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田並委員 それは言葉だけでなくして、
国民の
皆さんが態度でわかるような
放送をひとつお願いしたいと思うのです。
そこで、もう時間もなくなりますので申し上げますが、私も、後援者の
皆さんが国会見学に来たときによく
NHKを見学させてもらいます。大変ありがたいことだと思っています。見学が終わったときに後援者の
皆さんに集まってもらって、私は逓信
委員会に所属をしているので
皆さんにお願いがある、というのは、
NHKがかつてのような大本営
発表みたいになってしまっては困るので、
公共放送としての
NHKの
使命を達成してもらうための担保の
一つとして
受信料を払ってもらっているのです、ですから、
皆さんが払ってくれている
受信料というのは日本の
放送文化の向上とあわせて日本の民主主義を守る上にも非常に重要な役割を持っているんだということを理解して、
NHKに最大限の協力をしてほしい、こういうあいさつを必ずやらせてもらっています。来年
受信料の値上げなんというような話題が既に
会長の口からも漏れているようでありますが、私は、こういうことがたび重なりますと、
公共放送の担保の
一つとしての
受信料の意義そのものすら
国民の
皆さんから疑われる危険性があると思うのです。
NHKそのものの体質がまさに問われている問題であろう、このように私は思うのです。
それで、これはもう古い話になりますが、例えば「現代」という雑誌の昭和五十七年十一月号に「闇の王国
NHKを操る首領(ドン)の正体」ということで、これは大変な雑誌ですからね、この中で、例のロッキードの問題だとか、あるいは当時の三木さんの例の田中金脈の問題について
放送されるものがつぶされた。このつぶされた中に、大下英治さんが今の島桂次専務にいろいろと話を聞いてみたところ、あれは当時の
会長、副
会長に言われておれがあの
報道はつぶしたんだ——事実かどうかわかりませんよ。しかし、「現代」で五十七年の十一月号にこれだけ堂々と載っているのですから、そういうようなことが仮に万が一にでも
NHKの内部であるとすれば、島さんがそんなことをやっているかどうかわかりませんけれ
ども、きょうも島さんに出てほしいというふうに要請しましたが、
会長が出るし、
林専務が出るし、
尾西さんが出るし、それでいいではないかということですから私も
承知をしましたけれ
ども、
放送総
局長の上の担当の専務というのは島さんがやられているのでしょう。そういう方が出てこないで、それは
川原さんは
会長ですから、当然最高の
責任者ですから来ていただくのは当たり前でありますが、もっと知りたい中身がいっぱいあるにもかかわらず、島さんの要請をしましたが島さんは出てきてくれない。
私自身は非常に遺憾だと思いますし、これからまた
決算とか何かありますので、そういうときには重ねていろいろな問題についてお聞きをしたいこともありますから聞くつもりでおりますが、いずれにしても、今申し上げた経営体質そのものにまで影響しかねないような
疑いが持たれる今回の問題として私、受けとめておりますので、いささかなりともそういう疑念が持たれないように……。
しかも、昨年の十一月あたりから、私が持っているだけでもいろいろな
マスコミが
NHKに対しておもしろおかしく書いていますね。集めただけでもこれだけあります。「選択」の昨年の九月号から十一月号まで「「第二の国鉄」に至る
NHK」「
政治のご機嫌とりに躍起」だとか、ことしの一月五日号の日刊ゲンダイでは「天下の
NHKにとどめを刺す この十六項目の疑惑」、本年の「財界」の新年号には「民放化への道を着々と進む
NHK商法を裸にする!」、あるいは六十三年三月号の「世界」では「
NHK放送衛星への疑問」、二月号の「宝石」では「変貌する「
NHK」」、とにかく
NHKのことを書くと大変売れるらしいですね、最近は。
要するに、書かれることとこれだけ多くの資料が出されるということは、
一つは
NHK自体に対しての
信頼の
一つなんですね。批判をすることによって
NHKに何とかなってほしいという、善意に解釈すればそういうことなんですよ。それだけ
国民の
関心が
NHKに対して強くある、おかしな方向に行ってもらいたくないというこの
関心のあらわれだというふうに私は見るのです。ですから、
公共放送を担保するための
受信料を
国民が払い、それによって
NHKが公正、公平な
報道をする、こういう図式になっているわけですから、これをいささかともゆるがせにしないような
放送の
姿勢というのを
NHKはひとつ絶対に守ってほしい、そのことを強く要請をしたいのですが、
会長の方の御
意見をもう一回聞かせていただきたいと思うのです。