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角屋委員 シベリアけい肺の問題はさらに、大切な問題でありますので参考人にもあるいは恩給局長にも
お尋ねしたい点がございますけれども、戦後処理問題全体に対して
質問する
関係もございますので、後ほど
小渕官房長官の方にはこの問題も含めた関連のことは
お尋ねいたしますけれども、山本参考人、どうもありがとうございました。そのまま席におられても結構でありますし、また退席されて御休養をとられても結構であります。
そこで、戦後処理問題、いわゆる
シベリア抑留者対策、恩給欠格者対策あるいは在外財産対策といった問題が戦後処理問題懇談会では三つの重要なテーマになったわけでありますが、必ずしも戦後処理問題というのはこれだけですべてであるというふうには議員の
先生方も
理解してないと思うのであります。
事実本
委員会の審議の冒頭に佐藤信二
先生から、戦時中の
国内におきます爆撃で亡くなられた
方々、そういう問題の
方々に対して、基金の発足を契機にその活動の中に取り入れてそしてひとつやってもらいたいというお訴えがございました。それに対して
政府も前向きな御
答弁があったわけでございますけれども、私はたまたま元東大教授衞藤瀋吉さんがお書きになった佐藤栄作元総理の「
日本宰相列伝 佐藤栄作」というのを既に読んでおりましたわけですが、それの中で、佐藤元総理は大阪鉄道局長をやっておられて、奥さんや佐藤
先生は東京におられて
アメリカの爆撃で本当に九死に一生を得るような体験をみずからして、結局東京の家が焼かれたということで局長舎の方に移って、大阪も爆撃でやられておったんだけれども、局長舎だけはたまたま残っておったというような記述が出ておるわけであります。したがって、みずからの体験に基づいて戦後処理問題の中では、爆撃によって亡くなられた
方々というのも
政府の基金の発足ということを契幾にしてやってもらいたいというのは、まさにみずからの体験から当然のことだと思うのであります。
そういう
意味からいきますと、戦後処理問題は、広島、長崎の原爆のいわゆる患者といった問題はそれなりの
措置はとられておりますけれども、本来、被爆者援護法という我々が要求しておる基本的な要請の
立場からいいますと、まだそこへいかないというのも、これもやはり戦後処理問題の三つの問題以外の重要な問題でありましょう。
また、後ほど時間があれば取り上げたいというふうに
考えておりますし既に本
委員会でも取り上げてまいりました
中国残留
日本人孤児問題、これは、特に私は学校を出てから旧満州に参りまして、根本さんやあるいは三原さんと同じ満州の大同学院で学んだ
関係もあり、そして、開拓政策の一環として開拓総局というところで活動したということで、私はたまたま軍務が多かったものでありますから、敗戦のときにはいわゆる本土決戦部隊でちょうど帰るさなかでありましたが、
中国残留
日本人孤児問題というのは、旧満州との関連もありまして私にとっては身につまされる問題であります。こういった問題も、せっかく祖国でこれから生きたいというふうに言って来られた
方々が来てよかったというふうな
対応策というものは、逐次前進はしておりますけれども、さらに強化していくということもやはり重要な問題であろうというふうに思うわけであります。
そこで、そういうことを前提にしながら、この
政府案でいきますと「戦後
強制抑留者」という
言葉を使っておりますし、我々の
法案からいきますれば「被
抑留者等」という
言葉を使っておりますけれども、いずれにしても、こういったいわゆる
シベリア抑留者問題ということについて少しく私からも触れたいと思うわけでございます。
野坂委員も触れられましたし、既にこれまでの審議の中で各党の
委員がお触れになったこととも関連をいたしますが、何といっても、
政府案の、今回の
強制抑留者に対する対策としてやる具体的な十万円の
慰労金あるいは
慰労品といったような問題については、金額の面からいっても対象者の面からいっても、殊に
シベリアで亡くなられた
方々を除くという
考え方、これは、
政府委員に
答弁をさせますといろいろかくかくしかじかというようなことを
説明するわけでありますけれども、しかし、第百九
国会並びに今度の
国会を通じて、台湾人元
日本兵問題、それを与
野党満場一致で処理をした、そのときには、亡くなられた方あるいは非常に重度の患者の方というのに対して二百万のお金を差し上げようということであります。
もちろん
日本の場合は、恩給法とかいろいろな戦後とってまいりました諸
措置等の
関係で
説明はするのでありましょうけれども、私は、我が党が
考えておりますように、年金恩給の該当者であるとかないとかにかかわらず、あるいは
シベリアで亡くなられた方、本邦に帰還をされて現在生存してやっておられる方、帰られてから亡くなられた方、そういう
方々に全体としてやはり
慰労金は
支給すべきものであるというふうに思うのでありまして、事実、与党でつくっております議員連盟のことしに入りましてからの決議を見ますと、この
シベリア抑留の問題については恩給適用者を含めて六十四年度予算では実現するようにやっていくというのを、まず冒頭の第一項でうたっているわけであります。
そういう点から見ても、この
政府提案というのは、戦後処理問題の全体をやっていくという基盤としては従来の対策から一歩進んだものだというふうに私は評価いたしますけれども、
野坂委員も触れられ他の
委員も触れられましたように、個別の
内容に入ってまいりますと、やはりこれから法の改正をやったりいろいろなことで改善をしていかなきゃならぬ問題が随分含まれておるというふうに思うのでありまして、そういう点では、
政府のこの
提案は
シベリア抑留等に関して言っても第一歩であるという
認識をしておりますが、
小渕官房長官、いかがでございましょうか。