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倉成国務大臣 ただいま
お話しのように、レイキャビクの米ソ首脳
会談というのは世界の注目の的でございましたし、特に
日本にとってもこの
会談の成功を本当に心から期待をしたわけでございます。しかしながら、御案内のとおり、レイキャビクの
会談におきましては、米ソ首脳が合計十時間余、そしてまた専門家の徹夜に及ぶいろいろな問題点の整理等を加えますと、本当にもう寝食を忘れてのいわゆる白熱した
会談であった、両首脳とも、またそのスタッフも、本当に真剣にこの問題に取り組んだと私は思っておる次第でございます。
そしてこの
会談におきましては、戦略核あるいは核実験、人権問題、また地域問題、二国間問題等広範な問題について話し合いが行われたものと
承知しておる次第でございます。特に、軍縮面において合意が至らなかったものの、極めて大きな歩みが見られたことは積極的に私は
評価すべきだと存ずるわけでございます。
一方、同
会議が、ABM制限
条約に関連するSDI問題につき米ソ間の
立場の大きな相違がありまして、最終合意が得られないで散会に至ったということはまことに残念であると存じておる次第でございます。
しかしながら、ただいま
浦野委員もお触れになりましたように、レーガン
大統領は帰国後のスピーチで、今後アメリカはソ連側の用意が整えばジュネーブでの
交渉の場において、今回の首脳会合が終了した時点を
開始点としてさらに前進する用意があるということを述べております。また
ゴルバチョフ書記長も、提案を取り下げはしないということを述べるなど、両国とも、ともに今次会合で見られた進展を踏まえ、対話の
努力を続ける用意がある旨を宣明しておるわけでございますので、その意味におきまして、私は極めて有意義なものであったと存ずるものでございます。
我が国としましては、今後各種の場を通じまして、
米ソ関係の協議が進展してまいりますことを心から期待している次第でございます。
また、この間のいろいろな情報につきましては、アメリカ側からはブラッセルで
日本の代表に対して
説明をいただきまして、その都度詳細な報告をいただいておりますし、またアメリカからは、実は十四日の夜七時ごろ、もう少し早く来る
予定であったのですが、
飛行機の都合で少しおくれたようでございますが、ロウニー大使がレイキャビクからニューヨークに行って、そのまま成田に来て、成田から直行して我が外務省にマンスフィールド大使とともにおいでいただきまして、レイキャビクのこの
会談の件について御報告をちょうだいした次第でございます。
なお、ソ連側からは、十九日にカピッツァ外務次官がおいでになってこの問題についての御
説明をいただくことになっておるわけでございます。また、その間、世界の国々の
外務大臣、首脳が
日本を訪れておられますので、それぞれの事情についてどういう御
意見をお持ちであるかということをいろいろ伺って、情報を収集して
判断をしたいと思っておるのが現状でございます。
私は、
我が国としましては、レーガン
大統領が、西側同盟諸国の
立場に十分配慮を払いつつ真摯な姿勢を貫いて話し合いを行われたことを高く
評価するとともに、引き続き東西
関係解決に向けて
米国の
努力を支援してまいる所存でございます。