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橋本敦君 その折衝を
総理は
支持される立場でおっしゃったと思うのです。ところが
衆議院での我が党の岡崎議員の
質問に対して、果たしてソ連がその核廃絶の条約交渉をやる立場に踏み切るかどうか甚だ疑問であると、こう述べられました。これは事実に反する重大な発言ではありませんか。
なるほど
自民党がおつくりになった「「非核都市宣言」は
日本の平和に有害です」というようなパンフレットは、これは、ソ連は核廃絶をしません、こう断言したり、あるいは通常軍備がなくならない限り核廃絶はないなどと間違った
考えを書いていることは何度も指摘したとおりでありますが、今日の
世界の大勢から見て、ソ連が核廃絶のそういった交渉に踏み切るかどうか疑問であるというのは、これはまた現実の事実に反するのではありませんか。今、ソ連は、ブレジネフ時代と違って、交渉でも具体的にあらゆる核兵器の廃絶を目指して現に努力しているではありませんか。
例えば、まず第一に、一九八四年の十二月には、我が党とソビエト共産党との両党会談でも、核兵器を不法なものとして、その廃絶を
人類にとって死活的に重要な
課題としてはっきりと宣言をいたしましたが、それが具体的に
世界政治の場でも八五年の一月八日発表されました米ソ共同声明になって、グロムイコ外相、シュルツ国務
長官との間で、双方は会談を通じて核兵器と宇宙兵器に関する来るべき米ソ交渉の主題と目的について討議したとして、双方は来るべき交渉があらゆる領域での核兵器の完全廃絶をもたらすべきであると信ずると、明確にその方向を明らかにしました。
そしてさらに、それだけではありません。ゴルバチョフ書記長は、八六年一月十五日に声明を出して、紀元二〇〇〇年までに期限つきで核兵器の完全廃絶をやろう、こういうことをはっきりと訴えておりますし、八六年のあの、
総理もしばしばおっしゃるレイキャビク首脳会談、この会談の後の記者会見でもはっきりとゴルバチョフ書記長は、要約すれば、我々は米
大統領との会談でミサイルの廃絶と削減についても同意したのである。核兵器の大幅削減を行う我々の用意について我々は次のような問題を立てた。核兵器の廃絶の具体的局面に入ると同時に、検証について完全に明快であるべきであるとして、
総理がいつもおっしゃる検証についても、この検証の受け入れはもちろん、厳重な、完全な信頼を保証する、そういう検証を
支持してやりますということもはっきりと会見で言っております。こうして、核兵器削減のためにすべての方向に向けて打開をしていき、核戦争の脅威を取り除き、核のない
世界を可能にするようにしよう、こうはっきり言っております。
こういうはっきりした事実があるにもかかわらず、なぜ
総理はソ連が核廃絶に踏み切るかどうか疑問だなどとおっしゃるのでしょうか。