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野口委員 新聞等で拝見いたしますと、何とかこの
国会にはその案は、
法案そのものは出されるのにいささか手間取るのではないだろうかというようなことで、次の
臨時国会等でというような声も聞こえてまいりますが、いずれにしても私
どもに聞こえてくるのは、これが
竹下手法というのでありましょうかどうか知りませんが、何ら、税の名前もさることながら、中身も、そしてそれに対応する諸
情勢の
整備ともいうべきビジョンも何にもない中で、
税制改正そのものだけが飛び出してくるというような感なきにしもあらずであります。
つまり、少なくとも私
どもから
考えますと、仮にそのような企画があるとするならば、例えば今後の
老齢化社会に向かっての
社会保障の
関係する
負担をどのような形で求めようとするのか、また
国民負担率そのものの改定は、現在三六%程度だと思いますけれ
ども、それをどの辺まではたえ得る、あるいはまた求めようとするのかとか、全体的な
構想そのものが何ら成熟していない中にあって、税だけが先走りをする、そして
間接税の
導入だけが何かひとり歩きをするというような感がしてならないわけでありまして、そういう
意味ではまだまだ
国民の
租税負担、今日の
税そのものに対する
不平感あるいはまた
不公平感というものが払拭されないままに、いかなる形かわかりませんけれ
ども、またまた
大型間接税と言われるものが
導入されてまいりますと、これはまた昨年の二の舞いになるということは明らかでありまして、きのうも
質疑の中に出ておりましたけれ
ども、
国民は現在のところそういった
土壌にないということだけは明らかにしているわけであります。
政府税調が、どういう意図があってかわかりませんけれ
ども、全国で二十カ所の場所を選んで公聴会なるものをお開きになっております。私はその
内容等についてはまた後ほど時間があればお聞かせいただきたいと思いますけれ
ども、その中で聞こえます声にいたしましても、例えば
間接税導入というものに対して直接絶対反対だとは言っておられない方ですら、今その
土壌にない、そこまでの
環境づくりが十分でない、それから先ほ
ども私が申し上げた
不公平是正という問題が先んじて初めてその問題が出てくるのだという声が非常に高いということを痛感いたしておりますだけに、今のこの時間で御
答弁をいただくつもりはございませんが、今
大臣が御
退席になるまでに申し上げたいことは、どうか焦らずにひとつじっくりとこの
土壌づくりをやって
コンセンサスを十分とりながら
導入の時期というものを
考えていただきたい。そして
提出の時期というのも当然しかるべき時期があろうと思うのであります。そういった
意味で、私は、私個人といたしましては
間接税即悪だとは感じておりませんけれ
ども、少なくともそれを
導入するまでの
前提条件というものは十分な
コンセンサスが必要だ、そうでなければ失敗するよということをあえて申し上げておかなければならぬだろうと思うのであります。
大臣御
退席の時間でございますので、それだけ申し上げまして終わります。