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1988-05-16 第112回国会 参議院 決算委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年五月十六日(月曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  四月二十六日     辞任         補欠選任      吉井 英勝君     佐藤 昭夫君  五月十三日     辞任         補欠選任      鈴木 省吾君     陣内 孝雄君  五月十六日     辞任         補欠選任      福田 幸弘君     鈴木 貞敏君      守住 有信君     海江田鶴造君      河本嘉久蔵君     小野 清子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         穐山  篤君     理 事                 井上  裕君                 大島 友治君                 杉山 令肇君                 柳川 覺治君                 菅野 久光君                 峯山 昭範君     委 員                 井上  孝君                 板垣  正君                 小野 清子君                 海江田鶴造君                 沓掛 哲男君                 斎藤栄三郎君                 陣内 孝雄君                 鈴木 貞敏君                 寺内 弘子君                 永野 茂門君                 二木 秀夫君                 松尾 官平君                 宮崎 秀樹君                 一井 淳治君                 及川 一夫君                 田渕 勲二君                 丸谷 金保君                 片上 公人君                 刈田 貞子君                 佐藤 昭夫君                 橋本  敦君                 関  嘉彦君                 藤井 恒男君    国務大臣        大 蔵 大 臣  宮澤 喜一君    政府委員        内閣参事官        兼内閣総理大臣        官房会計課長   河原崎守彦君        警察庁長官官房        会計課長     半田 嘉弘君        科学技術庁長官        官房会計課長   武田  昭君        法務省刑事局長  岡村 泰孝君        外務大臣官房会        計課長      林   暘君        外務省北米局長  有馬 龍夫君        大蔵大臣官房会        計課長事務取扱  吉川 共治君        大蔵大臣官房審        議官       尾崎  護君        大蔵省主計局次        長        寺村 信行君        大蔵省銀行局長  平澤 貞昭君        厚生大臣官房会        計課長      多田  宏君        農林水産大臣官        房経理課長    高橋銑十郎君        運輸大臣官房会        計課長      黒野 匡彦君        建設大臣官房会        計課長      鹿島 尚武君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局経理局主計        課長       大谷 剛彦君    事務局側        常任委員会専門        員        小島 和夫君    説明員        警察庁刑事局国        際刑事課長    兼元 俊徳君     ─────────────   本日の会議に付した案件昭和六十一年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)(第百八回国会内閣提出、第百十二回国会衆議院送付) ○昭和六十一年度特別会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)(第百八回国会内閣提出、第百十二回国会衆議院送付) ○昭和六十一年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額調書及び各省庁所管経費増額調書(その1)(第百八回国会内閣提出、第百十二回国会衆議院送付) ○昭和六十一年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)(内閣提出衆議院送付) ○昭和六十一年度特別会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)(内閣提出衆議院送付) ○昭和六十二年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)(内閣提出衆議院送付) ○昭和六十二年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額調書及び各省庁所管経費増額調書(その1)(内閣提出衆議院送付) ○昭和六十一年度一般会計国庫債務負担行為調書(その1)(第百八回国会内閣提出)(継続案件)     ─────────────
  2. 穐山篤

    委員長穐山篤君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る四月二十六日、吉井英勝君が委員辞任され、その補欠として佐藤昭夫君が選任されました。  また、去る五月十三日、鈴木省吾君が委員辞任され、その補欠として陣内孝雄君が選任されました。     ─────────────
  3. 穐山篤

    委員長穐山篤君) 昭和六十一年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)、昭和六十一年度特別会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)、昭和六十一年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額調書及び各省庁所管経費増額調書(その1)、昭和六十一年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)、昭和六十一年度特別会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)、昭和六十二年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)、昭和六十二年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額調書及び各省庁所管経費増額調書(その1)、昭和六十一年度一般会計国庫債務負担行為調書(その1)、以上八件を一括して議題とし、審査を行います。  まず、これらの説明を聴取いたします。宮澤大蔵大臣
  4. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) ただいま議題となりま した昭和六十一年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)外二件、昭和六十一年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)外一件並びに昭和六十二年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)外一件の事後承諾を求める件、並びに昭和六十一年度一般会計国庫債務負担行為調書(その1)の報告に関する件につきまして、その概要を御説明申し上げます。  初めに、予備費使用調書等事後承諾を求める件につきまして御説明申し上げます。  まず、昭和六十一年度一般会計予備費予算額二千億円のうち、昭和六十一年四月十一日から同年十二月十二日までの間において使用決定いたしました金額は、四百八十三億六千七百三十三万円余であり、その内訳は、災害対策費として、河川等災害復旧事業に必要な経費等の六件、その他の経費として、衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査に必要な経費等の二十一件であります。  また、昭和六十一年度特別会計予備費予算総額三兆八千九百十二億二千二百三十二万円余のうち、昭和六十一年九月九日から同年十二月十二日までの間において使用決定いたしました金額は、百二十億千四百三十万円余であり、その内訳は、食糧管理特別会計国内麦管理勘定における国内麦の買い入れに必要な経費等特別会計の三件であります。  なお、昭和六十一年度特別会計予算総則第十三条の規定により、昭和六十一年九月九日から同年十二月十二日までの間において経費増額決定いたしました金額は、六十七億千七十四万円余であり、その内訳は、治水特別会計治水勘定における河川事業及び砂防事業調整に必要な経費増額等特別会計の七件であります。  第二に、昭和六十一年度一般会計予備費予算額二千億円のうち、昭和六十二年一月九日から同年三月二十七日までの間において使用決定いたしました金額は、千四百六十二億八百九万円余であり、その内訳は、災害対策費として、河川等災害復旧事業等に必要な経費等の三件、その他の経費として、国民健康保険事業に対する国庫負担金不足を補うために必要な経費等の十件であります。  また、昭和六十一年度特別会計予備費予算総額三兆八千九百十二億二千二百三十二万円余のうち、昭和六十二年三月二十七日に使用決定いたしました金額は、千七百五十九億九千七百四十二万円余であり、その内訳は、食糧管理特別会計輸入食糧管理勘定における調整勘定へ繰り入れに必要な経費等特別会計の三件であります。  第三に、昭和六十二年度一般会計予備費予算額二千億円のうち、昭和六十二年四月二十四日から同年十二月二十一日までの間において使用決定いたしました金額は、六百三十六億二千六百九十八万円余であり、その内訳は、災害対策費として、河川等災害復旧事業等に必要な経費等の六件、その他の経費として、沖縄県において開催される第四十二回国民体育大会等に伴う警備活動等に必要な経費等の十八件であります。  なお、昭和六十二年度特別会計予算総則第十三条の規定により、昭和六十二年九月二十二日から同年十二月十八日までの間において経費増額決定いたしました金額は、百二十億三千九百六十九万円余であり、その内訳は、産業投資特別会計産業投資勘定における株式の売り払い手数料に必要な経費増額等特別会計の五件であります。  以上が、予備費使用調書等についての概要であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。  次に、国庫債務負担行為調書につきまして御報告申し上げます。  昭和六十一年度一般会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定により、災害復旧その他緊急の必要がある場合に国が債務を負担する行為をすることができる限度額一千億円のうち、昭和六十一年発生直轄道路災害復旧事業につきまして、昭和六十一年十月九日の閣議の決定を経て、総額四億六千九百九十万円余を限度として債務負担行為をすることといたしました。  以上が、国庫債務負担行為調書についての概要であります。
  5. 穐山篤

    委員長穐山篤君) 以上をもちまして説明の聴取は終わりました。  それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 一井淳治

    一井淳治君 財政法の二十四条によりますと、予備費として相当と認める金額予算計上できるという規定がございます。この相当と認める金額とはどういう額をいうのかということをお尋ねしたいわけでございますけれども、その前に、補正予算を組むことがもう現在では当然の慣例ということになっておりまして、補正予算を組まない年はないわけでございます。そういう時期におきますと、補正予算をその年度中に組むことを前提として予備費考えていったらいいんじゃないかということも考えられると思うんですけれども、この補正予算との関係で、予備費についてどういうふうに考えたらいいか、その点からまずお尋ねをいたしたいと思います。
  7. 寺村信行

    政府委員寺村信行君) 予備費は、財政法二十四条の規定によりまして、「予見し難い予算不足に充てるため」と規定をされております。それから補正予算につきましては、「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出」というふうに規定されているところでございまして、その両者の間に法律上の要件にそうさしたる差異はないということでございます。具体的にどちらを選択するかと申しますのは、法制上は政府判断にゆだねられているんではないかというふうに解釈をしているわけでございます。ただ、具体的に補正予算年度当初から見込むということはできませんし、結果的にそうなるということはあるかもしれません。  それからまた、予算を作成する時点におきましては、その時点に見込まれます追加財政需要につきましては、補正予算に極力計上いたしまして国会の御審議を仰ぐのが筋道ではないか、このように考えるわけでございます。したがいまして、補正予算計上とのいわば見合いにおきまして、結果として予備費余剰が生じてくる。補正予算編成時点におきましては、その時点におきましてその年度末までに予見しがたい事由でどの程度予備費が必要であるかということを改めて見直しまして、その余剰分補正減額しているという取り扱いを現在しているところでございます。
  8. 一井淳治

    一井淳治君 抽象的な議論とすればただいまおっしゃったとおりかもしれませんけれども、しかしどちらにせよ、本予算成立後の事態に対応するという点では共通しておるわけでございますし、またこれまで過去の事例を見ましても、補正の段階で予備費を相当減額する。現実には、予備費補正予算の財源に充てると見られなくもない。大半の額はそういうふうに補正予算に回っていくわけですから、もう一遍その点をお考えいただいた方がいいのではないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
  9. 寺村信行

    政府委員寺村信行君) 予算編成後生じました事由に基づきまして追加財政需要が出てくる、それを予備費で対応すべきか、補正予算で対応すべきかということでございますが、原則としてできるだけ国会の御審議を仰いだ方がいい。その時点ではやはり必要な追加財政需要は極力補正予算計上すべきではないか。その時点でどうしても予見しがたいものにつきましての予備費年度末まで当然残しておく必要がございますが、それ以外は極力減額して御提出する方が筋道ではないか、こういう考えでございます。
  10. 一井淳治

    一井淳治君 次に、いわゆる公共事業等予備費について質問をさせていただきたいと思いますけれども、過去の例を見ますと、五十一年、五十三年、五十四年と予備費を区分いたしまして、公共事業等という区分をした予備費計上されたことがございます。これにつきましては、その時点では機動的に公共投資を行う目的ということで説明 がされておったようでございます。実際には災害復旧に一部使われたことがあったということもあるようではありますけれども、当初の目的に使われたことは全くなかったようでございます。その後、実際にほぼ十年間この公共事業費等予備費というものは計上されないという実績が出ておりますし、それからまた公共事業等予備費については、計上された当時にはいろんな問題点があるということで指摘があったわけでございます。公共事業等予備費は今後計上しないということをこのまま継続された方がいいんじゃないか、今の実績を永久化した方がいいんじゃないかと思いますけれども、その点はいかがでございましょうか。
  11. 寺村信行

    政府委員寺村信行君) 昭和五十一年に公共事業等予備費計上されました。その当時の計上考え方でございますが、年度途中におきまして、予見しがたい経済情勢推移等により公共事業等経費予算不足が生ずる場合に使用するという趣旨計上したものでございます。  五十二年度におきましては、公共事業関係費の大幅な増加等によりまして、景気回復がさらに力強くかつ確実なものにすることができると見込まれましたものでこれを設けないことといたしました。五十三年度に至りまして公共事業等は消化可能な限り極力これを計上いたしましたが、なお民需、雇用状況等が予測を下回るという予見しがたい経済情勢推移により予算不足が見込まれる場合に備えまして、機を逸せず適切な対策を打ち出し得るよう配慮したという趣旨計上いたしました。五十四年度も同じでございます。  それで、公共事業予備費考え方でございますが、ただいま御説明いたしましたように、予見しがたい経済情勢推移等により公共事業等経費予算不足が見込まれる場合に使用されるものでございまして、これは予備費性格が予見しがたい予算不足に対処するという性格でございますが、その性格に反していない、かつ予備費の一部の使途を限定いたしまして、そのことにつきましてあらかじめ国会の御判断をいただき、それだけ政府予算執行について制約をみずから課そうという趣旨でございまして、憲法、財政法趣旨に反するものではないと考えております。それ以降、経済情勢等も踏まえまして、五十五年度以降は計上していないわけでございますが、基本的にはそういう性格ではないかと思っております。
  12. 一井淳治

    一井淳治君 性格論もございますけれども、もう一つは政治の現実という問題もあると思います。景気の拡大と内需振興という問題につきましては補正予算を組むということが現実に行われているわけでございますし、予備費をもって余り経済的な政策のために使うというのは妥当ではないんじゃないかというふうに思うわけです。そこで公共事業等予備費は来年度はお入れにならない方がいいと思うんですけれども、来年度はいかがでございましょうか。大臣お尋ねいたします。
  13. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 今政府委員から申し上げましたとおり、十年ほど前にはそのようなことをいたしておったわけでございますけれども、その後、御承知のように財政再建の問題が起こってまいりまして、公共事業そのものマイナスシーリング、ゼロシーリング対象になるというようなことにせざるを得なかったということから、ここに予備費をさらに設けるという、実は正直を申して余裕がなかったということも私は事実であったと存じます。今日といえども内外要請上、社会資本充実等を必要としておりますし、またNTTの売上代金から社会資本整備勘定を設けさせていただいたほどのそういう内外要請があるわけでございます。なお、一般会計公共事業費マイナスシーリングはかけておりませんけれども、いわば増減なしということからふえておらないような現状でございます。  あれこれ考えますと、予備費公共事業費の中に設けておくということは、ただいまのところちょっと余り現実的ではないのではないかというふうに考えますが、なお来年度編成に際しましての方針はまだ決定いたしておりません。考え方としてはただいまのようなことを私は感じておるところでございます。
  14. 一井淳治

    一井淳治君 最初にお尋ねを始めたところでございますけれども、予備費としての相当な額についてどのように考えるべきか。これはやはり財政民主主義といいますか、財政当局のその場その場の御都合主義ではいけないという基本的な原則があると思います。それから、現在ではいわゆる概算要求基準を決められまして、政府みずから予算の節約をするという姿を示しておられるわけでございますけれども、予備費例外となっておる。結局、今お話もあったわけですけれども、公共事業等シーリング対象にしておりましても、予備費からどんどん出していくというふうになっては何のための概算要求基準かわからないことになってくるということもございます。そういったことで、予備費として妥当な額というものは現在の予算規模ではどの程度と、その決める要件としてはどういうことをお考えなのか、そのあたりについてお尋ねしたいと思います。
  15. 寺村信行

    政府委員寺村信行君) 予備費として相当と認める金額がどの程度であるべきかというお尋ねでございますが、予備費がそもそも予見しがたい予算不足に充てるという性格を持っておりますために、その計上額につきまして特別の基準を設定するのはかなり困難でございます。したがいまして、予算規模に対する計上割合とか流動的なそのときどきの諸般の諸情勢を総合的に勘案いたしまして、相当と認める金額をこれまでも計上してきたところでございます。  しかしながら、ただいまお話がございましたように、予備費制度というのは、予算事前議決原則例外として認められている制度でございますので、その計上額にはおのずから限度がございまして、戦後の例を見ましても、多くは予算規模の一ないし二%程度となって推移をしてきております。六十三年度につきましては三千五百億円でございまして、予算規模に対しまして〇・六二%となっておりまして、従来の予備費計上率に比べますと少しずつ抑制的なものになっているところでございます。  それから、シーリングとの関係でございます。概算要求基準は、予算編成作業を効率的に行うために一定の限度を設けまして、各省庁にはこの金額の範囲内で経費の重点的な要求をしていただくという制度でございますが、予備費は予見しがたい予算不足に充てるという性格上、先ほど申し上げましたように、予算規模に対する計上割合とか諸般情勢等を総合的に勘案して決定されるものでございますために、概算要求基準上は例外事項といたしまして削減対象から除外をしているところでございます。
  16. 一井淳治

    一井淳治君 昭和五十五年から三千五百億円で固定しておるというわけでございますけれども、補正予算との関係等もありまして、実際に予備費として使われた額というのは相当当初の予算額よりは少ないという現実もありますし、また予備費シーリングの外にあるということで、何かあったら予備費を使えというふうになってしまうと非常に残念であると思うわけでございます。三千五百億円という昭和五十五年からの固定した額でございますけれども、もう少し減額してもやっていけるんじゃないでしょうか。
  17. 寺村信行

    政府委員寺村信行君) 先ほども申し上げましたけれども、過去の予備費計上割合、戦後の推移を見ますと、実は昭和二十四年にドッジ勧告によります緊縮予算計上いたしましたとき、当時は必要とする経費はすべて当初予算計上し、追加予算計上を必要としないという建前で予算編成されましたので、そのときには予備費の当初予算計上はございませんでした。しかし、以降はそのときどき、高いときには二%ぐらい、平均して一%前後という感じで計上が行われております。  額につきましては、当然予算規模推移によりまして変動してきているところでございます。最近は御承知のように厳しい財政事情がございまして、ただいまお話がございましたように、五十五年度以降三千五百億円で推移をしてきているとこ ろでございますが、これも大規模災害が発生するとかいろいろな要素もございます。かつ、補正予算を作成する場合には、その時点追加財政需要を見直しまして、必要なものは補正予算計上するために削減して国会の御審議をいただいている、こういうような措置をしてきているわけでございまして、今後とも諸般情勢考えながら所要の額を計上するように努めてまいりたいと思っています。
  18. 一井淳治

    一井淳治君 予備費事前審査対象外になりますので、極力額を狭めるように御努力をお願いしたいと思います。  次に、六十四年度概算要求についてお尋ねしたいんですが、新聞等を見ますと、一カ月ぐらい六十四年度概算要求を早められるんじゃないかということが報じられております。その点と、もう一つマイナスシーリングを前年どおりにされるということが新聞に載っておりますけれども、その二点についてお尋ねしたいと思います。
  19. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 六十四年度予算編成につきまして、概算要求の時期等々を早める予定があるかというお尋ねでございましたが、ただいまそういうことを考えておりません。例年どおり考えております。  それから、シーリングの問題でございますが、これは実は六十二年度自然増収等々の大きさもわかりませんし、いろいろ経済状況についての見通しもただいまから考えますのは少しまだ早い、時間の余裕がございますもんですから、いずれとも決定をいたしておりません。実は特例公債を発行いたしておるのでありますが、昭和六十五年度には特例公債を発行しなくて済むようにいたしたいということを現実考えております関連もございまして、六十四年度につきましては、必要なものはこれはやむを得ないわけでございますけれども、全体としてはかなり厳しい予算編成をせざるを得ないのではないかというふうに思っております。
  20. 一井淳治

    一井淳治君 長い間一律マイナスシーリング予算が組まれてきたわけでございますけれども、その反面、どうしても必要とする予算もカットされるということでこれまで長い間来たわけでございます。  例えば、科学技術の開発等については、現在圧縮いたしますと、十年、二十年あるいは五十年先の日本の行き方というものにも非常に大きく影響してくると思います。そういう点で極めて例外的でもいいと思いますけれども、一律のマイナスシーリングに対しては何か例外をそろそろ設けてもいいんじゃないか。そうしないと、余りにもひずみが大きくなり過ぎて将来に禍根を残すということも起こり得るんじゃないかと考えますけれども、その点大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  21. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) マイナスシーリングあるいはゼロシーリングを長年続けてやってまいりまして、それなりの財政的な効果もございましたし、また、そこから制度の改廃を促すような効果もございまして、今後ともそれらは大切なことだと考えますが、何といいましてもそれはかなり厳しい、いわば一律の政策でございますので、いろいろ問題も出てまいっておることに気がついておらないわけではございません。来年度も厳しい予算編成をしなきゃならないとは思いつつ、ただいまのような起こりつつある問題につきましては、それなりに適切に対処していかなければならないと思っております。
  22. 一井淳治

    一井淳治君 次に、予備費使用された内容でございます。首相の外遊の諸費用でございますけれども、これが全部予備費から支出されるということになっております。私は、これはどこに行くかということはわからないにしても、大いに外遊をして日本の外交の実を上げてもらいたいというのは国民全体の期待でございましょうから、やはり首相の外遊の諸費用というものはあらかじめある程度の相当な額を予算計上すべきではないかと思いますけれども、その点はいかがでございましょうか。
  23. 寺村信行

    政府委員寺村信行君) 内閣総理大臣の外国訪問は、国際情勢等諸般情勢を勘案して決定されるものでございますので、予算編成時点であらかじめどの程度経費を必要とするかを予見することが困難な事情にございます。したがいまして、外国訪問が実施される場合に、訪問国、時期、期間等の具体的な計画が決定されました段階で、その所要額につきまして、原則といたしまして予備費をもって対処してきたところでございます。
  24. 一井淳治

    一井淳治君 総理大臣の場合は予備費から出ておる。しかし、ほかの大臣、例えば外務大臣あるいは通産大臣は非常によく外国においでになっていろいろ御努力をいただいているようでございますけれども、ほかの大臣の場合は、これは予備費でなくて各省の費用になっている、予算の中でやっているというわけでございまして、首相だけが気ままにやっている。これは上に立つ者が予算を勝手に使うということで非常にぐあいが悪いという点もあって、やはり首相の外遊についても、余りぜいたくをしないで派手にしないで、国民が非常に苦しい生活をしているわけですから、予備費からどんどん使うということはおやめいただいた方がいいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
  25. 寺村信行

    政府委員寺村信行君) 各省におきましては、大臣が行かれることになるのかあるいは事務方が行くことになるかにかかわりませず、各省の行政の必要上、年度間にどのような国際会議にどれだけの期間、それから何回ぐらい出席するかということは事前におおむね過去の例に照らしまして予想ができますことから、大臣の御出張に要する経費をも含めまして当初予算計上しているわけでございます。  一方、総理の外国訪問でございますが、これは国際情勢あるいは国内の政治情勢等々で、過去の例を見ましても非常に経費自体に大きな変動がございます。かつあらかじめどこそこへ行かれるというようなことは、これはやはり重大な外交的な影響もある。そういったこともございまして、事項自体がかなり予見しがたい、かつ金額についてもかなり予見しがたいという事情がございますために、当初予算計上せず予備費で支出をしているという状況にございます。
  26. 菅野久光

    ○菅野久光君 まず、予備費国会事後承諾を求める手続についてお伺いをいたしたいと思います。  昨年も本委員会で梶原委員からこのことについて質問がございましたが、どうも納得できないということもありまして、また私からお尋ねをいたしたいと思うわけであります。  従来から、各年度の四月から十二月の分については、翌年の二月ごろにその年度予備費(その1)として出されて、翌年の一月から三月の分については予備費(その2)として政府は次の通常国会国会の承諾を求めてくるのが通例になっております。したがいまして、予備費(その2)については、これは三月末に年度が終了しているにもかかわらず、約八カ月後の十二月になって国会に提出をされているのであります。予備費は使途を明示しない総額予算の可決を経ておりますけれども、その使途についてはできるだけ早期に国会の承諾を得なければならないものでありますから、審議する国会側としてはできるだけ早期の国会提出が望まれるわけであります。各年度の(その2)についてはどうして通常国会開会中の遅くとも五月半ばごろに提出できないのか、その理由をお聞かせいただきたいと思います。
  27. 寺村信行

    政府委員寺村信行君) 財政法三十六条の規定によりますと、「内閣は、予備費を以て支弁した総調書及び各省各庁の調書を次の常会において国会に提出して、その承諾を求めなければならない。」、このように規定をされております。常会は、国会法の規定によりまして十二月に召集されることになっております。したがいまして、その常会開会後、前年度の一—三月分につきましては、前年度の決算書提出と同時期にまず国会に御提出をしておりますが、さらに当該年度の四月—十二月分につきましてはできるだけ早急に取りまとめを いたしまして、翌年の二月に提出をいたしまして国会事後承諾をいただきますよう努力をしているところでございます。  さらに、次の一—三月分につきましてというお尋ねでございますが、既にこの常会が開会されているという事情もございまして、現在の財政法三十六条の規定によりますと、翌年の常会の開会早々に御提出をするという現在の取り扱いになっているんではないかと考えております。
  28. 菅野久光

    ○菅野久光君 財政法の第三十六条によって「次の常会」ということで、一月から三月末までの分は、通常国会が開かれているんだけれども、わざわざ八カ月待って次の常会、すなわち十二月に開会される国会に提出をしているということですね。  そうしますと、四月から十二月までの分という、その十二月というのは十二月の末までの分ということになりますか。その辺はいかがですか。
  29. 寺村信行

    政府委員寺村信行君) 末までの分でございます。
  30. 菅野久光

    ○菅野久光君 そうしますと、常会が開会された後に閣議決定された、それも十二月の末までということであれば、これは財政法の三十六条で「次の常会」。常会が開会されているにもかかわらず、その後の閣議決定の分も合わせて「その1」を出すということはおかしいのではないか。そう思われませんか。
  31. 寺村信行

    政府委員寺村信行君) これは過去の沿革をたどりますといろいろな御議論がございまして、実は従前は一月—十二月分をまとめまして、「次の常会」ということで、昭和三十六年まで国会に御提出をしていたわけでございますが、本決算委員会における御審議で、そういたしますと、一月から十二月と申しますと一—三月分は前年度である。かつ十二月分の予備費使用調書を取りまとめますために物理的な時間がございますので、どうしても開会直後ではなくて二カ月ぐらいずれる。ところが、従来決算書は常会開会直後できるだけ速やかに早い時期に御提出をしておりますので、この前年度の一—三月分につきましては、決算書が提出されているのに予備費使用調書が提出されていない。それはできるだけ早期に国会の御審議、特に予備費については事後承諾をいただかなければいけないという今の法律上の規定からしておかしいのではないかという御指摘がございまして、実は三十七年から現行のように、まず一—三月分につきましては常会開会後できるだけ早い時期に前年度の決算書と同時に御提出をするように取り扱いを改めたところでございます。四月—十二月分につきましては、特に十二月分につきましてはそのようなお話がございますが、従来からの取り扱いがそのような取り扱いをなされてきております。  さらに、もう一つ敷衍いたしますと、この財政法で「次の常会」にと書かれております立法趣旨がどういうものであるかということなのでございますが、国会法の二条で常会は十二月中に召集されるということになっております。かつ、十条で会期が百五十日間ということになっております。そういたしますと、過去の例で最も常会の早い時期の召集が十二月一日ということになりますと、百五十日間でございますと会期末が四月末ということになってまいります。それから十二月の下旬召集ということになりますと五月の下旬ということになりますが、仮に四月の下旬ということになりますと、三月までの予備費使用調書の調製が物理的にかなり困難ではないかということになってまいりますものですから、制度的にやはり安定的なものにするためには次の常会という規定になったのではないかと私どもは解釈をしているわけでございます。
  32. 菅野久光

    ○菅野久光君 財政法の三十六条で「次の常会」ということだから一月から三月の分については次の常会で、十二月に出すんだ、そのようなお答えです。ですから私は、十二月一日に過去にも召集されたことがあって、そして召集された後、閣議決定をされた、その分まで入っているわけですね、四月から十二月まで。だからあくまでもこれは便宜的といいますか、国会審議に役立たせるという意味合いもあって十二月末までということで、召集日以降閣議決定されたものも含めてやられているのではないかというふうに思うんです。だから、そういう意味からいけば、財政法の三十六条を盾に次の常会というのはどうも運用上やっぱり問題があるということで、過去にもそういうことで変えてきたという経過があるわけですね。  昨年の梶原委員の質問で、一月から三月までの予備費使用調書の問題については、作業すれば五月の中旬ぐらいまでに出せることは物理的には不可能ではないという答弁がありました。そういうことであれば、やはりその年度予備費の支出について承認を求めるということが私は財政の運用にとっては必要なことではないかと思うわけなんです。わざわざ次の決算が国会に出されるそのときまで八カ月も待つということはおかしいのではないかというふうに思わざるを得ないんですが、その辺はいかがでしょうか。
  33. 寺村信行

    政府委員寺村信行君) 財政法三十六条におきまして「次の常会」と規定されている、その解釈の問題ではないかと思うんでございますが、もう一つ財政法三十六条で、これは当然予備費につきましてはできるだけ早急に国会に提出をしてその承諾をいただくということが大切なのでございますが、基本的に毎年提出をいたしまして御審議をいただくというためには、やはり常会において御審議をいただくのが適切ではないかという考え方があるのではないか。したがって、比較的会期の短い次の国会という規定ではなくて、臨時会ではなくて常会に原則審議をいただくというような趣旨規定されているのではないか。さらに、先ほど申し上げましたけれども、常会の召集日いかんによってはその当該年度の常会に提出が物理的に不可能な場合もございますし、かつもう一つは、会期末ぎりぎりに御審議の日数もないような時期に提出をするのはいかがかという考え方もあるいはあるのではないか、規定趣旨の解釈なんでございますが、そのように私どもは考えているわけでございます。
  34. 菅野久光

    ○菅野久光君 今回の国会は会期延長がないらしいんですが、しかし通常の場合には一カ月程度の会期延長というのは何かやや常態化しているといってもいいような状況で、今回のようなことは異例ではないか。選挙のある年は別でございますけれども、そういうような感じを受けるわけであります。したがって、三十六条の解釈ではないとかなんとかということでありますが、それから、今お話しのように、もう会期末ぎりぎりにというようなことなどもありますが、しかし参議院の決算委員会は閉会中も審議をしているんです。いろいろ日程をやりくって審議をしているわけでありますから、できるだけ早く国会に提出をするということが私は趣旨ではないかというふうに思うんで、その辺については大蔵大臣、先ほどからのやりとりをお聞きになってどのようにお考えですか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
  35. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君)もとよりこの種のものはできるだけ準備が整いましたら早く御提出をいたしまして御審議を仰ぐのが筋合いでございますので、それで(その1)、(その2)というふうに分けましたのも、全体を待っておりましては遅くなりますので、早くできる部分だけはできるだけ早く御提出をしようという趣旨であったと存じます。  それで、今御指摘の部分でございますが、普通に考えますと、与えられた会期の中できちんと御審議を願うのには時間的に間に合わないというのが普通の常識的な判断であろうと存じます。それは、経験的に会期が延長されることが多いということも存じないわけではありませんが、政府といたしまして、一般に国会に御提出する法案、条約等々は、ある時期までを限りましてそれよりおくれないようにということで従来も閣議等々で配慮いたしております。そういう意味では、仮にいわゆる普通の、延長ない場合の会期末に非常に近くなりましてから御提案を申し上げることはいかがなものであろうかということもあり、方々時間的 に非常に苦しいということであったのではないかと考えております。
  36. 菅野久光

    ○菅野久光君 事務当局では、五月の中旬ぐらいまでに出すのは物理的には不可能ではないと思いますということを昨年も答弁をしておられるわけです。国会に提出をされて、国会がどういうふうに審議をするかということは、これは国会の問題でありますので、その辺は、国会審議が会期末で大変じゃないかという、思いやりということなのかもしれませんけれども、それは受けとめる国会側の問題でありますから、そこまで心配をされずに、ぜひこの問題は真剣に取り組んでいただきたいと思うんですが、大臣、いかがですか。
  37. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 十分準備の時間がございましての上でございましたら考えなきゃならないと思いますけれども、実際問題として、なかなか普通考えますと、各方面にかなりの無理がかかるのではないかというふうに聞いております。なおよく事情を聞いてみたいと思います。
  38. 菅野久光

    ○菅野久光君 毎年毎年この問題は続くわけでありますから、ぜひ作業の問題、各方面にどんなことが起きるのか、その辺もいろいろお考えだろうとは思いますけれども、ひとつ前向きに対処していただきたいということについては申し上げておきます。  次に、国庫債務負担行為の問題でありますが、国庫債務負担行為については特定的議決によるものと非特定的議決によるものとの二種類がある。審議対象となっているのはこの非特定的議決によるものでありますが、この際、もう一方の特定的議決によるものについて少し財政当局の見解を伺っておきたいと思います。  五十七年度から六十年度における各年度補正予算には、一般会計特別会計ともに国庫債務負担行為計上されてきたのでありますけれども、その中のほとんどが二カ年度に及ぶ国庫債務負担行為であります。しかも、いずれも当該年度の歳出価額はゼロでありますし、三カ年度や四カ年度にまたがるものであってもすべて当該年度の歳出価額はゼロであります。これを俗にゼロ国債と呼んでいるのでありますけれども、どうしてこのようなゼロ国債と呼ばれる国庫債務負担行為が毎年度補正予算計上されてきたのか、その根拠及びその必然的な理由をまずお伺いいたしたいと思います。
  39. 寺村信行

    政府委員寺村信行君) 五十七年度から六十一年度補正予算におきまして、公共事業予算で当年度歳出を伴わない国庫債務負担行為計上しているところでございます。  具体的に申し上げますと、五十七年度補正予算の成立は十二月二十五日でございました。五十八年度補正予算の成立が二月二十四日、五十九年が二月十三日、六十年が二月十五日でございまして、このような予算成立時点との関連で五十七年度から六十年度につきましては、すべて当該年度の歳出を伴わない国庫債務負担行為計上しております。ところが六十一年度につきましては、補正予算の成立が十一月十一日でございましたので、ある程度年度末までに期間がございますので、ここには単年度歳出で済むもの、あるいは前金払いが伴うもの、それから前金払いがなくて当該年度の現金支払いがゼロのものもございました。それから六十二年度におきましても、補正予算が七月二十四日に成立をいたしました。そこで当然年度末までに相当の期間がございますために、すべてその当該年度の現金支払いが発生をいたしておりますので、六十二年度補正予算ではゼロ国を計上しなかったという事情になっております。
  40. 菅野久光

    ○菅野久光君 これは当該年度で支出を伴うことがないからということだけでしょうか。財政難とか、財源の問題だとかそういうことはなかったのですか。
  41. 寺村信行

    政府委員寺村信行君) 当時の経済情勢を勘案いたしまして、年度内に資材の発注、雇用の確保等の経済活動を進めるなど、経済対策としてゼロ国債が有効なものでございまして、この厳しい財政状況のもとで経済情勢に適切に対応するためにその制度の活用を図ったものという御説明をしてきております。
  42. 菅野久光

    ○菅野久光君 しかし、一般の国民にとってはどうも当該年度に全然国からの支出を伴わない国庫債務負担行為、これを計上したということは非常に不思議だといいますか、何か手品をしているのではないか、そのように思わざるを得ません。国庫債務負担行為制度の本来のあり方ということからすれば、問題なしとは言えないやり方だと思うんです。こういうことをやっていると、国の財政秩序を乱すことになるのではないかと思うんです。  古くは昭和四十三年当時、国会でこの国庫債務負担行為のあり方が議論になったときには、大蔵省の統一見解として、「工事、製造等につき、多年度にわたって支出すべき契約であって一体として分割しがたいものは、歳出予算に基づいてこれを結ぶことができないので」、「法律又は継続費による場合の外は国庫債務負担行為としての議決を受けるほかはないと考える。」というような内容のことを表明しております。このことからするならば、国庫債務負担行為というのは本来、財源がないから、あるいはその年度の期間が短いからとかいうことでやらないというのはおかしいんで、その年度景気浮揚などの問題を含めて公共事業の発注などをやったわけでありますから、公共工事をやる民間会社が金融機関から工事代金の一時借り入れを行って、次の年度に国がその借入金の利子を含めて支払いをする、こういったようなことに利用すべき制度ではないかと思うんです。  これは、各年度補正予算計上された国庫債務負担行為の中には、二カ年度の初年度に支出の必要がないものも確かにあるでしょう。しかし、計上されたすべての国庫債務負担行為が一斉に初年度の支出がゼロというのはどう見ても財政制度の秩序を乱すやり方ではないかというふうに思うんです。その後は、幸いNTT株の売却益によって公共事業の財源が極端に不足をする事態にないので、このようなやり方は影をひそめておりますが、今後はこのような国庫債務負担行為の乱用は慎むべきだというふうに思います。この点について宮澤大蔵大臣の見解をお伺いいたしたいと思います。
  43. 寺村信行

    政府委員寺村信行君) 先ほども御説明いたしましたように、これは補正予算編成時点のタイミングの問題もございます。またそのことによる、ただいまの御指摘のように民間の事業者に与える影響等も考えなければいけません。その場合には、一方におきまして金融情勢がどういう情勢になっているかとか、それから一方、やはり雇用の安定的な確保とか内需拡大のためにどういう要請が強くなっているか、それらを総合的に勘案いたしまして措置をとってきたものであると考えております。
  44. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 現実にごく最近にいたしました例で考えますと、補正予算の時期がずっと年の暮れになってまいりまして、年度あと三月ぐらいしかないというときに、しかしやはりここは契約をしておいた方が政府のためにもまた業界のためにも、国民経済全体としてその方がいいだろうといったような判断、これは景気状況等による判断でございますけれども、という場合に今のように、ただし年度内の支出というものはない、それでもやはりそういうものが必要で、しかも金融状況によっては、それがわかりますと業界としては工事のための準備がいろいろできるということもございます。そこらのところは、メリットが現実にありました場合にいたしたわけでございますけれども、経済がこうなってまいりますと、過去の二、三年の間のようなものとやはり様子は違ってまいりましたし、いろいろな状況も見通しがややしやすくなっておりますので、そういう必要はにわかにこれから起こらないのではないだろうか。過去におきましては現実にそういう事情のもとにいたしたことがございます。そういうことだと思います。
  45. 菅野久光

    ○菅野久光君 いずれにしろ、ゼロ国債というのは、やはり財政のあり方から見て好ましいやり方 ではないと私は思わざるを得ないんですけれども、そこのところは、ざっくばらんに言ってどうなんでしょうか。
  46. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) それは財政が豊かでございますと、そこまでしなくてもいいということであるかもしれませんけれども、おととしとかいうあたり、非常に経済状況も悪い。そうかといって財政も非常につらい。何にもしないでいいのかといえば、やはりこういうことでもしておいた方が国民経済全体のためにもいいのではないかという判断からいたしたことでございます。  一般的に、このこと自身は、補正予算が組まれました時期が非常におくれますと、支出そのものは要らない、しかし、契約というものは見通して考えておいた方がいいといったようなことは現実にございます。それは財政が余裕のあるなしにかかわらずあり得ることだとは思っておりますけれども、この一、二年の実態は財政の方も非常に苦しかった、国民経済もしかし何かはっきり先へ向かっての公共事業というものは考えておいた方がいい、こういう現実の問題から起こったように考えております。
  47. 菅野久光

    ○菅野久光君 国民の側から見れば、どうも理解しづらいという部分がありますし、本来的なあり方ではない、財政秩序を乱すことになるのではないかというふうに私は思っておりますが、最近は、今大臣が申されたように経済状況も少し上向いてきているということで、今後は余りこういう手法はとらないようにしてほしいということを申し上げておきたいと思います。  次に、ODAの関係でございますが、我が国のODA拡大を求める声は内外からもかつてなく高まっております。総理もこれにこたえる方針のようでありますが、結局は国民の負担に帰する問題でありますから、額の上では米国をしのいで世界第一にまで膨れ上がった現状から、予算審議、承認をしたからそれでよいというわけにはいかなくなってきているように私は思います。憲法第八十三条も、「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」と定めておりますし、財政については一般の行政と多かれ少なかれ違った取り扱いをして、それを特に強い国会のコントロールのもとに置いております。これは近代諸国の憲法の例が皆そのような形になっております。この規定趣旨からは、国の財政作用に属する個々の行為については、事情の許す限り具体的、個別的に国会の意思に基づいてあらゆる財政作用がなされるべきであるというふうに言えると思います。  ODA予算のうち、一般会計予算昭和六十三年度は七千十億円と膨大な額になっております。予算の承認とは別に、ODAの実施について、少なくとも事前にはODA各担当省庁ごとにその計画の内容を国会に報告し、事後にはその対象国別の実績報告をすべきではないかと考えるわけですけれども、これは内閣、各省庁にまたがる全体の問題でもありますので、副総理としての宮澤大蔵大臣、いかがでしょうか。
  48. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) この点は以前から国会におきまして何度も御指摘のある点でございまして、私はそういうお話がありますことは決して国会の立場として無理からぬことだというふうに、いつも前提としてはそういう気持ちで伺っておるところでございます。  ただ、実際問題となりますといろいろ相手国のあることでございまして、しかもどちらかといえば希望をする国は数が多いわけでございますが、国民所得の水準でありますとか、いろいろなことから多少それに対しての条件も国によって異なります。また、金額もいろいろに大小があるといったような種類のことは、あらかじめそれが全部明らかになっておるということになりますと、実際に援助を受ける国との交渉などは非常にやりにくいことになるといったような点は御想像いただけることだと存じます。つまり、ODAの部分についても、現実にはかなりいろいろ交渉に属する部分がございまして、手のうちという言葉は適当な言葉ではございませんけれども、やはりその国と我が国の間の相対の、いわばバイラテラルな関係考えなければならないことが多々ございまして、あらかじめそれを全部開示して行うということは現実にはなかなか問題がございます。といったようなこともありまして、国会には後でいろいろ御報告を申し上げるということでやらしていただいておるように承知をしております。
  49. 菅野久光

    ○菅野久光君 交渉なり、あるいは計画確定の段階では、事前国会に報告をするということについてはいろいろな問題があるのかもしれません。しかしこれだけ額が大きくなってくると、その辺の、事前に明らかにすることについて障害があると思われる部分は、これは決まった段階でもいいでしょう。しかし、そういうことがほとんどなされないまま、この言葉が適切かどうかはわかりませんが、政府の意のままにこれだけの膨大なお金が使われるということについては、国会としてこれでいいのかということが起きるのはやっぱり当然のことではないかと思うんです、膨大な国民負担ということになっているわけでありますから。そういう点について特に、マルコス疑惑などもあって、このODAについては国民的な大きな関心を呼んでいる問題でありますから、国民にも納得をしてもらう、理解をしてもらう、そういうことが経済大国と言われている日本の政府の国民に対して果たす役割ではないかと私は思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
  50. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) やはり御説は、本質的には、私はおっしゃっていらっしゃることは十分に理由のあることだと思いながら伺っておるわけでございますけれども、もちろん不正とかいうようなことは論外といたしまして、援助を受ける国が持っております体制あるいは価値観というものと、我が国が持っております体制、価値観というものとは、これは必ずしも実は一緒にならない場合がしばしばございます。それは何と申しますか、そういうものとして考えておかなければならない、体制や価値観が違うからそういうところに援助はしないというような、本質的にそういうものではないというふうに考えておかなければなりませんので、その辺にもいろいろ難しい問題があると聞いております。しかし、だんだん確かにODAも大きくなってまいります、国民にもよく問題を理解していただかなければならないということも事実でございますから、やはりいろいろな意味で、ただいまのおっしゃっていらっしゃいますことの意味を考えながら工夫をさしていただきたいと思います。
  51. 菅野久光

    ○菅野久光君 ODAの拡充につきましては、政府部内では今のところヨーロッパ先進国並みのGNP比〇・四%とするという案が有力案として浮上していると伝えられております。昭和六十一年の我が国のODAのGNP比率は〇・二九%で、主要援助国で構成するDAC、開発援助委員会の平均である〇・三五%を大きく下回っております。経済大国、平和国家として相応の努力をすべきことは言うまでもありませんが、財源に問題があるのではないかというふうに思うんです。ここ数年政府一般会計予算の伸びを抑える中でODAは伸ばしてきております。しかし、ODAの規模が大きくなってきた以上、これまでのようにやりくり予算では不十分ではないかと思うんです。ODA予算について財源も含めた根本的論議が必要な時期に来ているというふうに思うんですが、政府の所見を伺いたいと思います。
  52. 寺村信行

    政府委員寺村信行君) 政府は従来から、経済規模にふさわしいODAの拡充を通じまして我が国に課されました国際的責任を果たしていくという観点から、三次にわたる中期目標を設定いたしまして、ODA、政府開発援助の拡充を図ってきたところでございます。現在は、昭和六十年に定めました第三次中期目標に基づきまして毎年度予算計上しているところでございますが、当然のことながら厳しい財政事情のもとでございます。ODAの規模の拡大とともにいろいろな問題も起きてきているところでございまして、今後とも他の経費とのバランスを十分考慮いたしまして、かつODAが真に開発途上国のニーズに合致したも のであり、開発途上国の経済開発に真に役に立つというようなものを計上するように努めてまいりたいと考えております。
  53. 菅野久光

    ○菅野久光君 財源を得るということは大蔵当局にとっては本当に頭の痛いことではないかと理解はいたしますけれども、しかし日本の国が国際的に果たさなければならない問題ということで、毎年やりくりというようなことでこの予算を確保するということでないような体制をやはりきちっとしなければならないんじゃないかと思います。  そこで、ODAにかかわって、去る五月三日から三日間、ホノルルで日米安全保障事務レベル協議が行われたわけであります。このことについて外務省の方にお尋ねをしたいと思うわけでありますけれども、実はこのことを私が十三日に通告をいたしまして、局長が所用があって出られないというようなお話がありました。その所用というのは一体何なんだということを聞きましたら、松永大使が帰国されて会談をするためとか、あるいは総理や自民党三役に説明をしなければならない、経団連にあいさつ回りをしなければならない、したがって、局長は出れないから参事官で対応させたいという連絡が、一昨日土曜日の午後一時半になって私の部屋に連絡が来ました。土曜日です、午後一時半ですよ。私は当時北海道に行っておりまして、電車の中から、たまたま電話があったものですから連絡をしましたら、そういう話でありました。それは困るということで秘書の方で対応いたしましたら、約二時間ほどたってから、局長が出れるように都合つけたからというような話だったというんです。国会に出席を要請して、都合つけたから出れる、都合つけなかったら出れない、こういうことになるのかどうか。  私は、昨年の決算委員会委員長質問の中で、時の中曽根総理に、政府は決算審議について非協力な部分があるということを質問いたしました。総理も、できるだけの協力は申し上げなければならないと考えている、そういう総理答弁もありました。  私の方もやみくもに時間を長くとろうなどということは考えておりません。どうしても出れないという納得できる理由があるんであれば、それは私どもの方でもよくわかります。しかし、今回の場合、どうしても私は納得ができないんです。そして、言われることが、都合つけたからという言い方というのは一体何なんでしょうか。私は、ほかの委員の人たちも、これは外務省だけでない部分もあると思います。出席を要求したら、いろいろな理屈を、理由をつけて出席できないからということで、参事官だとか課長対応だとかということでやってくる部分がある。  私は、今回の外務省当局がとった対応、金曜日の日に私が質問通告をして、土曜日の一時半になってからそういう返事をよこすなんというようなこと、これは国会軽視も甚だしいのではないかと思わざるを得ません。局長もここへ入られて私のところへ来られましたけれども、私は、どうしてもこのことについては腹がおさまらないといいますか、こんなことをやっていたのでは国会というのは一体何なんだということになる、そういう思いもありますので、そういう対応をずっととってきた外務省当局としての考え、釈明といいますか、それを求めたいと思います。
  54. 有馬龍夫

    政府委員(有馬龍夫君) 私の不手際で全く不本意な御印象を先生が持たれてしまいましたことについて、私ここに深くおわびをいたします。  私どもといたしまして、先生がおっしゃられたようなこと、すなわち国会の御審議を大切に思っていないというようなことは全くございませんで、もし私どもからお伝えしました際にそのような無礼な発言があったといたしますれば、それもあわせて深くおわびいたします。
  55. 菅野久光

    ○菅野久光君 局長がおわびをしますということですから、私はこれ以上このことについては言いませんが、今後、十分国会に対する対応をひとつしっかりやってもらいたい。そして副総理、先ほど言いましたように、これはただ単に外務省だけではなくて、ほかの省庁にもこういうような例がありますので、内閣としても十分国会審議に対応するようなことでやっていただきたいということを要請申し上げておきたいと思います。  もとに戻りますけれども、この日米安全保障事務レベル協議でいろいろ協議がされたわけですが、前評判として、この協議の焦点の一つに責任分担の問題が持ち出されて、日本側にODAの増大とそれを中南米や東南アジア、アフリカ諸国などの同盟国に対して戦略的に援助するよう要請されるのではないかとの観測が流れておりましたが、この結果はどうであったのか、まずお答えいただきたいと思います。
  56. 有馬龍夫

    政府委員(有馬龍夫君) 今回の日米安保事務レベル協議におきましては、国際情勢、日米防衛協力、それから我が国の防衛努力の現状と、日米双方が関心を有します安全保障問題一般について率直な意見の交換がございました。  その過程で米側から、議会を中心にバードンシェアリング、いわゆる負担の分かち合いとでも訳しますべきでしょうか、我が国を含む同盟国に対して防衛分野を中心に幅広い貢献を求めて要請要求が存在している、そして、このことにつきまして今回の事務レベル協議の場でも米側の事情が説明され、その関連で一般的な形で経済協力について話が及んだことは事実でございますけれども、実は先方の発言は大変注意深くなされておりまして、具体的に要請がなされるということはございませんでした。
  57. 菅野久光

    ○菅野久光君 具体的にという今お話がありましたが、この日米安保事務レベル協議では、国際情勢の分析あるいは防衛協力を軸に相互にざっくばらんな意見の交換が行われ、それだけに米側が本音をぶつけてくることが多いというふうに言われているわけです。それが今、注意深くという局長のお話でありますが、本当にそうであったのかなと、今までのそういう状況からいくと思わざるを得ないわけであります。言うまでもなく、米国の経済協力の理念は、安全保障ドクトリンで政治的利益に力点を置いているのがアメリカの経済協力なんです。ですから、五月十一日にアメリカの国防総省のタフト副長官が来られて十二日に東京内幸町の日本記者クラブで講演されたが、そういう中でODAの問題について触れられております。  その中身がどうだったのかということについて、実は資料を要求したわけであります。そのことについてもちょっと先ほど言いませんでしたが、土曜日の日に言って、きょうの十一時ちょっと過ぎに持ってきたのが英文のこれなんです。これも私は資料をよこせと言って、私に読めと言われてもちょっとこれ読めません。このタフト副長官が言われたことについて、このことも全く私は外務省の対応というのは一体どうなっているんだと思わざるを得ないんです。  ここでタフト副長官が講演をした中でのODAについて、外務省としてはどういう把握をされておられますか。
  58. 有馬龍夫

    政府委員(有馬龍夫君) ここでタフト副長官は、確かに米国におきます、先ほどもちょっと申し上げましたいわゆるバードンシェアリングの実情を説明した上で、日本に国際社会に対する貢献をよりふやしていけということを申しておりますが、それぞれの項目について日本は大変によくやっておられますということを申した上で、さらに努力をしてくれ、なぜならば米国はいわゆる双子の赤字で大変苦慮していて、引き続き米国として国際的責務を全うしていくに当たっては議会を中心としていろいろ異論がある、それにつけても同盟諸国からの協力が必要なのでという趣旨であろうと私は思っております。
  59. 菅野久光

    ○菅野久光君 十二日に日本記者クラブで講演されたその内容について、外務省としては当然その講演のところにだれかが行ってどういう発言をされたかということは、これは御承知ですね。
  60. 有馬龍夫

    政府委員(有馬龍夫君) 私は、外務省の担当の部門からここの講演会に出席していたかどうか事実関係承知いたしておりません。
  61. 菅野久光

    ○菅野久光君 担当者からの事実は掌握をしてない。今のお答えについては私の方で資料を要求し たので、それで局長の方で内容について調査をして答弁されたということですか。
  62. 有馬龍夫

    政府委員(有馬龍夫君) 私自身は、先週この演説のコピーをもらいました段階で読んだという経緯がございます。
  63. 菅野久光

    ○菅野久光君 それで今のようなお答えになったわけですね。私はきょうの質問をやるときに資料要求して、十一時、しかも英文のそのままです。私はODAの関係ですから、せめてODAの関係だけでもちゃんと日本語に訳して持ってきてほしかったな、せめてですよ、そういうふうに思うんです。そういう対応の仕方についてももうちょっと考えてもらいたいと思います。  衆議院の外務委員会で決議がありましたね。軍事施設等軍事的用途に充てられる経済技術協力は行うべきでなく、また紛争当事国に対する経済技術協力もその紛争を助長するがごときものは行うべきでない旨の決議がされておりますし、私もそのように思うんですが、この点についてはどのように思われますか、お伺いをいたしたいと思います。
  64. 有馬龍夫

    政府委員(有馬龍夫君) 北米局長の所管事項ではございませんけれども、当然その決議の御趣旨を体して行っているものと考えます。
  65. 菅野久光

    ○菅野久光君 日米防衛事務レベル協議の中でODAの問題が出されるということで、これは担当でないことは私もわかっております。それだけにこの対応については慎重にやらなければならないというふうに思いますし、やはり大蔵大臣、副総理という立場もありますので、この際、我が国の経済協力に対する理念を明確にするための措置、例えば法の制定だとか何かそういうことを含めてきちっとしたものにしておかないと、いろんなところからそういう話が来たときに、一体どう対応するのかということが問われてくるのではないかと思うんですけれども、その辺についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  66. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) それは先ほどからのお尋ねの延長部分に当たるわけでございますが、我が国自身も実はここに来まして従来の対外経済協力関係というものをもう一遍見直すべきではないかと、私どもの党の中にもそういう強い意見がございます。  一つには、先ほど政府委員が申し上げておりましたが、今の中期計画というものが円高によりまして、いわば予定よりもはるかに早く、しかも多くの支出を伴わずに達成できるというようなことになってもまいりました反面で、援助を受ける国の側から言いますと、この円高というのは逆に返済について非常に難しくなるというような要素がありましたり、もっともとへ返って申しますならば、我が国がこれだけの経済力を持つに至りましたが、しかし世界の平和について軍事面で貢献することはできないのが我が国でございますから、他の面でもう少し積極的な貢献はできないだろうか、これは国民もそういうふうに考えられている方々も段々おられますし、外国からもそういうことを言われるという状況の中で、何か問題をもう一遍考え直すべきではないかということは、政府部内でも実はいろいろ議論が始まっております。今具体的にこうということを申し上げるまでにはまだ議論が熟しておりませんけれども、そのような問題意識は私ども確かに持っておりますことは事実でございます。
  67. 菅野久光

    ○菅野久光君 プリペイドカードの問題、長者番付の問題についても通告をいたしましたが、時間がございませんので、私の質問は以上で終わらせていただきたいと思います。準備をなさった方には大変御迷惑をおかけいたしました。
  68. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 きょうは質疑の時間が全体として短いものですから、端的に三点ほどお伺いしたいと思います。一つは国民負担率の試算の問題、それからもう一つは税制改革の方向の問題、そしてもう一つ財政法二十七条の予算国会提出等にかかわる問題、この三点をお伺いしたいと思っております。  初めに、毎年財政の参考資料として国会の方に提出をされております「財政改革を進めるに当たっての基本的考え方」という資料があります。この資料の中の特に「税・社会保険料等」という欄があります。この中の六十二年度と六十三年度との違いについてお伺いをしたいと思います。  それは六十二年度のところでは、「昭和六十二年度予算における租税負担と社会保障負担とを合わせた全体としての国民の負担率は三五・四%程度と推計される。国民負担率の水準の中長期的な方向については、今後、高齢化社会の進展等により、現状よりは上昇することとならざるを得ないが、徹底的な制度改革の推進により、ヨーロッパ諸国の水準よりはかなり低い水準にとどめるように努める。」というふうになっております。それがことしの六十三年度になりますと、「昭和六十三年度予算における租税負担と社会保障負担とを合わせた全体としての国民の負担率は三六・六%程度と推計される。」、ここまでは負担率が上がったというところだけが違いまして大体同じなんですが、その後です。「国民負担率の水準の長期的な方向については、今後、高齢化社会への移行、国際的責任の増大等により、ある程度上昇するものと考えられるが、その上昇は極力抑制するよう努める。」、大分これはニュアンスが違うわけです。昨年度までは、「ヨーロッパ諸国の水準よりはかなり低い水準にとどめるよう努める。」と、こうなっておるわけです。ところがそこのところはことしはないわけです。これはどういういきさつによってこういうふうに変わってきたのか、国民の負担率についての基本的な認識が大蔵省として変わってきたのかどうか、そこら辺のいきさつについて初めに御説明いただきたいと思います。
  69. 尾崎護

    政府委員(尾崎護君) 御指摘のとおり、財政改革を進めるに当たっての基本的な考え方の中身の表現が変わっているわけでございますけれども、六十二年度の表現はこれまた御承知のとおり臨調の最終答申等で使われた表現を用いているわけでございます。六十三年度につきましても国民負担率の上昇は極力抑制するよう努めるという旨明らかにされているわけでございまして、臨調の最終答申などの考え方と基本的には同じ考え方を示しているというように受けとめております。
  70. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 基本的には同じでしょうね、「努める。」となっているわけですから。  しかしながら、臨調の答申とかそういうもの、後で具体的に出しますが、臨調の答申では欧米諸国の水準という問題についても具体的に数字を挙げまして、それよりかなり下回れという強烈な答申が出ているわけです。ですから、昨年まではそういうような意味ではその目標に沿って大蔵省も努力をしておった。ところが最近は国際的な責任の増大がだんだんあって、ある程度上昇するように考えられるということで、ヨーロッパの水準とかそういうような具体的なものを置いてしまうと後でえらいことになるということも考えて、少しずつ根回しを始めたというふうに受け取らざるを得ないわけであります。これは大蔵大臣も最近はいろいろと税制改革や随分議論があるわけですから、国民負担率が少しずつ上がってきているのも既に御承知のことだろうと思います。そんな中で、これは大分先のことで申しわけないのでありますが、この予測の中にもこれから話をいたしますが、二〇一〇年だとか二〇〇〇年だとか、大分そこら辺のところまで大蔵省としても検討していらっしゃるようであります。そこで大臣としては、この国民負担率は大体いかにあるべきとお考えなんでしょうか。どこら辺にまた目標を置くべきだと考えていらっしゃるんでしょうか。
  71. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 先ほど政府委員が御説明を申し上げておりましたが、この問題につきまして政府部内で方針、意思統一を、あるいは目標を決定したことはございません。それは峯山委員も御承知のことでございますが、我が国自身が五年を越える長期経済計画を持っていないということがまず基本にございまして、その上で将来に向かっての社会保障等々の体系をどうすべきかという長期計画も御承知のように持っておらないわけでございますので、言ってみますと、五年以上の国民総生産等々の推計はいわばある程度のそれこ そ仮り置きをしなければならないというようなのが現状でございます。したがいまして、なかなか先のことを申し上げにくい。  将来どのような給付を国民が求めるかによってどのような負担を受容するかということが決まってくるわけでございますけれども、それにつきましての青写真というものもございません現状でありますので、こういう表現になっておるわけでございます。私自身がどういうことを考えておるか、これは私個人と申し上げざるを得ないわけでございますけれども、やはりヨーロッパ諸国の水準に達するということは我が国としてはそれは高過ぎる、その下でとめておくべきものだと私自身は実は考えておりますが、これにつきまして政府決定なり目標設定というものは今日までのところなされておりません。
  72. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そうですか。大臣、実はことしの三月十日に厚生省、大蔵省両省によりまして「二十一世紀初頭における高齢化状況等及び社会保障の給付と負担の展望」というものを発表しておられます。これはもちろん税に関する負担率の問題は記入されておりませんが、社会保障負担につきましてはそれぞれきちっと推測して書いておられるわけであります。これは大臣よく御存じでございますね。
  73. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 予算委員会等々の御審議のために政府としての資料を提出をいたしました。その際に述べておりますように、これは厚生省、大蔵省の共同作業によるものでございますけれども、先ほど申しましたような理由がございますので、ある程度機械的な推計をいたしたということを申し上げてございますが、そのようなものを御提出いたしました。
  74. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 この推計によりますと、国民負担率が、これは大体社会保障の負担の部分だけが記入されてございますが、税と社会保障と両方合わせた国民負担率は、この推計に合わせて申し上げますと、例えば昭和七十五年あるいは八十五年にはどの程度と御推計をしておられるか、この点事務当局で結構ですが、おわかりになりましたら御説明いただきたいと思います。
  75. 寺村信行

    政府委員寺村信行君) 三月十日にお示しいたしました資料は、現行の制度、施策を前提といたしまして、機械的な手法によります推計によりまして社会保障の給付と負担の増加の趨勢的な傾向をお示ししたものでございます。また、去る三月十一日に租税負担率につきましても、現行の制度のもとで税収弾性値等につきまして一定の仮定を置きました場合の将来の試算をお示ししたところでございます。  これらの試算によりますと、国民所得の伸びが今後四%ないし五・五%で伸びた場合に、八十五年度におきましては、六十三年度に比べまして社会保障負担率が七・二分の一ないし五・二分の一ポイント程度、租税負担率が二・二分の一ないし三・二分の一程度伸びると試算しているところでございまして、これらを六十三年度におきます国民負担率三六・六%に単純に上乗せをいたしますと、昭和八十五年度におきます国民負担率は四五・二分の一ないし四六・二分の一ポイント程度になると機械的に推計されるところでございます。
  76. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 現状の税率でそういうことですね。そうしますと、今の推計でずっとやってまいりますと、大体何年ごろに五〇%を超すと考えられますか。
  77. 寺村信行

    政府委員寺村信行君) ただいまの試算は、先ほども申し上げましたとおり、経済成長が実際にどの程度の伸びになるのかということが長期的に予見しがたい、国民所得の変動いかんによりましてかなりこの比率は変動してまいります。それから社会保障自体につきましても、国民がどのような制度を選択し、構築していくかにより大きく変動するものでございます。それから租税その他の歳入が実際にどのように推移するかもかなり大きな変動要因がございます。さらに、他の歳出分野も含めました全体としての公共支出の水準は各年度予算編成過程におきます広範な議論を積み重ねた結果として定まってくるものでございます。といった種々の不確定要因がございまして、たまたま一定の前提を置きました機械的計算で八十五年の試算をいたしておりますけれども、それ以降の試算はしていないところでございます。
  78. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いずれにしましても、これは大臣、いろんな要素がありますから、一概に推定するのは不可能だと私は思います、確かにそのとおりでしょう。しかしながら、現在の税制改革の論争やいろんな点を勘案いたしますと、報道機関でも言われておりますように、二〇二〇年までには少なくとも五〇%をオーバーするんじゃないかということが報道されているわけです。そういう意味で私はきょう大臣にお願いしておきたいのは、この行革審の答申の中にもありますように、大蔵省の決意というのはある程度私は必要だと思うんです。そういうような意味でこの行革審の答申の中には、「二十一世紀の初頭には高齢化社会の進展等により社会保障負担は現在の水準を大幅に上回らざるを得ず、全体としての国民負担率も上昇する結果となると予想される。その場合でも、五〇%をかなり下回る水準に国民負担率を抑えることを目標とするならば、租税負担率を現状よりも引き上げ得る余地は少ない。したがって、歳出の各分野にわたり徹底的な制度改革の推進が不可欠である。」と、こういう答申の仕方になっております。  今のは行革審の方でありまして、臨調の最終答申の中でも大体同じことを書いているわけでございますが、「今後、高齢化社会の進展等により、長期的には、租税負担と社会保障負担とを合わせた全体としての国民の負担率は、現状(三五%程度)よりは上昇することとならざるを得ないが、上述のような徹底的な制度改革の推進により、現在のヨーロッパ諸国の水準(五〇%前後)よりはかなり低位にとどめることが必要である。」と、こういう両方の答申もあるわけであります。したがいまして、税制改革やいろんな面でもそうでありますが、国民負担率というのは五〇%以上になったりすると大変異常な状態でもあります。サラリーマンの皆さん方が生活する上におきましても、五〇%をオーバーするということになると大変なことになるわけでございます。  ここら辺のところは大蔵省が私たちに財政参考資料で三点出しておられるわけでございます。その中で六十二年度にもありましたように、ヨーロッパの水準よりかなり低い水準にとどめることを目標とするというぐらいのことは、去年はあったけれども、ことしはぱっと省いてというんじゃなしに、そこら辺の目標はがっちりしておいていただきたいということが言いたくてわざわざ私は言っているわけでございます。大臣、やはりそこら辺のところにきちっとした目標を定めておいていただかないといけないんじゃないかなと思うんですが、大臣のお考えをお伺いします。
  79. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 先ほども申し上げましたが、私はそれらの答申あるいは提言に個人的には非常に共感を持っておる一人でございますので、ただいま峯山委員の言われましたことはまことに同感に存じます。大蔵省といたしましても厳に歳出の削減に努めてまいらなければならないと思っておりますが、同時に一番問題の根幹になりますのは、これからの社会保障政策をどのようにするかということであろうと思います。これは結局は国民が高い給付を望まれ、したがってそれに伴う高負担というものをある程度受容されるか、あるいはそういう高負担はむしろ適当でない、多少給付に関係が生じてもそうでないことがいいと考えられるか、結局国民的な選択になるということだと存じておりますが、私自身は峯山委員の言われますことに極めて深い共感を感じておりまして、大蔵省といたしましては歳出の厳しい削減につきましては、十分今後とも努力をいたしてまいる気持ちでございます。
  80. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 端的にお伺いいたします。  税制改革の方法と今後のスケジュール等もあわせてお伺いしておきたいのでありますが、これは大蔵大臣の真意を確かめるという意味も含めまし てお伺いしたいんです。  先般四月の二十八日だったですか、政府税調の中間答申が出てまいりました。私もあの大きな資料を見せていただきましたが、内容等につきましてはきょうは触れないことにします。一つは、現在のこういう時期にこの中間答申というものが本当に必要であったのかどうかという問題があると思うんです。それとさらには、中間答申というからには、再度これの最終答申というのがあるのかどうか。そういうような時期等についてはどういうふうになっているのかということ。  それからもう一点は、先般の新聞報道等でもありましたが、総理と幹事長と相談をして、今国会には税制の法案は提出しないというふうなことが報道されておりますが、ここら辺のところの真意についてお伺いしておきたいと思います。
  81. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 先般政府税調の中間答申が行われたわけでございますが、恐らく、中間答申という名で出されておりますので、最終的なものをどういう名前でお呼びになるかは別といたしまして、何かの締めくくりを次の時点でなされるものであろうというふうに想像をいたしております。中間答申をされました意味は、今回は政府税調において、私どももそうでございますけれども、できるだけ世論を聞きたいということから、段階的に一つ一つ考えを重ねてきておられるようなところがございまして、そこの段階でおのおの世論を聞いていく、そういうことから今回もさらに中間ということで出されたと思います。それともう一つは、私どもの党内でもいろいろ議論がございますので、その議論の推移を見ようというお考えもあったと存じます。いずれにいたしましても、十分世論を聞いて最終案を得たいという努力のあらわれでございますが、政府税調の答申には最終的に何日までということを期限を申し上げてございませんので、できるだけ早くちょうだいをして案をつくりたいと考えておることには変わりがございません。  先ほど、もうこの国会中には出さないということを決めたかというお尋ねでございましたが、そのようなことを今決定をいたしたというようなことではまだございません。
  82. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 大臣、今国会の会期はもうあと十日なんです。そういう点からいきますと、特別大幅な会期延長でもしない限りこれは不可能じゃないかと我々としては判断せざるを得ないわけであります。  それで、新聞報道によりますと、今国会の提出は見送り、そして臨時国会を七月に召集してそこでという感じの報道があるわけであります。これは大臣、いろいろと議論をしなくちゃなりませんが、きょうは時間的な問題もありますから、中身の詳しい議論はできません。皆さん方の御意見を聞いて、やはり売上税の先例もあることですし、いろんな面で拙速は避けた方がいいと思いますし、やはりこういう新型間接税、あるいは名前はいろいろあるにしましても、これは大変なことであろうと思います。そういう意味ではだれかが言いましたけれども、三代の内閣でと、こうおっしゃった方もいるわけです。そういいましても、そういう名分は大分違っているわけですね。  そういうこともありますし、ことしじゅうに切迫してどうしても導入しなくちゃならないというような問題ではないんじゃないかと私は思うんです。そういう意味で、税制改革には国民の支持と与野党の協調というのがある程度必要であるというふうにも思うわけです。そのためにも、公平な税体系をつくるということが大前提でありますから、そういう意味では、不公平税制といいましょうか、そこら辺へのメスというのはもっと徹底して入れてもいいんじゃないかというふうに思います。そういう意味で、今後の税制改革のあり方等も含めまして、大臣の税改革についての基本的な考え方をここでお伺いしておきたいと思います。
  83. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 拙速は避けなければならないというのはおっしゃるとおりだと存じます。私どもとしましては、この問題はここいわば小十年取り組んでまいった問題でございますけれども、その間二度の蹉跌をいたしております。そういうことにも反省をしながらなるべく国民に受容していただけるような案をつくりたい。このたびもそういう心構えで今日まで審議会等々において御審議を願っておる。私どもも努力をしてまいったつもりでございますが、おっしゃいますようにくれぐれも拙速は避けなければならないと考えております。  基本的にはやはりシャウプ税制以来四十年近い日子がたっておりまして、これは根本的にこれを改めなきゃならない時期が来ているということは多くの方が御異存がないことだと思いますし、また十何年たちますと高齢化社会で、先ほど峯山委員が言われましたような国民負担というものがふえやすい状況にある、それにどう対処するかということが現実の問題になりつつございますので、そういう四十年を振り返り、また十何年を展望して、その中間時点における今、やはり抜本的な改革をすべき時期が来たというふうに根本的には判断をいたしておるわけでございます。それが基本の判断でございますが、なおこの問題が議論をされるに伴いまして、いわゆる税制の不公平感というものが広く国民の間で議論をされておりますことはよく存じております。不公平感というものをできるだけ払拭いたしますように、このたびの税制改正に当たりましても十分に考えてまいらなければならないということは私どもよく認識をいたしております。
  84. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 大臣が御答弁になりましたんで重ねて質問することもないのでありますが、昨年の十月三日に、自民党の総裁選の前に大臣が出されました政権構想のパンフレットを読ませていただきました。いろいろとあるわけでありますが、きょうの質問に関係がございます税制改革のところだけを取り上げてみたいと思います。  要するに、端的に言いますと、他の二人の竹下さんと安倍さんとは全然違うことを、全然違うことでないかもしれない、全く同じことをおっしゃっているのかもしれませんが、少なくとも表面にあらわれた文字の面では違います。大臣の「税制改革の断行」という段がございまして、そこには「直間比率の見直し等を含め、既存の税制における税負担の不公正を是正し、」と、こうなっておるわけです。この中に先ほど大臣がお述べになった問題も入っていると思いますが、大臣のおっしゃる「税制改革の断行」という問題は、今大きな問題になっております新型間接税の導入というのがやっぱり大きな柱なのか、それとも大臣がこの文章の中でおっしゃっている不公平の是正という点に大きな力点があるのか、ここら辺のところは言い方は非常に難しいと私は思うんですが、あえてきょうはこの点のお考えをお伺いしておきたいと思います。
  85. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 今お述べになりました文章の中にたしか、シャウプ勧告以来三十八年間の時代の変化が著しいことについて言及をするとともに、国民の税制に対する不満や不公正感が増大しておるということを述べております。そして直間比率のことを申しておるわけでございますが、やはり私自身その七三対二七という直間比率は我が国の場合甚だしくいわば直に過ぎておる。そして過去と比べましてもそうでございますが、このような国民の所得の著しい上昇、また所得格差の減少というようなことが実現いたしました社会では、片一方で直接税が非常に勤労意欲、企業意欲をそいでおる。他方で間接税そのものは個別間接税体系をとっておりますために、ある種の少ない品物に高い税率が課されているといったような状況になっておる。いろいろなことから、この際やはりこれは改める必要がある。  方向は、国民の、社会の共通の負担は国民が広く負担をしていただくということで、何かの意味での間接税ということに方向としてはなっていくであろうと考えておるわけでございます。それに際して、今の税制からくる不公平感というものはやはり是正をいたしませんと、税そのものについての国民の需要ということが問題を生ずるわけでございますから、やはり前提として税というもの は公平なものであるということは、国民にわかっていただくように改めるべきことがあれば改めなければならないというふうに考えておるわけでございます。
  86. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それではもう一点お伺いしたいと思います。  これは、週休二日制にだんだんなってまいりまして、いわゆる土曜閉庁という問題が出てまいります。したがいまして、最近の新聞報道によりますと、大蔵省も予算編成の繰り上げとかそういう問題も検討しているという報道があるわけであります。そこで、私は財政法二十七条の問題についてきょうはちょっとお伺いしておきたいと思います。  これは、実は財政法二十七条によりますと、「内閣は、毎会計年度予算を、前年度の十二月中に、国会に提出するのを常例とする。」と、こうなっているわけであります。この問題は、参議院改革という問題の議論の中でも随分問題になって、国会を一月に召集するかしないかという議論のときにもこの問題が大きく取り上げられました。  そこで大蔵省にお伺いしたいのでありますが、この財政法二十七条の予算を十二月に出すという努力を大蔵省はしているのかどうか、この財政法の二十七条の規定を大蔵省はどう読んでいらっしゃるか、ここで明確に御説明いただきたいと思います。
  87. 寺村信行

    政府委員寺村信行君) 財政法二十七条では、御指摘のとおり十二月中に提出するのを常例とするという規定がございますが、現実問題といたしまして、予算編成につきましては基本的に要求から査定に至る作業に多大の時間を要するもののほか、実は内外経済情勢の動向等と密接不可分の関係にございますので、翌年度経済情勢の動向等をできる限り的確に見通して予算編成する必要がございますために、政府予算決定がどうしても十二月末になってしまうという実態がございます。  さらに、政府予算案の決定後、予算国会に提出するまでにも予算書の作成のために膨大な作業がございまして、合理化のための種々の努力を払っておりましてもどうしてもある程度の期間が必要という事態になっております。そういうようなことからこの財政法制定以来十二月中に予算が御提出できないという事情になっているわけでございます。
  88. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 ですから、大蔵省は財政法二十七条を守る気があるのかないのか。前年度の十二月中に出せ、それを常例とすると書いてある。そういうことについて真剣に考えているのか、そういう努力はしているのかということです。
  89. 寺村信行

    政府委員寺村信行君) 予算書の作成までに至る作業の全体につきまして、政府といたしましては一日も早く予算国会に御提出いたしますよう最大限の努力を払っているわけでございますが、先ほど申し上げましたような事情がございます。ただ、予算書の提出前にもできるだけ早い時期に予算概要につきまして御理解を得ておくことが重要だと考えられますところから、五十一年度以来、予算概要を記しました概括説明書を予算提出前に国会に御提出をしてきているところでございます。
  90. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これはもっと言いますと、新しい国会が発足して以来一回もこの法律を守ったことがないわけです。逆に言えば、法律の方は無理だというのなら財政法の改正というものを考えてやったらどうなんですか。
  91. 寺村信行

    政府委員寺村信行君) 確かに財政法二十七条は、予算は「前年度の十二月中に、国会に提出するのを常例とする。」としてございまして、法律上十二月中の提出を義務づけているものではございません。したがいまして、現実問題として、ただいま申し上げておりますように、一月提出とならざるを得ないならば財政法二十七条を改正すべきではないかという御意見もございますが、この規定は、特に財政法二十七条の見直しにつきましては国会法第二条の規定とも関連いたすものでございますので、これらにつきまして国会の御論議を踏まえつつ検討してまいりたいと考えております。
  92. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 国会法第二条との関連とあなたはおっしゃいましたね。国会法第二条は、「常会は、毎年十二月中に召集するのを常例とする。」、国会は今まで国会法を全部守っていますよ、一回も守らなかったなんということはありません。あなたは法律上義務づけているものではないとは言いながら、あなた方は一つも守っていないじゃないですか。あなたは今、国会法第二条との絡みがあるとおっしゃった。国会法の第二条、立法府はちゃんと十二月中に召集しているじゃないですか、違いますか。
  93. 寺村信行

    政府委員寺村信行君) 財政法二十七条は、予算は「前年度の十二月中に、国会に提出するのを常例とする。」と定めておりますが、これはただいま委員お話しのとおり、国会法第二条の「常会は、毎年十二月中に召集するのを常例とする。」旨の規定を受けておりまして、国政上の優先案件でございます予算国会提出時期を常会召集時期に合わせる建前を規定したものだと考えております。一方、毎年度予算は、実は大正六年以来、年を越してから国会に御提出をしているということから、実際問題として十二月中に提出をすることは至難でございまして、予算を常会の召集時期に提出すべしとする法の建前と実態が食い違う結果になっているわけでございます。  以上のように、財政法二十七条は国会召集時期を前提にいたしまして予算の提出時期を定めたものでございますが、同法の改正に当たりましては、国会の運営の基本でございます国会法との関連を慎重に検討した上で処理することが望ましいと考えられているわけでございます。
  94. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そんな理由、説明は全然なっていないじゃないですか。あなたは、この法律は「常例とする」と書いてあるから、これは法律上義務づけているものではないとおっしゃったが、そんな法律の解釈があるんですか。しかも、昔の帝国議会の第一回のときからずっと私は全部調べてきた。帝国議会の時代には十二月に出すということを一生懸命やっているわけです。それはもちろんできなかったこともあります。今度の新しい、戦後、昭和二十二年からの国会の状況をずっと見てみなさい、ただの一回も財政法を守って出そうなんてしたことはないじゃないですか。しかも我々としてはこの一月の空白期間というのはつくりたくない、だから一月召集でもいいと参議院では話し合ったことがあるんです。  それは大蔵省がこの問題については、大臣、これは聞いておいてもらいたいんですけれども、本当に努力した跡なんて見られません。国会は十二月召集ということについて、大臣も御存じのとおり、とにかく十二月三十一日に召集したことだってあるわけです、この国会法第二条を守ろうということで。一生懸命なんです、それは。そういう点では、大蔵省は今も次長さんがおっしゃったように、法律上義務づけているものではないとおっしゃったじゃないですか。そうじゃないですよ。法律上義務づけられているけれども実態としてできない、無理だ、いろんな事情がある、いろんな事情はわかるわけです。だけれども、大蔵省としてそこら辺のところは本気でこの問題に取り組むべきじゃないですか、そうじゃありませんか。  大臣もこれは国会の中で御存じだと思いますが、参議院の改革の中で一月召集にするかどうかということで随分議論したことがある。国民からもいろんな批判がある、それにこたえようとした。ところが、財政法との絡みもあるということでまた一時とんざしたこともある。お互いに責任をなすり合ってはいかぬわけです。国会の方としては守ってきているわけですから、守れない方が、これはどうしても無理ですから財政法を改正いたしますので国会法の方も何とかということになれば、それなりの検討ができるんです。そこら辺のところはそれなりの検討なり考え方を示していただきたいと私は思います。
  95. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) 先ほど政府委員国会法第二条のことを申し上げました意味は、これは 誤解をしていただいているとは思いませんけれども、峯山委員がそれなら財政法を変えたらどうなんだという御設問がありましたものですから、旧憲法の時代もそうでございましたけれども、予算というのは国会が始まるときにお出しするのが、旧憲法の時代にも「総予算ハ前年ノ帝国議会集会ノ始ニ於テ之ヲ提出スヘシ」とございますのをやはりそのまま受けておる、したがいまして勝手に財政法を変えるというわけにはまいりませんで、やはり国会が始まるときには提出すべし、常例とするというのはそういう国会法の考え方財政法が倣っておる。こう考えますにつきましては、財政法だけが勝手に変えられない、変えるべきものでないという趣旨のことを申し上げようとしたものでございます。  現実には、国会は確かに国会法の二条によって「十二月中に召集するのを常例とする。」ということで召集をしておられますわけで、それに財政法規定を私どもが常例とするように実践できないことはまことに申しわけないことでございます。これはだれも法律を破っていいということはこれは申し上げ得ないことでございますから、せめて「常例とする」と書いていただいておるので、今日までこういう状況でやらしていただいてまいりましたということを申し上げておるわけでございます。国会の方で国会法の改正について御検討がありましたことも存じ上げております。政府といたしましては従来いろいろな努力を尽くしてまいりましたけれども、実際上、財政法二十七条の規定を常例として実践することが今日までできずにおりまして、いろいろな事情は峯山委員が御承知でございますから申しませんが、そのような事情でなかなかこの財政法二十七条の趣旨とするところを今日まで実践できておらないということは、まことに残念でございますが事実でございます。
  96. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 農水省の甘蔗の補助金の問題について質問をしたいと思っておりましたが、もう時間が参りましたので、まことに恐縮でございますが、やめさせていただいて、この次の機会に回させていただきたいと思います。ありがとうございました。
  97. 橋本敦

    ○橋本敦君 まず最初に、三億円強奪事件の容疑者のフィリップ・ジャマンが、去る四月二十五日にメキシコで逮捕されました。身柄がフランスに護送されて、今取り調べ中であるということでありますが、これに関連をして伺いたいと思います。  このフィリップ・ジャマンについては、警察当局としては、三億円強奪事件について、指紋の検出等から重要な主犯的容疑者であると断定していると思うのですが、いかがですか。
  98. 兼元俊徳

    説明員(兼元俊徳君) お尋ねのとおりでございます。フィリップ・ジャマンについては、ことしの一月の……
  99. 橋本敦

    ○橋本敦君 日にちは後でもいいです。
  100. 兼元俊徳

    説明員(兼元俊徳君) 日にちは、それではちょっとお待ちください。  警察庁の刑事局長名で、フランスの当局に対して告発を行っております。失礼いたしました。
  101. 橋本敦

    ○橋本敦君 このジャマンの逮捕で、三億円強奪事件の事件全容解明が大きく進むと期待をされるわけです。問題は、我が国に捜査権があり、刑罰権もある事案ではありますけれども、身柄がフランスにあるために、今後捜査をどう進展させ、かつ刑罰権の行使が可能かどうか、これが大事な問題になるわけですが、そこらあたりどうお考えですか。
  102. 兼元俊徳

    説明員(兼元俊徳君) フィリップ・ジャマンにつきましては、フランス国籍の国民でございますので、本人がフランスにある限り、仮に日本がフランスに対して身柄の引き渡しを請求いたしましても、フランスの逃亡犯罪人引渡法で自国民の引き渡しを禁止されておりますので、引き渡しはしてもらえないということになると思います。
  103. 橋本敦

    ○橋本敦君 その点に関連して、さきの決算委員会で私も質問をいたしまして、国際刑法学者の泰斗である森下忠先生の御見解を引用もさせてもらったんです。先生は元岡山大学教授と申し上げたんですが、現に広島大学の名誉教授であられるわけです。その森下先生の御見解では、日本とフランスとの間には、今おっしゃるように、犯人引き渡し条約はないけれども、しかしこのことは犯人の引き渡しを妨げる理由にはならない、相互主義という原則があって、これまでも引き渡した例はないわけではないと。しかし同時に、自国民の不引き渡しという原則があって、犯人がフランス人であれば多分引き渡さないだろうというふうにおっしゃっておられるわけです。  私は、この先生の見解を援用してこの前質問した際に、一番最後の部分で、自国民不引き渡しの原則から多分引き渡さないだろうという、ここのところは特に援用しなかったものですから、森下先生の説について誤解を与えたかもしれないということで、この際はっきり訂正もして申し上げておるわけです。結局フランスが、今おっしゃったようなことで引き渡さないだろうということなんですが、日本政府としては、だからもう要求しないのか。要求しないとすれば、このジャマンの三億円強奪事件についてもフランスで厳重に処罰せよということを要求して、そのことは可能になるのか。ここらあたり、どうなんですか。
  104. 兼元俊徳

    説明員(兼元俊徳君) 今回のジャマンのメキシコでの逮捕、それからフランスへの強制退去、フランスでの捜査は、とりあえずはコローの絵画盗に関する容疑と聞いております。もちろん、ことしの一月十三日でございますが、警察庁の刑事局長名で、三億円事件に関しまして本人ほか関連被疑者を告発しておりますので、当然捜査は行われるものと理解しております。ですから日本の警察といたしましては、フランスとの情報交換によって日本の三億円事件の解明に努めるとともに、フランスでの訴追に最大限の協力をしていきたいと考えております。
  105. 橋本敦

    ○橋本敦君 わかりました。  どうしても引き渡しができない場合は、フランスでの日本の三億円強奪事件の訴追、告発とされていますから、それに対して厳しくやってもらう方向でやるべきだと思うんです。そのために、その方向はわかりましたが、捜査官を協力のために今後とも派遣してやるというような方針はありますか。
  106. 兼元俊徳

    説明員(兼元俊徳君) そのとおりでございます。本年の四月十日から二十日までに既に警視庁及び警察庁の捜査官を、この三億円事件に関する情報交換のためにフランスに派遣しておりますし、フランスでのジャマンの調べが、三億円事件に関する捜査の進展ぐあいによりまして、再度必要がございましたら捜査官を派遣するつもりでございます。
  107. 橋本敦

    ○橋本敦君 わかりました。それじゃ、この点はこれで終わります。ありがとうございました。  さて、きょう私が聞きたいという質問の主要なテーマは、地上げ問題、土地投機といったことで世間の厳しい批判を受けております最上恒産や、これに関する過剰融資として大きな問題になっております第一相銀に関連をして質問をするわけであります。  まず冒頭に、この最上恒産が国土利用計画法違反で起訴されたという事実は明確でありますが、その公訴事実は端的に言いますとどういうことでございますか。
  108. 岡村泰孝

    政府委員(岡村泰孝君) 昭和六十三年三月十六日に、最上恒産株式会社及び早坂社長らにつきまして、国土利用計画法違反と宅地建物取引業法違反で公判請求をいたしたところでございます。  公訴事実の要旨でございますが、要するに新宿区にあります一団の土地の売却に当たりまして、国土利用計画法に定めておりますところの、東京都知事に対します所定の届け出をしないで売買契約を締結したという趣旨のものであります。
  109. 橋本敦

    ○橋本敦君 刑事局長、その点を私、詳しくもう少し述べますから確認をしてほしいんですが、この最上恒産は六十年六月二十日に、問題の新宿の土地五千平米を分割して、自分の関連会社である最上ナチュラルパーク、最上観光にそれぞれ同日付で分割をいたしました。こういうことによっ て、五千平米の土地を三つに分けるわけですから、二千平米以上の取引については届け出が要るという、そのことがネグれるわけでありまして、そうしてその分割をした六月二十日、同日付でこの土地を東京エステート、それから磐越産業という会社に移転登記を行い、さらには相和不動産にも六月二十八日付で移転登記を行うということをやったあげく、それぞれのこの三つの会社が六十一年三月二十七日に、最終買い取り人であるこれまた問題のフジタ工業に売り渡した、こういう経過をたどっていることは、これは事実明白ですね。
  110. 岡村泰孝

    政府委員(岡村泰孝君) そういうことでございます。
  111. 橋本敦

    ○橋本敦君 そしてこの価格が、何と地上げが入った当初のころは三・三平米当たり三百万程度であったものが、最終的にフジタ工業に売り渡された時点では驚くなかれ三千百五十万という価格にまで高騰しているというのでありますから、その巨額のもうけ、これはもう大変なものであります。  そこで大蔵省に伺いますが、相和不動産、東京エステート、磐越産業、これは第一相銀に対する検査の中で当然名が浮かんでくる会社ですから御存じと思いますが、知っていますか。
  112. 平澤貞昭

    政府委員(平澤貞昭君) そのような名前は、金融機関の具体的な取引先のお話になりますので、ここで今の御質問にお答えするわけにはいきませんが、新聞等ではそういう名前は十分に拝見しております。
  113. 橋本敦

    ○橋本敦君 端的に言うと第一相互銀行のダミー会社なんです、はっきり言って。これはもう新聞等でも明らかです。今お答えになったように、新聞でも触れておりますからわかります。  そこで刑事局長、私が言うのは、最上恒産が国土利用計画法を、こうしたあくどい手法によって占奪をして、そして届け出もしないで売り渡すということで起訴されたんですが、まさにこれを積極的に手助けをし、そしてこれの法をくぐる手法の重要な役割を果たしたのが相和不動産、東京エステート、磐越産業ですから、実質的にこれは起訴されなかったけれども、この国土利用計画法違反、宅建業法違反の実際上の共犯、幇助と言っても差し支えない、そういう位置にあると私は思うのですが、どうですか。
  114. 岡村泰孝

    政府委員(岡村泰孝君) 東京エステートと相和不動産の関係につきましては、いずれも会社並びに関係の役員につきまして略式命令を請求いたしまして、略式命令が出ているところでございます。
  115. 橋本敦

    ○橋本敦君 つまり、私が言うのは、共犯関係にあるわけでしょう。
  116. 岡村泰孝

    政府委員(岡村泰孝君) そういうことでございます。
  117. 橋本敦

    ○橋本敦君 そこで、第一相銀のこれらのダミー会社ですが、最上恒産への融資は第一相銀から最上恒産本社に直接融資されるものももちろんあります。しかし、大口規制という枠がありますから、これをかいくぐるために第一相銀は、自分のダミー会社である相和不動産、東京エステート、磐越産業、これに最上恒産に融資の金を出させる、こういうこともやってきたことは、これは事実新聞報道その他でも明らかですが、間違いありませんか。
  118. 岡村泰孝

    政府委員(岡村泰孝君) 具体的な捜査の中身ということになりますが、現在最上恒産の事件につきまして公判請求中でございますので、新聞等に報道されましたことをそれほど積極的に否定するわけでもございませんけれども、私の立場といたしましては、具体的なことは今の段階では申し上げかねるところであります。
  119. 橋本敦

    ○橋本敦君 大蔵省、いかがですか、同じく。これは事実でしょう。
  120. 平澤貞昭

    政府委員(平澤貞昭君) 今御答弁がございましたように、大蔵省の方といたしましても、具体的な問題について答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
  121. 橋本敦

    ○橋本敦君 否定できますか。
  122. 平澤貞昭

    政府委員(平澤貞昭君) 本体について具体的に申し上げることはできませんので、大変恐縮でございますが、否定も肯定もできないわけでございます。
  123. 橋本敦

    ○橋本敦君 否定するならはっきりしてください、みんなの名誉にかかわるから。否定できないということが大事ですよ。  そこで、この第一相銀は、まさに最上恒産に融資をするダミー会社をつくり、そのダミー会社が国土利用計画法違反の手助けをするという関係なんです。こういうような関係にある第一相互銀行が、二年前から大蔵省の検査を受けて、この最上恒産、その他もあるんでしょうが、過剰融資の問題で厳しいチェックを受けてきたはずです。  大蔵省に伺いますが、二年前に銀行法二十五条に基づいて行った立入検査の際に、大蔵省の通達に違反する疑いがあるとして厳しい指導をしたはずです。具体的に言ってください。
  124. 平澤貞昭

    政府委員(平澤貞昭君) 本委員会におきましても、前に御答弁申し上げましたように、具体的に銀行検査の内容につきましては、御答弁は申し上げるわけにいかないわけでございますけれども、一般論といたしまして、検査いたしました際に問題がある場合には、今委員が言っておられますように厳しく指摘してその是正を求めているところでございます。
  125. 橋本敦

    ○橋本敦君 局長、普通ならいいんですよ。最上恒産の不法な土地取引の共犯としてまで第一相銀のダミー会社は略式命令受けて起訴されているんです。そういう事実を国会で明らかにするのに、一般的な守秘義務その他を盾にとって決算委員会で答弁しないというのはよくないですよ。  具体的に聞きますけれども、この第一相銀は、銀行法の十三条との関係において融資限度額は、資本金、準備金、引当金等との関係でどのぐらいになりますか。これは言えますね。
  126. 平澤貞昭

    政府委員(平澤貞昭君) 具体的な第一相銀の融資限度につきましては、資料が公表されておりますので、今ここで御答弁申し上げますが、資本金の額が約三十六億円ございます。準備金が百八十七億円程度、それから引当金が百四億円ございます。そうしますと、合わせまして自己資本が三百二十七億円ございますので、融資限度といたしまして、狭義の融資限度でありますが、この自己資本の二〇%ということになっております。六十五億円程度ということになるわけでございます。このほか通達等で融資のほかいわゆる債務保証を含めた限度が三〇%というのがございますが、それを計算いたしますと九十八億円程度というふうになっております。
  127. 橋本敦

    ○橋本敦君 二年前の昭和六十一年大蔵省が検査を行ったときにどれくらいの融資をしていたかというと、これは新聞その他でも言われておりますが、五百五十六億前後。そういたしますと、今局長がおっしゃった貸し出しの限度六十五億、あるいは債務保証関係での融資九十八億をもうはるかに突破しているわけであります。だから、大蔵省として検査の際に、漫然とこれが許されるはずがありませんから、厳しい調査をしたはずです。そしてその際に、この融資はしかも土地取引等に関連をしていろいろ問題があるわけですけれども、とりわけ大蔵省が昭和五十七年四月一日、蔵銀第九〇七号で出しております通達、この中のBの(ロ)で、規制対象融資先については、銀行法第十三条の規定に準ずるものとして、相互銀行などは、実質的に融資限度を逸脱するような行為は行わないものとする、こうした上で、「故意に名義を分割する等資金使途等からみて実質的に同一人に対する融資と認められるものについては、これを合算して取り扱うものとする。」として、いわゆる迂回融資も含めて厳しい規制をやっているはずですが、この通達に違反する事実があり、厳しく指導した事実、これは間違いないですね。
  128. 平澤貞昭

    政府委員(平澤貞昭君) 通例、検査を行いました場合、今委員が御指摘のような事例がある場合には、おっしゃるように厳しく指導して是正させることといたしております。
  129. 橋本敦

    ○橋本敦君 ところが、あなたはおっしゃらない から、公然と報道されている新聞その他を全部集めて調べてみますと、六十二年の十二月には大蔵省のそういう指導などまさにへのかっぱという感じですよ、七百二十三億に融資がふえた。六十三年問題の現在は八百数十億にもふえた。こういう状況で、大蔵省の指導は全くこの第一相銀によっては踏みにじられたままであるという、こういう事態になっていることは間違いないじゃないですか。
  130. 平澤貞昭

    政府委員(平澤貞昭君) 一般論といたしまして、大口融資規制の検査を行います場合には、やはり法令の規定に従いまして大口融資規制違反であるか、通達違反であるか、さらには通達の趣旨に合致しているかどうかというところまできめ細かく検査いたしまして、それぞれに応じて適正な対応を行っているところでございます。したがいまして、検査の際に例えばダミー会社を使ってやる場合、関連会社を使ってやる場合、もろもろの方式もあるわけでございます。それから融資先の名義が非常に異なっておる、その場合実質的にどうかという点も厳しく検討するわけでございます。したがいまして、そういう中でおのずから答えを出しながら指導をしているということでございます。
  131. 橋本敦

    ○橋本敦君 そういたしますと、私が指摘したこういった大きな過剰融資について現在の調査、検査は、今局長がおっしゃった法律に違反しているか、通達に違反しているか、そしてまた不良貸し付けその他という問題で好ましくない状態であるか、事実は詳しくそれぞれ調査を今詰めておるところだと、こう伺ってよろしいわけですね。
  132. 平澤貞昭

    政府委員(平澤貞昭君) 御存じのように、現在当該銀行には検査に入っているわけでございますので、ほかの金融機関の検査の場合と同様、検査官といたしましては今委員がおっしゃいましたような観点から厳しく検査をしているというふうに我々は理解いたしておるわけであります。
  133. 橋本敦

    ○橋本敦君 総体的に言って、私が指摘したこういった大きな過剰融資、銀行法十三条による規制をはるかに超える状態があって、そして調査ということが特に厳重に必要だということは明らかだと私は思います。大蔵大臣もこの点については私が指摘した最上恒産と第一相銀の関係、これは指摘したとおり、刑事局長も言われたとおりの事実がありますし、そしてまた過剰融資という事実はこれは否定できないところですから、厳しい検査をやるということについては大臣としても厳しい態度で臨んでいただく必要があると思うのですが、いかがですか。
  134. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) ただいま銀行局長が申し上げましたとおり検査をいたしております。
  135. 橋本敦

    ○橋本敦君 刑事局長に伺いますが、銀行の責任者が銀行法の十三条に違反する、あるいは通達に違反するといったことによって過剰な融資を行って、それが同時に、回収不能の危険をつくり出すというようなことも当然出てくるわけです。現在この最上恒産は業績悪化で大変な状況になっているということであるし、新聞で報道するところによれば、最上恒産は税金さえ支払えなくなって、その税金分だとか金利分を第一相銀からまた新たな融資で引き出すということもやっておるために、今私が指摘したように過剰融資がふえ続けている。こういう実態もあって回収の完全になされることが不可能であるという危険性だって否定できない状況もあり得るわけです。  そこで刑事局長に伺いますが、こうした過剰融資に関連をして背任罪が成立する可能性もあるんですが、一般的な背任罪成立の要件とはどういうことですか。
  136. 岡村泰孝

    政府委員(岡村泰孝君) 一般論として申し上げますと、他人のために事務を処理する者が、自己もしくは第三者の利益を図り、あるいは本人に損害を加える目的でその任務に背いた行為を行って、本人に財産上の損害を加えるということがその構成要件でございまして、その場合には刑法の背任罪の成立が考えられるところであります。また、行為者が取締役等一定の地位を有する者である場合には商法の特別背任罪の成立が考えられるところであります。
  137. 橋本敦

    ○橋本敦君 おっしゃるとおりだと思うのであります。そこで、この第一相銀の取締役かあるいは責任者が最上恒産の利益を図るために過剰融資をするわけですから、第三者の利益を図るという目的は明らかだ。しかも、銀行の責任者としては法や大蔵省の通達で決められた規制の枠を超えてはならぬという義務があることは、これは何といっても認識をしているはずですから、これを破るということになれば義務違背としてまさに故意があり自覚があるということで犯意があることも明らかです。  問題は、今局長がおっしゃった本人に損害を加えるという損害の問題でありますが、私が調べてみますと、判例の基本方向では、不当もしくは違法な貸し付け自体によって本人に損害を加えたことになると解して回収の可能性を特に考慮していない、これがこれまでの裁判の判例傾向である。これは「注釈刑法」に出ているわけですね。したがってさらに高等裁判所判例のうちにも、回収可能か否かを特に考慮することなく、不当もしくは違法な貸し付け自体によって財産上の損害が生ずるものとするものが多いという判例が見られる、こういう傾向にあることは間違いございませんね。
  138. 岡村泰孝

    政府委員(岡村泰孝君) 財産上の実害を発生させた場合はもとよりでございますけれども、実害発生の危険を生じさせた場合もこれに当たるんだというのが判例であろうと思っております。
  139. 橋本敦

    ○橋本敦君 そういたしますと、八百数十億にも上るこういった融資が現実に全部回収されるかどうか、その結論を待つまでもなく、そういったことが回収されない危険性というのは、現に最上恒産の新聞で大きく報道されている業績悪化、税金さえ払えない状況からも十分に推測されるわけですから、この第一相銀の過剰融資問題については検察庁としてもこれは商法上の特別背任罪にかかわる可能性がある事案として重大な関心を持って私は対処しなきゃならぬと思うのですが、局長、いかがですか。
  140. 岡村泰孝

    政府委員(岡村泰孝君) 検察といたしましても、いろいろ報道されております事柄につきましては承知をいたしているところでございます。もちろんその間に刑罰法令に触れるような事実があれば検察といたしましても適正に対処するものと思っております。
  141. 橋本敦

    ○橋本敦君 局長、お聞きのように、私が指摘したようにこの第一相銀の過剰貸し付けは単なる通達違反ではなくて、これは背任罪を成立させる可能性も含めた重大な事件なんです。そういうことをしっかり踏まえた上で当然厳しい検査はやるべきであるし、大蔵省も公務員ですから、もしも背任罪に相当する事案があると判断したならばこれは検察庁に通知をして、その事実を糾明する責任が法律上ありますね。そういうことはしっかり踏まえた上で検査をすることを約束されますか。
  142. 平澤貞昭

    政府委員(平澤貞昭君) 金融検査官といたしましては、国家公務員でございますので、法令の規定に従って検査を行っているところでございます。
  143. 橋本敦

    ○橋本敦君 いや、わかっています。法令の規定に従って厳重に検査をやれば、刑法犯的違法行為があると発覚すればこれは告発なり検察庁に通知するなり、それは法令に従う調査の一環ですから、あったらやりますねと、こう聞いているんです。まともに答えてください。
  144. 平澤貞昭

    政府委員(平澤貞昭君) 通例、検査の場合に、法令に違反し、刑事罰に当たる等の場合には国家公務員法の規定に従いましてそういう措置をとっておるところでございます。
  145. 橋本敦

    ○橋本敦君 今までもとっているから当然今回もそういう事態があればとるというように伺ってよろしいですね。しつこいようですが、大事ですから聞くんです。
  146. 平澤貞昭

    政府委員(平澤貞昭君) 今回の場合ということではなくて、一般的にそういう場合には厳正に対処しておるところでございます。
  147. 橋本敦

    ○橋本敦君 今回の場合は法令に基づいてちゃん とやらぬのですか。
  148. 平澤貞昭

    政府委員(平澤貞昭君) 今御答弁申し上げましたように、今回の場合を含めまして、常にそういう態度でやっておるところでございます。
  149. 橋本敦

    ○橋本敦君 最後に大蔵大臣に伺いますが、土地投機に対する融資が二十五兆、三十兆になるというような大きな社会問題にもなって、土地価格の高騰にも重大な影響を及ぼし、大蔵省としてもこれに対しては厳正に対処するようにいろいろ苦労されて指導されてきたと思うんです。ところが実際は土地投機、土地に対する過剰融資というのはなかなか縮小するとか静まるという状況ではありませんでした。そういう点を振り返って、そういうことの中で今私が指摘したようなこういう疑惑も生じていることについて、これまでの大蔵省の指導のあり方については、二年間の検査、二年間ほっておくのは長過ぎないかという問題もあります。あるいは指導通達はもっと強化すべきであったかという問題もあります。ここらの反省点も含め、今後の検査を厳重にやる対策等について御所見があれば、大臣の御意見を承って質問を終わります。
  150. 宮澤喜一

    国務大臣宮澤喜一君) いろいろ申し上げていない苦労もあったようでございますが、今後とも厳正に監督をしてまいります。
  151. 橋本敦

    ○橋本敦君 終わります。
  152. 穐山篤

    委員長穐山篤君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございません    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  153. 穐山篤

    委員長穐山篤君) 御異議ないと認めます。     ─────────────
  154. 穐山篤

    委員長穐山篤君) 委員異動について御報告いたします。  本日、福田幸弘君、守住有信君及び河本嘉久蔵君が委員辞任され、鈴木貞敏君、海江田鶴造君及び小野清子君が選任されました。     ─────────────
  155. 穐山篤

    委員長穐山篤君) それでは、これより予備費関係等八件を一括して討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  156. 橋本敦

    ○橋本敦君 私は、日本共産党を代表して、議題となっております予備費等承諾案件のうち、昭和六十一年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)、(その2)、昭和六十一年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額調書及び各省庁所管経費増額調書(その1)、昭和六十二年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)、昭和六十二年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額調書及び各省庁所管経費増額調書(その1)の五件について、不承諾の意を表明し、反対討論を行います。  まず、昭和六十一年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書の中で、退職手当不足、スモン訴訟和解金、参議院補選に必要な経費、衆議院選挙に必要な経費災害復旧費、社会保障関係費等は、必要な経費であると考えられます。その使用目的として承諾できるものもこうしてあるわけであります。しかし、同時に本予備費使用調書中には、我が党としては認めることができないものが含まれているのであります。  例えば、首相の外国訪問費であります。首相の外国訪問の中で、とりわけ日米首脳会談のための訪米は、中曽根首相が五月の東京サミットのため、レーガン政権の意向を聞く目的で行れたものでありまして、わざわざ訪米する必要があったかどうか問題でありますし、我が国の政治の対米従属のあらわれとさえ言えるものであります。  また、韓国訪問は、軍国教科書問題、藤尾元文相発言などでこじれていた日韓関係を修復することが直接の課題ではありましたが、その根本は米日韓の反共軍事同盟の強化という政治課題を基軸としたものであります。さらに、東京サミット開催に伴う警察装備の整備費は、東京サミットにおけるいわゆるにせ左翼暴力集団の蛮行を取り締まるという口実で極左対策車、パトカー照会指令システム等の装備の経費予備費から支出するもので、いずれも警察力の強大な増強につながるものでありまして、巨大な政治警察づくりを進める結果となるこういった支出は、到底承諾できるものではありません。  また、昭和六十一年度及び六十二年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額調書及び各省庁所管経費増額調書のうち、国土総合開発事業調整費は、実際に使われている対象事業の中に住民の暮らしに密着したものも少なくありませんけれども、大規模開発を柱とした大企業本位の開発を円滑に進めるための事業など不要不急のものも含まれています。さらに、当初予算で(目)未定のまま国土庁に一括計上し、年度途中において各省庁、各特別会計に配分するようなやり方は財政民主主義の上からも疑義があり、承諾できません。  以上の理由で不承諾の討論をするものであります。  以上です。
  157. 穐山篤

    委員長穐山篤君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございません    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  158. 穐山篤

    委員長穐山篤君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  まず、昭和六十一年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)、昭和六十一年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額調書及び各省庁所管経費増額調書(その1)、以上二件を一括して採決を行います。  これら二件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  159. 穐山篤

    委員長穐山篤君) 多数と認めます。よって、これら二件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。  次に、昭和六十一年度特別会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)の採決を行います。  本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  160. 穐山篤

    委員長穐山篤君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。  次に、昭和六十一年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)の採決を行います。  本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  161. 穐山篤

    委員長穐山篤君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。  次に、昭和六十一年度特別会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)の採決を行います。  本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  162. 穐山篤

    委員長穐山篤君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。  次に、昭和六十二年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)、昭和六十二年度特別会計予算総則第十三条に基づく経費増額調書及び各省庁所管経費増額調書(その1)、以上二件を一括して採決を行います。  これら二件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  163. 穐山篤

    委員長穐山篤君) 多数と認めます。よって、これら二件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。  次に、昭和六十一年度一般会計国庫債務負担行為調書(その1)の採決を行います。  本件について異議がないと議決することに賛成 の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  164. 穐山篤

    委員長穐山篤君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって異議がないと議決されました。  なお、これらの案件審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  165. 穐山篤

    委員長穐山篤君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次回の委員会は来る二十三日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十九分散会