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1987-12-22 第111回国会 衆議院 物価問題等に関する特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十二年十二月二十二日(火曜日)     午前十時四十分開議 出席委員   委員長 村山 喜一君    理事 青木 正久君 理事 伊吹 文明君    理事 川崎 二郎君 理事 高橋 一飯君    理事 牧野 隆守君 理事 伏屋 修治君    理事 塚田 延充君       片岡 武司君    金子原二郎君       鴻池 祥肇君    穂積 良行君       堀之内久男君    谷津 義男君       奥野 一雄君    草川 昭三君       森田 景一君    北橋 健治君       岩佐 恵美君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      中尾 栄一君  委員外出席者         公正取引委員会         事務局審査部長 植木 邦之君         警察庁刑事局保         安部生活経済課         長       泉  幸伸君         経済企画庁調整         局長      横溝 雅夫君         経済企画庁調整         局審議官    長瀬 要石君         経済企画庁国民         生活局長    海野 恒男君         経済企画庁物価         局長      冨金原俊二君         法務省刑事局刑         事課長     石川 達紘君         厚生省生活衛生         局食品化学課長 内山 壽紀君         農林水産省経済         局農業協同組合         課長      嶌田 道夫君         資源エネルギー         庁石油部石油企         画官      井上  孝君         資源エネルギー         庁石油部流通課         長       鴇田 勝彦君         資源エネルギー         庁公益事業部業         務課長     清川 佑二君         資源エネルギー         庁公益事業部技         術課長     並木  徹君         資源エネルギー         庁公益事業部ガ         ス事業課長   井出 亜夫君         運輸省地域交通         局鉄道業務課長 岩田 貞男君         運輸省地域交通         局陸上技術安全         部保安車両課         長       中田 栄一君         運輸省航空局監         理部航空事業課         長       圓藤 壽穂君         特別委員会第二         調査室長    岩田  脩君     ————————————— 十二月十一日  一、物価問題等に関する件 の閉会中審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  物価問題等に関する件      ————◇—————
  2. 村山喜一

    村山委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。奥野一雄君。
  3. 奥野一雄

    奥野(一)委員 それでは、最初電気料金関係について少しお尋ねをしておきたいのですが、これは過日の商工委員会におきましても各党の方からそれぞれ具体的な質疑が行われまして、既に認可されている問題でございますので、商工委員会での論議と少し角度を変えて、これからの問題なども含めてお尋ねをしていきたいと思っているわけであります。  最初に、電気料金認可するに当たりまして算定の基礎になっている部分があるわけでありますが、例えば為替レート幾らに見るか、あるいは原油価格幾らに見るか、こういうようなものなどがあると思うのであります。私どもも承知はいたしておりますけれども、一応その辺の基準となった部分についてお尋ねをしておきたいと思います。
  4. 清川佑二

    清川説明員 お答え申し上げます。  電気ガス料金申請及び改定についてでございますが、まず円レートでございます。円レートにつきましては、申請が百四十六円のインターバンク、いわゆる俗に言う取引相場でございます。TTSという電信売り相場では百四十七円でございますが、百四十六円と一般的に言われる数字で申請されまして、これにつきましては百三十八円、TTSでいいますと百三十九円ということで査定をしております。  そのほかに、重要な諸元として原油値段がございます。原油値段につきましては、申請はOPECの固定相場が維持されるという前提で十八・五ドルということでございましたが、認可に当りましても十八・五ドル程度ということで、ほぼ横ばいということで認可をいたしております。
  5. 奥野一雄

    奥野(一)委員 今言われました認可一つ基準、これは今認可をされますと次の改定期まではそのベースが保たれるということになると思うのです。従来もそういうのがあって、円高がどんどん進んでいったりあるいは原油が安くなったりして、いわゆる社内留保というものがたくさん生じるという原因になったのだろうと思うのです。そういうことから、途中で一回、二回と差益還元という形で料金引き下げが行われてきたわけであります。ある程度長期の見通しというものも立てなければならないと思うわけでありますけれども、今申し上げるまでもなく、例えば円レートなどの関係にいたしましても、どんどん円が高くなっていっているという現状があるわけであります。それから原油価格の問題にいたしましても、十八・五ドルどころか十四ドルくらいという段階まで来ておりますし、C重油などは供給過剰というような形にまで最近来ているという現状にもあるわけでありますけれども、今基準になりました百三十八円とか原油の十八・五ドルというのは、今の状況から見てあるいはまた将来も多少考えてみて果たして妥当なのかどうか、もうちょっと引き下げることができるのではないだろうか、こういうふうに考えられるわけです。  これは後でまた経済見通しの方でもお聞きをしていきたいと思っているわけでありますが、今晩、夕方ですか、最終的に経済見通し政府決定というものがなされるようでございますけれども、報道されております内定では、円レートについても百三十三円という形で大体設定をしているようでございます。そこでもう大体五円からの開きというものが一つは出ているわけですね。そういうことなどを考えてみて、一体どうなんでしょう、この百三十八円なり十八・五ドルというのは、実際に公共料金として設定をするのに全く妥当であるのかどうか、若干疑問があるわけでありますけれども、その辺についてちょっとお答えいただきたいと思うのです。
  6. 清川佑二

    清川説明員 お答え申し上げます。  円レートについてでございますけれども先生指摘のとおり十二月十日以降でございますが、アメリカの商務省が発表した貿易の統計で史上最高貿易赤字というのを受けまして急速に百三十円を割り込みまして、十二月十八日には確かに百二十五円を記録したとか、昨日あるいはきょうの寄りつきあたりで見ますと若干戻しているような状態でございますが、伺いますと、政府全体としては為替相場を早急に安定させるために通貨当局が介入をいたしましたり、低金利政策を実施したり、あるいは内需主導型の経済成長に努めているというふうに伺っているわけでございまして、レート先行き自身は実はどのように動いていくか非常に不透明でございます。ただ私ども、そのようにレートが急速に円高になっていく過程におきまして、極力円高を反映したいということで考えまして、直近三カ月の平均値をとるという従来のルールがございますが、その中で極力最近時点まで動向を取り入れまして、十八日の認可に間に合うぎりぎりのところまで取り入れて反映いたしまして百三十八円といたしたわけでございます。  円レートにつきまして、為替相場の安定という方向が一つございましてなかなか不透明でございますが、結局円高燃料費の減少がどのようにもたらされるかという問題になろうかと思うわけでございます。先ほど指摘の油の値段でございますけれども原油価格につきましては、スポット価格の軟化ということが報道されておりますが、現実輸入通関価格そのものは、例えば昨日発表されました十二月上旬の通関価格も十八・五ドルということで、十一月下旬の十八・〇五ドルというようなものよりも現実には上昇して、やや横ばいという姿をとっているわけでございます。また、電力会社におきましては、公害防止対策の観点から特に南方原油を使ったり、あるいはLNGを大変多く使っているということがございまして、現実電力会社が使用している沖あるいはLNGがどのように価格が変動するかというところが大きな問題ではございますが、現在のところは横ばいといった状態になっているわけでございます。  そのような中で、実は料金改定に当たりまして非常に厳しい査定をいたしております。そのような状態でございますので、円レートをとりますと十二月中旬以降相当の円高にはなっておりますけれども、今後は電力原価動向そのものを総合的に見た上で、慎重に対応していくことが必要であろうというふうに考えております。
  7. 奥野一雄

    奥野(一)委員 一つは、円レートがどういうふうになるかとかあるいは原油価格がどうなるのかということは、もちろん見通しの問題でございますから、絶対こうなるんだということはお互いに主張できるものではないと思いますね。しかし、現実の姿を見ておりますと百三十八円、確かにそれは三カ月の平均値だというふうに言われますけれども、今百三十八円ということで、それではこれがずっと続いていくという可能性があるのか。経済学者の中では、あるいは民間予測機関なんかの中では、百二十円を切るかもわからないというくらいのところまで予測をされているというのもあるわけですね。これは経済見通しの方との関係も出てまいりますけれども民間機関の中で百二十六円、こういうふうにして算定をしているところもあるわけでございます。  それから、これが一体どうなっていくのか。もちろん、アメリカ赤字の問題とも関連をしてくるだろうと思っているわけでありますけれども、なかなかアメリカ赤字財政、きょうあたりですか、アメリカでは財政赤字幾らかでも減らすという意味の予算案が成立しそうな状況だというふうに報道されておりますけれども、それを受けて、それでは円ドル関係が一体どういうふうになっていくのか、これはまだ予測はできませんけれども、現在の状況から考えてみて、料金算定をするという場合にその辺のところをもうちょっと慎重に考えていかないというと、結局、前回の料金算定したときも恐らく同じような御意見だったと思うのですね。それが今日の段階になってみますと九社平均で約一兆円からの内部留保ができる、こういうような状況にまでなっていっているわけですね。結局その間、円高差益還元とかなんとかということで料金引き下げられるまでの間というのは、言葉が悪いかどうか知りませんけれども一般利用者はその分不当な料金で払わざるを得なくなる、こういうことになっていくんではないかと思うのですね。  ですから、やはりそういう面では、もうこれは決められてしまったことですから、今それを直すなんということはできないと思います。しかし、もしこういう状況が続いていって、さらに内部留保がたくさん出てくる、こういう状況になった場合には、どこかの時点で、一カ月や二カ月ということにはならぬと思いますけれども、例えば半年なら半年、今のような状況が続いていく、例えば百二十五、六円台でもって円が推移するとか、あるいは原油価格現状よりもっと下がっていくというような状況が続いたという場合には、また料金の見直しというのか、あるいは円高差益還元というような形のものはとられるということになるわけですか。
  8. 清川佑二

    清川説明員 お答え申し上げます。  今回の料金改定におきまして、先ほど燃料費そのものにつきまして、先生指摘のとおり円高という問題がございます。片や料金改定に当たりまして、実は大変厳しい査定をさせていただいたというつもりでございます。例えば、原価計算期間を一年ということにいたしまして、翌年以降のコストアップ分というものは一切織り込まない。これは人件費にしても通常の物品にいたしましても、値上がりということが毎年起こるわけでございますが、一切それは見込まないということにしております。あるいは事業報酬率というようなものにつきましても、従来八%というものを約一割カットいたしまして、七・二%ということに、減らして申請がなされております。それから、例えばでございますが、内部留保留保利益関係では、原価変動調整積立金というものが積み立てられておりまして、先生おっしゃるとおり約九千五百億円積み立てられておりますけれども、この留保利益を勘案いたしまして、事業報酬額は減額圧縮して査定をするというようなことで、現時点では最も厳しい査定を行っておりますので、燃料費につきまして動向はいろいろございますけれども収支状況は今後予断を許さないという状況になると私どもは思っております。したがいまして、保燃料費につきまして円高という点はございますけれども、総合的によく見てまいりたいということを考えているわけでございます。
  9. 奥野一雄

    奥野(一)委員 ちょっと私の質問の仕方も悪かったと思うのですけれども、もう一遍端的にお尋ねいたします。  一円円高になるというと、大体九社で約八十億円もうかるというんですかね、そういう形になるわけですね。ですから、今の例えば皆さん方の方で認可をされたそれについては、もう認可されてしまったのですからわかります。しかしこれは、百三十八円とか十八・五ドルという形で決められているわけでありまして、これが例えば一円円高になると、今言ったように九社で八十億円からの利益になるわけです。ですから百二十六円としたら、百三十八円で設定したら十二円違うということになるわけですね。これは約九百億ぐらいですかになるんじゃないか、ちょっと今大まかな計算ですから間違っているかもしれませんけれども。ですから、百三十八円で計算をして、十八・五ドルで計算をした今の料金、これが例えば半年なり——一年というとちょっと長過ぎるのではないかと思うのですがね。例えば半年なら半年、百二十六、七円ぐらいで仮に推移をした、百二十八円でもいいですよ、推移をしていった。そうすると、その差額というものは必ず出てくるわけですから、そういうものが半年なりあるいは何カ月間続いた場合には、また円高差益還元のような形のものはやる、こういうふうになられますかということなんですね。もちろんそのほかに、今言われましたように賃上げたとかその他のものは見ていませんということですから、そういうものは差っ引いたって構わないと思うのです。しかし、差っ引いてもなお余りがある場合には、それは利用者の方に還元する、こういう措置をとられるかどうかということですね。端的に聞いておきたいと思います。
  10. 清川佑二

    清川説明員 お答え申し上げます。  円高関係で、先生おっしゃいましたように、一円の円高が一年続けば機械的に計算しますとおおむね八十億円程度、それから油が一ドル値下がりいたしますと、機械的に計算いたしますと現時点では約五百五十億円程度収支によい影響を与えるという状態でございます。この油の値段にいたしましても円高にいたしましても、結局のところは燃料費に効いてくるわけでございます。  先ほど申し上げました油の方の問題を考えますと、スポット価格についていろいろ報道がございますけれども現実にはLNG値段というものはむしろ強含みの状態になっております。LNGというのは、石油系燃料の約半分になります。それから低硫黄の油につきまして、これは公害対策上必要なんでございますが、やはり南方から入っておりまして、これも安定した姿をたどっております。円高という局面はございますけれども、片や原油値段というものは現時点では余り動いていない状態でございます。昨年、二回にわたりまして暫定引き下げが行われたわけでございますけれども現実暫定引き下げが行い得た状態というのは、油の値段が非常に下がったということが実際上寄与しておりまして、円高という事態はございましたけれども、それ自体では大きな単位になり得るものではなかったわけでございます。燃料費につきまして今のような状態でございますし、そのほかのコストの上昇、経済変動というものもございますので、現在の時点で先々こうなればこうするということはなかなか予測が難しゅうございますので、現時点では情勢をよく慎重に総合的に見守らせていただきたいということでお許しいただきたいと思います。
  11. 奥野一雄

    奥野(一)委員 時間の配分の関係がありますので余り何度もやっておられませんが、決して難しいことを私は言っているのではないのでありまして、今のような状態が続いていって、例えば油が上がったとかなんとかというのだったらそれは差っ引けばいいということになるのであって、そういうものを全部差っ引いてもなお、例えば円高とかその他の関係でもって利益幅がどんどん出るような状態が続いた場合にはまた還元をしますか。当然、還元せいという要求が出てくると思うのですね、だからそういうときにはそういう対応をしますかということなんですね。家庭用電気料金なんかだったら、この十年の間に約二・五倍ぐらいにはね上がっているのでありまして、今回は産業用の方に大分重点が置かれておりますが、そういう産業関係は大変助かっていると思いますけれども家庭用の方だってこの十年間に二・五倍も上がっている。やはり家庭方々にすれば、もう少し還元してほしいという気持ちは当然あると思うのですね。したがって、先ほどから申し上げておりますように、こういう状態が続いていろいろな経費を差っ引いてみてもなお余りがある、こういうことになった場合には、単に留保資金を膨らませるということでなくて、やはりそういう場合は、通産省の方としては主導的に還元をさせていく、こういう措置をとるべきではないかと私は思っているわけでございます。時間の関係から、そういうことについてはひとつ要請をしておきたいと思います。  もう一つ、この電気料金算定に当たりましては、各地での公聴会というものが開かれているわけでありまして、資料をいただいておりますけれども、このほかにそれぞれの会社が独自で説明会などをやっているところもあるわけであります。全国の状況はわからないということでございますが、私ども北海道の方なんかでは、本店所在地以外の主要都市の何カ所でも会社説明会というものをやっているわけでありますが、ただ公聴会の持ち方自体について、そういうことはないだろうと思うのでありますけれども一般的に国の公聴会と称せられるもの、例えば原子力発電なんかのものがあると思いますけれども、どちらかというと公聴会というものは非常に民主的でないという批判があると思うのです。義務化されているのだから仕方がないと言うと語弊がありますが、だから形だけやろう、こういうことでは困ると私は思うのですね。  電力の場合には、九つに分かれておりますけれども実際には地域独占でございます。参入がなかなか難しいという事業でございまして、そういう面では、今若干の競争的な要素も入ってきておりますけれども、他の事業と違ってそんなに激しい競争の中でということにはなっていないと思うのです。ですから、そういう独占的な企業の、しかも公共的な料金を決めるという場合には、むしろ積極的に国民利用者の各層から意見を聞いて、それをやはり最大限料金体系の中に反映させていく、そういう姿勢公聴会というものが必要でないだろうか、こう思っているわけでございますけれども方針としては、やはりそういう方針でこれからもやられるということになりますか。  それからこの公聴会は、今のところそれぞれの電力会社のところ一カ所、これは通産が主催する公聴会一カ所ということになるわけでありますけれども、そうでなくて、今北海道の例をちょっと申し上げましたが、これは会社主催説明会という形になっているわけですが、こういうようなものについてもどんどん通産主催公聴会という形にしていって、そしてどなたでも自由に参加できて自由に発言できる、意見をどんどん述べることができる、資料についても本来なら事前に渡しておいて、十分検討していただいて意見を述べていたたく、そういうような理想的な公聴会というものにすべきではないだろうか。そういうことをやらないというと、利用者方々には不満だけが残るということになってしまうわけでございまして、皆さん方の方で算定とかそういうものについては間違いないと自信を持ってやられる公聴会であるならばどんどんオープンにすべきだ、こう思っているわけでありますが、その辺の見解はいかがでしょうか。
  12. 清川佑二

    清川説明員 お答え申し上げます。  公聴会の持ち方でございますが、特に公聴会につきまして、電力事業地域独占的なことでございますので、公聴会意見をよく反映するという御指摘は非常に重要なことと私ども考えております。今回の料金改定におきまして、法律に定めました公聴会電気事業法に基づきまして開催しているわけでございますが、従来から最も需要家が多いところということで、通産局所在地で開催することを原則にさせていただいております。広く一般意見を伺うことが非常に大切でございますが、何分にも時間的制約がございまして、今回も一社につき約百五十名の陳述方々を予定したわけでございます。陳述を申し出た方が千八百三十名おられましたが、千二百十五名の方が陳述することができるようになりまして、大体なるたけたくさんの方に陳述していただけるように取り計らったわけでございます。また、限られた時間内に認可という事業をいたす必要がございますものですから、お一人七分ということでその間に整理して意見を述べていただくというようなことで、極力私どもも御意見をよく例えるようにということで取り計らってまいった次第でございまして、今後とも先生の御指摘のように、公聴会意見によく耳を傾けるという姿勢は堅持してまいりたいと思うわけでございます。  それから、公聴会通産省では一カ所でございますけれども、各事業者がそれぞれの地域におきまして説明会をやっております。御指摘ありましたように、北海道では広い地域だということもありまして六カ所、あるいは東京電力の管内ですと本店、支店合わせて正式には十七カ所というようなことでやったようでございますけれども、そのほかに折に触れて何回となく説明会をいたしております。それからまた私どもも、なるたけ広く需要家の理解を深めるようにということで事業者にも要請をしておりまして、パンフレットのたぐいなどにつきましても非常に多数印刷し、それをなるたけ多くの方にお配りする。あるいはテレビ、新聞その他でも、極力広く情報をお伝えするというようなことで取り計らっているわけでございます。御指摘のとおり今後とも公聴会、なるたけ広く皆さん意見を聞けるように、それから事前になるたけ情報が公開されるように心がけていきたいと思っております。
  13. 奥野一雄

    奥野(一)委員 時間の関係がありますから、電気料金関係については以上で終わらせていただきますけれども先ほどから申し上げておりますように、円高とか油の関係とかそういうことを勘案して、還元をしなければならない時期には、通産の方でむしろ主導的に利用者の方に還元をされるような措置をとっていただくように要請をしておきたいと思います。  次は、経済見通し関係についてお尋ねをしていきたいと思うのですが、まだ正式には閣議決定になっていないということだそうでございまして、いずれ具体的にはまた、私、商工委員会の方でいつもやらせていただいておりますのでそちらの方でやらせていただきますが、その議論をするために、この点だけは知っておきたいなと思うことがきょう二点だけあるのでございまして、一つは外需の寄与度、それから内需の関係でございます。  これは新聞報道ですからなんでありますけれども、外需の寄与度については通産、経企の方で多少論議があったようでございますが、最終的にはマイナス一%ということで落ちついたという報道も聞いておるわけでございます。そこで一つお尋ねをしたいのは、これは見通しの問題でありますから、外需の寄与度が経企さんの方では〇・九%、あるいは通産の方では、いや一%を割ったのでは外国からまた文句を言われることになるのじゃないかということで、何か一%を切るわけにはいかないというような議論があったように聞いているわけでございます。もちろん見通しだから、多少それぞれの立場によって差があるということはわかるわけでございますけれども、どういうところがポイントになってそういう差が出てきたのだろうか、ここのところがちょっとわからないものですからそれを一つ聞きたいということ。  それからもう一つは、例えばマイナス一%というようなことで決着がついているということなのですけれども、これはいろいろな輸入をする種類によってまた違ってくるのじゃないかという感じを私は持つのです。例えば仮にどんどん輸入をしても、それが企業関係が使う品物であれば、その企業の状況によってはあるいはどんどん売れていくということにもなるかもしれない。あるいは高級美術品のようなものを、日本人は高級美術品を大変買いあさっているというようなこともありまして、そういうものであればまたどんどん売れていくかもしれない。しかし、一般の日常生活に使う消費の物資、こういうものが例えばたくさん輸入をしようと思っても売れないということになりますと、外需寄与度というものは一%ということを仮に言ってみたってそれが達成できないということになると思うのですね。ですから一%というものを、そういうものを立てるときにはこういう裏づけがあるのだというものが、そこには一つデータとして出てこなければならないのではないか。単なる頭の中だけの想定ということではないと私は思うのです。皆さん方専門家ですから、これはこうなる、これはこうなる、いろいろなデータを組み合わせて、だから大体外需の寄与度というのはマイナス一%ぐらいだ、こういう設定をされているのではないかと思うのですが、その辺のところもしわかったら、お話ができるのだったら教えていただきたい、こう思うのです。
  14. 長瀬要石

    ○長瀬説明員 お答えいたします。  まず、外需の寄与度の問題でございますけれども、昭和六十一年度の実績で申し上げますと、GNP実質成長率に対しましてマイナス一・五%の減、こういうことでございました。今回六十三年度の経済見通し策定に当たりまして、六十二年度の実績見込みと六十三年度の見通しを検討をし、取りまとめをしているところでございますが、外需の寄与度につきましては、六十二年度は六十一年度よりはさらにマイナス幅が若干小さくなり、そして、六十三年度には六十二年度よりもさらにマイナス寄与度の幅が若干小さくなっていく、このような姿ではないか。しかし、六十三年度につきましても、六十二年度に引き続きまして外需につきましてはマイナスの寄与が続く、このように考えております。  それから第二点でございますけれども、製品別に輸出入、いろいろと違いが出てくるではないか、このような御指摘を賜りました。外需、輸出入の関係につきましても、マクロ的に推計をいたしておりますので、必ずしも商品別にどうだという内訳が詳細にあるわけではございません。ただ定性的に申しますと、これから輸入の関係では、かなり円高という状況のもとにおきまして製品輸入比率が高まってくるのではないか、このように考えられます。実績で申しますと、昭和六十年度におきましては製品輸入比率は三二%程度でございましたが、今日ただいまの時点ではおよそ四五%程度に上がっているというような状況でございます。そういう中で、輸出はむしろ横ばいぎみであるといたしましても輸入がふえてまいりますので、その結果貿易収支の黒字幅は縮小をしていくのではないか、このように考えております。
  15. 中尾栄一

    ○中尾国務大臣 奥野委員にお答えいたします。  奥野委員の御指摘は全くそのとおりでございまして、現実的に言いますると、実は皮肉なことにきょうの午後の閣僚会議で決まるということになりますのではっきりしたことは申し上げることはできませんけれども、いずれにしましても計数についてはそういう意味で明示できないということになりますが、基本的には対外不均衡解消に努力をしていくということに全力を挙げていこう、このように考えておるわけでございます。その程度につきましては、このように討論を行っておりますように私どもは科学的によく検討しまして、本日の夕方に閣議了解を取りつけるように努力をしてみたい、このように考えておる次第でございます。
  16. 奥野一雄

    奥野(一)委員 ちょっと入り出しますと私もいろいろなことを聞きたいと思うのですが、時間がそんなにありませんので、先ほど申し上げましたように内部については別な機会でやりたい、こう思っているわけでありますけれども、六十二年度の見直しが行われて今まで三・五%が三・七%というふうになるだろう、その内訳というのは内需が五%で外需がマイナスの一・三%ということで三・七%、六十二年度の当初見込みの三・五より高目修正というようなことにしたわけですね。これから見ると、外需の寄与度というのはマイナス一・三ということになるわけですね。その状態が今のお話では、私の聞き違いか知りませんけれども、輸入の方は伸びてきているということになると外需の寄与度というのは、本来ならもっとマイナス皮部分がふえていかなければならないのではないかな、ちょっとそのような感じがしたものですからその辺はどうかということと、それから先ほどちょっと言いましたように、通産の方ではいや一%を切ったら外圧がもっと加わってくるよ、うそか本当か私は参加しているわけではありませんから知りませんよ、それは報道ですから。経企庁の方は当初〇・九だ、こう言ったのが一%に落ち着いた。私はそれを先ほど言ったのは、単にそういう議論なんかでもっていや一%にしなければ外圧が来るとか、いや一・五にしなければどうかというそういう議論ではなくて、一%というふうに決めるのであれば一%になるような、そういう国内の貿易体制とかそういうものだってちゃんとしなければならないのではないか、そういう裏づけというものをきちんとつくっておかなければ、単なる想像と言っては悪いですけれども、そういう想定だけでは困るのではないですかな、こういう点を申し上げたのですが、そこのところは余り的確にお答えいただいていないような気がするのですが、先ほどの分とあわせてちょっとお尋ねしておきたいと思います。  それからもう一つは、大蔵省の方では四%くらいの伸び率にしなければだめではないかというような意見もあったというふうに聞いているわけでありますけれども、その辺の議論というのはどうだったのですか。
  17. 長瀬要石

    ○長瀬説明員 六十二年度について御質問を賜りましたが、六十二年度の実績見込みにつきまして、これも本日夕刻の閣議におきまして御了承いただくべき数字でございます。六十二年度につきましては、これまでの円高の進展等によりまして輸入の大幅な増加がございまして、その結果外需のマイナスの寄与度、これは六十二年度の当初見通しにおきましてはマイナス〇・五、このように想定をいたしておりましたが、これがややといいますかかなり大きくなっていくのではないか、このように想定をいたしております。しかし、他方におきまして民間住宅が大変伸びておりますし、あるいは消費も堅調でございますし、さらには緊急経済対策による公共投資の追加もございまして、内需が大変好調でございます。そのようなことから、当初見通しの予想を全体といたしましてはやや上回るか、このような状況かと考えております。  それから、経常収支貿易収支の問題でございますが、何と申しましても我が国の経常収支は六十一年度の実績で九百四十一億ドルでございましたし、貿易収支は千十六億ドルという大幅なものでございました。そういう中にありまして、むしろこれから輸出は停滞ぎみであり、輸入が大幅にふえていく。こういうことになりますと、それは輸出主導型ではなくてむしろ輸出が減っていく、相対的に黒字幅が減っていく、こういうことになるわけでありますので、それは外需がマイナスの寄与を成長にする、このようなことかと考えております。  それから、政府部内での見通しに関する論議についてのお話がございましたが、経済企画庁といたしましてもいろいろ見通しについての推計作業をし、また関係省庁と必要な調整を行うわけでありますが、経済対策閣僚会議、閣議にお諮りいたしますのは部内の調整を下した一つ見通し、こういうことでございます。そういうことで御理解を賜りたいと思います。
  18. 奥野一雄

    奥野(一)委員 ちょっと時間がなくなってきたので、次に、内需の方をちょっとお尋ねしておきたいのですけれども、これはきょう最終決定をされればこういうことに決まるんだろうと思うのですが、一応六十三年度については成長率に対する寄与度、内需は約四・七%、外需はマイナス一%、数字の整理があると思うのですが、結局三・八%の成長率を見込む、こうなっているようでございます。  そこで、外需の方についてももっと申し上げたかった点がありますが、これはまた別の機会にしまして、内需の方でいろいろ話題も出ておりますけれども、四・七%の内需達成というのは難しいのではないかという意見も一部にはございます。それで、詳しくなくても結構でございますから、こういう要素があるから内需の四・七%達成はできる——私は、いつでもこの経済見通しの議論をさせていただいているときに、単に政府の方では、経済見通し、はい、内需は四・七%です、こういうことだけでは困るのでないですか、これが財政と結びついていかなければならないのでないですか、こういうことを申し上げてきました。例えば、内需四・七%ということでお決めになるのであれば、財政政策の中でもそういうようになるようなことをしなければだめだ。例えば、公共事業だったらそれはどのくらいのあれになる、あるいは個人消費をふやすためにはどの程度のことをしなければならない、住宅投資というものを考えた場合に住宅政策をそれに合わせていかなければならない、そういうものを含めてこういう政策をやれば内需四・七%というのが達成できる、そういう裏づけというものが、財政政策と一体となってやらなければ単なる見通しというのですか、そういうことになってしまうのでないかということを再三申し上げてきているわけでございます。今度のものは、そういう面では六十三年度予算の中にどういうような反映のされ方になっておりますか。簡単で結構でございますので。
  19. 長瀬要石

    ○長瀬説明員 お答えいたします。  経済見通しを作成するに当たりましては、そのいわば前提といたしまして、六十三年度の経済運営につきましてどのような基本的な態度で臨むか、このようなものを同時にお決めいただくわけでございます。そのようなことでございますので、六十三年度の経済運営の基本的な態度を踏まえまして、そういうもとで六十三年度の経済がどのような姿になるか、このようなことで見通しを立てているわけでございます。  そういうことを前提にいたしましてただいまの御質問にお答え申し上げたいと思いますが、六十三年度におきましてはもとより外需はマイナスの寄与ということになるわけでありますけれども、内需につきましては、いわば本年度が景気回復第一年度目でございまして、六十三年度は景気回復第二年度目でございます。そういう景気が回復し、拡大する局面にあります中で、とりわけ民間需要に着目をいたしますと、個人消費が、雇用者所得が着実に伸びるというようなことを反映いたしまして、堅調に推移するというふうに見込まれるわけであります。  さらにまた、設備投資でございますが、既に非製造業におきましては堅調ではございますけれども、これに加えて製造業におきましても、内需関連業種の投資を中心といたしまして増加が見込まれるのではないか、このようなことで、個人消費や設備投資を中心といたしまして内需が堅調な推移をたどるものと考えております。  この間にありまして、本年五月の緊急経済対策によります効果がこの秋口から実体経済に浸透していくわけでありまして、それがさらに内需の拡大にとって大きなプラス効果を持つものと考えております。
  20. 奥野一雄

    奥野(一)委員 例えば、個人消費の方の関係、これはせんだって総理府の方で調査をしたのを労働省が精査したのですかな、労働省独自でやったんですかな、それに出ておりますように、確かに個人消費というものの中でもいろいろな差が出ておって、高所得者の方は所得あるいはその消費、それぞれプラスなっておるけれども、低所得者の中間ぐらいのところですか、この方々の場合には支出がむしろ減になっておる、こういう調査が出てきております。これは、勤労者の中で一番数の多い層ですね、数の多い層の人力は第三ランクぐらいになる方々なんですか、年収四百六十七万円以上、五百八十七万円以下、月収約三十九万、こういう大方は実収入で〇・一%、可処分所得で〇・五%伸びているけれども、支出は逆に、〇・九%減っている、こういう調査も出ているわけでございます。  そうすると、この消費構造だってよく考えてみないと、例えば先ほども言いましたように、高所得者の場合に、それは高級美術品だとか高級品だとかいうものを仮に買ってもらってみても、確かにそれも消費支出の刺激にはなっているんでしょうけれども、本来であれば、日常生活している生活必需品のようなものがどんどん国内で売れていくという形にならなければ、本当の意味で消費支出が安定的に伸びることにはならないと私は思うのですね。そうすれば、これは個人消費が伸びているからといって、安心できるという仕掛けのものではないと思うのですよ。今だって、例えば歳末なんかだって何か安売りがありますと列がつくられるということは、一体何だっていうことだと思うのですね。ここもやはり考えなければいけないと思うのです。  それから、設備投資の方の関係だって、どんな内容の設備投資になるかはまた別だと思うのですね。例えば、輸出を前提とする産業なのか、国内でいろいろなものをつくる、そういう個人消費に結びつく設備投資なのかというものによって、また違ってくると思うのですよ。もし、国内の個人消費に関する設備投資だったら、やはり売れなければそれは設備投資をしないということになってくると思うので、これは経済新聞や何かでも指摘しているように、恐らく設備投資というのは非常に大きなかなめになるだろう、ということが言われているわけですから、これは一面においてやはり消費が拡大していく前提というものがなければ、設備投資だってなかなか難しいことになってくると思うのです。そういう面、ぜひこれからも御配慮いただきたいと思うのです。ちょっと時間がなくなりましたのや、これはいずれまた別な機会にゆっくり細部についてやらしていただきたいと思います。  その次に、軽油の関係とLPGの関係について二つ一緒に、これは中身まで詳しくきょうはちょっと入れませんので、現状とこれからの対応についてお伺いをしておきたいと思うのです。  軽油流通の関係については随分安売りをやったり、安いことはいいことなのかもしれませんけれども、採算割れをするぐらいの乱売をやっている、あるいはまた皆さん方の所管ではございませんが脱税なども行われている、こういうことで石油審議会の小委員会の方で改善を促す報告が出されているわけでありますけれども、それを受けてこれからどう対応されていかれようとするのか。  それから、LPGの方はなかなか円高還元されていない、都市ガスなんかの関係から比べるともう五、六%以上はLPGの場合でも安くなってもいいのではないか、こういうふうに言われているのですが、それについては値下がりという状況がなかなか出ていない。今、お話を聞きますと、大分指導されているようでございまして、エネ庁あるいは業界あたりも指導に乗り出すということのようでありますけれども、LPGの方に円高差益がなかなか出てこないということについて、これからの対応についてどうされようとするのか、この点についてはきょうは時間の関係から、その対応の仕方だけ簡単にお尋ねをしておきたいと思います。
  21. 鴇田勝彦

    ○鴇田説明員 お答えいたします。  まず第一に軽油問題でございますが、軽油の市況につきましては、ただいま先生から御指摘のありましたように、採算割れ廉売がなされておるとか、需要家によって相当な価格差を生じておりまして、正常な状態からかなり離れて混乱しております。先生のお話の中にございましたように、ことしの八月に石油審議会の中に軽油流通問題小委員会というのを設置いたしまして、つい先日その答申をいただいたところでございます。  その内容は、御存じのように、まず第一に流通基盤の合理化・適正化をすべきである、第二に需要業界の購買秩序を形成促進すべきである、第三点といたしましては一般的に混乱しております市場秩序の公正化を行うべきである、最後に流通業界自身の構造改善の促進という四ポイントになっているわけでございます。  現在、当省といたしましてはこの報告の趣旨を踏まえまして、特に税の問題あるいは購買秩序の問題、これは他省庁とも関連しておりますのでそれら関係省庁とも連携をとりながら、できるだけ早期に軽油市場の安定化に向けて最善を尽くしていこうということで考えております。  第二点にございましたLPGの価格問題、差益還元問題でございますが、これは昨年から当委員会でもいろいろ御報告させていただいておりますが、LPGに関連しましては差益還元が必ずしも十分ではないという御指摘もございまして、本来LPG価格というのは都市ガス料金と異なりまして認可料金ではございませんので、市場メカニズムで決定されるべきものではございますけれども、当省といたしましては特段の配慮をしようということで、昨年の五月と十二月に差益還元についての指導をやっております。おおむね一〇%程度以上の引き下げが可能であろうということで昨年十二月指導いたしておりまして、去る十一月時点での消費者モニター価格調査によりますと約九%まで下がってきております。指導が相応の効果を上げたものと考えておりますが、まだ必ずしも満足すべきレベルに達しておりませんので、できるだけ機会をとらえましてさらなる指導の徹底をしていきたいと考えております。
  22. 奥野一雄

    奥野(一)委員 その点はまた別の機会にやらせてもらうことにして、もう時間がありませんので最後の質問になりますけれども、航空運賃の関係です。  これもときどきやらせていただいておりますけれども、御案内のとおり、三社とも史上最高と言われる収益が上げられたと報道されているわけでございます。それで、北海道なんかの場合は、従来からほかの方に比較して航空運賃が高いのじゃないかということで再三お話をしてまいりましたし、路線によっては千円程度の値下げというところが出てまいりましたけれども、肝心のドル箱路線と言われる千歳−東京などというものは全然手つかずという状況になっています。最近の状況を見ますと三〇%ぐらい乗客がふえている、こういう状況になっているわけでございます。そういう状況の中で三社とも空前と言われるくらいの収益を上げておって、それで料金の見直しをしなくてもいいのか。  例えば、コストなんかの面を考えてみましても、燃料コストの場合、五十年代には全コストの二〇%台であったのが最近では一〇%台に落ちてきている。それだけでも還元をする余地があると思うのです。そういう史上最高と言われる収益を上げている状況の中で、料金というものについて抜本的に見直す必要性がないのかどうか、それが一つ。  もう一つは、運輸省さんの方では大蔵省に対して通行税の廃止ということを言われていると聞いておるわけでございますが、大蔵省の方では、前回のこの委員会だったですか、断固なくさないようなことをお答えになっておりましたけれども、とんでもない話だと思うのであります。既に航空会社の中では、これは料金体系とは違うので通行税が廃止に、なればその分は値下げをいたします、こう言っております。それで一〇%違ってくるわけですね。そういうこともありますので、通行税の廃止という問題について、これはもう今の時代に合わない、そういう代物でございますから、運輸省としてはぜひ積極的に頑張っていただきたい。これは、私どもも予算折衝の中で大蔵省には強く申し上げるつもりでおりますので、運輸省としても頑張ってもらいたいと思うのです。  そこで、もしわかったらお答えいただきたいし、今お答えできないのなら後で資料としていただきたいと思うのですが、航空運賃を認可するときの乗車率というものがあるのじゃないかと思うのです。例えば、二百人乗れる飛行機だったら何人乗れば採算ベースに合うというものがあると思うのです。恐らく、そういうものを基準にして料金をつくっているのじゃないかと思うのですよ。その基準があったら教えていただきたい。これは前段申し上げましたように、札幌−東京間などというものは三〇%以上の乗客の伸びが出ているということは、そういう基準になった乗車率を年間通してはるかに超えているはずだ。そうすれば、その部分だけでも本当は値下げをしなければならないのじゃないかという理屈にもなると思うので、その辺のところをわかっておったら教えてもらいたいと思うのです。時間がありませんので、よろしくお願いいたします。
  23. 圓藤壽穂

    圓藤説明員 お答えいたします。  先生お尋ねのまず第一点の、運賃引き下げという問題についてどう考えるか、特に北海道方面の運賃という問題でございますけれども、確かに先生指摘ございましたように、六十二年度上期の中間決算でございますけれども、経常利益が三社合計五百六億円ということで相当いい数字になっておるわけでございます。  しかしながら、この航空運賃というのは五十七年に改定されておりまして、それから五年間据え置かれておるという事実が一つございます。それから、先生指摘のとおり燃油費の低減ということは確かにございます。五十七年当時と比べましても、八百五十億円ばかりの燃油費の減少というのがございますけれども人件費等の他の経費の増大というのが大変ございまして、営業費用全体で見ますとむしろふえておるという状況にございます。一方、日航機の事故の影響等がございまして旅客需要も非常に低迷してきている。やっと最近に至りまして、旅客需要も非常に伸びるようになりましたけれども、ずっと低迷をしておったという状況がございまして、収入もそんなにふえているわけではございません。したがいまして、言ってみれば、五十七年から五年間航空運賃の値上げというのは回避してまいったわけでございますけれども、もし燃油費の低減というのがなければ、これは値上げをせざるを得なかったという状況があったわけでございまして、そういう値上げを回避する効果があったということは確かでございます。  さらに、今後競争促進施策の推進ということも、一つの我々の行政目標として挙がっておりまして、機材費等の設備投資もふえるという状況もございますので、現段階先生指摘のように、直ちに燃油費の低減による運賃値下げというものをやるべきだという状況にはないのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。  それから、北海道方面につきましては、先生指摘のとおり、先般も道東四路線につきまして千円程度の値下げをさせていただいたわけでございますけれども、この問題につきましては、全般的な運賃改定、そういう時期というものをとらえまして、非常に整合性のある運賃体系はどうあるべきかということを模索しつつ、逐次これを是正していくといいますか、現在もしべストの状態でないとすれば、だんだん是正していくという方向に改善してまいりたい、かように存じておるわけでございます。  それから、二番目に通行税の問題でございますけれども、六十三年度の税制改正要望におきまして、運輸省としましては、これは廃止をしていただきたいといことで強く要望してまいっておるわけでございますけれども、現在のところ、関係方面の御理解を得られるに至っておらないという状況でございまして、大変残念に思っておるわけでございます。運輸省としましては、今後とも引き続きこの問題につきましては粘り強く努力をしてまいりたい、かように存じておるわけでございます。  それから、先生指摘の運賃改定の際の搭乗率といいますか、ロードファクター、これがどれくらいを前提として運賃の改定の作業をしておるのかというお尋ねでございますけれども、残念ながら今のところ手元にございませんので、後ほど資料として提出させていただきたいと思います。
  24. 奥野一雄

    奥野(一)委員 終わります。
  25. 村山喜一

    村山委員長 次に、森田景一君。
  26. 森田景一

    ○森田(景)委員 電力料金、それからガス料金の値下げが決まりまして、円高差益還元という立場、それから物価の安定という立場、こういう点から考えますと結構なことでございまして、関係当局の御努力に対しては敬意を表しますが、なお一層の円高差益還元に努力されるよう要望しておきたいと思います。  この電力料金に関連しまして、値下げが行われたわけでございますけれども、一方では、小型変圧器というものを使いまして電力を不正に使用している、こういう事実がございますので、きょうはその点について質問をさせていただきたいと思っております。  その前に、今家庭用電力は百ボルトの電圧で供給されておるわけでございますが、二百ボルトの電圧で供給しよう、こういうことが検討されているようでございます。これにはメリット、デメリットがあると思いますが、私細かいごとはわかりませんけれども、今の家庭用の電化製品というのは全部百ボルトで対応されているはずでございまして、これが二百ボルトになるということになりますと、一般家庭の電化製品全部買いかえなければいけないんじゃないか、こういう心配もあるわけでございます。冷蔵庫にしましても、あるいはテレビもラジオもほとんどが百ボルト対応になっておりますから、それが全部買いかえをしなければならないということになりますと、これは国民生活にとっても大きな問題であろうと思いますので、そういう点についても十分な検討をされるように、これは要望でございます、要望しておきたいと思うわけでございます。  本論に入りますけれども、これから百ボルト電圧を二百ボルトにしようというときに、逆に二百ボルトの電圧を使って百ボルトの家庭用の電灯に使用する、こういうことが実は行われているわけでございまして、これは電力会社との契約に違反する不正利用だというふうに考えられるわけでございます。  この間改定になりました料金表を拝見しますと、家庭用の百ボルトの料金と工作機械などの電源に使われている二百ボルトの料金では、季節によって差があるわけでございますけれども料金が大体半分ぐらい、工作機械等の二百ボルト電圧と比較しますと、百ボルト電圧の方は大体倍ぐらい高くなっているわけでございます。この改定の前は、これがもう少し格差があったわけでございまして、実はこの電力料金の格差に目をつけて不正使用が行われているということでございまして、実はパンフレットを持ってまいりました。こういう小型変圧器があります。こういうものがあるわけでございます。  この小型変圧器は、一般家庭でも大型の電気冷蔵庫、こういうものには申請をすれば今三相二百ボルトの使用が許可されるようになっておりまして、この二百ボルトの電圧を小型変圧器を使いまして百ボルトに逆に下げるわけです。そうしてコンセントがありまして、このコンセントは両方とも雄の差し込みになっております。ですから、変圧器に差し込む、また一方では家庭用の電灯線のコンセントに差し込む。このままでは電力使用できませんから、その前にブレーカーというのがあります。ブレーカーを落としますと、百ボルトでは家の中に入ってきません。ですから、ブレーカーを切って二百ボルトの電力を使用する、そうすると料金が半分で済む、こういうことになるわけです。電気事業法では、国民に公平な電力の供給ということが掲げられているようでございますけれども、これは非常に不公平なやり方だ、不正なやり方だ、こういうことになるわけでございます。  この小型変圧器は、現在でもスーパーや工作物機械店で大量に販売されているわけでございます。電気用品取締法の対象外で、取り締まる方法がないと言われておるわけでございます。東京電力では、小型変圧器による電力不正使用を発見し、契約違反で告発しているということでございますけれども、それもわずかに数件にすぎない。小型変圧器は全国で数十万台は売られていると推定されておりますけれども、摘発は困難である、こういう状況です。こうした状況通産省としては各電力会社から報告を受けているのかどうか、受けていたとするならばどんな対策を考えておられるのか、お答えいただきたいと思うわけでございます。  それで、時間の関係で引き続いて進ませていただきますが、私の地元の千葉県市川市の電気業者らでつくっております市民団体がありまして、これは電気安全推進グループ、代表が谷川寿光さんという方でございますが、この方の話では、この小型変圧器には危険性があると指摘をしまして、通産省に申し入れをしておりますが、全然通産省では取り上げようとしない、こういうふうに訴えておるわけでございます。電気用品に対する監督官庁である通産省は、以上述べてきたような事柄に対しましてどのように対処をしようとしていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
  27. 並木徹

    ○並木説明員 御説明申し上げます。  先生が御指摘されましたとおり、小型変圧器など電気機器に対する安全対策につきましては、電気用品取締法により取り締まりを行っておるところでございまして、電気用品取締法におきましては、電気製品による危険、障害を防止するため、一般電気工作物及びこれに接続される器具等につきまして、一般大衆、一般家庭向きのもの、あるいは特定の者が特定の事業所で使うものでございましても電気的な知識が乏しい人たちが使われるもの、あるいは電気的知識がある方が使われるものでございましても当該器具等が特に高電圧等の危険を有する、そういったものにつきまして指定して規制を行っておるところでございます。  現在、小型変圧器につきましては、今申し上げましたような考え方に基づきまして、製造などの実態を踏まえながら、ベルとかおもちゃなどの特定機器の動作用の変圧器を対象としておりまして、現在のところ五百ボルトアンペア以下のものが対象となって射るところでございます。  これに対しまして、最近やはりコンピューターの普及などに伴いまして、事業所内などの電圧変動を防止する目的などのために五百ボルトアンペア以上の変圧器も普及しつつございます。  それから、今先生の方から御指摘がございましたような変圧器につきましても、その用途から見て五百ボルトアンペア以上のものと考えられまして、現行の電気用品取締法の規制の対象の外ということになっておるわけでございます。  通産省といたしましては、こういったような小型変圧器あるいは最近の容量の増加の動向というものを調査いたしまして、必要に応じまして学識経験者とか消費者などの御意見もお伺いしながら、用品取締法の製品の対象の範囲につきまして検討を行ってまいりたいと考えておるところでございます。
  28. 森田景一

    ○森田(景)委員 ただいまの答弁は不満足でございますけれども、持ち時間がなくなってしまいました。  長官もお聞きでございましたので、こういう問題につきまして最後に長官の所見をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
  29. 中尾栄一

    ○中尾国務大臣 お答えいたします。  私も、この問題点につきましては十分に熟知しておるわけではございませんが、直ちに十分に関係官庁とも話し合いまして備えていきたい、このように考えております。
  30. 森田景一

    ○森田(景)委員 終わります。
  31. 村山喜一

    村山委員長 次に、草川昭三君。
  32. 草川昭三

    ○草川委員 草川でございます。  まず最初に、経済企画庁長官にお尋ねをしたいわけでありますが、六十三年度の経済見通し、〇一・三%の上方修正、こういうことを言われておるわけですが、率直なことを申し上げまして、私どもの地元へ帰りますと輸出産業等たくさんあるわけでして、最近の円高の動きを見るとますます不況状況というのは来るのではないか。一面、建設産業等の実態を見ると大変仕事が忙しい、いわゆる真水で五兆円あるいはまた六兆円とも言っておりますけれども、そういうものの効果というのがあるんじゃないの、こんな話もあるわけであります。  その整合性の問題でありますけれどもアメリカ経済等のことを踏まえまして、六十二年度の実質経済成長率の見込みあるいはまた将来、六十三年度の見通し等についての見解をお伺いしたい、こう思います。
  33. 中尾栄一

    ○中尾国務大臣 草川委員にお答えさせていただきたいと思います。  ただいまの御質問は、経済見通しについてどのように考えているのかというような御質問でございます。実質見込みの問題を含めまして御質問いただいたようでございますが、六十二年度の実績見込み及び六十三年度の政府経済見通しにつきましては、本日の経済対策閣僚会議を経まして、それで閣議で正式に了解させていただく、こういう方向に方針が決まっておりまして、具体的な数値についてここで申し上げることは差し控えたい、こう思いますけれども、その大枠について申し上げさせていただきますならば、次のようになるかと思うのでございます。  すなわち、昭和六十二年度の経済については、最近の経済動向、情勢を見ますると、これまでの円高の進展等によります大幅な輸入増加などによりまして、外需はマイナスの寄与を拡大するものと見られております。一方、第一点として、内需は住宅投資や消費が好調でございますし、また個人消費も比較的好調に展開しております。また、先般決定しました緊急経済対策の効果も本格的にだんだんあらわれてきているのではないか、このように解釈しております。このために、今回の実績の見込みにおきましても、当初見通しの予想を上回る好調が見込まれる状況にあるのではないかなと、このように判断をしておるわけでございます。  六十三年度につきましては、外需の問題ですが、六十二年度に引き続いてマイナスの寄与が続くものと見込んでおりますので、そのように私どもは解釈をし、なおかつ現状の努力を続けていきたい、こう思っておりますが、一方、内需は景気回復の二年目を迎えまして、個人消費が雇用者所得の着実な伸びなどによりまして堅調に推移していると見込まれておりますことと、設備投資が非製造業において堅調に推移いたしまして、製造業におきましても内需関係業種の投資などを中心に着実な増加が見込まれることなど含めまして、引き続き好調を持続できるものではないか、このように予想されるものでございます。したがいまして、六十三年度につきましても、内需による着実な成長が可能と考えておりまして、これらを踏まえて政府経済見通しを作成するという予定に立っておる次第でございます。
  34. 草川昭三

    ○草川委員 円高のメリットあるいはまたデメリットというものの整合性、これが経済にどのように反映するかという問題になっていくわけでありますが、そこで本日いろいろ議論が出ておりますところの電力料金なりガス料金認可に当たって、通産省にお伺いをしたいわけでありますけれども、当初の申請値から査定によって引き下げ幅というのがかなり拡大をされております。今も答弁を聞いておりますとそれなりの原油の値下げ等の反映がある、あるいはまたLNG等の反映があったからだということを言っておられますけれども、もう少しその理由と内容を示していただきたい、こう思います。
  35. 清川佑二

    清川説明員 お答え申し上げます。  電気料金ガス料金申請認可の間の幅でございますが、去る十月二十三日に電気、ガスにつきまして申請がございました。それにつきまして特別監査を実施いたしましたり、あるいは物価安定政策会議の特別部会あるいは公聴会を開催して、その上で厳正な査定を行いまして、先生指摘のとおり若干幅を広げまして、電気につきましては暫定料金との対比では一・四五%、査定分千六百四十億円ということで査定をしております。ガスにつきましても二・六一%の幅を広げております。  主な考え方でございますけれども一つ為替レートがやはり効いてくるというふうに考えております。燃料費につきましては、申請認可の間では約五百五十億円の査定減というものがございますが、その間には主として円高の傾向を極力反映いたしまして、百四十六円の為替レート申請があったものを百三十八円ということで査定をいたしまして、これを含めまして燃料費の削減ということをいたしております。これが先ほど申し上げました約一・五%の引き下げ幅のうち、〇・六%に相当する状態でございます。  それからもう一つ大きな項目は、円高それから原油価格の低下によりまして、差益を需要家のために明確に区分して積み立てたというものがございます。原価変動調整積立金などと申しておりますが、その留保利益を勘案いたしまして事業報酬額をカットしております。これが、暫定に対比いたしまして約〇・五%効いてくるということになります。  そのほか、特別監査の結果などに基づきまして資本費、修繕費などを厳正に査定いたしまして、暫定との関係では〇・四%査定幅を広げまして、合計で約一・五%の査定幅ということになったわけでございます。
  36. 草川昭三

    ○草川委員 電気料金料金体系の問題でございますけれども、予想原価主義ということになっておるわけですね。これは言うまでもございませんけれども将来の原価を想定して、これを料金に反映するわけでありますね。このことについての歴史的な経過は、私、前回このようなときにも申し上げたのですが、日本の技術革新、特に重化学産業における原子力開発、あるいはまたエネルギーをどのように効率的に使うかという意味での技術的な水準を先取りをする、あるいは指導をする、あるいは電力会社がまとめる力、いわゆるコンサルタント業務、こういうことをする意味での意義というのを私はそれなりに認めるものです。しかし、原価の上昇傾向を料金に反映した、いわゆる逓増料金制度というのがまだあるわけですし、それからガスの方は逓減制ということになっておるわけですけれども、今回の場合も料金体系を逓減制に一歩近づけるという意味もある、こういうことは理解をしておりますが、実は原子力のウエートというものも随分増大をしてきておるわけであります。そういうことを考えてみると、この料金体系というのは基本的に将来どういう方向になるのか、あるいは見通しはどのような時期に改めるのか、お答えを願いたい、こう思います。
  37. 清川佑二

    清川説明員 お答え申し上げます。  電力料金の制度につきましては、原則として原価主義の原則、それから公平の原則といったような法定の原則に従って査定をし、認可をしているわけでございます。  ところで、逓増料金制というのが現在、今回の改定に当たりましても残ってしまったということがございまして、そこのところは先生指摘のような問題があるわけでございます。原子力のウエートの増大というような問題、これはやはり各電力会社料金原価の平準化というような点、あるいは燃料費が輸入に依存しないということによりまして変動が非常に少なくなってくる、あるいはかってのように非常に高い価格燃料ではなくなったということがございまして、原価の逓増傾向が大幅に緩和されてきているというふうに考えられるわけでございます。  このようなことで、実は本年の春に電気事業審議会から、需要家に対する影響などは勘案しつつも、逓増料金制度の積極的緩和を図るべきであるという答申をいただいておりまして、極力その緩和を図りたいということを電気事業者も考えた上で申請をしてきております。  ただ問題として、現在この逓増料金制を完全に廃止するとしますと、例えば産業用の特別料金という割高の料金部分がございますが、これが適用されていない一般料金の水準を引き上げなければ特別料金を全部解消できないという問題がある。あるいは電灯につきましても、割高部分の三段階料金の三段目、これをなくしてしまうということでありますと、どうしても割安部分の第一段階目の料金水準を上げざるを得ないというような状態がございます。そのような状態がございますので、電力会社におきましても極力合理化を図っていただき、私どもとしても極力厳しい査定をさせていただきまして、全体として何とかして逓増料金の逓増制を極力緩和させていただいたというのが実情でございます。  これをいつの時点で廃止できるかという問題でございますけれども電気事業審議会におきましてもなるたけ早い廃止ということを考えておるわけでございますが、先ほど申し上げました。ように、現実に他の部分料金の影響を与えることがあること、あるいは供給原価の逓増傾向というのは大変緩和いたしましたが、まだ若干はあるというようなこともございまして、私どもとしてはなるたけ早く緩和していきたいとは考えているわけでございますが、次の料金改定がいつになるかということもございまして、現時点でちょっと予測がつきかねる状態でございます。気持ちとしては先生指摘のとおりでございます。
  38. 草川昭三

    ○草川委員 電力料金問題は、私ども先ほどの要望も含めて、終わりたいと思います。  次は、土地の問題でございます。  私は、十二月四日の衆議院の土地問題特別委員会でも提起をしたわけですが、いわゆる農林中央金庫の子会社である協同住宅ローン、あるいはその子会社である協住不動産サービスが、最上恒産を初めとする地上げ業者などに多額の融資をしているということを取り上げました。そのときに竹下総理から、簡潔なことを言いますと、「元来、農業団体の系統金融としてあるべき姿ではないのではなかろうか」という趣旨の答弁を私どもはとっておるわけであります。そこできょうは、この問題についてもう少し立ち入って議論したいと思うのです。  参議院の土地特別委員会で、西新宿の地上げ問題に関連して、今申し上げた農林中金系の協同住宅ローングループ三社、協同住宅ローン、協住不動産サービス、協同ホームについて、農水省の青木審議官がいろいろと説明をしておる中で協同ホームというところに触れておるのですが、協住不動産サービス株式会社ができるまでの間、その役割を果たす趣旨から協同ホームという会社は設立された、現在は協住不動産サービスがその機能を行っているので、協同ホームとして事業を行っていないという答弁をしているわけです。  この答弁がちょっとおかしいので、私ども調べてみましたら、いわゆる西新宿六丁目、千四百七十七坪でありますけれども、最上恒産と協住グループが売買をして、転がしをしておるわけです。第一回のときには、五十九年二月二十九日に最上恒産は協住不動産サービスに五十六億で五百九十八坪売っているわけです。そして第二段階で五百八十一坪、同じような大きさですが、これは最上恒産が協同ホームというところに売っておるのですね。五十五億二千四百万で売っておるのです。第三の段階で、残った二百九十八坪というものを協同住宅ローンに二十八億で売っておるわけですよ。こういう事実を見ると、協同ホームというのは今事業を行っていないと言うのだけれども、事実、事業を行っておるわけですよ。これは私はおかしなことだと思うのですね。答弁と実態が食い違うわけですよ。  協同ホームというのはもうなくなっている、事業をしていないのだと言うのだけれども、今私が申し上げましたように、大変な金額で領収証を発行し、物を買っておるわけです。そのことをまさか農水省御存じないわけはない、こう思うのでございますし、これはやはり、協同ホームというのは実態はペーパーカンパニーなんですね。協住不動産サービスというのは五十七年の十月に設立をされている。しかし、協同ホームというのは五十九年四月に取引をしておる。だから、本来ならば設立をされたら取引がないはずなんだけれども、しておる。一体こういう事実をどのように承知をしてみえるか、お伺いします。
  39. 嶌田道夫

    ○嶌田説明員 今先生指摘の、協住不動産サービスと協同ホームとの関係でございますけれども、これは私どもの青木審議官が国会で述べましたように、協同ホームは協住不動産サービスのいわば前身として設立されたものでございます。それで事業につきましては、現時点においては既に協住不動産サービスの方に事業は移行しておりまして、現在事業は行っておりません。そういう意味で審議官が申し述べたのではないかと思います。ただ、先生指摘の時期には前身としての会社でありまして、その事業の引き継ぎの期間が、そういう時期があったのかとも思いますが、いずれにいたしましても現在協同ホームは、協住不動産サービスの方にすべて事業を移行しておりまして、事業を行っていないということでございます。
  40. 草川昭三

    ○草川委員 だから私が今言ったのは、協住不動産サービスというのは五十七年十月に設立された。いわゆる協同ホームの方は前身なんですね、だから五十七年の十月でもう任務完了なんですよ。仕事を引き継いだ、だから、先ほどの審議官の答弁。ところが、私が今申し上げた具体的な事実は二年後の五十九年四月に取引をしておる。取引の実態の例は後ほど申し上げてもいいのでございますけれども、売った買ったの取引をしておる。結局、利益の分散を図るために、系統農協の金融機関なりそのローン会社が利用されている。この実事は承知をしていただかないと、総理がお見えになる席上での参議院での答弁と食い違いますよ。そこを承知をしておるのかどうか。今の答弁では、今はホームは仕事をしていないという答弁をしておるわけです。私は、五十九年、五十七年とのずれがある、これを農水省はなぜ的確につかんでいないのか、そこに問題があるのではないか、こういうことを言いたいわけであります。どうですか。
  41. 嶌田道夫

    ○嶌田説明員 今答弁いたしましたように、協同ホームは協住不動産サービスの前身として設立されたものであります。それで、現在事業を行っていないわけですが、当時、前身として後身の会社事業を引き継ぐ過程で、事業のダブリはあったのではないかと思います。青木審議官の答弁は、その辺、事業につきましては、現在既に事業を行うていないということで答弁したものと考えております。
  42. 草川昭三

    ○草川委員 農水省も苦しい答弁をしておりますけれども、私は、明らかにそういう実態に応じて、政府系のそれぞれの金融機関というのは土地転がし等について利益の分散等を図るべき仕事をしちゃだめだ、こういうことを言いたいわけでありますし、それから、今この三つの開発事業の、売った買ったというところの中でそれぞれ利益が出るわけであります。その利益を分散するためにいろいろと仲介料を払う、あるいはコンサルタント料というのですか、立ち退き委託手数料を払う、あるいは販売手数料を払うという形で、いわゆるいうところのブラックの領収証を発行する機関を販売原価の中にそれぞれ入れているわけであります。  具体的に名前を挙げてもいいのでございますけれども、例えば、第一期の販売のときには日光商事だとかサンライテングだとか、こういうところには一億七千万、あるいは立ち退き促進委託料で一億円、あるいは二億円だとか、一億七千万だとか、非常にたくさんのいわゆるB勘処理の企業に手数料を払っておる。その企業が本当にあるかどうか調べに行くと、そういう企業がもう現存していない。こういうことをしながらとにかく利益を分散し、納税を逃げようとする態度があるわけです。こういうのは私全く許せぬと思うのですが、そういう実態まで監督官庁として承知をしておるのかどうか、改めてお伺いしたいと思うのです。
  43. 嶌田道夫

    ○嶌田説明員 先生指摘の協住グループと最上恒産との土地関連融資につきまして、農林水産省といたしましてもその実態把握に努めているところでございます。しかしながら、先生指摘の件につきましては、個別企業につきましての具体的な取引にかかわります事柄でもございますので、答弁につきましては御容赦願いたいと存じます。
  44. 草川昭三

    ○草川委員 個別企業だから言えないとおっしゃいますけれども、これだけ明らかになっておることでありますし、それから後ほど検察庁なりあるいは警察庁にもお伺いをいたしますけれども、いろいろな捜査があるわけであります。そういう捜査事情があるわけでありますから、個別案件だからといっていつまでも隠し通せるものではないと私は思うのであります。その点は、現に監督官庁でありますから、厳しく私どもは問題提起をしたい、こう思うのです。  そこで、警察庁にお伺いをいたしますけれども、東京都からの告発を受けて、国土利用計画法の違反の疑いでありますが、最上恒産の捜査等を行って、所要の捜査を行ったと我々は聞いておるわけでありますが、捜査の過程で明らかになった宅建業法違反、これは東京地検の方にも書類送致をしたのではないかと思うのですが、国土法違反の捜査状況についてお伺いしたいと思うのです。
  45. 泉幸伸

    ○泉説明員 お尋ねの件につきましては警視庁におきまして、東京都からの告発を受け、国土利用計画法違反の疑いで最上恒産株式会社などの捜索を行うなど所要の捜査を行い、告発を受けました国土利用計画法違反と、捜査の過程で明らかとなりました宅地建物取引業法違反につきまして、昭和六十二年十二月十七日東京地方検察庁に送付及び書類送致をいたしたところであります。
  46. 草川昭三

    ○草川委員 そこで、ちょっと農水省にお伺いをするわけでございますけれども、実は今から申し上げたいのは、協住不動産サービスの営業部長が三億円を個人名義で借りたという問題を今から提起したいわけであります。  その前にもう一度警察庁にお伺いをしますが、本件の捜査の中で資金面の解明は行われているのかどうか、その内容についてお伺いしたいと思います。
  47. 泉幸伸

    ○泉説明員 国土利用計画法等の捜査をする過程で、必要な事柄については捜査を尽くしておるところでございます。具体的捜査の内容につきましては、答弁を御容赦願いたいと思います。
  48. 草川昭三

    ○草川委員 必要な事柄についての捜査をしておみえになるということでありますが、今私が申し上げることが本当に捜査の対象になっておるのかどうかということは今後のことに待たなければいかぬわけでございますが、協住不動産サービスの営業部長で衛藤潤という方はお見えになるのですか、お伺いいたします。
  49. 嶌田道夫

    ○嶌田説明員 御指摘の部長が御指摘会社におりますことは承知しております。
  50. 草川昭三

    ○草川委員 この部長さんが、五十九年の十二月二十日に地上げ資金を融資した最上恒産から個人名義で三億円借りておるわけですね。しかも、その融資の返済金というのは、その三億円の返済というのは、時期は最上と協住不動産サービスが千駄ケ谷五丁目の地上げ資金をめぐって九十億の融資をする契約の直前に三億円の金を借りておるわけでございます。しかも、この金をどのように貸すかという場合には、融資の返済金から差し引いて清算をしたという事例があるわけです。本来ならば会社に入るべき返済金を融資の金額を減額するという経理操作をしてやったということがあるわけでございますが、その点はどのように承知しておみえになるかお伺いをしたい、こういうふうに思います。
  51. 嶌田道夫

    ○嶌田説明員 御指摘の部長にかかわります取引につきましては、私ども協住ローンの方から事情聴取しているところでございます。しかしながら、御指摘の件につきましては、重ねて恐縮でございますが、個別企業についての具体的な取引でございますので、答弁を御容赦いただきたいと思います。
  52. 草川昭三

    ○草川委員 実は私ここにその衛藤潤さんという杉並区の方が借りた借用証の写しを持っておるわけですが、十万円の証紙も張ってあります。「金三億円、金利年八・四%、返済期限は早坂社長殿が千駄ケ谷五丁目二十の八その他の土地を買い戻しされる時」というわけですから、そのお金を融資をした、返済をする、そのときに減額をするということを含めておるわけですから、大したものですね、三億円というのをこの紙一枚で借りて、「五十九年十二月二十日、早坂太吉社長殿」、こういうことですね。一体、普通のサラリーマンがそういうことができるのか、これはあくまでも個人なのか、私どもは個人だとはちょっと承知できかねると思うのですね。明らかに組織犯罪ではないだろうか。その金が一体どこへ流れていって、それがどうなったのか。  しかも、聞くところによりますと、この衛藤部長というのは、いろいろと最上恒産の土地絡みの問題が出てから、怖くなったのかどうかわかりませんけれども、それに利子をつけて最上に返しにいった、こう言われておるわけですよ。ところが、最上の方は経理上そういう操作はもう済んでおるわけですから受け取るわけにはいかない。利子と三億円が宙に浮いたわけですね。それは供託をしたのではないか、こう言われております。私どもも法務省にいろいろとお願いをして調べたわけでございますけれども、何せ東京の法務局も一万数千件というのがありますので、具体的なところまでは私どもまだつかんでおりませんけれども、多分返しにいったという以上はこれはまた事実だと思うのでございますけれども、供託はしたということは十分予想されるわけです。  そういうあり方について、改めてお伺いをしますが、個別事案だからといって答えられないという態度ではなくて、少なくとも農林中金系統の有力な、農林省十分承知をしている企業でありますし、かなりの高級官僚の方々がこの会社の幹部になっておられるわけでありますから、そういうところの従業員がこういうことをやったということは、少なくとも正常なものかどうか、そういうことはあり得ることなのかどうか、あるいはおかしいとすれば一体どこにどういう問題があるのか、農水省の見解を問いたい、こう思います。
  53. 嶌田道夫

    ○嶌田説明員 御指摘の件につきまして、農林省といたしましても協住ローンからいろいろ事情を聴取しているわけでございます。私どもといたしまして、個別の融資事案も含めまして、現在協住ローン等に対しましてその実態把握に今努めております。仮に問題点がございますれば、今後農林中央金庫に対しまして協同住宅ローンが適切な対応を行うよう十分指導してまいりたいというふうに考えております。
  54. 草川昭三

    ○草川委員 適切な指導で本当に済むのでしょうか。これは最上側の持っているところの勘定科目明細書、六十一年度と六十年の二つがあるのでございますけれども、例えば六十一年のところには明確に未収金として七百九十八万九千円という、多分これは金利だと思うのですけれども、そういうものが残っているわけですね。ですから、六十一年のときには少なくとも返済はしていないということは明らかであります。それで、これの未収金の問題とか、それから六十年にも同じように残っておるわけでありますから、その返済は行われていないことも十分明らかであります。  そこで、六十年のときには衛藤潤でやはり三億円という金額が残っており、六十二年の勘定科目では残っていなくて、その利子だけが残っている。でございますから、その間に、先ほど来からいろいろと申し上げておりますように、いわゆる融資金の返済のところで減額をして三億円というものは消してしまった、新聞で問題になったから改めてその金を最上の方へ持っていった、最上の方では受け取らなかった、いわゆる背任ですね、背任を逃れるためにやったのではないか、こう思うのでございます。  そこで、農水省の問題はさておきまして、法務省刑事局にお伺いしたいわけです。  先ほど警察庁の方から、最上垣産を書類送検をした、これは国土利用計画法及び宅建業法違反ということで送検をしたわけですけれども、もし今後の捜査の段階で、背任、脱税、特別背任あるいは有価証券報告義務があれば報告義務違反、あるいは今度は貸金業ということになるのかどうかわかりませんが利息制限法等の違反等の事実が明らかになったとすれば、当局はどういう対応をするのか、これは一般論で結構でございますからお伺いをしたいと思います。
  55. 石川達紘

    ○石川説明員 最上恒産にかかわる事件につきましては、先ほど警察側から答弁がございましたように、東京地検におきまして去る十一月十七日に警視庁から事件の送致ないし送付を受けておるところでございます。  ちなみにその内容は、最上恒産の代表取締役らが同社所有にかかる新宿区西新宿所在の宅地合計四千八百七平方メートルを売却するに当たりまして東京都知事に所定の届け出を行うことなく売買契約等を締結した旨の国土利用計画法違反と、それから、やはり同社代表取締役らが都知事に対し同社の宅地建物取引業者免許の申請に際しましてあたかも専任の取引主任者を置いているような内容虚偽の書類を提出しまして不正の手段で宅建業者の免許を受けた旨の宅地建物取引業法違反でありまして、これらの事件については現在捜査中でございます。  もとより、同地検におきましては、御指摘のありました事件のようなものがもし捜査の過程において明らかになりますれば、当然適正に対処するものと思っております。
  56. 草川昭三

    ○草川委員 この問題について一回、きょうは物持という席上ですが、これは国民生活にも非常に大きい影響を与える事例ですよね。まじめに働いている人は損するわけですから。金銭的な麻痺があるわけですから。一サラリーマンが三億の金をぽんぽんぽんぽん一枚の領収書でもらって、返済はちょっとこちらの方で操作してくれよで済むわけですよ。そんなばかなことは、農水省も、いかにこれは個別案件だと言ったって、もう少し、そういう事実、私はここに領収書を持ってきているのですから、そういうことが事実だったら毅然とした処置をする。個人の問題なのか組織的な犯罪なのか徹底的にこれは追及してもらいたいと思うのですよ。もう一回農水省と経済企画庁長官の感想を求めたいと思います。
  57. 嶌田道夫

    ○嶌田説明員 協住ローンにおきましては、現在御指摘の件につきまして事情を聴取しているところでございます。私ども農林省といたしまして、協住ローンの行いました調査結果を踏まえまして、仮に不動産融資に当たって是正すべき点がある場合におきましては、必要に応じ所要の指導をしてまいりたいと考えております。
  58. 中尾栄一

    ○中尾国務大臣 草川委員、この間の土地問題対策委員会、衆議院にはその委員として、また参議院では傍聴されながら、熱心に討議を重ねたことを私も熟知しております。大変敬服しておる次第でございます。  近年の首都圏を中心とした著しい地価の上昇そのものは、国民生活に御指摘のとおり大きな影響を与えるとともに、特に物価面に悪影響を及ぼすという可能性が十分ございますし、さらに内需主導型の経済運営の推進にも支障を生ずるおそれがある、こういうことから経済企画庁としても現下の土地問題に対しては積極的に取り組んでいきたい、このように私も指示も申し上げておる次第でございます。  政府におきましては先般の緊急土地対策要綱が決定されたところでございますから、私としても今後とも土地対策関係閣僚会議の一員といたしまして、関係省庁等と十分に連絡をとって、そして積極的に土地問題に取り組んでいきたい、こう考えている次第でございます。  最後の問題点でございます先ほど来御答弁いただいております最上恒産事件に関しましては、事件の詳細は必ずしも詳しくは承知しているわけではございませんので、金融機関の土地関連融資などの問題も、先ほど聞いて実は私も感ずるところが幾つかございました。そういう点におきましては、投機的土地取引などを助長するようなことがないように大蔵省並びに関係省庁よりなお一層の適正化が図られることが重要だと考えておる次第でございます。したがいまして、私も鋭意その意味におきまして関係省庁を督励いたしまして努力するつもりでございます。  ありがとうございました。
  59. 草川昭三

    ○草川委員 時間が来ましたので最後の一問をしたいと思うのですが、ぜひ農水省の方も、今の私ども問題提起したことについては真剣な対応をして、後刻その処置については私の方に御報告を願いたい。これだけ要望しておきます。  最後になりますが、実はこれは関西でできた事案でございますけれども、今医療機関というのは非常に経営が悪いんです、病院経営というのは。中に赤字を出すところがある。中医協で最近問題になっておるところでありますけれども、たまたま病院経営で非常に苦しいところへ暴力団が金融業をするわけです。それで、病院の経営者というのは非常に経営については疎いところがあるものですから、ついつい暴力団金融というものに手を出してしまうというので、新日本医療サービスという医療機関へのやみ融資仲介事件というのがあるわけです。それで貸金業法違反で山口組系の暴力団が起訴をされているというように私ども聞いておるわけでございますが、起訴されているのか今捜査中ということになるのかわかりませんが、かなりこれは大阪だけではなくて私どもが聞いておる範囲では全国的にまたがっておるやに承知をしております。非常に新しい問題でございまして、事は医療機関でございますので大変な事態になってまいります。あるいはつい最近問題になりました日総リースでもそうですが、全国で五つの病院が不渡り手形回収の問題で困っておるという事例もあるわけでして、それぞれの病院には入院者もいるわけで、大変深刻な事態になってきておるわけですが、この問題につきまして警察庁当局の捜査の概要あるいは今後の見通しについてお伺いをして、私の質問を終わりたい、こういうように思います。
  60. 泉幸伸

    ○泉説明員 お尋ねの事件は、大阪市内に本社を置く新日本医療サービス株式会社が、大蔵大臣から貸金業の登録を受けないで病院、医院などに対して融資をあっせんし、この貸付金を国民保険及び社会保険の診療報酬の債権譲渡により回収していた事案であります。  大阪府警において、同社元社長など五名を逮捕するとともに、資金主の暴力団山口組系組長一名を指名手配しているところでございます。  今後とも所要の捜査を推進し、実態解明を徹底してまいりたいと思います。
  61. 草川昭三

    ○草川委員 以上で終わります。
  62. 村山喜一

    村山委員長 午後一時三十分から再開することにし、この際、休憩いたします。     午後零時三十六分休憩      ————◇—————     午後一時三十分開議
  63. 村山喜一

    村山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。北橋健治君。
  64. 北橋健治

    ○北橋委員 民社党・民主連合の北橋でございます。午前に引き続きましての長工場の委員会質疑で、大臣並びに政府委員各位におかれましては大変お疲れだと思いますが、どうかよろしくお願い申し上げたいと思います。  本日は、このたび認可されました電気ガス料金改定につきまして、順次政府の見解をただしてまいりたいと思っております。  私ども、今回の料金改定に際しまして、最近の円高原油安の差益がきちんと還元されたことを率直に評価したいと思います。ただ、料金改定についてはかって苦い体験がございます。昭和五十三年のときも円高差益還元料金改定をしたわけでございますが、その後為替レート等大きな経済情勢の変化が起こりまして、何と五〇%を超す料金引き上げを余儀なくされたという経験がございます。その意味で、私どもは、差益をきちんと消費者の方に還元をするという政策目的と同時に、電気ガス料金につきましては長期的に安定をさせることが重要な政策課題であると考えておるところでございます。このたびの料金改定に際しまして政府も当然過去のそういった苦い体験を十分念頭に置いて対処されたと思いますが、今度はそういうようなことはまずないとお考えでしょうか。まずそこから政府の見解をお伺いしたいと思います。
  65. 清川佑二

    清川説明員 お答え申し上げます。  今回の料金改定におきましては、実は非常に厳しい査定をいたしまして、国民原価の変動その他についてのメリットも十分に還元するという仕組みでやらせていただいております。具体的に申し上げますと、原価計算期間も一年間といたしまして、事業報酬率を従来の八%から七・二%にカットした上で申請が行われました。申請は三・九%の引き下げ申請だったわけでございますが、通産省といたしましては、原価変動調整積立金といったような留保利益も存在することも勘案いたしまして、事業報酬の額も圧縮いたしまして、結局五・四%の引き下げとなるというような査定をし、認可をいたしたところでございます。  御指摘のとおり、かつて五十三年度に差益還元をいたしました。その直後に第二次石油危機の大幅な原油価格の上昇がございました。五十五年四月からでございますが、電灯につきましては四三%の引き上げ、電力につきましてはそれよりも一〇%高く五四%の引き上げ、平均五〇%の料金の値上げ改定を行ったという苦い経験があるわけでございます。  現時点でそれでは厳しい査定と過去の経緯、経験から見てどうであろうかという問題でございますけれども一つには先ほど申し上げました留保利益というものを現在持っております。これは先生指摘のとおり生じた差益その他は需要者のためにとっておくという考え方から積み立てているわけでございますが、九千四百六十九億円の積み立てがございまして、若干の収支の変動には耐えられるであろうというふうに考えております。原油価格、これは現時点では、十一月の下旬が十八・〇五ドル、十二月上旬には昨日発表されました通関統計では十八・五ドルということで、若干変動はありますけれども、今のところ安定して動いているというような事情もございます。そういった実情もございますので、今後電力各社におきまして一層企業合理化努力を払っていただいて新料金が一日も長く維持できるであろうというふうに期待をしておるところでございます。御指摘のとおり、今後とも電力各社の合理化につきましては通産省としても意を払ってまいりたいというふうに考えているわけでございます。
  66. 北橋健治

    ○北橋委員 さてそこで、内部留保もまだまだあるので長期的に料金はかなり安定されるであろうという御見解と承りましたが、政府としてこのたび改定された新料金体系が今後どれくらいの間維持されることを期待しておられるでしょうか、政府方針を承りたいと思います。
  67. 清川佑二

    清川説明員 お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたように、今回の料金引き下げ査定というのは大変厳しかったという点はございます。したがいまして、今後各社の事業収支というのは予断を許さないものになるだろうと思うわけでございますが、この料金原価算定期間を一年間ということで申請査定した経緯からいいますと料金原価算定期間は一年であるということになるわけでございますが、そうではありますけれども改定後の新しい料金原価計算期間の一年だけもてばいいというわけではないわけでございます。したがいまして、認可に際しまして、通産大臣から特に各社社長に対しまして直接にお話をいたしまして、今回の改定料金ができる限り長期間維持されるよう引き続き経営の合理化に努めて国民の期待にこたえることを期待するということの要請をいたしたところであります。  私どもといたしましては、そのような次第で各社が経営の合理化を一心に行って一日でも長く新料金が維持されることを期待しているわけでございますけれども、将来の経済情勢その他の変動ということもいろいろあろうかと思いますので、具体的に何年といった期間をお答えすることはお許しいただきたいと思います。
  68. 北橋健治

    ○北橋委員 そこで、このたびの料金改定に当たりまして、政府は各項目についてかなり突っ込んだ厳しい査定を行って料金認可されたわけでありますけれども、その一つ一つを洗っていきますと、私どもとしましても料金を長期的に安定させる見地から見まして政府の見解をただしておきたい点が諸点ございますので、以下政府の見解をお伺いしてまいりたいと思います。  そのまず第一に、今回の値下げの原資として過去の差益などを電気事業者が積み立てておりました原価変動積立金の一部を取り崩すという措置をとられたわけであります。この措置について、若干問題なしとしないという立場ではございます。といいますのも、電気事業者申請ベースで原油価格が一バレル一ドル動きますと約六百億円も変わってまいります。為替レートも一ドル一円変化することによって約八十億円も変動する。ちょっとしたそういった原油為替レートの変化によって電気事業者収支というのはかなり変わってくるわけであります。その意味で、この原価変動積立金の取り崩しというのは、中長期的に料金を安定させるという見地から見て問題なしとしないと思うわけであります。むしろ将来少々為替変動が起きたりあるいは原油価格の上昇という事態が起こった場合の備えにすべきではなかったかということを考えるわけでありますが、政府の御所見を承りたいと思います。
  69. 清川佑二

    清川説明員 お答え申し上げます。  今回、料金改定に際しまして、査定という段階原価変動調整積立金などの留保利益に関連しまして査定をし、大幅な原資を捻出したという経緯があるわけでございます。この点につきまして若干敷衍して御説明申し上げますと、このような査定を行いましたのは、この留保利益というものは、将来発生が予想されます為替レートあるいは原油価格の急激な変動、これによります原価の高騰、これに備えまして料金を長期安定させるという趣旨で積み立ててあるわけでございます。電気事業審議会の答申に基づいて積み立てているわけでございますが、今申し上げましたような性質からいたしますと、本来需要家のために用いられるべき性格の積立金であるというふうに私どもは考えまして、また、これらの積立金につきまして、これが設備投資などに運用されているわけでございますけれども、もし銀行から借り入れる、あるいは社債を発行して調達するということであれば調達コストがかかるわけでございますけれども、今申し上げましたような性格上調達コストはかからないんではないかというふうに考えまして、この留保利益に相当するレートベースといいますか、事業用資産相当額分についての報酬を払うという部分から当該部分を控除した計算をするということで、いわば金利相当分を査定減したというようなことになっているわけでございます。  したがいまして、非常に御理解しにくい点はございますけれども、積立金そのものを取り崩すということは料金改定するに際しましての原価主義の原則からはしがたいことでございますので、留保利益そのものを取り崩すということはしていないわけでございます。したがいまして、この原価変動調整積立金などの留保利益につきましては、今後も本来の目的どおり将来の原価の変動に備えて置き、料金の安定化のために活用すべきものだというふうに私どもは考えております。
  70. 北橋健治

    ○北橋委員 そういたしますと、今回の措置というのは例外的な措置と考えてよろしいのでしょうか。
  71. 清川佑二

    清川説明員 お答え申し上げます。  将来料金改定がどのような事態でどのような経済情勢あるいはどのような会社の経理の状況下に行われるかということがなかなか予測しがたい状態ではございます。一般的な考え方からいたしますと、現在のように留保利益を持っているという事態がいつまで続くかという点もございます。過去にはこのようなものはなかったわけでございまして、経理の状況から値上げをしなければやっていけない状態になっていたわけでございまして、そのような時点で値上げの申請がなされておりました。そのようなことを考えますと、将来原価変動調整積立金を非常にたくさん持ったまま例えば値上げの改定ということが行われ得るかどうか、そのような点につきましてはまたその時点で判断すべきことだとは思いますけれども、こういった積立金そのものがいつまで存在するかという点を考えますと、そう何回もあることではないというふうに考えますので、先生の御指摘のように、今回これは特例かという点について直接のお答えではございませんけれども、果たしてそういう事態があり得るだろうかということを考えますと、そういう事態はないのではないかというふうに思うわけでございます。
  72. 北橋健治

    ○北橋委員 通産省方針はわかりました。原価変動積立金の創設したその趣旨からして、将来の経済情勢の変化に備える、そして料金を長期的に安定させるためであるというところに本来的な趣旨があると思いますので、ぜひその観点に立って今後の対応をお願いしたいと思います。  そこで、今回の算定基準になりました原油価格為替レートの今後の見通しについて政府の見解を承りたいわけでありますが、今回の原油価格見通しについては、一バレル十八・五ドルと政府は見込んでおられるわけであります。ただ、エコノミストの中でも見方が分かれておりまして、最近の石油情勢から見て実勢では大体一バレル十五ドルくらいではないか、原油市況の冷え込みを指摘する向きも強い反面、中東情勢、イラン・イラク情勢を初めとしまして依然として厳しい、場合によっては大変な事態になりかねない、そういった面を強調されるエコノミストもいらっしゃいます。  そこで、政府としては今後の原油価格見通しについてどのような見解を持っておられるか、お伺いしたいと思います。
  73. 井上孝

    ○井上説明員 資源エネルギー庁で原油問題を担当しております石油企画官の井上でございます。お答えをさせていただきます。  先生指摘のように、現在ペルシャ湾の状況は表向き安定しているように見えるわけでございますが、御案内のとおり、ここ連日国籍不明のガンボートによりますタンカー攻撃がまだ続いている状況でございまして、このペルシャ湾の情勢は今後とも予断を許さないということであろうかと思っております。一方、先生指摘のとおり、OPECの過剰生産の状況は必ずしもまだ改善はされていないということでございまして、現在及びしばらくの石油の価格というものは、このペルシャ湾の不安な状況とOPECの過剰生産ということの綱引きで決まっていくのかというふうに理解をいたしてございます。  先ほど務課長からも申し上げましたとおり、足元の原油価格、例えば十二月上旬の我が国への到着をいたしました原油価格、CIFベースでございますが、十八・五一でございます。十一月上旬からこの十八・五ドル前後をめぐりまして大体安定した動きを続けているかと思っております。私どもは、今後とも大体こういうことで安定をしていけばということで期待をしておる状況でございます。  以上でございます。
  74. 北橋健治

    ○北橋委員 続きましては為替レートでございますけれども、これは経済企画庁の方にお伺いした方がよろしいかと思いますが、今回通産省としては、これまでの慣例に沿いまして、料金査定に当たりますに際しては、認可前の三カ月間の平均レート一ドル百三十九円をとっておられるわけであります。ところが、御案内のとおり現在円は一ドル百三十円を突破して百二十円台をつけているということで、算定基準為替レートが既に実勢とかけ離れているのではないかという指摘も強いわけであります。  そこで、それはそれといたしまして、来年以降の為替レートについては経済企画庁としてどのような見通しを持っておられるか、お伺いしたいと思います。
  75. 中尾栄一

    ○中尾国務大臣 北橋委員にお答えいたします。  為替レートがどのような来年以降の見通しになるのか、あるいは一ドル百三十九円をとっておるということについてどう思うかというような御質問だったかと思いますが、円の対ドル相場は本年度夏以来比較的に安定をしておったことは御承知のとおりかと思います。ただ、米国の財政赤字貿易赤字等でこのところドル安で推移しているわけでございます。今後の為替レートにつきましては、為替相場が金利の動向、物価情勢等の内外の諸要因によって左右されていることから、見通しを立てることは非常に困難でございますし、また、政府としてはその予測を申し上げることは何とも不適切なことだというふうに考えておる次第でございます。
  76. 北橋健治

    ○北橋委員 確かに為替レートというのはいろいろな経済要因で変わりますので予測することは難しいわけですが、例えば銀行を初めいろいろなシンクタンクの来年度経済見通してはほぼ百二十円台で大体一致しておりますし、政府の方も来年度の経済見通しを立てるに当たりましては一定の為替レートを前提に置いた試算をされておると聞いておりますが、事務当局でもそういう作業はまだ全然やられておらぬということでしょうか。
  77. 横溝雅夫

    ○横溝説明員 御指摘のように民間のいろいろな予測機関で来年度経済見通しをいろいろ発表しておりまして、それぞれ来年度についていろいろ為替レートの想定をいたしておりますが、政府における来年度経済見通し策定のための前提となる為替レートにつきましては、今大臣がお答え申しましたように、先行きについていろいろな要因があって技術的に見通しを立てることが困難であるということと、もう一つは、政府自身が例えば来年度百二十円であるとか百十円であるとかあるいは百五十円であるとかある一定の予測を立てることは市場に対して予断を与えることになって問題であるというようなことで、予測作業をする場合には直近の為替レートの実際の数字をそのまま将来も変わらないという前提のもとで作業をすることにいたしておりまして、特に来年度について幾らという予想は予測作業上しないことに、そういうルールになってございますので、来年度について特に予測はしておりません。
  78. 北橋健治

    ○北橋委員 経企庁のその作業の仕組みについては理解をしておるものでございますが、それでは、この為替の安定については政府も先進各国と合意をして作業を進められておりますのでその面からお伺いしたいと思いますが、日本のGNPを世界第二位に押し上げてきた最大の原動力はやはり輸出産業の力だったと私は理解しております。しかし、その輸出産業の現在の状況を見ますと、一ドル百五十円以上の円高になりますとどれだけ合理化をやってもとても追いつかない、合理化による円高への対応を極めて困難にしておりまして、百三十円台を割れたという現在の状況はまことに遺憾な事態を発生させております。大変な雇用不安が鉄鋼を初め造船、そういったもろもろの産業に出てきておるわけであります。ことしの初めにはルーブル合意という為替相場安定にかかわる先進国間の合意があったわけでありますけれども、これは事実上破綻したと我々は受けとめざるを得ないわけでありますが、経企庁はどう見ておられますか。
  79. 中尾栄一

    ○中尾国務大臣 お答えいたします。  本年二月のルーブル合意におきましては、主要先進国そのものが世界経済の成長を促して現在の不均衡の是正をするために経済政策の協調の努力を強めるということに合意をしたわけでございます。御案内かと思いますが、すなわち、黒字国は物価の安定を維持しつつ内需を拡大しながらなおかつ対外黒字を縮小するための政策をする、その方向。また、赤字国は国内不均衡及び対外赤字を縮小しつつ安定した低インフレの成長を促すための政策をとることといたしたわけでございます。  その後の政策協調の進捗状況を見ますると、第一番目には、我が国においては五月二十九日の緊急経済対策、第二点においては、西独においては十二月二日に景気の刺激追加対策などが決定されたわけでございます。第三点においては、米国においても御案内の十一月二十日の財政赤字削減の基本的合意が成立をするというようなことで、ルーブル合意に沿った対応がなされてきたところでございます。  しかし、ドル安の主因と見られますところの米国の財政、貿易の俗に言う双子の赤字というものが依然高水準でございまして、その早急な是正が目下求められておるわけでございます。八八、八九年度の米国財政赤字については、先般議会並びに大統領の間で基本的な合意がなされておりまして、これに基づき八八年度の予算案の法制化も進められて、きょうあたりが大体その山場ではないかと思われておるのでございますが、これに基づきまして八八年度の法制化が進められていきながらも、今後米国の財政赤字削減の努力というものを注視していくということが私どもの考え方でございまして、財政赤字、ひいては貿易赤字の着実な縮小を期待しているところでございます。  我が国としましては、今後とも主要国間の協調的な経済政策の実施を推進し、円レートの安定化に全力を挙げて努めていきたい所存でございます。
  80. 北橋健治

    ○北橋委員 長官が円レートの安定に努めてまいりたい、全力を挙げたいという御趣旨は以前から重々承知しておりますが、にもかかわりませず、二年前のプラザ合意以来異常なほどのスピードでどんどん円高が進んでいる。そのために輸出産業を初めとして特に関連中小零細企業はとても合理化が追いつかないというまことに厳しい状況に追い込まれているわけであります。そこで、政府としては委員会答弁で公言できることといえばそういった安定に努めるということなんでしょうけれども、米国に対してもう少し積極的に物を言って為替レートの安定のために本当にやっていただかないと、とどまることを知らないほどの円高で大変な事態になってしまいます。  先般の衆議院本会議において代表質問のときに、塚本委員長の方から政府に対して、まことに申しわけない失礼な言い方でありましたけれども、これまでの先進国間における交渉、なかんずくアメリカに対する為替の安定に係る問題については日本政府の対応はいわば御用聞き外交ではないか、もう少しアメリカに対して双子の赤字を削減するように強く迫るべきであるということを申し上げたわけでありまして、そういう見地から、できましたら長官の方からもう一歩踏み込んで、現在の円レートが本当に言われておりますような安定した水準とお考えなのかどうか、当然そんなことはないと思うのですけれども、そうでなければ、政府閣僚の一員として、アメリカに対して強く財政、貿易赤字の削減を迫るという意見を閣内でも言っていただきたいわけでありますが、その点経済企画庁長官の御所見を承りたいと思います。
  81. 中尾栄一

    ○中尾国務大臣 私も政府の首脳会議の一員でもございますし、同時にまた経済閣僚会議の議長もさせていただいております立場もございますから、その点も十分留意しながら、言うべきことは言うという立場を堅持しながら、特に対米関係についての双子の赤字に対する努力を促進していく方向づけ、またそれに対する我々の協力、こういうことも十分に私どもの内意を伝達しながら協力方を促したい、こう思っております。その点は塚本委員長と全く同感でございます。
  82. 北橋健治

    ○北橋委員 それではその点をぜひ長官にもお願いをしたいと思います。  時間が限られておりますので急ぎ足でまいります。  経済企画庁にお伺いをしておきたいのですが、今回の電気ガス料金の値下げが日本経済に与える影響であります。その中の一つとして、ことしの九月の時点で、経済企画庁の調査によりますと、一昨年来の円高による差益の還元率は全体の約七〇%ぐらいである、先般そのように発表されたのを記憶しておりますが、今回の電気ガス料金改定でこれがどれぐらいに達する見通してございましょうか、お伺いいたします。
  83. 冨金原俊二

    ○冨金原説明員 お答えいたします。  今先生の方から御指摘もございましたように、私どもが一定の前提を置いて計算をいたしますと、プラザ合意以降の二年間で大体二十五兆円、累積で約七割弱程度還元が進んできているのではないかと考えております。  そこで、今回の電力ガス料金引き下げによってどういう還元率になるかという御質問でございますが、これはお答えするのがなかなか難しゅうございます。と申しますのは、来年一月から一年間にわたって、従来の暫定料金から本格改定を行うことによって卸、消費者物価両方で約七千億ぐらい価格面で還元される。問題は、その来年一年間にどれだけ差益が発生するかということがある程度わかりませんと計算上は出てこないことになるわけでございます。ただ、一応の見当としてあえて申し上げますれば、最近のような情勢、つまり為替レート、石油の価格状況等によっても違いますけれども、最近の四半期ベースで申し上げますと、差益が大体三兆円から四兆円弱ぐらい発生じているという試算が計算上は出てまいります。仮に来年一年間で四半期ごとにそれくらい差益が発生するという前提を置いた場合には、年間で十二兆円とか十五兆円というような差益額になるわけでございます。これは状況によって変わり得ると思いますが。それに対して電力、ガスだけで七千億直接還元されるというふうに計算いたしますと、一応大体五%程度という計算が出てくるわけでございますが、あくまでもかなりの前提を置いたお答えでございますから、差益の累積額がどうなるかということについては的確にお答えしにくい。ただ、申し上げられますのは、全体では七割程度と申し上げましたけれども、最近の四半期、七−九月をとってまいりますと、差益発生額のうち約九割くらいが計算上は還元されているということでございますし、期を追って差益の還元率は高くなってきているという実情でございますので、全体として見れば差益の還元はかなり浸透してきているというような認識をしておるわけでございます。
  84. 北橋健治

    ○北橋委員 そこで、今般の電気ガス料金引き下げによりまして、他の公共的な事業体へのコストダウンという面もこれから期待できるわけであります。例えばそれは鉄道を初めとして公共的な事業体なんかが含まれるわけでありますが、しかし、この電気ガス料金引き下げという差益還元措置が最終消費者にそのメリットが及ばなければこれは意味がないわけであります。その点、家庭用産業用電力ガス料金につきましてはメリットが還元されますが、公共的な事業体を通じて消費者に還元されていくような仕組みの価格については、何か政府として今後今回の電気ガス料金改定に当たって指導を行っていくお考えがあるかないか、お伺いしたいと思います。
  85. 冨金原俊二

    ○冨金原説明員 今回の電力ガス料金引き下げによりましてその分だけいろいろな分野でコストダウンが図られるということは御指摘のとおりでございます。問題は、私どもこれまでもいろいろな分野で差益還元を進めてきておるわけでございますけれども、今後の公共料金改定問題に当たりましても、当然のことながら今回の効果が十分波及していくようなことを頭に置きながら査定をし、できるだけ消費者に還元ができるような方針で臨みたいと考えております。
  86. 中尾栄一

    ○中尾国務大臣 ただいま北橋委員の方から何らかの指導を考えてもらえまいか、こういうことでございました。電気ガス料金などの公共料金につきましては、昨年来累次にわたる対策などにおいて畜産物の安定価格帯の引き下げあるいはまた国際航空運賃の方向別格差の是正あるいはまた国内航空運賃の割引制度の拡充などを実施いたしまして、これらの還元策を通じまして円高差益はかなり浸透してきているのではないかな、私はこのように考えております。  今後とも為替レート動向などに留意しまして、先ほど指摘ございました電気ガス料金等以外の公共料金などにつきましても差益還元に積極的に努力を傾注していく所存でございますので、よろしくひとつ御指導のほどをお願いします。
  87. 北橋健治

    ○北橋委員 そこで、今後の経済情勢は不透明なわけでありますが、今回の料金改定に当たりまして一応の基準にした為替レートあるいは原油価格、この動向というのは来年以降変わってくる可能性もあるわけであります。場合によっては料金改定時予想していた以上の差益がさらに上積み発生する可能性もあります。私どもとしましては、その分は何はともあれ電気料金を長期的に安定させるその分にまず充てるべきではないか、そして、場合によっては、今大変円高不況で苦しんでいる地域が多数ございますので、内需喚起に貢献する設備投資に充てていってはどうかとも思うわけでありますが、政府としては今後さらに予想以上の差益が電気ガス料金に発生した場合の対応についてどのような方針で臨まれるか、お伺いしておきたいと思います。
  88. 清川佑二

    清川説明員 お答え申し上げます。  先ほど、今回の料金改定につきまして相当厳しい査定をし、将来の事業収支については予断を許さない状況にあるということを御説明申し上げましたわけですけれども、御指摘のように、今後円高原油価格の低下、こういった進展で燃料費が大幅に低下して差益が発生する事態になるかどうかという点が一つの大きな問題かと私どもは思っております。  現時点での円高はございますし、原油LNG価格につきましてはやや安定はしておりますけれども、総合的な収支状況についてなかなか将来のことか言いがたいと申し上げるのが実情でございます。円レートにつきましても、現実には輸出依存の高い産地、中小企業問題もございます。通貨当局も介入をしたりあるいは低金利政策を実施したり内需主導経済成長を行っているなどのようなことで為替相場を安定させるための努力をしていると私どもも承っております。そういった状態で、為替レートにつきまして将来の見通しというのが立ちがたい実情でもございますし、また、油の値段につきましても将来の見通しというのはなかなかわかりがたい状態でございますので、御指摘のように相当に差益が生じるという、そういう事態が生じるかどうかということにつきましてもなかなか今から予見しがたいということが実態かと思うわけでございます。  他方、それでは電力会社に経理的余裕があった場合に、非常に不況に苦しむ中小企業、そういった業界の問題もある、各地の不況地域もある、そういったことで設備投資その他を活用していくという考えはどうかという問題が次にあるわけでございますけれども、景気対策への対応といたしまして、実は昭和六十年、二年前になりますが、そこで今後三年間一兆円程度の設備投資を増加するという御決定がございまして、おおむね一兆円程度以上の追加投資を行うということで現在着々と進めてきているわけでございます。六十三年度におきましてもこれら追加投資は計画どおりやっていくということで考えているわけでございます。六十四年度以降につきまして投資規模というものはまだ決まっていないわけでございますが、設備投資というものが電力料金コストということになるものですから慎重に考える必要がございまして、いずれにしても各年度の電力需要の増加に対応して適切な設備投資を行っていくということが長期的に見て必要なことではないかと思うわけでございます。
  89. 北橋健治

    ○北橋委員 今回の料金改定に当たりましては、差益をできるだけ速やかに大きく還元してもらいたい、そういう世論が強うございましたので、専らその方が注目されたわけであります。しかし、電気料金の中にはそのほかにも大変大きな課題があるわけであります。例えばその一つは原子力のバックエンド費用についてであります。これについては今後の検討課題ということで総括原価には繰り入れられなかったわけでありますが、この原子力のバックエンド費用というのは将来確実に発生してきます。早急に合理的な引き当て方式を確立しませんと、おくれればおくれるほど次の世代の方々の負担が増すということにもなりかねません。また、廃棄物の処理費用についても、確かに現時点においては合理的見積もりが難しいかもしれませんが、これも早急に検討に着手すべきである。そういう重要な問題が今回の料金改定では先送りされたわけであります。この問題についてはできるだけ早く合意を取りつけて措置をすべきであると思いますが、政府の対処方針をお伺いします。
  90. 清川佑二

    清川説明員 お答え申し上げます。  原子力のバックエンド費用と一般的に言われているものの中身を見てみますと、一つは使用済みの核燃料の再処理といったような問題、第二には、原子炉のような原子力関係施設が廃止されるような事態のときに、放射線を帯びておりますのでこれをどのように廃止していくか、そのコストをどうするかという問題、それから第三にはそういった放射線を帯びている物質を処理し終わった後でどこかに貯蔵するなり埋めるというような処分をするという大きな課題三つがあるわけでございます。  そのうち使用済みの核燃料の再処理費用につきましては、去る五十四年三月に電気事業審議会で、これをコストとして原価に算入すべきであるという答申を得ております。また、租税特別措置法により引当金の損金算入は認められております。今回の改定におきましても料金原価に算入しております。  第二の問題、すなわち原子力発電施設の廃止措置の費用、いわゆる廃炉の費用でございますけれども、これにつきましては、ことしの春の電気事業審議会におきまして、本来は発電を行っている時点で引当金を積み立てるのがよろしい、現在電気を使っている世代と将来の世代の関係を見ると、世代間の負担の公平の観点からそれが適切であるという答申は受けているわけでございますけれども、なお十分に検討を積んだ上で行うべきであるということでございまして、今回の改定では先生指摘のように料金原価に算入されていないという状態でございますので、今後とも検討を進めていきたいと思うわけでございます。  それから第三の放射性廃棄物の処分の費用でございます。これにつきましても、ことしの春の電気事業審議会の答申におきまして、骨子としては、現時点では将来の費用を見積もることがまだ困難であるために引き続き内外の事態の推移を見きわめていくということと、費用の合理的見積もりが可能となった時点において改めて料金制度部会で料金原価への算入を初めとした取り扱いについて検討するという趣旨の答申をいただいております。現在、この指摘に従いまして総合エネルギー調査会原子力部会におきまして検討を進めておりますけれども、これを踏まえまして、費用の合理的な見積もりが可能となった時点におきましては料金上の取り扱いについてさらに検討していきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
  91. 北橋健治

    ○北橋委員 時間が参りましたのでこれで終わります。ありがとうございました。
  92. 村山喜一

    村山委員長 次に、岩佐恵美君。
  93. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 本日は大臣が御就任されて初めての質疑になるわけでありますが、経済企画庁は、国民の暮らしを守る、そういう立場に立つ大変重要な官庁であるというふうに思います。そういう立場で御奮聞いただきますことをまず最初に心からお願いしたいと思います。  先ほどから議論になっております去る十二月十八日に値下げとなりました電気ガス料金の問題でありますが、私どもは値下げの内容については極めて不十分であると思っております。例えば、原油価格について一バレル当たり十八ドル五十セント、これは現在原油価格スポット価格で十五ドルになっている、そういう状況でございますし、また、為替レートにつきましても、百三十九円と査定しておりますけれども円高が進み百二十円台になっている、そういう状況でございます。この点で、これらについて査定が不十分であるというふうに思います。  もう一つは、今回の値下げ分は電気、ガス合わせて総額で六千八百十五億円でありますが、私ども計算いたしましたところによりますと、九電力の八〇年の値上げ以降の内部留保の積み増し、これは一兆三千八百億円、それから円高原油安分、これを合わせると二兆一千五百十億円。ガスも、都市ガスの大手三社で積み増し分が二千百九十億円。電力、ガス合わせて二兆四千億円、こうなるわけで、電気の場合、これらをもし一般家庭に五割振り向けたとしますと月二千三百円下げられる。それが今度の査定では百二十円にしかならないわけであります。それから中小企業に三割五分振り向けますと月九千五百円下げられる。また、ガスは月千六百円下げられる。ガスの今度の査定が三百五十円でありますから、こういう点からいっても今度の値下げは不十分であるというふうに思っています。  さらに、六千八百十五億円の還元額のうちの七一%に当たります四千九百億円が産業向けであります。一般消費者への還元というのはそれこそスズメの涙ほどだということで、一般の消費者からもこれはひどいのじゃないかという声が上がっています。現在でも一般家庭電気料金は大企業の大口料金に比べて八割も高いという状況でありますから、一般消費者の問題をもっともっと考えていく必要があるというふうに言えると思います。そういう意味で、原油安あるいは円高状況であります、今後もっともっと一般家庭円高、為替差益が還元されるように大臣として御努力されるようにお願いをしたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
  94. 中尾栄一

    ○中尾国務大臣 私どもも、この円高の塗炭の苦しみは、国民的な、ほとんど全員の合意としてもよく承知しておりますし、それだけに円高並びに料金等の先ほど原油安などを含めましてのそういう格差あるいはまた差益還元ということについては全力を投球して今から御趣旨に沿うように努力してみたい、このように考えております。
  95. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 それから東京ガスの問題なんですが、安全装置、マイセーフと呼んでいるガス漏れ対策の機器でございますが、これはリース代月三百九十円と大変高いのです。安全は金で換算できないのだ、私が東京ガスにお伺いをしてこの問題を高過ぎるのではないかというふうに言いましたらそういうお答えが返ってきたわけでありますけれども、こういう独占的な立場の企業だけに、これは本当にとんでもないと消費者は非常に不満を述べているわけであります。特に集合住宅の場合にこれは全体で申し込まなければならないということで大変大きな問題になっているわけでありますが、こういう問題についてはきちんと、為替差益の分を持っていってしまうということではなくて、対策を立てるべきだというふうに思いますが、現在何世帯利用していて、今後どういうふうな対応をされるのか、通産省にお伺いをしたいと思います。
  96. 井出亜夫

    ○井出説明員 お答えを申し上げます。  先生指摘のマイコンメーターでございますけれども、これは異常なガスの流れを感知いたしましてガスをとめる機能を有するということでガスの保安の向上に役立つものでございます。この普及方法につきましてはいろいろあろうかと思います。従来東京ガスにおきましてはリース制によりましてこの普及を図ってまいりまして、現在のところ約百四十九万戸に取りつけがなされていると承知をしておりますけれども、来年以降につきましては、計画的に一層の普及を図るということで、リース制ではなくて会社負担ということで計画普及を図るようにしております。
  97. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 要するに現在の百四十九万戸も含めて無料で拡大をしていくということですね。
  98. 井出亜夫

    ○井出説明員 さようでございます。
  99. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 それから贈答品についてちょっとお伺いをしたいと思います。  ここに日本消費生活コンサルタント協会の「贈答品の中身と価格」という調査があります。これは非常によく調べられた調査だと思いますけれども、本来、通常の販売では円高メリット、円高差益還元されている商品が、事贈答品となりますと全く別建ての高値になってしまう、そういう調査結果となっているわけであります。  例えば輸入のお酒類なんですが、ここにある商店のチラシがございます。ここでちょっと見ていただきますと、ジョニ黒がメーカー希望小売価格八千円、それが三千六百円、それからホワイトホースがメーカー希望小売価格四千円、それが二千四百三十円、それからレミーマルタンVSOPが希望価格が一万二千円、それが五千八百円、こういう価格になっているわけです。  これは恐らく並行輸入価格なんだろうというふうに思いますが、通常多くのデパートではこういう並行輸入価格の安いものも売られているのですけれども、事ギフト時期になると、デパートではそれまで売られていた並行輸入品が姿を消してしまう、正規ルート品だけになる店がほとんどである、そして、ギフト時期を過ぎるとまた並行輸入品がお買い得品として店頭に出てくる、この調査書ではそういうふうに指摘をしているわけであります。  また、食用油、お砂糖、しょうゆなども円高差益が出ている商品ですが、贈りたい商品のトップの座を占めている例えば食用油など、この贈答品となると全く様相が変わるわけです。油の場合には、農水省が量販店における特売実施状況調査というのを行ったわけですが、割引率が最も高い商品が食用油であります。ところが、贈答品となると、デパートでもスーパーでも、この報告書では、「通常はコストを抑えて提供しているメーカーが、この時とばかり高価格品を展示して、消費者の選択の余地を無くしているように思われる。」と指摘をしているわけであります。  砂糖も、原料の七割が輸入で円高メリット商品ですけれども、贈答用となると、デパートの元売り場との比較では一・七倍、スーパーでは二・四倍にもなるということであります。また、円高メリットには直接関係ないのでありますが、ハムの場合、ギフト売り場で三千円で売られている同一のものが元売り場では二千七百五十円、二百五十円安。さらに、スライス売り場、同じものを切って部分売りするわけですけれども、そうなりますと、一本にして千円安くなるという状況になっているということであります。  このような贈答品の高値について、やはり実態調査をして是正するということが必要だと思います。ことしはもう贈答品の時期をちょっと過ぎてしまっているわけでありますが、この調査そのものはことしのお中元の時期の調査でありますけれども、今後そういう点で経済企画庁として対応していただきたい。  それから、公正取引委員会にも同時に申し上げておきたいのですが、贈答品となると、詰め合わせを品物を少なくして、そして小売店や何かにも十分に供給しないなんていう話も聞いたりするわけですけれども、ゆめゆめそういうことがないようにきちっと対応していただきたいというふうに思っているわけです。御答弁をいただきたいと思います。
  100. 中尾栄一

    ○中尾国務大臣 お答えいたします。  政府がこれまでに実施してまいりました輸入消費財価格動向調査によりますと、結果だけを申し上げますと、円高等により円ベースの輸入価格が下落した輸入品のうちのほとんどの品目で小売価格が低下しておるというような実情なのでございます。また、輸入原材料のコストに占める割合の大きい消費財などにつきましても、円高の効果が小売段階にかなり浸透してきているのではないかな、このように考えておるわけでございます。  また、流通業界におきましても、円高活用プランの実施や商店街における輸入品のフェアの開催などにより円高メリットの浸透を今現在図っている最中でございます。  一般的には贈答品などの個別の商品の価格につきましては市場の競争を通じて形成されるべきものと考えておりますけれども政府としては、消費者への情報提供あるいはまた輸入の促進などを行うことによって適正な市場メカニズムが働くようにさらに努力をしたい、こう考えております。  ただ、贈答品というのは、時に一般方々にいたしましても金券的に考えられておりまして、ある程度値段が固定しておりますると、贈答品を贈ることが幾らの価値のものを贈ったというような、そういうような価値観で考えられておるという点もございまして、これを比較的安くしてもそっちの方に飛びつかないというような気もないわけではないと思いますし、その点私ども十分に考えて努力をしていかなければならぬ。  今私、手元に実態資料としてございますのを見ましても、何ぼか下がっているのが幾つかございます。例えばウイスキーなどでも、六十一年の十一月、このころの値段が三千五百九十四円でございますか、これは輸入の実態価格、七百五十ミリリットルのものです。これが六十二年十一月には三千四百四十八円、細かくなりますが、そんなに大した値下げにはなっておりませんけれども、そんなような状況でございます。砂糖なんかでも、一袋一キログラムのものが六十一年十一月には二百六十二円、それが現在二百五十七円で、それほど褒められるほど下がっているとは思いませんけれども、食用油などは三百四十七円から三百三十二円というふうに、いずれにしましても多少なりともメリットは出ているのではないかなという感じはいたしますが、さらに一層の努力を倍旧払っていきたい、こう思っておりますので、よろしくひとつ御指導のほどをお願い申し上げます。
  101. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 大臣、それはちょっと、下がったのは結構なことでいいのですけれども、もっと下がるべきところに下がってないじゃないか。それから贈答品について、確かに高いものを贈るというのがいいという消費者の気持ちがあるかもしれません。しかし、値段が高くても量をちゃんと適正にふやしていけばいいわけですから、例えば油の缶二缶が今度円高メリットで三岳になればそれはいいわけですから、そういう面でも贈答品ということでかなりつけ込んで高くしているのではないですかという消費者の調査があるわけでございますから、そのことを踏まえていただいて、贈答品でそういうことがないようにきちんとしていただきたいということです。
  102. 中尾栄一

    ○中尾国務大臣 そういうふうに一生懸命努力したいと思っております。
  103. 植木邦之

    ○植木説明員 お答えいたします。  先生の御指摘は、贈答品に量が多量に流れて一般のルートに流れるのが少なくなるんじゃないかという御趣旨だと思います。御承知と思いますが、私どもの方は、流通過程を常に見ておりまして、この中に独占禁止法違反になるというような不当なことがございますとそれを取り締まっているわけでございます。今後ともその辺のことを十分に気をつけまして、不当なことが起こりましたら厳正に対処していきたい、こう考えております。
  104. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 ちょっと公正取引委員会に私の言い方が不十分だったのかもしれませんが、贈答品として決まった規格でデパートとかスーパーだけじゃなくて小売店にもずっと流れるわけですけれども、その流す量が少なくなったり、あるいはこの価格で売りなさいよという指示がいくという問題であります。いずれにしろ、お答えいただきましたので、そういう指示や何かで独禁法違反になるときはきちっと対応されるということでございますので、それはそれで結構でございます。  次に、私鉄の問題について伺いたいと思います。  関東大手五社から、特定都市鉄道整備事業の認定申請が出ておりますが、その取り扱いはどうなっているんでしょうか。
  105. 岩田貞男

    岩田説明員 お尋ねの件でございますけれども、今年の十月八日、それから一部追加申請がございまして先月の二十七日、今お尋ねがありましたように関東の大手五社から認定申請が出ております。現在それらの申請を受けましていろいろ申請内容の妥当性について審査をしているところでございまして、今の鉄道の混雑状況から見れば一日も早く混雑を緩和する必要があると思いますので、速やかに処理をしていきたいと思っております。
  106. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 混雑緩和について、私たちはこれは大いにやっていただきたいというふうに思っているわけですが、特定都市鉄道整備事業の認定が行われると、私鉄五社は来春にも運賃の値上げもあわせて申請をするということが言われております。その特定都市鉄道整備促進特別措置法は、大手民鉄の複々線化工事等のために大手民鉄に運賃先取りを認める、そういう制度でございますが、関連事業で高収益を上げている民鉄を二重、三重に優遇するものだということで、これは問題だ、法律自身には私たちは反対をしているわけでありますが、消費者団体、利用者の強い要求であるいわゆる開発利益還元、これについても二十年来いろいろと問題が提起をされ、議論をされていながら、いまだにきちんと具体化をされていないという実情であります。  運輸省は特定都市鉄道整備に当たってこの開発利益をどう還元をするということで取り入れていかれるのか、御意見を伺いたいと思います。
  107. 岩田貞男

    岩田説明員 手続的なことを申し上げると、先生御案内だと思いますけれども、仮に事業計画を認定させていただくとすると、それに続いて運賃改定申請、これは、今御質問の中にございましたように、輸送力増強工事のための費用の一部に充てるため運賃を通じて利用者から前借りをして、その前借り分で工事を促進しようというシステムがこの積立金制度でございます。したがいまして、これが仮に認定されました段階において、事業者サイドがどのように考えるかは別としまして、今おっしゃいましたように、いずれ運賃改定申請があるものということは容易に想像されるわけでございます。  その中でどう処理していくかということでございますけれども、私どもといたしましては、従前から申し上げているように、そんな申請がなされた場合には、運輸審議会の場あるいはいろいろな議を経まして、厳正に、過剰な利潤が入らないようにあるいは過剰な利潤が中に含まれないようにということで処してまいります。  今申し上げた中で開発利益をどうするかということはまだ申し上げてないのですけれども、この開発利益還元につきましては従前から議論がございまして、我々としても、鉄道を引くとそこの地価が上がる、便利になる、それによって不動産がもうかるということで、開発利益還元するシステムというものは従前より何かないかということで考えてまいったわけです。残念ながら具体的に今これをこうするということははっきりしたものはないのでございますけれども、それはこの特定工事の認定とは別な問題として十分今後も考えていかなければ一ならないと思っております。
  108. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 例えば鉄道部門値上げに当たっては、恐らく赤字だということでの決算を出してきて、そういうことから値上げが行われていくんだと思いますが、東武鉄道の場合、六十一年度三月末決算で三十四億九千九百万円の赤字となっているわけですが、経常利益の二・四倍の法人税を払っている。また一・四倍の配当を計上しているわけであります。これらを全部引いて赤字赤字だというふうに言っている。これは非常に大きな問題だと思うわけであります。しかもその配当について言えば、金融機関と証券会社で株式の五三・八九%を占めているわけであります。私閉会中審査の当委員会で土地狂乱と金融資本との関係について指摘をしたわけでありますけれども、こうした金融資本の利益のために利用者に負担をかぶせる、こういうのは本当に利用者としては納得できないことであります。そういう点で、これらの問題についてぜひきちっとした対応をしてもらいたいと思っています。こうした過大な法人税、配当を適正にすれば運賃値上げなんかしなくてもいい、運賃先取りしなくたっていいわけですね。  それからさらに当委員会で、これは夏の委員会指摘をしたのですが、大手私鉄の内部留保について、前回の料金値上げ時期の一九八四年三月に比較してことしの三月の決算時では、東武、西武、京王、小田急、東急、京浜急行六社合わせて八百十六億四千五百万円の増加になっている、こう指摘をしたわけです。それが今回の中間決算では総額で三千四百二十五億八千万円に及んでいます。積み増し額も前回から比べて九百九十五億六千六百万円、約一千億円に及ぶわけであります。ですから、安易に赤字決算だということで値上げを認める、あるいは先取りの運賃を消費者にかぶせる、これは、公共料金の値上げについて厳正に対応していかなければいけないということからいっても、本当に重要な問題であるというふうに思います。この点について大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
  109. 中尾栄一

    ○中尾国務大臣 岩佐委員にお答えいたします。  現在のところ運輸大臣に対する運賃の改定申請もなされていないために、当庁としては値上げについては現実は承知していないのでございます。しかし、先ほど来ある会社の例を引きながらも申し上げていただいていることは、非常に当を得た話である、このように私も解釈しておりますし、なお、仮に運輸省から運賃改定についての協議のあった場合、あるいはまた経営の徹底した合理化を前提とした、物価及び国民生活に及ぼす影響を十分に配慮して対処していくというのは理の当然のことかと思いますので、これは厳重に厳正にやっていきたい、こう考えております。
  110. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 輸送力増強、スピードアップ、これは多くの皆さんの希望であります。そういう中で見過ごされるのが事故の問題であります。事故統計にあらわれない接触事故などが多発をしています。輸送力増強とあわせて安全対策もきちんと行うべきだと思います。  つい最近というわけではないのですが、ことしの春、一月です。京王相模原線稲田堤駅ホームで、小学生が電車に乗ろうとした際ドアが閉まったため下りホームと電車との間に転落をして電車にひかれて死亡するという大変痛ましい事故が発生しています。稲田堤駅は、ホームが曲がっていて、ホームと電車の間に二十センチのすき間があって、転落する可能性がある危険な場所でありました。それにもかかわらず落下物検知装置という設備がされていなかったということで、もしこの装置があれば助かったと言われているところであります。この落下物検知装置は、四キロ以上のものがホームから落下したら直ちに連動して非常停止警報が作動するというものだそうであります。京王の場合、稲田堤駅と同様湾曲している危険なホームが何カ所かあるようですが、下高井戸にしかこの装置が設置されていない。この装置は全体でどの程度の普及率になっているのか。それから、こういう危険なホームについては、直ちにこういう装置をつけさせるとか安全確認の指導をするとか、そういうようなことを行うべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
  111. 中田栄一

    ○中田説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生からお話がございました事故につきましては、運輸省といたしましても承知しているところでございますが、現在、ホームからの転落を検知する装置につきましては、七社四十二駅に設置されている状況にございます。  プラットホームからの転落等に対します安全対策につきましては、特に見通しの悪い駅等については、ホームの監視を強化するとともに、乗降客に対する注意喚起を行うよう指導してきたところでございます。運輸省といたしましては、今後ともこのような対策を強化するとともに、必要な場合には施設の改良等について検討を行うよう指導してまいりたいと考えております。  なお、検知装置につきましては、電気を使います装置である関係から、雨等の問題点もあるやに伺っているところでございます。
  112. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 次に、特別加算運賃制度について伺いたいと思います。  各社の皆さんにいろいろ伺っているのですけれども、個別の事情はあるようですが、おおむね十年ぐらいで解消していきたい、こういうようなことを伺っているわけですが、その点いかがでしょうか。
  113. 岩田貞男

    岩田説明員 お尋ねの件でございますけれども、確かに先生おっしゃったように原則は一社一運賃でありますが、初め新線ができまして資本費が非常にかさむという場合については、利用者、受益者との負担の均衡を図る観点からそういう加算運賃制度を採用しております。確かに順次その資本費というものは軽減されて一般化されるものですから、一般と同じような、普通の違う区間の資本費と同じようになるものですから、そういうことで十年を一つの目途としてそういう加算運賃については順次逓減させていこうというような方針でおります。その理由としましては、利用者もだんだんふえてくるということで資本費の負担が少なくなってくる、一般化していく、それから利用者もふえる、そういうことで考えております。
  114. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 東急、京浜急行、小田急各社はもうそろそろ見直しをしようというようなお話があったわけでありますが、ちょっと個別の問題について伺いたいと思います。  京王相模原線、小田急多摩線、これの特別加算運賃なんですが、京王相模原線は京王多摩川から多摩センター間十一・五キロ、四十九年から使用開始、それから小田急多摩線は新百合ヶ丘から小田急多摩センター間九・一キロ、これも四十九年から開始であります。いずれも十年以上たっているわけであります。利用人員を見てみると、京王多摩センター駅四万五千五百五十九人、小田急多摩センター駅一万五千二百六十人、この十年間でそれぞれ十倍ぐらい伸びている。そして、利用客としては京王の方が小田急の三倍になっている。ところが、こういう加算運賃についてどうなのかというと、小田急は一部是正したい、京王の方は全く下げる気はない。各社の特別加算運賃線区についての原価収支が全く明らかにされないままで、何の根拠もなく、いやできません、いつどうなのか、期限もわかりません、これでは利用者は本当に理解に苦しむし、また怒りをぶつけてくるわけであります。先ほど言われたように一社一律運賃制度の建前をとっていてこういうものは解消しなければいけないということなのですから、こういう点についてはきちんと是正をするという指導を強めるべきだというふうに思いますけれども、その点いかがでしょうか。時間がないので簡単にお願いします。
  115. 岩田貞男

    岩田説明員 機会を見まして合理的な範囲内で今の御趣旨を踏まえていきたいと思っています。
  116. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 それから、私鉄各社、円高差益が大分出ているようでありますが、各社トータルで結構ですが、その額は幾らになっておりますか。
  117. 岩田貞男

    岩田説明員 六十一年度実績で七十一億円と聞いております。
  118. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 この為替差益については、皆さん、サービス改善に使いなさい、そういう指導をされているというふうに伺っているわけでありますけれども、これもまた具体的ですが、京王の場合、六十一年度の円高差益は四億円となっています。京王多摩センター駅のことなんですが、たくさんの利用客がいるわけですけれども、現在七十四段の階段があるのです。これは大体六階建てのビルに相当する。エスカレーターの設置はやらなければいけないということで、今そのエスカレーターをすぐ取りつけられるまでに階段の横にちゃんとあるわけです。このエスカレーターの取りつけの費用はわずか二千万円だというわけです。ところが、連綿たる利用者の訴えが百名以上も集まって、本社に持っていったりとかいろいろやっているのですけれども、誠意ある態度が全くないということで、これも利用者が非常に怒っているわけであります。個々のことでございますが、この点についてもきちんとこういうことがないように、為替差益が出たらそれは当然利用者還元するということで使うように指導をしてほしいというふうに思います。
  119. 岩田貞男

    岩田説明員 今御質問ございましたように、その為替差益分については、設備投資、サービス改善工事費が中心となると思いますけれども、そういうことに充ててもらいたいということで私鉄各社に要請しているところです。ただ、具体的なサービス改善工事の内容はどうであるかといいますと、それは各社がそれぞれの利用者の御要望等を踏まえて判断すべき事項ではないかと思っておりまして、具体的にどこをどうやれというようなことまでは我々も詳しく存じ上げないものですから指示しておりません。ただ、せっかくの御提案でございましたので、先生の今おっしゃったことについては当該会社によく伝えるようにいたします。
  120. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 運輸省は昭和五十八年三月に公共交通ターミナルにおける身体障害者用施設整備ガイドラインというものを出しておられます。ことしは国際障害者年の中間年でございます。設備投資計画にきちっと位置づけて促進をしていくということで既におやりになっておられるというふうに伺っておりますが、視覚障害者から出ている話ですが、民鉄協会に視覚障害者割引の距離制限の撤廃をしてほしいというのがあります。同時に、子供券で改札口を通れるようにしてほしい、こういう要望が出ていて、既に関西の私鉄ではこれは行っているということでありますけれども、関東の私鉄はまだやってないということであります。そのことについて、どうなっているか、御存じであればお答えいただきたいと思います。
  121. 岩田貞男

    岩田説明員 お答えをいたします。  確かに関西の会社では順次そのようなことをしたということを聞いております。ただ、小児券でするのかということ、要するに半額でお乗りいただくということは決まっておるわけでございまして、ただ切符をどうするかということでございまして、これにつきましては、券売機で小児券を買うと大人の身障者の方がこどもの券であるということがどう思われるかとか、あるいは自動改札があるとどういうふうにして通れるかとか、あるいは途中で車内検札があると一々身障者手帳を出さなければならないとか、いろいろなことが検討事項となっておるようでございまして、一部会社ではまだ踏み切ってないようでございます。  いずれにせよ、身障者の方が気持ちよく簡単な手続で乗れるようにということは当然のことでございまして、順次よりよい方法でお乗りいただくようなことで指導していきたいと思っております。
  122. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 次に、営団地下鉄の安全対策について伺いたいと思います。  地下鉄で電車内に大事な忘れ物をして、急いで届けても、ラッシュ時以外はホーム要員がいないため途中の駅では捜してもらえない、終点まで持っていかれてしまう、そういう点では地下鉄というのは大変だという声があります。  安全という面から見ると、問題はさらに深刻であります。  東京の営団地下鉄では、ことしに入ってホームの乗客をドアに挟んだまま電車が発車するという事故が相次いています。四月の二十五日には、千代田線千駄木駅で、女性客が前から三両目の車両のドアにそでを挟まれたままホームを五十七メーター、さらにトンネル内を五十八メーターも引きずられて負傷し、入院しています。五月二十日には、丸ノ内線国会議事堂前駅で、池袋方面行き電車の前から三両目のドアに女性客が挟まれ、ホーム上を六十七メーター引きずられる事故がやはり起こっています。ほかにも事故は続発して、営団当局の関係者も全くの異常事態と言うくらい、ちょっとたくさん起こっているんです。  事態を重視して、私ども共産党東京選出の国会議員がそろって八月四日に営団当局にホームの要員の増員とか安全対策を強化するよう申し入れたんですが、その後また十二月の十一日に、銀座線の上野広小路駅で、渋谷行き電車の先頭車両のドアに女性客が挟まれ、二十七メーター引きずられてトンネル内に転落をした。六百ボルトの電流の流れている軌条と線路の間に落ちたんですから感電しても本当におかしくないし、手足を切断してもおかしくないような、もう本当に恐ろしい事故だったわけです。  こうした事故が起こるのは、ホームが曲がっていたり、トンネル内で暗かったり、お客が込んでいて見えなかったりとかいうようなことで、車掌一人じゃどうにも安全確認が難しい、そういう状況があるようであります。ラッシュ時の限られた時間帯以外はホームに要員がいないということに大きな原因があるんじゃないかというふうに思いますけれども、それ以外にもいろいろあるということでありますが、いずれにしても運輸省は、こうした事態をきちんと把握して、ホーム要員の増員など安全対策を強化するよう指導すべきだと思います。実は、運輸省から事故のデータをもらっているんですが、医者にかからないような、公式事故調査統計に出てこない事故というのが結構あるんですね。そういう事故をやはり重視をして、あわや大事故になるようなそういうものもきちっととらえて、実態を把握して適切な対応をすべきだというふうに思います。これは運輸省に後でまとめてお答えいただきたいと思います。  それから、時間が終了したという紙が出てきましたので終わりたいと思うのですが……
  123. 村山喜一

    村山委員長 申し合わせの時間を守ってください。
  124. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 済みませんが、あと一問だけ。  食品添加物の個別名を全面的に表示するとの答弁が当委員会での私の質問に対してあったのが八一年六月ですから、もう六年以上たっています。ようやく来年実施の運びになったのですが、問題が幾つかあります。  一つは、ばら売りです。ばら売りもちゃんとやらせるようにということできちっと対応していただきたいと思います。  それから、キャリーオーバー、加工助剤の表示免除の件です。例えばおせんべいに使用されているしょうゆの添加物とか、ジャムのシリコン樹脂とか、ビールのホップに使用されている添加物とか、チーズの硝酸カリウムとかナトリウム、重合燐酸塩が入ったすり身を原料としたかまぼこ、脱脂粉乳の燐酸塩、こういうものは一体どうなるのかというのが大きな問題になっています。  それから、着色料もどうなるのかということが問題になっています。  また、あと天然添加物、これについてきちっと表示を義務づけさせなければいけないのに、規格基準がちゃんとできていないためにおくれているわけでありますが、これの作業がどうなっているのかということを伺っておきたいと思います。  こうした問題について各担当から御答弁いただいた後、最後に大臣、消費者予算というのは、冒頭にも申し上げましたけれども、非常に重要なんですね。今減る方向にあるのです。そういう点で、ぜひそうした予算をふやしていただきたいということで御決意を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
  125. 村山喜一

    村山委員長 簡潔に願います。
  126. 内山壽紀

    ○内山説明員 本年九月に検討会から「食品添加物表示について」の答申をいただきまして、その中で、今岩佐先生が言われましたことについては、すべて今後検討すべき事項という形で挙げられております。これにつきましては、今回は間に合わない形にはなりますけれども、私どもといたしましては今後の検討課題という形で順次検討していきたいと考えております。  以上でございます。
  127. 中田栄一

    ○中田説明員 営団地下鉄の事故につきましての先生の御質問でございますけれども、従来から、実際のホームにおきます旅客の乗降の安全確認につきましては、ドアの状況の確認とか、それから非常に混雑する駅等や曲線の多い駅等につきましては、ITV設置、ホーム要員の配置などの関係の安全確認をしておるわけでございます。さらに、乗客に対しましては、危険な駆け込み乗車の防止のための注意喚起等もやっておるわけでございます。  運輸省といたしましては、従来から指導してきているところでございますけれども、混雑時におけるホーム要員の適正な配置とか旅客の乗降状態の的確な確認等につきまして、今後とも指導してまいりたいと考えております。
  128. 中尾栄一

    ○中尾国務大臣 先ほどの地下鉄の問題といい、また食品添加物の問題といい、十分心してかかっていきたいと思います。なかんずく食品添加物は人間の体に影響する問題でもございましょう。十分に留意をしながら注意を払っていきたい、このように考えております。予算の面でも頑張ります。
  129. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 終わります。
  130. 村山喜一

    村山委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後二時五十七分散会