○馬場委員 だんだん話を聞いておると、中島
文部大臣の顔から
文化の薫りというのは全然消えていってしまうじゃないですか。あなたは
文化に非常に理解がある、あなたが大臣になったら
文化省くらいやれと言うのか、あるいは
文化庁の予算はこういうぐあいにして予算の編成の仕組みを変えてふやしましょうとか、そういう積極的な施策が出るんじゃないかと思っていましたけれ
ども、今の答弁を聞いておりますと、総合的にどうだとか何だとかいうのは、これは基盤がなしに、しんがなしに総合というふうにはいかないのですよ。それはごまかしにしか聞こえません。
ただ
一つだけ言ぅておきますと、これなんかはだんだん後退じゃないですか。例えば今度の
文化庁予算の中に芸術活動の特別推進というのを新しくやっているでしょう。それで、民間芸術活動費補助というのは毎年七千万から一億円くらいずっと減っていっていますね。
昭和五十七年に民間芸術活動費補助というのが十一億二千五百万あった。それが六十一年には七億に減っている。これがどんどん減ってきているものだから、今度こういう芸術活動の特別推進というのをつくった。これは、国がオペラとかバレエとかオーケストラ等の舞台芸術の援助費を減らすために、今度は逆に、
文化庁とか民間企業とか公演
団体の三者による、いわゆるスポンサーを導入してきて、これで民間企業の冠をつけて公演をするというもので、そうなってきたら
文化庁は民間企業のPRをするようなものじゃないですか。こういうことなんかをやっている。こういうことを見てみますと、完全に全体が後退している。だから、どんどん
文化庁の予算が薄くなってくる。民間の金を入れて、民間企業の冠を掲げて、PRでもしているような芸術活動をやる、それを共催するなんというのは、スポンサーの役に成り下がったような格好じゃないですか。こういうことになっていくんです。だから、
基本的にもう少し頑張ってもらいたいということを申し上げておきます。
それから、
著作権の普及の問題、先ほどから出ておりますけれ
ども、これが
文化のバロメーターともまた言われておるわけでございますから、
著作権の普及の推進費が二千七百万円ございますが、これも、これくらいで何が普及ができるのか。そして、
著作権に対する国民の理解が不十分だからこそ海賊版なんかが出てくるので、こんな予算ではまたこういう法律の
改正なんかをせにゃならぬということになってくるわけでございます。これは啓蒙とか宣伝とか
教育活動をやらぬから海賊版なんかも出るのですよ。しかし、やれといったって二千七百万じゃないですか。こういう点もやはり、ぜひ普及しなければならぬということは、
文化のバロメーターとも言っているんだから、大いにやらなきゃならぬと思います。この点も強く要請しておきたいと思います。
そこで、時間が
余りございませんが、先ほど出ました奈良博物館がやりました石造の弥勒菩薩立像の問題、ガンダーラ仏の問題について、これはたくさんの人がやっておりますから、私は一、二点端的に質問しておきたいと思うのです。
あなたは、先ほ
どもちょっと言われましたが、三月九日の予算
委員会の第三分科会で、「今の経過では、これは本物である」という答弁をなさっておりまして、先ほどちょっと何かあやふやでよくわからなかったんですが、今でもこのガンダーラ仏は大臣は本物と思っておられるんですか、どうですか。