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1986-11-28 第107回国会 参議院 日本国有鉄道改革に関する特別委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十一年十一月二十八日(金曜日)    午前九時三十分開会     ─────────────    委員の異動  十一月二十八日     辞任         補欠選任      野末 陳平君     秋山  肇君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         山内 一郎君     理 事                 伊江 朝雄君                 浦田  勝君                 江島  淳君                 亀長 友義君                 赤桐  操君                 安恒 良一君                 矢原 秀男君     委 員                 大島 友治君                 梶原  清君                 木村 睦男君                 倉田 寛之君                 坂元 親男君                 下条進一郎君                 田代由紀男君                 高平 公友君                 野沢 太三君                 真鍋 賢二君                 増岡 康治君                 森田 重郎君                 山崎 竜男君                 吉川 芳男君                 吉村 真事君                 青木 薪次君                 穐山  篤君                 田渕 勲二君                 渡辺 四郎君                 鶴岡  洋君                 中野  明君                 三木 忠雄君                 諫山  博君                 市川 正一君                 田渕 哲也君                 柳澤 錬造君                 秋山  肇君    国務大臣        内閣総理大臣   中曽根康弘君        大 蔵 大 臣  宮澤 喜一君        厚 生 大 臣  斎藤 十朗君        運 輸 大 臣  橋本龍太郎君        労 働 大 臣  平井 卓志君        自 治 大 臣        国 務 大 臣        (国家公安委員        会委員長)    葉梨 信行君        国 務 大 臣        (内閣官房長官) 後藤田正晴君    政府委員        内閣審議官    中島 眞二君        警察庁刑事局保        安部長      漆間 英治君        総務庁人事局長  手塚 康夫君        大蔵省主計局次        長        角谷 正彦君        大蔵省主計局次        長        篠沢 恭助君        厚生大臣官房審        議官        兼内閣審議官   佐々木喜之君        運輸政務次官   柿澤 弘治君        運輸大臣官房長  服部 経治君        運輸大臣官房審        議官       井山 嗣夫君        運輸大臣官房国        有鉄道再建総括        審議官      林  淳司君        運輸大臣官房国        有鉄道部長    丹羽  晟君        運輸省運輸政策        局長       棚橋  泰君        運輸省地域交通        局長       熊代  健君        労働大臣官房審        議官       佐藤 仁彦君        労働省労政局長  小粥 義朗君        労働省労働基準        局長       平賀 俊行君        労働省職業安定        局長       白井晋太郎君        自治大臣官房長  持永 堯民君        自治省行政局公        務員部長     柳  克樹君        自治省税務局長  津田  正君    事務局側        常任委員会専門        員        高池 忠和君    説明員        日本国有鉄道総        裁        杉浦 喬也君        日本国有鉄道常        務理事      須田  寛君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○日本国有鉄道改革法案内閣提出衆議院送付) ○旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律案内閣提出衆議院送付) ○新幹線鉄道保有機構法案内閣提出衆議院送付) ○日本国有鉄道清算事業団法案内閣提出衆議院送付) ○日本国有鉄道退職希望職員及び日本国有鉄道清算事業団職員の再就職促進に関する特別措置法案内閣提出衆議院送付) ○鉄道事業法案内閣提出衆議院送付) ○日本国有鉄道改革法等施行法案内閣提出衆議院送付) ○地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付) ○日本鉄道株式会社法案村沢牧君外五名発議) ○日本国有鉄道解散及び特定長期債務処理に関する法律案村沢牧君外五名発議) ○日本鉄道株式会社退職希望職員等雇用対策特別措置法案村沢牧君外五名発議) ○国鉄分割民営化反対し、民主的再建に関する請願(第三九号外一件) ○国鉄分割民営化するための関連法案反対に関する請願(第七六号外一七件) ○国鉄改革に関する請願(第八二号) ○国鉄分割民営化するための関連法案反対に関する請願(第九一号外一件) ○国鉄分割民営化ローカル線廃止運賃値上げ反対国民本位再建に関する請願(第一九一号) ○日本国有鉄道分割民営化するための関連法案反対に関する請願(第一九二号外二〇五件) ○国鉄分割民営化法案反対に関する請願(第一九三号外一二件) ○国鉄分割民営化反対に関する請願(第二六六号) ○日本国有鉄道分割民営化宮津線等廃止反対に関する請願(第三〇八号外三件) ○日本国有鉄道分割民営化北桑田バス路線廃止反対に関する請願(第三〇九号外一件) ○国鉄分割民営化法案反対に関する請願(第三九三号外一六件) ○国鉄改革に伴う管理・運営機能を有する組織の 設置に関する請願(第五七八号外一件) ○国鉄再建監理委員会の「国鉄改革に関する意見」に基づく国鉄改革関連法案反対に関する請願(第六六三号外一件) ○国鉄分割民営化法案反対に関する請願(第一三一二号) ○国鉄分割民営化するための国鉄改革関連法案反対に関する請願(第一三六九号) ○国鉄再建監理委員会の答申に基づく国鉄分割民営化反対等に関する請願(第一三七〇号) ○国鉄運賃値上げ及び分割民営化反対に関する請願(第一三七一号)     ─────────────
  2. 山内一郎

  3. 赤桐操

    赤桐操君 国鉄問題につきましては今日まで多くの論争を重ねてまいりました。本日は、ここで今日までの問題点の中で集約いたしまして若干の質問をいたしたいと思います。  具体的な問題に入りまする前に、基本問題について総理並びに運輸大臣にお伺いをいたしたいと思います。  まず第一に、今次国鉄再建にかかわる政府の基本的な理念並びにその責任についてただしたいと思います。  国鉄は、今日まで一世紀余にわたりまして国民生活基盤として、あるいはまた産業、経済発展基盤として我が国の社会を築き上げてまいったものであります。国鉄経営形態が今後どのように変わりましても、公共交通機関として国民がこの鉄道に期待するものについては恐らくいささかも変わりがないと思うのであります。今国鉄経営上重大な局面を迎えておりまするけれども、その再建は、赤字さえ解消すればよい、企業としてのつじつまさえ合えばよいというものではないと思うのであります。今日まで大きな役割を果たしてまいりましたと同様に、二十一世紀に向けて公共交通機関として鉄道をどのように再生せしめるか、こういう視点が必要であろうと思います。そのためには、国はこの再建にどのような責任を果たしていくか、今後どのように発展にかかわっていくか、これが問われていると思うのであります。総理並びに運輸大臣のお考えをお伺いいたします。
  4. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 今、赤桐委員御自身の御発言の中にもありましたように、今日の国鉄状況はいわば破局状態とよく言われております。そしてこの状態になりましたその責任はといえば、私は政府もその一半の責任を負わなければならないと考えておりますし、もちろん国鉄労使あるいは国会等々、その責任を負わなければならないものは決して今日の国鉄労使だけではございません。そうして、そうした中でまさに今この改革のための法律案の御審議をお願いいたしておるわけでありますが、その目指す改革というものは、委員が御指摘になりましたように、ただ単に国鉄赤字をどうするか、あるいは企業としての国鉄をどう再建するかということが目的では私もないと思います。そして、国鉄をむだの少ない効率的な経営形態に改めることによって、国民生活充実のための重要な手段としての役割責任も十分に果たし得る鉄道事業に再編、再生させていくことを目的としているものであると認識をいたしております。そして、この改革により、私どもは、将来にわたり鉄道役割を十分に果たし得る体制を確立し、百有余年歴史を持つ国民的財産である国鉄というものを真に国民のものとして再生をさせ、二十一世紀に向けてこの財産を未来のある鉄道として次の世代に引き渡すこと、これが私ども責任であると考えております。
  5. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 百年の歴史を持つ国鉄の大きな国家的功績については、私も既に前に申し述べたとおりでございます。しかし、時代の変化に即応して改革しなければならないときが参ったと思っております。新しい交通体系、あるいは交通体系の大きな最近の変化に即応してこれに十分対応できるような交通体系国鉄自体を再生せしめて、地域地域に密着した、国民に親しまれる、しかも公共性公益性というものを兼ね備えた新しい交通体系として立派な国鉄に再生せしめたいというのが私たちの念願でございます。そのためにいろいろ御審議を願っているところでございますが、野党の各議員の御意見もいよいよ実施に際しましては十分検討し尊重しつつ努力してまいりたいと思っております。
  6. 赤桐操

    赤桐操君 それでは具体的な問題点に入りたいと思いますが、まず最初に私は五点の質問をまとめて申し上げたいと思うのであります。これは、公明党並びに民社党の両党の御了承のもとに三党を代表してお尋ねを申し上げますので、慎重な御答弁をちょうだいしたいと思います。  清算事業団債務の要処理額が確定した段階でその額及び返済方法について国会報告をし、承認を受けるべきではないか、このように私どもは考えるのでありますが、この点についての運輸大臣の御答弁を願いたいと思います。
  7. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 額が確定をいたしました段階で、要処理額及び返済方法につきまして国会に御報告をし、御了承を得るようにいたします。
  8. 赤桐操

    赤桐操君 次に、清算事業団関係についてお伺いをいたしたいと思います。  これもかなりいろいろ質問も出ておりますが、清算事業団職員給与につきましては従来の給与の八〇%とするなどと言われてきておりまするけれども職員生活の安定という観点からするならばこれは低過ぎる、是正すべきではないか、このように考えますが、運輸大臣の御見解を承りたいと思います。
  9. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 清算事業団職員給与につきましては、職員生活の安定にも配慮して適切な給与水準となりますよう予算折衝段階において特段の努力をいたします。
  10. 赤桐操

    赤桐操君 次に、北海道四国九州のそれぞれの関係基金の問題についてお伺いしたいと思います。  これまで提案されておりまするような額の経営安定基金では、北海道四国九州の各旅客会社経営は私ども判断では無理である、このように考え主張してまいりまして、その増額を要求してきたところであります。北海道四国九州旅客会社経営環境は楽観を許さない極めて厳しいものがあると考えられます。このため、今後政府は、経営の推移を見守りつつ、その経営の安定を図るために必要な措置を積極的に講ずべきであると思いますが、この点いかがですか。
  11. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 私どもは、北海道旅客鉄道株式会社四国鉄道株式会社九州鉄道株式会社のそれぞれに精査の上十分な額の経営安定基金を設定したつもりでありますし、またその経営環境の厳しさに対応し、現国鉄の抱えております長期債務引き継ぎ等をも避けておるわけであります。それだけに経営についてそれだけの見通しは持っておりますが、本委員会におきましてもたびたび御指摘を取けましたように、容易ならざる状況であることも熟知いたしております。それだけに十分な配慮をしてまいるつもりであります。
  12. 赤桐操

    赤桐操君 次は、連絡船関係についてお伺いいたしたいと思います。  青函連絡船宇高連絡船、二つの連絡船がございまして、この連絡船事業につきましては閣議決定では原則として廃止をするとされております。仮に新会社経営者が、例えば周遊船、青年の船、こうした形への転用を決意した場合にはこれを認めるべきではないかと私たちは考えますが、こういう考え方はあるかどうか、運輸大臣の御答弁を願いたいと思います。
  13. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 津軽海峡線及び本四備讃線の開通後は、青函及び宇高連絡船事業役割は終わるものと見込まれるため、閣議決定では原則として廃止する方針を定めているところであります。しかし、新会社経営者がこれらの船舶を別の形態で活用しようとする場合には、その事業必要性、他の事業への影響などにつき検討した上でこれを認めるように努力をいたします。
  14. 赤桐操

    赤桐操君 次に、連絡船船員関係について伺いたいと思いますが、青函及び宇高連絡船船員は、連絡船事業廃止または縮小に伴いまして陸上勤務になるというように聞いております。しかし、その後も船員として勤務することを希望する者については、清算事業団職員となって再就職先を探すことができる道も開くべきではないか、このように考えますが、いかがですか。
  15. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 連絡船船員のうち将来陸上勤務への転換の道を選択される方については、新会社職員としての選択の対象といたしますが、一方、将来にわたり船員であることを希望される方につきましては、一たん清算事業団職員となる道を選択していただき、官公庁民間船員として再就職の機会を待つこととし、その間は新会社連絡船清算事業団からの派遣職員として乗船していただくようにいたしたいと思います。なお、この間に官公庁等採用が内定をいたしました方については、連絡船廃止後に正式採用をしていただくよう採用先と協議をし、できるだけ御本人の希望に沿うように努めてまいりたいと思います。
  16. 赤桐操

    赤桐操君 以上五点をもって三党の立場で御質問をいたしました。  それではただいまから私の質問に移りたいと思いますが、まずバス事業について伺いたいと思います。  本州三社のバス事業は、分離独立を各会社判断することになっております。バス事業は今日全国的に路線休廃止が非常に激しいのでありまして、したがって地方バスも含めて国民の足を守る必要がございます。こういう意味合いから廃止に歯どめをかける必要があると思うのですが、この点について大臣いかがですか。
  17. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 地方バスにつきましては、過疎化やモータリゼーションの進展に伴いまして事業としての維持が困難になってきておりますが、運輸省としては、従来からできるだけその維持を図るために、地方公共団体と協力し、平均乗車密度五人以上の生活路線につきましては欠損補助及び車両購入費補助を行うと同時に、事業としての経営が不可能と考えられる平均乗車密度五人未満の路線につきましても、三年間の欠損補助と、市町村などによる代替バスのための車両購入費補助など、またその後の運行費補助を行うことによりまして住民の足の確保を図ってきているところでございます。  なお、このような地方バスを含めまして、バス路線廃止につきましては運輸大臣の許可に係らしめております。
  18. 赤桐操

    赤桐操君 整備新幹線について伺いたいと思いますが、整備新幹線建設が今日話題となっております。その建設費は、私どもが伺うところによりますと二十五兆円にも及ぶであろうと言われておるわけでありますが、その財源はどのような求め方をするのか、この点ひとつ明確にしていただきたいと思います。  また、新幹線が開業となりますれば、各旅客鉄道会社経営に大変大きな影響を与えることは必至であります。今日までの論争の中で指摘をされております。新幹線所有体、さらにまた在来線の存廃問題、こうしたものが当然いろいろ出てくるわけでございます。どのような対処をされるか、その方向をお示しいただきたいと思います。
  19. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 整備新幹線財源問題及び国鉄分割民営化の後における建設主体運営主体のあり方につきましては、現在、整備新幹線財源問題等検討委員会におきまして、並行在来線廃止の具体的な内容とあわせて着工前提条件検討を行っておりまして、この結論を得た上で適切に対処してまいりたいと政府として考えております。  そして、その整備新幹線建設関係旅客会社経営の負担になることも考えられますので、検討委員会としての論議の中には、委員が御指摘になりましたような並行在来線廃止の具体的な内容財源問題などまさに着工前提条件、ここを詰めていかなければならないわけでありまして、この検討の終了を待ちまして適切に対処をしてまいりたいと考えております。
  20. 赤桐操

    赤桐操君 次に警察関係の問題に移りたいと思いますが、国家公安委員長に御質問いたしたいと思います。  鉄道公安業務都道府県警察への移管が予定されております。警察権力と新事業体との関係は、性格的には他の民間鉄道との関係と同様であると思うのであります。そして同様でなければならないと私は考えています。したがいまして、設置を予定されております鉄道警察隊は、特殊な権限を持つものではなく、交通機動隊のように警察内の職掌の便宜上設けられるものでなければならない。さらにまた、鉄道施設内の警察官の行動につきましては、例えば通常の場合、職員のたまり場や職員以外に通常立ち入ることのできない事務室などへの立ち入り、あるいはまた通常職員集会等の立ち会いについては原則的には行わないと解釈さるべきでありますが、この点いかがですか。
  21. 葉梨信行

    国務大臣葉梨信行君) 都道府県警察設置されることになっております鉄道警察隊につきましては、現行の警察法等に基づきまして、都道府県警察に与えられております任務、権限の範囲内において設置、運営されるものでございまして、このたびの法改正によりまして特別の権限が与えられるものではございません。  また、今先生おっしゃいましたいろいろな場所への立ち入りにつきましては、一般には、特別の場合を除いて、そのようなことはございません。
  22. 赤桐操

    赤桐操君 次に、国鉄職員採用等の問題で、就職等の問題につきましてひとつ、今まで落ちているものがありますので、伺っておきたいと思いますが、改革法二十三条によりまするというと、各承継法人はその職員となる者を国鉄職員の中から採用することになっております。そのための採用基準やさらに国鉄当局による選定の基準が客観的かつ公正なものでなければならないということについては、二十五日の我が党の安恒議員質疑の中で確認されております。  私は、それを踏まえてさらにもう一歩伺いたいと思うのであります。国鉄改革によって一人も路頭に迷わせない、総理の再三の表明をいただいているところでありますが、例えば業務災害により今日まで障害者となっている方々がたくさんございます。最近は大分減ってきておりますが、かなりございます。あるいは中高年齢に至っている者も相当ございます。こういう方々に対する転職先を見つけることについては、これは客観的に見て著しく困難であると私たち判断されるものがございますね。そういう場合において、承継法人に優先的に採用されるようにすべきだと思いますが、この点いかがでしょうか。
  23. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 職員採用に当たっての採用基準というもの、これが設立委員などから提示される中身というものは、恣意的であったり不公正なものであってはならないことは、先日御答弁を申し上げたとおりであります。  そこで、今それを受けて委員から御指摘のありました、障害を負うておられる方々あるいは中高年齢者雇用という問題は確かに大切な問題であると私も思います。現在の国鉄は、御承知のとおり、身体障害者雇用促進法等対象にはなっておりませんでしたが、その業務内容からして、みずからの企業内における労務災害等による障害者雇用することに大変努力をしてこられておりました。そして、新会社になりますと、今度はまさに身体障害者雇用促進法等を初めとする障害者に対する法令で定められました雇用義務、また中高年齢者雇用に対する配慮が当然行われるものと私は考えております。  しかし、いずれにしても、新会社採用基準というものは、たびたび申し上げてまいりましたように、新会社設立委員がお決めになることでありまして、その決定をまちたいと思っております。ただ、身体障害者雇用促進法等が適用になり、その義務を守るべき責任が新会社に生ずることは当然でありましょう。  また、再就職対策に当たりましては、確かに御指摘のとおりでありますので、障害を持たれる方々並びに中高年齢者に対する雇用の場が確保されるように十分配慮もしてまいりたいと思います。
  24. 赤桐操

    赤桐操君 この問題は、国鉄がいよいよ民営化されるわけでありまするから、特に私は念を押しておくわけでありますが、民間における場合の労働省指導等も既にございまして、民間は非常にこの点は協力をいたしております。この点について労働大臣の御見解も伺っておきたいと思います。
  25. 平井卓志

    国務大臣平井卓志君) ただいまの御指摘の点につきましては、運輸大臣から御答弁ございましたけれども、当然法律の枠内で雇用率その他の問題はございます。それ以上に、やはり労働災害による身体障害者関係、さらには非常に再就職の難しい中高年齢者については、当然設立委員がお決めになることではございますが、やはりそれだけの御見識と御判断があってしかるべしと、また労働省としてもその方向で順次お願いもしてまいりたいと考えております。
  26. 赤桐操

    赤桐操君 今回の国鉄改革というものは、まさにこれは百年来の大変なものでありまして、恐らくこれから将来もこれだけの大問題というのはそう出てこないと思っています。今日までいろいろ、専売関係民営化もございましたし、電電公社の経営形態の転換もございました。しかし、このような場合とは国鉄の今回の民営化の問題はいささか違っております。専売はいたしましても、電電にいたしましても、これは分割はいたしておりません。そして今回は、国鉄の場合には分割をし、さらに大量の人員の整理がございます。前二社の場合におきましてはそれはなかった。そのまま継承されている。しかし、今回はそうではない。ここに私は改革の大きな差があると思うのであります。  これだけの大事業を今実施しようとしておるわけでありまするけれども、これを遂行するについて前二社の経営者労使が非常に苦労をされたわけでありますが、私はやはりこの電電の推移と専売の推移を見て、この二つのものに私も携わってまいりましたが、これが今日スムーズは民営化され、経営の転換が行われたという大きな力は、私は労使の相互の努力にこれはあったと思うんですよ。それは使用者側だけの一方的な判断や考え方だけでこういう結果を得たと思わない。これは今日までの経過を見ていただけばよくわかると思うんです。やはりそこには組合側の大変な努力があったということを私はよく認識をしてもらわなきゃならない、こういうことを最初にひとつ主張をしておきたいと思うのであります。  それで、いろいろこの審議の中で多くの問題が提起をされ、私どもはもう少し本来なればいろいろ時間をかけて具体的なものにまで入らなきゃならない点もあるように思うのでありますが、しかし、一応大筋だけは論議をされてきております。  そこで、問題はこれが実施されることになりまするというとこれからでありまして、非常な苦労が出てくると思いますが、今後この問題を大きく、いわゆる再生させることができるかどうかのかぎは労使双方にかかっているとしばしば言われておりますが、これはもっとはっきり申し上げれば経営者側の腹、考え方にあると思うんですよ、姿勢に。これはやはりまず大前提として出さなきゃならない。そういう中から私はお互いに魚心、水心が出てくると思うんです。また、相互の社会的な責任感というものが生まれてくると思うんです。まず打ち出すのは経営者側の姿勢だと思いますが、そういう意味合いからいたしまして、国鉄職員やあるいは労働組合に対して、いろいろと説得と納得、お互いの理解と協力というものが出てこなければこれはできないと思いますので、そういう意味合いでひとつ、これからの姿勢を確立してもらいたいと思います。  そこで、政府国鉄及び設立委員、こういう立場では、国鉄改革の実施内容について国鉄労働組合と十分に交渉や協議をしていく、話し合いをしていく、こういうことが私はなされなきゃならないと思いますけれども、いかがでしょうか。そして、それは単に法律形式論を盾にとったようなものではなくて、本当にお互いがひざを詰め合わしたところの誠意あふれた話し合いでなきゃならない、こう思うのでありますが、大臣、いかがですか。
  27. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 委員指摘のとおり、私も与党の中におきまして、電電公社の、また専売公社の経営形態の変更を進めてまいります過程におきまして、それぞれの労使双方、特に労働組合側の協力が大変大きかったということを存じております。また、その間におきまして、使用者側との間にも十分な意思が疎通されておりました状況というものもよく承知をいたしております。それだけに、今委員が御指摘になりました内容というものを私は事実において否定をするつもりはございません。  ただ、一応建前を申し述べさせていただきますと、今回の国鉄改革におきまして新会社採用されます職員につきましては、設立委員が行う職員の募集にみずから応募をし、新会社が成立する時点で国鉄を退職すると同時に新会社職員として採用されるものでありますし、また新会社採用されない職員につきましても、清算事業団において雇用が継続しかつ三年以内に全員が就職できるよう特別措置を講ずるという手法を講じておりますので、私どもとすればまず第一点としては、いわゆる人員整理ではあり得ないと理解をしております。また、この過程におきまして、清算事業団の労働条件につきまして国鉄当局国鉄の労働組合が団体交渉を行う場合は別といたしまして、政府国鉄設立委員のいずれにつきましても法律的には私は新会社の労働条件、雇用の場の確保等について現在の国鉄の労働組合と団体交渉を行う立場にはないと思いますが、実質的に国鉄改革を円滑に実施をしていくために、私は必要に応じ労働組合と意見を交換する場合もあると考えております。
  28. 赤桐操

    赤桐操君 その問題については私から重ねて申し上げたいと思いますが、今日の民主主義社会における労使の存在というものは、これは私は今日の社会をつくり上げてきている存在だと思っておるのです。ですから、専売の場合においても電電の場合においても、経営者がまず積極、能動的に至誠を持って誠意を持って接したはずであります。これなくして私は労使関係はうまくいかないと思う。こういう姿勢で大臣も総裁もひとつこの点は今後に臨んでいただきたいと、こういうことをひとつ申し上げて終わりたいと思います。
  29. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 今先生おっしゃいましたように、今回のような大改革におきまして、労使一体となりましてこれに取り組むということがぜひ必要であるというふうに考えております。これまでも、改革の問題につきまして職員に対して強く訴え、あるいはまた組合に対しましても繰り返し理解と協力を求めてきておるつもりでございますが、今後は具体化に当たりまして一層困難な問題を解決しなければなりません。十分に職員あるいは組合との理解と協力を求めるよう、できるだけ話し合いをしてまいりたいと思っております。  また、今大臣からお話がございましたが、新事業体の労働条件につきましては、これは国鉄当局といたしましてこれを決定する立場にもございませんし、また、あるいは団体交渉を行う当事者能力も有しておりません。しかしながら、私といたしましては組合と十分に話し合いを行い、しかるべき意見を酌み取りまして国鉄としまして設立委員に要望を申し上げてまいりたい、このように考えておるところでございます。
  30. 赤桐操

    赤桐操君 次は、私は災害関係、事故対策について以下お伺いをしてまいりたいと思います。  新会社経営内容では、大規模災害が起きた場合におきましては復旧費用の用意ができない、そのために結果的には廃線に追い込まれることも考えられる情勢にあるようであります。少なくとも、このような場合にこうした問題が発生しないような対策を必要とすると思いますが、考え方を明らかにしていただきたいと思います。  また、事故発生の場合に、事故原因について会社相互間の紛争が予想されるのでありまして、事故処理のルールあるいは何らかの処理機構、こうしたものについて設置する必要があるのではないかと思いますが、いかがですか。
  31. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 今回の新会社の収支試算を行うに当たりまして、国鉄における過去の数年間の災害復旧費の実績に基づいて災害復旧に要する費用を織り込んで積算をしてまいりました。ですから、私どもは過去の平均的な実績規模の災害に対する備えというものは経費の中に盛り込んでおります。また、防災上の観点から災害を未然に防止し、あるいは災害時の障害を最小限に食いとめるべき効果的防災対策を講ずるための工事費というものも設備投資額の積算に盛り込んでおるわけでございまして、今委員が御指摘になられましたような状況の中から路線廃止が行われるようなことは私はないと考えております。  また、これは私ちょっと不正確かもしれませんが、たしか昭和五十一年と五十三年に連続して伊豆急が、一回は集中豪雨、続いて地震で相当規模の被害を受けたことがございます。このときにも融資その他の措置はよりその路線の復旧に国もまた手をお貸しをし、現に営業が続いております。私は、地域の住民がその線路を必要としてくださる限りにおいて、今申し上げましたような算定の上に立って十分対応できると考えております。  ただ、二点目で御指摘をいただきましたものは、確かに一つの問題点であります。事故が発生をいたしました場合の対策としては、会社間で事前に想定される事態の対処方法について一元的な復旧が行われるようにルールを定めて、これに習熟することによって両者が協力して迅速に対応できるような体制をつくる必要があると考えております。したがって、分割されました会社にこれらの作業ルールの作成及びこれの習熟訓練というものを十分に行わせて、事故復旧にトラブルを生じないように運輸省としても十分指導してまいりたいと考えております。
  32. 赤桐操

    赤桐操君 続いて安全の問題に入りたいと思いますが、安全性の基本とも言うべき鉄道を支える保守と技術について私は若干伺っておきたいと思うのであります。  膨大な要員削減が行われるわけであります。その結果、二つの問題点を私は実は危惧をいたしております。その一つは、保守部門がこれによって相当大きな痛手を受けるのではないか。いま一つは、技術開発部門の要員削減でございます。これらの関係で私は二つの重要な部分がなくなってしまうのではないだろうか、こういう危惧をいたすわけでありまして、この点についてまず伺いたいと思うのでありますが、五十五年度以降の両部門の要員はどのぐらい削減されておるか、また六十二年度には保守部門、技術開発部門の要員は幾らになるのであるか、この点について御説明を願いたいと思います。
  33. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) まず保守部門でございますが、昭和五十五年度以降、年間申し上げますと、五十五年度が約千人、五十六年度が二千四百人、それから五十七年度八千三百人、五十八年度が一万五千百人、五十九年度七千五百人、六十年度が二万二千人、六十一年度一万五千二百人でございまして、以上七年間の合理化の合計は七万一千五百人ということになっております。  それから技術開発部門でございますが、技術開発部門は鉄道技術研究所を中心といたしまして、本社あるいは工事局等に分かれております。全体はちょっと集計はできませんが、鉄道技術研究所の部門につきまして、昭和五十五年度以降総合計で百六十四人の合理化を行っております。
  34. 赤桐操

    赤桐操君 これは総裁、六十二年度には保守部門は何人になりますか、保守部門、技術開発部門。
  35. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 概数でございますが、約四万人という数字でございます。また、技術開発部門約六百人ということでございます。
  36. 赤桐操

    赤桐操君 私はかつて実は、私は鉄道関係のいろいろ仕事には経験はないんですが、私の立場上、かなり千葉県におきましても管理局長、管理職の皆さん方ともお話し合いの場がございました。そうした中で、たまたま私はかつて保安の問題、特に保線の皆さん方が大変夜間苦労をしておりますので、いろいろ保線の諸君の技術関係について伺ったことがあるんです。  それで、管理局長にたまたまお尋ねしたんですが、夜ああして線路の保守に当たっておるけれども、犬くぎが緩んだとか抜けているとかということを線路を歩きながらわかるようだけれども、これは一体どういう体験からそこまでいくのだろうか、また、そこまで保守をしていくだけの能力をつくり上げられるまでにはどのくらいの年限がかかりますかという質問を私がしたんですが、そのとき、この方は技術関係の上がった方であったのではないかと思いますが、言下に、七、八年は最低かかります、大体十年というところでしょうと、こういう実は答えが返ってきているんですね。  私はなるほどそうだろうなと思ったんですが、犬くぎ一つ緩んだ、あるいはまたこれが抜けている、線路がおかしい、こういうことがわかるようになるのには一年や二年、三年の経験ではできないわけですね。これはやはり十年の歳月を必要とする、それだけの技術者をつくり上げてきたのは国鉄だったと思うんです。なぜそういう質問を私がしたかというと、そのころからぼつぼつ大分外注が激しくなってきたものですから、こういう職員をどんどん少なくして外注に回すということでよいのかどうなのかということを私は尋ねたんですが、そのときに出てきた答えがそういう答えだった。  私は、こういう実は一人の保守にかかわる技術者をつくり上げていくのにも最低七、八年から十年の歳月を要するという、こういう実は大変とうとい技術者であると思うのでありますが、この人たちが今のお話のように五十五年に千人、毎年二千人から五千人、八千人、一万五千人、今日まで七万一千五百人削られているということなんですね。一体これで、国鉄はこんなにまで削減をしてしまって輸送の安全性の問題は大丈夫なんだろうかと、こういう実は危惧が出てくるわけでありますが、この点についていかがですか。
  37. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 全般にわたりますが、安全問題は輸送に携わる者の最も基本的な課題であるというふうに思っております。したがいまして、合理化等効率的な運営を目指す場合におきましても安全面を最も重視いたしましてチェックをしているところでございます。新しい技術の開発なり科学的な管理手法というようなものの開発に伴いまして、車両とか線路、そういうような検査方式等々効率化を進めてきたわけでございますが、安全性の確保についてはもう十二分に裏打ちをしながら万全を期しておるところでございまして、数字でトレースをいたしますと、こうした合理化を実施しつつも、なおまた車両とか設備の故障による運転事故あるいは列車の遅延というような点、こういうことがあってはならないということで数字を見ますが、合理化の実施に伴いましてそうした数字もむしろ減少をしておるというふうに私どもチェックをしておるところでございまして、これからも十分に安全性を確かめながら諸般の合理化を進めていく所存でございます。
  38. 赤桐操

    赤桐操君 いろいろ総裁の御答弁をいただいておるわけでありますけれども、削減をした分についてはこれは外注以外にはないわけですから、外注に相当比重がかかってきていると思います。それで、私が心配するのは分割・民営で経済効果を求めていく、その効率を求めていくことはわかりますが、これが優先となって安全保守が軽視される。そうして結果的には、やはり外注でありますから、受けた方はそろばんに合わなければこれは手を抜かざるを得ないわけですから、そういう問題が必ずこれは伴っていると思うのです。そうではないんだ、軽視するようなことはあり得ない、こう言われるならば、その担保はどこにございますか。保証されますか。
  39. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) ただいま申し上げましたように、安全というものは輸送業務に携わる者の基本でございます。これが経営形態のいかんにかかわらず絶対に必要であるというふうに思いますが、今回民営化した場合におきましても、やはりお客さんの信頼性という観点からいいますと、事故がない安全輸送ということが第一であり、営利を追求する余り安全を無視するということはあり得ない、逆さまなことではないかというふうに思います。私ども国鉄内部におきましても常時事故防止対策委員会を開いておりまして、ここでいろんな問題を検討してまいってきておりますが、なお民間企業の例としまして私鉄と比べておりますが、私鉄は営利企業ではございますが、こうした安全面で十分に配慮をいたしまして、むしろ安全性の高い輸送を行っているという、数字で見ますとそういう実績がございます。したがいまして、民間企業になったらば危ないんじゃないかというふうな懸念はないんじゃないかというふうに思います。
  40. 赤桐操

    赤桐操君 民間企業民間企業でやっていると思うのでありますけれども、今まで十一万名でしょう。六十二年度では四万名、今日まで削られたのは七万一千人ですから、昭和五十五年当時から見るならば七万人減って、当時は十一万人から十二万人でやっておった。それがどんどん外注に出されて常時おる者は四万名だと、こういうことになるわけであります。まさに三分の一に減るわけでありまするから私たちは、果たしてそれで大丈夫かと、こういうことになるわけであります。むしろ本来なれば直営保守体制が必要なのではないか、こういうように考えて私たちは実は憂慮をしているというのが実情だということであります。これは私どもの考え方でありまして、十分にひとつ御検討を願いたいと思います。  それから鉄道技研の関係について伺っておきたいと思いますが、鉄道技研の方の予算状況等も見まして、いろいろ私は、例えば電電等における予算その他研究施設に対するものと比較いたしまして非常に、この程度でよいのかなと実は考えておるところでありますが、特に六社に分かれると各社のそれぞれ置かれる立場が違ってくる。そういう中から出てくる技術研究に望む、求めるところのテーマ、ニーズが違ってくるのではないか。そうすると、必ずしも今まで一本化されたような形の中から出てきているものではありませんから、そこにいろいろ問題が発生するのではないだろうかと思うのでありますが、この点はいかがですか。
  41. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 今まで運輸当局から御答弁申し上げましたように、新しい鉄道の技術のあり方につきましては、現在の鉄道技術研究所、これを財団法人としてしっかりと残していくという方向でございます。その場合におきまして、今先生御懸念のような、従来の一貫した形の鉄道技術というものがどうかという御懸念があろうかと思います。各社にまたがってしまうということで技術分散という問題があるわけでございますが、こうした点におきましては、財団法人として残すことによってこれを中核として技術を守っていきたい。  それから各旅客会社等の関係でございますが、財団の経営を各旅客会社等の一定基準の分担金で財政の基盤を確立したいということ、あるいはまた、いわゆるこうした現場を持つ旅客部門と研究所の間におきまして人事交流を適切に行うというようなこと、あるいはまた、財団の運営に対して経営陣を参画させるというようなこと等々、両者の関係を緊密に保つことによりまして、基礎研究と応用研究、応用技術というものをよくその連携を保つようにしてまいりたいというふうに思っております。
  42. 赤桐操

    赤桐操君 それぞれの会社から金が出ることは当然だと思いますが、問題は、分割・民営の中で開発部門が一つ独立するということになるわけでありまして、国鉄の場合には電電の場合とは異なりまして現業と切断した格好になるのではないかと思うんですね。しかも、負担金が各社から出てくる、ニーズが、背景がみんな違っている。そういうような位置づけの中で果たして強力な開発力が出てくるのだろうかと、こういう意味なんですよ、私が今申し上げていることは。これは、私も実は電電の方の開発、あるいはKDDなんかの研究施設、こうしたものを十分今日までいろいろ見てきておりますので、それと比較して申し上げておるわけなんですけれども、分かれていったときにうまくいくのだろうか。人事交流等も配慮なさっているようですけれども、果たしてその程度のことでいくのだろうか。あの研究所というのは難しいんですからね。そういうように実は大変私は配慮すべきものがあるように思うので今指摘をいたしているわけなんですが、重ねてひとつ御答弁願いたいと思うんです。
  43. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 今御指摘のような御趣旨は十分私ども肝に銘じまして、両者の連携を保ちながら今まで以上の技術水準を保っていきたいというふうに思っております。
  44. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 私は、今委員が御指摘になりました懸念は大変もっともな懸念であると思います。そして、その意味では私は、この研究所が法人格を持ち、設立される段階におきまして一番考えておかなければならないのは、将来に対する研究の膨らみを持たせるために、その組織図をできるだけゆとりを持ったものにしておく、そして新たな技術分野に進出し得る余地を当初から策定しておくことが一つの問題点だと思います。同時に、今委員が御心配になりました各旅客会社の現業部門との連携といった部分につきましては、私は先国会でありましたか、先々国会でありましたかちょっと忘れましたが、大変御苦労をいただき成立をさせていただきました研究交流促進法の規定等を利用することによりまして十分研究所として機能し得る、むしろスタート時において内部の機構図をゆとりのないものにしないようにしておけば十分機能すると私は考えておりますので、その辺の工夫もしてまいりたいと、そのように考えております。
  45. 赤桐操

    赤桐操君 最後に私は、保守と技術開発というのはこれからの国鉄の生命線だと思うんです。これは電電が研究施設に大きな比重を置いているのと同じだと思うんですよ。そういう状況の中で、国鉄の場合には、保守は切断をして外注、さらに頭になるところの研究所についてはこれは現業から切り離してしまう。しかも、背景は電電と違って六つに分かれている。こういう大体頭と足が切り離されたような格好の中でこれから国鉄が動いていくことになるんですね。このことについて私は、そういう立場に立った本格的なやはり検討を加える必要があるだろうということを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
  46. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 私は、国鉄共済年金一つに問題点を絞りまして質疑を行いたいと思います。  一つは、財政調整期間中、六十年から六十四年における収支の見通しと赤字負担の問題が大きなものだと思っております。もう一点は、昭和六十五年度以後における年金財政の見通しの問題でございます。この二点とも今日までの審議の御答弁ではもう一つの点がございますので、明確にお答えをいただきたいと思うわけでございます。順次質問に移らしていただきます。  財政調整五カ年計画期間中は、次の対応策で年金の支給がなされております。それは、一つは、国鉄の自助努力といたしまして、一、保険料の引き上げ、標準報酬に対する率千分の八十四・九五から千分の十二・〇五引き上げております。二番目には、他の共済に比べて年金水準が一割程度低くなるまで年金のスライドを行わない。三番目には、六十一年の四月改正の年金制度に基づく三階建て支給方式のうち、三階部分の職域年金部分は支給しない、ただし財政調整期間中と、こういう形でございます。  大きな二としては、国家公務員等、NTT、日本たばこ株式会社を含む、の援助については、六十年から六十四年の五カ年間年平均四百五十億円援助してもらうことになっており、これは公務員一人当たり平均一万五千円の援助でございます。  こうした対応策で今日まで進捗してきたところでありますが、この期間の年金財政見通しは、御承知のように、国鉄職員三十二万人体制をベースに算定されてきたものでありました。したがって、今日から六十四年度にかけて徐々に退職され二十一万五千人体制になるわけでございますけれども、約十万人の縮減が行われているのでございます。このため、財政調整期間にあっても、さらに年平均七百億円の赤字が出ると予想されております。これに対する対応策、こういう問題について二点あろうかと思います。自助努力をするのか、さらに援助増額を図るのか、こういう二点について、まず運輸大臣にお伺いをしたいと思います。
  47. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 共済について私なりにいろいろ感ずることはございますけれども、すぐれて主管が私ではございませんので、その答弁は私から責任を持ってお答えすることについては差し控えさせていただきたいと思いますので、御了解を願います。
  48. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 では、大蔵大臣、この件について伺いたいと思います。
  49. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) よく御承知のことではございますけれども、昭和六十年の十一月の二十八日に、これにつきましては政府といたしまして統一見解を申し上げたところでございます。それに従いまして昭和六十四年度までの分につきましては今年度中に結論を出さなければなりませんが、それにつきましては、「国鉄の自助努力と国の負担を含め、諸般の検討を加え、支払いに支障のないようにいたします。」ということを申し上げておりまして、この統一見解に基づきまして関係四閣僚、年金担当大臣である斎藤大臣をいわば座長というような形にいたしまして、官房長官、運輸大臣、私とで何度か協議を続けておるところでございます。  したがいまして、この結論を今年度中に出すという過程の問題で、今その途中の問題でございますので、このメンバーの一人としての私という意味でお答えを申し上げるわけでございますけれども、先ほどお話しのように、自助努力というものはかなり一生懸命なされてきた。給付の面におきましても負担の面におきましても、先ほどおっしゃいましたような努力がなされてまいりましたし、また他からの財政調整も受けておる。こういう状況でありまして、これ以上給付の面あるいは負担の面でさらに厳しい努力を具体的に求めるということは、現実の問題としてはなかなか容易なことではあるまいというふうに私としては思っております。
  50. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 前後しますが、現場の長として総裁に伺いたいと思いますが、あなたも御承知のように、六十年の二月十三日に国家公務員等共済組合審議会から当時の大蔵大臣に出した財政調整五カ年計画の中で今私が質問したような問題もあるわけでございますが、あなたは現場の長でいろいろとまた苦慮されていると思うのでございますけれども、あなたの御意見も伺っておきたいと思います。
  51. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 国鉄の共済年金問題は、大変重要でありながら大変また財政上の問題が非常に厳しい問題でございます。私どもといたしましては、何とか年金がつつがなく支給さしていただけるようにこれはお願いをする立場でございまして、関係の省庁にお願いを申し上げておるところでございます。その限りにおきまして私ども、自助努力といいますか、掛金率の問題あるいは給付水準の問題等々、いわばぎりぎりの最大限の自助努力をしてまいったつもりでございますし、また今後とも最大限の努力をしなきゃならぬと思いますが、次第にこれも限界に近寄っているようにも思います。政府の御努力に対しまして、心からこれからもお願いを申し上げる次第でございます。
  52. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 今御答弁をいただきましたように、国鉄の自助努力につきましても限界が私はあると思います。そういうことになりますと、今大蔵大臣からも御答弁いただきましたけれども、さらなる将来の方向としてどうするのかということが大きな課題で論議されていると思うわけでございますが、国鉄年金財政見通しの中で積立金はほとんどゼロに近い、こういうふうに私も推定をいたします。そういう中で自助努力もこれは大変難しい問題だな、こういうふうに私なりに思います。  そういたしますと、援助の増額もどうなるのか、こういうふうな問題に論及してくるかと思うのでございますが、そういうふうな中で、一つは国庫の負担、二番目には支給水準の適正化、見直し、三番目には公的年金制度一元化の促進、四番目には公的もしくは民間資金の借入金、五番目には援助、拠出金団体の拡大、こういうふうなものが私はさらに一歩突き進んだ場合に検討されるのではないかなと思うわけでございますが、これについては宮澤大蔵大臣、私が今具体的な項目を挙げましたそういう中についてはどういうふうな御意見がございますでしょうか、伺いたいと思います。
  53. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) さしずめ六十四年度までの問題につきまして、先ほど積立金のことに御言及になったわけでございますが、積立金の残高が六十年度末でほぼ四千二百億円ございます。そこで問題は、この積立金がどの程度に流動性を持っておるかということでございまして、実は先ほど申しました四閣僚の協議の中でまだこの辺のところに十分入っておりませんで、したがいまして、いずれはこの点も検討してまいらなければならないかと私なりには実は思っておるわけでございます。  それからもう一つ大きな問題は、一元化のことをお話しになられまして、これは六十四年度まではともかく、それ以降の問題になりますと必要金額がけた違いに大きくなることが明らかでございますので、現在のような財政調整ではやっていけないであろうということは、先ほどのお話の国家公務員の審議会の答申にもございましたが、恐らくそのとおりであろうと思われます。そういたしますと、これとの関連で一元化ということがどうかというお話で、これにつきましては、六十四年度以降のことは実は政府部内でもどのような機関で、どういう構成員で検討するかということは決まっておりません。ただいま四閣僚というのは六十四年度までのことでございますので、それから後のことをどうするかというのは、恐らくは官房長官を中心にこれからこの六十四年度までの結論が出ました後仕組みを考える問題であろうと思うのでございます。  そういうことでございますから、そういう将来にわたる問題について、一元化というようなことを私が軽率に申し上げることはいわば出過ぎたことであるというふうに考えるわけでございますけれども、ただ、この委員会で過日年金担当大臣であります斎藤大臣がお答えになられましたことを私は拝聴いたしておりました。それによりますと、将来一元化という問題が確かに非常にそれ自身大きな問題としてある。その際に、この国鉄の共済という問題はそれと無関係ではないかもしれない。これがあるから一元化ということを考えるという意味ではない、一元化はそれ自身で大きな問題であるけれども、その際やはりこの問題と無関係ではないかもしれないという趣旨の答弁をされたように承知をいたしておりまして、いずれにいたしましても、そこらのことはまず六十四年度までのことを今年度内に片づけまして、それから後に検討しなければならない問題であろうというふうに私としては見ておるわけでございます。
  54. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 今大蔵大臣もお話しの中で、確かに六十年度末の国鉄共済組合積立金の残高、正確には四千百九十六億円と思いますね。その内訳としても、組合員の住宅ローンや鉄道債券等に二千億、さらに民間就職される方々に対しての厚生年金等への流動というのか、そういう形。そういうことを見ておりますと積立金の残高も非常に少なくなっている。こういう中で、国鉄共済年金に関する政府統一見解、これは六十年の十一月二十八日、衆議院の連合審査のときに出されているわけでございますけれども、非常にやはり長期として明確にしていかなくちゃいけない、具体論をもう一歩進めなくちゃいけない、こういうふうに感じるわけでございます。宮澤大蔵大臣も年金担当の総責任者は斎藤厚生大臣だというようなお話もしきりに出ておりますけれども、厚生大臣としては、私、今五点の具体的な問題点を挙げてみましたけれども、あなたの見解はいかがでございますか、伺いたいと思います。
  55. 斎藤十朗

    国務大臣(斎藤十朗君) 昭和六十五年度以降のことについて主に御質問だろうと思いますし、また年金担当大臣として年金の一元化との関連においてどうかという御質問だろうと思うわけでございます。  ただいま宮澤大蔵大臣からもお話がございましたように、六十五年度以降のことにつきましては、六十四年度までのことについて本年度末までに結論を出し、その後においてどのような仕組みで検討をしていくかということから始まることだろうというふうに思うわけでございますが、年金の一元化につきましては、御承知いただいておりますように、これからの昭和七十年度をめどといたしまして一元化へ向けての調整を図ってまいるということに政府として方針を決めておるところでございます。  これからは主に負担面での調整を図っていくということであると考えておりますが、そういう中で、これまでのそれぞれの制度において、支給開始年齢とかまた支給の水準、また財政方式等によっていろいろ異なる点がありまして、こういった点を調整いたしてまいるということは非常に難しい問題であり、慎重にこれを進めてまいらなければならないというふうに考えております。  そういう中で、当然公的年金としての国鉄共済というものも同時に検討されていくという側面があろうと思っております。同時にまた、もう一つの側面としては、国鉄共済自身の問題としてどうとらえていくか、また現在国家公務員共済等との財政調整をしていただいておりますが、そういう中でどのように考えていくか、また共済年金全体としてどう考えていくかというような一つの側面があろうかと思います。そういった二つの側面が有機的に結合をしていくというようなことも、そういう検討の過程の中ではあろうかというふうに考えておるところでございます。
  56. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 ここで官房長官にもちょっと伺っておきますけれども、今申し上げた六十年十一月二十八日の政府の統一見解でございますけれども、「国の負担を含め、諸般の検討を加え、支払いに支障のないようにいたします。」と明記をされています。統一見解でございますし、支払いに支障を来さないということの約束、そのことと、それから「六十一年度中に結論を得、その後できるだけ速やかに具体的立法措置に入ることといたします。」と記されております。  ですから、一つは、予算編成時までに結論が発表できるのか。それとも、現在までの四大臣会談の中で立法措置を必要と考えていらっしゃるのか。三番目は、立法措置が必要な場合どの国会に提出できる見通しなのか。その他、閣僚懇談会において検討されている内容についても、おわかりのところまで概略御説明をいただきたいと思います。
  57. 後藤田正晴

    国務大臣後藤田正晴君) お話の中にございましたように、現在までは国共済等の財政援助でしのいできているわけでございますけれども国鉄再建監理委員会の線に沿って改革が進められ、人員がどんどん今やめておりますから、当面、六十四年までの処置についても、これは不足を来すということは明らかでございます。そこで、これをどう取り扱うのかということで御案内のような政府の統一見解を出しておるわけでございます。  この統一見解の線に従いまして私どもとしては過去二回関係閣僚の会同を開いて検討をいたしましたが、いずれにいたしましても、この統一見解でお約束をしておるように、六十四年度までの分につきましては、支障のないように政府としては必ず処置をするということはお約束ができると思います。  その際に予算措置を伴うのか、それともまた、立法措置を含めてとも書いてございますが、立法措置を要するのかといったようなことは、検討の過程の中で私どもとしては結論を出したいし、予算措置を必要とすると仮定すれば、これは私は六十二年度予算の編成、つまり十二月までに結論を出さなきゃならぬことになろうと思いますし、それから同時に、その際に立法措置が必要であるということであればこれはまた決めなきゃならぬ、こう思いますが、果たして予算措置を伴わなければ解決ができないのかどうか、また立法措置をとらなければ解決ができないのかどうかということについては、いま少しく検討をさせていただきたい、私はそう思います。しかし、いずれにいたしましても支給に支障を来すといったようなことのないように考えたい、かように思っておるわけでございます。  なお、六十五年度以降については、今斎藤厚生大臣からお話がございましたが、いずれにいたしましても年金一元化ということはこれはもう政府の基本方針でございますから、一元化というのは何を意味するのかといったようないろいろな厄介な問題が、これからも難しい問題が出てくると思いますが、やはり国鉄共済というものも私はこういった年金一元化の流れの中で処理がせられるべきである、これが当然であろう、このように考えております。
  58. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 よろしくお願いをしたいと思います。  次に、関連でございますけれども、一つはこの追加費用と、それから二番目には国鉄共済との財源手当ての問題において一部明確にしておきたいと思います。  衆議院の審議において大蔵大臣は、追加費用と国鉄共済との財源手当てとしては、両方とも長期債務の一環だという意味で国鉄用地売却益で財源手当てをするというふうな答弁の印象を私は受けているわけでございますが、この点をいま一度明確にしておきたいと思います。お伺いします。
  59. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) 衆議院でそのような御質問がございまして、多少御質問とお答えとのやりとりから鮮明を欠いた印象をお持ちになったかと思います。私があの節申し上げようといたしましたのは、いわゆる国鉄長期債務というものを弁済するためには土地の売却といったようなことが財源になるということはもう御存じのとおりでございますが、その長期債務を構成するものとして、ただいまお話しになりました追加負担、それから公経済負担あるいは恩給等々がこれは長期債務になるわけでございますので、そういうものの弁済については、何と申しますか、観念上と申しますか、その見合いの財源として土地処分の代金が財源に充てられるというふうに考えますと、こう申し上げておるわけでございます。
  60. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 運輸大臣にお伺いをしたいと思いますが、追加費用については清算事業団の予算の中で用地売却益その他の収益で手当てをするが、国鉄共済年金財源のためには用地の売却益は運用しないと、こういうふうな答弁のようにも私伺ったように思うのでございますけれども、この点をもう一度明確に御答弁いただきたいと思います。
  61. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 清算事業団における国鉄所有地の売却は、国鉄そのものの長期債務処理のためでありまして、国鉄共済の今後の給付を助けるための売却ではないと私は理解をいたしております。ですから、国鉄共済の今後の運営上生じてまいります赤字に対して、あるいはその負担部分に対してこれを充当することは筋違いかと思います。
  62. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 大蔵大臣、もう一度重ねて伺いたいわけでございますけれども、六十四年までの財源充当として、また二番目には六十五年以降の財源充当として、国鉄公済年金の財源の場合でございますね、国鉄共済年金財源の場合、今申し上げた一つは六十四年までの財源の充当、二番目は六十五年以降の財源充当として国鉄用地売却益を運用する考えであるか否か、もう一回だけ重ねて明確に伺いたいと思うんです。
  63. 宮澤喜一

    国務大臣(宮澤喜一君) 国鉄再建委員会意見によりますと、旧国鉄、すなわち清算事業団でございますが、において処理すべき年金負担等といたしまして、国鉄共済年金の追加費用、国鉄共済年金の公経済負担清算金、恩給負担金、この三つを挙げておりまして、したがいましてそれらが長期債務である。したがって、それらがいわばただいま御指摘の土地売却収入を財源にすることが許される、それに限るというふうに考えておりますので、ただいまのお話しのような場合には土地の代金というものを充当するということではない、こういうふうに思うわけでございます。
  64. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 公的負担についてでございますけれども国鉄以外の他の共済においては国庫負担になっている場合がございます。国鉄共済については、国鉄自身支払ってきた経緯があります。国鉄改革が実施されると予想される六十二年四月一日以降については、本来の国庫負担に戻る場合、こういうふうなことも想定をされることも可能かなとも私は思っております。この負担率、給付の一五・八五%となっておりますけれども、六十年度が五百九十億円、それからずっと経過をしますと六十五年度は八百四十二億円、六十年から六十四年の平均で六百九十三億円、こういうふうな形のものも出ているようでございます。他の共済との整合性があり非常に困難と思う、そういう面も出てくると思いますが、この公的負担の経緯というものにかんがみてみると、この負担率というものを引き上げるわけにはいかないのかなとも、こういうふうに思うわけでございます。  大蔵大臣は六十一年度中に六十四年度までの問題については必ず結論を得るようにしたい、こういうふうな御答弁でもございますけれども、この公的負担という経緯、また負担率引き上げ、こういうふうなものについては大蔵大臣はどのようにお考えでございますか。
  65. 篠沢恭助

    政府委員(篠沢恭助君) 現在、公的年金に対します国庫負担がいろいろございますが、主として公平の観点から基礎年金の三分の一という形で国庫負担を出すということは広く全体的に制度として構築されたわけでございます。基礎年金の三分の一という形で国庫負担が集中されております中で、国鉄共済年金のみについてこの負担割合の引き上げという形をとるということは技術的にもなかなか難しい選択ではないかというふうにも思っておるわけでございます。  現在までのところ、四閣僚の中で国庫負担率の引き上げというような形で議論をしている事実はないわけでございます。
  66. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 六十五年度以後における年金財政の見通しでございますけれども、六十年の六月十八日、衆議院本会議で、国鉄共済年金の財政窮迫について、従来の三共済では不十分として、国鉄共済を救うためには六十五年以降オール年金制度を通して負担を調整する必要があると述べられてもおります。こういうふうな観点の中で、総理大臣にお伺いをしたいのでございますけれども、六十年六月十八日に総理の御答弁もあるわけでございますが、それ以後、十一月二十八日の政府統一見解、こういう形で移行をしてきておりますけれども総理といたしましては六十五年以降どのようなお考えを持っていらっしゃいますか、伺いたいのでございます。
  67. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 今まで各閣僚から御答弁がありましたように、六十四年までの分を四閣僚において本年度中に結論を出してこれを推進する。六十五年以降の問題については、六十四年の結論等をよく見た上で改めて考える、こういうことでいきたいと思っております。
  68. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 国鉄が、戦前戦後、国民の足として、また日本経済の再建に、本当に一分として違わぬ運行の中で、国民の大きな依処として尽くしてきたことは、これは国民を初め関係者の方々がすべて認めているところでございます。そういう意味で私は、戦前戦後の草創期に、日本再建のために本当に国鉄の中で黙々として働いていらっしゃった先輩の方、そしてまた現在お勤めの方々、そういう方々を含めて、この問題というものは、御家庭の生活はもちろんでございますけれども、大きく波及するもので、日本経済に大きく影響する非常に重大な問題でございますので、どうか総理を初め、関係各大臣におかれましても最善の道をつくっていただきたいことをきょうはお願い、要望を申し上げまして質問を終わりたいと思います。
  69. 諫山博

    ○諫山博君 国鉄は、長い間公共交通機関として国民の足を守ってまいりました。採算だけを考えれば到底路線が引けないようなところにも、住民の要求があれば国鉄路線を引いております。営利中心の私鉄ではなかなかこうはいかないと思います。国鉄公共性というのがここにあらわれていると私は考えております。  国鉄公共性を示す一つの事例として、自然災害に際する国鉄対処検討してみました。国鉄が自然災害で被害を受けた例はしばしばあります。この場合に、住民の強い要求があれば採算を度外視してでも路線を回復するということがしばしば行われてきたと思いますが、そういう事実は、国鉄総裁どうでしょうか。
  70. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 毎年自然災害によりまして国鉄の線路等の被害を受けるわけでございますが、それに対しまして速やかな復旧工事を実施いたしておりまして、毎年の事例につきましては先生に御報告を申し上げているとおりでございますが、かなりの金額を投じまして速やかに鉄道を復旧させる努力はしておるところでございます。
  71. 諫山博

    ○諫山博君 私の手元に国鉄の自然災害復旧費の一覧表があります。その一、二を御紹介します。  新潟鉄道管理局の越後線で昭和五十三年六月二十六日に災害が起こり、五億円をかけて復旧しました。これは年間運収が二十二億円で一年間を通しますと六十億円の赤字線です。長野鉄道管理局の小海線というのがあります。昭和五十七年八月二日に二カ所の災害を受けました。復旧費は五億円。昭和六十年七月一日にまた一カ所の災害を受けました。復旧費は一億円。これも赤字路線で、年間の赤字が四十二億円ですけれども、やはり住民の強い要求によってこれは復旧されております。  ローカル線だけではありません。例えば山陰本線。これは経費が収入の三倍になるという赤字線ですけれども、それでもやはり昭和五十五年に十二億円かけて自然災害を復旧しました。五十八年には四件の自然災害があり、七億円をかけて復旧をしております。私は国鉄公共性の一面がここにあらわれていると思いますが、そういう事実は間違いありませんか。
  72. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 今お示しの数字等、事実はそのとおりでございまして、災害復旧に当たりましては一日も早く復旧をし、乗客に不便をかけないようにということで努力をしてまいったところでございます。
  73. 諫山博

    ○諫山博君 営利本位の株式会社でしたらなかなかそうはいかないと思います。例えば国鉄諮問委員会が昭和四十三年に作成した「ローカル線の輸送をいかにするか」という資料があります。この中に、地方中小私鉄の廃止理由が数字で示されていますが、水害、雪害等の被害復旧費の多額のために廃止したというのが全体の六%を占めています。この点は運輸省間違いないでしょうか。
  74. 熊代健

    政府委員熊代健君) 四十三年の国鉄諮問委員会のデータの中に、これはアンケートをやった結果だと思いますが、重複項目を含めての数字として、そういう数字がございます。
  75. 諫山博

    ○諫山博君 国鉄路線廃止されたら、その後はどうなるのか。一言で言ったら、惨たんたるものです。国鉄路線廃止されて、自治体中心の第三セクターによる運行というのが流行しました。しかし、経営的になかなかやっていけません。しかし住民の足を奪ってしまうことはできませんから、これが廃止されると、最終的には市町村代替バスを走らせる。辛うじて市町村の負担と住民の負担で住民の足が確保されているという状況が多くなっております。これは国鉄バスの廃止後も同じような運命です。  そこで、運輸省にお聞きしますけれども、この三年間、国鉄バスが市町村代替バスにかわった例はどのくらいありましょうか。
  76. 須田寛

    説明員(須田寛君) 国鉄の方からお答え申し上げますが、五十八年度につきましては六路線、五自治体で約六十キロメートルでございます。それから五十九年度は十二路線、十二自治体におきまして約二百六十キロメートル、六十年度は十二路線、九自治体で約百三十キロメートル、以上が先生御指摘市町村代替バスに転換した路線でございます。
  77. 諫山博

    ○諫山博君 代替バスになりますと一切の責任は財政力の弱い自治体と地域住民に押しつけられます。国は住民の足を守るという公的責任から完全に身を引いてしまうことになります。しかし代替バスというのも大変です。地方自治体の財政にとっては非常に大きな圧迫になるし、住民にとっても不便です。結局代替バスも運行をやめて、もう自分の足は自分で責任を持て、こういう状態がふえております。こういう実例、つまり市町村代替バスさえ廃止されているという例が相当出てきたと思いますが、その実情はいかがでしょう。
  78. 熊代健

    政府委員熊代健君) 国鉄バスが市町村バスに代替した件数の中での問題ということでなくて、地方バス、一般の民間バスを含めました面につきまして、運輸省としましては、先ほど運輸大臣からもお話しいたしましたように地方バス路線維持ということで努力しておりますが、平均乗車密度が五人未満というところにつきまして、おっしゃるように市町村に代替をしていただいている。その場合は国といたしましても、代替車両の購入費ですとか施設整備費に対する助成並びにその後の運行につきまして補助をし、その維持を図っておるわけですが、それでも、おっしゃるように市町村代替バスの運行もせずにバスが廃止されるというものも、概数で申し上げまして三割から四割程度ございます。
  79. 諫山博

    ○諫山博君 私は、自然災害の問題と、国鉄路線廃止された後どういう惨めな状態が生まれてくるかということを挙げました。それは、公共交通を中心とする国鉄と営利中心の私鉄との違いを理解してもらいたかったからです。  そこで、今までの総理運輸大臣答弁を見ておりますと、国鉄分割民営化された後はもう国鉄は私鉄以上の特別な公共性は不必要だ、私鉄並みの公共性で足りる、こういう考えのように見受けられます。これは輸送の公共性から政府が完全に撤退するものではなかろうかと思います。この点について運輸大臣及び総理見解をお聞きします。
  80. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 今委員からさまざまな例を挙げてお話がございましたが、例えば民間鉄道で例示をさせていただきますならば、昭和五十一年、続いて昭和五十三年と、一遍は集中豪雨により、一遍は伊豆大島近海地震により大被害を受けました伊豆急は、その後きちんと復旧をし、国も相応のお手伝いをし、地域の住民の足として役立っております。  委員が御指摘のように、民間鉄道化をすれば路線災害等を受けた場合にはなくなってしまうと言われる御見解に対して、現実の民間鉄道の例をもってお答えを申し上げます。
  81. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 私鉄といえども、今のお話のように公益性ないしは多少の公共性というものをみんな使命感として持ってやっているのでありまして、いわんや今度の国鉄改革のようないきさつで民間に肩がわりした、そういう場合におきましては、みんな当事者はそれぞれの使命感を持ってやるし、国家もまたこれに対して相応な援助もやるべきもので、住民の皆さんには御迷惑をおかけしないように我々としても努力するつもりでおります。
  82. 諫山博

    ○諫山博君 国鉄分割民営化は、労働者から見れば全員解雇です。労働者に深刻な雇用問題、労働条件の変更をもたらします。この問題で労働組合が団体交渉権を行使できるのは当然のことです。  現在労働組合は、国鉄分割民営化問題、つまり自分たちの職場がなくなる、自分たちがみんな国鉄職員ではなくなる、この問題に対してだれを相手に団体交渉をすればいいのでしょうか。これは総裁にお聞きします。
  83. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 国鉄経営問題その他重要な課題につきましても、今まで各労働組合に対しましてそれぞれ全く公平、平等にお話しをし理解を求めてまいってきているつもりでございます。
  84. 諫山博

    ○諫山博君 重ねて質問しますけれども分割民営化そのもの、国鉄の解体そのものについて、現在団体交渉が行われていますか。
  85. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 今お話し申し上げましたように、国鉄改革の意義、必要性という点につきまして、今までも各組合に対しまして十分にお話し合いをしておるところでございます。
  86. 諫山博

    ○諫山博君 それは正式の団体交渉として進められていますか。
  87. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 法律が通っていない現時点までにおきまして、そうした事項を団体交渉、それになじむかどうかは別といたしまして、団体交渉として取り上げるすべもございません。私どもは、改革の将来性、改革の意義、そうしたものにつきまして、いわゆる忌憚のない話をしようという呼びかけのもとに話をしておるところでございます。
  88. 諫山博

    ○諫山博君 労働者には、言うまでもありませんが憲法で団結権、団体交渉権が保障されています。きのう長崎県の高島炭鉱が閉山されました。非常に残念なことです。しかし、高島炭鉱を閉山するかどうか、解雇をするかどうか、この問題については、憲法及び労働組合法に基づく団体交渉が行われました。これが現在の当然の建前だと思いますけれども労働大臣いかがですか。
  89. 小粥義朗

    政府委員(小粥義朗君) 一般民間企業の場合の例で一般的に申し上げますと、いわゆる人員整理、解雇といった問題についてはこれは団体交渉事項になるわけでございますが、今回の国鉄改革の問題は、いわゆる新会社に移る点についてはその場合には当たらないものというふうに考えております。
  90. 諫山博

    ○諫山博君 結局、労働者にとって最も深刻な職場がなくなる、全員解雇、この問題で国鉄当局は団体交渉はしていないということが明らかになっております。  団体交渉なしで大量解雇というのは日本には実は例があります。それはアメリカの占領中の定員法です。これはマッカーサー指令で行われた定員法で団体交渉権が剥奪されておりました。ところが現在は新憲法が生きているわけです。この状況のもとで、労働者にこれほど影響を与える問題で国鉄当局が団体交渉を拒否している。これはどのような説明をしようとも憲法違反です。運輸大臣、どうですか。
  91. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 今回の国鉄改革におきましては、分割民営化の趣旨を踏まえて、各会社経営環境及び経営基盤に応じて、新たな経営理念と経営体制のもとで新会社を発足させ、地域の実情に応じて積極的な事業運営を行わせることが基本であります。新会社の発足当初から、職員の構成及び労働条件についてその経営方針が反映されるようにするため設立委員採用する形式をとっております。こういう採用形式をとっておりますので、六十二年三月三十一日いっぱい国鉄は存在をするわけでありますが、その後に発足をいたします新たな会社との雇用関係は六十二年四月一日から成立をするわけであります。ですから、六十二年四月一日より以前には国鉄自身の労働条件について国鉄との間で、また六十二年四月一日以降新会社の労働条件について新会社と新会社採用された職員の間で団体交渉が行われるわけでありまして、団体交渉権が侵害されているとは私どもは思っておりません。また、清算事業団に移行する職員につきましては、清算事業団国鉄と同一法人格を継続しておりますので、必要に応じて国鉄または清算事業団との間で団体交渉ができるはずであります。
  92. 諫山博

    ○諫山博君 結局、首切られた後に交渉するなら交渉しなさい、首切るかどうかという問題については団体交渉は受け付けませんというのが国鉄当局労働大臣の一致した見解のように見受けられます。  そこで、問題を変えますけれども、人材活用センターがいかにひどいものであるかということはもう具体的な事例で明らかにされております。ところが、これが労働組合との団体交渉抜きで強行されています。国鉄総裁、人活センターの問題については団体交渉には応じるなという方針をとっているんですか。
  93. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 人活センター問題につきましては、ことしの六月の二十四日、国鉄の当局から事前の説明を国労にいたしております。国労からの申し入れがございまして、延べ六回にわたり事前の論議をしてきたものでございまして、七月の五日になりまして国労は突然協議を打ち切りまして、同日に公労委へ調停申請を行っております。公労委では数回に及びます事情聴取、調停作業を経まして、八月の二十一日に調停案が出され、翌二十二日に労使ともにこれを受諾いたしております。八月の二十七日に国労は当局に申し入れを提出してきたために当局はこれほ対して回答を行っておりますが、それ以後その論議を行ってきたものの、以降組合が何ら提起もなく今日に至っておりますが、その後、十一月の十八日に再び国労から申し入れがございましたので、組合と日程を調整した結果、二十八日、本日でございますが、十三時半より団体交渉を行うこととしておるところでございます。
  94. 諫山博

    ○諫山博君 それは正式な団体交渉ですか。
  95. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 団体交渉でございます。
  96. 諫山博

    ○諫山博君 国鉄の財政危機をつくり出した最大の原因が、日本列島改造論に代表されるでたらめな設備投資であったことは明らかです。その責任は、これを進めてきた自民党の政治と財界です。ところが政府はこの責任と原因に全くほおかぶりをしております。そして公共企業体という経営形態に問題があるかのようなすりかえを行っております。この問題について私は質問すべきことが山ほどありますけれども、私の質問時間は極端に制限されております。こういう世紀の大犯罪がこういうやり方で強行されようとしていることに強く抗議をして、質問を終わります。
  97. 田渕哲也

    田渕哲也君 国鉄分割・民営という、これは我が国の鉄道史上のみならず政治史上でも特筆すべき大事業だと思いますけれども、この法律の成立も間近だというような状況になっております。しかし私は、これは法律が成立したからこの大事業が終わったとは言えないのであって、むしろこれからその大事業が始まろうとしておるのだと思います。そしてこれが将来どういうふうに国民から評価されるかというのは、分割民営化された鉄道が立派にその経営が行われ、役割を果たせるかどうかにかかっていると思うのであります。  そこで、私は、これからの新しい会社がその役割を果たせるには、何といっても新しい会社経営者、あるいは労働者も含めた労使、そういうもののみずからの努力というのがまず第一に肝要だと思うのであります。その場合に一番大事なのはやっぱり労使関係ということではないかと思うのでありますけれども、今までの国鉄労使関係は私は余りにも問題が多過ぎたと思うのであります。そしてその原因は一体どこにあったのか、まずこの点について国鉄総裁にお伺いをしたいと思います。
  98. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 国鉄労使関係におきましては、経営問題、雇用問題等々重要な問題につきまして労使一体となりまして相協調し信頼関係を持ちながら対処してまいりたいというふうに思っておるところでございますが、過去におきましていろいろないきさつ等がございまして、なかなかスムーズにいっておらないのが事実でございます。こうした事実は事実といたしまして、その辺の事情を考えますと、やはり今回の国鉄改革問題のいわば発端でございます国鉄はどうあるべきかという観点に対しまして、労使ともにその点についての見方が非常に甘かったと。いわば、よく言われております親方日の丸的な感触を持ちまして、真剣な対応がなされなかったというところに大きな問題点があったというふうに私は思います。
  99. 田渕哲也

    田渕哲也君 私は、労使関係がうまくいっているとか悪いとかいうのは、もちろん労働組合側自身にも責任はありますけれども、しかし労使関係というのは経営者と労働組合の相互の関係なので、非常に相対的なものだと思うんです。経営者側、職制側、これに私は国鉄の場合非常に大きな問題があったというふうに思いますが、この点はどうお考えですか。
  100. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 今私申し上げましたように、労働組合の見方のみでなしに、むしろ経営者側、管理者側の毅然たる姿勢が必要であったというふうに私は思います。
  101. 田渕哲也

    田渕哲也君 新しい民営化された会社労使関係の望ましいあり方についてどう考えられるか、運輸大臣にお伺いします。
  102. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 目的意識を一つにそろえ、その中において相互が緊密な連携をとりながら鉄道の再生に向けて全力を挙げていただけるような積極的な話し合いのできる環境を保持していただきたい、そう願っております。
  103. 田渕哲也

    田渕哲也君 私は、これからの会社労使関係というのは非常に重要だと思いますが、現状を見るときにこれはなかなか大変だと思うんですね。まず労働組合側を見ても、組合がまだたくさん分かれておる。それから特に分割・民営というような大きな変化に際して、職場の組合員そのものも非常な激動の渦の中に巻き込まれておる、さまざまな不安というものもあろうかと思います。もちろんこういう中から新会社として立ち上がっていく、また労働組合としても立ち上がっていくには、非常な労働組合側の努力というものも重要だと思うんです。しかし、先ほど申し上げましたように、労使関係はやはり経営者側と労働組合側との双方から成り立っておるという点から考えますと、私は新しい会社経営者あるいは職制、そういうもののあり方というものが非常に大きな影響を持つと思うのであります。  そこで総理にお伺いしますけれども、新会社経営者というのはどういうことが備わっていなければならない、どういうふうにお考えか、お伺いしたいと思います。
  104. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) やはり新しくできる旅客会社は、我が国の産業面におきましても社会面におきましても相当大きな責任を持つと思うのでありますから、そういう意味の責任感に徹しているということ、それから民間的手法を取り入れた効率的経営というものを十全に果たし得るという見識と手腕を持っているということ、それからいわゆる労使協調路線、これを十分にこなし得るだけの力を持っておる人、こういうような性格を持った人が望ましいと考えております。
  105. 田渕哲也

    田渕哲也君 やはり民間経営者として立派な経営理念というものを持っておられる、それと同時に私は、労働組合あるいは働く人たちから信頼される人でないといけないというふうに思うわけであります。  そこで、この間国鉄総裁は、新会社に移る現在の国鉄の高級管理職というのは大体半分ぐらいだろうということをおっしゃいました。これの、だれが移ってだれが移らないかという人選はどうして決めるわけですか。
  106. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 管理者といいましても、一般職員の管理者でございますから、新会社へ行くべき採用の方法というものは、法律に示されました設立委員採用基準によりまして、設立委員によりまして選定をされていく、こういうことに相なるわけでございますが、その過程におきまして、国鉄設立委員の補助者といたしまして選定をし、名簿をつくり、提出をするという手順を踏んでまいることになるわけでございます。
  107. 田渕哲也

    田渕哲也君 もちろんそういう管理職の方は、それぞれの専門的な仕事における能力、そういうものが評価される要素になろうかと思いますけれども、同時に、たくさんの職員を使っていく立場にあるわけですから、やはり労働組合にも信頼される、そして立派な労使関係をつくる相手側である、そういう資格を備えた方でなければならないと思うんです。そういう面も十分配慮して新しい会社労使関係が健全にやっていけるような人選をしていただくようにお願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  108. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 設立委員採用条件に適合し、かつまた今先生おっしゃいましたような新会社にふさわしい有能な人材、立派な人材を私どもは選出したいというふうに思っております。
  109. 田渕哲也

    田渕哲也君 それから新会社がうまくいく第一は、今申し上げました自助努力労使努力ということが基本になりますけれども、私は第二は、やはり前にも申し上げましたように、政治の介入をできるだけ排除して、経営の自主性が尊重されることではないかと思います。整備新幹線をどうするかというような問題もありますけれども、そういうやり方を誤りますと、せっかくの分割民営化ということも仏をつくって魂入れずという結果になりかねない。私は、その意味で新しい会社というものの経営の自主性というものを尊重するためには、政治としてもそれだけ自制というか、節度を持った態度が必要だと思いますけれども総理のお考えをお伺いしたいと思います。
  110. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 確かに、政治が干渉がましいことをやるということは厳に抑制しなけりゃならぬと思います。今回の分割民営化の趣旨、精神そのものは、やはり民間精神に立ってそして民間固有の手法によって効率的経営を上げようと、そこに大きな眼目の一つがあるわけでございまして、政治がいろいろ横から口を差し挟むようなことは厳に戒めなければならないと思います。
  111. 田渕哲也

    田渕哲也君 それともう一つ、この分割・民営が本当はすばらしいことであった、やっぱり中曽根総理は立派な総理であったと国民が評価するにはもう一つの要素がある。これはやっぱり国民負担の将来の問題だと思うんです。今までの国鉄は、年間二兆円を超える、結果においては国の助成と国鉄の出す赤字で二兆円を超すものを国民に負担をさせざるを得ない状態になっておるわけでありますけれども、将来これが果たしてどうなるのか。現在の十四・七兆円の債務の償還だけでも、三十年の年賦で返すと年間約一兆二千億と言われておりますが、さらにこれからもし新幹線建設等で公共事業でやるということになると、その負担もばかにならない。せっかく分割・民営をやったけれども国民の負担というのはちっとも軽くならないではないかということでは私は困ると思うんですけれども、この将来の点について総理はどのように考えておられますか。
  112. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 願わくは清算事業団において適切な処理をして、できるだけ公的負担を早く返済して、そして国民負担を軽減するように財産処分そのほかを適正に行う、それから旅客会社及び貨物会社がそれぞれ適切な運営をやって成績を上げていただく。そういうことによりまして国民負担あるいは運賃の値上げというものをできるだけ回避できるようにさせていきたいと思っております。
  113. 田渕哲也

    田渕哲也君 最後に、何といいましても国鉄分割・民営は行革の中の大きな目玉だと言われておりましたけれども、私は、そうはいっても、国鉄分割・民営ができたから行革は終わりということでは困ると思うんです。まだまだ行政改革はやるべきことがあるわけでありますから、これで何となく行革は終わったというようなことではなくて、より一層行政改革の推進を図っていただくようにお願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  114. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) いわゆる土光臨調以来、我々に指示されました改革の項目はまだたくさんございます。その中のある部分を今完遂しつつあるのでありまして、国鉄の問題にいたしましても、今回法律を通していただいてそれを実行するということでも、路線ができたというだけで、汽車を走らせるというこれからの大事業があるわけでございます。そういう意味におきましても行革は大事業でございまして、ほんのまだ一部をやっているにすぎない。私は前から、今次の行革は三代の内閣、十年の仕事であると申しております。そのように長期不抜の精神を持って着実に一つ一つ片づけてまいらなければならないと思っております。
  115. 田渕哲也

    田渕哲也君 終わります。
  116. 秋山肇

    秋山肇君 先ほど共産党さんから時間が制約をされているというお話でありましたけれども、私も持ち時間が大変少のうございますから、最初に私の考えを含めまして質問をいたしますので、総理並びに運輸大臣、そして総裁からお答えをいただきたいと思うわけでございます。  これまでの委員会の論議、そしてまた先日の汐留、東京駅周辺の現地視察にも参加をいたしてまいりました。国鉄が今まで果たした役割というものに対しては大変大きなものがあるということを感じるわけですが、その中でも、今度の民営に移行するいろいろな論議の中で、前向きな答弁も感じられますが、相変わらず親方日の丸的だなというふうに感じることも多いわけであります。特に、大きな赤字を抱えているから多少のことはもうやっても再建の役に立たないというような、私から感じると、何かふてくされているような部分もあるわけですけれども、現実の問題として、国鉄の退職者、いわゆるOBに優待パス、そして割引券が出されているというわけでありますけれども、どのような人にどう出されているかという問題を総裁からお聞きしたいし、また国会法三十七条によって規定されております私ども国会議員へのパスという問題も、これが民営になったときにどうなるかというようなこともあるわけですが、お金にすれば大したことはないと言われればそれまでですが、こういうことがこれからの民営の大きなかぎになる。普通の企業においては、景気が悪い、会社の業績が悪いというときには、鉛筆一本、紙一枚というものの節約から始めるわけでありますけれども、この点につきまして、先ほど申し上げました総理運輸大臣、そして総裁からお答えをいただきたいと思います。
  117. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) それではまず私から、国会議員国鉄無賃乗車、すなわち国会法三十七条に関する部分の御答弁を申し上げます。  国会法三十七条は国会議員国鉄無賃乗車について規定したものでありまして、「日本国有鉄道」という文字が用いられております。しかし、実はこの法律の扱いというものは、その内容から見て、国会において御判断をいただくことが適切と考えられますので、今回の政府提案によります日本国有鉄道改革法等施行法案では改正をいたしませんでした。これはあくまでも院の御判断というものを先行させていただくべきものだと私は思っております。  そこで、民営化後のこの国会法第三十七条の規定に基づきます議員パスの取り扱いにつきましては、現在国会自身において対応策を御検討いただいており、またしかるべき処理がされると考えておりまして、既に御検討に入っていただいておると私は承知いたしております。今後、衆参の議院運営委員会等々の場におきまして具体的な対応の検討がされ、しかるべき時期に何らかの結論が得られ、院の意思が示されるものと私は理解をいたしております。
  118. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 国鉄のOBに対します運賃料金の割引について申し上げます。  現規程によりまして、国鉄に二十四年以上在職した者につきまして、OBになりました人には年間六枚五割引の措置を講じております。  こうした割引券の取り扱いにつきましては、基本的にはそれぞれの旅客会社におきましてどうすべきかを決定していただくことになろうかと思いますが、今の段階での気持ちといたしましては、この制度が大変長い間継続してきたということ、それから国鉄職員、OBの間で気持ちの上あるいは実際上定着してきた制度であるということ、それからもう一つは、国鉄が今度は清算事業団というような仕組みで鉄道業務に従事しない職員を抱える、そういう新しい組織に移るということ等等、いろんな事情、諸状況変化等々も含めまして検討を進めているところでございます。
  119. 秋山肇

    秋山肇君 今の総裁のお答えを聞いていますと、国民がそれでは国鉄改革について負担をするものというのは大きなものがあるわけですね。国民の皆さんに対して、それは長年の慣行である、新会社判断に任せるということですけれども、それでは国民の皆さんというのはなかなか納得しない、私自身も納得しかねるわけであります。この点について総理から、国民の皆さん方に、それも何回も御答弁で自信のある答弁をいただいておりますけれども、最後に締めくくりということで、お考えも交えながらお答えをいただきたいというふうに思います。
  120. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 民間会社になるわけですから、民間会社のやることについて我々は干渉がましいことは差し控えたいと思いますが、しかし相当な借金をしょった国鉄改革するために今のような民間会社が生まれたわけで、民間会社といえども相当な借金をまだしょっておるわけでありますから、そういう状況にあることをよく自覚されて、国民が納得するようなやり方を各会社がおやりになることが適当であろうと考えております。
  121. 山内一郎

    委員長山内一郎君) 以上をもちまして日本国有鉄道改革法案旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律案新幹線鉄道保有機構法案日本国有鉄道清算事業団法案日本国有鉄道退職希望職員及び日本国有鉄道清算事業団職員の再就職促進に関する特別措置法案鉄道事業法案日本国有鉄道改革法等施行法案及び地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
  122. 山内一郎

    委員長山内一郎君) 静かにしてください。  御異議があるようでございますので、質疑終局について改めて採決を行います。  質疑を終局することに賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  123. 山内一郎

    委員長山内一郎君) 多数と認めます。よって、質疑は終局することに決定いたしました。     ─────────────
  124. 諫山博

    ○諫山博君 委員長委員長不信任の動議を提出します。
  125. 山内一郎

    委員長山内一郎君) ただいま諫山博君から、賛成者と連署の上、文書により私、委員長の不信任動議が提出されました。よって、委員長はこの席を譲り、伊江理事に会議を主宰していただきます。(発言する者多し)    〔委員長退席、理事伊江朝雄君着席〕
  126. 伊江朝雄

    ○理事(伊江朝雄君) 静粛に願います。  日本国有鉄道改革に関する特別委員長山内一郎君不信任の動議を議題といたします。  まず、提出者から本動議の趣旨説明を願います。簡潔に。諫山君。
  127. 諫山博

    ○諫山博君 私は、国鉄特別委員会委員長山内一郎君不信任の動議を提出いたします。  本委員会は、委員長山内一郎君を信任せず。  以下、右動議提出の理由を申し上げます。  ただいま議題となっている国鉄関連八法案は、百十四年の歴史を持って国民とともに生きてきた国鉄を解体、分割民営化するもので、我が国の産業、経済及び国民生活、福祉、文化に深刻かつ重大な影響をもたらすものであります。そのため我が党は、本法案の重要性にかんがみ、審議を尽くすことこそ国会の責務であることを一貫して主張し、十月二十九日には審議についての提案を行い、総括質問委員一人五時間以上、いわゆる一般質問、法案別、テーマ別審議を尽くす要求をいたしました。  このことは、本法案がこれまでの審議でも、国鉄経営破綻の原因と責任を初め、国民の交通権、運賃の毎年値上げ、累積債務国民負担への転嫁、憲法に基づく労働者の権利、国鉄所有地を含む財産処分等々の重大な問題点が浮かび上がったのみで、その国民本位の解決策はいまだ明確な姿で確立されていないことによってもその妥当性は明らかであります。審議が尽くされていない状況は、以下に述べる点を見ても極めて明白です。
  128. 伊江朝雄

    ○理事(伊江朝雄君) 諫山君、諫山君、簡潔に願います。
  129. 諫山博

    ○諫山博君 第一に、本法案の最大の根拠になっている公社制度と全国一元的運営という国鉄経営形態原因説は、何ら実証されてはいないのであります。鉄建公団に赤字線をつくらせて……
  130. 伊江朝雄

    ○理事(伊江朝雄君) 討論じゃございません。諫山君、簡潔に願います。
  131. 諫山博

    ○諫山博君 そのツケをすべて国鉄にかぶせるという外部干渉を政府自身がやっておきながら、なぜ外部干渉された方が責任を問われるのか、政府は何らまともな答弁ができないのであります。  さらに、一九七三年の田中内閣の閣議決定によって借金による設備投資の一挙三倍化を押しつけられたのでありますが、でたらめな見通しに基づいて巨額の……
  132. 伊江朝雄

    ○理事(伊江朝雄君) 諫山君、諫山君、委員長から注意をいたします。討論ではありません。簡潔に願いたい。
  133. 諫山博

    ○諫山博君 簡潔にやっております。  これがなぜ国鉄、公社形態責任と原因があるのか。公社形態に何の関係もないことは明白であります。変えるべきは経営形態ではなく、政府の政策ではないのか。こういう我が党議員質問に対して政府は、私どもの感覚とかみ合わないところを感じておりますという答弁であります。これでは何の答えにもなっておりません。現在の国鉄再建法に基づく経営改善計画は、後のない計画という意味で……(発言する者多し)
  134. 伊江朝雄

    ○理事(伊江朝雄君) 委員長から注意をいたします、諌山君、これで三度目。注意します、三度目ですよ。委員長からまたもう一遍発言の点について注意いたします。討論ではございません。
  135. 諫山博

    ○諫山博君 委員長山内一郎君は、この国民の期待を無視し、我が党の提案を拒否して、わずか四十八時間の審議でこの重大法案を議了させようとしています。(発言する者多し)
  136. 伊江朝雄

    ○理事(伊江朝雄君) 諫山君、諫山君、諫山君の動議の発言をもう許しません。
  137. 諫山博

    ○諫山博君 これは審議を尽くさないものでありまして、私たちとしては、到底委員長を信任することはできません。
  138. 伊江朝雄

    ○理事(伊江朝雄君) これより採決を行います。  日本国有鉄道改革に関する特別委員長山内一郎君不信任の動議に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  139. 伊江朝雄

    ○理事(伊江朝雄君) 起立少数と認めます。よって、本動議は賛成少数により否決されました。  委員長の復席を願います。    〔理事伊江朝雄君退席、委員長着席〕     ─────────────
  140. 山内一郎

    委員長山内一郎君) それでは、これより各案について討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  141. 赤桐操

    赤桐操君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました政府提出の国鉄改革関連八法案につきまして、反対の討論を行います。  明治以来、百十余年にわたって営々として築いてまいりました国鉄は、まさに一億二千万国民共有のかけがえのない財産であり、未来永久に継承すべきものであります。その国鉄分割民営化が、今日ただいま、極めて短時間かつ不十分な審議をもちまして決定されようといたしております。  私ども日本社会党は、政府分割民営化案を国会に提出する以前において、全国民にこの問題を真剣に考えていただくよう提起をいたし、三千五百万人の反対署名を集約いたし、政府に再考を促すとともに、政府案提出後においては、社会党独自の改革法案を国会に提出いたしましたが、残念ながら今日を迎えることになりました。まことに遺憾にたえないところであります。  さて、私どもが本案に反対いたしておりますのは、第一には、国の国民福祉、国民経済に対する責務に照らし、政府案が極めて安易かつ無責任に国の任務を放棄し、国鉄分割民営化しようとしている点であります。衆議院及び本院を通じての政府答弁をもっていたしましては、真に国民を納得せしむるものとなっておりません。国鉄は巨大過ぎて適正な管理ができないと言われておりますが、むしろ全国ネットワークの機能をより一層充実させるという政策目的のために、先進諸国におきましては統合の趨勢にあることを想起していただきたいと思うのであります。  また、全国画一的な経営は地域のニーズに的確に対応できないと説明されましたが、それは、我が党が提案いたしておりまする分権化によってこそ実現できる課題であり、ばらばらに解体することがニーズに対応する必要条件であるという論理には極めて大きな飛躍があると言わなければなりません。政府案では、地方交通線が住民の期待にこたえて存続されるか否か極めて危惧されるものであります。  さらに、膨大な赤字を抱えているという問題でありますが、一体この赤字の原因は何によるものでありましょうか。国策として押しつけた設備投資を国鉄の借金として背負わせたこと、各年度において的確に財政補てんせず累積するがままにしてきたこと、本来、産業構造や交通環境の変化に対し適切な政策対応を怠ってきたこと、これら赤字の根幹的原因はすべて政府みずからに責任があることであります。しかも、国民の基本的な福祉にかかわる交通は、当然、政府の的確な財政措置によって運営さるべきものであります。  第二に、私たち国鉄における雇用問題を問題にいたしますが、これは単に国鉄のみならず、我が国全体の雇用情勢をも左右する問題であります。国の政策によって国鉄経営形態を強引に変更しようとするとき、極めて乱暴かつ我が国の労働法体系にも合致せず、悪例を残そうとしているのが政府案であります。新会社の要員規模、採用方式、そして現状はおける人材活用センターなど、公共企業体みずからが国民雇用及び労働基本権を侵そうとしているにほかなりません。  今日、円高不況、構造不況に苦しむ石炭、鉄鋼、造船、海運、非鉄金属、さらには自動車、電機に至るあらゆる産業が経営難、雇用不安の状況に置かれているもとで、政府は、これに対し的確かつ強力な対策を推進するはおろか、追い打ちをかけようとしています。また、これは自治体、地域の経済社会を崩壊に追いやろうとしているものでもあります。  既に本委員会におきましてこれらの問題につきましては詳細に指摘してまいりましたが、現在に至るまで何ら国民が納得し得る回答が示されなかったことをここに明らかにいたしたいと思います。国会における審議、とりわけ本院におきましては、地域公共交通、雇用問題その他多くの問題につきまして前進も見られておりますが、しかし、ほとんどの問題が十分に決着されないまま今後に残されていることも事実であります。法案は成立されようとも、これら未解決の問題は、今後とも政府に対し要求をし、追及を続ける決意であります。審議の中で約束された事項、附帯決議を誠実に実行するか否かを厳格に監視してまいりたいと思います。  日本社会党・護憲共同は、以上、政府国鉄分割民営化案に反対をいたしまして、反対討論を終わります。(拍手)
  142. 江島淳

    ○江島淳君 私は、自由民主党を代表いたしまして、内閣提出国鉄改革八法案に賛成の討論を行うものであります。  そもそも国鉄は、百十四年にわたり国の大動脈としての役割を果たしてまいりました。将来の国内輸送においてもなお鉄道は大量、高速、安全という鉄道特性を発揮し得る分野において、国民の重要な交通手段として果たすべき役割は大きく、国民の足として大きな使命を持っておるのであります。しかし、今日の国鉄の財政は、昭和六十年度において一兆八千億円もの赤字を出し、長期債務は二十三兆六千億円にも上っており、このままではやがて日々の鉄道事業の運営そのものまで大きな支障を来すことは明らかであり、早急に抜本的な改革を実施し、国民の期待にこたえ得る鉄道として再生、活性化することは政治の急務と言わねばなりません。  このように国鉄経営が破綻に陥った原因については、多くの複合的な要因によって起こっているのでありますが、最大かつ根本的な原因は、公社制なるがゆえに、あるときは企業性を要求され、あるときは公共性を要求され、時代の変化に機敏に対応することができなかったことにあると思います。したがって、国鉄を再生、活性化させるためには、経営形態そのものの抜本的な改革が不可欠なのであります。その意味におきましても、今回内閣提出国鉄改革法案に基づく改革案は、これによって真に国民のニーズに合った鉄道としてその未来を開き得るための活性剤であると確信するものであります。  しかし、本改革法案は、何といっても百十四年の歴史を有する国鉄分割し、民営化するという大事業であり、法案成立後、来年四月一日に国鉄事業が円滑に新事業体に引き継がれ、新生鉄道としてのスタートが切れるようにするためには、短時間に処理しなければならない問題が山積しております。政府並びに国鉄当局は不退転の決意を持って事に当たると同時に、細部にわたりきめ細かい詰めを行い、国民の御期待にも沿い、そして国鉄関係の人々にも、いろいろ苦労したがよかったなと言い得る姿で新事業体が発足し得るよう要望申し上げ、私の賛成の討論を終わります。(拍手)
  143. 市川正一

    ○市川正一君 私は、日本共産党を代表して、日本国有鉄道改革法案など八法案の質疑打ち切り、採決に対して強く抗議し、反対の討論を行うものであります。  百十四年の歴史を持ち、今後もますますその公共的使命を発揮しなければならない日本国有鉄道の命脈を絶ち、その経営形態を根底から変えようとする重要な法案に対して、審議日数わずか十日間、質疑時間は四十六時間にしかすぎません。さらにまた、我が党が主張してきた法案別審議やテーマ別審議、あるいは集中審議すら実施されぬまま、伝えられる会期延長が想定されているその寸前に、あえて採決を強行するような暴挙を断固糾弾するものであります。  次に、反対の理由を述べます。  第一に、国鉄赤字の原因と責任は、歴代自民党政府の政策にあることは明々白々であるにもかかわらず、本法案はこれをすりかえ、公社制度と全国一元的運営という国鉄経営形態責任を押しつけ、分割民営化の最大の口実にいたしていることであります。  しかしながら、国鉄分割民営化の出発点となった臨調答申は、政府国鉄が進めてきた国鉄経営改善計画の達成が困難なことを分割民営化の重要な論拠にしておりました。ところが、経営改善計画の目標は超過達成されており、臨調の見通しと論拠は今や崩れ去ったのであります。さらに、政府、監理委員会が公社制は外部干渉を避けがたい体質だとする議論も、外部干渉を行ったものは政府・自民党であり、干渉した方が免罪され、干渉された方が責任を問われるというまさに本末転倒の論理であります。  第二に、国鉄分割民営化は、国民に対する公共交通サービスを保障するという国の責任を放棄し、全国的な公共鉄道網の寸断と相次ぐ運賃値上げなどによって国民生活へのはかり知れない打撃をもたらすからであります。さらに、人減らし合理化は国鉄労働者に対して非人間的な労働強化を押しつけ、輸送の安全さえ脅かすものであります。  第三に、本法案は労働基本権をじゅうりんし、国鉄労働者の事実上の全員解雇と不法、不当な差別、選別を強行するための極めて反動的な違憲立法であります。そのねらいは国民とともに国民の足、国鉄を守るために闘っている労働者、労働組合を分断し解体することにあり、憲法と民主主義の名において断じて許されないものであります。  第四に、国鉄分割民営化によって、国民の共有財産である莫大な国鉄資産が財界、大企業の利潤追求の手段に供せられることであります。  最後に、日本共産党は世界の大勢にも逆行する国鉄分割民営化にあくまでも反対し、広範な国民、労働者と共同、連帯して闘うものであることを表明し、反対討論を終わります。(拍手)
  144. 鶴岡洋

    ○鶴岡洋君 私は、公明党・国民会議を代表して、日本国有鉄道改革法案など国鉄改革関連法案について賛成の立場から討論を行うものであります。  国鉄歴史は今日まで実に百十四年にわたり、国民の足として国内の基幹輸送の使命を担ってまいりました。しかし、国鉄経営は昭和三十九年に赤字となって以来年々悪化し、長期累積債務は六十年度末で二十三兆五千億円にも上っております。政府は、国鉄経営再建のため昭和四十四年度以来幾度となく再建策を講じてきました。しかし、その再建策はいずれも失敗に終わったのであります。  毎年大幅な赤字を続ける国鉄をこのまま放置すれば、鉄道事業に重大な支障を来すのみならず、その巨額の債務赤字国民に過大な負担となってはね返ることは明白であります。それゆえに、国民の大多数は国鉄再生の道はもはや民営・分割以外ないというのが国民世論の大勢であります。我が党は、この公社制を改め、民営化することを基本としてその企業効率性が図られるよう、経営規模を適正化する民営・分割による国鉄改革案を提示してまいりました。  なお、分割の規模や貨物事業のあり方については、我が党の独自の考えもあり、いずれも国鉄改革の一つの選択肢としてそのような考えも存在すると考えます。  しかし、民営・分割はまさに鉄道経営の根幹にかかわる大改革であり、今日までの赤字体質を改善するためには民営・分割による改革以外にないとの基本認識では政府案と本質的に大きく異なるものではありません。したがって、我々の改革案に固執することは改革への千載一遇の機会を見失うことになり、同時に国民の期待にこたえるためにも、法案の成立は必要との判断に立ち、大局的観点から賛成することにしたのであります。  また、今回の改革は、これまでの国鉄再建策にかかわる鉄道事業の大改革であり、その成否は今後の新会社経営努力や国の施策、地方公共団体国民全体の協力を前提としており、しかも当委員会指摘したように、長期債務処理、新会社経営見通し、雇用対策等不確定な要素をはらんでいることも事実であります。したがって、法案通過後の改革の行方について厳に見守り、適切な処置を講ずることがぜひとも必要となってくるのであります。その意味で、衆議院の審議において我が党が主張した改革後の施行状況国会報告義務が追加されたことは、まことに適切な修正であると評価するものであります。  いずれにしても、国鉄改革は法案成立によって今まさにスタートするのであり、決してゴールではないのであります。したがって、改革の成否は、今後新会社労使努力及び政府の万全の施策いかんにあると言っても過言ではありません。  我々は、国鉄がこの改革によって国民が真に求めている輸送機関として見事に再生していけるよう、今後の経過を厳に見守っていくことを表明して、賛成討論を終わります。(拍手)
  145. 柳澤錬造

    ○柳澤錬造君 私は、民社党・国民連合を代表して、日本国有鉄道改革法案並びにその関連法案に対して賛成討論を行うものであります。  賛成する第一の理由は、国鉄の財政的見地からであります。  国鉄は膨大な累積債務を抱え破産寸前であり、今でも一日六十三億円、年間二兆円を超える赤字を生み出している現状を考えますと、この国鉄改革がおくれればおくれるだけ赤字は増大し、国民の負担がふえるばかりであります。したがって、何としても明年四月一日を期して、みずからの手で責任を持って経営する新会社として発足してほしいと考えるからであります。  第二の理由は、意識の改革を必要としているからであります。  伝統と栄光のあった国鉄も、知らず知らずの間に親方日の丸という言葉で代表されるような体質となってしまいました。この甘えの体質を清算し、労使がお互いに責任感を持って信頼ある労使関係を確立することが必要なのであります。新しい会社の新しい労使が相協力して鉄道企業の活性化を図り、労使努力が成果として実りあるような、自主自立の民間企業体となることを希望するからであります。  第三の理由としては、国民の足を守る鉄道となることを望むからであります。  この改革によって国鉄分割されるので、各新会社に活力が生まれ、住民の声が反映して地域に密着した経営も可能となります。したがって、ローカル線についても新会社と地域住民の知恵できめの細かい対策をとることも可能であり、存続への道が開かれて、真ほ国民の期待にこたえる、国民の足を守る鉄道となると信ずるからであります。  最後に、本法案に賛成ではありますが問題がすべて解明されたわけではありません。例えば新会社への政府の介入が強過ぎないか、新幹線保有機構のあり方は妥当なのか、清算事業団の土地売却はどうなるのか等々、これらについては今後不合理な点を行政面で逐次改善をして、明年四月には国民に喜ばれる新民間会社として発足することを希望して、賛成討論を終わります。(拍手)
  146. 山内一郎

    委員長山内一郎君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  147. 山内一郎

    委員長山内一郎君) 御異議ないと認めます。  これより採決に入ります。  まず、日本国有鉄道改革法案について採決を行います。  本案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  148. 山内一郎

    委員長山内一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定しました。  次に、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  149. 山内一郎

    委員長山内一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定しました。  次に、新幹線鉄道保有機構法案について採決を行います。  本案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  150. 山内一郎

    委員長山内一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定しました。  次に、日本国有鉄道清算事業団法案について採決を行います。  本案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  151. 山内一郎

    委員長山内一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定しました。  次に、日本国有鉄道退職希望職員及び日本国有鉄道清算事業団職員の再就職促進に関する特別措置法案について採決を行います。  本案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  152. 山内一郎

    委員長山内一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定しました。  次に、鉄道事業法案について採決を行います。  本案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  153. 山内一郎

    委員長山内一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定しました。  次に、日本国有鉄道改革法等施行法案について採決を行います。  本案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  154. 山内一郎

    委員長山内一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定しました。  次に、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。本案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕
  155. 山内一郎

    委員長山内一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定しました。  安恒君から発言を求められておりますので、この際これを許します。安恒君。
  156. 安恒良一

    安恒良一君 私は、ただいま可決されました日本国有鉄道改革法案外七案に対しまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新政クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     日本国有鉄道改革法案旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律案新幹線鉄道保有機構法案日本国有鉄道清算事業団法案日本国有鉄道退職希望職員及び日本国有鉄道清算事業団職員の再就職促進に関する特別措置法案鉄道事業法案日本国有鉄道改革法等施行法案並びに地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本国鉄改革関連八法案の施行に当たり、次の事項について配慮すべきである。  一、国及び各旅客鉄道株式会社は、経営の安定と活性化に努めることにより、収支の改善を図り、地域鉄道網を健全に保全し、利用者サービスの向上、運賃及び料金の適正な水準維持に努めるとともに、輸送の安全確保のため万全を期すること。    また、新事業体経営、ダイヤ調整等を見守りつつ、陸海空の交通環境の変化に対応し得るよう総合交通体系の整備確立を推進すること。  二、各旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社の輸送の安全の確保及び災害の防止のための施設の整備・維持、水害・雪害等による災害復旧に必要な資金の確保について特別の配慮を行うこと。  三、各旅客鉄道株式会社等の経営の安定のため、関連事業の積極的な拡大を図るとともに、当該事業分野における中小企業者への影響配慮するため、分野調整法等の趣旨に基づき当該地域における業種団体との調整、公正な競争条件の確保等に努めること。  四、特定地方交通線については、地域の社会経済に与える影響等を慎重に検討するとともに、関係地方公共団体等と十分な協議を経て、その取扱いを定めること。  五、各旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社は、地方公共団体に対し、地方財政再建促進特別措置法第二十四条第二項の趣旨を超えるような負担を求めないこと。  六、日本貨物鉄道株式会社及び通運トラック事業経営安定のため、関係業種団体間の協議調整を図りつつ、その協業化を促進させること。    また、通過トラック事業の関連労働者の雇用の安定のためにも特段の配慮を行うこと。  七、国鉄長期債務等の処理については、六十二年度を含め、各年度の予算において的確な措置を講ずること。    また、各旅客鉄道株式会社等の株式の売却については、公正性の確保等について慎重な検討を行うこと。  八、日本国有鉄道清算事業団に帰属する用地の有効かつ適切な利用の在り方について、慎重かつ公正な検討を行うための必要な措置を講ずること。    また、その処分に当たっては、地価対策、地方公共団体の要望等にも配慮するとともに、その処分方法及び結果について国会報告すること。  九、国鉄改革の実施に当たっては、国鉄職員雇用生活の安定を図るため、次の諸点について十分配慮すること。   (一) 各旅客鉄道株式会社等における職員採用基準及び選定方法については、客観的かつ公正なものとするよう配慮するとともに、本人の希望を尊重し、所属労働組合等による差別等が行われることのないよう特段の留意をすること。   (二) 再就職を必要とする職員については、国の責任において公的部門を初めとする再就職先の確保と必要な援助に万全を期するとともに、公的部門における受入れについては、希望者の意思の尊重、採用目標の達成を図るとともに、国鉄改革実施前に一括して採用決定・内定するよう極力配慮すること。   (三) 北海道九州等の再就職先の確保が極めて困難な地域については、国の援助と各新事業体労使の自助努力等を踏まえ、できる限り清算事業団職員を新事業体に吸収するよう努めるとともに、地域内における再就職先の確保のための雇用対策に係る現行諸制度の弾力的運用等に努めること。   (四) 新事業体及び清算事業団職員の基本的な賃金、労働条件については、国鉄職員時代の実績等をでき得る限り尊重するとともに、国鉄関係労働組合との間で十分な協議が行われるよう配慮すること。   (五) 地域異動者については、生活不安を与えぬよう、公的住宅の確保、在学校の成績証明書の活用など高校の転入学の円滑化等を図ること。  十、国鉄共済年金については、六十四年度までの分について六十年十一月の政府統一見解の趣旨にのっとり、掛金・給付に影響させることなく、国鉄の自助努力と国の責任処理するよう六十一年度中に財源措置について結論を出すこと。    また、六十五年度以降分については、政府部内において早急に検討を行い、関係審議会の意見を踏まえ結論を出すこと。  十一、国鉄改革によって影響を受ける国鉄関連企業経営とその労働者の雇用・労働条件の安定を図るため、関係者間で十分な協議を行うとともに、現行の諸制度を活用してできる限りの配慮を行うこと。  十二、心身障害者の旅客運賃負担の軽減措置が継続されるよう努めるとともに、安全な移動と利用ができるような施設が整備されるよう各旅客鉄道株式会社等に適切な指導をすること。  十三、鉄道技術の研究・開発が支障なく継続され、発展がなされるよう必要な費用を確保することに努めること。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
  157. 山内一郎

    委員長山内一郎君) ただいま安恒君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  158. 山内一郎

    委員長山内一郎君) 多数と認めます。よって、安恒君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、橋本運輸大臣及び葉梨自治大臣から発言を求められておりますので、この際順次これを許します。橋本運輸大臣
  159. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) ただいまは、日本国有鉄道改革法案旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律案新幹線鉄道保有機構法案日本国有鉄道清算事業団法案日本国有鉄道退職希望職員及び日本国有鉄道清算事業団職員の再就職促進に関する特別措置法案鉄道事業法案並びに日本国有鉄道改革法等施行法案につきまして、慎重な御審議の結果御可決いただきましてまことにありがとうございました。  また、附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重し、政府として努力してまいる所存であります。ありがとうございました。
  160. 山内一郎

    委員長山内一郎君) 葉梨自治大臣。
  161. 葉梨信行

    国務大臣葉梨信行君) ただいまは、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、慎重な御審議の上御可決いただきましてまことにありがとうございました。  また、附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して善処してまいりたいと存じます。ありがとうございました。
  162. 山内一郎

    委員長山内一郎君) なお、各法律案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  163. 山内一郎

    委員長山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  164. 山内一郎

    委員長山内一郎君) これより請願の審査を行います。  第三九号国鉄分割民営化反対し、民主的再建は関する請願外二百七十四件を議題といたします。  今国会中本委員会に付託されました請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりでございます。  理事会で協議いたしました結果、付託請願はいずれも保留とすることに意見が一致いたしました。  理事会協議のとおり決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  165. 山内一郎

    委員長山内一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定します。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十九分散会