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山口(鶴)
委員 とにかく、大平さんのように
選挙前の
国会の所信表明演説あるいは
施政方針演説で、新たな税負担を求めざるを得ない、一般消費税の問題について
国会内外の
議論の深まることを望むということを明確におっしゃって
選挙をやられた方と、それから、後で逐一お尋ねいたしますが、
中曽根さんの言動とは、これも天と地ほど隔たりがある。この点、私は大変残念でなりません。
まず、
衆参同日
選挙の中でこの問題が問題になりましたのは、NHKの
討論会で藤尾政調会長が大型間接税、マル優問題に触れたわけでありますが、その前に、
昭和六十一年の三月、大型間接税反対中央連絡
会議が大型間接税のアンケート調査を実施いたしました。それから
昭和六十一年五月二十日、大型間接税反対
国民総決起大会を開かれた。そのとき、藤尾政調会長名で二度にわたって通達をお出しになった。大型間接税導入の問題については党内で何ら方針は決まっていない、すべて今後の課題である、したがって、このようなアンケートの調査に応ずること、大会に出席することは今後の自民党税制改正の
審議を制約しかねない、したがって、これに応ずるべきでない、こういう通達をお出しになったわけです。
そうしてその次、この六月六日、藤尾政調会長はNHKの
テレビ討論会で、マル優制度は明らかに不公平な税の特別措置だ、原則として撤廃する方向で指導する、間接税は税の取り方の問題だ、所得税という直接税が重いということなら、その負担の一部を購買力による間接税に転嫁するのは
考え方としては当たり前だ、世界じゅうでやっている、こういうことをお述べになった。藤尾さんは極めて正直におっしゃったわけです。
当日、
中曽根総理は、藤尾さんがそういうことを言いましたよということを記者団から聞かれて、そんなことは決まっていない、党の
考えは消極的だ、こういうふうに否定をされた。そうして六月十一日、札幌の遊説で
中曽根さんは、あれは藤尾政調会長の個人的な意見だ、誤解されている面がある、こういうふうにお述べになった。そうして同じ六月十一日、兵庫の遊説先で当時の金丸
幹事長は、藤尾発言は舌足らずで
国民に誤解を招いた、自民党は幅が広く、いろんな
考え方の人がいるが、まだ何にも決まっていない、こうおっしゃった。そうして六月十四日、自民党本部で開かれた
衆参同日
選挙のための東京都各種団体協総決起大会の席上で
中曽根総理は演説をされましたね。そのときの言葉が、
国民や党員が反対する大型間接税と称するものをやる
考えはない。その後、
日本じゅう有名になった言葉ですよね。これをお述べになった。そうして藤尾政調会長がさらにこの六月十九日の録画撮りで、首相も間接税的発想、特に消費税的なものはやらないと言っている、
幹事長もやらないと言っている、私がやるんだと言ったのでは党内不一致になる、こう発言をしておるわけです。
ですから、結局このアンケート、総決起大会に行くなど言って抑えた藤尾さん、その藤尾さんがやると言った。それに対して
中曽根さんは、いやそんなことは決まっていない、私は慎重だ、そうして
国民や自民党が反対するようなものはやらない、こうおっしゃって、そうしてこの問題に率直に言えば火をつけた藤尾政調会長が、首相も間接税的発想、特に消費税的なものはやらないと言っている、
幹事長もやらないと言っている、私がやるんだと言ったのでは党内不一致だ。ここまで言えば、
国民は、消費税的なもの、間接税的なもの、大型でないから中型ならいいというようなそういうことではなくて、消費税、間接税、こういうものはやらないのだ、こういうふうに自民党が公約したと信じて投票したのじゃありませんか。まさに、私はこれらの言動を一貫して
考えれば、今回
中曽根さんがお出しになった
売上税、中型だ、こう言いわけをしておりますけれども、明らかに
公約違反ではありませんか。