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国務大臣(
中曽根康弘君) これは、最近の
地価の高騰という異常な事態にかんがみまして、やっぱり見直して
検討する必要があると私も考えております。状況は前と非常に変わってまいってきております。この機会に、今まで
野末さんいろいろ御質問になったことの中で、私の感じていることを御答弁申し上げたいと思います。
前に、
野末さんと
サラリーマン新党の青木さんとそれから自民党の福田さんで税に関する共同政策、お考えを発表になりましたが、私もその書類をいただいて拝見して非常に敬意を表する次第です。その中身は、
所得税の
減税を思い切ってやれ、その見返りに恒久的な措置として
マル優の改組もやむを得ないが、しかしこれは慎重にやりなさい、そういう趣旨のお考えであったように思います。私たちは、今のような考えを、今まで答弁しましたような考えを
基本にしまして、この問題が円滑に国民の皆さんが御納得できるような形で進むように、税制協議会の協議の状況を見守りつつ前進さしたいと、そう考えております。
それから、まず第一に
相続税の
お話がありましたが、やはりこれも、こういう
地価の急騰
時代にかんがみまして、
相続税は、
所得税
減税をやってから次は
相続税という考えに立っておったわけですが、私は昨年の選挙前には、
相続税の見直しをやりますとも、そう議会で答弁しておったこともあります。そういうことにかんがみまして、正常な生活をしている
人たちがやはり正常にまた生活を相続があった場合でも受けられるような措置は必要である。ただ、今のような
養子を十二人もつくるということがなぜ起きているかといえば、やはり税の体系にゆがみがあるから一部やむを得ずそういう人も出てくるのかもしれない。これはやはり今の制度を見直す
一つの材科を我々に与えているものだと、そう思っております。
もちろん、普通の市民の方々と相当
財産を持っておる人との間にはある程度のそれは差は当然生じ得るものと思いますけれども、農地の問題の相続
関係それから中小企業や商工
関係の相続
関係と
一般市民の今の
土地急騰の場合の相続
関係の均衡というものも考えてみる必要もある、そういう
意味においてこれは見直すべき時期が来た。情勢によっては、この
土地の高騰が続いている間の時限立法みたいな形にしてまた見直すということも将来考えてもいいのではないかと、そう思います。
それから
所得税の
減税の
お話が出ましたけれども、我々は前からいろいろ申し上げております。売上税が挫折いたしましたが、その前からも申し上げておりますが、我々がかつて出した
原案については相当な手直しも考えている、そういうことも申し上げました。税制協議会の審議を見守って、今一番大事なところにかかってきておりますから我々は軽挙な言明はできませんけれども、しかしやはり五、六百万という一番子供が多くていろんな経費のかかるそれらの人々に対してはさらに我々は配慮する必要がある、そう思っております。
それで、仮に
マル優というものが改組された場合に、その結果、負担が多少重くなる、今までよりは多少お金がかかる、今まで助かっていた分が助からなくなる、そういうような
部分については、
所得税の
減税でそれらはカバーできるようにやってあげるのは当然のことであります。
そういうような点も十分考えまして、この前批判を受けたことに対しては我々も十分周到な配慮をすべきである。また、税制協議会において野党の皆様方から
所得税のかなりの思い切った
減税の御勧告も受けておりますし、あなたからも今そういういろんな
お話を承っておるので、これらを十分参考にして、できるだけ我々としては思い切った線へ前進できるように努力してみたい、そういうふうに考えておる次第であります。