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小笠原貞子君
標準貨物船のCGTの問題と総トン数というのどの差の考え方というのは私の方もわかったんだけれ
ども、ここで言いたいことは、もう
需要が減るんだよということで二〇%以上、三倍くらいの六〇%ということを大宣伝のもとで、そしてそれをチャンスとしてどんどん人員削減をやっているということだけはきちっと考えておいていただきたいと思うんです。
それで、さっき
矢原先生の方からおっしゃったけれ
ども、
相生市、ここは石川島播磨重工の全く
企業城下町、御存じのとおり。この
相生市で六十一年十一月十日朝、
会社は
造船部門はもちろん全労働者に、自己都合での
退職の場合と今
退職した場合の
退職金明細を
会社側の
お願いという資料、
お願いとあわせて資料として出してきたわけです。これで、五十五歳以上勇退制度と、それから三十五歳から五十四歳転職援助制度というようなことを言って、そして今やめた方が得ですよというようなそういう資料を出したわけです。そして、第一回目には趣旨説明をやった。二回目は
退職強要、はっきりね。その
退職強要も二回、三回しゃない、聞いてみたら七回呼ばれたと言うのね。残りたいんだったらイランに行ってもらうと脅迫めいた言葉をかけられた。
課長の前にいすに座らせられ、二十ページ以上の英文をきょうじゅうに翻訳しろと言われた。一日二ページがやっとということになると、おまえには
能力がないと自尊心を傷つけられるなどして全員に
退職強要され、五千百四十八人いた労働者のうち半数の二千五百人が
退職に追い込まれたというんですね。これはひどいじゃないかと私が言いたいだけじゃなくて、余りの強引さに訴えがあったと思うんですよ。
兵庫県の労働部長が
会社に二回にわたって、やり過ぎではないかというふうに指導に入ったという
状態もありました。これは大変なことですね、こういうやり方されたら。
さて、そこでまたもう
一つ問題は、
退職させられた労働者は仕事につくことは御存じのようになかなか困難でございます。
兵庫県の有効求人倍率、去年十二月〇・四九、一月〇・三九へ減です。
相生市、一月の倍率、昨年から〇・四減で〇・一七になった。そして、
相生市の職安管内の就職
状況を見たら、昨年の
希望者千七百七十名に対し、一月現在百六十人のみが就職した。九%の就職率、こういうことですよね。
それからまた、今度呉、私もこの間広島に二度ばかり行ってきたんですけれ
ども、兵
事業所では自殺者を出している。
希望退職の四十八歳、再就職先面接前日自殺したと。
このような
状況に対して、本
法案では「
雇用の安定を図るため必要な措置を講ずるよう」、きのうも問題になりました、努めるものとする。「
運輸大臣及び労働大臣は、」「相互に緊密に連絡し、及び
協力しなければならない。」と書いてあります。しかし、そのとおりなんだけれ
ども、それじゃ具体的な
対策はどうなっているんだ。そして、本当に
退職させられた者が今言ったような
状況、
相生だけではありません、全国的な不況の中で、本当に
労働省の三十万人
雇用開発が発動になったとしても、一体これでこの人たちが本当に救われるんだろうか、どういう
見通しを持っていらっしゃるんだろうかということを聞きたいわけなんですね。
また続けて、時間がないから言いますと、石播の下請関連
企業と労働者、これもまた深刻なんです。依存度が一〇〇ないし六〇%のほとんどが下請。六十二社、二千人と言われている。満足な
退職金もなく次々に首を切られ、六十二年一月三十一日現在、石播関連中小
企業の
離職者は二十七社、百七十四人に及んでいる。このような下請の
状況についても石播は黙って口をつぐんだまま。
地域経済、これまた深刻ですね。
相生市との
関係で言えば、もう
相生市といえば
城下町。水道、道路、石播のためにつくられたようなものだ。その
相生市の占める工場出荷額、五十九年で八四・八%、市税でも個人、法人、市民税、固定資産税のうち六十年で二〇・五%を占め、
相生市は石播のまさに
城下町。十二月議会で片山
相生市長は、石播の法人、市民税は
昭和六十年の二億一千万円から六十一年は六千万円に激減、来年度はゼロの予測も、
相生市の工場出荷額も半減するおそれがある、深刻な憂慮を表明してます。だから、
大手が生き残っても中小がつぶされる、下請はつぶされる。労働者ほこの際というので人員整理やられて町にほうり出される。ほうり出された労働者は就職はない、
地域経済も大変だと、こういうことですよね。もう重々おわかりになっていらっしゃるこの問題、この問題について先ほど申し上げたけれ
ども、いろいろ
努力していただくということは伺うんだけれ
ども、
努力していただいて、具体的にどれくらいの
見通し、失業している、就職する者たちにとってどれくらいの
見通しということを、救うことができると考えていらっしゃるか。大臣、ここら辺で一言。