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吉原委員 財源捻出のためだけだということになったら大変なことになるので、
大臣はそんなことを肯定されるという
気持ちで聞いているわけではございません。ただ、
政府の三四・五%の持ち株があるために、労使の言ってみれば親方日の丸的な体質、これを改めなければならぬというねらいも、
大臣の答弁の中にはなかったのですが、私は
想像しておるわけです。
ところが、
政府の持ち株が三四%あるから親方日の丸だとか、あるいはそれだからこそ事故を起こしてもいいというものではないのであって、そういう
意味では完全
民営化を図るということと効率的な企業の運営というものは別次元の問題だ。
政府の持ち株があるからずさんな経営でいい、何をやってもいい、親方日の丸だからつぶれることはないんだ、こういう認識の持ち方は次元の違う話だと私は認識をしておりますからあえて申し上げるわけでございます。
どうも日航というのは、私も長年日航には注目をしておる一人でございますが、親方日の丸的な感覚はむしろ労の方よりも使の方にあるのではないか。最近の経営陣のごたごたでは、
大臣も
相当苦労なさったようでございますが、経営陣の中身というのは非常に意思統一が図られていない。
やめられた会長の後は
考えていらっしゃるのかどうか。また会長制というふうなものが引き続いて日航のあの
会社の中に必要なのかどうか。普通の感覚でいいますと社長が最高
責任者のように思うわけでございますが、その上に屋上屋を重ねるように会長制をしく。しかも、代表権を持った会長なんというものは
余りにも屋上屋を重ね過ぎるんじゃないか、こう思いますが、次の人選をされておるのかどうなのか。
また私は、経営陣が
余りにも親方日の丸的な感覚で、経営がずさんだ、放漫だ、こう
指摘をしたいわけでございますが、例えば関連企業の日航開発の運営。きょうは日航の山地社長に来てもらって、中身について篤と私は
質問さしてもらおうと思って、参考人で出席をしてもらうようにしておきましたが、法案の
審議ではございませんので、また次の
国会で法案の
審議の場ではしっかり
質問をさしてもらおうと思います。
関連企業の日航開発、JDC、ここの日航の会計監査の
指摘が監査報告書によってなされておるわけでございますが、JDCは早晩財務的に破綻に瀕するほどの経営
状態にあり、その規模からいって親
会社の大きな負担となり、その経営にも重大な影響を及ぼすものであると
指摘をしておるわけでございます。これからの日航経営に大きな支障を来すくらいの放漫経営。
それから、先ごろ新聞をにぎわしましたが、四月十九日に「ドル先物予約で日航、大損」という見出しで新聞にも書かれております。十一年先の先物を買うなんということは普通の
会社では
考えられない。こういうことがいとも簡単にされておる。
あるいは五十六年の日航法の改正のときにも私は触れたのですが、HSSTという磁気浮上式の鉄道、この間のつくば博にも出しておりましたけれども、あの当時、日航幹部のおもちゃじゃないか、
余りにも高くつくおもちゃだ、こういう皮肉も言ったほど五十二億円もかけたこのHSSTを、今度わずか一億二千万で新
会社に売却してしまう。率直に申し上げて、そういう
意味で日航というのはでたらめなことをやる
会社だなと、経営陣の感覚を私は疑うわけでございます。
きょうは関係
会社の社長が来ておりませんから細かく申し上げませんけれども、そういう体質を持った日航をこれから完全
民営化さしていこうというわけです。私はそういう
意味で、完全
民営化するまでにはそういった経営陣の
体制、経営陣の発想、こういうものをきちっと正してからでないと
民営化はやるべきじゃない、こう思いますが、いかがでございますか。