○田渕哲也君 もちろん内需拡大と要らない経費を節約する行政
改革というのは、私は両方ともやらなくてはならないと思うんです。
ただ、
財政の
状況もわかりますけれども、子孫にツケを回すという意味がやや違うのではないかと思うんですね。といいますのは、国債をたくさん発行しておるというのは、今の
国民がぜいたくして国債を発行しておるわけではない。みんな節約して貯蓄したもので国債を買っておるのであって、今の世代がぜいたくして国債を残すわけじゃありません。国債というものは
国民と
政府との借り貸しの問題であって、今の日本人の世代がぜいたくをしておるから国債が多いわけじゃないんですね。それから国債残高があるということは、
国民の
政府に対する債権もこれは受け継がれるものでありまして、別に子孫にツケを回すというようなものではない。そういう
政府と
国民との借り貸しの問題であるし、
財政における分担の問題であって、これは
国民の
合意さえあればいつでも改善できるものである。ところが、世界経済の中におけるいろんな問題というのは今手をつけなければならない問題である。やはり優先順位というものをしっかり
考えてやるべきではないかと思うんです。
それから内需拡大についてお願いしておきたいことは、やはり何が何でも間に合わせ的に金を出して、公庫事業さえやればいいといった発想はおかしいと思うんです。やはり二十一世紀を踏まえて、二十一世紀の
国民生活に夢を与える、豊かにする、ビジョンを持ったちゃんとした計画のある内需拡大をやってもらいたい。
具体的に言うならば、やはりこれからの新しい都市づくりをやるとか、住宅投資が進むようにするとか、生活環境を豊かにするとか、あるいは均衡ある国土の発展とか、こういった見地から二十一世紀の日本を築くための内需拡大策というものを出してもらいたい。各省が、今までのシェアに従って公共
予算はおれのところはこれだけ取らぬといかぬとか、各省の縄張り争いとかあるいは分捕り合戦とか、こんなことでは困ると思うんです。それからまた総論賛成、各論反対でも困ると思うんです。そういうやはり基本的に日本のための将来を踏まえた内需拡大に
国民の貯蓄をどう使うか、そういう観点から
考えていただきたいと思います。
時間がなくなりましたので、
総理の御答弁を伺って私の質問を終わりたいと思います。