○水谷
委員 当面する課題にはしっかり取り組んでいっていただきたいと存じます。私が申し上げているのは二十一
世紀という将来の展望の上に立っての話でありまして、これから
交渉につくのに最初から外してもいいなどというような
考え方はとんでもないことでありまして、それはごちゃまぜにしないでいただきたい。ですから、今
局長の答弁がございましたように、これは新しい
農産物貿易のルールづくりの中でも当然主張をしながらしっかりと取り組んでいっていただかなければならぬと思います。それからウエーバー品目についても、これは当時の状況がああいう状況でございましたが、今日においては全く不公平、不平等といいますか、こちらから注文をつけてウエーバー品目を外させてもいいくらいな問題でありますので、それらもひっくるめて、新しい
農産物貿易のルールづくりについては強力に、真剣に取り組んでいただきたい、こう思うわけであります。
次に、
水田農業の
確立ということ、これはポスト三期もひっくるめての問題でございますが、これを中軸に置いてこれからの
日本の
農業の
確立を図られるということについては、私も大変重要であり、ぜひそうあらなければならないと
考えております。冒頭にも申し上げましたけれ
ども、これを
確立していく上においては、いろいろなことがこの中に盛られておりますが、私が全体を通じて見ますと、やはり
規模拡大を図って
生産性を
向上させる、これが大きな柱になってきている。それからまた、
担い手が生産費を償えるような
価格政策というものがもう一つ、こういう形で
農政審の
報告が出ております。
そこで、
規模拡大を図るということについてですが、これは本当に今日まで大変な努力で進めながらなかなか進まなかった。そのためにある論者は、
価格政策をそこへぶつけて、そして中核的な農家が生産費を償えるような
価格にすれば、それを潜るような、赤字経営になるような零細農家は
稲作の経営から手を離して、その農地は貸すか売るか、いわゆる専業農家にその農地が
流動化を起こしていくであろう、こういうふうに言う人もおります。しかし零細農家というのは、いろいろ見てみますと、特に第二種兼業農家というのは、採算を度外視しても先祖伝来の伝統的な
水田を一生懸命に耕す、そういう真剣な取り組みがあったり、またはコスト意識というものについて
考えてみれば、種を買って肥料を買って、自分の労働力なんか全然無視するぐらいでもまだ心配ないんだという
考え方は、特に規模の小さい二兼農家の皆さん方には依然としてあるそうなってくると、
価格政策で例えば現在の
価格が引き下げられるようなことがあったとしても、現実にそれらの
人たちが
稲作経営から離れていくようなことは
考えられない。
またもう一つの
考え方は、現在の専業の
稲作の
担い手と言われる方々は五十から六十を超えておられる、そうすると、あと十年くらいたてば本当に農作業にたえられなくなってそれをどなたかに引き継がなければならない、いわゆる高齢化の進展が
流動化を起こしていく一つの要因になっていくのではないか、こういう
考え方も中にはあります。しかし、これも現在の
稲作経営は非常に省力化されておりまして、ある程度高齢になっても十分たえられる。さらにまた、いわゆる生きがいといいますか、高齢者の生きがいの場としての
稲作経営というものはその
地域においては大事な位置づけになるであろうというようなことをずっと
考えていきますと、現在の政策の
延長線上においてこの
規模拡大を図るということは、先ほど
お話がございましたけれ
ども、本当に
構造政策をよりスピードアップして進めていくというためにはほかにそれなりの
施策を講じていかなければ
考えられないことだ、私はそう思うわけでありますが、具体的にこの
規模拡大を
推進される手法としてどういうようなことをお
考えになっていらっしゃるのか、お尋ねをいたします。