○長田裕二君
国民生活に関する
調査会の
調査結果について御
報告申し上げます。
本
調査会は、その設置の趣旨に沿って、長期的かつ総合的な
調査を行う観点から、具体的な
調査項目として「国際化に伴う
国民生活の対応」を取り上げることといたしました。
調査会は、まず、「国際化に伴う
国民生活の対応」全般について、八人の参考人から三回にわたって
意見を聴取した後、個別のテーマとして「国際化に伴う
国民生活の現状」、「国際化に伴う教育上の諸問題」、「国際化に伴う住宅・
生活環境上の諸問題」及び「国際化に伴う食料品価格・流通機構上の諸問題」について多数の参考人及び
政府から
意見を聞きました。
諸般の事情から、予定していたテーマのすべてを
調査することはできませんでしたが、五月八日、各
委員による
意見表明が行われました。
以上、八回に及ぶ審議のほか、アジア福祉教育財団の国際救援センター、大蔵省東京税関の東京航空貨物出張所及び財団法人海外職業訓練
協会の海外職業訓練協力センターを視察いたしました。
そこで、
調査会は、以上の
調査を踏まえて
中間報告を作成し、五月二十日、
議長へ
提出いたしました。
以下に
報告書の
内容を簡単に御紹介申し上げます。
まず、国際化についての基本的認識及び姿勢について述べております。
近年、国際化が進み、人、物、情報などの国際間交流が極めて活発となり、
日本と諸
外国との相互依存関係が強まっております。その結果、もはや
日本の経済社会は、
日本人のためにのみ運営できる
時代ではなくなったことを痛感いたします。
このような中で、世界のGNPの一割以上を占めるに至った経済大国
日本は、平和国家の立場で世界に貢献することが必要であります。また、国と国、民族と民族、人と人との関係は互恵平等の原則で組み立てるべきであり、お互いの文化や立場の違いを認めた上で、常に共通の利益を追求する態度が不可欠であります。
次に、国際社会から
日本の
国民生活の水準を見ております。特に、欧米主要国と比べて見劣りする住宅及び
生活環境、食料品の価格、勤労
条件等の分野について、国際比較を行いました。
次に、国際化に伴う
国民生活上の政策課題について述べておりますが、その項目は多肢にわたっております。すなわち、海外広報及び海外子女教育の充実、在日
外国人に対する住宅・医療等の
生活サービスの向上、海外留学生の
生活条件の改善、
外国人研修生及び青年海外協力隊員のアフターケア、国際組織への派遣職員の増員、発展途上国の人材養成に対する援助の強化などであります。
さらに、以上の
調査を踏まえて五項目の提言を行っております。それらは
国際化時代の
国民生活の充実、英語教育の根本的改革、在日
外国人の就業機会の整備、
国際化時代にふさわしい都市づくり及び文化の交流と振興であります。
以上が
中間報告の要点であります。
なお、
報告書の
内容並びに一部の
委員から出された
意見につきましては、
会議録で御
承知願います。
本
調査会におけるこれまでの
調査において立法
措置を講ずるまでの結論に至っていませんが、それぞれ関係方面において適切な
措置をとられるよう期待いたします。本
調査会においても引き続き
調査を進めることとしております。
他方、
日本をめぐる昨今の情勢から、従来の外需依存型経済から内需主導型経済への切りかえが厳しく要請され、このため、
国民生活の質の向上につながる内需
拡大策の推進が重要な政策課題として浮上してきております。
以上の情勢を踏まえ、本
調査会は、今後、
国民生活向上の諸課題について鋭意検討を進める所存でございます。
以上、御
報告申し上げます。(
拍手)
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