。それから展遷都型、東京首都圏の中で一部移動しまして、残りまた東京大都市圏の外へ移転する展遷都型という検討で動きますと五十四万ほど。それからもう少し小さい、一部東京大都市圏の中で二十三区から移転しまして、さらに全国的に散らばるようなタイプでございます。こういうタイプですと十二万というような形になっておりまして、最大十二万程度から最大六十一万程度人口移動が図られる、こういう検討結果になっております。
  17. 赤桐操

    赤桐操君 私はかつて十二、三年前に一度、それから数年前に一度、パリ中心といたしまして、パリの再開発あるいはまた周辺衛星都市建設状況等を視察してまいりましたが、大体パリ市とフランス政府との合同でこれらの仕事を行っておったようでありますが、考え方としては、パリ市の人口は七百五十万人以上にはしない。さらに、これを限度として、これから集中しようとする人口については、周辺に五つの衛星都市をつくってそこに全部織り込んでいく。これは大体三十キロ圏ないし四十キロ圏程度のところにつくるということで進められておりました。これらの衛星都市はいずれも紀元二〇〇〇年を目標として約五十万都市程度に持っていこう、こういう計画のようで、着々と進められておったわけであります。  四十八年の暮れに行ったときには、衛星都市一つエブルー市を見ましたが、まだ問題にならない状況でございました。公的な機関がわずかに建設されつつあった程度でありました。その後五年ほどたってみましたところ、もう既に町づくりが始まっており、パリ市の中心街には鉄道も全部敷設されて利用されておる、こういう状況でございました。こういうぐあいに、今二〇〇〇年を目標にしてフランスではこのような改造が行われているわけであります。  私はこういうものを実は今思い起こしながら考えるのでありますが、東京都の一極集中を排除するといたしましても、一体東京という町はどのくらいの人口に抑えていくのが適正な都市として考えられるのであろうか、東京適正都市として考える人口というのは一体どのくらいになるのか、こういうことをまず大前提として、その人口にまで減少させていくためにはどの程度機能地方移転させなきゃならないか、こういう試算が伴わなければならないと思うんです。  そういう意味で、私はやっぱり基本的なものは、東京適正人口というものをどの程度に抑えるかということが大きな問題になってくる、これが大前提になるのではないか、こういうように思うのでありますが、この適正人口東京をどのくらいの規模に抑えるという基本的な問題についてはどのようにお考えになっているんですか。
  18. 北村廣太郎

    政府委員北村廣太郎君) ただいま御質問の趣旨にございましたように、東京都の人口が絶対的に減少するという現在の計画仕立て方にはなっておりませんで、このまま推移すれば増加するでございましょう東京大都市圏人口抑制する。しかし絶対値としては、先ほど計画調整局長の方からお答えしましたように、絶対値は増加するというような計画の仕組みになっているわけでございます。  ちなみに、四全総を受けまして、首都圏基本計画におきましても、これは圏域が若干違っておりますが、首都圏人口といたしまして、昭和六十年の三千七百六十万人から三百三十万人程度増加というものはある、七十五年には四千九十万まで増加するという予測にはなっております。しかしこの数字も、放置すれば増加するであろう人口をかなり抑え込んだという形の計画になっているわけでございます。
  19. 赤桐操

    赤桐操君 そうすると、四全総検討したり、あるいは今行政機関移転ども検討しておりますけれども東京というものをどの程度にどうしようという構想も何もまだないんですか、長官
  20. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 東京世界金融センターになった、日本経済構造がどんどん変わってきた、そういうことから東京一極集中が激しくなって地価暴騰、これを救うためにはやはり一極集中を是正する、多極分散型に国土を改造していかなければならないということでございまして、いかにしてこの増加を食いとめていって分散させていくかということでございまして、今の人口をさらに幾らに減らすというところまでの考え方には立っていないわけでございます。
  21. 赤桐操

    赤桐操君 一千万以上の人口を擁する町というのは世界でどのくらいあるのか私よくわからないんですが、ひとつ当局の方の御説明を承りたいと思います。わかる範囲で結構ですよ。別に正確なものでなくてもいいけれども、大体のところを伺いたいんです。
  22. 長沢哲夫

    政府委員長沢哲夫君) ちょっと資料がありませんので正確に申し上げられませんけれども、幾つもないというふうに認識しております。
  23. 村沢牧

    委員長村沢牧君) もっと的確な答弁しなよ。だめだよ、それでは。
  24. 長沢哲夫

    政府委員長沢哲夫君) 今手元にありますのは、各国首都人口百万以上の都市について、最近のセンサスによって、郊外地域を含まない市域の範囲でもって調べた資料がございますが、それによりますと、東京が八百三十五万ということになっております。これはつまり二十三区をとっているわけでございますが、それに対応する世界の諸都市を見ますと、多いので、ボンベイが八百二十四万、それからジャカルタが六百五十万、ソウルが八百三十六万、ニューヨークが七百七万、メキシコが九百十九万、それからモスクワが八百三十九万、ロンドンが六百六十九万、そんなところが東京にかなり近い人口を示しているというところでございまして、やはり東京世界人口の多い地域というふうに考えてよろしいかと思います。
  25. 赤桐操

    赤桐操君 そうすると、これはどこと比較しても東京は図抜けて大きいということになるんですね。こんなに各国の大きな町を見ても大体いずれも一千万を下っておるわけでありまして、これを超えて一千二百万、東京自体は事実は一千二百万弱になっておるわけでありますから、そういう点から見るというとこれは考えなきゃならないという状況でございます。そして、行革審などでもいよいよ遷都の問題を打ち出し、さらにまた行政司法立法それぞれの首都機能移転を強く示しておるわけでありますが、今のお話を聞くというと、大体六十万程度しかこれらの首都機能分散を図っても移動することはできないということになるのでありまして、一千万程度に仮に抑えるとするならば相当の移転を図らなきゃならなくなると思うんですね。  これらの中でいろいろ出ておりまする意見の中では、大学とか研究機関等分散を打ち出している面もあるようであります。例えば東京大学を千葉県の柏市に移転するということなどが構想で最近聞いておりまするけれども、この東京大学移転などについては真剣にその後検討されているのかどうなのか。あるいはまた、これを初めとする各大学研究機関移転等についてはこれも真剣に考えなきゃならないと思うのでありますが、これらを含めまして首都機能のそれぞれの移転についてもう少し真剣に考えなきゃならぬ点があると思いますが、これらにつきましてはどうですか。
  26. 北村廣太郎

    政府委員北村廣太郎君) ただいま御質問にございました大学移転、特に東京大学について具体的なお尋ねがございましたのでお答えさせていただきます。  東京大学で、特に理工系中心としました機能が今の大学キャンパスでは非常に手狭であるということから、一部そういう関係中心といたしまして移転検討が内部で行われていることは漏れ承っているわけでございます。具体的に柏のあたりを候補地として選定して、学内でただいま検討中というふうに承知しているわけでございますけれども、具体的な移転の時期、移転規模等についてはまだ未決定というふうに承っております。  一般的に大学首都圏におきます立地につきましては、これは工場等制限法によりまして、首都圏既成市街地には厳しい立地制限がとられております。したがいまして、新しくキャンパス及び学生数増大等を伴うような場合にはすべて既成市街地外立地しなければいけないというようなことで、新キャンパスを求めましたりあるいは増設部分移転いたしましたりして、かなりの程度首都圏既成市街地では大学抑制が図られているわけでございます。  なお一方、ただいま政府において検討しております政府機関移転の中には大学等も含まれておりまして、具体的に現在検討中のところが数大学ございまして、七月にはその移転規模、時期等がある程度決められるものと承知しているわけでございます。
  27. 赤桐操

    赤桐操君 その数大学については、具体的にはどことどこになりますか。
  28. 北村廣太郎

    政府委員北村廣太郎君) 具体的に現在移転計画がございますのは東京外語大学でございます。これは、調布の方に飛行場の跡地がございまして、そこに移転計画を具体的に検討中というふうに承知しているわけでございます。  そのほか、ただいま七月に向けての移転の中で各大学に具体的な移転の、全部ではございませんが、一部大学移転等につきましても現在文部省の方で照会中あるいは検討中と承っておりますので、七月にはそのほかの大学等につきましても具体的な名称、規模等がある程度明らかになるだろうと考えております。
  29. 赤桐操

    赤桐操君 四全総を初めとしてそれぞれ政府部内でも検討しておると思いますけれども工場等移転は考えておりますか。
  30. 北村廣太郎

    政府委員北村廣太郎君) これも工場等立地制限によりまして、首都圏近畿圏既成市街地におきましては工場立地も厳重に規制されておるところでございます。当然のことながら、新規立地ばかりではなくて一定規模以上の増設等につきましても規制対象とされておりますので、この首都圏における工場工業出荷額の全国に対するシェアは着実に今低下しているところでございます。
  31. 赤桐操

    赤桐操君 東京を本当に蘇生させて、最近よく地震があるのでありますが、こうした災害時における場合のことも考えなければならないし、さらにまた、世界各国でも今都市対策では大変頭を悩ましておりますが、東京自体としても本当に適正都市、快適な業務都市、こういう形に持っていくためには、これは何といっても私はやはり本格的に遷都問題にも着手していかなければならないだろうと思います。この問題に真剣に政府が着手していくということになるならば、当然政府部内にも遷都対策機関というものを設定していくのが、当然そういうことになるだろうと思いますが、政府は今そういうことを考えておりますか、国土庁長官
  32. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) さしあたっては政府関係機関移転は考えておりますけれども首都機能移転問題につきましては、なお論議の熟するのを待って判断をしたいということでございます。したがって、お尋ねの点につきましては現在のところは見守っているということでございます。
  33. 赤桐操

    赤桐操君 そうすると、まだ遷都対策政府部内の機関はつくらない、自民党の中にはおつくりのようでありますが、政府にはまだつくらないと、こういうふうに理解してよろしいんですか。
  34. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 国土庁予算の中には調査費を計上いたしまして、関係のところで調査をするのに対しましては援助の手段は講じているわけでございます。
  35. 赤桐操

    赤桐操君 いずれにいたしましても、情勢を見きわめてぼつぼつその準備に取りかかりますと、こういうように理解したいと思うのであります。  この遷都問題というか、本格的に国会が動く、あるいはまたそれぞれの行政機関地方機関が動いていくということにならなければ、東京の適正な状態をつくり出すということは不可能ではないかと私もそう思います。したがって、思い切ってやはりそういう対策をとっていくということにしなければ今のこの東京を本当に救い出すことはできないだろう、こういうように私も考えるわけでありますが、こうした計画を、今何はともあれ行政機関移転ということで始まっているわけでありまするから、考えなきゃならないことは、この行政機関移転ということによって一番大事なことは、まず受け皿の問題ですね、これは一体どういうような対策をとっていくのか。それから、受け皿を仮に決めていくとするならばどのような処置をその前提条件としていかなきゃならないのか。こういうことが問題になってくると思います。  具体的に申し上げれば、地方へそうした大々的な移動が始まるということになれば、これは将来を考えて、少なくとも遷都の問題にまで発展する可能性を持つ前段であるとするならば大規模開発等が当然将来考えられることになるわけであります。これに伴うところの地価対策というものを無視してこうしたものに着手するということはこれはもうまさに無謀でございまして、本格的な地価対策を並行させながら移転を考えなきゃならないだろうと思いますが、この点は長官いかがにお考えになっておられますか。
  36. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 政府関係機関移転は、東京の過密を救っていくということも一つでございますけれども、同時にまた地方地域活性化、その核にしたいという考え方もあるわけでございます。ただ、地方支分部局になりますと、関東地方を管轄しているわけでございますので、やはり一括して同じところへ移転してもらった方がいいんじゃないだろうかな、こう思っているわけでございます。そのほかの機関につきましては必ずしもそういうことにこだわらないで適地を求める方がいいんじゃないか、こう思っております。  御指摘になりました大きな機関移転していくということになりますと地価対策の問題も出てくるわけでございますので、そういう点につきましては十分配意しながら、必要に応じまして先手を打って監視区域に指定するというような方法も講ぜざるを得ないだろう、こう思っています。いずれにいたしましても、移転する機関がどういうものになるかということが具体的に明らかになりませんと、今申し上げましたようなことが決まらないということになろうと思っております。
  37. 赤桐操

    赤桐操君 どういうものをどう動かすかということが決まってこなければそれは話にならないと思いますが、どういうものがどうなるかということを決めてそれから移転への対策が始まるということになりますというと、当然もう地価は上昇しちゃうんですね。これが今までの経過だったと思うんです。要するに、国土法によって監視区域の設定をするとかいろいろなことが今始まっておりますけれども、結局は後追いだったと思うんですよ。だから私はそういうことではとても不可能ではないですかと、こういうことを申し上げているのであります。  日本の場合における土地に対するところの国民の考え方と諸外国における考え方は大分違いがあるようでありますけれども、それだけに我が国の場合にはいろいろ先手先手を打った対策をとっていかなければ無理だと思います。国土法に定められた監視区域の設定、あるいはまた規制区域の設定、今回は規制区域の設定の発動はしないようでありますけれども、やはり規制区域の設定等を含めた将来への考え方を、遷都あるいはまた中央機関移転、こうしたものとを並行させながら考えていくべきだと思いますが、この点はどうですか。
  38. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 御指摘のとおり考えていかなきゃならないと思います。
  39. 赤桐操

    赤桐操君 そうすると、国土利用計画法の十二条、規制区域の設定を含めて考える、このように理解してよろしいんですか。
  40. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 監視区域の設定では十分でない場合には、そういうことも考えるべきだと思います。
  41. 赤桐操

    赤桐操君 次に、受け皿はそういうことで先手先手を打ちながら行くべきだと思いますが、問題は跡地の処理の問題ですね。最近またこれも新聞で大分報道されておりますが、政府機関地方移転をした後に跡地の利用の問題が残ってくると思うんです。この利用についての構想についてはどういうふうにお考えになっておりますか。長官のひとつ御見解を承りたいと思います。
  42. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 跡地の問題につきましても、移転する政府関係機関が決まってからのことでございますけれども、人によっては、あの場所は緑地にしておくべきだとおっしゃる方もございますし、あの場所は外国の大使が求めている公館の用地にしたらどうかと言う方もいらっしゃいますし、あるいは公示価格で譲渡を考えたらどうかと言う方もいらっしゃいますし、いろいろでございますけれども、具体の機関が決まりました場合には、支障が起きないようにそれぞれ適切な対応をしていきたい、こう思っておるところでございます。
  43. 赤桐操

    赤桐操君 財政当局の見解によりますると、これも新聞で拝見したのでありますが、政府機関の跡地については、移転先の建物等の建築費等も考えなきゃならぬので、その捻出をするためには、これを筑波学園都市の方式によって売却益でもって賄っていくように考えてはどうか、こういう方針でひとつ進めたいというように一部報ぜられておりましたね。  私は、跡地を民間に売却し、さらに民間がこれにビルを建てるということになるならば、東京の過密というものはもっと進んでしまうだろうと思うんです。それでは、世界で図抜けて大きい東京都というものをどのように一極集中を排除するかという考え方と相反する結果になるのであって、跡地はむしろ東京都あたりにこれを払い下げして公共用地に供するということにするのが建前であろうと思いますが、この点はいかがですか。
  44. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 単純に公開入札の方法を講じて、地価の高騰、過密の促進になるようなことにしない、これはもう当然のことだと考えております。
  45. 赤桐操

    赤桐操君 参考までに伺いたいと思うのであります。  政府機関地方移転、その規模にもよると思いますが、仮に大体七月なら七月に決定されるということを想定して、政府推定は、国土庁あたりではどことどこを、目ぼしいところ大体決まっていると思いますけれども、そういうようなことを見込んである程度想定した場合に、政府機関地方移転に伴う跡地の総画積というのはどのくらいになるのか、おわかりになったら御答弁願いたいと思うんです。おわかりにならなければ後で結構です。
  46. 北村廣太郎

    政府委員北村廣太郎君) 現在具体的に検討しております建物の敷地ではなくて、先ほど申し上げました昭和五十八年に私どもで行いました首都改造計画で、遷都の場合の東京二十三区における発生用地の面積を一方法によって試算した例がございます。これによりますと、百二十ヘクタール余りという土地が遷都等によりまして出てくるというような試算になっているわけでございます。
  47. 赤桐操

    赤桐操君 百ヘクタールを超えるということになればこれは大変大きなものになると思いますね。東京都の防災上の見地から見ても、これはやはり東京都知事が言うように、公園緑地あるいは空き地、こうしたいわゆる空間として確保していくことが大切だろうと私は思うのであります。長官の最後のひとつ御答弁を願いたいと思います。
  48. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 東京都を考えます場合に、安全対策、この配慮は大変大事なことだと思います。
  49. 赤桐操

    赤桐操君 次に、私はリゾート関係の問題で少しく御質問したいと思います。  昨年の国会で総合保養地域整備法が成立をいたしております。政府整備のための基本方針がこれによって決定をされまして、現在各都道府県の段階でそれぞれこの基本方針に基づいて具体的な整備計画が進められていると思っております。国土庁に現在までに承認申請が行われてきているものもかなりあると思いますが、この状況並びに今後の見通し、こうしたものをまずひとつ伺いたいと思います。
  50. 森繁一

    政府委員(森繁一君) ただいま先生お示しのとおり、都道府県が基本構想をつくりまして国がそれを承認する、こういうシステムになっておりますが、その基本構想を円滑に策定していただきますために県の方に基本調査というのを今お願いしてございます。その基本調査の中では、例えばどういう地域対象にするとか、あるいは基本的な整備考え方はどうであるとか、あるいはまた具体的な整備の内容はどういうものであるとか、こういう基本的な事項につきましてのいわば基礎調査のようなものをお願いしておる段階でございます。その基礎調査が既に済んだということで私どもの方に連絡いただいておりますのが現在までのところ六つの県がございます。この六つの県につきましては、現在主務大臣が六大臣ございまして、主務六大臣とそれから今申し上げました県との間で事務的な粗ごなしを行っておる段階でございまして、この粗ごなしが一応済みますと、県の方に今度は基本構想の作成に着手をしてもらう、こういう段取りになろうかと思います。  なお、基本構想が提出されました場合には、その後関係行政機関等との協議を経ました上でそれを承認する、こういう手順に相なります。
  51. 赤桐操

    赤桐操君 今承認申請が出ているものはないんですか。
  52. 森繁一

    政府委員(森繁一君) 先ほど申しましたように、基礎調査ができたということで私どもの方に出していただいているのが六つの県でございます。それでこの基礎調査は今、先ほど申しましたよう粗ごなしをやっておりまして、これが済んだ段階で基本構想の策定に当たっていただく、こういうことになりますので、まだ基本構想の策定が済んでおるところはございません。
  53. 赤桐操

    赤桐操君 その六つはどことどこですか。
  54. 森繁一

    政府委員(森繁一君) 三重県、宮崎県、福島県、兵庫県、群馬県、栃木県、以上六県でございます。
  55. 赤桐操

    赤桐操君 千葉県では、これは私の県でありますが、ここでは総合保養地域整備法に基づきまして地域の指定及び整備計画の作成が今行われております。これを見ますると、これは銚子から館山に至る大変広範なものになっているのでありますけれども、恐らく相当の大きな面積であろうと思います。外房一帯にわたったリゾート計画地域の指定ということになるわけでありますが、こんなに広い地域指定というものが行われる可能性があるのかどうなのか、まず伺っておきたいと思います。
  56. 森繁一

    政府委員(森繁一君) ただいまの時点では千葉県の方からリゾート構想につきまして具体的な説明を受けておりませんので、現段階ではこの席でコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、千葉県の方から申し出がありました場合には、その時点で法律あるいは基本方針に基づきましてそれが適格かどうかということを判断させていただきたい、かように考えております。
  57. 赤桐操

    赤桐操君 県段階からそうするとまだ全然話はないんですか。ある程度相談は受けながらやっているんじゃないですか。
  58. 森繁一

    政府委員(森繁一君) 私どもの段階にはまだございません。
  59. 赤桐操

    赤桐操君 それからさらに、これは銚子の中ではマリンリゾート研究会というものが早くからつくられまして、マリンゾーンにする研究が行われておるのでありますが、こうしたものもこの計画の中には含められるものであるかどうか、これもちょっと伺っておきたいと思います。
  60. 森繁一

    政府委員(森繁一君) お尋ねのマリンリゾートに関する調査研究は、調べましたところ、運輸省が中心でありまして、千葉県、銚子市等が共同で行われているものでございまして、いわばマリーナを核といたしますリゾート機能中心とした港湾を整備していこう、こういう構想のようでございます。  その詳細は把握いたしておりませんが、これをもって直ちにリゾート法に基づく事業とは位置づけられないとは考えられますけれども、将来千葉県の方で、先ほど申しましたリゾートの基本構想の中でそういうものが組み入れられるという可能性はあろうかと思います。いずれにいたしましても、千葉自体の判断になってこようかと思います。
  61. 赤桐操

    赤桐操君 そうすると、銚子から館山一帯にかけた、房州一帯にかけたところのこの地域の中に適用範囲を決めて県がこれを含めて申請するということになるならば、これを認めようという考えですか。
  62. 森繁一

    政府委員(森繁一君) 県の方でそのようなお考えで提出されましたならば、しかるべき対応をいたしたいと考えております。
  63. 赤桐操

    赤桐操君 リゾート法により地域整備計画の基本方針の承認がなされる、そして基礎調査が今のように行われていく、それから基本構想の策定が行われる、さらに最終的な承認、そして六省庁の承認が得られて事業の実施ということになるようでありますが、これにはどのくらいの時間がかかるんですか。
  64. 森繁一

    政府委員(森繁一君) 個別の事案によりまして時間の長い短いという差があろうかと思います。例えば先ほど申し上げました県のうち幾つかの県は、昨年の暮れに基本調査ができたということで提出をされまして、それが現在まで至っておるわけでございます。最初のことでありますから、私どももモデルケース的な位置づけをしまして慎重にやったという経過もございますが、それにいたしましても若干の時間を要しておることは事実でございます。これらの県につきまして基本構想が 出されました場合には、速やかに関係省庁との協議に入りましてできるだけ早く基本構想を承認する、こういう形で進めてまいりたいと考えております。
  65. 赤桐操

    赤桐操君 私は、リゾート開発がこのような形でもって全国的な大変大きな規模で今行われるわけでありますが、問題は、これに伴う土地の投機の問題とかそれから地価の高騰の問題が今後懸念されてくるのではないかと思うのであります。特に首都圏関係、非常に便利な地域等におきましてはそうした懸念がかなり大きく出てくるのではないかと思いますが、こうしたものに対する考え方はございますか。
  66. 森繁一

    政府委員(森繁一君) リゾートの整備に当たりましては、重点整備地区というのを設けまして、そこを重点的にリゾートの整備をしていこう、こういうことにいたしておるわけでございますが、そのような地区につきましては、先ほど来お話ございますいわゆる監視区域の指定にしていただくようにそれぞれの県にお願いをして、現在その作業を進めていただいておる段階でございます。
  67. 赤桐操

    赤桐操君 監視区域の指定というのをするのは、やはり承認を得て事業開始ということにならなければならないわけでしょう。だからそれまでの間にかなり時間がかかるでしょう。それで私はさっきどのくらいの時間がかかるんだと伺ったんですが、場合によっては一年、二年とかかる場合がある。通例そのくらいになるんじゃないかと思うんです。土地の買収その他に入ることになるとかなりまた時間がかかるということになりますね。そのころになってようやく監視区域の指定なんということになってきたのでは、これはもう大体土地は買い占められる、もう土地は高騰を始めてくる、そういう時期になるのではないかと思うんですが、その監視区域の設定その他のそうした措置についてはどの辺の作業の中で行われるんですか。
  68. 森繁一

    政府委員(森繁一君) 基本構想を承認いたしました場合にできるだけ速やかに、直ちにと申し上げてもいいくらいのつもりで監視区域を設定していただきたい、こういうふうに考えております。
  69. 赤桐操

    赤桐操君 基本構想が作成されるまでには、これは基本方針の策定が行われて基礎調査を経た上でなければ基本構想の策定には入れないわけでしょう。基本構想の策定に入って、これが主務大臣の許可を得るために基本構想の承認を求めることになるんじゃないんですか。それまでの間には相当の時間がかかるでしょう。だから、今のような抽象的な話を聞いていても、どこで一体歯どめがかかるのか、こういうことになるというと、どうも皆さんの方の御答弁ではわからないんですよ、それが。  基本方針の策定、これが決まったときには、おおむね十五万ヘクタールなら十五万ヘクタールの土地が決まりました、この中のどことどことどこが重点地域になります、こういうようになってからでは遅いではないですか。この基本方針の策定が行われるときにもう既にそういう歯どめがかけられていなければ話にならないんじゃないのか、こういうことを私は今考えながらお尋ねしているんですけれども、その点についてはどういうように考えておるんですか。どこで歯どめをかけようとなさっておるんですか。
  70. 森繁一

    政府委員(森繁一君) 先ほど来申しておりますように、基本方針は国が一応定めるものでございまして、これを受けまして県の方で基本調査というのをやっていただく、こういうことになっております。その基本調査の中で将来重点整備地区になるべきであろうというところを選んでいただきまして、それのゾーニング等をしていただくわけでございます。その基本調査が一応済んだ段階で国の方と相談していただいて基本構想をつくっていただいて、それを国が承認する、こういう手順になるわけでありますけれども、そのゾーニングの段階ではまだかなり流動的なところもございますので、正式に重点整備地区として確定いたしますのは基本構想の承認があったとき以降ということになろうかと思います。  したがいまして、基本構想の承認に余り時間をかけますと、今先生御指摘のように無用な土地の高騰というおそれがございますので、そういうことのないようにできるだけ速やかに基本構想の承認を満たすような準備手続をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
  71. 赤桐操

    赤桐操君 私は、ある程度構想ができたならば監視区域の設定をすべきだと思うんです。監視区域の設定の方を先行させるべきじゃないかなと思っているんですが、国土庁長官はどのようにお考えになりますか。  私は、こうした基本方針の設定、さらに基本構想の作成、その間には調査の段階を経ている、これは相当日数かかりますよ。こういうものと並行してもう既に当初から投網をかぶせるということをやらなければ、これからのあれは不可能じゃないかと思うんです。特に、首都圏の中で一番東京に近い千葉なんかの場合、私は見ておりますけれども、これはもう次々と先手を打たれて買い占められてしまうんじゃないのか、こういうように実は考えております。  ですから、監視区域の設定は少なくとも投網としてもう最初にかけてしまう。特に、この重点地区が決まった段階においてはこれは本格的に整理することも必要だと思います。監視区域の解除もできるじゃないですか。ですから、設定は早く先行させてやってしまって、重点地区が決まったならばその地域に絞っていくという形を、そして必要のないところは監視区域の廃止をするということだってできると思いますが、こうしたようなことはお考えになりませんか。
  72. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) リゾート基地を設定します場合には、地価の高騰が当然予想されるわけでございますので、絶えず地価の動向をにらんでいなければならない。また、にらんでおっていつでも監視区域の指定ができるようにしろという指導をしているわけでございますので、おそれが現実のものになるようでございますと、その段階で監視区域の指定をすべきだ、こう思います。  いずれにいたしましても、後手に回らないように先手をとれという御指摘はそのとおりだと思いますので、十分留意してまいりたいと思います。
  73. 赤桐操

    赤桐操君 次に、これは千葉県の例で私が知っている範囲から伺うのでありますが、千葉県の重点整備地区というのは今の構想によるというと約十一カ所になっておるようであります。県が千葉県議会に明らかにした内容によりまするというと、これらの総事業費は十年間で約九千億というように大体事業費全体がまとめられてきているようでございます。  これは千葉県の例でありますが、国全体としては一体どのくらいになるのかということになりますが、おわかりだったら御答弁願いたいと思います。事業費全体はどのくらいの規模になりますか。
  74. 森繁一

    政府委員(森繁一君) これはリゾートの指定の数にもよろうかと思いますし、それぞれのリゾートの地域、その民間投資の規模にもよろうかと思いますが、現在提出されております六件について見ますと、数千億程度の民間の投資が予定されておるようでございます。仮に一県が三千億なら三千億といたしまして、それが十出てきますと三兆円ということになろうかと思いますが、いずれにいたしましても、この辺は精査した上でないと申し上げにくい数字ではなかろうかと思います。
  75. 赤桐操

    赤桐操君 千葉県の場合はちょっと大きいのかもしれませんが、いずれにしてもこれは膨大なものになるようですな、長官。これは私は大変な大事業になると思います。全体の中で事業費がこのように大きく膨らんでいくのでありますが、当然国はこれに対して相当の援助をしていくことになるんでしょう。これが行われなければ余り意味がないと思いますので、どのような援助をしていくのか、この問題に私はちょっと入っていきたいと思うのであります。  事業費の中で国や県の負担分というのはどのくらいになるものですか。
  76. 森繁一

    政府委員(森繁一君) お尋ねでございますが、現在までのところそれの詳細な資料を持ち合わしておりませんので、お答えを差し控えさしていただきたいと思います。
  77. 赤桐操

    赤桐操君 考え方としてはどういう考え方を持っておるんですか、具体的な数字とかそういうのは別にして。
  78. 森繁一

    政府委員(森繁一君) 御承知のように、このリゾートの整備は民間事業者の能力を活用するといいますか、いわば民活主導型でございますので、そのかなり大きな部分は民間の投資にゆだねられる、こういうことになろうかと思います。ただ、公共セクターといたしましても、第三セクターの創設を含めましてそれに必要な基盤施設の整備等がございますので、その意味においてコミットする関係になってこようかと思いますが、メーンは、先ほど来申し上げておりますように民間事業者の投資というのがメーンになってこようかと思います。
  79. 赤桐操

    赤桐操君 そうすると、例えば重点地域が指定されますね。指定されたところを中心とした道路網の設定とか下排水とか、あるいはその他公共施設をいろいろとつくっていかなきゃならないと思いますが、こういうものについては国はどういうふうに考えるんですか。
  80. 森繁一

    政府委員(森繁一君) リゾート法の中にその根拠規定を置いておりまして、そのような面につきましては配慮をするということにいたしております。
  81. 赤桐操

    赤桐操君 いや、配慮するということはそれはわかるんですけれども、どの程度配慮しますか。
  82. 森繁一

    政府委員(森繁一君) 例えば道路なら道路、港湾なら港湾ということで、各主務大臣がそれぞれのリゾートの立場におきまして御判断いただいて配慮をするということでございます。
  83. 赤桐操

    赤桐操君 私は、少なくとも関連公共費は、これだけの法律を制定して行っていくものであり、しかも国民のための保養施設をつくっていくわけでありますから、こうした当然国や地方自治体が負担すべきものは全部やっぱり負担すべきだと思いますね。だから、諸外国で行われておりまするような、関連公共費は少なくとも公的負担、こういう原則を貫くべきだと思いますが、この点どうですか。
  84. 森繁一

    政府委員(森繁一君) 公共事業は、当然のことながらいわば国費と申しますか、公費により負担し、指名されるものであろうかと思います。先ほど来申し上げておりますように、主務省庁省庁ございますが、建設省それから運輸省、農林省、このあたりは公共事業の所管官庁でもございますので、今申し上げたような面におきます配慮をしていただきたいし、またしていただけるものと期待をしておるところでございます。
  85. 赤桐操

    赤桐操君 申しわけ程度に国が負担を行って、あとは事業者負担ということが大体今まで行われている前例でございますから、特に私しつこく伺うんです。この保養施設の仕事まで結局事業者負担でもって行われるようになるというと、これは大きな問題を将来に残すように思うんですが、この点どうですか。
  86. 森繁一

    政府委員(森繁一君) リゾートの整備には、先ほど来申し上げておりますように民間のお力をかりるということでございます。ただ、それには民間には民間の採算ベースというのが当然あるわけでございまして、官と民とのいわば区分というのが明確になってこなければいけないだろうと考えております。いわばその境目のところは結局第三セクターなどのような組織を使ってやろう、こういうことになろうかと思いますが、いずれにいたしましても、国は国、地方団体は地方団体、民間は民間、それぞれの持ち分に応じまして総合的に仕事を進めていくことが必要ではなかろうかと考えております。
  87. 赤桐操

    赤桐操君 私は今言質をとろうとかなんとかということで言っているんじゃないのでありますが、物の考え方として、関連公共費等々については莫大なものになると思うんです。事業費全体でさえもこれだけの大きなものでありまするから、この中に占める関連公共費等は相当の部分を占めるだろうと思うんです。この場合、えてして、今まで行われてきたような事業者負担、事業主体にこれを負担させるというやり方をとれば、それは結局は国民や利用者に対するしわ寄せになってくるんです。利用料金に全部はね返るわけですね。相当高いものになってくるだろうと思うんです、結果的には。  そういうことを考えるというと、やはり関連公共費等については国や県が負担していくような方式をがっちりと決めておかないというと、この仕事は遺憾ながら何のための仕事であったかわからなくなるだろう。保養対策ではなくなってしまう。単にこれはもう活性化のため、事業者のための仕事であるということであってはならないわけでありまするから、そういう意味で私は少しく伺っておるわけでありますが、この点、長官どういうようにお考えになりますか。
  88. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) おっしゃっていますように、リゾート基地として承認された場合におきましては公共的な施設も積極的に整備していかなきゃならないと思います。そういうこともございまして十五万ヘクタールを限度とするというようなめども設けているんじゃないだろうか、こう思っているわけでございます。越智建設大臣も、指定ができたら自分の方でも思い切ってお金を出しますよと、こう言ってくださっておるわけでございまして、当然事柄の性質によりまして、同じ道路でありましても国道、府県道、市町村道あるいは私道というような別もございますので、それぞれのものによる負担区分の考え方もあるわけでございます。  しかし、いずれにいたしましても、積極的に恒久的な施設を整備していかなければ民間の施設が生かされてまいりませんので、御指摘のような配慮は当然国側としてもしなければならないと思います。
  89. 赤桐操

    赤桐操君 民間の立場に立っても、私はそういう関連公共費や何かまで持たされたのではたまらぬと思うんです。そういうものは国がやります、県がやります、したがって民間の資本はこういうところへ投入してください、それで官民一体となった開発が行われていく、これが国民のための保養施設ですということになるなら筋は通ると思うんですけれども、これも民間でやってください、これも民間でやってください、何もかも全部事業者負担というやり方では、いわゆる言うところの受益者負担ですよ。これは諸外国へ持っていって説明しても通らない日本の特有の用語なんですけれども、受益者負担というものにすべて統合されているやり方、これは今回はもうやめてもらいたいと思うんです。これは長官、私からも強く求めておきたいと思うのであります。  次に、これだけの仕事をしていくのには相当金がかかりますよ。ちょっと見ただけでも大変なものになると思うのでありますが、一体金利はどういうようにこれに対して国は面倒を見ていくのか、この点ひとつ伺っておきたいと思います。
  90. 森繁一

    政府委員(森繁一君) 資金面の支援措置といたしましては、今年度から、六十二年度からでございますが、開銀の低利融資、北東公庫からの低利融資の制度がございます。六十三年度は、一つは、さらに中小企業向けと申しますか、国民金融公庫からの低利融資あるいは中小企業金融公庫からの低利融資の道を開きますとともに、開銀、北東公庫からの低利融資につきましては、総規模をふやしておりますとともに、利率が特利四ということでございまして、五・三%ということにいたしておるわけでございます。
  91. 赤桐操

    赤桐操君 私はその金利は高過ぎると思いますね。諸外国の例で見ますと大体一ないし三%ですよ、この種のものをやるときには。非常に私は高いと思う。長官、これは再検討願いたいと思うんです。金利をもっといろいろな角度から保証していくということを考えるべきだと思うんです。相当長期にわたってこれは返済していかなければならない仕事だと思うんですね。そういう意味ではいささか金利が高過ぎると思う。これが一つ。  それから税対策はどういうようになりますか。
  92. 森繁一

    政府委員(森繁一君) 六十二年度から税制上におきましては、法人税につきましてまず特別償却の制度がございます。初年度百分の十三の割り増しでございます。それから地方税につきましては特別土地保有税の非課税、それから事業所税につきましては新増設分は非課税、事業分につきましては資産割について二分の一の軽減の措置、それからなお固定資産税及び不動産取得税につきましては不均一課税の道を開いておるわけでございます。
  93. 赤桐操

    赤桐操君 税対策も今の御説明程度でありますけれども、もう少しいろいろの面で考えてやる必要があるだろうと思います。  最後に私はひとつまとめておきたいと思うのでありますが、今伺っている範囲ではどうも土地対策も余りはっきりしていない。いろいろの監視あるいは規制等の措置も極めて不十分な状態にある。これも結局は後追いになるのではなかろうか。それから関連公共費についても明確な考え方を持っておられない。土地も後追い、関連公共費も事業者負担、こういうことでもし仮にでき上がっていくとするならば、結局は利用者、国民への負担が大きく増加するだけであって最後に大きな問題を残していくことになるだろうと、このように考えるのでございます。  それから、リゾート開発について本当に国民のためのものにするということであるならば、これはやはり地方自治体の考え方を尊重しながら、それぞれの地域の特殊性というものを生かしてつくり上げていかなければならないと思うのです。そして地方においても、つくられたものが将来に誇りとして残されていくようなよいものにしていくというものでなければならないと思いますので、こうした意味合いでひとつ長官の再度のお考えを伺って終わりにしたいと思います。
  94. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) おっしゃいますように、地方団体が主体になって総合保養基地を整備していくということでございますし、民間もまた将来発展の可能性のないところへ投資することもございませんので、そんなに最初からたくさんなものが指定されるということでもあり得ないわけでございます。採算を度外視して民間が莫大な投資をするはずはございませんし、同時にまた、金利の問題につきましても、金利が低下しているときには公的な資金よりもむしろ民間の資金の方が金利が安いという場合もあったわけでございましょうし、また国際的に金利の安いところを目指して資金を確保するわけでございましょうから、そこは借入主体が積極的に工夫されていくんじゃないだろうか、こう思います。  また、土地対策の面におきまして地価高騰を御心配いただいている点は私たちも同様でございまして、したがいまして、先手を打って監視区域の指定をするように今からそのような指導もしているわけでございます。同時に、公費で負担しなきゃならないものにつきましては、積極的にそういう地域に重点的に国は金を投じていくわけでございまして、受益者負担を求めるというような考え方がそこにあるわけのものではございません。ただ、私道的なものにつきましてどこまで公費の負担ができるのか、そういうところには問題があるかもしれませんけれども、先ほども申し上げましたように、道路一つ例にとりますと、国道、県道、市町村道、それぞれ道路の性格によりまして決まってくるわけでございますけれども、そういう問題につきまして受益者負担というようなことは今のところは行われていないんじゃないか、こう思っているところでございます。
  95. 小川仁一

    ○小川仁一君 昨年は国際居住年でございました。家のない人々や住宅居住環境の劣悪な人たちの居住環境を改善するための努力が行われた年であります。東京中心とする狂乱地価のために国際居住年とは逆の方向に大幅に地価が狂騰し、ことし以降も国際居住年の精神が生かされていかなければならないのではないか、こういうふうに考えておりますが、大臣、この国際居住年、本年もこの考え方で思い切った施策をするかどうか。さらに、そういう中で日本の国の住宅の現状というものをどのように認識されているか。まずお考えをお伺いしたいと思います。
  96. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) 今先生からお話しのとおりであります。国際居住年に沿った施策を進めていかなければならない、かように思います。ただ、東京都、ここは御承知のとおり地価が大変高騰いたしますし、先ほど来御議論もございましたように、非常に集中的で皆さんに大変御迷惑をかけております。  今の住宅は戸数そのものは十分ございますけれども、御承知のように非常に狭隘であり、ゆとりのある生活にはふさわしくない。でございますから良質な住宅を供給していかなければならない、これに向かって努力をいたしてまいりたい、かように思います。今後、全国的にはまだこの持ち家住宅にいたしましてもあるいは公的住宅にいたしましても可能なのでありますが、東京都心部では大変なことでございますので、宅地の開発あるいは住宅建設、これに大いに力を入れて御要望にこたえてまいりたい、かように思う次第であります。
  97. 小川仁一

    ○小川仁一君 どうぞひとつ、国際的な居住年と、こう言われるような精神を特に大都市圏を中心に一層大臣御努力をお願いしたいと思います。  さらに、我が国のシンクタンクのセンターであるNIRA、総合研究開発機構の研究第一部二の五、「物的環境」の部分によれば、「借家や新規住宅の購入など移動をともなう社会的条件の下では、停滞ないしは悪化してきている」と結論づけておりますし、また国民所得ベースでの住居費係数も、歴史的考察を加えた上で上昇を認め、住宅取得の困難性を示しております。経済大国、世界一のお金持ちの国と言われる日本のこの貧しい居住環境の解決をする施策、六十三年度予算案の中にはどういう形でそれが織り込まれておるでしょうか、お伺いしたいと思います。
  98. 片山正夫

    政府委員(片山正夫君) 住宅対策の推進につきまして、六十三年度におきましても、まず負担の軽減の措置などをねらいといたしまして、住宅金融公庫融資につきましては、貸付限度枠を東京圏中心に引き上げますとともに、貸し付けのもう一つの条件であります規模区分、これは住宅規模によりまして金利がそれぞれ違うわけでありますけれども、その規模区分をそれぞれ五平米、十平米、二十平米というふうに上げまして、さらに特別ローン制度、これは住宅の購入者が購入いたします場合にできるだけ金額を大きくお貸しするという特別ローン制度も創設をいたしたところであります。  さらにまた、住宅減税につきましても、従来ローン残高に控除率一%を掛けるわけでありますけれども、その際に現行の制度は公的資金につきましては二分の一を控除しまして掛ける。ですから実質的には民間ローンが一%に対しまして公的ローンは〇・五%という控除率に実質的にはなるわけでありますけれども、その二分の一を撤廃いたしまして民間ローンと同じ条件にしました。このことは減税額としましては相当大規模な減税でございまして、現在の住宅ローンの減税は、住宅取得控除全体としまして平年度ベースで二千三百五十億円の減税規模になっているわけでありますけれども、今回の二分の一を撤廃しましたことによりましてさらに二千百五十億円が平年度ベースとしては減税になる。すなわち減税分総枠として四千五百億円というかなり大規模の減税措置を講じたところであります。  さらにまた、公的住宅につきましても、公営住宅は六十二年度の当初に比べまして三千戸の増、金融公庫融資の戸数にしましても当初に比べまして二万五千戸の増の五十四万五千戸、公団住宅につきましては前年度と同じ二万五千戸でありますけれども、その他土地所有者等によります賃貸住宅の供給につきましてもそれぞれ所要の措置を講じまして充実を図っているところであります。
  99. 小川仁一

    ○小川仁一君 私は、さっき申し上げました家のない人たちや居住環境の極めて劣悪な人たち、非常な数が今この東京圏中心に存在しているということを前提にお話しを申し上げてみたいと思います。  非常に深刻でございます。民間の賃貸アパートやマンションへ行きますというと、高齢者が排除されております、出ていってくれと。また、赤ちゃんが生まれると出ていってくれと。こういったような状況が出ており、社会的な弱い者たちに対する圧力、排除が非常に厳しい。また、今いろいろ税金の減額とか住宅金融公庫等の貸し付けも行われる話がありましたけれども住宅を手に入れても払い切れないで手放す人たちが年間三万戸にも及ぶ、こんなふうな数字も出ているわけでございます。  したがって、今後の国の政策として、基本的に賃金の一五%程度の負担で入居できるような公的な賃貸住宅を大量に建設しなければ、私が申し上げている層の住宅というものは非常に難しいことになるのではないか。私は、公務員の皆さんは公務員住宅に入っておられるけれども、公務員住宅をもし出なきゃならなくなったら、一体何人の人が住宅問題で生活を脅かされるかというようなことを考えてみますと、やはり一五%負担ぐらいが限度だという感じがいたします。したがって、公的賃貸住宅の大量建設の施策といったようなものを今後の住宅政策の基本に置いてお考えいただけるものかどうか、大臣ひとつお考えを伺いたいと思います。
  100. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) 今先生から一五%程度でというお話でございました。もちろん望ましいことは一五%程度が一番望ましいと思いますけれども、いろいろ今言われております二〇%程度までは許容範囲をいただかないとなかなか率直に言って難しいのでないか、それも大変難しいと、かように思います。  しかし、今もお話がございましたように、公営住宅あるいは公団住宅も、低所得者向けの公団住宅をできるだけ、全部低所得者でございますけれども、低所得者の中の家賃の低い、こういうところに重点を置いてやってもらいたい、こういうふうに指導をしておるところであります。
  101. 小川仁一

    ○小川仁一君 行革審の土地対策検討委員会が五月に提出する最終報告の試案が新聞で報道されております。ここでは、公的主体の役割は重要という言い方をしております。私もやはりこの考え方に沿ったこれからの住宅政策が必要と考えますが、建設省が一省でそれを消化できるとは考えない。多くの省庁、特に予算部門の大量な支持がなければ大変なことだと思うんですが、それらを含めて、建設省が行革審の土地対策検討委員会に出された資料、意見、構想、そういったようなものがあれば承りたいと思います。
  102. 片山正夫

    政府委員(片山正夫君) 住宅関係につきまして御説明を申し上げますけれども、御指摘にもございましたように、臨時行政改革推進審議会の土地対策検討委員会におきまして五月をめどに現在検討が進められております。  私ども住宅対策の実情等につきましての御説明を申し上げておるようなところでありますけれども、現在審議会で住宅関係について御議論をいただいているという項目につきましては、主としたものとしましては、国公有地、工場跡地等を活用した住宅開発プロジェクトの推進、あるいは公的住宅の供給をさらに拡充すべきではないかというような御意見、さらにはまた、公的住宅建設に当たりまして建てかえなどの推進を図るというような事柄などにつきましての御議論がされていると聞いております。
  103. 小川仁一

    ○小川仁一君 議論の傾向ではなくて、当然事務局に出した資料があると思うんです。今でなくて結構です。ありましたら後で参考にいただきたいと思います。  続いて次の問題に入ります。  道路公団の窪津理事の汚職事件、起訴になったようでございます。公団の総裁おられると思いますが、実は私、国民に陳謝されたという記事を読んだんですが、それぞれやっぱりこの委員会で本当は最初に何か御報告があればよかったなと率直に思いますけれども、時間の関係があったんでございましょう。ひとつ起訴状の要旨及び公団での内部事情の調査、これは当然やっておられると思いますから、具体的に内容を報告していただきたい。
  104. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) ただいま御質問のありました道路公団汚職事件につきましてはまことに申しわけない、かように思います。当委員会の先生方、委員長を初め委員の皆さん方、また国会の方々、また国民の方々に深くおわびをいたす次第であります。  このことにつきましては、公団総裁から報告を受けますし、私の方は、従来の綱紀粛正ということでなしに、綱紀粛正もちろんでございますが、これを具体的にどうして実施していくかということにつきまして指示をいたしております。また、総裁も非常に責任を感じまして、進退伺いといいますか、これも私のところに出てまいりました。しかし、まず綱紀の粛正の実効が上がるように、また国民の皆さんから信頼を取り戻すように、さらには、今道路公団が行っております道路につきましては各地域で非常に要望が強い、これを強力に推し進めていくために最善の努力をしていただくように指示をいたしまして、ただいま具体的な問題が着々進んでおるような次第であります。  具体的な問題につきましては総裁から御説明申し上げたいと思いますが、いずれにしてもまことに申しわけない次第であります。心から当委員会でおわびを申し上げますとともに、国民の皆様にもおわびをいたしたい、かように思う次第であります。
  105. 宮繁護

    参考人宮繁護君) 私ども公団の役員が収賄容疑で逮捕、起訴されました。まことに大きな不祥事件でございまして、大変遺憾に思います。またまことに申しわけないことだと感じております。責任の立場にある者といたしましてその不名誉を恥じますとともに、重くかつまた大きくその責任を感じておる次第でございます。二度と再びこのような事件を起こさないように、建設省の御指導のもと最大限の努力をいたしたいと考えております。今回のこのような事件につきましては、国民の皆様に心からおわびを申し上げる次第でございますけれども、委員会の諸先生方にもまことに申しわけなく、深くおわびを申し上げたいと思います。  事件の内容でございますけれども、起訴状によりますと、窪津理事が、一つは、相鉄建設株式会社から工事への入札の参加の指名等につきまして有利な取り扱いを受けたい趣旨のもとに、三回にわたりまして現金七十万を受け取ったということでございます。もう一つは、飛島道路株式会社の関係でございますけれども、これも道路の工事につきまして入札参加等の便宜を図ってもらいたいという趣旨のもとに現金百万円を受領した、こういうことになっております。  それで、窪津以外の関係者等につきましても私どもの方で調査をいたしました。窪津から指示を受けまして指名について配慮した者がおります。また、窪津から指示を受けましたけれども、それとは独自の判断で行動した者もおります。また、窪津の誘いによりまして業者と飲食をともにした者等もおることも判明いたしました。これらの者につきましては、特に大臣から関係者につきましても厳正な処分をという御指示もございまして、厳重な処分をいたしたい、こんなふうに考えておる次第でございます。
  106. 小川仁一

    ○小川仁一君 新聞の報ずるところですと、七十万くらいというのはだれも国民は信用しないと思いますよ。というのは、新聞によれば十以上も隠し口座を持っている、こういうふうなことも報道されております。事実はわかりません。それで内部の調査をもっと厳重にやられたらどうか。また、大変こんなことを申し上げて失礼になりますが、一人でやったんじゃないだろうというふうなうわさも口さがなき人たちは言うわけでございます。  使途不明金というのが税務署から発表されましたが、四百億を超えております。一番多いのが不動産業だ、建設業だと、こう書かれてある。こんなことを書かれたら総合的に非常に何かしらやっぱり問題がありそうな気がしますので、この問題にかかわらず、一層の内部の粛正といいますか、調査をお進め願いたい。  さて、これは例として余り適切ではありませんけれども、我々選挙をされる議員は、家内が選挙違反になるというと連座制でたちまち失格になる。公団というのは理事全員が総裁のもとで全責任を負っておられると思うが、一人で終わりだ。私は、今までの公務員の汚職あるいはこういう方方の汚職を見ていても一人切って終わり、だれか一人にしょわせて終わりになるという傾向があるような感じがするんです。それで、隗より始めよという言葉がありますが、システムの変更、責任体制の変更という問題を今後真剣に検討してもらいたいと思うんです。  人間というのは、私などは特にそうですが、弱いものでして、多面性がありまして、やっぱりいろいろな状況に置かれますとつい利害に走ることもあれば、あるいは権力に屈することもあるといったようなものがあるわけです。こういう場合に、それを防げるのは私は連座制だと思うんです。理事全体が一人の理事の不正に対してでも共同で責任を負うというシステム、あるいは一部局の中で一人の不正、収賄があってもその部局全体が責任を負うというような体制、こういったような、連座制というのはややオーバーな言い方ですけれども、全体的な責任を負うようなシステムにこれから切りかえていかなければ、道路公団は非常に大きな仕事をしておられるだけに国民からの批判が厳しいと思いますから、そういうシステムについての御変更、これから御検討なさる気持ちはございませんか。
  107. 宮繁護

    参考人宮繁護君) 公団全体として大変国民に申しわけないという気持ちでございますし、私も私なりに進退を含めまして大臣に御処分を御一任してあるというような状況でございますけれども、ただいま、一人の役員が事件を起こした場合に全役員の責任、これは道義的な責任は当然だと思いますけれども、ちょっと連座制とかいうようなことになりますと、これはまた問題が別のように感じておるわけでございます。しかし、役員全体も重大な責任を感じなければいけないとは思っております。  そこで、ただいまお話しのとおり、この問題も、一人の人間の自覚あるいは倫理観というようなことも問題でございますけれども、やはり公団の組織全体としてチェックシステムなり、あるいはこういうものを未然に防止し得るような仕組みについていささか問題があったと私も感じております。今現在私ども公団に綱紀の粛正委員会というものを設けまして、いろんな手立ても考えております。特別の監察体制をつくっていくとか、あるいは関係業者からの贈与、せんべつ等は一切拒否する、あるいはまた管理者につきましては家庭の奥様の御協力も得られるような仕組みもつくっていきたい、こんなことをいろいろ考えておりまして、お話しのように組織全体の仕組みの中でこういうことが起こらないような最善の努力をいたしてまいりたいと考えております。
  108. 小川仁一

    ○小川仁一君 私、人間というのは弱いものだと申し上げましたが、そういう弱さを前提にしたシステムをぜひ御検討願いたい。それが私からの強い要望でございます。  続いて住都公団の方に御質問申し上げますが、今回の家賃改定、問題になっておりますが、前二回の継続家賃の改定の際には、建設大臣の承認を得る前に衆参両院の建設委員会で審議が行われ、与野党一致の意見も出された、こういうふうにも聞いております。したがって、六十三年度に予定している継続家賃の改定についても前回同様、委員会で審議が行われるのかどうか。まさか、今までやってきたけれども、今度の委員会ではやらぬなんというふうな差別待遇はなさらないと思いますが、大臣いかがでございますか。
  109. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) 今住都公団の家賃の問題の御質問がございましたが、その前に、実は住都公団におきましても団地サービスの汚職が出ております。これもまことに申しわけない、かように思います。今家賃の値上げをいろいろ検討しておる段階におきまして、ふだんもそうでございますが、こういう時期にこのことが起きましたことはまことに申しわけない、かように心からおわびを申し上げる次第であります。  さて、ただいまの集中審議のお話でございますが、このことは第一次、第二次とも御審議をいただいたようでございます。御審議につきましては当委員会で御決定をいただくわけでありますけれども、私の方といたしましては、御審議をいただけるようでございましたら、もちろん誠意を持ってこれにおこたえいたしたい、かように思う次第であります。
  110. 渡辺尚

    参考人(渡辺尚君) ただいま大臣の方から私の方の公団の汚職のことについて御発言ございました。きょう総裁参っておりませんが、赤坂営業所の元保全係長が三月一日に在職中の収賄ということで逮捕されたわけでございます。私、総裁にかわりまして心からおわびを申し上げたいというふうに考えます。業務の適正な執行と綱紀の粛正につきましては常日ごろ強く指導しているところでございますが、本当にこういう事件が起こってまことに申しわけないというふうに思っております。  我々といたしましては、先ほど小川先生の方からもございましたが、システムにいろいろな問題があるのではないかということで、去る三月八日に委員会を、これは副総裁を長とする委員会でございますが、設置いたしまして、そういう点についての検討、改善を行いたいというふうに考えております。  一言申し上げたいと思います。
  111. 小川仁一

    ○小川仁一君 いや、収賄問題を出すとまだまだいっぱいあるようなんで、それを申し上げていると切りがないと思って、これからのシステムの問題——精神訓話だけじゃだめですよ、人間というのは。私なんか何遍説教されてもなかなか一人前にならなかったんですが、やっぱりそういうものですから、システムの問題ということで、大変失礼だが道路公団にだけ申し上げた次第ですから、その点は御理解いただきたい。  それで、今の審議、これは委員会の問題というので、これは理事会等でお話し合いになると思いますが、それに際し、またそれ以前の問題でも非常に大勢の方が公団の家賃や改築問題でお話しに来ます。  何か基本問題懇談会というのがあるようでございますし、家賃部会というのもあるようでございます。こういうところに出した資料あるいは会議録、これが我々にも御提出願えればありがたいと思います。今すぐということではございませんが、審議の参考になると思いますので、ぜひお出しを願いたいと思います。
  112. 渡辺尚

    参考人(渡辺尚君) ただいま先生からお示しございましたが、総裁の私的諮問機関として基本問題懇談会というのが設けられておりますが、家賃部会というのはその中に設けられているものでございまして、家賃の改定のあり方について専ら議論、御意見をいただくということで設けられたものでございます。その中での御議論、これは自由濶達な御議論をいただくということで非公開、また資料等もその過程におきましては委員限りということになっております。そういったものをまとめましたものを去る十五日に基本問題懇談会に報告させていただいたわけでございます。この報告させていただきました内容につきましては、あくまでも公団の総裁の私的諮問機関に対するものでありまして、そういった趣旨をひとつ御理解いただきたいと思います。  そこで、先生の今出せないかというお話でございますが、これはまだ申請を行っておりません。そこで申請をしました後に、そういうものであるという御了解のもとに先生に御説明に上がるとかあるいはその他の方法で考えさしていただきたいというふうに思っております。
  113. 小川仁一

    ○小川仁一君 政府機関の非常に大きな機密にかかわるような審議会に出した提出資料とか、あるいは審議会などというものであればこれはなかなか難しいと思いますが、国民が非常に関心を持って、どうなるんだ、自分の生活に直ちに直結するというふうなものに必要な資料その他については普通提出される方が、私たちが応対をしあるいは審議をする際にも大事だと思うからお願いしましたが、今後ぜひ考えていただきたいと思います。  さらに、建てかえ問題に入りますが、この建てかえ問題も、先ほどお願いしたように、継続家賃同様、家賃決定等については、本委員会審議をもしやるとすれば、継続家賃をやるとすれば一緒にお話し合いできる機会があるものでしょうかどうなのか。
  114. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) 今の家賃の方はもちろんでございますが、建てかえの方も御審議をいただくことに建設省としては問題ございませんが、ただ、建てかえ自体は、もう御承知のように、土地の有効利用あるいは老朽なものを建てかえる、住宅を広く、またよくしていく、こういう意味においてぜひとも御協力をいただいて、古い分については建てかえだけはぜひとも、今いろいろ計画して進めておりますが、これを進めさしていただきたい。良好な住宅を多数に供給するという意味で御協力をいただきたい、かように思う次第であります。
  115. 小川仁一

    ○小川仁一君 建てかえしても家賃が高くなって住まわれなくなる、こういうようなことでは公団設立の本旨に合わないと思います。今の広さでもよいから家賃を据え置いてくれ、こういう年金生活者や高齢者の方があるんです。  私最初に国際居住年の話をいたしました。家のない人、居住環境の悪い人、そういう人たちに対する、あるいはそういう人たちの声を聞いてどのような対策をおとりになるか。何か家のないのは政治が悪いからだとおっしゃった方もあったようでございますが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  116. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) 具体的な、建てかえ後のあるいは建てかえ前の話し合い、こういうことにつきましては政府委員からあるいは住都公団の理事の方から答弁させますが、緩和措置その他を利用いたしまして、決して御迷惑——迷惑はかかると思いますが、最小限度にとどめるという方向で、お年寄りの方々あるいは身体障害者の方々、母子家庭の方々、こういうことにつきましては配慮をしていく。しかし、住宅はできるだけよくしていくし、また戸数をふやしていく、この意味ではどうしても建てかえ自体はやらしていただく、こういうことであります。  具体的な今の措置につきましては、公団理事の方から答弁をさせます。
  117. 小川仁一

    ○小川仁一君 建てかえについて、家賃の決定の仕方その他については非常に私も異論があります。土地の再評価問題にいたしましても、あるいは住都公団が買い入れた土地、その土地の価格が幾らだったかという質問に対しても、それは土地の値段は言えません、こう言ってみたり、こういう状況がありますので、それはまた後でやることにして、きょうはひとつ、入居している方の同意をいただかなければならないという条件があると思いますが、どのような形で入居している方の同意を得ているか。本当に人権を無視しないような形でやっておられるかどうかについてお聞きします。
  118. 渡辺尚

    参考人(渡辺尚君) 建てかえ事業は今の状況からぜひ推進しなければならないということでやっておるわけでございますが、その際に、現に居住者がおられるわけですから、その居住者の方々の理解と協力なしにはそれが円滑に進まないことは当然でございます。  そこで、我々といたしましては、建てかえ団地、ここを建てかえるということを決定しますと直ちに現地に説明会に入ります。これは何度も何度もやるわけでございまして、十数回という例もあるわけでございます。その後に希望調査をいたします。いろいろな点について御希望を伺うということで調査をさせていただきます。その調査に基づきまして、現地に折衝班が張りついておりまして、一人一人に現地でもって具体的、個別に面接をいたしまして御希望を聞く。そしてそれに沿って、できる限り御希望に沿ったような形で対応ができるように努力しているところでございます。  具体的には十項目のいろんな措置を講じておりますが、これを御説明すると長くなると思いますので、特に、一定の所得以下の、例えば生活保護世帯、母子家庭あるいは身障者の世帯、こういう方々に対しましては、建てかえられるところに移られた後も、通常七年間の段階で、最初は六五%の家賃の減額をいたしますけれども、それとは別個に……
  119. 村沢牧

    委員長村沢牧君) 時間がないから簡単に。
  120. 渡辺尚

    参考人(渡辺尚君) 住宅扶助限度額までお払いいただくという形を五年間とらさしていただいております。
  121. 小川仁一

    ○小川仁一君 話をよく聞いてくださいよ。私は、基本的人権を無視するような交渉をしてはいないかという聞き方をしたんですよ。手続論を聞いているんじゃない。そういうことはきっちり、時間がないから言いませんけれども質問を聞いて答弁してください。そうじゃないとただむだな時間を費やしてしまう。幾つかの基本的人権を無視するような事例があったから聞いたんです。後でやりましょう、この問題は。  さて、やっぱり岩手県の問題を二つ三つ聞いておかないとならないんですが、一関の遊水地、あと三十年かかるのなんのと言っていますが、これは大変なことですよ。毎年水害が起きるんです。ことしも春の融雪で水害が起きるかもしれない。一体これはあと何年かけるつもりですか。私は十年以内ぐらいにつくり上げなければ、とてもじゃないけど、その間における水害の被害によって農民が大変困ると思いますんで、この点を聞きます。  それから、さっきリゾートの話も出ましたが、田瀬湖レークリゾート、ちょっと言いますが、これは前にも言ったと思いますが、これは戦争中に政府が必要だというので強引にほとんどただみたいに買い上げた地域なんです。私子供のころでしたから、あそこに飛行艇が来るなんといううわさまで聞いたほどの場所なんです。こういうところが今立派なダムになって使われている。しかし、あそこの地域の住民を考えますと、戦後四十数年たっているけれども、やっぱり地元の期待にこたえてあげたいという気持ちがあるので、ここで決まったかなんという失礼な質問はいたしませんが、いかがですか。五〇%以上の可能性はございましょうか。ひとつ経過を御説明願いたいと思います。  それから、先日建設省で御調査なさったようですが、国道二百八十三号線、仙人峠という非常に厳しいトンネルがございます。これを直轄工事あるいは直轄代行等で思い切ってトンネルを広げてもらわないというと、非常に排気も悪い、中も狭い、大変なトンネルでございますが、これに対する考え方がございましたらお聞かせ願いたいと思います。  以上で私からの質問を終わらしていただきます。
  122. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) 今の一関、平泉地区は大変なところで、この地域が発展いたしますためにはどうしても治水事業を早くやらないといけない、こういう認識であります。  具体的には、その他の問題を含めまして各局長から実情の御説明をいたさせます。
  123. 萩原兼脩

    政府委員(萩原兼脩君) まず一関遊水地でございますが、三つほど計画をしております一番大きなものにつきまして、計画の遊水地になりますところの家は全部のけさせていただいたわけでございます。ただ、肝心の町を守ります堤防を今つくっている最中でございますが、それが不十分でありますために御指摘のように災害が続いておるという状況にございますが、少なくもハイウオーターレベルと申しまして計画の水位が参りますところまでは、何とか一関、平泉地区だけは昭和七十年までに守れるようにしよう、そういうふうに考えてございます。  それから二番目の田瀬湖につきまして、レークリゾート事業の採択の可能性でございますが、これは先生御存じのように新年度から新しい制度として取り上げますものでございまして、現在いろいろ場所を検討さしていただいておりますが、大変地元から御熱心な御要望をいただいていることをもう十分承知しておりますので、予算成立の時点でまた話させていただくことになろうかと思います。
  124. 三谷浩

    政府委員(三谷浩君) 二百八十三号の仙人峠につきましてでございますが、地形が非常に厳しいところでございまして、最急勾配も九・七%、あるいは最小半径も十五メートルということで非常に冬季には積雪や路面凍結のための交通障害が出ております。これらを改善するために建設省では二百八十三号を含めた三陸沿岸地域におきます道路網体系の調査を行っておりました。ただ、これをもう少し進めまして、三陸地域の沿岸部と内陸部とを連絡する一般国道の二百八十三号の重要性というものを考えまして、仙人峠付近の道路整備方針等につきましての調査を進めてまいりたいというふうに考えております。
  125. 小川仁一

    ○小川仁一君 終わります。
  126. 村沢牧

    委員長村沢牧君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十三分休憩      ─────・─────    午後一時一分開会
  127. 村沢牧

    委員長村沢牧君) ただいまから建設委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、建設事業及び建設計画等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  128. 沓掛哲男

    ○沓掛哲男君 建設大臣に最初にお尋ねも兼ねて質問を五項目させていただき、後で国土庁長官に三問、またこれもお願いを兼ねての質問をさせていただきたいと思います。  第一点でございますが、公共事業費の中長期的確保について質問をさせていただきたいと思います。  公共事業予算につきましては、昭和六十二年度大型補正、昭和六十三年度予算案における大幅な増と、その拡大確保が図られておりますが、これは一つには、日米間の貿易摩擦改善のためのマクロ経済対策の一つとして米側から我が国の内需振興が強く求められ、昨年のベネチア・サミットで前中曽根総理が公共事業費五兆円の内需振興を公約したこと、いわゆる外圧であります。  二番目には、我が国は先進国と言われながら、先進国に比べて大変おくれていることが三つあります。このことは前川レポートでも述べられておりますが、その第一は低い居住水準であります。低い居住水準は今さら御説明することもございませんが、下水道もない狭い貧弱な住宅にたくさんの人が住んで、一人当たりGNPが世界一と言われても実感しないのは当然だと思います。豊かなゆとりある生活をするための居住水準の向上こそ国民が今最も求めているものであると思います。いわゆる内圧があるということ。  三番目には、資金がなくてはやれませんが、幸い日本電信電話公社がNTTに衣がえした際にできたNTTの政府持ち株を昨年もことしも百九十五万株ずつ売却して益金を上げることができるということがございます。  四番目には、先週三月十八日でございますが、月例経済報告では、我が国の経済は国内需要が堅調に推移し、企業収益は高い伸びを続けており、雇用情勢も引き続き改善するなど拡大局面にあると言っておりますが、マクロではそうですけれども、産業間、地域間で大きな格差があります。輸入にかかわりのある産業や地域は大変好況です。円高差益三十兆円のうち七〇%近くは還元しているものの、残りの十兆円近くがこれらの人の懐にプラスアルファとして入っているのですから好況は当然ですが、その恩恵に浴さない陰の産業地域は大変です。これら地域の活性化を図る必要があったことなどでございます。  以上挙げました四つの課題、特に低い居住水準の改善には一、二年の公共事業費の増額ではだめで、今後とも住宅・社会資本を充実させ、内需主導型経済成長の定着を図るためにもなお中長期的に公共事業予算の安定的確保を図る必要があると考えますが、建設大臣の見解と、できれば決意もお聞かせ願いたいと思います。
  129. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) ただいま先生からのお話でありますが、我が国が非常に社会資本の充実がおくれておる。幸いな点は、最近公共事業が非常にふえてまいりました。特に六十三年度は当初予算で二〇%増というありがたいことでございます。でございますから、これを有効に配分をしてやっていかないとならない、こう思うのであります。  第一点のお尋ねの、これは一過性のものではいけない、もう中長期的に安定して社会資本を充実しなければならない。今見ましても、お説のNTTの売却益にいたしましてもそう長くは続かないと思いますので、何としてでも中長期的に財源を見つけて公共事業は進めていかなければならない、こういうふうに考えております。  また、今国民が非常にゆとりがない、これはもういつも皆さんから言われておるとおりであります。でございますから、その点からいっても、ひとつ住宅を初めゆとりのある生活ができるようにしなければならない、かように思います。国民生活で衣食住でありますが、衣の方も食の方も十分でございますが、もう一番貧困なのが住宅であろう、かように思う次第であります。建設省といたしましても、住宅につきましては税制の問題あるいは金融の問題、また公団・公庫住宅の問題、こういうことに力を入れましてできるだけ良好な、住環境がよくなるように努力をしていきたい、かように思っております。  なお、非常に公共事業地域の活性化、特に不況地帯等を、これは労働省等からも要望がございましたが、不況地帯等につきまして重点配分をして、その地方地方の活性化にも努力をしてまいりたい、かように考えておる次第であります。  全く先生御専門でございますが、もう先生のおっしゃるとおりでございますので、その方向で努力をしてまいりたいと思います。
  130. 沓掛哲男

    ○沓掛哲男君 では二番目に、公共事業の端境期対策についてお願いしたいと思います。  公共事業の執行についてでありますが、ここ二、三年大幅な前倒し執行が図られてまいりました。そのため、公共事業の端境期に当たる四月、五月も早期発注による新規契約分と過年度の国庫債務負担行為の当該年度割及び契約済み繰越額のいわゆる既契約分を合算いたしたかなりの事業が行われましたので、受注企業にとっても地域経済にとってもよい結果が得られております。しかし、六十三年度は我が国の経済の足取りもしっかりしているので公共事業の前倒し執行が必要でないとの声もあります。私も、今まで目標にしてきた上半期の契約率については特段申し上げませんが、地方の中小建設業者がおなかをすかしている四月、五月には、発注の平準化の観点からも適切な事業量の確保が図られるようお願い申し上げます。特に、工事期間の制約される積雪地域には特段の御配慮をお願いしたいと思います。
  131. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) 六十二年度は御承知のように前倒しございまして、その後補正予算がございました。これの消化につきましては非常に順調に進んでおります。その点は、一点は非常にお天気がよかった、この点であります。もう一点は積雪地帯の雪が少なかった、こういう点であります。  そこで、今私も正式に大蔵省なりあるいは日銀から聞いたわけではございませんが、時々新聞等で前倒しをことしはやらない、こういうお話であります。そこで、仕事は六十二年度のは非常に消化が順調に進んでおりますので、前倒しでなくして、できるだけ早く契約をして実際に仕事をずっと平準化していこうということで、今指示をいたして準備を進めておるところであります。でございますので、できるだけ早く予算を成立さしていただきたい、これが第一点であります。  それから第二点は、特にその必要を感じておりますのは、六十二年度の補正予算関係もございましたので、ゼロ国債というのを認めていただいてないのであります。でございますから、できるだけ早く四月に多く契約をして工事が平準化していく。これは一つには資材の問題もありますし、資材の高騰をさせないように安定さすという意味もありますし、また労務者の関係も平準化することが一番だと、こう思いますので、そういう指示をいたしております。  御要望に沿って努力をいたしたいと存じます。
  132. 沓掛哲男

    ○沓掛哲男君 では三番目に、建設資材の値上がり防止対策についてお願いしたいと思います。  国民は、公共事業費が確保されて、自分たちの必要としている社会資本が速やかに整備され効用を発揮することを望んでおります。公共事業費の増額に応じて事業量も増大しなければなりませんが、その障害の一つ建設資材の価格高騰があります。昨年の六月ごろからH形鋼、小形棒鋼、米国のツガ材等が高騰し始め、十一月、十二月ごろにピークを打ち、本年に入って一月、二月と下落し、横ばいの状態にあります。値動きの一番大きかったのは小形棒鋼で、トン三万二千円のものが六万一千円と九割も値上がりし、その後四万六千円と値上がりの半分を戻しております。値上がりを始めた昨年の六月は、サミットで中曽根前総理が五兆円の公共事業費の追加を公約したときであります。ピークを打ち値下がりを始めた十二月は、工事の最盛期を越え、資材需要も減じた時期であります。  さて、資材価格変動の激しかった昨年においても価格の安定した資材があります。それはセメントであります。土木も建築も含めた建設事業費と最も高い相関性を有するのがセメントの消費量でありますから、これは私は現職のころいろいろ研究してみましたら、民間と公共事業を含めたもので一番相関性の高いのがセメントの消費量でございますから、昨年もセメント消費量がふえましたが、価格はトン一万三千円と安定しておりました。その理由の一つに、韓国から我が国のセメント需要量の四%程度を輸入していることが挙げられると思います。異常な値上がりを示した小形捧鋼についても、昨年十一月、十二月と韓国物を輸入しており、この時期からの値下がりに貢献していると思います。私は、資材の価格調整に輸入は大変効果的だと思っております。もちろん、市場を混乱させることのないよう節度あるものでなければなりません。  そこで大臣にお願い申し上げたいのですが、昭和六十二年度の主要建設資材の需要は、公共部門も民間部門もともに前年度に比べ相当増加いたしましたので予測しにくい面もあったかと思いますが、六十三年度は公共部門も民間部門もほぼ横ばいということで予測しやすいのではないかと思います。ただ、三月の月例経済報告で、住宅建設は高い水準で推移し、設備投資も着実に増加し、我が国経済は拡大基調にあると先週報告されており、幾分の増加はあるかとは思いますが、ともかく的確な資材の需要を予測し、事前に供給面での対策、例えば生産の確保や必要な場合の輸入の準備等をしていただき、安定した価格で建設資材の供給をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  133. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) 今の資材の問題でありますが、昨年はお説のように鋼材が値上がりいたしますし、また木材が非常に高騰をいたしました。その後、通産あるいは農林両省にお願いをいたしまして、増産あるいは輸入問題、お説のとおりの手を打ちまして、今はほぼ安定をいたしております。  そこで、先ほども申し上げましたが、平準化をして、急激に、一時に鋼材なら鋼材あるいは木材、これが購入されないように平準化していこう、また多く見込まれるときには特に輸入等をお願いをしていく、こういうふうに思っております。幸い、お説のようにセメントは非常に安定をいたしておりますので、このことは非常にありがたいと思っておりますが、ことしも平準化しないと鋼材あるいは木材、それと労働力、これにまた去年のような状態が来るのではないか。これを起こさないようにできるだけ平準化して御期待に沿うように努力をしてまいりたい、かように存じます。
  134. 沓掛哲男

    ○沓掛哲男君 では次に四番目に、外国企業我が国公共事業への参入問題について御質問したいと思います。  ことしの正月「花の生涯」という十二時間テレビドラマがございました。嘉永六年にペリーが来航して我が国に開国を求めるわけでございますが、我が国はいろんな面で苦痛、犠牲を払いながら開国し、近代国家へと脱皮してきたんだというふうに思います。ちょうどここ一、二年、まさに第二の開国が求められているというふうに思います。特に農産物と公共事業の自由化でありますが、農産物の方が一歩進んで交渉が進められており、それを見てみますと、一昨年の七月、米国がガットに提訴し、昨年六月、七月、九月にパネルが開かれ、問題にされている農産物十二品目のうち雑豆、落花生は灰色で残り、十品目は自由化しろという結論が出され、ことしの二月のガット理事会で、日本側はこのパネルの結論を受け入れるが、でん粉と乳製品の自由化は困難だとしておさめております。今はオレンジ、牛肉が争点となっております。残っているのは米だけということになります。  さて、建設業については二年半ほど前から関西国際空港事業への米国企業の参入が求められ、その後、対外開放の対象とする公共事業を拡大すること、さらには特定の民間事業にも米企業が参入しやすい措置をとることなどの要請があり、大臣初め関係者の皆様が大変御苦労をなさっておられますが、差し支えない範囲でこれまでの日米協議の経過を簡単に説明していただきたいと思います。
  135. 望月薫雄

    政府委員(望月薫雄君) ただいま先生から若干の経過も踏まえながらの御質問をいただいたわけでございますが、お話のとおり、一昨年の関西空港問題からずっと今日まで建設事業に関する参入問題が続いているわけでございます。とりわけ、昨年の暮れに関西空港問題について基本的な決着を見たと同時に、公共事業への参入問題というものが提起されているわけでございますが、去る一月の十二、十三日の日米首脳会談におきまして、日本政府の方から、公共事業についての参入問題、現実に確かに外国企業が入りにくい実情もあるので特定の公共事業プロジェクトについて習熟するための手だてを考えよう、こういった御提案を申し上げて、それを受けて二月中旬、さらに三月の初めと交渉を続けてまいっている次第でございます。現在時点でまだ決着を見る段階に至っておりませんで、文字どおり、きょう現在もアメリカにおいて第三回目の事務交渉を継続中、こういった次第でございます。  率直に言いまして、公共事業の参入問題ということで私ども誠心誠意の努力をしながら交渉に臨んでいる次第でございますが、いささかアメリカ側の要望する内容と私どもの理解の間にギャップがあって、なかなか交渉が難航をきわめておる、こんな現状でございます。
  136. 沓掛哲男

    ○沓掛哲男君 大変御苦労さまです。  さて、自国民の税金で行う公共事業の発注については、それぞれの国の事情を背景として異なった制度となっております。米国、特にその議員さんは最初、日本建設業者は米国から年間三千数百億円の公共事業を受注しているのに米国側はほとんど受注できない、日本建設市場を開放せよと要求していましたが、一昨年の実態は、公共事業の受注額はわずか九十八億円にすぎません。しかし、米国進出の日本企業等から三千数百億円程度建設事業は受注しております。  その後、日本の指名競争入札はけしからぬと言っておりますが、米国で公共事業を受注するために日本を初め外国の建設業者が受ける制約と申しますか、入りにくくなっているのがどんなことかを私なりに調べてみました。大別して五つあります。  一つは、多くの州では建設業者に許可制をしいておりますので、まず建設業者としての許可を受けなければなりません。  二つ目に、多くの州では入札参加のために事前資格審査制度、プリクォリフィケーション、PQ制と言っておりますが、事前資格審査制度があり、これを受けてレーティング、格付をしてもらわなければなりません。  次に、悪名高いバイアメリカン法、バイステート法がございまして、このバイアメリカン、バイステート法に基づくきついハンディを受忍しなければなりません。バイアメリカン法には、連邦政府で制定したものと州政府で制定したものがありますが、アメリカで生産したものを使えという法律であります。  バイアメリカン法の例では、一九八二年制定の陸上輸送援助法ではバイアメリカン規定をセメントにも拡大し、米国の入札者のオファーが外国の入札者のオファーよりも二五%を上回って高い場合にのみ米国の入札者が契約を得られない、まあ英語を訳した文章ですからちょっとわかりにくいんですが、要するに二五%高いものを買わされる、こういうことになるわけでございます。州が設けておりますバイステート法では、州外で生産された製品を、国産品も外国製品もともに差別いたしております。例えば、自分の州で三年間税金を納めた企業とそうでないものでは入札価格に、特恵マージンと言っておりますが、ハンディをつける。その上、これらの法の運用は、舞台裏でのロビイストの活動、外国との二国間協定、全般的な政治情勢などによって影響を受けるという、大変恣意的に行われるようになっております。  さらに四番目は、これは大変難しいことなんですが、ボンド制が適用されております。日本の業者が行くと、まずここでもう大変難しくなるわけでございますが、これはまず入札には入札保証金として入札額の五%がビッドボンドとして必要です。これはそう難しいことではありません。しかし、受注には工事完成保証書と労務、資材の支払い保証書が必要でございます。工事完成保証書は全額について保証してもらわなければなりません。この保証書は連邦政府の公認の保険会社発行のものでなければなりません。連邦政府、財務省公認の保険会社発行のものでなければなりません。そういう保険会社が、日本建設業者が行ったからといって全額の保証を簡単にしてくれるものでは決してありません。これはもう大変なことでございます。  それから五番目には、これは落札者は最低価格者ではなくて、ロー・レスポンシブル・ビダーとなっております。値段が低くてそして責任を持ってきちんとやれる入札者だということでございまして、この辺にもいろいろな恣意的な問題が入っております。  そこで、ではアメリカ以外はどうかと申しますと、指名競争入札はけしからぬとアメリカは日本に対して言っておりますが、英国でも指名競争入札が行われております。仕組みはどうなっているかと申しますと、まず業種別にアプルーブドリスト、すなわち登録リストをつくっております。各業種ごとに四、五千社集めております。そして、入札をしようと思うとき発注者はアプルーブドリストから二十から三十社を拾ってリストをつくります。これをロングリストと言っております。発注者はこのリストの会社に電話をいたしましてこの事業への参加意欲等を聞き、五社から八社程度に絞り込みます。これをショートリストと言っております。そしてこの五社から八社の会社が指名競争入札をするわけでございます。落札者はまた価格が最低というわけではなくて、ローイスト・アクセプタブル・オファーに受注させる。ローイスト・アクセプタブルなオファーに受注させるというふうになっております。  どこの国でも、税金でやる仕事は国内の産業界、すなわち国民に還元することを原則としております。自国の業者が不得意とするものだけを外国の業者にさせております。聞いたところ、ドイツの人や英国のそういう大手業界の方々でも、私らの記憶ではちょっと外国人が入ってきた例はほとんどない、昔オランダの方にいろいろ海洋の関係でやってもらったことがあったかなと、こういう感じでございました。  さて、我が国の公共事業の開放を強く求めている米側の背景としては、一つには、日米間の貿易不均衡の是正を求めるものがあるというふうに思います。このために、まず為替レートの調整や我が国の国内需要の増大といったマクロ経済が問題となったわけでありますが、今や米国はミクロ経済へと問題の焦点を移しております。ミクロ経済として彼らが問題にしようとしているのは二つある。その第一が、農産物、公共事業の開放であり、第二が、円高なのに日本国内の輸入品値段が下がらず、逆に米国での日本製品の値段が上がらないことであります。  二番目に、円高により我が国の公共事業を含む建設市場が国際的に見て非常に大きな市場になっているということが挙げられると思います。  三番目には、国際的に見て先進国の建設業生産力が合理化とか機械化等によりまして過剰時代に入ろうとしているのではないか。農産物で言えば食糧生産過剰時代にも入ろうとしているのではないかというふうに思います。  いずれもこれらは筋論というよりも利害の問題としてとらえられるものだというふうに思います。  日米間の現下の逼迫した公共事業開放の争いを鎮静化させるため、私なりの考えを申し上げてみたいと思います。  紛争を解決する手段としては一般的に三つあります。一つは筋道を話し合う筋論であります。二つ目は力で解決することであります。三つ目は利害の調整であります。  一つ目の筋論は、今皆様が米国と一生懸命やっておられることです。米国の通商法三〇一条の発動等をちらつかせての執拗かつ高圧的な要求に大臣初め関係者が的確に対応しておられることに敬意を表しております。高圧的という言葉を設けましたけれども、これはペリーやハリスが日本に来る際に彼らなりに日本をいろいろ調べてきました。その際に彼らが得たことは、日本人との対応は高圧的にすることが一番まとまりやすいんだということを彼らなりに学んできておりました。それは長崎に出入りしている外国人等から得た情報だ。そういうものを通じてハリスやペリーは、日本人と交渉してそれをまとめるには高圧的にやるのが一番いいんだということで彼らは日本に来たということでありました。何となくそれを受け継いでいるのではないかというふうに思えてなりません。  さて、木に例えれば、葉や枝は国際化時代に適した多少の剪定は必要だと思いますが、幹は曲げることがあってはならないと思います。筋論で米国だけに特恵を提供するという考えは危険だと思います。今までの日米の協議を見ていて、筋論では我が国に利があるとは思いますが、だからといって現状でまとまるかについては私は悲観的であります。それは、昨年一年間農産物の自由化問題を党の農林部会で見ておりました体験からでありますが、昭和三十年にウエーバー、いわゆるガット上の義務免除をもらったからといって、農産物十四品目について保護しながら、日本の農産物はすべて自由化しろとガットの場を使いながらこわ談判する国でありますから、なかなか筋論では容易でないというふうに思います。  もちろん米側にも言い分はあります。しかし、ここまでくると両国民の物の見方、考え方、行動原理の違いかなというふうにも思います。義理人情をたっとび、本音と建前をうまく使いながら相手とうまく話をまとめる日本人と、合理的でノー・オア・イエスがはっきりしている契約社会の米国人の違いが集約されて出てきているのかなとも思います。  この筋論でおさまらなければ次の力でありますが、日米間の紛争を力で解決することは不可能ですから、これは省略させていただきます。  私は、残りの利害調整がこのたびの紛争解決にはキーポイントだと思っております。  このたびの公共事業開放の紛争は両国の経済的な利害から出ていることであります。この面の解決に重点を置き、かつ即効性のある施策が必要であります。このために、日米の建設業協会等が話し合い協力し合える交流の場をつくるなどにより、民間レベルで太いパイプを築くことが大切だと思います。日建連会長の佐古さんがこの面でいろいろ御努力されておりますが、なお一層の促進をお願いいたします。例えば、今すぐ米国建設業者の日本視察団派遣を要請して、そして百人か二百人米国建設業界のトップクラスの方に来ていただき、日本で提示しているプロジェクトを見せながら我が国の公共事業の発注の仕組みや制度を勉強してもらう。その一方で、我が国建設業界のトップクラスの人が百人か二百人訪米して建設機械等の資機材を購入する。円高ですから損はしないはずです。  米国の建設業者が我が国で希望している業務はコンサルティング、マネジメント、資機材の供給が主なものですが、米国業者の言うコンサルティング、マネジメントは我が国では主として発注者が行うもので、我が国の建設業者が実施している工事の施行は余り米国業者は希望しておりません。そこで、日米の建設業者間で相互理解を深めれば、相手国の市場を混乱させるようなことは起こらないというふうに思います。  ただ、ここは建設委員会でございますから申し上げてはおきませんでしたけれども、アメリカはいろいろ制度的に空港に関してだけは大変他国へ進出していくためのいろんなことをなしております。そういうこともあってだと思いますが、米国で三年前に改正いたしました空港の建設にかかわる空路法では一切のバイアメリカン法等を排除いたしております。  さて、日米建設摩擦について、日本に進出している米国の建設会社ピー・エー・イー・インターナショナルのユリ副社長が三月十七日付の日経新聞に記者との一問一答を行っていますが、傾聴に値することを言っておると思います。一つは、米国業者が日本で仕事をしたいのなら、まず日本で支店を開く努力をすべきだ。二番目には、米国企業が本当に日本に来たくて政府を動かしているというより、商務省がしかけた交渉じゃないかということを米人のユリ副社長が申しております。  確かに、ずっと歴史を見てみると、米国がこういう問題を他国にしかけるやり方というのはルールがございます。そのやり方を見ていますと、ビッグビジネスなり大きな団体が騒ぎます。利害団体が騒ぎます。そしてそれを議会が受けます。そして強烈に相手国を攻撃いたします。そしてそれを政府が中へ入って、議会が大変だから何とかしなければおまえの国は損をするぞということを言います。そしてその三者の間をロビイストがうまく取り持りてやっていくというのが今までのやり方ではないかというふうに思います。しかし、この建設業に関しては、余り建設業界とそういう政界との間、国会議員との間はそんなに今言ったようなかかわりではないのではないか。そういうことをユリ副社長が、今申しました二番目の、米国企業が本当に日本に来たくて政府を動かしているというより商務省がしかけた交渉じゃないかというところに出てきているのではないかというふうに思います。  今後、日米交渉は困難なものがあると思いますが、建設大臣初め関係者の皆様には粘り強く頑張っていただきたい。特に、さきに述べました日米建設業界の速やかな交流を進めていただきたいと思います。  これについて建設大臣の御見解を賜りたいと思います。
  137. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) 大変な御研究、また非常に有益なお話を承りました。  御承知のように、一月に竹下総理が訪米をされましたとき、かねてからいろいろ問題になっておりました問題でこの建設業の参入問題、日本の御承知のとおり制度としては非常に実績を見るわけでありますが、この実績について、外国の実績も周知といいますか、熟知するまで特定のプロジェクトを指定してやろうと、こういうことの提案をいたしました。その後二回にわたって折衝を続けておりますが、不幸なことにまだ妥結に至っておりません。第三回目を今やっておるところであります。  お説の中で、木に例えて言いますと剪定の範囲はということでございますが、全くそのとおりでございます。幹を曲げる考えはいささかもございません。剪定範囲で妥結をするように努力をいたしております。そもそも仕組みが違うわけですから、これを日本の仕組みを変えろといってもそれは無理な話でございますから、そういうことは一切ただいま考えておりません。  内容につきましては、今交渉中でございますから、私が思っておりますのに、交渉というのは双方が譲り合わなければ交渉にならない。でありますから、できる限りこちらも譲れる範囲はもう既に譲っておりますし、またアメリカもひとつ譲って、両方が妥結をするように努力をしてもらいたい、これを希望する次第であります。  また、民間のことでございますが、佐古会長も先般訪米いたしましていろいろ努力をいただいております。さらに、大勢の方々ということでございますが、この点についてはまたお願いもいたしたい、かように思います。ただ、非常に無理難題を吹きかけられてこっちが屈するようなことはこれは避けたい、こういうふうに思う次第であります。  御高説をちょうだいいたしましたが、今後さらに努力をいたしまして円満な妥結ができるように努力をしてまいりたい、また指導をしてまいりたい、かように思う次第であります。
  138. 沓掛哲男

    ○沓掛哲男君 では最後の五番目でございますが、建設工事における不法就労外国人労働者の排除について私なりの考えを申し上げてみたいと思います。  外国人の資格外活動事件及び資格外活動絡み不法残留事件の摘発件数は、昭和六十年五千六百人、昭和六十一年は対前年比四四%増の八千百名、六十二年は対前年比四〇%増の一万一千三百名にも及び、まさにウナギ登りに増加しております。この人たちの就労状況でありますが、一番多い職種はホステスで、次が土木作業員であります。  このような不法就労をされる方は大別して三つのパターンがあります。第一は、現在我が国に残留している外国人が約八十七万人いますが、このうち韓国、朝鮮の六十八万人は就労が自由ですから対象となりません。八十七万から六十八万を引いた残りの十九万人のうち三万人の方は就労できる在留資格を持っておりますので、その差の約十六万人が不法就労の可能性があります。第二は、観光ビザで入国している約百五十五万人。第三は、滞在期限の切れている五万人。この三つを合わせた総計約百七十六万人のうちの一部の方が不法就労をされているのだと思います。不法就労者数ははっきりはわかりませんが、六十二年の摘発件数が約一万一千三百人で、それも毎年四〇%以上ふえていることから見て相当数であることは間違いありません。  外国人労働力を第二次大戦後の復興期に一時的に受け入れてきた英、仏、西独等の西欧諸国は、第一次石油ショックの一九七三年以降新規の外国人労働力の受け入れを停止、規制し、帰国促進の施策を講じております。これらの国の抱えている問題は、一つ、当初の一時的出稼ぎが定着、滞留化したこと、二番目、外国人労働者が集団生活し地域社会と溶け合わずに対立していること、三番目、受け入れ国労働者よりも高い失業率が発生していること等であります。  これら欧州の先例から見ても、単純労働力は受け入れるべきではないと思います。外国人の単純労働者は低賃金であったり、労働環境がよくなく好かれない職種に勤労する場合が多いのですが、建設現場でこの人たちを使用すると、言葉がよく通じないこと等もあって労働災害がふえ、品質管理が悪くなり、また低賃金化や長時間勤労等により労働環境が悪化して若い技能者がますます来なくなるなど、利益を超える大きな弊害があると思います。また、不法就労を長時間持続させれば慣行化するなど、将来大きな問題を抱えることになります。芽は若いうちに摘んでおかなければなりません。  そこで大臣にお願いしたいことは、若い人たちから嫌われる建設現場でなく好かれる建設現場になるよう、建設現場の労働環境の一層の改善を図っていただきたいのであります。そのために、まず第一に、建設現場における不法就労外国人労働者の排除が必要だと思います。一部の企業がこれら労働者を使用すれば、コストダウンが図られ受注競争上有利となるので、他の企業も使用するようになれば、悪貨は良貨を駆逐する例えのように雪だるま式にふえては大変なことになります。建設にかかわる協会等が中心になって、傘下の建設会社に不法就労外国人労働者を使用しないように決定し実行するのも一つの方法かと思います。かつて暴力団とのかかわりを断つ際にも各種の建設業団体が大きな役割を果たした実例から見ても、協会等がこの問題を取り上げ適切に対応するよう大臣からも御指導願えればと思います。よろしくお願い申し上げます。
  139. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) 外国人労働者の使用については全く先生の言われるとおりでございます。先生のお述べになったとおりだ、さように思う次第であります。先般も労働省と打ち合わせをいたしまして、この点についても十分話し合いをいたしております。我が建設省といたしましても、作業環境をよくし、若い人に就労をしてもらうように喜ばれる職場に持っていきたい、かように思う次第であります。  また一方、非常に今東京とか大阪で賃金が高い、大工さんが三万円だとかいうようなうわさが率直に言ってありますけれども、大工さんが三万円であっても、実際に働ける日を計算いたしますと、熟練の方が遠方から来て三万円もらっても高いとは私は思っておりません。でございますから、ひとつ国内の方々にお願いをする、そして良質な仕事をしていただく、このことが大事だ、かように思う次第であります。  また一方、外国人の技能労働者はいいでないかという説もございますけれども、その区別が実際問題なかなか、例えば大工さんといいましても、大工さんの技術の程度を図るというのはなかなか難しい。でございますから、とりあえずは、先ほども申し上げましたように、平準化をいたしまして、国内の技能者、国内の労働者、この方々に仕事をしていただく、こういうふうに業界を指導してまいりたい、かように思う次第であります。
  140. 沓掛哲男

    ○沓掛哲男君 建設大臣、どうもありがとうございました。  次に、国土庁長官にお願いしたいと思います。  第一点は、東京一極集中の是正と多極分散型国土形成についてお願いとまたお尋ねをしたいというふうに思います。  これは先ほど赤桐さんからもいろいろお話があったことでございますが、まず、昨年策定された第四次全国総合開発計画は、東京一極集中の是正と多極分散型国土の形成を基本目標とし、そのため交通、情報通信体系の整備等を推進することとしております。昭和四十四年に新全総が策定されましたが、これも交通、通信ネットワークを整備して均衡ある国土の発展を図ることを目標としておりました。確かにマクロで見た全国の振興は図られたものの、大都市圏と地方圏での不均衡は一向に是正されなかったと思います。それは、地方の振興対策をとる一方で、大都市圏の問題点、例えば住宅不備、交通渋滞、災害への脆弱性等への対応を図るという対症療法的施策がメーンであったからだと思います。これにもう一つ、都心から地方へと移動する何か直接的な対策が必要だったと思います。  今回は遷都論が議論されておりますが、その実現は容易でないと思います。政府は国の機関移転推進連絡会議を設けて国の機関等の移転促進を図っておられます。また、今国会に提案が予定されている多極分散型国土形成促進法案でも、東京二十三区に立地する民間の工場、事務所、研究施設、教育・文化施設などの地方への移転に配意することとなっております。いずれも大切なことでありますが、私は、この中でも東京二十三区内の大学移転を強力に進めることにより、東京の今抱えている諸問題に的確に対応できるとともに、移転地の地域振興に大きく貢献し、さらに学生さんにとっては安い費用でより快適な生活ができ、山河と接しつつ浩然の気を培え、まさに一石三鳥ではないかというふうに思います。  その根拠を少し説明させていただきたいと思います。  東京二十三区内にある大学及び短大の学校数は六十一年度で百二十八校あります。国公立が九校、私立が百十九校、私立が圧倒的に多うございます。学生数は、国公立が四万一千人、私立が四十五万人、合わせて四十九万人、大部分が私立の学生さんでございます。教職員は約八万人で、学生さんと教職員を合わせて五十七万人であります。先ほど、赤桐さんのいろいろな説明の際に答弁いただいた中で、遷都した場合には移る人口は十二万から六十一万だというお話でございましたし、また二十三区内の人口が八百三十五万ということから見ても、この学生さん四十九万、職員八万、合わせて五十七万という数字は相当大きな数だというふうに思います。  学校の敷地面積でございますが、国公立は二百七十ヘクタールでございます。私立大学の方はなかなか教えてくれません。いろいろ手を回して私なりにいろいろしたんですけれども、非常にアバウト的ですけれども、約千ヘクタールぐらいというふうに思います。  では、この面積がどのくらいの大きさか、今後の都市問題にどれぐらい役に立つのかでございますが、昨年、自民党の緊急土地問題協議会の土地有効利用委員会で、昭和七十五年、すなわち二十一世紀までに東京二十三区内で新規に必要とする事務所床面積は千六百から千九百ヘクタールと予測しております。容積率を二〇〇%としても必要な敷地面積は九百ヘクタール程度であります。都心二十三区内の大学の敷地は、昨年土地高騰の大きな要因となった新規事務所床の二十一世紀までの需要を十分賄える面積であります。国公立が二百七十ヘクタール、私立大学が千ヘクタールですから、九百へクタールあれば十分賄えるわけでございますので、そういう面積が一応あります。  さらに、注目すべきことは、これら二十三区内にある大学は、昭和五十一年から昭和六十一年の十年間に本部が二十三区外は移転したもの十六校、一部学部等移転したものが十校もあり、それに伴い約二十三万人の学生が移転しております。学校側にも移転の機運がありますので、移転促進施策、例えば跡地を担保にした低利資金の融資や移転先の関連公共施設の整備などに特段の配慮をすることにより移転を促進することができると思います。もちろん特別立法も必要になるかと思います。大学立地地方にとっても最も好ましいことであり、もろ手を挙げて賛成であることは申し上げるまでもありません。また学生さんにとっても、東京での下宿代は月額約八万円、京都で四万円、私の郷里の金沢で二万五千から三万円と大きな格差があり、満員電車で通学し、自然との触れ合いも少ないごみごみした都心二十三区は学問をする環境にもはや適さなくなっております。  私は、これを全部一挙にどかせということを申し上げておるのではございません。国公立の学生さんは四万一千、私立は四十五万人でございますし、その面積も今申し上げたように国公立二百七十ヘクタール、私立大学千ヘクタールぐらいでございますから、促進策によってそのうちの半分なりあるいは相当の分を動かすことでも十分ではないかというふうに思っております。  文部大臣もされ、今また国際化、情報化時代にふさわしい国土利用の実現のため日夜努力されておられます奥野国土庁長官のこれに関する御見解をいただければありがたいと思います。よろしくお願いします。
  141. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 今大学問題を中心にして御見解をお聞かせいただきました。いずれもごもっともなことだと思っております。  私なりにおっしゃった点について申し上げさせていただきますと、四十四年の国土総合開発計画以来、均衡ある発展をうたっているじゃないかという御指摘、そのとおりでございます。ただ、最近は東京世界金融センターになって世界じゅうの企業が東京に事務所床を求めて殺到してきたり、あるいは経済構造の大きな変化から第二次産業よりも第三次産業に大きなウエートが移っていった、そんなことから一層東京集中が加わってきたんじゃないだろうかなというようなこともあろうかと思うのでございます。しかし、いずれにしましても、せっかく国土総合開発計画をつくっているんですから、それを絵にかいたもちにしない何か手法を講ずべきじゃないかということで、今回立法を考えて国会に提案させていただこうと思っているところでございます。  同時に、東京都から地方に積極的に移すべきだという御意見もごもっともでございまして、そういう意味でいろんな誘導策を講じておるわけでございます。今度も通産省はいわゆる頭脳立地法を制定しようと考えておりますのも、東京から頭脳の中心をなすような研究施設地方に移して、そこを拠点として発展を図っていきたいというような考え方もあるわけでございます。しかし、政府みずから率先して範を垂れるべきだというようなことから政府関係機関地方移転を考えたわけでございまして、地方団体の方では、初めて国が具体的な措置をとってくれたという意味でこの方向を歓迎していただいているようでございます。ぜひこれを、今朝来お話がございますように、政策と言えるような内容のものにしたいなと努力をしているところでございます。  大学の問題につきましても、東京外国語大学地方に出る計画などございますし、これもなお積極的にそういう方向に行くことが正しいことだ、こう思います。ただ、昭和三十四年でございましょうか、東京既成市街地区域に対する大学抑制策がとられたこともございまして、先ほど調べますと、東京二十三区における学生の日本全体の中に占める割合が、昭和五十一年には三三%を占めておりましたけれども昭和六十一年には二一%に下がってきているようでございます。でございますから、御説のような方向への努力が続いているんじゃないだろうか、こう思うわけでございまして、今後も十分に今の御指摘の点は留意してまいりたい、かように思っております。
  142. 沓掛哲男

    ○沓掛哲男君 次に、リゾート地域整備についてお願い申し上げたいと思います。時間がなくなりましたのでお願いの点だけまず申し上げたいのです。  現在各県で基礎調査を実施いたしております。これから全国で相当数の地域近郊型のリゾートが整備されることになると思いますが、同タイプのものばかりでは他府県からの広域的利用に限界がありますので、こういう中でも特に諸条件の整ったすぐれたものはナショナルリゾート地として国際的にも評価されるようなものに整備していただいてはどうか、そのための特段の配慮もお願いしたいと思います。  それから二つ目には、リゾート法ではかなり広域的なエリアを対象にしておりますが、特定の自然物を中心としての開発、例えば私の郷里の七尾湾を中心として、その湾岸数町で七尾湾の利用を図りつつリゾート地域整備しようということでいろいろ検討いたしておりますが、そういうような中規模レクリエーション地域整備にも国の総合的な援助が今後お願いできればと思いますので、御検討いただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
  143. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 総合保養地域整備法で考えておりますのは、御承知のとおり滞在型の複合施設でございますし、同時にまた、お話しいただきましたように、国際的なものまで頭に描いているんじゃないかなと思うのでございまして、少なくとも国家的なリゾート基地を予定しているんだと思います。したがいまして、一遍にたくさん指定するんじゃなくて順次指定していく。そうでなければ思い切った民間の投資が期待できないんじゃないか、共倒れになってしまうんじゃないか、こういうこともあるわけでございます。  その中で、今おっしゃいましたのは、中規模のものを考えたらどうか、こういうことだと思います。滞在型の複合施設に対しまして通過型の観光基地などという言葉があるようでございますけれども、その中間ということになるんだろうと思います。さしあたりは、この大規模なリゾート基地を整備してある程度いった段階においてなおその中間的なものを違った角度で取り上げることができるかどうかということを研究すべきじゃないだろうか。さしあたりは観光基地として整備していくということじゃないんだろうか、こう思っているわけでございます。今後の課題として十分考えていきたいと思います。
  144. 沓掛哲男

    ○沓掛哲男君 もう時間がないので、次は半島振興法の運用について二つお願いしたいと思います。  一つは、半島地域というのは、工場立地というよりもいわゆる観光施設、レクリエーション施設、そういうものによっての振興を今一生懸命願い、検討しておるところでございますが、この観光やレクリエーション施設についての税制上の優遇措置等がございませんので、工場立地についてはございますが、そういう将来観光施設やレクリエーション施設についての税制上等の優遇措置をお願いしたいということ。  それからもう一つは、私も長い間、昭和四十年に山村振興法ができましたとき、経済企画庁へ行きまして二年間そういうことをやってまいりました。その後ずっと見ておりまして、こういう振興施策でうまくいったのは北海道、奄美、沖縄の振興事業であり、それと離島振興、それと非常に地元がありがたがったのは過疎債と辺地債でございます。半島振興事業を円滑に進める上において、将来半島振興債というようなものを考えていただければ大変ありがたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  145. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 半島振興法は、御承知のとおり議員立法で、議員の皆さん方がいろいろ推進を考えていただいておるわけでございます。現在はやっぱり交通をまず充実させることが大切じゃないかということで、循環道路の問題でありますとか、あるいは市町村が行いますものを県が行えるような道路についての仕組みをとりたいとか、あるいは地方空港を整備していきたいとかいうことのようでございまして、その上でなお今おしゃいましたような諸問題への前進になるんじゃないかなと、こう思っているところでございます。我々も十分に努力をしていきたいと思います。
  146. 沓掛哲男

    ○沓掛哲男君 どうもありがとうございました。  終わります。
  147. 石井一二

    ○石井一二君 関連といたしまして、建設省道路局並びに道路公団に対しまして若干の具体的な質問をいたしたいと思います。  御承知のように、我が国は現在高速道路時代を迎えつつある。昨年の十二月には、俗に言うハイウエーカード、今ここに持ってきておりますけれども、こういうきれいなカードが発売になったりいたしました。  まず私は第一にお伺いいたしたいのは、現在の普及状況並びに今後の見通し、こういったものを発行することのメリット、デメリットについてどのような理解をしておられるのか、端的にお答えをいただきたいと思います。
  148. 大久保一男

    参考人大久保一男君) お答えいたします。  最初にハイウエーカードの普及状況見通しでございますが、御指摘のハイウエーカードにつきましては、昨年の十二月一日から常磐自動車道におきまして運用を開始いたしております。現在は常磐自動車道だけの運用でありますけれども、今後関越自動車道それから東関東自動車道等から順次導入を進めまして、六十三年度末には東名、名神の両高速道路にも運用を開始したいというふうに考えております。そしておおむね二、三年程度で全国の高速道路で御利用いただけるようにしたいと考えております。  それから次の、メリット、デメリットの御質問でございますが、ハイウエーカードのメリットにつきましては、第一に、現金を持たずに高速道路を御利用いただけるということでございます。それから第二に、料金所におきます現金の支払いやつり銭の受け渡しがなくなりますために、料金所での待ち時間を短縮させることができます。それから第三に、現金の集計などの料金収受業務の省力化が図られる等の諸点がございます。それからさらに、カードの販売の推進によりまして高速道路の一層の利用促進を図りたいというふうに考えております。  デメリットでございますが、昨年十二月一日より常磐自動車道で御利用いただいておりますが、お客様にも大変好評で、現在のところ特に問題となるような点はございません。  以上でございます。
  149. 石井一二

    ○石井一二君 ただいまの御答弁を聞いて、具体的な一つの提案をしておきたいと思わけでございますが、一見いたしましたところ、このハイウエーカードは電話カードとそっくりである。実態はほんの数ミリ幅が違うわけでございます。特に今の御答弁の中で、ゲートでスムーズに云々というお言葉がございましたけれども、電話カードと間違って出したりして、その結果余計時間がかかるというようなことがあり得ると思います。私は、ごく初期のこの段階で、もう少し細長くするとか、一見してわかるようなことで新たなスタートをお切りになるということが一案ではないか、そのように思うわけでございます。答弁をいただきたいわけでございますが、若干私の時間が少なくなってきているように思いますので、要望といたしまして、次の質問に入りたいと思います。  次に、高速道路サービスエリアの食堂の経営について道路公団にお伺いしたいわけでございますが、この問題について公団の基本的な考え方はどのようになっておるか。特に、直営でする場合と業者に委託しておる場合があるようでございますが、その基本的なルールづくりとその考え方について若干端的に御説明をいただきたいと思います。
  150. 杉岡浩

    参考人(杉岡浩君) お答え申し上げます。  高速道路のサービスエリアの食堂につきましては、民間資金の積極的な導入、それからお客様に対するサービスの徹底ということで、その目的でつくられました財団法人道路施設協会にその建設及び管理を任しておるわけでございます。そこで、道路施設協会におきましては、お客様のサービスをするために、信用それから資力あるいは経験十分な第三者に委託をしてその業務を行うというのが原則でございますけれども地方の道路におきましては交通量が非常に少ないということもございまして、経営をする業者がないというようなときには直営で道路施設協会がこれを経営するという方針になっております。
  151. 石井一二

    ○石井一二君 私の考え方といたしまして、民活という立場からできるだけ民間にやらすというのが基本的な考えであろうと思うわけでございます。先般我々委員会一同四国へ行ったときに直営のサービスエリアを見てまいりました。成績もかなりいいようなことをおっしゃておったわけでございますが、ここに私は施設協会の設立趣意書というものを持っております。その中に、今御答弁でありましたように、直接やるということが望ましくないというような趣旨のことが書いてございます。  また、ある雑誌の三月十二日号が書いておりますけれども、「設備は公費で、宣伝費ゼロ。」、「全国に点在する「金の成る商売」のバラまかれ方」というようなことがいろいろ書いてございます。詳細は省略いたしますが、要望事項として、非常にもうかっている分野もあるわけですから、そういったところをセットしてやるとか、いろいろ方法があると思います。これもそういった線で御検討あらんことを要望しておきたいと思います。  最後に、地元の具体的な問題で恐縮でございますが、湾岸道路、すなわち関西新国際空港から明石・鳴門海峡大橋に至る湾岸道路の都市計画決定でございますが、先般、私が一昨年の十二月九日に質問をいたしましたときに、現在は六甲アイランドまで既に決定されておるというお言葉でございました。早急に明石海峡大橋との接続点までの計画決定をやりたい、そのような御答弁もいただいたわけでございますが、現在どの程度まで作業が進んでおるのか、もしわかればお答えをいただきたいと思います。
  152. 三谷浩

    政府委員(三谷浩君) 大阪湾岸道路は、大阪湾に沿いまして神戸の垂水区から大阪の泉佐野に至ります全長八十キロの幹線道路でございます。このうち泉佐野・前島から六甲アイランドまでは、先生御指摘のとおり五十六キロございますが、都市計画決定をいたしました。一部の区間を除きまして供用中または事業中でございます。  それから、垂水の下畑から名谷の間も六十三年の二月に都市計画決定を行いまして、六十三年度から阪神高速道路公団におきまして湾岸線の七期として事業化を予定しております。残る六甲アイランドから垂水の下畑の区間、約二十二キロございますが、これは構造等の橋梁を含めて地元関係機関と今調整を行っております。できるだけ早く都市計画決定をしたいというふうにいろいろ調整をしております。
  153. 石井一二

    ○石井一二君 今、構造について協議もしておるというお答えもございました。  先般、先ほど申した日時に私が質問をいたしましたその答弁として、当時の萩原道路局長から、政府委員からこのような答弁をいただいておるわけでございます。「まず原案といたしましては、」というところから始まりまして、「須磨の海岸に入った途端にトンネルになります。」「東京湾横断道路が最初は橋でございましたけれども、片側十キロはシールドトンネルに変わりました。これもシールドの技術開発が進んだ結果、こういうことができたわけでございますので、しからば今の大阪湾岸の延伸につきましてもそのような工法が、例えば六甲アイランドとポートアイランドの間、あるいはポートアイランドと須磨の海岸の間にそのようなことができないかということを含めて、今鋭意検討中のところでございます。」今鋭意検討中が一年四カ月たってどのような成果を生んできたか。もしその後の変化があればお教えもいただきたいし、大体その線で進んでおるということであればそれも結構かと思いますが、いかがでしょうか。
  154. 三谷浩

    政府委員(三谷浩君) その後、関係市町村、それから港湾区域でございますので当然運輸省とかあるいは海事関係者とか、こういう調整をする相手がたくさんおりまして、今鋭意検討しておるわけでございます。  先生のおっしゃられました須磨海岸につきましてでございますが、これは海水浴等に広く利用されております海岸でもございます。海浜部については利用実態を十分配慮して、現在トンネル構造を含めた道路構造について地元の神戸市と調整を行っておりまして、従来と考え方は変わっておりません。
  155. 石井一二

    ○石井一二君 ありがとうございました。他にございますが、時間の関係もありますので、以上で結構です。
  156. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 それでは最初に、先ほど同僚の委員からもいろいろと御質問がございましたが、外国企業の参入の問題について最初にちょっと御見解を再確認しておきたいと思うんです。  ことしの一月に、日米首脳会談におきまして行われました外国企業の参入を容易にするための措置についての提案ということでございますが、その提案をされた考え方はどのような考え方に基づいてそういう提案をされたのか、まずお聞きしたいと思います。
  157. 望月薫雄

    政府委員(望月薫雄君) ことしの一月の日米首脳会談において日本側から提案申し上げたわけでございますけれども、その基本的考え方というのは、まず第一点に、我が国の建設市場というのは公共事業を含めまして基本的に内外無差別になっている、こういったことであるわけでございますけれども、一方で、外国企業が我が国の建設市場で十分な実績を持っていないということのために公共事業への参入が困難になっている、こういったことが事実であるという認識に立って御提案申し上げたわけでございます。  そういった中でどういう御提案をしたかということでございますけれども、要するに、外国企業日本の制度のもとで公共事業に参入し得るように習熟する機会を与えよう、こういった趣旨から、特定の大型公共事業プロジェクトにつきまして海外での施行実績があり、しかも工事施行の意思と能力がある場合には、我が国の公共事業発注者、具体的に言うと国または国に準ずる者が指名の対象とし得る、こういった提案を申し上げたわけでございます。
  158. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 現在その交渉が引き続き行われているということは、アメリカ側はそれについては不満である、こう考えてよろしいんでしょうか。
  159. 望月薫雄

    政府委員(望月薫雄君) 率直に申しまして、私どもは、今申しましたように、基本的に日本建設市場というのは内外無差別でオープンになっておる、こういった中で、現実的に公共事業には入りにくいという中で御提案を申し上げているわけでございまして、そういった意味で、公共事業について特定のプロジェクトを選定させていただいた、こういったことが一点ございます。  それからもう一つは、現行日本の制度の基本的枠組みを変えることはこれはできないわけでございますけれども、何分ともふなれな外国企業が参入する意思があるならば、そのために必要な範囲で、可能な範囲で弾力的な措置を講じようということで、手続面についての若干の御提案を申し上げた、これについてアメリカ側がなかなかそれでは満足いかない、こういうことで今日に至っているわけでございます。
  160. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 報道されたところによりますと、政府間協議も日本時間で明日に延びたということも伝えられておりますが、そういういろんな不満の点も向こうから表明されてまいりましたが、新しい提案を何かされる用意があるんでしょうか。
  161. 望月薫雄

    政府委員(望月薫雄君) 何分とも現在交渉の真っただ中でございますので、具体的に申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、少なくとも公共事業について私ども抜本的な新しい提案というものはそう考えられる余地がないんじゃないか。これは、実は先ほどもちょっと沓掛先生の方から御質問がありましたように、やはり公共事業というのはそれぞれの国がそれぞれの制度を持って発注しているわけでございますので、そういった基本的な日本の制度、枠組みはこれは抜本的にいじるということはちょっと考えにくいという認識を今もって持っております。  そういったことで、交渉の内容について具体的に申し上げることは差し控えさせていただきますけれども、少なくとも公共事業に関する限りは私どもの基本的な構えは大幅に変わるものではない、こういうように御理解いただきたいと思います。
  162. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 報道されたところによりますと、建設大臣もこういうような趣旨の発言をされているということでございますが、それは日本の制度の枠内でハンディを与え勉強してもらう、そこで国内実績を積むことになるのだから将来は日本のルールに従ってもらう、こういう趣旨の発言をしたということが新聞紙上に報道されているわけですが、その大臣の御発言、趣旨の御発言は大臣の御意思をあらわしたものと認めてよろしいんでしょうか。それは変わりないでしょうか。
  163. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) 先ほどもお答えを申し上げましたが、日本の仕組みを変えて、また今提案をしております範囲、これも先ほどお答えいたしましたように、木で言いますと、剪定するのにこの枝を切り落とすとか、ここをこうしようかという範囲のことはあり得ても、幹を曲げるようなことはもういたしたくない、こういうことであります。したがいまして、私はいろいろ報道のその新聞は見ておりませんけれども、結局アメリカがいろいろ言っておりますけれども、両方が譲り合うようなことになれば交渉ができるけれども、全部日本が譲れということでは交渉になりませんと、こういう趣旨のことであります。
  164. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 大臣がおっしゃるところに賛成でございます。  これもいろいろと報道されているところでございますけれども、現在検討中のことがある。それは小沢官房副長官をアメリカに派遣していろいろとこれから政治的な折衝に入るわけですが、その政治的な判断を下す材料として検討中のものに、首相官邸の主導で特例を設けるプロジェクトの追加がある、それは国の大型プロジェクトの中から選ぶのと並行して、地方自治体が計画しているプロジェクトから米国が興味を持ちそうなものを二、三事業追加する、こういう報道がされているんですが、そういう方向で検討は今進められているわけですね。
  165. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) その問題は、御承知のように、今回の場合は我が建設省、運輸省それから地方公共団体のことまでは建設大臣としては今何とも申し上げようがございません。私、小沢官房副長官政府代表として行かれるということも聞いておりますが、要はそこの調整を円満にしてもらうということでありまして、決してその内容はついて私が地方公共団体はいいとか悪いとか、こういうことではございません。建設省から出しておりますプロジェクトについてはそのとおりでありますし、また手続等につきましても今考えておるとおりであります。しかし、交渉のことでございますから、先ほど申し上げましたように、植木の剪定を考えますと、一枝少し先を切るか切らないかというところはやっぱりこちらも考えておかないといけない。基本の幹の部分だけは決して考え方が変わっておるわけでございません。
  166. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 ベリティ商務長官の記者会見の記事等を拝見しましても、やはり向こう側も両方が満足するようなことであればということで報道されておるわけでございますので、これからいろいろと折衝が続けられると思います。この問題につきましては先ほど沓掛委員の方からもお話がございました。第二の開国というお話もありましたが、あるいは第三の開国であるということを言われる方もおります。  それは、昭和六十一年の五月二十八日にヤイターから書簡が来た。五月には東京サミットが行われたわけですね。東京サミットでいろいろと合意に達しましたところの例のサーベイランスの一環としてアメリカのこれは意思表示ではないかと思うんです。アメリカはこの東京サミットで、今までアメリカが引っ張ってきた世界経済の復興というものはアメリカの力だけではとてもこれは及びもつかない、したがって日独協調して世界経済の立て直しをしなきゃならない。これはアメリカにとっては相当大きな転換であり決意じゃなかったかと思うんですね。そこで、各国が協調してマクロ経済の政策をどういうふうに進めていこうかということをお互いに監視し合おうじゃないかと。あの予算委員会の席上でも中曽根総理は強調してみえましたしね。そういうところからこの問題は派生しているんですね。発生してどんどん迫られているんじゃないでしょうか。  ですからそのときに、日本が約束をした、あるいはことしの一月に竹下総理が行って、ロン・ヤスじゃありませんね、今度ロン・ノボルですか、で約束をしたそのことを日本はいつまでにやるんだと、こういうことがアメリカのこれは決意じゃないでしょうか。これは相当大きなアメリカにすれば政策の転換ですね。世界経済を今まで引っ張ってきたのは自分たちだけだ、引っ張ってきたやつを転換したわけですから。それだけのものは日本だってやっぱり応分のことはすべきじゃないかというのがここずっと一連の半導体問題であり東芝制裁問題であり、あるいは農業の問題でありこの公共事業の問題じゃないでしょうか。  そうなりますと、相当な決意で臨みませんとなかなかアメリカは一歩も二歩も下がらないんじゃないでしょうか。この報道によりましても、アメリカの中の良識派の人たちは、もしもここでこの問題を含めて日本世界経済を引っ張っていく一つの大きな旗頭として大きな役割を果たしていかなければ、世界経済は再びあの株価暴落の大恐慌を招くことになりますよということを心配しているという意見も報道されておりますね。  ですから、日本日本バッシングに遭っているんだ、日本がたたかれているんだという意識じゃなくて、ここでひとつ第三の開国をするんだという意識に立ってこれに臨んでいただかないと、なかなかこれは大きな禍根を残すということになるんじゃないでしょうか、私はそう思います。まあそういう意見もあり、ところどころ聞くこともありますが、その点については大臣はどのようにお考えでしょうか。
  167. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) いろいろ御説を拝聴いたしました。  公共事業は御承知のように我が国は内外無差別であります。そこで、提案をいたしておりますのは、特別な大型プロジェクトについて熟知するようにということでやっております。ただ、今アメリカの各企業が、率直に言ってそれほど熱心でないということもこれあり、また一方では、貿易摩擦の点も確かにあると思いますけれども、これは資材とか労働力ですね、これもどこでやりましても、人にしても全員行くというわけでも、あるいは来られるというわけでもない。ですから、その点は一般的な貿易とは少し意味が違う。まあ楽観しておるわけではございませんけれども、そういうこともこれあり、もうちょっとアメリカも企業が熱心であって初めてできるのではないか。今は政治の場での論議が進んでおるということでございます。決して楽観をしておるわけではございませんけれども、私どもの態度はきちっとしておかないといけない、こういうことで進んでおるようなことであります。
  168. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 今大臣からお話をいただきました。確かにアメリカの企業と政府とは大分意見が異なるようでございますので、その点ではまだまだ余裕があるかなという感じはします。先ほど同僚委員の方からも、民間の業者間のいろんな交渉について交流を深めていく、そういうお話もございましたので、その点については質問を省略させていただきます。  それでは次に、土地、住宅問題に入りたいと思います。  土地対策の問題は、究極的には住宅あるいは居住環境の改善あるいは適正な都市形成、均衡ある国土の利用の実現に向かわなければならない、これが大きなテーマであることはもちろんでございますが、特に住宅居住環境につきましては、これは抽象的な目標ではなくて、例えば一般的な都市勤労者が平均的な所得で普通の住宅を取得できる地価水準に引き下げる、こういう具体的な目標を設定して、そのための施策を進めていくべきじゃないか、こう思うわけです。例えば、現在の首都圏住宅地価格を二分の一ないし三分の一に引き下げる、これは非常に難しいかもしれませんけれども、そういった目標をナショナルコンセンサスのもとに設定して進めていく、こういうことが必要ではないかと思うんですが、その点についていかがでございましょうか。
  169. 片桐久雄

    政府委員(片桐久雄君) 最近におきます地価高騰対策といたしましては、昨年の十月十六日に緊急土地対策要綱というものを決定いたしまして、監視区域制度の機動的運用とか金融機関に対する指導の強化ということで、まず投機的な土地需要を抑制するという観点からいろいろ施策を展開している次第でございます。そういうことで、現在のところ東京都心部の方は地価が鎮静化する傾向になっているわけでございます。さらにこの地価を引き下げるという努力をすべきではないか、こういう御意見でございますけれども、私どもといたしましては、こういう仮需要の抑制のほかに、諸機能地方分散を図ることによりまして、東京集中しております需要をできるだけ分散するという方向、それからまた既成市街地の高度利用とか、周辺の宅地開発事業の促進というようなことで、住宅宅地の供給促進を図ることによりまして土地の需要と供給の緩和を図りまして、地価の安定、ひいては地価の引き下げに努力してまいりたいというふうに考えている次第でございます。  先ほど御提案がありました地価の引き下げの目標を設定するということは、我が国の土地をめぐる仕組みといいますか、需要と供給の関係で土地の価格が決まるという仕組みがございますので、直接的にそういう目標を設定するということは極めて困難ではないかというふうに考えている次第でございます。
  170. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 これは一例でありますけれども建設経済研究所の試算によりますと、東京湾臨海部の十三号地などの未利用埋立地約三千ヘクタールを住宅専用地とするならば、埋立費用が安いので二千五百万円の中高層マンション、四LDK、百平米としましょうか、それですと約三十万戸供給できるんじゃないか、それだけでも東京の地価を大幅に下げることになるんじゃないか、こういう試算があるわけです。もしも東京の地価が下がればそれが全国に波及して非常によい効果をもたらすことになろうと思うんですが、そういうようなことも検討に値する問題でしょう。どうでしょうか。
  171. 北村廣太郎

    政府委員北村廣太郎君) ただいま先生のお話しになりました東京臨海部の開発につきましては、先ほどでございますが、国の関係省庁、私ども国土庁建設省、通産省、運輸省、郵政省それから東京都が集まりまして最終的な開発の計画の大枠を定めたところでございます。その場におきましても、住宅については特に配慮いたしまして、当初の原案にございました住宅供給目標をかなりな程度修正いたしましてふやす方向で検討しているわけでございます。  ただいま三千ヘクタールと申されました規模はこれは神奈川県から千葉県に至る広大な地域でございますけれども、この地域につきましても、逐次産業構造の転換等によりましてその土地の用途、使用目的の転換が図られつつあります。地元公共団体も宅地の供給につきまして、特に住宅の供給につきましては非常に熱心な点もございますので、今後とも関係省庁寄り寄り相談いたしまして、より安価な住宅が、しかも量的にも供給できるように御相談してまいりたいと存じます。
  172. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 それから次は、国公有地や国鉄清算事業団用地の払い下げが非常に高値で行われているために、周辺の地価の暴騰を誘発しているという実態が今まで国会で論議されておりました。この国公有地等の払い下げ価格のあり方につきましては、諸外国の例についても参考にしていいんではないかと思う例も数多くあるわけでございます。  例えば西ドイツでは地区詳細計画制度というのを導入していろいろと地価の抑制を行っております。これは日本の汐留の跡地の問題と西ドイツのケルン市のゲレオン国鉄貨物駅跡地の再開発計画ですか、これを比較してみますと、双方とも都心の一等地にあるほぼ同じ規模の二十二ヘクタールあるわけですが、ゲレオン駅跡地の払い下げ価格というのは周辺地価の二分の一の安さであった。これに対して汐留駅の跡地は、これまでどおりの競争入札で行われますと一坪七千万とか一億円になる。国情が違いますので単純には比較できませんけれども、地主のドイツの国鉄も日本と同じように膨大な赤字を抱えている。そのような財政事情とは関係なく西ドイツでは土地の取得価格が利用形態によって決められることになっている。つまりオフィス用地については坪四万円、住宅地については二万円、公園については坪四百円で払い下げられることになっている。  こういうことでございますけれども日本でも、都市計画あるいは土地利用計画に基づいていろいろと払い下げ価格を決めて、計画どおりに厳重に実施するようなやはりルールづくりをしていくならば周辺地価の暴騰を誘発することにならないのじゃないか、こう思いますが、その点どうでしょうか。
  173. 片桐久雄

    政府委員(片桐久雄君) 国有地とか旧国鉄用地につきまして地価高騰地域で一般競争入札により落札させるということにつきましては、周辺の地価形成に悪影響があるのではないかということで政府部内でいろいろ議論をした結果、昨年の通常国会におきまして国土利用計画法を改正していただきまして、国等が土地を処分する場合には適正な地価の形成について配慮する旨の規定が国土利用計画法の中に入れていただいたわけでございます。この規定を実施するために関係行政機関の間で緊密に連絡、情報交換を行いまして、適正な地価が形成されるように現在努めているところでございます。  また、昨年の十月十六日の閣議におきまして緊急土地対策要綱が決定されまして、その中では国有地等の処分については、「現に公用、公共用の用途に供することが確実と認められる場合等を除き、その地域の地価の異常な高騰が沈静化するまでこれを見合わせる。」ということを決定されているわけでございます。国土庁といたしましても、この申し合わせなり要綱の趣旨を踏まえまして、今後とも関係行政機関の間の連絡、情報交換を充実いたしまして、政府一体となって適正な地価の形成に努めてまいる所存でございます。
  174. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 次は、都心において良好なコミュニティーを形成するために都心地域人口減少を食いとめる必要があるということで、その対応策についてお尋ねしたいと思うんです。  一つには、国公有地とかあるいは国鉄清算事業団用地の払い下げに当たりましては、都市計画住宅公団としての住宅、団地の活用方針を定めるべきではないか。その上で、公的住宅と指定して公営住宅、公社住宅公団住宅建設用地として適正価格による払い下げ、または貸与をして優先活用をしてはどうか。二つには、建築基準法に基づく高度制限を二段階にして、公共施設などの高度制限については、上層階部分に居住用住宅を確保する等を条件に一定比率の容積率を上積みすることを試みてはどうか。そうなりますと職住接近も実現して通勤時間も同時に解消できるんではないか、こう思いますが、その点はどうでしょうか。
  175. 木内啓介

    政府委員(木内啓介君) 第一点目につきまして私の方から御答弁をさしていただきます。  国公有地や旧国鉄用地の処分に際しましては、処分主体でございます国鉄清算事業団等と地方公共団体とが当該土地の利用目的等につきましてあらかじめ調整することとされております。したがいまして、当該土地が都市計画住宅用地として利用することが適当な場合には、処分の条件等として地方公共団体の意向はその旨十分反映されるものと考えております。また都市計画におきましても、必要に応じまして適切な用途地域の指定、例えば住居地域等の指定でございますけれども、そういったものや地区計画の策定によりまして当該土地にふさわしい利用を担保するよう都道府県を指導しているところでございます。
  176. 片山正夫

    政府委員(片山正夫君) 第二点目の建築規制の関係住宅地の確保という御指摘の点につきましては、まず現行制度といたしまして、住宅を確保するための用途地域制としましては、住居地域それから第二種住居専用地域、第一種住居専用地域の三地域がございます。このうち第二種の住居専用地域につきましては、三階以上を第一種並みの厳しい用途規制にするなど住宅の確保に配慮された制度でありますので、まず基本的にはこの地域制度の的確な運用を図っていくべきものと考えております。  さらにまた、住宅をより一層確保するという観点からは、有効なプロジェクトにつきましては容積率の割り増しを講じております。通常の建築物につきましての容積率の割り増しをさらに一・五倍するというような措置も講じているところであります。またさらに、用途地域の中で現行制度等に関しましては、なお検討を進める点につきましては検討を進めたいと思っております。
  177. 上野憲正

    説明員(上野憲正君) 国有地を処分する立場から若干補足説明さしていただきたいと思いますが、国有地は国民共有の貴重な財産でございますから公的部門において活用することを基本としております。国において将来とも利用する見込みのない国有地の処分に当たりましては、公用、公共用優先の原則のもとに地方公共団体等に買い受け勧奨を行いまして、地方公共団体あるいは住宅都市整備公団等の公的機関が具体的な利用要望がございました場合に、規模立地条件等住宅用地としての適否、それから他からの要望、それから地元の意向等を総合的に勘案して処分しているところでございます。    〔委員長退席、理事小川仁一君着席〕  それからなお、国有地の売却価格の問題でございますけれども、これは財政法の九条の規定に基づきまして、国の財産は、法律に基づく場合を除くほか、適正な対価なくしてこれを譲渡してはならないというふうになっておりまして、原則として時価で処分することになっております。しかしながら、地方公共団体等におきまして、公園、学校あるいは住宅用地等、公的目的の用に供すべき場合につきましては、国有財産特別措置法等の規定に基づきまして減額譲渡等の優遇措置を講じているところでございます。
  178. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 大蔵省、もういいです、結構です。  次は、建設省の調査によりますと、民間デベロッパーの保有している未利用地、これが首都圏の一都四県で五十二地区、四千五百ヘクタールに上る。しかもその大半は市街化調整区域の丘陵、樹林地などで十年から古くは三十年以上も前に買収されている。これらは、自治体の開発抑制方針などで当初の開発計画が御破算になったものばかりである。要するに未利用のまま放置された休眠地であるわけです。そこで見落としてはならないことは、この中に、サラリーマンが東京都心へ通勤するのに手ごろな四十キロから五十キロ圏、通勤時間にしまして一時間二十分内の宅地供給適地が三十一地区、二千五百六十四ヘクタールもあるということですが、これ事実ですか。
  179. 望月薫雄

    政府委員(望月薫雄君) 先生今お話しのように、私ども、一都四県の地域につきまして民間が保有している土地でまだ開発ができてない、手がついてないという土地の状況調査いたしました。調査の仕方は、宅地開発関連の業界団体を通じて調べたものでございますが、その結果は、今お話しのように五十二地区、四千五百ヘクタールというものが浮き彫りになっております。それにつきまして、私どもまだ図上の段階でございますけれどもお話しのように、ある一定の通勤時間の中で宅地として使えるかどうかということを図上で検討した限りにおきまして浮き上がってまいりましたのが三十一地区、二千六百ヘクタール弱、こういった状況になっております。    〔理事小川仁一君退席、委員長着席〕
  180. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 これも建設省でいろいろと試算をされているようですが、今仮にその半分を道路、公園、学校などの公共用地に充てても一戸二百平方メートルの庭つき住宅が六万から七万戸供給できる、こういう試算があると聞いております。土地の有効利用という視点から、一定の要件のもとにこれらの未利用地の活用に積極的に取り組むべきだと私たちも考えますけれども、どうでしょうか、もうそろそろ具体的な措置をとる段階に来ているんじゃないでしょうか。
  181. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) 先般、一都四県二市の首長の方々に集まっていただきましてこの点について要望をいたしました。要望といいますのは、今までどちらかといいますと開発を抑えておった、開発をなるべくしない、その習慣がずっと残っております。そこで、五ヘクタール以上を開発する、こういう制度もございますけれども、例えば神奈川県で言いますと、二十ヘクタールはやっておりますけれども、基本的に五ヘクタールということはやっていただけなかったのであります。この点についていろいろ要望をいたしました。各県知事さん、あるいは市長さんも御了解をいただきました。  若干東京都と周辺の県は違うわけでございますが、例えば神奈川で言いますと、住宅用地ということだけでなしに事業所そのものに来てもらいたいという要望もございました。公共施設等をやるのに大変だという要望もございました。そのことは、先ほど来申し上げておりますように、政府機関移転等も含めまして幾らか御要望に沿えるような仕組みになってくる、こう思うのであります。そこで、神奈川県ではこの四月から五ヘクタール以上を開発を許可しよう、開発するようにしよう、こういう御返事もいただいておるような次第であります。でございますから、今からできるだけ早くこの調整区域内の開発、これを進めてまいりたいというふうに指導をしていきたい、かように思う次第であります。
  182. 望月薫雄

    政府委員(望月薫雄君) ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、一月の二十一日には具体的に一都四県の知事さん、二市長さんにもお集まりいただいて大変な御要請も申し上げているわけでございますけれども、そういった中で私ども具体の措置もひとつ準備させていただきたい、このように考えております。  ちょっとその前に、ただいま先生から数字のお話がございましたけれども、確かに二千六百ヘクタールという土地を宅地供給した場合にどのくらいな住宅に相当するだろうかという試算をしてみますと、仮に全部を住宅用に向けたとした場合、有効宅地率はほぼ五割と見まして、だから半分を一戸当たり二百平米ぐらいで割り戻しますと六万四千戸というような数字が出てまいります。  ただ、今大臣も申し上げましたけれども、一都四県の知事さん方の御意向等を考えますと、住宅だけの開発でなくて業務機能も入れた一つの複合機能開発をということもございます。私どもその辺も十分に受けとめていかなきゃならぬと思いますけれども、とにかくこういった適地は非常に住宅宅地供給政策において貴重な施策である、こう考えておる次第でございまして、実は後ほどまた御審議を賜りたいと思っておりますけれども、今国会にも新しい法案の御審査をお願い申し上げる、こういった次第でございますので、よろしくお願い申し上げます。
  183. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 今話のありました三十一地区、二千五百六十四ヘクタールの未利用地の活用の問題で、一都四県の知事さんといろいろと話し合いをされた、それは進めていただきたいと思いますが、いろいろと聞いてみますと、その最大のネックですね、活用に関する最大のネックについては農地転用の問題があるという話も聞くわけです。三十一地区のうち半数近くは国土利用計画法に基づくところの農業地域に指定されている。ですから、知事による宅地開発の許可以外に農地法に基づく市街化調整区域の農地転用許可が必要であるということでなかなかその点が難しくなっているんじゃないか、二ヘクタール以上ですと農水大臣の許可が必要になってくるということで。ですから、転用化の基準が全国一律に行われて、地域の特性とかあるいは意向が無視されていると役所の硬直した姿勢を訴える人もいるわけです。  ですから、そのため全体的な地域づくり、有効なコミュニティーの形成という視点に欠けるということも言われているわけでございますけれども、この問題については建設省が今いろいろと進められているようですが、農水省あるいは自治省それから自治体、それらが総合調整されていかないとなかなか円滑に進まないんじゃないかと思うんですが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
  184. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) 確かに農振法とかなかなか手続が複雑であります。これは、今減反をするような時期でございますので、農林省の方にもあるいは自治省の方にもお願いをいたしております。  先ほども申し上げましたように、開発というのを従前からどちらかというと抑えるという、開発を余り進めないという思想が残っておりますので、この頭の切りかえから実はお願いをしておる次第であります。また、今の手続関係を並行して行っていく。同時に、一つの手続をしてまた一つと、こうやっておりますと非常に時間がかかりますので、並行的にやっていただくように、これは各県の作業をする実務者等にもお願いをいたしておりますが、そういうことでできるだけ早くやっていく、早く許可する、こういうふうにいたしております。期間がたくさんかかりますと金利の問題もございまして宅地が高くなる、こういう傾向もございますので、なるべく早く処理ができるように指導をしてまいりたい、かように思う次第であります。
  185. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 今建設大臣がおっしゃったとおりだと思っております。農水省も積極的に、今のような状態でありますと、水田の方は転作奨励しておるわけでございますし、また地価問題から住宅地の提供、これも大事な問題でございますので、理解が十分得られるんじゃないか、こう思っております。
  186. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 そこで、農業の問題も農家のあり方についていろいろと今問題になっておるわけでございますが、特に、大臣のおっしゃったように、奨励金等の問題も問題になっているんです。  例えば東京、大阪という大都市地域ではこういうような疑問を持っているわけですね。それは、日本昭和四十年代に入って米が過剰になり、四十四年から米の作付制限が導入されて転作奨励金が固定化してきた、制度が。それが六十二年度までに三兆八千三百八十一億円、六十三年度も一千七百五十億円計上されておる。これは六十三年度の転作面積というのは七十七万ヘクタールでありますけれども、これは我が国の全住宅地域面積九十万ヘクタールのおよそ八五%に相当する広大な面積になっているわけです。ですから、七十七万ヘクタールの水田を助成金まで出して転作させるのであるならば、少なくとも東京、大阪などの大都市地域の農地のうち住宅適地については住宅地として転用を促進すべきじゃないか、こういう意見がやはり大都市周辺のサラリーマンの方々に多いわけです。東京、大阪等の周辺に通ってみえるサラリーマンの方々の中には、既にマイホームの夢もかなわないということですから、こういう考え方があるわけです。  その点については、大都市地域あるいは都市計画区域における農業のあり方については考えていかなきゃならない問題があるんじゃないかと思うんですが、この点についてどうでしょうか。
  187. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) 大都市圏の問題につきましてはお説のとおりであります。しかし、農業のいろいろな施策につきましては、これは適当であるからやられておると思うのであります。ただ、市街化区域の中の農地につきましては、長く営農を続けるという方々で集団であればかえって調整区域に逆線引きをしていくべきでないか、こういうふうに考えております。それから調整区域の中では、先ほど来申し上げておりますように、でき得る限り早く開発をしていただく、そうして宅地にかえていただく、こういうことで御協力をいただきたい、かように思う次第であります。それから、市街化区域の中でどうしても手放したくないという方も多いであろうと思いますが、その方々にはやはり住宅を建ててこれを供給してもらいたい、かように思います。  その制度につきましては、御承知であろうと思いますけれども、公庫融資等も道がございますから、そういうことで、まあ市街化区域については原則的に宅地、調整区域の中で良好なところは開発を進めていきたい、こういうことで連絡をとり合いながら指導をしてまいりたいと思っております。
  188. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 時間がありませんから次に参ります。  政府住宅対策への取り組みを比較するために、各国の歳出総額、予算総額に占める住宅対策費、国費の割合ですが、これを一つの目安として見てみますと、まず歳出総額に占める住宅対策費の割合は、フランスでは四・六%、イギリスでは二・二%、日本では一・三%、アメリカ一・〇、西ドイツ一・〇となっているわけです。普通歳入に対する住宅関係減免税額の割合で見ますと、アメリカは四・一%、イギリスは三・八%、西ドイツ一・三、フランス一・五%に対しまして日本はわずか〇・六%。日本はアメリカの七分の一、イギリスの六分の一、西ドイツの二分の一という状態であります。  また次に、全体としての住宅に対する国の援助がどうなっているかというのを見ますと、住宅対策費と減免税額の合計額の歳出総額に占める割合を見ますと、フランスが五・八%、イギリスが五・七%、アメリカが四。四%と、日本は一。八%ですから格段の差があるわけです。  これから比較してみますと、日本住宅対策について十分じゃないんじゃないかという感じも持つわけでございますが、財政需要によりまして直接国費を投入する住宅対策費の大幅な増が難しいのであれば、住宅減税を拡大することでやはり日本住宅に対する国の助成拡充ということを図るべきではないか、こう思いますが、その点どうでしょうか。
  189. 片山正夫

    政府委員(片山正夫君) 住宅対策費と住宅関連の減免税額の各国比較におきましては、私ども持っております最新のデータにおきましても先生の御指摘いただきました数字とほぼ大体同じでございまして、御指摘にありましたように我が国はほかの国に比べますとまだ不十分であります。そういう観点から、特に住宅減税につきましては六十三年度におきまして格段の拡充を図ったところでありまして、今後ともその方向でもって鋭意努力をしてまいりたいと考えております。
  190. 馬場富

    ○馬場富君 先般の予算委員会で何点か東京の土地問題につきまして提起いたしました。今同僚の太田さんからも土地供給問題のおくれの問題が出ておりましたけれども、このおくれによりまして、勤務先から遠くへ、しかも狭い家に高い家賃を払って住まなきゃならぬサラリーマンの人々がその大きい犠牲者であるということを私は先般主張いたしました。  東京圏に住む人々は、五十八年の総務庁の調査でも三割以上が通勤時間が一時間以上である。現在ではこれが二時間通勤圏という声も出ております。日本の大都市の中でも、また欧米の先進国でも考えられない状況でございます。東京人口密度が一キロ平方当たり五千四百七十人でありますし、それに比較しましてニューヨークではこれよりも高い八千九百九十二人が実は人口密度であります。このニューヨークですら住宅騒ぎも起こっておりませんし、通勤圏は、私もずっと行ってみまして、三十分ぐらいで済みます。そういう状況で、それじゃこういう問題がなぜ東京ばかりで起こるのか。  それで、先ほど来お話の出ておりました、東京首都圏サミットで大臣が提案されました。すんなり地方自治体は受けた、こう大臣はおっしゃっておる。先ほどの答弁でもそう出ておりますが、いろんな地方自治体あるいは関係地域住民の土地所有者等から見まして、自治体はやはり土地基盤の整備の問題があって大変だ。そこへもってきて、土地所有者に言わせれば、利害の関係も絡む。こういうことで、これは大臣がおっしゃったような方向になかなか進んでおりません。だから、ここで東京の土地問題を中心にして日本の土地問題を考え直すときが来ているんじゃないか。  一種住専から八種の線引きをやったのは、四十三年の立法に基づいて線引きをしたんです。それからたちまして現在は世界第一番のマンモス東京圏になったわけです。そうしてくると、この線引きというのはここらあたりで、この八種の線引きにいたしましても、建設省が中心となって、東京関係都市東京圏の知事さんたちとひざ詰めで話し合って、そしてもう一遍この時点に立った線引きの見直しをすべきときが来ているんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
  191. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) 先ほどお話しの予算委員会で、先生の方も十分時間がなかったようでありますので、十分に御理解をいただけなかった、かように思います。  私が申し上げましたのは、いわゆる土地サミットで、率直に申し上げまして、東京都の知事さん初め東京都の方々と周辺の四県の方々は必ずしも意見が一致しない、これは当然のことであります。当然のことでありますけれども、そういうことでございました。そこで、周辺の四県の知事さん、特に神奈川の知事さんからは、宅地を開発することもいいけれども大変な公共の負担がある。であるから、できるだけ事業所と人とを、住宅と事業所を一緒にしてもらうような努力をしてもらいたい、こういうお話がございました。そこで、政府機関はもちろんでございますが、その他についても、これはなかなか難しいと思いますけれども、その他についても努力をしていくべきだ、神奈川の知事の言われるのもごもっともな点が多い、かように思った次第であります。  しかし、私が御理解をいただきましたと申し上げますのは、神奈川も今までは二十ヘクタール以下は開発の許可をしない、こういう決定をいたしておりましたが、この四月から五ヘクタール以上は開発の許可をしよう、これが一点であります。それからその他の県では、住都公団住宅も、八割までがその県に居住しておられる方、言いかえますと、東京都に居住をしていらっしゃる方は二割しか認めていただけなかった。これを弾力的に見ようということで、まだ入居募集をしておるわけではございませんけれども、そういうふうになった。でございますから、徐々に御理解をいただいた、こういう御答弁をしたような次第であります。  それから用途別の見直し、これについてはそのとおり指導をいたしておりますので、具体的には都市局長から御回答申し上げたいと思います。
  192. 木内啓介

    政府委員(木内啓介君) 大臣の御答弁を補足させていただきます。  先生の御指摘の用途地域の指定につきましては、新都市計画法になってから、例えば東京で申しますと四十八年に最初にやりまして、それから五十六年、六十三年と飛び飛びになっております。そういうことで、十分徹底して変わったという感じではございませんけれども、現在東京都におきましては、六十三年をめどに新しい用途地域のあり方について検討しているところでございます。そのほかの地域につきましても、横浜、大阪あたりはおおむね終了いたしましたのですけれども、千葉県も東京都と同じように六十三年度中に完了すべく現在作業中でございます。
  193. 馬場富

    ○馬場富君 だから、そういう点でぜひ——今の問題点が出てきておるのは、都知事さんたちが悪いわけじゃないし、また所有者が悪いわけじゃないですから、そこのところあたりをよく話し合いをしまして、そして新しい人口の膨らんだ現状を見据えた上での八種の問題の見直しをぜひしていただきたいと思います。そうすればこれも進むようになるんです。  次に、日本以外の欧米では、もうはっきりしておることは、住宅保護が基本法の中にはっきりしておるわけです。それで住宅以外のものは、他の業種は住宅地には入り込めない、これだけは保護規制できっちりとしておるわけです。この点が日本と欧米の相違点でございますが、やはり日本でも憲法にも住む権利というのがきちっと言われております。  そういう観点から、国際化を迎えた日本といたしましても、これの法制化についても検討に入るべきときが来ておるのではないかという点とあわせまして、住宅審議会等にもこれを諮問する考えがあるかどうか、この二点お願いします。
  194. 片山正夫

    政府委員(片山正夫君) 市街地の中で住宅を確保すべき地域についての法制としましては、御指摘の中にありましたような八種類の用途地域のうち、特に住宅を専門に確保するという観点の第一種住居専用地域でありますとか、あるいは第二種住居専用地域、こういうものを指定することによりまして、例えば第一種住居専用地域におきましては、住宅とそれから小規模な併用住宅、教育施設と医療施設以外は建築することが禁止されております。また第二種の住居専用地域につきましては、三階以上を一種住専と同じ用途に使うこと以外は禁止しているという大変厳しい制度がございますので、この指定を的確に行うこと佐よってまず態勢の秩序を整備していくのが第一と考えております。  それから次の第二の御質問の中にありました審議会での検討という件でございます。住宅審議会は住宅全般のお話をしておりますので、審議会の担当となりますと建築審議会などが適当かと存じますけれども、現在建築審議会に対しまして、市街地におきます土地利用のあり方について、特に用途地域の中の表示などにつきまして、かなり用途地域の表示が現行のものは古いものが多くて、現在新しいものについての対応がちょっとし切れなくなっている点などもございますので、形態規制関係を含めまして、土地利用のあり方につきまして御検討を願いたいと考えておりまして、近くそういうことを大臣の方から諮問いたしたいと考えておりますので、御指摘の中にありました点につきましては、この議論の中でひとつ検討していってもらいたいと考えております。
  195. 馬場富

    ○馬場富君 最後に、時間がございませんので、この前問題提起したもう一つは、地震に対して強い東京町づくりのことを主張しましたが、長官から非常に力強い検討をするという答弁でした。十八日に東京昭和で初めての直下型の地震が起こりました。これはマグニチュード六・一ですね。震源地が深かったために東京では震度三という、幸せにも被害が非常に少なかったわけですが、私は最近の千葉県沖とこの東京の直下型を見まして、これはやはり次への警告であるととるべきではないか。そういう点で具体的な防災対策というのをここらあたりで強力に進めていかなきゃいかぬということを感ずるわけです。  だから、東海地震には、災害基本より中央防災会議、防災基本計画等のもとに国のガイドラインが示されて、この中に地震の予知とか被害想定が策定されておりますし、これのもとに地域防災計画がなされておるわけでございます。また措置法も講じられておりますけれども、南関東地震につきましては、国のガイドラインの中に予知や被害の想定がまだありません。これは先般長官もひとつ検討していきたいという御答弁がございました。  地震予知連絡会議では、東海地震と南関東地震の二つは同じ地域の指定で、これは観測強化地域とはっきりと明示されておるわけです。同じやはり観測強化地域として明示されておるわけです。だから、やはりそのためのこういう地震の予知とか被害の想定をガイドラインの中へ入れて検討すべきであるという点と、もう一つは、東海地震と同じく南関東、東京地震も大規模地震措置法の地域に入れて検討を進めていただきたい。この二点について明確にお答え願いたいと思います。
  196. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 南関東は経済的にも政治的にも文化的にも日本中心地域でございますので、大規模な地震が起こりましたときの被害は膨大なものになるだろうと思うわけでございます。さきの地震を警告と受け取れとおっしゃいました。そのとおりだと私も考えておるわけでございます。したがいまして、被害の想定を進めまして、そういうものを基礎に総合的、広域的な震災対策の活動システムをつくっていかなければならないんじゃないかな、こう思っておるわけでございます。したがいまして、そういう方向で今後も努力を続けていって対応を的確にできるようにしたい、こう思っておるわけでございます。  同時に、東海大地震に相応するような指定を行えということだろうと思うわけでございますけれども、それも大事なことだと思うわけでございまして、そういうことを基礎にして東京なり神奈川なりにおきまして必要な民間活動等も促していかなきゃいけないんじゃないか、こう考えているところでございます。これらの問題につきましてもあわせて検討を続けていきたいと思っております。
  197. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 まず、公団家賃の値上げ問題について簡潔にお伺いしたいと思います。  住都公団は、三月十五日、公団基本問題懇談会に今後の家賃改定について御報告されました。従来五年ごとに二回やったんですが、今後三年ごとに定期的、自動的継続家賃の値上げ方式、平均四千七百円、最高一万五百円の第三次の一斉値上げを今月中に大臣件申請することを明らかにされました。公団自治協は三月十七日に、公団家賃の新たな値上げルールと六十三年度値上げ案件に反対し、審議打ち切りと強行実施の態度に抗議するという声明を出しておりました。大変大きな問題で、内容についではいずれ別の機会がつくられると思いますので、その際詳しく論議したいと思うんですけれども、八三年の四月十二日に衆参両院の建設委員会で、前回の値上げの際九項目の国会要望を行っている。この国会決議とのかかわりもありますので、きょうは基本的な公団の姿勢についてだけお伺いしておきたいと思います。  まず、参議院建設委員会、これは衆議院もほぼ同じなんですけれども、第一項目にこうあります。「政府は、住宅に困窮する勤労者に対し、良質な公共賃貸住宅の供給と高家賃の引下げに努めるとともに、住宅基本法の制定と家賃体系の確立を図ること。その間、公団の現行家賃制度を逸脱しないこと。」、こうなっている。高家賃の値下げと言っているのに今度は値上げでしょう。現行家賃制度を逸脱するなと言っているのに今度は立地条件による補正というようなことまで入っておりまして、逸脱は明白だと思うんですが、総裁どういうお考えで無視されましたか。
  198. 丸山良仁

    参考人(丸山良仁君) ただいまお話のございましたように、前回が五十八年の値上げでございましたから、それから五年たっておりますから、やはり今回は値上げをさしていただきたいと存じまして、今月末までには建設大臣に承認の申請をする考えでございます。  今お話しのございましたように、五十八年の値上げに際しまして九項目の委員長要望をいただきました。その中に今のお話のございますように、「公団の現行家賃制度を逸脱しないこと。」、こういう項目があることも承知いたしております。我我が去る十五日に発表いたしました家賃の値上げのあり方についてというものをごらんいただければおわかりのように、基本的に現在までの家賃のあり方を変えるものではございません。やはり公営限度額方式に準じた方式を基本としながらも、地域立地条件等によって余りにも不均衡であるものをわずか手直しさしていただきたい、この程度でございますから、委員長要望には逸脱していないものと我々は考えております。
  199. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 明らかに逸脱していると思いますが、そのうちまたゆっくり論議したいと思います。  では第三項目、「公団は、今後の家賃の改定について、適切な手続きに基づく必要なルール作りを行い、改定が公正かつ円滑に行われるよう配慮すること。」、家賃問題のルールづくりということが要望に盛り込まれました。  家賃裁判の和解に際して、一九八五年三月十九日付、当時木部さんでしたが、建設大臣あっせんが行われました。その中に、基本問題懇談会の家賃部会に公団自治協の代表を居住者の一員として参加させることが決まりました。このとき公団と自治協の和解に至る会議が行われて、その会議の会議録によりますと自治協側はこう述べています「家賃改定の「ルール」は、将来の紛争防止のためにも必要であるが、その意味で、「ルール」の策定なしには次回(第三次)の家賃改定はないと理解するが。」、公団は「そのとおりだ。」と、そう答えています。  経過を見ますと、この家賃部会に自治協代表で井上さんが参加されて、八五年六月二十七日第六回の部会、第四次空き家家賃の値上げ案がここで審議されて、それ以来二年半この家賃部会は開かれておりません。一回団地の現地調査をやっただけ、第七回で。この二年半の間専門部会で約二十数回ずっと審議をしてこの案をつくったわけですね。この家賃部会に自治協代表が入っていても、二年半参加していないんだから、これはもうひどい話だと思うんですね。去年の十二月二十一日、第八回部会にいきなり結論が拙された。ルール案と第三次家賃値上げ案がセットして出された。都営住宅の場合には都の住宅審で八回審議、小委員会で十回、十一カ月審議しています。都の公社の場合には、審議会で三十五回審議、小委員会二十八回、三年五カ月にわたって審議しています。ところが、今度は十二月二十一日に出てこの三月までわずか四回、極めて短い期間で決めてしまった。  私は、この経過を見てもこの国会要望に明らかに反している。ルールを決めることを決めているのに、ルールを決めるのに自治協の代表を実際上参加させない。ルールが決まらなければ家賃の値上げしないというのに、こういうインチキなやり方で一方的なルールと家賃値上げを一体にして出してくる。こういうやり方で自治協との間で居住者との紛争を起こすことなく円滑に家賃改定が行われることに責任が持てますか。
  200. 丸山良仁

    参考人(丸山良仁君) 今お話しのように、委員長要望に基づきまして、当公団といたしましては、総裁の私的諮問機関であります基本問題懇談会の中の家賃部会においてこの問題を検討していただくことにしたわけであります。その家賃部会には、今お話しのように、建設大臣木部先生のあっせんに基づきまして、自治協の代表も入っていただいたわけでございます。しかしながら、この家賃の問題というのは非常に専門的な問題あるいは技術的な問題でありまして、大勢の方がお集まりいただいて議論してもなかなかまとまらないという問題でございます。したがいまして、専門の方に、専門部会をつくっていただきまして二年半、二十数回にわたって御議論を賜ったわけでございます。その結果まとまりました案を家賃部会に上げていただきまして報告していただきまして、これを四回にわたり幅広く御検討をいただいたわけでございます。  その間におきまして、例えば川トさんの例を申し上げますと、あの人は非常に御熱心な方でございまして、数回にわたりみずからの意見を文書をもってこの家賃部会に出されたわけでございます。それらにつきましては我々といたしましても誠意をもってお答えしたところでございまして、四回だけの審議で終わったということではございません。したがいまして、私といたしましては十分に自治協の御意見も承った。  ただし、これは立場が違いますから、自治協の御意見のとおりに従うわけにはまいらないわけでございまして、そのためにこういう委員会をつくったわけでございまして、この委員会を見ていただきますとおわかりのように、居住者の代表が二名、学者が三名、これは住宅の専門家でございますが、それからマスコミ関係の方が三名、労働界から二名、それから鑑定士その他の実務家が三名、こういう構成になっております。私の考えでは、非常に民主的な構成になっており、また議論の過程におきましても非常に活発な御意見があり、それで十分にこの委員長要望は達せられた、したがってルールづくりもできた、したがって値上げを申請する、このように考えているわけでございます。
  201. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 居住者の民主的な意思で選出されている自治協の代表を一人も入れないで、専門家でないという口実かもしれませんけれども、しかし自治協としてはルールづくりの案も出しているし発表しているわけでしょう。それについて、実際自治協代表を除外して、二年半にわたって任命した委員によって審議をして結論だけ持ってくる。わずか四回でしょう。あなた方は誠意をもって答えていると言うけれども、若干部分的な手直しをしているだけですよ。地域の民間家賃との均衡、これは削ったとか、その程度のことなんです。しかも国会要望は、「高家賃の引下げ」とあるのを引き上げを出して国会要望に従ったなどと言っている。これは私は本当に前回の値上げのあれだけの社会的大問題になったことから教訓を引き出していないと思わざるを得ません。  私は厳しく指摘しておきたいと思うんですが、この問題は大問題でもあり、建設委員会の衆参両院の全会一致の国会要望九項目、これにもかかわるものでもあり、これまで二回集中審議をしてまいりましたので、ぜひ委員長に、参議院建設委員会でもこの第三次家賃値上げ問題についての集中審議をお願いしたいと思います。
  202. 村沢牧

    委員長村沢牧君) ただいまの要望につきましては、理事会でも協議して善処したいと思います。
  203. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 それでは住都公団のお二人ありがとうございました。そのうちまたゆっくり十分論議をさせていただきます。短い時間できょうは失礼いたしました。  きょうは余り時間ございませんので、その次に違法建築問題を取り上げたいと思います。  違法建築が非常に多いというんですね。都心二十三区で七割が違法建築だというんですが、一体そういう事実があるのかどうか。また、住宅局長、そういう違法建築に対してどういう行政指導、どういう措置をとる方針できているのか、一般論をまずお伺いしたい。
  204. 片山正夫

    政府委員(片山正夫君) 違法建築の実態につきましては、ただいま詳細なデータをちょっと持ち合わせておりませんけれども、私の記憶のところで概数で申し上げますと、全国でたしか毎年二万件か二万五千件と承知しております。  それから、そういう違反建築防止対策としましては、まず確認に当たりまして建築主事が適正に判断をして違法建築がないようにまずしていくということ。それから建築監視員制度を動員いたしまして、万が一ありました行為につきましてはそれを即是正の措置をとる等の指導をしているところであります。
  205. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 私、今二十三区七割と言ったのは、町田の市議会で町田市長が答えの中で、既に東京都心二十三区は七割が違反建築と言われるということを言っているので、それを引用したわけです。本当かどうかわかりませんよ。住宅局長ああいうふうに言われましたけれども、実際に違反の範囲がどのぐらいか、いろいろあるでしょうけれども、実際に家が建っちゃったらその後これをつぶせとか取り壊すなんてなかなかできないということがあるので、是正是正と言いながら実際にはやっぱりやり得だ、違反の範囲はあるにしても、というケースが少なくないですね。  それで、私今町田を言いましたのは、町田で非常に悪質なそういうやり得というか、実際上建ててしまえばやり得、結局認められるという事実につけ込んで非常に悪質な例が持ち上がってきているので、一般論としてでなくて、こういう非常に悪質なケースでどういう態度を建設省、東京都あるいは市がとるべきかという問題が非常に鋭く出されているので取り上げたいわけです。  これはかなりフォーカスなどでも取り上げられたんで有名になっているんですけれども、ここに写真がありますけれども、超デラックスのテニスコートなんですね。テニスで入会金一千万円なんというんですから。ゴルフは相当高いそうですけれども、テニスで入会金一千万円というところで、これ町田市上小山田という場所。テニスコート十六面。一面について三百五十の観覧席までついている。開発総面積二・五七ヘクタール。  これどのぐらい違反があるかといいますと、私ども調べますと約十八項目の違反がある。都市計画法、知事の許可なしに工事を始めちゃっている。宅造法違反、建築基準法違反、無届けでクラブハウス、ここにありますけれども立派なものですよ。これ無届けで建てちゃった。最初建てるときには、四人から、二階建ての四戸を建てるというちゃんと申請が出て、それをいきなり一棟でこういう立派な鉄筋の建物が建っちゃった。だからこれは無届け建築だというんですね。都市計画法違反が二項目、宅造法違反が二項目、建築基準法違反が八項目、公務執行妨害など刑法違反が六項目。十八項目の違反があるんです。ことしの三月町田市は告発をして、町田署がこれを受理しているという事例で、使用禁止命令で、全部できているけれどもいまだに使えないという状況になっているんですね。  この間の都議会でも取り上げられており、市議会でも取り上げられているので、きょう余り詳しい経過は申し上げませんが、簡単に言いますと、おととしの六月から工事が始まった。都と市がおかしいと思って調べに行ったら農地造成だと言ったというのですな、農地だと。ところが、石積みが始まったので農地じゃないというので都と市が聴聞をしたそうです。そしたら、将来、事によったらテニスコートを考えるかもしれないみたいなことを言って、テニスコートになるんだなというので行政指導が始まったんですね、届け出をちゃんとやれと。ところが届け出はほとんど一年余りしないで、翌年の八月にようやく申請ができたんだが、その年の二月には違法建築のクラブハウスをどんどん建て始めちゃった。それで九月十四日、市は工事差しとめ命令を出した。ところがどんどんやっちゃって、十一月三日落成式が行われた。この落成式には元総理大臣二人、官房長官経験者一人、自民党の最高幹部一人の名前の生花が盛られている。私のところは、どうかと思ってその名前に全部電話かけてみたら、我々知りませんというのが事務所の答えでしたが、しかし花が出たことは明らかですよ。  それで、十一月十六日、市は使用禁止命令を出した。ところが、市が工事停止命令、使用禁止命令を出した後で、東京都は十一月三十日許可を行ってしまった。このように許可書があります。これが許可書です。それで、おかしいと思うんですね。こういうふうなやり方でやっていると既成事実追認になるんじゃないか、都市計画法の開発許可制度の事前審査の仕組みなどは骨抜きになってしまうんじゃないかと思いますが、建設省の判断はいかがでしょうか。
  206. 望月薫雄

    政府委員(望月薫雄君) 御質問の件でございますけれども、一般的に、先生御案内のとおり、開発許可の事務処理というのは許可権者であります知事が行うというものでございます。  それで本件について、私どもも率直に言いまして、三月の初めに予算委員会で御質問があるということを伺って、東京都の方から経緯を概略聞かしていただきました。その結果、ただいま先生おっしゃったような趣旨で大体報告をいただいておりますが、ただ、都の方の事務処理の経過としまして、手続的な面でいろいろ問題があったけれどもお話しのように十一月三十日に、この開発計画都市計画法で言う技術基準に適合する、こういうふうに認められたので開発許可を行った、こういうふうに承知いたしているところでございます。
  207. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 テニスコート一つつくるのに何でこんなに違法を承知でやるのかというのを私この事件調べてまず感じました、何でこんなことをやるんだろう。  そうすると、本人がフォーカスで取り上げられたんです。これはテニスクラブの会長で、太陽物産というところは奥さんが社長で、テニスクラブの方は山中氏という人が社長なんですが、こう言っている。「都や市の幹部に了解を取っていたのに」と言う。正規の手続だと三年ぐらいかかる。工期を短縮するために既成事実を先行させた。ところが、上層部の意向を知らない末端の役人がクレームをつけ、市議会でもつつかれて騒ぎが大きくなった。だからわざとやっているわけですよ。普通ちゃんと届けを出すと三年かかっちゃう。だから違法建築で、違法行為でどんどん先にやっちゃって既成事実をつくる。上層部には手を回してオーケーをとったというんです。ところが、その上層部のオーケー知らないから、下の方がクレームをつけたり市議会で取り上げた。十二月十日に公明党の議員と共産党の議員が取り上げて、翌十一日一斉に各紙で大きく報道された。そういうことなんですね。これは非常におかしいと思うんですね。  建設省にお伺いしますけれども、これは建設省のある職員が元建設大臣の秘書からこの件で問い合わせがあったということを言っているんですな。そうすると、東京都や市の上層部だけじゃなくて、建設省にもこういう問題で話があったんじゃないかと僕は非常に疑り深い方だから思うんですけれども、調べてくれますか。
  208. 望月薫雄

    政府委員(望月薫雄君) ただいま申し上げましたように、私ども都を通じて調べることが基本であるわけでございますが、その中では、先ほどのようなことに尽きているわけでございまして、お話しのようなことがあったかどうか私ども承知いたしておりません。  なお、特別それをこれ以上そういった格好のものについて調査するということは今ちょっと念頭にございません。
  209. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 この問題は市議会で問題になり、新聞が一斉に取り上げたので、大下市長は反省して、十二月二十五日にみずから一カ月の減給処分をやった。やっぱり今までまずかったと、減給処分をしたときの記者会見で大下市長はこう言っている。開発を認めるという都の指導に市が流されたのは事実だ。東京都はとにかくこれ認めろというわけですよ。市が使用禁止命令を出したのに許可してね。ずっと都と市と何度も協議してやってきているんだから。市は東京都が認めるというんだからそれに流されちゃったというんですょ。流されてやってきたら市議会で問題になり、マスコミで問題になり、慌てて市長はみずから減給処分をして、間違っていたということになった。東京都に問題があるんですね。  それで、市が工事停止命令を出した。それを都に送った。そうすると、市が工事停止命令を出しますと、これ建築基準法第九条第二項で、この施工者並びに設計者は大臣免許なんです。だから都は直ちに建設大臣に出さにゃいかぬのです。ところが、九月十四日付で市は都に工事停止命令をしたということを伝えて、建設大臣にすぐ出してくれと依頼もしている。依頼した文書があります。ところが、何と都は半年間握りつぶして建設大臣に出さなかったんですよ。それで三月三日付、ここに文書のコピーがありますが、半年握りつぶしている。おかしいじゃないですか、東京都のやり方は。  それで、これ施工者は大林組ですから、建設大臣建設省は三月三日に都からこれが回ってきた、半年おくれているけれども。そうすると、建築基準法第九条で、こういう問題について必要がある場合、業務の停止その他許可の取り消し等必要な措置を講ずるものとすると、建設大臣にその義務があるんですね。それひとつ検討していただきたいと思いますが、いかがですか。
  210. 片山正夫

    政府委員(片山正夫君) 建築指針に関します事柄について私の方から御説明いたしますが、三月三日に東京都を経由した、九条の三に基づきます通知が建設大臣に来ております。その事犯の中身につきまして現在調査中であります。通知の中に各種事項が書いてありますけれども、果たしてそれがすべて事実なのかどうかということをまず確認しなければいけませんので、現在それを調査中でございます。調査の結果を待ちまして必要な措置をとります。
  211. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 調査結果を直ちに委員会に報告してほしいですが、お願いします。  警察庁来ていますか。——それで、この町田警察署というのが極めておかしいんですな。町田警察というところは緒方国際部長の盗聴問題も起きまして、あのときのあなた方の態度というのはまことにけしからぬと思ったんですが、今度の問題でもまことにおかしい。ここに市がつくった告発経過があります。これ市の文書ですよ。これを見ますと、去年の十一月町田警察署へ告発するんだが、受理されない、行政で処理しろというんですな。それで、もう市はずっと要請して、どうしてだめなので東京地検にまで言うと。ところが東京地検の方は、検察庁で受ける用意があるというので、町田署に言うんだそうです。ところがずっと検討検討中といって、一月十二日、告発は受理しない、こういう返事をしている。やむを得ず市は告発状を地検八王子支部に提出、一月十六日。それで地検の方は、これは町田で起きたんだから町田署で受けるように指示する。なかなかやらぬ のですよ、検討中といって。とうとうことしの三月になって町田署は受理した。  これ右翼が絡まっていて暴力行為まで振るっているんですよ。調査に来た市の職員をけ飛ばしたり、それで何で告発したといって乗り込んできて茶わんを割ったり。この太陽物産というところの代理人に、右翼の人物向井という人が公然となっているんです。ところが、四カ月も市がこんなにやって、こういう違反になるものを告発したりしているのを受理しないんだ。調べましたか。町田署の態度、どう思いますか。
  212. 泉幸伸

    説明員(泉幸伸君) お尋ねの事案につきましては、昨年九月二十四日、町田警察署において、お話のありました中で、公務執行妨害罪及び立入拒否についての建築基準法違反に関する町田市からの告発を受理いたしまして、所要の捜査を遂げて、本年三月東京地方検察庁八王子支部に送付いたしております。  また、昨年十一月に、クラブハウスなどに関する建築基準法違反の告発について町田市の関係職員から相談がありました。町田署において検討の結果、告発の意思、事実関係等をさらに明確にするよう要請いたしておりましたところ、本年三月八日、建築確認申請義務違反などに関する建築基準法違反で告発をなされましたので、これを受理し、所要の捜査を進めているところでございます。
  213. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 あなたそういう報告を受けているか知らないけれども、これは市の文書ですからね。受理してないんですよ、何度も。ちゃんと調べ直してほしいですね。  それで、極めて奇怪な事態がやっぱり起きていると思うんですね、東京都の態度にしても町田警察の態度にしても。こういう恐るべき非常に極端な違法工事、違法建築をとにかくやり上げてしまって、上層部と話がついている。やり得で押し通そうという態度が貫かれていると思うんですね。私はこういうことを放置するのは非常におかしいと思う。  最後に、私ども大変これ大問題だと思っているのは、右翼の暴力行為がこの問題で広がっているわけです。私どもの斎藤市議会議員が、十二月十日に質問する前に十月からこの問題を調査始めたですよ、住民に言われてね。そうしたら直ちに、小山田桜台団地に彼は住んでいるんですが、松魂塾という右翼の宣伝カーが団地の中に乗り込んできて、斎藤市会議員は町田から追い出ろ、出ていけという大宣伝をスピーカーでがなり始めた。十二月十日に彼が質問をしたらますますやるわけですよ。町田警察でこれを取り締まってくれと言っても、これは政治行動じゃないかというようなことを言って取り締まろうともしない。四カ月間続いているんですよ、そういう事態が。  それから、この間は党の宣伝カーに対して、この右翼が三台で取り囲んで宣伝カーに対する暴行を働いたという事態まで生まれている。これがテニスコート問題と絡まっていることはもう明らかなんです。これは右翼の宣伝カーが町田市内を走り回っている。  それから、これは太陽物産の持っているビルディングで、そこに松魂塾と真道会本部建設用地となっている。この真道会というのの会長が太陽物産の代理人なんですから、向井氏という。松魂塾と一緒にいるんですから。そして、これはコピーですけれども、「政治力を金にかえ私利私財をふやす斉藤勇退陣せよ!! 松魂塾」、こういうポスターが張りめぐらされているんですから。僕は極めて奇怪な事態だと思うんですね。  私はこの問題で建設省と警察に、もう時間もありませんので最後に質問したい。  建設省建設経済局長名で昨年十二月十七日、各都道府県知事あて、「宅地建物取引業法の厳正な運用について」という通達が出ている。暴力団の介入による悪質な事例があるので取り締まれということです。一、「免許における暴力団の排除に関する措置」。太陽物産は右翼が役員じゃないけれども代理人になっている。これはもう事実ですからね、そういうことは。それから第二に、「暴力団を利用した悪質な地上げ等に対する措置」。宅建業者が「暴力団を利用し」「自ら暴行、脅迫、詐欺、恐喝等の違法行為を行った場合」「業務停止、免許の取消し等の措置を採ること。」というのが第二項目。  右翼は暴力団じゃないと自分で言っていますけれども、もう暴力を振るっているんですよ。市役所の中でもやっている。市の職員でも被害が出ている。告発状が受理されているんだから。共産党に対しても、市会議員に対して、議会で質問した、調査したということで、団地の中へ大宣伝カーを持ってきて、今は団地内じゃなくてちょっと離れたところでやっているそうですけれども、大宣伝をやって、ポスターを張りめぐらすというようなことをやっているわけですね。これがこの問題で生まれていることはもう明らかです。最近この関係者が新聞をいきなり第一号、創刊を出しまして、それにこの問題をでかでか取り上げているんですから。みずからミニコミをつくってやり始めるという状況なんです。  そこで私は建設省に、この問題、あなた方が通達した「宅地建物取引業法の厳正な運用について」という通達に当てはまる事態だと思いますので、これ調査してほしい、必要な措置をとっていただきたいということが建設省に対する要望です。  第二に、警察に対しては、町田署いろいろな問題あるようですけれども、斎藤勇さんは盗聴器までかけられているんですよ。御存じでしょう。町田というのは緒方さんの盗聴事件の起きたところです。私は国立だけれども、私も盗聴の被害者だけれども、その町田で盗聴器が斎藤さんの自宅から出てきた。これは恐らく右翼がやったんじゃないかと思うんですがね。そういう暴行、脅迫、盗聴器設置等々、大変な問題があるので、警察庁としても町田署に厳重な指揮をして、こういう議会制民主主義を暴力で押しつぶすような、市民を脅迫するようなこういうやり方を一切やめさせてほしい。それを警察庁に要望したいと思います。
  214. 望月薫雄

    政府委員(望月薫雄君) 昨年の十二月に宅建業法の厳正な運用について確かに私ども通達申し上げています。それと今回のこの関連でございますけれども、私ども、先ほど来お話が出ていますように、本件については、告発ということも事実なされているわけでございまして、関係当局の御判断というものを慎重に見守りながら対処してまいりたい、かように考えております。
  215. 泉幸伸

    説明員(泉幸伸君) 御指摘のありました斎藤市議宅にかかわります事件につきましては、事件の発覚した今年一月十四日、NTT町田電報電話局長からの告発を受理し、警視庁において捜査中であると聞いております。違法行為は許されるはずがなく、当然のことながら警察はこれに対して厳正に対処してまいる所存でございます。
  216. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 委員長、最後に一問。  大臣東京都の問題もあり、これ宅建業法にもかかわり、建築基準法にもかかわるので、局長言いましたので、今度厳正に調査して、責任持ってこの問題を処理してほしいと思いますが、最後に大臣の決意をお伺いします。
  217. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) 大変なお話でございまして、非常にたくさん項目がございますから、ちょっと調査するといっても大変であろう、こういうふうに思います。ただし、法を守るということは当然でございますから、その意味においては調査をしてみたいと思います。  宅建法の問題は、通達を出しましたが、今度改正をお願いすることにしておりますので、今後適正に運用ができるように進めてまいりたい、かように思う次第であります。
  218. 山田勇

    ○山田勇君 まず最初に、日本道路公団及び住宅都市整備公団における汚職事件についてお伺いをいたしておきます。  昭和六十三年度の建設関係予算を見ますと、NTT株式売り払い収入の活用などにより、九年ぶりに大幅な伸びが実現しており、立ちおくれている我が国の住宅・社会資本の拡充を期待するためにも喜ばしい傾向であると考えます。こういった公共事業を推進する上で、汚職問題が絡んでいますと国民の目から見て非常に不愉快な思いがするのであります。予算の大幅なアップとともに、事業が拡大すれば汚職も大幅にふえるんではないか、そういった懸念もあるわけであります。今回の汚職事件についても、その解明は警察、検察庁など司直の手にゆだねるといたしましても、今後の再発防止に当たってはどのような対策を講じるようにしているのか。  特に、日本道路公団はこれまでにもたび重なる汚職があったわけですが、高過ぎると批判の多い通行料、また家賃の改定問題など、国民の理解と支持が得られるよう格段の努力が要求されているときに、汚職などという不祥な事件を起こすことは、国民がますます疑惑を持つ結果になります。もし今後万一こういうような事件が起こった場合、どういう責任体制で臨むのか、その決意を伺いたいと思います。
  219. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) けさほども申し上げましたように、道路公団、住都公団——住都公団の子会社でありますが、贈収賄罪を引き起こしましてまことに申しわけない、かように思います。このことにつきましては、厳重に注意をいたしますし、そして今後のあり方を検討する。ただ、綱紀の粛正といいましても、なかなかそれだけではいきませんので、具体的に今後どういうふうに綱紀の粛正を実施していくか、その点について具体的な案を出してもらいたいということで、特に道路公団につきましては、けさほどもお答えがございましたが、副総裁のもとに監視体制を整えましてきちっとやっていく、こういうことであります。  まことに申しわけない次第でありますけれども、今後は厳重にその点を守っていく決意であります。
  220. 山田勇

    ○山田勇君 大臣から御決意を伺ったわけですが、ただ、同僚議員からも午前中いろいろ質問がありまして、その中に、今の公団の制度そのものを大臣やっぱり抜本的にさわって改正をしていかないと、これは司直の手にゆだねているんでとやかくは申し上げませんが、この事件の発覚のもとというのは、この相鉄建設のいわゆる内部紛争から出て発覚した。もしこの相鉄の内部にそういう内紛がなければこれは永久にわからなかったかもわからない。  そういうことから考えていくと、やはりそういう監視制度というかシステムというものを、もう一度公団自体の制度というのを見直すということも必要ではないかなというふうに感じます。同時に、この両建設会社に対しては今後どのように、これが明確に事件がわかった時点で処分というのはどういうふうに大臣考えておられますか。
  221. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) まず最初のこの中のシステムの問題でありますけれども、これも見直しを言っておるわけであります。といいますのは、建設業者の資格の問題、それから入札の参加の問題ですね、こういうところにきちっと目の届くようにひとつ監視をしていく、これが一点であります。それから業者の問題につきましては、とりあえず指名停止をやっております。  今後の処置につきましては、この捜査の進展に従いましてどうするかということを相談して、厳重な処分をする予定であります。
  222. 山田勇

    ○山田勇君 最近、首都移転に関する論議が多くなされております。先日もこの問題で関西財界の指導的立場の方が、熱意の余りといいましょうか、東北地方に対して不穏当な発言をして物議を醸し出しております。今や東京一極集中の弊害はもはや放置し得ないものとなっております。多極分散型国土の形成、具体的にどう進めるのか、一刻の猶予も許されない状況とも言えると考えるのであります。  そこでまず、一省庁機関地方移転、この件につきましては、竹下総理の提唱でもあり、六十三年一月の二十二日の閣議決定に基づき、十六省庁二十機関等の移転候補が挙げられ、具体的な検討も進められていると思いますが、いつごろどこへどのような形で移転するのか、正式決定のめどはどうなっているのかをお尋ねいたしておきます。
  223. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 政府関係機関移転は一月二十二日に閣議決定をいたしました。そして、一つ東京だけを管轄区域にしている以外の地方支分部局、言いかえれば関東地方を管轄している地方支分部局でございます、二つは試験研究機関及び職員の教育機関、三つは大学及びその附属機関四つは公庫、公団のたぐい、原則としてこの四つ政府関係機関を二十三区の外に移転したいということで、今各省庁との間で話し合いが続けられておるわけでございます。三月いっぱいに各省庁の態度を決めて御連絡をくださいと言っているわけでありますけれども、若干日がかかるかもしれません。  それらを受けまして、どこへ移転するかという問題もございますし、受け皿を整備する問題もございますので、七月中には閣議決定をしたい。そうしますと、八月末日までに大蔵省予算要求書を送るわけでございますので、それに間に合うわけでございます。したがって、六十四年度予算案にはこれらの関係経費を盛り込める、こう考えておるわけでございます。
  224. 山田勇

    ○山田勇君 さらに第二弾の候補機関の決定もするとの考えもあるようですが、これはいつごろになるのか。また、地方移転ということになれば、職員の異動ということについての配慮も重要な問題であると思いますが、この点についてはどう考えておりますか。この二点についてお尋ねをいたしておきます。
  225. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 第一弾第二弾ということじゃなくて、今申し上げました四つのカテゴリーに属する政府関係機関移転させたいということでございます。当初、方針を決める時間的余裕がございませんので、とりあえず一省庁機関、どういうものを出せるかというような総理からのお話がございまして、今御指摘いただきましたような機関が出てきているわけでございます。これは決定じゃなくて、とりあえず協力してもらえるものはどういうものがあるかということで出てきた機関名でございまして、いずれにいたしましても、一月二十二日の閣議決定の方針に基づいて政府関係機関を決めてもらおう、こう思っておるわけでございます。  また、地方支分部局は同じ場所に一括して移転するのがいいんじゃないだろうか、こう思っております。そのためには必要な庁舎を建設しなければならないわけでございますけれども、人数も相当数に上ってまいりますので、当然そこには公務員宿舎も建設しなければならない、こう考えておるわけでございます。  移転に伴います問題としては、子弟の学校の転校というんでしょうか、そういう問題もございましょうし、また、必要によってはマイホームを入手できる道も工夫していかなきゃならないと思いますし、できる限り、喜んでという言葉が適当でないかもしれませんが、不愉快な感じを持たないように移転してもらえるような対策を十分に講じたいなと考えておるところでございます。
  226. 山田勇

    ○山田勇君 今回の一省庁機関移転が形式的な場当たり的な移転であってはならないことは言うまでもありません。これが将来の国土の発展を考慮した首都機能分散であり、地方移転はその地域の活性化にもつながるものとすべきであります。また一方、行政改革に資するものでなければならないと思いますが、この具体的な基準というのはどういうふうになっておるんでしょうか。
  227. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 今おっしゃっていただきましたような考え方に基づいて政府関係機関移転を進めていきたい、こう思っておるわけでございます。行政改革に反するものであってはならない、おっしゃるとおりでございますので、この機会に移転するかわりに一つ機関を二つに割って膨張させるというようなことは慎むべきではないだろうか、こんな思いをしているわけでございます。
  228. 山田勇

    ○山田勇君 首都機能移転については、その目的を達成するために、国土庁が本来の調整機能を発揮し、国土のあるべき姿、東京の限界、地方の将来性を示し、首都機能の再配置を講ずる施策を打ち出すべきだと思います。特にこの問題については、行革審では検討していると聞いておりますが、政府としても今後の科学技術の発展、社会情勢の変化などを念頭に置いた具体策の検討が必要であると考えますが、その点いかがでしょうか。  さらに、つい先日、東京に発生いたしました直下型地震、幸いにも大きな被害はなかったわけでございますが、一たん大規模災害が発生した場合、今の東京では日本の諸機能のほとんどが麻痺状態になるおそれがあります。この面からも、政府国土庁として早急に過去の研究データなどを踏まえて対策を講じなければならないと考えるんですが、その点いかがでしょうか。
  229. 奥野誠亮

    国務大臣奥野誠亮君) 移転する政府機関によって立地が決まってくるんじゃないかなと、こう思っておるわけでございます。試験研究機関の中には、筑波学園都市を予定しておられるところもございますし、またその他のところを予定しておられるところもあるわけでございます。基本的には、それぞれの移転する政府関係機関考え方を尊重しなきゃなりませんけれども、おっしゃいましたような国土政策の見地も当然考えていくべき問題だ、こう思っております。  直下型地震の問題につきましては、先ほどもお尋ねいただいたわけでございますけれども東京は敗戦によって一たんは壊滅に帰した、それが急激に膨張してきたものでございますので、木造家屋の密集地帯が意外に多いわけでございまして、そういうことを考えますと、安全対策ということは特に重要だなと心配をしているわけでございます。したがって、今度多極分散型国土形成促進法案の中におきましてもそのための項目を加えておるわけでございますけれども、さしあたっての問題につきましては、被害想定も十分にいたしますとともに、関係の都府県と連絡を密にしながら、震災対策活動システムを十分に練ってもらうようにしていきたいなと考えているところでございます。
  230. 山田勇

    ○山田勇君 首都移転機能分散については、私の選挙区でもありますが、大阪は、四全総において、東京圏に次ぐ諸機能の集積を持つことから、その特性を生かして独自の全国的、世界的な中枢機能を担うと位置づけをされておりますが、大阪都市圏の持つ経済、文化、科学技術等の豊かな蓄積を、東京一極集中の是正を図るに当たっては最大限に活用することが望ましく、政府としてもこの点を十分に配慮していただきたいことを強く要望しておきます。また別の機会にこの問題についてはさらに突っ込んだ質問をしたいと思います。  さて、次に土地問題でありますが、地価の抑制を図るべく改正されました国土利用計画法に基づく監視区域の制度によって、地価の高騰が抑えられ、その効果が出ているようでありますが、しかしまた新たな問題も生じております。  その第一点といたしましては、監視区域における指導の価格を見るためダミーの届け出があるという指摘がなされております。これでは本来の届け出処理、価格指導に支障が生じるんではないでしょうか。この点、国土庁における対応策、また自治体に対する指導などはどうなっておるんでしょうか。
  231. 片桐久雄

    政府委員(片桐久雄君) 最近監視区域におきまして、国土利用計画法の価格審査におけるいわゆる指導価格を値踏みする目的で、届け出の当事者間に、当初から契約を締結する意思が存しないにもかかわらず届け出を行って価格審査等を受けるという、届け出制の悪用を行っていると見られる不動産業者が少なくないという報告を聞いている次第でございます。このような行為は、国土利用計画法において虚偽の届け出ということで違法でありまして、罰則の対象にもなるわけでございます。また、地方公共団体の円滑な届け出の処理に多大の支障を与えるということもございます。  そこで、国土庁といたしましては、地方公共団体に対しまして窓口における指導の徹底を図るとともに、悪質な事例につきましては法に照らして厳正に処置するよう指導しているところであります。また、去る二月二十六日には、関係業界団体の責任者に対しまして、監視区域制度の趣旨を理解の上、届け出等に際して国土利用計画法を遵守し、このような行為は厳に慎むように要請を行った次第でございます。
  232. 山田勇

    ○山田勇君 最後の質問になりますが、東京都知事が今月十八日の定例会見で、最近の地価の動向について、地上げ屋が融資を受けて無理に土地を買っても、ビルを建てるデベロッパーがいない、利子が払えず倒産するところも出てくる、二十兆円の担保を背負っているとも聞いている、二十兆円の担保を背負っているところから、いつかはこれは手放すことになる、そうするとどっと地価が下がる、地価暴落の施策をしたという記事が新聞に出ておりましたが、このような東京都知事の見方についてどのような御見解をお持ちでしょうか。  今後の大規模プロジェクト、リゾート開発、また交通網の整備など、これらの事業を推進するに際して、地価の暴騰を防ぐために国土法の適用を積極的に図るべきだと考えておりますが、この二点をお伺いしまして、私の質問を終わります。
  233. 片桐久雄

    政府委員(片桐久雄君) 最近の地価の動向につきましては、先日国土庁の方でまとめて報告いたしましたけれども、昨年の第四・四半期、十月一日からことしの一月一日の三カ月間の地価の動きでございますけれども東京都ではマイナス一%というようなことで、かなり横ばいないし下落の方向になっているわけでございます。  今後の地価の見通しにつきましては、いろんな話があるわけでございますけれども、私どもとしては断定的なことは申し上げにくいわけでございまして、今後とも私どもとしましては、監視区域の機動的な運用、それから金融機関に対する指導の強化、こういう対策を通じましてさらに地価の鎮静化が進むことを期待しているわけでございます。さらに、これに加えまして、諸機能地方分散、それから住宅宅地の供給促進、こういう土地の需要供給の緩和を図りながら、なお一層の地価の安定、引き下げに努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。  それから、今後、地方の方におきまして、大規模なプロジェクト、例えばリゾート開発とか、それからまた交通網の整備とか、イベントの開催とか、そういうようなことで地方の開発地域絡みの地価の高騰のおそれがあるわけでございます。私どもといたしましては、地価が上昇してから監視区域を設定するということではなく、あらかじめ、おそれのあるようなところで前広に監視区域を設定するようにということで地方公共団体を指導している次第でございます。
  234. 村沢牧

    委員長村沢牧君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  235. 村沢牧

    委員長村沢牧君) 次に、宅地建物取引業法及び積立式宅地建物販売業法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。越智建設大臣
  236. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) ただいま議題となりました宅地建物取引業法及び積立式宅地建物販売業法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  最近における土地問題は、我が国経済の円滑な運営と社会の安定にとって重大な問題となっておりますが、その中で一部の不動産業者による悪質な地上げや投機的土地取引が社会問題となったことはまことに遺憾であります。  また、住宅の住みかえ需要の増大や住宅ストックの増加等を背景に不動産の流通量が増大しつつあります。これに伴い宅地建物取引の態様も多様化し、複雑になってきておりますが、いまだ一部の悪質な業者による紛争事例も後を絶たない現状にあります。  このような事態に対処して宅地及び建物の購入者の利益を保護するためには、宅地建物取引業の免許基準の強化等によりその資質の向上を図るとともに、保証の充実を図る等によりその業務に関する規制を強化して取引の公正を期する必要があります。  また、不動産流通の円滑化を図るため、媒介契約制度を充実し、立ちおくれている不動産流通市場の整備、近代化を推進する必要があります。  以上が、この法律案を提案する理由でありますが、次にこの法律案の要旨を御説明申し上げます。  まず、宅地建物取引業法についてであります。  第一に、傷害罪等の罪を犯して罰金刑に処せられ、刑の執行を終わった日から五年を経過しない者等に対しては、免許をしてはならないものとして免許基準を強化することといたしております。  第二に、案内所等について新たに専任の取引主任者の設置を義務づけるとともに、一定期間以上の実務経験を有する者等でなければ宅地建物取引主任者の登録をしてはならないことといたしております。  第三に、専属専任媒介契約について、依頼者保護の見地から、宅地建物取引業者に対し、優良な流通機構を通じて相手方を探索することを義務づける等所要の規制を行うことといたしております。  第四に、いわゆるクーリング・オフにつきましては、撤回を行うことができる期間を五日から八日に延長することといたしております。  第五に、宅地建物取引業者は、みずから売り主となる宅地または建物の売買に関しては、所要の保全措置を講じた後でなければ、買い主から手付金等を受領してはならないこととし、その保全制度を拡充することといたしております。  第六に、宅地建物取引業者は、従業者に証明書を携帯させなければ、その業務に従事させてはならないものといたしております。  第七に、以上の改正に関連して、監督処分及び罰則等の規定について、所要の改正を行うことといたしております。  次に、積立式宅地建物販売業法につきましては、許可基準の強化等宅地建物取引業法と同様の規定の整備を行うことといたしております。  以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
  237. 村沢牧

    委員長村沢牧君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十二分散