○田英夫君 この問題については、また改めて機会がありましたら御
質問したいと思います。
北朝鮮に関連をする問題で、一言この機会に申し上げておきたいことは、午前中も
同僚委員から取り上げられましたよど号の
柴田が逮捕された問題に関連をして、実は一九七二年に私、当時社会党の参議院の代表団の一員で訪朝したことがありました。
そのときに九人のよど号の犯人に面談いたしました。その経緯を若干申し上げておいた方がいいと思うんですが、金日成主席と会談をする機会がありました。昼食をともにいたしましたときに、金日成主席の方から、実はよど号の犯人たちも、
自分たちが今ここで保護した形になっているけれども、大分年月もたつので実はその取り扱いに悩んでいる――悩んでいるという
言葉を使ったことを記憶しておりますが、そういう
発言があって、できたら皆さん会っていただけますかというむしろ
向こう側から要望がありまして、代表団の中でも議論をいたしました。
ああいう重大犯人に面談するということの可否について議論をしたんですが、せっかく金日成主席からそういう要望があったということも踏まえまして面談いたしました。九人全体の中には当然
柴田がいたわけです。あと個室といいますか、住んでいるところを見せてもらいながら個々に話し合ったときに、私の記憶では、宮之原元参議院議員と私とで田宮に会いました。そのときに宮之原先生は非常に厳しく、君たちの犯した罪をどう思っているのだ、そして
北朝鮮に対して君たちは大変迷惑をかけているじゃないか、そういうことで、人生の先輩として叱責をするような
発言を私も含めてしたことを覚えております。
したがって、最近
北朝鮮バッシング、
北朝鮮たたきというような風潮が私はあるように思います。私ももちろん
北朝鮮のような体制がいいと思っているわけではありませんし、私は
韓国も訪問いたしましたし、南北両方の状況というものも把握しているつもりですが、一番大切なことは、お互いに政府も我々も朝鮮半島の緊張を緩和させるということこそ最も重要なことだと思います。
先日来、制裁
措置の問題も取り上げましたが、
捜査当局はその
立場上いろいろなことを推定して、
北朝鮮の工作員ではないかというような
発言もきょう午前中ありましたけれども、政府全体としては、特に
大臣のお
立場からは朝鮮半島の緊張緩和という一番大きな目的のために、今どういう態度をとるべきかということをぜひお考えいただきたいということをこの機会に申し上げておきたいと思います。
本題に入りますが、時間が大変短いので、実は取り上げることが大変大きな問題ですので、当然突っ込んだやりとりを期待できないんですけれども、今問題になっております米軍労務者の問題とも絡みまして、今立木
委員も言われましたけれども、世界全体としては非常に緊張緩和という方向に、向かっていると言っては言い過ぎかもしれませんが、向かうのではないかという状況の中で、
日本として何をやるべきか。これは決してもちろん防衛費の増大とかそういうことではなくて、あるいは在日米軍も経費が不足するならこの機会に削減してもいいのではないかとさえ私は思うのです。
そういう中で、
日本として何をやるべきかということを考えましたときに、INFの合意ができた、次は戦略核兵器の五〇%削減、モスクワ会談で、モスクワ・サミットではなかなか技術的な問題があって合意までいくかどうかわからないようですけれども、もう一つ非常に重要な問題として包括的な核実験禁止条約というものを早急につくるべきだという声が今世界各地から起こってきているように思っているわけです。そういう中で、唯一の被爆国である
日本の政府として、この包括的な核実験禁止条約を
締結するために推進役を果たすべきではないかという気がしてならないんですけれども、
大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。