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1988-05-24 第112回国会 参議院 運輸委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年五月二十四日(火曜日)    午前十時十六分開会     ─────────────    委員異動  四月二十八日     辞任         補欠選任      陣内 孝雄君     吉村 真事君      野沢 太三君     植木 光教君      二木 秀夫君     井上 吉夫君      安恒 良一君     渡辺 四郎君  四月三十日     辞任         補欠選任      渡辺 四郎君     安恒 良一君  五月六日     辞任         補欠選任      井上 吉夫君     二木 秀夫君      植木 光教君     野沢 太三君  五月十一日     辞任         補欠選任      二木 秀夫君     井上  裕君      中野  明君     広中和歌子君  五月十二日     辞任         補欠選任      吉村 真事君     倉田 寛之君      野沢 太三君     福田 幸弘君      井上  裕君     二木 秀夫君      広中和歌子君     中野  明君  五月十三日     辞任         補欠選任      倉田 寛之君     吉村 真事君      福田 幸弘君     野沢 太三君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         中野 鉄造君     理 事                 真鍋 賢二君                 松岡満壽男君                 安恒 良一君                 中野  明君     委 員                 伊江 朝雄君                 坂元 親男君                 高平 公友君                 野沢 太三君                 二木 秀夫君                 森田 重郎君                 山崎 竜男君                 吉川 芳男君                 穐山  篤君                 小山 一平君                 田渕 勲二君                 小笠原貞子君                 田渕 哲也君    国務大臣        運 輸 大 臣  石原慎太郎君    政府委員        国税庁直税部長  伊藤 博行君        運輸大臣官房長  棚橋  泰君        運輸大臣官房国        有鉄道改革推進        総括審議官    丹羽  晟君        運輸省運輸政策        局長       塩田 澄夫君        運輸省国際運        輸・観光局長   中村  徹君        運輸省地域交通        局長       熊代  健君        運輸省海上技術        安全局長     間野  忠君    事務局側        常任委員会専門        員        多田  稔君    説明員        環境庁企画調整        局環境保健部保        健調査室長    牧野 利孝君        厚生省生活衛生        局生活化学安全        対策長      土井  脩君        水産庁振興部振        興課長      澁川  弘君    参考人        日本国有鉄道清        算事業団理事長  杉浦 喬也君        日本国有鉄道清        算事業団理事   池神 重明君        本州四国連絡橋        公団理事     萩原  浩君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○参考人出席要求に関する件 ○運輸事情等に関する調査  (日本国有鉄道清算事業団及びJR旅客会社運営状況に関する件)  (全国農協観光協会運営状況に関する件)  (米国におけるTBTO規制動向等に関する件)  (北海道における特定地方交通線長大路線)に関する件) ○東京丸の内駅舎の復元と保存活用に関する請願(第一二六号外三〇件) ○北陸新幹線即時本格着工に関する請願(第一三三号) ○北陸新幹線即時本格着工に関する請願(第一六七号外三件) ○国鉄清算事業団職員雇用確保等に関する請願(第四四二号外一一七件) ○長野県内気象事業整備拡充に関する請願(第七三三号外一件) ○栃木県内気象事業整備拡充に関する請願(第七三六号外一件) ○神奈川県内気象事業整備拡充に関する請願(第七三七号外三件) ○沖縄県内気象事業整備拡充に関する請願(第七五九号外六件) ○兵庫県内気象事業整備拡充に関する請願(第七六〇号外一件) ○岡山県内気象事業整備拡充に関する請願(第七六一号) ○新潟県内気象事業整備拡充に関する請願(第七六二号外二件) ○伊豆諸島の気象事業整備拡充に関する請願(第七六三号) ○岩手県内気象事業整備拡充に関する請願(第七六四号外一三件) ○山梨県内気象事業整備拡充に関する請願(第七六五号外一件) ○名寄本線の存続に関する請願(第七七九号外七六件) ○池北線の存続に関する請願(第七八〇号外七五件) ○京都府内気象事業整備拡充に関する請願(第七九一号外三件) ○鹿児島県内気象事業整備拡充に関する請願(第七九三号外三件) ○便宜置籍船における日本人船員の職域の確保等に関する請願(第七九四号外三八件) ○千葉県内気象事業整備拡充に関する請願(第八〇六号外二件) ○滋賀県内気象事業整備拡充に関する請願(第八〇七号) ○静岡県内気象事業整備拡充に関する請願(第八二四号) ○福岡県内気象事業整備拡充に関する請願(第八三三号外五件) ○茨城県内気象事業整備拡充に関する請願(第八三五号外四件) ○宗谷地方気象事業整備拡充に関する請願(第八四三号外四件) ○福島県内気象事業整備拡充に関する請願(第八五七号外一〇件) ○上川・留萌地方気象事業整備拡充に関する請願(第八八五号外一一件) ○大阪府内気象事業整備拡充に関する請願(第九〇二号外四件) ○海洋気象観測船清風丸」の代替船建造に関する請願(第九六〇号外三件) ○青森県内気象事業整備拡充に関する請願(第一〇二二号外二件) ○福井県内気象事業整備拡充に関する請願(第一〇二五号外一件) ○和歌山地方気象台潮岬測候所整備拡充に関する請願(第一〇二八号外一件) ○岐阜県内気象事業整備拡充に関する請願(第一〇二九号外一件) ○広島県内気象事業整備拡充に関する請願(第一〇三一号) ○三重県内気象事業整備拡充に関する請願(第一〇三三号) ○大分県内気象事業整備拡充に関する請願(第一〇三四号外一件) ○宮崎県内気象事業整備拡充に関する請願(第一〇三五号外二件) ○香川県内気象事業整備拡充に関する請願(第一〇四五号外一件) ○山口県内気象事業整備拡充に関する請願(第一〇六六号外三件) ○富山県内気象事業整備拡充に関する請願(第一〇六八号) ○石狩・空知・後志地方気象事業整備拡充に関する請願(第一〇七一号外二件) ○佐賀県内気象事業整備拡充に関する請願(第一〇九八号外一件) ○高知県内気象事業整備拡充に関する請願(第一一四七号外一件) ○釧路・根室・十勝地方気象事業整備拡充に関する請願(第一一四八号外二件) ○網走地方気象事業整備拡充に関する請願(第一一四九号外二件) ○愛媛県内気象事業整備拡充に関する請願(第一一七三号外一件) ○奈良県内気象事業整備拡充に関する請願(第一一九七号) ○宮城県内気象事業整備拡充に関する請願(第一一九八号外一件) ○長崎県内気象事業整備拡充に関する請願(第一一九九号外一件) ○秋田県内気象事業整備拡充に関する請願(第一二三〇号外一件) ○山形県内気象事業整備拡充に関する請願(第一二三一号外一件) ○島根県内気象事業整備拡充に関する請願(第一二三二号) ○鹿児島県内における気象事業整備拡充に関する請願(第一二三六号外一件) ○鉄道航空運賃身体障害者割引制度内部障害者への適用拡大に関する請願(第一三九九号外一六件) ○気象資料館(仮称)の設立、気象サービスセンター開設に関する請願(第一四七八号外二件) ○旅客鉄道航空運賃身体障害者割引制度内部障害者への適用拡大に関する請願(第一五一一号) ○北陸新幹線優先着工に関する請願(第一六八八号外三件) ○気象事業整備拡充に関する請願(第一七五九号外一件) ○JR安全輸送サービス確保と旧国鉄労働者雇用等に関する請願(第一八八一号) ○徳島県内気象事業整備拡充に関する請願(第一八八六号) ○熊本県内気象事業整備拡充に関する請願(第一九七九号外一件) ○胆振・日高地方気象事業整備拡充に関する請願(第二〇六七号) ○渡島・檜山地方気象事業整備拡充に関する請願(第二〇六八号) ○継続調査要求に関する件 ○委員派遣承認要求に関する件     ─────────────
  2. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る四月二十八日、陣内孝雄君が委員辞任され、その補欠として吉村真事君が選任されました。     ─────────────
  3. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事安恒良一君、中野明君を指名いたします。     ─────────────
  5. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  運輸事情等に関する調査のため、本日の委員会日本国有鉄道清算事業団理事長杉浦喬也君、同理事池神重明君及び本州四国連絡橋公団理事萩原浩君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  8. 安恒良一

    安恒良一君 私は、まず最初に杉浦理事長にお聞きをしたいんですが、清算事業団としては、現在清算事業団におる職員に対して、再就職希望調査というのを五月二十日締め切りでやられたんですね。まだ五月二十日のきょうですから、なかなかその傾向値等はわかりかねると思いますが、締め切られた後の傾向はどのような方向にあるというふうに御判断されていますか、まず聞かせてください。
  9. 杉浦喬也

    参考人杉浦喬也君) 二十日が締め切りでございますので、今集計中でありまして、間もなく完全な数字が出ると思いますが、現在までのところ、調査対象は四千三百人、ほぼ全員に近く回答が出されております。  その回答の中身でありますが、雇用対策上非常に問題の多い北海道九州地域職員につきまして特に関心があるわけでありますが、こうした地域職員のうちで約九百人程度、これは北海道が八百人、九州が百人程度でございますが、そうした職員本州四国地域承継法人JR等承継法人へ再就職したいと、こういうような希望が上がっている状況でございます。  概要は、そういうところでございます。
  10. 安恒良一

    安恒良一君 もちろんこの調査は、調査表を見ますと、「関連企業」、「民間産業界」、「本州四国地域承継法人」、「公的部門」、「自営業」、「その他」と、こう分けてありますから、いろんな傾向が出てくると思いますが、まあ私が聞きます限り、また杉浦さんも認められましたように、かなりの部分が恐らくいわゆる本州四国地域承継法人ということで出てくるんじゃないかと私は思います。例えば、私九州出身ですから、九州のあるところだけちょっと聞いてみましたら、百七名中七十三名までがやっぱり承継法人だと、これは九州のごく一部だけですが、こういうふうになっております。ですから、これは全体を調べると、今約九百名程度とこう言われておりますが、私は全部集計されるともっともっとふえると思う。  そこで、この問題について、調査の結果が間もなく集計が終わると思いますが、この希望を生かすための具体的な段取りについて、清算事業団とし てはどのようなお考えをお持ちですか。
  11. 杉浦喬也

    参考人杉浦喬也君) ただいま集計中でございますが、最終的に数字が間もなくまとまる予定でございます。  その中で特に問題のところは、先ほど申し上げました、また先生もおっしゃいました北海道九州職員をどういうふうにしていくかというところが最大の問題であるというふうに思います。過去におきましていろいろの経緯がございまして、せっかく本州採用をいたしましたが、思い直して辞退したという人も過去においてございます。そんなような実績もございますけれども、しかしよく見ますると、やはり九州北海道雇用情勢というのが大変厳しい状況であるということ、それから今面接調査をしている過程におきまして、相当な数の職員本州への就職ということにかなり関心を持っている。こんなような実情でございますので、今後、そうした実態を踏まえませんと本当の要請ができませんが、本州四国等への広域的な追加採用につきまして、JR要請をしていきたいというふうに考えておるところでございまして、最終の数字がまとまり次第関係方面と具体的に折衝をしていきたいと、こう考えております。
  12. 安恒良一

    安恒良一君 そこで、運輸大臣質問要請をしたいんですが、今言われましたように、国鉄法案審議をしたときには、一人の失業者も出さないと、当時の運輸大臣並びに中曽根総理との間で約束ができています。そこで、今杉浦理事長からも話がございましたように、この調査の結果がまとまりましたなら、私は運輸大臣として速やかに本州JR各社に、今度は第二次になりますね、この前、去年八月に第一次やっていただきましたから。第二次採用をやられるように、実現するように運輸大臣として御努力を願いたい、これが一つであります。  それから第二の問題は、公的部門に対する就職希望も出てくると思いますから、これも政府約束として、これは大臣の御努力によってさらに公的部門への再就職についても実現できるように御努力を願いたいと思いますが、よろしゅうございますか、運輸大臣
  13. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) 希望調査の詳細については、まだ詳しく報告を受けておりませんけれども、いずれにしましても、今杉浦理事長申されましたように、それを踏まえてきめの細かい努力運輸省としてもしていきたいと思います。JRのお考え方もあるでしょうし、また清算事業団との話し合いもあると思いますけれども、もともとなれた職場でございますから、この問題はできるだけ前向きに進めていきたいと思います。
  14. 安恒良一

    安恒良一君 運輸大臣理事長、協力してぜひお願いをしたい。そうでないと、JR各社としてはもう一定の軌道に乗っていると、こういうことで、新しくまた第二次募集するということについては、率直に言って若干のためらいもあるかもわからぬと思います。ですから、ここは運輸大臣理事長がお力を合わせていただいて、特に運輸大臣、行政的な立場でありますから、強力に、このJR各社に対する第二次募集を行わせるということをお願いをしておきます。  そこで、次は大臣に、労使関係のことでこれも御努力願いたい点について二つお聞きしたいんです。  一つは、JR各社社長会というのがございます。ところが、このJR各社社長会というのは、今JRの中に大きく大別して労働組合三つあるわけです、鉄道労連、鉄産労、国鉄労組。ところが、鉄道労連との話し合いJR社長会はやられておりますが、残りの二つについては、社長会がお話し合いをしない、この現状であります。しかし私は、当局側が、労働組合はできるだけ一企業一本であってほしい、こういう気持ちをお持ちくださることはこれは自由であります。しかしながら、現存して三つ組合がある場合は、私は差別があってはいけないと思います。でありますから、ひとつぜひ大臣の方で御努力お願いしたいのは、JR社長会というのは三つ組合と必要に応じて話し合いをやはりするように御指導願いたい、これが第一点であります。  第二点目には、鉄産労や国労に対する不当労働行為がいろいろ起こっております。私ども調査にも行きましたし、後からこれは大臣に個別に申し入れにも参りますが、そしてその結果既に地方労働委員会とか地方裁判所において結論が出ているのがあります。ところが、JR各社は、いや、これはいわば裁判で言うと初審である地労委で出たんだから、中労委に持っていくと、こういう態度であります。ところが、私も中央労働委員会委員を十年過去にやったことがありますが、地労委判定中労委で覆るというのはもうごくまれであります。この不当労働行為に関して、中労委に来てそれが逆に勝てるという見通しはほとんどありません。これは過去の判例を全部調べていただければわかります。  でありますから、私はやっぱりJRが一年たって今一生懸命いわゆる新生JRに向かって努力をされていることには敬意を表しますが、やはりそれがためには労使の安定ということが非常に必要でありますから、まず不当労働行為をやらないこと。それからやった結果、地労委なら地労委判定が出たならば、それにやっぱり従って速やかに労使関係を安定させると、こういうことについて大臣からひとつ、いわゆるJR各社に対する御指導をぜひお願いをしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  15. 丹羽晟

    政府委員丹羽晟君) 大臣の御答弁の前に、若干事実関係の面がございますので、私の方からまず答えさせていただきます。  先生の御質問の第一点の関係でございますが、JR社長会関連でございます。私どもJRから伺った限りにおきましては、JR各社間で相互の連絡などを円滑に行う観点から、必要に応じて関係者が参集して情報交換を行っているということを聞いておりますけれども、そのJR各社間のいわゆる社長会のような横断的な会合というのが何か行われているというんでしょうか、制度的に行われているというようなことまでは伺っておりません。  それで、今の先生の御質問関係は、JR各社の問題につきましては、それぞれの会社ごとにそれに対応する各組合当事者として労使関係を結成しているわけでございますけれども、その対話の場といたしましては、通常の団体交渉のほかに、労働協約に基づく経営協議会を設けられてございますので、このような場を通じて労使間の十分な意思疎通を図るというようなことが図られていく形になるのではないかと考えております。  不当労働行為関係につきましては、大臣の方からお答えを申し上げます。
  16. 安恒良一

    安恒良一君 ちょっと、大臣が答弁する前に。  もちろんJRの各社長が、JR各社の中に組合三つあるときに、それと経営協議会を通じて対応される、これは当然のことなんですね。ところが、いわゆる懇談会なら懸談会が持たれて、JR各社社長会懇談会が持たれて、そして鉄道労連との間の話し合いがされていることは事実なんですよね。ですから私は、そういうものがあるならば、鉄産労であろうと国労であらうと、そういうJR社長の集まりがあって話し合いをしたいというならばね、やはりこれは公平に受けてお話し合いをされたらどうですか。  例えば、私鉄経営協会というのはありますが私鉄社長会というのは連続してありません。必要なときに私鉄社長が集まってやるんです。それが私鉄総連幹部話し合いをするわけです。民間労使というのはみんなそうなんです。  だから、JR社長会というのがあって、それと鉄産労が話し合いをしたいという申し込みがあった場合にはやっぱり話し合いに応ずると、この態度が公平でフェアじゃないかということを申し上げている。そういうことについて指導をしてもらいたいということですから、何も難しいことを言っているわけじゃないんです。それを今言ったように恒常的にあろうとなかろうと、例えばことしの春に現実にJR社長会鉄道労連幹部との話し合いをしたことはでかでかとこれは報道されておるわけですから、今度は鉄産労側が会いたいというときには鉄産労とやはりJR社長会が会う、こういうことについての努力をしてもらいたい、こう言っているんです。どうですか。——君はいいんだ、大臣に聞いているんだよ。
  17. 丹羽晟

    政府委員丹羽晟君) 大臣の前に、今の四月の先生の御指摘のお話につきまして、JR各社鉄道労連関係者の間で懇談の会があったということは私どもも承知しておりますが、先生の今のお話の中にございましたような、私鉄総連と民鉄協でございましょうか、そういう関係のようなことではなくて、まあこの辺のところは、各社それぞれが各社経営陣各社労働組合との関係というとらえ方を今JRはしているところでございますので、各社それぞれの経営者判断というのがまず優先されるんではないかと考えております。
  18. 安恒良一

    安恒良一君 だから君に答弁してもらいたくないと言っているんだよ。要らぬこと言わないでくれ。指名した人間だけ答弁してくれ。  私は、そういう希望組合側からあったら、大臣は、鉄産労なら鉄産労がJR各社社長とお話し合いをしたい、社長会と話をしたいと、そういうときがあったら、大臣努力をしてほしい、こう言っているんですから、それをあなたの方でああでもないこうでもないと言うことはないじゃないか。あなた社長でも何でもないでしょう。国鉄総括審議官にしかすぎないじゃないか、君は。何言っているんだ。
  19. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) JR各社長のそういう連絡会議があるということを私詳しく存じておりませんでしたけれども、まあそこに他の二組合から会見の申し込みがあって、それが持たれることで各JRにおける労使関係が合理化されてスムーズになれば結構なことだと思いますし、まあできるだけ、それは当事者判断だと思いますけれども、そういう機会が持たれるように助言しようと思います。
  20. 安恒良一

    安恒良一君 不当労働行為について。
  21. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) それから、これは裁判といささか質が違うことかもしれませんけれども、まあ企業側企業側として決められた手続というものを一応尽くすだけ尽くして、踏んでということだと思いますので、そういう意味では係争中ということですので、今直接運輸省が口を挟むのは時期が早いのではないかと判断しております。
  22. 安恒良一

    安恒良一君 まず、私は不当労働行為については二つ言っているんです。  一つは、もう組合三つあることは事実ですから、それに対して当局側が一緒になって組合切り崩しを行う、そのことが不当労働行為になって争われて、既に東京地労委その他で幾つも負けていることがあるわけですから、そんなことがないように、今必要なことは、どうしたら新生JRとして労使が力を合わせて立派な会社になるかということなんですから、組合の、三つ組合の中の組織の奪い合いというのはこれは組合の問題であって当局には関係がないことなんだ、当局には。ところが不当労働行為というのは、それに当局関連をして初めて地労委がこれは不当労働行為ですよと認めているわけですからね、地労委判定は。だからそんなことがないように、そんなことする暇があったら、もうちょっと、いわゆる新会社としての立派な会社になる努力の方を先にすべきだということについて、そういう指導をぜひしてもらいたいということを言っておるわけです。  ですから、この点はそういう指導をしていただける——ただ、まああなたがあえておっしゃったことは、私が、地労委判定が出たら直ちに従ったらどうですかということについては、係争中だから物が言えぬとおっしゃるならそれはまああなたの御意見ですが、前段の方についてはどうですか。不当労働行為なんかする暇があったらもうちょっと労使でよく話をしてやっぱり成績を上げる方向に一生懸命やってもらわなきゃいかぬ。そこはどうですか。
  23. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) それはもう当然でございまして、やはりいかなる労使関係でも不当労働行為というのは好ましくない、あるべからざる問題だと思いますし、そういうことがないように労使ともに努力をしていただきたいと思います。
  24. 安恒良一

    安恒良一君 それじゃ、これより以上不当労働行為当局側が起こさないように、ぜひ担当運輸大臣としては御指導お願いしておきます。  それじゃ次に、全国農協観光協会についてお伺いしたい。  まず、運輸大臣にお伺いしますが、全国農協観光協会、これはどういう法人格の協会でしょうか。
  25. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) 公益法人と聞いております。
  26. 安恒良一

    安恒良一君 すなわち、社団法人全国農協観光協会で、営利を目的としない公益法人ですね。  そこで、大蔵省に聞きたいのでありますが、大蔵省が税務調査を行って、所得隠しを発見して、税の追徴金を課したというふうに報道されていますが、その概要、中身について御説明を願いたい。それから追徴額は幾らであるか等を御説明願いたい。
  27. 伊藤博行

    政府委員(伊藤博行君) お答え申し上げます。  お尋ねの件につきましては、個別にわたる事納でございますので、答弁を差し控えなければならないという点につきましては御理解いただきたいと思いますが、ただ、一般論として申し上げますと、公益法人につきましても、収益事業を営んでおります場合には当然法人税の納税義務がございます。したがいまして、課税上の被疑事項がありますれば、必要に応じて調査等を行うということで対処しておるわけでございます。
  28. 安恒良一

    安恒良一君 いや、一般論を聞いているんじゃないんだよ。具体的に、更正決定なら更正決定をされて、どの程度のお金の徴収があったのかと、こういうことを聞いている。そんなことまであんた守秘義務はないよ。どれだけのいわゆる更正決定をして、そしてお金を納めたのかということを国会で私が聞いとるのに、なたがそんなところで守秘義務なんというのはないよ、これ。
  29. 伊藤博行

    政府委員(伊藤博行君) 繰り返しになりますけれども、個別の調査事項に関することにつきましては、事柄の性質上答弁を差し控えさしていただかざるを得ないということで御理解賜りたいと思います。  まあ先生が先ほど冒頭に御質問いただきました事柄について、私どもとしてあえて否定はいたしませんけれども、個別事案ということについては、先生御案内のように非常に税法上の守秘義務という制約をかぶっておりますので、篤と御理解賜れればというふうに思う次第でございます。
  30. 安恒良一

    安恒良一君 運輸委員会だからそんな答弁しているんだ。予算委員会でやればそこでストップということになるんだけれどもね。まあこれはストップしてもしようがないから僕の方から言いましょう。予算委員会であなたがそんなこと言えば、またそこでストップして、答えが出るまで審議しないと、こういうことに出るところですがね。  六十一年八月の東京国税局調査によると、いわゆる申告漏れ約十億六千二百五十万円、そして追徴額、地方税と合わせて五億一千八百万円、うち重加算税四千六百万円というふうに私ども調査ではなっているわけであります。ですから、大体これは当たらずとも遠からずと、こんなことでしょう。どうですか。当たらずとも遠からず。それは答弁できるでしょう。
  31. 伊藤博行

    政府委員(伊藤博行君) 一般論として申し上げれば先ほど申し上げたとおりでございますが、先生の御質問に、あえて私の方から否定はいたしません。
  32. 安恒良一

    安恒良一君 まああえて否定をしないということですから、私は肯定されたと思う。  そこで運輸大臣にお伺いしますが、運輸大臣はこの問題についてどういう所感を持たれますか。今私が言ったことについて、運輸大臣はどういうお考えをお持ちですか、所感を。
  33. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) 私がこの問題に注意しましたのは、定款の変更の申し出がありまして、運輸省もそれを許可する立場にあるものですから調べさせたんですけれども、大体今委員が御指摘のような答えが事務方からも返ってきまして、これは非常に驚きまして、最近、税制改革あるいは行政改革の中で不公正税制の問題が焦点が当たっておりますけれども、宗教法人を含めて公益法人の収益事業について非常に焦点が当たっておりますが、これはやはりちょっと規範を逸脱した現況だなという感じがいたします。どなたがごらんになっても、ちょっと公益法人としては、実態が、その趣旨から大分外れているのではないかという感じをされると思いますけれども、私もそう思います。
  34. 安恒良一

    安恒良一君 そこで、中身を少しして、その後に解決策、対応策について運輸大臣の所見を承りたいと思います。  私は、資料といたしまして、五十八年、五十九年、六十年、それから六十一年までの「公益・収益部門別収支計算書」をきのう運輸省からいただきました。この収支計算書を各年度ごとに私なりに勉強しますと、数字の変化を追っていくと、どうも非常におかしなところがある、いわば脱税を意図的にやったのではないかという傾向が出てくるのであります。その点についてこれから質問をしていきます。  まず、収益事業収入は、観光手数料として毎年着実な増加をいたしています。例えば、五十八年度百一億。特に六十一年度は百三十五億というふうに、非常に増加をいたしました。そして今度は公益事業収入は、収益事業から繰り入れを主とした財源としていますが、五十九年度は五十八年度に比べて半減をしています。そして、六十年、六十一年度は若干の増加にとどまっています。収益事業収入が増加しているのに公益事業収入が五十八年から五十九年に半減をして、大体その状態で横ばいにしているというのは、どうも私はこの表を見る限りにおいてはわかりかねますが、これはどういうふうに運輸省としては精査したんですか、ここは。
  35. 中村徹

    政府委員(中村徹君) ただいま先生の御指摘のとおり、昭和五十八年度の公益事業は三億四千九百万円でございまして、それが五十九年度が一億七千七百万円と、約半減をいたしております。その後は大体一億九千万から二億ぐらいで推移いたしておりますが、この公益事業の推移は、広報活動費が非常に減っているというのが主な原因ではないかと思われます。広報活動費でございますけれども、これはこの収支書の中に書いてある項目でございますが、こういう、これまで広報活動費で計上していたものを公益事業費から収益事業費に移したというような、そういう経緯があるようでございます。  しかし、いずれにいたしましても、この点につきまして当時必ずしも十分にその辺のところの調査を行っていなかったということは事実でございます。
  36. 安恒良一

    安恒良一君 私は、今の答弁では納得をしかねますので、調査をしてください。半減をするはずがない。片っ方はふえておって片っ方だけが半減をする……。  さらに事業外費用を見ますと、これは急激な費用計上で、事業外費用が五十八年三億だったのが六十一年が十六億円にこれは膨れ上がっています。また、諸積立金の繰り入れも、五十八年が二億だったのが六十一年が三億八千万円と膨れ上がっています。そして今度は、差し引き事業利益、会社で言う剰余金を見ますと、収益事業から公益事業への繰り入れを減らしておきながら、五十九年度は五十八年度に比べ両事業とも事業利益が減っている。さらに、六十年、六十一年度には収益事業の増加とともに両事業とも事業利益が増加をしている。そしてさらに、金額的には小さいんですが、期間外損失の六十一年度の増加も非常に作為的で異常であります。数字、あなたが知っているとおり。こういうふうにずっとこの経営を私なりに分析をしますと、これはかなり前から所得隠しが計画的に行われていると見ることが妥当だと私は思います。  そこで、このような法人に対する経理のチェック体制というのが運輸省として働いているのかどうか。 そのことについて説明をしてください。
  37. 中村徹

    政府委員(中村徹君) ただいま先生お話のございました事業外費用は、これは主として税金でございますし、諸積立金というのは事故対策積立金というように、利用者の事故が生じた場合のための積立金ということで、それぞれに理由があり積み立てを行っているわけでございますけれども、確かに大きな変動があることは事実でございますし、私どもの経理のチェック体制につきましては、今後さらにこれを厳しく厳正にしていかなければいけないというふうに反省をいたしておるところでございます。
  38. 安恒良一

    安恒良一君 運輸大臣、この経営はもう一遍洗い直しをさしてください。今言ったように、私がちょっと一晩勉強しただけでもどうもつじつまが合わない。この資料きのうもらったんですから、けさへかけてざっと解析してみたら、全くつじつまが合わないんですよ。今局長が言ったことで、なるほどとすとんと落ちない。ですから、これはもう一遍、少なくとも今申し上げたように最近のやつを徹底的に洗い直しをさしていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  39. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) 承知いたしました。  中曽根内閣時代に、やっぱり農協の全体が問題になりまして、中曽根総理としては、必要な部門だけ残してあとは取っ払ってしまえということで、玉置総務庁長官がかけ声をかけましたのですけれども、亡くなったので何かとんざいたした形になっておりますが、これはやっぱり一事が万事でありまして、気がついたところから一つ一つチェックをして征伐していかないと、こういう例が後を絶たないのではないかと思います。 私も、行政監察というのですか、そういうことをすべきでないかなという気がしております。
  40. 安恒良一

    安恒良一君 そこで今度は、さらにこの中身について少し聞いていきますが、この法人の観光業務の対象のお客さんはだれですか。お客さんを、だれを相手にしてこの観光はやっていますか。答えてください。
  41. 中村徹

    政府委員(中村徹君) この協会は、もちろん農村住民の研修、視察、観光等を目的とする旅行について設立されているわけでございますので、一般旅行業の対象としている客層は主として農村住民ということでございまして、農協組合員の全部の取扱高に占める割合は、これは正確には把握することは困難でございますけれども、おおむね九〇%程度であるというふうに聞いております。
  42. 安恒良一

    安恒良一君 どうも私が調べたところは、農村の住民ではなくて、一般の国民はもちろんのこと、しかも多くは、どうも農協の役員の海外旅行なんかが中心になっておりはしないかという感じがするわけです。  そこで、今あなたが目的を読まれましたが、私から言わせると目的逸脱は明白である。 民間の観光業者と何ら変わらぬ経営で、収益の獲得に傾注する。そればかりやる。ですから、公益事業の方は着実かつ適正な推進はなく、逆にこれは公益事業を縮小していっていますね。公益法人でありながら、私から言わせるとまさに利潤追求の企業行動を行い、利益隠しまで行っている。私は、これはぜひとも十分な調査をして、その結果が出てきたら、運輸大臣は一般旅行者の免許を没収する、さらに幹部の入れかえを行う、こういうようなこと等もお考えにならなきゃならぬ問題ではないかというふうに私は思います。そして、さらに悪質であるならば基本的にこの法人の解散を命ずべきだと、こういうふうに私は思います。  それはなぜかというと、運輸省がいわゆる観光事業にお力を入れられる、こういうことはわかります。しかし、それだからといって、このような公益法人のやり方ということについて許されるべきではないと思いますが、以上の点についてのお考えをお聞かせください。
  43. 中村徹

    政府委員(中村徹君) 大臣から御答弁していただきますが、その前に、若干事務的な御説明をさせていただきます。  公益法人の収益事業の部門のウエートにつきましては、公益法人全体の運営に関する指導監督基準でも、公益事業を運営するのに必要な最小限にとどめるべきだ。そしてまた、そのこと自体が公益事業である、つまり収益事業そのものを行うことが公益事業である場合には、できるだけ収支の均衡を図れと、こういうような趣旨があるわけでございます。  この全国農協観光協会の場合には、先ほど御説明しましたように、昭和四十二年に設立されたわけでございますので、既に設立後二十年たっておるわけでございまして、二十年前の場合の状況におきましては、農村における旅行の需要というものが非常に大きくないので、なかなか民間事業ではこれが成り立たないというところにこの公益法人が存立を始めた意義というのはあると思うわけでございますが、その後二十年、状況はかなり変わってきております。しかし、この農協観光自体が現在まで存立し事業をやっているという実態もあるわけでございますので、そういった現状をいろいろ踏まえながら、十分に見直しをすべき時期に来ているのではないかというふうに私どもは考えております。
  44. 安恒良一

    安恒良一君 大臣がお答えになる前に。  「公益法人の運営に関する指導監督基準について」いうのを六十一年七月二十二日に決めています。そして、収益事業の指導のガイドラインもあるわけです。ところが、この法人は、それにことごとく違反をしています。  まず第一点を挙げましょう。公益事業の発展確保以上に収益事業を行っているということ、これが第一点。第二点、社会的信用をこれによって大きく傷つけた。いわゆる脱税をして追徴金をとられたということで非常に農民の心を痛めた。第三番目、収益事業の利益は公益事業のため以上に拡大をしている。公益事業のため以上に収益事業の利益が拡大をされている。これはまさに、いわゆる指導ガイドラインに全く相反したことをやっているわけです。しかも、この指導基準の中に、公益法人の収益事業については、総理府では収益事業の目途を当期支出合計の二分の一以下と、こういうふうにもうはっきりしている。ところが、私のもとにあるところのこの支出で見ますと、二分の一以下どころかおよそ同額になっている。ですから、せっかく決められたことをこれすべて、何一つ守っていないんですね。ですから、こういうものを一生懸命になって官僚が弁護すると、おかしなことになりますよ、これ。  というのは、これは率直に言って、この農協観光というのは運輸省と農水省の共管であることは知っています。知っていますが、観光事業に関してはこれは運輸省の所管なんですから、この協会自体は農水省と運輸省の共管であることはこの問題についても共管である。しかし、直接の監督指導はこれは運輸省がお持ちなんです、これにあるように。それが全く指導基準やガイドラインと離れたことを平気でやって、これが今日まで見逃されてきた。私がここで問題にしたから厳重にやりますやりますと急に言い出しているけれどもね。今までは、これはあんた、収支決算というのは毎期見てきているはずだ。それなのに、歴代運輸省のいわゆる担当局長なりそれから大臣も、まあ大臣はなかなかここまでわからぬと思うんです、やっぱり担当局長がしっかりしないとわからぬと思うのですが、これを見過ごして今日になっている。  こういう点について、今私が指摘をした、いわゆる公益法人の運営に関する指導基準と全く反しているという点について、大臣、どういうふうにお考えですか。今後農水省とも相談をして、どのようにこれに対処されますか。
  45. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) 御指摘のとおりでありまして、総理府の決めた基準、収益事業でありますこの旅行業務の比重が全体の五〇%が基準になっているのを九九%ということでありまして、その他、今御指摘の幾つかの基準からもすべて逸脱しているわけでありますから、この農協観光そのものが公的な機関として存立する基盤が全部なくなっていると考えざるを得ない。定款の変更の申請があったときにちょっと何人かの方々から御意見がありまして、私も気になったので調べさせましたらこういう結果が出てきて、愕然としたわけでありますけれども、まあ役員を罷免するとか免許の没収というのはいろいろ事務的にも支障があるのじゃないか。つまびらかにいたしませんが、いずれにしろ定款変更ということをきっかけにこういう問題がクローズアップされたならば、これは最低、普通の企業と同じ税率を払ったらよろしいので、要するに私は定款を変更して普通の会社になったらいいんじゃないかと思っているぐらいでございます。
  46. 安恒良一

    安恒良一君 今、国際的に食糧をめぐる摩擦問題の中で、農民は大変胸を痛めているんですね。そのときに、農協の役員が海外に物見遊山に出かける、私はそういう姿が米の自由化を要求される一因ともなっているんじゃないかというふうに思います。ですから、今はもう農協のあり方そのものが問われているときなんです。減反を守って非常に苦しんでいる農民の悩みを踏みつけて、国内、国際的にこんな汚点を露呈する、これは農民の期待を裏切るものだ。  大臣も読まれたと思いますが、私の手元にもいろいろ投書も来ています。今度の定款変更をめぐって、役員人事をめぐって、またこの不正をめぐっての投書がここにたくさん来ています、私のところに。こういうものを見ますと、そしてやっていることは、大臣がおっしゃったように一般の民間旅行会社と同じことをやっているんですよ。 一般の民間旅行会社と全く同じことをやっているんですから。そして、こっちは公益法人だと。税制上にも優遇されている。これじゃ一般の旅行業者もたまらないですよ。たまりません、そんなことをやられては。運輸省としてはそんなことが許せるはずがないんです。ですから私は、農民のための農協が農協のための農協になって、しかも一部の役員の利益のための農協になってしまっている。これはいけないことです。これはやはり政府が、関係大臣とも御連絡をとって厳正な対処を私はしてもらいたい。いわゆる追徴金を払ったから一件落着だ、これで問題は解決したんだと、こんな態度ではいけないと思うんですね。 ですからやはり私はどうしてもこの問題については、中曽根内閣時代に玉置さんがやりかけてやれなかったそうでありますが、私は、農水大臣関係大臣と十分お話くださって、竹下内閣としても厳正な措置をする、そして本当に農民のための農協になる、このことが必要だと思います。  今や農協は商社化しています。一般の会社化しています。農民の利益は二の次になっています。たまたまこういう旅行会社の問題でこれ発覚をしたから私はこの委員会で取り上げていますが、本来ならばこれは予算委員会物であります。予算委員会で全大臣に並んでいただいたところで農協に対する厳正ないわゆる指導を私は求めるところであります。きょうは国務大臣としての運輸大臣を通して竹下総理にも申し上げたいと思っているのでありますが、そういうふうに厳正な措置をしていただきたいと思いますが、どうですか。
  47. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) おっしゃいますとおり、これはかなり多額の追徴金を払ったということで済むものでは決してないと思います。抜本的な改革を施さなければならないと思います。私聞きました報告でも、運輸省からそれを要求する幾つかの項目を向こうに提示したようでありますけれども、私は、実態からいってとてもそれは今の農協観光はのみ込むことができないと思います。具体的には、もし必要があったら局長から御答弁させますが、それがのみ込めないならば、私はやはり法人としての性格を基本的に変える、普通の会社になって再発足するということが一番フェアだと思います。
  48. 安恒良一

    安恒良一君 じゃ、運輸省が今具体的に改善、改革についてどういうことを要求されているのか、聞かしてください。
  49. 中村徹

    政府委員(中村徹君) ただいま私ども指導を行っているといいますか、いろいろ先方に申し上げている点は三つございまして、一つは、取り扱い対象をできる限り農協の組合員及びその家族に限定すること。それから二番目に、三大都市圏における事業展開をできるだけこれ以上拡大しないようにすること。それから三番目は、収益事業部門が過大となっている現状にかんがみまして、長期的には同部門の分離独立を含め、その運営体制のあり方を検討すること。この三つを主眼として指導をしてまいりたいということで、ただいま先方とお話をしているところでございます。
  50. 安恒良一

    安恒良一君 私は、その三つだけではなくして、私が提起をしました経営の査察ですね。大臣も言われましたね。これはやっぱりぜひやってもらわぬと、ちょっと見ただけで大概これはおかしいなという感じをもう私は多分にしています。これはひとつ徹底的にやってください。私の方もさらにこれは、きのうのきょうですから十分な勉強が足りない点もあるかと思いますが、さらに僕もこれは中身を洗ってまた機会をとらえて、追及の必要があれば追及をしたいと思いますから、その前に運輸省側として、いわゆるこの公益部門、収益部門の収支のあり方についてもっと徹底的にやる。それと同時に、やっぱり指導基準というものがあるわけですから、その指導基準を超えたようなやり方ということは、これは絶対にだめなんですよね。それがために政府は公益法人における指導基準というものをつくったわけですから、その指導基準を全く逸脱したことを平気でやられて、そして脱税がばれたら追徴金を払えばいいじゃないかと、どうもそんな態度にこの農協の幹部態度が見えてしようがありません。今や商社化している。私は、そういう態度が直らぬ限り、今後もあらゆる委員会を通じて、農協の改革をやらなきゃならぬ。農民のための農協に戻さなきゃならぬ。こういうことについては今後ともやっていこうと思っております。  運輸省側としては、こういうことを今相手側にお願いをしていますと言っているけれども、そんな、お願いをしていますというような弱腰じゃだめなんですよ、お願いをしていますということじゃ。こういうことをきちっとやらないと、またあなたたちは癒着と言われますよ。もしくはやめた後に農協観光に天下りする都合があるのかと、往々にしてこんなことになるんだから、これは率直に言って。そういうことになるんだから、やっぱりもう少し厳正に、こういう事実が出てきた以上厳正に、これはやっぱり査察をするものは査察をすると、こういうことが必要だと思いますから、最後にもう一回運輸大臣の決意を求めて、私の質問を終わりたいと思います。
  51. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) せっかく焦点が当たったわけでございますから、いかなる立場の方々にも納得していただけるような公正な姿に戻るといいましょうか、そういう形になりますように、多角的に、渾身の努力をするつもりでございます。必要によったらかなり思い切った措置もしなくてはならないと思っております。
  52. 安恒良一

    安恒良一君 終わります。
  53. 中野明

    中野明君 私は、きょうは、有機スズ化合物の問題についてお尋ねをしたいと思います。  まず、環境庁にお尋ねをいたしますが、ここ数年来、漁網に使用されていた有機スズ化合物、TBT系ですね、これによる魚介汚染が問題になっておりますが、最近では、同じものが船底の汚れを防ぐためにも多量に使用されているということが明らかになっておりますが、環境庁では、五十八年ごろより有機スズ化合物の調査をされるようになっておりますが、今日までの測定状況と結果について、御報告をお願いしたいと思います。
  54. 牧野利孝

    説明員(牧野利孝君) トリブチルスズ化合物は、環境庁が昭和五十八年度に実施いたしました調査の結果環境中から検出されたため、五十九年度には全国的な規模で調査を行い、広く環境中から検出されたところから、六十年度からは魚類などの生物を用いて環境中の濃度を経年的に監視しております。また、ほかに比べ高濃度のトリブチルスズ化合物が検出されました瀬戸内海では昭和六十一年度から調査を実施しております。  今日までの測定結果によれば、一般環境中における魚介類中のトリブチルスズ化合物は、内湾、内海域を中心に広範囲に検出されておりまして、その濃度はおおむね横ばいでございます。  トリブチルスズ化合物によります環境汚染状況については、昨年の十二月に中央公害対策審議会化学物質専門委員会によりまして、トリブチルスズ化合物による環境汚染は、「現在の汚染レベルが直ちに危険な状況にあるとは考えられないが、」「今後とも、環境汚染の状況を監視していくことが必要である」と、このように評価されております。
  55. 中野明

    中野明君 漁網とか船底塗料に使われ始めてから今日では一体どれぐらいの量が使用されておるのか。また、どのような効果があると言われておるのか。これを水産庁と運輸省にお尋ねします。
  56. 間野忠

    政府委員(間野忠君) とりあえず、船底塗料の効果ということについて申し上げたいと思いますが、いわゆるトリブチルスズ系の塗料というものは、これが従来の塗料と違って徐々に海水中へ溶けていくという形で、フジツボでありますとか藻でありますとか、そういったものがかなり長期間にわたって船底を汚染しないような効果を有しております。
  57. 澁川弘

    説明員(澁川弘君) 養殖用漁網につきましても、船底塗料と同様に、海中の生物が付着するということを防除するという意味で有効だということになっております。
  58. 中野明

    中野明君 それでは厚生省にお尋ねをしますが、これらに使用される有機スズ化合物の分解性、蓄積性、毒性について説明を願いたいと思います。
  59. 土井脩

    説明員(土井脩君) お答えいたします。  有機スズ化合物、私ども通常トリブチルスズ化合物と呼んでおりますが、現在我が国で製造・輸入実績のございます九つのトリブチルスズ化合物につきましては、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づきまして安全性の点検を厚生省及び通商産業省において現在進めております。このうち、通常TBTOと呼ばれておりますビス(トリブチルスズ)オキシドにつきましては、通商産業省におきまして難分解性で高蓄積性と判断されておりまして、現在第一種特定化学物質に該当するかどうかを判定するための慢性毒性試験等を現在厚生省において実施しております。この試験は、結果を得るまでに少なくともあと一年程度の期間を要するものと見込まれております。  しかしながら、このTBTOは、現在はTBT化合物の製造原料として用いられておりまして、そのままの形で最終使用されることはないというふうに私どもは伺っております。  また一方、TBTを除きますほかの八種類のトリブチルスズ化合物につきましては、難分解性で低蓄積性と判定されております。  これを受けまして、本年三月二十五日に開催されました生活環境審議会化学物質専門委員会におきまして、TBTポリマー、このTBTの重合体が一番よく使われておるんですが、TBTポリマー等の八種類のTBT化合物につきましては、厚生省が実施いたしましたスクリーニング毒性試験データを中心とした毒性の評価をお願いいたしましたところ、指定化学物質に指定するのが適当であるとの判断をいただきまして、本年四月十五日付で指定化学物質に指定したところでございまして、現在、通常使われております八種類、TBT化合物八種類につきましては厚生省と通商産業省の管理下に置かれているという状態でございます。
  60. 中野明

    中野明君 現在のところこの物質の魚介類における残留濃度と許容基準ですね、これはどうなっているんですか。
  61. 土井脩

    説明員(土井脩君) 魚介類中のTBT化合物の残留につきましては、現在厚生省におきまして、各都道府県あるいは市が行っております市販の魚介類のTBTOの残留実態調査及び厚生省が昭和六十年に暫定的な基準として推定いたしました一日の許容摂取量から見て、現在のところ直ちに食品衛生上の問題があるとは考えておりません。しかしながら、今後とも魚介類中のTBTOの残留の推移並びに現在私ども厚生省で進めております慢性毒性試験等の試験の結果等を踏まえまして、必要に応じて基準の設定等の所要の対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
  62. 中野明

    中野明君 先ほども答えておられましたが、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に定める指定化学物質というふうに決められたと、このようにありますが、これによって、指定化学物質としての取り扱いとしては具体的にどのような対応が図られることになりますか。
  63. 土井脩

    説明員(土井脩君) この指定化学物質につきましては、現在、関係省庁とも連絡をとりながら、使用時における適正な使用、あるいは船底塗料あるいは漁網の防汚剤中のTBT含有率の抑制、あるいはその使用後の適正な廃棄処理のマニュアルあるいは適正管理のマニュアル等の作成及び周知徹底等につきまして、現在、関係業界を指導しているところでございます。
  64. 中野明

    中野明君 このような物質が多量に五十三年度ごろから使用されているということになっておりますが、年間の消費量が約一千二百トンですか、それで漁網用に三百トン、船底塗料用に九百トン使用されて、それが今日の海洋汚染、魚介類汚染という環境問題を引き起こしている事実に対して、運輸大臣としてはどうお考えになりますか。船底塗料に九百トンも使われているんです。
  65. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) 技術的なことの詳細はつまびらかにいたしませんけれども、私も前に環境庁におりまして、水質の汚染について随分腐心もいたしましたが、今、代替の製品はないのかということを問い合わせましても、非常にそういうものは開発が難しいということのようでございます。船の航行の抗力からいきましても、船底にフジツボ等が付着すると非常に速度も落ちますし、そういう点で、そういうものを合理化するためにこういう新製品が開発されたんだと思いますが、結果としてはやはり環境問題に対して一長一短あるようでございます。  いずれにしろ、海のことばかり考えているわけにもいきません。船も航行がスムーズにいき、かつ海が汚染されない、そういう船底塗料が開発されることを期待しておりますし、また、そのための指導といいましょうか、督励もしていきたいと思っております。
  66. 中野明

    中野明君 今まだ人体に影響がないということでおられるようですが、これ、将来は環境問題に多大な影響が出てくるし、また、東京都の都立衛生研究所の調査では、船底塗料に起因する海水と魚介類の汚染が裏づけられるというような報告もされておるわけです。ですから、水産庁としては一部通達を出して、漁業組合に自粛の通達を出してやっておるということも聞いております。アメリカにおいても、環境保護局で、昨年の十月一日に一部使用禁止を含む厳しい制限措置を発表しております。  水産庁や漁業者サイドが既に対応措置を発表して実行に移しているという状況のもとで、運輸省としては具体的にどうされようとしておるのか、その辺をちょっと伺いたい。
  67. 塩田澄夫

    政府委員(塩田澄夫君) 今先生が御指摘になりました、六十年と六十一年に環境庁が行いました生物のモニタリング調査と、それから東京都の都立衛生研究所が六十一年及び六十二年に行いました東京湾の魚介類を対象としました調査において、TBT化合物が検出されたことは私どもは承知をしております。  その際、この東京都の衛生研究所の報告では、東京湾のTBT化合物による汚染は、船底塗料に由来するものではないかと推測が付されているわけでございます。まだ推測の段階でございますので、運輸省としましては船舶の航行とTBT化合物による汚染との関係を究明する必要があると考えまして、今年度、東京湾におきまして、船舶の航行と水中及び底質のTBT化合物の濃度の因果関係につきまして、現在調査研究をすることとしておりまして、この結果を踏まえまして適切に対応したいと考えております。
  68. 中野明

    中野明君 一応、人体に影響が出るレベルではないということも聞いておりますけれども、規制のない船底塗料による汚染が心配と、このように警告も発しておるわけです。この規制がないというのは問題になるんじゃないかと思うんですけれども、船の航行密度が高い湾の入り口ほど濃度が高いというデータも出ておるわけです。特に東京湾ではこの例が顕著であります。  したがってこの汚染の主な原因は、これまで問題になってきた漁網用だけではなくて船底塗料の方が影響が多いのではないか、このようにも言われておるわけですが、そのようなことを言われて、それでもかわりのものがないからしようがないというようにほっておくんですか。その辺はどうお考えになっていますか。
  69. 間野忠

    政府委員(間野忠君) 先ほど厚生省の方からも答弁がありましたけれども、TBT系の化合物につきましては、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律というもので、人の健康を損ねるおそれがある物質に該当するということで指定化学物質に指定されたわけであります。  そこで、我々といたしましては、船底塗料につきましてもその放出はできるだけ少ない方がいいというふうには考えておりますが、とりあえずは灰色であるという指定だと理解しておりますので、一応関係省庁と連絡をとりながら、できるだけ排出を抑制する措置をとりあえずとろうということで、まず第一に、その船底塗料に含まれておりますTBT系化合物の含有率をできるだけ少なくするようにペイント業界の方を指導するということと、それから船底塗料を取り扱う際、これは塗ったりはがしたりするときのことでありますが、そのときのマニュアルを作成して、できるだけこういったものが排出されないようにするということが第二点。それから第三番目に、使用上これは有機系のスズというのは若干問題のある物質であるという表示を徹底していくということにつきまして、実際工事に当たります造船工業会等関係事業者団体を指導しているところでございます。
  70. 中野明

    中野明君 水産庁の方では通達を出して、それで自粛をするようにというぐらいに措置をとっているわけですから、運輸省としても、これ、水産庁の使用量よりも三倍も多いわけですから、その点についての対策を具体的に考えてもらわなきゃいかぬのじゃないかとこのように思います。  それで、私が承知しておるのでアメリカの対応では、具体的な規制措置をことしの夏までにとるとこのように言われておるわけですけれども、その一つは、船の長さが一定以下の小型船については、船底にTBT系を塗装することを禁止する。二つ目には、一定量以上の容積を持つ大型船については、船底にこのTBT系を塗装する場合は届け出にする。この米国における具体的な措置は大いに参考になると考えておるのですが、これについての見解はどうですか。
  71. 間野忠

    政府委員(間野忠君) ただいま米国での規制の方向について御指摘があったわけでありますが、船舶の場合、特に外航船につきましては、日本船だけでなくて外国船も日本に盛んに寄港するわけでありますので、こういった外航船の規制につきましては条約でやるというのが第一義的な国際的な慣行となっております。そういったことで米国もそういうふうに、とりあえずは長さ二十メートル以下かと思いますが、そういった小型船について何らかの規制措置をとろうかということかと思います。我々の方も、こういったことを参考にいたしまして、小さい船をつくっております舟艇工業会の方へ照会しておるわけでありますが、こういったものは大体鋼でできておる船体よりもFRPでできておるようなものが多うございまして、製造者段階ではこういった塗料は使用していないということのようでございます。したがいまして、船を購入された方等があるいは使用になるのかと思いまして、従来は余り小型船にはこの塗料は使われていないのではないかと思っておったんですが、もし使われておるということであれば、米国とかあるいはヨーロッパとか、そういった国々の規制の状態も考えながら我々も再検討しなければならないというふうに考えております。
  72. 中野明

    中野明君 では、最後に大臣にお尋ねをしますけれども、他に有効な代替品がないという現状から考えますと、これは困ったものだなと思うんですけれども、そうかといってほっておくわけにもいかぬでしょう。いずれ一年後には厚生省の方も調査の結果結論も出てくることですし、何か対策を立てなければならない段階にきているんじゃないだろうか、このように思うんですが、大臣の御所見を聞いてこの問題終わります。
  73. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) 日本は日本なりにいろいろの点で先進国として頑張っておりますけれども、環境問題になりますとやはりどうも欧米の方が非常に敏感で、また対処も早いといいましょうか、例えばフロンガスなども、十年前アメリカが話題にしましたときに、私たちは、ほうそんなものがあるのかなと思っていましたが、今では日本にとっても非常に深刻な問題になりまして、こういった問題も、そういう同じ先進国の中から鋭い指摘が出たならば、やはりそれを受けて日本も、代替品がないならばないで、今委員が御指摘になりましたようにきめの細かい指導というものをして、できるだけそういう被害というものを軽減する努力をしなくてはならないと思います。  外国のやっておりますことを十分勉強して、日本もできるだけ早い対処をしたいと思って、これから一生懸命勉強するつもりでございます。
  74. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 特定地方交通線について、今各地で協議が続けられているわけです。私も北海道をずっと調査いたしました中で、特に長大四線が問題になっておりますところ、そこをこの間具体的に調査に参りました。そして、各市町村長、議員の方々、関係の方々とお話し合いをしてきたわけなんです。  そこで、ちょっと驚きましたことは、皆さんがどういうふうな受けとめ方をしていらっしゃるかというと、この七月の十五日に第三セクターにするかしないかということを申請しないと、それが過ぎてしまうともう転換交付金もその他すべての補助金にしても法的にだめになってしまうと、こういうふうに受け取られていたわけなんですね。だから、何といったってタイムリミットは七月の十五日だというふうに非常に御心配なさっていらっしゃるということでございました。  そこでお伺いするわけですけれども、分割・民営化に伴う日本国有鉄道改革法等施行法というのがございまして、その附則の二十三条というところには、施行日から起算して二年、第三次線は二年六カ月の間効力を有すると、こう書かれているわけでございます。 つまり、七月十五日までに申請しなきゃすべての補助がだめになるというのではなくて、この法律どおりに、この法律が施行されて二年ですから来年の三月三十一日までという余裕を見ていただいた中身ですわね。 だから、来年の三月三十一日までにどうするかということを決めて意思表示をしてそして申請をする。そして、その後六カ月の猶予期間がある。つまり、この施行法が施行されてから二年、そしてその後六カ月、つまり二年六カ月の後に転換を完了すれば補助の対象になるということになるわけでございますが、それでいいと思うんですが、よろしいんでしょうか。
  75. 丹羽晟

    政府委員丹羽晟君) ただいまの先生の御指摘の問題につきましては、再建法の規定の問題でございますけれども、再建法の規定の効力は六十四年三月末までということとされております。それで、転換を円滑に進めるためのいわゆる転換交付金の交付などに関する期限は、六十四年三月末までに廃止の許可申請が行われて、かつ、六十四年九月末までに廃止されるということが定められているところでございます。 それが国鉄改革に際しましての再建法の効力を生かした規定でございます。  一方、その同じ再建法の効力を生かした規定の中に、協議会の協議期間を基本的には二年と定めた規定がございまして、それでその二年の期限というのがことしの七月に参るわけでございます。それで、その期限が過ぎますと、先生も御高承のとおり、JR北海道といたしましては、協議が調うことが認められないという場合には廃止の許可申請を出すということができるという、そういう規定があるわけでございます。その二つの話が働いてきているわけでございます。
  76. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 わかりました。具体的に、さっき言ったように来年の三月三十一日までに申請して、そしてあと半年猶予してそれで決められるということね。  もう一つの国鉄再建法の問題もおっしゃいましたけれども、この施行法の施行以後二年間ということで、これはもう確認していただけたと思うんですが、どうなんですか、これ、違うんですか。
  77. 丹羽晟

    政府委員丹羽晟君) 若干補足して説明させていただきます。  法律の規定自身は先ほど申し上げたわけでございます。それで、今の廃止の許可申請を出しますその期限が来年の三月ということでいたしますと、それの中身につきまして、今度はどんな代替輸送機関でやるかということとの関連で考えていくわけでございますから、そのための準備期間というのが基本的には相当かかるわけです。それで、それは通常の場合一年近くかかるのではないか。そういうのが今までの実態でございますので。それから逆算いたしますと、そろそろその協議会の御結論をいただくような時期にかかっているのではないのかというのが今の状態でございます。
  78. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 準備期間が一年かかるだろうからと、あなたの方でそう考えて、早い方がいいという立場でおっしゃったと思うんだけれども、厳密に法律の立場から言えば私が言ったとおりになる。これは今私が言ったんじゃなくて、六十一年の四月二日の運輸委員会で、きょう来ていらっしゃるけれども、棚橋さんもはっきりそれをおっしゃっているわけですね。「六十二年三月三十一日までに協議が調うのが難しいと思われるような路線もないわけではございません。したがいまして、それらの線区も含めて調わない場合には二年間延長をして協議を続けていく」というふうにきちっとその解釈も述べられているわけでございますから、その辺のところは余りぐじゃぐじゃ言わないでください、はっきりしているんだから。混乱させるようなこと言わないでよ。  次の問題に移りますけれども、結局転換交付金などの支給というのは対策協議会の合意が基本であって、長大四線についてJRが述べているような、七月に廃止を決めないと転換交付金は出ないなんということはないわけなんだから、その辺のところは、おどかしみたいに聞こえてみんな非常に心配していたから、そういうことはないということをこの際はっきりさせていかなければならない、そう思うわけなんです。それ、そうでしょう。七月十五日過ぎたら転換交付金の補助対象にならないということはないでしょう。
  79. 丹羽晟

    政府委員丹羽晟君) 先ほど申し上げましたように、来年の三月というのが廃止の許可申請の期限でございます。それで、その場に至ってにわかにそういう申請を出すということをお考えになっても諸準備が間に合わないのではないかと思うわけです。ですから、前広に相当の期間を考えていただいて御結論を出していただくという、その話がことしに来ているという話ではないかと思います。
  80. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 間に合わないからなんということを理由にして、ぐちゃぐちゃ変な解釈をしないでほしいということなんですよ、間に合わせれば間に合わせることはできるんだから。  そういうことで、次に伺いたいのは、協議会というものが意思統一をしなきゃなりませんね。自治体が、JRにやってもらいたいとその協議会の中で言った、JRも、じゃこれは一肌脱いでやりましょうという意思を表明した、そうすると対策協議会では合意するわけですよね。 そういう合意したところには転換交付金も支給することができるというふうに思うんだけれども、どうですか。
  81. 丹羽晟

    政府委員丹羽晟君) 協議会の協議事項は、法律上、代替輸送機関をどういうふうに決めるかということになっております。 したがいまして、その代替輸送機関というのはJR鉄道の代替輸送機関ということでございますから、JRがそこで何かするということ自身はそこの協議の合意事項の対象にならないと思います。
  82. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 JRがそのままやるというんじゃなくて、JRが入って、地方自治体も一緒になって——JRとしては一応廃線ということで申請しても、JRも入って自治体も入ってよしやろうということになったら、そこはJRそのものでないんだから、協議会で一致してそこでやりましょうということになったんだから、そこのところには出せないという理由はありますか。根拠がありますか。
  83. 丹羽晟

    政府委員丹羽晟君) 特定地方交通線は、JRから切り離す必要のある、代替輸送機関をつくる必要があるという路線でございますから、その結果の代替輸送機関を運営する主体の中にJRが何らかの形で入っていくということは、その考え方の延長線からすると非常に好ましくない話になりますので、JRとしてはそういうような方向で物事を考えないと思います。
  84. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 JRが考えるか考えないか、あなたから言うんじゃない、JRが考えるんだからね。だから私が言っているのは、それじゃJRも入って一緒に引き受けてやろうじゃないかと言ったときに、そこに転換交付金を出してはいけませんという禁止の根拠というのは何ですか。禁止の根拠はあるんですか。
  85. 丹羽晟

    政府委員丹羽晟君) 私が先ほどから御説明していますように、JRはそういうところに入るというのは好ましくないと思っておりますので、そういうことにはならないということでございますので、その問題は、先生のおっしゃるようなそういう方向にはいかないのではないかということ——現実的な話といたしましては先生のおっしゃるようにならないということになると思います。
  86. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 はい、それでいいんです。  次の問題に移りますけれども特定地方交通線の赤字に対して補助を出している、六十三年度にJR各社から出された補助の見込み額というものを出していただきました。  これを見ますと、各JRごとに路線別に金額を出してほしいんだけれども、まとめて言いますと、まず北海道北海道は長大四線、歌志内線が加わって三十五億ですね。それから東日本は、足尾と長井線二つで三億円。西日本は、宮津、鍛冶屋、大社線で四億。それから九州は、高千穂、上山田、伊田、糸田、田川、宮田、湯前という線で十三億というのが補助見込み額として出されておりますが、その数字でよろしゅうございますね。
  87. 丹羽晟

    政府委員丹羽晟君) ただいまの先生の御指摘のとおりでございます。
  88. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 それで、この間も理事会でぜひ出していただきたいということで私の方からもお願いをいたしましたけれども、これは北海道は三十五億とあるけれども、各地方のJRごとの路線別に出してもらいたいということを再度きょう要請したいと思うんです。  しかし、これについて言っているともう時間がなくなりますので、一つ聞きたいんだけれども、例えば西日本の宮津線というのを考えますと、六十二年度の概算では三千万円の黒字になるという試算が出されて、だからこれは補助の対象にしなくてもいいというような数字として三千万円の黒字というのが出ているわけですね。そうしますと、ちょっと大臣に伺いたいんだけれども、宮津線で三千万の黒字が出ているといった場合には、これをJRが抱えてやっていくことができるじゃないか、やっていくべきではないか、そう思うんですが、こういう場合、どう考えられますか。
  89. 丹羽晟

    政府委員丹羽晟君) 六十二年度の決算は、まだ各線ごとのは確定しておりませんので、先生の御指摘の数字のとおりになるかどうかというのはまだ決まっておりません。
  90. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 六十二年度。三千万の黒字が出るという数字が出ているでしょう。
  91. 丹羽晟

    政府委員丹羽晟君) ただいまの数字については承知いたしておりません。
  92. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 承知いたしておりませんなんて、時間があったらちゃんと承知させられるんだけれどもね。本当に無責任だよ。とにかくつぶそうと思っていろいろとこう知恵を出されるから困るんだな。これ、また改めて時間をとってちゃんとやりたいと思いますけれども、それだけの黒字が考えられるというような場合にもしゃにむに切ってしまうというのは私はおかしいじゃないかということが言いたいわけなんです。  時間もありませんから最後に騒音の問題について伺いたいと思うんです。  これは、津軽海峡線の北海道側函館市の上磯、それから青森側の蓬田村などの沿線で騒音問題というのが非常に深刻になっている。御承知だと思います。市町村が実施した測定では七十九ないし九十四ホン、午後十一時から午前三時三十分に最高九十四ホンあった。これは大変な騒音であって、夜中のことなのでみんな飛び起きるという状態。新幹線騒音の基準が七十ホンというのをはるかに超えているというわけですよね。そうすると、そこに住んでいる住民にとっては毎日のことだし、これは大変だ。JR東日本にも申し入れをしたけれども、こういうトンネルができた、新幹線ができたなどというところで住民が苦しめられているという問題について、大臣としてはどう考えて、どういうふうに善処したいというふうに考えられるか。これは北の問題。  それから瀬戸大橋も同様なんですね。八十ホン超えているんです。八十九ホンもある。これで問題になって住民と話し合いが始まったけれどもJR四国の対応は極めて不誠実だと言わざるを得ない。話し合いが二回目が二十二日やられて、そしてその後また二十三日ですか、社長さんが記者会見なすったというわけなんだけれどもJR四国の回答は、どうにもできないよ、これはすべて本四公団の方に考えてもらいたいという態度ですよね。ここも貨物ですね。午前二時と四時の貨物列車が八十七から八十九ホンなんです。 列車の速度は九十ないし百キロの速度。だから、夜中の間だけ減速してくだされば騒音が起きないで済むわけです、四十ないし五十キロにしてくださればね。これは貨物ですからね。新幹線の乗り継ぎなんという場合とは違うんだから、なぜその間だけ減速をしてみんなを静かに休ませるということができないのかということです。そしてもしも時間が、新幹線との接続がどうとかおっしゃるんだったら、始発駅の出発をちょっと十分くらい早めてくだされば、減速できて騒音公害起こさないで済むわけなんですよね。霧だの何だのといったときには減速して静かに行く。みんなが寝られない、起こしてまで何でもやらなきゃならないなんて、そういう考え方はもうどうかしてますょね。  吸音板というのをつける、解消に努力したいとおっしゃるけれども、それは四カ月かかる。四カ月くらいの間を減速して、そしてみんなで協力してできたんだから、それに対して、この騒音を抑えるという立場に立って、強力に具体的に御指導もいただきたい。それについての考え方をお述べいただいて終わりにしたいと思います。——これは大臣に。あなたがやってくれるというんならいいんだけれども、やっぱりこれは大臣がやるかやらないかということを言わないとね。
  93. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) 新しい交通の利便が提供されるのは大変好ましいことだと思いますけれども、それが限られた地域の方々に騒音の上で御迷惑をかけることがあってはならないと思います。これはあくまでも環境の基準を満たすように、とにかくこれからも多角的に努力をするよう指導いたしますし、御指摘のように、例えば減速するということだったらダイヤを組みかえることもできるのではないかと思いますけれども、そういったことを含めてこれからできるだけ早く物事が解決されるように努力しようと思います。
  94. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 よろしくお願いします。  本四公団の方、何かありましたら。
  95. 萩原浩

    参考人萩原浩君) ただいま先生御指摘いただきましたように、本四公団といたしましては、早急に橋梁の底盤に吸音板を張りたい、こう考えております。この吸音板の材質は新たに開発した材料でございまして、従来の材料では水がたまってしまいましてうまくきかないという難点がございましたけれども、水のたまらない新たな材料が開発されましたので、これをできるだけ早く設置をいたしまして、お約束いたしました努力目標値を一日も早く達成するように努力いたしたいと、こう考えておる次第でございます。
  96. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 それじゃ、どうぞ大臣、よろしくお願いします。
  97. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  98. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) これより請願の審査を行います。  第一二六号東京丸の内駅舎の復元と保存活用に関する請願外五百二十七件を議題といたします。  本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりでございます。  速記をとめてください。    〔速記中止〕
  99. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 速記を起こしてください。  これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、第一三九九号鉄道航空運賃身体障害者割引制度内部障害者への適用拡大に関する請願外十七件は採択すべきものにして内閣に送付することを要するものとし、第一二六号東京丸の内駅舎の復元と保存活用に関する請願外五百九件は保留とすることに意見が一致いたしました。  以上のとおり決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  100. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  101. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  102. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  運輸事情等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  103. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  104. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  105. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。  運輸事情等に関する調査のため、閉会中に委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  106. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 御異議ないと認めます。  つきましては、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  107. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十八分散会