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1987-07-27 第109回国会 衆議院 決算委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和六十二年七月六日)(月曜日 )(午前零時現在)における本委員は、次のとお りである。   委員長 堀之内久男君    理事 糸山英太郎君 理事 上草 義輝君    理事 熊谷  弘君 理事 古賀  誠君    理事 近藤 元次君 理事 新村 勝雄君    理事 草川 昭三君 理事 小沢 貞孝君       岡島 正之君    竹下  登君       古屋  亨君    穂積 良行君       松野 頼三君    森下 元晴君       谷津 義男君    渡辺美智雄君       小川 国彦君    渋沢 利久君       渡部 行雄君    小川新一郎君       古川 雅司君    大矢 卓史君       野間 友一君 ――――――――――――――――――――― 昭和六十二年七月二十七日(月曜日)     午前十一時開議 出席委員   委員長 堀之内久男君    理事 糸山英太郎君 理事 上草 義輝君    理事 魚住 汎英君 理事 古賀  誠君    理事 近藤 元次君 理事 新村 勝雄君    理事 草川 昭三君       岡島 正之君    古屋  亨君       森下 元晴君    谷津 義男君       渡辺美智雄君    小川 国彦君       渡部 行雄君    小川新一郎君       古川 雅司君    大矢 卓史君       野間 友一君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 唐沢俊二郎君  出席政府委員         郵政大臣官房長 森本 哲夫君         郵政大臣官房経         理部長     山口 武雄君         郵政省郵務局長 田代  功君         郵政省貯金局長 中村 泰三君         郵政省簡易保険         局長      相良 兼助君         郵政省通信政策         局長      塩谷  稔君         郵政省電気通信         局長      奥山 雄材君         郵政省放送行政         局長      成川 富彦君  委員外出席者         警察庁長官官房         審議官     森広 英一君         防衛庁長官官房         防衛審議官   宝珠山 昇君         環境庁企画調整         局環境影響審査         課長      櫻井 正昭君         大蔵大臣官房企         画官      田村 義雄君         大蔵大臣官房企         画官      渡辺 達郎君         大蔵省主計局司         計課長     兵藤 廣治君         大蔵省理材局資         金第一課長   竹内 克伸君         国税庁直税部法         人税課長    買手屋孝一君         文部省初等中等         教育局小学校課         長       熱海 則夫君         資源エネルギー         庁公益事業部電         気用品室長   稲葉 裕俊君         運輸省地域交通         局陸上技術安全         部自動車審査課         長       樋口 忠夫君         郵政大臣官房首         席監察官    加宮 由登君         郵政大臣官房建         築部長     黒川暢一郎君         労働省労働基準         局安全衛生部労         働衛生課長   佃  篤彦君         自治大臣官房地         域政策課長   深沢日出男君         自治省行政局選         挙部選挙課長  秋本 敏文君         会計検査院事務         総局第五局長  三原 英孝君         参考人         (日本放送協会         専務理事)   林  乙也君         参考人         (日本放送協会         放送総局総局         長)      高橋 雄亮君         参考人         (日本放送協会         関連事業室長) 伊藤康一郎君         参考人         (日本電信電話         株式会社代表取         締役副社長)  山口 開生君         参考人         (日本電信電話         株式会社取締役         考査室長)   本間 雅雄君         参考人         (日本電信電話         株式会社常務取         締役経営企画本         部長)     草加 英資君         参考人         (日本電信電話         株式会社理事・         電話企画本部副         本部長)    小川 伸夫君         参考人         (日本電信電話         株式会社理事・         労働部長)   浅原 雅邦君         参考人         (日本電信電話         株式会社理事・         通信機器事業部         長)      池田  勉君         決算委員会調査         室長      大谷  強君     ――――――――――――― 委員異動 七月十四日  辞任         補欠選任   熊谷  弘君     魚住 汎英君 同月二十七日 理事熊谷弘君同月十四日委員辞任につき、その 補欠として魚住汎英君が理事に当選した。     ――――――――――――― 七月六日  昭和六十一年度一般会計予備費使  用総調書及び各省庁所管使用調  書(その1)  昭和六十一年度特別会計予備費使 (承諾を求  用総調書及び各省庁所管使用調 めるの件)  書(その1)          (第百八回  昭和六十一年度特別会計予算総則 国会、内閣  第十三条に基づく経費増額調書 提出)  及び各省庁所管経費増額調書  (その1)  昭和六十年度一般会計歳入歳出決算  昭和六十年度特別会計歳入歳出決算  昭和六十年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和六十年度政府関係機関決算書  昭和六十年度国有財産増減及び現在額総計算書  昭和六十年度国有財産無償貸付状況計算書  昭和六十一年度一般会計国庫債務負担行為総調  書(その1) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件 理事補欠選任 国政調査承認要求に関する件 参考人出頭要求に関する件 昭和六十年度一般会計歳入歳出決算 昭和六十年度特別会計歳入歳出決算 昭和六十年度国税収納金整理資金受払計算書 昭和六十年度政府関係機関決算書 昭和六十年度国有財産増減及び現在額総計算書 昭和六十年度国有財産無償貸付状況計算書郵政省所管)      ――――◇―――――
  2. 堀之内久男

    堀之内委員長 これより会議を開きます。  この際、理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 堀之内久男

    堀之内委員長 御異議なしと認めます。  それでは、理事魚住汎英君を指名いたします。      ――――◇―――――
  4. 堀之内久男

    堀之内委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  すなわち、決算の適正を期するため  一、歳入歳出の実況に関する事項  二、国有財産増減及び現況に関する事項  三、政府関係機関の経理に関する事項  四、国が資本金を出資している法人の会計に関する事項  五、国又は公社が直接又は間接に補助金奨励金助成金等を交付し又は貸付金損失補償等財政援助を与えているものの会計に関する事項 以上の各事項につきまして、関係各方面からの説明聴取、小委員会の設置及び資料の要求等の方法により、本会期調査を進めたいと存じます。  つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 堀之内久男

    堀之内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ――――◇―――――
  6. 堀之内久男

    堀之内委員長 次に、昭和六十年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、郵政省所管について審査を行います。  この際、お諮りいたします。  本件審査のため、本日、参考人として日本電信電話株式会社及び日本放送協会から関係者出席を求めることとし、その人選につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 堀之内久男

    堀之内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――
  8. 堀之内久男

    堀之内委員長 次に、郵政大臣概要説明会計検査院検査概要説明を求めるのでありますが、これを省略し、本日の委員会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 堀之内久男

    堀之内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――   昭和六十年度郵政省所管一般会計及び特別会計決算に関する郵政大臣説明一般会計郵政事業特別会計郵便貯金特別会計及び簡易生命保険及郵便年金特別会計昭和六十年度決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  一般会計歳出予算現額は二百四十六億八千二百七十九万余円でありまして、これに対する決算額は二百三十七億三千六百五十二万余円となっております。  郵政事業特別会計歳入予算額は四兆四千六百十億七千百四十七万余円、歳出予算現額は四兆四千九百三十四億八千五百四十五万余円でありまして、これに対する決算額は、歳入では四兆四千百七十二億九千六百八十九万余円、歳出では四兆四千百七十二億五千六百二十三万余円となっております。  この中には、収入印紙等の売りさばきによる収入及びこれらの収入関係法令に基づき他の会計へ繰り入れる等のため必要とする支出や借入金、局舎其他施設費等資本的収入支出が含まれていますので、これらを除きました事業の運営による歳入歳出は、歳入では二兆四千百八十二億五千四百四十六万余円、歳出では二兆三千六百九億二千五百九十八万余円となっております。  郵便事業の損益につきましては、収益の総額は一兆三千三百八十億八千二百十七万余円、費用の総額は一兆三千三百六十八億七千九百四十万余円でありまして、差し引き十二億二百七十六万余円の利益を生じました。  この結果、郵便事業累積欠損金は、七十五億四千六百十万余円となっております。  郵便貯金特別会計歳入予算額は七兆百七十三億四千四百二十五万余円、歳出予算現額は七兆百七十三億四千四百二十五万余円でありまして、これに対する決算額は、歳入では七兆千二百二十九億二百十九万余円、歳出では六兆八千九百四十一億七千二百十四万余円となっており、差額二千二百八十七億三千五万余円は、法律の定めるところに従い翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。  簡易生命保険及郵便年金特別会計につきましては、保険勘定歳入予算額は六兆三千六百七十二億七千八百七万余円、歳出予算現額は四兆二千九百二十八億七千四百五十六万円でありまして、これに対する決算額は、歳入では六兆七千六百七十億二千五百三十九万余円、歳出では三兆八千七百六十四億八千二百十四万余円となっており、差額二兆八千九百五億四千三百二十四万余円は、法律の定めるところに従い積立金として積み立てることといたしました。  年金勘定歳入予算額は千四百二十七億二千三百六十五万余円、歳出予算現額は二百五億五千六百二十二万余円でありまして、これに対する決算額は、歳入では千四百八十二億千八百四十六万余円、歳出では百七十二億五千二百五十二万余円となっており、差額千三百九億六千五百九十二万余円は、法律の定めるところに従い積立金として積み立てることといたしました。  次に、会計検査院昭和六十年度決算検査報告において不当事項等として指摘を受けたものがありましたことは、誠に遺憾に存じます。今後、この種事例の発生を未然に防止するため、より一層指導監督の徹底を図る所存であります。  以上をもちまして、昭和六十年度決算概要についての説明を終わります。     …………………………………   昭和六十年度決算郵政省についての検査概要に関する主管局長説明                 会計検査院  昭和六十年度郵政省決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、法律政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項二十七件及び本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項一件であります。  まず、法律政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項について御説明いたします。  検査報告番号四四号から七〇号までの二十七件は、職員不正行為による損害を生じたものであります。  これは、日本橋郵便局ほか二十六郵便局で、郵便貯金又は簡易生命保険等事務に従事している職員が、預金者から定額郵便貯金預け替えを依頼されて預かった証書を使用して交付を受けた払戻金や契約者から受領した保険料等を領得していたものであります。  なお、このうち五一号から七〇号までの二十件については、六十一年十月末日までに損害額のすべてが補てん済となっております。  次に、本院の指摘に基づき当局において改善処置を講じた事項について御説明いたします。  これは、郵便局用端末機保守業務に関するものであります。  郵政省では、この保守業務における保守費積算に当たって、故障修理などのために保守請負会社があらかじめ在庫しておく必要がある部品所要見込量を四百七種類約五万五千個として、その金利負担費を算定することとしておりました。  しかし、保守請負会社から提出されている報告書類により保守業務実態調査したところ、六十年度に使用していた部品は約千九百個にすぎず、また、ここ二、三年の間全く使用実績のない部品も二百八十四種類に上っており、仮に、部品使用実態に即した部品在庫所要量を見込み、これによって金利負担費を算定いたしますと、保守請負費積算額を約三千六百万円低減できたと認められましたので、当局の見解をただしましたところ、郵政省では、本件保守業務における部品使用実態に即した部品在庫所要量により積算をする処置を講じたものであります。  なお、以上のほか、昭和五十九年度決算検査報告に掲記いたしましたように、簡易生命保険積立金の長期貸付けについて処置を要求いたしましたが、これに対する郵政省処置状況についても掲記いたしました。  以上をもって概要説明を終わります。     ―――――――――――――
  10. 堀之内久男

    堀之内委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、これを許します。岡島正之君。
  11. 岡島正之

    岡島委員 予定をいたしました質問項目が若干多いようでございますし、また時間が限られておりますから、なおまた質問が大変粗雑でございますので、答弁はひとつ極めて簡明にお願いをしたいと思います。  まず第一に、電気通信の問題につきまして若干御質問を申し上げます。  私たちは今、工業化社会から情報化社会への転換期を迎えておるわけでありますけれども、これまで物の大量生産さらにまた大量消費中心とした社会から、情報多量化と、またそれの高度利用化への変革期に立っていると思います。それは生活社会の仕組みが変わることだけではなくて、生活意識あるいはまた我々の行動様式まで根本的な変化をもたらすものであろうと私は思います。  そのような中で、まず第一に情報通信基盤整備状況とこれからの見通しについてお伺いをいたします。  国土の均衡ある形成あるいはまた産業構造の転換、国際交流のためには全国的な通信ネットワークの構築が急務であろうと私は思います。地域振興あるいはまた地域活性化を求めていく地方都市情報通信基盤整備することが必要であろうと思います。またその際、それらの事業に対しまして国におきましても財政的に、あるいはまた税制の面からも積極的な支援が求められていると思いますけれども、それらについてまずお聞かせをいただきたいと思います。
  12. 塩谷稔

    塩谷政府委員 お答え申し上げます。  岡島先生おっしゃいますとおり、情報通信というのは大変日進月歩で進んでおりまして、今や、将来我々の行動様式まで変えるのではないかということも言われるくらいでございます。とにかく産業全般情報化が進んでおりまして、いわば二十一世紀を展望した新しいタイプの社会資本がこれからできていくであろうということでございます。四全総におきましても、国土の均衡ある発展を目指しまして地域におきます情報通信拠点整備が強くうたわれております。  私ども郵政省も、従来から民活法あるいはテレトピア計画などによりまして地域情報通信拠点づくりに対して補助金それから税制上の特例措置などを講じてきておりますけれども、今般成立いたしました六十二年度の補正予算におきまして、NTT株式売却収入の活用によりまして無利子融資措置を講じたところでございます。特に地方テレトピア計画でのいろいろなスキームに対してこの無利子融資を心がけていきたいということでございまして、今後ともこれらの支援措置を一層充実させて、地域振興あるいは活性化に寄与してまいりたいと考えております。
  13. 岡島正之

    岡島委員 今お話がございましたが、例えば私のところの千葉市におきましても例のテレトピア計画が、高度総合行政システムあるいはまた地域生活情報問題等を含めて六十年の七月以降提供がされておるわけでございます。さらにまた六十四年度には千葉幕張メッセコンベンションセンターの開設があるわけでございまして、それらについて極めて順調にいっている、こう聞いておりますけれども、テレトピア構想全体の進捗状況について簡単にお話しをいただきたいと思います。
  14. 塩谷稔

    塩谷政府委員 テレトピア計画でございますが、これは実用を前提として双方向のCATVですとかあるいはキャプテン等のインフラストラクチャーをモデル都市に集中的に導入しようということで、いわばニューメディアを活用した活力ある地域社会形成ですとか、モデル都市拠点として全国へのニューメディアの促進を図っていこう、こういうことを目的といたしたものでございまして、昭和六十年三月以来の第一次指定以降順次モデル地域が指定されまして、現在、全国六十三地域に及んでおります。そのうち三十六地域におきまして七十五のシステムが既に稼働するなど、着実に計画が推進されているところでございます。  例えば、このテレトピア計画の一つの例として千葉市のテレトピア計画を挙げさせていただきたいと思いますけれども、これにつきましては、いろいろございますけれども、高度総合行政情報システムそれから地域生活情報システムなどが一部稼働しております。これにつきましてキャプテンあるいはCATVによりまして税務、行政広報活動あるいは地域生活情報などの提供サービスが開始されているところでございます。  お尋ねの幕張メッセ情報システムなどでございますが、これは大変意欲的に、こういった通信ネットワークのみならず、国際的なコンベンションセンターも建てられて一大通信拠点ということを目指しておられるわけでございますけれども、こういう幕張メッセ情報システムなど幕張新都心あるいは地域INS構想については、六十四年度に開始されるという予定に承っているところでございます。計画の円滑な進捗を私ども期待しているところでございます。
  15. 岡島正之

    岡島委員 続いて第一種の電気通信事業分野への新規参入の問題についてお伺いいたします。  昭和六十年四月一日の電気通信事業法の施行により第一種電気通信事業分野への参入が相次いていると私ども聞いておりますけれども、参入業者は昨年秋から専用サービスを実際に開始しているようであります。電気通信分野競争原理を導入して、安い料金でよいサービス提供されるというようなそういう制度改革は着実に達成されているということで評価をするものでありますけれども、新規参入状況等についてお聞かせをいただきたいと思います。
  16. 奥山雄材

    奥山(雄)政府委員 いわゆる第一種電気通信事業における新規参入者でございますが、きょう現在の時点で十九社が事業会社としての許可を得ております。そのうち既に、ただいま岡島委員が御指摘になりましたように昨年の秋から六社が専用線サービスを開始しております。そしてこの九月四日から、東京大阪名古屋中心電話サービスを開始する三社を筆頭に、この秋以降ポケットベルと呼んでおりますページングサービスあるいはさらに将来は衛星放送あるいは自動車電話等新規参入事業が次々に開始されていく予定でございまして、その意味では徐々にではございますが、着実に電電改革の成果を上げているものと考えております。
  17. 岡島正之

    岡島委員 今もお話しございましたが、九月からいよいよ新電電の第二電電あるいは日本テレコム、日本高速通信、東名、阪神等地域市外電話サービスが始まるようでありますけれども、利用者にとっては大変歓迎すべきことだろうと私は思います。ただ新聞報道によりますと、NTT電話局の設備の内容によって新電電サービス利用ができない地域がある、そんなことが言われておりますけれども、それらの内容についてこの機会にお聞かせをいただきたいと思います。
  18. 奥山雄材

    奥山(雄)政府委員 ただいま御指摘の点は、この九月四日から、東京大阪名古屋中心サービスを開始するいわゆる新電電三社の利用の形態についてであろうかと存じます。ただいまも御指摘ございましたように東京大阪名古屋中心に新電電三社一斉に長距離の電話サービスを開始いたしますけれども、末端のユーザーといたしましては、端末の部分でどうしても現時点ではNTT交換機並びNTT市内ネットワーク利用せざるを得ないという宿命に置かれているとごろでございまして、NTTの現在の交換機が既に電子交換機になっている地域については問題ございませんが、IDと称しておりますアイデンティフィケーションコード、つまり識別番号を読み取ることのできない、その装置のついていないクロスバー交換機が残っている地域におきましては、残念ながら現時点では今回の新しいサービスを受けることができません。その割合でございますが、今回サービスを開始いたします東京大阪名古屋地区におけるサービスエリアの対利用者比におきまして三〇%弱という状況になっております。
  19. 岡島正之

    岡島委員 利用のできない理由は、今もお話しございましたから理解をいたしますけれども、新電電NTTと同様に多くの人々が享受できますように、関係皆様方の努力に心から期待を申し上げる次第でございます。  次に、電気通信分野におきます技術開発あるいはまた国際協力について御質問を申し上げます。  電気通信における技術革新が驚異的なスピードで進んでおりますけれども、その中で我が国は世界的な視点から技術発展にさらに貢献すべきだろうと私は思います。そのためには基礎的な研究がより大切だろうと思いますけれども、それらに対して取り組まれる姿勢というものをお聞かせいただきたい。そしてまた、現在国際的に見まして、先進国開発途上国との社会インフラ整備状況を見ますと、特に電話等整備におきましてはかなりの偏在的な状況がある、こう言われておりますけれども、それらの状況について、さらにまたそれらにつきまして我が国としてどういうふうに取り組んでいかれるか、その辺についてもお聞かせいただきたい、こう思います。
  20. 塩谷稔

    塩谷政府委員 先生おっしゃいますとおり、電気通信技術研究、特に基礎的な分野につきましては、これは研究期間が大変長かったり、あるいはお金がかかる、そしてできた研究成果が必ずしも実用に結びついて経済的な効果も上げ得るという見通しも立ちにくい、そういった意味で非常に未知の、それだけにまた大事な研究分野であります。そこにこそ、まさに国が手を伸ばして基礎的な、これは純粋に基礎的な技術研究ということをやる必要があるわけでございます。  例えば最近言われております生態的なものを模倣したバイオ通信というようなもの、それから非常に特異な物質でございますけれども、よく言われております超電導、こういうものを応用しました通信技術、こういったことにつきましては、私ども、今こそ電気通信の本当に先端的な問題として取り上げるべきだと考えておりまして、これからそういったところに、いろいろ予算的な問題も考えまして大いに力を注いでまいりたいと考えております。  それから、もう一点お尋ねの件でございますけれども、そういった我々自身が先端的な技術開拓を進めるという反面、世界を見渡したところ、現在の一定の水準にあります電気通信サービス水準にまだまだ到達していない。電話の例を出されましたけれども、世界の電話機の総数、約六億台あるわけでございますけれども、これの四分の三がアメリカ、日本など先進九カ国で占めておる、残りの四分の一が百五十カ国で不均等に分布しているというデータがございます。特に、人口の三分の二は一時間歩いても電話を手にすることができないという状況にありますので、私ども、やはり自分たちの持っております力はそういったところのお役に立つべきではないかということで、今後とも途上国のいろいろな面で協力をしていきたいと申し上げます。  二、三申し上げますと、電気通信網の整備ですとか、電気通信技術者養成のための資金協力あるいは技術協力の拡充に努めること。それから、このような国際機関といたしまして電気通信のITU機関がございます。そこでいろいろ支援組織がございますけれども、それに応じて国内組織もつくって国際的な支援組織をバックアップしていきたいと考えておりますし、また、東南アジアの地域的なAPT電気通信連合というのがございますけれども、このAPT関係につきまして、電気通信の開発セミナーを東京で開催したり、あるいはアジア諸国との間で、これは先に進んだネットワークになりますけれども、ISDNなどの共同研究をやっていきたいということで、そういった面、いろいろ途上国との協力関係にこれからも努めていきたいと考えております。
  21. 岡島正之

    岡島委員 次に、衛星放送について一、二御質問を申し上げます。  世界の動きを二十四時間まさにリアルタイムで追いかけていく、そういう放送の時代でありますけれども、衛星試験放送がNHKにおきまして七月四日から開始されたわけであります。これは地上放送で果たせなかった放送サービスに向かって取り組むわけでございますけれども、国際化や高度情報化の進む中で国民生活に新しい価値観を生んでいくだろうと思います。  そこでまず第一に、日本放送界の将来を考えますとぎに、衛星放送は基幹的なメディアとしてその普及発展にさらに積極的に取り組むべきだろうと思いますけれども、郵政当局のお考えをお聞かせいただきたい。  そしてまた、NHKの衛星放送の独自番組が放送されておりますけれども、その放送がされて以来、受信用のパラボラアンテナやチューナーが不足しているということで視聴できないという実態があるようでございますけれども、それらにつきましても今後の見通しを含めてお聞かせいただきたいと思います。
  22. 成川富彦

    ○成川政府委員 先生お話しございましたように、衛星放送は将来の基幹的な放送メディアと私どもも期待しているところでございます。  現在BS2でNHKが試験放送を実施中でございますが、昭和六十五年と六十六年にはBS3が打ち上げられる予定になっておりまして、NHKのほかに民間衛星放送も実施する予定で進んできているところでございます。衛星放送になりますとハイビジョン等の新しい放送サービス等もできるわけでございますが、これらの開発、実験、それから、衛星自体が信頼性がなければこれらの諸施策もできないわけでございますが、信頼性向上のための諸方策の推進、高度な放送衛星技術の研究、あるいは受信機に対する税制、金融上の措置等、積極的にその普及発展に努力していきたいというふうに考えているところでございます。  衛星放送のパラボラアンテナやあるいはチューナーが不足しているという第二点目のお尋ねの件でございますが、七月四日から衛星独自番組をNHKが放送開始いたしまして、国民の衛星放送に対する関心がかなり強いこともございまして、予想外の需要が発生いたしました。そのために、御指摘のとおり、受信装置の在庫がなくなったとか不足したというような状況が出てきていることは事実でございます。このような事態が発生いたしましたために、私どもとしては、各メーカーに対しまして増産方の協力を要請したところでございます。その結果、八月中旬ごろには新製品が続々と発売される予定でございまして、数は、八月二万五千台程度と私どもの調査では出ておりますが、発売される予定になっておりますので、この在庫不足という事態は解消できるのではないかというふうに私ども期待しているところでございます。
  23. 岡島正之

    岡島委員 続いて、今話題のハイビジョンの問題について幾つかお伺いをいたしたいと思います。  日本におきますテレビの歴史をたどってまいりますと、最初の白黒テレビが一九五三年、そしてまたカラーテレビが一九六〇年に放送が開始され、特に、一九六四年の東京オリンピックの開催でカラーテレビの全国的な普及がなされたわけであります。それから二十年有余の時間を経過して今日に来たわけでございますけれども、今、テレビを超えたテレビと言われるハイビジョンの開発がNHKによって行われております。このハイビジョンは、人間がテレビを見るということの原点を見詰めるというところに研究のスタートがあったとさえ言われておりますけれども、人間の視聴覚機能を追求した次の世代のテレビであるということで話題になっておるわけでございます。  そこで、まず第一にハイビジョンの開発、さらにその実用化に向けて、郵政省としてこれからどのように取り組まれていかれるのか、その基本的な方針についてまずお伺いをいたしたいと思います。
  24. 成川富彦

    ○成川政府委員 先生御指摘ございましたように、ハイビジョンは次世代のテレビジョンとして強く期待されているものでございまして、ハイビジョンの実用化に向けまして郵政省といたしましても、総合的な普及推進策を計画的に実施する考えでおります。  具体的に申し上げますと、ハイビジョンの規格を早期に明確にしていくことが第一に必要ではないかというふうに考えております。それに現在鋭意取り組み始めているところでございます。  それから、ハイビジョンの国民の理解をまず得るということが大切ではないかということで、ことし初めにハイビジョンフェア等も開きましたけれども、ハイビジョンのデモンストレーションを次々と実施することによって国民の理解を促進していくことが第二点目として必要ではないかというふうに考えております。  それから、ハイビジョン放送方式の技術開発の促進でございますが、まだまだ開発しなければならない分野もかなり多いわけでございますので、この技術開発関係につきまして促進をしていこうということで現在取り組んでいるところでございます。
  25. 岡島正之

    岡島委員 先日の全国知事会で、鹿児島でもハイビジョンの試験放送があったということを聞いておりますけれども、これからいろいろ規格の問題等世界的な問題もありますから、多くの難問題が私あろうと思います。一つ走査線というものを考えましても、現行のテレビの五百二十五本から倍近い千百二十五本になって画像も鮮明になる、また昔声も極めて良質だ、画面のワイド化の問題、まさに臨場感のあるテレビとしてこれから期待されるわけでございますけれども、私どもの豊かな映像の時代を迎えた中で、さらにこれが実用化に向けて取り組まれますことを願うわけでございます。  そこで、二番目の問題として、これからどの程度の需要が見込まれるのか、また、購入価格の問題等につきましてどのようにお考えになっておられるのか、そしてまた、ハイビジョンの実用放送が進んでまいりますと、衛星放送などで実施されると私どもは聞いておりますけれども、使用する衛星、先ほどもBS3の話がございましたが、それらを含めて簡単に御説明を願いたいと思います。
  26. 成川富彦

    ○成川政府委員 まず第一点の需要予測の関係でございますが、まだ開発の段階でございまして、予測することは大変難しいわけでございます。私ども現在開催しておりますハイビジョンの推進に関する懇談会におきまして調査をやっていただいておりますが、その調査結果によりますと、ハイビジョンの実用化開始後、十年後に全国世帯の三〇%から四〇%に普及するのではないかという予測がございます。これはあくまで予測でございまして、そのとおりになるかどうか確かではございませんが、そのような予測が出ている状況にございます。  それから、家庭用の受信機は現在のところ大変高いわけでございますが、これを安価に提供していくためには財政上、税制上の支援措置について検討を進める必要があると認識しております。それと、普及いたしませんと、大量生産、量産効果によって受信機はかなり安くなってまいりますので、先ほども申し上げましたけれども、あわせて国民の理解を促進していく必要があるのではないかと考えているところでございます。  それから、ハイビジョンの放送でございますが、できましたら六十五年、六十六年度に予定されておりますBS3によりまして一部放送を始めさせていただけないかということで考えているところでございます。
  27. 岡島正之

    岡島委員 ハイビジョンのことは、今いろいろお話がございましたが、極めて国民的な期待の大きい問題でありますから、さらに積極的にお取り組みをいただきたいと思います。  次に、郵便事業につきまして何点か御質問を申し上げます。  昭和三十年以降郵便事業は経済成長とともに上昇を続け、四十年代には順調に推移してきたようであります。しかし、五十年代に入りまして、経済の停滞ももちろんそうでございますけれども、料金改定の影響などで急速に成長力の減退が見られた、こういうふうに聞いておるわけでございます。特に、五、六年前までは千三百億円以上の累積欠損があり、苦境に遭遇した時代があったということを聞いておるわけでございます、しかし、郵便事業に携わります各関係の皆さん方の努力により、新しい商品の開発、さらに各種サービス改善等によりまして、今日では徐々に復調の気配が見えたというふうに言われておりますけれども、近年の事業内容について、その状況等を含めまして御説明を願いたいと思います。
  28. 田代功

    ○田代政府委員 お話がございましたように、近年郵便事業は若干復調を示しております。郵便物の数で申し上げますと、六十一年度百八十一億通、これは前年に比べて五・五%の伸びになっております。昭和五十九年度が二・二%、六十年度が三・五%でありましたことを見ますと、かなりの伸びを示していると言えるかと思います。また、これを収入で見ますと、六十一年度は一兆三千九百九十七億円、これは前年度に比べますと四・六%の伸びとなっております。これだけ低成長時代に四・六%の収入の伸びを示すということは、堅調な動きを示しているものと私ども理解しております。  昭和五十五年度に郵便事業収支が大変悪化いたしまして、当時二千四百九十四億円の累積赤字を持っておりましたが、この六十一年度決算をもちましてその累積赤字が十五億円まで減少したという状況にございます。なお今後一層頑張ってまいりたいと思っております。
  29. 岡島正之

    岡島委員 今お話がございましたけれども、先日、二十四日でございましたか、郵政省決算内容が発表されたわけであります。それによりますと、郵政三事業とも二年連続黒字になっております。特に郵便事業につきましては、前期の実績をかなり上回っておりますと同時に六年連続黒字となっておりまして、当初予算では四百二十三億の欠損予算であったものが、決算では六十億円の利益となっておるわけでございます。  この内容を見ましても、経費を抑制して得たという利益だけではなくて、さらに実質的な増収を図ってその増収の面で利益が出た、こういうような数字が出ておるわけでございますけれども、そういう厳しい全体的な環境の中で関係の皆さん方の努力が大いにたたえられていいであろうと私は思いますけれども、さらにまたこれからもそういう意味で国民の大きな期待があると思いますが、郵便事業のいわば将来展望に向かってどのようにお考えになっておられるか、それについて郵政省当局の見解をひとつお聞かせをいただきたい、このように思います。
  30. 田代功

    ○田代政府委員 百数十年の歴史を持っております郵便事業も時代とともにいろいろな、いわば競争相手といいますか競合相手が出てきております。最近では電気通信メディアを中心として大変厳しい環境の中で事業運営をいたしております。しかしながら、郵便物は物を書いてあるそのもの、現物を相手に届けるという特質を持っておりまして、これはほかの通信メディアにはなかなかない、いい特質だと思っております。またもう一つ、特定局を中心としまして二万数千の店舗を全国に張りめぐらしておりまして、この郵便局を通じて長年の間に国民から大変大きな信用をいただいております。時代とともに私どもサービス内容をいろいろと工夫することによりましてこれから先も郵便事業を大いに国民に利用していただけるものと思っております。  例えば最近「ふるさと小包」に力を入れておりますし、大口のダイレクトメールにつきましてはこの前の郵便法改正で割引制度を導入することが認められましたし、それから郵トピアも全国各地で現在動き出しております。こういったことを受けまして、これから先一層郵便が国民の間に利用されるものと思っております。
  31. 岡島正之

    岡島委員 これまで郵便事業というのは私ども国民生活、暮らしの中でより身近な通信手段としての役割を大きく果たしてきたと思いますし、これからもまたさらに需要の拡大あるいはまた事業それ自体の運営の効率化を図りながら事業の健全化を目指して進まれることを特に強く希望しているわけでございます。民間の進出などによって環境それ自体は極めて厳しい点が予想されると思いますけれども、国営事業として、またその持っております公的な使命を十分認識されまして、サービスの向上はもちろんでありますけれども、新しい商品開発に向かって取り組まれることを心から願っておるわけでございます。大口のダイレクトメールの問題あるいはまた先般決定いたしました二十都市の郵トピアの指定の問題、いろいろあるわけでございますけれども、さらにその面について取り組まれますことを期待いたすわけでございます。  続いて、その中で小包事業の問題がいろいろと話題となっておりますけれども、小包郵便につきましては、五十年代の後半に入りまして以来いわば衰退の傾向が、そういう兆しがあったと聞いておりますけれども、特に五十四年度には数字によりますと一億九千九百万個取扱量があったわけでございますけれども、五十八年には一億三千三百万個に大幅な減少をもたらしてきた、このように聞いておるわけでございます。これは同じ時期に、民間の宅配便の普及あるいは翌日配達あるいは電話一本で集配に来るというような面の影響を受けているだろうと私は思います。そこで郵政省はこれまでの間小包郵便につきましてどんな改善対策をなされてきたか、その点についてまずひとつお伺いをしたいと思います。
  32. 田代功

    ○田代政府委員 郵便小包につきましてはいろいろなサービス改善を実施いたしましたが、まずスピードアップの面でございますが、従来の鉄道中心の輸送から自動車及び航空機に切りかえました。これが五十九年から六十一年にかけましてはぼ全面的に鉄道から自動車及び航空機にかわりました。これによって大幅なスピードアップが可能となりまして、ほとんどの地域では翌日に配達することが可能ということで、民間とほぼ同じ程度のサービスを実施することができるようになりました。  それから料金面でございますが、料金につきましても、大量にまとめて差し出される小包につきましては最高三〇%まで割り引くという制度を五十七年から六十一年にかけまして順次採用いたしました。これによって大口の利用者の確保を図っているところでございます。  また三番目に、取り扱い面での改善策でございますが、従来ありませんでした普通小包の損害賠償の制度を六十一年には導入いたしましたし、また郵便局では壊れやすいとかあるいは腐ってしまうとかいう苦情がございましたので、壊れ物とか空ものについては特に迅速丁寧を取り扱いをするように全国郵便局に徹底したところでございます。また最近では大型の冷蔵庫を配備いたしまして、空ものについても特別な配慮を加えております回  もう一つ、取次店、郵便局まで行かなくても近くの例えば切手の販売所あたりあるいはガソリンスタンド、こういったところで小包を預かれるような制度をとってまいりました。
  33. 岡島正之

    岡島委員 いろいろお話しございましたし、特にさきの質問でもお話がございました五十八年度から実施した「ふるさと小包」あるいはまた六十年の十月から実施いたしました海外向けの「ワールドゆうパック」等意欲的な取り組みをなされてきたと思いますが、五十九年度から利用者もその面で増加をしてきている。特に六十一年度は一億六千三百五万個まで回復してきた、こう言われておりますけれども、しかしそれとても考えてみますとまだピーク時の八〇%でありますから、まだまだこれから取り組まなければならない数字だろうと私は思います。  そのようなときに、今回総務庁の勧告があったようでありますけれども、その内容につきましては、収支赤字が民間格差の問題等含めて指摘をされ、効率的な運営計画をしっかり年次計画として出せ、もちろんその計画達成が困難ならば抜本的な見直しをしなければならないという、そんな意味の意見があったようであります。これをとらえて一部のマスコミでは将来廃止だというような報道がなされたように伺っておりますが、民間宅配便が伸びたといいましても、郵便小包にとりましては長い間の国民的ないわば愛着の問題がありますし、そう簡単に廃止されては困るという考えが私どもあるわけでございますが、これらについて、郵政省としての将来の小包についての基本的な考え方、同時にまた地域産業を興すという面におきまして「ふるさと小包」等はやはり有効な手段であろうと私は思いますし、特に、後ほど触れますけれども、特定局の局長さん等の地縁関係を十分に、フルに活用してこれらの問題について取り組まれるべきだと思いますので、その点についてひとつ御意見をいただきたいと思います。
  34. 田代功

    ○田代政府委員 先月総務庁からただいま先生御指摘のような勧告が出されました。私ども、あの勧告は小包郵便をやめるべしという趣旨の勧告ではございませんで、むしろこれからの小包の経営に対する励ましの勧告であるというふうに理解しておりまして、総務庁自身もそのような説明を私どもにしていただいております。  それで、郵便小包はただいま先生いろいろお話しございましたように山間僻地あるいは離島、そういったところのいわば民間では入りにくい不採算地域にまでサービスを広げておりますし、また災害のときとか、あるいは盲人用の点字小包などは特に無料扱いをするといったことで極めて公共性の高いサービス提供しております。私どもとしては郵便全体を含めて収支が償う中でサービス提供できればいいという考え方でこのような施策をとっておるものでございます。したがいまして、民間宅配便の出現によりまして現在のところ一時苦戦をしてはおりますが、これをもって小包が廃止の方向へ向かうというような性質のものではないと考えております。あの勧告にありましたようないろいろな合理化を進め営業努力をすることによって、小包自体につきましても十分ペイすることも可能でありますので、そのような方向でさらにサービスの充実を図りながら小包の健全な発展に処してまいりたい、かように考えております。
  35. 岡島正之

    岡島委員 廃止の方向ではない、そういう見解でございますから、もちろんその方向でひとつ取り組みをいただきたいと思いますが、一部報道ではそんな感じがしておりますから、十分ひとつ留意されて、御努力を心から願っておるわけでございます。  そこで、次に、個人間通信という言葉があるわけでございますけれども、いわば手紙、文通の問題であります。この問題について、幾つか私の考えを含めて御質問を申し上げます。  本年の二月に総理府が行いました「暮らしと情報通信に関する世論調査」という調査がありましたが、その内容が先月発表されたわけであります。その中で、情報は多い方がいいと言った人は五人のうち四人でありますが、これは私はもちろんそうであろうと思います。しかし、仕事以外で外への連絡をするときには電話を多く使う人が非常に多くて、手紙、はがきを月に一度も出さないという人が五六・九%、六割の人が月に一回も手紙を出していませんよ、こういうことであります。今手紙離れだとか文字離れだということが言われておりますけれども、郵政省としてはこのような状態についてどのように把握されておりますか、まずお聞かせをいただきたいと思います。
  36. 田代功

    ○田代政府委員 総理府の調査結果によりますと、ただいま先生御指摘のような数字が出ております。いろいろな調査がございますので、この二月の時点の調査というのは、私どもの立場でいきますと一番郵便物の少ない時期ではございますのでこういう非常に極端な数字が出たのかなとは思いますが、いずれにしても手紙を書く人が減ってきていることは事実だろうと思っております。  なお、私どもも三年に一度ずつ個人間通信がどの程度あるかという調査をいたしておりますが、それによりますと、年賀状を含めまして年間に約五十通出しているようでございます。年賀状を除きますと大体二十五通、月二通平均、これは多いか少ないかということで言いますと必ずしも満足すべき数字ではない、かように考えております。私どもとしては少しでも手紙を書く習慣がふえることを希望し、またそのような施策を講じていきたいと思っております。
  37. 岡島正之

    岡島委員 郵政省の広報室で発行しております「ポスト」という月刊誌の七月号、今ここに持っておりますけれども、これは大臣もお読みになっていると思いますが、どうですか。この「ポスト」をお読みになっていますか。
  38. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 読んでおります。
  39. 岡島正之

    岡島委員 私も毎号楽しみに読ましていただいておるのでございますけれども、この内容は役所のものとは思えないようなまさにさわやかな庶民感覚の月刊誌、小冊子だろう、こう私は思っております。  この中に「思い出の手紙」というページが毎月ございます。自分の人生の中で、手紙とのかかわり合いの中で幾つかの問題、そういう思い出を書かれているわけでございますけれども、先日、文月の「ふみの日」であります七月二十三日に日本経済新聞のコラムにこの七月号の思い出の郵便に関する記事について掲載をされて、紹介がありましな。その内容を簡単にお話を申し上げますと、第二次世界大戦の末期、一枚の封書で召集令状を受けたある洋画家が死を覚悟して入隊をした。たまたま水戸の連隊に入隊をいたしましたけれども、駅をおりてその連隊に向かって歩きながら、残された自由の時間はもうわずかだな、そんな認識をしながら、一枚のはがきを歩きながら書いた。その書いた内容は何かといいますと、自分が結婚を約束した女性に向かって、結婚を約束したけれどももうその約束はあきらめてくれということを、歩きながら一枚のはがきに残されたわずかの時間の中でそれを書いて、入隊する隊舎の前のポストにそれを入れた、そんな記事が実はこの七月号の中にありまして、それが日経のコラム欄に掲載をされていたわけであります。その画家は、三カ月で戦争が終わりましたから、無事にその人と結婚をしたという落ちがあるわけでございますけれども、そういう手紙の内容がありました。  手紙の交流の中には、そういういろいろな面を考えましても、織りなしていく人間模様がいろいろ展開されていくだろう、こう思っております。特に重苦しい時代には人はよく手紙を書いたということが言われておりますけれども、しかし、どんな時代であろうとも手紙を書くことによって人間の心と心の触れ合いというものが生まれてまいりますから、そこで手紙の文化とも言えるような、そんないわば一つの大事な人間形成の大きな視点があるような気が私はいたします。そういう面に向かって、手紙の文化の振興、あるいはまた文通をさらに推進していくというような積極的な施策も郵政行政の一面で果たしていくべきではないだろうか、こんなふうにも思いますし、そのことが少なくとも郵政という行政の範囲の中から新しい日本の文化の創造の一翼を担う、そんな使命も生まれてくるだろうと思いますが、その点についての大臣のお考えをひとつお聞かせいただきたいと思います。
  40. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 本日は決算委員の先生方にこのお暑いところ郵政行政についていろいろな御指導、御高見をいただけることになりまして、大変ありがたいことだと思っております。  ただいま岡島先生から電気通信また放送についての基本的な問題について御質問がありました。また、郵政事業につきましても非常に御理解ある態度でもっていろいろ御指導いただきまして、感謝を申し上げる次第でございます。  郵政省のやっております仕事、大きく分けて電気通信と郵政事業ということになります。電気通信行政は、先生が言われたように二十一世紀の高度情報社会を構築するために中核的、先導的な役割を果たす最先端のネットワークだと私は思っておりますが、郵政事業、特に郵便事業は、先生が言われましたように、心のこもった事業である、そして古くて新しい事業であると私は考えております。実は私も子供のときから手紙をずっと書いておりまして、断られた手紙が非常に多いわけですが、昨年は外国の非常に責任ある地位の方から手書き、ハンドライティングのお手紙をいただきまして、大変感激をいたしました。こちらもできないながら何回も書き直して、英語で、ハンドライティングのお手紙を書きまして、やはりそこが郵便のよさであると考えております。  確かに郵便も一つの文化ではないかというお話でありまして、我々もいろいろな配慮をしております。あと三年すると芭蕉が「奥の細道」に出立してから三百年になりますので、今、「奥の細道シリーズ」と申しまして、普通、切手というのは絵がかいてある、それは芭蕉の俳句を書で書いてある、こういう切手も今発売し、大変好評をいただいております。まず国民の皆様になれ親しんでいただくためには年賀はがきというものがあって、これは年賀はがきがあるから一年に一遍出しましょうという方もいらっしゃる。そういうことで、昨年の夏からは「かもめーる」、ことしの春ですか、「さくらめーる」というくしつきのはがきを発行いたしまして、これはみんな予想を上回って御利用いただいておるわけであります。  今後とも先生方の御指導をいただいて、常に温故知新、古くて新しいこの郵便事業を守り育ててまいりたい、このように考えております。
  41. 岡島正之

    岡島委員 今大臣からお話がございましたが、例の芭蕉の「奥の細道」を取り上げているということもこの「ポスト」に、何月号かに載っておりましたし、そういう意味で新しい施策をどんどんやっていただきたいと思います。  よく言われますのに、物を書くのはやはり日記と手紙だと言われます。日記は後世だれかが見るだろうということでどうも意識して本当のことを書かない、手紙だけはきちっと真実を書く、そういうことが言われておりますから、そういう面からも手紙に対するいわば国民の愛着、そしてまたその中から一つの新しい小さな文化が生まれてくるという、そんなことのために、従来から行っております手紙教室の問題、あるいはまた郵政当局として具体的にいろいろやっておられますけれども、さらにひとつ積極的にお取り組みをいただきますことを期待を申し上げる次第でございます。  最後に、特定郵便局の問題につきまして幾つかお尋ねをいたしたいと思います。  日本の社会構造の中で、これまでの長い歴史を見てまいりますと、今民活の問題がいろいろ言われております。まさに民活の大合唱でありますけれども、私は、やはりこれまでの歴史を考えてみまして、特定郵便局の存在、機能、こういうものはまさに民活の第一号ではなかっただろうかなという、そんな感じがいたしております。国民の暮らしと最も密着した機関として、地域社会の中で、これまで多くの使命、役割というものを果たしてきた、私はこう思っております。郵便事業を通じて地域発展に大きな貢献をしてきた、そう考えておるわけでございます。  そこでまず、これまで、またこれからも、郵政事業の推進の上で特定郵便局制度というのは極めて大きな役割と使命を果たしているだろうと思いますので、そういう面について、特定郵便局制度それ自体についてのまず大臣としての基本的なお考えというものをお聞かせをいただきたいと思います。
  42. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 先ほど先生が言われました郵政三事業決算、おかげさまで二年続きで黒字の決算をさせていただきまして、大変ありがたいことだと思っております。まだまだ至りませんけれども、郵政職員も一生懸命努力はいたしております。  私は、日本の郵政事業を考えるときに忘れてはいけないのは、この創立者と申しますか、前島密先生だと思っております。いみじくも先生が民活第一号と言われましたけれども、明治四年ごろですか、まだ汽車もない、行政が国の末端まで及ばない、そういうときに地元で信望のある、またお世話好きの方に郵政事業を請け負っていただいたこの特定郵便局制度というものが、私、今日の日本の独特な郵政事業を形づくる上で非常にあずかって力があったと思っております。ときどき私は創始者である前島先生のことを勉強しておるのですが、先生が別に言われたわけじゃないのだけれども、先生の基本は二つあると思うのです。  一つは、常に思い切って新しくということ。その精神はいまだに郵政省に受け継がれております。常に新しいものをつくり出していく。  もう一つは、常にわかりやすく、親しみやすくというお考えがあったということで、明治の初年に、いろいろ音読みの言葉が使われたときに、郵政関係というものは大和言葉なんですね。はがきだの切手だの手紙だの、非常にわかりやすく親しみやすく、そのわかりやすく親しみやすくの典型が私は特定郵便局ということで、いみじくもその特徴を先生が御指摘をされましたので、これは別に局長さんばかりじゃありません、そこにいる職員の者も含めて地域にますます密着して一生懸命努力をしたい。私は、郵政事業の乱れは国の乱れである、郵政事業を守り育て発展させることは国民の皆様のためである、そのためには特定郵便局の果たす役割はますます大きくなるものと考えております。
  43. 岡島正之

    岡島委員 特定郵便局についての大臣の基本的なそういう見解をお聞きいたしたわけでございますけれども、特定郵便局の中でも三事業、郵便、貯金、保険、それぞれそれなりの成果を上げているようでございます。特に金融の面から考えまして、貯金事業というのは地域に一番密着していると私は思いますが、オンラインのサービスの普及等がさらに拡大をされまして、これから利用者の増加というものを願っているわけでございますけれども、オンラインのサービスの中で、自動振り込みあるいはまた給与の預け入れ等、そういう問題が広がっているだろうと思いますが、それらについて全国的に今どのような実態であるのか、簡単にお聞かせをいただきたい、こう思います。
  44. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 郵便貯金の自動払い込みの利用状況を見ますと、六十二年六月末現在で導入いたします企業は約四万箇所でございます。利用件数にしまして二千百七十七万件、それからオンラインを使いましてのサービスでもう一つの給与預入の利用状況でございますが、これは導入事業所が約一万八千、それから利用者の数は約八十四万人という状況でございます。  郵便貯金のオンラインシステム全国ネットワークが完成いたしましたのが五十九年の三月末でございまして、民間に比べますとネットワークの構築が大変おくれております。そういう関係から、民間金融機関の利用状況の方が極めてすぐれた状況にありますけれども、私どもとしましても、今後とも御利用者の拡大に積極的に取り組んでまいりたいと思います。いずれにいたしましても、この利用勧奨の前提としましては、各事業所に御契約をいただくということが大切なわけでございまして、そういう意味では地域に密着をしておるところの特定郵便局の力も大変大きいものがございます。今後ともそういった事業所の開拓に積極的に努力をしてサービス提供に当たってまいりたいというふうに考えております。
  45. 岡島正之

    岡島委員 今オンラインの内容等についてお話がございましたが、いずれにいたしましても特定郵便局の果たしていきます機能は、これからさらに拡大をしていくだろうと思いますし、高度情報化社会の進展に伴って全国津々浦々にある特定局は、情報通信の基地として活用することが極めて大切でありますから、これからさらにニューメディアの機器の採用等につきましても、ひとつ積極的にお取り組みをいただきたい、このことを特にお願いを申し上げておきます。  限られた時間でございますから、以上で質問を終わりますけれども、昔は駅長、局長、お巡りさんというのが地方の名士であり、それがまた地域の顔であったわけでございますけれども、政治、経済、文化のいわばそういう面の情報センターとしての特定郵便局は、これが果たしていく使命というのがますます大きくなっていくだろうと私は思います。北海道では、観光情報郵便局へ行けばすぐわかるという、そんなことも聞いておりますが、とりもなおさずそれは地域社会において局長さんたちの信用度だとかあるいはまた信頼度、そういうものが根底にあるわけでございますから、そういう意味で特定郵便局の一層の活躍を私は願っておるわけでございます。  特定郵便局局長会の中には、今、局舎の改善の問題だとかあるいはまたその制度のあり方の問題、あるいはまた待遇の改善の問題、これはいろいろ御意見があるようでございます。しかし、いずれにいたしましても、局長さんたちは郵政事業の最先端で、やはりそれなりの使命感を持って、情熱を持って一生懸命取り組んでおられることだけは私どもは常に見ておるわけでございます。その意味で、さらにそういう皆さんが一層自信を持って活躍できるような、そういう郵政御当局の指導なりまたそういう施策の展開というものを心からこの機会に念願をいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
  46. 堀之内久男

    堀之内委員長 午後零時三十分から委員会を開会することとし、この際、休憩をいたします。     午前十一時五十九分休憩      ――――◇―――――     午後零時三十分開議
  47. 上草義輝

    上草委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。小川国彦君。
  48. 小川国彦

    小川(国)委員 私は、郵政大臣それから郵政省当局それから大蔵省関係当局に、マル優廃止の問題、それからさらに郵政省の自主運用の問題についてお伺いをしたいと思います。  最初に郵政大臣にお伺いしたいのでありますが、郵政省は本年度から郵便貯金のうち二兆円の自主運用を行えるようになった。このうちで一兆円は新規の国債を買う、もう一兆円は本来の自主運用として国債、地方債、金銭信託等を扱えるようになった。加えて郵便局の窓口において一兆円の国債販売ができるようになった。こういうふうに理解しておりますが、そのとおりということでございましょうか。
  49. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 お答えいたします。  小川委員のおっしゃるとおりでございます。
  50. 小川国彦

    小川(国)委員 本年度の自主運用を見ますと、六十二年度予算では、郵便貯金特別会計金融自由化対策特別勘定損益計算書において七十億四千二百二十万円の損失金となっていますが、これもそのとおりでございますか。
  51. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 予算上はそのとおりでございます。
  52. 小川国彦

    小川(国)委員 これにつきましては、国債の利回りが四・六六%であるのに対しまして資金運用部からの借入金利は四・六%、そうしますと、その差は〇・〇六%で、これでは事務費等の諸経費を見ますと逆ざやになってしまうと思うわけでありますが、この点はいかがでございますか。
  53. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 六十二年度の予算を編成する時点で利率を積算いたしますと、資金運用部資金の貸出利率は当時六・〇五でございます。それに対しまして、国債、地方債等への運用利回りを平均五・四四%と見込んでおりますので、その差が〇・六一%の逆ざやになっているものでございます。したがいまして、予算上約七十億の赤字が生ずる見込みということで予算を組んでおるわけでございます。
  54. 小川国彦

    小川(国)委員 そうすると、国債を引き受けるにつきまして、郵政省は逆ざやの中でこれを取り扱わなくてはならないというところがあるわけですが、これに加えまして、現行法制度でまいりますと、郵便局の取り扱う国債の販売については課税をされる、こういうことになってしまうと思うのでありますが、この点はいかがでございますか。
  55. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 現状におきましては、その利子課税制度の推移がはっきりいたしませんので何とも申し上げようがないわけでございますけれども、今の時点で申し上げますと、郵便局で販売しようといたしております国債につきましては特別マル優の適用がありませんので、万一現状のままに推移するということであるならば、そういった事態を迎えることになろうかというふうに思います。
  56. 小川国彦

    小川(国)委員 租税特別措置法の第四条によりますと、証券業者または金融機関で政令で定めるものについては非課税となっている。ところが、この中に郵便局は含まれていない、こういうふうに理解できるのでありますが、この点はいかがでございますか。
  57. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 そのとおりでございます。
  58. 小川国彦

    小川(国)委員 そうしますと、本年の十月一日から郵便局の窓口で国債を販売しても租税特別措置法では特別マル優は認められていない、こういうことになると当然課税される、こういうことになってまいります。  そうすると、この場合、もともと低い金利の国債がさらに郵便局発売の国債については課税をされる、こういうことになってまいりますので、実質的に金利は八掛け、他の銀行、証券会社等の金融機関の行うものに比べて金利の率は八掛けの金利になってしまう、こういうことになってしまいますと、郵便局の窓口で国債を購入する者は実際なくなってしまうのではないか、こういうふうに考えるわけでありますが、この点はいかがでございますか。
  59. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 先ほども申し上げましたように、利子課税制度に関する税制が今後どうなってくるかということが現時点では明確でございませんので、はっきりしたことは申し上げられませんが、現状の税制を前提にして考えますと、先生の御指摘なさったような状態でございますので、そういう意味では、マル特の適用がないという意味で販売上も大変困難を来すことになろうというふうに考えております。
  60. 小川国彦

    小川(国)委員 その場合、二兆円の自主運用の枠を郵政省は本年度持ったわけでありますが、現実に郵便局の窓口で取り扱う販売業務の一兆円が、実際上は現行法体系のままでまいりますと、銀行、証券会社のものは非課税になる、それから郵便局のものは課税になるということになれば、国民のだれも好んでその課税をされるところの国債を買う人はないであろう。そういうことになると、現行法体系のまま推移するならば、せっかく郵政省が国債の販売法に基づいてこの十月一日から販売を行うとしても、現行法体系の中では、これは売れない。そうなってまいりますと、それは二兆円の国債の自主運用の枠の中でこれをかぶるしかない、こういうふうに判断せざるを得ないのでありますが、せっかく皆さん方が自主運用ということで数十年来の懸案であったこうした方向を見出されたとしても、実質的にはその一兆円を丸々かぶるならば、自主運用の枠は一兆円にとどまらざるを得ない、こういうことになって、皆さんが本来目指してきた方向とは逆な結果になるのではないか、こういうことが懸念されるわけでありますが、この点はいかにお考えになっていらっしゃいますか。
  61. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 郵便局で窓口におきまして国債を販売しようという実施時期は、準備期間等もございますけれども、同時に昨年末の六十二年度税制改正の方針によりまして、本年の十月一日以降利子につきましては課税がされるという前提で法案が作成されたわけであります。利子課税の全般につきましては今後の問題になるわけでありますけれども、そういった法案が成立いたしました前提条件で、相当情勢が変わってまいりましたので、私どもとしますれば今後十月から発売を予定しておりますところの国債の販売につきましては、税制状況にもよりますけれども、万一課税されるということになりますとその販売方法につきましては財政当局とも十分協議をいたしたいというふうに考えております。
  62. 小川国彦

    小川(国)委員 具体的にはその際財政当局との協議というのはどういうことをお考えになっていらっしゃるのですか。
  63. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 税制のあり方にも関係するわけでありますけれども、万一そういった課税やむなしというような状況でありますれば、販売額等についても御相談をしなくちゃならないというふうに考えております。
  64. 小川国彦

    小川(国)委員 これは根本的には法体系のもとでそういうふうになっているわけでありますから、郵政省当局が個別に解決できる問題ではなくて、やはり現行法体系に対しての何らかの措置を考えなければ改善されない、解決できない問題だ、こういうふうに思うわけでありますが、この点について郵政省としては、例えば銀行や証券会社が認められているように租税特別措置法の四条において非課税措置が行われる、こういうようなことをお考えになっておられるかどうか、その点はいかがですか。
  65. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 この問題につきましては税制改革の問題と直接的に絡む問題でございますので、今の段階で明確なことは申し上げられませんが、そういった今後の税制改正の推移を十分見きわめながら財政当局と協議をさせていただきたいというふうに考えております。
  66. 小川国彦

    小川(国)委員 これは極めて政治的な判断も要する問題になろうと思うのですが、郵政大臣、今私がお尋ねしましたように、郵政省の自主運用とあわせて国債の販売という画期的な事業にお取り組みになる、しかも法律の上では十月一日からこれが実施できるという状況を控えておりながら、一方税制改革の問題については大臣御承知のように前国会で法案は廃案、こういうことになっておりますから、この十月一日の問題を郵政省として抱えて、現行の法体系について郵政大臣としてはどういうふうにこの点をお考えになっておられますか。
  67. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 今小川先生が言われましたように、さきの国会郵便貯金の自主運用をお認めいただき、また郵便局におきます国債の窓販をお認めいただきまして、それぞれの法改正ができまして心から感謝申し上げております。  しかし、今先生おっしゃいましたように、この法律をつくりましたときは非課税制度が原則的に改正の方向で進められておりましたので、先生おっしゃるように確かに現行法体系ではいろいろな問題が起ころうかと思っております。しかし、衆議院で与野党で税制改正の協議機関をおつくりいただき、二十四日には議長のもとに報告も出されておるようでございますので、一日も早く結論を出していただくように懇願を申し上げておるところであります。
  68. 小川国彦

    小川(国)委員 御懇願は結構なんでございますが、しかし現実は売上税とマル優の問題というのは一致して廃案になった。それで、この臨時国会にこのマル優廃止の法案が提出されるやに聞いているわけでありますが、この点については、大臣の方としてはその点の御協議を受けてこの辺の法体系の問題に手をつけられる、こういう体制がおありになるのかどうか、その点はいかがでございますか。
  69. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 先ほど申しましたようなわけで税制改正につきましては税制改革協議会において検討がされて、去る二十四日にその協議の状況について原衆議院議長に報告がなされたところでございます。今後この報告において示されました種々の見解に十分配慮をしつつ政府内において税制改正法案の取りまとめが行われるものと考えております。
  70. 小川国彦

    小川(国)委員 現実は皆さん方が昨年の自民党の内部における申し合わせによって自主運用の問題とマル優廃止、こういう非常に水と油のような関係のものを一緒にして自民党と政府で、これは野合、談合だと思うのですが、そういう形でこういうことをお決めになってきた。そういう矛盾や問題点が今、現行法体系の中ではせっかく郵政省が窓口で国債を販売しようとしても、一方には租税特別措置法の措置があり、それは郵便局には及ばないということになれば、せっかく郵便局が一生懸命御商売なさろうとしても現行法体系ではできないということでございますね。今大臣お話しのように税制協議会の中で確かに協議はなされております。しかし今のところ政府からはまだこれに対しての明確な意思表示がない。この臨時国会の中でもしこれが、提出になるかどうかまだわかりませんけれども、恐らく政府としては、三十一日というようなことも言われておりますが、そういうことで仮に提案になったとしましても、この問題が今国会で成立するかどうかというのは極めてまた問題点が残されていると思います。もしこれが再び廃案になった場合、明らかにこの十月一日の国債の販売は実質上他の金融機関に対して郵政省としては太刀打ちできない、これについては白旗を上げる、こういう状況にならざるを得ないと思うのですね。その辺の見通しと判断はどういうふうにお持ちになっていらっしゃいますか。
  71. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 税制改正の今後の推移につきましては、私ども今の段階で何とも申し上げようがないわけでございますが、郵便局で売ります国債の利子に対する税制の問題ということにつきましては、まだ十月まで期間もございますので、その間この税制改革の推移等を十分見きわみまして、そういう情勢を踏まえた上で財政当局と御相談をさせていただきたいというふうに考えております。
  72. 小川国彦

    小川(国)委員 しかし、これはあくまでも立法措置を要する問題だというふうに思うのですね。銀行や証券会社の非課税措置というものは租税特別措置法の中の措置として行われている。したがって、皆さん方が今国会の中でこのマル優廃止の法案の提出と議決ということを予想したとしても、それが不可能になった場合は現行法体系の中では明らかに郵便局の販売には重大な支障を来すことになる。しかも、その時点で租税特別措置法の改正を出そうとしても、国会が開かれていない場合にはそういう法改正の措置はとれないということになってしまうと思うのです。そうすると、あくまで現行法体系のまま推移した場合にはどうするのかという問題がやはり問われていると思うのですね。そこのところの見通しをやはり郵政当局としてはしっかり持たなければいけない、対策を持たなければいけないと思うのですね。その辺についてもう少し確たる。そういう事態に遭遇した場合の対応策がなければならないと思うのですが、その点はいかがでございますか。
  73. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 確かに、十月の時点で利子課税制度がどうなっているかということは今の段階では何とも申し上げようがないわけでありますが、万一現行の税制の法体系のもとで販売をしなければならないということになりますと、先生御指摘のとおりいろいろと困難な面が生ずるわけでございます。そういう状況になりますと、それに対応したような、あるいは販売額等についても、あるいは内容についても、具体的に財政当局と御相談をさせていただきたいということでございます。
  74. 小川国彦

    小川(国)委員 その場合の、仮に現行法体系のままでいったら、郵便局の窓口で売ろうとする一兆円の国債は全く売れない場合も考えなければならない。そうしますとその枠については、郵便局が新たに認められた新しい国債を買うという一兆円の自主運用、もう一つは地方債あるいは信託あるいは社債というものを買うために考えていた一兆円の自主運用、この枠の中にこの新しい国債販売の一兆円の枠が全く食い込んでしまうということになるのか、あるいは今財政当局の御相談というのは国債の販売額そのものを再検討することになるのか。前者なのか後者なのか、その辺はどういうふうにお考えですか。
  75. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 郵便局で販売します一兆円の国債につきましては、官民の税制のアンバラがなければ六カ月間のうちに一兆円の販売は可能であろうという見通しを私ども持っておりましたので、未消化の額は自由化対策資金で引き受けましても恐らく大した額ではないと踏んでいるわけでございますけれども、万一税制上のアンバラが生ずるということになりますと、先生御指摘のとおり販売上では大変困難なことになってまいると思いますので、そういう意味で販売額等も含めまして御相談をさせてもらいたいと考えているところでございます。
  76. 小川国彦

    小川(国)委員 現時点ではそういうことをお考えになれないですか。めどをつける時点というのは、最終的にどの時点でその判断をおつけになるのですか。
  77. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 十月からの販売予定でありますので、そういった販売の準備に支障を来さない時期までに結論を出さなければならないというふうに思っておりますが、まだ今の段階で何月までに結論を出さなければならないという事態でもございませんので、今のところしばらく推移を見きわめたいと考えております。
  78. 小川国彦

    小川(国)委員 先ほどの答弁でまだ私の質問に明確に答えられていないと思うのですが、もし一兆円の販売ができなかった場合には前段の自主運用の中に食い込むのかどうか、その点はどういうことになりますか。
  79. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 その点につきましては、十月一日からの販売をどうするかということによるわけでございまして、今この段階で明確にお答えすることは難しいと考えております。
  80. 小川国彦

    小川(国)委員 いずれにしましてもこの問題については、せっかくこの一兆円は郵便局の販売という法案まで国会を通し、十月一日ということまでやっておきながら、現行法体系のままでいけばみすみす売れないということになってしまうのです。その点については何か座してマル優法案の成立を待っているような感じでありますが、これはそう簡単なことじゃないと思うのです。大臣はその辺をどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
  81. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 郵便局の国債窓販また自主運用と税制改革との関係からいろいろ郵政事業について御心配をいただきまして、本当にありがたいことだと思っております。  しかし、十月一日までと申しますと、余り長くはございませんが、まだ二カ月以上あるわけでございまして、その間に税制改正の協議会でもいろいろお話を進めていただいて何とかまとめていただきたいと祈るような気持ちでおるものでございますから、いろいろ御心配されていることはよくわかるのですが、なかなか仮定の御質問にいろいろお答えするというわけにもいきませんし、今せっかく与野党で協議されている問題について政府の一員がとやかく申し上げるのも大変失礼な話でございますので、特に有力な小川先生にお願いを申し上げ懇願をする次第でございます。     〔上草委員長代理退席、委員長着席〕
  82. 小川国彦

    小川(国)委員 マル優の見通しは非常に暗いと思うのです。だからそういうふうに考えましたら、租税特別措置法の中で郵便局の取り扱いも非課税措置だというくらいのことを、郵政省の方で決断を持ってこの臨時国会でやっておいた方がよろしいのじゃないですか、そういうお考えはお持ちになれませんか。
  83. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 税制改革の問題につきましては、当面の大きな課題でございまして、そういった抜本改正の成り行きを見きわめないと、今の段階で何ともお答えのしようがない現状でございます。
  84. 小川国彦

    小川(国)委員 どうも郵政省自体が、去年十二月五日の政府と自民党の合意書を受けて以来、マル優を国民の立場で守っていこうというこの基本的な立場を放棄してしまった、今ひたすら自主運用のためにはマル優廃止の法案の成立を待つ、そういう態度は私どもは非常に残念に思うわけなんです。  これは大臣にもお考えいただきたいと思うのですけれども、国民が老後の生活を安心して暮らせるためには年金プラス千五百万円くらいの預金が必要だと言われているわけなんです。ところが現在、政府はこのマル優廃止に当たって母子家庭や身障者を含めて老人に対して非課税は残すと言っているわけでありますが、まず老後に備えて貯蓄しようという人たちのためにこのマル優というものが必要なんであって、老人になってからの問題ではなくてそれ以前の問題としてやはりマル優というものが必要なんじゃないか、こういうふうに考えるのでありますけれども、その点、大臣はいかがお考えでございますか。
  85. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 私は、貯蓄が非常に大切であるというのは全く小川先生のおっしゃるとおりだと思います。とかく金融自由化になりますと大口の預金、貯蓄が大事にされて、小口の預貯金がそういう意味で大口に比べて不利な扱いを受けてはならないと私は常々思っておりますので、過日の公定歩合の引き下げがありましたときも、小口の預貯金は据え置くものは据え置き、引き下げる場合も公定歩合よりも少ない幅で引き下げるようにいたしまして、私は、今後とも少額貯蓄は重要なのでこれを守ってまいりたいと思っております。  ところで、先ほどマル優についてのお話があったのですが、我々も初めはそう考えておったのですが、非課税制度の原則的改正を我々も賛成いたしましたのは、一つは、先生方のお力で例外の範囲をお年寄りや母子家庭、身体障害者、広くお認めをいただいたということもありますが、何としても所得税の減税はやりたい。私も昔、決算委員理事もやらしていただきましたが、決算の先生方もそうでいらっしゃいますが、毎年予算審議の最終場面において問題になるのは、必ず所得税の減税でございます。国民の七割以上も所得税の減税を非常に強く要望されているし、非常に負担が重いということを訴えられる。この四年間を見ましても、基礎控除、配偶者控除、扶養控除、これを一万円ずつ引き上げたこともありますし、給与所得控除を二度に分けて引き上げたこともあります。また、単身赴任、寝たきり老人の減税をしたこともありますし、昨年は二回にわたって住宅控除を引き上げるということで、所得税の減税についての要望が国民の中にも非常に強いし、先生方もその点を強く指摘をされておりますので、所得税の大減税のためにはたとえ火の中水の中という気持ちを持っております。しかし、私は、先ほど申しましたように、少額貯蓄が重要であるということにつきましてはまことに先生のおっしゃるとおりに考えております。
  86. 小川国彦

    小川(国)委員 その大臣の言われる基本的な立場を、マル優廃止に期待を寄せているような今の郵政省の皆さんの態度というのは、その基本的立場を放棄したんじゃないか。郵政省が、本来三百万というマル優の中でいかに多数の国民の信頼のもとにその貯蓄増進が進められてきたかということを、今度仮に皆さん方がマル優廃止の法案を再び出してくるということになれば、それを放棄したことになるというふうに私は考えるわけです。そういう意味では、私は郵政省自体もグリーンカード制の国会提出の際にはもう限度管理の問題についてシステムは十分できていたと思うわけであります。郵政当局として限度管理の体制というものは今自体もう十分できているというふうに私どもは理解しているわけですが、この点はいかがですか。
  87. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 郵便貯金の限度管理につきましては、五十九年の三月に郵便貯金のオンラインシステム全国網が完成をいたしまして、このシステム利用しまして限度管理ができるような仕組みをつくっているわけでございます。  現状を申し上げますと、この貯金の限度額管理をいたしますためには二つの要素が必要でございまして、一つはいわゆる架空名義を排除するといいますか本人確認をしっかりやるということと、それから限度額が三百万を超えているどうかいわゆる名寄せをいたしまして、この限度額管理の厳正化を図るわけでございます。  本人確認につきましては、昨年の一月一日から貯金を新たになさる場合には住所、氏名それから生年月日の入っております公的証明を見せていただく。例えば健康保険証であるとか運転免許証であるとか、そういったものを窓口に御提示いただきまして本人確認をするというシステムになっております。そういう意味で、従来とかく一部の不正利用で架空名義の話がございましたが、そういったものは完全に排除されることになっております。  それから限度額三百万の個人別の管理ということにつきましては、私ども事務センターにおきまして住所、氏名それから郵便貯金の記番号等を入力いたしましたものを東京事務センターに全国一本に集めまして、そこで限度額管理をいたしておりますから、そういう意味では、私どもできるだけ完全なシステムはつくり上げられているというふうに考えておるところでございます。
  88. 小川国彦

    小川(国)委員 これは稼働のための予算を大変に要するというお話ですが、稼働の予算はどのくらい見込まれるのですか。
  89. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 限度額管理に要しておりますランニングコストは約十億ぐらいでございます。
  90. 小川国彦

    小川(国)委員 私どもは、十億の予算をもってしてこの本人確認はもう既に徹底している、名寄せシステムができるんであれば、この現在言われている不正使用の十兆とか二十兆、こういうものから考えれば十億の稼働予算は非常に微々たるものだというふうに考えるわけで、これを徹底することこそまさに庶民の金融、国民の金融、小口の金融を守る道じゃないか、こういうふうに考えるわけですが、その点、大臣として、マル優廃止を便々として待つんじゃなくて、やはり国民の側に立って、マル優というのは国民の声だったということを認めて、この限度管理システムの徹底の中でもう一遍マル優のあり方を守り続ける、こういうお考えは持てないのかどうか、いかがでしょうか。
  91. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 限度管理につきましては、本人確認、名寄せ両面につきまして今後も一層徹底していかなければならないと考えております。  それから先ほど申しましたように、小口貯蓄というものが特に高齢化社会を迎えて大事であるということにつきましては、私も全く先生と同じ意見でございますが、ただ税制の問題につきましては、ただいま税制改革協議会でせっかくいろいろお話し合いをされておるときでございますので、我々がとやかく申し上げるのは大変失礼に当たりますので、一刻も早く結論を出していただきたい、こういうことを懇願し、心から御期待を申し上げているところでございます。
  92. 小川国彦

    小川(国)委員 時間が参りましたので、これで質問を終わりたいと思います。  大蔵省関係者の皆さんにおいでいただいていて、ちょっと時間の関係質問ができませんでした。次回に譲らしていただきたいと思うので、おわびして御了承いただきたいと思います。  どうもありがとうございました。
  93. 堀之内久男

  94. 渡部行雄

    渡部(行)委員 昭和六十年四月から、電電公社から今度はNTTに変わって、いよいよ民間企業として発足したわけですが、この経営のあり方等についてこれから、参考人をお呼びいたしましたので、それらを通して御質問したいと思います。  参考人の方にきょうは御協力いただきまして本当にありがとうございました。時間もありませんから早速お伺いいたしますが、それというのは、東京都港区赤坂九の四の十伊藤久美なる方から、NTTの前の取締役、データ通信本部長長谷川壽彦氏に対して警視庁の捜査二課に告発した事件、これについて御存じでしょうか。
  95. 本間雅雄

    ○本間参考人 お答え申し上げます。  私どもの前取締役に対して告発があったということについては承知いたしております。
  96. 渡部行雄

    渡部(行)委員 承知いたしておられる中身について、承知されておる範囲についてひとつ御説明願いたいと思います。
  97. 本間雅雄

    ○本間参考人 お答え申し上げます。  告発を受けたということについては承知をしておりますけれども、告発に至った経緯並びに告発の具体的内容については承知しておりません。  しかしながら、新聞報道等がございましたので、東京総支社のデザインコンサルティングの契約に関することであるということについては新聞報道等のとおりではないか、このように推定をいたしでございます。
  98. 渡部行雄

    渡部(行)委員 それでは警察庁の方にお聞きしますが、この告発事件はいつの幾日行われたのか。それから、どの程度その捜査が進んでおられるのか、お伺いします。
  99. 森広英一

    森広説明員 ただいまお尋ねの告発事件は、昭和六十一年の十一月七日に受理をいたしておりまして、現在捜査中でございます。
  100. 渡部行雄

    渡部(行)委員 捜査中なのはわかっておりますが、電電公社関係の中身がこの告発状に詳しく書かれているのですが、これについてはお確かめあったでしょうか。
  101. 森広英一

    森広説明員 警察庁として告発状の内容を見ておるのかというお尋ねだと思いますが、私どもとしては警視庁から報告を受けて見ております。
  102. 渡部行雄

    渡部(行)委員 警視庁を直接呼べばいいのかもしれませんが、これは報告を受けておる。しかし、この事件は中身が大分公金にかかわる事件でありますために、相当の覚悟で捜査をしないと結論がおくれるばかりではないか、こんなふうに考えられるわけです。  そこで、被告発人、この方はNTT締役でデータ通信本部長、そして前NTT東京総支社長、本当にすばらしい肩書の方であるわけです。この告発人伊藤久美さんと被告発人長谷川氏とは昭和五十九年四月ごろから交際されてきておる。そこで、五十九年九月ごろに告発人は港区南青山のポーラ青山ビル地下にピアレストラン、シテ青山を開店し、そこにこの支社長は顧客として出入りをし、また、当時は昭和五十九年ですから電電公社ですね、公社の関係のパーティーもたびたび開いたと言われているわけです。こういう間柄の中でいよいよ二人の関係は密接になって、昭和六十年三月ごろから今度は密会の場所として青山にマンションの一室を借り、さらに六月ごろ、赤坂のマンションの一室に移ったということをこの告発人は言っておるわけです。  そしてさらに、そういうことになりましたので、大体月に六十万円くらい、このマンションの家賃と遊興費とを合わせて必要である、こういうことになったので、六十年の四月末日ごろ、青山ベルコモンズの五階にあるオムレットというところでこの支社長と久美なる女性、それから支社長の秘書係長、そしてコンサルタントの麹谷氏との四人が会っていろいろ相談をされた。その月六十万円くらいの金をどうして捻出するかということは既に最初から支社長とその女の間にでき上がって、共謀済みというか納得済みというか、そういう中で考えられた案というのが、驚くなかれ実は公式なNTTとそのコンサルタントのいわゆる株式会社ケイプラス、代表取締役が麹谷宏となって、資本金は三百万円、そしてこれが四人で会合されたときに、まずNTTはケイプラスに一年間に三千万円、三年間で九千万円という一つの契約をしたわけです。そして、三年間に九千万を契約して、それを月々二百五十万、いわゆる三十六分の一ですね、二百五十万円をNTTはケイプラスに支払う。そして、そのかわりケイプラスは逆にこの女性のつくった株式会社クラヴィスというところに二五%、つまり月額六十二万五千円を年間七百五十万円として支払う。そのほかこのケイプラスに発注された業務がある場合は、その報酬の中から非定期的業務として一〇%をそれぞれ支払うこと。こういうことでこの契約がなされたというわけであります。しかも月々支払われたお金というのは、月日まで書いてそれはきちっと、昭和六十年八月十五日、六十二万五千円、ずっとこれはありますが、そして合計六百十四万九千二百円、これだけ支払われていた。そうしているうちに、この女性と取締役は恐らくけんかにでもなったのでしょう、そこで一方的に交際を打ち切られたというのでこの告発に及んだという筋書きです。  ただ、私が問題にしたいのは、今まで公社の時代にはそういうコンサルタントというようなものを置かないで、またそのような契約もしたことがないのに、NTTになった途端にこのような、しかも三年間に九千万円という大金でコンサルタントの契約をしたということ。一体これだけの金を使って具体的にどのような利益を得たのか。NTTはこのことによってどのような利益を得たのか。この辺についてしっかりした答弁をいただきたいと思います。
  103. 本間雅雄

    ○本間参考人 お答え申し上げます。  民営化に伴いまして、私どもの広告宣伝活動を従来以上に活発に行う必要があるという認識に立ちまして、特に私どもの中心的な地位を占めます東京総支社では、広告代理店等から提案された各種企画の審査ができる人物が非常に少ないという点もございまして、そういった専門家にアドバイスを受ける必要が生じたわけでございます。また、専門家からの実践的指導を通じまして、広告宣伝の専門家を社内に早急に育成したい、あるいは新規事業の会社の中核的な人材として養成していきたい、こういうようなことからコンサルティング契約の必要が生じたわけでございます。  また、その成果についてどうかというところでございますけれども、私どもかなり広範な指導を受けておりまして、例えばテレホンカードのデザイン、私どものユニホームのデザイン、各種サービスのポスターのデザイン、電話帳の表紙のデザイン、あるいはいろんな広告に関するコピー等につきまして麹谷社長の御指導をちょうだいいたしまして、私どもがこう申し上げるのも何でございますが、大変高い評価をちょうだいできるようになったのではないか、相応の成果は得た、このように確信をしておる次第でございます。
  104. 渡部行雄

    渡部(行)委員 それでは、この株式会社ケイプラスというのは昭和六十年六月十八日に設立登記をされておる、そしてその契約年月日が昭和六十年六月二十一日とたった三日しか契約年月日がたっていないのですね。そして資本金三百万ですね。三百万の会社というと、これは今全くお話にならない小さい会社ですよ。それに年間三千万、三カ年九千万という莫大な金を契約して、それだけの信用取引が今まであったでしょう分。私は不思議でならないのです。  それから、その後けんかが始まってから昭和六十一年十月二十八日に契約を変更しておる。それは今度は株式会社麹谷入江デザイン室、こういうふうになっているのですね。そしてこれはもっと資本金が少ない百万円。そして設立年月日は昭和四十七年四月二十八日ですから、これは本当ならば最初からこの会社と契約をしたなら私は納得できるけれども、この会社とは最初契約しないで、そして全くの新しいいわゆる合議に基づいた会社を設立して、そこでその会社から今度はクラヴィスという会社に月々その金を送った、いわゆる取り決めの金を送った、こういうことは一体どういう理由でしょうか、相手を変えたという理由は。しかし相手は同じなんですよ。会社を二つ持っている。ここにも書かれているように、最初の契約した会社はもともとペーパーカンパニー、こういうふうに言っているのです。だから、この実態は一体どうなっているのか、これについて御説明願います。
  105. 本間雅雄

    ○本間参考人 お答え申し上げます。  株式会社東京総支社の契約したデザイン会社でございます株式会社ケイプラスは、先生御指摘のとおりの時期に会社が設立されておるわけでございますが、その代表取締役であります麹谷さんはもともと麹谷入江デザイン室という株式会社によって仕事をしておったわけでございます。契約当時、麹谷社長から、NTTのために精魂を傾けて仕事をしたいという自分の気持ちをあらわすために、NTTだけを対象とする会社を設立して万全を期したい、こういう意思表示がございまして、東京総支社においてはケイプラスと契約をするということにさせていただいたわけであります。六十一年十月ころ、株式会社ケイプラスの麹谷社長から、株式会社ケイプラスの経営をパートナーに任せて、私としては麹谷入江デザイン室の経営に専念する、NTTの契約については私が全責任を持ってやりたい、こういう形で契約相手先の変更の意思表示がございまして、私どもとしても特段支障がないということでこれを認めたわけでございます。  以上、先生からいろいろ御指摘をちょうだいした点につきまして、私ども厳正かつ克明に社内調査をいたしまして、不正もしくは法律、定款に反するような事実がないということを確認しておりますし、また関係者から事情もお聞きをいたしまして、特に告発人である女性と私どもの前取締役とについて特別な関係がない、こういう証言も得てある次第でございます。お答え申し上げました。
  106. 渡部行雄

    渡部(行)委員 これは、もう時間が来ましたのでどうしようもないですが、最後に、「NTT、安全無視の〝脱線商法〟」というので、各地方の有力紙に一面トップでこれが出ているのですね。それはどういうことかというと、そのNTT東京総支社三田電報電話局、ここの地下室の予備スペースを有効活用するということで、そこに高級ワイン三千本を置くことを契約して置かせた。しかも、そこは非常に重要な通信施設として運用されておったところで、一般の人はそこには出入りもできないほど厳重に管理されておった。しかるに、このような業者との取引で、そしてそこを、細かいことを言う時間がありませんからなんですが、利用させて金を契約金としてもらっておった。これは、その契約そのものも正式にはなっておりますが、このときの支社長というのはやはり同じ長谷川取締役で、そして実際の契約者はもちろんその部下にさせていたわけですが、こういうものは入札制度とか何かで公開で、だれが見ても公平だというならいざ知らず、常にそこの支社長が出入りをしてワインを飲みに行っておる店の主人と仲よくなって、そしてまあまあで契約をしたのではないかと疑われるようなこの契約のやり方、こういうものは、これは私は非常に問題があると思うのです。今までは官服を着ておって、今度は背広になったから何やってもいいんだ、そういう心の緩みというか、そういうものが出たのではないか、こういうことについて、まず大臣の経営方針について、このような経営の方法がいいのかどうか、好ましいのかどうか、お伺いいたしまして、私の質問を終わります。
  107. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 いろいろNTTの経営につきまして渡部先生から御指摘があったわけでございますが、六十年に民営に移行してから、事業部制をとったりまた企業意識を徹底するなどして、NTTもそれ相応の努力はしてきたと思っております。  ところで、我々郵政省といたしましては、せっかく自由化したわけでございますから、必要以上にいろいろ口をきくのもいかがかと思いますが、やはりNTTは我が国の基幹的な通信事業者でございます。したがいまして、その公共性、公益性、また特殊会社としての責任があるわけでございますから、その点を十分認識して適切な経営に努めることが大事であって、我々もそれを期待をいたしております。  それから、今山口副社長がここに見えまして、何かお話があるようであります。
  108. 山口開生

    山口参考人 お答えいたします。  ただいま大臣からも御指導いただきまして、なお先生からも二、三の例でNTTに対する御叱責を賜りましたが、私どもは民営化になりまして、民営化の活力をつけるために、NTTも従来と違った形でいろいろ活動しておるわけでございますが、今御指摘のありましたように、たまにフライングみたいな形で御指摘を受けるわけであります。  先ほどの長谷川取締役の件につきましては、考査室長がお答え申し上げましたように、内部的にいろいろ調べました結果、不正の事実あるいは法令、定款に違反したということはございませんでした。しかし、こういったことで世間をお騒がせしまして大変申しわけないと思っております。これから私どもはこういうことのないように、より一層引き締めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  109. 渡部行雄

    渡部(行)委員 今副社長から、今後こういう御批判のないようにという御決意を述べられまして、私もそれを信頼したいと思います。しかし、私のこの質問はこれで終わったわけではありません。今後成り行きを十分注視して、そしてさらに追及をしてまいりたいと思います。警察庁の方もよろしくお願いします。  どうもありがとうございました。
  110. 堀之内久男

  111. 新村勝雄

    新村委員 最初に、これは毎年のことになりますけれども、郵政職員職員というよりは、職員の皆さん方を責めるつもりはないのでありますが、要するにその体制ですね。内部監査の体制の問題だと思うのですけれども、毎年何件かの事件が検査院によって指摘をされておるわけであります。そして、残念ながらことしもそういう指摘がございまして、何件かの遺憾な事実が指摘をされておるわけであります。  しかも、その内容を見ますと、額も相当な額でありますし、その期間が短い期間ではない。一人の人がかなり長期、まあ数年にわたって、三年あるいは四年という期間にわたって繰り返し行われているということでありますけれども、聞くところによりますと、郵政省の内部監査は三年に一回、毎年ほぼ三分の一ずつローテートしてやっていくということを伺っております。そういたしますと、毎年すべての局のうちの三分の一は監査をされるということでありますから、三年間で全部一通り終わるということでありますから、それが完全に行われていれば数年にわたる不正事犯というようなものは理屈からいうとないはずなんでありますが、残念ながらそれがある、数年にわたっているというようなことについても、これはこれから十分内部監査の体制を強化をしていかなければいけないのではないかと思います。  それからまた、仕事の性質上現金を扱うわけでありますから、誘惑も多いということもありましょうけれども、他の省庁に比較をして残念ながら郵政省さんのこういった事故が多いということについても、これはやむを得ないということで片づけることができない。やはり十分これから内部監査の体制を強化をしてこういうことのないようにすべきであると思いますけれども、その点についてまず事務当局から内部監査の体制について伺いたいと思います。
  112. 加宮由登

    加宮説明員 郵政職員不正行為につきましては、先生からも、また当委員会からも繰り返し御指摘をいただき、また御指導をいただきまして、私どもも監察の考査体制あるいは経理におきます会計監査それぞれの内部監査体制の充実を通じまして日夜努力をいたしてまいっておるわけでございます。しかしながら、御指摘いただきましたように六十年度の決算検査報告書によりましても二十七件の不正行為が掲記されたということで、まことに遺憾に思っておるところでございます。  内部検査体制の場合に私ども一番重要だと考えておりますのは、やはり職場第一線の郵便局の管理者が自主的に決められた必要な検査、監査の項目につきましてきちんと実施していただくということが何よりも不正行為の未然防止あるいは早期発見にとって重要なことでございます。それに加えまして、今日後方機関でございます貯金、保険のセンターがございますが、そういうところで各郵便局から集められました各種の証拠書類を集計する中で検査、監査をきちんとやっていくということでございます。  それに加えまして、先ほど冒頭申しました私どもの考査ないしは会計検査ということを実施しておるわけでございますが、先生お話ございましたが、実は考査につきまして申し上げますと、小さな特定郵便局につきましては一年に必ず一回考査あるいは会計監査を含めまして臨局をするというふうにしております。それから大規模の普通局でございますが、これにつきましてはどうしても二年に一回ということになろうかと思います。また、その他の機関になりますと、先生お話ございましたように三年に一回というようなものも出てまいるわけでございます。  私ども臨局をいたしました場合に、実は防犯以外にも業務各般にわたりいろいろ考査をしなければならないわけでありますが、今日防犯考査ということを中心に考査をいたしておりまして、中心は第一線職場におきまして職員の防犯教育がきちんと行われているかどうか、二番目に、現金等の保管あるいは授受がきちんと決められたとおり行われておるかどうか、さらに三番目には、職員の相互牽制体制というものがきちんと守られているかどうか、そして最後に、そういうことが行われているかどうかということについてきちんと日常の検査、監査が行われておるかどうかということを郵便局に保管されております書類であるとかその他証拠書類を通じて見させていただくわけであります。そういう意味では防犯体制の検査あるいは考査というものが中心になるわけでございまして、実はそういう中で、二年間に全体で二万三千余の郵便局を考査あるいは検査をすることになりますので、時間的な制約もございますが、できるだけ時間を見て、先ほど御指摘ございましたように、長期に潜在をしておるような犯罪はないかということもみずから実地にお客様に当たるとかあるいは疑わしいような書類を抽出するような形で実地調査もいたすわけでございますけれども、今回の指摘の中にも二年を超えるような長期の不正行為があるということはまことに遺憾でありまして、今後とも検査、監査、考査体制の充実に努力をしてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
  113. 新村勝雄

    新村委員 管下の周あるいは局所についての監査は必ずしも防犯ということだけではなくて、すぐれて経済活動、金融活動をやっていらっしゃるわけでありますから、その内容を十分検討していくという面からも必要なわけですね。ですから、そういう見地から相当綿密に実証的に現場について検査されるわけでありましょうけれども、それでなおかつ看過をするということについては考えざるを得ないのではないかということです。その抜け道というか、それでもなお看過されていくということについてはどういうところに欠点があるのか、どういう反省をしなければならないかということについてもう一回伺いたいと思います。
  114. 加宮由登

    加宮説明員 ただいま先生お話ございましたように、実は今日私どもの考査あるいは監査も、行っていたずらに現場で指摘、摘発だけをするという方向ではなくて、非常にいい施策であるとか他の模範とすべき仕事ぶりをしておるような場合にはこれを推賞するというような仕事もかなりのウエートで実施をいたしておるわけでございます。それに加えまして、先ほど申し上げました防犯体制の考査を実施するということでございます。したがきて、かなり時間的な制約があるわけでございますが、私ども考査担当の者としましては、そうはいっても、つい先日考査に行った局からその直後犯罪が出たということはまことに不名誉なことでございますので、特に疑わしいような局を絞って特別に綿密な実地調査をする特別考査というようなことも実施をいたしております。  実は、最近起こった犯罪でもどうして発見できなかったかと言われるかと思いますが、その点につきましては、実は書類を見ましても、担当する者が正規の書類を発行しないであるいは正規の受取証を発行しないで、便宜お客様から貯金の証書を預かっておるとかあるいは適当にお客様と親しいのをいいことにしまして書類上は現金と書類とがきちんと合うようにつじつまの合うような手を加えておった。それでもなおそういうものを見抜くだけの監査能力、考査能力が必要であろうかと思いますが、ついついそういうようなことで監査、考査をしながら長期の犯罪を発見できなかったということが残念ながらございますが、実は私ども、この点は検査、監査方法の改善に日ごろいろいろな研究をいたしておりまして、特に最近ではコンピューターを取り入れるということはいかがであろうかということで、過去に起こった犯罪、ある程度類型化されております。どういう局で発生しやすいか、その発生した局に共通にあらわれておる特徴というようなものをコンピューターのデータとして蓄積をいたしまして、今度そのデータから、犯罪が起こりやすいような環境にある郵便局というものを逆に選び出しまして、そういうところを中心に念入りに検査、考査をするという体制をも検討いたしておるわけであります。  確かに郵便局の場合、日常の現金取り扱いが、非常な口数が毎日毎日繰り返し行われておるということで、冒頭先生からお話ございましたように、非常に犯罪の誘因というものはあるわけでございますが、そういう誘因があるにせよ、やはり最終的には職員一人一人がしっかりとした防犯意識を持っていることが何よりの防犯対策でありますから、やはり中心職員の防犯教育ではないかというふうに思っておるところであります。
  115. 新村勝雄

    新村委員 確かに誘因も多いし、仕事そのものも大変な仕事でありますから、これは職員の皆さん方に対しては、監査についても、防犯ということではなくて、指導あるいはその体制をいかに合理的にしていくかということだと思います。ですから、職員の皆さん方については、防犯ということを前面に出さずに、十分に使命感に燃えて一生懸命やってもらうような激励をすることを通じて、やはり管理、指導ということでお願いしたいと思うわけですが、この問題についての大臣のお考えを最後にお願いしたいと思います。
  116. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 毎年、会計検査院から不名誉な不正行為を御指摘をいただいて、申しわけなく思っております。  また、先生には再々この問題を取り上げられまして、いろいろ御指導をいただきまして、恐縮に思っております。  実は私、この前の国会で、ある委員会で、郵政省の一番大事な財産は何かという御質問をいただきまして、何とお答えしたらいいか。百兆を超える郵便貯金か、三十兆を超える保険の資金なのか。しかし、やはり郵政事業の信用が大切なのか。そうすると、それを支えているのは三十万職員だから、やはり一番大事なのは職員で人材だと思いますと言ったら、質問された先生が、それで当たりだ、こうおっしゃったわけですが、やはり郵政事業の信用を保っていくためには、三十万の職員が本当に国民の期待にこたえていただくような職員でなければならない。その中に、このような不正行為を起こして郵政事業の信用を傷つけるだけでなくて、お客様に御迷惑をおかけするということは、大変に申しわけない。毎年先生がここでお取り上げいただくのも郵政省に対する愛のむちである、このように考えております。  やはり、これを防止するためには綱紀の粛正、それから二番目は正規の取り扱い、便宜扱いというのも、私もかつてそういう組織におりましたけれども、非常に便利は便利なのですが、これがもろ刃の刀で一番危険である。やはり、正規の取り扱いを励行することではないか。さらに、今答弁がありましたように、監査を徹底いたしておくことだ思いますが、特にこの郵政事業もこのような厳しい状態に置かれておりますので、今後一層心して先生のおっしゃるように厳正な事業の運営を期してまいりたいと考えておる次第でございます。
  117. 新村勝雄

    新村委員 ぜひそうお願いしたいと思います。  そこで、既にお話が出てはおりますけれども、郵政の三事業についても、皆さんの御精励の結果、一時より三事業ともに大変内容がよくなっているということでありまして、六十一年度の決算が最近発表されました。これを見ましても改善の跡が顕著でありまして、これは御同慶にたえないところであります。郵便事業については累積赤字があと十五億ですか、ほとんどなくなった。それから、郵便貯金については累積黒字が七千九百億という、これは大変な実績を上げておるわけであります。  それからマル優の関係ですが、マル優が廃止をされる、今そういう方向にあるようであります。郵便貯金は現在、約ですけれども、百十兆としますと、一人の限度が三百万ですから、この限度管理が――一時、郵便貯金についても限度額の管理がかなり問題になった時期がありますけれども、現在の限度管理の状況はどうであるのか、伺いたいと思います。     〔委員長退席、魚住委員長代理着席〕
  118. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 郵便貯金の限度額管理につきましては二つの要素がございまして、一つは、本人が正当な本人であるかどうかという本人確認の要素と、それからもう一つは、その本人が貯金をいたしました額が三百万円を超えているかどうかということの名寄せをするという、本人確認と名寄せの二つの要素で限度管理を行っているわけでございます。  預金者が正当な本人であるかどうかということにつきましては、昨年の一月一日以降、いわゆる住所、氏名、それから本人にとりまして不変の要素でありますところの生年月日、これが記載をされていなくてはなりません公的証明の書類を出してくださいということになっておりますので、その提示がございませんと非課税の貯金ができないということになっております。そういう意味で本人確認の厳正化というものが行われているわけでありますが、その預金者の預金額が三百万を超えているかどうかということにつきましての名寄せにつきましては、現在、住所、氏名をキーにいたしまして、それで全国一本の名寄せを東京の計算センターで行っているわけでございます。そういう意味で私ども、できる限り限度管理のできますようなシステムを完成いたしておるところでございます。
  119. 新村勝雄

    新村委員 郵便貯金は一人限度三百万で総額が百十兆ということですね。そうしますと、郵便貯金利用しているというか、預金者の総数はどのくらいですか。それからまた、限度いっぱいに利用されている方あるいは限度いっぱいではない人たちの数。その限度いっぱいではない場合には、例えば二百万以上とか、百万以上とか、百万未満とか、そういうような区分をしての統計数字はおありですか。
  120. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 郵便貯金を御利用いただいている預金者の方は約六千万人ぐらいであろうというふうに思っております。それから、預金額別の預金者数といいますか、それにつきましては、私どもそこまでの統計は持ち合わせておりませんので、ちょっとお答えはできません。
  121. 新村勝雄

    新村委員 大ざっぱな感じとして、郵便貯金利用者六千万、これは現在の国民のうちで稼得能力のある人の数はどのくらいでしょうか。――わからなければいいです。わからないですか。
  122. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 ちょっと、手元に資料がございませんので……
  123. 新村勝雄

    新村委員 資料はあるんですね。
  124. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 調べまして、またお答えをいたしたいと思います。
  125. 新村勝雄

    新村委員 次に、新しいサービスの方法をいろいろ郵政省考えていらっしゃいますが、そのうちで電子郵便、これは大変便利な方法なんですけれども、電子郵便と電報とは完全に競合するわけですけれども、将来は同じ国の――国じゃないね、片方は違います。この競合する二つの電子郵便と電報の将来のあり方をどうお考えであるのかということをまず伺います。
  126. 田代功

    ○田代政府委員 電報は今のNTT、昔から電信電話公社が長年にわたって実施しておりまして、私ども電子郵便はまだ始めて数年でございます。したがいまして、今のところ電報は電報なりに工夫をしておられますし、私ども電子郵便は電子郵便なりにお客様によりよく利用いただけるよう、いろいろ工夫をいたしております。したがいまして、将来これがどうなるかというのは、私ども電子郵便を担当する側としてはいろいろ考えもございますが、郵政省としてこれを意図的にどうこうすべきものというふうには考えておりませんで、お客の選ぶところへそれぞれがサービスをよくしながらいくのではないかな、こういう気持ちで今実施しております。
  127. 新村勝雄

    新村委員 幾つも同じようなものがあって、お互いに創意工夫を凝らして競争される、これは結構だと思います。  そこで、電子郵便は大変いいのですが、今のところ、利用者の立場からすると必ずしもそのサービスが十分でないと思うんですね。というのは、電子郵便は普通局でないと扱わないわけですよ。特定局では普通局へ行ってくださいというようなことで、普通局でも扱うことにはなっているのかどうか、そこらはわかりませんけれども、普通局へ持っていきますと、ここは施設がありませんから本局へ行ってくださいと言うんですね。そこらが利用者からすると大変不十分で、なぜ特定局にも全部施設をしないのかということがあるのですが、そこらはどうでしょう。
  128. 田代功

    ○田代政府委員 先ほど申し上げましたように、電子郵便、まだ始めまして数年なものですから、全国二万二、三千あるすべての郵便局に受け付けの端末を置くには至っておりません。普通局、特定局、それぞれ大きいところから順次入れておりまして、現在では特定局でも受け付けはいたしております。ただ、特定局によっては、お客さんがお出しになりました時間などを見まして、端末のない特定局ですと若干おくれますので、もしお急ぎでしたら大きな普通局へお持ちになった方が早いですよというようなお話はいたしておりますが、半日つまり翌日回しになるものが夕方ございますもので、そういうことも含めて、そういう電子郵便でもよろしいというお客様には特定局でも普通局でもすべての窓口で引き受けをいたしております。
  129. 新村勝雄

    新村委員 そこが十分に徹底していないのかどうかわかりませんけれども、一般の人たちは特定局では扱わないというふうに受け取っているわけなんですよ。そうじゃないと思います。調べてみたらそうじゃないそうですけれども、一般の利用者はそういうふうに受け取っております。というのは、ここで受け付けてもすぐにはできませんから、本局へ行ってくださいと言う人がいるんだと思うのですよ、特定局で。そこらをもう少しはっきりと指導していただければいいと思いますね。そうでないと、特定局では扱わないというふうに一般が今考えておる、そういう向きが事実多いのです。  それが一つと、それから、特定局を含めて全部の局が端末を持つに至るのは大体いつごろですか。
  130. 田代功

    ○田代政府委員 特定局のうち集配特定局につきましては、六十三年度で全局端末を配備することとして現在予算要求の取りまとめ段階でございますので、そのようなつもりで運びたいと思っております。無集配特定局の全部に端末が行き渡る年度というのは、現在私どもちょっとまだ計画が立てられない状態であります。年間約一割程度ふやそうかと今思っておるところでございます。
  131. 新村勝雄

    新村委員 なるべく早く端末機の普及をお願いいたしたいと思います。  次は、小包でありますが、小包も一時民間に追い込まれてかなり減少した、窮地に陥った時代があったようでありますけれども、現在は大分持ち直してきたということが言われておりますし、先般集中局を見学をさせていただきまして皆さん方の奮闘ぶりを拝見したわけでありまして、いろいろと新しい工夫をして、新しい方法等も考えておられるようでありまして、この点については敬意を表するわけでありますけれども、小包の将来についてはどういう展望をお持ちですか。
  132. 田代功

    ○田代政府委員 五十八年ごろでしたか郵便小包が非常に落ち込みまして大変私ども心配をいたしましたが、五十九年以降、民間にも刺激されまして、私ども職員一同大変営業努力いたしました結果、年々八%程度の増加率を示しております。郵便小包は、民間の宅配便と違いましてどんな山間僻地にも配達をいたしますし、また、災害時やらなどにはそれなりのまた公共的な観点から無料の取り扱いなどいたしておりますので、たとえ経営内容が悪いからといって軽々しくやめるべきものではないと思いますが、今のような程度で営業努力していきますと、小包だけ取り上げましても十分にペイする見込みもございます。そういったことで、私ども、お客に喜ばれるようなサービス内容改善を加えながら努力してまいりたい、このように孝之ております。
  133. 新村勝雄

    新村委員 一層の御努力をお願いしたいと思います。  次に、日本放送協会の運営等についてお伺いをしたいと思います。  NHKは、公共放送としての重要な任務を持っておるわけでありまして、特にテレビの役割についてはこれから一層重要になっていくと思います。  そこで、NHKについては経営委員会なり理事会があって運営をされているということを伺っておりますが、この経営委員会なり理事会の運営、その内容については国民には、視聴者には余り知らされないようでありますけれども、経営委員会あるいは理事会の審議の内容、討議の内容については、これは公開されているものですか、その点、伺います。
  134. 林乙也

    ○林参考人 ただいま御指摘ございましたように、経営委員会は、NHKの経営方針その他業務の運営に関する重要事項を決定する権限と責任を有する組織でございまして、いわば協会の最高の意思決定機関でございます。  経営委員会におきましては、通例月に二回、六十一年度の場合には年間約二十三回の経営委員会が開催されておりまして、その審議される事項につきましても、予算、資金計画事項あるいは定款の変更、放送番組の編集に関する基本計画、放送の番組基準、そういったものにつきまして経営委員会で御審議をいただいて御議決をいただいておるところでございますけれども、この内容につきましては、経営委員会終了後あるいはまた適時行われる会長の記者会見におきまして決定されたものについて外部にも発表しておるということでございますし、また経営委員会全体の審議状況などについては年間の業務報告書に取りまとめまして、郵政大臣を通じて国会にも御報告いたしております。また業務報告書につきましては、それを取りまとめた以降各放送局にも配付いたしまして、外部の方々からの御要請に応じて業務報告書について配付いたしておるというようなことを行っておる次第でございます。
  135. 新村勝雄

    新村委員 NHKについては、これは放送法に基礎を持つ極めて重要な任務を持つ団体だと思いますが、その経営委員会委員については総理が任命する、そして執行部については経営委員会が任命するということで、一応国のコントロールを受けておるわけですけれども、それ以外についてはすべて理事会あるいは経営委員会で決めておるわけでありまして、視聴者あるいは国民が直接この執行部なり議決機関をコントロールするというシステムにはなっていないわけですね。ですから、公共性にかんがみますと、経営委員会なり理事会なりの運営についてはできる限り国民に、視聴者に知らせていただくことが、マスコミの民主化というと言葉がおかしいかもしれませんが、NHKの民主化のために必要ではないかと思うのですけれども、ぜひ間接的な内容の発表ではなくて、できれば経営陣あるいは意思決定機関の審議の内容等についてもできる限り詳しいところまで公表、公開をしていただければいいのではないかと思います。  次に、最も重要なものは、何といっても放送番組をどういうふうに編成してどういう考えのもとにどういう内容を放送するかということが重要なわけであります。放送番組審議会というのもあるようですが、放送番組審議会の委員の選考方針はどういう方針で行われますか。
  136. 高橋雄亮

    ○高橋参考人 先生御案内のように、全国国民を基盤とするNHKといたしましては、放送法に基づきまして番組を放送しているわけでございますが、昭和二十五年からNHKは独自に番組審議会というのを設けておりましたけれども、昭和三十四年の放送法の改正によりまして放送法四十四条の三で中央番組審議会と地方番組審議会並びに四十四条の六で国際番組審議会の設置を義務づけられました。この条項に基づきまして、NHKとしては襟を正しながら一層番組の公平化を期すということで番組審議会を設け、先生方の御意見を伺っているわけでございますが、中央に全国の放送番組の基本計画並びに編成方針についてNHKがその考え方を諮問して御答申をいただく中央番組審議会というのがございます。  この中央番組審議会は、各分野から先生方を選んでいるわけでございますが、委員の構成は十五人以上ということで法律で規定されております。しかし、現在はこれだけ世の中が多岐にわたっておりますので二十三人の先生方にお願いして番組の審査に当たっていただいているわけでございます。この一年間NHKはどういう考え方のもとに番組を編成するかあるいは実施するかということについては、中央番組審議会に諮問いたしまして答申を得て、経営委員会でこれを御承認いただくというような手続になっております。  それから、同じように放送法に基づきまして地方番組審議会の設置が義務づけられております。これは政令でその指定する場所が決められておるわけでございますが、現在北海道、東北、関東・甲信越含めまして全国八カ所に八つの地方番組審議会が設置されております。この番組審議会でも地方の放送局が行う番組について会長が諮問し、その答申を得て実施をしておるという格好であります。  それぞれの委員の任命は会長が委嘱いたしまして、特に中央番組審議会につきましては、NHKの全国放送の根幹について審議いただくということで経営委員会の同意を必要とするという格好になっております。
  137. 新村勝雄

    新村委員 そこで、放送協会が放送される、これはテレビ、ラジオ共通でしょうけれども、その番組については番組基準に基づいて放送、放映するということになっているようでありますが、この番組基準の中で幾つか疑問というかただしてみたいところがあるわけです。  第一章の「放送番組一般の基準」、人権、人種、宗教とありまして、第四項、政治でありますが、政治の実態について、特にこれは国会ですね、この状況についてテレビで放送していただくということは、政治、特に国会状況を国民の皆さん方に知っていただくには一番いい方法だと思うのです。ところが、NHKさんはこの政治については一歩下がって慎重な態度をとっているという印象を受けるわけです。地方に行きますと、例えば県会の状況地方テレビが盛んに放映いたしております。それから、ところによってはその市内、市町村内の有線テレビで市議会の状況等について克明に放映しているということがありまして、そういったことで地方では大変評判がいいわけでありますけれども、NHKさんの場合には政治放送あるいは国会放送については、やってはいらっしゃいますがまだまだ不十分ではないかと思うのです。この第四項の「政治・経済」には「1 政治上の諸問題は、公正に取り扱う。」それから2として、「公職選挙法に基づく政見放送および経歴放送については、すべての候補者に平等の機会を提供する。」というようなことでありますけれども、これは政見放送なりあるいは政治、特に日常の政治活動についての放送については、積極的というよりはむしろ一歩下がった印象を受けるわけですよね。ですから、そういう点について、政治、特に国会の実況等についてはもう少し積極性があっていいのではないかと思うわけです。現在も国会討論会あるいは国会の実況等をやっていらっしゃいますが、それは総理の施政方針あるいはそれに対する各党の代表質問、あるいは予算委員会の審議状況どまりですね。この委員会なんかにはほとんどテレビカメラが入らない。一般の委員会にもテレビカメラはほとんど入らないですよ。ということで、現在の国会放送というのは、言っては悪いのですけれども最低、おざなりと言っては悪いのですけれども、最低の規模というか範囲ではないかと思うのですね。  今国民の政治離れということが盛んに言われておりますし、また国会の機能についても、国会の機能の低下というようなことも言われております。これは国会の中にいても、そういうことを言っていいか悪いかわかりませんけれども、国会の機能が完全にフルに機能しているとは言いがたいと思いますよ。これはやはり国会状況を国民に知っていただくということが何よりも必要だし、有権者の皆さん方は、自分で一票を書いて国会に送った議員がどういうことをしているかということを知りたいわけですよ。ところが、総理大臣とかあるいは各党の領袖という人たちは、これはもうテレビに出る機会も多いのですけれども、一般の我々議員がテレビに出る機会はほとんどない。というのは、やはり放映しないからですよ。予算委員会しか放映しない。決算委員会にテレビの入ることはほとんどないということです。ほかの一般の委員会でも余りないと思います。  ところが、と言うと悪いのですけれども、他の分野ではNHKさんも大変熱心におやりになっておるわけですですから、他の分野に劣らない程度の政治番組、といってもやはり国会放送ですね、国会の番組をもう少しふやしていただけないか。具体的に言えば、プロ野球並みに国会放送ができないか。プロ野球をけなすわけじゃありませんよ。ありませんけれども、国の、国民の、日本のすべての生活状況の中における政治の重みというのば、これは何といっても一番重いはずですよね。重くないというのはおかしいんだし、重くないというのは、政治がそれだけ国民から不信を買っているということなんですからね。それにはやはり政治を知ってもらう、国会状況を知ってもらうということだと思うのですよ。憲法には国会は確かに国権の最高機関というふうに言われておりますけれども、最高機関としての権威を私は疑いたいと思うのです、現状では。また、国民はそれだけ評価をしていないと思うのですよ。というのは、知らないからですよ。そういう意味で、大臣、どうですか、国会放送をもう少し十分やっていただくようにNHKに要請するお考えはありませんか。
  138. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 国民にもっと政治を知ってもらう、関心を持ってもらうために、もっと国会からの中継ですか、ふやしたらどうだろうか、また、決算委員会もプロ野球並みにその中継をしたらどうかというお話でございました。  確かに、けさほどから伺っておりまして、諸先生方の御高見もぜひ国民の皆様に知っていただきたいと私自身も思っておりますが、何分にも憲法第二十一条、それから放送法第三条によりまして、郵政大臣は国会議員の中でも最も自由で民主的な人間でなければならない、報道の自由、通信の自由、表現の自由を尊重しなければならない大臣でございますので、その点につきましては意見を差し挟むことは御遠慮させていただきますが、きょうここに林参考人もお見えになっておられますので、十分先生の今の御発言はお聞き取りいただいたのではないか、このように考えております。
  139. 新村勝雄

    新村委員 国会放送なり政治に関する放映ですね、これはもちろん内容については不偏不党でなければいけないと思いますよ。自民党さんの宣伝であったり野党の宣伝であってはいけないわけですからね。だから、国会全体について不偏不党に放映するということについては、これは何らやましいことはないし、大臣がそうおっしゃっても、これは少しもおかしくはないですね。特定の政党なり特定の部門について放送あるいは放映してくれというのでは、これは問題だと思いますけれでも、国会を国民によく理解できるような状況に、要するに国会を公開するということであれば、これは少しも差し支えないはずでありますから、そういう点でひとつ御努力をいただきたいし、NHKさんはいかがなんですかね、そういう面について現在で十分だとお考えですか。
  140. 林乙也

    ○林参考人 お答え申し上げます。  NHKの政治関係の放送が非常に消極的であるというような御指摘でございましたけれども、私ども、決してそういうようには考えてございませんで、公共放送の立場の中で積極的に取り組んでおるというように考えております。現に、五十九年から六十年、六十一年にかけましての国会の中継放送の時間は相当時間増大しておるというようなことでもございますし、また、そのときどきの政治課題の中で特別編集というような形で政治的な問題についての報道に努めておるというように考えております。     〔魚住委員長代理退席、委員長着席〕  公共放送といたしましては、あくまでも政治的に公平であること、意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすることというような立場の中で客観報道に努めておるというように考えておるわけでございますが、ただいま先生の御指摘いただきました点につきましても、年度編集計画等々の際に今後十分考えてまいりたいというように思っております。
  141. 新村勝雄

    新村委員 そういう点でNHKさんは政治に対して一歩後退した姿勢であると申し上げたのですけれども、確かにそういう姿勢があると思うのですよ。しかし、それは不偏不党に政治全体をあるいは国会状況全体を取り上げるのであれば何ら問題ないはずでありますから、十分御検討いただきたいと思います。  具体的にお伺いすればいいのですけれども、時間がありませんから、例えば国会開会中に国会放送が何時間行われているのか、あるいはプロ野球が何時間行われているのか、そういう数字おありですか。それから、ほかの娯楽番組あるいはほかの一般教養の番組が何時間であるのか、そういうことを知りたいわけですよ、それで、果たして政治放送が政治の重要さ一重要さと言うと手前みそになりますけれども、やはり政治がいいか悪いかによって国の運命も変わってきますからね。ですから、それは一つの政見を宣伝するのじゃなくてすべての政見について国民に十分知っていただくということは、だれが考えても反対のできない命題だと思いますがね。もう一回お願いします。
  142. 高橋雄亮

    ○高橋参考人 御質問の、国会開会中にプロ野球がどの程度放送されているかという数字につきましては、手元に材料がないのでございますけれども、今、林が申し上げましたように、私どもは、政治に対するNHKの放送の取り組みというものは大変重要だという考え方のもとに、国会の中継、いわゆる生での中継番組のほかに、ニュースとかニュース解説などでもって国会の動きは逐一放送しているわけで、トータルな時間数というのは大変算出しづらいのでございますけれども、私どもが報道、教育、教養、娯楽という中で、四つに大きく放送時間を分類しておるわけですが、その中でいいますと特に報道関係国会も当然含むわけです、政治のものも含むわけですが、約四〇%を占めておるわけです。  それから、先ほど申しました国会中継について詳しく申し上げますならば、五十九年度は四十五時間三十分放送しておるわけですが、六十一年度は約三倍の百二十二時間三十四分ということで、国会の中継の方もそれなりに時間をますますふやしておるというようなことでございます。
  143. 新村勝雄

    新村委員 次の問題に移りまして、自治省さんいらっしゃっていると思いますが、数年前に公選法の改正がありまして立会演説会が廃止になりました。やらないことになりました。立会演説会というのはやはり各党の政見を有権者に知っていただくには一番いい方法なんですけれども、これをやめた。やめるときに、多分こういう附帯条件ですか、希望があったと思うのですね。これに対する代替の措置として政見放送なり候補者放送を一層充実をするというような希望条件が付せられていたように考えますけれども、その後それらしい代替措置がないですね。  選挙のときわずか五分、しかも、各党の政策を比較をするという形で、あるいは各選挙区の候補者を比較をするというような形での政見放送というのはほとんどないのですよ。五分間単発的に候補者の顔を出して、しかもわずか五分やるだけですから、これでは有権者が候補者を選択をするあるいは政党を選択をするという見地からすると全く不親切ですよ。だから、こういう点について、立会演説会を廃止したからにはそれにかわるしかるべき代替措置が必要だと思いますけれども、どうお考えですか。
  144. 秋本敏文

    ○秋本説明員 先生御指摘ございましたように、昭和五十八年の公選法の改正によりまして立会演説会が廃止をされました。その際にいろいろ御論議があったと承知いたしておりますけれども、政見放送につきまして、いわゆる大電力圏と言われます東京などを除きまして、それまで原則として日本放送協会及び一般放送事業者でそれぞれテレビ二回、ラジオ一回、両方全部合わせますと六回でありましたものを、日本放送協会につきましてはテレビで二回、ラジオ二回、一般放送事業者ではテレビ三回、ラジオ一回というふうに、全部合わせますと八回というふうに回数をふやしまして、候補者の方が選挙人の方に政見を伝える機会、言いかえますと、選挙人の方にとりましては政見を知る機会、これを拡充をするというような措置がなされております。また、政見放送とは別に単独で行われます経歴放送につきまして、それまではラジオのみでございましたけれども新たにテレビでも行う、こういうことをいたした次第でございます。
  145. 新村勝雄

    新村委員 前に比較をすれば回数がふえたということはあるかもしれませんけれども、それは量的に若干拡大されたということであって、質的には全く同じですよ。前と同じように五分、しかも、その五分間も大変厳しい制限があるわけですよ。ゼスチャーはいけないとか、そこへ品物を持っていってはいけないとか、そういう全く意味のない制限がたくさんあるのですね。そういう制限をなぜしなければいけないのか。ゼスチャーがあったっていいでしょう。それから、必要があればパネルを持っていくなり、必要なものを持っていって説明してもいいはずですよ。それから、五分ではこれは全く何もできない。それからまた、放映の時間にしても組み合わせにしても、組み合わせにするのだったら、同じ選挙区の候補者をずらっと並べるとか、それから時間にしても、既成のプロの途中へ挟んだという感じですね。そうじゃなくて、できれば総選挙のときあるいは国政選挙のときには、午前中のゴールデンタイム何時間かをそこでとっていたたく、そして、各党間の政策の代表による討論あるいは各選挙区ごとの候補者の有権者から見て比較のできる――選挙というのは比較ですからね、これは理想じゃないですから。理想の候補者なんていっこないのですから、比較ですから、五人なら五人のうちでどれが一番いいかということを自分が選ぶわけですから、比較のできる形での企画があっていいはずですよ。ところがそうじゃないのです。東京一区の人が出るかと思うとこっちの方の人が出るというようなことですよ。しかも五分、ゼスチャーもいけない、何もいけないということですけれども、これでは改善したとは思われないのですよ。  ですから、そういう点での改善というか、発想の転換が必要だと思うのですけれども、大臣はいかがですか。
  146. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 高度情報社会に向かいまして、国民にぜひ政治を知ってもらい、関心を持ってもらいたい、そのためにはやはりテレビを通じて国民に関心を持ってもらうことが非常に重要であろうという先生のお話でございます。私もそのとおりだと思います。  先ほどプロ野球のことを言われましたけれども、きょうはオールスターは休みでございますが、決算委員会はこうやって先生方、熱心な御審議をしていただいておるわけでございます。我々も今後とも、わかりやすい政治、親しみやすい政治を目指して一生懸命努力してまいりたいと考えております。
  147. 新村勝雄

    新村委員 次に、時間がなくなりましたので、一言で申し上げますが、放送の際の言葉の問題です。これは、言葉というのはその国の文化の集積であり、文化の象徴的なものですから、日本語をどうこれから大切にしていくかということ、日本語の純粋性をいかに維持していくかということが必要だと思いますよ。  そういった面で、NHKさんの番組基準の中には、「放送のことばは、原則として標準語による。必要により方言を用いるときは慎重に取り扱う。」となっていますね。また最後に、「方言や地方特有の風俗を扱うときは、その地方の人々に反感や不快の念を与えないように配慮する。」こうなっていますが、方言というのはやはり日本文化の一部を担う重要な要素であることは間違いないわけです。それからまた、現在既にその地方地方に生きている一つの文化であることは間違いないのですけれども、やはり放送というのは基本的に標準語でやるべきであると思いますね。  そういうことを放送番組基準もおっしゃっているのですが、これは誤解を受けると困るのですけれども、NHKさんの劇映画等については方言が多過ぎると思いますよ。もう少し標準の日本語を純粋に守り育てていくという視点が必要だと思うのですね。その点が一つ。  それから、文部省がおいでになっているとすれば、やはり同じ問題ですけれども、特に小中学校の国語教育において方言をどういう位置づけをしているのか。もちろんこれは標準語中心だと思いますけれども、方言の位置づけについて伺いたいと思います。
  148. 高橋雄亮

    ○高橋参考人 言葉の問題については、先生御指摘のとおりだと思っております。  特に方言につきましては、私どもは、その地域生活の言葉であり、文化であろうという認識をしております。しかしながら一方で、先生御案内のように、わかりやすく理解されやすい放送をということを義務づけられておりますので、ニュースなどでは方言は使わない、ドラマその他で、現実味を持たせるとか親しみを持たせるということで方言を使うことはございます。放送をつかさどる、言葉をつかさどるNHKといたしましては、正しく、美しく、そして豊かな日本の言葉というものを今後とも一層普及するように努力してまいりたいと思います。
  149. 熱海則夫

    ○熱海説明員 お答え申し上げます。  先生御案内のとおり、学校教育では、子供たちが使う教科書自体がもう既に共通語で作成されておる、学校教育では標準語という言葉ではなくて共通語という言葉を使っておりますが、その共通語で作成されておるので学習自体は共通語でやっておるわけであります。ただ、子供がまだ小さいときはやはり日常生活でも方言などを盛んに使うものですから、小学校三年ぐらいまでは、大体方言を学校の中でもなまりとか発言を矯正するというふうな視点で指導要領では示しているわけでありますが、四年あたりになりますと、今度は方言と共通語の違いというようなことも教えて、実際の、例えば学校放送とか話し合いの場でも共通語を使うようにというような指導をしているわけであります。  もともと国語教育というのは、共通に使用する言語を正しく使えるようにというのがねらいでありますから、やはり共通語が主体である。ただ方言については、地域によっていろいろ違いがあったりあるいは特色があるというようなことで、そういった意味では高学年あるいは中学校では方言の特性みたいなものについて教えておるところであります。  以上であります。
  150. 新村勝雄

    新村委員 終わります。
  151. 堀之内久男

  152. 小川新一郎

    小川(新)委員 まず最初に、大臣に電話についてお尋ねをいたします。  大臣、電話の重要性というものはもう十分御理解だと思いますが、これが誤るととんでもないことになるということは御存じだと思います。これを盗聴すればある政党の事件のようにも拡大するし、また、これを行政的に誤ると県民感情がいたくおかしくなるということも御承知だと思いますが、それに間違いないですか。
  153. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 今電話の重要性について小川先生からお話がありましたが、電気通信が非常に発達すると、特にここで二つのものが問題になる。一つは、通信方式の標準化である、もう一つは、やはり秘密の保持、プライバシーの保護であるということは、私ども十分に認識をいたしております。
  154. 小川新一郎

    小川(新)委員 そこで、ちょっとローカルな問題で恐縮なんでございますが、埼玉県の市外局番三けた化についてお尋ねしたいと思います。  埼玉県の市町村の電話の市外局番は、現在四けたが大部分で、一部の地域で万けたになっております。東京は二けた、大阪も二けた、主要都市は三けたになっておりますが、埼玉県は大部分が四けた、開発がおくれていると称されているところで万けた、何となく差別があるように県民は思っております。私も思っておる一人でございますが、ひねくれて思っておるのかひねくれてないのかわかりませんが、いずれにしてもそういう感情があることは事実であります。  こうした中で、NTTは県下で初めて市外局番三けたの地域をつくろうとしておりますが、いつからどの地域を三けたにするのでしょうか。
  155. 小川伸夫

    小川参考人 お答え申し上げます。  埼玉県下で今お尋ねの局番三けた化ということでございますが、具体的に地域を申し上げますと、浦和市、与野市、大宮市、上尾市、岩槻市、春日部市、桶川市、蓮田市、それと伊奈町、庄和町、以上八市二町につきまして工事をやろうとしております。  具体的に申しますと、この地域は一つの浦和単位料金区域ということに整理されておりまして、我々、メッセージエリア、MAと申しておりまして、この地域は三分間電話をかけましても十円という最低料金区域になっておりますが、これにつきまして現在市外局番が実は三つございます。〇四八八、〇四八六、〇四八七と三つに分かれておりますが、これを一つに統合いたしまして、その中におきましては市外局番は回さなくてもかかるということにいたしたいと考えております。
  156. 小川新一郎

    小川(新)委員 ではどうして、今あなたが読み上げた大宮、浦和、与野、上尾、伊奈、桶川、蓮田、岩槻、春日部、庄和、これだけに決めたのですか。
  157. 小川伸夫

    小川参考人 お答え申し上げます。  NTTでは、最低料金が三分十円でかかる区域を単位料金区域、先ほど申しましたMAと申しておりますが、これで全国を幾つかに区切っておりまして、今申し上げましたのは浦和の単位料金区域、浦和MAということでございますので、ここを取り上げているわけでございます。
  158. 小川新一郎

    小川(新)委員 では、なぜ今、浦和を中心にして桶川、蓮田、岩槻、春日部、庄和なんというとんでもない遠いところまで、三分間十円区域だからこれを三けたにするんだ。東京に最も近い川口は人口四十万を超えております。浦和は多いといっても三十八万、大宮は多いといっても三十八万余。県下最大の都市である川口を外してなぜそういう地域になっているのかというと、あなたの御説明だと三分間十円のエリアがあるからそっちになったと言うけれども、川口、戸田、蕨、朝霞、和光、志木、新座という東京に隣接した地域を外して、その向こうに越えていった。何か選挙区の問題もあるのですが、こういう点が非常に不明確なんですが、なぜ人間の体でいえばへその地域に、ぽつんと飛びマンダーみたいにして、ゲリマンダーみたいなことをするのか。東京から近いところからやっていけばいいのですね。しかも、その地域も三分間十円じゃないですか。どうしてそっちをやらないで真ん中に打っちゃったのか。
  159. 草加英資

    ○草加参考人 お答えいたします。  先ほど小川から申し上げましたように、私どもでは、料金の最低通話でかけられる単位料金区域、MAを設定いたしております。今先生の御指摘は、なぜそのような形で、どのような基準で決めたかという御質問だと思いますが、実は昭和三十七年に私どもはこの単位料金区域を採用いたしまして、それによりまして単位料金区域ごとの距離をもちまして通話料を決めるということにいたしたわけでございます。その際三十七年に、当時の通話の交流状況調査いたしまして、それによりまして単位料金区域を定めまして、現在全国でこれが五百六十七ございますが、このような形で設定いたしたものでございます。
  160. 小川新一郎

    小川(新)委員 私の質問からピントが外れているのですが、私はその三分間十円に文句を言っているのじゃないのです。川口、蕨、鳩ヶ谷、戸田、新座、和光、志木、朝霞という東京に隣接している地域も三分間十円なんです。そのエリアを外してその向こうの、北である、へその部分に当たる大宮、上尾、与野、浦和、伊奈、蓮田、春日部、庄和なんという遠いところまで入れたのはわからないと言っているのです。ほかにだって三分間十円のエリアがあるじゃないですか。それも東京に隣接した、手前があるでしょう。しかも、ここには人口が四十万を超えた川口市が含まれているでしょう。そこを外してなぜ向こうへ飛んでいってしまったかと聞いているのです。
  161. 小川伸夫

    小川参考人 お答え申し上げます。  川口の周辺は、また川口料金単位ということになっておりますが、この川口MAにつきましても、現在〇四八四、〇四八二、二つの市外局番がございまして、これは地域の御要望があれば、例えば○四八という格好で統一することは可能であるということでございますが、そうしますと、川口MAの中は市外局番なしで通話ができるというメリットが当然生まれてまいります。  しかしながら、ちょっとデメリットがございまして、浦和の料金区域と川口の料金区域というのは厳然として別になっておりますので、例えば〇四八でもって川口の閉番号化と申しますか、市外局番を浦和と統一してしまいますと、川口のお客様は浦和にかけるときに、先生御指摘のように一緒にしてしまったらどうか、こういうことでございますけれども、そういたしますと……(小川(新)委員「一緒にしてなんて言っていないよ。手前の方をなぜやらないかと言っているんだよ」と呼ぶ)川口の方をもしやりますと、川口から浦和にかけるときに、市外局番を回さないでかけますと市外料金を取られるということがお客様にはわからない場合が出てくるのではないかという懸念がちょっとございます。そういう意味で、浦和と川口のMAというのは別になっておりますので、川口の中の番号を浦和と統一してしまうということについてはちょっと不可能であるということを申し上げているわけでございます、
  162. 小川新一郎

    小川(新)委員 大臣、よく聞いていてくださいよ。言っていることがよくわからない。手前の方に、今私が言ったように、川口、蕨、鳩ケ谷、新座、和光、志木、朝霞というグループがあるのです。これも三分間十円グループ。その向こうに、北の方に今言った大宮、蓮田、白岡、吉川とずっとあるのです、田舎の方がずっと。そっちを先にやってしまっているのですよ。こっちからかければ向こうがだめ、向こうからかければこっちはだめ、同じことなんだ、言っていることは。では、なぜ東京の近いところからやっていかないんだと言っているんだ。簡単だ、そんなこと。ひっくり返して、あなたは今川口から浦和の話をしているけれども、浦和から川口の話をすれば同じことになるじゃないか、違うのですか。
  163. 小川伸夫

    小川参考人 実情を申しますと、先の方からやったということにつきまして、例えば地域の皆様とかそれから行政皆様方からの要望が非常に強いということで浦和のMAというものを先行し、三けた化したということでございます。
  164. 小川新一郎

    小川(新)委員 あなた、どこでそんなことを言えるのですか。私は埼玉県で小川というのだよ、名前が。あなたは違うだろう、東京小川さんだろう。おかしいよ。ここに川口の陳情書がちゃんと出ているのだ。そんなことをされては困りますよ、川口市を入れてくださいよ、四十万の都市をなぜ外すのだと。それは知事さんが、自分の政策的にユーアンドアイプランとかなんとか言っているけれども、それで電話に接続させようという話があるかもしらぬけれども、そういうことをやると、県民感情が今真っ二つになっているのですよ。だから選挙区だっておかしな割り方をしたんじゃないですか。今ここで選挙の恨みを言っているわけではないけれども、電話の恨みは今度何の恨みになるかということなんですよ。だから先に、大事であるか大事でないか大臣に聞いているのですよ。  だから、手前の方のエリアから順々にやっていくのならば話はわかる。なぜ大宮の方の、中心の北の、あなたはわからないだろうけれども、春日部、庄和なんというのは四区の方ですよ。とんでもない方の人まで考えが及んで、一番南の、東京の隣のところからかけても、それから向こうへ、お隣の浦和と大宮間にかけるともう八十秒で十円になってしまうでしょう。  だから一値段の区域が違っているということはよくわかっているの。だけれども、同じエリアができているのだ、二つ。だったら手前のエリアからやっていくのが道理じゃないでしょうかと聞いているんです。しかし、あなたは県民の要請がないとかあるとか。あるじゃないですか。川口では陳情を出してきている。川口は、どうしておれのところはやらないんだと怒っているよ。何て説得するの。説得してくださいよ。
  165. 小川伸夫

    小川参考人 お答え申し上げます。  川口周辺の県民からの御要請ということもお聞きしておりますし、それと浦和の方の御要請ということも非常に強うございまして、私どもの方としては、いろいろ検討した結果浦和からの御要望ということを先行させたいということでございまして、今後のあれとしまして、川口に関する番号閉番号化ということについて検討させていただきたいと思っております。
  166. 小川新一郎

    小川(新)委員 大臣、地元では大宮からやることを文句言っているのじゃない。大宮は大宮でやりなさい、大宮のエリアもやりなさい。だけれども、手前の方、東京の隣からどうしてやらないのだということを選出代議士に陳情しているわけです。しかも陳情書が埼玉県に出ているわけです。  ところが、要請が強いか弱いかというのを両方比べて、目方にはかって、こっちが多いからこっちをやりました。それは私、わかりませんよ。わからないけれども、行政の順序からいったら、順々にこういうふうにいくのが、北へ向かって北上して――台風だって電車だってみんなそうじゃないの。真ん中から逆進する台風なんかないよ。電車だって逆進しないでしょう。上野駅から出てだんだんに新潟の田中さんのところまで行くのでしょう。同じじゃないの。それをなぜ戻らなければならないの。だから怒っているのです。「鞭声粛々夜河を渡る」といって、みんな荒川を越えてまた逆に戻ってくるじゃないの、選挙区は全部。自民党の考え方と公明党の考え方が違うなんということは、こんなところではあり得ないのですよ。  これは、県民の電話に対する三けたということは、今言ったように非常に微妙な感情を持っている。四けた、万けたになればだんだん開発途上国だ、こういうことはいいか悪いか別としても、そういう県民感情で、今度はおれのところは三けたになった、東京に近づいた、こういう先進的仲間入りをしたという宣伝をするから、四十万都市の川口は頭に血が上がっちゃって、とんでもない、おれの方が近いのになぜNTTはやってくれないのだ、もう株なんて買わないぞと言って本当に怒っているよ。しっかりしてください。地元へ帰ってどう答えたらいいの、どう説明したらいいの。
  167. 堀之内久男

    堀之内委員長 あなたにできるの。あなたに答弁ができるの。どうもさっきからおかしいと思っていた。小川参考人、しっかりしなさい。
  168. 小川伸夫

    小川参考人 先生御要望のとおり、川口エリアについてどういう番号で門番号化するかということについて鋭意検討させていただきまして、番号の閉番号化について努力させていただきたいと思います。
  169. 小川新一郎

    小川(新)委員 私は埼玉の小川ですから埼玉県のことはよくわかっているのです、三十年も四十年もいるのだから。これは一朝間違うと大変な行政的な摩擦を起こします。だから、NTTさんがやられんとすることを軽々に文句言っているのじゃないのです。やることは結構。だけれども、やると、今言ったように料金体系が乱れて非常にやりにくくなる、混乱があるということも知っております。だったら、どうしてもやらなければならないのであれば、地元からやっていきますよ、近いところからやって次へ移っていきますよということが一番説得力があるのじゃないかと僕は言っているのです。物には順序というものがあるでしょう。違いますか。
  170. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 四けた、万けたとおっしゃいますが、私は四けたの松本市の出身でございますから、先生のおっしゃること、何かわかるような気がいたします。ただ、NTTは民営化をいたしまして郵政省はできるだけ口を出さないようにということでございますので、NTTの方でしっかりやっていただいてよろしいわけですが、今伺いましたら、先生のお話を承って川口の方でもできるだけ努力するというようなことを申しておりますので、どうぞよろしく御理解をいただきたいと思う次第でございます。
  171. 小川新一郎

    小川(新)委員 民間になっているNTTさんを怒っては失礼ですから、どうも済みません、謝ります。どうも昔の癖が出ているものですから、いまだにそういう官僚的なのかなという発想のもとで怒っているのですが、一生懸命やってくれというと、必ず、今言ったようなエリア間の、これは〇四八八、〇四八二、〇四八四、〇四八九、〇四八まで一緒でも下の四、七、二の混乱が起きるということを心配している。これは非常に微妙な問題があるのです。  だからこれは、一概に私もそうしろということは言えないのですが、川口は人口四十万以上の都市としてやはりプライドを持っています。それでなくても今鋳物が不景気で産業全体が非常に衰微をしつつある町ですから、どうしても大宮とか浦和に一つの競争意識を持っています。そういう中で電話の局番の、たった三けたが四けたになった、四けたが三けたになった、何でもないじゃないか、大臣、おれのところも四けただから何だと言うかもしらぬけれども、これは一けたで大変大騒ぎしているのですから。これが人間の感情というのです。そうでしょう。政治というものは、行政というものは感情を無視してはできないでしょう。だから、大事だからあえて御質問しているのであって、じゃ、努力してくれるのですか。もう一遍お願いいたします。静かに言います。よろしく答弁してください。
  172. 草加英資

    ○草加参考人 お答えいたします。  先生の今のお話を十分承りまして、早急に解決するように努力させていただきます。
  173. 小川新一郎

    小川(新)委員 次は、不法電波及び不要の電波問題についてお尋ねします。  電波による無線通信は、海上、航空、陸上の交通通信社会経済活動のあらゆる分野に利用されております。パーソナル無線、アマチュア無線、利用分野は多種多様にわたっておりますが、こうした中で不法に強力な電波を発射して、交通通信やその他の社会経済活動を妨害するような不法無線局の実態をどのように掌握しているのかということが私の質問なんです。またそれに対してどのような悪影響が出るのかということなんです。  それに対してあなたの方のお答えは、私どもの考えでいるよりも約七千局以上の不法無線局が野放しになっているという乖離がございます。確かに取り締まりもしていただいておりますし、御指導していただいておりますが、それでもなおかつ七千局以上の不法無線局が野放しになっております。今後どのようにアウトローに対して取り締まり、指導もしくは事故の絶無を期してのあれを当局は考えているのですか。
  174. 奥山雄材

    奥山(雄)政府委員 不法無線局の実態でございますが、年間、私どもがここ数年来把握いたしております数は大体一万局前後でございます。六十一年度は約一万一千弱でございますが、そのうちの三千六百局程度につきましては既に告発あるいは指導を行っております。  先ほど小川委員が御指摘になりました点は、その差し引きの残りの七千が野放しになっているではないかという御指摘かと存じますが、七千につきましては、その大部分がいわゆる不法の市民ラジオあるいはコードレス電話といったようなものでございまして、いわば町じゅうあるいはその辺の事務所内において移動するものであるということから、不法であるということを私どもも実態として把握をしながら、直ちにそれによって告発あるいは行政指導ができないような状態になっております。  しかし、これらにつきましては、全部が全部野放しにしておるわけではございませんが、その年度持ち越しになったものは次の年度に的確に把握をして、告発に持ち込むもの、あるいは行政指導に持ち込んで是正されるもの等々も出ております。その例証といたしまして、不法市民ラジオがばっこいたしましたピークの昭和五十五年度におきましては約三万弱の不法局があったわけでございますから、それに比べますと、現時点では三分の一程度に減っております。  しかもまだ、今後私どもこうした取り締まりを強化し、適正な指導を行うつもりでございますが、前通常国会におきまして国会の方でお認めをいただきました電波法の一部改正におきまして、これまでは違法な電波を発射するまで私どもがこれを指導の対象とすることができなかった制度を改めていただきまして、不法な機器、違法な電波を発射する機器で一定の条件を満たす場合には、販売業者あるいは製造業者に対して直接製造中止を勧告する等の措置ができ、またそれでも聞かない場合はその悪質業者を公表するような措置も認められましたので、こうした川下から川上に向かっての措置がどうやら整ったと思っておりますので、今後この取り締まりはさらに一層強化してまいりたいと思います。
  175. 小川新一郎

    小川(新)委員 そこで、七千局がいまだに野放し状態になっておりまして、それに対しては逐次やっているという御説明でございますが、電磁波、電磁機器によるところの事件というものがいろいろ出ております。  一つには昭和六十年八月、布地加工メーカーにおいてパソコンが誤動作を繰り返した。調査の結果、布地に帯電していた静電気による火花が電磁波を発生したと判明した。そのほか五十九年十二月及び六十一年三月、駅構内において列車無線の運用が不可能となるほどの雑音が入った。調査の結果、二十メートル離れたゲームセンターのテレビゲームから漏れた電磁波と判明した。昭和五十八年十月、航空管制用レーダーのモニターディスプレーにスポーク状の妨害が入り、調査の結果、近隣の一般家庭の屋根に設置されたテレビ用ブースターが発振したものと判明した。昭和五十七年三月、工場内クレーンの出す火花からの電磁波によりNC旋盤の制御部分が誤動作し、主軸が突然回転して、作業員を巻き込んで死亡させた等々、この種の事故が百七十七件、あなたの方で掌握したと聞いております。――ちょっとこれは違いました。数字はちょっとわかりませんが、相当の数値が出ております。  そこで、最近アメリカや日本において、特にAT車、オートマチック車の大事な部分にこの電磁波が作用して、今暴走問題が大きな社会問題となっております。これは運輸省にお尋ねしたいのですが、運輸省が収集している国産車、外国車の計百七十八件の急発進事故の事例の原因の調査分析をまずどのようにして進めていったのか。運転者の誤操作なのか、車自体の欠陥なのか。NHKの特集番組が七月中旬に行われました。これは要するに、電磁波の事故によるところの恐ろしさということをテレビによって放送されましたが、この特集番組で報道されたように、強力な不要電波、すなわち電磁波によって引き起こされた事故なのかを明確にしていただきたいということであります。
  176. 樋口忠夫

    ○樋口説明員 お答えいたします。  先生御指摘のAT車の急発進、急加速にかかわります事故につきましては、当省で把握しております百七十八件につきましていろいろ検討を加えておるわけでございますが、運転者の誤操作だけでは説明しにくい事例がございます。これらの事例の中で特に不要電波の影響によるものということで確認されておるものはないわけでございますが、運輸省といたしましては、AT車の急発進、急加速の原因究明を行うに当たりまして、当然のことながら車両の構造、装置に対しまして検討を加えるのに加えまして、先生御指摘の不要電波の影響につきましても試験調査を実施してまいりたいと考えております。
  177. 小川新一郎

    小川(新)委員 私がなぜそう申し上げますかと申しますと、コンピューターの塊のように今集積回路が集中しております車への影響力というのは我々素人にはよくわかりませんけれども、いろいろな電磁波によってそれが誤動作を起こして、今言ったようなオートマチック車に重大な欠陥が生じるということが証明されたのがこの間のNHKの放送の内容だと思うのですね。それに間違いないですか。
  178. 樋口忠夫

    ○樋口説明員 先ほどお答え申し上げましたように、現時点では確認はとれておりませんが、今のような事例があり得るかもしれないということで、現在交通安全公害研究所という当省の附属機関がございまして、そこで試験調査を行うということにしておるわけでございます。
  179. 小川新一郎

    小川(新)委員 大臣、テレビをごらんになりましたか。感想をひとつ。
  180. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 残念ながら見ておりません。
  181. 小川新一郎

    小川(新)委員 大臣、こういう大事なテレビは見てくださいよ。私は唐沢大臣に対しては尊敬しているのですが、尊敬していない点が一つある。マル優の制度だってそう。だんだん話は飛ぶけれども、あれだってこの間まで賛成、我々野党と同じことを言っていたかと思うと突然変化になってしまう。だから大事なものは、よく秘書官に言って、見てもらわぬと困るね。いいかげんなことをNHKがやっているのだったら、これはあなたの責任管轄だからNHKに文句を言ったらいい。これは大変ショッキングな、今話題を呼んでいるのですよ、本当に。これは冗談じゃないです。  環境庁いますか。――ラジオ、テレビ放送、レーダー、通信などに使われている電波が人体に与える影響について検討を進めてきたアメリカ環境保護局、EPAは、最近発信電波の強さの許容値などを設定した規制指針案をまとめ、電波についての環境基準が世界で初めて設けられる見通しと言われております。欧米では既に見えざる環境汚染と位置づけ、電子スモッグという公害名も生まれておりますが、我が国においても先端技術に伴う新型の公害として取り組む考えがあるかどうかということです。
  182. 櫻井正昭

    ○櫻井説明員 お答えいたします。  電磁波による健康影響につきましては公害対策基本法に規定されるいわゆる典型七公害には含まれない問題でありまして、環境庁としては対応の難しい問題ではありますけれども、新たな環境問題として鋭意関連情報の収集に努めてまいる所存でございます。
  183. 小川新一郎

    小川(新)委員 中曽根内閣の閣僚としてこういう問題について閣僚会議に提起し、今申し上げたような調査の収集だけでなく、新しい環境庁の姿勢に対して、唐沢大臣はどのように進められますか。
  184. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 ちょっとお答えになるかどうかわかりませんが、先生今御指摘の不要電波の問題は非常に新しい問題であり、まだわからないところもございますが、社会的な重要な問題であると考えております。我々としては、こういう不要電波障害を引き起こす電波の対策について今鋭意取り組んでおるところでございます。特に電波問題及び電波の人体への影響について検討して対策を講じてまいりたい。そして、協議会の開催などによりまして他省庁との調整を図りながら、電波を規律する主管庁である郵政省中心となりましてこのような不要電波対策に取り組んでまいりたい、このように考えております。
  185. 小川新一郎

    小川(新)委員 通産省にお尋ねしますが、多種多様な電波機器が市場に出回っており、不要電波を発射する発生源となっておりますが、発生源対策はどのように行っているのかということであります。電子レンジには規制があるのか。テレビゲーム機、パソコン、テレビのリモコン、車庫の開閉のリモコン、留守家庭に電波を送ってふろを沸かしたりするシステム、ホームセキュリティー機器等の不要電波は野放しなのか。業界による自主規制を促進すべきであると思いますが、どのように思っているかということなんです。これは大きな事故の原因になるということがもう指摘をされておりますから、通産省はどういうお考えですか。
  186. 稲葉裕俊

    ○稲葉説明員 お答え申し上げます。  まず法律関係でございますけれども、私ども、ほとんどの家庭電気用品あるいは配線器具等を対象といたしまして、粗悪な電気用品による電波障害の発生あるいはやけどとか感電とかいった危険の発生の防止をすることを目的として電気用品取締法という法律がございますが、今お話のございました電子レンジにつきましてはこの電気用品取締法の規制対象品目として従来から規制しているところであります。このほかにもテレビであるとか遊園地にございますようなテレビゲームといったようなものもこの電気用品取締法の対象として規制しているところでございます。  それからパソコンを初めといたします情報処理装置などにつきましては、まだ製品としても比較的新しいこともございます。そこで、現在は関係団体の間で設立されました情報処理装置等電波障害自主規制協議会、通称VCCIと呼んでおりますけれども、ここにおきまして、こういった情報処理装置などから発生する電波が無線通信、他の電子電気機器に障害を与えないように、自主規制措置を行っているところであります。ちなみに、この自主規制措置の基準はCISPRという国際的な基準に見合ったものでございます。
  187. 小川新一郎

    小川(新)委員 今いろいろと長たらしい説明がありましたけれども、日本の場合は、電波そのものは郵政省、電波機器は通産省、労働環境は労働省、健康問題は厚生省、公害問題は環境庁というように管轄がばらばらでありますが、郵政省は電波行政を所管しておる。私が言わんとしておることは、不要な電波、不要な電磁波にどの範囲まで広げて郵政省中心になって取り組むかという問題を今提起しているわけです。これは今までの法律だけでは、または自主規制だけでは恐らくできないだろう。いろいろな二十一世紀に向かっての新しい公害としての取り組み方を米国や欧米先進国はもう既に開始をしている、また新しい公害だと認定しているということをあなた自身がまず御自覚なさることが大事だと思うのですね。  そこで、そういう立場に立って不要電波問題懇談会の成果をどのように行政に生かしていくかということでございますが、国として不要電波を規制するための法制度の確立が必要だというのが私の考え方なのです。  これはもう一つ言いますと、最近急速に普及しているオフィスオートメーション機器の中にマイクロ波を出すものもあり、強い電力や磁気を使う作業現場では労働者が体の不調を訴えるケースが非常に多いのです。世界保健機構、WHOは、電磁波による照射で人体が過熱されたり電気的な影響を受けるなどの研究をまとめ、工業用機器オペレーターらについて座席の位置や作業時間短縮などの考慮を各国に勧告しておりますが、日本の労働省は一体どう扱うのか、これも私の質問したいところです。それを踏まえた上で大臣、あなたのお考えを、どうするのかということを聞いておきたいと思います。
  188. 佃篤彦

    ○佃説明員 お答えいたします。  現在使用されておりますOA機器のうち、マイクロ波等が発生するものといたしましてはVDT機器がございます。VDT機器から発生するマイクロ波等電磁波につきましては、これまでに得られた知見では非常に弱いレベルのものでありまして、直接健康に障害を与えるものとは考えられておりません。また、VDT機器からよりも強いオーダーの電磁波を発生すると言われます高圧ケーブル近辺等の作業現場に働きます労働者に関しましては、今までのところ電磁波による健康障害が生じているという具体例は把握しておりませんけれども、文献上は外国で身体の不調を訴えた報告例もあるということで、今後とも関係情報の収集に努めてまいりたいと考えております。  なお電磁波によります健康影響につきましては、その影響として体温の上昇等の温熱効果等が一般的に知られているところでございます。労働省といたしましては、中央労働災害防止協会に職場における電磁環境に関する調査研究委員会を設置いたしまして、WHOを初めといたします関係国際機関等の勧告や報告等を中心関係情報を収集しながら総合的な調査研究を行っているところでございます。そういった検討結果を踏まえまして必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
  189. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 まず、先生おっしゃいますように懇談会は、何と申しますか、自主規制を望ましいと考えておりますが、同時に協議会などの開催の必要性も提唱いたしておるわけでございまして、郵政省といたしましては、他省庁との調整を図りながら一句と申しましても電波を規律する主管庁でありますので、郵政省中心になりまして不要電波対策に取り組んでまいりたい、また、法の改正ですか、必要な場合にはまた法規制等も検討してまいりたいと考えております。
  190. 小川新一郎

    小川(新)委員 最後に、もう時間がありませんから、マル優に対する郵政大臣の態度なのでございますが、歴代の郵政大臣はもとより、唐沢郵政大臣も昨年マル優制度を守るという姿勢を貫いてきました。私の認識が間違っているかどうか知りませんが、私はそう認識しておりました。しかしながら昨年末、中曽根総理が強引に売上税の創設とマル優制度の廃止を打ち出したとき、唐沢郵政大臣はマル優廃止に対してどのように発言したかということをよくよく調べてみました。なぜ反対しなかったかということでございます。  唐沢郵政大臣は、大臣就任以来マル優廃止に当たっての態度は、大衆の零細な貯金を守る、郵政省の貯金業務を守る、そういうお立場に立ってマル優制度の廃止に対しては反対を貫いたと私は確信しております。ところがある日突然、態度が豹変という言葉はちょっと語弊があると思いますが、お変わりになったように見受けられますが、どの地点で変わられたのか、また変わってないのか、あなたはただ一人でもこの自分の政治信念を貫き通すのか、これはひとつ大臣としてのお考えと御所信を承っておきたいと思います。
  191. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 昨年、政府原案の作成のときに最終的に非課税制度は改正されることになりました。  それは、一つには先生方の御努力で、例外とされるもの、非課税を残すものですね、お年寄りが初め七十歳というような話でありましたが六十五歳になる、また初めは母子家庭だけというお話だったけれども、障害者まで枠を広げていただいたということも一つございます。  もう一つは、国民に非常に強い願望があります所得税の減税、先生方からも常々強い御指摘をいただいております所得税減税を図るためにはやむを得ないということで、私も非課税の改正に賛成をしたわけでございます。  しかし私は、こういう金融自由化になって、CDとかMMCとかで大口の貯蓄ばかりが優遇されるのはとんでもないことである、やはり小口の貯蓄こそ我々としては大事にしていかなければならないということは全く先生のおっしゃるとおりであると考えております。  しかし、この問題につきましては、現在衆議院に設けられました税制改革協議会において御検討がなされておるわけでございますので、政府の一員としていろいろ申すのも大変僭越でございますので、そういうことでひとつ御理解をいただきたいと思います。
  192. 小川新一郎

    小川(新)委員 これをもって質問を終わらせていただきますが、大臣、あなたの信念というものはいろいろな面でいろいろな条件が出てきたから変わったんだということでございますけれども、一人ぐらい骨のある、中曽根内閣末期の、それこそ最後のとりでとして、歴史に残るような名郵政大臣として私は期待しておりますので、いろいろなお考えもあるし、立場上いろいろと苦しい立場も理解できますが、どうぞひとつ我々の方も理解していただいて、大所高所に立った誤りのない指針を貫き通すよう期待しております。  以上をもって終わります。ありがとうございました。
  193. 堀之内久男

  194. 草川昭三

    草川委員 草川昭三でございます。  今の質問に引き続きまして、マル優の問題について大臣に二問ほどお伺いをしたいと思うのです。  昨年の十月二十八日、当決算委員会でこのマル優の問題について、我々もぜひ残してもらいたいという非常に強い要望をいたしました。大臣からも、非常に頑張るというお話がございましたが、先ほどの小川先生のような経過になっておるわけでございます。  そこで、この月末までに所得税減税とマル優の原則廃止を抱き合わせた法案が出るわけですが、大臣としては、その閣議にとりたてて郵政省、先ほどのお立場からの御発言をなさるのか、なさらないのか、黙って閣議に賛成をされるのか、見解を問いたいと思います。
  195. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 郵便貯金、またマル優の非課税制度、この問題につきましてはけさほどから諸先生からいろいろ御質問をいただいて、こちらの考えも申し上げてきたわけでございます。  たしか今月の二十四日に一応の報告が議長さんにはなされておるわけでございますが、皆様の御意見が一致を見られたのは、「中堅サラリーマンの負担軽減に配慮しつつ減税を行う。 右の減税の実施に当たっては、恒久財源が確保されることが必要である。」こういうことでは意見の一致を見られたそうでございます。私も、国民の要望の強い所得税の減税を実施するためには、恒久財源を確保しながら、ぜひ実施をいたしたいということで一生懸命今後とも努力するつもりでございます。
  196. 草川昭三

    草川委員 問題は、実施をされた場合、現在二百八十数兆と言われておりますけれども、その預金の量がどこへシフトをするかということは非常に重要だと思うのでございますが、大臣としては、預金シフトがどのような方向で流れていくとお考えか、見解を賜りたい。たまたま郵政省の方ではシルバープラン貯金というようなことも言っておみえになるようでございますが、どうされるのかお伺いしたいと思います。
  197. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 税制改正の問題につきましては今後の推移にまたなくてはならないところでございますけれども、仮にこの非課税制度が改定される場合におきましても、すべての預貯金のほかに、預貯金以外のいわゆる節税型金融商品といいますか、例えば一時払い養老保険等につきましても同様な課税の取り扱いがなされるということでありますれば、税制上はすべて平等でございますので、余り大きな資金シフトは起こらないのではないかというふうに考えております。
  198. 草川昭三

    草川委員 将来の預金の量の行方についてはまだ別の機会に議論をするということで、本問題は終わります。  二番目に、郵政省が持っておるところの土地の等価交換の問題について郵政省の見解を問いたい、こういうように思うわけです。  実は浜松町駅近く、今問題になっておりますところの国鉄の汐留駅に隣接をするところでございますが、非常に場所のいいところがあるわけでございます。浜松町の駅の周辺でございまして、港区海岸一丁目七の一と十の一、ここで約一・六ヘクタールの膨大な郵政省所管の土地があるわけでございますが、それが等価交換という形で現在のところ交換をされておるわけであります。その交換のあり方が私は非常に問題ではないだろうかというので、その具体的な金額等についても申し上げて見解を問いたい、こういうように思います。  現在、この一・六ヘクタールの郵政省用地、これを一・四ヘクタールに分筆をする、あるいはさらにそれを一・二ヘクタールに分けるというような経過があるわけでございますが、どのような形でどういう建設会社あるいは不動産会社に分けたのか、簡潔に経過だけお伺いしたいと思います。
  199. 黒川暢一郎

    ○黒川説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、浜松町所在の郵政省用地を渡し財産といたしまして、東京郵便集中局、これは仮称でございますけれども、この用地及び茨木郵便局用地と交換したものでございます。  東京郵便集中局の用地取得のための交換としましては、受け財産といたしましては江東区新砂二丁目約八万平米、それから塩浜二丁目五千六百平米、渡し財産といたしまして港区海岸一丁目の一万二千四百平米、交換先が大成建設株式会社、契約の年月日は昭和六十年九月三十日ということになっております。  それから二つ目の茨木郵便局でございますけれども、これは、交換財産といたしまして、受け財産は大阪府茨木市中穂積一丁目六千九百平米、渡し財産といたしまして東京都港区海岸一丁目の二千平米、交換先が有楽土地株式会社でございまして、契約年月日は昭和六十一年八月十二日ということになっております。
  200. 草川昭三

    草川委員 今答弁になりました大成建設と有楽土地との関係でございますが、有楽土地というのは大成建設が大変な大株主になっておるということは御存じでございますか。
  201. 黒川暢一郎

    ○黒川説明員 関連会社だということについては承知をしております。
  202. 草川昭三

    草川委員 株は五二・三%で筆頭株主ですから、不動産業界では大成と有楽土地は同じグループだと言われておるわけでありますし、港区海岸一丁目という場所は、先ほど来申し上げておりますけれども国鉄汐留貨物駅の隣接地でございまして、後楽園球場より広い、不動産業界にとりましては大変なよだれの出るところであります。国鉄の新橋の汐留センター全体の将来図においては郵政省所管の土地というのはどうしても首根っこを押さえる形の土地でございまして、重要な土地でございますが、今お話がございましたように等価交換になっておるわけでございます、この土地の評価についてはどのような評価をしたのか、そしてまた鑑定価格は幾らか、お伺いしたいと思います。
  203. 黒川暢一郎

    ○黒川説明員 お答えいたします。  土地の評価につきましては、公正を期するために部外の不動産鑑定機関に評価を依頼いたしまして、その評価結果をもとに交換価格を設定しているところでございます。御指摘の土地につきましては、二者の不動産鑑定機関に鑑定を行わせております。  それからただいまの御質問の鑑定価格でございますけれども、これにつきましては、交換の相手方との関係もございますので従来から公表はいたさないことになっておりますから、ここでお答えするのは差し控えさせていただきたいと存じます。
  204. 草川昭三

    草川委員 では契約額についてもここでは郵政省としては発表できない、こういうことでございますか。
  205. 黒川暢一郎

    ○黒川説明員 契約額につきましても同様に公表はいたしておりません。
  206. 草川昭三

    草川委員 郵政省の方からそういうことを言われますので、私どもで調べた資料を今から申し上げます。もしこの数字に間違いがあるならば、やはり公のところでございますから否定をしていただいて結構であります。  港区海岸一丁目の大成建設と交換をした土地の不動産鑑定士の評価額というのが、AとBとございますが、二百七十九億四千九百六十万というのがAです。Bという人が二百七十三億四千二百万という鑑定です。ですから一平米当たりの単価は二百二十五万四千円、もう一人の人が二百二十万五千円、こういうことであります、それをどことかえたかというと、江東区新砂二丁目の土地でありますが、その土地は、二百十二億九千七百八十五万円、もう一人の人は二百九億七千七百五十八万円、こういう鑑定をしました。ですから、平米当たり二十六万六千円、あるいはもう一人のBという人が二十六万二千円の土地と交換をしたわけです。ですから当然のことながら、一等地、最高の土地ですから小さな土地、向こうの方は郊外でありますから、新しい土地で埋立地でありますから幅の広い面積と交換をした、こういうことになりますが、それでも同じ金額というわけにはいきませんから、差金というのをどうしても払わなければいけないということが出てくるわけでございます。この茨木の方も、鑑定はAという人が四十一億八千万円、Bという人が四十一億四百九十四万円、一平米当たり六十万五千円、五十九万四千円という評価になっておるわけでございます。  それが一体幾らで契約をされたかという絶対金額を申し上げますと、港区海岸一丁目の契約は、二百八十二億一千十五万九千二百五十円で契約をしております。だから鑑定結果には近いわけでありますけれども、一平米当たりの単価は二百二十七万五千円ですね。その交換をしたところは、今申し上げましたように平米当たり二十五万八千円の土地と交換をしておるわけです。平米当たり二百二十七万五千円の土地と二十五万八千円の土地と交換をしておる。もちろん面積の大きさの違いはありますけれども。この江東区新砂の方は、二百六億五千七百三十一万一千八百円という金額と交換をしておるわけですから、当然そこに差が出てきます。壊し賃の一億二千七百万円を含めて五十四億五千五百六十八万七千二百十円という差金が郵政特会の方に入っておるわけでございますけれども、これはもう一つ江東区塩浜二丁目で十九億七千万というのと二つ合わせておりますから差金が五十四億ということになるわけでございます。  私が今申し上げたいのは、この土地は、不動産業界の方々に聞いても、あるいはまた日本経済新聞が出しておる不動産の専門の本なんかと比べてみますと、このあたりは今申し上げたように一等中の一等でございまして、少なくとも平米当たり一千万から二千万円くらいの声が出ても欲しいところではないか、こう言われておるわけであります。そういうよだれが出るようなところをなぜ郵政省が公の募集をするのではなくて特定の人と話し合いをしてこれを決めたのかというところに私は非常に疑問というのですか、これは我々は簡単に納得できない問題があると思うのです。  しかも、ここでちょっとこれを大臣に見てもらいたいのですが、この土地のところを大きく私書いてきたのでございますけれども、一万六千三百十九平方メーター、一・六ヘクタールでございますが、それを大成建設と交換をするために分筆をするわけであります。この分筆が六十年の八月二十二日、そして契約をするのが六十年の九月三十日、分筆をして一力月後に契約をするわけですね。ところが、もう一つの同じ大成建設グループの有楽土地と交換をするところは、これはおもしろいのでございますけれども、去年、六十一年の八月十二日に契約をするのでございますが、契約をした翌日に分筆の手続、すなわち六十一年八月十三日に分筆をする、こういうことになるわけでございます。  そこらあたりは、郵政省はどうしてこのような業者を特定して等価交換をしたのか。あるいはまた、どうせやるなら同じ大成グループに一括して、有楽土地の問題も含めて話し合いをすればよかったのではないか。あるいは、郵政省としてはとにかく新しい集配の大きな基地をつくりたいというのでなるべく広い土地が欲しいからということで当たられたようでありますけれども、この周辺には日本食堂がありまして、これも国鉄関係でございますし、本当に今のような地上げ師を認める認めぬは別でございますが、そういう業がおるとするならば、この周辺の国有地なりその他の公の都の所有する土地と話し合いをすればもっと有意義な交換の土地を見つけることができたのではないかと思うのでございますが、その間の経過。そして、私が今申し上げました不動産鑑定の評価あるいは契約額の調書、この金額について間違いがあるのかないのか、お答えを願いたいと思います。  なお、港区海岸一丁目の茨木市の有楽土地と交換した金額については四十九億で、平米当たり二百四十五万という金額です。茨木の土地三十九億九千三百三十一万五千三百円と交換、九億六百六十八万四千七百円の差金ということになっておるのです。否定をされなければ黙っておっていただいて結構ですが、もし間違っておるならば間違いだということだけ答弁をしていただきたい、こういうふうに思います。
  207. 黒川暢一郎

    ○黒川説明員 東京郵便集中局、これは仮称でございますけれども、この土地の取得につきましては、現在の東京中央郵便局の局舎の狭隘化が甚だ進みまして処理能力が限界に達したので、その機能の一部を移管する必要が生じております。さらに郵便の輸送方式が自動車輸送方式へ全面的に転換されたことに伴いまして、自動車輸送の拠点局としての機能を確保することが必要になってまいりました。これらの状況から、平面作業が可能な広い敷地を持った局舎がどうしても必要だということになりまして、立地条件や地形にすぐれた御指摘の用地を取得したものでございます。  また、茨木郵便局につきましては、その受け持ち区域の発展が著しく、局舎が狭隘となりまして処理能力が限界に達しましたので、その建設用地を取得する必要が生じ、本件用地が局舎改善用地として適地だというふうに判断をいたしまして取得いたしたものでございます。  これらの土地の取得に際しましては、ただいま申し上げました条件に合致するように十分かつ慎重に検討した結果でございまして、以上のような交換を行ったわけでございます。  それから、先生ただいま御質問になられました契約価格についてでございますけれども、これは先ほども申し上げましたとおり、先方との関係がございますので従来から公表はいたさないということになっておりますので、正しいあるいは間違っているというお答えも差し控えさせていただきたいと思います。
  208. 草川昭三

    草川委員 先ほど日経の話をしましたが、日経リアルエステートに五月十五日現在の取引評価額Aという数字が出ておりますけれども、平米当たり千九百万円、こういうわけですね。また、私の調査いたしました取引評価額Bというところを見ますと一千万から二千万の間だろうということになっておりますし、公示価格は千四百九十一万六千円ということになっております。郵政省の不動産鑑定の評価額は余りにも低い見積もりではないだろうか。だから、郵政省が頼まれました不動産鑑定評価というのは、確かにAとBという方に頼まれた数字ではありますが、公示価格なり市中から比べますと余りにも低い評価がまず問題ではないだろうか。  国有財産でありますから、本来ならば国有財産というのは大蔵省の所管、そして大蔵省と各省庁との間の協議、こういうことでございます。国有財産法の第二十七条の「交換」というところを読んでまいりまして、本来ならば今私が申し上げたようなことでございますけれども、郵便局というものだけは除外をするという通達が昭和四十何年かにあるわけでございまして、現在郵政省は間違った手続をやっておるとは思いませんが、先ほどの答弁ではございませんけれども、中央郵便局というのは非常に大きな機能を求められるようになる、しかもビッグプロジェクトとして郵便業務を行うということでありますから、従来の郵便局という概念からもう離れてきておる。そういう意味では、この国有財産の処理あるいはまた等価交換という形であったとしても、もっと高く大きな土地を受けることができたのではないだろうか、こういう感じが私はするわけであります。  しかも、いわゆる周辺の土地というのは今日本では最後に残された広大な土地で、国鉄と郵政、こういうことでございまして、それがこの業者に落ちるということは、実は昨年、国鉄の処理の問題について国会が開かれたわけでありますが、そのときに国鉄の持つ土地の処理について私は発言をした経過があります。どういう発言をしたかといいますと、橋本運輸大臣に、あなたたちは国鉄の借金を払うために国鉄の土地を売ると言うけれども、それはなかなか高く売れませんよ。なぜならば、新橋のところはビッグプロジェクトで買ってもらうことになるのだろうけれども、もう既にこれは住友というところが仕切っています。そして、国鉄の本社のところはもう三菱地所ですよ。既に大きな民間デベロッパーはつばをつけて、お互いにここは私がやりましょうということが暗黙的に言われていますよ、こういうことを実は私は昨年言った経過があるわけであります。  ということと同じように、実は住友系、大成、有楽ということになるわけですから、そのことが既に実質的に証明されてきているわけです。郵政省はそのことを承知してやっておるのかやっていないのか、ただいまのところわかりませんけれども、私は、少なくともそういう点については慎重な取り組みを図るべきではなかったか、こう思うのでございますが、その点どうでしょう。もう一回お伺いをしたいと思います。
  209. 黒川暢一郎

    ○黒川説明員 私どもといたしましては、省が必要とする最も適切な用地を取得するために交換を行ったというふうに思っておりますけれども、今後もこうした土地の取得に当たりましては、さらに諸条件を勘案しながらなお一層慎重に対処してまいりたいと考えております。
  210. 草川昭三

    草川委員 慎重にやるということでありますが、あと残りの土地というのは千九百十九平米になってきましたけれども、もし残りの千九百十九平米が同じような形で同一の業者に優先的に売買をされるということになりますと、私が今申し上げたとおりの結果になっていくわけですから、慎重に対処してもらいたいと思うわけであります。  しかも、私がきょう申し上げたいのは、どうもこの国有財産法の法律を免れるがゆえに売却先を変えながら郵政省が処分をしたのではないだろうかという疑いがあるわけであります。それはどういうことかといいますと、国有財産法第二十七条に「交換」というところがございますが、土地を交換した場合の差額が「その高価なものの価額の四分の一をこえるときは、この限りでない。」だから、きちっと大蔵大臣、大蔵省と相談しなければいかぬということになるわけでございますが、それを避けるためにひそかに分筆をしたのではないだろうかという疑いもあるわけでありますので、李下の冠ではありませんけれども、ひとつきちっと襟を正して、土地は売却であろうと等価交換であろうと、本当の意味での世人が納得をする等価交換をしていただきたい、こういうように言いたいわけであります。  そこで、これは自治省もきよう来ておみえになると思いますので自治省にお伺いをします。  いわゆる国の土地の処分に対しては地方公共団体の意見を反映するということが非常に必要であると思いますし、かかる土地でありますから東京都あるいは区の方も相当大きな関心を持っておったようでございますが、こういうような形でなし崩し的に国有財産というものが売却というよりは交換される。交換された先が、大きな民間デベロッパーが、非常に高額な土地としてそれを利用する、あるいは売却をするということになってまいりますと非常に問題があると思うのでございますが、自治省はこのような私の問題提起に対してどのような答弁をされるのか、お伺いをしたいと思います。
  211. 深沢日出男

    ○深沢説明員 お答えいたします。  一般的に、国有地の売却予定地あるいは交換予定地の中には、都市の開発とかあるいは町づくり等の観点から非常に重要なものがあるというふうに考えられます。これらの土地が売却される場合にはいろいろな優遇的な措置があるわけでございますが、交換の場合につきましても、公用あるいは公共用のための土地の取得というために行われるわけでございますので、町づくりの観点からいたしますと、必要と認められる場合には事前に関係地方公共団体と意思疎通を図るなどの措置を講じていただくのが望ましいというふうに私どもは考えております。
  212. 草川昭三

    草川委員 ぜひ郵政省の方も今のような自治省の見解等をひとつしっかりと胸に受けとめて、最後に残った土地の処理をしていただきたい、こういうように思います。  そこで、最後になりますけれども、会計検査院にお伺いをいたします。  会計検査院は六十年度もこの問題についてはある程度関係を持ってみえたと思うのでございますが、いわゆる六十一年度に同省が、今私が指摘をしました土地について、有楽土地が所有をする大阪府の茨木市の土地との交換についてでございますけれども、契約の内容が、私今もう触れておれませんが、かなり不明朗な点があります。それはなぜかといいますと、有楽土地が本当に持っていたというのが、持っている時間が非常に短い、所有していた時間が。しかも、自分が手に入れたところの土地というのは、日照権等の問題がございまして、地域ではマンション等の建設ができないという一種のきずものである。そういうような土地がにわかにここの代替として出てきておるわけでありますから、私どもが客観的に見ると、最初からできできのできレースになっておるのではないかというような疑問もあるわけでございますが、ひとつかかる六十一年度の検査については厳正な対処をしていただきたい、こう思うのでございますが、検査院の答弁をお願いしたい、こう思います。
  213. 三原英孝

    ○三原会計検査院説明員 お答えいたします。  六十一年度に行われましたただいまの港区の国有地の交換契約につきましては、これから検査を行うわけでございますが、検査に当たりましては、ただいまの御論議を十分念頭に置きながら、この交換契約が法律の定める要件に合致しているか、また交換契約に係る評価額は適正なものであったかどうか、こういう点につきまして厳正に検査をしてまいる所存でございます。
  214. 草川昭三

    草川委員 ぜひ厳正な対応を求めて終わりたいと思います。  最後。に、郵政大臣にお伺いしますが、このような国有地の処分がなし崩し的だということを私は今申し上げたわけでありますが、いろいろな問題が提起されておるところでありますので、慎重に対処すべきだと思うのですが、大臣の見解を求めてこの問題は終わりたい、こう思います。
  215. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 ただいま郵政省の浜松町の用地の処分に絡みまして、先生から国有地についての御高見をいろいろ拝聴いたしました。特に土地問題は現下の地価の状況から重要な政策課題となっております。郵政省の用地の処分につきましては、これまで公正に実施してまいったと考えております。  なお、郵便局用地の取得につきましては、先生の御指摘も踏まえまして今後とも慎重に対処してまいりたい、このように考えております。
  216. 草川昭三

    草川委員 では、土地の問題については、二度と手に入らぬわけでありますし、国民の財産でございますから、ぜひひとつ厳正な対応を求めておきたいというように思います。  次に、もう時間が余りございませんが、衛星の問題について特にNHKにお伺いをしたいというように思います。  これは七月の四日からでございますか、二十四時間放送が始まりました。その前に、難視聴解消ということでBS2aですか、それから2b、こういうものがそれぞれ打ち上がっておるわけでございますが、本放送は一体いつごろになるのか。その欠陥の問題はきょうは、申し上げようと思ったのでございますが、時間がございませんので、欠陥の問題はさておきまして、本放送の見通しは一体いつになるのか、お伺いしたいと思います。
  217. 林乙也

    ○林参考人 お答え申し上げます。  BS2bの打ち上げ以降、若干の異常はございましたけれども、第一、第二両チャンネルとも正常に放送可能な状況でございまして、この七月の四日から第一チャンネルにおきましては衛星独自の番組を編成し、第二チャンネルにおきましては地上の総合、教育の混合編成ということで試験放送による放送を開始いたしたところでございます。  ただいま本放送の開始の時期についての御質問でございますけれども、NHKといたしましては、今改めて今後BS2bの信頼性を確認するということ、それから一つにはBS2bに対します、衛星放送に対します視聴者のニーズ、そこらあたりを確認する、そういうようなことを今年度は継続する必要があるであろうというように考えております。いつから本放送に移行するかという点につきましては、現在行っております試験放送の経過というものをいましばらく見きわめた上で判断してまいりたいというように考えております。
  218. 草川昭三

    草川委員 これは、NHKは気の毒な立場でございまして、欠陥という言葉がいいかどうか、それには問題があるわけでございますが、とにかく片肺であるということは間違いがないわけですね。本放送が本来ならばとっくの昔に始まっていなければいけませんし、そのことによって収入という面も確保しなければいかぬわけでありますが、ただいまのところ非常に膨大な予算を使った、NHKだけの負担は三百六十六億円でございますか、そういう負担を行っておりながら収入という意味ではゼロになるわけでありまして、一体収入はいつごろから考えられるのか。今のお話だと本放送はいましばらく待って、こういうことですから、本放送が始まらないのに収入があるわけはないのでございますが、収入の面も含めて大体どのような展望を持ってみえるのか。  そしてまた、六十三年度、これは来年の予算をそろそろお考えになっておられると思うのですが、いわゆる聴視料を上げるのか上げないのか、これは昨年の委員会でも議論があるわけでございまして、四年周期だとか、いや四年周期と言った覚えはないとか、いろいろな議論があるようでございますね。しかも今度のソウルのオリンピック、あれは五千万ドルか幾らだったですか、非常に膨大な契約料になっておるわけでございますが、それは六十二年度の予算に入っていないようでございますから、当然のことをがら六十三年度の予算に組み込まれることになると思うのです。六十二年度のNHKの予算を見てまいりますと、土地を売却してとんとんという予算が出ておるわけでございまして、六十三年度は当然その膨大な契約料というのが入るということになると赤字になることは間違いがない。しかも今のお話で、難視聴の方からの収入も当分の間ないということになりますと、詰めていくと六十三年度はNHKの受信料の値上げということにならざるを得ないと思うのですが、その点どのようにお考えになっておられるのか、この際率直にお考えを披瀝していただきたい、こう思います、
  219. 林乙也

    ○林参考人 衛星放送の本放送への移行の時期及び衛星放送につきましての財源をどのようにしていくかということにつきまして、これが今後の衛星放送の展開の上で最も重要なことと考えて、NHKといたしましても鋭意この問題の結論を得べく取り組んでおるところでございます。  衛星放送につきましては、その料金のあり方につきまして、一つには、国民の視聴者の方々が衛星放送に対するどのような受益感を現実に持っていただけるかどうかということ、いま一つには、普及がどういうような形で進んでいくかということ、いま一つには、衛星放送の放送実施経費がどういうふうな形で必要になってくるかという三つの点を総合的に検討いたしまして、視聴者の方々に納得いただけます、いわゆる負担の方法というのを考えていかなければならぬというように考えておるところでございます。現在、試験放送の段階で視聴者の意向を十分吸収すべく努めておるところでございますけれども、一方、現在は衛星放送事業基盤の整備の段階というように考えておりまして、今後の経営のあり方、普及の見通しというものを努めて詰めていった上で、いわば負担のあり方というものを決めてまいりたいというように考えておるわけでございます。  当然、現在までは一般の受信料の中で衛星放送の必要な経費を賄ってまいったわけでございます。幸いにいたしまして、六十二年度の予算におきましても六十一年度に引き続きまして事業収支につきましては均衡を保っておりまして、五十九年から六十一年度までの三カ年間の事業計画の上で持ち越されました資金を充当いたしまして、いわば債務償還等の経費約百億というものを賄っておるところでございます。  六十二年度の予算の見通してございますけれども、私どもといたしましては、さらに事業の効率的な運営、経費の削減に努めて、極力受信者の方の負担の増をもたらさないように最大の努力をしてまいりたいというように考えております。ただし、従来の経過からいたしますと、やはり必要な事業費を賄う上で毎年百億程度の事業経費の増というものが必要になってくるというのが一般的な趨勢であるということ、さらに約七十七、八億でございますけれども、ソウル・オリンピックの経費というものがさらにそれに積み重ねられるということが現在見通される状況におきまして、六十三年度の事業運営というものは財政上非常に厳しいことが予想されるわけではございますけれども、そういった中におきましてもなお、視聴者の負担の増をもたらさない方策はどのようなことがあり得るかということで目下真剣に取り組んでおるところでございまして、六十三年度の事業計画を編成するまでにそこらあたりにつきましての方針を固めてまいりたいというように考えておるところでございます。  また、その際には、衛星放送につきましての負担のあり方というものにつきましてもこれとあわせて詰めてまいりたいというように考えておるところでございます。
  220. 草川昭三

    草川委員 時間がございませんのであれでございますが、私が一番聞きたいのは、NHKは衛星問題で犠牲者なのか、あるいはまた余裕があって、それぐらいのことは結構ですよという立場なのか。そういうことはないと思うのですね、引き取りのときに徹夜までして引き取った、こういうわけでありますから。ただ、予備機が壊れたらもうこれは全然使い物にならぬわけでありますから、その予備機の稼働によってようやく体をなしておるという現状ならば、常識的に言うならば、もっとメーカーなりあるいはNASDAなり、あるいはまた何とか機構なり、あるいは本当の星をつくったところのメーカーにNHKの犠牲というものを要求すべきだと思うのですね。ところが、そういう姿が一向に見られない。  しかも、六十二年度の予算では五十七億の鳩ケ谷の土地売却を入れてとんとんだというお話、そして必要経費が年に百億ふえるということならば、結果としては六十二年度では聴視料の値上げにならざるを得ない。だとするならば、言うべき点は言い、要求すべき点は要求しておいて国民に料金の負担を求めるなら求めるというわかりやすいことをやっておきませんと、ただ一生懸命やっております、やっております、合理化もやりますよ、しかしお金がかかりますよという御答弁ですよね。六十二年度については具体的なことは今は言えない、こういうことでは、さあ、結論が出たときに我々はもっと怒らなければいかぬことになってくると思うのですね。だから、今本来NHKとしては、対外的にはっきりとあなたたちが持つ主張を言い、役所に対して言うということが必要ではないだろうか、こう思うわけであります。  時間が来ましたので、最後に二点だけ。  これは記録に残すだけで結構でございますから、防衛庁と郵政省、OTHレーダーの電波障害について、防衛庁はアメリカへ行かれてOTHの電波障害は特段苦情はないということを調べて報告したようでございますが、その点についてどうか。それに伴って郵政省の方は、そういうことは今言うにも言えぬじゃないか、OTHというのはまだ初めてですから簡単に結論が出ないという態度だと思うのですが、その両者の答弁だけいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
  221. 宝珠山昇

    ○宝珠山説明員 御説明いたします。  OTHレーダーにつきましては、中期防衛力整備計画に基づいて検討いたしております。その一環として、本年六月十四日から二十一日までの間米国に専門家のチームを派遣いたしました。その際米国側から一現在試験運用中の海軍用、それから空軍用の、これは実運用中でございますが、これらについて調査をいたしたわけでございますが、その際に米側からは、今までの運用あるいは運用試験の中で民間から障害について苦情というようなものはなかったという説明を受けております。また、調査チームが受信所の方で受信機で聴取をしておりますが、その際の、受信の実際にやった結果で見ましても、いわゆるウッドペッカーノイズというようなものは聴取されなかったという報告であります。  郵政省の方に対してどうかということでありますが、検討の一環といたしまして、我が国がOTHレーダーを設置する場合について、準備作業の一環としてこれまで入手した資料については説明をいたしておるところでありますが、なおまた不十分な点はあるというふうに理解しております。引き続き、得られます資料を提示し検討を続けてまいりたいと思っておるところであります。
  222. 奥山雄材

    奥山(雄)政府委員 OTHレーダーが我が国において運用された場合に一般の無線通信にどういう影響を及ぼすか及ぼさないかという点につきましては、防衛庁におけるOTHレーダーの具体的な導入計画、これもまた私どもは承知しておりません。また、先ほどお話ございました防衛庁が先般実施されました現地での調査結果、こういったものをお聞きした上で郵政省としては判断をしたいという態度でございます。
  223. 草川昭三

    草川委員 以上で終わります。
  224. 堀之内久男

  225. 大矢卓史

    大矢委員 私にとりましては郵政省は二回目の委員会でございます。前回、マル優制度の廃止に対します私どもの考え方を申し上げて大臣に御意見を承りましたけれども、朝から、各委員からこのマル優制度につきましても御質問がございます。あの国会において完全に不可能と言われましたこのマル優制度の廃止を葬り去りました。現在の大臣の心境を改めて聞かせていただきたいと思います。     〔委員長退席、糸山委員長代理着席〕
  226. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 非課税の問題につきましては、先生方初め各方面の御支援をいただいて、当初存続のために努力をしてまいりましたが、結果的に政府原案作成のときに非課税制度は改定されるということになったわけでございます。  その理由につきましては、先ほども申し上げたわけでございますが、先生方の御努力によりまして非課税を存続する範囲、例外として残す範囲、これが、お年寄りは初めは七十歳以上ということでありましたが、六十五歳まで広げていただきました。また、初め母子家庭だけと言われておりましたが、それも身体障害者まで枠を広げていただきました。  そういうこともございますし、かたがた国民の皆さんは非常に所得税の負担を苦にしておられる、七割以上の方が何とかしてほしいという希望を持っておられる。そういうことを受けまして、決算委員会でもそうですが、毎年の予算の編成の最終場面において必ず所得税の減税の問題が出てくるということでございまして、所得税減税のためにはやむを得ないというように判断したわけでございます。今後は私としては税制の行方を、税制改革協議会で今御審議をされております行方を見守っておりますけれども、少額貯蓄というものは今後とも私は国民にとって重要だと考えております。  郵政省は常に、前島先生の精神じゃありませんが、思い切って新しくということで、新しい時代には新しい装いをもちまして、サービス面、商品面で国民の皆様の御期待にこたえてまいりたい、そのように考えています。
  227. 大矢卓史

    大矢委員 売上税の問題はもちろんですけれども、このマル優制度の廃止につきましても、さきの国会でこれは廃案になったということは御承知のとおりであります。これは野党四党が結束をしたということもございますけれども、やはり世論の支持、そしてまた自民党の先生方のこれに対しての陰の協力、これらを含めてのものがあればこそこれだけの大きな成果を得られた。その成果を得られた上に立っての、その当時はそういうことになっておりましたけれども、廃案になった現在の心境をもう一度お聞かせ願いたいと思います。
  228. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 重ねてのお尋ねでございますが、現在税制改革協議会で御審議をいただいておりますので、こういうときに政府の一員がとやかく申し上げることは大変私は僭越であろうと思っておりまして、今その成り行きを見守らせていただいておるところでございます。
  229. 大矢卓史

    大矢委員 自民党なり政府が決めたということで、これを国会へ出したいというときには大臣は胸を張ってこれに反対をしてこられたし、また郵政省自体も反対をしてこられた。それが今言われましたように、六十五歳でございますとか母子家庭、身障者家庭についての存続、この条件が認められたからのんだのだと言われておりますけれども、今もそういう御心境でございますか。
  230. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 私が昨年政府原案作成のときに非課税を原則的に改定するということに賛成いたしましたのは、今先生おっしゃいましたように、非課税の残る範囲が広がったということと、もう一つは大幅な所得税の減税をするためにやむを得ない、このように考えたわけでございます。  今後とも私は、恒久財源を確保しつつ、所得税減税を図るためにできるだけの努力をしてまいりたい、このように考えております。
  231. 大矢卓史

    大矢委員 これまで郵便貯金が果たしてきました庶民に対するマル優の問題、そしてまた国の財投に対します今日までの使命、これらについてどのようにお考えでございますか。
  232. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 郵便貯金の利子の非課税制度というのは、大正九年以降、非課税制度ができました当初からずっと維持されておったわけでありまして、そういう意味では貯蓄の増強に大変意義のあったことだというふうに考えております。もちろん預金者の貯蓄の増進に大きな力があったことは当然でございますが、また全国津々浦々から集められました大きな郵便貯金の資金というものが社会資本の充実のために活用されてまいってきた意義も大変大きいものがあろうと思いますし、それは税制のいかんにかかわらず、将来におきましてもそういう郵便貯金の果たすべき役割というものにつきましてはいささかの違いもなかろうかというふうに私ども考えておるところでございます。
  233. 大矢卓史

    大矢委員 先ほどからも言われておりますように、老後を過ごしていくには千五百万必要だという数字が出たようでありますけれども、本来からいきますと、老後は貯金をしないでも心配がないのだという政治であってほしい。そうなりますとまた逆に、今まで果たしてきた役割で郵便貯金の必要性がなくなってくる、そこらに非常に矛盾したものがございますけれども、やはり今現在においては貯金をしていかなければならぬ。その貯金をしていくための過程として千五百万という数字があらわされておるといたしますならば、そういう数字の一千五百万をためるまでは、ためやすいように、その利子に税金をかけるというような考え方はいかがであろうか。利子というのは利子所得であるからその所得全般にかけていくのだ、そして老後になって、六十五歳になり、また母子家庭なり身障者だけにこの税制を存続していくのだという考え方には私は根本的に相入れないものがあるのでございますけれども、その点の考え方、大臣、いかがでございましょう。
  234. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 税制に関します、特に利子課税制度のあり方につきましての先生の御意見というものは、それなりに私どもも理解をいたしておるところでございます。しかし、この税制の抜本的な改正の論議の中におきましては、現在国会におきまして税制改革協議会の中でも御議論をいただいているところでございまして、私どもとしましては、そういった国会の場におきます与野党の協議の成り行き等を十分見守ってまいりたいというふうに考えております。
  235. 大矢卓史

    大矢委員 大臣の御所見を承りたい。
  236. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 先ほどから先生が言っていらっしゃるのは、少額貯蓄の重要性、国家にとっても、また高齢化社会を迎えて国民にとって大事であるというお話で、私はそれは基本的に全く同じ考えを持っております。  したがいまして、過日、公定歩合の引き下げがありましたときに、同じように郵便貯金は下げておらない。据え置いた分もございますし、その引き下げ幅を縮小した分もございます。ややもすると、金融自由化の時代になりますと大口の貯蓄が優遇される。私は本当に、こういうときこそ小口の貯蓄を大事にしなければいけない、そのように考えておりまして、今後とも新しいサービス、新しい商品、そういう面で施策を充実いたしまして、国民の皆様の御期待にこたえてまいりたいと思っております。
  237. 大矢卓史

    大矢委員 一般的には、郵政省がこのマル優制度の廃止と自主運用というものとを取引したように伝えられておるわけである。私も、悪い勘ぐりではございませんけれども、今の二兆円なり将来十五兆円という自主運用との取引、それによって納得をした、言うなら、預金者を犠牲にして郵政省はみずからの資金運用、そういう権益を獲得した、そういうふうに理解をしておるわけでありますけれども、これによって一体どういうメリットが出てくるのか。この自主運用についてのメリットの面を御説明願いたいと思います。
  238. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 従来、郵便貯金資金の運用先というのは全額資金運用部に預託をいたしておりまして、それがいわば政策的な金利で、市場の金利より低位に置かれていたということは過去の例を見ればおわかりのとおりだと思うわけであります。  そういう状態でございますと、今後金融自由化が進展してまいります中で、一方で預貯金の金利も自由化をされてくる。したがいまして、資金を調達する面では、市場実勢を反映した預貯金の金利を付していかなくてはとても貯金が集まらない。一方、資金を運用する面だけがいわば全額資金運用部に預託されるというような状況でありますと、金融自由化に適切な対処ができないというようなことで、昭和五十七年度から私ども、この運用制度の改善ということを重要施策として要求をしていたところでございます。  昨年末の政府内の調整によりまして、一部、国債、地方債あるいは金融債等に有利に運用できる道が開かれたわけでございますが、同時に資金運用部の預託利率につきましても、市場実勢を反映できますように法定制が緩和をされたわけでありまして、そういった意味で市場金利を反映する資金運用の道が開かれたわけでございます。そういう仕組みをつくることによりまして、できるだけ有利、高利な運用に努めまして、預金者皆様方に、金利面でもあるいは各種のサービスの面でも、より一層充実したものが提供できるように努めていかなくてはならぬというふうに考えておるところでございます。
  239. 大矢卓史

    大矢委員 金利面で自由化に備えて有利に運ぶためだということでありますので、しからば、計画的に二兆円から十五兆円と今決めておられますそれを、自由化することによって定額預金の金利がどれだけ上がるんですか。
  240. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 市場金利の実勢につきましては、そのときどきの経済状況、金融情勢等々、もろもろの諸条件を勘案して決められてまいるわけでありますが、そういった市場実勢を反映した金利を付し得るような仕組みをつくったということでございまして、具体的に上がるのか下がるのかというのは将来の金融実勢にまたなくてはならないところでございます。
  241. 大矢卓史

    大矢委員 大臣、今の答弁で、定額預金の金利が上がるのか下がるのかわからぬ、今のままでいければ今のままでいけるものを、わざわざ二兆円から十五兆円の枠をとってそれを運用して、上がるのか下がるのかわからぬというような無定見な方針でこういう十五兆円という金をマネーゲームに使われたら、たまったものではないんです。それでなくともほかに影響するところが多いのを、それを今のような答弁で、上がるのか下がるのかわからぬ。当然上げるためにやるんだということを言っていらっしゃる、しからばどういうふうに上がるんだと聞いたら、上がるのか下がるのかわからぬと言う。そういう不見識な答弁があるんですか。
  242. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 先生方のおかげで、ことしから郵便貯金資金の自主運用をお認めをいただきまして、これを今中村局長が申しましたように、お預かりする方も金融自由化ですから、金利も市場金利に連動するようなものもつくっていかなければいかぬ。そうすると、お預かりする方じゃなくて運用する方もやはり自由化していただかなければいけないということで、お認めをいただいたわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、国がお預かりしているお金でございますから、まず運用に当たってはできるだけ確実にいたしたい、それからもう一つは、できるだけ有利に運用をいたしたい、このように考えております。  ただ、局長が言いましたのは、そういいましても金融市場というのは変動がありますということをきっと申し上げたと思うのですが、我々はぜひ安全、確実、かつできるだけ有利に運用をいたしまして皆様の御期待にこたえたい、このように考えているところでございます。
  243. 大矢卓史

    大矢委員 このような大事なお金を、市中やっておりますようなマネーゲームで、得をした、損をしたというようなことでやられてはたまったものじゃないのです。その点、そういう意味ではなかったろうと思いますけれども、やはり少しでも預金者を保護していく、そしてその金利の足しにしたいという純朴なお気持ちだろうと思いますので、これはこれなりに私は、今後、適正な運用をしていただきたい。町で行われておりますようなマネーゲームの中に郵政省までが入って、まじめに働くんでなくして、金を動かすだけで金がもうかるんだ、そういう風潮をやはりつくらないようにしていただきたいと思うのであります。  そして、もう一つ今度の問題で、名寄せの問題、また限度管理の問題でございますけれども、私がいろいろと説明をお聞きいたしましたところによりますと、一見それを六十一年の一月からやっておるようにお聞きするのでありますけれども、実際問題として過去九年間にさかのぼりますと、実際の限度額の管理なりまた名寄せと申しますのは非常に難しいだろうと思います。委員質問に対して十億円あれば全部できるのだということでありますけれども、実際にコンピューターを入れましてその人物を割り出し、また追跡調査をしていってその限度額なり、偽名であるかどうかということを追跡していくのにいろいろな人がかかわると思いますし、それを完全にやることによって実際にそれができるのかどうか、人の面も含めて、簡単に十億円でできるという答弁がございましたけれども、それでよろしゅうございますか。
  244. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 限度額管理の方法につきましては、従来からもそれなりに本人確認ということにつきましても意を用いてきたわけでありますが、昭和六十年の所得税法の改正によりまして、要するに本人確認は公的証明書類を提出することによって行うことになったことに伴いまして、昨年一月一日以降の預入につきましては完全に行われるようになりましたと申し上げているところでございます。  なおかつ、この郵便貯金の場合には、全国一本のオンラインシステムが完成をいたしましたのが五十九年の三月以降でありますので、よりこの本人確認の厳正化が図られることを機会に、名寄せの方法につきましても、従来行っておりました住所と氏名のほかに生年月日も入れるようなシステムを開発させていただいたものでございます。したがいまして、先生御指摘のようにその昔のものもあるじゃないかということにつきましては、なるほどそういった条件が整っていなかった時代のことでございますので、遺憾ながらあるいはあるかもわからないということでございますが、少なくとも昨年以降の預入につきましては、そういうシステムを開発して我々限度額の厳正管理に努めているということを申し上げておるところでございます。
  245. 大矢卓史

    大矢委員 今の御説明によりますと、昨年以前のものについてはできないというふうに私は御説明をいただいたと思います。非常に難しい問題でございますけれども、いろいろな例外が出てまいりましてもこの問題はやはりやらなければならぬ問題である。それにつきましては今後残された問題でございますので、より一層努力されますように御期待を申し上げておきたいと思います。  時間がございませんので、次はNHKの問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  NHKの出資会社で株式会社NHKエンタープライズというのがございます。これの会社概要によりますと、第四項目に「放送事業者等に対する制作供給事業」というのがございます。郵政省の方からいただきました資料によりますと、放送法の改正に基づいて、その中の第九条の三には「その他協会の業務に密接に関連する政令で定める事業を行う者に出資することができる。」ということになっております。その政令昭和二十五年の政令第百六十二号の「出資の対象」ということで、いただきましたその書類の中を見てみますと、一項目から十項目までございます。その頭には「日本放送協会(以下「協会」という。)の委託により、」云々ということで、すべてこの協会というのがついておりますけれども、このエンタープライズは一項目、二項目、三項目までは「NHK」云々と書いてありますけれども、四項目になりますと途端にNHKが外れておるわけであります。これらの経過について御説明を願いたいと思います。
  246. 伊藤康一郎

    ○伊藤参考人 お答えいたします。  エンタープライズの業務につきましては、先ほど先生から御指摘もありましたように、NHKの委託による番組の制作あるいは海外のすぐれた番組の購入、NHKの番組の販売というようなものを主要な目的にしております。  しかしそれ以外にも、放送番組の制作等を取り扱うことになっておりますが、これは、NHKは多年にわたりまして番組の制作を行いまして、非常に多数のすぐれた番組制作のノーハウを持った人材を擁しております、こうした人材がNHKを退職いたしまして、そのままこれらのノーハウが社会に還元されないということももったいない、惜しいことである、そういう声も聞かれますので、そうした要望におこたえするという意味を持ちまして、エンタープライズの方で、これらの退職者が再就職しまして、幾らかそういった業務も行うということでございます。
  247. 成川富彦

    ○成川政府委員 ただいまNHKの方から御説明したとおりでございます。
  248. 大矢卓史

    大矢委員 それでは一から十までのどれに当てはまるわけですか。
  249. 成川富彦

    ○成川政府委員 ただいま先生からお話がございました放送法施行令の第一条第一号に当たるわけでございます。
  250. 大矢卓史

    大矢委員 ここには民間のものを進んでやったらいいということはどこにも書いていないのですが、どういうことですか。
  251. 成川富彦

    ○成川政府委員 どうも失礼しました。  第一号では「日本放送協会(以下「協会」という。)の委託により、放送番組を制作し、放送番組の制作に必要な装置を作成し、又は放送に必要な施設を建設し、若しくは管理する事業」となっておりますが、株式会社でございますので、協会から委託された仕事だけではなくて、先ほどNHKの方から説明がございましたように、蓄積されたノーハウ等を国民に還元するといいますか、利用していただくということを実施していただいているところでございます。
  252. 大矢卓史

    大矢委員 先ほど言いましたように、放送法第九条の三で「その他協会の業務に密接に関連する政令で定める事業を行う者に出資することができる。」そしてこの施行令で言われておりますように「日本放送協会(以下「協会」という。)」云々で、「協会の委託により、」「協会に対し、」「協会の委託により、」ということで、それらすべて協会が放送する番組なり委託を受けたということが書いてあるものについて許可することができる、こういうふうになっております。いかがでございますか。
  253. 成川富彦

    ○成川政府委員 ただいまの先生のお話でございますが、出資できるところを限定列挙しておるわけでございまして、出資の対象事業としては今申し上げましたように一号から十号までがあるわけでございます。
  254. 大矢卓史

    大矢委員 これは局長、どうなんですか。施行令でこういう「協会」云々ということに関してのみこれができる。法律は、今言いましたように「業務に密接に関連する政令で定める事業」ということになっております。それをまた細かく「協会の委託により、」また「協会に対し、」また「協会の放送番組に係る著作物」「協会の放送設備」云々と、出資できる許可の内容というものをおたくの方でおつくりになって、私いただいたわけであります。  それがそういうことでなくしてそれ以外のこともやるのだという、この一項、二項、三項までは「NHK」云々となっておりますけれども、その四項で、先ほど御説明がありましたように、今までのノーハウを生かして民間の仕事もするのだということになりますと、民間の仕事をしておるこれらの業界がどこまでやられるのかと非常に戦々恐々としておるというのが実情であります。これについてどうお考えでございますか。
  255. 成川富彦

    ○成川政府委員 繰り返すことになるかもしれませんが、政令で定めておりますのはNHKが出資できる事業を限定列挙しているわけでございまして、出資を受けた会社の方の仕事としてはNHKの仕事以外の仕事をしてはいかぬということにはなっていないわけでございます。  NHKが関連事業に出資することでございますが、出資した会社に業務を委託することによりましてNHKの効率化に資するほか、関連会社から副次収入を得るというような効果もねらって実施してきているところでございます。  それで、会社に対する出資でございますが、具体的な出資につきましては、NHKの公共放送機関としての性格を踏まえまして、また本来業務に支障を及ぼさないように行われるべきだというような観点から個別に郵政大臣が認可しているところでございます。
  256. 大矢卓史

    大矢委員 これはNHKが出資をしということでありますけれども、この出資の内容を比率から見ますと六七・五%、そして、民間でいきますと銀行、わずかに第一勧銀が三・四五%、富士銀行が一・八%、その他はまたNHKの関係の機関である。このような子会社、NHKが出資をしておるという会社が何をしてもいいんだということではなくして、NHKそのものの会社である、それが民間の事業は何でもできるのだということになりますと、民間の企業というのはそれに対して大変脅威を覚える。特にNHKさんという巨大な企業はどこかで一つの歯どめが要るのではないか、その点いかがでございましょうか。
  257. 林乙也

    ○林参考人 ただいま放送行政局長の方から御説明があったとおりでございまして、NHKが出資をいたします対象事業といたしましては、「協会の業務に密接に関連する政令で定める事業」というものに対しまして、郵政大臣の認可を得て出資をいたすわけでございます。したがいまして、NHKの側からする出資につきましてはそのとおりでございますけれども、一方その出資を受けた会社につきましては、ただ単にNHKから委託を受けた業務に限定されることなく、他の業務につきましても行うことができるというように制度上はなっておると考えておるわけでございます。  しかしながらNHKといたしましては、NHKという冠を付しての事業であってみれば、公共放送としての信頼と節度を損なうことがないように十分目配りといいますか管理をしていかなければならないわけでございまして、先ほど関連事業室長の方からも御説明申し上げましたように、NHKの委託を受けて行う事業以外の事業を行う場合でございましても、従来から、NHKの番組制作につきましてのノーハウあるいは素材というものを活用するなどの中で、いわば一般の事業というものも行うことができるというような形の中で、NHK、公共放送に対する信頼を視聴者の方から失うことのないように運営していかなければならないと考え、そのように配慮しておるところでございます。
  258. 大矢卓史

    大矢委員 大臣、お聞き願ったかと思いますけれども、この会社はこの会社で、第五項で「上記に付帯する事業」として、必要と認めたらまた出資ができるのだということで、その子会社もあるわけであります。NHKさんはいろいろな団体を持っていらっしゃいますし、またいろいろな、こういう出資会社でなくして子会社を持っていらっしゃる。それが何をしてもいいのだということになりますと民間の業界の秩序が乱れてくるわけであります。今日まで民間放送を非常に支えてきた弱小の制作会社等が非常な危機に陥るという危惧を持っております。それらに対して、今後指導の面でそういうことがないようにやっていただきたいと思います。いかがでございましょうか。大臣、御所見を。
  259. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 今先生御質問されていた問題、細かい点は私もよくわからないわけでございますが、NHKは公共放送として非常な使命、重要性を持っておるわけであります。  それで、先生のおっしゃらんとすることは、放送行政についてもう少し監督を強化したらどうかということではないかと思うのでございますが、御承知のように憲法の規定、放送法の規定がございます。特に、番組ですと番組編集自由の原則がございます。また、そういう意味で事業経営につきましても、言論報道機関として我々としてはできるだけ自主性を尊重いたしたい、郵政大臣は国務大臣の中で最も自由で民主的な大臣でなければならないと考えておるわけでございまして、これも放送事業者の皆様の責任において立派に業務を遂行していただきたいと考えておりまして、またそのように期待をいたしておるところでございます。
  260. 大矢卓史

    大矢委員 大臣、何をお聞きになっていただいたかわかりませんけれども、もう一度申し上げます。  NHKは国民の聴視料、言うならば税金で成り立っておる会社だ。その巨大な会社が出資をして子会社をつくり、またそれが出資をして子会社をつくる。子会社というのはいいですけれども、この子会社という言葉が、出資ができるというのではなくして、その全額出資とも言えるような形で次から次へ会社をつくっていくわけであります。そして、それが何をしてもいいのだということになりますと、これは私は非常に問題だろうと思います。官業がやるべきこと、これはあくまでも私ができることに対して入っていかないというのが原則であろうと思うのです。  何も放送の自由とか番組編成をどうせよとかいうことを言っておるのではなしに、そういうノーハウを使うということについてはわかりますけれども、それには一定の節度というものがあるのではないか。そういうことに対して大臣は何もやらないのだということになりますと、今この席でNHKさんは何をやってもいいのだということを認められたということでどんどんおやりになる。そうなってきたときに、結果的にどういう現象が起こるかということについては私は責任を持てない。そこらをはっきりと節度を持ってやるのだということであるならばそれでよろしいですけれども、それがないならないで、郵政省の考えとしてNHKで何をおやりになってもいいのだということなら、それも一つの考えでしょうから、大臣としての御見解をもう一度お伺いしたいと思う。
  261. 成川富彦

    ○成川政府委員 先生御指摘のとおり、NHKは公共的な放送機関でございますので、おのずからその性格を踏まえて行動してもらわなければならないという点があると思います。したがいまして、エンタープライズにいたしましても、ほかの企業との間でトラブルの起こることのないように私どもも期待したいし、望むところでございます。
  262. 林乙也

    ○林参考人 NHKと関連団体との事業等のあり方につきましては、先ほど御答弁申し上げたとおりでございますが、若干補足させていただきますと、NHKが関連事業に対して出資し、そのかかわりを持つゆえんのものは、ひとえに公共放送の活性化、それから同時に効率化という両面を考えてのことと考えております。  一つには、メディアミックスの中で番組の調達あるいは制作あるいは利用、そういったものが非常に複雑化しておる中で、ただ単に放送は放送の面だけだということでの事業としては成り立たなく、また非常に経費的にも高いものにつく状況になってまいっております。また、民間のすぐれた能力というものを公共放送の中に取り入れていくという道も必要でありますし、また、NHKの持つ番組制作等につきましてのノーハウというものを積極的に頒布していくというようなことが必要であろうかというように考えておりまして、NHKが関連団体に出資し、また関連団体が積極的な事業を展開するということが民業に対する圧迫ということになるとは決して考えておりませんで、むしろ民間企業との密接な連携のもとに、放送文化あるいは番組の公共放送、民放を通ずる一つの幅広い展開というものが期待されるのではなかろうかというように考えておるところでございます。
  263. 大矢卓史

    大矢委員 良識あるNHKさんですから、今後の行動、節度ある行動を御期待申し上げておきたいと思います。  次に、会計検査院から指摘をされました「郵便局用端末機保守業務における保守費積算を業務の実態に適合するよう改善させたもの」というものがございます。これは、保守をいたします会社をこれまたつくりまして、そこで保守をいたします、その保守の部品の金利を見ておった、それが余りにも莫大であるからこれを指摘されて、その莫大な金利を下げたということのようであります。まず、これについて指摘をされ、改善をされました当事者の経営努力をお聞きいたしたいと思います。
  264. 相良兼助

    ○相良政府委員 私ども、全国郵便局で、簡易保険、郵便年金の仕事を集配郵便局につきましてオンラインで結んで提供いたしておるわけでありますけれども、これらの集配郵便局に配備をしております端末機、全国で約五千台ございます。これらの定期点検あるいは故障時の修理ということで、保守契約を結んで全社にその保守を委託しておるわけであります。  この保守単価の積算内容といたしましては、保守に当たります保守員の人件費、あるいは物件費、さらには故障修理に用いますところの部品代、それから保守員が故障を生じました郵便局に往復をいたします交通費等々、内容積算いたしまして一定の保守単価を算出いたしまして、これによりまして契約を結んでおるわけであります。  六十年度の会計検査院の御指摘は、これらの積算の中の一つの要素といたしまして部品に関連するところでございますけれども、保守会社が即刻故障時に修理をしていただくために保守拠点におきまして一そろいの部品を用意していただく。そのためにそれを用意しておくための金利が必要でありますので、一そろいの金利を一定数だけ積算の中に算出をいたしておりますけれども、これが実際の故障の実績等から見ましていささか多きに失するのではないかという御指摘をいただきまして、その結果として三千六百万円の保守費の低減ということで決着を見たわけでございます。
  265. 大矢卓史

    大矢委員 時間が余りありませんので、もう御答弁はしていただく時間がございません。  今説明がございましたけれども、普通の民間の取引でいきますと、品物を買いましたらその保守をしていただく、そのためにその会社に連絡をしたらちゃんと来てやっていただくわけであります。それを、その必要な部品代の金利ということで莫大な金利を毎年毎年払っておった。それも、これは郵政省のOBが行っております子会社をつくって、そこにお支払いをしておる。その同じようなケースが保険でなくして貯金にもあるようでありますけれども、ここはそういう算出の仕方ではない。そしてまた郵便局にもあるようでございますけれども、ここはやはり連絡をしたらすぐに来てくれるというふうに、郵政省の中でこういうコンピューターの保守と申しますか修理、それらにつきましてはまちまちの行政をやっておられるわけであります。これらもやはり、国全体がと言いたいところでございますけれども、まず郵政省の中でこういうものを管理していくための体制、やはり民間に準拠して物を考えていただかないと、今までの金利が多過ぎたからもう少し部品を少なくして金利を払ったらいいんだというようなことにはならないと思います。そういう二つの外郭団体をおつくりになって、そこで会社をつくって、そこで天下りをしてやっていらっしゃる。これらをやっていらっしゃる方は一生懸命やっていらっしゃると思いますけれども、なかなか専門的なことは難しゅうございます。これら一つをとってみましても、郵政省だけではございません、先ほどから言われておりました土地の問題等にいたしましても、やはりこれらOBというのが日本の行政の中で、また政治の中で、先輩は大事にしていかなければなりませんが、郵政省だけでなくして、余りにも定年が早いのか知りませんけれども、達者なOBが自分たちのため、また将来そこに来る人のために大きな権益を残しておくというようなことで、あらゆる、土地の問題につきましても操作をされておるように思えてならないわけであります。  私も時間がございませんので、前回質問をいたしまして残っております大阪の貯金会館につきましても引き続いて存続をしたい、そういうことも込めて、今回はこれで終わらしていただきますけれども、これら私が申しますような今後の郵政省のあり方について、やはり少なくとも事務的なレベルだけでは面を合わしてやっていただくように要望いたしておきたいと思います。最後に大臣の御見解を承りたいと思います。
  266. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 先生からはいろいろな点を御指摘いただきまして、また郵政事業につきましても、今後ともできるだけ経営の効率化を図ってまいりたいと思っております。  ただ、保守会社の件につきましては、これはやはりなかなか専門的なものでございますので、こういう専用の機器につきましては、技術の安定性、信頼性の確保及び保守の効率化の観点から、専用。の保守会社に行わせることが効果的であると考えておりましてやらせていただいておるわけでございますが、いろいろきょう御指摘をいただきましたことを参考にして、ますます郵政事業の効率化を図ってまいりたいと考えております。
  267. 糸山英太郎

    ○糸山委員長代理 野間友一君。
  268. 野間友一

    野間委員 きょう最後の質問者であります。  私は、限られた時間の中でNTTに関する問題とNHKに関する問題、この二問をお聞きしていきたいと思うのです。  最初にNTTに関する問題であります。  これは最初に郵政大臣にお聞きしたいと思うのですが、電電が民営化されて二年有余経過いたしました。私どもは反対いたしました。その理由は、当然サービスが低下するし料金の値上げが必ずやってくるという見解からでありました。  ところが、衆参本会議も含めて、各この法案の審議のときに、当時は奥田さんが郵政大臣でありましたが、奥田さんは、民営化のねらい、理由というのは、競争原理が導入されて、そして料金について言いますと、安くなっても値上げすることはないのだ、サービスもうんとよくなるのだということを随所に述べておられます。これは、行政の一体性の原則から、唐沢さんも今も同じ見解を維持されておると思いますけれども、いかがなものですか。
  269. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 六十年の四月から自由化が電気通信の分野でも導入されたわけでございます。その結果、第一種だけで十九社が参入いたしてまいりまして、六社がサービスを開始している。この秋には、さらに電話、ページング等の各分野でも新規参入事業者によるサービスが開始されるわけでございます。そして九月四日からですか、新たに東京から中部圏、関西、新しい三つの新規参入会社がサービスを始めるわけでございますが、平均して大体二割程度NTTよりは料金が下がるということでありまして、我々の電気通信改革の目的は、できるだけ安い、できるだけよいサービスを国民の皆様に提供するということでございまして、当時の奥田さんの言っていることと全く同じであります。
  270. 野間友一

    野間委員 ちょっと答弁の中身が違うのですけれども、電電公社が民営化することによって国民に対するサービスもよくなるし、料金も下がることはあっても上がることはないのだということを随所に奥田さんが言っておられるわけですね、電電株式会社。ですから、こういうような見解を今でも維持されるかどうかということをお聞きしたわけです。
  271. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 NTTが民営化されまして事業部制をとり企業意識を徹底してこられまして、その結果私の耳に入るのも、NTTが昔の電電公社よりもサービスが大変よくなったということは聞いておるわけであります。  また、NTT専用線サービスもそういうことで八月一日から一割引き下げるというようなことも伺っておりまして、できるだけよいサービスをできるだけ安くということは依然として変わっておらないと思っております。
  272. 野間友一

    野間委員 一連の審議の中で奥田郵政大臣が述べられたこと、これはそのまま今でも維持されるというふうに私は理解しておきます、今うなずかれましたけれども。  そこで、NTT側にもお聞きしたいと思うのですけれども、私もこれを全部つぶさに検討いたしました。読みました。当時の総裁、真藤さん、この方も、今申し上げたサービスの問題、特に料金の問題ですね、これは、例えば長距離を下げてそして近距離なりあるいは市内通話を上げるというようなことはやらないということを再三にわたって言明されておるわけです。これはきょうお越しの山口さんですか、とにかく皆さんも当時真藤さんが国会でいろいろ答弁されたことはそのまま今でも維持されると思いますが、いかがですか。
  273. 草加英資

    ○草加参考人 お答えいたします。  ただいま先生御指摘の、真藤が民営化の際に国会で申し上げましたことは全く変わってございませんので、そのとおりでございます。
  274. 野間友一

    野間委員 そこでお聞きするわけですけれども、これも新聞報道、コピーをたくさん持ってきたのですけれども、民営化されますと、サービスの問題は後でやりますけれども、料金について言いますと、市内通話の料金の値上げとかあるいは一〇四等の電話番号案内の有料化等々、いろいろな形で随所に記者会見をしたりその他発言をされております。  特にきわめつきと申しますか、これは日経コミュニケーションの八六年九月二十九日付、これは真藤さんですね、記者のインタビューに答えていろいろ言っておられます。これを見ますと「ローカル料金を合理的に改定してもらえば、新規参入側からアクセスチャージをとらなくてすむ」云々とありまして、そして、年末にもNTTとして新料金体系案をつくって、国会郵政省説明し、来年の通常国会で審議していただきたいと考えておる、六十二年春から新しい料金体系を実施したいということを言っておられます。これは御案内のとおりだと思います。そうすると、これは民営化のときに言われたことと全く背馳するわけですね。これはそうすると、今新しい料金体系をつくりまして六十二年春からそれを実施するということで作業を進められておるのかどうかお聞きしたいと思います。
  275. 草加英資

    ○草加参考人 お答えいたします。  私ども、事業法によりまして競争体制の中で、電信電話株式会社法の民営の中で現在仕事を進めているわけでございます。電電公社時代の独占的な料金を将来競争の料金にしていくということが一つの私どもの考え方でございますが、このことにつきましては当然主管官庁でございます郵政省を初め各方面の御理解を得、そして進めていくということでございますので、今のところ私どもとしては何も決めているものはございません。
  276. 野間友一

    野間委員 本当に決めてないですか。そうしますと、真藤さんはこれは六十三年春から新しい料金体系をつくって国会にも出して実施したい云々と言っておられますけれども、これはうそですか。
  277. 草加英資

    ○草加参考人 お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、事業の社長として一つの考え方を持ちましていろいろ頭の中で考えておる、またはそのことにつきましてそれなりの考え方を表明することはあると思いますが、これはあくまでも、先ほど申し上げましたように、郵政省の御指導を得、認可の中で解決していくべき問題でございますので、このことをNTTといたしまして決定するとか、または郵政省に御相談するという段階ではございませんので、何ら決めておらない、このように申し上げたわけでございます。     〔糸山委員長代理退席、委員長着席〕
  278. 野間友一

    野間委員 そうするとNTTとしては今のところ、例えば電話番号案内を幾らにするとか市内料金をどうするとか、それは決めてない、これは社長の心の中をインタビューに答えて言っただけだというような今の答弁の趣旨ですね。  そうすると、これは労働組合にも一〇四の有料化とかあるいは市内電話あるいは電報料の値上げ、これは提案しておりませんか。
  279. 草加英資

    ○草加参考人 お答えいたします、  組合との間では正規の手続をもって団体交渉等を行うわけでございますが、その中で一切提案したことはございません。
  280. 野間友一

    野間委員 そうするとどういうことになるんですかね。私がここに今持っていますのは全電通の中国地方本部の「活動指針」、ことしの二月一日、これはナンバー三十七ですが、これは中国地本の討論集会の討議資料として出ておるわけですね。これはみんな御案内のとおりだと思うのです。  この中で全電通の中国地本が具体的に提案したのがあるんです、「競争に打ち勝つための施策」というのが。これはお読みかと思いますし、またそうでなかったら帰って読んでいただきたいと思いますけれども、十八ページのところに「料金体系の改革」として、「赤字サービスの料金値上げ(市内通話と電報料)」、それから「無料サービスの有料化(番号案内等の有料化)」、これが必要だということが「料金体系の改革」というところで明確に活字になっておるわけですね。そうすると、これはNTTとは全く無関係にやったという、これは私はそういうふうには考えられないのですけれども、これはいかがなんですか。
  281. 草加英資

    ○草加参考人 お答えいたします。  ただいま先生のお読みになりました討論資料につきましては私どもも存じております。これにつきましては、これはこれで組合側といたしまして、組合と経営側とは別人格でございます。組合としてもいろいろの研究の対象としてこのようなことを研究していることは私ども承知しておりますが、これを団交の中で取り上げるなりなんなり、そのような形でやったことは一切ございません。
  282. 野間友一

    野間委員 そうすると、NTTとしてはまだ今申し上げた問題についてはどうするかということを正式には決めてない、こうおっしゃるわけですね。真藤さんがいろいろインタビューで答えられたり、それから今組合の資料にこれはありますけれども、あえて今の時点で結局それについてはお認めにならない、こういう状況ですね。  それは私はどうも、だって心の中のものが活字になっていますし、それから組合の資料、これは組合が勝手に料金値上げをしよう、有料化しよう、こんなことは言うはずないと思うのですよ。ですから、これは恐らくそういうような話し合い、提案をされておるというように考えるのが私は一般的な常識じゃないかと思うのですが、あえて、なおかつそれでもそういうことは決めていないと言い張りますか。
  283. 草加英資

    ○草加参考人 お答えいたします。  再三の御質問で恐縮でございますが、私どもといたしましてそのようなことを公式に決めて、しかるべき形で提案するなりまたはそれをもって働きかけたというようなことは一切ございません。
  284. 野間友一

    野間委員 そうすると、六十三年春から、新しい料金体系でいろいろな手続がありますね。郵政大臣の認可もあります。国会審議もあります。そういうような六十三年の春をめどにして作業を進められるというふうなこと、これは真藤さん言っておられますけれども、そういう方向というのはNTTとしては実際はないわけですか。
  285. 草加英資

    ○草加参考人 お答えいたします。  六十三年春というのは、六十年に事業法が成立いたしまして、その際に三年後の見直しという条項が先生御存じのように入っているわけでございます。そこで、六十三年春にどのような見直しが行われるかということは、これは政府の問題ではございますが、私ども事業者といたしましてもしそういうことがあれば一体どのようなことが考えられるかということにつきましては、当然事業者の立場からいろいろと検討はいたしております。ただし、それは先生が先ほどから御指摘のように値上げとかその他決定的な形で検討しているわけではございませんで、あらゆる角度からこのような場合にはこうなるだろう、このような場合にはこうなるだろうと、いろいろな案を事業者の責任として検討はいたしておりますが、何ら決めたものはないということは先ほどと同じでございます。
  286. 野間友一

    野間委員 NTTの真藤さんは、私今いろいろな新聞、資料を持っておりますけれども、言っておられます。例えば市内について言いますと、今は三分間十円ですね。これを一分間十円にするとか三分間三十円にするとか、三倍化ですね。そういうことをいろいろなところで言っておられます。実はそうなったら一体どうなるのかということを我々試算してみたんです。といいますのは、電話というのは国民の生活の基本にかかわる非常に大事な問題ですね。しかも一般家庭用というのは電話加入者の大半ですね。これは御案内のとおり。しかも大体普通の家庭の電話の七割から八割までが市内通話というようなことですね。そうすると、これは大変な影響が出てくるわけです、  実はNTTがごく最近全国電話利用実態調査をやられまして、それでいろいろ調査しておられます。この調査を基礎にしまして、もし一分間十円ということで値上げされた場合一体どうなるのか。これについては、例えば中遠距離ですね、これは平均二〇%引き。あるいは近距離については、二十キロまで三三%高、六十キロまで三七から七五%安。これは大体今まで言われている例えばNCCあたりの新しい電電、そういうものの動きの絡みも見ながらいろいろ試算してみたんです。  そうすると、市内料金、これはNTT実態調査の数字を踏まえたのですけれども、大体一カ月一加入者当たりの平均値ですね。市内で現行八百六十九円、これがもし一分十円になりますと千六百五十九円に値上げ。これは一つの試算です、平均です。あと、今申し上げたように中遠距離等はこれは多少安くなります。トータルしますと、一カ月約五百円、年間にしたら六千円の値上げ。しかもこれは電話番号案内の有料化というのを全然考慮せずに計算したらこうなるのです。  今内部でいろいろな試算をされておるというお話ですけれども、一分十円と仮定した場合大体このようになるんじゃないかと思うのですけれども、いかがなものですか。
  287. 草加英資

    ○草加参考人 お答えいたします。  ただいま先生の御指摘のありました数字、私ども今お聞きしましたので分析する余裕はございませんが、私どもでいろいろな角度から試算していると申し上げましたのは、単純に市内を値上げするとか市外を下げるというようなことではございませんで、いろいろな条件、いろいろな角度から検討いたしておりますので、今の数字が果たして実態に合っているかどうか、ここでお答え申し上げるわけにはまいりません。したがいまして、私どもといたしましても仮定の考え方でございますので、私どもの数字を今御指摘を受けましてもちょっとお知らせするわけにはいかない、このように考えております。
  288. 野間友一

    野間委員 これも我々一つの試算ですから、これが全く正確かどうかそれはわかりません。今も言われましたけれども、新しい料金体系と称するものを我々大分見ました。例えば市内のエリアを府県単位に広くするとか、いろいろなことを言われていますね。だからそれは私もよく承知しておるんです。ただ、一つの試算として中長距離を下げる、NCC並みに二〇%あるいは二五%下げる、しかし市内は上がるということになりますと、差し引きしますと上がることは間違いないわけですね。下がることはまずないし、試算でもそうなっているわけです。  郵政大臣、お聞きしたいのは、申し上げたように電話というのは国民の日常生活に最も密着した大変重要なものなんですね。ですから、これは前の法案審議のときにも政府答弁もいろいろありますけれども、サービスの向上と、それから値下げはしても値上げはしない、この立場はやはり堅持してNTTを指導してほしいと私は思います。いかがですか。
  289. 唐沢俊二郎

    ○唐沢国務大臣 今先生のお挙げになりました、いろいろ新聞でにぎやかに出ておりますが、私どもはNTTがいろいろ料金の原価計算をしたり収支構造を研究しているという話は聞いておりますが、具体的な話は全然聞いておりません。  繰り返しますが、電気通信改革の大きな目的は、よりよきサービスをより安い料金で提供しようとするものでございます。したがいまして、NTTの市内電話料金は、国民生活社会経済活動に深くかかわっているものでありますから、その改定の影響は極めて大きいものでありまして、軽々に値上げを行うべきではないと考えております。郵政省といたしましては――大事なところですからね、ちょっとポイントを。今後NTTがより一層の経営努力を行い、市内料金を値上げして長距離料金を値下げするという形でなく、制度改革の趣旨に沿って料金全般を低廉化していくことを期待をいたしております。
  290. 野間友一

    野間委員 今の改革の問題が一つの問題なんですけれども、それはそれとして今お聞きしておきますが、番号案内の有料化についてはいかがなんですか。  これは例えば、今加入者がふえまして、この前ちょっと申しましたけれども、電話帳を個人の家庭に配付するあれが非常に少なくなって、一〇四、一〇五の世話になるのが非常に多いわけですね。これは何かの本を読みますと、NTTではこの損失が年間三千億を超えるというようなことを言っておりますけれども、これは別にして、本当かどうかわかりませんけれども、この番号案内の有料化は大変な問題になるわけですよ。これについては今唐沢さん触れませんでしたけれども、これもやはり有料化してはならぬと思うのですけれども、いかがですか。
  291. 奥山雄材

    奥山(雄)政府委員 一〇四の有料化の問題につきましては、先ほどNTTの草加常務の方からお話がございましたように、現時点NTTとしてこれを決定したという事実はないということでございますので、郵政省としても、これを現時点で有料化するというようなお話あるいは御相談を受けておりません、したがって、それで話が済むわけですが、仮に今御指摘のありましたようなことが提起されました場合には、やはり一〇四、番号案内というものが長年にわたってNTTサービスの補助的なサービスとして定着しているというこの実態を踏まえまして、これにかかわるコストの問題あるいはその利用実態の詳細な分析検討、さらにはこれを取り扱う場合に、従事する服務の実態の分析等、総合的に勘案をして決定すべきものだろうと思います。
  292. 野間友一

    野間委員 決定の仕方について聞いてないのですよ、端的に答えてください。  合理化の問題についてNTTにお聞きしたいと思うのです。  これは私も資料を持っておりますけれども、今全国的にどうするかということと、各セクションというか、各支社等々をどうするかということで、相当具体的に、規模もそれから人員もいろいろそろばんをはじいていますね。  これは「経営改善施策」、六十五年をめどにしたものですけれども、これを見て私驚いたのです。今管理職も含めて二十九万四千人ばかり職員がおるわけですね。ところがこれをいろいろ見ますと、例えば交換部門では四万三千のうち九千人減らす、伝送は七千のうち千人減らす、云々云々とあります。保全部門でネットワークを入れますと二万三千人、あと電話交換、営業、電報あるいは管理共通ですね、これを合わせますと、六十五年の時点で要するに五万九千人全社から合理化されるということを数も全部出ておるわけです。これは私、和歌山ですけれども、和歌山の支社に和歌山分をおろして組合の討議にもなっておりますけれども、これは具体的に決まったもので、もう既にそれぞれおろして組合で討議してもらっておる、こういう段階ですか。
  293. 浅原雅邦

    ○浅原参考人 お答えいたします。  先生御指摘の、民間になりましていろいろな合理化施策を打っております。その中で、今保全部門のお話でございますが、いろいろな合理化の仕方もございますし、新しい機器もどんどん入ってまいりますので、そういうのを利用しまして、できるだけ合理化していきたいということでやっております。  今先生御指摘の保全部門に限っていきますと、保全部門の合理化ということで、要員の減という、要員の数字を入れたものではありませんけれども、いろいろなやり方をやっていきたいということは、本社と本部の間で一応の了解はできております。御案内のとおり、本社、本部でできましても、あと地方の労使でいろいろな具体的なことを話し合ってまいることになりますので、それができ上がるとかでき上がらないとかいうところには今いっていないという状況でございます。
  294. 野間友一

    野間委員 それは知っておるのですよ。  それで、全社的には五万九千になるわけですよ。保全だけではなしに、先ほども挙げましたけれども、電話交換が四万二千人から一万七千人減らすとか、営業が六万のうち四千減らすとか、電報が一方、それを四千人減らすとか、それから管理共通が七万九千、そのうち一万一千減らすとか、これは全部具体的に数字が挙がっております。合理化の措置と一緒に数も全部出ております。ですから、これは間違いないと思うのです。これを受けて、そして各地方にずっとおろしておられる。  これは全電通の和歌山の支部の機関誌です。この中にもちゃんと書いてあるのです。「昭和六十五年を展望した「新たな経営改善施策」を出させるに至り本年一月二十日に、その内容を付した討議資料が職場に下ろされ、」云々と。だから全部数字も入っております。例えば和歌山でいいますと、現在、六十年末三千八十人、過員が二百十五人。これをずっと六十五年を展望して九百十人合理化していく。場所と数字が全部入っております。  ですから、これは相当下までおろして、今、組合討議されておる。これは決まったものじゃありませんけれども、そういうことで五万九千、それを全部割り振りしておろしておるということは間違いないでしょう。
  295. 浅原雅邦

    ○浅原参考人 合理化施策、先ほど言いましたようにいろいろな形の施策を打っていくわけでございまして、その間に、ツールと申しますが、合理化するためのいろいろな機械化等のツールのでき次第によって違いますし、それがいつごろ入ってくるかによっても違いますので、一応我々が試算として持っている数字に先生が御指摘の数字があることは事実でございます。ただ、これがうちでいきますと例えば一番主流であります全電通とその要員数も含めて合意ができ上がっているとか、そういうものではございませんで、一つの試算ということで御理解願いたいと思います。
  296. 野間友一

    野間委員 この中で、おもしろいのですが、一つこういうのがあるのです。電話交換のところで電話番号案内の有料化というのがちゃんと入っているのですよ。だから、番号案内の有料化というのは、それを決めておるのは間違いないと思うのです。ちゃんと入っておるのです。だから、いろいろ言われますけれどもどうも危ない。このことは本当に国民へのサービスは低下すると私は思うのです、正直言って。  例えば和歌山でもC局、有人局、無人局、いろいろありますね。合理化されまして人がいない局ができる。そうすると、地域の住民へのサービスの低下、これは過疎のところでまた相当加速される。それから一〇四にかけてもなかなか出ないところとか、あるいは電報、一一五ですか、かけてもなかなか出ない。これは前から指摘されているように今でも大変な状況の上に、これだけ、二十九万四千人のうちで、計画で五万九千人の合理化ですと、約二〇%ですね。これは相当なものです。これは退職者もありますし、子会社に移すとか出向とか、いろいろあるようです、これを見ますと。しかしそれは二十九万四千人のうちの五万九千人ということになりますと、大臣、相当なものですよ。だから、これはやはり相当慎重に労働組合との間の協議、もちろんここでまとまらなければなりませんけれども。と同時に、やはり国民へのサービスという観点から考えて、これで果たしてサービスがよくなると思うのかどうかというと、これはだれに聞いても、そうじゃないと言いますね。それから職場の労働者に聞きますと雇用不安が非常に多い、これも事実のようであります。  したがいまして、私は、こういう計画について十分再検討して、そしてサービス低下にならないように、また労働者の雇用不安を解消するという点から、とにかくめちゃくちゃなことだけは、めちゃくちゃかどうかは別にして、ひどいことはやはりやめていただきたいということが私の要望であります。その点、いかがですか。
  297. 草加英資

    ○草加参考人 お答えいたします。  私ども、株式会社になりまして、効率的経営を図りながら料金はできるだけ使いやすい料金でお客様にサービスを差し上げるということが目的でございます。そのためには要員もできるだけ効率的な形で働いてもらうということが目的でありますが、今先生御指摘のようにそれが労働強化につながるということは全然考えておりません。私どもの社長が常々言っておるわけでございますが、合理化というのはツールその他できるだけ楽をして働けるようなものを開発して、それによって効率的な、労働者が仕事を楽しくやっていくということが合理化でございまして、人を減らして労働強化をして効率的な経営をやるということは毛頭考えておりませんし、またそのようには進めておりませんので、御了解いただきたいと思います。
  298. 野間友一

    野間委員 アクセスチャージの問題についてもお聞きしたいと思ったのですが、あとNHKのこともお聞きしたいと思いますので、これは省略しますけれども、大臣、NCCですね、これは新料金をもう認可していますね、六月二十九日。大体二〇%あるいは二五%引きですね。  それで、これは真藤さんの今までの見解等を聞きますと、要するに、市内の料金は赤字だから値上げしなければならぬ、そのためにはNCCからアクセスチャージを取らざるを得ないとか、いろいろ随所で言っておられるわけですね。ところが、これは取らないということを前提でNCCに対する新しい料金認可を郵政大臣されておるわけです、あとの工事料とか取りつけ料とか、それは別ですけれども。それから単純加算方式ですか、市内一通話幾ら、これはそのとおりのようですけれども。ところが、肝心なアクセスチャージについては実際NTTも請求してないし、郵政大臣も、郵政省もそれは取らないことを前提で新しい料金の認可をされておるように私はいろいろな資料から拝見するわけです。そうすると、これは市内料金の値上げ等々が前提ではなかろうかというふうに思えて仕方がないのですけれども、それはそれで、時間がありませんのできょうは意見だけ申し上げておきたいと思います。  NHKにお聞きしたいと思います。NTTはもう結構です。ありがとうございました。  NHKにお聞きしたいのは要するに難視聴の解消、このこと。これは放送法の九条四項ですね。要するに受信できるような措置を講ずる義務ということによって、例えば共同受信施設ですね、こういうものをつくって難視聴の解消に努められた。私はこれは評価しております。今、NHKについて言いますと、難視聴世帯が四十二万世帯、しかし実際には十万世帯、これは国会でも何回も数字が出ております。  私はそのことはそれとして、申し上げたいのは、共同受信施設、これをNHKは六十一年度末までに一万七百施設をつくって七十五万八千四百六十世帯、そうですね、それからあと郵政省もありますけれども。今申し上げたのは設置状況ですが、それから、あとずっと更新、更改をやっておられますね。それを見ますと、六十一年度末までに二千八百三十七施設、二十四万九千世帯に対して施設の改修、更新をやっておられます。地上放送を受けるというのはやはり国民の受信する権利でもありますし、今申し上げた九条の四項によって受信できるように措置をしなければならぬという責務がありますから、これに基づいてやっておられると思うのです。ですから、これは今後も引き続いて更新、その際に、今までの取り決め要綱やあるいは覚書に従って今までどおり施設の更新をされると思うのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
  299. 林乙也

    ○林参考人 ただいまお話がございましたように、六十一年度末におきましてNHKの施設いたしました共聴施設は約一万七百施設、世帯にいたしまして七十五万八千世帯の者に対しまして措置をいたしておるところでございます。  今後の共同受信施設の更新等でございますけれども、受信機器の性能向上によりまして、共同受信に依存しなくても個別の受信が可能な世帯もふえておりまして、受信者からの意向次第でございますけれども、NHKの辺地共同受信施設につきましては、当面、受信者の御要望を伺いながら従来どおり施設の更新を実施していきたいというふうに考えております。
  300. 野間友一

    野間委員 郵政省は五十八年度まではこれをやっておったわけですね。今まで何ぼやってきたか調べてみましたら、五十四年度から五十八年度まで八百九十四施設、九億四千万かけて約二万五千世帯、これが難視聴解消されたということです。これは郵政省、そうなっておりますね。  しかし、これは五十八年度で補助金を切っておるわけですよ。しかし、これは九条の四項で協会が受信できるように措置をしなければならぬけれども、散在あるいは狭域化したそういう中ではなかなか財政的にも難しいということで郵政省がずっと補完的にやってきたと私は思うのです。これは地元へ行きますと、続けてやってくれ、今まで九億四千万でしょう、あと補修ですから、金にしたら大したことないですよ。これはほっておいたらまた難視聴地域がふえるわけです。今やった二万五千世帯がまた難視聴地域になるわけです。これは補助金の打ち切りではなくて、わずかな金ですから復活させるべきだと思うのですけれども、いかがですか。
  301. 成川富彦

    ○成川政府委員 先生今御指摘のように、五十八年度まで国庫補助金によりまして辺地難視聴解消のために共同受信施設を設置してまいりました。金額は九億三千九百六十八万三千円でございます。  それで、五十八年度で打ち切った理由でございますが、御承知のとおり難視聴地域が徐々に解消してまいりまして、非常に全国的に散在し狭域化してまいっておりまして、それで解消効率が悪化してきたことから、衛星放送による全国的規模で解消することにしたために打ち切ったわけでございまして、さらに再開することにつきましては財政上極めて困難な状況にあるわけでございますが、今後とも難視聴解消は大変重要な事項でございますので、地上放送の受信向上につきましては、受信相談を多くしたりあるいはアンテナの高性能化等の指導をあわせ行いまして難視聴解消に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
  302. 野間友一

    野間委員 いや、補助金を出して難視地域が解消されておるわけです。NHKが中心で、しかも郵政省もやったわけでしょう。二万五千世帯が恩恵を受けておるわけですね。  ところが、これはつくったけれども、十年とか十五年とか寿命があるわけですよ。これは国の補助それから自治体と受益者がそれぞれ負担してやっておった。それで一世帯当たり大体五万円以内で皆助かっていたわけですね。ところが、これは寿命がきた場合にこれの補修が必要なのです。だから、新しくつくるのではなくて、補助を出してつくったわけですから、これは更新のときにはせめて従前どおり応分の補助を出す、必要な分の三分の一なら三分の一で結構ですけれども、郵政省が切っていますから、自治体皆切っておるのですよ。また難視地域がふえますよ。衛星放送なんかで代替できないわけでしょう。ローカル番組など、NHKが努力して今一日二時間になっております。これも受けられない。これは代替性がないですよ、教育と総合とちゃんぽんにしておるわけですから。だからどうしても地上放送が原則ですから、これを受けられるように、これは当然だと思うのですね。しかも今申し上げたように、法では措置義務があるわけですよ。これはわずかな金ですから、やはり復活するようにひとつ努力してほしい。いかがですか。
  303. 成川富彦

    ○成川政府委員 今申し上げましたように、難視聴解消は重要な事項でございますので、高性能アンテナの整備あるいは受信相談等を行いましてできるだけ解消に努めていきたいというふうに思っておりますが、補助金の再開につきましては、財政上非常に難しいということを言わざるを得ない状況にはあります。
  304. 野間友一

    野間委員 そうすると、結局また辺地の難視聴地域、これは実際、ほっておいたらもう見られなくなりますから、これはえらいむごいことです。  それからもう一つ。時間がありませんから最後に一つだけです。  都市難視、都市の難視について言いますと、政府関係のいろいろな諮問機関等々を見ましたら、これは法的な措置をしなければならぬ。例えば複合難視ですね。建物が一つのっぽが建ってそれの障害というのは、これは因果関係がよくわかりますけれども、今、のっぽのビルが林立する。それでどこのだれが、要するに加害者というか原因者がわからない、こういうのが随分ありますよね。これについて本当にきっちりせぬことには、どんどんどんどん都市の難視はふえておるでしょう、六十何万世帯ですかね、どんどんふえていますよ。だから、法律上の措置とかやはりせぬことには、辺地難視と同様に今度は都市難視が非常に深刻になっておりますね。この具体的施策は何をするのか。これは法の制定も含めて強力にやるべし、このことで答弁を求めたいと思うのです。
  305. 成川富彦

    ○成川政府委員 都市受信障害の関係につきましては、従来から原因者負担の原則の考え方に基づきまして当事者間協議による解決ということで指導してまいったところでございます。種々施策を講じておりまして、新たに発生するものについてはかなりの部分解消はされておるわけでございますが、先生今御指摘のように、複合障害がふえていることも事実でございます。法制度化できないかというようなことでいろいろと従来から検討してまいったところでございますが、なかなか関係者間の合意に至りませんで現在に至っているのは事実でございます。  その解消方策につきましてもできるだけ早期にできるように実施していかなければならないとは思っておりますが、あわせて受信障害防止、解消につきましては技術開発もあわせて推進していかなければならないというふうに考えているところでございます。
  306. 野間友一

    野間委員 時間が参りましたので終わりますけれども、結局辺地は辺地でまた衛星放送では代替できないいろいろな問題があります。それからまた、新たに都市の難視というのがふえておる。しかし、これについては今局長のお話でも法の制定がまだできない、今準備中というか検討中だというようなことです。しかし、これはだれが原因者かはともかくとしても、受け手というか見る者が見られないというのは大変な被害なんですから、早期に、早急にこれらの施策を強力に進めるということをぜひお願いしたい。これは一言で結構ですから最後にもう一遍答えていただきまして、質問を終わりたいと思います。
  307. 成川富彦

    ○成川政府委員 先ほどもお答え申し上げたとおりでございますが、都市難視の問題につきましては、いろいろと複合的な要因もございまして、原因者負担といっても一概に決めつけることのできない部分もありまして、また関係当事者の数が非常に多いものですから、法制度化といってもなかなか合意に達していない状況にございます。あわせまして、電波を吸収するフェライトといいますか、そういう面の受信障害解消に結びつくような技術開発等々も行いまして、できるだけ都市難視が解消できるように努力していきたいというふうに思っております。
  308. 野間友一

    野間委員 終わります。
  309. 堀之内久男

    堀之内委員長 次回は、来る二十九日水曜日午前九時五十分理事会、後前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時四十五分散会