○三治
重信君 そこで、最近僕も一つ参加しているんだけれ
ども、愛知の方で植林に参加してくれぬかというので、一口五十万円だ、六十万円まで贈与税がかからぬからというので、孫二人のために一口ずつやってやろうと、こういうふうなことで資金参加をしている。それから、農水省のやっている宣伝パンフレットをもらったら、発想としては実にいい「ふれあいの郷」という、苗を植えるとか山荘をつくるとかいう非常にいい発想があるわけなんだ。
水源税なんかよりこの方がよっぽどいいと思うんだ。こういうふうにみんなに資金を出してもらって、木を植えましょう、そしてあなたたちの子や孫が利用できるようにうちの方で管理をしてあげますと。
林野庁は今や一番金持ちの地主なんだから、土地を有効に利用して、国民に提供して利用してもらうという発想をやったら、そんな
水源税なんという発想は全然必要なくなっていくと思うんだ。
殊に、こういうふうな民間資金を導入しようという場合に、僕は別荘を建ててあげるというのは非常にいい発想だと思うんですよ、しかもそこで木を使うということは。こういうことをもっと大々的にやって、地主らしく金もうけなり山を保存するということを本気になってやったらいいと思う。これは今農水省だけでPRをやっているけれ
ども、実際PRが下手だね。もっとデパートなりそれから不動産業界なり旅行業者にこのPRをやって募集してみさせたら、僕は非常にたくさん参加するのじゃないかと思うんですよ。
それからもう一つ進むと、僕がチェコスロバキアに五、六年前に行ったときに、プラハの郊外でセカンドハウス、セカンドハウスということを非常に聞いた。そのとき、郊外に行ったときに外務省の人がそんなところに入らぬでくれ、入らぬでくれと言ったけれ
ども、あそこでセカンドハウスをつくっているから見に行こうと言って見に行った。そうしたらみんな労働者が自分でつくっている。そのつくる材料は一つのパネル式になっていて、組み立て住宅式に壁や窓や窓枠なんかをみんな売っているわけだ。それを買って持っていって、それで家族みんなして、また二、三軒で共同して、そして山荘をつくっているわけだ。そういうふうなことがあるし、その周りに木を植える、それからまたその付近でさらに植林地を売り出すというふうなことをやればいい。これは非常にいい発想だと思う。問題は販売力だと思うんです。販売力ももっと民間業界を使ってやってみたら、僕は非常に反響がありはせぬかと思うんですよ。そういうふうなことで、国有林というのを民活やそれから国民の福祉にもっと活用しようというところへ入ってきたのは僕は非常にいいことだと思うし、こういう発想がなければおかしいと思う。
そういうことで、ひとつ
水源税なんという変なものを考えぬで、もっと、こういう山をつくり、そして国民が材木をつくって、それでうちもつくるし、そしてレクリエーションや遊ぶこともできる、そして山に親しむこともできる、そしてまた
水源涵養にもなる。農水省的な発想をすれば、数え上げれば六つも七つもプラスの理由がつくと思うんです。それをひとつぜひやってもらいたいと思うんです。
それから漁業
関係で、埋立地や沿海工業の発達によって沿岸漁業というのは随分痛めつけられて、僕はどっちかといえば沈滞しているのかと思ったら、それは大いに違って、いや、全体とすれば沿岸漁業の漁獲高は非常に高くなっておりますと、こういうことなので非常にいいわけなんだ。それで、僕が一番関心があるのは魚田、いわゆる栽培漁業と漁港との関連づけです。それで聞いてみると、どうも漁港は漁港でつくる、魚田や栽培漁業はまた漁港とは全然別だ、しかし結果としては何か結びつくでありましょうと、こういうような
説明なんですが、せっかくいい漁港をつくり漁船があるなら、そのできるだけ近いところで魚田や魚礁やそういうものと関連づける必要があるのではないか、こういうふうに僕は思います。
それからもう一つは、これは質問通告の中には入れていなかったから
答弁はいいですが、ひとつぜひ考えてもらいたいのは釣り人対策です。漁港に釣り舟の係留地、それから舟だけじゃなくて、そこへ行く人の自動車の置き場それから着がえ場所、そういうふうなものをぜひ付設してもらいたい。釣り舟というのは漁港の近くの漁民が非常にもうける
対象になるわけだ。ところが実際行ってみると、愛知県なんかでも、そういう釣り人対策のための旅館みたいなものはえらい立派なのがあるんだけれ
ども、自動車の置き場が一つもないし、着がえ場が一つもありはせぬ。それから行ってみると釣り舟そのものが特別なところにあって、本当の専門の漁業者じゃなければ乗り降りできぬような格好で、大変な危険を感じてしか釣り舟に乗れないというのがあるから、この釣り舟対策を漁港の
整備の場合にひとつ考えていただきたい。これは質問通告していないからお答えはいいけれ
ども、ひとつぜひ頼みます。
それからもう一つ、時間がもうないんですが、これは
大臣にも御
意見があったらお聞きしたいと思うんです。最近、二百海里になってからソ連やアメリカに対してどんどこどんどこ後退する印象ばかりを我々は受けるわけなんです。それは、二百海里でその二百海里以内はおれのところの魚だということになっていけば、そこへ船を出せばだんだん制限されるのはこれは理の当然だろうと思うわけなんで、それに対して抵抗するために一生懸命入漁料ばっかしどんどこどんどこ毎年何億と高くしている。えらい高いものになるんだったら、どうせあなたのところの魚だったら私の方でとってあげましょう、とることを我々の方でやらしてください、とったものはみんなあなたのものだと。いわゆる委託漁業、とったものはあなたのものだ、それで我々がみんな買ってあげましょう、こういうふうな委託漁業方式でやれば船も漁民も生きるんじゃないか。殊にソ連なんかは合弁
事業なんというようなことを言い出してきているんですね。そういうようなところにこちらの方が漁船も持っていき、そして向こうの漁港に泊まって出漁し、そして分配してやれるようなことですね。人のところに入っていくのに高い入漁料ばかりどんどこ出してそれで自分のものをとってくるということじゃなくて、とったものはあなたのものだと。しかしながらうちの方は優秀な漁民もいるし漁船もある、だからあなたのところでとってあげましょうと。だからひとつそういうことをやらしてくれぬか、とったものはみんなあなたのもので、またうちが全部買ってあげますと、こういうふうにすれば、何というんですか、貿易摩擦解消にもなるので、そういう交渉に切りかえるべきじゃないかと思うんですが、その二つについての御
意見を伺いたい。