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1988-04-21 第112回国会 参議院 運輸委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年四月二十一日(木曜日)    午前十時一分開会     ─────────────    委員の異動  四月二十一日     辞任         補欠選任      田渕 哲也君     橋本孝一郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         中野 鉄造君     理 事                 真鍋 賢二君                 松岡滿壽男君                 安恒 良一君                 中野  明君     委 員                 伊江 朝雄君                 木村 睦男君                 坂元 親男君                 高平 公友君                 野沢 太三君                 二木 秀夫君                 森田 重郎君                 山崎 竜男君                 吉川 芳男君                 吉村 眞事君                 穐山  篤君                 小山 一平君                 小笠原貞子君                 橋本孝一郎君    衆議院議員        修正案提出者   亀井 静香君    国務大臣        運 輸 大 臣  石原慎太郎君    政府委員        大蔵省主計局次        長        斎藤 次郎君        運輸大臣官房長  棚橋  泰君        運輸大臣官房審        議官       橋本 昌史君        運輸省海上技術        安全局長     間野  忠君        運輸省海上技術        安全局船員部長  野尻  豊君        運輸省港湾局長  奥山 文雄君    事務局側        常任委員会専門        員        多田  稔君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○港湾法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付) ○船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付) ○船員法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  港湾法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案につきましては、既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 安恒良一

    安恒良一君 まず、近年、港湾整備については、総合的な港湾空間整備、それから臨海部活性化民活による港湾整備など二十一世紀を目指して港湾をめぐる開発の動きが非常に活発になっています。まあ結構なことだと思うんですが、ただこれに対する施策として、一つ民間活力の導入ということでその関係をちょっと見ますと、まず、民活法特定施設整備事業港湾機能総合整備事業特定民間都市基盤施設整備事業リゾート地域整備事業、そして今度NTT売却益活用社会資本整備事業が既に可決され、A型とB型とこうあるわけですね。そのほかに、これは予算補助で六十二年度から六十四年度までの事業としてやられている港湾利用高度化拠点施設緊急整備事業、同じく促進事業、これだけあるわけですよね。これ、資金活用方法もいろいろあるし、多様な施設のメニューがありまして、こんなにたくさんで、ちょっと素人ではどれがどれでどういうふうになるんだろうと。今名前挙げただけでもかれこれ十本近くあるんですからね。この参考資料を見ると、中身にもかなり共通点もあるんですね。  ですから、この港湾整備活用が図られるその中身共通点違い点等々、イメージ的に少しわかりやすく、今回の法案を含めてちょっと解説してみてください。何でこんなに十本もあるのか、全くわかりませんので、まずちょっとそれを説明してみてください。
  4. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) お答えいたします。  先生おっしゃいますように、近年、港湾に対します諸要請も多様化してまいりまして、港湾におきましても、それを積極的に受けて整備を進めてまいりたい、かように考えている次第でございますが、そのことが個性豊かな地域づくりを進めることにもなるのではないかというふうに考えて、対応をしているところでございます。  今事業名たくさん並べられたわけでございますが、この中は、大きく分けますと、法律からくる事業名一つございます。それから資金名前からくる事業がある。こういうことでございますので、やや仕組みが煩雑でわかりにくくなっているかと思います。しかし、いずれにいたしましても、港湾整備におきまして、従来の公共事業体系に加えまして、民間資金というものとかあるいは効率的な民間経営能力というものを活用していくという必要があるわけでございまして、そのことから御指摘のようなさまざまな制度があるわけでございますが、ここに取り込んできているわけでございます。  この民間活力活用するための支援措置というものの内容がやや複雑な形になってきておるわけでございまして、これはあくまで従来の公共事業体系に加わってきておるというふうに御理解いただければやや全体がすっきりしてくるのではないかと思うのでございますが、この民間活力活用するための支援措置が、財投であるとか、あるいは税制であるとか、あるいはNTT株式売却益活用などが入ってきているわけでございまして、ここのところの御理解がややしにくいという面があるのは私どもも否定しておるわけでございません。したがいまして、これらの施策につきまして、港湾に対します多様な要請にきめ細かくこたえていく上では必要不可欠なものかと考えておるわけでございます。  したがいまして、これらの施策につきまして適切な運用を図っていくことはもちろん重要でございます。民間事業者の方々を初めといたしまして、広く一般に御理解いただけるよう今後とも努めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
  5. 安恒良一

    安恒良一君 運輸大臣、私十本と言ったが八本ありますから、この八本のそれぞれの特徴なり違い、あなた大臣ですから、ちょっと説明してみてください。これ八本ありますから。どういうふうに違っているか。——これは大臣に聞いているんだよ。どこに特徴があるのか、こういうことをちょっと聞かしてください。
  6. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) いや、とても私できませんので、必要なら局長の方にお願いいたします。
  7. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 事業制度概要をかいつまんで御説明申し上げたいと思いますが、おっしゃるように全部で七本ないし八本のものでございます。ちょっと時間がかかるかと思いますが、できるだけ簡単に申し上げたいと思います。  法律に基づくといいますか、もと法律があるものといたしまして、特徴あるのは、第一番目に、御承知リゾート地域整備事業というものでございます。これは、いわゆるリゾート法に基づく事業でございまして、リゾート地域におきますマリーナあるいは人工海浜等施設整備に対する税制上の優遇措置、あるいは財政投融資というようなことの、そういう制度があるものでございます。これはリゾート地域整備という面で特定されておるわけでございます。  それから二番目に、民活法、いわゆる民活法に基づく特定施設整備事業というのがございます。これは、中身を申し上げますと、港湾中核をなす部分に、例えば旅客ターミナル施設であるとか港湾文化交流施設、あるいは民活法によるその他の特定施設整備を行う、いわゆる上物整備を行う、これが港湾の新しい核をなすというような場合に適用する事業でございます。  それから、特定民間都市開発事業というのがございますが、これは、民間都市開発推進機構という機構から民活事業等に対します低利融資制度などを設けたものでございます。これは事業推進をバックアップするシステムでございます。  今までのはもと法律が先般成立したものでございまして、これに基づくプロジェクトの作成を今各地域におきまして鋭意努力をしておるところでございますし、一部におきましては既に着手しているものもあるという状況にございます。  それから、港湾機能総合整備事業というのがございますが、これは港湾地区におきます民活法特定施設、あるいはこれと一体となった施設整備、といいますのは、民活法特定施設以外にもその中核になる施設群として必要になるものがございますが、そういったものを一群として整備できるように海浜等財政投融資ができるようにしておる制度でございます。法律に基づくもののほかに手当てが必要なもの、これに対する手当てをしたものでございます。  それから、あと三つほどは今……
  8. 安恒良一

    安恒良一君 もういいよ、時間がもったいないから。
  9. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) あとNTT関係事業でございます。  以上でございます。
  10. 安恒良一

    安恒良一君 まあ表もいただいてますからね。リゾート地区整備事業というのがかなりちょっとしたので、あとのところは、対象施設は、やることを見ますとほとんど変わらないことをやるんですよね、この一覧表を見ますと。やろうとしていることについては。まあ若干の違いはありますがね。ですから私は、同じようなことをやるのに、何でこんなにたくさん次から次に法律ができてやるのかなと思いましたから聞いたんです。  そこで、今回の法案に入りたいと思いますが、まず、NTTの株の売却をしてやるということのこのB型、これは補助金償還型ですね。昨年の臨時国会では、これは関係法律改正ということで一括で提案された。ところが今回は、同じく公共事業港湾をやるのを今度はA型でやる。A型というのは収益回収型です。今度は個別立法で、おのおのの委員会に出されるんですね。何で大臣、同じNTT売却益を使うのに、ある場合にはB型、今度はA型で収益回収型になる、個別立法ということで。ある場合には一括審議をする。臨時国会ではそうだったでしょう。通常国会になると、今度はそれぞれの委員会に付託をして個別立法でやるという。どうも僕はわからない。なぜかというと、B型の場合は資金量が非常に多いんですよ。そういうものは一括でやっておきながら、今回はそれぞれの委員会にかけるというこういうやり方は、これは政府方針ですから、官僚の考えじゃないですね。政府方針として、ある場合には特別一括でやる、ある場合には個別でやる、なぜこんなことになるんですか。その理由をちょっと聞かしてください。
  11. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) 詳しくはまた政府委員の方から御答弁いたしますけれども、私が考えますに、NTT売却益港湾開発に使うという幹が座りまして、前回はB型という枝が出て、それに農林とか厚生とか運輸とかというさらに小さな枝葉があったものですから一括したと思うんですけれども、今回の場合にはそれにもう一つ幹からA型という大きな枝が出まして、これは要するにほとんど運輸プロパー……
  12. 安恒良一

    安恒良一君 違う違う、それは違うよ。
  13. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) 幾つかあるわけです。——しかし今回は、つまりその大きな枝からさらに小さな枝も何本か出ておりますが、幹そのもの前回と変わらぬわけですから、一括審議でなしに個別の審議ということになったんだと思います。
  14. 安恒良一

    安恒良一君 A型もB型も、みんな各省関係あるんですよ。ですから、大臣は幹とかなんとか言っていますが、私から言わせると、政府国会対策上の理由から、ある場合には必要に応じて一括審議を求めたり、ある場合には個別に法律を分けてやるというやり方は余りフェアじゃないんですよ。  というのはなぜかというと、大臣がおっしゃったように、今回の場合はいわゆる資金量は少ないんですよ。資金量が少ないのに一つ一つ委員会でやる、資金量の多いときは一括でやる。そんなことないでしょう、これ。やはり資金量が多ければ多いほどそれは慎重に使わなきゃならぬから、本来ならば運輸委員会にかけるものはかける、何々委員会にかける、こういうやり方されるんだが、結局政府の御都合で国会対策上、私から言わせると国会対策上の理由以外何物も考えられない。ですから余りそのときそのときで、しかも臨時国会通常国会とと、まあ何年かたった後使い分けるならごまかしもきくけどね。近々の間にそういうやり方をされるのは私はよくないと思います。  ですから、どうぞ大臣、これ大臣だけでお約束していただいてできることかどうかわかりませんが、国務大臣の一人ですから、私はやっぱり法律の扱いというのはある程度一貫性を持ってやってもらいたい。ある場合には一括審議中身は同じなんですから。NTTの金をどう使うかということなんです。それも使いたいというのは各省皆使いたいと、こう言っているんですからね。今回の場合も、NTTの金を使うということで、ただ、その違うところといえば、補助金償還型と収益回収型なんですよ。そうすると、補助金償還型と収益回収型ということですから、その違いだけですからね。そういう意味から言うと、私はやはりこういう問題を余りそのときそのときに応じて便宜的にやるのはよくないなと、こんな感じを持っています。  その点について、大臣の所見を承りたいと思います。
  15. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) おっしゃることよくわかります。いずれにしろ、慎重な審議をすることが建前でございますから、結果としてそうなるように、やはりこれからも努めていきたいと思います。
  16. 安恒良一

    安恒良一君 そこでNTT株売却、国全体は六十三年度では一兆三千億ですね。うちA型が千二百二十五億、B型が一兆七百七十五億、C型が一千億となっています。このうち港湾ではA型は四十億ですね。それからB型が四百九十七億の配分となっていますが、私は、A型の四十億という金額はちょっと少な過ぎやしないかなと、そういう感じですが、どうでしょうか。  そこで、A型の一つプロジェクト事業費運輸省は大体どのくらいを想定していますか。
  17. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 今先生おっしゃいましたように、昭和六十三年度の所要の事業費は約四十億でございます。A型が四十億の予算計上を行ったところでございます。現在、全国にあります各港におきまして、それぞれA型の事業内容を詰めておる段階でございまして、これはそれぞれ地元の特殊性などを織り込みながら具体的な検討を行っておる段階でございまして、これにつきましては、今後具体的なヒアリングを行って内容を確定していきたいと、そういうふうに考えておるところでございます。  Aタイプ性格上この貸付金を返していただくという性格のものでございますから、その返していただく事業一体となって計画されねばならないというものでございますので、内容の詰めがやや時間を要するというような状況にございますが、それなりにまた特色ある計画予定されておると私ども伺っております。その中からヒアリングをした結果、熟度の高いものから実施してまいりたいと、そういうふうに考えておるわけでございまして、現段階で各個別の事業内容につきましては、金額等につきましてはまた明らかでない部分がございますので、もう少し御猶予をいただきたいと、かように考えておるところでございます。
  18. 安恒良一

    安恒良一君 いや、四十億というのをとりあえず資金を確保すればいいということじゃないでしょう。ですから私が聞いているのは、A型の一つプロジェクト事業費規模をどのくらいに考えているのか。そういうものもないで大蔵と折衝して、この四十億なんという金があなた出てくるはずはないんだから。事業規模なんだから。それからいま一つ続いて聞いておきますが、候補地ですね、候補地と具体的な事業中身、大体どんなものがあるのか。そんなものもなくて予算要求だけするはずはないんです。  ですから、その二つについて大体どのくらいの事業費考えているのか。候補地と具体的な事業中身、まだそれは最終確定じゃないにしても、どんなお考えをお持ちなのか。そういうものがないまま大蔵省が認めるはずなんかないですよ。大蔵省もここへ来てもらっていますけれどもね。だから、どのぐらいのことを考えているかということを僕は聞いている。
  19. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 六十三年度に私ども予定しておりますものを申し上げますと、二つございまして、一つ公共埠頭整備によります事業、それからもう一つ臨海部活性化を図る事業、この二つの柱を予定しておるわけでございます。それぞれの事業候補地は、現段階で、公共埠頭整備につきましては東京、横浜、大阪、神戸というようなものを予定しております。臨海部活性化事業につきましては相生釜石などを予定しておるところでございます。  先ほど申し上げましたように、事業内容はこれから確定してまいりたいということでございますが、現段階での私どももくろみといたしましてございますのは、公共埠頭につきましては、ただいま申し上げました四港につきまして総額百五十億程度かなというところでございます。一港平均四十億ないし五十億というようなところの規模考えておるといいますか、そういうもくろみをしているというところでございます。なお、臨海部活性化事業につきましては、やや規模が小さくなりますが、現在一カ所大体十億程度規模というようなもくろみでございます。
  20. 安恒良一

    安恒良一君 今港湾整備の方について、東京とか、何カ所か挙げられたところは百五十億ということですが、今回はこれは四十億しかないわけですから、あなたの言われた百五十億というのは、四十億を超える分は、そこへ使ったらそれで終わっちゃうんですからね。あなたがおっしゃったように釜石相生も使う、そうすると今言われた金額は、今年度から何年かの計画の中で百五十億とか、例えば十億とか二十億とか言われたんですか。そこはどうですか。
  21. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 説明がやや不足でございましたが、今申し上げました額はこの事業総額でございまして、今年度の分は四十億という予定でございますが、超えるものにつきましてはその後の年度で逐次整備を進めていく。こういうことでございます。
  22. 安恒良一

    安恒良一君 釜石相生、これはNTTのA型の整備地としてあなたが具体的に名前を挙げられたんですが、そこで具体的な第三セクター内容、支出の状況、それから事業中身、どういう港湾整備して収益事業は何をするのか、こういうようなことについて少し具体的に、釜石相生でおやりになるということですから、以上のようなことについて中身を聞かしてください。どんな考え方か。
  23. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 個別のそれぞれの計画中身につきましては先ほどお答え申し上げましたが、現在、内容を詰めておる段階でございますが、例えば相生の話でございますと、例えば造船所跡地活性化対策という形になる予定でございますので、そういった造船所であったところの跡地の特性を十分生かして、活性化できる新しい計画として進められるよう、そういう方向で検討を進めておるわけでございます。  その中で公共部分といいますのは、例えばそこに至る道路の整備であるとか、あるいは一部緑地等整備も含れまれるわけでございますが、そういったものが公共部分になるわけでございまして、その他計画内容上物等関係がまだ明らかでございませんが、そういったものとの一体的な計画としてつくられるものと私ども考えておるわけでございます。
  24. 安恒良一

    安恒良一君 釜石もいわゆる特定不況地域に指定されて、鉄鋼問題その他があるからこれの開発ということだろうし、相生は造船問題があるから、こういうものを使ってその整備を重点としてやろうということだと思うんですね。ところが、今聞きますと、事業中身がどうもはっきりしませんね。総論的な話だけですね。どういうふうに港湾整備して、そして収益事業は何なのか。御承知のように、これは収益を上げて、そして返すわけですからね。補助金事業じゃないんですからね。その意味からいうと、どうもあなたの答弁を聞いていると、これで何をおやりになるのか、どうしても私はわかりかねるんですがね。  そこで、少し中身を聞いてみたいと思いますが、ここに「港湾」という雑誌があるんです。この雑誌の六十二年九月号に、六十三年度の港湾整備予算概算要求中身ということでこれがかなり詳しく書いてあります。これを私は見ました。NTTのA型を使った概算要求として三つ施設のイメージが説明してあります。「沖合人工島への適用例」、それから「収益施設一体的に整備する公共施設の例」、それから三つ目が「大規模スポーツ緑地への適用例」ということで、図解入りかなり詳しく書かれているんです。しかも、これは全部A型を使った場合を想定して書かれているんです。この中身を私読みました。ところが、あなたから今聞きますと、ここに書かれていることと今あなたたちがお考えになっている事業中身が、どうも異なったものになってしまったんじゃないかと。概算要求段階にはかなり立派なプランをお持ちだった。このように立派な考えをお持ちだったんですが、図解入りでこういうふうに。これは私がつくったんじゃなくておたくの方であれされたんですが、ずっとあったんですが、それがかなり後退をしたり中身が違ったことになっているように思えるんですが、どこに原因があったんでしょうか。
  25. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) お尋ねの内容、私しかと心得ておらないところがありますが、いずれにしましてもこの資料概算要求時に発表したものと思います。  そこで、予定しておりました要求内容が現在の形になったという経過でございますが、いずれにしましても、関連事業からの収益貸付金を返済していくというタイプでございますので、概算要求時点では、関連した事業から返すのではなく、公共施設そのもの使用料で返済していくというタイプ考えたわけでございますが、予算折衝の過程におきまして、特に事業収益性の観点からしまして、やはり使用料だけで貸付金を返済するということにつきましてはやや難があるというようなことから除いたものでございます。したがいまして、その時点要求内容として説明申し上げている資料につきましては、必ずしもそのとおりに実現していないという点がございます。
  26. 安恒良一

    安恒良一君 何かあなた人ごとのような話をしよるけれどもね。「港湾整備事業予算概算要求概要」ということでおたくの、まあ名前は言いませんけれども運輸省港湾局計画課補佐官——あなたのところの局ですよ、これ詳細にお書きになっておる。何か、それは私はよう存じませんと言っているけど、あなた局長だからね。概算要求のときは、局内のいろんなものを全体をまとめて、そして大蔵省にお出しになったんじゃないですか、概算要求は。あなたの話を聞いていると、何か全く関係のない人が書いたような、よく存じませんとか、こう言われているけれどもね。少なくとも運輸省港湾局として、運輸省全体でまとめて大蔵に出される概算要求というのは、あなた局長さんですから、目を通されて、そしてきちっとしてお出しになったんじゃないですか。計画するのはそれぞれ課長や係官がやるでしょうが、あなた局長ですからね。存じませんがということじゃ困るわけ。存じておったけれども実はこうなったという話をしてもらわぬとね。何かあなたの話を聞いておると、どこか他の局の部下か何かが勝手に投稿したような話になっている。  ですから、そういう意味からいうと、例えば事業規模でも、概算要求の方がかなり事業を僕は想定しておったと思う。この要求段階ではね。それから、いずれもこの第三セクターのほか公社も行えるようなふうになっておったし、それから収益回収施設そのものにもA型が使えるようになっていた。こういうふうにこちら側は、概算要求段階だったからかなり大構想を打ち上げたのかどうか知りませんけれどもね。それから見ると、今回のやつはいかにも中身が小じんまりとなっているものですから、どういうことになっているのかと、そこのところをきちっと説明してもらいたい、こういうことを僕は言っているんですよ。
  27. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 何といいますか、収益回収型の資金を入れて港湾活性化を図ろうという政策を掲げまして、当時まだ制度そのものが確定していないままでございましたけれども、それぞれの地方の構想につきましてヒヤリングをしたわけでございます。その段階ではいわゆる構想という形でございましたが、その時点での構想の内容が、今先生のお手元にある資料の姿でまとめられたものでございます。少しわかりやすくといいますか、アピールという点も考えまして、そこに多分図に掲げてあると思いますが、そういった形で世に問うたものでございます。これを概算要求という形でまとめたものでございますので、これをその後の事務的折衝といいますか経過を経まして中身を締めてまいりますと、全体としてやや規模の縮小があったということは事実でございます。  いずれにしましても、現実に事業の着手、実施ということになりますと、収益回収型でございますから、回収するという観点から、ややかたい計画からスタートするというようなことがございまして、出だしが、まあ先生意外感をお持ちになられたかと思いますが、そういった事業性格からしまして、私ども、ややかたい形から進めざるを得ないというふうに考えた次第でございます。この制度が、スタートがまだこれからでございますものですから、だんだん制度になれてまいりますと、プロジェクト内容もそれにふさわしいものになっていくというふうに私ども考えているわけでございますが、六十三年度はそういう意味でやや規模の小さい形でスタートをするということかと私どもは認識しているわけでございます。
  28. 安恒良一

    安恒良一君 どうも歯切れが悪いけれども、わかりかねるけれども、まあ先へ進めましょう。  ところで、私は港湾整備事業というのは、もともと重要な公共事業だと思うんですね。ですから、これをNTT資金を使うA型、収益回収型、この理由はそもそも何でしょうか。私は、公益事業ですからB型でやられるならある程度わかるんですが、このA型ということについて、港湾整備事業公共事業、しかもかなり年月もかかる仕事だし、あなたは今かたい仕事だと、こう言われたんですが、かたいという表現で言われたんですが、このA型をお使いになる理由はそもそも何でしょうか。
  29. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 仰せのとおり、従来港湾整備中核をなしておりますのは公共事業というものでございます。これにつきまして、公共施設を第三セクターが緊急に整備したいと。第三セクターというのは、これに関連する公共施設に密接な事業を営むといいましょうか、ちょっと言葉があべこべになりますが、ある事業を営むための第三セクター公共施設整備することによって、さしあたって第三セクターの運営に寄与するというような性格事業が、要請があらわれてきておるという状況にございます。  その場合に、公共施設がその事業の運営には大変役に立つのでございますが、一般の公共事業から見ますとややプライオリティーが下がる面があろうかと思うわけでございます。そういう点を底入れすることによって結果的に港湾活性化に役に立つ、あるいは地域活性化に役に立つという観点から、これに取り込むということにしたわけでございます。まあA型でございますから、そこで収益を生んで返していただくわけでございますが、それに見合う事業の運営がなされるというような観点から取り込むということにしたわけでございます。
  30. 安恒良一

    安恒良一君 そうしますと、造船不況地域、それから鉄鋼不況等の港湾を抱えている地域の再活性化NTTのA型資金一つを使うと、こういうことなんでしょうか。
  31. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) その地域活性化のために第三セクター事業主体になってある事業を行うということでございますから、結果的に、先生おっしゃるように、不況対策にも役に立つというふうに考えているわけでございます。
  32. 安恒良一

    安恒良一君 港湾整備というのはいろんな型がありますからね。私はこれをどうしてもこういう形でお使いになるというならば、例えば東京とか大阪とか、そんなところよりもやっぱり造船不況とか鉄鋼不況の港湾等の、港湾を抱える地域の再活性化にやはりある程度重点的に使われてしかるべきじゃないか。あなたはこの使い方を——その金も知れているわけだから、最初四十億だから。この四十億をあっちにもこっちにも全部使ってもとても……。  ですから私はやはり、例えばあなたは東京とか大阪とか横浜とかの港湾、埠頭の何とかかんとかも挙げられましたけれどもね。というのは、大都市周辺のいろんな問題は、ここに言うように八つもありますからこれでいろいろやれるわけですよね。今一番問題になっているのは、造船不況であるとか鉄鋼不況とかそういう等々を抱えている港湾地域の再活性化をどう図るかということであるならば、私は、この金の活用の仕方というのは一つは有効に生きてくるんじゃないかなという感じがしますから、そこのところを最初聞いたときに、この四十億はどういうところでどうお使いになるんですかと聞いたらあなたは二つのことを挙げられたんですが、私はむしろ後段の方の造船不況であるとか鉄鋼不況等を抱える港湾地域の再活性化かなり重点的に使われた方がいいと思いますが、その点、大臣どうでしょうか。
  33. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) これは、原由的には各地方地方の港湾に関しての再開発の提案を受けて、それに割り振りをするわけでありますから、造船不況、鉄鋼の不況を抱えている地域から妥当な提案があれば、当然それにこういった措置を講じていくことは自明でございますけれども、今その提案がどういう形でどういう順で来ているかわかりませんが、今ある限りの各地方からの提案に沿って、該当するプロジェクトを選択しているという現況だと思います。
  34. 安恒良一

    安恒良一君 このNTTの株の売却益は、国全体で、六十三年度には三兆八千億の収入に対して無利子貸付金として使われるのが一兆三千億。そのうちA型、B型、C型と、この三つの型にこれが分かれておりますね。そこでNTTの株の売却収益は六十六年度までというふうに私どもは聞いております。ですから、この無利子貸付金計画も、これは今言ったようにどういうふうになっていくんですか。六十六年度までと聞いていますから、このいわゆるA型によるやり方というのは、一応事業計画としては六十六年度までと、こういうことでやるんですか、どうするんですか、そこは。
  35. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 現段階では六十三年度におきます所要の経費を計上しているわけでございますが、六十四年度以降につきまして、この六十三年度におきます実績などを踏まえながら促進を図ってまいりたいと、こう思っているわけでございます。おっしゃるように六十六年度というようなこともございますが、私どもといたしましては、この資金が有効に活用されて港湾整備促進に役に立つようにという点から、積極的に対応してまいりたいと考えているわけでございます。  ただ、事業内容がこれから詰まるというような点もございまして、今必ずしも全貌がわかっていない点もございますが、今のNTTのA型の資金がいつまでどういうふうに使えるかというようなこともしかとわからない点もございますけれども、その点も十分念頭に置きながらこの事業推進に努めてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
  36. 安恒良一

    安恒良一君 しかし資金は、六十六年度までに限定された資金ですね。NTTの株を売ってしまう計画はもう既にはっきりしているんです。しかもこれA型ですから、例えば毎年六十三年度並みの配分が六十六年まで行われるということになると、このA型は一千二百二十五億程度だと。そうすると港湾は、ことしは四十億だったんですが、これでいきますと港湾は、この四年間毎年四十億程度しか計上されない、こういうふうに考えていいんでしょうか。このところはどうですか。
  37. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 六十三年度、先ほど申し上げましたようにややかたい形で出発してございますので額としては四十億程度のものでございますが、具体的な計画が定まり次第これに十分対応できるように、四十億というようなことでございませんで、対応できるように予算の確保に努めてまいりたい、こういうふうに考えております。したがいまして、私ども毎年四十億というふうには今考えておらないわけでございます。
  38. 安恒良一

    安恒良一君 大蔵省お見えになっていますが、大体六十六年度まで、限定された資金であることは間違いない。それからことしのA型は千二百二十五億ですね。そしてあとB型、C型と、こうあるわけです。そうすると、これはあれですか、六十四年度、六十五年度、六十六年度というのは、ことしの実績を見てA型、B型、C型の資金枠も変わると。それから同じA型の配分についても、ことしは港湾は四十億なんですが、来年はその四十億が百億になったり二百億になったりすることがあり得るんでしょうか。大蔵省、どうでしょうか。
  39. 斎藤次郎

    政府委員(斎藤次郎君) NTTのA型と申しますのは、御承知のように、従来全く無償で行われた公共事業につきまして、利子分は無利子でございますけれども元本を償還していただくという意味で、全く新しいタイプ公共事業でございます。したがいまして、今率直なところ申し上げまして、各事業でそういういわゆる償還型の公共事業というのが可能かどうかという、いわば発掘段階にあろうかと考えております。  実は、六十三年度予算では千二百二十五億ということでございますけれども概算要求段階では、私ども実は二千億の要求枠を設定しておったわけでございます。その後、各省からの要求を、いろいろ各省とも御相談をしながら事業別に積み上げていきますと、やはり従来無償であった公共事業にいわば有償型のものを導入するということだものですから、元本償還が確実にできるかどうかというような観点から、事業規模としてはどうしても千二百二十五億までしか実は積み上がらなかったわけでございます。  したがいまして、ことしの執行、それから今後の事業発掘のいろいろな経緯を見て、私どもとしては、むしろA型はできるだけ伸ばしたいというぐあいに考えております。港湾関係につきましても、いわば収益型の少なくとも元本が償還できるぐらいの事業が発掘されれば、四十億ということにとどまらず、もっとふえるという可能性は十分にあるというぐあいに私ども考えております。
  40. 安恒良一

    安恒良一君 資金のことはわかりました。しかし私は、今もおっしゃったように償還が義務づけられておりますからね。この種の事業というものは、港湾事業というのはもともと公共事業なんですね。特に私が考えたのは、地方で造船不況地域活性化のためにやるなら、これはA型よりもB型の方が妥当であると思うわけです。  しかし一方においては運輸省は、このA型の利用開発のニーズがあると、こう言うわけですからね。それで今聞いてみると、造船不況地域名前が挙がっているのは釜石とか相生とか、そのほかに私は平等があるのかなと、こう思うんですが、運輸省に聞きたいんだが、どうも私はこういう不況地域活性化というのはちょっとA型じゃ無理じゃないか。大蔵省の方は、A型は金が返ってくるんだからぽんと出してもいいぞと、こう言われていますが、どうですか運輸省、この点はむしろA型でやるというのはちょっと造船不況や鉄鋼不況地域活性化としては少し無理があるんじゃないかなという感じがしますが、そこはどうですか。
  41. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 確かに、都市部と地方部におきますこの事業性格からします困難性というものの違いがある場合もあるということは私どもも理解しているつもりでございます。したがいまして、その地域の特性ということもあるのでございますが、活性化のための事業ということになりますと、それを成功させるためのバックアップというものも私どもとして相当考えなければならぬのではないかと、こういうふうに考えるわけでございます。一つの有効な手だてといたしまして、やはりA型の導入もさることながら、その他の一般の公共事業の重点配分というような形で支援することも必要かなと、そういうふうに考えるわけでございまして、そういう面で総合的にこの活性化が図られるように、目的が達せられるように総合的な観点からこれを支援していくという必要性を感じているわけでございます。
  42. 安恒良一

    安恒良一君 大蔵省考えた今回のA型とかC型とか、これは収益が上がるから、上がったら資金活用して、そして返してもらえると。それから最も資金量の多いB型は、これは補助型ですが、これは国庫が後から払うと言っていますからね。まあいずれにしても金は、大蔵省としてはうまく回収できる。そしてこれは将来、恐らく国債償還の原資にこれを使いたいと、こんなのが大蔵省の意向のように、私は今いろいろ説明聞いて思うんですね。  ところが、どうも運輸省自体は、概算要求のときに想定しておった使用方法と、今あなたとやりとりをして聞くと、使用方法がやや後退をしているような感じがする。ですから、概算要求段階考えておったことのイメージが整理ができないまま——これもいつも私が言うんですが、こういうものが出ると各省が取り合いするわけですね、おれのところも、おれのところもと。A型であろうと、やっぱりこれだけの財源があるからこの際自分のところも取っておかなければいかぬということで、どうも考え方の整理が十分つかないまま、とにかく資金の枠だけはとっておかないと他省に乗りおくれる、こんな考え方で資金の受け入れに加わったんじゃないかなという印象が、今のやりとりで感じますが、どうですか、そこのところは。まあ大臣笑っておられるけれどもね。役人というのはそういう風習があるんです。もう乗りおくれたら損だということでね。取りあえず枠だけとっておこうと、こういうのがあるんですが、そこのところはどうですか。
  43. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) いや、私は決してそうは思いませんで、地方の特性を生かして、そこで収益の上がる事業というのは十分あり得ると思いますし、それに備えて運輸省資金の確保をしたわけでありますから、おっしゃることとは、私ちょっと理解を異にいたします。
  44. 安恒良一

    安恒良一君 港湾事業というのは、もともと年月を要するし、公共事業が中心なんですよ。こんなところで、そんな収益をうんと上げられるようなことを考えるのがそもそも間違いなんです。そこのところの前提を忘れないようにね。それは、NTTの金を借りて何をやってでももうけていいというなら、これはもうけ方はありますけれどもね。港湾事業というのは、後から今度は法律的にいろいろ私が質問をしていきますけれども、いろんな制約があるんですよ、公共事業としてね。そう勝手に何でもかんでもやっていいようにはなっていないんです、港湾事業というのは。もともと公共事業で国の資金なり地方の資金なり公共的な資金を投入して港湾開発をやっていくというのが本来の事業ですからね。そこのところをちょっと間違えぬようにやってもらいたい。  そこで今度は大蔵省にお聞きしたいんですがね。NTTの無利子貸付制度が六十二年度の補正から実際されているわけですが、これをA、B、Cの三つの型別に分けて、消化状況ですね、具体的に消化状況がどうなっているのか、ちょっと説明してみてください。
  45. 斎藤次郎

    政府委員(斎藤次郎君) 今おっしゃいましたように、実はA、B、C三つタイプがございます。A、Bがいわゆる公共事業の類型に入るもので、C型が民活事業と称しております。  A型につきましては補正で八十三億円計上しまして、当時まだ事業発掘が進んでおりませんので、元本を償還が可能な道路に八十億、それから公園に三億という配分をしたわけでございます。実は、これは普通の公共事業と同様に事業主体が非常に多岐にわたるものですから、決算が確定します七月三十一日になりませんと実は集計結果が明らかでないわけでございますが、一般的に申し上げますと、やはりA型事業というのは、先ほど・来先生が御議論になっておりますように、全く新しいタイプ公共事業で、一体元本が返せるかどうかという検討も要るというようなことがございまして、実はまだ余り進みがよくないようでございます。したがいまして、通常の公共事業と比べますと、かなりの額の繰り越しが出るのではないかというぐあいに私ども考えております。ただ、どの程度にとどまっておるのか、実はまだ集計ができておりません。  それからB型につきましては、いわゆる補助金型の公共事業と、将来国がちゃんと補助金でお返しをするということになっておりますので、全く変わりません。したがいまして、B型につきましては通常の公共事業と同様の消化でまいっているのではないかというぐあいに考えております。  それからC型は、いわゆる民活事業でございまして、これにつきましても、実は五百八十億という計上をいたしまして、私どもは大いに期待をしておるわけでございます。事実いろんなプロジェクトの引き合いがございまして、非常に活発な動きがあるわけでございますが、補正で急につくったということで、制度の周知が徹底していない。それから、いろんな法律に基づきまして、例えば民活法とかリゾート法とかいうので、まず特定施設の指定というのをやりまして、それから地域指定なども要るわけでございます。そういう法定の手続が余り進まない。それから貸し付けを受けるについては第三セクターをつくらなければいかぬというようなことで、手続面で大分遅滞が出ておりまして、これは実績がわかっておりますけれども、まだ実際に年度末に出た額はわずか五十億でございます。したがいまして、五百三十億という大部分が繰り越しになったわけでございますけれども、六十三年度は、今現在開銀等で融資相談に応じているわけでございますけれども、非常にそのプロジェクトの多くがいよいよ本格的工事に入れるような態勢になってきております。それから六十三年度予算ではさらに対象事業を拡大いたしまして、今各地方でこれを核にしたいろんなプロジェクト構想が非常に活発に動いておりますので、六十三年度以降は円滑にいくのではないかということで、このCタイプAタイプ以上に実は各地方公共団体の好評を得ているというぐあいに伺っております。
  46. 安恒良一

    安恒良一君 今Aタイプ金額はまだ集計中でおっしゃられなかったから、Cタイプはおっしゃったように五百八十億を組んで未消化が五百三十億あったんですね、そして繰り越している。ですから、まあ民活笛を吹けども踊らずと、こういうことで、なかなかお考えになったことが全然これ、Bは今言ったように従来型の補助金型ですから、後から国が埋めるから、これは使うのは当たり前ですね。問題は、Aタイプがどう使われるか、Cタイプがどう使われるかということについて、ああいう法律をつくったんですが、今のところは余り機能が十分でないと、これが私は今の現状だと思うんです。  それはなぜかというと、大都市等々で収益の条件のいいところは何とかこれを使う方法を考える。ところが、そんなに収益のいいところなら、これはもう民間でやればいいことなんですよ。民間がやればいいことです。ところが、私が盛んに言っているように、造船とか鉄鋼の不況地域港湾の再編開発整備を行う、こういう条件をつくる。これは運輸省としては大きな使命を持っておるんですね。いわゆる造船や鉄鋼の不況地域でも港湾の再開発整備が行える条件をつくり出すということは、これは運輸省としては大きな使命。そこで、何かNTTの臨時の余裕金ができた。これは率直に言って当初考えておった以上に株が高値で売れてお金がざっくり入ってきたと、こういうことですからね。そこで港湾整備にもA型を使えるようにしたと、こう言っているわけですね。そしてまたニーズもあると。ところが額は、A型にしてもわずかの金だ。  だから私は、運輸省というのは、本来ならこんなA型じゃなくてB型、この増額を運輸省としてはやっぱり大蔵要求していくというのが本来の仕事ではないだろうか。というのは、港湾というのは、私が何回も言うように長い年月を要しますし、公共事業でありますから、どうも収益事業を目当てにやるということにはなかなかなじまない性格があるものですから、ですからむしろこのNTTの金の使い方を言われるなら、A、B、Cとあるのならば、運輸省側としてはA型よりもB型の枠をふやすことについて全力を大臣以下がお挙げになる。運輸省港湾事業としても使えるようにですね。それが私は妥当じゃないかと思うんです。  しかし、そのことはそのことで今後努力してもらいたいんですが、同じA型でも、使いやすいようにするということのいわゆる配慮が私は大臣の政策努力として必要だと思う。例えば、今言ったような地方向けのA型ということで貸付資金の割合を高めたり、もしくは償還期限を長くするとか等々ですね。いわゆる不況地域においてもこれが使えるように、同じA型でも使えるような運輸省としての政策要求があっていいんじゃないか。ことしはとりあえずこれでしたんですが、六十四年度—六十六年まであるわけですから、まあ大蔵としては資金についてはA型はふやす用意があると、こう言っているわけですからね。  しかし資金がふえても、それが有効に生きないと意味ないですね。今言ったように、A型にしてもC型にしても未消化と。今年度は大分あるようなことを今主計局次長は言われましたけれども、私はこの港湾等において、A型を今のままじゃなくしてもう少し資金の割合も多くすると同時に償還期限を長くするとか、いろいろ借りて使いやすい、こういうことを運輸省はお考えになってしかるべきだと思いますが、これは政策の問題ですから、大臣、どのようにお考えですか。
  47. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) この一方、収益の見込めない事業については、従来公共事業の重点配分を行うなど、各地域の特性に応じた種々の形態の事業が行われているわけでございまして、このNTTのA型に関しましても、地方の各方面の創意を誘発していただきまして、この事業の実施が地域の発展に有効な施策となるように努力をしていただきたいし、また、運輸省も努力をしていくつもりでございます。
  48. 安恒良一

    安恒良一君 いや大臣、私が聞いているのは、同じこれを使うにしても、来年以降、鉄鋼であるとか造船不況地域等の港湾整備に使いやすいような条件の整備について努力を運輸大臣として、まあこれはかたいかたい大蔵省が相手ですから大変だと思いますよ。思いますが、そういうことをされる気があるんですかどうですかと、政策として。そのことを聞いているんです。
  49. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) そのように努力したいと思います。
  50. 安恒良一

    安恒良一君 わざわざ私は主計局次長に来てもらって、あなたの言い分を聞いてもらいよるんですから、言いたいことはこの際ちゃんと言うておかなきゃいかぬ。ここに主計局次長来ているんだから。  それじゃ、次の質問に行きます。  港湾開発というのも、さっき言いましたように、関係法案八本ぐらいあって、一つのブームになっています。また、いろんな施策が二十一世紀を目指して行われようとしているわけですが、そうしますと、今までの港湾の臨海地区ですね。まず、この臨海地区の数と広さはどの程度ありますか。港湾の臨海地区の数と広さ。
  51. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 港湾は、陸域と水域を一体として港湾が存在するわけでございますが、それを一つ港湾の空間と私ども呼んでおります。この空間は、陸、水と両方にまたがるわけでございますが、現在の陸域、いわゆる港湾空間の中の陸域の面積が、概算でございますが約千九十平方キロメートル、水域につきましては四千七百五十平方キロメートルございます。その中で陸域は二つに分かれておりまして、いわゆる法律に基づく制度でございますが、臨港地区というのがございます。これは港の機能と密接に関連する陸域の部分でございますが、この臨港地区というのが四百十平方キロメートルございます。それから水域も二種類ございまして、港湾区域というのがございます。水面を仕切って港湾管理者が実体的な管理を行うという区域でございますが、それが四千七百三十平方キロメートルございます。水域の場合はほとんどが港湾区域ということでございます。陸域の場合は港湾空間の中の約四割ぐらいがいわゆる臨港地区ということでございます。
  52. 安恒良一

    安恒良一君 そうしますと、この臨港地区の中には建物制限、港湾機能以外の施設整備を禁止していますね、臨海地区の中に。例えば貨物用の上屋とか倉庫、物流、旅客ターミナル等、これらは港湾機能に認めていますが、それ以外はだめだということに一応なっていますね。ところが、今度港湾の再開発は、文化施設、スポーツ施設、さらに住宅まで建設するということになっています。  そこで運輸省は、臨港地区の指定をこうした再開発地域では解除した上で推進をするのかどうか伺いたい。
  53. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 臨港地区内におきます構築物、建築物ですけれども、この規制につきましては、先生今おっしゃるとおりの制限が課せられている場合があるわけでございます。この根拠になりますのは、港湾管理者において制定いたしております、例えば港湾管理条例というようなものがあるわけでございます。この管理条例に基づきまして具体的な規制を行っているというのが実態でございます。従来この臨港地区内におきます規制というのが、港湾の機能に密接に関連する範囲にとどめておるということがございました。その場合の港湾の機能といいますのは、いわゆる輸送の機能あるいは生産の機能というところにやや特化した形で制定されておるのが実情でございます。  しかしながら、先生おっしゃいますように、昨今の臨海部に対しますさまざまな社会的な要請がございます。これらに対しまして、やはり港湾空間を総合的に整備することによってこの要請にこたえなきゃならぬということでございますので、特にこの臨港地区は、現実には最近言われておりますウオーターフロントの部分をなす部分でもございます。そういったウオーターフロントに対するさまざまなニーズにこの臨港地区がこたえていくのが適当であろう。もちろん港の機能も、単に輸送とか生産に特化したものじゃなく、その他の人間の活動、生活にかかわるさまざまなニーズにこたえていかなきゃならぬということでございますから、そういった面に対してこの臨港地区が適切にこたえていかなきゃならぬというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、この臨港地区の内容を実際の要請にこたえられるような形に変えていくのが至当ではないかというふうに考えておるわけでございます。  どういうふうにこの内容を変えていくかということにつきまして検討中でございますが、先般、さしあたっての検討の結果につきましては、この規制の内容を変えるような措置を講じておるところでございます。
  54. 安恒良一

    安恒良一君 いや、長々と言わないで。私が聞いているのは、臨港地区の指定をこうした再開発地域では解除した上で進めるのか解除しないのかと。中身はわかっているんですよ。だから、解除した上でやるのか解除しないでやるのか、ここだけぱっと言うてもらえればいいわけだ。時間がありませんから、簡単にね。
  55. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 開発内容によりまして、その計画に照らし合わせまして、臨港地区の見直しをやりながら進めてまいるということでございます。
  56. 安恒良一

    安恒良一君 そうすると、見直しというのは指定は解除しないで見直しをしていくと、こういうことですか。どうですか、そこは。指定は、今までどおりやはり運輸省としては指定をしておくということか、それとも——どうもあなたの言葉はっきりしないんだよ、これ。竹下総理によく似ておってね。全然わからない。
  57. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 再開発内容がまず先にあるわけでございまして、それに応じまして指定を解除する部分もありますし、場合によっては改めて指定をする場合もあるかと思いますが、いずれにしましても、そういうことを含めまして見直して、適切な形にしていくということでございます。
  58. 安恒良一

    安恒良一君 そうすると、NTTのA型の活用は、このような臨海地区の指定ということは問題にはならないんですか。問題なくやれますか、この法の活用は。どうですか。
  59. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 新しい、見直した結果としての臨港地区が制定されますと、私ども、今御審議いただいておりますNTT—A対象事業もその中に含まれるような形で制定をするという形になりますから、実態上支障のないようにしてまいるということでございます。
  60. 安恒良一

    安恒良一君 何かあなた、大分回りくどく言われたけれども、私が調べたところによると、臨港地区の解除をやらぬ、しかし港湾機能と都市機能が両立できるように、自治体に臨港地区条例を改正するような指導を運輸省としてはされているんじゃないですか。そういうことで港湾局長名で六十二年十二月二十四日、「臨港地区内の分区における構築物の規制に関する参考条例案の改正について」という通達をあなたのお名前でお出しになっている、それは、このように臨海地区の解除は行わない、しかし港湾機能と都市機能が両立できるように、自治体で定めている臨港地区の条例を改正するようにと、こういうふうな指導をされているんじゃありませんか。どうですか。
  61. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 先般、指導通達を出したのは事実でございますが、その通達では、臨港地区の中身性格を新しい要請にこたえられるようにしてほしいという内容でございまして、臨港地区を解消すべきでないという意味ではございません。先ほど申し上げましたように、柔軟に対応してまいるということでございます。
  62. 安恒良一

    安恒良一君 まあ柔軟に対応すると。  それじゃ、各自治体の条例改定作業はどの程度進んでいますか。もしくはいつごろまでに各自治体が条例改定をするんでしょうか。
  63. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) この指導通達、実際のタイトルは「モデル条例」という形でございます。これは、条例を制定するのはあくまで地方自治体、港湾管理者でございます。その改定をする場合の目安として、どういうふうな改定をすればよろしいかという目安を与えるものでございまして、この中身につきましてはそれぞれの港湾管理者におきまして取捨選択が行われるのは当然でございますし、それからその制定の時期等につきましても管理者自身のそれぞれの御事情があろうかと思いますが、そういった事情の中で改定が進められればと考えておるところでございます。
  64. 安恒良一

    安恒良一君 結局、柔軟に対処するというのは、やはりそういうものをやる場合の当該自治体は、やはりある程度港湾機能と都市機能が両立できるように条例を、その自治体みずからがそこに合った形に変えた上でこういうことをやっていくわけですね。そうすると、これを受け入れるためには、やはり当該自治体はある程度今私が言ったようなことで条例を改正しなきゃならぬでしょう。そうでないと、今の法律のままでは非常にやりにくいから。そこであなたの方は、臨港地区の解除を行わなくともうまくやれるように、いわゆる柔軟性を持つことができるように、地方自治体に対してモデル的ないわゆる通達を、モデル条例を出されて、それに各地域の特性を加えて条例を改正してもらいたいと。そういう上で、今回の法案にかかっているようなことについても受け入れて実際の仕事をしていこう、こういうことではないんですか。  ですから、その意味からいうと、私が聞いているのは、どのくらいの自治体がどういうふうに条例改定の作業が進んでいるのかとか。大体いつごろまでにその自治体は、例えばあなたがおっしゃったような相生であるとか釜石であるとか、その他いろんなところについても条例を変えなきゃならぬ場合もあると思うんですが、そういう場合はどういうことになっていくんですか、作業としては。
  65. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 現段階で、この通達に基づく条例改正につきましての報告はなされておりませんが、先ほど来御説明申し上げておりますように、新しい事業臨海部におきまして進めるにつきましては、この条例の改定がなければ施行できない事業もございます。そういった案件を抱えている自治体につきましては、できるだけ早く条例改正が行えるように、今後とも指導をしてまいりたい、さように考えているところでございます。
  66. 安恒良一

    安恒良一君 私は、港湾空間開発利用に関する需要が非常に活発になってきていますのに、法律の面の位置づけや取り扱い基準などが現行の法制のままでいいのかどうかというふうに疑問を実は持ちます。  例えば、一つの例を挙げてみますと、造船所跡地と水面、水際を利用すること、それからマリーナ化なども既存の規制で推進できるのかどうか。造船所跡地の水面と水際を利用すること、マリーナ化の場合に既存の規制で推進できるのか。それから一つは、動くイベント船、これが一定期間停泊する施設の位置づけをどうするのか。さらにそうした施設面は、水面占用料、施設使用料、係留料という問題も出てくるはずです。さらに、関西空港では港湾施設整備が進捗されれば港湾管理者をだれにするのか等々、現行法規の中では解決すべき問題がたくさんあるような感じがするんですが、この点についてはどのようにお考えですか。
  67. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 今お尋ねの件は、まさに私どもが今抱えている課題そのものを多く含んでいるわけでございます。  ただ、順次申し上げますと、造船所とその前面の水面の利用の転換というようなことに関して申し上げますと、例えば造船所ですと工業用地という土地利用区分になっているわけでございますし、あるいは港で言いますと工業港区という港区になっているわけでございます。したがいましてそういった利用の転換を図らなければならないのでございますが、例えばマリーナにそれを転換するといたしますと、マリーナ港区というような港区に転換をしていく。それで土地は工業用地のままでいいかどうか、まあ利用の形態によって変わりますが、そういった土地利用転換も図らなきゃならないということでございます。そういった面につきましては港湾の基本的計画がございまして、その計画の変更の中で取り扱っていって変更が可能かと思います。  それから、イベント船のお尋ねがございましたが、これは、イベント船というのは我が国ではまだそんなに一般化しておりませんが、今後港のにぎわいという面、あるいは港の機能から見ましてもこういった利用がふえてまいる、そういうふうに私ども考えているわけでございます。したがいまして、このイベント船に係ります水面の占用のあり方、それからお尋ねのありました施設使用料のあり方、従来一般の船舶を対象にしておったそういう使用料の形態につきまして、そのままでいいかどうかという点につきましての検討が必要かと思います。ただ、建前から言いますと、そういった占用料形態あるいは施設利用の使用料形態でカバーできる範囲のものでございますが、中身といたしまして適当かどうかという検討が必要だということでございます。  それから、もう一つお尋ねのありました、私ども今大変大きな課題として勉強中のものでございますが、例えば関西空港の例でお尋ねがございましたが、現在港湾管理者は港湾法に基づきまして地方公共団体の資格をもって管理しているわけでございますが、関西空港に、仮に旅客用の港湾ができるといたしますと、そういう形態だけでいいかどうか、その点につきましては現在の法律ではカバーできませんので、どういうふうにしていったらいいかということにつきまして、今私の局内で検討グループをつくりまして鋭意検討を進めている段階でございます。
  68. 安恒良一

    安恒良一君 私は、第三セクターの関西空港は、港湾管理者になる資格はないと思うんですよね、これ、第三セクター。ですから、私が言っていることは、やはりこれだけ港湾空間開発利用に関する需要が活発になってきたら、やっぱり一遍法律を見直すものは思い切って見直されて、ニーズにこたえるようにされたらどうかという意味で言っているんです。というのは、二十一世紀に向けて、きれいなパンフレットをおたくらでも大分出されていますよね、いろんなことをやるといって。結構なことですが、ところが、現行法制のままではどうも取り扱いが難しいとかなじまないものとか、いろんな疑問が出るということで私は言っている。  例えば造船所跡地の問題については、土地の問題はあれしても水面と水際をどう利用するかということについて、やはり私はマリーナ化する場合には、その造船所跡地は工業地であっても、この水面と水際ですね、これは私は運輸省も政策省にお変わりになったんですから、これだけ港湾の空間利用開発計画が需要が盛んになってきたら、法律面の位置づけや取り扱いの基準等についても現行法制のままでいいのかどうかということはこの際一遍洗い直しをされて、これは現行法規でいく、いや、これは改正しなければならぬものがあるというなら、私はそういう形で国会の方に提出をされていかなければ、ますます港湾を多面的に多角的に利用しようということでしょう。本来の公共施設としての港湾の機能を持ちながら、しかし、多面的に多角的にいろんなことをやろうと、こういうことですから、私はそういう法律について、現行法規なり取り扱い基準なりそういうものについて、やはりこの際は二十一世紀に向けて大きいことをおやりになるなら見直しをされる必要があるというふうに思いますが、どうでしょうか。
  69. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) おっしゃるとおりだと私も思います。先ほどちょっと御説明申し上げましたけれども、この新しいさまざまな要請に対する港湾側の受け取り方、受けとめ方、これにつきまして、確かに現行法制あるいはその他の体系の中でなかなか解釈の難しいものあるいは取り扱えないもの等々出てまいっておるのも現実でございます。したがいまして、先ほどちょっと申し上げましたが、私の局の中でこの新しい事態にどう対応していくかということにつきまして今新しい検討を始めたところでございます。これはさまざまな議題があるわけでございますが、これらにつきまして逐次解決できるものから適用してまいりたいと、そういう考え方で今進めておるところでございます。
  70. 安恒良一

    安恒良一君 港湾整備は、現在は六十一年度から始まりました第七次港湾整備五カ年計画で進められているわけですが、ところが、民活事業がどんどん加わってきましたね。ですから、当初の計画に対して計画のフレームが大きく変化しているのが今の現状ではないかと思う。  そこで、進捗状況はどうなっていますか、この第七次港湾整備計画の今ちょうど三年目に当たりますね。私は、今の状況だったらこれ五年たつのを待っているんじゃなくて、もう見直しが必要じゃないか。当初計画にこれだけ次から次にいろんな民活を含めた事業が加わってきますと、六十一年度から五年ですか、それが終わってから第八次というのをやられるんでしょうが、第七次自体がもう既にちょっと見直さなきゃいけないところに来ているんじゃないかなという感じがしますが、その点はどうですか。
  71. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 第七次港湾整備五カ年計画の進捗についてお答えいたします。  公共事業のベースでいいまして六三%の進捗率でございます。今三年度目を終わったところでございますが、六三%ということでございます。  これからの残された計画をどういうふうにしていくかという案件がございますが、この五月の終わりから六月にかけまして、地方のそれぞれの港湾管理者はどういうふうに考えているかということにつきまして少し事情聴取を行いまして、それらの結果を総合いたしまして、来年度の要求にどういうふうに盛り込んでいくか、見直し等を含めまして検討してまいりたいということでございます。
  72. 安恒良一

    安恒良一君 そこで、私の持ち時間ももう少なくなりましたから、最後にちょっと大臣の決意のほどをお聞きしたいんです。  今までのやりとりをずっと大臣聞いておってわかると思いますが、従来は港湾というのは主として船着き場だと、まあ極端に言いますとね。それが多面的な港湾の空間を活用するという時代になってきています。ですから、私は二十一世紀の港湾のためにはやはり港湾法自体をこの際改正するということが必要じゃないかと思います。そうでないと、まあブームだから資金の受け皿だけとにかくつくっておこう、これでは困るわけです。私は、資金の受け皿をつくられると同時に、新しい情勢に即した制度整備をあわせて行う、こういうことをやらなきゃいけないと思う。国民の大切な資金活用する、これは財政民主主義のためにもそうだと思う。いわゆるNTTの金というのは、国民の大切な金なんですよね、あれは。だからそれを活用するためには、やはり今申し上げたようなことをやる。だから後手に後手に回ってはいけないと思うんです。法律を改正するものは改正する。制度整備するものは整備する。そういう中で、NTTの金が本当に今財政民主主義の建前からいっても国民のために使われる、こういうふうにしていかなきゃならぬと思います。  そういう点について、大臣のお考えを聞いてこの問題に対する質問を終わりたいと思います。
  73. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) おっしゃいますとおり、港湾空間の概念も変わってきましたし、また利用の需要も変わってきているわけでございまして、法律を含めて現行の制度がそういった進歩をブレーキするようでは決してなりませんし、これは必要ならば、そういうものの根本的な見直しをして、健全な港湾の発展に運輸省も力を注いでいきたいと思います。  聞くところ、行革審では、港湾関係する公共事業促進の非常に障害になっている漁業権を見直そうという討論も行われたようでございまして、これは非常に結構なことだと思います。多角的に見直すものは見直しまして、新しい港湾が国民の期待にこたえるように措置していきたいと思っております。     ─────────────
  74. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、田渕哲也君が委員を辞任され、その補欠として橋本孝一郎君が選任されました。     ─────────────
  75. 吉村眞事

    ○吉村眞事君 安恒委員から極めて適切な御質問があって、私がお聞きしたいと思っておったことの大半はもう既にお聞きいただいたような形になっております。  最初に、今回の制度も含めて、難しい、わかりにくい、何がどうなっているのかわからぬという趣旨の御質問があって、それに対してほぼお答えになったんですけれども、もう一度、今回のこのAタイプ事業というものが港湾整備の仕組みの中でどういう位置づけになるのかということを、概括的に説明をしていただきたいと思います。
  76. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) このAタイプ事業につきましては、先ほど来御審議を賜っておりますが、密接に関連いたします事業からの収益によって公共施設工事の貸付金を返していくという仕組みでございます。したがいまして、これは別な面から見ますとそこに事業主体である第三セクターがある、事業を営むという形がそこに必ずあるわけでございまして、それに関連する公共事業整備と。施設そのものは公共施設でございますけれども、密接に関連するという意味でやや一体性を帯びた性格もあるということかと思います。そういたしますと、そこに新しい事業が営まれる形で活性化促進できるという側面もあるわけでございます。  先ほど来御説明申し上げておりますように、造船所跡地の問題であるとか、あるいはコンテナ埠頭の整備の問題であるとか、さまざまな案件にそれを適用していくことによりまして、そういった港湾のある部分活性化あるいは整備促進が行われるということであろうかと思います。そういう意味港湾整備に新しい手だてがそこに生じたというふうに理解しておりまして、そういった制度の特性をよく生かしながらこの事業を進めることが肝要かと、さように考えているところでございます。
  77. 吉村眞事

    ○吉村眞事君 さっき安恒委員の御質問の中でもあったんですが、この公共事業関連事業収益でペイさせていくという考え方、これまた大変難しいだろうと思うんですね。  それで、さっきの御質問の中でも、再度の御質問にもなかなかはっきりしたお答えがなかったわけですけれども公共事業を、その事業を営む同じ人がやっておるほかの事業から入る収益も含めてその収益でペイさせる、こういうお話ですが、どの辺までを密接に関連のあるという見方をされるのか。要するに公共事業に当たる、例えば埠頭を第三セクター整備して、埠頭の貸付料というようなことで収益を上げていけば、これはそのものずばりですから問題はない。それに密接に関連する事業も含めないとなかなかうまくいかないので、少し広くさせたんだというさっきの御説明がありましたけれども、それでは、どの辺までを密接に関連すると言えるのか。非常に狭く解釈すれば、これまたさっきの直接の貸付料でペイさせるのと同じように、なかなかペイさせるのが難しくなるでしょうし、今度は広く解釈すれば、何でもいいのかという話にもなる。どの辺までを密接なというふうにお考えになっているのか。その辺をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  78. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 大変難しい仕切りの問題かと思いますが、一般的に申し上げますと、その第三セクターが本来団体を設立した目的として営む事業に直接的に、まあ密接という言葉は適当かどうかと思いますが、直接的、密接的に関係する範囲のものというふうに考えておるわけでございます。  もうちょっと具体的に申し上げますと、収益事業といたしまして、例えば観光開発の一環としてNTT—A型の事業を導入するというようなことを考えますと、例えば観光船バースであるとか、あるいはその周辺にあります緑地の整備とか、そういったものは従来の公共事業の範囲のものでございますから、これにA型を導入する。その場合に、観光客がこれを利用する、あるいは旅客がこれを利用するというレジャー施設等がそこに付随するような場面を考えておるわけでございますが、そういったレジャー施設あるいは旅客施設などの運営事業。あるいは物流の高度化のためにNTT—A型を導入するというような場合を考えますと、公共岸壁であるとかあるいは臨港道路というものをこのA型で整備するわけでございますが、この場合ですと、例えばその直接の背後にあります物流の関連施設、ターミナル施設等々ございますが、そういったものの運営事業から収益を生んで償還に充てる。まあ直接、密接といいましょうか、そういった形で関連ある範囲というふうに考えておるわけでございます。
  79. 吉村眞事

    ○吉村眞事君 そうしますと、どちらかというと、密接な関連というのはかなり広く解釈をされて、この事業を実施する第三セクターというものがその目的としておる、つまり、第三セクターが行っておる事業であれば大体関連するというふうに解釈をして運用していかれるというふうに感じましたけれども、そういうふうな考え方でよろしいんでしょうか。
  80. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 第三セクターが行います事業内容、活動の内容がございますが、それに関係いたしますいわゆる公共施設の範囲というものがあろうかと思いますが、そういった面で言いますと、まあどう言ったらいいでしょうか、その運営とか活動にかかわります施設というふうに考えますと、やや弾力的に考えなきゃならぬ点かと思います。
  81. 吉村眞事

    ○吉村眞事君 それでは次でございますが、港湾の機能が非常に複雑多岐になって、従来の港湾とはさま変わりな感じになってきたことは、先ほどの安恒委員の御指摘にもあったところでありますが、私も本当にそのとおりだと思います。昔の港湾というのは、いわゆる基本的な施設、埠頭と水域とそれを防護する外郭施設というようなことで、それだけを考えて物を推進していけばほぼ事は終わったと思います。したがって、港湾管理者あるいは港湾の管理という考え方も、そういう基本的な施設を管理運営するということが前提にいろんなことが考えられておった。例えば港湾審議会において審議をされ決定をされている港湾計画にいたしましても、あるいは港湾管理者というものの性格、あるいはそれに対する運輸省の監督指導というときの基本的なスタンスも、そういうことから出発しておったように思うわけであります。  ところが、現在急激に事情が変化をして、港湾空間というものを有効に利用するという観点から、もう従来の港湾の管理というものに考えられておった範囲を相当逸脱するような観点が入れられなければならないというふうになったのが現状だと思います。この点については安恒さんから大変適切な御指摘があったわけですけれども、私も本当にそうだろうと思っておりまして、現在の港湾法体系というものが、港湾管理といいながら、いわゆる狭い意味港湾施設管理というものが念頭にあって、それを管理する主体を決め、そしてそれに対する国のかかわり方というものを決めておる法律だと思いますが、もう少し多角的といいますか、港湾というものをどう考えるべきか。ちょっと言葉は適当じゃないかもしれませんけれども港湾基本法みたいなものが、従来はなくても済んだけれども今後は要るんじゃないかというふうに私も思うわけでありますが、この点について、もう一回運輸省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  82. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 港湾は、従来高度成長というような時代を経て大きな役割を果たしてきたことは皆様御承知のとおりかと思いますが、反面におきまして港湾の役割が、確かに輸送とかあるいは生産とかという面に特化された面が強調された面がございまして、もちろんそういう機能は基本的に港湾性格そのものでございますけれども、さらに地域の生活活動にとりまして、人々の生活活動にとりまして大変重要な場でもあるということでございます。  また、港湾には、当然のこととしてそこに働いている人がいたり、そこを訪れる人がいたりというようなことで、人との関係も常にあるわけでございまして、そういった面から新しい役割を果たさなきゃならぬ、そういうことが新しい港湾の進むべき方向であるというふうに考えていろいろな施策を講じてきているところでございます。  先生お尋ねのとおり、そういった面で見ますと、港湾のある面が強調されておる、その面についての制度は非常によく整っておる面がございますが、その他の面につきましては、ややふぞろい、不備な点もあることも現実でございます。さまざまなそういった新しい時代に対応するにつきまして、新しい港湾の法制度というものをどういうふうに考えていったらいいかということも含めまして、現在、局内に検討のグループを置きまして鋭意検討中でございます。これにつきましては、全く新しい港湾のあり方というものを念頭に置きまして検討をしておる段階でございます。この成果につきましては、適用できるものがあれば逐次適用してまいるというふうに考えて作業をしておるところでございます。その中に港湾法律というものを基本的にどうしていくかということも当然出てまいるというふうに私ども認識しながら作業をしておるというところでございます。
  83. 吉村眞事

    ○吉村眞事君 現在の港湾法を改正するという形もありましょうし、また別の方策もありましょうけれども、ぜひ抜本的な対応を早くやっていただけるようにお願いをしたいと思います。  非常に多様な港湾に対するニーズということをさっき申し上げましたけれども、そのニーズの一つに、今まで割合なかった問題ですけれども、ヘリポートの問題があるのじゃないかと私は常々思っております。現在、四全総あるいはほかのいろんな場面でコミューター航空あるいはヘリコプターによる近距離の航空輸送というものが大変脚光を浴びておるわけであります。  しかし、コミューターの問題はこれはちょっとおきまして、日本の場合、いわゆるヘリコミューターとも言われておりますけれども、ヘリコプターを利用した、都市近郊が主体になるような非常に小回りのきいた近距離の輸送というのが大きな意味を持ってくると思うわけであります。特に東京、大阪なんかではそういう問題が非常に脚光を浴びておりますが、ヘリコプターのためのヘリポートをつくるというようなことは、都会地ではやはりなかなか適地が見つからないというような問題があろうかと思います。そういうことを考えますと、いわゆる港湾の場というのは、港湾の空間というのは、ほぼ例外なく都市地域港湾はあるわけですから、都市におけるそういう問題を考えるときの、唯一のとは言いませんけれども、非常に有効な場所だというふうに思うわけであります。  そういうことを考えてまいりますと、港湾計画をするときに、港湾の機能の中にこういったヘリポートあるいはヘリコミューターの基地に関連したいろんな機能、そういうものを加えて考えていくということが今の都市が抱えておる問題を解決するのに非常に有効ではないかというふうに思います。しかし、さっきも申し上げたように、今までの港湾ではなかなかそういう対応が念頭にはなかったように思うわけでありますが、今後の問題として、港湾計画をし、港湾の空間利用を考えるときにそういうものを導入をしていかれるおつもりがあるかどうかをちょっと伺っておきたいと思います。
  84. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) お尋ねのとおり、港湾は一般の市街地の中心部といいましょうか、そういったところに位置しているというような、場所的な有利性のほかに、比較的高層の建築物が少ないとか、あるいは利用可能な公共用地の確保ができるとか、あるいは新しく利用できる水域も多いというようなことから、ヘリポートとしての適地という面から見ましても適地性を備えているというふうに考えるわけでございます。  従来、港湾は主として船舶を対象にした計画でございますが、先ほど来申し上げておりますように、港湾空間が物流、産業、生活にかかわる総合的な面で新しい姿に生まれ変わっていくというふうなことを考えますと、交通アクセス体系というものもヘリコプターなどを含めまして考えていく時代に来たのではないかというふうに考えておるわけでございます。現在既に一部の港湾ではヘリポートの設置もされているところがありますが、そういった面で港湾がヘリポートの整備に役に立つということであるならば、大いにそれにこたえてまいりたいというふうに考えておるところでございます。  いずれにいたしましても、港湾管理者におきましてその地域のニーズというものも的確に把握していただいて計画の中で提案していただければ積極的に対応してまいるというつもりでおるところでございます。
  85. 吉村眞事

    ○吉村眞事君 まあ諸外国でもいわゆる港湾の管理者、ポートオーソリティーが空港あるいはヘリポートを管理、建設をするという例は非常に多いわけでありますから、先ほど触れました港湾管理の将来像の中でそういうことが可能になるような方向も含めて検討をしていただきたいと思います。  最後に、運輸大臣はヨットマンでもいらっしゃるし、港湾のよき理解者でもありますから、先ほど来申し上げました港湾の抜本的な将来像をつくっていくためにぜひ御協力をいただきますようにお願いを申し上げて質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  86. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  87. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、港湾法の一部を改正する法律案を議題とし質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  88. 中野明

    中野明君 運輸省にお尋ねをしますが、最初に、港湾の再開発ブームというんですか、いわゆるウオーターフロントということで、港湾が国民の関心を集めていることは事実でございます。運輸省も二十一世紀の港湾という新しい観点での港湾整備に乗り出そうとされておりますが、この基本的な考え方を改めてお述べ願いたいと思います。
  89. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 二十一世紀に向かいまして、我が国の経済社会というものが国際化あるいは情報化というようなことで成熟していく中にあるということでございます。その中で、ウオーターフロントに対する要請もまた多様化しておる現状にございます。  このウオーターフロントは、広い意味では物流の空間であるとかあるいは産業の空間、それに加えまして、市民が憩い楽しむ生活の空間とでも言いましょうか、そういった空間として多様な利用の可能性を有しておるわけでございます。こういった地域のちょうど前面に位置する港湾といたしましては、こうしたウオーターフロントの特性というものを最大限に生かすことによって、地域要請に応じ、多様な機能を積極的に整備していくことによりまして、その地域性を持った個性豊かな環境づくりが進められていくというふうに考えておりまして、そういったことに対する施策を強力に進めていくべきである、さように考えておるところでございます。
  90. 中野明

    中野明君 そこで、港湾法の一部改正ということで法案が出されておるわけですが、昨年のいわゆるNTTのB型、C型の資金に次いで、今回はA型、収益回収型の資金が使われる、こういうことでございます。そこで、港湾法の一部改正の仕組みについて、けさほど来適切な質問があったわけですが、若干確認をしながら政府考えを伺っていきたい、このように考えます。  そこでまず、港湾整備事業という公共事業に対して、NTTのA型を使って港湾施設整備を行う、このA型の無利子貸付金収益回収型ということですから、港湾整備に密接に関連する収益施設をつくって、そこから上がる収益金をもって無利子貸付金の償還に充てる、こういうふうに理解をしてよろしいですか。
  91. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 収益回収型ということでございますので、その収益を生む事業と密接に関連する公共事業として計画され、運営される必要があります。したがいまして、お尋ねのとおり、この収益を生む部分、これを備えた事業一体となった事業とでも申しますか、そういった事業性格がありますが、この事業を行う主体を第三セクターとしておるわけでございまして、仕組みといたしましては、お尋ねのとおりの仕組みで動くものでございます。
  92. 中野明

    中野明君 そうしますと、港湾整備事業は、NTTのA型を使った公共事業と、従来行われてきた通常の公共事業と、さらに昨年の補正予算からB型が入って、まあ補助金償還型ですね、これが行われるわけなんですが、公共事業としての港湾整備事業というのは、三種類の資金の使い方でできるということに解釈してよろしいですか。
  93. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 三種類という意味をちょっと私正確にとらまえておらないかもしれませんが、第一は従来型の一般の補助あるいは負担金による整備の仕方。第二がいわゆるNTTーBタイプによる整備の仕方。これは貸付金ではございますが償還の原資を別途補助金で補充するというものでございます。それから今御審議いただいておりますAタイプによる償還型の貸付金による。こういう三種類で進められる、大まかにはそういうことになろうかと思います。
  94. 中野明

    中野明君 そうすると、この三つやり方というのは、港湾整備においてそれぞれ別個に行われる場合もあるし、両者が一体で進められる場合もあると、このように考えてよろしいですか。
  95. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 一つ港湾の単位で申し上げますと、お尋ねのとおりこの三種類の資金によって公共施設整備されるという場合があり得るわけでございます。
  96. 中野明

    中野明君 そうしますと、B型の場合は港湾おのおのの補助率に基づいて国費が交付されておりますけれども、A型の場合はどういう基準で資金の貸し付けが行われるのか。その辺はどう考えたらよろしいですか。
  97. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) このAタイプによる事業も、対象になる施設公共施設でございまして、その公共施設整備に要する費用の一部を無利子で貸し付けるということでございますが、その貸し付ける率はBタイプの場合と全く同様、もう少し言いかえますと一般の補助事業等と同様の率を適用することにしてございます。
  98. 中野明

    中野明君 それでは具体的に伺いますけれども、A型の貸付対象機関は、地方公共団体の出資を含めた第三セクターということになっておりますが、大体どの程度地方公共団体が出資をしたら、第三セクターとして認められるのか、その辺はどうなんですか。
  99. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) このAタイプの貸付対象者は第三セクターでございますが、これは、地方公共団体の出資の割合につきましては、現在特段に制限を考えていないところでございます。この第三セクター事業内容であるとか、あるいは事業性格などに応じまして、それぞれ個別に定められる性格のものかと考えておるところでございます。
  100. 中野明

    中野明君 そうすると、極端な場合でいうと、地方公共団体が名前だけ出して十分の一ぐらいの出資だけでも、そういうような第三セクターでも構わぬということですか。
  101. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 目的的に名前だけ出すということがいいか悪いかという議論があろうかと思いますが、まあ仮に、十分の一の出資で第三セクターの運営が内容的に、あるいは性格的にうまくいくというようなものであるならば、それはそれで成り立ち得ることかと存じます。
  102. 中野明

    中野明君 そうしますと、この第三セクターというのは、港湾管理者等の行う港湾整備、つまり泊地、防波堤、岸壁、護岸、桟橋、道路、駐車場等の工事とは別に、あるいはその一部を分担して行うということに考えてよろしいですか。
  103. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) この第三セクターの設立の目的である事業内容につきまして、それに密接に関連いたします公共事業——ちょっと説明が逆でございますが、それに関係いたします公共事業を第三セクター一体として施行するという形になろうかと思います。ただし、この貸し付ける対象になる部分公共施設部分だけでございまして、そういう意味では、資金的には公共施設と第三セクターの本来の事業目的である資産との関係ははっきり分かれた形で施行されるわけでございますが、事業主体は第三セクターが行うということになるわけでございます。
  104. 中野明

    中野明君 もう一度確認をしておきますけれども、第三セクターは、A型の無利子貸付金と自己資金をもって港湾施設整備を行うと、このようになるわけですね。その辺どうでしょうか。
  105. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 公共施設部分につきましては、そのとおりでございます。
  106. 中野明

    中野明君 一方これと一体として収益施設がつくられる、これは自己資金だけでつくって、A型の貸付対象ではないんですね。
  107. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) その公共施設以外の、第三セクターの本来の資産に係るものは、Aタイプの貸付対象にはならないのでございます。公共施設に限られるということでございます。
  108. 中野明

    中野明君 つまり、A型の無利子貸付金というのは、港湾施設整備だけに使われてですね、公共事業の。収益回収施設は自己調達資金でつくる。そしてこの無利子貸付金の償還は、自己資金でつくった収益施設収益で返していく、こういうことになるわけですね。
  109. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) そういう仕組みでございます。ただ、第三セクターが別途行う施設につきましての支援措置というのは、これは施設の種類等によりましてそれぞれ別途の手当てがございますが、そのことを別にいたしますと、おっしゃるとおりでございます。
  110. 中野明

    中野明君 そこで、第一の問題として私も心配をするのは、結局、収益施設が有効に機能できる条件がA型推進のかぎになってくる、こう思うわけなんですが、運輸省としてどんなものを想定しておられるんですか。この収益施設というものについて、どういうことをお考えになっているんですか。
  111. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 収益事業として現在考えておりますものは、例えば、観光開発の一環としてこの事業を行う場合には、NTT—Aの事業で、いわゆる公共事業で行うものが例えば観光船用の岸壁であるとかあるいはその周辺に付随いたします緑地の整備などがこの対象になるわけでございます。それに第三セクターの本来の事業として営まれるものは、例えば観光客が利用するレジャー施設などの運営事業などがあるわけでございます。また、物流の高度化に対応するというような事業でございますと、NTT—Aの事業によりまして、公共の岸壁であるとかあるいは臨港道路を整備する場合も考えられますが、その場合に、そういった公共施設の背後にあります物流関連施設、例えば貨物ターミナルの運営事業等が想定されるわけでございます。
  112. 中野明

    中野明君 そこで、一点だけ確認をしながらお尋ねもしたいんですが、けさほどの答弁の中で、A型を使用してやる場合に、臨海の活性化事業と、それから東京とか横浜とか、いわゆる大都市周辺の問題の二点、こうお考えを述べておられたんですが、どうしてもこの法案の性質、そしてまたこのお金の性質からいって、やはり大都会周辺よりも地方の港湾の対象ですね、造船とか鉄鋼とか、けさほど答えておられましたけれども。そういうことに重点を置かれてのお考えじゃないかと、私はこういうように解釈をしておるんです。というのは、無利子で貸し付けられるわけですからね。大都会周辺はこれはもうどうしても資金力はあるわけですから、そういう点では、どちらかというと今回のA型の資金の使い道というのは、そういう不況地域とかあるいは郡部の、いわゆる地方の港湾整備に使う方が一番好ましいと、このように私は思うんですが、その点はどうお考えになっていますか。
  113. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) このAタイプによります公共施設整備につきましては、やはり直接的にはこれによりまして港湾の公共資産の増大を図るということでございまして、そのことによりまして例えば現下の内需拡大策にも資するというようなことにはなるわけでございますが、そういった港湾資産の増大に資するという観点からする事業でございます。ただその場合に、無利子の貸付金でございますから、これを有効に生かして使うという観点からしまして、地方におきます活性化のために役に立つならばそれは大いに事業を伸ばしてまいりたいというようなことに相なるわけでございます。  いずれにいたしましても、この収益によって返還するという、こういった内容でございますから、事業内容をきちっとして組み立てていかなきゃならぬ、計画をきちっと立てて最初からうまくいくように計画を進めていかなきゃいかぬということだと思いますから、そういう意味であくまでやはりこの事業の主体、第三セクターでございますが、事業主体からの提案というものは第一義に考えなきゃならぬことかと思っておるわけでございます。  今申し上げましたように、地方におきますこの種の事業の難しい点もあろうかと思いますが、その点につきましては、例えば一般の公共事業の重点配分というような形でこういった事業推進にも役に立つように支援をしてまいるというようなことを含めまして、地方でもこういうことが成り立つように支援してまいりたい、かように考えているところでございます。
  114. 中野明

    中野明君 A型の今の二つの場合、運輸省としてはどちらに重点を置いて今後やっていこうとお考えになっているのか、もう一度お願いします。
  115. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 先ほど申し上げましたように、やはりこの提案に基づくことを基本にいたしたいと思っておりますが、今申し上げましたように、港湾が抱えております大きな問題の一つに、いわゆる重厚長大型産業の衰退によります港湾の不活性化している地域がございます。そういうところに関しましてこれを活性化していくということは私どもの大きな政策の柱の一つでございますから、そういう意味では、そういう点にも重点を置いて進めてまいりたいと思っているところでございます。
  116. 中野明

    中野明君 いずれにしても、けさほどから質疑がありましたように、四十億程度ですから金額もそんなに大したものじゃありませんので、重点をやはり地方に置くべきじゃないかというふうに私は考えておるわけですが、しかし回収ということがありますので、その点、ちょっと矛盾というんですか、難しい点があるなと、このように私なりに考えておるわけですので、地方の第三セクターがちゃんとできて、そして見通しが立てば、極力重点的に地方に配分をするというんですか、割り当てていった方がよろしいんじゃないか、このように思います。  それで、でき上がった港湾施設収益施設の所有権あるいは管理権、これがどうなるのか。港湾管理者の行った港湾施設の所有権とが混在してしまうということになると困るので、この所有権、管理権といったものの帰属はどういうふうに整理されるのか、その点をお伺いしておきます。
  117. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) このAタイプによる事業につきましては、でき上がりますとその公共施設港湾管理者に帰属されることになるわけでございます。事業の開始に当たりましてあらかじめ港湾管理者の同意を得て始めるということもございますが、いずれにいたしましても、でき上がりますと港湾管理者の帰属になるということでございますので、一般の公共施設港湾管理者が抱えております他の公共施設と同様の管理の形態になるわけでございます。したがいまして、公共施設に関しましては特段に管理上の混乱というのは起こらないものではないかと思っておる次第でございます。
  118. 中野明

    中野明君 そうしますと、民間企業の出資を仰いで地方公共団体を核とする第三セクター整備をした港湾施設、これが完成した後は、所有権、管理権は港湾管理者に移転する。それで第三セクターみずからが収益施設だけを保有してA型の無利子貸付金を返していく、こういうことになるとしますと、出資をしている立場から見て余りにもメリットがないんじゃないかと、そのように心配をするわけですが、その点はどうお考えになっていますか。
  119. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) この公共事業公共施設は、第三セクターが運営する事業と密接に関係があることになるわけでございまして、そういう意味では第三セクターの運営そのものに非常に、効率を上げたり運営を円滑にしたりという意味で大変役に立つ施設として整備されることになるわけでございます。したがいまして、公共施設が管理者に帰属するわけではございますけれども、その施設を利用する者が別途おりまして、第三セクターの運営する事業にもプラスになるような施設が逆にこのA型の対象事業として採択されていくというようなことになるわけでございますから、結果的に言ってもメリットがないということにはならないのではないかと思っておるところでございます。
  120. 中野明

    中野明君 もう一度整理をしてお伺いをしますと、結局、港湾整備事業、これは管理者になるわけですね、港湾管理者の持ち分になって、収益事業は第三セクターの所有ということになって、それで、つくった全体の貸し付けられたお金をこの収益事業収益で国に返していく、こういう仕組みになるわけでしょう。ですから、港湾整備事業を、どう言うんですかね、この収益で賄うというんですから、ちょっと難しいんじゃないかな、そういうようなことの該当するところというのはごく限られた地域しかできないんじゃないかなという感じを受けるんですがね。その点、メリットが少ないというニュアンスで物を言っているわけなんですが、どうなんでしょうね。公共事業も一緒に借りた金でやって、それで返すのは収益事業で返していくというのが、果たしてうまくいくんだろうかという心配をしてお尋ねをしているわけなんですが、もう一度。
  121. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) もう少し具体的に状況説明を申し上げてお答えすればおわかりになるかと思いますが、例えば、観光船バースとかあるいはその周辺に緑地を配置するというような事業、これは公共事業の対象になるわけでございますが、そういったものをこのA型によって整備することによりまして、そこを利用する観光客がふえたり利便が増進したりというようなことになるわけでございます。一方におきまして、その背後に第三セクターがレジャー施設などを整備する、あるいはターミナル施設などを整備するというようなことになりますと、その施設の集客力とでもいいましょうか、あるいは客に対するサービスの提供というようなものもやりやすくなるというようなこともあろうかと思います。そういったことによって第三セクター収益性の向上も見込めるといったようなメリットは想定されるわけでございます。  また、大型係留施設整備するような場合のことを考えますと、その直背後に荷さばき施設であるとかあるいは保管施設、駐車場などを第三セクター整備し運営するというような場合が考えられるわけでございますが、そういう場合は、総体としては大変能率のよいターミナル機能を発揮できるというようなことになるわけでございますし、またそのことによって、先ほど申し上げました第三セクターの所有するさまざまな施設の利用度も上がるというようなこともあろうかと思うわけであります。  そういった観点でメリットが生じ、それによってA型の償還に充ててもなおメリットがあるというような事業になるのではないかと思うわけでございます。例えて申し上げておりますから、まだほかのいろいろなケースが考えられますけれども、そういったような結びつきで償還との関係がうまくいくのではないかと思っておるわけでございます。
  122. 中野明

    中野明君 今説明を聞いていますと、何か大都市周辺に限るような感じがしてならぬのですけれども、そうすると、この収益回収型の港湾整備の行える要件を有する港湾というのは極めて限定されてくるんじゃないかというふうに思うんですが、それでも本改正案を運輸省が提案した背景というものは、幾つか名のりを上げているところがあるからだと思うんですけれども、けさほどの議論で釜石相生という二カ所が名前が挙がっておりますけれども、そのほかに具体的に名のりを上げているというんですか、挙げそうなというんですか、そういうところはあるんですか。
  123. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 先ほど相生釜石その他の港の名前を申し上げたわけでございますが、これらの港は六十三年度の事業予定しているところを申し上げたわけでございまして、私の方で別途各地区におきます構想などをお伺いしておるわけでございますが、現段階で四十港、七十カ所、これは大都市ばかりじゃございません、地方も含めまして四十港、七十カ所ぐらいのプロジェクトの提案がこれからなされてくるものと考えておるわけでございます。  これは全国にまたがって分布しておりまして、内容をまだしかと確かめておりませんけれども、それぞれ地域の特性、例えば観光地なら観光地の特性というものをよく生かして計画がなされるというようなことのようでございますから、それぞれの地域の特性をもって特色あるプロジェクトが生まれてくるもの、またそのことによってそのプロジェクトが成り立ち得るというようなことではなかろうかと思っておるところでございます。
  124. 中野明

    中野明君 何か四十港とかいうてえらい大層なことをおっしゃっているんですが、私は、この釜石相生の六十三年度の要求ですね、地元の方からもそういう声が上がっているというんですが、この二カ所でもなかなか難しいんじゃないか。今説明されたように、大型観光船のバースとかなんとかいうようなことはこういう地域では全然向かぬでしょう。釜石は結局新日鉄の関係でしょうし、相生は石川島播磨の企業城下町ですから、合理化で大変苦しんでいるということは事実でございますが、この第三セクターの出資を考えますと、県・市のほかに新日鉄とか石川島播磨からの出資があると思われるんですが、この点はどうでしょう。
  125. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 現在まだ、お尋ねの港についての第三セクターはできておりませんけれども、したがいまして内容は必ずしも明確でないのでございますが、今おっしゃいましたようなところが出資者になるということは当然あり得るわけでございます。また、地域のいろいろな方の協力を得ないとまたこういったものがなし遂げられないということもございますので、私どもといたしましては、そういった関係者の御協力も大いに期待したいところでございます。
  126. 中野明

    中野明君 しかし、この今名前の挙がっておる二つ地域でやるにしても、それほど魅力あるような収益事業が行われるような感じは私は受けぬわけです。というのは、都市の規模等から見ても、集客能力というんですか、お客が集まってくるという能力は高くないし、こうしたところに第三セクターを設立して、港湾整備収益事業の両またをかけることのねらいというのはどういうふうに受けとめておられますか。なかなか収益だけで返していくことは、ちょっとしんどいんじゃないかという気がするんですが、この点についてのねらいはどう受けとめておられますか。
  127. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) この第三セクターの行う事業の中で、公共施設に対する事業の割合がどのぐらいになるかということにつきましては、それぞれの事業内容によりまして千差万別というようなことになるわけでございますが、私どもが今承知している範囲で申し上げますと、地方のこういった事業に関しましては、やはり公共施設整備に対する負担の能力といいましょうか、まあ確かに過大な負担はできないというような点がございます。また、都会の大都市港湾につきましては、それとまた違った観点でそれなりの公共施設への負担能力があるというようなことがあろうかと思います。そういった負担能力の点から見ましても、それぞれの特色のある事業に、事業といいますか、事業内容になろうかと思います。その点、事業の組み立て方につきまして、公共の施設による支援のあり方というものを十分配慮いたしましてこの事業が成り立っていくように進めてまいりたいと思っているところでございます。  なお具体的には、間もなく具体的な計画につきまして私の方でもお聞きするということになろうかと思います。
  128. 中野明

    中野明君 地方公共団体出資の第三セクターが、港湾整備とともに一方で収益回収事業をやる。それで造船とか鉄鋼の雇用吸収に資するということに一つのねらいもあると思うんですけれども、それはそれで非常に意味のあることで結構なんですけれども、そうすると逆に、収益回収事業はうまくいかないんじゃないか。そしてA型資金の返済が困難になった場合に、地方公共団体がすべて資金繰りをしなきゃならぬのじゃないか、そういう心配があるわけなんですが、この点についてはどうお考えになっていますか。国がその手助けをするような用意を考えておられるのかどうか。その辺どうでしょうか。
  129. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 基本的には、この事業の開始に当たりまして、将来にわたる経営の内容を十分検討いたしまして、間違いの起こらないようにしてまいりたいということでございます。  なお、この貸し付けに当たりましては、担保あるいは債権の保全についての一定の保証を求めるというようなことを予定しておりますので、その面から特段に資金の回収上の問題というのはなかろうかなというふうに考えております。
  130. 中野明

    中野明君 そうしますとね、どうもこの相生とか釜石ですか、そういうところはこれとても無理じゃないかなという感じをお話を聞いておって受けるけれども、それはこの計画とか将来の構想とかによって違ってくるかもしれませんけれども、ちょっと収益回収事業で返すということは、恐らく国の方も許可をするということに難色を示すんじゃないかなという感じを私受けておるんですがね。  その点は、結局このA型の資金というもの、わずか四十億のお金、これどういうふうに大蔵省の方で割り当てをしたのか、こっちの方から申請をしたのか。その辺もけさほどの議論で、何か下から申請をさせたけれども、余り申請がなかったとかいうような大蔵省の答えもありましたが、これちょっと無理があるんじゃないか。そうすると、結局無利子のお金が一番有効に使われるというのは大都会周辺の、東京とか横浜とか大阪とかそういうところに使われてしまうんじゃないかなという心配をしているわけなんです。  ですから、お尋ねしたように、二つの使い方があるんだけれども、重点はやっぱり地方にやってもらいたいという気持ちは我々持っているんですけれども、さあ地方に持っていこうとすると、収益回収型ですから回収がなかなか難しいんじゃないか。そうすると結局、目標というのか趣旨は非常に結構なんですけれども、結論として、無利子の有利なお金が回収のいい大都会に流れてしまうんじゃないかという心配をしているわけですよ。  その辺もう一度、この趣旨がそういうところにあるんでしたら、地方に優先的に配分をし、また計画もそのような援助をできるような、計画が成り立つような援助というか、指導をしていかないと、とてもこれは無理じゃないかなという心配をしているんですが、どうでしょうか。
  131. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 計画をつくる段階で、十分慎重な検討をした上でこれが動き出していくべきものと思っております。そのために、計画段階でのNTTの株式売り払い収益活用以外のいろいろな支援措置もありまして、そういった支援措置が第三セクターの行うプロジェクトあるいは事業にどういうふうに効果あらしめていけばいいのかということを総合的に考えまして、いい計画にして進めるということが必要かと思います。そのためにいろいろなノーハウを集めて計画をまとめなきゃいかぬわけでございますが、その点につきましての私どもの指導というものも怠りなくやっていきたいと、こういうふうに考えているわけでございます。  なお、地方におきます事業推進というのは、地域活性化のために役に立つという観点から、これがやはり目的どおり動くように、さまざまな支援措置、例えば公共事業の重点配分のようなものは当然考えなきゃいかぬかな、こういうことで、全体としてこの事業が成り立つように支援してまいりたいと思っておるところでございます。
  132. 中野明

    中野明君 最後に大臣にお尋ねしますけれども、結局、これはこれで無利子のお金が入ってくるんですから結構なんですけれども、不況地域では、できるだけ公的資金を使って地域の再活性化港湾整備を行う必要がある、これはもう当然だと思います。だから、この種のもの、こういう地域にはやはり、民活で官のかわりに民が出てくるような大都市はともかくとして、地方では、とても民活でというようなことはできません。ですから私は、A型も結構です、結構ですけれども、やはりB型で地方の港湾整備を素早く行えるような工夫をしてもらわないと困ると、こう思うんですが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  133. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) 御懸念は非常に私にもよくわかるんですけれども相生にしろ釜石にしろ、既に港の施設はあるわけでありまして、それにさらにB型で公共事業を起こして港を整備しても、やっている最中はにぎわうかもしれませんけれども、終わってしまったら、構造不況で町そのものが衰退しているわけですから、客が来るわけはないのでして、それにプラス、つまり創意を凝らしてお客を引っ張ってこれるような事業がそこで起こせるならばそれを手助けをしようということでA型というものを講じたわけでございまして、卵が先になるか鶏が先になるかわかりませんけれども、近くに人口の稠密なヒンターランドがよしんばないにしても、例えば仮に常磐ハワイアンセンターのようなああいうものが要するに港のそばにできたとすればある程度の吸引力にもなるわけでありまして、そこら辺はやっぱりその地方色というものを生かした計画の問題だと思うんです。
  134. 中野明

    中野明君 ただ相生とか釜石とかいう地域だけじゃなしに、地方の港湾整備というのはやはりB型で重点的にやられぬと、これはちょっと無理じゃないかなという感じを私は受けているわけです、A型というのは。ですから、そのことをお答えいただきたいなと思ってお尋ねしているわけですが、もう一度御答弁をいただきたい。
  135. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) ですから、申し出をしていらっしゃる方々は、やっぱりそれなりに自信を持って計画を練っていらっしゃるんだと思うんですね。ただ、今のままでB型の、要するに公共の施設だけをさらに加えてつくっても先行きはないわけでありますから、それに吸引力のあるA型の収益事業というものを加えようということでこれを講じたわけでありまして、確かに場所によっては構造不況が来て、周りにそれほど大都市がないような地方でお客がなかなか望むべくもないという懸念は私は確かにあると思いますけれども、それでもなお、つまりただ孤立して廃れていくよりも、何か一つ新しい活力を設けようということで地域の方々が工夫をしていただく、そのお手助けができればということでございまして、そういうふうに御理解いただきたいと思います。
  136. 中野明

    中野明君 それじゃ、時間もありませんので一点だけ聞いておきたいんですが、長年の懸案でありましたけれども高知新港がようやく着工になったわけですが、この高知新港の整備について、本四架橋もできまして、そして横断道路も縦貫道路もこれから着実に整備されていって、港というのが相当大きな役割を果たすと、このように私たちも期待をかけているわけですが、第七次港湾整備五カ年計画の中でどのように取り扱われて実行されようとしておるのか、その概要と今後の見通し、そして実際に、どう言うんですか、早くやるということが先決問題なんで、一部でも活用が早くできるようなそういう方途でお考えになっているのかどうか。その辺を含めて御答弁いただきたい。
  137. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 高知新港につきましては、今年度から本格的に現地に着手できるようになったというふうに聞いております。第七次港湾整備事業港湾整備五カ年計画におきましても、重点港としての整備を進めていくということでございまして、直轄事業、補助事業合わせまして百三十二億円を計上しているところでございます。六十三年度におきましては十七億五千万ということを予定しておりますが、六十四年以降におきましても五カ年計画に基づいて積極的に整備促進していく所存でございます。  なお、この港につきましては、今お尋ねのとおり、港湾管理者である高知県を初めといたしまして、地元におきましては六十年代後半にも第一船が入港できるようにしたいという要望が強いことは承知しているわけでございます。ただ、全体事業費が完成までには五百億を超えるというようなプロジェクトでございますから、完成を待っていては供用が先に延びてしまうわけでございます。これを工夫を凝らしまして、段階的に使えるようにというような工夫を行って事業を進める必要があろうかと思っているわけでございます。この点、技術的な面もございますが、港湾管理者の高知県を初めといたしまして関係者一同知恵を絞りながら事業推進に当たっているところでございます。  第一船が入港できるようにしたいという希望に関しましては、できるだけかなえてあげるようにと思って、私どもも努力をしてまいるつもりでございます。
  138. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 このたびの港湾法改正というのを見ますと、これは、従来は補助事業としてやってきた仕事をNTT—A型の無利子貸付制度で行うものだと言えると思います。しかし、その貸付金返還のために収益事業というものを組み込んできているわけです。なぜこの収益事業を組み込んだ制度を導入したか。その理由について、一つは厳しい財政状況二つは内需拡大、三つ地域活性化というような緊急の課題があると言われているわけです。これらも確かに緊急の課題なんですけれども、これを真に解決しようとするならば、従来型の大型大企業中心の公共事業ではなくて、いつも私ども言っております地域密着型の、地域業者も入り、地域業者がむしろ中心となる公共事業でなければこれらは解決できない。そういう意味で、今度の改正というものは、公共事業の今までのあり方そのものを変質させる大きな問題をはらんでいると言えると思うのです。  まず最初に伺いますけれどもNTTAタイプ、従来の補助事業がその対象となるのでございましょうか。公共事業、補助事業が対象となるんですか。
  139. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 従来の港湾法に基づきますいわゆる公共事業がこの対象になるわけでございます。補助事業それから直轄事業を問わず公共事業が対象になるということでございます。
  140. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 その貸付額というのは、補助金の見合い分か、それとも全額が対象になるのか。いかがですか。
  141. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 従来、補助金の場合ですと一定の割合で国費が入るわけでございますが、その一定の割合の国費に相当する部分がこのA型によって充当されるということでございます。
  142. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 そうしますと、事業をやる、そして補助金のところが貸し付けられる。しかし、不足の事業費というものはどういうふうに出さなきゃならないんでしょうか。
  143. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) これは、事業主体であります第三セクターが負担をするということになります。
  144. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 そういたしますと、自治体というものは、従来どおり裏負担をするということには変わりございませんよね。今までと違うのは、補助事業だった、今度はNTTAタイプ、貸付分は返還していかなければならないと、こうなるわけです。  それで、第三セクターといっても自治体を含んでいるわけですから当然自治体がかかわっていくことになっていきますね。本来国の補助だから、今までなら補助でいただいたから返す心配がなかった仕事ね。補助事業で、返す心配なかったですね、今までは。それを今度は返さなきゃならないということで、自治体が重い責任を持たなきゃならないというやり方だと言わざるを得ないんだけれども、いかがお考えですか。
  145. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) この事業Aタイプで貸し付けた部分の償還は、第三セクターが別途行う収益事業によって充当するということになるわけでございますので、いわゆる自治体への負担というようなこと——ちょっと私質問の意味を取り違えているかもしれませんが、いわゆる自治体への直接の負担にはならないのではないか。第三セクターが第一義的な償還の責任者になるわけでございます。当事者になるわけでございます。
  146. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 確かに直接はそうだと思う。だけど、第三セクターの中に自治体というのが当然入らなきゃならないわけですよね。そうしますと、自治体の負担というものが重くなると私は言っている。そのとおりだと思うんですよね。
  147. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 第三セクターが行う事業は、例えば地域活性化などを目的にして行われるわけでございます。そういった地域的な役割の中で行われるわけでございまして、その中におきます公共的な事業ということに相なるわけでございます。したがいまして、この事業主体といたしましては、当該事業の公共的性格にかんがみまして、やはり公共団体が入っておる第三セクター事業主体になることが適当であるというふうに考えておるわけでございます。  そういう意味ではこの第三セクターの行う事業が地方公共団体の目的、地域活性化とか地域の振興という自治体が本来目指しております目的と同一のものというような観点があろうかと思います。そのために、自治体が第三セクター事業に関しまして出資等によりまして一定の負担をするのは、これはやむを得ないといいましょうか当然といいましょうか、そういった役割から考えまして、自治体の役割もやはりある意味でここに加味されてしかるべきではないかというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、これはあくまで第三セクターに対する地方自治体の出資という一定の負担の範囲でございまして、その範囲では確かに重くなるという見方もございますが、ある一面では、自治体の一つの行政の目的にも沿っているという観点からすれば、しかるべき負担かなというふうに感じておるわけでございます。
  148. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 いろいろおっしゃいましたけれども収益を上げなきゃならない。第三セクターがそれをやらなきゃならない。その第三セクターの中には自治体が入っているということになりますから、結局簡単に言えば、回り回ってくるみたいだけど、収益事業というのが自治体にとっては新しい仕事として、私に言わせれば余計な仕事が加わると言わざるを得ないんですよね。  そこで、先ほどからいろいろ言われているけれども、その収益事業が順調にいって利益が上がった場合はいいんですわ。利益を上げるように一生懸命努力します、注意して指導しますとおっしゃったけれども、うまくいくときは利益が上がるでしょう、だけど、失敗したときにはどうなるんだ。それで、失敗したときに——さっき回収は心配ないとおっしゃいましたね。なぜなら、国は担保、保証、債権保全などすべて回収すると、こうおっしゃるわけでしょう。そうすると、国は回収しちゃう。そして事業は失敗しちゃった。それの責任を持っていくところといったら、だれだといったら第三セクター。その中でやっぱり自治体というのがそれかぶらなきゃならないんですよね。だから、先ほどからみんなおっしゃっているように、いろいろ事業をやって、うまくいくのかどうか心配。そしてその心配も、最終的に国は回収すると言うけれども、回収できなくてだれが最後になるかといったら、自治体が負担をしょわなきゃならないということになるのでございますよね。間違っていませんでしょう。——いや、評価は別にしてそうなるんです。
  149. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 第三セクターが、その事業目的がかなり公益性を帯びた事業ということもございまして、これがうまくいかないような事業としてスタートすることは、まずこれはできない話でございまして、そういう意味で、私どももうまくいかないということのないようなしかるべき支援もしていかなきゃいかぬ、それからいろんな面で指導もしていかなきゃいかぬということかと存じます。
  150. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 失敗するのがわかっていてやるなんていうばかはいないですよね。失敗しないように一生懸命努力して、指導して、チェックしていきますと。だけど最終的に失敗したら、それは結局自治体負担になって大変ですよと、先ほどからみんな議員さんおっしゃった。私もそのことを強調してここでまた言わなければならないわけです。  次に、国が補助事業で今までやっていた、大体国の責任でやらなきゃならないという問題、それを抜きにしちゃって、NTTAタイプでお金を出して仕事をさせる、そして返還させると、こういうことですね。すなわち、本来国がやるべきことを合理化している。ある意味では国は腹を痛めないで、そして厳しい財政とか地域活性化とか言って、一方では自治体に負担、責任を負わせていくということを考える、何を言っているんだと言いたくなる問題なんです。これは公共事業というその性格、補助制度を崩す問題につながっていくという指摘をせざるを得ないんです。  この法改正によって対象になる二つ事業がございますね。公共埠頭整備事業臨海部活性化事業というのがあるわけなんですけれども公共埠頭事業というのは一体何だというと、外国貿易のコンテナ貨物などがどんどん今ふえて緊急にそういう大きな埠頭が必要だということが今の実態の問題なんです。臨海部活性化事業というのは、先ほどから出ております、造船、鉄鋼、木材など大手企業が所有する遊休化した土地の転換を図ると、こういうものです。言えば、どっちも大企業が困っている、欲しいというものを、埠頭をつくってやる、もてあましているものを何とかしようというように、いずれも大企業奉仕型の事業と言わざるを得ない。それに加えて、A型の導入だけでは収益が上がるというそういうことが保証できない、ままならない。そこで、民活法とか補助事業などでさまざまな手厚いバックアップするわけですよね。バックアップをすることになっているわけです。  ところでNTTのこの貸付制度、先ほどから風邪引いたみたいなA型とかB型とか、まあA、B、Cという三つタイプがあると言われる。このA、B、Cのタイプ、これについて、北海道の開発事業の六十二年度補正の予算計上と実績、これがどうなっているか。先ほど全国的な実績というのはちょっとお話しになりましたが、私は北海道で実績とそれから予算計上、これ開発庁から資料をいただいて調べたわけですわ。そうすると、A型はゼロなんです。とてもじゃないがそんなのは要らないというわけね。B型は三百十九億で、これはそのまま使われているわけです。後で補助金としてもらえるからね。これは使われている。それからC型というのは百十九億です。これは北東公庫から出される分、これが百十九億のうち十億、約十二分の一なんですね。ということは、北海道の場合、Aはゼロですね。それからC型というのは十二分の一くらい。AとCは物すごく少ないんですね。六十三年度予算を調べましても、Cタイプというのは百九十八億円なんだけれども、現在計画中は釧路、恵庭、札幌の三カ所のみなんです。Bタイプの補助は満度に使われている。  なぜ貸し付けのA型とC型タイプが使われないのかというと、一つ収益が上げられない。上げるという見通しが立たない。先ほど心配していらしたけれども。もう一つは自治体などの持ち出しがあるわけですよね、だから使いにくいということで使われていないと言わざるを得ないんですけれども、いかがですか。
  151. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 北海道につきまして、A型、C型が特に少ない、あるいはゼロであるということでございますが、このA型、C型の特色の一つは、やはり事業主体であります第三セクターがみずからの計画を提案することから始まるという性格を持っているわけでございます。したがいまして、収益性のことも当然そこに入ろうかと思います。そういう点から、総合的に見まして、現段階では地域によってやはりそういった提案のまだおくれていると言いましょうか、活発でないところがあるのは事実でございます。
  152. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 いろいろおっしゃったけれども、Aゼロ、Cも十二分の一しか使われていない、このように考えていきますと、北海道に予定された、予算計上された分が使われないで残っていくわけですね。使われない枠というのがある。そうすると、先ほど中野委員もおっしゃっていたけれども、結局力のある首都圏、大きいところというところにこの分が流用される。力のないところは使い切れない。そうなりますと、これは財政の活用の仕方として、私は極めて不公平なことになるのではないかということですよね。裏負担で出すお金がない、力がないというところはそれは使い切れません。お金がある大きいところ、首都圏などを中心にしてそこのところは使いますよというと、非常に財政のアンバランス、不公平が出てきてしまうということなんです。  このことについて簡単にお答えいただきたいと思います。そうなるんじゃないですかということです。
  153. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) A型はあくまで公共施設公共事業でございますから、その執行によりまして全国的に見ますとやはり港湾の資産、公共資産の増大ということが図られるわけでございます。また、どこかの地域にこのA型が集中いたしたと仮にいたしますと、その箇所におきます公共資産の増大が行われますから、その分に、まあいわば一般の資金の方に余裕ができるというような形で還元されていくという面もあろうかなと、こう思うわけでございます。まあこれは一つの例え話でございまして恐縮でございますが、あり得る話として言えばそんなことも考えられるのではないか。そういう意味では必ずしも不公平にだけ働くというようなことではないのではないかと思うわけでございます。ただ、やはり創意工夫によってある事業活性化事業を進めるというところにこの大きな意味があるのではないかと思うわけでございます。
  154. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 大きなその意味はわかるんだけれども、ないそでは振れぬという言葉もございまして、知恵はあっても使い切れないという、そういうものをみんな今心配していらっしゃったわけですわ。やっぱり私は、本来NTT売却というのは、国債償還、国債を返すという財源だったということを基本に私はもう一度ここで考えてもらわなきゃならないと、そう思っているんです。  次に、今度はCタイプ。Cタイプ民活法第一号指定となりました釧路のフィッシャーマンズワーフという、そこの事業費と出資について、簡単にお答えいただきたい。
  155. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 釧路港に今お尋ねのフィッシャーマンズワーフ計画がございまして、市を中心にいたしましてこれを積極的に推進しようということに相なっております。れんがづくりの倉庫などが点在する、いわば古い釧路の港の発祥の地を再開発して漁業と観光の町である釧路の活性化の拠点というウオーターフロントを形成しようというものでございます。この中核施設として、民活法特定施設一つである旅客ターミナルを整備するというものでございます……
  156. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 事業費、出資、聞いているのはそれを聞いている。
  157. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) それから事業の実施主体は釧路河畔開発公社という……
  158. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 それを聞いていないの。事業費と出資は幾らですかと聞いている。
  159. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) まず、出資の方から申し上げますと、釧路市が五〇%、民間が残り五〇%を出資するというものでございます。  それから事業費につきましては、現在、私ども聞いておりますのは全体事業といたしまして五十六億円というふうに伺っております。
  160. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 事業費五十六億第一次分、それは間違いない。出資は四億なんですね。その出資四億のうち、釧路市は五〇%と今おっしゃったけれども、間違われましたよ。二五%なの、一億なの。そして道が五千万で北東公庫が五千万、そして西武が一億、その他で一億という中身ですからね。これは釧路へ行って調べてきて出した数字ですから。そこが間違っております。まあ細かいことは今お聞きになったばかりだから間違えても結構、私が訂正した方が正しい。  この事業に対して、政府、自治体の負担がどうなっているかということを私は考えていかなきゃならないんですけれども、これも私の方から申し上げましょう。民活補助金が一億二百四十五万、無利子貸し付け、NTT—C型十六億四千五百万。それから港湾事業として寒冷地型緑地というので市と国で四億七千八百万出ています。それから代替岸壁、岸壁を移しますその費用が四億五千百万。それからクリアランス事業、今建っている水産ビルの解体などが二億八千五百万。それからインセンティブ補助という形で二千五百六十万。合計港湾事業として十二億四千万という数字になっておりますが、これは私の方で調べてみたからこのとおりだと思いますが、一言でお答えください。
  161. 奥山文雄

    政府委員奥山文雄君) 今細かくおっしゃられました数字はそのとおりでございます。
  162. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 はい、ありがとう。  Cタイプはいわゆる民間中心ですよね。だから今言った釧路の場合も西武が入ってきているわけですね。西武資本が今全道をあちこち歩いているわけですけれども、このように西武に国や自治体、公共団体という形で手厚い援助が出されるというのが特徴でもあると言わざるを得ないんです。事業として一体にもかかわらず。一つ事業なんですよ。ここにガラスの建物をつくって、その中に緑地というものをつくって、そしてここにターミナルなどをつくって、こっちにいろいろなものをつくる。そういうものを全部一括するのではなくて、採算性のないものは補助事業で持ってもらうというふうにやっているわけですよね。それでその持ち出し分が、先ほど言いました道と市で十二億四千万という持ち出しがあるわけなんです。  つまり、また別の言い方をしますと、本来西武単独でここをやりたい、だけれども、これは規模から考えたら余りにもお金がかかる。西武単独ではできない事業を、CタイプとかAタイプというようなことをいって自治体を入れて第三セクターでつくって、だけれども運営は自治体はノータッチだということで活用しているんですね。そのことによって大企業はかなり優遇されるんです。だから本当に援助してほしいという中小の漁港だとか何だとかじゃなくて、大きなところの場所に中心が行っちゃうし、大きな資本のところが活用できるというのがこの港湾法の改正のねらいの大きな点だ。  それがわかればもう難しいことはないんですね。全部そのとおりになっているんですよ。そしてできたものは何だといったら、私はよく知っているんだけれども、そこが大店舗になると、この間から毎回言っているけれども、地元の業者というのがどうなっていくかということで、これは大変心配なんだということなんですよね。  そこで、もう時間でございますから最後に大臣に伺いたいけれども、何だかAタイプだの何だのとか、うまいことを言っているけれども、結局使うのは首都圏とか大きなところに使われる。そして力のある大企業がこれを活用していろいろな事業を行うという、まさにこれは本当に、地域活性化が何だなんといっても、財界、大企業が考えている、それにぴったり合った法律だと私は思うんですけれども大臣のお考えをいただいて終わりにしたいと思います。
  163. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) 私はそうは思いませんで、企業は企業なりの勉強もしておりますし、ソフト、ノーハウを持っているので、それを地方自治体が活用してともに事業を起こそうというのが第三セクター方式でありまして、地方自治体の負担分をいろいろ御懸念のようですけれども、ならば逆に、国が地方のために収益事業を起こすというのもこれは筋が通りません話でして、やはりこういう時代に、つまり港湾というものを再活性化するということのために、国ができる手助けをしようというのがこの法律の眼目でございまして、企業と地方自治体が協力し合ってそういう地方色を生かしたプロジェクトを展開していくのは私は結構なことだと思います。
  164. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 大臣、具体的に御存じないからそんなことを言っているんです。勉強してください。
  165. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  166. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 私は、日本共産党を代表して、港湾法の一部改正について反対討論を行います。  反対理由の第一は、本法案改正は、本来国債償還の財源に充てなければならないNTT株売却益港湾整備事業費に流用するもので、財政民主主義に反するものです。内需拡大の名のもとに、本資金を別枠扱いに使用し、事実上積極財政策へ転換させ、一層の国債増発につながりかねないものであり、むしろ財政危機を深めるものと言わなければなりません。  同時に、本委員会でも明らかになったように、この事業費の使途が北海道など地方にとって極めて困難なものであり、首都圏など一部大都市を中心としたものとならざるを得ず、財政の活用のあり方としても、不公平、不平等なものであり、大きな問題点を抱えています。  反対理由の第二は、本法案NTT株売却益活用事業A型は、自治体へより責任と負担を加重させ、従来の公共事業、補助事業のあり方を変質させるものです。  この事業は、国が責任を持って補助事業としてやるべきものを、その補助金相当額を無利子貸し付けで肩がわりするものであります。当然、自治体が参加する第三セクターは裏負担することに変わりなく、その上、収益事業なるもので貸付金の返還をしなければならず、自治体等にとってより責任と負担が加わることは明らかであります。  結局、本来補助事業の対象である公共事業を、国は何の腹も痛めないまま進めようとするもので、公共事業性格、補助制度を崩すものと言わなければなりません。  反対理由の第三は、事業内容も大企業奉仕型の民活関連事業が中心となっていることです。外国貿易のコンテナ貨物埠頭の緊急整備理由とした公共埠頭整備事業は専ら大手海運業者が利用するものであり、もう一つ臨海部活性化事業民活関連事業の重点施策となっており、造船、鉄鋼、木材など、大企業が所有する遊休化した用地の転換を図ることを主目的としたもので、いずれも大企業中心の事業であります。  しかも、事業として一体のものにもかかわらず、NTT—A型導入だけでなく、大企業にとって採算性がないものは一般補助事業民活法などによる補助事業でバックアップするなど、大企業は国や自治体の極めて手厚い財政援助を受ける仕組みとなっております。  反対理由の第四は、臨海部活性化事業に伴い、外部資本の投入など大型の事業進出が行われ、地域によっては地元商店、中小業者の営業と生活を圧迫するなど、重大な影響が考えられます。  以上の理由から本法案に反対し、討論を終わります。
  167. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  港湾法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  168. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  169. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  170. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 次に、船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案並びに船員法の一部を改正する法律案の両案を便宜一括して議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。石原運輸大臣
  171. 石原慎太郎

    国務大臣石原慎太郎君) ただいま議題となりました船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  船員の雇用の促進に関する特別措置法は、海上企業をめぐる経済事情及び国際環境の変化等により離職を余儀なくされる船員の数が増大していること等の状況にかんがみ、船員の雇用の促進に関して必要な措置を講ずることにより、船員の職業及び生活の安定を図るため、昭和五十二年十二月に制定されたものであります。  現在、この法律の附則第二項の規定に基づいて、事業規模の縮小等に伴い相当数の離職者が発生している一般外航海運業、近海海運業、内航海運業、はしけ運送業、船舶製造・修理業の五業種に係る離職船員の再就職を促進するため、昭和六十三年六月三十日までに離職する者に対し就職促進給付金の支給に関する特別の措置を講じております。  しかし、これらの業種については、海上荷動き量の低迷とこれに伴う船腹過剰、日本船の国際競争力の低下等の事情に加え、近年における急激かつ大幅な円高や国内の産業構造の転換の影響を受けて引き続き事業規模の縮小等が見込まれ、これに伴って今後も離職船員が相当数発生することが予想される状況にあります。したがいまして、この就職促進給付金の支給に関する特別の措置の対象となる者の離職日に関する期限を、特定不況業種関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法の期限の延長に合わせて昭和七十年六月三十日まで延長する必要があります。  以上がこの法律案を提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。  次に、船員法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  近年、労働時間の短縮が、国民生活の向上、労働者の福祉の増進の観点のみならず、国際経済情勢を背景として、経済構造調整、内需拡大の観点からも重要な課題となっております。  一方、船員法の労働時間に関する規定は、航海中、停泊中等の別に応じて細かく定められておりますが、昭和二十二年の法制定後四十年余が経過し、その間における技術革新の進展を背景とする船舶の運航形態の変化、船内の就労体制の変化等により、これらの規定と労働の実態との間で乖離を生じている面がございます。  このような状況を踏まえ、昨年の九月以来船員中央労働委員会におきまして船員法の労働時間及び休日並びに有給休暇に関する規定の見直しについて検討をいただいておりましたが、本年一月同委員会より答申をいただきましたので、この答申に沿いましてこの法律案を提案するものであります。  次に、この法律案概要について御説明申し上げます。  第一に、すべての海員について、一日当たりの労働時間を八時間以内とするとともに、一週間当たりの労働時間を、船舶の航行区域、航路等を勘案して船舶の区分に応じ一年以下の範囲内で定める基準労働期間について平均四十時間以内とすることを目標とすることといたしております。ただし、当分の間は、四十八時間以下の範囲内で政令で定め、船員労働の特殊性船員の福祉、船員の労働時間の動向等の事情を考慮して、段階的に短縮を図ることとしております。  第二に、船舶所有者が海員に与えるべき休日は、基準労働期間について一週間当たり平均一日以上とすることとしております。  第三に、海員の労働時間及び休日に関する基準を達成するため、船舶所有者は、海員の労働時間が一週間において四十時間を超える場合または海員に一週間において休日を与えることができない場合には、その補償としての休日を基準労働期間以内に与えなければならないこととしております。  第四に、沿海区域または平水区域を航行区域とする内航船舶に乗り組む船員の有給休暇の日数を、連続した船舶における勤務一年について十二日から十五日に引き上げることとしております。なお、この引き上げにつきましては、所要の経過措置を設けることとしております。  第五に、有給休暇の付与の基礎となる勤務につきましては、勤務形態の多様化に対応し、船舶における勤務に加え、これに準ずる一定の勤務につきましてもその対象とすることとしております。  なお、この法律の施行期日は、周知に必要な期間等を考慮し、昭和六十四年四月一日としております。  以上がこの法律案を提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  172. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 次に、船員法の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員亀井静香君から説明を聴取いたします。亀井君。
  173. 亀井静香

    衆議院議員(亀井静香君) 船員法の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正部分について御説明申し上げます。  修正の要旨は、 一、海員の一週間当たりの労働時間を定める政令は、週平均四十時間労働制に可及的速やかに移行するため制定され、及び改正されるものである旨を明らかにすること。 二、政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、新法の規定の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることであります。  以上をもって修正部分説明を終わります。
  174. 中野鉄造

    委員長中野鉄造君) 以上で趣旨説明並びに衆議院における修正部分説明の聴取は終わりました。  両案に対する自後の審査は後日に譲ります。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時二十五分散会