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1987-12-02 第111回国会 参議院 本会議 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十二年十二月二日(水曜日)    午前十時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第三号   昭和六十二年十二月二日    午前十時開議  第一 国務大臣演説に関する件(第三日)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  議事日程のとおり      —————・—————
  2. 藤田正明

    ○議長(藤田正明君) これより会議を開きます。  日程第一 国務大臣演説に関する件(第三日)  昨日に引き続き、これより順次質疑を許します。塩出啓典君。    〔塩出啓典登壇拍手
  3. 塩出啓典

    塩出啓典君 私は、公明党国民会議を代表して、総理所信表明に対し質問をいたします。  まず最初に、先日来、南アフリカ航空大韓航空航空機事故が相次ぎました。関係者の御心労、御心痛をお察しいたします。心からお見舞いを申し上げます。  いまだ事故原因は明らかでありませんが、特に大韓航空機事故では、日本人パスポートを持った不審な男女の関与の疑いが報道されています。国際協力原因を徹底究明し、また、我が国航空機の総点検を行うなど、かかる痛ましい事故の絶滅に政府として万全の対策をとられることを強く要望いたします。政府の今後の対応についてお伺いいたしたい。  さて、竹下総理、あなたは衆議院議員に初当選以来十一回の連続当選を果たし、このたび念願の総理大臣という最高立場に就任されたわけであります。その間、あなたは常に自由民主党の中枢にあり、自由民主党を支えてきました。あなたが競争の激しい政界にあって、「汗は自分でかきましょう。手柄は他人にあけましょう」という精神をモットーにひたすら努力し続けてきた姿勢については、私個人といたしましても深く敬意を表するものであります。しかし、内閣総理大臣としてのあなたの評価は未知数であり、これからであります。後世の人たちから評価される政治を期待いたします。  以下の質問に対し、意味明瞭にして率直なる御答弁をお願いするものであります。  まず第一にお伺いすべきは、税制改革についてであります。  中曽根総理は、持ち前の弁舌を巧みに使って、売上税を初めとする税制改革を強行しようとしたのであります。だれの目にも明らかな公約違反売上税法案は、三百を超える議席をもってしても国民世論の前に廃案となりました。ところが、竹下政権は、この売上税をラベルだけをかえて来年度中に成立させようともくろんでおります。あなたは、我が党の矢野委員長質問に対して、中曽根総理が示した政府統一見解を一方的に破棄しました。あなたは、世論調査にもはっきりと示された売上税反対国民の声をどう受けとめておられるのか、お伺いをしたいのであります。  税制は、一たび決定されれば、国民はこの制度に従って税金を負担しなければならず、それだけに税制改革国民の十分な理解のもとに進めなければなりません。さき売上税法案においては、密室の審議法案が決定され、国民の十分な理解を得る時間もなく、どさくさに紛れて成立させようとしたところにも混乱の因があったのであります。竹下内閣はその同じ轍を踏もうとしております。  総理、あなたはなぜ大型間接税導入を急いでいるのか。次の国政選挙の前に成立させようとして急いでいるのですか、お伺いしたい。  あなたは大蔵大臣として、大平、中曽根内閣に五期務められました。そのあなたがどうしても導入したいのであれば、その改革案の全貌を国民の前に示し、解散によって国民の信を問うのが政治の常道ではないでしょうか。総理のお考えを聞きたい。  私たちは、すべての税制改革に反対しているわけではありません。改革は常に必要であります。世論調査においても、竹下内閣税制改革を期待する声は大であります。しかし、大型間接税導入国民の要望する税制改革考えるのは大きな間違いであると思います。年々増大し、大型化している脱税事件について、大半国民は、なかんずくすべての所得がガラス張りのサラリーマンは不公平感を強く感じております。また、有価証券譲渡益への原則非課税制度社会保険診療報酬への課税の特例等国民の目から見て不公平は放置されたままであります。行政改革もまだまだ不徹底であります。  現在の補助金行政のもとでは、地方自治体はみずから創意工夫するよりも、中央官庁の官僚が考え計画に合わせ、いかにして補助金を取るかに大きなエネルギーが使われております。同じような建物が同じ町に二つも三つもできるなど、各省縦割り行政のむだが前々から指摘されております。六十二年度予算でも、総額十四兆円余の補助金のこれらの改革は、指摘されながら変わっておりません。歴代内閣で実行できなかったこれらの改革こそ優先すべきではありませんか。そういう問題に手をつけず大型間接税導入考えることは、さき売上税の二の舞になることを強く警告するものであります。総理のお考えをお聞きしたい。  次に、土地問題についてお伺いをいたします。  東京を初めとする大都市地域での地価の異常な高騰は、国民生活の各方面にさまざまなひずみを発生させ、今や深刻な社会問題となっており、地価の安定は喫緊の政治課題となっているところであります。  日本不動産研究所の最近の調査によりますと、東京都心部地価は頭打ちになってきているものの、周辺部地方大都市へと波及しており、地価高騰の実態は依然として予断を許さぬ状況となっております。  日本不動産鑑定協会調査によりますと、東京一般住宅地価は、アメリカのロサンゼルスのそれと比べ実に二十二倍、カナダのバンクーバー、西ドイツのフランクフルトと比べても、それぞれ九倍、十七倍という状況であります。このような高地価を放置して、欧米諸国並み生活水準確保は不可能であり、総理の言われる豊かな国民生活などは絶望と言わざるを得ません。  政府は、去る十月十六日、緊急土地対策要綱を閣議決定いたしましたが、その内容には何ら目新しいものは見当たらず、これまで種々出されてきた論議を集約したものにすぎません。果たしてこれだけで総理の言われる適正水準にまで地価を引き引けることが可能か、甚だ疑問であります。  我が党も他の野党と共同し、二度にわたり緊急提言を発表しておりますが、総理は、これら野党提案を積極的に受け入れて、政府として責任を持って実効ある対策を打ち出す御用意があるかどうかお伺いしたい。  地価抑制のためには、国土利用計画法による土地取引の規制も重要でありますが、根本的な対策としては、土地供給を促進することが最も必要だと考えるものであります。総理は、具体的な供給増加策としてどのような方策を検討されているのかお伺いしたい。  先日、私は公明党調査団の一員として東京湾埋立地を視察し、居住人口四万四千人、就労人口十一万五千人の未来型副都心建設計画を見てまいりましたが、東京湾を初めとして各地臨海部には、かつて工業用地として優先的に大企業に提供された広大な土地があります。産業構造変化により十分利用されていない土地もあり、これらを再調査し、用途を変更し、住宅建設を行うべきと思いますが、総理のお考えをお聞きしたい。  世論調査によれば、国民大半一戸建て住宅を要望しております。しかし、全国民が平等に一戸建て持ち家を所有するには、特に大都市においては国土が余りに狭く、そのコストは余りにも高く、さらに高いローン支払い国民の懐を搾り上げ、GNPの大きさにもかかわらず国民に貧しい生活を強いてしまいます。国民が住まいのために貧しくなれば、豊かな国民生活も絵にかいたもちとなります。私は、国として、大都市ではむしろ持ち家促進ではなく、新しい時代に適応した適正家賃高層賃貸住宅建設により力を入れるべきだと思います。しかも、従来のように画一的なものではなく、例えばフロアだけを建設し、間取りなどは家族構成によって自由に変更できるいわゆる高層人工地盤建設提言するものであります。  例えば、三十年計画で一千万戸というような大計画竹下政権のもとでつくることが、ウサギ小屋との国際的批判にもこたえ、国民生活水準向上のため、かつまた内需拡大のためと考えますが、総理並びに建設大臣のお考えをお聞きしたいのであります。  土地問題の解決のためには、東京一極集中の是正が不可欠だと考えるのでありますが、そのためには、単に施設の移転だけでは意味がなく、バス停留所設置認可まで国が行うなど、中央に集中している行財政権限を大幅に地方へ移譲し、社会システムを変更していく必要があると思いますが、総理の御見解伺いたいのでございます。  次に、深刻化が予想される雇用問題についてお伺いいたします。  最近の雇用失業情勢は、全体的にやや改善しているように見えますが、基本的には楽観できる状態にはありません。近年、円高等により生産拠点を海外に移転させる企業が多くなり、さらに、今後製品輸入拡大も避けられない状況にあります。我が国自動車産業米国における生産台数は、現在建設中のものが完成する数年後には、現在の対米輸出台数二百三十万台に匹敵するものになろうとしており、我が国雇用への影響が憂慮されています。  有力な民間研究機関の予測によりますと、十年後における失業者増大要因とその数は、現地生産化によって七十八万人、円高要因で三十九万人、高齢化に伴い七十万人、女性の職場への参入増によって三十五万人等の数に上ることを発表しております。総理は、これからの我が国雇用情勢についていかなる認識見通しを持っているかお伺いしたい。  これから雇用のふえる第三次産業やバイオのような新しい分野の開拓も必要であります。また、先進国の中で飛び抜けて長い我が国労働時間の短縮も緊急の課題であります。政府の一層の努力を要求するものでありますが、総理の決意を伺いたい。  私は、経済構造調整過程では、職種転換等に伴う摩擦と痛みは避けて通れないだけに、産業間、職業間、年齢間、地域間などの雇用ミスマッチへの対応が緊急の課題であると思います。  私は、先般来、地方の幾つかの公共の職業訓練校職業安定所を訪問しましたが、その職業訓練校旋盤は二十年前の物で、NC旋盤は一台もありませんでした。もちろん、職業訓練設備がすべてではありませんが、これでは時代変化対応できません。場合によっては民間近代設備を借りるなど、職業訓練能力開発体制抜本的改革が必要であります。  また、私が訪問した不況地職業安定所は、雇用情報地元周辺に限られ、一枚一枚書類を見なければなりません。コンピューターを活用してより広い範囲の職業紹介システムの整備を急ぐべきであると思いますが、労働大臣のお考えをお聞きしたい。  特に、雇用情勢が厳しくなると、真っ先に影響を受けるのは中高年齢者であります。公明党は、高年齢化社会を迎え、定年制の六十五歳までの延長を提言し、過渡的措置として、六十歳から六十五歳の期間は、常用雇用からパートタイムに切りかえて高齢者を継続雇用するため高齢者パート労働法制定提言しております。また、高齢者の方が適する一定職種については、一定年齢以上でなければ採用しないという逆定年制も大いに検討すべきであると提言しております。  人生はすべて大切でありますが、特に中高年齢後が大切であります。体が健康で意欲のある人は、働いて社会に貢献することこそ生きがいではないでしょうか。世界で例を見ない急スピードの高齢化社会を迎える我が国で、中高年齢者雇用問題に政府が全力で取り組まれることを強く要望いたします。  また、最近、昭和五十二年以降前年と比較して上昇しておりました身体障害者雇用率が初めて低下しており、対応が急がれております。これらの諸点につき、総理並びに労働大臣見解を求めます。  次に、円高問題についてお伺いしたい。  あなたの総理就任と時を同じくして米国ニューヨーク市場株価が暴落し、その影響日本を初め世界各地に及ぼしております。その上、円高ドル安状態は改善されず、この数日さしたる材料もないままにドル安が加速され、円の新高値が更新されております。円高現状認識政府の今後の対応についてお伺いします。  一昨年のプラザ合意以来、円・ドルレートは大幅にドル安になったにもかかわらず、米国貿易赤字は改善しているとは言えません。その上、米国は、株価暴落による景気後退を回避するため、ルーブル合意に反し、さらにドル安を容認する方向にあると思われますが、米国のかかる姿勢について政府見解を聞きたい。  また、財政赤字をめぐる欧州の対米批判、さらには米国ドル安容認などから、ルーブル合意に基づく日欧米間の政策協調路線にきしみが見られ、ゆゆしき問題と思います。我が国として、早急にG7の開催を要求し、国際協調あり方の見直しを図るよう欧米に働きかける必要があると考えるが、総理考えを聞きたい。  このような円高は、国民全体で受けて乗り越えねばなりません。特定の業界のみが円高に泣くことは許されないと思います。政府としては、電気・ガス料金のなお一層の値下げを初め、円高差益の徹底した還元に努めるべきであります。具体的対応をお聞きしたい。  次に、農業問題についてお伺いします。  アメリカは、日本農産物残存輸入制限十二品目、すなわち粉乳、練乳、雑豆、でん粉、落花生、コンビーフ等牛肉調製品パイナップル調製品、非かんきつ果汁等ガット違反であると提訴し、自由化を強く要求してきています。そもそもガット体制下においても、自国の農業については一定保護措置をとれるよう配慮されてきており、アメリカ自身日本自由化を求めている十二品目のうち、ウエーバー品目として六品目までみずから輸入制限をしていると聞いております。にもかかわらず、アメリカ我が国だけを対象としたガット裁定を性急に求めるというやり方は、まことに理不尽で理解に苦しむものであります。もし万が一、ガットの場で裁定が下され、日本農産物輸入制限を撤廃するようなことになれば、北海道、沖縄を初め各地において大きな打撃を受けることが憂慮されます。政府としては、性急な自由化要求は断固阻止すべきですが、この問題にどのような態度で対処するのか、農林大臣にお伺いいたします。  しかし、今後を展望するとき、農産物自由化を要求する国際的な圧力も強くなることが予想され、また、食料品多様化や価格の低下を求める消費者の声も無視できません。このような時代変化対応して、我が国農業も常に改革の必要に迫られております。戦後四十年、国民生活レベルも向上し、消費者のニーズも変わってきております。食料品も、安価であることよりも、よりおいしいもの、より安全なものを求める傾向も強く、無農薬の農産物をつくり、消費地へ直送して新しい分野を開拓している人たちもたくさんおります。  しかし、大半農家は明るい見通しはありません。農村のまじめな青年たちは、今は苦しくても将来に夢と希望の持てる農政を強く望んでおります。私も農家の生まれでございますが、農業工業と違って一年サイクルであり、改革には時間が必要であります。農政は猫の目行政であってはならず、長期的展望が必要であります。総理は、日本農業の将来についてどのような展望を持っているのか、お伺いをいたします。  農業は、ある意味先進国産業と言われ、我が国にとって将来有望な産業であるとの指摘もあります。工業分野ですぐれた成果を上げている我が国が、農業分野国際競争力を失ってきたのは、もちろん土地が狭いなどの自然条件の差もありますが、農家創意工夫を引き出せなかった我が国農政にも原因があると言わざるを得ません。食管制度あり方についての検討や、効率の悪い補助金制度を融資に切りかえるなと思い切ってやるべきだと思いますが、どうですか。  次に、教育問題についてお伺いをいたします。  我が国教育は、江戸時代寺小屋教育を初めとして、明治以来、世界の中でも最高普及率を示しました。戦後の近代国家日本建設に、世界が注目する成果を示した原因の一つに教育があったことは、ひとしく認められるところであります。しかし、今や我が国教育あり方について、画一的な教育から、もっと一人一人の個性を伸ばす教育必要性が叫ばれ、これが総理が述べられた創造的科学技術の推進のためにも必要であります。  そこで、第一に、さき臨時教育審議会答申はこのような点についても重要な提言をしておりますが、答申実現にいかに取り組むか、文部大臣にお伺いいたします。  第二に、一人一人の個性を伸ばす多様な教育を推進する上において、私学役割は大切であります。私学出身総理として、これからの私学役割と今後の充実にいかに取り組むか、お伺いをいたします。  第三に、国際社会我が国が貢献するためには、ハードの面だけでなくソフトの面、なかんずく教育が担う役割は極めて重要であります。中国を初めとする東南アジア諸国教育の面で全面的な協力援助を行うと同時に、最近の急激な円高に苦しむ留学生への緊急配慮政府に求めますが、総理見解をお聞きしたい。  第四に、交通事故等で親を失った災害遺児に対する育英制度の創設であります。昨年二月の衆議院予算委員会で、我が党の矢野委員長質問に対し中曽根総理は、「文部省でよく検討させ、関係各省ともよく相談させる」と答弁しております。このような点は、中曽根政治をぜひ承継して一刻も早く実現してほしいと思いますが、いかがですか。  社会保障関係質問をいたします。  中曽根総理の五年間の成果は、福祉の切り捨て、借金の先送り、負担地方自治体への押しつけ、そして防衛費のみが突出するというものでありました。総理は、所信表明で「物の豊かさ」よりも「こころの豊かさ」を言われました。しかし、一定の物の豊かさなくして心の豊かさを言うことは空論であります。社会的に弱い立場にある人たちへの社会保障制度充実は急務であります。総理は、これからの高齢化社会に備え、安定した財源確保として大型間接税導入をもくろんでおられます。しかし、現在の諸制度をそのままにしては、必要な財源は限りなく膨張し、間接税の安易な税率引き上げにつながることは必至であります。検査づけ、薬づけと言われる医療行政を改めることはできないか、健康診断保険で自由に行えるようにし予防に力を入れるべきではないか、また、健康保険制度の中に漢方を初めとする東洋的医学をもっと採用すべきではないか、丸山ワクチンはなぜ採用されないのか等々、国民の素朴な疑問があります。これら社会保障制度改革について竹下総理の今後の取り組みをお伺いしたい。  また、戦後四十余年を経過した現在、多くの関係者から要望されながら未解決の問題に、被爆者援護法制定の問題や戦後シベリア抑留者等の問題があります。すなわち、全国に被爆者が三十六万人、戦後抑留された方が三十二万人おられるとお聞きしておりますが、関係者高齢者となり、亡くなる人も多くなっており、胸の痛む思いであります。総理としてこの問題にどう対処するのか、お伺いをしたい。歴代総理大臣とは一味違う答弁を期待するものであります。  次に、外交問題についてお伺いをいたします。  レーガン大統領とゴルバチョフ・ソ連共産党書記長の会談が今月七日からワシントンで行われ、八日には、歴史的な米ソ中距離核戦力、いわゆるINF全廃条約が調印される見通しが明らかにされました。まことに喜ばしい限りであります。この機会に、世界の唯一の被爆国である日本が強いリーダーシップをとり、我が国独自の核軍縮並びに通常兵器の軍縮についての具体的な提案総理が来年一月に訪米する際に大統領に示すべきではないでしょうか。また、軍事支出を抑え、発展途上国に対する経済援助や第三世界の債務問題、アフリカ等に対する飢餓救済に積極的に貢献していく姿勢が大事であります。そうした姿勢を示すことが、今後の日米協力だけでなく、世界平和に寄与する日本立場世界に評価されることに通ずると確信するわけですが、御見解をお伺いしたいと思います。  また、総理は、平和戦略研究所設置提言しております。さき総裁選過程で突然出されたもので、その意図、目的、内容は必ずしも明らかでありません。この際、総理のお考えを承りたい。  最後に、自由民主党政治資金規正法改正をして、企業献金枠を現在の一億円から二億円に拡大する案を出しておりますが、時代逆行ではありませんか。総理にお伺いをいたします。  また、衆議院並び参議院選挙区の議員定数の問題も、国会最高裁の判断を尊重し、速やかに是正すべきであります。自由民主党総裁でもある竹下総理の御見解を伺って質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣竹下登登壇拍手
  4. 竹下登

    国務大臣竹下登君) まず最初に、南ア航空機事故、また、大韓航空機行方不明問題についての御意見の御開陳がございました。  今日、大韓航空機行方不明問題については墜落地点さえ明らかでございませんので、公式に申しますならば、観測の域を出ないというのが実情でございます。したがって、さまざまな想定に基づいて公式コメントする立場には残念ながらなかろうと言わざるを得ません。しかし、何としても航空については安全の確保が何よりも大切でございますだけに、これらの対策に最大限の努力を傾注いたしますと同時に、国際民間航空機関を初めとする諸外国との協力を通じ、航空の安全のための施策を推進してまいりたいと、このように考えておるところでございます。  さて、その後、御質問に先立ちまして、種々の私に対する御鞭撻のお言葉をちょうだいいたしました。  そこで、質問にお答えをいたしますが、税制改革の問題について、時には国民の信を問うべきだというお考えも交えての御質疑でありました。  個別物品税不公平感、これも確かに存在しております。したがって、間接税の問題につきましては、抜本的な税制改革の一環として、その速やかな実現を図りたいと考えております。税制調査会に対して精力的な御審議を今日お願いしておるところでございます。  種々検討を重ねた末先般提出いたしました売上税法案が、廃案となったというこの現実的な事実を謙虚に踏まえまして、竹下内閣といたしましては、国民理解を得られるような税制の確立を心がけていこうと思っております。そうした観点から、間接税の問題につきましても、論議に先立って予見を与えるようなことは避けることといたします。国会におけるまさに各党各会派の御意見はもとより、幅広い国民意見を吸い上げながら成案を得るべく努力してまいりたいと、このように考えております。  導入の時期についてでありますが、税制改革につきましては、重ねて申し上げるようでございますが、開かれた議論を通じて国民的合意を形成しながら、所得そして消費資産、この間で均衡がとれた安定的な税体系を構築することが緊要な課題でありまして、こうした認識のもとに、内閣ができまして早々と税制調査会に諮問いたしまして、まさに各層の御意見を十分伺いながら、可能な限り早期に成案を得たいものだという希望を持っております。  さて、高齢化社会の到来ということにつきまして、経済の一層の国際化を推進するという問題とあわせますならば、抜本的税制改正実現は、これは避けて通れない共通の認識であると思っております。経済活性化に配慮しながら、長寿福祉社会をより確実なものとして維持していくためには、先ほどの所得消費資産等の間で均衡のとれた安定した税体系の構築、これが必要であります。  したがって、今国会はもとよりのこと、まさに国民各界各層議論を聞きながら成案を得ていくべき課題であると思います。  不公平税制補助金についての御意見もございました。  税負担公平確保は、税制に対する国民理解協力確保する上で不可欠の前提であります。毎日毎日、新聞に公平、不公平の議論がなされておりますことは私どもも十分理解しております。去る九月の税制改正におきまして、有価証券譲渡益課税や土地譲渡所得課税等については、国会議論をいただきました上で課税の強化や適正化を図ってきたところであります。  これからも、税負担公平確保、この問題につきましては、各方面の議論を踏まえて、引き続きたゆまざる検討が必要であると思っております。  補助金は、政策遂行上重要な機能を担うものでございますが、財政資金の効率的使用を阻害する等の問題がありますため、これはまさに不断の見直しということが、いつも申しておりますが、必要であろうと思っております。そして、御意見にもございましたように、画一的ではなく、地方の知恵と情熱を吸い上げて国がこれにこたえていくという考え方には私も賛成するところでございます。  次に、地価問題についての一連の御質問でございます。  土地問題解決のために、土地取引の適正化、住宅・宅地供給の促進、諸機能の地方分散等を含めた総合的な対策を講ずることが必要であることは言うをまちません。  そこで、政府は、土地対策関係閣僚会議設置しまして、中長期的な土地対策あり方については、また一方、行革審でこれをお願いしておるところでありますが、四党共同提案、これにつきましては、私も二度にわたって読ましていただきました。多く私どもと意識を同じくする点もございます。したがいまして、まさに特別委員会等が設置されたということは、政府がこれらの対策を立てていくためにも総合的な角度からその環境づくりにお役に立っていただけるものだと評価し、かつ期待をいたしておるところであります。  さらに、供給増加策についての御提言がありました。  地価高騰に対処するためには、宅地供給の拡大を図りますことが必要であります。このため、ことしの十月十六日に閣議決定されました緊急土地対策要綱にもございますように、都心及び臨海部の大規模プロジェクトの推進、それから都市再開発の促進を図りますとともに、線引きの見直しなどによる開発適地の拡大と地方公共団体の開発抑制方針の転換などによって宅地供給を推進していく所存であります。  臨海部も特に御指摘がありましたが、大都市臨海部における工業用地で遊休化したもの、確かにおっしゃるとおりであります。その位置、規模及び周辺の土地利用の動向などを勘案して、住宅用地としての適地につきましては、都市計画などの変更によりまして住宅建設を可能とし、あわせて公的住宅等の住宅建設を積極的に促進してまいる所存であります。  高層人工地盤の問題とか、そういう御意見につきましてもありがたく拝聴をいたしました。  それから東京一極集中是正のための権限移譲の問題、バス停の認可をも含めた御質問でございました。  政府機関の地方移転につきましては、何としても四全総の趣旨にも照らしまして今後慎重に検討して進めてまいりたいと思います。  政府としては、従来から臨調、行革審答申を踏まえながら機関委任事務、また国、地方を通ずる許認可権限等の整理合理化等を進めてきたところでございますが、今後とも国、地方役割分担等につきまして、四全総や臨調、行革審等の意見をも踏まえまして、これは絶えず進めていくべき課題であるというふうに考えております。  雇用情勢につきましては、問題意識としては、私も同じような問題意識を持っております。  最近の雇用失業情勢は、総じて改善の動きが数字的に見ると確かに見られておりますけれども、業種別、地域別では依然として厳しい状態にあることも事実でございます。  しかも、産業構造の転換、労働力の高齢化等が進展する中におきまして、年齢間等の労働力需給の不均衡によるいろいろな複合した雇用問題が発生しております。  したがって、こうした観点から、適切な経済運営と相まちまして雇用対策を積極的に推進していくという基本的考えをまず申し述べます。  そうして、労働時間短縮について、勤労者福祉の向上、また国際協調はもとより、長期的に見た雇用機会の確保等からの観点も重要な課題であります。  このため、先般改正していただきました労働基準法のもとで、一九九〇年代前半にできるだけ速やかに週四十時間労働制に移行できるよう、週休二日制の普及など労働時間短縮に努めてまいる所存であります。  高年齢者の雇用対策の取り組みにつきまして、高齢者パート労働法あるいは逆定年制等の御意見もございました。  本格的な高齢者社会を迎えまして、高齢者の能力を積極的に活用し活力ある社会を維持していくためには、高齢者雇用の場を確保していくことが重要な政策課題であります。  このため、政府としては、六十歳定年の定着に努めますとともに、さらには六十五歳程度までの継続雇用の推進、再就職の促進、これらの施策の展開に万全を期したいと考えております。  円高問題についての御議論がございました。  このところの円高、総じて申しますならば、欧州通貨につられた円相場の上昇、こういうことが言えるかと思います。  為替相場の安定のためには、主要国間で積み重ねられてまいりました合意を踏まえて、政策協調と為替市場における協力を進めていくことが最も重要であります。この関連で、米国で先般の財政赤字削減合意を受けて早急にこれの具体的な所要の措置がとられること、これは私も期待しておるところであります。  また、市場の思惑的な動きに対しましては、これは各国との市場における協力、こういうことが大事であるということは言うをまちません。  それから、米国ドル安容認姿勢についての御言及がありました。  十月下旬から十一月上旬にかけまして、米国の為替問題に対する姿勢について、それは我が国のみならず国際的にもいろいろな疑問が報道されてきてまいりまして、これが相場を不安定にしてきた一つの要因であろうというふうには私も思います。  しかし、十一月十日のホワイトハウスの声明、これがまずございまして、それからまた、これ以上のドル安は望まないというレーガン大統領の発言、こうした報道によってそれらの懸念というものは明確に否定されました。したがって、為替安定に関してアメリカルーブル合意堅持の姿勢を持っておるということは明白でありますので、これに基づく為替市場における協力というものは、今後とも我が国を含め確固として守られるべきものであるというふうに思います。  したがって、我が国としては、ルーブル合意等を踏まえた政策協調の観点から、緊急経済対策実施のための予算税制改正措置を既に講ずるなどいたしまして、我が国に与えられた仕事として、内需の拡大に向けての最大限の努力を払っておるところであります。  また、各国においても、ルーブル合意に沿った努力が続けられておるものと私は承知しております。こうした観点から、今回、先ほども申し上げました米国財政赤字削減措置、これは政策協調の考え方に沿ったものでありますだけに、重ねて申すようでございますが、早急に所要の措置が具体的にとられることを期待するということであります。  G7開催についての御意見もございました。これにつきましては、米国財政赤字削減措置の内容の具体化を見守る必要があるのではないか。現段階では何とも言えませんが、それぞれ各国とも、ルーブル合意に基づく協調体制を堅持していくという基本的な考え方に立って米国のその具体的な措置を見守っておるということではなかろうかというふうに考えます。  円高差益の問題につきましては、これは累次にわたる対策によりまして還元策が講ぜられて、かなり浸透してきたということは言えると思います。  電気・ガス料金につきましては、二度にわたって暫定引き下げが行われたところでありますが、このほどなされました来年一月以降の料金改定の申請に対しても、これは通商産業省で適切に対処していかれる課題だというふうに考えております。  今後とも、為替レートの動向等を踏まえながら、いわゆる円高差益の一層の還元がなされて、それこそ物価の安定につながっていくということを何よりも心がけなければならないと思います。  農業の将来問題、食管制度問題については、かねての持論の展開をなさいました。  農業は国のもとであって、その役割は食糧安定供給等極めて重要であります。我が国農業をめぐる内外の厳しい状況のもとで、今後農業産業として自立させて、担い手が明るい希望を持てる農業に取り組めるようにすることが必要であります。  このため、「二十一世紀へ向けての農政の基本方向」に関する昨年十一月のいわゆる農政審の報告を尊重してまいりたい、このように考えております。  十二品目等の問題につきましては、本日、本院の本会議が終了しました後、ちょうど宇野外務大臣もガットの総会から帰国して報告を受けることになっております。  食管制度の問題につきまして、かねての持論でございますが、我が国農業の生産性の向上を図って、二十一世紀に向けて効率性が高くて足腰の強い農業を築くために、農家創意工夫を生かしながら農政の展開を図ることが必要である。  食管制度については、米を政府が責任を持って管理することにより、生産者に対してはその再生産を確保し、また、消費者に対しては安定的にその供給責任を果たすという制度の基本は今後とも堅持して、事情の変化に即応しながら、適切な運営改善を図る考えであります。  そうして、補助金制度につきましては、補助から融資へというお言葉のとおり、今日までも補助から融資への移行を図ってまいりました。そうして、補助金の整理合理化を進めてきておることでございますが、今後とも、効率化に努めながら、そのような考え方を踏襲してまいりたいと思っております。  それから、私学役割教育問題等についての御言及がございました。  私学は、我が国の学校教育において量的に大きな役割を果たしております。また、質的な面におきましても、それぞれ建学の精神がございましたりして、個性豊かな教育研究を行って、学校教育の普及、進展に大きなそれなりの役割を果たしたものだと思っております。  こういう私学役割の重要性にかんがみまして、これからも私学における個性豊かな特色ある教育研究の推進、そういうことを念頭に置いて考えていくべきものであると考えております。  それから、アジア諸国の教育面での御見解を御披露になりました。  私も、この臨時国会が終了しました後、ASEANの会議に参加いたします。その際も、この問題がいろいろ議せられるであろうと思います。  従来から、中国及び東南アジア諸国に対して、留学生、研修生の受け入れ、専門家の派遣、教育訓練施設の拡充、これらを通じて人づくりに協力してまいりました。今後とも、各国からの要望を踏まえながら、これには十分協力していくべき課題であると思います。  ただ、具体的に円高に伴って留学生が困っておるじゃないかと、このような御指摘であります。  現在、我が国では一万八千人余りの留学生を受け入れておりますが、二十一世紀初頭には十万人目標と、こういうことを考えておりますだけに、諸般の施設の拡充ももちろん必要でございますが、最近の円高、これにつきましては、ことしの秋から大学におきます授業料の減免措置、これを拡充しました。そうして宿舎の整備と奨学金の充実、こういうことで対応すべきであると思っております。  社会保障全体につきましては、今後の高齢化に備えて揺るぎない社会保障制度を構築することが必要だ、これは考え方を等しくしております。  そこで、政府は、壮年期からの健康づくりを目的とした老人保健制度の創設、医療保険制度改革、診療報酬の合理化などの医療費適正化対策の推進などを実施してまいりました。  今後とも本格的な高齢化社会の到来に備えていくために、それこそ今、乱療、乱診、乱投薬、乱検査とかいう趣旨の御発言もございましたが、国民の皆さん方の理解を得ながら、社会保障制度全体の改革をさらに推進していく考えであります。  具体的な事例として、被爆者援護法の御指摘がございました。  これは、特別の犠牲に着目して、広い意味における国家補償の見地に立って、被害の実態に即した措置を今日講じておるわけでありまして、被爆者援護法制定は、一般戦災者との均衡上の問題がございますので、現行の原爆二法によって対処すべきであろうと思っております。  さらに、具体的御指摘としてのシベリア抑留者問題でありますが、いわゆる戦後処理問題につきまして、さきの戦後処理問題懇談会報告の趣旨に沿って、昭和六十三年度に特別の基金を創設し、関係者の労苦を慰藉する等の事業を行うことによりすべて終結させること、また、シベリア抑留者の問題については、これまでの経緯等を踏まえ、基金の特別事業として、関係生存者に書状及び慰労の品を、そのうち恩給等を受給していない方々にはさらに慰労金を贈呈するというような一応の方向を政府・与党間で昨年の予算編成の際合意しておるところでございます。  次は、軍縮問題についてでありました。  軍縮のための国際努力に積極的に参加することが、これが我が国の基本政策として大事であります。同時に、軍縮は、できる限り低いレベルで軍備を均衡させることによって関係国の安全保障を高めるものでなければなりません。また、その合意が検証可能なものでなければならない、こういう認識の上に立ちます。このような目標に向かって、我が国といたしましては、西側の一員として今後とも努力を継続していく方針であります。こうした我が国立場については、累次米側にもこれは伝えておるというところであります。  世界平和に寄与する日本、こういうことについての御言及がございました。  世界の平和と繁栄は、日本の生存と発展の基礎でございます。我が国は、今や国際秩序の主要な担い手の一人として、軍事大国への道を歩まず、節度ある防衛力の整備に努めるとともに、我が国の豊かさと活力を世界に生かしていくことが肝要である。  このような観点から、平和と軍縮の促進、世界経済の健全な発展への貢献、開発途上国の安定と発展への協力などを誠実に進め、それこそ「世界に貢献する日本」の実現を目指したいと思っております。  それから、平和戦略研の目的とか概要についての御質問がございました。  グローバルな視点から世界の安定と平和に貢献していくことが肝要であるということは、何人も論をまたないところであります。私が唱えております平和戦略研——本当に私とたびたび議論をいたしましたのは、最初は本院議員岩上先生の発意に基づくものでありました。したがって、これらの問題については、具体的なことについてはまさにいまだ検討中の段階である、このように御理解を賜りたいと思います。  それから、政治資金規正法等の改正案要綱骨子は、これは自民党選挙制度調査会の政治資金等に関する小委員会がまとめられたものであります。  これは、私も中身を承知しておりますが、事柄の性質上、また、政治資金規正法が本院で成立しますときの、たしか附則八条等がございますだけに、十分各党間の論議を尽くすべき課題だと思っております。  最後が定数是正の問題でございます。  これは、まず衆議院の場合、抜本改正を行うという決議が坂田議長のもとでなされております。そこで、この論議を踏まえて政府としても重大な関心を持つべき課題でございますが、土俵づくりの問題でございますので、私も選挙制度についていささか今日までもかかわり合いを持ってみましたが、まずはそれぞれ党内、そうしてまた、それが国会そのものの議論として行われていくのが適切ではないか、こういう考え方に立っております。  参議院議員の定数是正問題、これも重要な課題であると認識しておりますが、半数改選制でございますとか、あるいは地域代表的性格の問題でございますとか、そういう基本にかかわる問題がございますので、私もたびたび行き来さしていただきましたが、本院にはそれぞれ選挙制度に関する学識経験世界一の人がたくさんいらっしゃいますので、そういう方々とこれからも論議を重ねていくことが必要ではないかな、このように考えております。  以上でお答えを終わります。(拍手)    〔国務大臣越智伊平君登壇拍手
  5. 越智伊平

    国務大臣(越智伊平君) 住宅対策の推進に当たりましては、国民の適正な負担に配慮しつつ、持ち家、借家の需要動向を的確に把握して進めてまいることが基本と考えております。お説の高層賃貸住宅、あるいは家賃の安い公営住宅等につきましても十分配慮していくつもりであります。  また、住宅の供給に当たりましては、多様な住宅需要に的確に対応するとともに、土地の高度利用を図ることが肝要であると考えております。  なお、国民の居住水準の向上を図るため、二十一世紀を目指した長期的な目標のもとに、住宅建設五カ年計画の着実な実施を通じ、良好な住宅ストック及び住環境の形成に努めてまいる所存であります。(拍手)    〔国務大臣中村太郎君登壇拍手
  6. 中村太郎

    国務大臣(中村太郎君) お答えをいたします。私に対する御質問は三点かと思います。  第一点は、地方の公共職業訓練校旋盤が二十年も前のものである、これでは職業訓練校時代変化対応できないではないか、抜本策いかんという御趣旨の質問でございます。  この点につきましては、昭和六十年に改正されました職業能力開発促進法によりまして、訓練基準の弾力化を行い、技術革新の進展に対応できるよう既設の訓練科にME関連機器を導入したり、また、新たにME関連訓練科を設定し、積極的に設備の整備に努めているところであります。  今後もさらにME化を中心とする技術革新に対応し、既設の公共職業訓練施設等においてME関理科目にパソコン、産業用ロボット、NC旋盤等の機器を計画的に整備してまいる所存であります。  また、お説のように、特定不況業種からの離転職者等の民間企業などへの訓練の委託、情報処理関連の技能者を養成するための施設の設置等、民間の活力も活用して職業能力開発体制充実強化に引き続いて努めてまいる所存でございます。  次の問題は、雇用情報のコンピューター化を図れという御趣旨の質問でございます。  この点につきましては、厳しい雇用失業情勢労働力需給の構造変化対応しまして、雇用の安定を確保するためには、どうしても労働力需給の円滑な結合を図ることが極めて重要でございます。こうした観点から、全国の公共職業安定所をコンピューターオンラインで結び、雇用情報が即時に、かつ広域的に利用者に提供できるような総合的雇用情報システムの開発を進めてきたところであります。  現在、首都圏地域、つまり東京都、茨城県、埼玉県、千葉県、神奈川県につきましては、このシステムを活用した業務を開始しているところでありますが、来年の三月には全国の公共職業安定所導入し、利用者に対するサービスの一層の向上に努めてまいる所存であります。  第三点は、昭和五十二年以降、前年と比較して、上昇していた身体障害者雇用率が初めて低下した、これをどのように受けとめておるか、対応いかんという趣旨の御質問でございます。  昭和六十二年の身体障害者雇用率については、急速な円高の進展等の影響によりまして、対前年比で初めて低下したところでございまして、労働省としましては、極めて厳しい情勢と受けとめております。今後、一層強力な指導援助に努めていく所存であります。  具体的には、身体障害者雇用促進法に基づく雇用率の達成指導の強化、重度障害者の雇用の場を確保するための第三セクター方式による重度障害者雇用企業の育成等、これらを強力に推し進めることとしています。  また、障害者については、離職する者が多いことから、障害者職場定着推進チーム等の活用によりまして、その職場定着に努めてまいる所存でございます。  以上であります。(拍手)    〔国務大臣佐藤隆君登壇拍手
  7. 佐藤隆

    国務大臣(佐藤隆君) 農産物十二品目自由化要求について断固阻止すべきではないか、基本姿勢はどうかと、こういうことでございました。総理からも若干触れられましたが、御指名でございますのでお答えを申し上げます。  農産物十二品目問題については、今週開催されているガット総会において、パネルの報告書案が議題として取り上げられる予定となっております。  このことにつきましては、従来から二国間で現実的な解決を図るというのが我が国の基本方針でございまして、このような我が国努力が今日まで必ずしも米国側の理解を得ることができなかったことは極めて残念でございます。  関係する方々に大変御心配をかけておりますが、我が方といたしましては、国内農業の実情、国際的な経済関係を十分踏まえつつ、最善の努力を行ってまいる所存でございます。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣中島源太郎君登壇拍手
  8. 中島源太郎

    国務大臣(中島源太郎君) 私への御質問は二点ございまして、まず、画一的教育から個性を伸ばす教育への取り組みについてであります。  総理もおっしゃっておりますように、まさに私どもは、たくましく、個性的で心豊かな青少年を育てることが使命と心得ております。また、今こそ個性重視の教育を推進すべきときであると考えております。  そのためには、人間形成の基礎となります初等中等教育についてでありますが、その教育課程の基準の改善につきまして、臨教審の答申を踏まえまして、現在、教育課程審議会に審議をお願いいたしておるところでございます。  去る十一月二十七日にこの「審議のまとめ」が公表されておりますが、その中で、まさに教育内容は、「基礎的・基本的な内容を重視し、個性を生かす教育充実を図る」ことを基本的なねらいといたしております。それに基づきまして、中学、高等学校におきまして、選択履習の幅の拡大及び児童生徒の個性に応じた指導を工夫することが提言されておるわけでございます。  この課程審の答申は本年末予定されておりますが、その答申を受けまして、文部省としましては、学習指導要領等の改訂を行い、また、指導を徹底することによりまして、個性を生かした教育の推進に努力いたしてまいるつもりでございます。  次に、災害遺児に対します育英制度についての御指摘でございます。  特定の災害遺児、例えば交通遺児あるいは漁船海難遺児等につきましては、財団法人交通遺児育英会あるいは財団法人漁船海難遺児育英会等がございまして、これによって奨学事業が行われております。ただ、これらに該当しない災害遺児に対しましても、このような奨学事業について御要請があることは承知いたしております。  国が実施しております育英奨学事業といたしましては、一般的、包括的な制度であります日本育英会の育英奨学事業がございます。かねてから、災害ばかりでなく、諸般の事由によりまして経済的に進学が困難な学生生徒に対しまして、教育の機会均等を図る観点から援助措置を設けておるところでございます。ただ、災害による遺児だけを対象とする特別の奨学制度をつくることにつきましては、他の原因によって経済的に進学が困難になった者との均衡考えなければならない点もございますので、慎重な対応が必要と考えております。  しかし、関係者の御要望にも配慮いたしまして、この制度の中で災害等によりまして主たる家計支持者を失った方々に対する高等学校への進学を援助いたしますための新しい措置といたしまして、昨年度から成績基準を弾力的に取り扱う特別な配慮をとり行っているところでございます。なお、今後とも、御趣旨に沿いまして、関係省庁あるいは関係者と十分話し合ってまいりたいと存じます。  以上であります。(拍手
  9. 藤田正明

    ○議長(藤田正明君) 上田耕一郎君。    〔上田耕一郎君登壇拍手
  10. 上田耕一郎

    ○上田耕一郎君 私は、総理所信表明に対して、日本共産党を代表して質問いたします。  まず、南ア航空機のこのたびの事故に対し、犠牲者と御家族の皆様に深い同情の意を表するとともに、政府に対し、繰り返される悲惨な空の事故防止について、特に国際協力についてどのように対策を強化されるつもりか、お伺いしたいと思います。大韓航空機事件についても、その後判明した点があれば報告していただきたい。  初めに、中曽根前首相の指名による竹下政権誕生という異例の経過についてであります。  あなたは、十月十五日、中曽根首相との四十分の会談で幾つかの密約を交わしたと観測されています。一体何を約束されたのか、国民の前に明らかにしていただきたい。  特にただしておきたいのは、平和戦略研究所の問題です。  総理は、記者会見で中曽根前首相からサゼスチョンを受けるとしましたが、どういう性格のものか、また、二百億から三百億円といわれる膨大な資金をどこから調達するのか、政府の外交政策といかなる関係を持つのか、答弁を求めます。  ことしの四月、アメリカ国務省に、アメリカにとって望ましい日本政権は、英会話能力などではなく、市場開放などを解決し得る政権であり、ずばり竹下登とするレポートが提出されていたというが、御存じですか。  こうした問題を質問せざるを得ないのは、内外情勢が大きな転機を迎えているとき、日本政権交代がもしもレーガン政権の要請や卑小な私利私略によって決定されるようなことがあれば、余りにも恥多きことになるからです。責任ある答弁を期待するゆえんです。  総理、あなたは大変な時期に政権につかれました。あなたが継承する中曽根政治とは連続大失政の五年間だったと思うからです。  第一は、軍事大国化です。安保体制はNATO並みの本格的核軍事同盟に強化され、日本の軍事費はついに米ソに次ぐ世界第三位となりました。  第二は、国民生活の悪化と産業空洞化です。臨調行革の大なたは、福祉教育から地方自治に及び、異常円高日本経済は極めて深刻な事態に追い詰められています。  第三は、大都市地価暴騰と環境悪化です。  総理は、これらの事実と中曽根政治の五年間をどう評価されるのか、言葉も意味も明瞭に述べていただきたい。  そこでまず、現代最大の問題である核軍縮について質問します。  この八日にはINF条約、中距離ミサイル全廃条約が締結され、さらに戦略核兵器の五〇%削減も前進するかもしれません。かつてない核軍縮の実現であります。ところが、驚くべきことに、所信表明演説はこのINF条約に全く触れませんでした。一体あなたは、被爆国の首相として、この世界史の流れをどうごらんになっておられるのか。目をふさいで中曽根軍拡を継承するつもりなのか。日米地位協定まで大改悪して米軍駐留費の肩がわりなど、もってのほかであります。来年度予算案で軍事費の大幅削減を断行すべきです。レーガン政権でさえ多少とも軍事費削減に向かわざるを得ない今日、被爆国で憲法第九条を持つ日本が大幅な軍縮を敢行することこそ、世界人類への貢献となるものであります。総理答弁を求めます。  しかし、核廃絶を目指す国際的運動はますます強化しなければなりません。なぜなら、INF条約反対派だけでなく、レーガン政権もあくまで核兵器に固執し続けているからです。シュルツ国務長官は、昨年十一月のシカゴ演説で、今後、航空機、巡航ミサイルという、アメリカがソ連に対し核の優位を保っている分野に力を注ぐと強調しました。特に日本は、ミッドウェー、トマホーク積載原潜、三沢のF16、沖縄基地と、アジアにおける最前線の一大核基地となっています。総理は、核軍縮の世界の大勢に背を向けた悲しむべきこの現状にどう対処しようとしているのか、あいまいでない答えをいただきたい。  この点でお聞きしたいのは、世界でただ一つ米空母の母港となっている横須賀の問題です。  米海軍は、一九九〇年代に、ミッドウェーを二つの原子炉、百個の核爆弾を持つ巨大なニミッツ級原子力空母に交代させると公表しています。池子の米軍住宅建設が強行されようとしているのもそのためです。総理は、横須賀を恒常的な対ソ核基地とし、厚木に爆音、三宅島にNLP、夜間離着陸訓練基地を押しつけているミッドウェーの、さらに放射能禍の危険まで生み出す原子力空母の横須賀母港化を断固として拒否すべきです。いかがですか。  環境庁長官は、世界の文化・自然遺産保護条約の趣旨からいっても、日本のガラパゴスと言われる三宅の自然、オジロワシの住む貴重な池子の緑をどう守っていくのか、決意をお伺いしたい。  中曽根内閣のもとで、日米軍事同盟は恐るべき規模と速度で強化されました。最近の日米共同演習は文字どおりの実戦演習です。国民の知らない間に、日本アメリカのたくらむ核戦争に巻き込む態勢と準備が進んでいます。  そこで、三十日に公表された外交文書に関して質問したい。  政府は、これまで否定していましたが、五二年の行政協定交渉における有事の際の日米統合軍と統合司令部設立についての口頭の密約の存在が明らかになったではありませんか。しかも、米側が八五年に公開した文書によれば、五二年七月二十三日、吉田首相自身がマーフィー・アメリカ大使、クラーク極東軍司令官に非公式会談で理解と同意を伝えています。ガイドライン、日米防衛協力のための指針のもとでの今日の日米共同作戦の本質にかかわる問題なので、これらの事実と経過を明らかにすることを総理に要求します。  こうした軍拡のために、福祉教育予算は無残に打ち切られてきました。早くも竹下内閣のもとで国民健康保険の新たな改悪が日程に上っています。  第一は、低所得者対象の福祉医療制度なるものをつくって国保から切り離すことです。これは四百七十万人に及ぶ人々の医療に耐えられない差別を持ち込むものです。  第二は、国庫補助に上限を設け、超えた分は自治体に負担させようという地域差調整システム導入です。全国の自治体の三分の一が大きな被害をこうむります。  これらは国保のレベルをさらに低下させ、地方財政法を踏みにじるものではありませんか。貸し借り問題は別にして、自治大臣はどう考えていますか。  総理は、所信表明で学校教育が基礎と述べましたが、その実情は御存じない。二十五学級以上のマンモス学校が小中学校だけでも全国で五千校も放置されており、校内暴力や非行の原因となっています。四十人学級の完了、さらに三十五人学級の実現も急がれています。大学の学費の高さ、高等教育に対する公財政支出が欧米諸国に比して著しく低いことは臨教審すら認めざるを得ない事実です。ところが、二十七日に公表された教育課程審議会の「審議のまとめ」では、戦後民主教育の根幹を揺るがす改悪を打ち出して、例えば中学校で習熟度別学級、つまり成績別クラス編成を導入しようとしています。さきに述べた実情のままなら、できる子、できない子の悲しい振り分けとなり、生徒間、学校間の格差を生み出す以外にないではありませんか。  さらに大問題は、社会科の解体とともに日の丸、君が代を学校行事に義務づけ、授業でも教えるなど日本人としての自覚を養うと、中曽根流の国家主義的道徳教育を強制しようとしていることです。時代錯誤の強引な戦後教育総決算に熱を上げるのではなく、文教費の大増額にこそ努力を集中すべきではありませんか。文部大臣答弁をお聞きしたい。  ところで、総理は、竹下内閣の初仕事として、恐らく中曽根前首相との最大の密約の一つである大型間接税の成立を公然と目指し始めました。アメリカの軍事費の肩がわりも急がされているのでしょう。来年秋までに、つまり通常国会後半か夏に召集する臨時国会に提出、成立させようというのです。国民をなめ切った暴挙と言わざるを得ません。  そこでお聞きしたい。  第一に、大型間接税は絶対にやらないという、中曽根前首相及びあなた自身の公約を平然と投げ捨てるのか。  第二に、連日問題になっている中曽根内閣の統一見解を、論議に先立って予見を与えないという新しいごまかしで白紙に戻したことは、大型間接税に三たび挑戦するフリーハンドを得ようとするものではないか。  第三に、新型間接税を焦点とする政府税調の審議を中止させ、多くの世論が要求している不公平税制の是正、すなわち六大商社のほとんどが一円も法人税を払っていないという外国税額控除制度、二京円、つまり一兆円の一万倍のことですが、二京円に達する株の売買にかかわる有価証券売買益非課税制度、さらに受取配当益金不算入制度、時価発行差益非課税制度などなど、もろもろの不公正税制の是正に直ちに着手すべきではありませんか。これらによる法人税の増収額は、富岡中央大学教授によると約四兆円に達します。  総理、こうしてあなたはロン・ヤスからロン・ノボルへと、とんでもない対米従属を引き継ごうとしています。そこで伺いたい。株の同時暴落とドル安進行の根源がアメリカの双子の赤字にあるとお認めになりますか。また、総理は、大軍拡と企業減税を同時に進めたレーガノミックスの完全な破綻を認めますか。なぜ、あなたは、八五年九月、G5でレーガン政権の要求を丸のみにしたのですか。急激なあの異常円高で輸出関連中小企業、下請中小企業がどんな被害を受けたかはよく御存じでしょう。その責任を自覚しておられるのかどうか、国民が最も聞きたいところです。  この大失政の結果、日本経済に起きた重大変化は、海外直接投資の激増、多国籍企業化の本格化、産業空洞化の進行でした。これは大倒産時代、大失業時代の到来を意味します。そして、世界経済の現在の混乱は、アメリカの双子の赤字が抜本的に改善されない以上、矛盾の一層の激化は避けられません。その際、日本経済は大打撃をこうむると警告されています。ところが、総理所信表明で、「時には国民の皆様に我慢をお願い」すると述べました。レーガノミックスの大破綻のツケをさらに引き受けるつもりなのですか。  ここで鋭く提起されている問題は、軍縮問題と同じように、従来の自民党の政策の抜本的な転換なのです。我が党は、真に自主的な政策の確立、大企業の民主的な規制、中小企業農業の本格的振興、減税と賃上げ、時間短縮など、国民本位の内需の根本的拡大という方向への転換が緊急に必要になっていると主張します。総理見解伺いたい。  今国会土地国会と呼ばれるほど、地価の急騰とその対策は焦眉の国民課題となってきました。今回の地価急騰の新しい特徴は、七四年が田中内閣日本列島改造論に基づく全国的なものであったのと異なり、首都東京から始まったことです。国際居住年を裏切って、お年寄りの住居を奪い、地域のコミュニティーを崩壊させる地価暴騰がなぜ生じたのか、その原因と責任をえぐり出さなければ的確な対策をとり得ないことは明白です。  国際金融都市東京の誇大な宣伝、中曽根内閣のあの無責任な民間活力導入政策と規制緩和、オフィスビル需要の過大な予測、過剰融資と大資本の猛烈な土地投機がその原因でした。  中曽根内閣は、口を開けば西ヨーロッパ並みを繰り返してきましたが、欧米諸国では絶対にやってはならないとされている国公有地の民間払い下げをみずから先頭に立って強行したのであります。総理はどう反省し、今後、旧国鉄用地を含む国公有地を、地価対策上、都市政策上どのように生かしていく方針なのか承りたい。  土地利用計画も、残念ながら、西ヨーロッパ並みとは何の共通点もありません。総理はNHKの土地問題の特別番組をごらんになったでしょうか。西ドイツでもフランス、アメリカでも、詳細、厳密な都市の土地利用計画が徹底した市民参加で決められており、どんな建築でも開発でも、住民の同意なしには行われません。ましてや、地上げなどは全くあり得ず、住宅、公園、緑地が国と自治体によって守られています。総理が「ふるさと創生」を掲げ、「大胆な発想と実行」というのであれば、全国の都市の由緒ある歴史的町並みを保存するためにも、国民の関心が土地問題に集まっているこの絶好の機会に、それこそ欧米諸国並み土地利用計画抜本改革を行う勇気をお持ちではないか。総理並びに国土庁長官にお聞きしたい。  最後に、盗聴問題について総理にお伺いしたい。  我が党の緒方国際部長に対する電話盗聴事件について、去る五月七日の参議院予算委員会で、山田警察庁長官は私に、警察は過去も現在も電話盗聴は行っていないと答弁しました。ところが、八月四日の東京地検の発表で、不当な不起訴措置を伴いつつも、複数の警察官による盗聴行為が明らかとなりました。山田長官の虚偽答弁は許すことができません。地検の発表でも、末端だけを罰するわけにはいかないと、警察の組織的犯行が認められています。それにもかかわらず、何の責任もとろうとしていない山田長官の罷免を私は要求したい。また、政府は、再発防止を約束されたが、具体的にどんな措置をとったのか、答弁していただきたい。あわせて、私の自宅に対する盗聴事件のその後の捜査はどうなっているのか、経過と結果を答えていただきたい。  既に強調したとおり、今、日本がどういう行動をとるかが、世界情勢に重要な影響を与える時代となっております。日本国民がその英知と勇気を生かして、平和、同権、民主主義の新しい国際秩序の実現に貢献すべきときが来ています。日本共産党は、国民とともに、中曽根内閣の戦後政治総決算路線を引き継ぐ竹下内閣の危険な政治と対決していく決意を表明して、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣竹下登登壇拍手
  11. 竹下登

    国務大臣竹下登君) まず最初は、南ア航空機事件、さらには大韓航空機事件についてお触れになりました。大変痛ましい事件であります。したがって、具体的な問題として、今それぞれ断定的なことを申し上げる段階にはございませんが、今後とも、国際民間航空機関を初め諸外国との協力を通じて、航空の安全のための施策を推進してまいりたいと、このように申し上げておきます。  それから次、中曽根前首相と何を話したか、こういうことでございますが、四十分間ということでございますが、私ども自由民主党の党則、総裁公選規程に基づく候補者となりましたのが、宮澤さんと安倍さんと私とでございました。その三人の間では十八時間ぐらい話をしましたので、四十分間の話を一つ一つ記憶しておりません。ともに国の将来にわたってお話ししたと信じております。  さて、平和戦略研の問題でございますが、先ほど塩出先生にもお話ししました。これは、本院議員である岩上二郎先生と、もう十年も前から、東洋における平和思想とか、あるいはいろいろな諸民族による平和思想の相違とか、そういうことからいろいろ議論したものを積み上げておりますが、さてそれを性格づけ、政策の中にどうして位置づけるか、こういうことになると、いまだ検討中の段階であるというお答えをするにとどめます。  それから、国務省レポートのことでございますが、これは承知しておりません。  中曽根政治五カ年間の評価、これは上田さんの評価と私の評価は非常な距離があります。が、いずれにせよ、戦後、今日、国際国家日本としてのいわば地位を内外に高め、そうしてまた、内政にあっては行政改革、さらには財政改革、これらを諸改革として推進されてきた。その中に私もまた大蔵大臣として、あるいは与党の幹事長として身を置いておったということを自分に振り返ってみますならば、政治家としても私の訓練のためにも大変適切なところにおったというふうな問題意議を持っております。  それから、INF条約に対する評価の問題でありますが、来たる米ソ首脳会談においてINF協定が署名され、交渉開始以来米国が主張し、我が国の念願でございましたINFのグローバルな全廃が合意されたこととなったことを心から歓迎いたします。  本件協定は、既存の核兵器を初めて削減するものでございまして、核軍縮の第一歩でありますが、今後、戦略核兵器の大幅削減のための米ソ交渉が進展することを心から期待しておる、まさに私は今日に至ったのが歴史の重みそのものであるという考え方に立っております。  それから、政府は従来から平和憲法のもとで専守防衛に徹して、非核三原則を守りながら、大綱に定める防衛力の水準の達成を図ることを目標とする中期防の着実な実施というものにまずは努力をしてきております。今後ともこのような考えのもとで節度ある防衛力の整備を図っていくという基本的な考え方はそのまま継承いたしております。  それから、駐留米軍経費の問題でございます。  米国がペルシャ湾を含め国際的な平和と安全の維持のためにグローバルな役割を果たしている状況のもとで、我が国の安全保障にとり不可欠な日米安保体制のより一層の効果的運用を確保する見地から、十月七日の政府・与党首脳会議におきまして、適切な対象について在日米軍経費の軽減の方途について米国との協議を行う旨を決定しております。政府としては、在日米軍経費の軽減の具体的な方途、これは今後慎重に検討していこうと思っております。  我が国の軍縮でございますが、我が国は、現下の国際社会の平和と安全が力の均衡により維持されておるという冷厳な現実を踏まえ、この均衡水準をできる限り引き下げるべく軍備管理、軍縮促進の重要性を訴えて今日に至ったことでございます。  他方、我が国の防衛力整備は、憲法及び基本的防衛政策を踏まえ、我が国が平時から保有すべき防衛力を定めた防衛計画の大綱に従って進めているものであることはたびたび申しておるところであります。  我が国は、今後とも、軍備管理、軍縮のために努力していくとともに、大綱のもと、本年一月の閣議決定に従いまして、節度ある防衛力の整備に努めていく所存でございます。  それから、日本はアジアにおける一大核基地というような御意見でございました。  米国の国防政策は抑止力を旨とする防御的なものとまず基本的には承知しております。また、安保条約により核を含む米国の抑止力に国の安全保障を依存することは、我が国のこれまた基本的な考え方であります。  他方、米軍による核の持ち込みは、これは事前協議の対象であることは言うまでもないことでございます。したがって、我が国が一大核基地であるという御指摘については、これは言語明瞭にその考えを異にする、このように申し上げておきます。  ミッドウェー原子力空母母港化のお話もございました。  政府としては、ミッドウェーを含む米第七艦隊の我が国周辺におけるプレゼンスの維持強化は、我が国及び極東の平和と安全に資するものというまず基本認識に立っております。  ミッドウェーの乗組員家族の我が国居住は、第七艦隊艦船として前方展開して、我が国の安全にとって大きな役割を果たしておる同艦の効率的運用に資するものであるという考え方に立っておるわけでございます。  それから、これは正確に申し上げなければならぬのは、日米統合司令部密約という問題がございました。  行政協定交渉における有事の統合司令部設置問題につきましては、今回公開された記録からも明らかなとおり、米側の統合司令部設置等の提案に対し、当時の政府はこれに一貫して強く反対し、最終的に行政協定第二十四条に一般的な協議条項を規定することで決着したものでありまして、密約といったようなものはありません。  なお、この問題は、昭和五十三年に策定されました日米防衛協力のための指針においても、自衛隊と米軍は緊密な協力のもとに、それぞれの指揮系統に従って行動する旨明らかにされているところでありまして、このことからも明らかなとおり密約といったものはないということを明確に申し上げておきます。  教育の問題については、これは文部大臣に譲ることにいたします。  さらに、選挙公約問題でございます。  昨年の選挙の際、国民が反対し、党員も反対するような大型間接税と称するものはやる考えもないとの前総裁の発言がなされました。確かに党員が反対するようなものをやる考えはないというのは当然のことであると思います。その後、抜本的税制改革の一環として売上税法案提案しましたが、さまざまな御批判をいただいて、結局、廃案となりました。  今後、間接税について検討していくに当たりましては、売上税法案について寄せられましたそれこそ各方面からの批判を十分に念頭に置きながら、幅広く世論を聞いて、国民理解協力が得られるような税制の確立という観点に立ってこれから成案のための努力をしなければならぬというのが基本的な考え方でございます。  それからさらに、前総理発言の取り扱いにつきましては、昭和六十年二月の中曽根総理の発言は、当時の税制論議の中において、時の内閣考え国民に明らかにしたものでありまして、私も当時の大蔵大臣でありました。したがって、重要な意味を持つものであるということは十分承知しております。  ところで、中曽根総理は、「多段階、包括的、網羅的、普遍的で大規模な消費税を投網をかけるようなやり方はとらないという立場でございますので、これに該当すると考えられるようなものは、中曽根内閣としてはとりたくないと考えて」いる旨答弁をされて、本年二月には、このような今の答弁をも踏まえながら重ねて検討して売上税法案を提出した。しかしこの法案をめぐってはいろいろな御批判がありました。結果としては、これは審議未了、そして廃案、こういうことになったわけです。  こうした経緯を踏まえて、竹下内閣としては、国民理解を得られるような税制の確立を心がけていこう、こういうことでございます。したがって、今、間接税の問題について論議に先立って予見を与えるということは、私は前々から、予見を与えるべきでないという考えはこの場でも何回も言ってまいっております。したがって、国会における各党各会派の意見はもとより、幅広く国民各層意見伺いながら、成案を得るべく努力していこう、これがまさしく正確なお答えであると思っております。  不公平税制の問題についてでございますが、これは本院においても議了していただきまして、有価証券譲渡益課税とか土地譲渡所得課税等課税の強化を図っておりますが、今後とも、各方面の議論を踏まえてこれは絶えず検討していくべき課題であると思います。  それから、レーガノミックスに対する批判、アメリカの赤字に対する批判、そうした御議論がございました。  最近の世界的証券市場及び国際通貨市場の動きをもたらした市場心理の背景の一つには、おっしゃるように、いわゆるアメリカの双子の赤字、これが存在しておるというのが一般的な認識であると私は思っております。  したがって、この原因はどこにあるかといえば、これまた御指摘のように、個人、法人を通ずる減税、そうして歳出の増加、こういうことの要因のもとにそれが広がっていった、こういう御指摘も私はそれなりにいただけるものであると思っております。  そこで、いろいろ御苦労の結果、赤字削減の基本的合意が米国政府と議会との間でできた。そうなれば、この削減努力を注視しているところであり、しかも、これが具体化していく、このようなことは推し進めていくべき課題であると思っております。  それから、円高等内外の厳しい経済事情のもとの、中小企業問題、また農業問題、そうしたことについても御議論がございました。そしてまた、私が一昨年九月二十二日のいわゆるG5に出席したことは事実でありますから、その責任についての御見解もございました。  これら円高による中小企業対策等につきましては、私どもはその後鋭意それぞれの対応をしておるところでございますし、また、G5そのものを振り返ってみましても、もしあのG5なかりせばということを考えた場合、またこれがあるいは保護貿易主義の台頭に拍車をかけたことであるかもしらぬ。しかし、それが急激であったということについては、それぞれの国内政策で我々が対応していかなければならない課題である。と同時に、基本的には、内需拡大政策というものについて、これは単なる量の拡大にとどめることなく、それが国民の暮らしに還元されていく、こういう考え方に立つべきものであると思います。  さて、地価問題についての御言及がございました。  これにつきましてはたびたび答えておりますが、いろいろな要因が複合的に重なり合ってきたものだと思っております。しかし、国公有地の処分等につきましては、公共的用途への利用要望がなかったもの、こういうことを前提に置きながら適切な対応をしておるということが言えると思います。  また、欧米諸国並み土地利用計画についての御意見がございました。  これは、いろいろな国柄の差異もございますが、その御意見は御意見として十分承らせていただきました。  それから、最後に盗聴事件でございます。  日本共産党幹部宅に対する事件については、東京地検において二名の者を起訴猶予処分としたと承っております。  警察の諸活動は、常に適法妥当に行わなければならないものであって、関係当局においては今回の事案を踏まえ、緊急の通達を発生するなどによって警察職務の適正な執行に一層努力しているものと承知しております。そこで、警察幹部の責任は、今申し上げた諸措置を徹底して行うこと、これこそ責任を果たすことである、このように考えております。  それから、最後の問題でございますが、お尋ねの件、上田さん自身にかかわる件でございます。  これは、現在検察当局において捜査中であるという以上の具体的なことは私は承知いたしておりません。  以上でお答えを終わります。(拍手)    〔国務大臣堀内俊夫君登壇拍手
  12. 堀内俊夫

    国務大臣(堀内俊夫君) 上田議員にお答えをします。  国立公園などのすぐれた自然や身近な緑を保全することの重要性は、私もよく認識しています。今後、自然環境の保全については、環境行政に課せられた課題として適切に対処します。(拍手)    〔国務大臣梶山静六君登壇拍手
  13. 梶山静六

    国務大臣(梶山静六君) 上田議員にお答えをいたします。  国保改革案の問題点についてでありますが、国民健康保険制度は、本来、国民保険の一環として、国の制度として設けられたものであり、国に基本的な責任があると考えております。  国保制度改革については、国保問題懇談会での今後の議論を注視してまいりたいが、自治省としては、単に国庫負担の一部を地方へ転嫁するというようなことではなく、国保経営の安定化に向けての制度改革を目指すべきものとの考えに基づき、対処してまいりたいと存じます。(拍手)    〔国務大臣中島源太郎君登壇拍手
  14. 中島源太郎

    国務大臣(中島源太郎君) 教育問題につきまして四点ばかり御指摘がございました。  まず、マンモス校の早期解消についてでございますが、これは教育指導上、あるいは学校管理運営上いろいろ問題点も指摘されております。過大規模校の解消につきましては、従来から市町村を指導いたしますとともに、分離新設に伴う用地取得等の補助などを行っておりまして、その解消促進をいたしておるところでございます。ちなみに、過大校は逐次解消されております。  過大規模校だけをとりますと、五十四年度の二千四百八十一校が、六十二年度現在では千二百三十一校となりまして、約半減をいたしておりますが、今後とも努力をいたしてまいります。  第二に、高等教育に対する公財政支出が少ないのではないかという御指摘でありますが、我が国の特徴といたしましては、どうしても普及率が高い、それから私学の割合が大きいという点で、一概に比較は難しゅうございますけれども、総じて高等教育への公財政支出は、国際的に見ますと、アメリカと並びまして低い状況にあることは事実でございます。今後とも、高等教育充実には一層努力をいたしてまいります。  それから、教育課程審議会の「審議のまとめ」についていろいろ御意見がございました。  このたびの課程審の答申は本年末いただくことになっておりますが、「審議のまとめ」につきましては、その内容を拝見しますと、二十一世紀を目指し、社会変化にみずから対応できる心豊かな人間の育成を図るということを基本的なねらいとしておるように承知いたしております。その内容としては、初等中等教育に係る教育課程について各般にわたる改善の方針が提言されておりますが、私どもは、いずれも適切な方向を示しておると理解いたしております。  政府としましては、今後答申を受けまして、さらに適切な対処をいたす所存でございます。  最後に、文教費の大幅増額について御指摘がございました。  時代の進展に対応し、創造的で多様な教育実現を目指して教育改革を推進いたしますことは、まさに国民が期待いたしておるところでございます。これに沿いまして、教育財政におきまして、文教施策の全分野にわたりまして臨教審の答申の趣旨に沿って教育改革を推進いたしますために資金の重点配分がされますよう努力をいたしてまいります。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣臭野誠亮君登壇拍手
  15. 奥野誠亮

    国務大臣(奥野誠亮君) 市民参加の土地利用計画につきましては、昭和五十五年に都市計画法が改正されまして、地区計画制度が創設されました。それによりまして、住民参加のもとに町並み保存などそれぞれの地域の特性にふさわしい計画がつくられ、これを都市計画として決定する仕組みになっているわけでございます。この策定が各地で進んでおるわけでございますが、さらに建設省では積極的な活用を進めておられるわけでございますので、御理解いただきたいと思います。(拍手
  16. 藤田正明

    ○議長(藤田正明君) これにて休憩いたします。    午前十一時五十七分休憩      —————・—————    午後一時二分開議
  17. 藤田正明

    ○議長(藤田正明君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  国務大臣演説に対する質疑を続けます。柳澤錬造君。    〔柳澤錬造君登壇拍手
  18. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 私は、民社党・国民連合を代表して、さき竹下内閣総理大臣所信表明に対して質問をしてまいります。  まず、南ア航空大韓航空事故によりまして亡くなられました方々の御遺族に対しまして、謹んでお見舞いを申し上げます。  さて、第一に、竹下内閣の基本姿勢国会あり方についてであります。  日本は主権在民の国家です。民主政治というのは国民の信頼なくしては成り立ちません。よく政治世界は一寸先がやみだと言われていますが、竹下総理もこの言葉をお使いになりますか。国の指導者がこの言葉を使う限り国民の信頼を得ることはできません。  今、国民政治に対する不信感は極めて強いです。それは国の指導者が平気でうそを言うからです。昔の人は、うそは泥棒の始まりと言いましたが、国の指導者のうそは国を滅ぼす第一歩です。政府がもっと誠実な姿勢をとり、この国会が本音で話し合いをするとき、国民は信頼してくれるでありましょう。  次に、政府国会国民のためにあるという認識に徹することです。そのことをお互いが肝に銘じて、この国会が名実ともに国権の最高機関として、それにふさわしい権威を持った国会とすることでありましょう。そのために、与党自民党は強行採決をしない、野党審議拒否をしない、この二点を与野党が合意して実行することでありましょう。これらの実現については総理の勇気ある決断と強力なリーダーシップが必要であり、その点、総理の御決意のほどを披瀝していただきたいと思います。  第二としては、当面の経済政策についてであります。  政府は、円について為替レートの安定に関するルーブル合意にもかかわらず進み、それが守られないで、今や百三十二円となっています。これをどのように判断しているのですか。これほど日本経済に、産業界に重大な影響力を持っているものはありません。OECDでは昨年の円の価値について、購買力平価で一ドル二百二十三円であるのに実績は百六十九円であり、これほどかけ離れている国は他にないと発表していました。今までの政府のようなやり方では企業は安心して経営ができません。今のような円高を放置しておくならば産業は崩壊していくでしょう。総理の言う為替相場の安定とはどのようなことをお考えになっているのですか。  為替レートというものは、仮に一ドル百五十円、一マルク七十五円とするならば、アメリカで二千ドルのサラリーマンと、西ドイツで四千マルクのサラリーマンと、日本で三十万円の給料をもらっている人が同じレベルの生活ができるということでありましょう。そこにレートを決める物差しを置くべきであります。政府はいかなる見解を持ち、一ドル幾らが妥当と考えているのか、国民の前にはっきり示していただきたい。それが言えないのであれば、税金も幾ら納めるかも自由化して、国民の意思に任せて成り行きに任すべきでありましょう。  次には、内需拡大で景気回復を急ぐことです。  確かに、昨年の貿易収支は千十四億ドルの大幅黒字となりましたが、これによって国民はどんな恩恵を受けたのでしょうか。何も受けていません。それどころか、円高にさせられ、不況の嵐に吹きまくられ、国民雇用不安と生活不安でどんなに苦しめられているか、総理は御存じでしょうか。むしろ、長期資本収支では貿易での黒字を上回る千四百四十九億ドルもの大幅赤字となっており、貿易で稼いだ利益はほとんどアメリカ経済のために貢献していることをなぜ明らかにし、そのことを主張しないのですか。この千四百四十九億ドルは日本円で二十三兆円であり、本年度一般歳出予算の七割に相当するほどの大きな額です。この資金を免税債などで内需拡大のために国内で活用したら今日の不況など吹っ飛んでいたでしょう。加えて、それだけ輸出にブレーキがかかり、逆に輸入は増大し、貿易収支もおのずと改善されたはずです。政府は、景気回復への緊急対策を具体的にどのように進められるのか、その具体策をお示しいただきたい。  第三としては、行政改革税制改革についてであります。  総理は、所信表明行政改革にはほとんど触れていません。なぜでしょうか。行政改革は、現業部門の電電、専売、国鉄などの民営化は実施され、一応の評価はできますが、行政部門はほとんど実施しておらず、道は半ばにも達しておりません。国家公務員も毎年四万人前後の退職者が出ているのですから、その補充を半分程度にすれば、それで数千億円の予算の節約になるのに、それをなぜ実行しないのですか。  また、民社党は、膨大な補助金の整理、一万件を超える許認可事項の整理についても、有効期限を付して、期限が来たらその存続の可否を検討して決めるというサンセット法の制定を主張してきていますが、これはぜひ実現されるべきものです。  総理、ここで竹下内閣としても第二臨調の行政改革路線を堅持して進む決意でおられるのかどうか、その点国民の前に明確に表明していただきたい。  次に、税制改革では不公平税制の是正を最優先すべきです。  私が理解できないのは、売上税が事実上廃案となるとき、与野党合意の上で税制改革協議会が設置されました。この協議会が何らの結論も出さないのに、政府の中で新型間接税導入論議しているのはどういうことなのですか。この前の売上税も、税金を取る政府の論理だけで決めてしまい、税金を納める国民立場を無視したので国民の総反撃を受けて廃案となったのであり、その反省もなくして新型間接税を口にすることは不見識なことです。  加えて、所得税減税で政府は一兆五千四百億円の減税をしたと公言しておりますが、マル優が廃止されたことによって増税となり、それを差し引くと減税は半分になってしまうのです。  また、政府は何かというと直間比率の是正を主張していますが、直間比率に適正な基準があるのでしょうか。それはないのです。確かに今は直接税七三%、間接税二七%となっていますが、アメリカは直接税九割、間接税一割でありますし、フランスは直接税四割、間接税六割というように、それぞれの国によって違っています。要は、配偶者の二分二乗方式の導入、サラリーマンにも確定申告の道を開くなど、税金を納める国民が納得して納めてもらえるような税制改革をして、国民がクロヨンというような言葉を使わないで済むようにすることであります。  さらに、税制で不合理なのは、厚生年金、共済年金などに課税することです。年金とは、一定年齢まで働いた方々に対して、長い間御苦労さまでした、これからは年金で余生を楽しんでくださいと感謝の心を込めて差し上げる性格のものであり、労働の対価として支払う給料とは違います。  これら不公平税制改正を勇断をもって実行すべきであると思うのですが、政府の御見解を求めます。  第四としては、土地問題であります。  政府土地対策は何とも手おくれの感がいたします。私が春の予算委員会で、土地の異常な値上がりに対して、土地臨調をつくって地価抑制の緊急対策を立ててはどうかと提言しましたが、当時の中曽根総理は、「そうにわかにイエスと言えない」と答弁していましたので、ますます悪質な土地転がし、地上げ屋が横行して、今日の実態を招いたと言えましょう。大体、三・三平方メートル、一坪に一万円札を並べても二百七十枚しか並ばないのです。それがどうして坪一億円というような値段がつくのでしょうか。このような土地を購入して成り立つ商売などあるはずがありません。  ジェトロが本年一月調査したものによりますと、一戸建ての分譲住宅の価格が、ニューヨークで、都心までバス六十分の地点で、土地が九百平方メートル、二百七十三坪で、建物が百五十平方メートル、四十五坪あって三千九百万円なのです。東京なり大阪でこれだけの広い土地のある住宅がこの値段で買えるでありましょうか。それこそ何億になるのか、けたが違いましょう。  土地というのは、商品のように生産ができないのです。それを商品同様に売買するのを政府が放置しておいたからであって、その責任は極めて重大であると言わざるを得ません。  行革審が十月十二日中間答申を出しました。その中で、現行の制度を最大限に活用して、地価の鎮静化のため、各省庁の縄張り根性を捨てて、時期を失せず果断に対処せよと答申しており、政府はこれを閣議決定したはずです。土地対策は緊急性を要する問題であり、政府は具体的にどのように対処し、実行していく所存なのか、そのプロセスをお伺いします。  また、東京の住民で、自分が死んだら子供たちは相続税が納められないので、今住んでいる家を売って相続税を納め、どこかのアパートに住むことになろうと思うと、死ぬこともできないと訴えてきています。こんな残酷な話がありましょうか。このようなことにならないようにするのが政治であり、行政の使命というものでしょう。  この際、明年の固定資産税の評価がえを取りやめ、固定資産税も相続税も現在のままで三年間凍結するくらいの決意を持って取り組むべきであると思うのですが、政府の御所見を求めます。
  19. 藤田正明

    ○議長(藤田正明君) 柳澤君、時間が超過しております。
  20. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君(続) 最後に、総理、かつて日本経済の発展のために大きな貢献をなし、今日の経済大国を築き上げた多くの産業が、企業が、その労働たちが、今、瀕死の状態に置かれ、苦しみ、あえいでいるのです。これに対してどう対処されるお考えでしょうか。構造転換の一語で済ませるような性格のものではありません。  私は、額に汗してまじめに働く人々が、安心して生活ができて、幸福になり、日本人として誇りを持てるようにするのが血の通った生きた政治であると思うのです。総理、違いますか。  これについて、竹下総理の御見解というよりも、心のこもった御心情、御決意のほどをお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣竹下登登壇拍手
  21. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 民主政治の基本姿勢に関する御意見につきましては、まことに示唆に富むものと拝聴いたしたところでございます。すなわち、国民政治に対する信頼を得るため、政府は誠実な姿勢をとって、国会が仰せのとおり本音で話し合いをすべきであるとの御指摘は、かねて申し上げておる誠実な実行にもつながることであると思っております。  また、国会運営につきましても、私は多数決が議会制民主主義の原則であるということは十分承知しております。と同時に、少数党の意見を十分に聞いて、これを国政に反映させることの重要さを片時も忘れてはなりません。野党の皆さん方との間では、胸襟を開いて、合意を得るべくぎりぎりまで話し合いを続けていくという姿勢であるべきでございます。ちょうど二十年から十五年前、強行採決等がたびたび行われた当時でございますが、必ずその後の収拾の申し合わせとして、強行採決は慎む、審議拒否はしない、こういう申し合わせをしたときに、大変うつろなものをその都度感じた経験を私は持っております。基本的には、対話と協調の中にこそ進歩があって、対立と抗争の中には憎悪を増すのみであって、何ら実のあるものはないと、このように考えております。  さて、次の為替レートの問題でございます。  変動相場制のもとでは、市場における通貨の需給を通じて、為替レートが経済の基礎的諸条件を適正に反映しながら安定的に推移するのが望ましい姿でございます。  したがって、為替レートにつきまして一定適正水準を想定するということは、これは率直に言って難しい問題でございます。今おっしゃいましたように、物差しとして購買力平価、これも私どもも今日まで随分議論してみました。しかし、それらの算定基準というのが、またこれは大変難しいものでございます。したがって、物差しとして購買力平価を置くということは、心の中の物差しとしてはあり得ることでございましょうが、正確な定量的数値としては難しい、このように私は考えております。  そこで、為替相場安定の問題につきましては、基本的に経済の基礎的諸条件、すなわちファンダメンタルズが適正に反映して、為替レートが安定的に推移することが最も好ましいということになりますと、主要国間におきます政策協調と為替市場へのたゆまざる、何と申しましょうか協力姿勢、こういうものが基本的にあるであろうと思います。  それから、黒字と景気回復の問題でございます。  政府は、内需を中心とした景気の積極的な拡大等を図りますために緊急経済対策を着実に今日実施中でございます。  我が国経済の現状を見ますと、内外金融市場に不安定な動きが見られますものの、個人消費が堅調に推移しまして、民間投資、公的投資ともに増加するなど、国内需要は引き続き増加しておりまして、景気は着実に回復しつつあると言えると思います。  加えて、雇用情勢地域間格差、業種別格差等はもとよりございますが、総じて見れば改善の方向に行っておる。それから、経常収支の黒字幅は引き続き前年水準を下回っておりますが、依然として大きな対外不均衡の是正を図るために、米側に対しても財政赤字削減の問題と、そうして輸出拡大勢力、この重要性を絶えず指摘しておるところでございます。今後とも、主要国間のいわば協調的な経済政策の実施、これが大切であるというふうに考えております。  そして、今の御議論は絶えず御主張なさいますISバランス論等を含むものであると思いますが、今御指摘のとおり、結果として、アメリカ等に対する資本提供国としての役割を果たしておるということは私も否定するものではございません。  それから、次が行革でございます。  これは、私はいつも思いますように、国鉄、電電、専売、今までそのほかに電源開発株式会社、東北開発株式会社等が総裁と銘打っておりまして、二十七ございました総裁が五つ減りまして今二十二になっております。だから、これらの大仕事がいわゆる民営化という名においてできたのだから、これで済んだと、こういう感じになるのが最も危険であるとかねて自分自身にも言い聞かしておるところであります。したがって、行革路線を踏襲するという考えは御説のとおりに私もありたい、このように思っております。  そこで、欠員の半数不補充の御指摘等がございました。  行政改革等で国家公務員がいろいろ言われておりますが、本院においても御賛同いただきました総定員法と行政組織法、この二つがいわゆる公務員制度の基本にある問題であるというふうに私はいつも思っております。したがって、総定員法の枠というものの中で非常に合理的に定員管理を行う必要があるのではなかろうかというふうに考えております。  過去二十年間、七次にわたる定員削減計画の推進をしまして、総計二十万人の削減、差し引きでも三万一千人の純減、こういうことが数字の上で出ておるわけでございます。  それから、補助金のサンセット化。  これも絶えず御指摘いただいておる問題でございますが、確かに今日まで整理合理化の一環として終期の設定に努めてきておるところでありまして、今後もこれは積極的に推進したいと思います。  ただ、サンセット法という法を制定すべきだ、こういうかねてからの御意見でございますが、これはあらかじめ廃止期限を付することが行政の安定性の面から見て困難な面もまた一方にございます。  そこで、政府としては、先般、すべての許認可について一定期間ごとの見直しを行う旨を各省庁間で申し合わせまして、定期的見直しを具体化することによって今の御趣旨のようなことを生かしていくという考え方であります。  次が地方出先機関の廃止問題でございます。  地方出先機関は、国が行うべき事務を現地的に処理するために設けられたものであります。これらについては、既に必要性がなくなったので、逐次廃止せよとの御指摘については、国と地方との任務分担、財源配分のあり方、それから広域行政への対応必要性等の基本的問題と住民の利便、これらが検討されるべき問題でありますので、言ってみれば、全部一律的に現地処理のために設けられたものをなくしていくということについては、やはり問題点が多過ぎるというふうに考えておるところであります。  行革路線、これは申すまでもなく引き続き堅持してまいります。  それから税制改革の点について御意見がございましたが、これは政党間の話し合いと申しましても、私、当時、自由民主党幹事長でございましたので、私もそれをお受けした一人でございますが、今、行政府の責任者という立場に立ちますならば、その組織、運営等について行政府立場からの見解を申し述べるということは、差し控えさしていただきたいと思います。  ただ、今日まで税制協議会が果たされた役割、そして、その前は大蔵委員会小委員会でございますとか、いろいろ国会の自主的な考え方において設けられたそれぞれの各党間の話し合いのものが前向きの結論を出す大きな環境整備のために役立ったということは、私も体験上評価しておるところであります。  それから、不公平税制の是正問題でございますが、税負担公平確保は、税制に対する国民理解協力確保する上ではまことに不可欠なことであります。だから、先般、有価証券譲渡益課税の問題、土地譲渡所得課税の問題等、本院におきましても通過、成立させていただいたところであります。しかし、税負担公平確保ということは、絶えずこれは気をつけていなければならぬ問題であるということは十分承知いたしております。  それから、土地対策の基本姿勢でございます。  土地臨調というような御提案がかつてございましたが、それがいわゆる行革審に諮問して、そして答申をいただいたということに結果としてはなっておるわけであります。したがいまして、その御提案は結果としては生きておる、このように御理解を賜りたいと思います。  それから固定資産税の問題。  これにつきましては、三年に一度、資産価値の変動を勘案した評価額の見直しをすることによりましてその評価の均衡負担の公平が図られるものであって、昭和六十三年度において評価額の見直しを行わないとすることは、評価の不均衡負担の不公平を生ずることでありますので、これそのものは行わしていただく、こういうことであろうかと思っております。  それから定数是正問題は、あらかじめ質問通告いただきましたが、質問の段階で御省略になりましたので、機会を別に答えさしていただきたいと思います。  最後の点につきましては、まことに日本は戦後大きく発展してまいりましたが、経済的発展に比較して国民一人一人が豊かな生活を送っておるという実感に乏しいというのも、おっしゃるとおりでおります。額に汗してまじめに働いた人々、この方々がまさに今日の経済発展の根源であって、私は、政策がよかったからなどということを申し上げるよりも、そういう方々に感謝してこそ今後の政治の上に政策そのものが生きていくことである、このように理解をしております。  以上でお答えを終わります。(拍手)    〔国務大臣宮澤喜一君登壇拍手
  22. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) 変動相場の問題につきましては、ただいまも総理大臣がお答えになられましたが、固定レートでありません限りは需給関係を通じて相場が決まる。現実の問題として、いわゆる購買力平価から離れるということは、どうも現実にはやむを得ないということであろうと思います。ただ、言われましたように、変動相場が非常に大きく変わりますと、現実に国民生活に大きな影響を与えますし、また、企業にも大変な影響を及ぼす。結びに言われました、戦後の我が国をつくり上げた産業及びそれに携わる人々が今非常な苦しみをしていることを知っておるかというお尋ねも、その関連でおっしゃったことは、もうまさにそのとおりだと思います。  したがって、各国がいわゆる政策協調をやり、そうして必要があれば介入をするということで、大きな激変がないようにということに努めてまいっておるのは事実でございますけれども、現実の問題として、時として、そのような努力が十分に効力を発揮しないこともございます。また、現に、ただいま米国の株式暴落以来の事態というものは、各国の努力にもかかわらず相場が落ちついているとは申しがたい。それは認めなければならないことでございます。  しかし、変動相場のもとにおきましては、黒字国は黒字国、赤字国は赤字国としての政策上求められているところをやっていく、その間の協調を図るということが基本であり、また、必要があるときに、現にそうでありますように介入をしていくということ、それを強化するということがこの制度を維持する、それ以外に有効な方法というものはなかなか考えにくい、それに徹していくということがただいま大事なことではないかというふうに考えておりまして、ただいまの事態に対しましても、非公式には毎日各国の間で協議を続けております。  次に、税につきまして幾つか具体的なお尋ねがございまして、直間比率というものが本来こういう率であるべきだという適正な基準があるわけではないだろうと言われますことは、おっしゃるとおりだとは思います。  ただ、我が国の場合について申しますならば、所得税について先般国会で御議決いただきましたが、なお相当の重税感が残っている。あるいは法人税について言えば、このごろは本社を世界のどこにでも置けるということでございますので、諸外国との税率の比較ということも大事な問題になってまいりました。その点について申しますと、我が国の法人税はまだ相対的には高いと申さなければならないと思います。  それから、他方で間接税の側について申しますと、物品税等々長年やってまいりましたが、大変に対象物品が限られて、しかも、わずかの品物に非常に大きな負担をさせているというような大変にゆがんだ現状になっております。それがまた貿易摩擦で云々されたりもいたします。  あれこれ考えますと、我が国のようにかなり所得水準が高く、しかも所得格差が少ない国でございますから、将来の高齢化社会展望いたしますと、社会の共通の負担は広く、薄く国民に今から背負っていただく、そういう制度をつくっておくということは大事なことではないか。結果といたしまして、今の七十幾つ対二十幾つという直間比率が、その範囲で是正されるということは必要なことではないかというふうに考えておるわけでございます。  それから、次のお尋ねは、所得税減税をやったようであるが、実際にはマル優の廃止をしたので、その減税の効果はどうなったのかということでございました。  六十二年度の所得税減税は一兆五千四百億円でございますが、他方で、マル優の改組の効果は平年度になりますと一兆円ほどの増収になると思われますが、それにはなお五、六年を要すると思われます。したがって、ただいまのところ、はるかに減税効果の方が大きいということになりますが、将来、このマル優の改組が全部フルに効果をあらわしました場合の試算をいたしてみますと、これは標準世帯モデルをとりまして試算をいたしたわけでございますが、勤労者世帯の平均の場合の年間収入、それから勤労者世帯の平均の貯蓄、夫婦子供二人という前提で試算をいたしますと、所得税減税、住民税減税によりまして大体十万円強の負担減でございますが、利子課税の見直しによりまして四万円弱の負担増になります。したがいまして、平均的にはなお六万円を上回る負担減となる。これは平均のことでございますが、そういう試算を持っております。  それから、二分二乗についてもお話がございまして、これは確かにそういう考え方を私どもも一生懸命検討いたしましたが、二分二乗をいたしますと、どうしても共稼ぎの世帯の方が相対的には損になるわけでございますから、女性が社会進出をして所得を得るという立場から言いますと、どうも二分二乗という制度はそれを抑える結果になるという御意見がありまして、配偶者特別控除等あるいは実額控除等を導入することにいたしたようなわけでございます。  次に、厚生年金の課税は、これは要らぬことではないかというお尋ねがございました。  この点は、いわば原資であります社会保険料をいただいておりますが、これはその支払いの段階で全額、御承知のように所得から控除されております。したがいまして、年金が支払われますときには、今度それに対して応分の所得税をいただくということは、それ自身は間違っていないと思いますけれども、ただ、現実に老齢者年金等の公的年金、お年寄りになられましたときにだんだん所得を得られる手段が小さくなってくる。そういう場合には何かのことが必要だろうということで、九月の税制改正におきまして、公的年金等の控除を新たに設けまして、控除額を引き上げたというような経緯でございます。  それから、最後に相続税のことについてお尋ねがございまして、これは確かに深刻な問題になっております。三年間ぐらい据え置いたらどうだというのは、ある意味で比喩的に言われたのかと存じますが、実際問題といたしまして非常にきつい負担になっております。  ただ、現行の制度昭和五十年に改正されたままでございますので直さなければなりませんが、これは相当大幅に直さなければならないであろうというふうに考えておりまして、税制の抜本改正では所得消費資産、みんなのバランスをとりながら改正考えるということを思っておりますので、これだけ大幅な改正になりますと、暫定的に行うよりは抜本改正と合わせて行った方がいいのではないかという意見が相当強くございまして、ただいま各方面で検討をいたしてもらっております。  なお、先々改正になりました場合には、これは立法のやり方によりましてある範囲での遡及をする、さかのぼって軽減が適用できるようにいたすことは必要なことではないかと考えております。(拍手)    〔国務大臣田村元君登壇拍手
  23. 田村元

    国務大臣(田村元君) 柳澤さんにお答えをいたします。  ただいま総理が申しましたとおり、我が国経済は、全体としては確かに着実な景気回復局面にございます。しかしながら、輸出型産地、企業城下町等の景況には依然としてはかばかしくない面が見られます。  このために、政府としましては、御承知のごとく、六兆円を上回る財政措置を伴う緊急経済対策の着実な実施によりまして内需の積極的拡大を図りますとともに、産業構造転換円滑化臨時措置法などに基づく各種の事業転換対策地域活性化対策雇用対策を講じているところでございます。  今後とも、高目の成長を持続しながら、内需主導型の経済成長を確保していく観点から、通産省としましては、地域活性化、それから技術開発の推進、内需型新規産業の育成等の施策の推進に努めまして、景気の持続的拡大を図ってまいる所存でございます。(拍手)    〔国務大臣奥野誠亮君登壇拍手
  24. 奥野誠亮

    国務大臣(奥野誠亮君) 土地対策実行のプロセスについてのお尋ねがございました。  ただいまは十月十六日に閣議決定されました緊急土地対策要綱、これを各省庁挙げて着実に実行することにあると、努力を重ねているところでございます。これを担保するものとして、総理大臣を座長とする土地対策関係閣僚会議を設けまして、これに対応しているところでございます。  数々の御意見、今後の留意すべき課題だと真剣に受けとめてまいりたいと思います。(拍手)     —————————————
  25. 藤田正明

    ○議長(藤田正明君) 上野雄文君。    〔上野雄文君登壇拍手
  26. 上野雄文

    ○上野雄文君 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、竹下総理大臣初め関係大臣に質問をいたします。  最初に、地方自治の問題から入ってまいりたいと思うのです。  私は、去る十一月六日に発足した竹下内閣の閣僚名簿を見てみますと、総理以下二十一名の閣僚の皆さんのうち、知事や市長、県会議員あるいは政令指定都市市会議員などの経験をお持ちの閣僚が半数近い十名もいらっしゃいます。そして、自治事務次官の経験をされた方も加えますと、過半数なのであります。実は私、竹下内閣中曽根内閣の政策を引き継ぐとかどうかということは別にいたしまして、これは地方自治問題に関して大いに期待を持ってもいい内閣になりそうだわい、こういうふうに思ったのです。したがって、今度所信表明演説を聞いておりまして、何かそこに触れられるものがあるのかなという期待をしておりました。  ことしは、ちょうど地方自治法が施行されて四十周年、日本に自治制が施行されましてからちょうど百年の記念すべき年だということで、その記念式典も行われたわけであります。その席上の竹下総理の祝辞を見てみますと、「我が国地方自治は、国家の発展と国民生活水準の向上に多大の貢献をしてまいりました。これもひとえに、関係者の並々ならぬ御労苦と国民の皆様方の御協力のたまものであると、深く敬意を表するものであります。」とお述べになりました。そして、「今後とも、地方公共団体の自主性と自律性を基本として、それぞれの地域の発展と住民福祉の向上のために、関係者各位が一層の御尽力をされることを念願いたしますとともに、併せて我が国地方自治の伸展と我が国勢の発展を祈念」いたします、こう結ばれておられます。  同じく自治大臣も、「わが国の地方自治は、社会経済情勢の変化」と「地域社会の変貌の中で、多くの困難」を乗り越えて「今日までよく成長、発展を遂げ、いまや地方自治は、国民生活に完全に定着するに至っていると考えられます。」、こうおっしゃっていられるわけであります。  私は、この総理大臣や自治大臣の祝辞、式辞は、まさにみずからが地方自治の第一線でいろいろと御苦労されてこられたそういった方々の言葉だなとしみじみ思ったわけであります。したがって、先ほど申し上げましたが、所信表明の中で「地方自治」という文言が出てきてもいいのではないか、こう思ったのでありますが、残念ながら一言半句もないのであります。いささかがっかりいたしました。  しかし、私も少しはと思って探してみたのですが、外交政策の後段で、「各地方において多様な分野の人々が直接外国と交流する等の草の根外交といったものも活発化すること」、さらに、「第四次全国総合開発計画等による国土開発に、いわば「こころ」を吹き込み、地域の知恵と情熱を生かし、潤いのある町づくりや活力のある村づくり、」というくだりがございました。強いて言うならばこの辺かなと思うのです。  しかし、これらは、聞きようによっては新たな仕事をやってもらいたいということでありますから、地方に対する負担だろうと私は考えたくもなるのであります。ただ、私の勘ぐりでありますが、後ほど申し上げますが、中曽根内閣行政改革地方への財政の負担転嫁のし通しでありました。ですから、今度もそのことをやらないわけにいかないから、そのことに触れるのは避けようという、そういう魂胆があったのではないかと私は勘ぐりたくなるのであります。いかがですか。  総理が所信を述べられたその日に、ある新聞は、地方の財政が好転してきた、「地方税収の好調で不交付団体は補助金削減」「交付税上乗せ分圧縮 大蔵省方針」、こう書いてあるのであります。  中曽根内閣時代に、「地方行革」の名のもとで相次ぐ補助金の削減をし続けてまいりました。総理もこの問題で、当時大蔵大臣でしたが、私と特別委員会でいろいろやりとりをしたことは御記憶にあることと思うのです。少し地方の財政好転の兆しが見えできますとすぐに地方の財政に手をつける、こういうやり方を総理はこれからもおやりになろうとするのでしょうか。私はそのことをお尋ねしたいと思うのであります。  さらに、地方の問題と不可分の問題として、今、国民健康保険の問題が起こってまいりました。国民健康保険の問題については、きのう我が党の対馬質問でも指摘いたしましたけれども、退職者医療制度導入のときの厚生省の見込み違いによる未措置分一千億円がそのまま放置されています。そして、これを放置したまま現行制度をいじくって、福祉医療制度の創設と言いながら、都道府県及び市町村に対してそれぞれ九百五十億円、さらに地域差調整システム導入と称してそれぞれ六百億円、合わせて三千百億円もの新たな負担を強いようという考えが出されております。  これに関して、関係団体、とりわけ地方六団体からは、低所得者自身の負担と給付の改善がほとんど行われない、そういう状況であるだけに、ただ単に地方負担を転嫁する、そのために制度をつくるというふうな指摘もされています。医療の適正化の問題、増高する医療費の問題について地方自治体はどのような権限があるのですか。そのことに対して全く手を出せない自治体に対して金の負担だけを強いるというやり方は、許すことができないじゃありませんか。これは厚生省、とりわけ国の責任、これの放棄と言ってもいいものでありまして、私は、老人保健医療費拠出金の見直しは、単に国庫負担率を引き下げるために地方負担を転嫁するとしか言いようがないと思うのであります。  また、自主的に運営しております健康保険組合や共済組合、とりわけ健康保険組合は、老人保健拠出金の激増に今や存立の危機にさらされています。十一月十二日の健保組合全国大会の決議でも明らかではありませんか。  これら国保、健保組合は、いずれも保険税や保険料を限度いっぱいまで徴収しているのでありまして、増高する医療費に対して何の権限も有効な対抗手段もない、医療費の支払いのためにのみ機能している状況を率直に認めていただきたいということであります。  さらに、ここで浮かび上がってくる幾つかの問題があります。  一つは、国と地方役割分担の問題でありまして、行政的にそれぞれの責任が明確にされていながら、財政問題についてはなぜかいつの間にか覚書の交換、しかも守られない覚書、そういうものを織りまぜながらいつもうやむやのうちに地方負担が転嫁されていってしまっている。きのうの我が党の対馬質問でも、総理制度の見直しが必要という前提で、またもや国と地方役割分担の問題を持ち出してまいりました。ただ、少しく違うなと思うのは、地方公共団体の意見を聞いて対処したい、こういうふうに言われました。今後どうされるのでありましょうか。  去る十一月二十六日のことでありますが、国民健康保険危機突破全国大会というものが予定をされましたが、何かこれが急に取りやめになってしまいました。ある人は、これは厚生省の圧力によって内部の全体の意見をまとめることができなくなった、そのことが原因だと、こう言っています。こういうやり方も織りまぜながら地方へ転嫁をさせるという暴挙をやろうとするのでありましょうか。私は許すことができないことなんだというふうに思っているわけであります。  こういうものは、総理地方公共団体の意見を聞いてと述べられたわけでありますが、本来、国が地方に転嫁をするのですから、国から地方へのお願いなんですね。お願いは、お願いされた方が断れば、そこで取り下げざるを得ないというのがお願いじゃありませんか。私は、そういう立場でこの問題を考えていただきたいと思っているわけであります。今までの余りにも安易な地方へのツケ回しが、結果として、かつて新聞に出た、厚生大臣が自治大臣に貸しがあるからこの話はつくのですと、そういう安易な考えがはびこる下地になってしまっているのじゃないかということを私は本当に心配している一人なのであります。  これらのことについて総理大臣や厚生大臣から、そして自治大臣からは地方財政の現状とそれについての御認識、こういうものをお聞かせいただきたいと思うのであります。  特に、老人保健医療費導入のとき、あの見込み違いによる二千億のうちの一千億が残っているわけです。今度は、厚生大臣はそれを解決すると言っていますが、今三千億の負担を持ち出したときに、一千億の問題を決めたからこれを出せというようなやり方は勘弁できないと私は思っていますが、そういう点についてもお聞かせを願いたいなと思います。  さらに、もう一つ問題点として出てまいりますのは、負担の問題であります。税制改革論議がされておりますが、間接税という話でありますから、今は直接税と同じように国保、さらに健康保険の問題で保険料を目いっぱい取られています。数字を一々申し上げると時間がなくなりますから、私は、皆さん方は既に御存じのとおりでありますから、あえて申し上げません。間接税議論だからといって、この現状を含めて議論をしないということにはなりますまいと私は思うのです。その辺のことについてのお考えもお聞かせをいただきたいと思います。  さらに、もっと大事なことは、高齢化社会の到来に備えてということが、今日、政治の問題を議論する場合に、あるいは財政の問題を議論する場合に必ずついてまいります。私は、お年寄りが今生きていることがこんなにみんなに迷惑をかけるのかな、現代版うば捨て山の話が出てくるような状態をつくり出しては大変だというふうに思っているわけであります。こういったことを真剣に考えるべきではないかというふうに思うわけでありまして、今お年寄りの方々が健やかに老いようなどということを言いながらも、そして、あのゲートボールの集会の集まりの状態を見てみれば、あの姿を我々は目の当たりにしながら、このことを真剣に考えてみる必要がありはしないかというふうに思っているわけであります。  さて、私自身も関係しているといいますか、議会の場で関係しておりますが、郵政大臣にお尋ねをしたいと思うのであります。  先週の日曜日でしたか、大臣のテレビ対談を見ていましたら、国際関係における日本役割について述べておられました。国際感覚から見て、まさにそのような役割もあるというふうに感じたわけでありますが、それから三日後の新聞によりますと、簡易保険、年金の外債投資について「円高で評価損三千億円」、こういう見出しが出ておりました。大変なことであります。百十年余に及ぶ郵貯、七十年に及ぶ簡易保険の果たしてきた大きな役割は、財政投融資、地方自治体への起債の原資として今後も増すことはあっても減ることはないと思うのであります。こういう問題についての大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  最後に申し上げたいのでありますが、けさNHKのテレビを見ましたら、宇野外務大臣のガットの問題についてのNHKのインタビューに答える報道がなされました。ヤイター通商代表との間では不調に終わったけれども、今度は各国の皆さんと会うことができたのは成功だというのであります。成功だ成功だというお話がブラウン管を通じて目に飛び込んでまいりましたが、成功であれば、何かいい話が農林大臣の手元に届いたのかなとも思うのでありますが、午前のお話でありますと、どうもそういうお言葉がなかったのであります。私は、何か幻想を振りまくようなああいう報道でありましただけに、あれだけ農民の方々が必死になっている問題でありますだけに、私はその実態というものをこの場を通じて国民の皆さんの前に明らかにしていっていただきたいということを申し上げて、私の質問を結ぶ次第であります。  オーバーしましたことをおわび申し上げます。(拍手)    〔国務大臣竹下登登壇拍手
  27. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 上野さんの御質問でございますが、それぞれ厚生、農林、郵政、自治等詳しくお答えをすることにいたしまして、私からは、私の地方自治に対する考え方等について基本的なお話をまずお答えさしていただきます。  確かに、過去の所信表明演説を私もひもといてみましたが、昭和六十一年の四月の本会議における中曽根内閣総理大臣所信表明演説にも、「地方自治は民主政治の基盤」であると、こういうことがうたわれております。しかし、私に対しましては、過去の私との一問一答等を通じての感想をお持ちながらの御質疑でありました。私が「草の根外交」というような言葉を使いましたのは、我が国と諸外国の地方自治体間での姉妹都市交流でございますとか、そうしたことを念頭に置いたからでありますし、また「ふるさと創生論」そのものがまさに多極分散型の国土を形成しようという国土づくりの考え方と一致しておるというふうに基本的には考えておるところでございます。  そこで、私自身当時の考え方を思い出してみますと、要するに、私自身は国と地方とは車の両輪である、こういう基本的な考えに一つは立ってたびたびお答えを申し上げたこと、それから当時の古屋自治大臣との幾重にも御質問にありました覚書の存在ということ、要するに、私はマクロの立場から地方財政と国の財政を比較しがちであり、上野さんはどちらかといえば、個々の町村の実態を踏まえてそういう議論を展開されたというような空気は鮮明に私は記憶しております。  しかし、基本的に地方自治の認識というものはまさに民主政治の基盤であって、内政のかなめである。そうして、人口の高齢化、高度情報化、国際化等、社会経済情勢の変化に的確に応じながら、それこそ多極分散型国土の形成を図るためには地方公共団体の果たすべき役割はますます重要であるという認識の上に立って、いやしくも、それが地方自治への負担転嫁である、こういうような上野さんの御懸念には反するような方向で物事を進めなければならぬ、こういうふうに基本的に考えておることをまず申し上げておきます。  さらに、間接税論議社会保障の問題でございますが、いわば健やかに老いていくというお言葉でございましたが、けさのテレビも美しく老いていくという言葉も使われておりました。が、いずれにせよ、この高齢化社会というものの到来、これに対して少なくとも安定的な財源というものを確保しなければならぬという共通認識は、昭和五十四年の十二月、本院において行われました財政再建に関する決議のときから各党ともひとしくしておるではなかろうか、こういう基本的な考え方に立っております。  残余の答弁は各閣僚から申し上げます。(拍手)    〔国務大臣藤本孝雄君登壇拍手
  28. 藤本孝雄

    国務大臣(藤本孝雄君) 国民健康保険についてのお尋ねでございますが、本格的な高齢化社会の到来を控え、その長期的な安定を図ることが急務となっております。そのためには、国と地方とがそれぞれの立場協力していく必要があり、地方にも一定役割負担をお願いしたいと考えているところであります。  この問題については、現在、国保問題懇談会におきまして精力的に御議論をいただいているところであり、今後とも、地方公共団体の御意見も十分お伺いしながら適切に対処してまいりたいと考えております。  なお、老人保健法の改正による健保組合への影響につきましては、老人保健拠出金の増大により財政運営が厳しくなっているところもありますが、国としては、その運営に支障の生じないよう最善の努力を尽くしていく所存であります。また、これとあわせて老人医療費の適正化にも積極的に取り組むこととしております。  次に、いわゆる退職者医療制度影響の未補てんという御指摘があることにつきましては、十分承知しております。  厚生省としては、従来より、市町村国保の財政状況を見守りつつ誠意を持って対応するとお答えしてきておりますが、私といたしましても、六十二年度補正予算においても必要な措置を講ずるよう財政当局と協議し、努力してまいりたいと考えております。(拍手)    〔国務大臣梶山静六君登壇拍手
  29. 梶山静六

    国務大臣(梶山静六君) 上野議員にお答えを申し上げます。  地方財政の現状認識いかんということでございますが、地方財政は巨額の借入金残高を抱えているなど極めて厳しい状況にあり、今後歳出の節減合理化を図るとともに、地方税、地方交付税等の地方一般財源充実を図っていくことが必要であると考えているところであります。  なお、国庫補助負担の問題については、単に地方負担を転嫁するというような措置がなされることのないよう適切に対処してまいる所存でございます。  それから、厚生省の国保改革案についてでございますが、国民健康保険制度は、本来国民保険の一環として国の制度として設けられたものであり、国に基本的な責任があることは御案内のとおりであります。  御指摘のとおり、厚生省の改革案については、国保問題懇談会での今後の議論を注視してまいりたいと考えておりますが、先ほどもお答えをいたしましたように、自治省としては、単に国庫負担の一部を地方へ転嫁するというようなことではなく、国保経営の安定化に向けての制度改革を目指すべきものとの考えに基づき対処してまいりたいと存じます。  以上です。(拍手)    〔国務大臣中山正暉君登壇拍手
  30. 中山正暉

    国務大臣(中山正暉君) 上野議員にお答えを申し上げたいと思います。  その前に、上野議員には逓信委員会の委員長として大変郵政省がお世話になっておりますことを、まずお礼申し上げたいと思います。  私の出ましたテレビの番組で、司会者が竹村先生だったわけでございますが、日本はもう少しアメリカ立場考え協力をすべきではないかという御発言がありましたので、ちょうど民間企業が国債、公債を買い控えているという話があったものですから、できることならば郵貯、それから簡保の資金でアメリカの国債、公債を買うような配慮があってもいいのではないかと、そうお話を申し上げたその数日後に、三千億円の損害が出ていると。これは会計検査院で今すぐに売ったら三千億の損失になるということでございますが、これは売るわけではございませんので、その御心配はないということと、それから高利回りで運用しておりますので、決して損をしないように有利な運用をするということで御心配はないと考えております。  特に、総理からも何度も御発言がございましたが、日米安保条約というのは、我が国が平和のうちに暮らすというところにその存立の基本を置いてきたと思います。特に、第二条の後段には、「締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め、また、両国の間の経済協力を促進する。」という安保条約の経済の重要な部分が第二条に書いてあるわけでございまして、私どもはこの経済大国を築き上げました日本の平和というものを大切に守っていく必要があると思います。  一説によりますと、幽霊という言葉と平和という言葉は何千年も昔から言葉はあるけれども本物はなかなかいないという、本物はなかなかつかみがたいという説もあるわけでございまして、その意味で私は、今、郵貯大体百十五兆と言われております、それから簡保三十四兆、この資金を、国民の皆様方の貴重な財産でございますので、そのお宝を守るために私どもは知恵でもって運用していきたいと考えておりますので、三十一万の郵政省職員打って一丸となりまして、国民の皆様方に御迷惑をかけることがないように努力いたしてまいることをここにお約束をいたしまして御答弁にかえます。ありがとうございました。(拍手)    〔国務大臣佐藤隆君登壇拍手
  31. 佐藤隆

    国務大臣(佐藤隆君) お答えいたします。  十二品目の件は、ガット総会でパネルの報告書の審議が行われる予定であり、我が方鋭意努力中でありまして、その帰趨について今申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じます。  けさほどのNHKの宇野外務大臣の発言につきましては、直接十二品目に触れたものではなく、国会の了承を得て、短時間ではあるけれども出かけていって、多くの経済閣僚に会えたことはよかった、よかったと言われたのではないかと推察をいたしております。(拍手
  32. 藤田正明

    ○議長(藤田正明君) これにて質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時十七分散会