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松前達郎君 まだその辺余りはっきりしてないのかもしれませんが、
企業にとってみるとこれは大変な問題なんですね、
参加するかしないか。ある
企業はもう
参加しないと決めたところもありますし、例えばココム問題で東芝、まあ東芝機械ですけれ
ども、じゃ東芝は一体どうするのか。いろんな問題が出てくるわけですね。ですからその辺がどうもまだはっきりしていないような気がするので、またいずれその問題についてはお尋ねしていきたいと思います。
さっき大臣がおっしゃった基礎的な
技術という面ですね。これは確かにおくれていると言えばおくれている面が今まであったわけですが、そういう面の国際協力、例えば
SDIを通じての協力となると、これはもう
研究所段階の協力ということになってくるんですね。そうすると当然、
アメリカ側で
考えられている
研究所といったら、ロスアラモスの
研究所ですとか、これは炭酸ガスレーザーをやっていますね、それから中性粒子ビーム兵器の開発をやっているし、自由電子レーザーの兵器開発、これはニューメキシコでやっているわけですね。それからマックスウェルの
研究所、これはカリフォルニアですが、レールガンの開発ですね。そのほかローレンス・リバモア、これ有名なんですが、これもカリフォルニアにある。これはエックス線レーザー。あるいはサンディアの国立
研究所、これもエックス線レーザー。そういうところと恐らくやらなきゃならない、まあ
研究所段階ですね、基礎的なもの。
そういうふうになってくるので、非常に大がかりな体制というものが展開されるような気がするんです。その辺展開するのはいいんですが、
研究所の問題としてはいいんですが、その結果としてこれがいわゆる
アメリカの防衛
構想に加担をしていくということに結局はなっていくわけなんですね。加担をするだけじゃなくて、逆にそれで締め上げられたんじゃこれは大変な問題が出てくる。そういう心配を和していたものですから、その辺は十分もう
外務省の皆さんはわかっておられると思うんですが、いろいろ問題がこれから出てくると思いますが、その辺はお
考えいただいて対応していただければというふうに思います。
さて、
SDIはそのぐらいにしまして、もう
一つ最近の、これは私自身にも電話が来たんですが、反ソキャンペーンの問題なんですね。というのは、外交官の追放合戦というのがまた
日本との間に、まあ一人か二人の問題ですが、合戦と言っていいかどうかわからないんですが、今起こったわけですね。これは国際的な外交の問題としては当然起こる問題かもしれませんけれ
ども、その
一つの理由としてソ連側が言っているのは、反ソキャンペーンが
日本で盛んに行われているということを盛んに言うんですね。これはとり方によってはどうに
もとれるかもしれませんが、恐らくこれは例えばココムの問題、また新聞などで取り上げているのは、ココムの問題だろう、それからさらに幾つかのスパイ事件ですね、こういう問題が絡んでいるんじゃないか、こういうふうに言われているわけなんです。
ココム規制の問題、これはまた蒸し返す必要ないと思いますが、これでも、私
どもの友人である教授が、スクリュー音の減少というものが、東芝機械を輸出して彼らがそれを使って加工したその結果によるものではない、因果
関係はないだろうという発言をした途端に、今度怪電話がかかってきて、あれはソ連のスパイだ、これから尾行をつけるとか、そういうふうなことを盛んに、これ一
回じゃないんです、そういうことまで言ってくる。どっから来たか大体見当つくんですけれ
ども。
大臣がその問題について、いわゆるその東芝機械と今の潜水艦の雑音低減の問題は
一定の因果
関係はあるんだとおっしゃいましたですね。そればかりじゃないということですね。その機械ですべてが解決したわけじゃないだろうけ
ども、
一定の因果
関係はあるだろうというふうな国会での答弁をされた記録があるんですけど、これは確かにそうかもしれません。
ただ問題は、何も東芝機械だけがすべて雑音低減の決め手になったわけじゃなくて、例えば潜水艦の一番重要なプロペラシャフトのベアリングなんて
日本製なんですね。
日本から輸出しているんです。それから原子炉からの動力に変えるあのシステムの中のベアリングも全部
日本製である。そうなるとこれもココムにひっかかるわけですね。ところが実際ソ連の潜水艦は使っているわけですね。
そういったようなこともあるんで、全部が総合してそうなったのかどうかと私は思うんですけれ
ども、前にも私ここで申し上げたように、ソ連の潜水艦はダミーの雑音発生機を艦首につけてカムフラージュしているわけですし、そういったような面で何も東芝機械が雑音低減のすべてをこれで行えたということじゃないということだろうと私は思うんです。まあそういったような問題を発言するとすぐ反応が出てくるということですね。
それからさらに、例えばかつての大韓航空機撃墜事件の場合でも、これもソ連はスパイ飛行である、こういうふうなことを言った。国内でもそういうことを唱える人が多い。私もそういう疑惑を持ったことがあるんですけれ
ども。こういうことを言うのが反ソキャンペーンである。しかも、撃墜事件のときに交信記録を見てみると、もうそれでスパイ説が覆されて、ソ連のこれは偽
情報であるなんていうことを言うような状況ですね。
それからさらに、最近ではソ連船の小名浜寄港、これは当
委員会でも漁業の問題でソ連との間の問題をかねがね取り扱ったわけですが、そのときに、ソ連の漁船が小名浜に休養のためと物資補給ですか、寄港するということを恐らく日ソ漁業
協定で決めたわけですね。ところが実際行ってみると大変な妨害に遭って、その妨害だけならいいんですが、その妨害が余りにも露骨であるために、小名浜地域の
日本の商店の皆さんとか、そういう
日本の住民の皆さんがもう既に怖がってしまう。そうなると雰囲気としてはもう全く排除する雰囲気になってくる。また、それをソ連の船員が直接上司へ報告したものですから、それでまた非常に印象悪くしている。
どうもこういった
一つの反ソキャンペーンというものが行われている。これがソ連にとって非常にかんにさわるところだろうと私は思っているわけなんです。
とりわけ、その反ソキャンペーンを行っている組織としていろんなのがあるんですけれ
ども、つい最近後藤田官房長官の発言にもあるように、例えば右翼による妨害
活動の規制ですね。国会のところでもやっていますし、ソ連大使館の前に行ってもやっています。もう大変なものですね。恐らく諸
外国でこんなのはないと思うんですね。この辺について大臣一体どういうふうにお
考えなのか、それが
一つ。
それからもう
一つ、横田基地スパイ事件というのもありましたね。それから例の航空計器の問題。いろいろあったわけですが、横田の場合などは、これはただ単なるテクニカルオーダーの普通の文書が手に入ったというだけで、何も大騒ぎするような問題じゃないんですけれ
ども、それをまたわざわざと、大変だ、最高機密が漏れたというふうに宣伝をする。そういったものも含めて恐らく私は反ソキャンペーンだとソ連はとっているんじゃないかと思うんです。
日ソ
関係というのは、隣の国ですから、しかも大きな国ですし、何もわざわざ敵に回す必要もないし、ちょうど
アメリカとソ連は今相当な交渉をしながら、我々の懸案であった核兵器の削減までもやろうと、いろんな駆け引きはありますけれ
ども、そういう方向に向かっているし、
経済関係でも米ソの間の
経済交流というのはとんどんやっているわけですね。特にヨーロッパとソ連との間でもやっている。このままほうっておくとどうも
日本だけ取り残されちゃうんじゃないかという気もするんですが、そういった問題に対してやはりもっと視野を大きくして我々としては
考えていかなければならないんじゃないか。これは私がそういうふうに感想として申し上げるわけなんですが、今の一連の問題についていかがでしょうか。