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山下(元)
委員 私は、いよいよ
税制改正の話に入りたいと思います。
ところで、先ほ
どもお伺いしましたように、まず何としても内需拡大を図り雇用の安定を期する、そしてまた、今
お話のございました高齢化
社会に対応するための費用の負担をせねばならない、そのためにはどうしても
財政を立て直さねばならないのであります。私は、
税制改正をこの観点から真剣に
考えていかねばならないと存じます。何としても、
不公平税制の是正、直間比率の見直しというための
税制改正でありますけれ
ども、その基盤にはそうしたことを
考えていかねばならない。
ところで、実はある新聞の投書を読み上げさしていただきたいと思います。二月十七日、朝日新聞に出ていた投書であります。これは全部読ましていただきます。
合わせて国税の約七〇%を占めるという
所得税、
法人税。
世界で西独に次ぐ高率といわれる
法人税。
所得税、
法人税は国税の七〇%を占めている。
法人税は西ドイツの次に
世界で二番だという。そして、
国際化の進む中で、
日本の人口も
税率の低い海外へ流出しかねない。
レーガン大統領は、この大きな
減税をしております。
また高齢化がすすむにつれ、相対的に人口の減少する中堅
サラリーマン層や一部法人の税負担率はますます高くなり、このままでは
重税感と税の
不公平感はさらに拡大する。そして今後さらに進む高齢化
社会に対応するための福祉財源も増大する。
先ほど来私がいろいろとお伺いし、申し上げておるところであります。
これら中堅
サラリーマン、法人の
減税や福祉財源は、税負担率の高い
所得税の負担を軽くし、その分を間接税に求める直間比率の見直しは当を得ていると思う。またクロヨンに代表される税の
不公平感も、所得の種類により捕捉率に決定的な差の出る直接税
中心の税
体系より、
これは、もうこの投書は言っておられます。
所得の種類により捕捉率に決定的な差の出る直接税
中心の税
体系より、薄く広くバランスよく
課税できる間接税の方が、是正がより可能だと思われる。
これらを
考えた時、政府自民党の唱える間接税(
売上税)を導入し、直間税比率を見直す
改革案は理にかなっている。大きな
改革には多少の痛みは伴う。目先の利害にとらわれず、長期展望のもとに税
改革をすべきである。政府自民党も
売上税論議の前に
改革の全体像をまず
国民に示し、説明して納得を求めるべきである。
これは朝日新聞の投書でございます。
私は、この投書を見て感じたのであります。まさにこの
税制改正についてのお
考えがここに言われておる。今日の税に対する不満の最も大きいものはクロヨンに示される
課税の不公平でございます。本来、脱税というものは
民主主義社会において自己否定的な行為であると言われております。そうしたときに脱税が大きな利益を生まないように私
どもは
税制を
考えていかねばならないと思うのであります。実質的な
課税の公平が問題になってまいりまして、私はこのためにも、今の投書にもございますが、
所得税の
減税、そして広く薄い
売上税の導入というのは大きな効果を持つと
考えるのであります。
今度の
税制改革の基本的な
考えについては冒頭
お話もございましたけれ
ども、今私が非常に残念だと思いますのは、この投書にもございますように、政府・自民党も
売上税論議の前に
改革の全体像を
国民に示すべきである。今、
改革の全体像が示されておりません。
総理大臣は初めに、今
最大の
最後の
改革である
税制改革を世に問うというのは、そのときにもおっしゃいましたが、まさにこの全体像を十分に説明した上で後、
売上税の論議を進めていただきたい。
どうも今、
売上税だけが過度に焦点が当てられておる。私は、今度の
税制改正は四本の柱である。
一つは
所得税の
減税、
法人税の
減税、これは昨年の
選挙のときの公約でございます。そしてそのときに既に、秋になったら一体とした財源措置を講ずる、これもはっきりいたしておったわけであります。そのときに、もう
赤字公債によらない、財源をみずから求める。その中に、先ほどの投書にもございますように、
所得税中心主義ではだめだ、何としても広く薄く負担を求めることがこれからの
長寿社会に向けても適当であるということは、投書にもあるじゃございませんか。これは新聞の投書だよ。まさに私はそうした
意味で、この
税制については全体像を議論すべきであると存じます。
その点にただいまの焦点を当てますならば、今度の
所得税減税は
不公平感、
重税感を解消しておる、
法人税減税は国際
競争力の強化に役立っておるのであります。実はそこは大体各党も御賛成のようであります。ただ、財源措置についていろいろ意見が異なるのであります。私
たち自由民主党は先ほどの観点に立ちまして、昨年、
税制改正大綱を
責任を持って決めたのであります。そして、この利子の
課税の見直しと
売上税の創設に決まったわけでございます。
利子課税についての
お話は先ほど大蔵大臣から伺いましたが、私はここで、そうした全体像の中で
売上税の問題についてお伺いしてまいりたいと存じます。
ところで、さきの奥さんの手紙であります。ここに
総理、
売上税の論議に入ります前に、この奥さんの手紙をそのまま読みます。というのは、先ほど、祖国
日本に住むから幸せだと言われた。
売上税は、
日本に住み、恩恵を受けている私
たちは、絶対必要と思っております。しかし、
売上税は大型間接税なのですかということを言っておるのであります。
そこで、私
たちはこの
売上税を検討するときに、確かにこれは初めての税である。したがって、これはなれていただくことが大変難しい。だから、中小の方々にはもう
課税の業者になっていただかない。したがって、一年の商いが一億円以下の方々は非
課税業者になっていただく。そういう案でございますが、政府もそういうようにお決めになりました。
それから、例えば私
たちが飲み食べる飲食科費、これは
国民生活で大事なものであります。それから、お医者さんにかかる費用とか
教育にかかる費用あるいは
社会福祉の事業、これはやはり非
課税にした方がいいという観点に立ちました。それを政府としてはいろいろとお決めになりました。
〔
委員長退席、野田
委員長代理着席〕
そうしたことをいたしまして、これは間接税の中にはいろいろある。お酒やたばこのような個別的な間接税。お酒の間接税とたばこをのむ方の間接税と違って、もういろいろなものにサービスでも何でも物にでも広く薄くかかる税は一般的間接税であります。私は、非
課税業者が九〇%もあって、まあ一三%ぐらいの方々が納税事務を持っていただく、あるいは消費者物価を決めるときの
国民生活に
関係する項目のうち六五%は非
課税になっておる、これは大型ではないと思います。
それと、ちょっと、私はこういう数字を申し上げますと、国税と
地方税と合わせまして随分いろいろな
税金があるのであります。その
税金の納税者の数と、それからそれの全体の歳入のうちに占める比率を見ました。
所得税は四千四百二万人、法人は百六十六万者、そうしたのでありますが、それの税収のウエートは三五・三%あるいは三〇・一%となっております。この
売上税は八十万者、そしてその全体の比重は四・三%となっておる、こういう数字で私は大型間接税でないと思います。今の奥さんの手紙の中で、これは大型間接税じゃないだろうかと言われておりますが、この点については
総理、ぜひともお
考えをお伺いしたいと思います。