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坂井委員 地方の方が自動車の保有台数が多いと言われますが、確かに地方圏の自動車の保有率が三
大都市圏に比べますと相当超えているわけですね。保有台数で見ますと、
昭和五十八年、千人当たり三
大都市圏では三百十一・九台、地方におきましては三百九十八・四台ということでありますから、これは相当地方の方が多い。やはり車がありませんと生活ができないのですね。仕事にならないということですね。
そういう意味からいいましても
道路の必要性ということはよくわかるわけでございますが、同時に、先ほどから申し上げておりますように、
道路の
整備が一極集中型の社会から多極分散型に移行が期待されるような
道路づくりでありたい。したがいまして、
四全総でもこの
道路建設は
計画の柱となる
性格のものであると思いますし、こうした
道路ネットワークを強化充実するということによりまして、トラックとか産業とかという面だけじゃなくて
一般乗用車——いろいろな車が走りますが、最近はすべての車が経済的な意味を持っているわけであります。この
国幹道法ができたころは、これはやはり産業の振興ということに重点を置かれたのですね。今は産業、工場だという概念でとらえていたのではやはり時代には合わないのですね。
道路をつくる、その
道路の上を走る車というのはどうしても乗用車が多いですよ。若者の車もありますよ。二輪車もありますよ。レジャーの車、観光の車、いろいろあるでしょう。しかしながら、そういう車がすべて経済的な大きな意味を持っていると思いますね。
そういうことを考えますと、定住と交流ということの中で地方における魅力というものは、この前も申し上げたかと思いますけれども、自然資源、恵まれたそういう資源がやはり地方にありますね。これを見直すような
地域における資源の活用、天然資源、自然資源、観光資源、こういうものを活用してやはり魅力ある
地域づくり、地方づくりということがあわせて行われなければならぬ。そうでありませんと、どうも交流と定住だとこのモチーフは一見全く矛盾するんですな。それが可能だということであれば一体どういうことなのかなと思って考えてみますれば、やはりもう一方における地方のそういう魅力のある
地域づくりかな、同時に、質のよい公共社会資本をしっかり
整備することかな、そうでなければ
道路をつくったことがかえってあだになってしまうということも、これは恐れなければならぬ。なぜ私がそれを言うかというと、これから
大臣の御
意見を伺っていきたいと思いますが、やはり東京一極集中に歯どめをかけるということは容易ならざることだと思うから、このことを
最初に口やかましく実は申し上げているわけでございます。
首都圏がますます隆盛といいますか栄えます。比べまして地方経済の地盤沈下、これは確かに深刻なものがありますね。
日本列島の中でそういう格差というものが最近においてとみにぐっと開いてきた。ここのところをどう埋めるのか。つまり、地方経済の自立的な発展基盤、それを整えるための高速
幹線道路でなければならぬ。またそのことのために、例えばコミューターもあるでしょう、いろいろな
高速交通機関、それらを
整備いたしまして、
全国的インフラの
整備といいますか、これは国の責任でやらなければならぬ。同時に、先ほどからくどくどと申し上げますが、魅力のある
地域づくり、
地域におきましては、自立できる経済基盤づくり、質のよい社会資本の
整備、やはりこれらをあわせてやらなければならぬということを強く感ずるわけでございます。
そこで、この
道路づくりというものは総合的な見地から
道路行政が進められなければならぬという角度から、もう一点
意見として申し上げておきたいと思うのです。
道をつくるということが
道路だけに着目していたのでは、これからの新しいモータリゼーション、車社会といいますか、その問題の解決にはならぬぞ、
国土計画あるいは
地域計画、
地域計画だけではなくて
都市計画との協調ということもやはり考えなければならぬ。一方の
地域だけじゃなくて、
都市計画それから
地域づくり、これとの協調ということもやはり考えながらこの
道路づくりも進めていかなければならぬでありましょうし、もう一方、自動車産業というのは物すごい巨大な産業になりましたね。国際化ということもあります。そういう関係からも、
道路行政は将来の自動車のあり方とやはり相互に関連する問題ですね。
何を言いたいかといいますと、
道路をどんどんつくらなければいかぬということでつくってきたのですが、
道路をつくったよりも車のふえ方の方が大きかったでしょう。極端な言い方をしましょう。どんどんどんどん車ができてあふれできますと、これは理論的には、
日本の
国土を全部
道路にしてしまっても足らなくなるのです。今は車社会です。こういう車社会。限られた
日本の
国土、可住地面積、その中に占める
道路の比率。今度は車が道に出てくる。それらを将来車社会という中で、車との関係において
道路づくりということをどういうふうに考えているのか。もちろんそのことは頭に入れて随分
計画の中に織り込まれてきたことでありましょうが、なおその辺もしっかりした
国土づくりという
観点からとらまえていただきたい。言いたいことは、流されてつくるのじゃだめだということです。たくさん車が出てきた、道が込み出した、込み出して利用度が高いから、そうしたらここをつくったら採算が合うから
道路をつくりましょう、こういう
道路づくりは一番下の下だということを申し上げたいということであります。これは
意見として申し上げるわけであります。そういうことでありますから、
道路をつくるあるいは新
幹線、コミューターを
全国に張りめぐらす、それだけで地方が活性化するのではない。そういう
考え方は安直であり、かつ八方美人的だ。多極分散を可能にするためには何をしなければならぬのか。総花的であってはならぬ。これは的を絞らなければいかぬぞ。
それでは
国土庁にお伺いしたいが、多極分散というが何を具体的に分散するのですか。ちょっと教えてください。