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1988-05-24 第112回国会 衆議院 内閣委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十三年五月二十四日(火曜日)     午前九時五十分開議  出席委員    委員長 竹中 修一君    理事 近岡理一郎君 理事 月原 茂皓君    理事 戸塚 進也君 理事 前田 武志君    理事 宮下 創平君 理事 田口 健二君    理事 竹内 勝彦君 理事 和田 一仁君       有馬 元治君    石川 要三君       石破  茂君    江藤 隆美君       遠藤 武彦君    大村 襄治君       奥野 誠亮君    河野 洋平君       穂積 良行君    宮里 松正君       村井  仁君    森下 元晴君       谷津 義男君    五十嵐広三君       緒方 克陽君    角屋堅次郎君       渡部 行雄君    井上 和久君       鈴切 康雄君    川端 達夫君       浦井  洋君    柴田 睦夫君  出席国務大臣         国 務 大 臣        (内閣官房長官) 小渕 恵三君         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 瓦   力君  出席政府委員         内閣官房内閣安         全保障室長   佐々 淳行君         内閣総理大臣官         房会計課長   河原崎守彦君         内閣総理大臣官         房広報室長   宮脇 磊介君         公正取引委員会         事務局審査部長 植木 邦之君         防衛庁参事官  小野寺龍二君         防衛庁参事官  福渡  靖君         防衛庁参事官  児玉 良雄君         防衛庁参事官  鈴木 輝雄君         防衛庁長官官房         長       依田 智治君         防衛庁防衛局長 西廣 整輝君         防衛庁教育訓練         局長      長谷川 宏君         防衛庁人事局長 松本 宗和君         防衛庁経理局長 日吉  章君         防衛庁装備局長 山本 雅司君         防衛施設庁長官 友藤 一隆君         防衛施設庁総務         部長      弘法堂 忠君         防衛施設庁施設         部長      鈴木  杲君         防衛施設庁建設         部長      田原 敬造君         防衛施設庁労務         部長      山崎 博司君         法務省入国管理         局長      熊谷 直博君         外務大臣官房審         議官      谷野作太郎君         外務大臣官房外         務参事官    時野谷 敦君  委員外出席者         内閣官房内閣安         全保障室内閣審         議官      関   肇君         内閣総理大臣官         房人事課長   大金 瑞穂君         外務大臣官房審         議官      兵藤 長雄君         外務大臣官房審         議官      小原  武君         外務大臣官房審         議官      久保田 穰君         大蔵省主計局共         済課長     山口 公生君         厚生省保健医療         局企画課長   萩原  昇君         内閣委員会調査         室長      大澤 利貞君     ───────────── 委員の異動 五月十八日  辞任         補欠選任   井上 和久君     大野  潔君 同日  辞任         補欠選任   大野  潔君     井上 和久君 同月二十四日  辞任         補欠選任   江藤 隆美君     遠藤 武彦君   河本 敏夫君     穂積 良行君   武藤 嘉文君     石破  茂君   大出  俊君     渡部 行雄君   広瀬 秀吉君     緒方 克陽君 同日  辞任         補欠選任   石破  茂君     武藤 嘉文君   遠藤 武彦君     江藤 隆美君   穂積 良行君     河本 敏夫君   緒方 克陽君     広瀬 秀吉君   渡部 行雄君     大出  俊君     ───────────── 五月十八日  スパイ防止法制定に関する請願柿澤弘治紹介)(第二九八五号)  同(中山利生紹介)(第三〇七七号)  同(奥田敬和紹介)(第三二六三号)  国家機密法制定反対に関する請願瀬長亀次郎紹介)(第二九八六号)  同(辻第一君紹介)(第二九八七号)  同(寺前巖紹介)(第二九八八号)  同(村上弘紹介)(第二九八九号)  同(田中美智子紹介)(第三〇七八号)  傷病恩給等改善に関する請願石橋一弥紹介)(第二九九〇号)  同(鯨岡兵輔紹介)(第二九九一号)  同(谷垣禎一紹介)(第二九九二号)  同(吹田愰君紹介)(第二九九三号)  同(森喜朗紹介)(第二九九四号)  同(今井勇紹介)(第三〇七九号)  同外一件(櫻内義雄紹介)(第三〇八〇号)  同外一件(細田吉藏紹介)(第三〇八一号)  同(三原朝彦紹介)(第三〇八二号)  同(新井将敬紹介)(第三二六四号)  同(片岡武司紹介)(第三二六五号)  同(佐藤文生紹介)(第三二六六号)  同(櫻内義雄紹介)(第三二六七号)  旧治安維持法等による犠牲者賠償に関する請願清水勇紹介)(第二九九五号)  同(寺前巖紹介)(第二九九六号)  同(渡部行雄紹介)(第二九九七号)  同(安藤巖紹介)(第三〇八三号)  同(石井郁子紹介)(第三〇八四号)  同(稲葉誠一紹介)(第三〇八五号)  同(岩佐恵美紹介)(第三〇八六号)  同(浦井洋紹介)(第三〇八七号)  同(岡崎万寿秀紹介)(第三〇八八号)  同(金子満広紹介)(第三〇八九号)  同(経塚幸夫紹介)(第三〇九〇号)  同(工藤晃紹介)(第三〇九一号)  同(児玉健次紹介)(第三〇九二号)  同(佐藤祐弘紹介)(第三〇九三号)  同(柴田睦夫紹介)(第三〇九四号)  同(田中美智子紹介)(第三〇九五号)  同(中路雅弘紹介)(第三〇九六号)  同(中島武敏紹介)(第三〇九七号)  同(野間友一紹介)(第三〇九八号)  同(東中光雄紹介)(第三〇九九号)  同(不破哲三紹介)(第三一〇〇号)  同(藤田スミ紹介)(第三一〇一号)  同(藤原ひろ子紹介)(第三一〇二号)  同(松本善明紹介)(第三一〇三号)  同(矢島恒夫紹介)(第三一〇四号)  同(山原健二郎紹介)(第三一〇五号)  同(金子みつ紹介)(第三二六八号)  同(広瀬秀吉紹介)(第三二六九号)  元日赤救護看護婦に対する慰労給付金に関する請願愛知和男紹介)(第三二五九号)  同(大村襄治紹介)(第三二六〇号)  同(平石磨作太郎紹介)(第三二六一号)  同(宮下創平紹介)(第三二六二号) 同月十九日  スパイ防止法制定に関する請願北川正恭紹介)(第三四六五号)  同(平沼赳夫紹介)(第三四六六号)  同(北川石松紹介)(第三八〇八号)  同(中西啓介紹介)(第三八〇九号)  同(森喜朗紹介)(第三八一〇号)  同(玉生孝久紹介)(第三八七二号)  国家機密法制定反対に関する請願石井郁子紹介)(第三四六七号)  同(浦井洋紹介)(第三四六八号)  同(金子満広紹介)(第三四六九号)  同(経塚幸夫紹介)(第三四七〇号)  同(柴田睦夫紹介)(第三四七一号)  同(瀬長亀次郎紹介)(第三四七二号)  同(東中光雄紹介)(第三四七三号)  同(藤田スミ紹介)(第三四七四号)  同(正森成二君紹介)(第三四七五号)  同(村上弘紹介)(第三四七六号)  同(山原健二郎紹介)(第三四七七号)  同(工藤晃紹介)(第三六二七号)  同(児玉健次紹介)(第三六二八号)  同(辻第一君紹介)(第三六二九号)  同(寺前巖紹介)(第三六三〇号)  同(中路雅弘紹介)(第三六三一号)  同(中島武敏紹介)(第三六三二号)  同(野間友一紹介)(第三六三三号)  同(藤原ひろ子紹介)(第三六三四号)  同(柴田睦夫紹介)(第三八七三号)  旧治安維持法等による犠牲者賠償に関する請願金子満広紹介)(第三四七八号)  同外一件(河上民雄紹介)(第三四七九号)  同(柴田睦夫紹介)(第三四八〇号)  同(瀬長亀次郎紹介)(第三四八一号)  同(田中美智子紹介)(第三四八二号)  同(土井たか子紹介)(第三四八三号)  同(中島武敏紹介)(第三四八四号)  同(松本善明紹介)(第三四八五号)  同(矢島恒夫紹介)(第三四八六号)  同(柴田睦夫紹介)(第三六四〇号)  同(矢島恒夫紹介)(第三六四一号)  同(山口鶴男紹介)(第三六四二号)  傷病恩給等改善に関する請願有馬元治紹介)(第三四八七号)  同(江崎眞澄紹介)(第三四八八号)  同(河本敏夫紹介)(第三四八九号)  同(橋本龍太郎紹介)(第三四九〇号)  同(平沼赳夫紹介)(第三四九一号)  同(井出正一紹介)(第三六三五号)  同(江藤隆美紹介)(第三六三六号)  同外一件(唐沢俊二郎紹介)(第三六三七号)  同(谷垣禎一紹介)(第三六三八号)  同(中曽根康弘紹介)(第三六三九号)  同(大坪健一郎紹介)(第三八一一号)  同(川崎二郎紹介)(第三八一二号)  同(竹中修一紹介)(第三八一三号)  同(相沢英之紹介)(第三八七四号)  元日赤救護看護婦に対する慰労給付金に関する請願上原康助紹介)(第三四九二号)  同(川端達夫紹介)(第三四九三号)  同(河本敏夫紹介)(第三四九四号)  同(月原茂皓紹介)(第三四九五号)  同(戸塚進也紹介)(第三四九六号)  同(野坂浩賢紹介)(第三四九七号)  同(広瀬秀吉紹介)(第三四九八号)  同(前田武志紹介)(第三四九九号)  同(和田一仁紹介)(第三五〇〇号)  同(浦井洋紹介)(第三六四三号)  同(柴田睦夫紹介)(第三六四四号)  同(田口健二紹介)(第三六四五号)  同(佐藤文生紹介)(第三八一四号)  同(竹中修一紹介)(第三八一五号)  同(鈴切康雄紹介)(第三八七五号)  同(竹内勝彦紹介)(第三八七六号)  同(武部勤紹介)(第三八七七号) は本委員会に付託された。     ───────────── 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案内閣提出第七号)  請 願    一 スパイ防止法制定に関する請願平沼赳夫紹介)(第四一号)    二 国家機密法制定反対に関する請願安藤巖紹介)(第九〇号)    三 同(石井郁子紹介)(第九一号)    四 同(岩佐恵美紹介)(第九二号)    五 同(浦井洋紹介)(第九三号)    六 同(岡崎万寿秀紹介)(第九四号)    七 同(金子満広紹介)(第九五号)    八 同(経塚幸夫紹介)(第九六号)    九 同(工藤晃紹介)(第九七号)   一〇 同(児玉健次紹介)(第九八号)   一一 同(佐藤祐弘紹介)(第九九号)   一二 同(柴田睦夫紹介)(第一〇〇号)   一三 同(瀬長亀次郎紹介)(第一〇一号)   一四 同(田中美智子紹介)(第一〇二号)   一五 同(辻第一君紹介)(第一〇三号)   一六 同(寺前巖紹介)(第一〇四号)   一七 同(中島武敏紹介)(第一〇六号)   一八 同(野間友一紹介)(第一〇七号)   一九 同(東中光雄紹介)(第一〇八号)   二〇 同(不破哲三紹介)(第一〇九号)   二一 同(藤田スミ紹介)(第一一〇号)   二二 同(藤原ひろ子紹介)(第一一一号)   二三 同(正森成二君紹介)(第一一二号)   二四 同(松本善明紹介)(第一一三号)   二五 同(村上弘紹介)(第一一四号)   二六 同(矢島恒夫紹介)(第一一五号)   二七 同(山原健二郎紹介)(第一一六号)   二八 国家秘密法制定反対に関する請願中路雅弘紹介)(第一〇五号)   二九 自衛隊岐阜基地拡充整備によるコミューター空港の設置に関する請願伏屋修治紹介)(第一五五号)   三〇 旧軍人の恩給欠格者に対する特別法制定に関する請願近江巳記夫紹介)(第一五六号)   三一 国家機密法制定反対に関する請願中路雅弘紹介)(第一五七号)   三二 国家秘密法制定反対に関する請願伊藤茂紹介)(第二〇七号)   三三 同(岩垂寿喜男紹介)(第二〇八号)   三四 同(大出俊紹介)(第二〇九号)   三五 国家機密法制定反対に関する請願野間友一紹介)(第三七二号)   三六 同(山原健二郎紹介)(第三七三号)   三七 国家秘密法制定反対に関する請願加藤万吉紹介)(第三七四号)   三八 同(市川雄一紹介)(第五二八号)   三九 同(河村勝紹介)(第五六九号)   四〇 旧日本海軍債務未払いに関する請願長田武士紹介)(第五四一号)   四一 国家機密法制定反対に関する請願寺前巖紹介)(第五五四号)   四二 国家秘密法案の再提出反対に関する請願田邊誠紹介)(第七八八号)   四三 スパイ防止法制定に関する請願(鳩山 邦夫君紹介)(第八八九号)   四四 国家機密法制定反対に関する請願工藤晃紹介)(第一〇一三号)   四五 同外一件(寺前巖紹介)(第一〇一四号)   四六 同(藤原ひろ子紹介)(第一〇一五号)   四七 同(矢島恒夫紹介)(第一〇一六号)   四八 国家秘密法制定反対に関する請願伏木和雄紹介)(第一一〇八号)   四九 日米共同訓練中止に関する請願村山富市紹介)(第一二三五号)   五〇 国家機密法制定反対に関する請願安藤巖紹介)(第一二五二号)   五一 同(瀬長亀次郎紹介)(第一三七六号)   五二 同(野間友一紹介(第一三七七号)   五三 同(安藤巖紹介)(第一四七二号)   五四 同(児玉健次紹介)(第一四七三号)   五五 同(佐藤祐弘紹介)(第一四七四号)   五六 同(柴田睦夫紹介)(第一四七五号)   五七 同(瀬長亀次郎紹介)(第一四七六号)   五八 同(岡崎万寿秀紹介)(第一五一五号)   五九 国家秘密法案の再提出反対に関する請願菅直人紹介)(第一四七七号)   六〇 スパイ防止法制定に関する請願原田昇左右紹介)(第一五一四号)   六一 国家機密法制定反対に関する請願江田五月紹介)(第一五四七号)   六二 同(辻第一君紹介)(第一五四八号)   六三 厚木基地における米軍艦載機離着陸に伴う騒音解消等に関する請願戸沢政方紹介)(第一六〇四号)   六四 スパイ防止法制定に関する請願船田元紹介)(第一六五〇号)   六五 国家機密法制定反対に関する請願田口健二紹介)(第一六五一号)   六六 国家秘密法案の再提出反対に関する請願中村巖紹介)(第一六五二号)   六七 国家秘密法制定反対に関する請願草野威紹介)(第一八二八号)   六八 国家機密法制定反対に関する請願中路雅弘紹介)(第一八九〇号)   六九 国家秘密法案の再提出反対に関する請願松本善明紹介)(第一八九一号)   七〇 スパイ防止法制定に関する請願原田昇左右紹介)(第一九四二号)   七一 同(戸塚進也紹介)(第二〇〇二号)   七二 国家機密法制定反対に関する請願外一件(浦井洋紹介)(第二〇〇三号)   七三 同(金子満広紹介)(第二〇〇四号)   七四 同(経塚幸夫紹介)(第二〇〇五号)   七五 同外二件(児玉健次紹介)(第二〇〇六号)   七六 同(佐藤祐弘紹介)(第二〇〇七号)   七七 同(柴田睦夫紹介)(第二〇〇八号)   七八 同外一件(瀬長亀次郎紹介)(第二〇〇九号)   七九 同(田中美智子紹介)(第二〇一〇号)   八〇 同(辻第一君紹介)(第二〇一一号)   八一 同(寺前巖紹介)(第二〇一二号)   八二 同(野間友一紹介)(第二〇一三号)   八三 同(東中光雄紹介)(第二〇一四号)   八四 同(藤田スミ紹介)(第二〇一五号)   八五 同(正森成二君紹介)(第二〇一六号)   八六 同(村上弘紹介)(第二〇一七号)   八七 同(矢島恒夫紹介)(第二〇一八号)   八八 元従軍看護婦に対する慰労給付金に関する請願大原亨紹介)(第二四四二号)   八九 国家機密法制定反対に関する請願岡崎万寿秀紹介)(第二五九四号)   九〇 傷病恩給等改善に関する請願田中龍夫紹介)(第二七六二号)   九一 同(谷垣禎一紹介)(第二七六三号)   九二 同外一件(塚原俊平紹介)(第二七六四号)   九三 同(月原茂皓紹介)(第二七六五号)   九四 同(中村正三郎紹介)(第二七六六号)   九五 同(増岡博之紹介)(第二七六七号)   九六 同外二件(三ツ林弥太郎紹介)(第二七六八号)   九七 同(持永和見紹介)(第二七六九号)   九八 同(森喜朗紹介)(第二七七〇号)   九九 厚木基地艦載機連続離着陸訓練に伴う被害防止に関する請願加藤万吉紹介)(第二七七一号)  一〇〇 スパイ防止法制定に関する請願天野公義紹介)(第二七七二号)  一〇一 同(塚原俊平紹介)(第二七七三号)  一〇二 国家機密法制定反対に関する請願岩佐恵美紹介)(第二七七四号)  一〇三 同(児玉健次紹介)(第二七七五号)  一〇四 同(瀬長亀次郎紹介)(第二七七六号)  一〇五 同(寺前巖紹介)(第二七七七号)  一〇六 同(中路雅弘紹介)(第二七七八号)  一〇七 同(中島武敏紹介)(第二七七九号)  一〇八 同(野間友一紹介)(第二七八〇号)  一〇九 同(藤原ひろ子紹介)(第二七八一号)  一一〇 同(松本善明紹介)(第二七八二号)  一一一 スパイ防止法制定に関する請願葉梨信行紹介)(第二八七六号)  一一二 傷病恩給等改善に関する請願大坪健一郎紹介)(第二八七七号)  一一三 同(加藤紘一紹介)(第二八七八号)  一一四 同(鹿野道彦紹介)(第二八七九号)  一一五 同(鈴木宗男紹介)(第二八八〇号)  一一六 同(関谷勝嗣君紹介)(第二八八一号)  一一七 同外二件(左藤恵紹介)(第二九三〇号)  一一八 同(小宮山重四郎紹介)(第二九三一号)  一一九 同外一件(葉梨信行紹介)(第二九三二号)  一二〇 同外一件(船田元紹介)(第二九三三号)  一二一 同(細田吉蔵紹介)(第二九三四号)  一二二 同(山崎拓紹介)(第二九三五号)  一二三 旧治安維持法等による犠牲者賠償に関する請願石井郁子紹介)(第二九二二号)  一二四 同(工藤晃紹介)(第二九二三号)  一二五 同(佐藤祐弘紹介)(第二九二四号)  一二六 同(中路雅弘紹介)(第二九二五号)  一二七 同(不破哲三紹介)(第二九二六号)  一二八 同(藤原ひろ子紹介)(第二九二七号)  一二九 同(正森成二君紹介)(第二九二八号)  一三〇 同(山原健二郎紹介)(第二九二九号)  一三一 スパイ防止法制定に関する請願柿澤弘治紹介)(第二九八五号)  一三二 同(中山利生紹介)(第三〇七七号)  一三三 同(奥田敬和紹介)(第三二六三号)  一三四 国家機密法制定反対に関する請願瀬長亀次郎紹介)(第二九八六号)  一三五 同(辻第一君紹介)(第二九八七号)  一三六 同(寺前巖紹介)(第二九八八号)  一三七 同(村上弘紹介)(第二九八九号)  一三八 同(田中美智子紹介)(第三〇七八号)  一三九 傷病恩給等改善に関する請願石橋一弥紹介)(第二九九〇号)  一四〇 同(鯨岡兵輔紹介)(第二九九一号)  一四一 同(谷垣禎一紹介)(第二九九二号)  一四二 同(吹田愰君紹介)(第二九九三号)  一四三 同(森喜朗紹介)(第二九九四号)  一四四 同(今井勇紹介)(第三〇七九号)  一四五 同外一件(櫻内義雄紹介)(第三〇八〇号)  一四六 同外一件(細田吉藏紹介)(第三〇八一号)  一四七 同(三原朝彦紹介)(第三〇八二号)  一四八 同(新井将敬紹介)(第三二六四号)  一四九 同(片岡武司紹介)(第三二六五号)  一五〇 同(佐藤文生紹介)(第三二六六号)  一五一 (櫻内義雄紹介)(第三二六七号)  一五二 旧治安維持法等による犠牲者賠償に関する請願清水勇紹介)(第二九九五号)  一五三 同(寺前巖紹介)(第二九九六号)  一五四 同(渡部行雄紹介)(第二九九七号)  一五五 同(安藤巖紹介)(第三〇八三号)  一五六 同(石井郁子紹介)(第三〇八四号)  一五七 同(稲葉誠一紹介)(第三〇八五号)  一五八 同(岩佐恵美紹介)(第三〇八六号)  一五九 同(浦井洋紹介)(第三〇八七号)  一六〇 同(岡崎万寿秀紹介)(第三〇八八号)  一六一 同(金子満広紹介)(第三〇八九号)  一六二 同(経塚幸夫紹介)(第三〇九〇号)  一六三 同(工藤晃紹介)(第三〇九一号)  一六四 同(児玉健次紹介)(第三〇九二号)  一六五 同(佐藤祐弘紹介)(第三〇九三号)  一六六 同(柴田睦夫紹介)(第三〇九四号)  一六七 同(田中美智子紹介)(第三〇九五号)  一六八 同(中路雅弘紹介)(第三〇九六号)  一六九 同(中島武敏紹介)(第三〇九七号)  一七〇 同(野間友一紹介)(第三〇九八号)  一七一 同(東中光雄紹介)(第三〇九九号)  一七二 同(不破哲三紹介)(第三一〇〇号)  一七三 同(藤田スミ紹介)(第三一〇一号)  一七四 同(藤原ひろ子紹介)(第三一〇二号)  一七五 同(松本善明紹介)(第三一〇三号)  一七六 同(矢島恒夫紹介)(第三一〇四号)  一七七 同(山原健二郎紹介)(第三一〇五号)  一七八 同(金子みつ紹介)(第三二六八号)  一七九 同(広瀬秀吉紹介)(第三二六九号)  一八〇 元日赤救護看護婦に対する慰労給付金に関する請願愛知和男紹介)(第三二五九号)  一八一 同(大村義治紹介)(第三二六〇号)  一八二 同(平石磨作太郎紹介)(第三二六一号)  一八三 同(宮下創平紹介)(第三二六二号)  一八四 スパイ防止法制定に関する請願北川正恭紹介)(第三四六五号)  一八五 同(平沼赳夫紹介)(第三四六六号)  一八六 同(北川石松紹介)(第三八〇八号)  一八七 同(中西啓介紹介)(第三八〇九号)  一八八 同(森喜朗紹介)(第三八一〇号)  一八九 同(玉生孝久紹介)(第三八七二号)  一九〇 国家機密法制定反対に関する請願石井郁子紹介)(第三四六七号)  一九一 同(浦井洋紹介)(第三四六八号)  一九二 同(金子満広紹介)(第三四六九号)  一九三 同(経塚幸夫紹介)(第三四七〇号)  一九四 同(柴田睦夫紹介)(第三四七一号)  一九五 同(瀬長亀次郎紹介)(第三四七二号)  一九六 同(東中光雄紹介)(第三四七三号)  一九七 同(藤田スミ紹介)(第三四七四号)  一九八 同(正森成二君紹介)(第三四七五号)  一九九 同(村上弘紹介)(第三四七六号)  二〇〇 同(山原健二郎紹介)(第三四七七号)  二〇一 同(工藤晃紹介)(第三六二七号)  二〇二 同(児玉健次紹介)(第三六二八号)  二〇三 同(辻第一君紹介)(第三六二九号)  二〇四 同(寺前巖紹介)(第三六三〇号)  二〇五 同(中路雅弘紹介)(第三六三一号)  二〇六 同(中島武敏紹介)(第三六三二号)  二〇七 同(野間友一紹介)(第三六三三号)  二〇八 同(藤原ひろ子紹介)(第三六三四号)  二〇九 同(柴田睦夫紹介)(第三八七三号)  二一〇 旧治安維持法等による犠牲者賠償に関する請願金子満広紹介)(第三四七八号)  二一一 同外一件(河上民雄紹介)(第三四七九号)  二一二 同(柴田睦夫紹介)(第三四八〇号)  二一三 同(瀬長亀次郎紹介)(第三四八一号)  二一四 同(田中美智子紹介)(第三四八二号)  二一五 同(土井たか子紹介)(第三四八三号)  二一六 同(中島武敏紹介)(第三四八四号)  二一七 同(松本善明紹介)(第三四八五号)  二一八 同(矢島恒夫紹介)(第三四八六号)  二一九 同(柴田睦夫紹介)(第三六四〇号)  二二〇 同(矢島恒夫紹介)(第三六四一号)  二二一 同(山口鶴男紹介)(第三六四二号)  二二二 傷病恩給等改善に関する請願有馬元治紹介)(第三四八七号)  二二三 同(江崎眞澄紹介)(第三四八八号)  二二四 同(河本敏夫紹介)(第三四八九号)  二二五 同(橋本龍太郎紹介)(第三四九〇号)  二二六 同(平沼赳夫紹介)(第三四九一号)  二二七 同(井出正一紹介)(第三六三五号)  二二八 同(江藤隆美紹介)(第三六三六号)  二二九 同外一件(唐沢俊二郎紹介)(第三六三七号)  二三〇 同(谷垣禎一紹介)(第三六三八号)  二三一 同(中曽根康弘紹介)(第三六三九号)  二三二 同(大坪健一郎紹介)(第三八一一号)  二三三 同(川崎二郎紹介)(第三八一二号)  二三四 同(竹中修一紹介)(第三八一三号)  二三五 同(相沢英之紹介)(第三八七四号)  二三六 元日赤救護看護婦に対する慰労給付金に関する請願(上原康肋君紹介)(第三四九二号)  二三七 同(川端達夫紹介)(第三四九三号)  二三八 同(河本敏夫紹介)(第三四九四号)  二三九 同(月原茂皓紹介)(第三四九五号)  二四〇 同(戸塚進也紹介)(第三四九六号)  二四一 同(野坂浩賢紹介)(第三四九七号)  二四二 同(広瀬秀吉紹介)(第三四九八号)  二四三 同(前田武志紹介)(第三四九九号)  二四四 同(和田一仁紹介)(第三五〇〇号)  二四五 同(浦井洋紹介)(第三六四三号)  二四六 同(柴田睦夫紹介)(第三六四四号)  二四七 同(田口健二紹介)(第三六四五号)  二四八 同(佐藤文生紹介)(第三八一四号)  二四九 同(竹中修一紹介)(第三八一五号)  二五〇 同(鈴切康雄紹介)(第三八七五号)  二五一 同(竹内勝彦紹介)(第三八七六号)  二五二 同(武部勤紹介)(第三八七七号)      ────◇─────
  2. 竹中修一

    竹中委員長 これより会議を開きます。  内閣提出防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。五十嵐広三君。
  3. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 まず最初に、ちょっと変わった事件でありましたので、きょうは公正取引委員会においでいただいていますが、お伺いをいたしたいと思うのです。  五月十九日に、在日米海軍発注の工事で受注建設業者が常習的に談合していた疑いがあるということで、横浜、横須賀両市に本社や支社、営業所を持つ、大手を含む約二十社ぐらいですかに公正取引委員会による立入検査が行われた。公正取引委員会が米軍発注工事で建設業者の立入検査をしたなどというのはちょっと異例なことでありまして、その立入検査の根拠といいますか理由、そのいわゆる不正行為の内容等について、概略御説明いただきたいと思います。
  4. 植木邦之

    ○植木(邦)政府委員 お答えいたします。  先生おっしゃいますように、先週、私ども米軍の工事の関係で談合があるのではないかということで立入検査をいたしました。その根拠といいますのは、私どもは、こういうようなことがあるのではないか、つまり独占禁止法に違反するような事実があるのではないかというような手がかりといいますか端緒といいますか、そういうことがありましたら、それを検討いたしまして、そして独占禁止法の規定に基づいて立入検査をするということになっておりますので、それに基づいてやったわけでございます。  その理由といいますか内容は、在日米軍関係に出入りしていらっしゃる建設業者の方々が、入札に関連いたしまして、あらかじめだれが落とすか、つまり受注予定者でございますが、これを決めているのではないかという疑いでございまして、こういうようなことを行いますと、私どもの法律では、各事業者、つまり企業が話し合って一定の取引分野の競争を実質的に制限する、競争を制限するのではないかということになるわけでして、その場合、各企業がやっておりますと独占禁止法の三条、団体がやっておりますと独占禁止法の八条違反するということになりますので、その疑いを持って立入検査をいたしたわけでございます。
  5. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 工事の内容といいますか、そう詳しくは調査中だからなかなか言えないと思うが、どんな工事についてどうであったか、お知らせをいただきたいと思います。
  6. 植木邦之

    ○植木(邦)政府委員 私どもも、お預かりいたしました資料を見ながら、どういう工事の内容かということをこれから精査していかなければいかぬと思っておりますが、大体私どもが現在のところつかんでおりますことは、例えばしゅんせつ工事とか建築工事、土木工事あるいは電気工事、そういうようなところで談合が行われたのではないかと考えております。
  7. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 これは恐らくここだけではなくて、それぞれの基地で同様のことが行われているのだろうというふうにも思うのですけれども、そんな点では一定の情報なども入っているのだろうと思います。新聞などでは、どうも各基地にわたって米軍工事についてこういうようなことがあるのではないかというような懸念といいますか、そんなようなこともちょっと書いているようでありますが、いかがですか。
  8. 植木邦之

    ○植木(邦)政府委員 この件につきましては、先生おっしゃいますように新聞にいろいろ書いてございますが、私ども具体的な端緒に接しました場合に立入検査をして調べるというわけでございまして、現在のところそういうような端緒には接しておりません。
  9. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 しかし、米軍工事の発注の仕方というのは、聞くところによると一般競争入札である。これは、国だとか地方自治体などの場合には指名競争入札が通常だろうと思うのですが、指名競争入札ではなくて、だれでも入札に参加していいよ、こういう一般競争入札制度であるというふうに聞いているのですが、そうですか。
  10. 植木邦之

    ○植木(邦)政府委員 おっしゃるとおりでございまして、我が国では通常指名競争入札というのが行われておりますが、米軍関係の入札方法は少し違うようでございます。そういう公開あるいは一般の競争入札ということでございますから、ある程度アメリカ軍側が認めた業者というのが競争入札に参加できるという形になっていると承知しておりますけれども、それがどういうような形で談合したのかということは、これからの調査によることだと私は考えております。
  11. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 どうもそこら辺がよくわからないのですね。五人なり七人なり指名をして入札などという場合には、その人たちが談合というようなことはあるのだろうけれども、しかし、オープンで自由に参加して競争入札するのに談合などというのはあるのかなという感じがちょっとしてならないのです。もちろん情報があって立入検査しているのですから、それだけの根拠は当然あるわけでありましょうから、よくお調べいただきたいと思うのです。  いわゆる星友会というのですか、これが昨年の秋、米軍犯罪捜査部から警告を受けて解散したと言われているのですが、何かこれにかわるような新たな組織のようなものができて、そこが媒体になってこんなことをやっていたのですか、どうなんですか。
  12. 植木邦之

    ○植木(邦)政府委員 まことに申しわけございません。通り一遍みたいな答弁になるかと思いますけれども、私の方は、そういうような組織があってやっていて、それが解散された、その後また新しい組織があるのではなかろうかとか、あるいはその組織がなくても別な形で行われるのではなかろうかというような形で、疑いを持って調べているわけでございます。
  13. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 ひとつしっかり調べてみてほしいと思うのです。  最後にちょっとお聞きしたいのですが、去年の秋、十一月ですか、ワシントンで日米独禁当局の協議があった、ここでアメリカ側に対して日本側が厳正な対処を約束したというふうに伝えられていますが、その内容をお話しください。
  14. 植木邦之

    ○植木(邦)政府委員 新聞には日米独禁当局会議とか会談というようなことで書いてございますけれども、私どもは、OECDでいろいろな各国の独禁当局と話し合うということのほかに、アメリカ、EC、ドイツ連邦共和国、フランス、お隣の韓国というところとバイラテラルに会議をしておりまして、それで各国の独占禁止法上の問題点の経験交流ということを毎年定期にやっております。  先生おっしゃいますように、昨年十一月の十六日と十七日、アメリカに行って会議をする番でございましたので、私どもの方からアメリカの方に行って会議をしたわけでございますけれども、この場におきまして、日本あるいはアメリカがどういうような重点で競争政策を推進するか、あるいは日本の市場アクセスの改善についてどうするのか、あるいは入札談合についてどのような法適用をするかという意見交換が行われたのは事実でございます。  入札談合についての法適用につきましては、先ほど申し上げましたように、日米双方とも経験交流をいたすわけでございますから、アメリカ側も日本側もその基本的な考え方あるいは現在までの違反事例というようなものを紹介し合ったわけでございます。アメリカ側からは、入札談合を、これは現在アメリカの司法省反トラスト局は重点政策としてやっておりますので、そういうような重点政策でどういうようにやっておるかという説明があったと聞いておりますし、我々も、日本では独占禁止法に疑いのある行為につきましては、その具体的な端緒に接した場合には厳正に対処するのだという意向を表明したところでございます。
  15. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 これは多国間でやっているのですか。今の場合は日本とアメリカだけでやったわけですね。この会議といいますか、そういうものの正式な呼び方、名称というのはどういうものなのか、そしてこれはいつごろから行われているのか、それを知らせてください。
  16. 植木邦之

    ○植木(邦)政府委員 お答えいたします。  多国間とおっしゃいましたけれども、OECDの場におきましては、独占禁止当局が多国間で一堂のもとに会していろいろ経験交流をいたします。それからバイラテラルに日本と……
  17. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 アメリカのものでいいですよ。
  18. 植木邦之

    ○植木(邦)政府委員 アメリカの場合はたしか五十二年ぐらいからやっていると思います。
  19. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 名称は。
  20. 植木邦之

    ○植木(邦)政府委員 失礼いたしました。  いろいろ言い方がありますが、日米独占禁止当局の定期協議と称しております。
  21. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 どうなんですか。我々ちょっと考えますと、最近の大変な日米間の摩擦があるわけでありますから、今度の問題の背景にはそんな一つの影が出てきたのかなという感じもしないわけじゃないのですが、アメリカ側から格別情報なり要請なり、そんなものがあってやったということではないですね。
  22. 植木邦之

    ○植木(邦)政府委員 ただいま申し上げましたように、昨年十一月、ワシントンで日米の独占禁止当局の定期協議が行われました。その会合で入札問題について話が出たのは事実でございますけれども、日米独禁当局の間で行われている相互の情報交換ということにつきましては、具体的な内容は事柄の性質上申し上げられないこともありますけれども、本件につきましては、私どもが独自の情報で独自に端緒を発見してやったものでございます。
  23. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 はい、わかりました。  どうぞ、お帰りいただいて結構でございます。御苦労さんでした。  それから、これも最近非常に大きな事件として我々も深い関心を持たざるを得ないのでありますが、政府広報汚職事件であります。我々も新聞で大体承知しておりますが、まず概要を、そう長きにわたらなくて結構ですが、手短に御報告をいただきたい。
  24. 大金瑞穂

    ○大金説明員 ただいま御指摘がございました総理府元幹部職員の汚職事件の事実関係でございますが、昭和六十三年五月十一日午前九時三十分ごろでございますが、総理府に東京地方検察庁から収賄被疑事件につきまして、令状執行の上、関係書類等の差し押さえ、捜索を受けたわけでございます。その後、本件は司直の手にゆだねられておるわけでございまして、私どもとしてもその結果を見守っておるという状況でございます。
  25. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 しかし、我々が連日の新聞等で見る内容は、どうも驚くべき内容になっているわけです。ちょっと信じがたいものだ。しかも、それは政府広報に関する汚職であります。一体どうしてこういうようなことが、しかも長年にわたってあったのか、大変驚かざるを得ないわけであります。  そこで、これに対するこれからの防止策あるいは綱紀粛正の方策、これらについては一生懸命お取り組みいただいていると思いますが、そんな点で、今行われていること、あるいはこれからの計画等についてお話しください。
  26. 大金瑞穂

    ○大金説明員 お答え申し上げます。  本事件が起きて直ちに綱紀粛正のための措置、万全の措置をとる必要ももちろんあるわけでございますので、五月十三日でございますが、内閣官房長官から職員に対する綱紀粛正のための通達が出されたわけでございます。この通達は、総理府の部局長から各職員に対しまして伝えられたわけでございますが、職員に対して綱紀の保持についての注意を各部局長から喚起いたしております。  さらに、総理府幹部職員に対しましては、五月十七日でございますが、石原官房副長官から厳正な規律の保持及びこのような事件の再発防止についての訓示がございまして、これを踏まえまして幹部職員からさらに職員にも周知徹底を図っておるところでございます。  また、この綱紀粛正の実効をあらしめるための具体的な措置でございますが、これは、現在総理府内に業務適正化委員会が設けられまして鋭意その検討を進めておるところでございます。この業務適正化委員会は五月十一日に設置されたわけでございますが、ここで広報予算執行体制の見直しあるいは人事管理、人事配置の見直しを行いまして、現在その具体的な措置の検討に入っておるところでございまして、こういった措置を通じまして不祥事の再発防止のために万全を期してまいりたいと考えております。
  27. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 業務適正化委員会というのをつくって一生懸命やり始めたということなのですが、業務適正化委員会のメンバーが今度はまた容疑者になっているのじゃないですか。そんな人たちが集まって適正化委員会をやってみたってどういうことになるのですか。そういう事実があるんでしょう。それで何か次回から今度は適正化委員会には出ないことになるのかどうかというような話をしているようなんですけれども、どうなんですか。
  28. 大金瑞穂

    ○大金説明員 ただいま御指摘のとおり、適正化委員会のメンバーの一名につきまして新聞報道があったことは事実でございます。ただ、これはあくまで個人の問題でございますから、適正化委員会といたしましては、仮にこのメンバーが外れましても、業務内容の適正な執行のための検討はもちろんやらなければいけないことでございますし、鋭意その努力は続けておるところでございます。
  29. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 僕は思うのですが、殊に政府広報ですから、こういう執行の問題も重要ですし、あるいはその広報のあり方自身も偏らない公正な広報ということが非常に重要なことです、年間百億以上今使っておるわけですから。こういうような問題があって、今大変な問題が生じて、これを適正化するための委員会を設けてやるという場合、そのことをやっていた人方が委員会をつくってやるということだけでなくて、一番いいのは少し外の風を入れた方がいい。  ほかの広報なんというのを見てみましても、自治体でもどこでもそうですけれども、例えば自治体で広報紙誌だとかいろいろな広報活動をやっている。こんなときには、市民の中からだれかが広報の運営委員だとか審議会だとかいうものに参加して、そして、それが市民の目から見ても、市長が自分の思うような方向に勝手に広報するなんということのない、公正な、偏らないものだなということを見たり、その執行の正しさというようなものをチェックするというような委員会というものを普通設けるものなんですよ。  これは、政府広報なんかという場合に僕はそういうものがあるのではないかと思って今度の事件の中で聞いてみたら、ないんだそうですね。僕はこれはちょっとおかしいなという感じがする。やはり公正な政府広報というものを進める上ではそういうものをおつくりになったらいかがかと思う。殊に今のような問題をちゃんと粛正していくという意味からいいましても、今までの内部の人たちでやるのじゃなくて、外の風を入れた方がいいという意味からも御検討いただくべきじゃないかと思うのですが、いかがですか。
  30. 宮脇磊介

    ○宮脇政府委員 広報業務の運営にかかわることでございますので、私の方からお答えさせていただきたいと思います。  確かに委員仰せのとおりでございまして、政府広報につきましては、ただいまのところ制度的には審議会のようなものを設けていたしてはおりません。過去の歴史をさかのぼりますと、時々部外の方にお集まりいただいて御指導いただいたというようなことが若干記録には残っておりますが、恒常的なものとしてはございません。  私、一昨年夏よりこの仕事を受け持たせていただいたわけでございますが、参りまして早速、これは部内的なものでございますが、やはり広報室の一人一人が広報マンとして一般の方々に比べて真に専門家たるべく意識と知識、技能を持たなければならないというようなことから、毎月一遍、第二水曜日に、二水会と称しまして最近は定着をしてまいりましたが、そういう研修会を全員対象に行っております。また、やはり一昨年からでございますが、広報効果研究会というものを設置いたしましてさまざまな角度から検討、見直しを加えているところでございます。既に四十回実施をいたしておるところでございます。また部外の方々につきましては、随時いろいろと御指導を賜っている。前後いたしますけれども、ただいま二水会は部外の方を講師として専門家を御招聘いたしましてやっておるものでございます。  それから、個別的には、例えば世論調査などにつきましては、各報道機関の世論調査の責任者の方にお集まりをいただいて御指導いただく機会を得たりいたしておるところでございます。きょうも実は午後から全国の各都道府県の広報広聴担当者の全国会議が総理府の講堂で催されますけれども、この際にも、部外の斯界で最も権威のある方に講演を依頼しておるというようなところでございます。  しかしながら、委員仰せの委員会のようなものは今のところございませんので、今後ともいろいろな機会をとらえまして各界の意見の聴取に努めてまいりたい、それを政府広報に反映させてまいりたい、かように存じておるところでございます。
  31. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 広報室長ですね、今の答弁は。つまりあなたがこの問題の答弁の一番の責任者だ。いわばそういうことだね。いいのだけれども、僕が広報室長なら、まずこういう機会だから国民に謝るよ、責任者としては。この後もうちょっとお聞きしますから、機会があればそうしたらいいと思うのですね。  広報室長、そういうことでいろいろやっているけれども、こういう問題がやはり起こったわけでしょう。だから、そういう点でいえば、やはり新たにどういう対応をしていくかということは考えなければいけないのじゃないですか。今までそうやってきたからいいのだということではないわけでしょう。こういう問題が起こったからここでどうしようかということですからね。  それで、さっきお話がございました内部で業務適正化委員会というものをつくってやっていくのだ、その適正化委員会のメンバーの重要な一人がまたどうも容疑があったというようなことでは、僕はやはり本当の意味の適正化にはならないような気がする。  広報の公正化という意味からも少し外の風を入れたらいいのじゃないか。もういつだって政府は、いろいろな機会にやはり審議会をつくったり民間の空気を入れていこうというような作業は、本当に我々見ると必要以上にやっているくらいな感じでいつもやるわけですからね。僕はそれはある意味ではいいと思いますよ。広報なんというものこそ僕はそういうものが必要ではないかと思うのですよ。随時いろいろ話を聞くようなこともやっているというお話だけれども、ぜひひとつまともに検討してそういうようなものを設けるようにした方がいいと思います。こういうことがあった機会だから。
  32. 宮脇磊介

    ○宮脇政府委員 委員仰せのとおりでございまして、そういう面につきまして正面から取り組んでまいりたいと存じます。  なお、御指摘にございましたように、今回のかかる不祥事につきましては、政府広報の業者の選定ないしは契約の仕組み等につきましていろいろ問題があったと存じておりますので、その一端を担っております者といたしましてまことに残念であり申しわけないことだ、かように存じております。
  33. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 つまり、今の審議会のようなものの設置についても真剣に検討してみる、こういうことですか、仰せのとおり真剣に取り組みますということは。
  34. 宮脇磊介

    ○宮脇政府委員 審議会というような名称はともかくといたしまして、さような外部の方々の御意向を十分取り入れるような機会を設けて、客観的に見まして政府広報が公正、中正なものである、また信頼できるものであるという方向に前向きに取り組んでまいりたい、そういう趣旨でございます。
  35. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 ぜひそういうことにして、面目を一新して、政府広報としての信頼を一日も早く取り戻して頑張ってほしいと思います。  次に、これはいつも先輩の皆さんが当委員会でも御議論になっておられるようでありますが、なかなかどうもかみ合わないというか、NATO方式といっても、それぞれ考え方、議論が出ているようでありますから、きょう少しそんな意味で勉強させていただきたいと思って御質問申し上げたいと思うのであります。  いわゆるNATO方式でいうと、我が国の防衛予算というのは西側各国の比較からいうと何番目ぐらいになるのですか、なるべく最近の資料で。
  36. 日吉章

    ○日吉政府委員 お答え申し上げます。  委員ただいま御質問なさいましたように、各国の国防費を比較いたしますのは、国防費の概念が画一的でありませんので非常に難しゅうございます。ただ、委員がただいま御指摘になりましたように、NATO諸国には共通のNATO方式というのがございますので、そういうものでNATO諸国以外の諸国の防衛費の比較をするというのは一つの比較の方法になろうかと思います。ただ、残念ながらNATO方式といいますのはNATO諸国の中で取り扱いが秘になってございまして、実は私たちNATO諸国外の国にとっては、正確なことがわからないという事情にございます。  ただ、私どもも、当委員会を初めいろいろ我が国でも御議論がございますので、我々なりにいろいろ調査をいたしてみましたところ、どうも我が国の防衛関係費以外に軍人の恩給関係の経費が入っているのではないだろうかという点が最大の問題点でございます。それで調べましたところ、NATO定義によりますと、必ずしもはっきりはいたさないのでございますけれども、職業軍人と軍に雇用された文官に対しまして政府が直接支払う恩給はどうも含まれているようでございますが、戦争被害の補償に対するものは含まれていないと推測されます。  そういうことで、我が国の旧軍人遺族等恩給費を合算するといいのかどうかということになるわけなんでございますけれども、まず基本的に、我が自衛隊は旧軍隊とは連続していないという問題がございますが、この点はあえて無視いたしまして合算するというふうにいたしましても、私ただいま申しましたように戦争被害に対する補償の部分が含まれておりませんので、そういう意味では、我が国の旧軍人遺族等恩給費の中で普通恩給の部分と普通扶助料の部分を加えればよろしいのではないか、かように考えられます。  ところが、NATO方式では職業軍人に係るもののみになってございまして、徴兵等によりまして軍人になりました者に係ります恩給費は入っていないようでございます。我が国の旧軍人遺族等恩給費は職業軍人とその他の者が分かれておりませんので、私が今申しましたものを合算いたしますと、実は多くなり過ぎるのではないか、こういうふうな状況でございます。ただ、この点は区分けができておりませんので、残念ながら正確には比較ができない。  もう一点、よく議論になります点は、諸外国の場合には沿岸警備隊等の準軍隊的なものが入っているのではなかろうかということがございます。この点は、私たちが調べましたところでは必ずしも明らかでございません。ただ、我が国でこれに類するものとしますと海上保安庁であろうかと思いますが、海上保安庁につきましては、庁法に掲げられておりますその任務等から見まして、これは明らかに準軍隊とは言えないということで、合算するのは問題であろう、かように考えられます。  話が長くなりましたけれども、こういうふうに必ずしも正確には比較できないのでございますが、六十三年度について申しますと、本来の防衛関係費三兆七千三億円に今私が申しました旧軍人遺族等恩給費の中の普通恩給と普通扶助料をすべて合算してしまいますと、おおむね一・二倍程度になろうかと思います。ところがこの中には職業軍人以外の者の恩給費が入ってございますから、実は一・二倍といいますのは多くなっているのではないかと思います。  我が国の防衛関係費をあえてNATO定義で試算しますと、そういう数字になろうかと思います。  それでは、比較すべきNATO諸国のNATO定義による国防費というのはどうかということでございますが、実は六十三年度予算と比較すべき一九八八年度のものは、NATO諸国のNATO定義の国防費がまだ出ておりません。したがいまして、一年前になりますけれども、一九八七年度のNATO定義によります各国の国防費を、これは為替レートが関係してまいりますので、最近、直近時点の為替レートで換算いたしました場合に、我が国は英国、西独、フランスというような主要なNATO諸国の防衛費よりも、一・二倍という計算をいたしましても下回ったものになってございます。必ずしも第何位になるというふうには言えないと思いますが、英国、西独、フランスより小さな数字になることは確実だと思われます。
  37. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 今お配りした資料「いわゆる「NATO方式」による日本と西側各国の軍事費の比較」は、下の方に書いてございますが、「日本については昭和六十二年度当初予算の金額、他の各国の数字は”NATOレビュー”誌一九八七年のNATO方式による軍事費の金額。」「各国通貨の円換算レートは、一ドル百二十九円四十一銭、一ポンド二百三十八円八十八銭、一マルク七十九・三円、一フラン二十三・六円、(東京市場八七年十二月平均)」ということになっております。こういうことで計算をしたものなのでありますが、実は出どころは、この資料は国立国会図書館外交防衛調査室の調査によるものであります。  そこで、これはNATOレビューでもこういう数字が出ているわけですね。もちろん今お話しのような考え方もあろうと思います。しかし、数字からいいましても、かなり客観性のあるこれでいいますと、ドル表示ではアメリカに次いで日本ということになるわけであります。しかも、当時から見るとレートはこれよりももっと変わってきているわけで、ドル表示では日本の場合にはより多くなるわけであります。  この間二月二十八日、アーミテージ・アメリカ国防次官補がワシントンで講演をした内容が反響を呼んだ。この内容は、日本の防衛力整備の内容を理解した妥当なものという防衛庁側の評価等もあったようでありますが、その中でこういうことがある。日本の来年度防衛予算は、イギリス、フランス、西ドイツを抜いて世界第三位になる瀬戸際に来ている、第三位になったというのでなくても、瀬戸際に来ているということのようであります。  今、一・二というお話がございましたけれども、これはさまざまな学者で見解が出ております。その中でも、どちらかというと政府側あるいはアメリカなどの見解をとってみましても、例えばシアトルのワシントン大学で政治学及び国際問題を受け持っているドナルド・ヘルマン教授が、アメリカの下院外交委員会アジア太平洋問題及び国際経済政策・通商小委員会、通称ソラーズ委員会で言っているのでありますが、日本がNATOの計算方法を採用すれば、その軍事費は既にGNPの一・五%に達しているという証言をしているようであります。  あるいは、ロンドンの国際戦略研究所の地域安全保障研究担当次長ラインハルト・ドリフテ氏も、日本の防衛に関する論文で、現在の日本の防衛費はGNPの〇・九%、これはちょっと前のあれだからでしょうね、〇・九%であるが、年金のための資金などを含めるNATOの計算方式によれば、GNPの一・五%に当たる。  防衛庁サイドの学者である福島防衛研修所教官は、NATO諸国やアメリカでは軍人恩給費を防衛費に含めているので、我が国のこれを防衛費に加えると、負担率は〇・九%から一・四%に一躍上昇するし、アメリカの沿岸警備隊に相当する海上保安庁の経費を追加すれば比率はさらに高くなる、等々あるわけなんですね。  あるいは、マンスフィールド駐日大使が質問に答えて言っている。これはもうよく言われるところでありますが、日本はGNPの一%以下しか軍事目的のために支出していないとよく言われているが、日本の防衛予算に従えばそのとおりです、しかし年金とか遺族に対する恩給なども含め、アメリカと同じような算定基準を使えば、その数字はGNPの一・五%から一・六%になる、こうもおっしゃっておられる。  だから、まあそれぞれお話しのように見方があると思うのですが、私は、少なくても西側の中ではアメリカに次いで、イギリスや西ドイツやフランスと日本は、第二位グループということは言えるのではないかと思うわけです。世界でということになれば、ソ連を入れれば第三位グループ。多少の見解の差はもちろんあるが、大ざっぱに言えば、そのぐらいの状況に今日なっているという認識を持つのでありますが、いかがですか。
  38. 日吉章

    ○日吉政府委員 お答え申し上げます。  まず最初に、ただいま委員の方から資料をお配りいただきましたので、それにつきましてお答え申し上げたいと思います。  委員お配りいただきました資料の中の六十二年度の日本の防衛予算でございますが、防衛関係費は御指摘のとおりでございます。かつ、旧軍人恩給費、海上保安庁の経費、これはすべて全額を計上いたしますと、かようでございますが、私、先ほど申しましたように、NATO方式に換算いたします場合には、この旧軍人恩給費の中で普通恩給と普通扶助料のみを合算するのが妥当ではないかと申しあげたわけでございまして、そういたしますと、委員御指摘の一兆六千億が約七千四百億ぐらいになります。ただ、その場合にも職業軍人以外の軍人に係る部分が入ってございますので、これはやはり過大ではないかと思いますが、そういう数字になります。  それから、海上保安庁は、先ほど申しましたように海上保安庁の性格から見まして合算するのは妥当ではないのではないか、こういうことでございまして、委員御指摘の資料によりますれば、確かに一・五倍程度になります。これが諸外国からいろいろ言われております一・五倍に大体平仄が合っているのではないかと思いますが、私が申しましたような数字でいいますと、一・二倍というようなことになろうかと思います。  なお、委員、何人かの海外の人々の御意見を引用されたのでございますが、とかく予算の中身といいますものは、その国でないとわからない点がございまして、したがいまして、私は、委員が御指摘になりましたへルマン教授とかラインハルト氏等の論評といいますのは、委員がただいま御指摘になられましたような我が日本の国内におきます議論が、どちらかといいますと逆輸入されてきているのではないか、かように考える次第でございます。そういう点で、やはり最大限に見積もりましてもNATO方式で一・二倍未満ではないかというふうに私は思います。  ただ、委員最後に御質問のように、そうは言いましても、もう既に英国、西独、フランスと同じグループになっているのではないかというお尋ねでございますが、私のような計算をいたしますと、なお英国、西独、フランスとの間には差はございます。ただ、これはグループで言いました場合に、どのレンジ、幅でグループをくくるかという問題でございますので、これは見ようではないかと思いますが、私はやはり西独、英国、フランスとはまだ若干の差があるのではないかと思いますが、そこはくくり方次第ではないか、かように思います。
  39. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 つまり、仮にあなたの今の計算でいきましても四兆円台ですね。ほかのイギリス、西ドイツ、フランスなんかもこれでいきますと四兆円台。そこのところは計算の差で、ここで出ているのは、つまり「NATOレビュー」で出しているものの資料によれば五兆二千四百三十一億円。しかし、あなたの言う計算でいったって四兆数千億円ということになるわけで、これはあなたのとおり持っていったってイギリスや西ドイツやフランスとやや似たものだ。やや同一グループだ。  それは、ちょっと上だとか下だとかいえばあるかもしれませんが、では、ことしで計算したらどうなるのかということにもなりますが、くくり方といったって、それは余り離れているものをくくるわけにいかないが、やや同じレベルのものでくくっていけば、これは西側では今や二番目のグループだ。少なくてもイギリスや西ドイツやフランスと肩を並べたものだ。世界でいえば第三グループに入った。これはやはり言えるのじゃないですか。どうですか。
  40. 日吉章

    ○日吉政府委員 我が国の防衛費が諸外国と比較いたしました場合に相対的に大きなものになってきておりますのには、最大の原因はドル安と言われておりますけれども、その中で、比較的円が強くなってきているといいます為替レートによるところが大きゅうございます。フランスの国防費あたりは、ある程度毎年度の伸びも高うございます。それにもかかわらず近づいてきておりますというのは、そういう点がございます。  先生御指摘のように、日本の防衛費が今お挙げになられました西欧三国に近くなってきていることは事実でございますけれども、それが同じグループとしてくくり得るのか、くくることが妥当かどうかという点は、またいろいろ御議論、考え方のあるところではないかと思います。  それからもう一点、これは先生も御存じのことなのだと思いますが、お配りいただきました資料でございますが、その資料の(注)のところにもお書きいただいておりますように、「NATOレビュー」の数字はアメリカ以下のNATO諸国の数字でございまして、日本の数字は、一つの表に掲げられておりますけれども、六十二年度の我が国の予算書からとった数字になってございますので、念のため申し添えさせていただきたいと思います。
  41. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 これは、レートは百二十九円四十一銭ですね。今のレートで計算したらどうなりますか。――いや、きちんと計算しなくてもいいですよ。考え方です。
  42. 日吉章

    ○日吉政府委員 五月二十日のレートで計算いたしましたものを私手元に持っておりますので、それで申し上げますと、アメリカ合衆国は、これはばかでこうございますのでちょっと手元にございませんが、英国でございますが、これは四兆五千八百八十七億円というふうになります。ドル表示にいたしますと三百六十四億ドル、それから西独が三百六十二億ドル、フランスが三百六十五億ドル、それから日本の場合でございますが、一・二倍というように、普通恩給、普通扶助料を全額合算したところでございますが、それで三百三十八億ドルでございます。
  43. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 これはレートを幾らでやっていましたか。
  44. 日吉章

    ○日吉政府委員 失礼しました。一ドル百二十五円九十銭、一ドル〇・五三一九ポンド、一ドル一・六九八四マルク、一ドル五・六九一七フラン、これは五月二十日、TTSレートでございます。
  45. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 内容的に言うと、今の軍人恩給費もそうでありますし、海上保安庁にいたしましても随分いろいろ議論が分かれるところなようであります。  例えば、海上保安庁につきましても、軍事評論家の前田哲男さんなんかは、海上保安庁の保有勢力は軍隊の一部であるとみなされ、「ミリタリー・バランス」その他では準軍隊に分類される。この経費を防衛関係費と見なさないのは日本だけの常識である、こういう見方もあるのですね。逆にまた、アメリカ、ヨーロッパでは宇宙開発が軍主導で行われているので、その予算は国防予算として区分されるのが普通であるが、日本では科学技術庁予算に組み入れられている。こういうような問題もまたあるわけですね。  これはやはり全部整理していきますと、お話しのようなことではないのではないかと思いますね。今そういうようなことのさまざまな要素はあるけれども、大づかみに言えば、イギリス、西ドイツ、フランス等、見解の差はそれぞれあるし、我々の一・五倍からいうと日本がダントツということにはなるが、仮に今のお話を考えながら見ても、やや西側で第二グループ、世界的に見ても第三グループに入った、こういう印象を強くするわけであります。  さて、この前参議院なんかでもかなり議論され、こちらの方でも議論を先輩の皆さんがなされたところでありますが、次期防の組み立て方について西廣局長は、軍事技術の進歩などを考えて、固定するのは五年計画のうち最初の三年分にする考え方もある、こういう見解を明らかになされているようであります。その辺のところをちょっと御説明をいただきたいと思います。
  46. 西廣整輝

    西廣政府委員 先般たしか井上先生の方からの御質問で次期防についていろいろなことを申し上げたと思いますが、初めにお断り申し上げておきますと、次期防のあり方につきましては、昨年、現在の中期計画の経費枠についての閣議決定がございましたときに、六十六年度以降の防衛力整備にかかわる防衛費の問題については改めてそのときの国際情勢なりあるいは経済財政事情といったものを勘案して決めるのだということになっておりまして、現在のところ、まだ何も決まっていないというのが実情であります。したがいまして、次期防の計画方式その他経費枠の物の考え方等については、今後安全保障会議で十分御審議いただかなくてはいかぬ。まだ一度も御審議いただいておりませんので、我々としてもどうなるだろうかということが見当がつかないわけでございます。  ただ、現状で申し上げられるのは、あの閣議決定があった後に、当時の防衛庁長官、栗原長官でございますが、国会等で申し上げたように、防衛庁としては引き続き現在の中期計画のような政府計画というものが防衛力整備を計画的にかつ効率的に行うためには要ると思うということで、防衛庁としてはその種の中期計画が欲しいということが第一点であります。  それから第二点は、これは御真意のほどははっきりわかりませんが、竹下総理は何度かこの問題についてお話しになっておられます。要するに、まず計画ありきといいますか、日本の防衛のために必要な計画というものがまず必要だろう。それがあって金額がある。要するに、金目だけが先行して先に決まってしまうということは余り適切でないのではないかというような趣旨のことを御答弁になっておられます。したがって、当然計画がつくられるというふうに私ども考えておるわけでございます。  ただ、昨年一月に、いわば計画があってその計画と表裏一体になった経費の総額というものを決める、いわゆる総額明示主義というように一般には言われておりますが、そういった形の閣議決定があったばかりでございますので、私どもとしては、当然その閣議決定というものは次の計画においても尊重されるのではなかろうかなというようには考えております。  以上が現在までのところの状況でございまして、あとはまだ何も部内でも論議しておりませんので、とやかく申し上げるのはなにかと思いますが、私自身二次防以来、過去数次にわたる計画、中期計画に従事したことがありますので、その経験から二、三申し上げたわけであります。  申し上げた点は幾つかありまして、一つは、五年計画なりあるいは三年計画という年次の区切り方の問題で先般井上先生にお答え申し上げたと思うのです。それぞれにメリット、デメリットがありますということを申し上げたわけです。  防衛力整備となりますと、船を整備するあるいは航空機を整備するということになりますと、一隻つくるだけで通常三年なり四年の期間がかかりますので、できれば中期計画というのは長ければ長いほど、この計画においてどういうことをしようとしているのだという考え方が明らかにできるという点で長い方がいいという点はあろうかと思います。余り短いと細切れになりまして、この計画期間中にどういうことをしようとしているのかということが十分示し得ないという点があろうかと思います。そういう点で長い方がいいわけでございます。  一方、従来の経験から申し上げますと、余り先の方のことになりますと、それまでの間に、例えば五年ぐらい経過しますと、今先生の御質問にもありましたように軍事技術なり周辺の軍備の動向というものが変わってまいりまして、当初計画したものをそのままやることが必ずしも適当でない状況の変化ということもありますし、我々自身の将来に対する見通しといいますか情勢判断そのものの確度の問題もございます。そういう点で十分な計画になり得ない、先に行けば行くほど漠としてしまうというデメリットもあるわけであります。  一方、三年といったような計画にするということになると、先ほど申したように、期間が短いのでそれなりに何をしようかということが明確にできないと同時に、事務当局の事務的な能力の問題もあります。三年ごとに中期計画をつくるということになると非常に忙しいことになります。できたと思ったらもう次の計画の作成に着手をしなければいけない。それでは、できた途端に先の問題について新しい知恵が浮かぶかといいますと、つくってやれやれと思ったところで、まだ先のことについてそういろいろ見通し得るというような状況もありませんので、次から次に、余り頭が切りかわらないうちに先のことを考えなければいけないということで非常に慌ただしいし、腰を据えた計画がつくれないといういろいろな問題があります。そういったことを仮に今後安全保障会議で論議されるとなれば、そういった状況を十分御説明をいたしまして、さればどういう方法がいいのかということをお決めいただくのではなかろうかと思っておる次第であります。
  47. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 まだこれからのことでありますから、局長としての私的な見解というものであろうというふうにも思うのです。つまりそれは、金額を明示する面では今のアイデアでいけば三カ年間、一応方向としては五年ぐらい考えていて、金額を明示するのは三年で、それはローリングシステムでいく、一年たてばまた先に一年つけていくというような意味でおっしゃっているのですか。
  48. 西廣整輝

    西廣政府委員 たしか先般の本委員会井上先生にお答えしたときに、五年なら五年のうち三年について金額をということをちょっと申し上げたと思いますが、これは考え方によっては三年計画ということだろうと思うのです。三年計画を続けていくということだろうと思いますが、要は、総額明示主義というのは計画と金額が一体でなければいけない、ぐるぐるローリングでいきますとわけがわからなくなりますので、やはりきちっと区切られていかなければいかぬということになりますから、三年計画というものがあり、かつそれの裏づけになる金額というものがはっきり決まっておるというのが一つの条件だろうと思います。  ただ、三年計画ですと先ほど申したように全体的な姿が明確でないということで、例えば三年計画のほかにあと二年ぐらいの参考みたいな形で、全体ではこういったことになる、一応想定していますといったようなものをつけて、三年ごとにそういう三年計画をつくっていくというような方法もあるのかなという一つのアイデアを申し上げただけであります。
  49. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 そうすると、先の方の二年というのは金額を明示しないで計画をつくるというわけだね。しかし、それは三年でいくというのだから、次の三年のときには、その計画というものは金額で計算するとどういうことかということは、なってみないとわからないわけだ。  これは事実上総額明示方式というのはそういう意味では――今のは三年計画で編成をする、後のものはもちろん総額は明示しないわけですね、金額はつかない。つかないが一応具体的な計画をその先につけておく。三年たったら、ローリングでやらないというのだから、三年たってからなんでしょうね。三年たって、それで二年というのだから、そこもちょっとわからないのです。その先に一年くっつけるのですかね。そこがちょっとよくわからないのです。少し説明してください、今の話ではローリングということではないのでしょう。
  50. 西廣整輝

    西廣政府委員 思いつきのような話で、私もそう固まったわけではございませんが、基本は、三年計画を順次やっていく、年次計画でやっていくというふうにお考えいただいた方がいいと思います。  ただ、その三年計画という比較的短期間の中期計画の欠点というものをある程度補う意味で、三年計画であるけれども五年分ぐらいの姿といいますか、三年計画のほかにそれに付加される二年分ぐらいの展望はあるけれども、それは計画とは別のものですが、参考になろうかと思いますが、そういったものを示して、形としてはこういうものを描いておりますという参考のためにそういうものをつくっていくということで、三年計画を三年ごとにつくっていくという方法もあるのではないでしょうかということを申し上げたわけであります。
  51. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 どうも非常にわからない点が多いですね。しかし、今官房長官、お忙しい中おいでいただいたようでありますから、この話はこの程度にして、また機会を見てお伺いしたいと思います。  ただ、防衛局長、思いつき、思いつきと、今おっしゃっていたけれども、こういうことは余り思いつき、思いつきで言われては、物すごく重要なことだから、その影響の範囲が大きいですから、どうも余り軽々しくアドバルーンを上げられても非常にどうかなというふうに思いますので、そのことだけちょっと申し上げておきたいと思います。  官房長官、どうもお忙しいところを恐縮でございました。  お伺いしたい点は、この間、朝鮮民主主義人民共和国からいわゆる大韓航空機事件への制裁措置がとられた後初めて来日し、アジア卓球選手権大会に参加していた選手団の途中帰国の問題であります。  実行委員会と朝鮮総連が共催したようでありますが、この昼食会に参加したことが入国に際しての政治活動の禁止の条件に反するということで、法務省はその昼食会の途中、退席の措置をとるように、あるいは結果的に退席というようなことになった、これに共和国の選手団側が硬化して、大会途中で試合を放棄して帰国という事態になった、まことに残念な結果であります。  聞いてみますと、この昼食会には地元の新潟市長なども出席している、あるいは北朝鮮を訪問したことのある人たちなんかもみんな参加して、和やかな歓迎昼食会であったようで、およそ政治集会というようなものとは性格を異にしているように思われるのであります。  これは、官房長官というよりも、法務省もおいでだろうと思いますが、どうしてこういうことになったのか。もともと政府が今回の選手団全員の入国を認めたということは、共和国のオリンピック参加、こういう環境づくりへの外交的配慮、政治的配慮、こういう判断があったからしたのではないかというふうに思うのです。法務省としては、これは公務員も入っておるわけですから、本来今までの制裁措置からいうと入国させるべきものではないが、そういう配慮の中から入国を認めたというものでないかと思うのです。それならそういう趣旨を生かすべきでなかったか。そこら辺がよくわからないのです。まず、法務省からでも、ちょっとその辺のところを、余り長くならないようによろしくお願いします。
  52. 熊谷直博

    ○熊谷政府委員 お答え申し上げます。  今回の北朝鮮卓球代表団の入国につきましては、委員が仰せのとおり、我が国、中国、韓国等三十五カ国及び地域から成りますアジア卓球連合が主催するアジア卓球選手権大会への参加ということを唯一の目的としておりまして、代表団の構成も、拝見しましたところ、そのような目的に照らして適正なものであるというふうに判断されたわけでございまして、対北朝鮮措置の実施中であったにもかかわらず、国家公務員に該当するのではないかと思われる人も含めて全員の入国を認めた次第は委員御指摘のとおりでございます。  ただ、北朝鮮の卓球代表団の入国を認めますに当たりまして、日本において入国の代理申請を行いました在日保証人でありますところの日本卓球協会との間で、入国申請がございましてから、法務当局といたしましては入国の際のいろいろなこちら側の要望あるいは条件というものにつきましていろいろ御相談をいたした経緯がございます。その結果、日本卓球協会側から二点についての確約書をいただいたわけでございます。  一点は、我が国政府の国際関係及びその他の関係における立場を損なう言動をさせないこと、これを保証しますという確約をいただいております。第二に、朝鮮総連等との接触を全く予定しなかった当初の提出済みの日程を変更する場合には、事前に当局の了承を得てほしい、これは得ますということについてが第二点でございますが、そのような確約書を提出していただいておりました。加えまして、その確約書を提出させるに至る経緯におきまして、口頭によっても、日程の中に、例えば朝鮮総連の主催するような行事への参加は好ましくないんだというようなことにつきましても十分に説明をしていた経緯がございます。  そのような経緯がございましたにもかかわらず、在日保証人であるところの日本卓球協会より、五月十八日の夕刻に至りまして初めて、翌日の十九日の昼に、委員申されました北朝鮮選手団歓迎実行委員会という実行委員会、これは北朝鮮を訪問したことのある人たちの集まりだそうでございますが、この実行委員会と朝鮮総連新潟県本部の共催という形でレセプションを開きたいので、そのための日程変更を認めてほしいということを、十八日の夕刻になって当局の方に言ってまいったわけでございます。  この時点におきましては、法務当局限りでのとりあえずの意向として、これは認められる可能性が非常に少ないよということも説明しておりまして、法務当局だけでこれは判断したり措置をとったりすることが好ましくないと思いますので、関係省庁とも協議をいたしました結果、翌十九日、日本卓球協会に対して正式に、この日程変更の申請は認められないという旨を通知いたした次第でございます。  後にわかったことでございますけれども、このような私どもの通知の内容自体が日本卓球協会から代表団に十分に明確に伝わっていなかったということのようでございまして、この点はあるいは非常に問題ではなかったのかと思いますが、いずれにしましても、十九日になりまして歓迎レセプションが現実に開かれた、それに選手団を含めた代表団の人たちが現実に出席しているというふうな情報が入りましたので、確約書をつくっていただくときのお約束及び前日にもそのような回答をいたしたにもかかわらず、歓迎レセプションが開かれて、そこに現実に代表団が出席しているという情報が入りましたために、歓迎レセプションの会場に居合わせました日本卓球協会の役員に対しまして法務当局が、この日程変更は認められないんだということを再度申したわけでございます。  これに従いまして、日本卓球協会の役員がこの当方の連絡に従って卓球代表団にそのとき申したことは、卓球協会の説明によりますと、午後の試合の練習のためということで途中退席させたものであるというふうに私ども承知しております。  以上が経緯でございます。
  53. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 今、確約書というものを聞きましたけれども、我が国の国際的立場を損なわないこと、日程変更の場合には当局の了承を得る、大したことではないですね。これは朝鮮総連の名前が共催に出ていたからいかぬということなんでしょう。朝鮮総連の名前が出てないで、実行委員会という名称で朝鮮総連の人たちもそこにいたら、これは何でもない。何かそこの会合で政治的な発言でもあったのか。  競技を唯一の目的とするといったって、それは飯は食わなきゃだめだし、通常、選手団を歓迎するというのはどこだって常識ですね。私は、そうやかましいことを言うような状況であったのかどうか非常にやはり疑義がある。  しかも、私はそういう選手団の入国を全員認めるとしたときの官房長官のコメントを新聞で見ているが、それには十分な配慮があった。私は非常にいいと思っておる。そういう配慮というものが今のような扱い方で全くなくなっちゃったじゃないですか。なくなったどころでない、逆の効果になってしまった。私は今度の扱いというのは非常に未熟であるというふうに思う。  ただ、お聞きすると、それはそこに居合わせた当局だけでなくて、それぞれ協議をしてもらって、あるいは外務省なり何なりの協議の上で判断をしたというようなことのお話であったが、一体それがどの程度までのレベルの判断があったのか、私は非常に疑義を持つのです。本来、入れたときの政治的判断というものがトップにあるのならば、私はそんなような判断になるわけはないと思う。そのことが一つ。  それからもう一つ、非常に重大な点がある。今話がありましたように、いろいろ当局が言ったことが、卓球協会の方を通じてやったために選手団に伝わっていなかったようだと、きのうですか、おたくの方は卓球協会を呼んで、そしてそのことをやかましく言って警告をしたとかいう記事も出ていた、注意したというのですか。この記事を読むとこういうことですね、今のあなたのお話と同じようなものだけれども、「この席で法務省側は同選手団の入国許可の際、卓球協会を通じて伝えた諸条件が北朝鮮選手団に十分に伝わっていなかったとして、同協会が連絡役を果たしたのかどうかを聴取。同協会が身元保証の役割を十分に果たさなかったとして注意した。」と記事は述べていますが、恐らく今のお話もそういうことだと思う。  しかし、卓球協会にしたって、あるいは外務省にしたって法務省にしたって、言ってみれば受け入れ側だ。共和国の選手団が入国する、それは話し合いの上認められた。それを官民一緒になって、こういう競技のことだからそれを受け入れて、余り面倒なことのないように、みんな喜んでそれぞれ大会に参加して帰れるように、これに対応しているわけだ。選手団に伝わっていなかった、仮にそれは卓球協会のミスがあったとしてみても、それは日本側の問題じゃないか。これを一体どうするのか。  昼食会の途中に退席を命じて、それに反発して引き揚げていった。できればオリンピックに参加することのいろいろな配慮をしていこうということで、この機会にみんな考えていた。それも水の泡だ。これは卓球協会の責任なんと言ってもだめですよ。それはやはり受け入れ側の責任ですよ。受け入れ側というか、それは日本側の責任だ。向こうにしてみれば、共和国側にしてみれば、何だ日本はということでしょう。これは僕は今のお話を聞いてなおさら思った。日本側にこの問題についての非常に重大な責任が残った、そう思うのですが、官房長官いかがですか。
  54. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 一月二十六日の大韓航空機事件に関する官房長官の談話がございまして、政府としてはその方針に基づいて北朝鮮に対する措置を継続してきたわけでございますが、お話しのように、世界各国から卓球の大会があるということでありまして、政府といたしましては、この機会に北朝鮮の入国を認めることによりましてことしの秋開かれるソウル・オリンピックに対しましても好影響が及ぶのではないかという配慮も加えながら、その入国を認めたところでございます。  その結果、残念ながら北朝鮮の選手団の突然の帰国ということになりまして、この措置を継続しておる日本政府の立場でありながら、公務員も含めた選手団一行を迎えたという私の立場といたしましては、まことに残念のきわみであります。政府といたしましてのそれぞれの詳細の措置につきましては、法務省、外務省、警察庁、連絡をとりつつ適切に措置をいたしたものと思ってはおりますが、しかし、行き違いその他ございました結果、最終的にはそのような結果になりましたことは、残念至極だというふうに思っております。 ただ願うことは、選手団あるいは代表団におかれましても、そうしたことでいろいろ御注意があったのだろうとは思いますけれども、その間に直接に政府との話し合いというのは持たれず、現実には卓球協会が受け入れ団体としての責任者という立場でございまして、その間の意思疎通が不十分でありました経過につきましては先ほど局長から御答弁いたしたとおりでございまして、いずれにいたしましても、今回政府といたしましてとりました行為に瑕疵があったとは思いませんが、しかしながら、結果的にはそのような事態になりましたことにつきましては、特に官房長官といたしましてこの入国を認めた立場からいいますと、残念であったと思っております。  ただ、代表団におかれましても、いろいろ事情その他につきまして十分卓球協会と話し合いをされまして、そのいろいろの措置そのものが那辺にあったかということを御理解をいただき、急遽声明を発表して突然の帰国というようなことにならずに、日本政府の立場につきましてもいささか理解をしていただけたらなというのが、今の私の率直な感想でございます。
  55. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 官房長官の率直な御見解をお聞きいたしまして、私も同感で、本当に残念だと思います。何としてもソウル・オリンピックへの共和国の参加ということは極めて大事なことでありますし、聞きますと、本当は初めの計画の帰国する前日にスポーツ関係の国会議員なんかも会って、自民党の議員さんが会ってお話をするというような内々の予定もあったという話をちょっと聞いているのでありますが、それの真否はともかく、そういうこと等も含めていろいろな努力が失われたということは極めて残念でございます。ぜひとつ、こういう大きなミスがあったということの反省の上に、それぞれしかるべき御配慮をお願い申し上げたいと思っております。  官房長官にはそのほか一、二点お聞きしようと思っておりましたが、もう時間がオーバーしました。予定のお約束の時間でありますから、どうぞ。ありがとうございました。  余り時間がございませんが、これも一応聞いておいた方がやはりいいなと思いまして、ちょっと防衛庁長官にお伺いするのであります。  いわゆる奥野発言は、奥野さんの国土庁長官辞任で決着がついたわけであります。こんなことを蒸し返すのは本意ではないのでありますが、きのうの新聞に、自民党の安倍幹事長が二十二日に遊説先の秋田で、奥野発言問題について、「「奥野発言はそう間違ったことをいっているわけではない」と述べ、日中戦争をめぐる一連の発言内容自体は必ずしも問題視していない、との認識を示した。さらに、「奥野発言に対しては中国、韓国から『過去に対する反省がない』との批判があり、野党も一緒になって、『何とかしろ』と主張した。奥野さんも問題を拡大したこともあり、辞職ということになった」」というような、これはしかし、新聞の記事を言っているだけですから、そのとおりかどうかは自分の耳で聞いていたわけでないから私はわかりませんが、大要、どの新聞を見てもそうでありますからこういうことであろうと思うのであります。きょうの新聞を見ると、安倍幹事長は少し修正をした発言をきのうまたなさっているようであります。  一方、中国で改めて批判が再燃をしている。二十日の人民日報海外版であるとか二十一日の人民日報などで、この前の奥野発言を支持する国民会議を取り上げて、改めての批判をしているようであります。  そこで、防衛庁長官は奥野発言についてどういう御所見を持っておられるか、お伺いを申し上げます。
  56. 瓦力

    ○瓦国務大臣 五十嵐委員から、いわゆる奥野発言についての長官の見解いかんという御質問でございます。せっかくの御質問でございますが、私は個人的見解は差し控えさせていただきたい、かように存じます。  ただ、昨今の一連のことにつきまして恐らくお尋ねでもあろうと思いますので申し上げるわけでございますが、さきに総理も五月十一日の参議院本会議で貴党の代表に対する答弁をいたしておるところでございますが、戦前の我が国の行為につきましては、これは侵略である、かような厳しい国際的批判、こうしたものを受けておることは事実でございますし、また、この事実は政府としても十分認識する必要がある、こういう趣旨に立っての総理の答弁でもあるわけでございます。私どもも、そうした認識を踏まえて、我が国は国際国家として、また平和への決意を新たにしてまいらなければならぬ、かように考えておるわけでございまして、二度とそうしたことは起こしてはならない、こういう考え方に立って取り組んでまいりたい、かように考えておるわけでございます。
  57. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 引き続いて防衛庁長官にお伺いしたいのでありますが、今月の三十一日から六月の二十五日までニューヨークで国連軍縮特別総会が開かれるわけであります。これは一九七八年、八二年の過去二回も開かれておるのでありますが、それから見て、今回は世界の軍縮をめぐる情勢が大きく動いてきている。昨年の暮れ、米ソ両国が地上発射INFの全廃を合意した。今月末の首脳会談ではなかなか難しいようではありますが、しかし年内には戦略核の半減を合意しようという空気になっているようであります。  INFの批准をめぐる幾つかの困難な障害も、シュルツ国務長官とシェワルナゼ外相の努力でせんだって除去されたようであります。また、核実験の共同検証の合意附属文書、それから平和目的核実験制限条約の査察議定書というものも調印の運びになったようであります。いよいよ十四年ぶりに、この間ゴルバチョフがワシントンに行ったのも十四年ぶりのようでありますが、アメリカ大統領としても十四年ぶりにモスクワを訪問するということになった。今月の十五日からはソ連軍のアフガン撤退が行われている。  一昨日のワシントン・ポストが米ソ首脳会談を前にしたゴルバチョフ書記長との会見記事を大きく報じているのだそうであります。これによれば、ゴルバチョフ書記長は、米ソ戦略核五〇%削減交渉について年内最終合意への強い期待を表明して、モスクワ・サミット後も引き続いて年内にもう一度首脳会談を開くという意向を示したということであります。一方、別な報道によれば、シュルツアメリカ国務長官は、同じ日に、戦略核五〇%削減条約締結交渉について、あと七カ月しかないレーガン政権の残り任期中にそれがまとまる可能性が必ずあると言明をしているようであります。我々を初め、全世界の人がこういう大きな新しいデタントの時代、その将来というものに大きな期待を寄せていると思うのであります。  そこで、防衛庁長官は、本来こういうデタントについては最も敏感であり、期待は大きいものと思うのでありますがー最近のこのようないわゆるニューデタントというものをどう受けとめておられるか、お伺いをしたいと思います。
  58. 瓦力

    ○瓦国務大臣 今委員御指摘のように、米ソ間でINF条約の署名が行われましたこと、西側陣営の結束、そうしたものの背景によって米ソ間でこの交渉が持たれたとか、いろいろ経緯はあるにいたしましても、米ソ首脳の大変な勇気を伴う仕事であったと私は思うわけでありますし、INFにつきましては全廃合意に到達し、今日私どもは大変歓迎するものであります。  また、アフガンの撤退ということも、五月十五日撤退が始まったわけでありますが、それは入って戻るという議論はあるにいたしましても、大変これは明るいニュースでございます。なお地球上には幾つかの紛争がありますが、このように紛争が解決されていくというようなことであれば、私どもはそれに期待をつないでいかなければならぬと思うわけであります。  今、米ソ間での交渉がさらに続けられまして、戦略核削減の問題、言ってみますれば、さらに、困難でありましても通常兵器の削減とか、こういう方向に行くことを私どもは期待をしておるわけでございますが、いずれもなかなか難しい問題であることも承知をいたしております。  こういう情勢の中で、私どもはやはり全体が、軍事につきましては膨張するのではなくて縮小するというようなことは、我が日本にとりましても、常に期待を持って見ておるわけでありますし、平和を確保してまいるということは一つ一つ確実でなければならぬ、こういうぐあいに、これらの歩みにつきましても慎重に取り組んでいく、こういうような気持ちでございます。  しかし、考えてみますと、いずれにいたしましても、東西関係というのは力の関係にあるというようなことが現実でございまして、このことも承知をしておかなきゃならぬことでございます。  また、一方におきまして極東アジアにつきましての軍事情勢を見ましても、それではソ連軍は一体どうかということを考えてみますれば、やはりここに、実を言いましてまだ増強の動きがあるわけでございますので、我が国といたしまして、国際軍事情勢というのは依然として厳しいものがある、かような認識に立たざるを得ない、こういう面もあることを認識いたしておるわけでございます。  今、五十嵐委員からデタントの方向、こういうようなお話もありましたが、そうしたことを望みつつ、なお厳しい現実に目を向けながら取り組んでまいらなければならぬ課題があるという認識を申し述べさせていただきます。
  59. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 前段に少し触れておられたようにも思いますが、やはりこういう全体的なデタントの状況というものは、お認めになりますか。
  60. 瓦力

    ○瓦国務大臣 今委員からニューデタントというお話がございましたが、オールドデタントというのがあるのかどうか、いつの時点を指すのかということがありますが、振り返ってみますと、私どもは、デタントと申し上げたときに、一方におきまして軍事の増強が図られた、こういった歴史もあるわけでございますから、我が国の安全、こうしたものを考えてまいりますときに、これらのことを慎重に見ながら現実を把握していくということが課せられた任務であろう、こういうぐあいに考えるわけでございます。
  61. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 少し構え過ぎではないでしょうか。そうではなくて、今まで戦後四十何年間の中で幾つかの波があったと思うが、今の国際状況というのは、かつてないような、そういう新しい緊張緩和への国際的な、殊に米ソを中心としてのデタントと言われるものがあると私は思うのです。そこの認識をお聞きしているわけで、そうであってもなかなか油断はできないとか、そこのところは長官の立場からいうといろいろあるかもしれぬが、全体的な一つの状況認識というものは、私はやはり率直にお話しいただかなくてはならぬと思うのです。
  62. 瓦力

    ○瓦国務大臣 米ソ首脳の努力は大変な御苦労を伴うわけでありますが、これは貴重な努力である、かように評価いたしておるわけでございます。
  63. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 今月の九日に、あの厳しい対ソ認識で知られているサッチャー・イギリス首相がワシントン・ポストとのインタビューで、「ゴルバチョフ改革は正しい方向への動きであり、歓迎する」、こう述べ、今日のソ連改革がソ連国民ばかりでなく世界の他の国民にとっても大きな利益になる、こういう評価をしているのです。  ゴルバチョフ書記長のいわゆる新思考といいますか、そういう方向でのペレストロイカあるいはグラスノスチ、軍縮とか人権とかいうものも含めた考え方は、党内ではかなり保守派の抵抗にも遭っているようにも見える、あるいは国内的には民族問題だとかいろいろ反体制の動きなども出てきたりもしているようであります。  しかし、きのうソ連共産党の中央委員会総会があったようで、その報道を見ますと、党の民主化を軸とするソ連の政治システムの抜本的な改革の基本方向をこの中央委員会は承認した。これは、あらゆる分野で今一つの改革がソ連では進められているわけでありますが、このペレストロイカの路線を定着させて、さらにまた強く前進させるという上で重要な基幹的な基盤になったのではないかと思うのです。六月二十八日に、ソ連としては実に四十七年ぶりになるのだそうでありますが、中央委員会総会の決定を踏まえて全連邦協議会というのが開かれて、ここで今回の中央委員会の総会の決定を下部におろして、全党員の論議を経た上でこの全連邦協議会でこれをテーゼとして最終的に採択するというプログラムになっているのだそうであります。  私はこういうような一連の流れを見て、いわゆるゴルバチョフ改革についてさまざまな見方があると思うが、殊に私の場合、三年前に石橋訪ソ団の一員として、この間は土井訪ソ団の一員として、二回それぞれ四時間ぐらいの会談に参加することができて、私の実感としては、これは本物だなという感じがするのですね。これはまさにゴルバチョフは軍縮だとかそういう民主的な改革だとかというものに不退転の決意でいるなという実感が強くするのでございます。  先ほどサッチャーの話を言いましたが、宇野外務大臣は四月に根室で記者会見をして一定の評価発言をしているわけであります。今前段のお話もございましたが、瓦防衛庁長官はゴルバチョフ書記長のこの種軍縮平和政策というものをどうごらんになっているか、率直な御見解を承りたいと思います。
  64. 瓦力

    ○瓦国務大臣 ゴルバチョフ演説で、ウラジオにおきましてのもの、また平和についてのお考え、保守派と闘いつつ相当国内のペレストロイカといいますか推進をする努力、私はこういったものを全く評価しないものではないわけでございまして、今申し上げておりますように、アジアの軍事情勢、こういったものを一方に見ながら、また軍縮ということの願いを考えながらこれらのことを考えてみますと、極東アジアにおきましての軍備配置、こういったものの増強を見ますときに、私どもはこのことをしっかり確認をするぐらいの慎重さを持って我が国の安全を確保してまいらなければならぬ、こういう点について申し上げておるわけでございまして、この点は委員御質問の点を踏まえてお答えをいたしておるつもりでございます。
  65. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 時間が来たようでありますから以上で質問を終えたいと思いますが、防衛庁といえどもデタントというものはもちろん素直に歓迎して、しかもそういう方向が一層進むことを期待して、かつ主体的に、また我が国の場合は特に平和憲法を持っているわけでありますから、そういう世界情勢をみずから醸成していくという努力もしていかなければだめだし、これはそういう全体の状況の中でということであると思いますが、みずからも軍縮していくというような方向に努力していかなければだめだと思うのですね。僕は、一説では、あるのだという話は聞いているのだけれども、防衛庁の中に軍縮について検討する部局はあるのですか。答えてくれれば一番いいです。
  66. 西廣整輝

    西廣政府委員 防衛庁としましては、日本の自衛隊を管理する部局でございますから、軍縮問題については各国との関係になりますので外務省が主体になりますけれども、防衛庁としても専門的な立場から各種の軍縮会議等に専門家を派遣する、あるいは常々そういったことを考える人間なりあるいは防衛局が中心でございますが、そういうことを勉強もいたしております。
  67. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 ぜひ努力して、世界のそういう新しい風に取り残されないようにしてほしいと思います。率直に言って、僕はこの間行って、そういうゴルバチョフ書記長との会談やら何やら全体を通じて心配だなという感じがあるので、どうかそういう点では皆さんの平和への一層の努力をお願い申し上げたいと思います。  どうもありがとうございました。
  68. 竹中修一

    竹中委員長 この際、暫時休憩いたします。     午前十一時五十二分休憩      ────◇─────     午後一時三十分開議
  69. 竹中修一

    竹中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。質疑を続行いたします。渡部行雄君。
  70. 渡部行雄

    渡部(行)委員 まず、内閣官房長官に大変お忙しい中をおいでいただきまして、本当にありがとうございました。  最初にお伺いいたしますのは、朝鮮民主主義人民共和国の卓球選手団が、新潟のホテルで開かれた在日朝鮮総連新潟県本部と新潟県内の友好団体、訪朝者の会共催のレセプションで、これからというときに急にはしを置いて席を立たれたという事件についてであります。  そこで、一つは、この席には国会議員も市長も参加されておったそうですが、このレセプションというのは政治活動の分野に入るでしょうか。本国から代表団が来たら、その国の人たちは喜んでこれを迎え、そしてそのしるしとしてレセプションをやるのは人間社会においては当たり前のことじゃないか。例えば、我々がブラジルあたりに行くと、ブラジルの県民の会などが我々を招待してレセプションをやってくれる、こういうのに何の抵抗もなく私たちは応じて行くわけですが、私は、これは日本だけでなく世界共通の問題だと思うのです。それを、今ごちそうがたくさん出ているのを目の前にして、はしをつけないで出ていけということは、国際的な常識に少し反しているのじゃないか、こういうふうに思いますが、その点はいかがでしょうか。
  71. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 一般論的に申せば、今委員御指摘のとおり、歓迎レセプションの途中で退席を求めるということは、これは常識的でないことは言うまでもないことだと思います。 ただ、本件は、一月二十六日に大韓航空機事件に関連をいたしまして官房長官談話を発表し、北朝鮮に対する措置を発表いたしておるわけでございます。その内容からして、今回の卓球選手団の受け入れにつきましても、その措置とのかかわり合いにつきまして政府部内で検討いたしました結果、種々の条件をつけながらも、北朝鮮にも来るべきソウル・オリンピックに参加していただきたいという気持ちも込めながら、実は官房長官として今回の措置の枠外として入国を認めたという経緯がございます。  そのときのお約束事といたしまして、あらかじめ定められた日程の中での行動ということをお約束願っておることでございまして、その約束にたがうこととしてそれぞれ担当の省庁の担当官が指摘をしたという経過の中で、おっしゃるような行為に相なったのだろうと思います。  したがいまして、繰り返しますが、一般論的にはしセプションのさなかに退席を求めるというようなことは望ましいことではありませんけれども、段々の経緯の中で、政府としては、これは政府としての約束の中でそれぞれ担当の者がしかるべき行為に及んだ、こういうことでございますので、御理解をいただきたいと思います。
  72. 渡部行雄

    渡部(行)委員 これは、官房長官は大変正直だから非常に答えにくそうな様子ですが、実際こういう場合のレセプションというのは政治活動に当たるのですか。しかも、これは事前に全然選手団は聞かされていないというのですね。森専務理事は話していないということを新聞にはっきり言っているのですね。そうすると、北朝鮮の選手団は故意に破ったことにならないのですよ、条件を知らないんだから。だから招待に自然に応じたわけです。だから、これは決して条件に合わなかった、条件に違反したということにはならないわけですね、正式には。意思なき犯罪はこれを罰せずということもあるのだし、だから、そういうふうに考えていくと、約束を守らなかったという日本の言い分は全く通じないのです。  それからもう一つ、長官は二十日夕方の記者会見で、北朝鮮選手団のアジア卓球ボイコットについて、どういうことなのか内容がつかめていないが、事実とすれば残念だ、こういうふうな談話を発表しておられるわけです。そうすると、法務省では内閣官房長官に全然連絡なしにこういう措置をとられたのですか、この点についてお伺いいたします。
  73. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 夕刻四時の記者会見で私が述べました段階では、北朝鮮の選手団が帰国をされるという事実を報告を受けましたので、私といたしましては、今年初頭での措置に関連をいたしまして、今回の入国につきましては、先ほど申し上げましたような趣旨をもちまして、政府としてスポーツ大会であるという観点から入国を認めたわけでございまして、率直に申し上げて、俗に言えばそうした気持ちにたがうような行為と考えましたので、極めて残念だ、こう申し上げたわけでございます。  その後、いろいろ経過につきましてそれぞれ関係省庁から承りまして、先生御指摘のように、身元引受人たる日本卓球協会自体が十分このことを相手方に伝えておらなかったような点も明らかになってまいりまして、そういった点で事柄の経過が必ずしも、私、スマートという言葉を使ってあるところで言いましたが、そんな感じがしないでもなかった。 ただ、選手団におかれましても、いろいろな経緯の中で入国されておられますことを考えられまして、直ちに声明を発表されて総員引き揚げ、帰国というような事態になりましたことにつきましても、いま少しく事態の内容等につきまして卓球協会等とのコミュニケーションを十分にしていただければ、短兵急なこういう行動にならなかったんではないか、双方そう考えまして、極めて残念だ、こう思っておるわけでございます。  そこで、報告ということでございますが、逐一すべて相手方に対応いたすことにつきまして私は報告を受けるわけでございませんで、事実といたしましては、法務省、警察庁あるいは外務省の担当の皆さんが御相談いただきまして、私の発表の趣旨にかなうように措置をしていただいておったものだと思っております。
  74. 渡部行雄

    渡部(行)委員 答弁漏れがありますが、これは強いて避けておられるのですか。  そのレセプションは政治活動に入るのか入らないのか、この点をひとつお伺いしたい。
  75. 熊谷直博

    ○熊谷政府委員 お答えさせていただきます。  政治活動に入るのか入らないのかという御質問に直接お答えできるかどうかわかりませんですが、私どもが卓球協会を通じて今回の入国に際しまして約束をいたしましたことの中に一つございましたのが、我が国政府の国際関係及びその他の関係における立場を損なうような言動をさせないということ、それから、日程の変更をする場合には事前に了承を得てほしいというようなことの二点について卓球協会の確約書をいただいておるところでございます。  それでその際に、その確約書をつくるに当たりまして卓球協会側と事前にいろいろお話し申し上げたところの中に、朝鮮総連の主催する行事は認められないという趣旨のことを十分に卓球協会側には説明してございます。その意味で、その約束に違反するということで、このレセプションは認められない行事に当たるのであるということでございます。  私どもの立場の中には朝鮮総連というのが北朝鮮の我が国における一つの政治団体であるというようなことでとらえられますので、今の先生の御質問にお答えするとすれば、そういう意味でこのレセプションが政治的な行事であるというふうに考える次第でございます。
  76. 渡部行雄

    渡部(行)委員 私は最初、北朝鮮の選手団の中に公務員が入っているからこれはどうするかという問題になったときに、一方でそういう制裁措置を講じておるにもかかわらず、この代表団をそっくり入国することを許可されたときに、なるほど日本は大人になったな、こうして国際的な関係を改善していけば、徐々に日本は国際的に本当に平和を愛する国だというふうに認めてもらえるのだなと非常に感心したのですよ。  ところが、今度の事件は親の気持ち子知らずで、ただ、そんな朝鮮総連の主催するものには出てはならないなんて、しかもそれは相手に通じてあるのかないのかも確かめずにそれを断るなんて、しかも、ごちそうが出て今まさに手をつけんとしたときに、はしを置かせて退場させるなどということをされたら、日本人ならどうしますか。これは理屈じゃないですよ。そういう官僚のがりがりした解釈で物に当たるから大事な国益を損じるのですよ。こんなばかな話がありますか。私は本当にこれは腹が立って仕方がない。  しかも、制裁措置だって、理屈を言えば、あの大韓航空機が落ちて遺族の人はどうなっているのですか。遺族が一つも騒いでいないし、遺族が何人だかもわからない、こういう状態で決めつけるということ自体にも問題を感じている人はたくさんあるのですよ。  まあしかし政府が一たんとったのだからやむを得ないけれども、ここまで政府が考えて次の外交の展開ということでこれを許したものを、法務省の一事務官がそういう命令を発してめちゃくちゃに壊すということはどういうことですか。これは本当にぶち壊しですよ。そして、後で今度はその責任逃れにこのスポーツの団体を呼んで事情聴取したなんて、こういうことではもうどうにもならないですよ。ちょうど茶わんを割ってから今度これをどうしてくっつけるかと苦労しているようなことになってしまうんです。  だから、もっと日本の法務省は国益というものを十分考えていただきたい。正しければ何をしてもよいというようなものではないわけですよ。例えばもし領空侵犯されて、領空侵犯されたのだからこの飛行機は落としていいんだ。ところがその飛行機に原爆が積まれておった場合どうなりますか。日本の上空で撃墜されたら、日本人が皆その巻き添えを食うのですよ。正しいから何でもやっていいということにはならないのです。そういう点を今後法務省はよほどしっかりとわきまえてもらわないと、これは重大な責任問題だと私は思いますよ。  そういう点で、できてしまったからもとに返せと言っても仕方がありませんけれども、これに対するこれからの外交の展開なりその収拾の仕方なり、今後の問題解決に向かってどういう御努力をされるおつもりですか。官房長官、お願いします。
  77. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 大変残念な結果になりまして、私どもといたしましても、入国を許可し、かつスポーツの祭典を新潟で成功裏のうちに、それぞれの国々が大会を通じて友好を深められれば大変望ましいと思ったわけでございますが、このような結果になりましてまことに残念のきわみだと思っております。  ただ、政府のそれぞれの担当の者といたしましては、当初、入国に際しまして責任を持っております団体との約束の中でその行動をされるものと期待をしておったわけでございますが、そのような行動になっておらないことにつきまして再三の注意を促したわけでございますけれども、結果的にいろいろな会合に出席ということになりまして、たまたま時間帯が昼食時に最終的な忠告、注意が及んで、御指摘のような推移に相なったわけでございます。  いま少しくお互いに事情を十分理解し合えるように、卓球協会というものがたまたま今回の受け入れ団体でございますが、十二分に配慮をいたしまして相互に理解を深めるようなことでありますれば、最終目的であるところの友好親善の実を上げ得た、こう考えておりまして、今回のことを経過を十分レビューしながら今後に対応していきたい、このように考えております。
  78. 渡部行雄

    渡部(行)委員 長官、何回も注意したにもかかわらずという言葉は取り消してください。これによると全然注意が届いていないわけですから。それを卓球協会の森専務理事がちゃんと認めているわけですからね。だから、注意したにもかかわらずでなくて、これは全く両方に連絡が届いていなかったというのが原因になったと思うんですよ。  しかし、仮に届いていなくとも、レセプションに自分の指定した団体がちょっと入っていたからといって、それじゃ事前に、何だ、レセプションをやるではないか、しかもそれは朝鮮総連が主催するんじゃないか、そういうのはその日程の中で事前にわかっているはずですよ。だから事前に注意すればよかったと思うのですよ。官房長官が時間がないと言うから先へ進みますが、その辺をきちっとしてください。  それから次には、昭和六十二年……
  79. 竹中修一

    竹中委員長 渡部君、入管局長が何か発言があるそうです。
  80. 熊谷直博

    ○熊谷政府委員 ちょっと発言させていただきたいと思います。  私ども、北朝鮮の代表団の方々と直接連絡をとれない状況に入国時ございまして、日本における代理申請者であるところの卓球協会といろいろな打ち合わせをさせていただいた。それで、卓球協会側は確約書というのを出して、こうさせます、ああさせますということを約束しておるわけでございまして、私どもとしては卓球協会に全幅の信頼を置いてやっていたというようなことでございますので、その辺御了解いただきたいというふうに思います。
  81. 渡部行雄

    渡部(行)委員 それは了解できませんよ。卓球協会から向こうに、あなたの、法務省の意思が通じていないんだから、そこだけはきちっとしてください。  それから次に、昭和六十二年一月二十四日の閣議決定及び内閣官房長官談話は現在もそのとおりに生きておりますかどうか。――これは内閣官房長官に聞いているんだから、何で余計なところから口を出すんだ。
  82. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 現在も生きております。
  83. 渡部行雄

    渡部(行)委員 そうすると、この中の政府が鋭意検討した結果に基づく新たな歯どめとは何を指すのですか。  必要なところを読みますから。ここでまず、閣議決定となっている中であちこち拾い読みします。「同計画を」、同計画というのは「中期防衛力整備計画」です。「同計画を三年後に作成し直すことについてはこれを行わないものとする。」そして、「新たな歯止めの基準は必要とするが、これについては、今後慎重に検討する 旨の閣議決定を行ったことを踏まえ、政府として鋭意検討した結果に基づくものである。」というのは何を指しているのか。今後の防衛力整備というものを指して言っているのか。この二点についてお伺いいたします。
  84. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 六十一年の十二月に、前の後藤田長官の談話で新しい歯どめを考えるという考え方を申し述べまして、その後一月二十四日にいわゆる総額明示方式を決定をいたしておるわけでございます。政府といたしましては、その新しい歯どめとしての考え方として、この総額明示方式をもって歯どめとして考えておるところでございます。
  85. 渡部行雄

    渡部(行)委員 大変申しわけないのですが、時間がそろそろ来ますけれども、そこで、足りない部分は後からまたほかの省庁に聞きます。  来る六月一日に、竹下総理がニューヨークで開かれる第三回国連軍縮特別総会に出席して平和のための国際協力という構想を中心に演説されるそうですが、官房長官はこの原稿にもかかわっていると思います。  そこで、この内容の重要な部分について明らかにしていただきたいと思います。
  86. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 今次の国連軍縮特別総会は、現下の国際政治の重要な課題であります軍縮問題につき討議を行う世界の平和にとり重要な会議であるとの認識に立ちまして、竹下総理みずから本件会議に出席をして演説を行う予定でございます。  総理の演説はいまだ最終的に確定したわけではありませんが、我が国外交の基本方針を踏まえ、真に実効的な軍備管理・軍縮の促進、平和への協力、こうしたことの必要性を訴えてまいりたい、このように承知をいたしております。
  87. 渡部行雄

    渡部(行)委員 最後に、新聞に出ておった内容では、「地域紛争解決のために国連活動の枠内で紛争地域へ非戦闘要員を積極的に派遣する」と表明されるそうでございますが、とりあえず具体的に、どこにどういう方をどういう形で派遣されるのか、これを明らかにしていただきたいと思います。――ちょっと委員長、官房長官がもう帰られるのだから、二時までに行かなくちゃならないのだから、余計な人は出ないでください。
  88. 小渕恵三

    ○小渕国務大臣 今御質問の点につきましては、その御趣旨はよくわかりますが、まだ総理の演説の内容をここで明確にするわけにいきませんので、現段階におきましては具体的にお答えするまでに至っておりませんことをお許しいただきたいと思います。
  89. 渡部行雄

    渡部(行)委員 どうも官房長官大変ありがとうございました。それでは早速退席していただきます。御苦労さまです。  そこで、今申し上げた閣議決定の中では、中期防衛力整備計画で今までのようにローリング方式はとらない、そしてこれは総枠明示方式でやっていく、こういうふうになっておりますが、これはずっと将来もこれでいくわけですか。
  90. 西廣整輝

    西廣政府委員 昨年一月の閣議決定に際しまして官房長官談話が出ておりますが、その中に、六十六年度以降の防衛費の枠組みについて、これについては、その時点における国際情勢なりあるいは経済財政事情、そういったものを十分勘案してそれまでの間に決定をするということで、必ずしも現在の方式というものをそのまま固定をする、あるいは引き続いてやるんだということは決めてはおりません。  ただ、私どもとしましては、この三木内閣当時の閣議決定というものにかえた新たな歯どめといいますか、閣議決定が昨年なされたということで、これは決められるに際して十分な御審議をなされた結果でございますので、いわゆる総額明示方式といいますか、そういったものは今後とも堅持されるんではなかろうかというように考えております。
  91. 渡部行雄

    渡部(行)委員 これは、西廣防衛局長が言われたのは、今後三年ごとに見直しをして、ローリング方式を再び採用するという旨のことが新聞に出ておるのですが、それは去る十七日だかの内閣委員会で答弁した。そうすると、まだ中期防衛計画というのは完全に実行してもいないのに、次期防衛計画を既に予想して、そして今までやってきた総額明示方式をやめて、またこれを採用するということはどういうことなんでしょうか。
  92. 西廣整輝

    西廣政府委員 ただいまの件につきましては、実は午前中の本委員会の五十嵐先生の御質問に対してもお答えしたところでありますけれども、私が、先般の本委員会井上先生の御質問だったと思いますが、その際にお答えした点が若干正確に報道されなかった部分もあるいはあるかもしれませんが、私、決してローリング方式に戻るというようなことを申し上げた覚えはございません。  その際も、ただいまお答え申し上げたように、総額明示といいますか、計画と一体化した金額というものを固めて、表裏一体のものである、そういった形のものは今後とも尊重されるべきではなかろうかということを申し上げておりますし、そういう点で、ローリングに戻るというような趣旨は申し上げていないつもりでございます。  繰り返しもう一度私の考えを申し述べますと、先ほど申したように、六十六年度以降の計画をどうするか、つくるかつくらないかも含めましてどうするかということにつきましては、今後、安全保障会議等内閣全体として御審議になって御決定になるということで、今までのところまだ審議にも入っておりませんので、どういうことになるかということを予断を持って申し上げる段階にはございません。  しかしながら、今までの政府側の責任ある方々が発言されておることを私ども事務方がしんしゃくいたしますと、まず防衛庁としては、防衛庁長官がたびたび言われておりますように、防衛力というものを計画的かつ効率的に整備していくためには何らかの形の中期の計画というものは必要であろうということは言えると思います。  同時に、将来のそういった計画について、現総理の竹下内閣総理大臣は、まず計画というものが大事でございます、そういった計画の中身というものを十分審査をし精査をした上で金額というものを決める、いわゆるまず計画ありきということを言われておりますので、やはり計画というものはつくられるであろうし、必要なものであるというように私どもは考えておるわけであります。  それから第三点が、先ほど申し上げたように、いわゆる総額明示方式といいますか、計画と表裏一体になった経費枠というものを経費の枠組みとしてきちっと決めておくということは、昨年閣議決定されたばかりの非常に重要な方針でありますので、これは恐らく今後とも堅持されるのではなかろうかという前提で申し上げておるわけであります。  したがって、今申し上げたような幾つかの既に述べられておる基本的な枠組み、そういった中でどういった中期計画にするか、三年計画にするか五年計画にするか、あるいは、三年計画であるけれども参考のような形でさらにその先の展望をつけるというような工夫をするかとか、いるんなバリエーションはあろうと思いますけれども、それらは今後安全保障会議を中心にして論議され、決定されるべきものであるというように考えております。
  93. 渡部行雄

    渡部(行)委員 今、官房長官の質問で順序が狂いましたので、この問題はまた後で少し詳しくやりたいと思います。  そこで、今度は防衛庁長官にお伺いしますが、現在世界の情勢を軍事的に見た場合、どのような分析と御認識を持っておられるか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。――防衛庁長官に聞いているんだよ。
  94. 小野寺龍二

    ○小野寺政府委員 分析を担当している者から先にお答えをさせていただきたいと存じます。  第二次世界大戦以降、今日に至る国際情勢は、政治経済体制を異にして圧倒的な軍事力を有する米ソを中心とする東西間の対立と協調を中心に推移してまいりました。  この中にあって、一九六〇年代以来、ソ連は一貫して軍事力の増強を図ってまいりました。一九七〇年代、いわゆるSALTIとかSALTII、欧州安全保障会議というような交渉が行われ、いわゆるデタントと言われた時代もございましたけれども、その間におきましてもソ連の軍事的な増強というのは継続いたしたわけでございます。一九七〇年代の最後にはアフガンに対する侵攻も行われたという次第でございます。この傾向は、現在、一九八〇年代に入りましても依然として継続いたしておりまして、INFの全廃条約が署名された後においてもソ連の軍事力の全体的な増強というのは、依然としてその趨勢には変化が見られないというふうに見ております。  他方、米国を初めとする自由主義諸国は、このような一九七〇年代以降の特にソ連の動きに対しまして、抑止力の信頼性を維持強化するために国防力の強化の努力を続けてきております。その結果、東西間におきましては核戦争に至るような大きな軍事衝突というものが抑止されているというのが現状ではないかと存じます。したがいまして、我が国に対しても差し迫った侵略の脅威があるという状況ではないというふうに見ております。  しかしながら、先ほど述べましたとおり、ソ連の軍事力の継続的な増強、特に通常戦力を中心とする増強の趨勢が依然継続しているという現状のもと、かつ、中東情勢あるいは朝鮮半島情勢あるいはインドシナ情勢といったような地域紛争の状況等を見ますと、依然として国際軍事情勢というのは厳しく、かつ非常に流動的、複雑なものであるというふうに分析いたしております。
  95. 渡部行雄

    渡部(行)委員 こういう重大な問題、しかも国家的な問題であり国際的な問題は、大臣が答えなくちゃならぬですよ。こんなのを事務官に答えさせたんじゃ大臣の権威がなくなってしまう。  これは、そんな過去のことを私は聞いているんじゃないんですよ。今現在を切断したときに、今までの流れから一体これからの流れをどう見るんだ、したがって、それは平和の方向に流れているのか、それとも戦争の方向に流れているのか、その判断はどういうところでつけるんだ、そしてどういうふうに判断しているんだ、こういうことなんです。大臣、ひとつお聞かせ願います。
  96. 瓦力

    ○瓦国務大臣 ただいま国際参事官から国際軍事情勢につきましての分析等についてお答えをし、さらに今渡部先生から私に防衛庁長官として認識を問われたわけでございますので、お答えをいたしたいと思います。  先生御承知のとおり、INF全廃合意、私どもはここ数年間にわたって米ソ首脳のこうした努力というのを見守ってまいったわけでありますし、また、西側が結束をしてこのINFの全廃を期待をしながら見守る中で、米ソ首脳が真剣な話し合いを続けてようやくここにたどり着いたわけでありますので、私どもは、さらに戦略核であるとかあるいは通常戦力、広く軍縮の方向に向かうことを期待しながら見守っておるわけでございます。政治家である我々にとりましてはよく耳にするレームダックなどという言葉がありますが、米大統領にいたしましても政治力を結集して今この問題に取り組んでおるということ、米ソ首脳がまさに取り組んでおることに私どもは敬意を持って見守っておるわけでございます。  また、一方におきまして、アフガニスタンにおきましてのソ連軍の撤退、こういうようなことを見ましても、私どもは速やかなる撤退、また安定がもたらされることを期待するわけでございますが、今日なおまだ至るところに紛争があることも否定できないわけでございます。  一方におきまして、ただいま国際参事官が分析いたしましたとおり、極東ソ連軍の質量両面にわたる軍事力というのは、我が国周辺において考えてみますときに、この極東ソ連軍の増強という行動につきまして今日なお関心を寄せざるを得ないわけでございます。  これらのことを考えてまいりますと、国際軍事情勢は依然として厳しいものがある、かように認識するわけでございまして、現実的に我が国の平和また地域の安定を保つために、私どもは細心の注意を払いながらこれらの現実というものも踏まえてまいらなければならぬ。そういたしますと、今委員御指摘のように戦争の方向か平和の方向かというようなことをここで論ずるよりも、現実を見きわめながらいかに国の安定、平和を維持するかということに細心の注意を払ってまいりたい、私はかようにお答えをしたいわけでございます。
  97. 渡部行雄

    渡部(行)委員 私は、国の政治というのはやはり内閣総理大臣が世界的に明らかにしたその精神が全体に生かされるようでなければならないと思います。今度竹下さんが軍縮会議に出席して、それこそ軍縮の問題、平和の問題、そういうことでぜひ国際的な協力をしたい、こういう趣旨の演説をされるそうであります。そういう際に、一方では軍縮どころか軍備拡張にどんどん走って、しかも防衛庁の幹部の人たちは皆非常に厳しい厳しいと言ってこの米ソの軍縮交渉を何か白い目で見ておったのでは、私は日本として国際的に決していい影響力は与えられないと思うわけです。  そういうことを考えますと、やはり、実際にINFが全廃される、今度は戦略核が半分になるような交渉がされる、その次は潜水艦からのICBMなりSLBMがなくなるようなところまで段階的にどんどん進んでいるときに、それを評価しないで、それに水をかけるような態度でいることは私はどうしても解せないのですが、その辺はどういうふうにお考えですか。
  98. 西廣整輝

    西廣政府委員 大臣が基本的な問題を後ほどお答えになると思いますが、現状をちょっとお話ししますと、これまたいろいろな委員会で私申し上げておりますけれども、INF条約によりますINFの全廃、そういった方向を私どもは非常にありがたいと思っておりますし、また、これを本当の平和の方に持っていかなければならないと思っておりますことは事実であります。  ただ、東西の力関係の実態というものは、先ほど国際参事官も申し上げましたけれども、もともとは西側と東側は極めて非対称的な防衛戦略をとっておったわけであります。御承知のように、二次大戦後、西側は主としてアメリカの戦略核抑止力に一番依存をした防衛戦略、抑止態勢というものをとっておった。一方東側は、当時は御存じのように戦略核戦力というものは余り持っておりませんでしたので、通常兵力の優位に依存をした防衛戦略をとっておった。そういう点では非常に非対称的な戦略をとっておったわけです。それが逐次逐次、ソ連の戦略核戦力あるいは中距離核戦力、そういったものの整備に伴ってその部分が対等になり、あるいは中和されてきた部分もございますが、引き続き通常戦力のアンバランスというものはなお残っておるということにもやはり我々としては着目しなければいけないと思います。  そこで、全般的に低いレベルでの軍事均衡、さらには軍事力の全廃へという軍備管理が望ましいことは確かでありますが、その間に、東西それぞれが依存しておる戦略態勢の枠組み、これはいい点も悪い点もあったと思いますけれども、少なくとも東西間に戦後四十数年間というもの戦争がなかったという意味でマクロ的な安定を生み出していたと思いますが、そういうマクロ的な安定を損なわないような形で軍備の縮小がなされなければいけないと私どもは考えておるわけでございます。  そこで、これからの軍縮あるいは軍備管理というものは、ある地域だけの軍縮であってはいけない、やはり全地域に及ぶものでなくてはいけないと思っておりますし、また、軍事力を戦略核から通常兵力まで各段階でとらえてみますと、各段階を通じたものでなければいけない、ある陣営にだけ有利な、ある部分だけをつまみ食いするような形ではいけないと我々は考えております。  いずれにしましても、そういったことを十分踏まえながら、途中で混乱を来さないような形で逐次逐次軍事レベルを下げていくということを、実態を検証しながら我々としては確認をしていくというような姿勢をとっておるわけでございます。したがいまして、現在行われておる軍備管理のための交渉なりその結果に対して、我々が白眼視をしておるというようなことは全くございませんで、我々としてはこれが本当の意味の軍備管理・軍縮につながることを心から期待をしておるわけでございます。
  99. 渡部行雄

    渡部(行)委員 日本は地理的に言ってアメリカよりもソ連に近いですから、むしろアメリカとソ連の谷間にあると言った方が的確かもしれません。そうした場合に、その遠くにある国と国、つまりアメリカとソ連が今INF条約で合意をし全廃をする、そして次々と段階的に軍縮に向かう。ソ連も軍備予算を削減する、アメリカも議会から上限が決められて勝手な増強ができなくなっていく。そうすると、結局その分を日本が余計に負担したり増強したりするみたいに映ってきますね。そうすると、ソ連と日本というこの図式でいけば、ますます対立が激しくなっていくのではないか。  ソ連とアメリカが世界の中で基本的な対立であっても、歴史的に見れば、かつてアメリカとソ連は連合を組んで日本とも戦争をやったわけですから。しかも彼らは白人同士ですからね。そういうことも考えながらやはり慎重にこの辺をやらないと、逆に日本だけが何かソ連の最も近い敵のように世界の国々から映る危険性があるのではないか。こういう点についてはどういうふうにお考えでしょうか。これは大臣ひとつお聞かせください。
  100. 瓦力

    ○瓦国務大臣 確かに、東西の軍事バランスといいますか、そうした中で平和が維持されておる。まあ、平和から見れば極めて冷厳な現実の上に平和が維持されておる、かように申し上げなければならぬと思うわけでございますが、先ほど申し上げましたように、かつてレーガン大統領がソ連に対して大変厳しい表現を使ったことから見ますと、今日、両首脳が大変な努力をしていることを先ほど申し上げましたように私どもは評価し、さらに、縮小均衡の方向に期待をつないでおるということを申し述べさしていただいたわけでございます。  我が国の防衛につきましては、委員御承知のとおり、憲法のもとにおきまして専守防衛に徹し、さらに、軍事大国とはならない、こういう基本理念のもとに立ちまして、いわゆる大綱、これに定める水準に近づけたい、これは主権国家として当然のことでございまして、私どもはそのぎりぎりの努力をしておるわけでございますから、私は、我が国の防衛努力というものを、立場は違いましても御理解はいただけると思うわけでございます。  そういう中にありまして、我が国の進むべき道は、もちろん国際国家として歩むわけでありますし、平和国家として歩むわけでありますが、これを展望してまいりましても、先ほどこれまた申し上げましたように、今極東におけるソ連軍の増強、こういったものがあるわけでございます。ペレストロイカというのがもう少し見えてまいりますと、私どももそれなりの判断ができようかと思うわけでございますが、現実は、かように申し上げた情勢下にあるわけでございますから、極東におきましてもなお緊張を保っていかなければならぬということを申し上げておるわけでございます。  なお、軍縮についての総理の御発言、これは国連におきまして私は立派な軍縮演説をなしていただきたいということは期待をいたしておるものでございます。
  101. 渡部行雄

    渡部(行)委員 私は、世界の平和を築くには今が最もいい機会だと思っておるわけです。というのは、かつてのソ連の指導者、ブレジネフやアンドロポフ時代とは全く今は違って、ゴルバチョフは本心から世界の平和というものを願っているのではないか。しかもそれは、ソ連の経済やそういういろいろな背景を見ると、平和でなければならない条件がもうできてきておる。そういうふうに考えると、今私たちは、ただ相手を疑うだけでなくて、もっと人間同士、国同士が信頼し合えるような関係をどうして打ち立てていくか。それは日本には北方領土の問題がありますけれども、しかし、北方領土があるから何もかにも全部対立しているかというとそうではない、やはり別な面での交易も交流もあるわけです。  そういうことを考えますと、この辺で私は、本当に平和を願うということを体で示すような、そういう措置を全体として政府は講じていいのではないか、こういうふうに思うわけでございます。こういう抽象的な話が余り長くなると時間がなくなりますから、まずそういう立場で、ひとつ長官、お願いできないでしょうか。
  102. 西廣整輝

    西廣政府委員 ただいま先生のおっしゃられたような御意見については、先ほども防衛庁長官がそういう強い期待を持っているというふうにおっしゃられたので、そういう点はまさに同じような期待なりそうありたいという気持ちはあろうかと思いますが、一方、現実の過去の軍備管理、先般のINFを含めまして、やはり片方が一方的に優位にあるという状況では、優位にある方がそれを一方的に削減するということはなかなか起きがたい。 例えば、SALTIIで戦略核戦力の削減あるいは制限というものが成立したのは、ソ連が相当の戦略核戦力というものを持ってアメリカの戦略核戦力に対抗するようになってきた、そこで、お互いにこのような競争を続けていることは無意味でもあるし危険でもあるという認識が生まれて、初めてSALTIIというものが実行された。同様に、INFにつきましても、NATOの二重決定ということで、ソ連のSS20に対抗してパーシングIIなりクルージングミサイルの配備というものが行われて、ある程度対等の形になった段階で、初めて、これではいかぬ、お互いに減らそうではないかという話し合いが進み、全廃までこぎつけたということであろうと思います。  同じように、通常兵力につきましても、現在はソ連が一方的に優位にある、それをソ連が一方的に削減してくれればいいわけでございますが、なかなかそうはいかない面もあるということも御理解いただきたいと思います。いずれにしましても、現実にソ連の通常兵力について見ますと、現在の書記長がいろいろ言っておられるけれども、なおそういった面の具体的な軍縮といいますか、兵力削減というものが行われていないどころか、まだふえておるという状況にあります。  そういった状況がある段階で、軽々にその分野にまで軍備管理が行われるというように即断するのはやや早いというのが我々の観察でありまして、今後とも我々としてはより低いレベルでの均衡というものを模索し続けなければいかぬわけでございますが、そのためには、やはりソ連側のより一層の通常兵力に対する削減ということについての努力を目に見えて見せてくれる必要がある、今はその逆であるということを御理解をいただきたいと思うわけであります。
  103. 渡部行雄

    渡部(行)委員 これは物の見方の問題だろうと思うけれども、私は、正確に分析すれば、通常兵器においても決してソ連はすぐれていないと思いますよ。それは、自由主義の国家群とワルシャワ条約機構とを比べて、通常兵器の数をどういうふうに計算するのか、性能をどういうふうに計算するのか、あるいは中国をどちらの側に見るのか、そういうことを考えていけば、決して西側陣営が劣ってなんかいませんよ。  しかも、イスラエルは、最近一年間の武器輸出が輸出総額の二〇%も占めてきておる。そして、イスラエル自身が性能の高い飛行機を生産し始めたら、これが今度はアメリカとの武器摩擦に変わってきて、そして今までイスラエルは優秀な飛行機をつくって国産でやってきたのをやめて、アメリカの飛行機に乗りかえるという現象まで出ているんですよ。だから私は、ソ連は通常兵器においてすぐれているんだ、すぐれているんだ。そうして結局死の商人、武器をつくっておる商人のために自由主義国家群が、何というか、利用され、汗水かいて勤労者だけがその犠牲になっているというのが、今の現実の姿じゃないでしょうか。
  104. 小野寺龍二

    ○小野寺政府委員 先生御指摘のとおり、軍事バランスを比較する場合、その兵器の数だけで比較するというのは必ずしも適当ではないというふうに存じます。  確かに、その兵器の性能という問題もございますし、それから練度の問題もございますし、経済力、国の体制全体としてその強い、弱いということもございます。したがって、まさにその兵器の数だけで比較するというのは確かに適当ではないという面がございますけれども、他方、その練度とか性能とか国全体の実力というのは非常にはかりにくいものでございます。したがって、一応の目安としては、その性能をある程度加えたような兵器の数で比較する以外にないかと存じます。  その場合、世界全体と見ましても、範囲というのをある程度限って見る以外にないというふうに存じます。通常兵力の場合、一番問題になりますのは中央ヨーロッパ、ヨーロッパ戦線における東西の比較というのが一番よく行われるわけでございますけれども、その場合には、性能とかあらゆるものを加えて考えましても、なおかつ戦車とか装甲車とか、それから師団の数といったようなもので、ソ連、ワルシャワ条約側が相当優位にあるということはまず間違いないことではないかと存じます。  極東アジアの状況になりますと、これは確かに中国という大きな要素もございますし、ヨーロッパに比べて事情ははるかに複雑になるということも事実でございます。ただ、日本の周辺を見た場合に、やはり我々としては注目せざるを得ないのは、ソ連がどれぐらいの師団を極東に持っているか、その兵器の種類がどういうものであるか、質がどういうものであるか、ソ連の艦隊がどういうものであるか、そういう形でバランスを見ざるを得ないわけでございます。その場合、やはり現在増強され、かつ質も向上している極東ソ連軍というものは、我々として非常に注目していかなければならない、そういうことになるわけでございます。
  105. 渡部行雄

    渡部(行)委員 答弁は人を納得させるような答弁が欲しいのですよ。というのは、本当にソ連が優秀な兵器を持っているなら、なぜアフガンで失敗したのですか。あのゲリラがアメリカから搬送用のミサイルを手に入れて大分ソ連に損害を与えた。しかし、ソ連がそんなに西側に比べて優秀な兵器、性能のいいものを持っているなら、アフガンで失敗するはずがないでしょう。
  106. 小野寺龍二

    ○小野寺政府委員 アフガニスタンのような状況のもとでは、確かに近代的な兵器を持つだけでは戦争は勝てないということをまさに今度のソ連のあれが示したのではないかと存じます。これは、やはり山岳地帯であるとか国全体がいわばゲリラ化をしている、そういう状況のもとでは近代兵器というものが自由に使えないという状況だったかと思います。 ただ、そういう世界的な軍事バランスを見る場合、戦争の危険を見る場合、アフガニスタンの例がすべてそのまま当てはまるということには恐らくならないのではないかと存じます。
  107. 渡部行雄

    渡部(行)委員 この問題はこのぐらいにしておいて、先に進みます。  それでは、今度出ておる防衛二法の改定によってどのくらいの予算が使われることになるのか、海上自衛官あるいは航空自衛官、統合幕僚会議の自衛官、それから予備自衛官、それぞれ大体どのくらいこの改定によって予算が必要なのか、まずそれを説明していただきたいと思います。
  108. 日吉章

    ○日吉政府委員 現在御審議をいただいております防衛二法改正法案関連の経費でございますが、これを三つに分けて申し上げますと、自衛官の定数増五百二十三人分でございますが、これは防衛庁設置法第八条関係でございますけれども、三億一千二百万円でございます。二番目には、予備自衛官の員数増千五百人でございますが、これは自衛隊法第六十六条第二項関連でございますけれども、三千万円でございます。最後に航空自衛隊の骨幹組織の改編関係でございますが、これは施設整備費でございまして、法律関係としましては自衛隊法第二十条等の改正関係でございますが、二億八千百万円、合計いたしまして六億二千四百万円と相なっております。
  109. 渡部行雄

    渡部(行)委員 そうすると、六億二千四百万というのは、この法改正に伴う予算というふうに見ていいわけですね。
  110. 日吉章

    ○日吉政府委員 合計六億二千四百万円はそのとおりでございます。お尋ねのとおりでございます。
  111. 渡部行雄

    渡部(行)委員 それで、この自衛官の増員は、いわゆる艦艇あるいは飛行機の就役による、こういうふうに書いてありますが、この艦艇と飛行機というのは、国産がどれぐらいでアメリカから購入するのはどれぐらいか、その内訳を教えてくれませんか。
  112. 西廣整輝

    西廣政府委員 今回の増員に関連のあります艦艇、航空機の国産等の状況でございますが、艦艇について申し上げますと、これはすべて国産品でございます。一つは、五十九年に発注をいたしました護衛艦三隻が就役するというものであります。次に、六十年度に発注をし製造しておりました潜水艦が一隻就役をする。それから六十一年に発注いたしました掃海艇が二隻就役をする。さらに六十一年に発注いたしました訓練支援艦が一隻就役をする。以上が艦艇の就役状況でございます。  一方、航空機は、まず海上自衛隊関係でございますが、これまた全部国産になると思いますけれども、P30が十二機就役する。それからB65という練習機でございますが、これが二機就役する。LC90が一機就役する。KM2が三機就役する。ヘリコプターが十一機就役する。それからOH6というヘリコプターが一機就役する。以上のようなものが航空機の就役によるものであります。  それから、航空自衛隊につきましては、F15、F4、CH47J、T4、これらの就役するものが国産品でございまして、C130という輸送機二機だけが輸入品であるというふうにお考えいただきたいと思います。
  113. 渡部行雄

    渡部(行)委員 そこで、最近よくイージス艦が話題に上っておりますが、このイージス艦の導入あるいはFSXの導入、こういうのはいつごろ予算化されるのですか。現実にはどういうふうな配備の方法を考えておられますか。
  114. 西廣整輝

    西廣政府委員 イージス艦につきましては、これから五年間かかって建造するということでございまして、これらが就役する時点というのは五年後になりますので、まだ人員等の手当てはしないわけでございますが、これが就役しますと、当然四個群あります護衛隊群の中に配備されることになろうかと思います。
  115. 渡部行雄

    渡部(行)委員 イージス艦は今何隻を考えておられるのですか。それからFSⅩについてはお答えがなかったのだけれども……。
  116. 西廣整輝

    西廣政府委員 護衛隊群一個群の標準編成といたしましては、まずヘリコプターを積みました護衛艦が一隻でございまして、それ以外に五隻の主として対潜を任務とする護衛艦、さらに対空的な機能を持つ、対空の中距離ミサイルを搭載した護衛艦を二隻配備するということで、八隻の編成を考えております。  そのうち既に現在までターターという対空ミサイルを積んだ船が六隻就役ないしは建造いたしておりますので、まず、八隻のうちの二隻分についてはまだ欠があるということで、これをイージス艦にするという考え方でおるわけであります。引き続きターター艦が将来除籍する、退役するという段階になりますと、それがイージスを積んだ船にかわっていくことになろうかと考えております。  なお、FSⅩにつきましては、現在FST2改というものを使用いたしておりますが、これはT2という練習機を改造してF1という名称にして支援戦闘機として使っておるわけでございます。これは性能的に、我が国が支援戦闘機、防空戦闘機として用い、かつ洋上から侵攻する艦艇等を阻止するために使う航空機としては能力不足であるということで、これを引き続き多量につくって維持するということでは、今後一九〇〇年代あるいは二十一世紀に入って用いるには余りにも性能が低過ぎるということで、今回アメリカのF16を改造するタイプのFSX、いわゆる支援戦闘機を開発して、これができ上がった段階で整備しようということで、現状ではF1は若干定数より下回った格好になっておりますが、これを埋めずにそのまま推移していきたいと考えておるものであります。
  117. 渡部行雄

    渡部(行)委員 海上自衛隊は結局四群で構成されているわけですか。そうすると、将来は一群一隻のイージス艦を考えている、こういうふうに考えていいのでしょうか。
  118. 西廣整輝

    西廣政府委員 先般、洋上防空研究ということで、護衛隊群として対空能力をはかる際にどういう組み合わせが最も経費効率がいいだろうかという研究をいたしました。その際に、例えばターター艦の改造型を入れる場合、あるいはターター艦一隻とイージス艦を組み合わせる場合、イージス艦二隻の場合、いろいろな組み合わせで研究したわけですが、その結果、ターター艦一隻とイージス艦一隻というものが費用対効果の面で最も効率がよろしいということで考えておりますので、四群、将来的にはでき得ればターター艦とイージス艦の組み合わせにしたい気持ちは持っております。
  119. 渡部行雄

    渡部(行)委員 そこで、このイージス艦は国産でやられるおつもりなのか、それとも共同開発でやられるのか、あるいはできたものをそっくり購入されるのか、そのどちらでしょうか。
  120. 西廣整輝

    西廣政府委員 我々としては、イージス艦のいわゆるイージスシステム、ミサイル及びそのミサイルを射撃統制するための装置、コンピューター等そのものについては輸入する、そして、その輸入した機材を我が方で建造した艦艇に組み込む。そのほかに、艦艇には対潜兵器その他通信機がございますが、これらについては国産でというように考えております。
  121. 渡部行雄

    渡部(行)委員 そうすると、船そのものは日本で国産、あと上に載せるものは購入、こういうような形でできるでしょうが、その際、イージス艦にしてもFSXにしても同様ですが、この決済の仕方、代金の支払い方法を予算上どういうふうに表現されているのか。予算を見てこれはイージス艦の予算だなということがすぐわかるようになっているのかどうか。  そして、仮にアメリカとの契約があった場合、契約後の通貨変動というものについてはどう考えておられるのか、見直しとかそういうものがあり得るのかどうか、その辺についてお聞かせ願いたいと思います。
  122. 西廣整輝

    西廣政府委員 ちょっと担当の局長がおりませんので、私から私の知り得る範囲で御説明申し上げますが、足らざるところはまた追加して御説明をしたいと思います。  当然のことながら、ある搭載品、例えばイージス艦でございますとイージスシステムを輸入して艦艇をつくるということになりますと、全体経費として初年度に総額千三百億なら千三百億という金が要りますということになるわけです。そういう概算要求をするわけでございますけれども、それらについては個々のシステムについて、輸入のものであれば輸入価格というものを事前に当たってそれを組み込む、さらにもろもろの搭載部品、艦艇あるいはエンジンその他それぞれに分けまして原価計算、それぞれに発注する、国内なら国内というものを前提にし、輸入するものは輸入する相手方というものを前提にして積算をして概算要求いたします。  ただし、予算の計上としましては、艦艇でございますから、継続費として、全体の総額を初年度に決めますけれども、後は工程に従いまして逐次それを歳出化して予算をお願いしていくという格好になります。  そして、今先生のお尋ねの輸入品について、例えば為替変動があって途中でそれが下がるというようなことがあります。その際には、過去に契約したものにつきましては、その材料手当てがいつ出され、いつの段階でそれが製造されるかということが我々としては十分わかりませんので、それぞれについて最後に精算をいたすことになっております。それぞれの証拠書類というものが出てまいりまして、この材料はいつ何ドルで買った、そのときのドルの為替レートはどうであったかというそれぞれの証拠書類が出てまいりますので、それでチェックをいたしまして、そこで精算をして、余ったものは返してもらってそれを不用に立てるという格好になります。  ただ、逆に為替変動によりまして増加する場合というのが通常あるわけですが、その場合は、我が方の契約の方式としましては、契約が限度額であって、それ以上のものは払わないという契約になっておりますので、その点は官側が有利な契約状況になっておりまして、為替変動等で超過した場合は払わないけれども、余ったときは返してほしいというような契約内容になっておるわけであります。
  123. 渡部行雄

    渡部(行)委員 そこで、イージス艦一隻が大体一千二百二十三億円というふうになっておるようですが、これを日本の国のメーカーに支払う金とアメリカに支払う金とに分けると大体どういう比率になりますか。
  124. 鈴木輝雄

    鈴木(輝)政府委員 手元に正確な資料を持ってございませんが、半分以下の金額が外国に行くと考えられます。
  125. 渡部行雄

    渡部(行)委員 こういう具体的なものについては、説明資料か何か、見てだれにもわかるような資料を出していただければありがたいのです。予算書を見てもそれがどこに該当するのかなかなかわかりにくいわけです。今後一考していただきたいと思います。  そこで、次には、今度の中期防衛力整備計画は五年間で十八兆四千億となっておりますが、次期防衛計画については、大体どういうものが基準になって、何年くらいの見通しを持っておられるのでしょうか。
  126. 西廣整輝

    西廣政府委員 次期防衛力整備計画につきましては、形式といいますか、どういう何年計画をつくるかということを含めて今後の御審議を待つということになっておりまして、内容的な詰めを私やっておりませんので、ただいまの先生の御質問に具体的にお答えできるだけの用意がないわけでございますが、いずれにしましても、私どもとしましては、現在実施しつつある現在の中期計画、これができ上がった段階で我々としての能力が相対的にどうなるかという分析をまずする必要があると思っております。そのでき上がった時点における周辺諸国の軍事力、そういったものとの対比において我が防衛力というものがどうなるか、つまり、それが大綱で考えている水準というものに対してどういう形になっておるかという能力分析をいたす必要があろうかというふうに考えております。  そこで、能力的に、大綱が期待をしておる――現在の中期防をつくった当時は、これでFSⅩ等一部のものを除き大部分のものについてはおおむね大綱水準が達成できるというふうに私ども考えておったわけですが、それがさらに時点を修正される形になります。五年なり十年先の段階でどうなるかということをにらんでみて、仮にこのまま推移しても、周辺の軍事力というものが、先ほどの先生のお話のように仮に軍縮されていくというようなことで、足りるものであるならば、それを維持していけばいいということになろうかと思います。一方、引き続き周辺の軍事力というものが増強され、かつ質的にも向上していくということになりますと、それに対応するために今後五年なり三年の間にどういうことをしなくちゃいけないかということを検討しなくちゃいけないということになるんではなかろうかと思います。  それらについては、何度も申し上げますように、我々としては、国際情勢なり軍事情勢というものが大綱作成当時と大幅な変更がない限りは、大綱の水準、大綱の物の考え方というものを基準にして、何をなさねばならないかということを詰め、それを十分精査、御審議いただいて、それに必要な計画というものをお決めいただくということになるんではないかと考えております。
  127. 渡部行雄

    渡部(行)委員 そうすると、結局は何も決まっていない、こういうことですね。  そして、ローリング方式を再び採用すると今まで答えられたと言われておるものは、そうではない、それはそのように確認していいでしょうか。
  128. 西廣整輝

    西廣政府委員 まず、ローリングの点につきましては、私は過去数次本問題について御質問を受けましたけれども、総額明示方式ということでありますから、計画と金額の枠というものは一体でなくちゃいけない。ローリングというのは計画そのものが継続して動いていきますので、ある意味で計画というものの実績がつかみにくい、ある期間できちっと切れませんので。そういう点でローリング方式というものは総額明示方式とはうまくなじまない方式であるというように考えております。  それから、次期防の内容につきましては、まさに先生がおっしゃいましたとおり、これから研究をし、最終的には、でき得れば六十六年の概算要求をいたす時期、つまり六十五年の夏まで、遅くとも六十六年度予算を決定する六十五年の暮れまでには中期の計画というものをつくりたいというように考えておりますが、この段取り等についてはまだ安全保障会議等で御審議いただいておりませんので、その段取りすらまだ決まっていないというのが現状であります。
  129. 渡部行雄

    渡部(行)委員 そうすると、この防衛大綱が満足される状況になるのは大体いつごろでしょうか、またはどの計画で満足される状況になるのか、その辺をお聞かせ願いたい。
  130. 西廣整輝

    西廣政府委員 「防衛計画の大綱」を一言で申し上げれば、かねがね申し上げているように、通常兵力によるといいますか、限定的な事態で、かつ小規模なものには少なくとも自力で対応できる程度の防衛力を備えるというのが目標になっております。また、そういった事態というものは周辺諸国の軍備の動向あるいは軍事技術の進歩ということで動いてまいりますので、我が方が持つべき防衛力というものも相対的な面があるということについては過去再々お答えをし、ある程度御理解をいただいていると思います。  したがって、いつの時点で停止をしてしまう、ここである水準に達したから停止をするかということになりますと、これは、周辺のそういった軍備の動向というものが停止状態にならない限り、なかなか停止は難しい。つまり、水準というものを維持するために、到達しましても維持するために引き続き努力が必要であるという場合も当然ございますし、また、我が方が整備した防衛力そのものの中で、船が寿命が来るとか航空機が寿命が来るといったようなことで、これを補てんしていくというような意味の防衛力整備というものは必要であろうかと思います。そのための相当な努力が必要であろうと思います。  いずれにしましても、固定的に、例えば道路計画なり新幹線計画のように、ここからここまで到達したらもうおしまいというものではないということは御理解をいただきたいと思います。  そこで、現在の状況がどうなっているかと申しますと、現在実施中の中期防を策定する当時のねらいとしては、この五年間で着手をする防衛力整備、これができ上がる時点で大綱水準を達成するするものをつくりたいということで計画をつくりました。ただ、先ほど申し上げたように、例えば支援戦闘機であるFSⅩ、そういったものについては、この期間中に調達すべき適当な機種がないというようなことで、これはやはり開発をせざるを得ない。ということになりますと、この期間中に整備ができませんので、これらのものはこの計画が完全に達成されてもなおかつ先送りになっているものがございます。  その種のものが一、二ございますが、それ以外のものについては、少なくともこの計画完成時点では我々は大綱水準に極めて近いものになるというつもりで現在整備をしておるものであります。
  131. 渡部行雄

    渡部(行)委員 防衛大綱をつくるときに、ある一つの水準というのを考えてつくられたと思います。今のお答えは、その水準に近い状態にいわゆる中期防の完成時になるだろう、こういうお答えのようですが、もちろんこれは状況の変化に対応しなくちゃならないことは重々わかっております。  しかし、ゴムの物差しではかるみたいに、何でも縮んだり伸ばしたりして自由にはかれるようなやり方でなしに、この中期防で一たん水準が決まれば、次期防からは何を目標にして考えていくのかということ、一つは、日本は外国と違って憲法上の制約が常に頭の中になければならないわけで、そういう観点からいけば、次期防に対してはどういうふうに今お考えでしょうか。
  132. 西廣整輝

    西廣政府委員 先生の御質問、必ずしも十分にそしゃくしたお答えになっているかどうか自信がないわけでございますが、まず、憲法との関係で申し上げますと、憲法上持ち得るものは、御承知のように自衛のための必要最小限度のものであるということが一言で申せば憲法の枠組みだと思っております。されば、大綱で水準としておるものが憲法で言う自衛のための必要最小限度のものであるかどうかということになりますと、これは正直申し上げて、そうではないと言わざるを得ないと思います。  と申しますのは、大綱以前の物の考え方、これはいわゆる専守防衛であり、かつ自衛のために必要な、いわば限定的な事態に対して最も有効に対応できるものというものを目標としておったわけであります。しかし、これは言うべくして現実にこれを達成するのはなかなか難しいということも含めまして、さらに小規模のものというような、もう一つしんにゅうをかけたような格好で、それより低いレベルのものを目標として今整備にかかっておるわけでございます。  したがって、かつて、要するに大綱以前に目標としておったものが決して憲法の枠を超えるものをねらっておったわけではございませんので、それ以下のものになった現在の大綱水準というものが、憲法上の枠組みいっぱいのものであるということはないというふうにまず申し上げたいと思います。  しかし、先ほど来申し上げておりますように、大綱策定当時の世界的な情勢、軍備の動向、そういったものを見まして、東西の拮抗した状況なり朝鮮半島の状況なり、そういった我が国の安全に基本的な影響を及ぼすような諸条件というものが大きな変化がない限りはこれでいいのではないかということで現在の大綱水準というものをお決めいただいたわけでありますから、その枠組みというものが変わらない限り、私どもはこの考え方が踏襲し得るのではないかというように考えております。  ただ、そこで、先ほども申し上げたように、あくまで小規模かつ限定的な事態といえども相対的な面というものは引き続き残るわけでありますから、周辺諸国なりの軍備の質的な向上というものがあるとすれば、これは大綱の枠組みの中で、これに対応したものにこちらも質的に改善をするとかといった努力は必要であろうというように考えておる次第であります。
  133. 渡部行雄

    渡部(行)委員 そうすると、この大綱の大体満足する線というのは、あと幾らもないですよね。六十五年には大体それが完成――完成というのではなくて達成といいますか、達成されるわけですから、そうすると、それを達成してからまた考え直すというのではもう間に合わないので、今から大綱の見直しとか防衛の基本的なあり方とかいうものについて検討が始まっていると私は思うのですが、その点についてはどうでしょうか。
  134. 西廣整輝

    西廣政府委員 政府として、そういった検討をしていただくのはもう少し後になろうかと思いますが、まず我々として急がなくてはいけないと考えておりますのは、先ほどもちょっと触れましたけれども、現在手がけつつある、既に定められた防衛計画でつくられる防衛力というものが完成してくるわけでございますが、それでどの程度の能力を持ち得るかということはつかみ得るわけであります。  一方、これが就役する時期ですが、さらに次の計画が仮に五カ年としますと、その五カ年計画で着手した作業ができるのはさらにその三、四年先でございますから、今からいいますと十年先ぐらいになると思います。そうすると、十年先ごろの周辺の諸国の軍備がどうなるか、あるいは軍事技術的にどういうものが出現するかということについて見積もりをしなくちゃいけません。これが非常に時間もかかり、かつなかなか難しい仕事であります。  そういうものを見積もりをして、それと現在計画しておるものででき上がる防衛力というものを比較いたしまして、その段階で、小規模・限定的な事態というものが起きたときにでき上がっている防衛力で十分なのかどうかということで、大綱水準を満たしておるかどうかという判定ができるんだと思います。  そういったことを十分御論議いただいて、やはり引き続き五年間なら五年間、三年間なら三年間さらに防衛努力をしてより近代化等を推進する必要があるという御判定になった場合に、初めて三年としての計画をどういうものをつくるかということに進んでいくというように御理解いただいたらいいと思います。
  135. 渡部行雄

    渡部(行)委員 今まで防衛庁の装備なりをしてくる際にいつも決まって言われることは、防衛大綱の早期達成だ、こういう言葉で、結局憲法の許す範囲内の軍備がそれなんだということで、ある程度国民も納得させてきたと思うのですよ。ところが、それが達成されたらこの次は何を対象とするのか、その辺はもう考えておられると思うのですが、どうでしょうか。
  136. 西廣整輝

    西廣政府委員 大変難しい御質問でありまして、大綱ができて十年ちょっとたつわけでございますが、大綱で一番わかりやすいものといいますと、別表にもろもろの主要な装備等の数値あるいは部隊の数等が書かれております。大綱当時既にその数値を満たしておった、例えば戦闘機等であればそれ以上に持っておったものもありますが、大綱でこれを近代化することにより、より少ない勢力でいいということで別表が定められたものもあります。  ただ、この近代化というものについては、同じ飛行機をつくるわけじゃございませんので、非常にお金がかかったり時間もかかるということで、一時的に大綱というものをかなり下回るところまで減ってしまったという部分もあります。現実に、過去十年以上防衛力整備を進めてきたわけでございますけれども、新規増分といいますか、数がふえていくという形で計画されたものというのは非常に少のうございまして、大部分が落ちていくものを、除籍されていく航空機なり艦艇を、近代化しつつ維持するのにきゅうきゅうとしておったというのが現状でありまして、ようやく現在実施中の中期計画に至りまして艦艇等について一部が増分に回り得るような状況になってきて、そして大綱の別表にあります数値に近づきつつあるというのが現状であります。  それでは今後どうなるかということになると、先ほど来申し上げておるように、今申し上げられる段階にないわけでありますが、まずもって現在の水準というものを維持する、古くなって耐用命数が来て落ちていくものをつくりかえていく、それも近代化しながらつくりかえていくということにまず八割から九割の力を注がざるを得ないであろうというように思っております。それにプラスするものが必要かどうかということによって、計画の中身なり必要な経費枠というものも変わってくるというようにお考えいただきたいと思います。
  137. 渡部行雄

    渡部(行)委員 そこで、この問題はもう一つ重要な問題があるのですが、総額明示方式というものは、例えば今までだとGNPの一%枠という枠がはっきりと計算できるけれども、総額明示方式というのは、周辺の事情によってとなると、もう三木内閣当時の閣議決定というのは、尊重するという建前であっても、それは崩されていくのじゃないでしょうか。
  138. 西廣整輝

    西廣政府委員 GNP比の考え方についても、先生の方も、例えばGNP一%以内であれば何でもいいんだ、要らなくても一%まで使うんだということではないということはよくおわかりだと思います。そういうものではなかったと思います。  大綱をつくった当時は、年度年度で決めていくということで、年度の概算要求の中身を精査してやっていくというのがまず基本にあったと思いますが、やはり防衛力整備というのは、何をするかという中身、その目的、そういったものを十分御精査いただいて、そこでまず必要か、不必要か、どこまでが節度があるものであるかということを御審議いただくというのが一番まともなやり方ではなかろうかというのが、昨年の閥議決定の精神であろうというふうに私は思っております。  そして、お金はその範囲内でつける、余分なものはつけないというのが重要なことである。つまり、まず、やみくもにと言っては語弊がございますが、お金の枠を決めてしまって、その範囲内なら何でもいいとか、あるいはその範囲に何が何でもおさめなければいけないということは、国の安全という極めて基本的な問題を取り扱う際には適当な方法ではない。やはり、国を守るために必要最小限の防衛力整備とはいかなるものであるか、そのための計画はどういうものであるかという中身がまずあって、それを十分御審議の上、経費というものは決められるべきであるというのが昨年の閣議決定の基本的な精神であろうというように考えております。
  139. 渡部行雄

    渡部(行)委員 時間がだんだんと迫ってきましたから先へ進みます。  欧州の混合部隊創設について、これは五月十八日の新聞に出ておったのですが、  北大西洋条約機構(NATO)理事会は十七日、米ソ軍縮交渉の進展に伴う欧州の安全保障を展望した「一九九〇年代のNATO」と題する報告書をまとめた。この中で欧州各国軍の混合部隊である欧州師団の創設を打ち出した。中距離核戦力(INF)撤廃後の欧州防衛に欧州各国が積極的な役割を果たす形を示したもので、六月九日からマドリードで開く外相会議などで検討する。ことになるだろうということが出ております。  こういう欧州の動きに対して、防衛庁はどのようにこれを見ておられるか、その辺のこれからの対応についてお伺いいたします。
  140. 小野寺龍二

    ○小野寺政府委員 今先生がお読みになりましたNATOの決定につきましては、我々も新聞で読んでいる以上のことを、今のところまだ情報を持ち合わせておりません。  推察いたしますところでは、NATOというのは既にある程度の軍事的な統合というものが行われておりまして、それで、単一の司令官のもとで各国の軍隊がその指揮下に服しているという状況にあるわけでございます。しかし、まさにNATOの中でのヨーロッパの柱というものを強める一環として、その統合をさらに一段進めていこうという動きではないかというふうに見ております。既に、NATOの軍事機構の中に入っておりませんフランスとドイツとの間の統合旅団の創設等、そういうヨーロッパの中での協力、西欧諸国の中での協力というのが今後一層進んでくるのではないかというふうに見ております。  ただ、詳細については今のところ我々も存じておりません。
  141. 渡部行雄

    渡部(行)委員 何かわかったようなわからない答弁ですが、中身はまだはっきりしてないから、結局はその対応もまだ打ち出すわけにはいかない、こういうふうに理解していいですか。
  142. 小野寺龍二

    ○小野寺政府委員 中身をまだ我々としてもはっきり把握しておりませんので、はっきりした評価ができないということでございます。
  143. 渡部行雄

    渡部(行)委員 ただ、これは方向づけとしては、このNATOというものが、ECが一つの国家群になっていくのと合わせて、やはりだんだん一つの防衛軍としての固まりになっていくのじゃないかと思うのですが、その辺はどういうふうに見ているのですか。
  144. 小野寺龍二

    ○小野寺政府委員 方向としては、先生のおっしゃるとおり、NATOの中でヨーロッパの柱を強化する、その一環としてヨーロッパ諸国同士の協力というものがだんだん強化されている、そういう傾向はこの数年間見られておりますので、恐らくその方向ということは正しいことではないかと存じます。
  145. 渡部行雄

    渡部(行)委員 これはこれからの問題として残しておきます。  次に、沖縄の基地従業員の本給まで肩がわりしてくれというアメリカからの要請がある、こういうことが伝わっているのですが、基地従業員の本給肩がわりとなると、これは日米地位協定を改定しなければならないと思うのです。この点についてはどのように今考えておられますか。その内容を明らかにしていただきたいと思います。
  146. 時野谷敦

    ○時野谷政府委員 お答えを申し上げます。  米国は従来から、一般的に申し上げますれば、我が国によります在日米軍駐留支援の一層の充実につきまして期待を有しているということでございますけれども、ただいま先生がおっしゃいましたような、在日米軍従業員の本給を負担してほしいというような要望が米側から出ているという事実はございません。
  147. 渡部行雄

    渡部(行)委員 そうすると、そういう要求がないのに新聞がでたらめを報道しているのですか。これは何かそういう感触を与えているのじゃないでしょうか、その辺はどうですか。
  148. 時野谷敦

    ○時野谷政府委員 先生ただいま言及なさいました新聞記事がどういう根拠に基づいて書かれましたものか、私定かにいたしません。私ども米側からそのような要求を聞いていないという次第でございます。
  149. 渡部行雄

    渡部(行)委員 それではここにもう一つ、松永大使が日米地位協定についてこういうことを言っておられるのですね。  日米地位協定の改正が必要なのか法律が必要なのか、さらに負担するためにどのような手立てができるのか検討してほしいと思うと述べ、中期的な課題として、日米地位協定の改定も含めた検討を提唱した。 こういうふうに書かれているのですが、これは外務省で知らないはずないでしょう。
  150. 時野谷敦

    ○時野谷政府委員 私、先生がただいまお読みになりました記事が正確に松永大使の申したことを反映しておるのかどうか、ただいま申し上げる立場にございませんけれども、私承知します限り、大使が協定の改定云々というふうに申したというふうには承知をいたしておりません。  推測いたしますに、大使としましては、先ほど申し上げましたように、米側におきまして、一般的に申し上げまして日本が駐留米軍支援を今後も充実していってほしい、そういう期待があることを念頭に置いてそういう種類の発言をいたしたのではなかろうかというふうに考える次第でございます。
  151. 渡部行雄

    渡部(行)委員 そうすると、仮にアメリカからそういう要求があってもこれは受け付けない、そして地位協定の改正の要はない、こういうふうに理解していいですか。
  152. 時野谷敦

    ○時野谷政府委員 米側からそういう要請がないという状況でございますので、ただいま先生がおっしゃいましたように、受け付けるとか受け付けない、あるいは地位協定を改定する改定しないといった種類の議論をここでさせていただくのは必ずしも適当でないと思いますので、その点については御了解をいただきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、私どもが在留米軍支援、こういうことを行ってまいりますのは、私どもの自主的な判断に基づいてこれまでも行ってまいりましたし、今後もそういうことであるというふうに御了解いただければと思います。
  153. 渡部行雄

    渡部(行)委員 それからもう一つ、アメリカがNATOの中で十カ国との間に締結しておる物品・役務相互融通協定というものを日本に結んでくれと要求してくるのではないか、こういうことも言われておりますが、そういう動きはあるのでしょうか。
  154. 時野谷敦

    ○時野谷政府委員 お答え申し上げます。  先般のハワイにおきます日米安全保障事務レベル協議におきまして、米側から、いわゆるNATO相互支援法に基づくアメリカとNATO諸国間の共同訓練等の際の物品、役務の融通の仕組みについて説明がございまして、それとともに、日本との間にも相互物品・役務融通協定があることは有用であると思うという発言がございました。これに対しまして、日本側から、今後このような取り決めが有用であるかどうかということを検討してまいりたいということを述べ、米側もこれを了承したという経緯はございます。
  155. 渡部行雄

    渡部(行)委員 これはよほど慎重にかからないと、将来もう抜け出せないような状況に追い込まれる危険性があると思います。仮に、こういうものを今結ばないとしても、だんだんと迫ってくることは私は事実だろうと思います。  そこでさらに、今度はODA、いわゆる政府開発援助の問題についても、今、日本は、その増大と申しますか、この資金の拡大に努めよと迫られ、特にアメリカからは具体的に、ひもつきでない資金をもっと増大せよ、こういうふうに言われておるそうでございますが、それは事実ですか。
  156. 久保田穰

    ○久保田説明員 お答え申し上げます。  経済協力につきましては、我が国としましては、途上国の開発ニーズと全般的な我が国との関係というものを考えまして、自主的な我が国の判断に基づいて相手国の経済開発及び民生の安定に資するという考えで援助を実施しておりまして、今後ともかかる方針で実施してまいりたいと考えております。
  157. 渡部行雄

    渡部(行)委員 この問題は、なぜひもつきでない勝手に使える金を多くふやせと言うのかというと、日本の海外援助資金をもって軍備の増強に各国とも充てていく、そうすればアメリカはそれほど負担しなくてもこの自由主義国家群の軍備の増強は自然とできる、こういうふうなねらいがあるのではないかと私は思いますが、これは長官、どうでしょうか。
  158. 久保田穰

    ○久保田説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘の援助のひもつきの問題につきましては、援助一般に関しまして、援助の量との関連で質の問題ということでこの援助供与国の間では議論されております。  この質のよしあしということで、一般的にひもつきでない、アンタイドの援助というものは歓迎されるわけでございまして、国際的に見ますと、我が国の場合、まだまだ努力が必要でございますけれども、一般的に見まして、借款につきましては七割程度ひもなしになっておりますし、また、最近これをさらにひもなしの方向に向かわしめるということでございますし、グラントの、贈与の援助につきましては、各国とも通常これはひもをつけておりまして、我が国の場合、これに加えましてさらにアフリカの貧困国に対して五億ドルの完全なアンタイドの援助を実施することを最近発表しまして評価をされている、こういう状況にございます。
  159. 渡部行雄

    渡部(行)委員 これは日本の今の会計検査院がある程度監視できるような、そういう院法の改正も図って、何か効果について日本独自の一つの評価ができるような形にすべきではないか。つまり、この金だって国民の血税ですから、どういうふうに使われているか、いわゆる平和のために使われているのか、あるいは戦争を準備させる資金の方に流れているのか、あるいは特定高官の、マルコスみたいな形で使われているのか、そういうものを、ある程度きちっとその金の流れの評価ができるようにすべきではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
  160. 久保田穰

    ○久保田説明員 この点につきましては、先生御指摘のとおり、経済援助の効果の評価というものは極めて重要な問題であると認識しております。政府としましても、現在のところ、政府自身及び実施機関を通じての援助の評価、それから第三者の専門家を通じまして評価をせしめる、または外国の権威ある専門家を起用しまして、これを通じて現実に現場で使われている援助が効果的かどうかを評価するように努力している次第でございます。
  161. 渡部行雄

    渡部(行)委員 そこで、これはもっとやりたいのですが、次に移ります。  最後になりますが、戦時中、瀬戸内海の大久野島、俗称毒ガス島と言われておるのですが、ここで毒ガスが製造され、貯蔵されていたわけです。ところが、戦後、その毒ガスによる後遺症の患者が約五千人程度出ていると聞いておるわけです。  この問題についてその後どういう始末をされているのか、その内容について、現在どうなっているのかをあわせてお答え願いたいと思います。これは大蔵省と厚生省からそれぞれ担当しておる部分について御説明ください。
  162. 山口公生

    山口説明員 御説明申し上げます。  大久野島にありました旧東京第二造兵廠の忠海製造所等において毒ガス製造に従事しておられた方々のうち、旧陸軍の共済組合の組合員であられた方、これはガス障害者救済のための特別措置要綱ということで、これは大蔵省の方の管轄であります国家公務員の連合会の方で事業をやっております。  具体的に事業の内容を申し上げますと、主としてガスによる疾病で療養等を受けられている方々、そういう方々に対して医療費、療養費、それから諸手当をいろいろ症状に応じてお与えしております。人数で申し上げますと、現在の時点で二千二百九十三名。ただ、一部亡くなりました方がいらっしゃいますので、累計で見ますと、三千七十五名が現在そういった手当を受けられた方、または受けられておる方ということでございます。
  163. 萩原昇

    ○萩原説明員 厚生省では、動員学徒とか女子挺身隊員あるいは勤労奉仕隊員、人夫等、今大蔵省の方で申されました造兵廠との間で雇用関係があった方が大蔵省の方でございますが、そういう雇用関係のない方々につきまして実施をしておりまして、毒ガス障害者に対する救済措置要綱というものを定めておりまして、健康診断を実施する、あるいは医療費につきまして社会保険で給付をされる残りの部分、すなわち自己負担の部分でございますが、その部分についての肩がわりをする、あるいは健康管理手当、それから保健手当というものの支給を行っておるところでございます。  人数でございますが、まず、対象である方、すなわち旧共済組合以外の者で実際に従事しているということが確認されている方が現在の段階で二千三百人余りでございます。この健康管理手当を受けておられる方は、毒ガスに起因する疾病を現に有しておって日常治療を要する人ということでございますが、六百人余りでございます。
  164. 渡部行雄

    渡部(行)委員 時間が来ましたのでこれで終わりますが、最後に長官から一言。  まだこのように戦後は終わっていないのですよ。ですから、こういう状況をよく今後とも調査しまして、戦争犠牲者に対しては、これは官房長官もそうですが、もっと防衛庁も考えて、防衛庁は防衛庁なりにこういう人たちに温かい手を差し伸べていただくことを考えていただきたい。  それから、日本の防衛に対する長官の決意をひとつ、どういうふうな形で日本が防衛すればいいのか、一番いいのは、戦争のない平和な国をつくるためにどういうふうにしたらいいのか、こういうことで、簡単で結構ですからひとつお願いして、私の質問を終わります。
  165. 瓦力

    ○瓦国務大臣 さきの大戦の私どもは深い反省に立たなければならぬと考えておりますし、そうした反省の上に立って、世界各国との協調も踏まえてまいらなければならぬと思っております。  また、我が国の安全を確保してまいるということにつきましては、我が国みずからの努力とまた日米安保体制相まって我が国の安全を確保してまいる、こういう仕事を私の任務として心得ておるつもりでございます。政府全体として取り組んでいかなければならない課題もございますし、また、防衛庁はその所管として取り組んでいかなければならぬ問題もあるわけでございますが、私も政治家の一員として、また内閣にありましては国務大臣として、さような心得を持ってこれから事に当たっていきたい、かように考えておるわけでございます。やはり平和を確保してまいる、そして自由を守ってまいるということは大切な仕事と心得ておる次第でございます。
  166. 渡部行雄

    渡部(行)委員 どうもありがとうございました。
  167. 竹中修一

  168. 月原茂皓

    月原委員 私は、最近デタントという言葉がよく言われておりますが、このことについてまずお尋ねしたいと思います。   今どういうことをもって俗にデタントが来ておるというふうに言われておるのか、お答え願いたいと思うのです。
  169. 小野寺龍二

    ○小野寺政府委員 現在俗にデタントと言われておりますのは、INF、中距離核兵器の全廃条約の署名が行われたこと、それから戦略核兵器五〇%削減交渉というものが実際に行われていること、これはできるかどうかということはまだわかりませんけれども、少なくとも交渉が行われていること、それからアフガニスタンからのソ連軍の撤兵ということが始まったという事実、そういったものが現象としてあるわけでございます。  さらにそのもとにございますのは、ゴルバチョフという新しいソ連の指導者が出てきまして、国内的にはペレストロイカ、経済改革を推進するということでいろいろな提案を行うという事態、それからさらには、外に対しては軍備管理・軍縮についていろいろな提案を行うということ、それからウラジオストク演説、ムルマンスク演説というようなところで、それぞれの地域についても新しいアイデアをいろいろ出している、そういう状況のもとで世の中は変わってきている、そういう見方を一部でされている、これがいわゆるデタントではないかと存じます。
  170. 月原茂皓

    月原委員 今参事官がお答えになったように、いろいろな提案はありますが、具体的な兆候として、アフガンの撤退及びINF条約というようなことをもって強くそういうふうに言われているわけであります。  しかし、私はこの二つの点をより深くお答え願うことによって、このこと自身がどういうふうに位置づけられているかということを再認識していただきたいと思うわけであります。  まず、アフガンの撤退でありますが、そもそもアフガンそのものに介入したというのはどういう経緯で介入したというふうにお考えでしょうか。
  171. 小野寺龍二

    ○小野寺政府委員 アフガニスタンにつきましては、一九七〇年代の後半に至りまして何回かの政変というものが起こりまして、それで国王が追い出されたということがございます。そういう中で共産政権、社会主義政権というものが成立したわけでございますけれども、その社会主義政権の中でのいろいろな対立の中で混乱が生じ、そこにソ連が介入をいたしましてみずから一番都合のいい政権を打ち立てる、そういう状況だったと思います。  さらに、その国際的な周辺状況から申しますと、イランで革命が起こってイランが非常に不安定になっている状況のもとで、ソ連がペルシャ湾に対してその影響力を及ぼすためにアフガニスタンを確保しておきたいという、そういう気持ちを持ったというふうに推察されます。
  172. 月原茂皓

    月原委員 今お話しのように、ソ連軍が侵攻した大義名分は、アミン首相が要請したということをもって入ったわけであります。ところが、この首相はソ連軍に抵抗して銃撃戦で死亡したというわけであります。ここにおいてその大義名分は消滅したわけであります。  しかし、今私が思うのは、今参事官がお話しのように、その他の情勢を見ながら戦いを続けた。しかもそれが今までと異なって、非社会主義国家に介入した。当時ブレジネフ・ドクトリンというのがあって、社会主義の中ならしようがなかろうというふうに考えていた世界の常識に反してそういうことをしたということが、私は認識されなければならないと思うわけであります。  そこで、もしおわかりならばどのくらいの兵力を向こうに出していたのか、そして死者は何人ぐらい出ていたのだろうかということを教えていただきたいと思うのです。
  173. 小野寺龍二

    ○小野寺政府委員 ソ連軍につきましては約十二万人が出兵していたとされております。  戦死者につきましては、これはどこからも発表がございませんで、ちょっと資料を持ち合わせてございません。ソ連軍については数千人の戦死者があったというふうに言われております。特にゲリラ側それからアフガン政府軍については、これは残念ながら私ども資料を持っておりません。
  174. 月原茂皓

    月原委員 今お話しのように、十一万五千から十二万の兵力が出ていたのではないか。また一説によれば、直接の戦費は年間七千五百億円から一兆五千億円であるとまで言われているわけであります。そして、今お話しのように大義名分のない戦い、これは戦争の正当性ということを国民に説得することができないわけであります。  ベトナム戦争においても同じようなことが言えたのだろうと私は思います。そして自分の祖国というものと関係のないところで戦わされておる。そして最後は人を殺すことだけが目標のごとくなって、麻薬がはびこる、士気が衰えてくる、こういうような状態で米国はベトナムから引いていったわけであります。  私は、アフガンはそのままほっておれば、ソ連軍としては本当に手のつけられない、自分自身の軍そのものをむしばみ、ソ連社会そのものをむしばむおそれがあったことであって、早晩ソ連としては手を打たざるを得なかった問題だと考えるわけであります。かつてブラックジョークがソ連の若者の間にはやりまして、死にたくなければ大学に通らなければならない、大学を受けて万一通らなかったらアフガン行きだ、こういうふうなことがモスクワ周辺でささやかれていたと言われているわけであります。私はそのような観点から、このアフガニスタンからの撤退というのは、ソ連軍がどうしても手をつけなければ、世界情勢と関係なく自分自身が手をつけてこれを解決しなければならない問題だったと理解しているわけであります。  そこで、この交渉にゲリラ側が立ち会ったのかどうか、戦っている相手がそれに立ち会ったかどうか、テーブルに着いたのかどうかということはどうなんでしょうか。
  175. 小原武

    ○小原説明員 お答え申し上げます。  これはいわゆる国連を通ずる間接交渉という形で交渉が行われまして、ゲリラとアフガニスタン現政府との間の直接の交渉はなかったと承知しております。
  176. 月原茂皓

    月原委員 普通ならば、戦っている相手も引っ張り出してこなければ後の安定はないわけであります。一説によれば、ソ連はアフガンの政府に圧力をかけてまでこの協定を結ぶようにした、米国もそれに引き入れた、こういうふうな見方すらあるわけであります。そういうふうなことから、繰り返しますが、アフガン問題そのものを軍事的に見た場合に、ソ連軍部にとってもぜひ解決したい問題である、デタントのためにあえて決心した、決断をしたという代物ではないというふうに私は理解するわけであります。  次に、INF条約の問題でありますが、パーシングII、これはどのような性能を持った兵器であると考えられているのか、そして、このものがどういうふうな経緯で配置されることになったのかということがわかれば教えていただきたいと思います。
  177. 小野寺龍二

    ○小野寺政府委員 まず、配備に至りました経緯について私の承知しているところを申し上げますと、ソ連のSS20という中距離ミサイルが配備されたことによってヨーロッパが、我が国もそうでございますけれども、非常に高性能のソ連の中距離ミサイルの射程内に入り、これがNATO諸国の間で安全保障の上で大変に問題になり、かつ、これが米国の戦略核の信頼性を維持する上で、いわゆるデカップリングということが言われたわけでございますけれども、NATO体制自体の信頼性を維持する上で非常に問題とされたわけでございます。  それに対しましてドイツのシュミット首相が、ロンドンにおきます演説で初めてこの問題に言及いたしまして、ソ連のSS20を撤廃させることが重要であるということを主張し、これがNATOで取り上げられ、一九七九年にいわゆる二重決議というものができました。二重決議は、一方ではソ連に対してSS20の撤回ということを交渉する、ただしその交渉が成功しなかった場合はこれに対して対抗配備をするという決定でございます。それに基づいて米ソ間で交渉が始まったのでございますけれども、実際にまだ配備されてない兵器と現に配備されているSS20との間の交換というような交渉は結局は成り立たなかったということで、一九七三年に西側諸国は米国の中距離ミサイルの配備を開始したわけでございます。その開始いたしましたのが、今問題になっておりますパーシングII及びクルーズミサイルでございます。  パーシングIIは単弾頭のミサイルでございまして、射程距離につきましては大体千八百キロという兵器でございます。したがって、西独に配備されたわけでございますけれども、射程内にはソ連の西部の大きな部分が入りますけれども、モスクワには届かないということになっております。
  178. 月原茂皓

    月原委員 今モスクワに届くか否かというような話、届かないというふうに言われておりますが、一説によれば届くという説もあるようであります。とにかく私が思うには、私が思わなくても、向こうのソ連の指導者は国民に対してこういうふうな説明をしているわけですね。我が方が撤去する弾頭は米国の二倍だ、しかし性能で言えば相手の方が命中精度も高く、わずか八分余りでモスクワを攻撃できる、我々にとって対応不可能な脅威を除去できるから有利な取引だ、こういうふうに発言をしているわけであります。そしてそういう意味で、SS20なんかと比べ物にならない、対応不可能な兵器である、気がついたら直ちに心臓部に到達しておる、何とかこれを除去したい、どんな取引をしてでも除去したい、これを考えるのは私は当然の軍事的帰結だと思うわけであります。  そこで、この結果ヨーロッパにどういうふうな情勢が生起したか。今、渡部議員の質問にも出ておりましたが、参事官としてはどういうふうに理解しておられますか。
  179. 小野寺龍二

    ○小野寺政府委員 西ヨーロッパにおきましては、先ほど私申しましたとおり、SS20の脅威というものが交渉の直接のきっかけになったわけでございまして、したがって、西側の交渉方針に基づく、つまり二重決定のとおりに、ある意味ではSS20の廃棄とパーシングII、クルージングミサイル、西側のまだちょうど配備途中にありました兵器の撤廃ということが合意されたということで、一応西ヨーロッパとしてはその目的を達したということになるわけでございます。さらに加えまして、交渉の過程におきましてSS20よりも足の短いミサイルについても撤廃が決定されたわけでございます。ソ連側についても、それから西側が持っておりましたパーシングIについてもそういうことが決まったわけでございます。これもまた全体としては西ヨーロッパとしても歓迎しているわけでございます。  ただ、ここで一つ大きな問題といたしまして、こういう核兵器の減少によりまして通常兵器における不均衡は、ヨーロッパにおきましては、先ほどの議論にもございましたとおり非常に大きいというふうに認識されているわけですけれども、こういう通常兵器における不均衡というものが大きな問題になってくるわけでございます。そういう通常兵器の不均衡というものを何とか均衡を保つ、均衡を確保するということが西ヨーロッパの安全にとって非常に大きな課題になるわけでございます。  それとあわせまして、その不均衡というものがなかなかなくならないという状況のもとでは、西ヨーロッパとしては依然として核兵器の抑止に依存せざるを得ない、そういうことがNATOの各会議で確認されております。ただ、今度のINF協定に基づいて撤廃されて、なおかつ残る核というものが、必ずしも西ヨーロッパ諸国、アメリカ等の見方では、十分ではなく、近代化が必要であるということで、その近代化をどういうふうに進めるかということが非常に大きな問題になっております。この場合、国によってその利害が若干違っておりまして、そこら辺からINF撤廃後やや西ヨーロッパでその議論が沸騰しているという状況が現在見られます。
  180. 月原茂皓

    月原委員 今御答弁いただきましたように、反射的効果としてヨーロッパにおけるソ連軍の通常兵器の優位という姿が出てきた。そしてまた核のラダーの問題として戦域核というものが抜けたということ。そして、政治的、軍事的な意味の不協和音が出てきた。  私は、まさにゴルバチョフさんというのは大変な手腕家だと思う。みずからの軍部及び社会をむしばむどうしてでも解決しなければいけない問題を、あたかもデタント、世界平和のために大いなる決断を下したごとく見せるという、そういうことを決断した点は立派だとは思いますが、そういうふうな大変な人物だと私は思うわけであります。  先ほど防衛庁長官の答弁されているのをお聞きしまして、この問題について冷静に対処されるというふうなお話で、私は安心したわけであります。  そこで、もう一つお尋ねしたいのですが、最近、軍事のソ連における物の考え方、そういうものについても変化の兆しがある、こういうふうに言われておるわけでありますが、それが端的にデタントであり、そういう考えを持って変更しているかどうかということは軍事における資源の配分というものが現に行われているかどうかという点を見なければ実証されないと思うわけであります。そしてまた、極東ソ連軍の増強といいますか、そういうものが最近においてどのようなものであるかということをひとつ説明していただきたいと思います。
  181. 小野寺龍二

    ○小野寺政府委員 先ほどちょっと私、パーシングの配備の時期につきまして一九七三年十一月と申し上げたかと存じますけれども、一九八三年の誤りでございます。  ソ連の軍事ドクトリンにつきましては、確かにゴルバチョフになりましてからいろいろなことが言われております。彼自身が合理的な十分性という言葉を使っておりまして、かつ、ソ連の戦略態勢というものを非常に防御的なものであるというふうに定義いたしております。しかし、この合理的な十分性につきましては、そのゴルバチョフ書記長の発言後、ソ連の軍部の中からも、それは相手によりけりである、相手がどういうものを持っておるかによって、その合理性というものがどこが十分であるかということが出てくるということが言われておりますし、それからまた、防御的な戦略態勢とはいいながら、一方ではソ連の国防大臣は、防御のためにはやはり攻撃されたときに相手に対して報復する能力を持たなければならない、報復する能力は攻撃的な力であるというような説明をいたしておりまして、果たして合理的な十分性とか防御的な態勢というものが新しいものであるかどうかということ自身、この言葉だけではわからないわけでございます。  実際に、先生のおっしゃるとおり、それではソ連の資源配分において軍備に使われている資金というものが減っているかということ、それから軍事生産というもの、兵器の生産というものが鈍化しているかどうかという点、この辺に注目すべきかと存じますけれども、現在のところ、ソ連の軍に対する資源配分が減っているということは我々の情報ではございません。INF関連の兵器を除いては、兵器生産それから開発というのは従来どおり進んでいるというふうに見られております。  それから、我が国の近くの極東ソ連軍の状況につきましても、先ほど来申し上げておりますとおり、ゴルバチョフ書記長が就任した一九八五年当時と比べましても、あらゆる兵力について増強が行われております。  地上兵力については、その後、八五年に比べまして二個師団、約二万人ふえております。海上兵力については約七万トンふえて百八十五万トンになっております。それから、トン数だけではなくて船の種類につきましても、キーロフ級ミサイル巡洋艦、それからソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦など大型の新鋭艦が新たに配備されている状況がございます。航空兵力につきましても、作戦機が百九十機増強されておりますし、かつ、航空機の主力というものが今や第三世代以降の航空機にかわっておりますということで、その量だけではなく質についても増強が行われているというのが現状でございます。
  182. 月原茂皓

    月原委員 今お話しのように、資源配分に変更が見られないということ、そしてソ連の極東の配備が増強が続いているということであります。私は、デタントというものがあってほしい、こういうふうに思うわけでございますが、過去におけるデタントの結果、振り返ってみれば、西欧陣営は軍事力を抑制した、その間ソ連は一貫して増強を続けた。そして世界の勢力のバランスに微妙な変化を来し、そして米国に対する信頼性の危険性すら発生させたという結果になったと思うわけであります。そしてそれが、今日のレーガン政権が大変軍事に力を入れてきた、そして経済の問題、いろいろ発展してきたというふうに思うわけであります。  そこで、日本の場合、今防衛庁当局は、アフガンの問題にしてもINFの問題にしても非常に冷静に受けとめておる、そしてその実態というものをよく把握されていると思うので、私は安心したわけであります。  長官にお尋ねしたいのですが、こういうふうなとき、そういう認識に立てば当然の結論だと思いますが、今進めておる防衛計画というものを整然と進められるのかどうかということをお尋ねしたいと思います。
  183. 瓦力

    ○瓦国務大臣 国際情勢につきまして今詳細な御質問もございましたし、また答弁もございまして、そういう軍事情勢を踏まえながら我が国の防衛政策、このことにつきましてのお尋ねでございます。  委員御承知のとおり、大綱に基づく防衛力整備、このことに取り組んでおるわけでございますが、今年は中期防のちょうど半ばの年、三年目に当たるわけでございます。私は、防衛力整備につきましては計画的な取り組み、こうしたことが必要である、かように考えるものでございますし、そうした中で着実に我が国の防衛につきましての態勢、努力というものを重ねることができたと思うわけでございます。  次期防につきまして着手いたしてまいりたい、こういうことをお答えいたしておりますのも、ポスト中期防、この中期防が六十五年で終わりますと、六十六年からまた新たな防衛力整備につきましての計画を持ちたい、こういうことで、この委員会におきまして先ほど防衛局長から答弁がありましたように、どの程度の防衛力整備がなされておるか、そういったことを考えながら取り組んでいく、こういう形になるわけでございます。まだ二年余りあるわけでございますが、そうしたことにこれから取り組んでまいりたいと考えておるわけでございます。  私は、東西の対立の中で、極めて厳しい現実の中で平和を確保してまいる、そして、我が国の独自の防衛力整備と日米安保体制によって我が国の安全を守っていく、このことに深く思いをいたしながら、これからさらにこれらの問題に取り組んでまいりたいと考えておるわけでございます。  具体的な整備状況等につきましては、なお政府委員より答弁をいたさせたいと思います。
  184. 月原茂皓

    月原委員 今長官の決意、情勢に基づいて着実に防衛力を整備していこうとする姿勢、私は高く評価するものであります。世間では、表向きいろいろな流れがあるようでございますが、日本の安全を担当するところとして、冷静に、軍事的にあらゆる点を分析して対処していただきたい、このように思うわけであります。  次に、ペルシャ湾の問題であります。  ペルシャ湾の情勢は、いろいろ言われておるところでございますが、日本がペルシャ湾に関連して協力するといったテーマがあるわけでございます。このことは具体的にどのように進捗しているのか、その点をお尋ねしたいと思います。
  185. 小原武

    ○小原説明員 お答え申し上げます。  我が国がペルシャ湾の安全航行の最大の受益国の一つであるという立場から、非軍事的手段によりまして安全航行の維持に貢献するという見地に立ちまして、昨年十月に一連の措置を決定したわけでございます。  その一つがいわゆるデッカシステム、高性能電波航行補助装置の設置でございますけれども、いわゆるGCC諸国、湾岸協力理事会諸国六カ国と折衝いたしまして、設置につきまして原則的な合意を取りつけまして、ただいまこれら各国の関係当局が供給する企業と設置契約について話し合いを進めているところでございます。これが第一点。  もう一つは、湾岸諸国及びその周辺の経済的安定が長期的には湾岸地域の安定につながるという見地から、経済協力を進めるというのがもう一つの柱でございますが、対象のオマーンにつきましては、現在融資の諸条件につきまして交渉しているところでございます。またジョルダンにつきましては、先方が提示してまいりました幾つかのプロジェクトにつきまして、その内容を検討しているところでございます。
  186. 月原茂皓

    月原委員 私が昨年十月に米国の国防省を訪ねたときに、海軍の担当者から、デッカについては大変ありがたいことだ、もうその話がすぐにでもできるような期待を持っていたわけであります。私もその実情を十分把握はしておりませんが、日本の国として協力できるものとして選んだ以上、これが早期実現に全力を尽くすことが大切だと思うわけであります。  今、具体的にそのネックというのですか、デッカについてはどういうところに問題があるのか、そして外務省としてはどういう努力をされておるのかということを、もう一度お話しいただきたい。
  187. 小原武

    ○小原説明員 実際の設置のための調達契約等につきましては、それぞれ各国が関係企業と折衝しておるわけでございます。それぞれの国の仕事のベースあるいは手続というようなものがございまして、私どもは早期設置が実現するように時々関与し意見も述べながら、できるだけその促進方を図っているところでございます。
  188. 月原茂皓

    月原委員 いろいろ飛びますが、次にFSXのことでございます。  FSXの交渉はきょうから始まったということでありますが、いかがなものですか。
  189. 山本雅司

    ○山本(雅)政府委員 FSXにつきましては昨年の十月、前防衛庁長官の栗原長官と前国防長官のワインバーガー長官との間で基本的な合意ができました。その後、十一月以降、鋭意事務的な詰めをやってまいりましたけれども、今回、ちょうどきょうから事務的な協議が始まったところでございまして、先ほどから防衛庁で、アメリカ側の代表がワシントンから十一名ほど来ておりますが、十一名と私どもの代表が話し合いを始めたところでございます。  これにつきましては、鋭意事務的な詰めをして、できるだけ早く双方満足のいく合意をしたいと考えている状況でございます。
  190. 月原茂皓

    月原委員 これの交渉にいろいろ問題というか解決すべき課題があると思いますが、考え方についてひとつお尋ねしたいのですけれども、開発段階あるいは生産段階において、ワークシェアというのですか、そういうのをあらかじめ決めていく考えを持っておるのか、あるいは一つ一つ積み上げた結果であって、今回の交渉そのもので数字が出てくるものであるかどうか、このことについては、なかなか難しい答弁だと思うならば、困難だとはっきり言っていただいたら結構ですから、ひとつお答え願いたいと思います。
  191. 山本雅司

    ○山本(雅)政府委員 事務的な話し合いの段階では、今御指摘のワークシェアも含めまして、幾つかの点について議論を重ねている段階でございます。交渉事でございますから、どうしても先方の意見あるいは考え方とこちらの意見、考え方、当初違う点がございます。しかし、お互いにぜひいいFSXをつくっていこうじゃないかという基本的な方向は一致しておりまして、話し合いを重ねることにより必ず両者の意見の一致点が見られるものと私どもは考えておりますし、何とかしてそういう合意に達するように懸命に努力をいたしたい、こういうのがまさにきょう現在の状況でございます。
  192. 月原茂皓

    月原委員 交渉はいつごろということを最初から決めてかかる問題ではないと思いますが、希望的な時期として、俗にちまたで言われておるのは、瓦長官との約束によりカールーチ国防長官が日本に見える、六月の何日であるか知りませんが、その見えるときまでに何とか解決したいという希望を持って臨んでいるのかどうかという点をお答え願いたいと思います。
  193. 山本雅司

    ○山本(雅)政府委員 確かに御指摘のように、この案件というのは六十三年度の予算でも御承認いただきましたし、この開発経費を運用するためにも、できるだけ早く双方の満足のいく合意に達したいと考えておるわけでございます。  ただ、おっしゃるように、確かにいつまでにという期限を設定することは、交渉事ですから必ずしも適切でない場合もございますけれども、たまたま今度六月初めに瓦防衛庁長官とカールーチ国防長官の防衛首脳会談も見込まれておるような段階でございますものですから、こういう防衛首脳が会うというのは年に一度か二度の非常に大きな機会ですから、何とかそれまでに基本的な方向についてはいい方向を見出したいということで、私ども懸命に努力をしている現在の状況でございます。
  194. 月原茂皓

    月原委員 防衛庁長官にお尋ねしたいのですが、これは長官も常に言われていることとは思うのですけれども、こういう席でもう一つ確認しておきたいのです。  日本に対して最近、一%を超えたら軍事大国になるんだとかそういうふうな言い方をよくされておる。また、「選択的抑止」というところにも日本に対する警戒心が書かれておる。次の世紀になると中国と日本は軍事大国になるんだというようなことまで言われておるわけです。それに対して、今までの日本の多くのパターンだと、いや、うちの国は専守防衛なんであってそういうことはありませんと逃げの一手で答えている。  しかし私は、日本の専守防衛のために築くこの防衛力というものが、日米安保条約と重なって、それと組み合わさることによって、先ほど参事官もまた長官もその認識でおられたのですが、極東における軍備の増強が続いておる、それに対して非常に大きな抑止の効果を持っておる。要するに、日本の国のみならず、この力というものが極東あるいはアジアの平和に貢献しておるのだというふうな立場で、積極的に物を言うべきときが来ておる、そのように私は思うわけでありますが、長官の見解をお教え願いたいと思います。
  195. 瓦力

    ○瓦国務大臣 我が国の基本的な防衛政策、軍事大国にならない、こういう誓いの中で取り組んでおるわけでございます。我が国の安全を確保してまいるためには、我が国の防衛力努力、また、今委員御指摘のように、日米安保体制と相まって我が国の安全というものが図られておるわけでございまして、我が国のそうした努力というものは、確かに大きな抑止として働くことは間違いないわけでありますし、私どももそうした抑止というものをまず念頭に置いておるわけでございます。このことは極東の平和並びに安全に寄与するところが多いと考えるものでございますし、ひいては世界の平和に貢献するところあり、私はかように考えるわけでございます。  一億二千万人が、資源のないこの国土でこれほど高度な社会を維持しておるわけでございますから、常々私どもは国民の平和、安全というもの、国の安全、平和というものを確保してまいる努力をしなければならぬわけでありますし、また、自由な社会であるということが我が国が世界の中でその価値を発揮できるわけでございますから、そういう意味合いにおきましても我が国の努力というのは世界の平和に大きく貢献をしておる、私はかように考えるわけでございます。
  196. 月原茂皓

    月原委員 今のような考えで長官も外国の首脳と会われたときは常に話をされていると思いますが、ややもすると、新聞に出るときは、長官の発言じゃなくて、一般的に日本はもう言い逃れのような形ばかりをしている印象を与えますので、ぜひ今の長官の考え方、常にそういう行動をとられていると思いますが、外国と接するときにはより一層そういう態度で接していただきたい、このことをお願い申し上げます。  もう時間がありませんので、最後に安全保障室の方にお尋ねしたいのですが、ソウル・オリンピックを成功さすために、日本も竹下総理が向こうに行って約束をしてきたということであります。また、テロの問題も騒がれております。  この間そういうことで会議を開かれたようでございますが、どういう具体的な考え方に立って会議を開かれたのか、そのことをお尋ねして、私の質問を終わります。
  197. 関肇

    ○関説明員 お答えいたします。  トロント・サミットあるいはソウル・オリンピックを控えまして、最近、先生御指摘のように日本赤軍等の動きが活発化しているところでございます。こういう情勢を踏まえまして、関係省庁等においてそれぞれ各種の対策委員会等を設置して、相互に連携をとりつつテロ防止対策を推進しているところでございますけれども、内閣としても、先日、五月十七日に安全保障会議議員懇談会を開きまして関係閣僚の意思疎通を図り、今後政府としても一体になって有効に対処できるようにしたところでございます。
  198. 月原茂皓

    月原委員 今のお話で十分わかりましたが、これは我が国の威信にかかわる問題でございますから、精力的に取り組んでいただきたい、このように思います。  質問を終わります。
  199. 竹中修一

  200. 戸塚進也

    戸塚委員 今国会最後のバッターになったわけでございますが、各委員の御要望も高いので五時には終わりたいと思いますので、政府委員はぜひ簡潔に御答弁をお願いしたい、このようにお願いいたします。  まず、北方領土問題についてお伺いしますが、実は私は今般アメリカに参りまして、元のCIAの幹部、現在の大学教授等にいろいろお話を聞いた中で、ゴルバチョフ政権は北方領土を四島一括で返還してくるのじゃないか、そういうふうなことを聞いております。今までは絶対返還しないという前提でありましたが、午前中の同僚委員の質問におきましても、また、最近のアフガンの撤退だとか、ゴルバチョフ書記長のとっていらっしゃる政策を考えますと、私はこれはあるいはあり得るのじゃないか、こういうふうな見方もあるわけでございますが、まず外務省から、このことについてどうお考えになるか、伺いたい。
  201. 兵藤長雄

    ○兵藤説明員 先生仰せのとおり、ゴルバチョフ政権の内外政策を見てまいりますと、そこには確かに非常にダイナミックな面がいろいろ出てきているということは事実でございまして、私どももそういうダイナミックな面がゴルバチョフの対日政策に対しても適用されるということを期待しているわけでございます。  ただ、今までのソ連のいろいろな行動、公式な発言等を見ておりますと、今までのところ北方領土問題に対してソ連の立場が明確に変わったという印象を得るには至っておりません。
  202. 戸塚進也

    戸塚委員 しかしその可能性もあり得るというふうな明るい外務省の答弁だったと、私はそう聞こえました。  そこで、防衛庁に伺いたいと思うのです。  今まで北方領土は絶対返ってくることはない、こういう前提で思っておったかもしれませんけれども、もし返ってきた場合、これは当然北方四島も我が国の防衛の責任がある地域になるわけでして、しかもそれは安保条約に基づいて、当然その安保条約の効力の及ぶ地域として防衛行政が行われる、そのように考えてよろしいか、伺いたい。
  203. 小野寺龍二

    ○小野寺政府委員 非常に難しい御質問でございますけれども、現在我が国といたしましては、北方領土の早期返還を強く求めている段階でございまして、ソ連側から何らインディケーションがございませんので、今の段階で領土が返った後の防衛の問題について議論するのはちょっと適当ではないというふうに存じますので、ひとつ御了承を願いたいと思います。
  204. 戸塚進也

    戸塚委員 それはおかしいですよ。我が国の地図にもちゃんと我が国の領土と書いてあったり、外国の地図にまで北方領土は日本の領土と書いてあるじゃありませんか。それがたまたま今ソ連によって占拠されているのでしょう。だったら、それが当然我が国の地図に載っているようなものになるんだったら、その場合の安全はこのようにいたしますということを考えなくてどうしますか。再答弁してください。
  205. 瓦力

    ○瓦国務大臣 私からお答えいたします。 先ほど戸塚委員お話しのように、新しいソ連ということになるのかどうか、ペレストロイカを初めとしてソ連の改革というものが私どもに本当に検証ができる、現実的にそういうものであるということが確かめ得るかどうかということは、防衛庁といたしましてもこれは関心を寄せざるを得ません。  御承知のとおり、極東ソ連軍の増強というのは現実でございます。こうした中で、北方四島が日本へ帰属するということは我々民族の多年の願望でございますが、今委員御質問のような仮定の問題につきまして答弁申し上げるということは、私どもの立場からいたしますと大変困難でございます。  また、今国際参事官が答弁いたしておりますのは、そういう願望を含めて、もしや返ってくることになれば、それはどういう環境、状況かということも踏まえて即断はできない、こう申し上げた、私はかように思うわけでございますが、いずれにいたしましても、私が申し上げたいことは、今御指摘のような、ゴルバチョフ政権によって私どもはある種の陶酔感に浸るようなことがあってはならない、現実というものをよく見きわめなきゃならぬ、そして、北方四島については国民的な願望として一日も早く日本へ帰属することを祈っておるわけでございますが、今米国におきましてのさる方の考え方にすぐ同調いたしましたり、また、その仮定の問題につきまして答弁する立場にないことは御理解はいただけると思うわけでございます。
  206. 戸塚進也

    戸塚委員 私は、午前中の瓦長官のソ連の認識について私も同じでございます。決して私は、何もソ連をいい国だから、大丈夫だから、安心だからとここで力説したいわけじゃありません。けれども、政策が少なくとも変わってきているということだけは世界の趨勢として認めるべきだし、しかも、アメリカの高官でさえもそういうことを言うということは、世界情勢がどう動いているかということを我々日本もよく理解しなければいかぬと思うのです。  それからまた、私もウラジオストクへ行ってきましたけれども、あちらの方々から言わせれば、もし北方四島を返したら、そこにはアメリカ軍の基地がいっぱいできるでしょう、そうなったら、我々のことも考えてください。なるほどなと私は思ったですよ。確かに北方四島が返ってくれば、それはもう安保条約でアメリカと共同で我が国の国土を守ることは当然だ。しかし、相手方がそういう恐怖感を持たないように我々日本人も配慮して、自衛隊で守りましょうとか、少なくともアメリカ軍の基地は当分置かないことにしましょうとかというくらいの、相手方に安心感くらいは与えてもらう必要があるのじゃないかな、私はそのくらいに思う。  ただソ連を悪い国だ、脅威の国だというだけで評価しないで、もちろん問題はたくさんあると思いますけれども、しかしそういうこともあり得るということを、今までは絶対返してくれない、くれないできたけれども、返してくれたときにどうするかということも我々は十分考えておかなければいけない。長官、それ以上私どうこう言いませんが、そのくらいのことを考えていただいたらどうですか。
  207. 瓦力

    ○瓦国務大臣 本日は戸塚委員のお考えを伺うということでとどめさせていただきたいと思うわけでございますが、私どもは本当に平和を確保してまいらなきゃならぬし、そしてまた、北方四島につきましても多年の願望として日本への帰属、このことを踏まえておるわけでございますので、一日も早からんことを期待しておる。  決して日本は仮想敵国を持ったりするわけではありませんが、現実に極東における軍事力整備というものにつきまして、増強というものにつきまして関心を寄せざるを得ない。あくまでも私どもは国益を踏まえて、そのときそのときに現実的な判断をしてまいらなければならぬということだけ申し述べさせていただきたいと思います。
  208. 戸塚進也

    戸塚委員 朝鮮民主主義人民共和国のことについてお伺いしたいと思います。  この国に対して、この国の軍事力なり、あるいはこの国の軍事力が我が国の脅威と感ぜられるのかどうか、この点についての見解を伺いたい。
  209. 小野寺龍二

    ○小野寺政府委員 北朝鮮は、一九六二年以来、全人民の武装化、全国土の要塞化、全軍の幹部化及び全軍の近代化という四大軍事路線に基づいて軍事力を増強してまいってきております。特に、一九七〇年代以降におきまして軍事力の増強はさらにピッチが加わっておりまして、最近においても、経済事情が非常に厳しいにもかかわらず、引き続き、これは推定でございますけれども、GDPの約二〇ないし二五%を軍事力増強のためにつぎ込んでおると見られております。  その結果といたしまして、北朝鮮におきましては総兵力八十三・八万人、陸軍が三十二個師団、七十五万人、海軍六・五万トン、四百九十隻、空軍作戦機七百四十機の兵力を擁しているわけでございます。さらに最近ではソ連との間の協力も行われておりまして、ソ連から新しい兵器の導入も行われておりますし、御承知のとおり、北鮮上空飛行ということも行われているわけでございます。  こういった状況のもとで、朝鮮半島の軍事バランスというものは、やはりこういう北朝鮮の兵力増強と、かつ、前進配備というものによって、その安定に影響を及ぼしているということかと思います。北朝鮮が直接我が国に対して脅威を及ぼすということではございませんけれども、朝鮮半島の安定ということは、我が国の隣の地域でございますので当然我が国の安全にも大きな影響を及ぼす、そういう認識でございます。
  210. 戸塚進也

    戸塚委員 この国の憲法と労働党の規約に、明らかに日本帝国主義者ということで、この日本帝国主義者と断固戦わねばならない、もちろんそのほか米帝国主義とか南かいらい政権がありますが、日本の帝国主義者というのがはっきりと明記されているわけでございます。  その日本の帝国主義者というのは、過去の何十年か前の日本人だけを言っているのか、戸塚進也もその一人になりそうなのか、この点について外務省はどう解釈しますか。
  211. 谷野作太郎

    ○谷野(作)政府委員 ただいま御指摘のとおり、北朝鮮の労働党の規約の前文の中に「日本軍国主義の再侵略策動を粉砕するために我々はたたかわなければいけない」という趣旨の文言が見えます。まことに残念なことでございますけれども、彼らの日本に対する認識がかようなものであるというふうに受け取っております。  戸塚先生がお入りになるのかどうかは、ここで私の口から申し上げるのもなんでございますけれども、戸塚先生は平和主義者であることは私どもよく存じ上げております。
  212. 戸塚進也

    戸塚委員 審議官、あなたの知っていらっしゃる限りで、ほかの国の憲法やその他その国を支配している政党の規約等で、他のどの国を侵略しようとか粉砕しようとか、そういった種類の憲法や規約がありますか。
  213. 谷野作太郎

    ○谷野(作)政府委員 私も不勉強で、突然の御質問でございますので確信はございませんけれども、私が今まで勉強しております限りそのようなものはございません。ただ、念頭にちょっと浮かびましたのは、先生御存じの、中ソ間に同盟条約というのがございました。これは既になくなりましたけれども、その中に日本の軍国主義復活云々という字句があったのを記憶いたしておりますが、これはもはや今では存在いたしません。
  214. 戸塚進也

    戸塚委員 私の知る限りでは、この国の党の規約しかないと思うのです。  それで、午前中もいろいろ、今度来られた選手の方々への態度について、必ずしも礼が十分でなかったという面は官房長官も残念だと言っておられましたけれども、私は日韓議員連盟の仕事をしておりますが、だからといって、何も必ずしも北の方々を全部敵に回してしまおうとかどうとか、そんな気持ちはないのでございまして、できるだけ早くパスポートの中からああいう文言が消えてほしいな、そう願っているわけでございます。  けれども、相手様の国もやはり国家として非常に立派な国であるというならば、過去何十年か前のことかもしれませんけれども、そのことならますますのこと、現在は日本と友好であるということならば、こういう規約は変えていただくように。これは今はもちろん政府に言ったって政府は外交がないのですから無理かもしれませんけれども、しかしそう願いたいという気持ちぐらいは外務省は持っていらっしゃるでしょうな。
  215. 谷野作太郎

    ○谷野(作)政府委員 それは当然のことでございます。
  216. 戸塚進也

    戸塚委員 私も事あるごとにそれは主張して、なるべく早くそういう文言は消えていただくように、そしてできる限り早くパスポートのああいう文字も消えてもらうように、そのことを願っておきたいと思います。  それから、レーガンさんの後の新しい政権ができました場合に、韓国から米軍が撤退するのじゃないか、そういう政策を推進するのじゃないかという見通しを持つ者がかなりおりますが、外務省あるいは防衛庁、それに対してどういう見方をしておりますか。あるいは防衛庁としては、もしそういうことがあった場合に朝鮮半島のバランスが崩れるとお考えかどうか。以上伺いたい。
  217. 谷野作太郎

    ○谷野(作)政府委員 後ほど防衛庁の方から補足的な御答弁があろうかと思いますが、確かにアメリカの一部にそのような考え方があることは承知いたしております。  次にどなたが大統領になられますか、その最先端におられる例えばブッシュさんにつきましては、実は記者会見等におきまして、アメリカは全世界とのかかわりを持ち続けていかなければいけない、そして自由と民主主義のために戦っている国に対しては実力をもって援助していくべきである、そして韓国に対する防衛も引き続き継続していくということを述べておられます。それからもう一人の民主党のデュカキスさんにつきましては、直接の御発言はありませんけれども、私どもが承知しておりますデュカキスさんの周辺から聞こえてきます声は、同じく、韓国に対する防衛のコミットメントはきちんとアメリカとして守っていかなければいけないというふうに述べておられると承知いたしております。
  218. 小野寺龍二

    ○小野寺政府委員 ただいま外務省から答弁がございましたとおり、我々が米国の防衛関係者といろいろお話をいたしましても、現在のところアメリカ軍の対韓コミットメントをなくすというような考え方は全くないということを米側は非常に強調いたしております。ことしの一月にレーガン大統領が発表いたしました「国家安全保障戦略」の中でも、韓国における米国の軍事的プレゼンスは、地域的な安定を支え信頼を築くものであり、同国の目覚ましい経済発展や政治的発展にとって緊要であるという認識を述べております。したがって、現在の段階において米国の撤退ということが考えられているという事実はないと存じます。  ただ、アメリカの中でそういう議論があることはこれまた事実でございますし、かなり有力な研究所の中でもそういう意見を述べる人たちもございます。そういった意味で、将来にわたって絶対大丈夫、そういうことは言えないかと存じますけれども、ただいまのレーガン大統領の「国家安全保障戦略」の逆からいいまして、アメリカが撤退した場合、やはりこの地域の安定のために非常にゆゆしい問題になり得るということではないかと存じます。
  219. 戸塚進也

    戸塚委員 ただいま防衛庁の首脳からもそのような御発言があったのですが、私は、アメリカの今の財政とか国民世論とかいうものを考えてみますと、どうもそういうことが懸念される。新しい政権になって、来年の春くらいになってそういうことが起こってくることを私は非常に懸念いたします。  もちろん、米軍も撤退して平和が維持されればそれにこしたことはありません。アフガンだって撤退したし、そのような形で――別にアメリカはあれを占領しているわけじゃないけれども、やはりほかの国の人がいたら何となく気まずい思いもするでしょう。だから早くそういう軍事的な心配をしなくて済む時代が来てほしいが、私の認識では、現在これを早まってやると大変なことになって、それが朝鮮半島だけではなく我が国の安全にも非常に大きな影響を及ぼすのじゃないか、このように思っております。  近々大臣はアメリカの首脳とも会談されるそうでございますが、そういうことも踏まえて、朝鮮半島の平和維持のために引き続いてアメリカが相当な影響力を行使してもらうように、そのようなことをお話し願いたいと思うが、いかがですか。
  220. 瓦力

    ○瓦国務大臣 ただいまは外務省谷野審議官並びに防衛庁小野寺参事官から答弁がございましたが、米韓間におきまして緊密な連絡連携が存在しておるわけでございますし、また信頼感があるわけでございます。今ほど現政権、さらに選挙ということがあるわけでございますが、米国側は、同じ価値観を持つ国に対しましての、軍事的といいますか防衛的協力関係といいますか、そうしたことにつきまして信頼感を維持していく努力は常々払っておるわけでございますし、そのような形で進むものと私は考えております。  私どもは、今委員が御指摘のように、要路の方々とお会いすればそれぞれ忌憚のない意見交換をするわけでございますが、そういったことにつきまして後退をするようなお話は承っておりません。また、そういうことを踏まえて、関心を持ちながらこれらの環境を見てまいりたいと思っております。
  221. 戸塚進也

    戸塚委員 フィリピン情勢について伺いたいと思います。  今度のサミットでもフィリピンの問題が取り上げられるというほど大変関心が世界的にも深い。これは軍事情勢だけじゃない、経済問題とかいろいろあるのでしょうけれども、当面のフィリピンの中の情勢、またこれが日本に及ぼす影響をどう見ておりますか、お尋ねしたい。
  222. 谷野作太郎

    ○谷野(作)政府委員 委員御指摘のように、来るサミットで恐らくこのフィリピン情勢につきましての首脳方の意見交換は非常に活発なものがあろうかと期待いたしております。  アキノ政権が三年目に入るわけでございますけれども、私どもの見ますところでも、政治的な安定は徐々に取り戻しておられるように思います。また、御指摘の経済でございますけれども、これもひところはマイナス成長まで落ち込んだわけでございますけれども、昨年は五・七%の成長率ということで、これも再建の方向に向かっておるということだと思います。もとよりアキノ政権の抱える問題は非常に大きな幾つかの問題がございまして、農地改革の問題やら経済の再建の問題、そして国内の反政府勢力に対する対処の問題等がございますけれども、いずれにいたしましても、こういった困難な状況の中でアキノ大統領が進めておられます国づくりというものに対しては、我が国も積極的にこれにお手伝いしていくというのが、我が国の一貫した総理以下の御方針であろうかと思っております。
  223. 戸塚進也

    戸塚委員 昨日の在外公館小委員会で同僚の和田委員から、例えば今度のアフガン撤退監視班とかあるいはまた災害、緊急の場合の救援隊とか、こういうものの編成の際に、我が国ではいわゆる文民さんだけで構成するということであるけれども、それはもう限界ではありませんか、やはり自衛官が当然できる仕事を分担して、何も鉄砲を撃つとかそういうことじゃないわけでございますから、これは国際的にも日本はなぜそういうことができないのか、なぜやらないのか、むしろそういう世論の方が強いのじゃありませんか、こういう御指摘がありましたが、全く私は見解を同じくするものでございます。  そこで、大臣、ひとつ自衛隊さんもこういうことに貢献できる自衛隊であってほしい、もちろん我が国の憲法とかそういうものに抵触してまでやれと言っているわけではないのです。今までも国会答弁の中でもそういうことは十分できると言われている、そういうことをやはり前向きに考えていただくべきだと思うが、大臣どうですか。
  224. 西廣整輝

    西廣政府委員 今先生の御指摘のありましたようなその種国際的な平和活動、そういったものに自衛隊が参加するということにつきましては、御承知のように自衛隊法そのものの制約というのがございますが、自衛隊自身が自衛隊というステータスの中ではなくて、いろいろな形のそういう受け皿というものがあればその中から出すというようなことも考えられると思いますが、現在までのところ、まだ自衛隊そのものの持っておる能力というものを必要とすることではないというような各省庁の御判断で、今のところ例えば災害派遣隊等には自衛隊そのものが参加をするということを前提としていないというように理解をいたしております。
  225. 戸塚進也

    戸塚委員 私はそんなに強い自衛隊とは思ってなかったですね。まだそれほど自衛隊の力をかりるほどのことでもないなどというと、まるで世界じゅうの横綱みたいな一番強い軍隊のように私は聞こえましたね。  自衛隊はそうじゃないと思いますよ。平和に徹している自衛隊ですからね。国際的なそういう災害、事故あるいはまた今回の監視班、こういうものには当然参加してしかるべきじゃないか。大使館にも現にたくさんの武官も行っていらっしゃるわけですから、そういう方々だって活用できないことはないはずでありますし、何も憲法に抵触するわけでもない、自衛隊が国民的にも世界的にも平和の自衛隊だと思っていただけるこれは非常にいい機会だと私は思いますが、大臣いかがですか、研究してみてくれませんか。
  226. 瓦力

    ○瓦国務大臣 ただいま防衛局長からも答弁がございましたが、我が国の憲法並びに自衛隊法等々の範疇でまずは考えておかなければならぬ問題もございます。また、国際的に日本が果たし得るそういうことにつきまして検討を加えていかなければならぬ問題もございます。  ただ、紛争地に自衛隊が出かけるということにつきましては、いろいろ問題が生ずることは委員十分御承知のことでございます。  こういうことを考えてまいりますと、ある面では、国連中心の外交を果たしていこうとする我が国がこれからどういう課題に取り組んでまいるかということを考えます折に、やはり国民的な理解といいますか、いってみますればまた国会の理解といいますか、そうしたものを通じまして、我が自衛隊に対しまして世界の平和に貢献する道これありということが出てまいります。そういう支援をちょうだいできてコンセンサスが得られるという環境が、我が自衛隊にとりまして大事だと思うわけでございます。そういう意味で幾つかの課題があります、かようなことを先ほど答弁をいたしておる次第でございます。
  227. 戸塚進也

    戸塚委員 前向きに検討していただきたいと要望だけいたしておきます。  そこで、事務方の方で結構でございますが、防衛庁内にはマル秘という書類が何種類あるのですか。それから、マル秘の中には一番安いマル秘から極秘まであるのでしょうが、どういう段階ですか。それから、一番易しいマル秘の中には、きょう隊長がお昼をどこで食べるというところまでマル秘文書ですか、それを答えてください。
  228. 西廣整輝

    西廣政府委員 防衛庁にございます秘密には二種類ございまして、一つは防衛秘密と言われておりまして、アメリカの方から供与された装備品に係る秘密、これは防衛秘密保護法というのがございますが、それに係る秘密がございます。これは機密から秘まで、機密、極秘、秘とありますが、現在機密というのはございませんで、極秘、秘、合わせまして六千七百三十件、そのうち極秘が約二百八十件ということであります。一方、そのような米側から供与された装備品に係るものでない自衛隊自身の秘といういわゆる防衛庁秘というのがございます。これはやはり機密から秘まで三種類ございますが、合わせまして約十四万六百二十件ということになっております。  なお、お尋ねの昼食の場所でございますか、その種のものは私は秘にならない、例えばそれぞれ機密なり極秘なり秘密には要件というのがございまして、要は我が国の防衛、安全を危うくするかしないかということが秘密の要件になっておりまして、その程度によって秘密の部分というものは決まっておりますから、隊長の昼飯を食う場所が秘密になるということはちょっと考えられないというようにお答えしておきたいと思います。
  229. 戸塚進也

    戸塚委員 それにしては十四万六千件もある。これでは秘密が多過ぎませんか。もうちょっと整理をなさってやらないと、例の大事な大事な防衛機密を守ろうという法案の審議の際も、いろいろつくろうと考えても、こういうことがあるからということで随分反対の意見もあるのです。秘密について、本当に秘密の保持が必要なものとさほどでないものと、もうちょっと考え直したらどうですか。
  230. 西廣整輝

    西廣政府委員 秘密につきましては、その都度、逐次必要でないものは解除していくということでございますけれども、一番多いのはどうしても装備品に係る個々の性能なり個々の設計図といったもの、部品個々についてそれぞれが秘密の件数になっていくということで、装備品の種類がふえていく、あるいは新しい装備品が入ってくるというようなことに伴いまして、どうしても数がふえていく。  一つの航空機でも、アイテムからいいますと非常に多くのアイテムがあります。それらが秘密にかかわるものがかなり多い。しかも、そういった性能等について触れた文書が一部出てまいりますと、その文書としてその秘密の部分が書かれておりますと、その文書が秘密の件数に上がっていくというようなことで、どうしても時間がたち、装備品等がふえてくることによって秘密がふえてくるということは御理解いただきたいと思います。  ただ、古くなった装備その他について逐次そういう秘密のものから外して解除していくということで、いたずらにふえないような努力は重ねておるつもりでございますが、どうしても年がたつにつれてふえる傾向にあるということは御理解いただきたいと思います。
  231. 戸塚進也

    戸塚委員 最近、自衛隊が親しまれる自衛隊になってまいりまして、例えば港なんかでもぜひうちの方に寄ってくれませんか、給油にでも来てくれませんか、休みにも来てくれませんか、うちの清水市なんかも、全部が全部じゃありませんが、多くの方が、せっかくあんないい港があるのだから、ひとつ少しは寄ってくれませんか、こういうような声もあるのです。別に清水と限定しません。要するに、そうやって国民的にみんなに歓迎してもらうなら、少しずつでも自衛隊は寄ってみたらどうですか。
  232. 依田智治

    ○依田政府委員 お答えいたします。  先生御指摘のように、自衛隊が親しまれ理解されるためには、直接見ていただくということは大変重要なことでございまして、地元市町村とか地元の方々から要望のあるような場合にはできるだけ寄らせていただいて、体験航海とか艦船の公開というようなことをやっております。六十二年で大体四十数万人くらいがそういうことでお乗りいただいたり見ていただいているという状況でございます。  先生の御地元の清水の関係では、この五月一日に「ワールドインポートフェアー」というのがございまして、四月三十日、五月一日に寄らせていただきまして、約五千人の方々に船を見ていただいたり乗っていただいた。なお、七月、八月にもまた清水港の祭りとかその他で寄らせていただくというようなことでございまして、今後とも国民にいろいろ見ていただく機会をつくっていきたいと考えております。
  233. 戸塚進也

    戸塚委員 ただ見せるだけじゃなくて、給油をしたり少し買い物をしてもらったりお金も落としてくれ、こういうことでございますから、そういうこともお忘れなくお願いしたいと思います。  それから、大臣にお伺いしたいのですが、大臣は精力的に全国の隊を回られたようでございます。隊舎の現状とかごらんになったと思います。本当にうちの県のものもひどくて、今度やっと土地を買ってもらいました。感謝しますが、自衛官の人はこれは本当に大変です。だからぜひひとつ隊舎の問題や自衛官の皆さんの処遇についてさらに前向きに考えてやってほしいと思うが、どうですか。
  234. 瓦力

    ○瓦国務大臣 自衛隊員の生活環境の問題につきまして御心配を賜り、本当にありがとうございます。  私も今、積極的に第一線の方々を激励したり、また触れて話をしたいと思って回っておるわけでございますが、隊舎並びに食厨、それぞれ生活環境を見て回りますと、非常に古いものが多うございます。九・五坪の住宅、美観を損ねるからなくせよというような話が出るような宿舎に実はいるというようなこともございまして、自衛隊が結成されました折に急いでつくったということで、今日非常に老朽化しておるものも多いわけでありますので、私はそうしたことに目を向けて、施設関係につきましても配慮しなきゃならぬ、かように思っております。  ここ二、三年来そうしたことがありまして、今までどちらかといいますと、我慢しろ、こういう零囲気の中でございましたが、我が国の安全を守るために、志願でございますから、徴兵の時代ではありませんで志願の時代でありますから、もちろんその生活環境につきましても理解を持って臨まなきゃならぬ、予算確保に努めなきゃならぬ、かように思っておるわけでございます。いろいろ激励をいただいて感謝をいたします。  なお、先ほど官房長がちょっとお答えをいたしましたが、確かに自衛艦が港へ入るとかそういった以外に、ホームステイのようなことで自衛官との触れ合いを多くすればどうかというお話でございます。そういうような機会が与えられますと、若き自衛官が感激を持っていろいろ皆さんにお話もしたり、また聞かせていただく機会があろうと私は思うわけでありまして、そういう機会もぜひ御心配をいただきたいと思うわけであります。大変いい質問をいただきまして、ありがとうございました。
  235. 戸塚進也

    戸塚委員 自衛隊の隊員さんのことについて一つ提案しておきたいのですが、自衛隊さんは定年は逆に若く若くで、再就職をしたり、体力が要る仕事ですからということでそういうことですが、これから高齢化社会に向かって、ある部隊は高齢者専門の部隊、こういうのもひとつ考えてみたら非常にいいのじゃないかな、私はこういうふうに思いますが、どうですか、考えていませんか。
  236. 松本宗和

    松本(宗)政府委員 お答えいたします。  高齢化の中の自衛官制度ということでございますが、これはにわかに私どもこの場で御答弁させていただくのはちょっと難しゅうございますが、仰せのとおり、将来、適齢人口も減ってまいりますし、また技術も非常に進歩、発達してまいりまして、一つのことを習得するにも非常に時間がかかる。そういうことで、せっかく技術を身につけた隊員が若くやめていくというのは非常にもったいないということでございまして、そういうこともあわせ考え、最近でございますが、任期制自衛官につきまして、今までは任期が終わればやめていくということを前提にしておりましたけれども、今後、その任期制自衛官につきましてもできるだけ定年制の方に移行させていく、つまり曹、准尉というぐあいに一生涯管理していくというような形に変えていきたいということで、内部の研究会で結論を出しまして、それの実施の検討を進めておるというところでございます。  その結果、若干高齢化してまいろうかと思いますが、隊務に支障のあるほどの高齢化ということにはならないか、むしろその技術とそれから定着の問題、この二つがうまくバランスがとれて、精強な自衛官、自衛隊を維持していけるということになるのではないかと考えております。
  237. 戸塚進也

    戸塚委員 提案ですから、ある部隊だけは高齢者を使用してみる、こういうのもひとつ考えてみてください。  最後に、大臣に二つお尋ねいたします。  私がアメリカに行った際に、竹下総理と前後して大臣がアメリカに行かれたわけですが、その新防衛庁長官としての対応が非常にいいということで、アメリカの関係者から大変評判がいいのですね。私は非常にうれしかったし、また敬意を表したわけでございますが、そういう意味で私は、大臣が外国にどんどん出かけていらっしゃって、そして日本の防衛政策を説明されたり、先方のいろいろ防衛関係者とお会いになる、非常にいいことだと思うのです。前長官はたしか中国に行かれました。大臣の中国に対する中国観をお聞かせ願いたいのと、それからまた、このお休みの間、外国にどんな御計画があるのか、最後にその二点を伺って、質問を終わります。
  238. 瓦力

    ○瓦国務大臣 私も、就任をいたしまして六カ月という月日があっと言ううちにたった次第でございますが、日々緊張をしながら務めておる次第でございます。  今、委員御指摘のように、我が国の防衛政策は、ある面では世界を見渡してみましても特異な防衛政策であろうと私は思うわけでありますし、こうした防衛努力をしておるということを率直に訴えて理解をしていただく、殊に近隣諸国におきましてこうした努力というものをあらゆる面で果たしていかなければならぬと思うわけであります。また、それぞれの国がいろいろな環境の中で国の防衛について真剣に議論をし、さらにまた、装備の面につきましては、技術革新の今日でございますから相当にそういう努力もしておるわけでございますので、私も、率直に言いましてでき得る限り機会を見て出かけることが必要であろうと考えておるわけでございます。  そうした中で、国会が重要なことでございますので専念をいたしておりまして、外へ出る計画は目下のところ持ち合わせておりませんが、機会を見てそうした努力を重ねたいと考えておるわけでございます。  なお、中国につきましての御質問でございますが、中国は、御承知のとおり広大な国土であり、また十億を超える人口を擁しておりますし、長い歴史を持つ国でございます。我が国といたしまして、東アジアにおけるある面での軍事情勢、こういったものを考えてみましても、米、中、ソ三カ国の複雑な対立、協調の関係というものはここにもあるわけでございますので、我々から見て中国の存在というのは極めて重要なものである、かように認識をいたしておるわけでございます。さきに栗原長官も中国を訪れておるわけでございまして、中国につきましては、我が国の平和、安全、広くアジアにおける影響を持つ国でありますので、中国という国をさらに理解をしていかなければいかぬと考えておるわけでございます。  訪中の計画は、目下のところ持ち合わせておりません。
  239. 戸塚進也

    戸塚委員 終わります。      ────◇─────
  240. 竹中修一

    竹中委員長 これより請願審査を行います。  請願日程第一から第二五二までを一括して議題といたします。  各請願の内容につきましては、文書表等で既に御承知のことでありますし、また、本日の理事会におきまして御検討願いましたので、この際、紹介議員からの説明等は省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  241. 竹中修一

    竹中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  採決いたします。  本日の請願日程中  元従軍看護婦に対する慰労給付金に関する請願一件  傷病恩給等改善に関する請願四十七件 及び  元日赤救護看護婦に対する慰労給付金に関する請願二十一件 の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  242. 竹中修一

    竹中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  243. 竹中修一

    竹中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ────────────     〔報告書は附録に掲載〕     ────────────
  244. 竹中修一

    竹中委員長 今国会、本委員会に参考送付されました陳情書は、国家秘密法制定反対に関する陳情書外四件でありますので、念のため御報告いたします。      ────◇─────
  245. 竹中修一

    竹中委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。  まず、内閣提出防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  246. 竹中修一

    竹中委員長 起立多数。よって、本案につきまして閉会中審査の申し出をすることに決しました。  次に  内閣提出、行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律案 及び  内閣提出、統計法及び統計報告調整法の一部を改正する法律案 の両案につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  247. 竹中修一

    竹中委員長 起立多数。よって、本案につきまして閉会中審査の申し出をすることに決しました。  次に  行政機構並びにその運営に関する件  恩給及び法制聞一般に関する件  公務員の制度及び給与に関する件 及び  栄典に関する件 以上の各件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  248. 竹中修一

    竹中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、閉会中審査案件が付託になりました場合の諸件についてお諮りいたします。  まず、本会期中に設置いたしました恩給等に関する小委員会、在外公館に関する小委員会及び地域改善対策に関する小委員会の各小委員会につきましては、閉会中もなお引き続き存置することとし、小委員及び小委員長辞任の許可及び補欠選任につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  249. 竹中修一

    竹中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中委員派遣を行う必要が生じました場合には、委員長において、議長に対し、委員派遣の承認申請を行うこととし、その派遣の日時、派遣地及び派遣委員の人選等所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  250. 竹中修一

    竹中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本日は、これにて散会いたします。     午後五時七分散会