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1987-08-26 第109回国会 参議院 本会議 第7号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
六十二年八月二十六日(水曜日) 午前十時一分
開議
━━━━━━━━━━━━━
○
議事日程
第七号
昭和
六十二年八月二十六日 午前十時
開議
第一
国際緊急援助隊
の
派遣
に関する
法律案
(第百八回
国会内閣提出
、第百九回
国会衆議
院送付
) 第二
国土開発幹線自動車道建設法
の一部を改 正する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)
━━━━━━━━━━━━━
○本日の
会議
に付した案件 一、
請暇
の件 一、
日程
第一及び第二 一、
国民生活
に関する
調査
の
中間報告
—————
・
—————
藤田正明
1
○
議長
(
藤田正明
君) これより
会議
を開きます。 この際、お諮りいたします。
田英夫
君から
海外旅行
のため来る二十八日から十日間の
請暇
の申し出がございました。 これを許可することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
藤田正明
2
○
議長
(
藤田正明
君) 御
異議
ないと認めます。 よって、許可することに決しました。
—————
・
—————
藤田正明
3
○
議長
(
藤田正明
君)
日程
第一
国際緊急援助隊
の
派遣
に関する
法律案
(第百八回
国会内閣提出
、第百九回
国会衆議院送付
)を
議題
といたします。 まず、
委員長
の
報告
を求めます。
外務委員長森山眞弓
君。 〔
森山眞弓
君
登壇
、
拍手
〕
森山眞弓
4
○
森山眞弓
君 ただいま
議題
となりました
国際緊急援助隊
の
派遣
に関する
法律案
につきまして、
外務委員会
における
審査
の
経過
と結果を御
報告
いたします。 この
法律案
は、
我が国
が進めてまいりました
国際緊急援助体制
を一層
整備
するため、
海外
の
地域
、特に
開発途上地域
における大規模な
災害
に対し、
国際緊急援助隊
を
派遣
するに当たっての根拠、
手続等
を明確にしようとするものであります。
援助隊
の任務、
派遣
に当たっての
外務大臣
と
関係行政機関
の長との協議、
都道府県警察
、
市町村消防等
の
援助隊
への
協力
、
国際協力事業団
による
援助隊
の
派遣等
の
措置
について規定しております。
委員会
におきましては、
国際緊急援助活動
の
充実
、
援助隊
への自衛隊の参加問題、
援助隊
の
派遣
と
国際紛争
との
関係
、
援助活動参加者
の
補償問題等
について
質疑
が行われましたが、詳細は
会議録
によって御承知願います。 昨二十五日、
質疑
を終え、別に
討論
もなく、
採決
の結果、
本案
は
全会一致
をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、
本案
に対し、
国際緊急援助体制
の一層の
整備充実
、
援助活動参加者
の
安全確保
と
災害補償
に対する
配慮
、
国際緊急援助活動
の当
委員会
への
報告等
について、
政府
の
配慮
を
要請
する
附帯決議案
が、自由民主党、
日本社会党
・
護憲共同
、公明党・
国民会議
、民社党・
国民連合
、
新政クラブ
各
会派
の
共同提案
として提出され、
全会一致
をもって
委員会
の
決議
とすることに決定いたしましたので申し添えます。以上、御
報告
申し上げます。(
拍手
)
—————————————
藤田正明
5
○
議長
(
藤田正明
君) これより
採決
をいたします。
本案
に
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
藤田正明
6
○
議長
(
藤田正明
君)
総員起立
と認めます。 よって、
本案
は
全会一致
をもって可決されました。
—————
・
—————
藤田正明
7
○
議長
(
藤田正明
君)
日程
第二
国土開発幹線自動車道建設法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)を
議題
といたします。 まず、
委員長
の
報告
を求めます。
建設委員長村沢牧
君。 〔
村沢牧
君
登壇
、
拍手
〕
村沢牧
8
○
村沢牧
君 ただいま
議題
となりました
国土開発幹線自動車道建設法
の一部を改正する
法律案
につきまして、
建設委員会
における
審査
の
経過
及び結果を御
報告
申し上げます。 本
法律案
は、
国土開発
の基盤である
高速自動車交通網
の
整備
を図るため、
国土開発幹線自動車道建設法
の別表を改め、
北海道横断自動車道等
の
既定路線
を一部延伸するとともに、
日本海沿岸東北自動車道等
の
路線
を新たに
予定路線
に追加するものであります。
委員会
における
質疑
の詳細は
会議録
によって御承知願います。
質疑
を終了し、
討論
もなく、
採決
の結果、本
法律案
は
全会一致
をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本
法律案
に対し、
小川理事
より
各派共同提案
に係る
附帯決議案
が提出され、
全会一致
をもって本
委員会
の
決議
とすることに決定いたしました。 以上、御
報告
申し上げます。(
拍手
)
—————————————
藤田正明
9
○
議長
(
藤田正明
君) これより
採決
をいたします。
本案
に
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
藤田正明
10
○
議長
(
藤田正明
君)
総員起立
と認めます。 よって、
本案
は
全会一致
をもって可決されました。
—————
・
—————
藤田正明
11
○
議長
(
藤田正明
君) この際、
国民生活
に関する
調査会長
から
国民生活
に関する
調査
の
中間報告
を聴取いたしたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
藤田正明
12
○
議長
(
藤田正明
君) 御
異議
ないと認めます。
国民生活
に関する
調査会長長田裕二
君。
—————————————
〔
調査報告書
は
本号末尾
に掲載〕
—————————————
〔
長田裕二
君
登壇
、
拍手
〕
長田裕二
13
○
長田裕二
君
国民生活
に関する
調査会
の
調査
結果について御
報告
申し上げます。 本
調査会
は、去る百八回
国会
におきまして、
国際化
に伴う
国民生活
の対応を
課題
として
調査
を行い、その結果を
中間報告
として取りまとめ、会期末の五月二十五日、本
会議
で御
報告
を申し上げ、同
報告書
の中で、
日本
の
国民生活
の質と
水準
は、
欧米主要国
に比べて見劣りする分野が少なくなく、これらを
経済力
にふさわしいところまで
充実向上
させなければならないことを強調いたしました。 他方、
我が国
は、ここ数年来、
対外経済面
で輸出入の不均衡とこれに伴う
国際的摩擦
に悩む一方、
国内経済面
では、一昨年秋以来の
円高
の影響を受けて
不況
に陥った
産業
や
企業
も少なくありません。このため、短期的にはこれらを
支援
すると同時に、中期的には輸出に依存し過ぎた
日本経済
を
内需主導
型のものに転換することが
経済政策
上 急務になり、内外各方面から
内需拡大
の
要請
が高まったことは御承知のところであります。 このような
要請
に対し、
政府
は
緊急経済対策
など各種の
措置
を講じ、また、
日本
銀行は五次にわたる公定歩合の
引き下げ
を行いました。 これらの諸
情勢
にかんがみ、本
調査会
は
内需拡大
のあり方を
課題
として緊急に
調査
することとし、以来、休会中を含めて約二カ月にわたり
集中
的に
検討
を行ってまいりました。 まず、
内需拡大策
について
関係
十三省庁から四回にわたる説明を聴取した後、各
委員
による
意見表明
と
委員相互
の
質疑
、
討論
を行いました。これは従来
一般
には見られなかった初めての試みであります。また、五人の
参考人
から専門的な
意見
を聴取いたしたほか、
東京
都から
臨海部
副
都心開発基本構想
について聞き、さらに
現地視察
を行いました。それらの結果を
中間報告
として取りまとめ、去る八月二十一日の
国民生活
に関する
調査会
において決定し、直ちに
議長
に提出いたしました。 以下、この
内需拡大
についての
報告書
の主な内容を御紹介申し上げます。 まず、
内需拡大
は、本来、外国からの
要請
によって行うものではなく、
国民
が真の豊かさを実感できるように、
国民生活
の質の画期的な
向上
を目指しつつ、
内需主導
型の
経済成長
を実現することに意義があること、また、
経常収支黒字
の減少を通じて
対外経済摩擦
の
解消
にも役立つことを再確認しております。 また、
内需
の
成長率
は、
実質経済成長率
四%を維持するため、それを上回る五%程度とすることとしております。このため、
公共事業
の
推進
に当たっては、短期的、一時的な
対策
に終わらせることなく、十分な
需要拡大効果
が上がるまで継続的に
推進
することとしております。
内需拡大策
の大きな柱は、
住宅建設
と
公共事業
の
推進
であります。
住宅対策
としては、
新規住宅建設
のほか、
中古住宅
の
活用
をも重視すべきであり、また、
住宅減税
が特に重要であるが、これについては思い切って
欧米並み
の
税額控除
を行うべきことを主張しております。さらに、
居住用セカンドハウス取得
に対する
支援
を行うこととしております。
公共事業
の実施に当たっては、二十一
世紀
までに少なくとも現在の
欧米並み
の
社会資本整備水準
を達成するという
長期的視点
に立ちつつ、当面の
経済効果
を勘案した
予算配分
を行うこと、さらに、諸
事業
を総合的、効率的に
推進
する必要があることを述べております。 これらにあわせて、
民間資金
の
活用
と
財政資金
の節減に資するため、
民活事業
を積極的に
推進
すべきこと、また、
民活事業
は
大都市圏
のみならず
地方圏
においても活発になるように
資金
、
税制面
の
支援
を
充実
すべきこと、さらに、
地方圏
の
民活事業
としては、
リゾート整備
などを
推進
すべきことについて述べております。
家計消費支出
は、GNPの六割弱を占めており、
内需拡大
に占める役割は決して小さくありません。この意味から、大幅な
所得減税
、
円高差益
の
還元等
による物価の
引き下げ
、
高齢者福祉
の
充実
による老後不安の
解消
などを通じ、
消費
の
拡大
を実現すべきことを述べております。また、
労働
時間
短縮
により
サービス消費
の
拡大
を促進する必要があるとしております。 これらと同時に、
中小企業
や
不況業種
の
業種転換
、新
産業
の
開発
、振興のために金融、
財政
、
税制
、指導など各般にわたる
支援措置
を講ずるほか、
研究開発投資
に対する
投資減税
を強化することを述べております。
雇用対策
も重要であります。当面三十万人
雇用開発プログラム
を
推進
するとともに、
労働
時間
短縮
による第三次
産業
の
活性化
を通じて
雇用増大
を図るとしております。これに加えて、新しい
日本型ライフプラン
を確立し、これに沿って
若年層
、
中年層
と高
年齢層
との
労働
時間
配分
を
見直し
て、ワークシェアリングを
推進
し、
高齢者雇用
の
増大
を図るとしております。 以上のような
内需拡大策
に伴う
財源確保
のための
方策
についても、
所得減税等
を行う場合には、これに見合う
税収確保対策
の
必要性
を主張しているほか、
社会資本整備
は本来
一般財源
によるべきであるが、当面は適度の
建設国債
の発行によって充当することもやむを得ないことを述べております。このほか、
NTT株式
の
売却益
の一層の
活用
、
受益者負担
の考え方を
財源調達
にも適用して新しい
財源調達方式
を工夫すること、さらには、
財政事情
の厳しい
地方公共団体
に対し
支援策
を
充実
することを
提言
しております。 さらに、
内需拡大策
の
推進
のためには、
土地対策
を画期的に強化すべきこと、特に
東京圏
の
地価対策
として、一、
土地供給
の増加、二、
投機的土地取引
の
抑制
、三、
東京
一極
集中
の
是正
の三つの
対策
を講じなければならないと主張しております。
土地供給対策
としては、
東京
の
事務所需要
に対する
供給計画
の早急な策定、借地・
土地信託等
の
推進
、
市街化区域内農地
の
活用促進
などが必要であり、
投機的土地取引
の
抑制策
としては、
土地関係税制
の
見直し
、
投機的土地取引
に対する融資の
抑制
、
国土利用計画法
の的確な運用と規制の強化、
大都市圏
における
土地所有権
の
見直し
の
検討
などが必要であることを述べております。 さらに、
東京
一極
集中
の
是正
については、さきに策定した四全総の着実な実行、
産業
、
行政機関
、
教育研究施設
の
地方配置
の
推進
、
事務所
の
集中抑制策
の
検討等
が必要であるとしております。 以上が
内需拡大
について
提言
を行った
中間報告
の要点であります。 最近の
経済情勢
を見ると、
景気
が底入れし
回復局面
に入ったことが明らかであります。しかし、
内需拡大策
は短期の
景気浮揚策
にとどまるものではなく、
日本
の
経済力
によって生み出された果実を
国民生活
の
充実向上
に
活用
する中
長期
の
政策
であり、さらには、
経済摩擦
の
解消
につながるものであります。それは二十一
世紀
に向けて真に豊かな
社会
を築くための、あるいは
国際社会
において
日本
が適切な立場を構築するための具体的な
方策
であると言っても過言ではありません。 以上のような
内需拡大
の
審議
に当たっては、閉会中も含めて精力的な
討論
を行うなど、全
会派
の
協力
によって短期間に
審議
を
充実
させることができました。また、超党派で本
報告
を取りまとめることができたことを付言させていただきます。
皆様方
におかれましては、これら
提言
の
推進
、実現につきまして格段の御尽力を賜りますようお願い申し上げまして、私の
報告
を終わります。 ありがとうございました。(
拍手
)
藤田正明
14
○
議長
(
藤田正明
君) 本日は、これにて散会いたします。 午前十時十九分散会