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1987-12-08 第111回国会 衆議院 運輸委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和六十二年十一月二十七日) (金曜日)(午前零時現在)における本委員は、 次のとおりである。   委員長 関谷 勝嗣君    理事 小里 貞利君 理事 柿澤 弘治君    理事 亀井 静香君 理事 亀井 善之君    理事 二階 俊博君 理事 吉原 米治君    理事 西中  清君 理事 河村  勝君       魚住 汎英君    小渡 三郎君       加藤 六月君    鹿野 道彦君       北川 正恭君    鴻池 祥肇君       田中 直紀君    津島 雄二君       平林 鴻三君    増岡 博之君       山村新治郎君    若林 正俊君       小林 恒人君    清水  勇君       新盛 辰雄君    戸田 菊雄君       浅井 美幸君    石田幸四郎君       中村 正雄君    中路 雅弘君       村上  弘君 ――――――――――――――――――――― 昭和六十二年十二月八日(火曜日)     午前十時四分開議 出席委員   委員長 関谷 勝嗣君    理事 柿澤 弘治君 理事 亀井 静香君    理事 亀井 善之君 理事 二階 俊博君    理事 吉原 米治君 理事 西中  清君    理事 河村  勝君       魚住 汎英君    鹿野 道彦君       北川 正恭君    鴻池 祥肇君       田中 直紀君    津島 雄二君       平林 鴻三君    増岡 博之君       小林 恒人君    清水  勇君       新盛 辰雄君    戸田 菊雄君       中路 雅弘君    村上  弘君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 石原慎太郎君  出席政府委員         運輸政務次官  久間 章生君         運輸大臣官房長 棚橋  泰君         運輸大臣官房国         有鉄道改革推進         総括審議官   丹羽  晟君         運輸大臣官房国         有鉄道改革推進         部長      井山 嗣夫君         運輸省国際運         輸・観光局長  中村  徹君         運輸省地域交通         局長      熊代  健君         運輸省海上技術         安全局長    間野  忠君         運輸省航空局長 林  淳司君         海上保安庁長官 山田 隆英君  委員外出席者         労働省労政局労         働法規課長   長勢 甚遠君         労働省婦人局婦         人福祉課長   藤井紀代子君         参  考  人         (日本国有鉄道         清算事業団理事         長)      杉浦 喬也君         運輸委員会調査         室長      荒尾  正君     ――――――――――――― 十一月二十七日  海上保安庁留置施設に関する法律案内閣提  出、第百八回国会閣法第九九号) 十二月三日  鉄道航空運賃身体障害者割引制度適用拡  大に関する請願小里貞利君紹介)(第四一  号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 十二月七日  常磐新線早期着工に関する陳情書  (第四一号)  九州新幹線長崎ルート早期着工に関する陳情  書  (第四二号)  九州新幹線鹿児島ルート早期本格着工に関す  る陳情書  (第四三号)  リニアモーターカーによる東九州新幹線鉄道の  早期実現に関する陳情書  (第四四号)  阿佐線の室戸市までの延伸に関する陳情書  (第四五号)  航空機運航安全確保に関する陳情書  (第四六号)  航空運賃低減措置に関する陳情書  (第四  七号)  予讃本線の電化促進に関する陳情書  (第四  八号)  鉄道災害施設復旧工事助成措置等に関する陳  情書外二件  (第四九号)  公共交通確保に関する陳情書  (第五〇号)  地域空港整備促進に関する陳情書  (第五一号)  中部新国際空港の建設に関する陳情書  (第五二号)  港湾整備事業推進に関する陳情書  (第五  三号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  閉会中審査に関する件  陸運に関する件  海運に関する件  航空に関する件  請 願   一 鉄道航空運賃身体障害者割引制度の     適用拡大に関する請願小里貞利君紹     介)(第四一号)      ――――◇―――――
  2. 関谷勝嗣

    関谷委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  運輸行政実情調査し、その合理化及び振興に関する対策を樹立するため  陸運に関する事項  海運に関する事項  航空に関する事項  港湾に関する事項  海上保安に関する事項  観光に関する事項  気象に関する事項 について、本会期調査をいたしたいと存じます。  つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 関谷勝嗣

    関谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ――――◇―――――
  4. 関谷勝嗣

    関谷委員長 この際、運輸大臣及び政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。石原運輸大臣
  5. 石原慎太郎

    石原国務大臣 私は、このたび竹下新内閣発足に際して運輸大臣を拝命いたしました石原慎太郎でございます。  今国会におきまして、運輸委員会の開かれるこの機会一言就任のごあいさつを申し上げたいと存じます。  運輸行政に関しましては、おかげさまをもちまして国鉄の分割・民営化、日本航空完全民営化という大きな改革をなし遂げることができました。各社とも新体制の下で順調にスタートしたところでありますが、今後、これら改革の成果を交通運輸発達改善に現実に生かしていくためにさらに努力をしてまいりたいと考えている次第であります。  また、土地問題や多極分散型国土の形成、さらには交通の分野における快適性への指向など新たな時代の要請への対応が求められる一方、厳しさを増す対外経済問題への対処など多くの重要な課題も残されております。  私としては、運輸行政基本であります安全の確保に万全を期しつつ、これらの諸課題に積極的に取り組み、問題の解決に最大限の努力をいたす所存でございます。  どうか本委員会関係各位の絶大なる御支援と御指導を賜りますようお願い申し上げまして、私の就任のごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手
  6. 関谷勝嗣

  7. 久間章生

    久間政府委員 このたび運輸政務次官を拝命いたしました久間章生でございます。  ただいま、運輸大臣からお話がありましたように、運輸行政には早急に解決を要する重要課題が山積しておりますが、このような時期に運輸行政に直接携わるという機会を得まして、その職責の重大さに心の引き締まる思いでございます。  私としては、これから大臣を補佐して、懸案事項解決に全力を傾注してまいりたいと存じますので、どうか運輸委員皆様方の絶大なる御支援と御指導をお願い申し上げる次第です。(拍手)      ――――◇―――――
  8. 関谷勝嗣

    関谷委員長 陸運海運及び航空に関する件等について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本日、陸運に関する件について、日本国有鉄道清算事業団理事長杉浦喬也君参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 関谷勝嗣

    関谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――
  10. 関谷勝嗣

    関谷委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。戸田菊雄君。
  11. 戸田菊雄

    戸田委員 国鉄改革JR運営等について質問をいたしてまいりたいと思います。  本題に入る前に、八七年十二月現在の要員状況等数字でお示しを願いたいと思います。
  12. 丹羽晟

    丹羽政府委員 ただいまの先生の御質問は、JR各社採用された職員の数、こういうことでございましょうか。
  13. 戸田菊雄

    戸田委員 現在員、これはJR各社、旅客六社と貨物一社。それから同上の所要員。それから基本計画に盛られておる採用目標、それから所要員。それから清算事業団、これは本来業務要員がおって、それから退職前提の者、その中身としては内定合格者あるいは再就職者等々、それから清算事業団支所等々に就職しておる者がおりますね、等々含めて、数字で示してもらいたいと思います。
  14. 丹羽晟

    丹羽政府委員 どうも失礼いたしました。  清算事業団関係清算事業団理事長の方から御説明があると思いますが、JR各社関係の御説明を申し上げます。  ただいま先生お話の中のまずは基本計画関係を申し上げますと、北海道会社が一万三千人、東日本人万九千五百四十人、東海二万五千二百人、西日本五万三千四百人、四国四千九百人、九州一万五千人、貨物一万二千五百人、計二十一万三千五百四十名でございます。それから、そのほかの関連承継法人といたしまして、鉄道通信会社五百七十名、鉄道情報システム会社二百八十名、財団法人鉄道総合技術研究所五百五十名、新幹線保有機構六十名、計千四百六十名。全部を合わせますと二十一万五千人というのが基本計画数字でございます。  それから、先生の御質問の中に所要員がございましたので、所要員について今の順で申し上げますと、北海道一万一千四百九十、東日本七万七千五百十、東海二万四十、西日本四万六千七百六十、四国四千五百六十、九州一万二千十、貨物一万二千五百、計十八万四千八百七十名でございます。それから、鉄道通信五百七十、鉄道情報システム二百八十、鉄道総合技術研究所五百五十、新幹線保有機構六十、計千四百六十でございます。それで、全部を合わせました所要員は十八万六千三百三十名でございます。  それで、十一月現在の数字が今手元にある最新の数字でございますが、十一月一日現在の現在員数を申し上げますと、北海道会社一万二千九百七十四名、東日本会社八万三千十名、東海会社二万一千四百十六名、西日本会社五万一千四百八十一名、四国会社四千四百四十七名、九州会社一万四千九百七十六名、貨物会社一万二千十五名、合計で二十万三百十九名でございます。それから、鉄道通信が五百五十八名、鉄道情報システム二百六十九名、鉄道総研五百四十四名、新幹線保有機構五十八名、計千四百二十九名。全部のトータルで二十万一千七百四十八名でございます。  以上でございます。
  15. 杉浦喬也

    杉浦参考人 国鉄清算事業団の十二月一日現在の職員内訳を申し上げます。  本来業務要員が二千五百七名、退職前提休職者千二百三十八名、再就職内定者が九千五十七名、再就職内定者が五千三百八十三名、合計いたしまして一万八千百八十五名です。  それから、雇用対策支所は、全国で百四十八カ所、こういうふうになっております。
  16. 戸田菊雄

    戸田委員 今発表いただいたわけですが、承継法人別人員数ということで、改革法の十九条第三項等々に基づいて実施計画というものを実行したわけですね。今おっしゃられましたように、本来なら二十一万五千人で出発。ところが、現在員としては実際は二十万三百九十名、これしか今いないわけですね。そうすると、その際一万四千六百十一名というものは結局不足ということになりましょう。これの補てんが必要じゃないでしょうか。どうなんでしょうか。
  17. 丹羽晟

    丹羽政府委員 ただいま御説明申し上げましたとおり、JR七社で申し上げますと、所要員が十八万四千八百七十名でございます。それに対しまして現在員が二十万三百十九名、そういう意味では、所要員に対しまして現在員の方が数が多いという形になっておりますので、基本的な鉄道事業等を遂行するに当たりましてはこの現在員で十分できるということでございます。  ただ、先生指摘基本計画で定めました数字は、基本的なそういう業務を遂行することと同時に、雇用対策上の観点から、会社の負担がかからない範囲内でできるだけ国鉄職員JR各社にも引き受けていただくということを当初計画として考えましたので、それよりも多い数字になっていたわけでございます。
  18. 戸田菊雄

    戸田委員 当初、改革法に基づいて出発をするときは二十一万五千人で出発いたしますよ、六十四年までの三年計画でもって公的部門に三万名、関連事業二万一千名、あとは自社採用等々ですね、三年計画でこれを実行していきます、こういうことなんですね。時間が非常に少ないものですから、一々資料を求めてお伺いできませんが、例えば、現在までの公的部門採用等については、六十二年十一月一日現在ですが、雇用対策本部資料によりますと、転出済みの総計が一万二千八百四十名になっています。それから、内定中九千三十名おります。合計で二万一千八百七十名、こうなっています。大変な努力をしていただいて、御苦労なさっていろいろやりました。やりましたけれども、まだこの残九千名近くおられるわけですね。だから、漸次二カ年計画で、そういったものの公的部門の再就職について、明確にこれをやはり計画で示してもらう必要があると思いますね。  それからもう一つは、これは八月二十五日ですが、参議院で我が党の穐山議員質問に答えて杉浦理事長が、いろいろと公募をしたけれども、まだ満足な状況でないので、それらについては引き続き調査をいたしましょう、こういうことを言っておりましたが、その調査結果わかりますか。わかればひとつ。
  19. 杉浦喬也

    杉浦参考人 前の国会穐山先生の御質問に対しまして、これは本州職員採用先の問題でございまして、JRへの希望というものがあるかどうかということの御質問の中で、そうした面での調査もいたしますというお答えをいたしたわけでございます。  その後、引き続き現場におきまして個人面談等の中でそうした実態もつかんできておるわけでございますが、これらを総括してみますと、やはり依然としてJR各社へ行きたいのだということを表明をいたしまする職員が、これは本州職員でありますが、一部見受けられるということは事実であります。ただ、その職員方々実情を調べますると、こういうような状態でございますが、国鉄時代JRへ行かないかという、そういう希望調査をいたしました際に、就職JR希望しませんということを表明をした人、それからJR各社採用通知をしたのですが、その後で辞退をしてしまった人、あるいはまた当時の設立委員会採用基準に合ってないので採用できなかった人、こんなような人が大部分でございます。したがって、これからのあり方でありますが、こうした方をJRへどうかということについては、現時点ではこうした職員の人をJRへ推薦するというような、そういう状況ではないというふうに思っております。
  20. 戸田菊雄

    戸田委員 時間がありませんから、内容等について詳しくお伺いできないのですけれども、最近、国労自体本州四国希望アンケートをとったのですね。それによりますと、例えば地元JR希望する者、こういった者は総体で八十。これは確かにおります。それから、地元JR希望するが、だめならば他企業でも仕方がないというような者、これは大体四・九%ですね。前段の①は一七・九%です。それから④の地元JRをあきらめ、いわゆるJR広域異動を含む他企業、これを希望いたしますという者は五八・三%。それから、まだ進路を決めかねている者、これは大体一八・三%ですから、おおむね八〇%以上の方は、それぞれ希望として今具体的に意思表示をやっているのですね。だから、こういった者に対してやはり再募集する必要があるんじゃないかという気がします。確かに、六月に一次募集をやって、八月に二次募集をやってきた。しかし、こういった希望がはっきりしてきているわけですから、そういう者に対して再募集というものをやるべきじゃないかと思うのですが、これはどうでしょうか。
  21. 杉浦喬也

    杉浦参考人 先ほど申し上げましたのは本州職員お話でございますが、今先生は全体を含めてのお話かと思いますが、問題は、北海道九州職員採用につきまして実は再募集を二回、JR北海道JR九州につきまして一回、それから、引き続きまして本州への広域募集ということで同じく一回実施いたしております。この結果、北海道九州各社に対しては相当応募がございました。これは、それぞれのJR各社採用によりまして、既に基本計画の枠内全部満杯になっております。それから、本州JR各社につきましては希望者が思ったほど出ませんでした。これは、やはり地元志向といいますか、北海道九州にいたいんだという、その他のいろいろな事情によりましてなかなか本人が決断できなかったということだと思うのです。  ただ、事情を見ますると、希望を出しまして採用になりました後に二百六十名も実は採用辞退が発生している、こんなような状態もございますので、本人もいろいろと気持ちが揺れ動いてはおるのでしょうが、こうした採用試験を行っておる過程で見ますると、現時点ではJR各社への応募というものが、少なくとも北海道九州では、本州へ行きたいという希望者はもう全部出尽くしているのではないかというふうにも思います。いずれにいたしましても、よく個人個人希望調査を今後続けていき、適切な職業指導をしてまいりたいというふうに思っております。
  22. 戸田菊雄

    戸田委員 それはぜひ理事長が今答弁されましたように再募集していただいて、それで適切な再就職対応というものをとってもらいたい、こういうように考えます。  そこで大臣、「昭和六十二年度日本国有鉄道清算事業団職員就職促進実施計画」というものが決定をされております。これに基づいて、「再就職する清算事業団職員の数の目標」とか、あるいは「清算事業団職員の再就職機会確保措置」等々ありまして、こういうものを具体的に実施計画にのせなさいということで、当初、四月一日に実施するときには、今言ったように二十一万五千人でずっと三年計画公的部門幾ら関連事業幾ら自社採用幾ら、こういうことになっておったのです。それが二次募集をやりまして、終わって、やはり今後の対応として、それらに対する一つ実施計画というものを明確に具体化させるべきだ、こういうふうに考えるのですが、その点が一つであります。  それからもう一つは、北海道九州。これはたしか四千何名か北海道はおります。それから九州が千何名がおります。総体で見て五千七百名と記憶しておりまするが、そういったまだ未定その他等々の問題に対してはやはり再々募集すべきじゃないかという気がいたします。今理事長の方にもお願いしましたが、運輸大臣としてもひとつ今後具体的にそういうものが進行するような対応というものをとってもらいたい、それが一つであります。  それからもう一つは、本州清算事業団職員JR希望、これがあるわけですから、これも今理事長お答えになったような方法で、大臣の方からも、それが容易に進行するような支援の諸施策を実行してもらいたい。  三点でありますが、この点についての見解をひとつお願いします。
  23. 丹羽晟

    丹羽政府委員 まず実施計画関係の御質問の点でございますが、ただいま私どもが清算事業団から伺っております数字によりますれば、現在のところで再就職先の未定の方は約五千五百名ということでお伺いしております。  それで、再就職先の未定の方々のこれからの再就職先を確定するということにつきましては、個々具体的なその方々のそれぞれの御希望に応じましてきめ細かく考えていくというやり方が必要ではないかと考えております。そういう意味では、国鉄改革法の御審議をいただいたときにお示しいたしましたような枠組みで、これこれこういうことを目標とするということよりもさらにきめ細かいやり方ができるかと考えておりますので、特にそういうような部門別枠組みというのは今考えておりません。それから、追加募集のことでございますけれども、北海道九州関係方々につきましては、先ほど杉浦理事長の方からの御説明がありましたように、既に追加募集を一度行いまして、それも、五月十八日から六月十五日でございましたか、その募集期間をさらに一週間延長して募集したところ、本州四国あるいは貨物会社へ移るという御希望の方が少なかったということ、さらに、採用内定してからも御辞退された方が出られたというような事情からしますと、今のところは大体御希望が出尽くしているのではないかと考えておりますので、現在のところは追加募集をするという考え方は特に持っておりません。  それから本州関係でございますが、本州関係方々につきましても、これはJR発足当時のお話といたしまして、会社希望されなかった方とかあるいは辞退された方とかそういう方々が中心でございますので、こちらのJRにつきましても、現在までのところは、そういう追加募集を従来どおりの形でやるというようなことは考えておりません。
  24. 戸田菊雄

    戸田委員 これは八月一日現在でございますが、就職未定者として五千七百四十人、北海道が二千九百三十七人、九州千七百五十五人、本州四国九百九十人等々がおるわけでありますよ。ところが、この内訳を見ますると、国労関係が四千四百四十一人おるのですね。それで、鉄産労その他一千二百九十九人。圧倒的に、こういう状況に置かれているわけですね。だから、こういった者についてやはり特段の考慮を払う必要があるんじゃないだろうか。  それからもう一つは、北海道九州においてもそうですが、いわゆる広域異動に応ずることが非常に困難な特別の事情がある、こういうものでありまするから、こういう地域的に特殊な事情のあるところは、何か特別雇用対策的なもので取り組んでいく必要があるんじゃないだろうか、このようにも考えるのですがね。  それからもう一つは、清算事業団関係について、まだ未定者がおるわけですけれども、これをやはり早期にやる必要がある。これは公的部門で結構、あるいは関連部門で結構等々、振り分けはいろいろありましょうけれども、該当者はそういうものにやはり非常に不安を持っておりますから、それを解消するためにも、そういう点で明らかな対応施策というものを行う必要がある、私はこのように考えるのですが、これは大臣、どうでしょうか。
  25. 丹羽晟

    丹羽政府委員 ただいままでのところ、JR各社並びに清算事業団からのお話をお聞きしている限りにおきましては、特にその所属する組合とかそういった関係で物事を考えているというようなことはないということで伺っております。  それから、北海道九州雇用情勢が厳しいということにつきましては確かにそのとおりでございますが、たまたま本州方面につきましては、まだいろいろと広域異動の再就職先というのは比較的余裕があるというところでございますので、今後はそういうことに力を入れていきたい、そんなふうに考えております。
  26. 戸田菊雄

    戸田委員 全く時間がないので詳しくやれないのですけれども、いずれ機会を見まして、再度またいろいろと検証していきたいと思うのです。  最後に一つ、これは「JRの現状について訴えます」ということで、六十二年の十一月、管理者有志ということで幾つかの問題点指摘がなされて、訴えられておるわけです。それをちょっと読みますと、   百十五年の歴史と伝統をもった国有鉄道が、民営鉄道JRとして発足してから、すでに八カ月が経過いたしました。  その間私たちは、民間人になりきるための意識改革に懸命になって取り組んでまいりました。  JRの前途は明るく、民営鉄道として力強く発展するものと期待されていますし、私たちもそうあって欲しいと心から願っていますが、親しい友人と話しをしますと、本当にこれでよいのか、JRは働き甲斐のある職場になるのか、自らの将来はどうなるのか、という不安と不満が次々と出されているのが実情です。  かつては現場協議で苦しめられ、国鉄改革の過程では、ひたすら意識改革―というより不当労働行為(国労を脱退させ、鉄労、勤労への加入促進)に奔走した現場管理者は、いままた黒字基調の確立という大義の前に、すべてを犠牲にしている、といっても過言ではありません。 等々、と四点ほど指摘をされているわけです。  その中で、非常に職場が暗い。それから、本社採用学士といいますか、そういう人を中心とした学閥人事が依然として残されている。そしてそういう者を中心に人事運用がなされておる。現場でやっておる管理者というものは浮かぶ瀬がありませんといったようなことを訴えているわけです。そして二つ目は、一般社員の営業活動のノルマが余りにも厳しい。民間企業として全社員が営業活動、例えばフルムーン乗車券あるいはオレンジカードの販売等々に取り組んでおりますが、それは当然のこととしても、私たちも管理者として率先して努力していますが、非番の日に何の手当も支払わず、一般社員にまで強要することに心苦しさを感じています。同時に、非番日や公休日での行動をも含めて勤務評定をしなければならないという風潮をそら恐ろしくさえ思います等々、いろいろと言われておるのです。  これは今実際各社に共通のようでありますけれども、そういった高ノルマを課せられて、公休日でも何でもみずから出てやらなければいけない、あるいは関連事業の中でそういうものを販売して、そして結果的にはそれが取り消しをされるとか、形式的なことでやられているということも非常に多いと訴えているわけです。だから私は、今後のJR発展の最も根底になる経営陣がそういうことであればこれはちょっと情けないことだな、こういうふうに考えるのですけれども、大臣、感想はいかがですか、今のような状況
  27. 石原慎太郎

    石原国務大臣 百年に及ぶ歴史の後に民営という大転換をしたわけでありまして、意識の改造もまだ過渡的なものだと思いますし、いろいろな混乱が有形無形あると思います。今おっしゃいました、何か学閥による差別とかそういうものは、民間の企業にもないとは申しませんけれども、むしろ官界の方がひどかったようでありますが、そういう悪弊というものはできるだけ早く淘汰してもらいたいと思いますし、またしなくてはならぬと思います。  また、民営、私企業ということで、社員に督励して業績を上げるための行き過ぎが果たしてどの程度あるのか、つまびらかにいたしませんけれども、やはり時とともにそれが淘汰されて、健全な民営の姿を一刻も早く確立することを非常に期待しておる次第でございます。
  28. 戸田菊雄

    戸田委員 それで、現在係争中の不当労働行為事象の提訴案件ですが、何とこれは百三十四件もあるのですね。一件ごとに紹介できませんけれども、そういう状況で、私は労使関係が非常に不正常な状況にあるのじゃないかという気がいたすわけです。ですからこういったものに対して、こういうものはない方がいいのですから、団体交渉、労使が土俵に上がって協議をしてすべて決めていくというようなシステムに持っていけないかどうか。  その象徴的なものが、新幹線の車両係あるいは運転士が車内のトイレや洗面所清掃などの仕事を請け負う関連会社への出向を命じられた、こういうことですね。それで、これを裁判所に提訴をしましたら、「出向先の職種が従来と大幅に異なったり、労働条件が不利益になる場合には、出向者の人選は慎重にすべきだ。本件の人選の合理性には重大な疑問があり、人事権の乱用で無効」であるという判断を大阪地裁において示し、決定されたのですね。これが今の不当労働行為事象の象徴的な内容じゃないかと私は思うのですね。  だから、こういうことがあってはいけませんし、そういうものがないためにも労使正常化で、団体交渉という場で、協議その他の中で納得ずくで全体がいくというような形がなければいけないと思うのですが、いまの大阪の決定を聞きまして、JR東海会社はこれをまた上級審に提訴するという話があるのですね。これを受けて守ったらどうでしょうか。この点が一つ。  それから、時間がありませんから一遍に質問しますが、不当労働行為で地方労働委員会で勧告、要望――百三十何件もあるわけですが、既に十八件は勧告、その他出ている。ですから私は、そういうものを早期に決着をして、勧告とか何かを受けたらどうか、こういう気がいたしますし、さらに出向、配転、あるいは配属差別、あるいは脱退強要等々、不正常と思われる労使慣行がありますから、これらについても運輸大臣等の指導によって何とか円満な労使関係をつくっていけないのかどうか、こういうことを考えますが、大臣、いかがでしょうか。
  29. 丹羽晟

    丹羽政府委員 ただいま先生から御指摘を受けました大阪地裁の仮処分決定のお話とか、あるいは各地の地方労働委員会のいろいろな勧告なり要請なりのお話は、私どもも内容を承知いたしております。ただ、具体的な今係争中の問題でございますので、私ども行政府がそれについてコメントを申し上げるということはちょっと差し控えたい、そういうふうに考えております。
  30. 戸田菊雄

    戸田委員 労働省、来ておると思いますがね、労働省の見解はどうですか。  それから、これは運輸省の高級幹部の一人でございますけれども、「視点」という雑誌がありますが、ここに「普通の会社になって下さい」ということで投稿をしているのですが、その内容を見ますと、「普通の会社がやっていることを普通にやればいいのではないかと思う。JR各社は、一気にお客様の数を倍にしようとか、収入を二倍にも三倍にも伸ばそうとか、全員が毎朝お早うございますと叫ぼうとか、そんな特異な努力をする必要はない。」普通会社並みに普通にやっていけば、おのずからJR各社も立派な民間会社になっていくのじゃないでしょうかということで、いろいろありますよ、ありますが、必要な部分だけ読み上げるとそういうことになっている。  ですから、不当労働行為とか裁判判定の問題とか、不当労働行為と思われる各般の問題等について、やはり労使正常化で、それで今後やはりみんなが笑顔で円満でいけるような、そういう雰囲気を全体としてつくっていってはどうか、労働省の見解をひとつお聞きしたい。
  31. 長勢甚遠

    ○長勢説明員 労使関係におきまして、労使が信頼関係に立った円満な関係にあるということは基本でございますし、労働省といたしましては、日ごろからそういうことで、また、まして不当労働行為ということがあってはならないということで指導してまいっておるところでございます。JR各社においてもその点は踏まえていただいているものと思っております。  ただ、御指摘の地労委の勧告等につきましては、不当労働行為事件の審査手続の一環として行われているものでございますので、労働省として、係争中のそういう審査の過程の手続の問題でございますので、とかくの御指導を申し上げるという立場に具体的にはないということだけはひとつ御理解をいただきたいと思います。
  32. 戸田菊雄

    戸田委員 これで終わりますが、労働省の見解としてはその程度なのでしょうが、しかし、当局がいろいろ否定しましても厳然としてそういう事実があるのです。だから、こういうものについて、ないような対応措置というものが必要であろう、こういうふうに考えます。  最後に大臣の見解を聞いて、終わりたいと思います。
  33. 石原慎太郎

    石原国務大臣 いずれにしましても、大きな過渡期にあるということだと思いますし、その間いろいろな摩擦と申しましょうか、そごも来すと思いますけれども、何といっても一応当たり前の会社になった、つまり私企業になって独立したわけでございますので、乳離れをしてないといえばしてないのかもしれませんが、しかし、やはり企業としての自主性というものをそんたくして、労使問題もその一つでありますけれども、余り行政が介入するということは好ましくないと思います。ただしかし、といって見捨てるということでは決してございませんで、私たち大きな関心を持ってこれを見守っていきたいと思っております。
  34. 戸田菊雄

    戸田委員 終わります。
  35. 関谷勝嗣

  36. 吉原米治

    吉原委員 予定をした時間を大幅に短縮せざるを得ないわけでございますから、質問の方も簡潔にやりますので、御答弁の方もひとつ要点だけを簡潔にお答え願いたいと思います。保昭和六十一年六月に出されました海造審答申によりまして、それを受けた形で実はこの三月、私どもは特定船舶製造業経営安定臨時措置法を可決したばかりでございますが、この法律の趣旨について、余りにもこの法律の趣旨を悪用しておるといいますか、こういう形の造船業の実態、過般、私ども調査団は山口県の笠戸ドックに調査に行ってきたわけでございますが、もう一遍この席で間野海上技術安全局長から具体的にひとつお答えを願って、特定船舶製造業経営安定臨時措置法の趣旨について、大臣も新しくなられたことでございますから、ひとつ大臣も後ほど感想をお聞きしますので聞いておっていただきたいと思います。  まず最初に、措置法の中身についてお尋ねをするわけでございますが、基本指針の三条、つまり「国民経済の国際経済環境と調和のある健全な発展並びに労働者の雇用の安定及び関連中小企業者の経営の安定について、十分な考慮が払われたものでなければならない。」という基本指針の三条がございます。この「十分な考慮」というのは一体どういうことを考えていらっしゃるのか。  この点と、まとめて申し上げますが、雇用の安定、十四条の一項でございます。関係労働組合との協議をするようになっておりますが、実際には二つの組合があって、一つの組合とだけしか協議がされてないということ、この十四条の一項の精神。  それから、同じく十六条、都道府県の知事の意見書を提出するようになっておるわけでございますが、この意見書が出た場合の取り扱い、一体どういう位置づけでこの意見書を処理されようとしておるのか。当然この法律の中で意見書を出さなければならぬことになっておりますから意見書を出すわけでございますが、ちょうど国鉄改革法のときの関係の知事の意見書のように、ただ単なるセレモニーに終わるような意見書であってはならないと思うわけでございまして、そういう意味で、意見書が出た場合にはその趣旨を十分に尊重されるかどうか、法律関係について三点お聞きをいたします。
  37. 間野忠

    ○間野政府委員 最初に、法律の第三条三項の関係でございますが、御指摘のとおり、造船事業者が設備の処理を実施するに当たりましては雇用及び地域経済の安定に十分な考慮を払うこととされておりまして、失業者を出さないことが極めて望ましいことでございます。ただ、現実問題として、長期不況のもとで疲弊しました造船企業の現状、それから各地域における厳しい雇用情勢を考えますと、失業者を完全に出さないということは難しくて、それぞれの企業が置かれた事情のもとで、例えば、修繕船部門でありますとか陸上部門でありますとか他部門への雇用の転換とか、あるいは共同で設備を処理するグループの中で雇用の受け皿を提供するなど、実情に応じて極力影響を緩和する措置がとられるべきであるというふうに考えております。  それから、第二番目の法律の十四条一項の関係でありますけれども、関係労働組合と協議することが義務づけられております。そこで、笠戸ドックの場合組合が二つあるわけでございますが、それぞれの組合と協議することが必要であります。そして協議が行われれば可能な限り意見書を出してもらうことが望ましいと考えております。  それから、第三点目の都道府県の意見書でございますが、法律十六条によりますと、都道府県は、経営安定化措置の実施が地域経済に著しい悪影響を及ぼし、または及ぼすおそれがあると認められるときは、意見を申し出ることができると規定されております。意見の申し出があった場合には、その内容を十分検討いたしまして、講じ得る適切な措置について検討することになるというふうに思います。
  38. 吉原米治

    吉原委員 まさか法律の趣旨を曲げて解釈をなさるとは私も思っていない。全く局長がおっしゃるとおりだろうと思います。  しかし、雇用の問題について笠戸の場合を考えますと、確かに経営の安定については一応配慮されたものだ。もっとも、自分たちのことでございますから経営が成り立っていくような配慮をするのは企業者として当然でございますが、笠戸ドックの場合は、特に十一月三十日にもう実施計画が出されておるわけでありまして、その実施計画を見る限り、経営の安定はそれでいいかもわからぬが、雇用の問題は十分に考慮が払われていない、こういう現実を我々は現地調査の結果見てきたわけでございます。  つまり会社解散、そして全員の六百二十五名の解雇をする、その中の三百七十五名が実はまだ再就職の道が開かれてない。現地で会社の社長の説明を聞きますと、県内からもいろいろ引き合いはあるけれども具体的に決まらない。つまり委細面談ということで、非常に不明確のまま過半数である三百七十五名の職員の雇用の場が確定しない。ちなみに、新会社をつくって百人程度あるいは子会社に三十人程度あるいは常石造船グループに七十名程度等々いろいろ区分けはしてございますが、区分けのしてない、つまり雇用が確定しない三百七十五名がまだ依然として職場におるわけでございまして、こういった状況が雇用面で十分な配慮をされたものとは常識的に言っても認めるわけにはいかないわけでございます。  そういう意味では、法三条の基本指針に抵触した形の中で実施計画を出されても、運輸省としてはこれを認可をするということには相ならないだろうということを現地の関係会社、親会社である宇部興産の専務理事にも我々は強く要請してきたところでございますが、こういった実態を承知されながら十一月三十日に経営安定化措置の実施に関する計画が出されておりますけれども、一体このままの形で認可をする気なのかどうなのか。我々は法律に違反をしておる、こう指摘せざるを得ないわけでございますが、関係局長はいかがな心境でございますか。
  39. 間野忠

    ○間野政府委員 ただいま先生がおっしゃいましたように、修繕船あるいは陸機部門を主たる事業といたします新会社を設立いたしますとか、現在あります子会社に受け皿を用意するとかあるいはグループ内で考えるとか、いろいろ努力いたしましてもなお三百七十五人程度につきましてこれから就職先を見つけなければならないという実情でございます。そこで、社内に雇用対策室というのを設けまして鋭意就職先確保に努めておるわけでございますが、現在のところ三百三十人程度の求人があるということでございまして、今後も受け入れ先の開拓に全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに会社も申しておりますし、厳しい雇用情勢を考えれば、会社としてもそれなりの努力をしておるというふうに評価しておるところでございます。
  40. 吉原米治

    吉原委員 六百二十五名の中の三百七十五名ですからね。局長はそれはそれなりに企業努力しておる、こう言われるけれども、私どもの現地調査の結果では、とてもそれは十分な配慮とは言えないという認識に立っておるわけでございます。今三百数十名の求人がある、こういう企業側の報告かもわかりませんが、先ほど私が申し上げましたように、いずれも委細面談ということで確定しないのですね。ですから、私が言わんとしておるところは、この三百七十五名の皆さんに対して三百数十名の求人があると言われるなら、それぞれの求人先に面接に行かせて、個々の就職がきちっと決まるのをやはり確認すべきじゃないか。三百七十五名の中の三百三十名というのですから、言ってみれば大半の人が、一人でも路頭に迷わぬような形で就職を決めてもらわぬ限り、私は十分な考慮が払われたものだという認識に立たぬわけでございますが、今努力中のまま、つまり不確定要素を持ったままの形で絶対に認可をおろすべきじゃない。  特に、副知事にも会いましたけれども、造船業というのが山口県の主要な産業であったことは御案内のとおりでございますが、特に、笠戸ドックのある下松市では、法人住民税が五十八年比で三四・一%も実は収入減になっておる。そういう実情からいたしますと、下関にわずかな船台が残るようでございますが、してみれば造船の灯というのが消えてしまって、山口県県下全体に与える影響というのが非常に甚大だ。関係知事としても実は頭を悩ましておる問題でございます。  したがって、意見書を提出しなきゃならぬけれども、意見書を出しても、ちょうど先ほど言いましたような国鉄のときのような意見書であっては意味ないので、その点関係省庁とも十分連絡をとりながら、作文でなくて、本当に経済的にも影響が甚大である山口県の県民の皆さんの総意を意見書にまとめたい、こういうことを関係知事も言っておりますから、ぜひひとつその意見書を見ていただく、そして十分尊重していただく、と同時に、未就職の三百七十五名のほとんどの就職口をきちっと確定させる、再度こういう努力を、申請をしておる常石グループに対して指導をされるべきだと私は思いますが、いかがですか。
  41. 間野忠

    ○間野政府委員 おっしゃいましたように、できるだけ離職者の数を少なくすることが望ましいわけでありまして、また会社側もできるだけの努力を今後も続けるというふうに申しておりますので、今後ともできるだけ多くの就職先が開拓されまして、できるだけ少ない離職者にとどまるように努力するよう指導してまいりたいというふうに考えます。
  42. 吉原米治

    吉原委員 附帯決議にございます関係労働組合の意見書が提出されておらないということを過般も確認したところでございますが、申請者に対して添付書類不十分ということで指導されていますか。
  43. 間野忠

    ○間野政府委員 法律的には協議が行われればいいわけですけれども、協議が行われた以上その証拠ともなる意見書が出た方が望ましいと思っておりますので、関係の組合からの意見書は添付して出すように指導してまいりたいと思っております。
  44. 吉原米治

    吉原委員 指導してまいりたいのですか、指導されるのでございますか、どっちですか。あなたの希望、望ましいということでなくて……。
  45. 間野忠

    ○間野政府委員 組合が出さなければ別ですけれども、組合が意見書を出した場合には添付するのが当然であると思います。
  46. 吉原米治

    吉原委員 いやいや、附帯決議で「添付するよう指導すること。」となっております。だから、指導するとお答えになればいいのであって、協議して組合が意見書を出したらそれを添付することが望ましいというようなことじゃなくて、「添付するよう指導すること。」となっているのだから、指導しますとお答えになったらどうですか。
  47. 間野忠

    ○間野政府委員 会社側に組合の意見書をつけて出すように申してありまして、会社側から組合に言ってありますので、組合から出た意見書をつけてくるはずでございます。
  48. 吉原米治

    吉原委員 時間がございませんが、この笠戸ドックは、五万一千トンは確かに常石グループの共同施設ということで廃棄することになっておりますが、対象にならない三千三百トンの船台がまだもう一基あるわけでございまして、これの営業権を実は常石グループが買い取ることになっておるわけでございますね、契約書の中身でいきますと。したがって、親会社である宇部興産が依然として修繕船や産業機械等々の事業を継続して施設を使ってやることになるわけでございます。  そういう意味では、常石グループの一員として、若干の減量はやむを得ないにしましても、造船業自体は継続してやろうと思えばできる。つまり常石グループの一員としてやることはできるのです。そういう意味では、常石グループに対して、そういう方向で検討はされないものかどうなのか。またこれだけたくさんの失業者が出る。その雇用対策の一助にもなるわけでございますから、あわせてそういう指導をひとつ常石グループにしていただきたい、こう思いますが、局長、どうですか。
  49. 間野忠

    ○間野政府委員 ただいまおっしゃいました三千三百トンの船台につきましては、今回の実施計画あるいは構造改善というものが五千トン以上の船台、ドックを対象としておりますので、その取り扱いがどうなるかについてはまだ詳しく聞いておりませんが、新造船の場合には、修繕船の場合と違いまして、営業とか設計あるいはアフターサービス、そういった面でかなりの間接部門を要しますので、どこで新造船業を営むか、新造船事業をどこに集約するかというようなことは、最終的には経営上の判断により決定される問題だというふうに考えております。
  50. 吉原米治

    吉原委員 まさに経営安定のための実施に関する計画書が既に十一月三十日付で出されておるわけでございまして、その認可をする方の立場が運輸省ですからね。経営の方の安定だけに配慮したものではだめだ。今私が繰り返し言っておりますように、雇用対策はこれでは不十分だ。だからもっと努力をして、三百七十五名の再就職先を確定させるためにいま一度努力をしない限り、今の現状のままで認可をおろすわけにいかないということを運輸省当局は言っても一つもおかしくない。  特に、笠戸ドックの労使関係というのはかっての国鉄の労使のように、不当労働行為も現に係争中のものが七件もある。非常に労使関係が不正常な実態でございますから、会社再建だとか事業の再建だといってみましても、本当の意味で労使が気合いを合わせてやらなければ再建もできない。にもかかわらず、依然としてこういう事件、片一方で第三者機関による係争中の案件を持っておるような会社なんでございます。私はくどいほど申し上げておりますが、そういう意味の経営陣の指導もひとつやっていただきたい、このことを強く要請をしておきたいと思います。  大臣、お聞きになっておりますように、これはもう全国的に言えることでございますが、造船業は大変不況の実態になっております。したがって、各地域でグループ化、協業化をやりましてお互いに痛みを少しずつ分かち合って造船業を守っていこう、そういう趣旨でこの三月に船舶製造業の経営安定のための臨時措置法をつくったばかりなんです。僕らに言わせれば、実態調査に行ってみますとそれを非常に悪用して、それをにしきの御旗にして、企業は撤退していこうとかあるいは太るところだけは極端に、山口県は全滅させておいて広島側のグループだけが伸びていく、そういう地域的な不均衡が出ておることは事実なんです。  また後ほど造船業の実態については省内でもよく勉強していただきまして、それによってたくさんの失業者が出て地域経済はもうお手上げの状態になる、少なくともこんな状況はぜひ控えていただきたい、こう思いますので、申請についてはひとつ慎重の上にも慎重に検討していただきまして、軽々に認可をおろすようなことのないように大臣に特にお願いを申し上げておきます。今までのやりとりの中で何か御感想がございましたらお聞きしたいと思います。
  51. 石原慎太郎

    石原国務大臣 私、身近に割と造船関係の人がおられまして、断片的ですけれども今までもいろいろな情報を耳にしておりましたが、炭鉱と並んで、ともかく構造不況の中で一番深刻なものの一つだという認識を持っております。ただ、海がある限り海運がなくなるわけはございませんし、ここまで来た日本の造船というものはやはり基幹産業の一つとして何とか維持をしなくちゃならないと思います。そのためにも、過去にも行われましたけれども、再び集約化それから過剰な設備の処理というものを、今先生から御指摘のありましたように、非常に偏った形ではなくてできるだけ均等な形で行っていくということが必要なのではないかという気がいたします。  運輸省としましても、従来関係省庁と協力して雇用とか地域経済のための配慮というものをしてきたつもりでございますけれども、これからもその努力を鋭意続けるつもりでございますので、またひとついろいろ御教示願いたいと思います。
  52. 吉原米治

    吉原委員 特に大臣はヨットについては大変造詣が深いようでございまして、ヨットの場合は比較的レジャー的な要素がございますが、この造船というのはみんなお互い生活がかかっておるものでございますから、どうぞひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。間野局長、結構でございます。  次が、あと十分もないぐらいになってしまいまして、熊代地域交通局長にお尋ねをいたします。  御案内のように、来年の四月十日から、瀬戸大橋、俗に本四架橋のDルートが完成をして、供用開始になるわけでございますが、私ども現地調査をしました結果、橋上を走るバス会社が八社競願という形に今現在なっておるようでございまして、現地高松局長等々にも、これどうする気なのか。  八社で橋の上を八十一往復も往復するようなダイヤになっておるようでございます。八分間隔であの橋の上をバスが通るというふうなことは、まあ採算的に言ってもまず第一にできる話でないと思いますし、心配しておるわけでございますが、現地局としては目下調整中でございますという答えしか返ってこないわけでございます。どうやって一体この八社の競願を整理をされて、本当にバス業者として採算性のとれる運行を確保することができるか。その調整の手段、方法、手順といったようなものをひとつお聞かせを願いたい。また非公式にでも何回も運輸省に出かけますので、きょうは時間的な余裕がございませんので簡潔にひとつお答え願いたい。
  53. 熊代健

    熊代政府委員 本四架橋上のバス路線につきましては、先生指摘のように、バス事業者、フェリー事業者、それにJR西日本四国、それぞれが運行をしたいという希望を持ち、それぞれ計画を持っておるようでございます。御指摘のように、全部そのまま加えますと一日に八十一往復というような数になる状況でございます。これに対しましてまだ正式な免許申請が出ているということではございません。それで我々としましては、四月十日には利用者の利便を図れる格好での路線運行が行われるという形に持っていくことを前提に考えまして、ただ御指摘のように、橋上の鉄道との競合関係に立ちますので、したがいまして、八十一往復といったような需要を想定するのはとても無理ではないかというふうに現時点では考えております。  それぞれ中国あるいは四国の運輸局の所管している事業者でございますので、免許申請が仮にあった場合には、運送法に基づく免許基準に従いまして処理をしなきゃいかぬということでございます。端的に言いますと、供給が需要にマッチしているということ、それから適切な事業計画であること、それから事業遂行能力が十分である、そういう免許基準になっております。その線に従いまして、できるだけ我々として行政指導を行って、短期間のうちに事案の処理ができるという形に持っていきたいということで、現在そういう調整を行っております。先生おっしゃるように、調整の基準云々というのは、あくまでも免許申請がそれぞれ出た場合に、免許基準に従って処理をするとしたらどうだということを念頭に置きながら指導、調整を行っているということでございます。
  54. 吉原米治

    吉原委員 橋の上の交通需要量を幾らに見る、あるいはバスの利用客をどのくらいと押さえるのか、これも鉄道との併用橋でございますから、大量の、鉄道でもって定刻に輸送するという手段が一方にあるわけでございますから、そうそうバスの利用客が激増するようなことはあり得ない。ほとんどが建設費を負担しないJRの運賃の方が割安になるという現状からして、とても大量のバスの利用客というようなことは私は見込めないと思います。  そういういろいろなことを考えますと、結果的に四国側一社、本土側、岡山側から一社、それが双方乗り入れをするという程度のことが常識的に言って妥当なのかな、こう思っておりますが、私のそういう推測は間違っておるかどうか。熊代局長、常識的な一般論で結構ですから、ひとつお答え願えれば幸いです。
  55. 熊代健

    熊代政府委員 先生のおっしゃるのも一つの考え方だとは思いますが、本件の場合にそのようにすべきであるかどうかについては、具体的な事案の処理に当たる者として、この席での答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
  56. 吉原米治

    吉原委員 公式の場ですから局長の答弁もなかなか歯切れが悪いわけでございますが、また後ほど伺いますから、ひとつ非公式にでも御見解をお聞かせ願いたいと思います。  ところで大臣、私は瀬戸大橋の橋上交通について今質問しておるわけでございますが、全国的に言いまして、都市部は別ですよ、地方の、四国もそうでございますが、一連の過疎地帯を走っているバスというのは、御案内のように、国の補助金をもらいながら細々と運営をしておるというのが実情なんです。ことしも、実は運輸省は百億と三百万要求をされて、今から年末にかけて大蔵折衝を詰めていただくわけでございますが、長年にわたってこれは九十億台を低迷をしておるわけです。今回初めて百億台に乗せていただいたというのが実態なんです。これから年末にかけて、ひとつ運輸大臣腕によりをかけていただいて、何としても地方のバス会社が立ち行くような、その一環で橋上バスも、既存の私鉄バスがあるわけですから、それに走らすべきだと我々は思っておるのです。  今、局長も答えていらっしゃるように八社も競願しておるわけです。地方のバス会社を何とか活性化させていく、そういう意味でも橋上交通に免許を与えて走らせる、このことが一番大切な運輸行政ではないのか、地方バスに対する運輸行政としては最も適切なやり方だと私は思っておるのです。  この橋上交通の問題もさることながらでございますが、全般的に運輸省の予算が満額獲得できますように御努力を願いたいと思いますので、決意のほどをお聞かせ願って、質問を終わります。
  57. 石原慎太郎

    石原国務大臣 過疎地のバスは、弱い者と申しましょうか、お子さんとかお年寄りにとっての本当に最後の足でございまして、これは、いかにモータリゼーションが盛んになった時代とはいえ欠かすことはできないと思います。そういう意味で、前年度一・二%増の予算を要求しておりますが、一生懸命頑張って満額獲得するつもりでございます。ある野党の委員の方は、百億を突破すれば花火を上げてもいいと言われましたけれども、それほどの問題でもないと思いますが、ともかく頑張って最後の足のための予算を確保するように努力するつもりでございます。
  58. 吉原米治

    吉原委員 よろしくお願いします。終わります。
  59. 関谷勝嗣

  60. 中路雅弘

    中路委員 三十分という限られた時間ですので、きょうは運輸行政関連した労働問題を二、三御質問したいと思います。  最初に、これは一般マスコミの新聞等にも報道されている問題ですけれども、日米の航空協定で乗り入れていますノースウェスト航空会社日本支社の男女雇用差別問題についてお尋ねしたいのですが、その中できょうは一問だけ、特に就業規則やあるいは労働協約の中で日本人スチュワーデスを対象にして、結婚や妊娠、出産を理由とした退職の規定が出されています。労働協約では、第八条のD項で、出産、妊娠しますと退職するものとするとか、あるいはB項で、一年未満のスチュワーデスが結婚すると退職しなければならないというような項目が入っていますが、同社以外の航空会社を調べますと、男女雇用機会均等法が施行された前後からこの種の規定は全部削除しています。このノースウェスト日本支社、日本人従業員六百三十人おられますが、こうした規定が続いているわけです。  労働省のまず御見解、これは男女雇用機会均等法の十一条二項にも明らかに違反すると思いますが、どのように指導されているのか。またノースウェスト社がこれについてどういう態度を今とっているのか、最初にお聞かせ願いたい。
  61. 藤井紀代子

    ○藤井説明員 お答え申し上げます。  御承知のように、男女雇用機会均等法第十一条二項におきまして、「事業主は、女子労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めをしてはならない。」と規定しております。これはいわゆる結婚退職制及び妊娠退職制を禁止している規定でございます。またここで「予定する定め」と申しますのは、女子労働者が婚姻、妊娠または出産した場合には退職する旨をあらかじめ労働協約、就業規則等に定めることを言うことでございますので、御指摘のようなケースは本法第十一条第二項に抵触するものと考えております。  労働省といたしましては、昨年春、この会社の労働組合から御相談を受けまして問題を把握して以来、この制度は男女雇用機会均等法に反すること等を事業主に説明し、改善を求める等、可能な限りの指導をしているところでございますが、当該企業は日本の法律に対します理解がないことから今日に至っているところでございます。労働省といたしましては、今後とも指導を続けてまいりたいと考えておるわけでございます。
  62. 中路雅弘

    中路委員 今お話しのように、明確に十一条二項に違反するということで労働省としては勧告、指導されているのですが、これはたしか罰則規定がないんですね。報告ですと今なお指導に従ってないということですが、航空協定で乗り入れている会社がこうした日本の国内法を遵守しない、これはけしからぬことだと思うのです。運輸省もこれには責任があるわけです。労働協約でうたわれていてもこれは無効なものでありますから、労働省とも協議をしながら、日本の主権にもかかわる問題であると思いますので、運輸省としてもこの問題の改善、解決にひとつ行政指導の面で努力をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
  63. 中村徹

    中村(徹)政府委員 お答え申し上げます。  ノースウェスト航空株式会社は日米の航空協定に基づきまして日本に乗り入れを行っているわけでございますけれども、米国籍の会社でございまして、もちろん日本の国内法は遵守しなければいけないわけでございますが、運輸省としての立場から申しますと、やはり航空協定及びこれに基づきます航空法という根拠に基づきまして行政を行っているわけでございまして、それ以上の分につきましては、会社の方に根拠を求められました場合、私どもとしてはこれに対して指導する根拠がないというのが実態でございます。  本件につきましても、実は私ども新聞報道によって知っている以上のことは承知しておりません。これは新聞報道がありましたときに、私どもとしても、情報収集の一環といたしまして実は会社の方にいろいろ聞いておるわけでございますが、全く返事もしてもらえないという実態でございます。これはやはり航空協定に基づきまして権限が与えられている以上やむを得ない点があるわけでございまして、そのような意味におきまして、運輸省がなかなか指導できる立場にないというのが実情でございます。
  64. 中路雅弘

    中路委員 事務方じゃしょうがないので、大臣今お聞きになっていると思いますが、労働省は明確に男女機会均等法に違反するということで勧告しているんですね。日本の国内法がやはり無視されている問題ですから、日本人スチュワーデスのこうした待遇問題について閣僚として、運輸省の事務方はなかなかできないと言うので、労働省の方も明確にこの法律に違反するということを言っているわけですから、ひとつ指導で改善してもらうように努力していただけませんか。今の男女の差別、人権侵害にも当たる問題ですね、いかがですか。
  65. 石原慎太郎

    石原国務大臣 政府委員が御答弁しましたように、直接の管轄は労働省でございますけれども、労働省の方からもし協力の要請がございましたならば、運輸省の方もこの問題を解決するために協力することやぶさかでないと思います。
  66. 中路雅弘

    中路委員 次にもう一つ、これは先日、私たち国会議員団が所沢にあります、中心的な管制センターであります東京航空交通管制部の視察に行った際に、管制官の皆さんから強く要望された問題ですので、御質問しまた要望したいと思いますが、今管制官、事情を聞きましても大変なんですね。本当に航空輸送、大量輸送の時代ですから、管制官の職務というのは専門職としても大変な激務です。しかも日本の空が、自衛隊や米軍機による訓練空域で相当膨大な地域が占拠されているという中での航空管制の問題ですから非常な激務なわけです。この管制官の航空管制手当、いわゆる一般職の給与に関する法律の十三条の特殊勤務手当の一つですが、お聞きしますと、これが七七年の四月から十年近く全く据え置かれているというお話も聞きました。  今空港の発着回数が、七五年からこの十年間とってみますと、五十二万一千三百二十一回から六十三万七千五十八回、一・二倍以上になっていますし、また我が国の民間航空の定期輸送実績を見ますと、やはり七五年度から八五年度十年間で、二千八百五万人から五千二十六万人、一・八倍になっているわけです。こうした発着回数あるいは航空旅客の増加から見ても、航空管制官の質量ともの強化が一層今望まれているわけです。  実はこの問題で、九月三日の参議院の運輸委員会の議事録を見ますと、航空管制官の増員の問題や専門職としての待遇改善について質疑が行われています。橋本前運輸大臣もこの見直しをする必要性を述べておられるわけです。この問題について、まさに手抜かっておりましたということを正直に申し上げましたとおりでありますということで、増員についても計画的に図っていかなければならないというように、待遇改善について答弁もされていますが、ちょうど六十三年度の予算の時期でもあります。航空管制官の手当のアップについて、運輸省としての格段の努力をお願いしたいというふうに思いますが、いかがですか。
  67. 林淳司

    ○林政府委員 ただいま御指摘航空管制官の管制手当でございますが、昭和五十七年に制度改正がございまして多少の改善が図られておりますけれども、航空管制手当の単価そのものについては、先生指摘のとおり昭和五十二年以降十年間改定が行われていないということは事実でございます。私どもといたしましても、航空管制官の職務の重要性、特殊性というものについては十分認識をしておるつもりでございまして、これから管制官の処遇の改善ということにつきましては十分努力を払ってまいりたいと考えております。
  68. 中路雅弘

    中路委員 特に管制官の十年間据え置かれている手当の問題ですね。先ほどお話しのように、この間にやられたのは日額を月額にするというような手直しですね。ということで単価については全く据え置かれているわけですから、人事院、大蔵省との話もあると思いますが、大臣、管制官の仕事は今大変な状態でありますし、こうした専門職にある人たちが十年間もそのまま据え置かれているし、前大臣も見直すというお話もされておりますので、努力をしていただけませんか。ちょうど予算の時期ですのでぜひお願いしたいと思いますが、いかがですか。
  69. 石原慎太郎

    石原国務大臣 管制官というのは、本当に稠密なダイヤの中で大変神経も使う、しかも多くの人命を預かる大変大事な仕事だと思いますし、そういう点からもそれなりの報酬を受けてしかるべき立場におられる方々だと思います。もし給料がそういう形にありますならば、それを改善するために十分努力をしたいと思います。
  70. 中路雅弘

    中路委員 ぜひ六十三年度の予算ではこの問題の決着がつけられるように努力を一層お願いしたいと思います。  もう一つ、先ほどの委員質問でもあったJRの問題について、最近の大阪地裁の判決と関連して御質問したいと思いますが、国鉄の分割・民営化の法案が審議をされました国会で、当時の杉浦総裁も、組合による差別あるいは組合活動による差別、こういうことは一切行ってはならないということを明確に答弁されています。またその国会での両院の附帯決議を見ましても、「所属労働組合等による差別等が行われることのないよう特段の留意をすること。」ということが国会決議で出ているわけです。先ほど答弁で、係争中なので政府としてはコメントを差し控えるとかいろいろ答弁されていますが、これは分割・民営化、そしてJRという経過の中で国会でも両院で決議をされている問題であります。大臣、最初にこの決議について、組合別によっていろいろ組合員に差別があってはならない、特段の留意をする、この国会決議は厳格に守っていかなければいけない、遵守されていかなければいけない問題だと思いますが、いかがですか。
  71. 石原慎太郎

    石原国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。
  72. 中路雅弘

    中路委員 私、国労の組合から先日お聞きしたのですが、八月十日現在でJRで地方労働委員会に提訴が九十四件あります。内訳採用差別事件が十二件、配属差別事件四十件、出向差別事件二十四件、その他の差別事件十件、あるいはその他含めて九十四件ですが、その後も提訴が相次いでいまして、今百件を超えていると言われていますが、先日中労委に聞いてみました。地労委に今係属中の案件、全部で千八百四十二件ですが、そのうちことしになってから十月までが四百八十二件、この中で三十七都道府県でJRに関する事件が百二十五件含まれています。三分の一近くがJR関係なんですね。こういう事態になっているのはやはり異常だと私は思うのです。  この中で、先ほども質問がありましたが、十一月三十日に大阪地方裁判所で、東海旅客株式会社が国労組合員八人に対して関西新幹線整備、ビュフェとうきょう等への出向命令を十月二十六日付で出した、この問題についての効力を停止するという命令が出ています。この八人はもともと大阪の車両の運転士、それから車両の技術関係の職務についていたわけですが、出向先が主として運行を終えてからの車両基地での車両の清掃、ごみ収集、トイレの掃除、そしてすべて夜勤という、労働条件からいっても勤務からいっても全く大きな変更ですね、運転士をやっているのがごみ掃除をやるのですから。そして勤務も夜勤になるわけです。だから当然、この大阪地裁での仮処分決定では、多数の対象者の中からなぜ申請者が選ばれたのか全く不明だ、本件出向に際して合理性がないということを言っているわけです。また本件の場合のように、出向先の職種が従来勤めてきた職種と大幅に異なる、あるいは勤務形態が夜勤中心になるなど労働条件がかなり不利益に変更されるという場合は、もっと公正に慎重にしなければならない、こう裁判所が指摘せざるを得ないほど異常なんですね。  先ほどの報告ですとJR異議を申し立てると言っているのですが、こうした事態は許されないのではないか。国会でも組合別による差別は絶対やってはならないということを言っているのです。仮処分決定にしても裁判所がこういう決定をしている。これについて改善をしていくというのが当然ではないかと思うのですが、行政機関としての運輸省がコメントできないという先ほどの答弁は、経過からいっても国会の決議からいっても私はそういうことで済まされない問題だと思うのです。もう一度御答弁願いたい。
  73. 丹羽晟

    丹羽政府委員 先生指摘のただいまの案件につきましては、大阪地方裁判所で仮処分の決定があったということは私どもも承知しております。東海会社といたしましては、今回の決定は、就業規則などに従いました会社の出向命令権とかそれから出向についての業務上の必要性、そういったものについては裁判所の方も会社の主張をほぼ認めているわけでございますけれども、人選の合理性とかそういったような問題につきましては必ずしも会社側の主張が認められていないということで、ただいま民事訴訟法の手続に従いまして異議申し立てを行っているところと伺っております。  それで、現在そういう司法手続に従いまして係争中の事案でございますので、私どもとしては、この点につきまして申し上げることは差し控えるべきではないかと考えております。
  74. 中路雅弘

    中路委員 とにかく、出向については停止の命令が出ているわけですから、異議申し立てをやっても、当然何らかの仕事につかせなければいけないでしょう、今。その点はいかがですか。
  75. 丹羽晟

    丹羽政府委員 ただいまの東海会社の八人の方につきましては、現在もとの職に戻られ、それで十二月の七日と八日から勤務いたしておると伺っております。
  76. 中路雅弘

    中路委員 七日からでしょう。きのうから勤務しておる。私たち質問するからということで慌ててやったんでしょうけれども、今までどうしていたか。けしからぬですよ。今まで命令が出てから職場でこの八人がどうなっていたのか。私は直接いろいろ調べたんです。全く隔離しちゃって仕事をやらせてないんです。職場に部屋を別に特設しちゃって、いすと机だけ置いて、朝点呼やって、それ以降一切仕事をやらせていない。国労の同じ組合員がそこの部屋へ行くと中へ入れない。こういう全く人権無視の状態をやっていた。仕事もやらせない。今、七日、八日から仕事をやらせていると言うけれども、民事訴訟法に基づいても、これは仕事をやらせないということがあるから、そうならざるを得ないんです。  こういう人権侵害のことをやって、しかもこうしたいろいろ差別の案件が、今言いましたように全体の労働案件の三分の一をJRが超えている。これは本当に異常なことだし、国会の決議にもあるいは当時の国鉄総裁の国会答弁にも全く反することだ。私は、こうした点については、決議もあることですから、ひとつ行政の面でもJR指導して、正常な労使関係が確立できるように努力してほしい、このことを強く要望したいと思いますが、今の、係争中だからコメントできないということでは済まされないのじゃないですか。こういう形で仕事も与えないで放置していたということは人権上も問題じゃないですか。
  77. 丹羽晟

    丹羽政府委員 私どもが東海会社からお伺いしたところでは、仮処分の決定がございましたので、会社のもとの職場についていただく、それまでの間とりあえず待機していただくということがあったそうでございますが、それがただいま先生指摘の点かと思いますが、先ほど申し上げましたように、現在は仕事をいたしている、こういう段階だと聞いております。
  78. 中路雅弘

    中路委員 そうじゃないんです。現場の現場長は、裁判所は仕事をさせろとは言っていないということで開き直って、仕事をずっと与えなかったんです。きょう八日から仕事をやらせているんです。全くそれはけしからぬことだと私は思うので、改めてこの点については、私は、JRのこうしたやり方について抗議をするとともに、やはり運輸省がもっとしっかり国会の決議を踏まえて行政指導をやっていただくということを強く要望しておきたいと思います。  最後に、時間がなくなりましたので一点、清算事業団の用地の払い下げの問題でお聞きしたいのです。  五十九年以降の大規模な国鉄用地の売却で、ほとんどの場合民間企業が周辺地価の数倍という異常な高値で落札をして、これが地価高騰のまた要因にもなったということから、地価高騰地域の払い下げについては一時今抑えているわけですが、先日、五日の土地問題の特別委員会ですか、これに関連した質問で、大臣が地方自治体の払い下げ要望にも配慮するという意味の御答弁もされているわけです。とりわけ、地方自治体等が公共用に使う目的でこの用地の処分、払い下げについて要請があった場合、随意契約でこうした地方自治体に優先して払い下げを検討していただく、このことについては大臣、答弁もされていますが、こうした方向でこれからも努力をされることをもう一度確認しておきたいのですが、いかがですか。
  79. 石原慎太郎

    石原国務大臣 その答弁には前段が当然ございまして、御存じのように大変な長期債務を抱えておるわけでございますから、事業団としてはできるだけ早く、できればより高く売却して債務を軽減し、国民の負担を減らすということが眼目でございます。同時に、非常にいい土地もありますので、いろいろな地方公共団体がこれが欲しいという意向もありまして、ただ、その場合に漠然としたそういう要求だけではなくて、明らかに具体的に公共の目的に供されるという設計図、そういう計画性がきちっとしておる場合に限って時価で随意譲渡するということであります。
  80. 中路雅弘

    中路委員 これで終わりますが、私の地元でも新鶴見操車場の跡地がありますが、四十ヘクタールという最大級の売却予定地だと思います。この跡地の利用計画については、今神奈川県、川崎市、関係の都市と清算事業団JRも入ってこの跡をどうすべきかという協議会をつくっていまして、ここで利用計画基本プランをつくることになっているわけです。市長名で国鉄総裁や運輸大臣あてにも、前大臣のときですが、公共用に使う場合は適正な価格で優先的に譲渡してほしいという要望も出ておりますので、先ほど御答弁のように、こうした公共的な利用のプランが出た場合には、ひとつそれについて十分な対応をしてほしいということをもう一度重ねて要望しておきまして、質問を終わりたいと思います。      ――――◇―――――
  81. 関谷勝嗣

    関谷委員長 これより請願の審査に入ります。  今会期中、本委員会に付託になりました請願は一件であります。  本日の請願日程第一の請願を議題といたします。  まず、請願の審査の方法についてお諮りいたします。  請願の内容につきましては、文書表で御承知のことでもありますし、また、先ほどの理事会におきましても御協議願いましたので、この際、請願について紹介議員からの説明聴取等は省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 関谷勝嗣

    関谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  これより採決いたします。  本日の請願日程第一の請願は、採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 関谷勝嗣

    関谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました請願委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 関谷勝嗣

    関谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  85. 関谷勝嗣

    関谷委員長 なお、本委員会に参考送付されました陳情書は、常磐新線早期着工に関する陳情書外十二件であります。念のため御報告申し上げます。      ――――◇―――――
  86. 関谷勝嗣

    関谷委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。  内閣提出、海上保安庁留置施設に関する法律案につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  87. 関谷勝嗣

    関谷委員長 起立多数。よって、本案は、閉会中審査の申し出をすることに決しました。  次に  陸運に関する件  海運に関する件  航空に関する件  港湾に関する件  海上保安に関する件  観光に関する件及び  気象に関する件 以上の各件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  88. 関谷勝嗣

    関谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、閉会中の委員派遣承認申請についてお諮りいたします。  ただいま議長に対し申し出ることに決しました閉会中審査案件が付託になり、その審査のため委員を派遣する必要が生じました場合は、派遣の目的、派遣委員、派遣期間、派遣地並びに承認申請の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  89. 関谷勝嗣

    関谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本日は、これにて散会いたします。     午前十一時五十一分散会