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佐藤(祐)
委員 アメリカにはいろいろな
電話会社が千四百以上あるのですか、私がニューヨークを選びましたのは、東京と比較する上で非常に似ているのですね。大体カバーする範囲も一緒だ、二十三区とほぼ同面積、それと大都市でありますから、そういうことで今お尋ねしたのですが、ニューヨーク
電話会社の場合には三種類の
料金制度がありまして、
加入者が自由にそれを選択できるということになっているわけですね。
そのうちの
一つが非測定制度、通話を測定しない制度という
意味合いになるわけです。非測定制度は、一定の月額、七・二五ドルを払います。今の百三十円レートでいいますと九百四十円くらいにしかならないと思います。これは今四ドル分ということを
答弁でおっしゃいましたが、それはちょっとわかりにくいので、こういうことなんですね。
〔
委員長退席、額賀
委員長代理着席〕
これは平日の日中ですが、一通話十セント。これは時間は無制限なんですよ。これは非常に大事なところなんですけれ
ども、一通話が十セントで十五分でも三十分でも五時間でも無制限にかけられるという制度である。それが夜間とか土曜、日曜、祝日になりますと最高六割までの割引があるのです。ですから、平日の日中だけでなくて、そういう日祭日も使いますと、四十通話じゃなくて五十通話、六十通話もかけられるということですね、一通話十セントとして。六十通話かけても、時間無制限でかけられるということになっておるわけですね。それを超えた分だけ通話料を払うという仕掛けです。ですから、ニューヨークの場合は一般家庭のほとんどがこの非測定制度を選んでいるということになるのです。大学生なんかの子供を持っている人はお感じでしょうが、このごろ長
電話が物すごいですよ、そういうのはすべてこれでカバーされるというような制度。
測定制度というのは、若干月額が安くなるかわりに一通話の時間が無制限ではない、いろいろあるわけです。
三番目の基本料制度というのは、基本料が三・四五ドルとうんと安いのですね。それはそのたびに通話料を加算する。この
電話はどういう人が選ぶかといいますと、余りこちらから
電話をしない、専ら
電話を受けるというふうなケースがあるのですね、そういう家庭の場合にはこの
料金制度を選択する。つまり、
加入者が自分に一番有利な
料金制度を選択することができる、そういう配慮も行われておるということですね。こういった点はこれまでの日本の体系の中にはないわけです。ですから、私はぜひ国民の利便を図るという観点でこういうことも検討していただきたいなというふうに思っております。
それから、市内
料金がどんなに日本と対照的に違うかという問題ですが、夜間に割引制度があるということは今
奥山局長の
答弁でありました。これがなかなかよく考えられたものなんですね。具体例で言った方がわかりやすいと思います。イギリスの場合にはピーク時と標準時と閑散時と三段階に分かれているわけですね。閑散時の使用についてはうんと安くなっているわけです。西ドイツの場合もいわばピーク時と閑散時の二種類、フランスが、これは大変おもしろいのですが、赤の時間帯、白の時間帯、青の時間帯というふうにある、三色旗とおそろいですね。さらに、夜の青の時間帯というのがあるのです。夜の青の時間帯というのは本当に安いのです。大体、早朝が青で日中は赤とか白になりまして、十一時半から翌朝六時までは夜の青の時間帯というので、単位
料金十八円ぐらいになるのですが、三分どころか十八分かけられる。深夜の長
電話なんというのもこれでは割合安い負担で済むというふうになっておるわけです。
確かに、三分以内というところだけで見ますと安いということですが、三分を超えますと大体は日本の方がはるかに高くなっていく。もっとも、イギリスの場合のピーク時というのはかなり高いようです。しかし、イギリスの場合も閑散時、夜の時間帯で見ますと、やはり日本よりも安いのです。一時間通話したとき、日本の場合は二百円ですが、百八円ぐらいで済むというようになっておるわけです。ほかのフランス、西ドイツの場合はピーク時、閑散時ともに大体日本よりはるかに安いということができます。
フランスで一番安い夜の青の時間帯というのをちょっと紹介しておきますと、基本は十八円なんですが、ですから三分まではやはり日本の方が安いですね。それを超えますと、例えば切りのいいところで、三十分かけますと日本だと百円かかるのですが三十五円で済むのです。一時間ですと二百円のところが七十一円で済むということになっておるわけです。
要するに、それだけ
電話事業というのは通話量のピークというか、そういうところに合わせて設備をつくらなければならぬということですね。トラフィックが一番多いところに合わせて設備をつくる。しかし、それも賄い切れなくて、きのうでしたか不通状態が東京都内でも起きたということもありますが、それだけにピークに集中しないように閑散時に低
料金を設定することがトラフィックの誘導効果を持つ、平準化に役立つというようなこともあって、これはなかなか考えられた制度だ。国民の利便を図るということと同時に、トラフィックの平準化、過大な設備投資を抑制する効果があるという点で、これは大いに研究していただく必要があるのではないかと思っておるわけです。
それで、今の
お話で、三分というのは
現時点では妥当なものだというふうに考えておられるという
答弁でありましたが、しかし、これはこのところ相当変わってきているのじゃないですか。昔は、
電話というのはできるだけ早く切れということを教えられて、私たちもそうしてきたわけですが、最近は
電話が交際の場といいますか、そういうふうに変わってきているわけです。小さな子供までも平気で
電話を使うというか、そういう時代なわけです。
〔額賀
委員長代理退席、
委員長着席〕
これは
NTTの
調査の資料に基づいて出したのでありますが、こういうのが出ているのです。主婦の平均通話時間は一回当たり十三・四分、三分よりもはるかに多いですね。二十代の主婦の場合はもっと多くて二十分、若い人ほど多いのですよ。高校生、大学生すべて出ております。
NTTの
調査で出ておるのです。大学生になりますと平均で二十八分だ。女子は三十五分というふうになりまして、長
電話というのは一体どのくらいだというアンケートに対して、平均で百六十六分という答えが返ってきたというのです。確かに大学生というのは夜十時、十一時過ぎから深夜にかけて長
電話をするのですね。平均で百六十六分で最長が五時間一分、五時間以上
電話したというのは非常に例外的なケースでしょうが、これも
NTTさんの
調査で具体的に出ているわけです。「
NTTレポート」です。「大学生のテレコミュニケーション」、こういう中で読ませていただきますと、サンプル
調査ですが、その中でも出ている。
ですから、三分が非常にいいのだというのはちょっと実態に合わなくなっているのではないかと言わなければならぬと私は思うのですね。もっとも三分以内で終わるというのも
一つだけ例がありました。それは夫婦間の
電話だそうです。きょうは帰りがおくれるからなとか、食事の用意をしておけよ、その一言二言で終わる。三分以内というのはそれだけだというのです。こういう状況でありますから、もっと合理的な、生活実態に合った
電話料金体系、一般的に市内
料金の問題にしましても、
先ほど三分十円というのはできるだけ長く据え置きたいということがありまして、それはそれでいいと思うのですが、さらに国民の利便を図っていくという立場からの検討をぜひやってもらわなければならぬと思っております。
それでお尋ねしたいのは、
先ほどの遠近格差をできるだけなくしていくということで、値下げもやりましたという御
答弁がありましたが、私のこれまでの感じでは、民営化された後どうも値下げがそれ以前に比べて少ないのじゃないかというふうに思っているのです。
NTTの財務の成績からいいまして、
利用者への還元をもっとやっていただいていいのではないかと思っているのですが、どんなものでしょうか。