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新村委員 そこで、放送協会が放送される、これはテレビ、ラジオ共通でしょうけれども、その番組については番組基準に基づいて放送、放映するということになっているようでありますが、この番組基準の中で幾つか疑問というかただしてみたいところがあるわけです。
第一章の「放送番組一般の基準」、人権、人種、宗教とありまして、第四項、政治でありますが、政治の
実態について、特にこれは
国会ですね、この
状況についてテレビで放送していただくということは、政治、特に
国会の
状況を国民の皆さん方に知っていただくには一番いい方法だと思うのです。ところが、NHKさんはこの政治については一歩下がって慎重な態度をとっているという印象を受けるわけです。
地方に行きますと、例えば県会の
状況を
地方テレビが盛んに放映いたしております。それから、ところによってはその市内、市町村内の有線テレビで市議会の
状況等について克明に放映しているということがありまして、そういったことで
地方では大変評判がいいわけでありますけれども、NHKさんの場合には政治放送あるいは
国会放送については、やってはいらっしゃいますがまだまだ不十分ではないかと思うのです。この第四項の「政治・経済」には「1 政治上の諸問題は、公正に取り扱う。」それから2として、「公職選挙法に基づく政見放送および経歴放送については、すべての候補者に平等の機会を
提供する。」というようなことでありますけれども、これは政見放送なりあるいは政治、特に日常の政治活動についての放送については、積極的というよりはむしろ一歩下がった印象を受けるわけですよね。ですから、そういう点について、政治、特に
国会の実況等についてはもう少し積極性があっていいのではないかと思うわけです。現在も
国会討論会あるいは
国会の実況等をやっていらっしゃいますが、それは総理の施政方針あるいはそれに対する各党の代表
質問、あるいは
予算委員会の審議
状況どまりですね。この
委員会なんかにはほとんどテレビカメラが入らない。一般の
委員会にもテレビカメラはほとんど入らないですよ。ということで、現在の
国会放送というのは、言っては悪いのですけれども最低、おざなりと言っては悪いのですけれども、最低の規模というか範囲ではないかと思うのですね。
今国民の政治離れということが盛んに言われておりますし、また
国会の機能についても、
国会の機能の低下というようなことも言われております。これは
国会の中にいても、そういうことを言っていいか悪いかわかりませんけれども、
国会の機能が完全にフルに機能しているとは言いがたいと思いますよ。これはやはり
国会の
状況を国民に知っていただくということが何よりも必要だし、有権者の皆さん方は、自分で一票を書いて
国会に送った議員がどういうことをしているかということを知りたいわけですよ。ところが、総理大臣とかあるいは各党の領袖という人たちは、これはもうテレビに出る機会も多いのですけれども、一般の我々議員がテレビに出る機会はほとんどない。というのは、やはり放映しないからですよ。
予算委員会しか放映しない。
決算委員会にテレビの入ることはほとんどないということです。ほかの一般の
委員会でも余りないと思います。
ところが、と言うと悪いのですけれども、他の分野ではNHKさんも大変熱心におやりになっておるわけですですから、他の分野に劣らない程度の政治番組、といってもやはり
国会放送ですね、
国会の番組をもう少しふやしていただけないか。具体的に言えば、プロ野球並みに
国会放送ができないか。プロ野球をけなすわけじゃありませんよ。ありませんけれども、国の、国民の、日本のすべての
生活の
状況の中における政治の重みというのば、これは何といっても一番重いはずですよね。重くないというのはおかしいんだし、重くないというのは、政治がそれだけ国民から不信を買っているということなんですからね。それにはやはり政治を知ってもらう、
国会の
状況を知ってもらうということだと思うのですよ。憲法には
国会は確かに国権の最高機関というふうに言われておりますけれども、最高機関としての権威を私は疑いたいと思うのです、現状では。また、国民はそれだけ評価をしていないと思うのですよ。というのは、知らないからですよ。そういう意味で、大臣、どうですか、
国会放送をもう少し十分やっていただくようにNHKに要請するお考えはありませんか。